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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】中継装置及び中継方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20220112BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20220112BHJP
【FI】
H04L67/00
H04L67/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021107609
(22)【出願日】2021-06-29
(62)【分割の表示】P 2021034543の分割
【原出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2021168165
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-06-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】永井 有希
(72)【発明者】
【氏名】小頭 秀行
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-085676(JP,A)
【文献】特開2009-159573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/00
H04L 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが有するユーザ端末に対して、複数の事業者のうち前記ユーザが契約している事業者の通信装置を介して、企業が管理する企業サーバが送信したメッセージを転送するための中継装置であって、
前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが登録している前記企業又は当該企業が提供するサービスの識別情報と、関連付けて記憶する第1記憶部と、
前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが契約している前記事業者の前記通信装置の識別情報とを関連付けて記憶する第2記憶部と、
前記企業サーバから、前記メッセージを受信する受信部と、
前記第1記憶部において、前記受信部が受信した前記メッセージの送信元である前記企業サーバを管理する前記企業又は当該企業が提供するサービスの識別情報に関連付けられている前記ユーザの識別情報を抽出する抽出部と、
記第2記憶部において前記抽出部が抽出した前記ユーザの識別情報に関連付けられている前記通信装置の識別情報に基づいて、前記複数の事業者のうち前記ユーザが契約している前記事業者の前記通信装置を転送先として特定する特定部と、
前記受信部が受信した前記メッセージを、前記特定部が特定した転送先の前記通信装置へ転送する転送部と、
を有する中継装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記企業サーバから、前記企業が指定した前記メッセージの送信方法を示す情報を受信し、
前記転送部は、前記企業が指定した前記メッセージの送信方法を示す指示を、前記通信装置へ送信する、
請求項に記載の中継装置。
【請求項3】
前記転送部は、前記企業が管理する前記企業サーバから受信した前記メッセージを、当該企業に関連付けられた時間帯に送信する指示を、前記通信装置へ送信する、
請求項1又は2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記メッセージを受信した前記ユーザ端末における前記メッセージに対する操作に対応する情報を、前記メッセージの識別情報と関連付けて記憶部に記憶させる取得部をさらに有する、
請求項1からのいずれか一項に記載の中継装置。
【請求項5】
前記メッセージを受信した前記ユーザ端末において前記メッセージが開封されたか否かに応じて、前記メッセージとは異なるメッセージを、前記通信装置を介して前記ユーザ端末に送信する、
請求項1からのいずれか一項に記載の中継装置。
【請求項6】
ユーザが有するユーザ端末に対して、複数の事業者のうち前記ユーザが契約している事業者の通信装置を介して、企業が管理する企業サーバが送信したメッセージを転送するための中継方法であって、
プロセッサが実行する、
前記企業サーバから、前記メッセージを受信するステップと、
前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが登録している前記企業又は当該企業が提供するサービスの識別情報と、関連付けて記憶する第1記憶部において、前記受信するステップが受信した前記メッセージの送信元である前記企業サーバを管理する前記企業又は当該企業が提供するサービスの識別情報に関連付けられている前記ユーザの識別情報を抽出するステップと、
記ユーザの識別情報と、前記ユーザが契約している前記事業者の前記通信装置の識別情報とを関連付けて記憶する第2記憶部において前記抽出するステップが抽出した前記ユーザの識別情報に関連付けられている前記通信装置の識別情報に基づいて、前記複数の事業者のうち前記ユーザが契約している前記事業者の前記通信装置を転送先として特定するステップと、
前記受信するステップが受信した前記メッセージを、前記特定するステップが特定した転送先の前記通信装置へ転送するステップと、
を有する中継方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージを送受信するためのメッセージングサービスを提供する中継装置及び中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メッセージを送受信するためのメッセージングサービスにおいて、ユーザがユーザ端末上で企業に対してユーザ登録(例えば友達関係を設定することや、個人情報を送信すること等)をすることによって、企業から様々なサービスを受けられるようになるシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-62850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の事業者が、同じメッセージングサービスを提供している場合がある。この場合に、企業は、メッセージングサービスを利用してユーザへメッセージを送信するために、ユーザが現在いずれの事業者と契約しているかを把握する必要がある。そのため、企業にとって、メッセージングサービスにおけるユーザ管理が煩雑であった。
【0005】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザと企業との間でメッセージを送受信するメッセージングサービスにおけるユーザ管理を容易にする中継装置及び中継方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の中継装置は、ユーザが有するユーザ端末に対して、複数の事業者のうち前記ユーザが契約している事業者の通信装置を介して、企業が管理する企業サーバが送信したメッセージを転送するための中継装置であって、前記ユーザの識別情報を記憶する第1記憶部と、前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが契約している前記事業者の前記通信装置の識別情報とを関連付けて記憶する第2記憶部と、前記企業サーバを管理する前記企業の識別情報を記憶する第3記憶部と、前記企業サーバから、前記企業の識別情報及び前記ユーザの識別情報とともに、前記メッセージを受信する受信部と、前記第1記憶部に前記受信部が受信した前記ユーザの識別情報が記憶されており、前記第3記憶部に前記受信部が受信した前記企業の識別情報が記憶されていることを条件として、前記第2記憶部において前記ユーザの識別情報に関連付けられている前記通信装置の識別情報に基づいて、前記複数の事業者のうち前記ユーザが契約している前記事業者の前記通信装置を転送先として特定する特定部と、前記受信部が受信した前記メッセージを、前記特定部が特定した転送先の前記通信装置へ転送する転送部と、を有する。
【0007】
前記第1記憶部は、前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが登録している前記企業の識別情報と、を関連付けて記憶し、前記中継装置は、前記第1記憶部において、前記受信部が受信した前記企業の識別情報に関連付けられている前記ユーザの識別情報を抽出する抽出部をさらに有し、前記特定部は、前記抽出部が抽出した前記ユーザの識別情報に関連付けられている前記通信装置の識別情報に基づいて、転送先の前記通信装置を特定してもよい。
【0008】
前記受信部は、前記企業サーバから、前記企業が指定した前記メッセージの送信方法を示す情報を受信し、前記転送部は、前記企業が指定した前記メッセージの送信方法を示す指示を、前記通信装置へ送信してもよい。
【0009】
前記転送部は、前記企業が管理する前記企業サーバから受信した前記メッセージを、当該企業に関連付けられた時間帯に送信する指示を、前記通信装置へ送信してもよい。
【0010】
前記中継装置は、前記メッセージを受信した前記ユーザ端末における前記メッセージに対する操作に対応する情報を、前記メッセージの識別情報と関連付けて記憶部に記憶させる取得部をさらに有してもよい。
【0011】
前記メッセージを受信した前記ユーザ端末において前記メッセージが開封されたか否かに応じて、前記メッセージとは異なるメッセージを、前記通信装置を介して前記ユーザ端末に送信してもよい。
【0012】
本発明の第1の態様の中継方法は、ユーザが有するユーザ端末に対して、複数の事業者のうち前記ユーザが契約している事業者の通信装置を介して、企業が管理する企業サーバが送信したメッセージを転送するための中継方法であって、プロセッサが実行する、前記企業サーバから、前記企業の識別情報及び前記ユーザの識別情報とともに、前記メッセージを受信するステップと、前記ユーザの識別情報を記憶する第1記憶部に前記受信するステップが受信した前記ユーザの識別情報が記憶されており、前記企業サーバを管理する前記企業の識別情報を記憶する第3記憶部に前記受信するステップが受信した前記企業の識別情報が記憶されていることを条件として、前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが契約している前記事業者の前記通信装置の識別情報とを関連付けて記憶する第2記憶部において前記ユーザの識別情報に関連付けられている前記通信装置の識別情報に基づいて、前記複数の事業者のうち前記ユーザが契約している前記事業者の前記通信装置を転送先として特定するステップと、前記受信するステップが受信した前記メッセージを、前記特定するステップが特定した転送先の前記通信装置へ転送するステップと、を有する。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザと企業との間でメッセージを送受信するメッセージングサービスにおけるユーザ管理が容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る通信システムの模式図である。
図2】実施形態に係る中継サーバ及び事業者サーバのブロック図である。
図3】実施形態に係る企業サーバ及びユーザ端末のブロック図である。
図4】企業情報、事業者情報及び個人情報の模式図である。
図5】実施形態に係る通信システムが行う通信方法の前半部分の模式図である。
図6】実施形態に係る通信システムが行う通信方法の後半部分の模式図である。
図7】実施形態に係る通信システムが行う通信方法の前半部分のシーケンス図である。
図8】実施形態に係る通信システムが行う通信方法の後半部分のシーケンス図である。
図9】ユーザ属性を登録するか否かの選択を受け付ける画面を表示しているユーザ端末の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[通信システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る通信システムSの模式図である。通信システムSは、中継サーバ1と、複数の事業者サーバ2と、企業サーバ3と、ユーザ端末4とを含む。通信システムSが含む事業者サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4の数は限定されない。通信システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0020】
複数の事業者サーバ2(通信装置)は、それぞれ異なる事業者(例えば通信事業者等)が管理するコンピュータである。複数の事業者サーバ2は、それぞれ通信によってメッセージを送受信するためのメッセージングサービス(メッセージサービス、メッセンジャサービスともいう)を、企業サーバ3及びユーザ端末4に提供する。メッセージングサービスは、例えばRCS(Rich Communication Services)である。
【0021】
企業サーバ3は、企業が管理するコンピュータである。企業は、メッセージングサービスの提供を受ける組織である。企業サーバ3は、中継サーバ1との間で通信を行う。企業サーバ3は、中継サーバ1及び事業者サーバ2を介して、ユーザ端末4との間でメッセージを送受信する。
【0022】
ユーザ端末4は、ユーザが有する通信端末である。ユーザ端末4は、例えばパーソナルコンピュータや、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末である。ユーザは、メッセージングサービスの提供を受ける人間である。ユーザ端末4は、複数の事業者サーバ2のいずれかとの間で通信を行う。ユーザ端末4は、複数の事業者サーバ2のいずれか及び中継サーバ1を介して、企業サーバ3との間でメッセージを送受信する。
【0023】
中継サーバ1(中継装置)は、企業サーバ3とユーザ端末4との間で送受信されるメッセージを中継するコンピュータである。中継サーバ1は、企業サーバ3及び複数の事業者サーバ2との間で通信を行う。
【0024】
まず、ユーザは、複数の事業者サーバ2のいずれかを管理する事業者と通信サービス等の契約をしている。ユーザは、事業者が提供するメッセージングサービスにおいて、企業サーバ3を管理する企業に対してユーザ登録をする。ユーザ登録は、企業ごとに行われてもよく、企業が提供するサービスごとに行われてもよい。
【0025】
ユーザ登録が行われる際に、中継サーバ1は、企業に対してユーザ登録をしているユーザの識別情報と、企業サーバ3の識別情報と、事業者サーバ2の識別情報とを関連付けて記録する。これにより中継サーバ1は、ユーザの識別情報、企業サーバ3の識別情報及び事業者サーバ2の識別情報を用いて、企業サーバ3から送信されたメッセージを、ユーザが契約している事業者の事業者サーバ2へ中継することができる。さらに中継サーバ1は、企業に対してユーザ登録をしているユーザの個人情報を記録する。これにより中継サーバ1は、ユーザの個人情報を用いて、企業サーバ3から受信したメッセージを、企業によって指定されたユーザ属性を満たすユーザ宛に中継することができる。
【0026】
このように通信システムSは、企業サーバ3が送信したメッセージを、中継サーバ1がユーザの契約している事業者の事業者サーバ2へ中継し、ユーザ端末4へ到達させることができる。中継サーバ1が複数の事業者におけるユーザ登録の情報を集約して管理することによって、企業サーバ3は、ユーザが現在契約している事業者を把握する必要がないため、メッセージングサービスにおけるユーザ管理が容易になる。
【0027】
[通信システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る中継サーバ1及び事業者サーバ2のブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示していないデータの流れがあってよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0028】
中継サーバ1は、制御部11と、記憶部12とを有する。制御部11は、受信部111と、抽出部112と、特定部113と、転送部114と、取得部115とを有する。記憶部12は、企業情報記憶部121と、個人情報記憶部122と、事業者情報記憶部123とを有する。
【0029】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、中継サーバ1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。
【0030】
企業情報記憶部121は、ユーザがいずれの企業に対してユーザ登録をしているかを示す企業情報を記憶する。企業情報は、例えばユーザID及び企業IDを含む。個人情報記憶部122は、ユーザの個人情報を記憶する。個人情報は、例えばユーザID、電話番号、氏名、性別、年齢、住所、職業を含む。事業者情報記憶部123は、ユーザがいずれの事業者と通信サービス等の契約をしているかを示す事業者情報を記憶する。事業者情報は、例えばユーザID及び通信装置IDを含む。企業情報記憶部121、個人情報記憶部122及び事業者情報記憶部123は、それぞれ記憶部12上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部12上で構成されたデータベースであってもよい。
【0031】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部111、抽出部112、特定部113、転送部114及び取得部115として機能する。制御部11の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0032】
事業者サーバ2は、制御部21と、記憶部22とを有する。制御部21は、受信部211と、転送部212とを有する。記憶部22は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部21が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部22は、事業者サーバ2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部21との間でデータの授受を行ってもよい。
【0033】
制御部21は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部211及び転送部212として機能する。制御部21の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部21の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0034】
図3は、本実施形態に係る企業サーバ3及びユーザ端末4のブロック図である。図3において、矢印は主なデータの流れを示しており、図3に示していないデータの流れがあってよい。図3において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図3に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0035】
企業サーバ3は、制御部31と、記憶部32とを有する。制御部31は、送信部311を有する。記憶部32は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部32は、制御部31が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部32は、企業サーバ3の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部31との間でデータの授受を行ってもよい。
【0036】
制御部31は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、送信部311として機能する。制御部31の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部31の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0037】
ユーザ端末4は、制御部41と、記憶部42と、表示部43と、操作部44とを有する。制御部41は、受信部411と、送信部412とを有する。
【0038】
表示部43は、液晶ディスプレイ等、情報を表示可能な表示装置を含む。操作部44は、キーボード、マウス等、ユーザの操作によって情報を入力可能な操作装置を含む。表示部43としてユーザによる接触の位置を検出可能なタッチスクリーンを用いることによって、表示部43と操作部44とを一体に構成してもよい。
【0039】
記憶部42は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部42は、制御部41が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部42は、ユーザ端末4の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部41との間でデータの授受を行ってもよい。
【0040】
制御部41は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部411及び送信部412として機能する。制御部41の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部41の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0041】
本実施形態に係る中継サーバ1、事業者サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4は、図2図3に示す具体的な構成に限定されない。中継サーバ1、事業者サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4は、それぞれ1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0042】
[通信方法の説明]
まず、中継サーバ1が記録する情報について説明する。図4(a)は、企業情報記憶部121が記憶する企業情報D1の模式図である。企業情報D1は、互いに関連付けられた、ユーザの識別情報であるユーザIDと、ユーザがユーザ登録をしている企業の識別情報である企業IDとを含む。ユーザIDは、ユーザを管理するためにユーザごとに割り振られる識別情報であり、任意の文字によって表される。ユーザIDは、それのみでユーザを一意に特定できる識別情報(例えば電話番号)であってもよく、あるいは企業IDとの組み合わせに対して一意な識別情報であってもよい。さらに企業情報D1は、企業が複数のサービス(例えば複数種類の保険の提供サービスや、プレミアム会員及びスタンダード会員のような複数種類の会員サービス等)をユーザに提供している場合に、サービスを識別するための識別情報を含んでもよい。
【0043】
企業IDは、企業に割り振られる識別情報であり、任意の文字によって表される。企業IDは、企業ごとに割り振られてもよく、企業が提供するサービスごとに割り振られてもよい。企業IDは、企業に対してメッセージングサービスを提供する複数の事業者間で共通である。
【0044】
図4(b)は、事業者情報記憶部123が記憶する事業者情報D2の模式図である。事業者情報D2は、互いに関連付けられた、ユーザの識別情報であるユーザIDと、ユーザが契約している事業者が管理する通信装置の識別情報である通信装置IDとを含む。ユーザIDの定義は、企業情報D1と同様である。
【0045】
通信装置IDは、事業者サーバ2を識別するための識別情報であり、任意の文字によって表される。通信装置IDは、通信装置(サーバ)ごとに割り振られた識別情報であってもよく、あるいは事業者サーバ2を管理する事業者ごとに割り振られた識別情報であってもよい。
【0046】
図4(c)は、個人情報記憶部122が記憶する個人情報D3の模式図である。個人情報D3は、互いに関連付けられた、ユーザの識別情報であるユーザIDと、ユーザのユーザ属性としての電話番号、氏名、性別、年齢、住所及び職業とを含む。ユーザIDの定義は、企業情報D1と同様である。ユーザ属性は、ユーザに関するその他の情報を含んでもよい。
【0047】
図4(a)~図4(c)において企業情報D1、事業者情報D2及び個人情報D3は視認性のために文字列の表で表されているが、各データは任意の形式で記録されてもよく、例えば文字列データ、数値データおよびバイナリデータのいずれでもよい。企業情報D1、事業者情報D2及び個人情報D3は、それぞれデータベースとして記録されてもよく、あるいはデータを列挙したリストとして記録されてもよい。
【0048】
図5は、本実施形態に係る通信システムSが行う通信方法(中継方法)の前半部分の模式図である。企業がユーザにメッセージを送る際に、企業サーバ3において、送信部311は、ユーザへのメッセージを中継サーバ1へ送信する(a)。送信部311が送信するメッセージは、特定のユーザが指定されたメッセージと、企業へユーザ登録をしている全ユーザが指定されたメッセージと、ユーザ属性が指定されたメッセージとのいずれかである。企業が複数のサービスをユーザに提供している場合に、メッセージは、特定のサービスを利用しているユーザを指定するために、1つ又は複数のサービスの識別情報を指定してもよい。
【0049】
特定のユーザが指定されたメッセージは、送信先とする1又は複数のユーザのユーザIDと、ユーザ端末4に表示されるコンテンツ(すなわち文字列、画像、動画等)とを示すデータである。この場合に、企業サーバ3は企業に対してユーザ登録したユーザのユーザIDを記憶部32に記憶しておく。送信部311は、記憶部32から送信先とするユーザのユーザIDを取得し、取得したユーザIDを示すメッセージを、中継サーバ1へ送信する。全ユーザが指定されたメッセージは、全ユーザを送信先とする情報(フラグ等)と、ユーザ端末4に表示されるコンテンツとを示すデータである。送信部311は、全ユーザを送信先とする情報を示すメッセージを、中継サーバ1へ送信する。
【0050】
ユーザ属性が指定されたメッセージは、送信先とするユーザのユーザ属性と、ユーザ端末4に表示されるコンテンツとを示すデータである。ユーザ属性は、例えばユーザの性別、年齢(例えば年齢層)、住所(例えば居住エリア)、職業(例えば職種)のうち少なくとも1つである。この場合に、送信部311は、送信先とするユーザ属性を決定し、決定したユーザ属性を示すメッセージを、中継サーバ1へ送信する。
【0051】
また、送信部311は、メッセージの送信方法とメッセージを送信する時間帯との少なくとも一方を示す指示を、中継サーバ1へ送信してもよい。送信方法は、事業者サーバ2からユーザ端末4へメッセージを送信するための技術的基盤であり、例えばRCS、SMS(Short Message Service)、SNS(Social Networking Service)、電子メールのうち1つ又は複数である。時間帯は、事業者サーバ2からユーザ端末4へメッセージを送信する条件とする時間である。
【0052】
中継サーバ1において、受信部111は、企業サーバ3が送信したメッセージを受信する。また、受信部111は、企業サーバ3が送信した、メッセージの送信方法とメッセージを送信する時間帯との少なくとも一方を示す指示を受信する。
【0053】
抽出部112は、受信部111が受信したメッセージに基づいて、企業に対してユーザ登録をしているユーザのユーザIDを抽出する(b)。具体的には、抽出部112は、企業情報記憶部121において、受信部111が受信したメッセージの送信元である企業サーバ3を管理する企業の企業IDに関連付けられているユーザIDを抽出する。企業サーバ3には企業IDが予め設定されており、中継サーバ1は企業IDに対応する企業サーバ3を特定できる。また、抽出部112は、受信部111が受信したメッセージがサービスの識別情報を指定している場合に、企業情報記憶部121において、受信部111が受信したメッセージの送信元である企業サーバ3を管理する企業の企業IDに関連付けられているユーザIDであって、かつメッセージが指定しているサービスの識別情報に関連付けられているユーザIDを抽出する。
【0054】
そして、受信部111が受信したメッセージが特定のユーザを指定している場合に、抽出部112は、企業情報記憶部121から抽出したユーザIDのうち、受信部111が受信したメッセージが示すユーザIDを、送信先のユーザIDとして抽出する。これにより、企業は、企業に対してユーザ登録をしているユーザのうち、特定のユーザへメッセージを送信できる。
【0055】
また、受信部111が受信したメッセージが全ユーザを指定している場合に、抽出部112は、企業情報記憶部121から抽出した全てのユーザIDを、送信先のユーザIDとして抽出する。これにより、企業は、企業に対してユーザ登録をしている全ユーザへ一括してメッセージを送信できる。
【0056】
また、受信部111が受信したメッセージがユーザ属性を指定している場合に、抽出部112は、企業情報記憶部121から抽出したユーザIDのうち、個人情報記憶部122において受信部111が受信したメッセージが示すユーザ属性に関連付けられたユーザIDを、送信先のユーザIDとして抽出する。これにより、企業は、企業に対してユーザ登録をしているユーザのうち、指定したユーザ属性を満たす不特定のユーザへメッセージを送信できる。
【0057】
次に特定部113は、抽出部112が抽出した送信先のユーザIDに基づいて、メッセージの転送先の事業者の事業者サーバ2を特定する(c)。具体的には、特定部113は、事業者情報記憶部123において抽出部112が抽出した送信先のユーザIDに関連付けられている通信装置IDを取得する。そして特定部113は、取得した通信装置IDに対応する事業者サーバ2(すなわちユーザが契約している事業者が管理する事業者サーバ2)を、転送先として特定する。事業者サーバ2には通信装置IDが予め設定されており、中継サーバ1は通信装置IDに対応する事業者サーバ2を特定できる。これにより、ユーザがいずれの事業者と契約していても、ユーザが契約している事業者の事業者サーバ2を特定部113が特定し、メッセージの転送を可能にする。
【0058】
送信先のユーザIDが複数の通信装置IDに関連付けられている(すなわちユーザが複数の事業者と契約している)場合に、特定部113は、全ての通信装置IDを転送先として特定してもよく、あるいは所定条件を満たす一部の通信装置ID(例えばユーザが主契約としている事業者の通信装置ID)を転送先として特定してもよい。このとき、1つのメッセージを複数の通信装置IDに対応する複数の事業者サーバ2へ転送した場合であっても、該メッセージの送信数及び開封数はそれぞれ1件とカウントされる。
【0059】
このとき、特定部113は、受信部111が受信したメッセージの送信方法とメッセージを送信する時間帯との少なくとも一方を示す指示に基づいて、抽出部112が抽出した送信先のユーザIDに対応するユーザ端末4へ企業サーバ3がメッセージを送信するための料金を決定してもよい。この場合に、記憶部12には、メッセージの送信方法及びメッセージを送信する時間帯に対応する料金を示す料金表が予め記憶されている。特定部113は、指定された送信方法及び時間帯に対して記憶部12に記憶された料金表を用いて料金を決定し、決定した料金を示す料金情報を出力し、記憶部12に記憶させる。料金情報は、企業サーバ3を管理する企業へ課金するために利用される。
【0060】
また、特定部113は、後述する取得部115が取得した過去のメッセージの送信数及び開封数に基づいて、自動的に料金を決定してもよい。例えば特定部113は、指定された送信方法及び時間帯について、過去のメッセージの開封率が高いほど料金を高く設定し、過去のメッセージの開封率が低いほど料金を低く設定する。
【0061】
これにより、中継サーバ1は、企業が指定したメッセージの送信方法及びメッセージを送信する時間帯に応じて、異なる料金を設定し、ユーザに送信されるメッセージが一部の送信方法及び時間帯に集中することを抑制できる。また、特定部113は、メッセージが送信された場合と、メッセージが送信された後に開封された場合とで、異なる料金を設定してもよい。
【0062】
そして転送部114は、受信部111が受信したメッセージを、抽出部112が抽出した送信先のユーザIDとともに、特定部113が特定した転送先の事業者サーバ2へ転送する(d)。また、受信部111が、企業サーバ3からメッセージの送信方法とメッセージを送信する時間帯との少なくとも一方を示す指示を受信した場合に、転送部114は、該指示を特定部113が特定した転送先の事業者サーバ2へ送信する。
【0063】
また、受信部111が、企業サーバ3からメッセージを送信する時間帯を示す指示を受信した場合に、転送部114は、該時間帯にメッセージを転送先の事業者サーバ2へ転送してもよい。すなわち、中継サーバ1が、メッセージを送信する時間帯を制御してもよい。この場合に、事業者サーバ2は、中継サーバ1から受信したメッセージをすぐにユーザ端末4へ転送する。
【0064】
また、受信部111が受信したメッセージが特定のユーザを指定している場合に、転送部114は、該メッセージの送信予定時刻(現在時刻又は指定された時間帯)を含む所定期間(例えば送信予定時刻の前後の所定時間帯)には、他のメッセージを転送先の事業者サーバ2へ転送することを抑制してもよい。これにより、特定のユーザが指定されているメッセージが、該ユーザに開封される確率を高めることができる。
【0065】
また、転送部114は、ユーザごとに記録された送信方法の過去の使用状況に基づいて、ユーザごとに送信方法を決定してもよい。このとき、企業サーバ3は、(1)企業が指定した送信方法により送信する、(2)ユーザの使用頻度の高い送信方法で送信する、(3)最初に指定した方法で閲覧されない場合に、2回目に異なる送信方法で送信する、(4)複数の送信方法で同時に送信する、(5)メッセージの到達状況又は開封状況を監視して所定時間後に再送する、のうちいずれかの送信方法の選定条件を、メッセージとともに中継サーバ1へ送信する。
【0066】
受信部111は、企業サーバ3がメッセージとともに送信した、送信方法の選定条件を受信する。転送部114は、ユーザごとに記録された過去の使用状況に基づいて、企業から受信した選定条件を用いて送信方法を決定し、決定した送信方法を転送先の事業者サーバ2へ送信する。このように、企業は、送信するメッセージに応じて様々な送信方法を選択できる。
【0067】
また、中継サーバ1は、メッセージの送信方法及びメッセージを送信する時間帯に応じて、企業から入札を受け付け、企業からユーザへのメッセージの転送可否を決定してもよい。この場合に、メッセージの送信方法及びメッセージを送信する時間帯ごとに、メッセージの送信可能数が限定されている。受信部111は、複数の企業サーバ3からメッセージの送信方法とメッセージを送信する時間帯との少なくとも一方とともに入札金額を示す指示を受信する。入札金額は、1メッセージごとの料金でもよく、メッセージの数に関わらない料金でもよい。
【0068】
転送部114は、複数の企業サーバ3から受信した入札金額に応じて(例えば入札金額が高い順に)、1つ又は複数の企業サーバ3を選択する。そして転送部114は、選択した1つ又は複数の企業サーバ3から受信部111が受信したメッセージを、特定部113が特定した転送先の事業者サーバ2へ転送する。転送部114は、選択した1つ又は複数の企業サーバ3に対して入札金額に応じた料金を示す料金情報を出力し、記憶部12に記憶させる。
【0069】
あるいは、中継サーバ1は、予めメッセージの送信方法及びメッセージを送信する時間帯に対して企業から入札を受け付け、落札した企業に対して送信方法及び時間帯に関連付けられた落札IDを付与してもよい。この場合に、企業サーバ3は、ユーザへのメッセージを、付与された落札IDとともに中継サーバ1へ送信する。転送部114は、企業サーバ3から受信した落札IDに基づいて送信方法及び時間帯を決定し、決定した送信方法及び時間帯を示す指示を、メッセージとともに転送先の事業者サーバ2へ送信する。
【0070】
これにより、中継サーバ1は、企業が指定したメッセージの送信方法及びメッセージを送信する時間帯に応じて、企業から入札を受け付け、限られた数の企業から送信されたメッセージを転送する。そのため、ユーザに送信されるメッセージが一部の送信方法及び時間帯に集中することを抑制できる。
【0071】
転送先の事業者サーバ2において、受信部211は、中継サーバ1が送信したメッセージ及び送信先のユーザIDを受信する。また、受信部211は、中継サーバ1が送信した、メッセージの送信方法とメッセージを送信する時間帯との少なくとも一方を示す指示を受信する。
【0072】
転送部212は、受信部211が受信したメッセージを、受信部211が受信した送信先のユーザIDに対応するユーザ端末4へ転送する(e)。ユーザ端末4にはユーザIDが予め設定されており、事業者サーバ2はユーザIDに対応するユーザ端末4を特定できる。
【0073】
このとき、受信部211がメッセージの送信方法を示す指示を受信した場合に、転送部212は該指示が示す1つ又は複数の送信方法でメッセージをユーザ端末4へ転送する。受信部211がメッセージの送信方法を示す指示を受信していない場合に、転送部212は、所定の送信方法でメッセージをユーザ端末4へ転送する。
【0074】
また、受信部211がメッセージを送信する時間帯を示す指示を受信した場合に、転送部212は該指示が示す時間帯にメッセージをユーザ端末4へ転送する。受信部211がメッセージを送信する時間帯を示す指示を受信していない場合に、転送部212は、即座に又は所定の時間帯にメッセージをユーザ端末4へ転送する。
【0075】
転送部212は、メッセージをユーザ端末4へ送信完了した際に、メッセージ(例えばメッセージに割り振られたメッセージID)に関連付けて、送信数(すなわちメッセージの送信先のユーザ端末4の数)を記憶部22に記憶させる。
【0076】
ユーザ端末4において、受信部411は、事業者サーバ2が送信したメッセージを受信する。受信部411は、ユーザによる操作部44の操作(例えば開封操作)に応じて、受信したメッセージを表示部43上に表示する(f)。
【0077】
図6は、本実施形態に係る通信システムSが行う通信方法(中継方法)の後半部分の模式図である。事業者サーバ2が送信したメッセージを受信したユーザ端末4において、該メッセージが表示された場合に、送信部412は、表示されたメッセージのメッセージIDを示す開封通知を、該メッセージの送信元である事業者サーバ2へ送信する(g)。
【0078】
各事業者サーバ2において、受信部211は、ユーザ端末4が送信した開封通知を受信する。受信部211は、受信した開封通知が示すメッセージIDに関連付けて、開封数(すなわち同じメッセージIDについて受信した開封通知の数)を記憶部22に記憶させる。
【0079】
転送部212は、所定のタイミングで、メッセージIDごとの送信数及び開封数を、メッセージIDと関連付けて中継サーバ1へ送信する(h)。転送部212が送信数及び開封数を送信するタイミングは、例えば1時間、1日、1月等、所定時間が経過したタイミングである。
【0080】
中継サーバ1において、取得部115は、各事業者サーバ2(複数の事業者サーバ2のそれぞれ)が送信したメッセージIDごとの送信数及び開封数を受信して取得する。そして取得部115は、過去に取得した送信数及び開封数を集計する(i)。例えば取得部115は、メッセージを送信した事業者、送信先のユーザ、送信先のユーザのユーザ属性、メッセージの送信方法及びメッセージが送信された時間帯のうち少なくとも1つごとに、送信数及び開封数を集計する。また、取得部115は、メッセージが開封された場所及びメッセージが開封された時間帯ごとに、送信数及び開封数を集計してもよい。取得部115は、集計結果を記憶部12に記憶させる。また、取得部115は、送信数及び開封数に基づいて、開封率を算出してもよい。
【0081】
これにより、中継サーバ1は、複数の事業者にわたってメッセージの送信数及び開封数を集計するため、中継サーバ1の管理者や利用者(例えば中継サーバ1を利用している企業)は、ユーザに開封されやすいメッセージの送信条件を高精度に分析できる。
【0082】
さらに転送部114は、集計結果に基づいて、複数の送信方法(例えばRCS、SMS、SNS及び電子メール)のうち少なくとも1つの送信方法を特定する(j)。例えば転送部114は、集計結果に基づいて、メッセージを送信した事業者、送信先のユーザ、送信先のユーザのユーザ属性、メッセージの送信方法及びメッセージが送信された時間帯ごとに、最も開封率の高い送信方法を特定する。そして転送部114は、特定した送信方法を示す指示を、各事業者サーバ2へ送信する(k)。転送部114は、特定した送信方法を、メッセージとともに事業者サーバ2へ送信してもよく、メッセージとは独立して事業者サーバ2へ送信してもよい。事業者サーバ2は、受信した送信方法を示す指示に従って、メッセージをユーザ端末4へ送信する。
【0083】
送信方法は、全ての事業者サーバ2で同じであってもよく、事業者サーバ2ごとに異なってもよい。これにより、中継サーバ1は、過去のメッセージの送信数及び開封数に基づいて、ユーザに開封されやすい送信方法を、事業者サーバ2に指示することができる。
【0084】
また、転送部114は、集計されたメッセージが開封された場所及びメッセージが開封された時間帯ごとの送信数及び開封数に基づいて、送信先のユーザIDと、メッセージを送信する時間帯とを選択してもよい。例えば転送部114は、開封率が所定値以上の場所及び時間帯に該当する送信先のユーザIDを選択する。送信先のユーザIDの場所は、ユーザ端末4の位置又はユーザ端末4が接続されている基地局の識別情報に基づいて特定される。これにより、中継サーバ1は、集計結果に基づいて、メッセージが開封されやすい場所及び時間帯に、メッセージを送信することができる。
【0085】
また、転送部114は、ユーザ端末4がメッセージを開封した場合に、次のメッセージをユーザ端末4へ送信してもよく、あるいは開封されたメッセージと関係するメッセージをユーザ端末4へ送信してもよい。これにより、中継サーバ1は、メッセージを開封したユーザへメッセージを積極的に送信できる。
【0086】
また、転送部114は、ユーザの開封率の時間変化を監視し、開封率が低下しているユーザには、メッセージの送信数を減少させる制御を行い、開封率が向上しているユーザには、送信数を増加させる制御をしてもよい。これにより中継サーバ1は、メッセージを頻繁に開封するユーザへはメッセージを積極的に送信し、メッセージをあまり開封しないユーザへはメッセージをあまり送信しないため、効率的にメッセージの配信ができる。
【0087】
[通信方法のシーケンス]
図7は、本実施形態に係る通信システムSが行う通信方法(中継方法)の前半部分のシーケンス図である。企業がユーザにメッセージを送る際に、企業サーバ3において、送信部311は、ユーザへのメッセージを中継サーバ1へ送信する(S11)。このとき、送信部311は、メッセージの送信方法とメッセージを送信する時間帯との少なくとも一方を示す指示を、中継サーバ1へ送信してもよい。
【0088】
中継サーバ1において、受信部111は、企業サーバ3が送信したメッセージを受信する。また、受信部111は、企業サーバ3が送信した、メッセージの送信方法とメッセージを送信する時間帯との少なくとも一方を示す指示を受信する。抽出部112は、受信部111が受信したメッセージに基づいて、企業に対してユーザ登録をしているユーザのユーザIDを抽出する(S12)。
【0089】
特定部113は、抽出部112が抽出した送信先のユーザIDに基づいて、メッセージの転送先の事業者の事業者サーバ2を特定する(S13)。転送部114は、受信部111が受信したメッセージを、抽出部112が抽出した送信先のユーザIDとともに、特定部113が特定した転送先の事業者サーバ2へ転送する(S14)。また、受信部111が、企業サーバ3からメッセージの送信方法とメッセージを送信する時間帯との少なくとも一方を示す指示を受信した場合に、転送部114は、該指示を特定部113が特定した転送先の事業者サーバ2へ送信する。
【0090】
転送先の事業者サーバ2において、受信部211は、中継サーバ1が送信したメッセージ及び送信先のユーザIDを受信する。また、受信部211は、中継サーバ1が送信した、メッセージの送信方法とメッセージを送信する時間帯との少なくとも一方を示す指示を受信する。
【0091】
転送部212は、受信部211が受信したメッセージを、受信部211が受信した送信先のユーザIDに対応するユーザ端末4へ転送する(S15)。このとき、受信部211がメッセージの送信方法を示す指示を受信した場合に、転送部212は該指示が示す1つ又は複数の送信方法でメッセージをユーザ端末4へ転送する。また、受信部211がメッセージを送信する時間帯を示す指示を受信した場合に、転送部212は該指示が示す時間帯にメッセージをユーザ端末4へ転送する。
【0092】
転送部212は、メッセージをユーザ端末4へ送信完了した際に、メッセージに関連付けて、送信数を記憶部22に記憶させる。
【0093】
ユーザ端末4において、受信部411は、事業者サーバ2が送信したメッセージを受信する。受信部411は、ユーザによる操作部44の操作(例えば開封操作)に応じて、受信したメッセージを表示部43上に表示する(S16)。
【0094】
図8は、本実施形態に係る通信システムSが行う通信方法(中継方法)の後半部分のシーケンス図である。事業者サーバ2が送信したメッセージを受信したユーザ端末4において、該メッセージが表示された場合に、送信部412は、表示されたメッセージのメッセージIDを示す開封通知を、該メッセージの送信元である事業者サーバ2へ送信する(S17)。
【0095】
各事業者サーバ2において、受信部211は、ユーザ端末4が送信した開封通知を受信する。受信部211は、受信した開封通知が示すメッセージIDに関連付けて、開封数を記憶部22に記憶させる。転送部212は、所定のタイミングで、メッセージIDごとの送信数及び開封数を、メッセージIDと関連付けて中継サーバ1へ送信する(S18)。
【0096】
中継サーバ1において、取得部115は、各事業者サーバ2が送信したメッセージIDごとの送信数及び開封数を受信して取得する。そして取得部115は、過去に取得した送信数及び開封数を集計する(S19)。
【0097】
転送部114は、集計結果に基づいて、複数の送信方法(例えばRCS、SMS、SNS及び電子メール)のうち少なくとも1つの送信方法を特定する(S20)。転送部114は、特定した送信方法を示す指示を、各事業者サーバ2へ送信する(S21)。事業者サーバ2は、受信した送信方法を示す指示に従って、メッセージをユーザ端末4へ送信する。
【0098】
[変形例]
本変形例では、ユーザ属性を中継サーバ1に登録するか否かの選択を、ユーザ端末4から受け付ける。ユーザ端末4の受信部411は、例えばユーザが企業に対してユーザ登録をする際に、中継サーバ1から事業者サーバ2を介して受信した情報に基づいて、ユーザ属性を登録するか否かの選択を受け付ける画面を表示部43上に表示する。また、受信部411は、中継サーバ1が記録しているユーザのユーザ属性を受信してもよい。
【0099】
図9は、ユーザ属性を登録するか否かの選択を受け付ける画面を表示しているユーザ端末4の正面図である。ユーザ属性を登録するか否かの選択を受け付ける画面は、ユーザ属性を中継サーバ1に登録するか否かを尋ねる情報431と、選択を入力するためのボタン432とを含む。ボタン432は、ユーザが押下可能な仮想的なボタン(アイコン)である。さらにユーザ属性を登録するか否かの選択を受け付ける画面は、中継サーバ1から受信したユーザのユーザ属性を含んでもよい。ユーザは、ユーザ端末4の操作部44を用いて、ユーザ属性を中継サーバ1に登録するか否かの選択に応じて、いずれかのボタン432を押下する。
【0100】
ユーザ端末4の送信部412は、操作部44の操作に基づいて、ユーザ属性を中継サーバ1に登録するか否かの選択を、事業者サーバ2を介して中継サーバ1へ送信する。中継サーバ1の受信部111は、ユーザ属性を中継サーバ1に登録するか否かの選択を、ユーザ端末4から受信する。
【0101】
また、ユーザは、画面上に表示されたユーザ属性のうち、どの情報(すなわち電話番号、氏名、性別、年齢、住所及び職業のうち少なくとも一部)を登録するかを指定してもよい。また、ユーザは、登録するユーザ属性の抽象度(例えば年齢を、33歳のような特定の年齢とするか、又は30代のような年齢層とするか)を指定してもよい。ユーザ端末4の送信部412は、操作部44の操作に基づいて、登録するユーザ属性の指定を、事業者サーバ2を介して中継サーバ1へ送信する。
【0102】
受信部111は、受信した選択がユーザ属性を中継サーバ1に登録することを示す場合に、ユーザ属性をユーザが契約している事業者の事業者サーバ2から受信し、個人情報記憶部122に記憶させる。受信部111は、受信した選択がユーザ属性を中継サーバ1に登録することを示さない場合に、ユーザ属性を個人情報記憶部122に記憶させない。また、受信部111は、登録するユーザ属性の指定を受信した場合に、該指定に従ってユーザ属性を個人情報記憶部122に記憶させる。
【0103】
このように、本変形例に係る通信システムSでは、ユーザは、ユーザ属性を中継サーバ1に登録するか否かを選択し、企業からユーザ属性を指定したメッセージを受け取ることができる。そのため、中継サーバ1は、ユーザの同意を得てからユーザの個人情報を利用してメッセージを中継できる。
【0104】
[本実施形態の効果]
本実施形態に係る通信システムSによれば、中継サーバ1は、企業サーバ3が送信したメッセージに基づいて、送信先のユーザを抽出し、さらに抽出したユーザが契約している事業者を特定し、特定した事業者の事業者サーバ2へメッセージを転送する。このように中継サーバ1が複数の事業者におけるユーザ登録の情報を集約して管理することによって、企業サーバ3は、ユーザが現在契約している事業者を把握する必要がないため、メッセージングサービスにおけるユーザ管理が容易になる。
【0105】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0106】
中継サーバ1、事業者サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4のプロセッサは、図7図8に示す通信方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、中継サーバ1、事業者サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4のプロセッサは、図7図8に示す通信方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して中継サーバ1、事業者サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4の各部を制御することによって、図7図8に示す通信方法を実行する。図7図8に示す通信方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0107】
S 通信システム
1 中継サーバ
11 制御部
111 受信部
112 抽出部
113 特定部
114 転送部
115 取得部
12 記憶部
121 企業情報記憶部
122 個人情報記憶部
123 事業者情報記憶部
2 事業者サーバ
21 制御部
211 受信部
212 転送部
3 企業サーバ
4 ユーザ端末

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9