(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】車両制御方法、装置、コンピュータ機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B60W 40/02 20060101AFI20220112BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20220112BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220112BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B60W40/02
B60W30/10
B60W60/00
G08G1/00 X
(21)【出願番号】P 2019116849
(22)【出願日】2019-06-25
【審査請求日】2019-06-25
(31)【優先権主張番号】201811005964.X
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】デン, シャオファン
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-026097(JP,A)
【文献】特開平11-105579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 40/02
B60W 30/10
B60W 60/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を決定するステップと、
予め設定された制御方針モデルに基づいて、前記車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を処理して、前記車両の所定期間における第1の運転方針を生成するステップと、
前記所定期間における第1の運転方針及び前記車両の現在の第2の運転方針に基づいて、前記車両における各実行機構の状態調整モードを決定するステップと、
少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、前記第1の運転方針を調整するステップ
であって、前記所定の条件が、第1の運転方針及び第2の運転方針に基づいて決定された実行機構の状態調整モードが矛盾していないこと、または実行機構の調整幅が所定値を超えないことであるステップと、を含み、
前記車両の所定期間における第1の運転方針を生成するステップの後に、
前記所在道路の道路状況情報及び環境情報に基づいて、前記所在道路のモデルを構築するステップと、
前記車両の標識に基づいて、前記車両のモデルのパラメータを取得するステップと、
前記所定期間における第1の運転方針及び前記車両のモデルのパラメータに基づいて、前記所在道路のモデルにおける前記車両の走行軌跡を決定するステップと、
前記走行軌跡と前記所在道路のモデルとのマッチング度に基づいて、前記第1の運転方針を調整するステップと、
を含む車両制御方法。
【請求項2】
前記車両における各実行機構の状態調整モードを決定するステップの後に、
前記各実行機構の状態調整モードに基づいて、前記第1の運転方針のスコアを決定するステップと、
前記第1の運転方針のスコアが第1の閾値より小さい場合、サーバが前記制御方針モデルを更新するように、前記第1の運転方針、前記車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を前記サーバに返送するステップと、
を含む請求項1に記載の車両制御方法。
【請求項3】
前記第1の運転方針のスコアを決定するステップの後に、
前記第1の運転方針のスコアが第2の閾値より小さい場合、自動運転モードを終了するように前記車両を制御するステップ
を含む請求項
2に記載の車両制御方法。
【請求項4】
前記車両が人工運転モードにある場合、前記車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態を収集するステップと、
前記車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態に基づいて、前記予め設定された制御方針モデルを調整するステップと、
を含む請求項1から3のいずれかに記載の車両制御方法。
【請求項5】
各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を決定するための情報収集モジュールと、
予め設定された制御方針モデルに基づいて、前記車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を処理して、前記車両の所定期間における第1の運転方針を生成するための生成モジュールと、
前記所定期間における第1の運転方針及び前記車両の現在の第2の運転方針に基づいて、前記車両における各実行機構の状態調整モードを決定するためのモード決定モジュールと、
少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、前記第1の運転方針を調整するための調整モジュール
であって、前記所定の条件が、第1の運転方針及び第2の運転方針に基づいて決定された実行機構の状態調整モードが矛盾していないこと、または実行機構の調整幅が所定値を超えないことである調整モジュールと
、
所在道路の道路状況情報及び環境情報に基づいて、所在道路のモデルを構築するためのモデル構築モジュールと、
車両の標識に基づいて、車両のモデルのパラメータを取得し、所定期間における第1の運転方針及び車両のモデルのパラメータに基づいて、所在道路のモデルにおける車両の走行軌跡を決定するためのシミュレーションモジュールと、
走行軌跡と所在道路のモデルとのマッチング度に基づいて、第1の運転方針を調整するための初期調整モジュールと、
を含む車両制御装置。
【請求項6】
前記各実行機構の状態調整モードに基づいて、前記第1の運転方針のスコアを決定するためのスコア決定モジュールと、
前記第1の運転方針のスコアが第1の閾値より小さい場合、サーバが前記制御方針モデルを更新するように、前記第1の運転方針、前記車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を前記サーバに返送するための処理モジュールと、
を含む請求項5に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記処理モジュールは
、
前記第1の運転方針のスコアが第2の閾値より小さい場合、自動運転モードを終了するように前記車両を制御す
る請求項6に記載の車両制御装置。
【請求項8】
メモリとプロセッサとを含むコンピュータ機器であって、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能プログラムコードを読み出して、前記実行可能プログラムコードに対応するプログラムを実行して、請求項1から4のいずれかに記載の車両制御方法を実現す
るコンピュータ機器。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
当該プログラムがプロセッサによって実行されるとき、請求項1から4のいずれかに記載の車両制御方法が実現され
る非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無人運転技術分野に関し、特に、車両制御方法、装置、コンピュータ機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インテリジェント運転車両の多くは、現在の走行シーンに基づいて、訓練済みの制御方針を利用して、リアルタイムで運転方針を生成し、運転方針に基づいて車両を制御して、自動運転を実現している。
【0003】
しかしながら、道路環境の変化が多く、車両運転者の運転習慣が異なるため、訓練データが限られている場合には、訓練によって取得された制御方針も限られている。従来のインテリジェント運転制御方式で自動運転を実現する際に、新たな走行シーンが現れる場合に、自動運転過程の安定性、適応性が悪くなりやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、従来技術における自動運転過程の安定性、適応性が悪いという技術的課題を解決するために車両制御方法、装置、コンピュータ機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の第1の態様の実施例は、
各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を決定するステップと、
予め設定された制御方針モデルに基づいて、前記車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を処理して、前記車両の所定期間における第1の運転方針を生成するステップと、
前記所定期間における第1の運転方針及び前記車両の現在の第2の運転方針に基づいて、前記車両における各実行機構の状態調整モードを決定するステップと、
少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、前記第1の運転方針を調整するステップと、を含む車両制御方法を提供する。
【0006】
本出願の実施例の車両制御方法は、各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を決定し、予め設定された制御方針モデルに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を処理して、車両の所定期間における第1の運転方針を生成し、所定期間における第1の運転方針及び車両の現在の第2の運転方針に基づいて、車両における各実行機構の状態調整モードを決定し、少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整する。これにより、予測した第1の運転方針と、現在の第2の運転方針とを比較することで、車両における各実行機構の状態調整モードを決定し、状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整して、第1の運転方針と第2の運転方針との差異を低減することができ、同一実行機構の制御が徐々に変化するようになり、自動運転過程の安定性及び適応性が向上する。
【0007】
本出願の第2の態様の実施例は、
各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を決定するための情報収集モジュールと、
予め設定された制御針モデルに基づいて、前記車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を処理して、前記車両の所定期間における第1の運転針を生成するための生成モジュールと、
前記所定期間における第1の運転方針及び前記車両の現在の第2の運転方針に基づいて、前記車両における各実行機構の状態調整モードを決定するためのモード決定モジュールと、
少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、前記第1の運転方針を調整するための調整モジュールと、を含む車両制御装置を提供する。
【0008】
本出願の実施例の車両制御装置は、各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を決定し、予め設定された制御方針モデルに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を処理して、車両の所定期間における第1の運転方針を生成し、所定期間における第1の運転方針及び車両の現在の第2の運転方針に基づいて、車両における各実行機構の状態調整モードを決定し、少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整する。これにより、予測した第1の運転方針と、現在の第2の運転方針とを比較することで、車両における各実行機構の状態調整モードを決定し、状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整して、第1の運転方針と第2の運転方針との差異を低減することができ、同一実行機構の制御が徐々に変化するようになり、自動運転過程の安定性及び適応性が向上する。
【0009】
本出願の第3の態様の実施例は、メモリとプロセッサとを含むコンピュータ機器を提供し、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能プログラムコードを読み出して、前記実行可能プログラムコードに対応するプログラムを実行して、本出願の第1の態様の実施例に記載の車両制御方法を実現する。
【0010】
本出願の第4の態様の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該プログラムがプロセッサによって実行されるとき、本出願の第1の態様の実施例に記載の車両制御方法が実現される。
【0011】
本出願の第5の態様の実施例は、コンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータプログラム製品における命令がプロセッサによって実行されるとき、本出願の第1の態様の実施例に記載の車両制御方法が実現される。
【0012】
本出願の付加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明により明らかになり、又は本出願の実践により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本出願の上記及び/又は付加的な態様及び利点は、以下、図面を参照する上での実施例についての説明において、明らかになり、理解しやすくなる。
【0014】
【
図1】本出願の実施例によって提供される車両制御方法の概略フローチャートである。
【
図2】本出願の実施例によって提供される他の車両制御方法の概略フローチャートである。
【
図3】本出願の実施例によって提供されるさらに他の車両制御方法の概略フローチャートである。
【
図4】本出願の実施例によって提供されるさらに他の車両制御方法の概略フローチャートである。
【
図5】本出願の実施例によって提供される車両制御装置の概略構成図である。
【
図6】本出願の実施例によって提供される他の車両制御装置の概略構成図である。
【
図7】本出願の実施例によって提供されるさらに他の車両制御装置の概略構成図である。
【
図8】本出願の実施例によって提供されるさらに他の車両制御装置の概略構成図である。
【
図9】本出願の実施例によって提供されるコンピュータ機器の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本出願の実施例を詳細に説明する。前記実施例における例が図面に示され、同一又は類似する符号は、常に同一又は類似する部品、或いは、同一又は類似する機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本出願を解釈するためだけに用いられ、本出願を限定するものと理解してはならない。
【0016】
以下、図面を参照して、本出願の実施例の車両制御方法、装置、コンピュータ機器及び記憶媒体を説明する。
【0017】
図1は、本出願の実施例によって提供される車両制御方法の概略フローチャートである。
【0018】
図1に示すように、当該車両制御方法は、下記ステップを含むことができる。
【0019】
ステップ101において、各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を決定する。
【0020】
自動運転車両と無人運転車両とは、走行中に人間が制御に関与せず、車両自体が全ての制御権を担う必要があるため、車両が周囲の環境を知り尽くすことが要求される。自動運転車両及び無人運転車両には、様々なセンサが装着されており、車両は、各センサの協働作動によって走行の安全性を確保する。
【0021】
自動運転車両及び無人運転車両には、異なる種類のセンサが装着されている。例えば、車両に直観的かつリアルな視認可能な画像情報を提供して車両に正確な環境情報を提供するためにイメージセンサを装着したり、測距、速度測定などの機能を発揮するためにレーダーが装着されたり、タイヤの状况を監視するためにタイヤ空気圧センサを装着したり、ブレーキペダルを踏む量を監視するために距離センサを装着したりするなどである。本実施例において、レーダー、イメージセンサなどの車載センサから、各センサによって収集されたデータを取得し、各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在のハードウェアやソフトウェアなどの状態情報、車両が現在位置する道路の道路状況情報及び環境情報を決定することができる。ここで、車両の現在の状態情報は、例えば、ハードウェアデバイスが故障しているか否か、ソフトウェアプログラムが正常に実行できるか否かなどを含むことができる。
【0022】
ステップ102において、予め設定された制御方針モデルに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を処理して、車両の所定期間における第1の運転方針を生成する。
【0023】
ここで、制御方針モデルは、予め訓練によって取得されたものである。大量の車両走行中の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を予め収集して訓練サンプルとし、訓練サンプルを利用して初期モデルを訓練して、制御方針モデルを取得することができる。
【0024】
本実施例において、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報が決定された後、各情報を予め設定された制御方針モデルに入力して処理すれば、車両の所定期間における第1の運転方針を取得することができる。
【0025】
ここで、所定期間は、例えば、現在時刻から3秒以内、5秒以内などである。
【0026】
ステップ103において、所定期間における第1の運転方針及び車両の現在の第2の運転方針に基づいて、車両における各実行機構の状態調整モードを決定する。
【0027】
ここで、車両の現在の第2の運転方針は、車両における各実行機構の現在の状態に基づいて決定することができる。例えば、現在の車両のステアリングホイールの回転角が左に45度回転であり、ブレーキペダルの踏む量が30%であると、車両の現在の第2の運転方針が左折減速徐行であると決定することができる。
【0028】
本実施例において、車両の所定期間における第1の運転方針が決定された後、第1の運転方針と車両の現在の第2の運転方針とを比較して、車両における各実行機構の状態調整モードを決定することができる。
【0029】
例えば、第1の運転方針が、車両が加速するように制御するためにアクセルペダルを踏むことを含み、第2の運転方針が、車両が減速するように制御するためにブレーキペダルを踏むことを含むと仮定すると、車両のアクセルペダルが間もなく踏まれ、ブレーキペダルが間もなく離されると決定することができる。
【0030】
また、例えば、第2の運転方針において、ステアリングホイールを左に30度回転させ、第1の運転方針において、ステアリングホイールを右に100度回転させると仮定すると、ステアリングホイールの状態調整モードが急速逆方向調整であると決定することができる。この場合、車両が間もなく急カーブを急速で通過すると、交通事故を招きやすく、運転体験も悪くなると決定することができる。
【0031】
ステップ104において、少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整する。
【0032】
ここで、所定の条件は、例えば、第1の運転方針及び第2の運転方針に基づいて決定された実行機構の状態調整モードが矛盾していないこと、または実行機構の調整幅が所定値を超えないことであってもよい。
【0033】
本実施例において、車両における各実行機構の状態調整モードが決定された後、各実行機構の状態調整モードと所定の条件とを比較して、状態調整モードが所定の条件を満たしているか否かを判断し、少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整する。
【0034】
例えば、第1の運転方針は、車両が加速するように制御するためにアクセルペダルを踏むことを含み、第2の運転方針は、車両が減速するように制御するためにブレーキペダルを踏むことを含むと仮定すると、車両のアクセルペダルが間もなく踏まれ、ブレーキペダルが間もなく離されると決定することができる。この場合、状態調整モードは矛盾しており、所定の条件を満たさず、車両が減速から加速へ変換されるため、決定された第1の運転方針が正確ではないと決定することができる。この場合、第1の運転方針を調整することができ、第1の運転方針を、ブレーキペダルを踏み、且つ踏む量が第2の運転方針におけるブレーキペダルの踏む量より小さくなるように制御するよう調整することにより、車両の速度が徐々に変化するように制御することができ、車両の安定走行性が確保される。
【0035】
また、例えば、第2の運転方針において、ステアリングホイールを左に30度回転させ、第1の運転方針おいて、ステアリングホイールを左に100度回転させ、予め設定されたステアリングホイールの調整幅の所定値が10度であると仮定して、第1の運転方針と第2の運転方針とを比較すると、ステアリングホイールの調整幅が70度であり、所定値である10度を超えているため、所定の条件を満たしていない。この場合、第1の運転方針を調整して、第1の運転方針におけるステアリングホイールの左回転角度を40度に調整することができる。
【0036】
本実施例の車両制御方法は、各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を決定し、予め設定された制御方針モデルに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を処理して、車両の所定期間における第1の運転方針を生成し、所定期間における第1の運転方針及び車両の現在の第2の運転方針に基づいて、車両における各実行機構の状態調整モードを決定し、少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整する。これにより、予測した第1の運転方針と、現在の第2の運転方針とを比較することで、車両における各実行機構の状態調整モードを決定し、状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整して、第1の運転方針と第2の運転方針との差異を低減することができ、同一実行機構に対する制御が徐々に変化するようになり、自動運転過程の安定性及び適応性が向上する。
【0037】
自動運転の安定性、及び車両制御の正確さをさらに向上させるために、本出願の実施例の可能な実現形態において、予測した第1の制御方針を調整することもできる。そのため、本出願は、他の車両制御方法を提供する。
図2は、本出願の実施例によって提供される他の車両制御方法の概略フローチャートである。
【0038】
図2に示すように、
図1に示す実施例に基づいて、ステップ102の後に、下記ステップ201~ステップ204をさらに含むことができる。
【0039】
ステップ201において、所在道路の道路状況情報及び環境情報に基づいて、所在道路のモデルを構築する。
【0040】
本実施例において、決定された所在道路の道路状況情報及び環境情報を利用して、所在道路のモデルを構築することができる。例えば、決定された所在道路の道路状況情報は、上り坂、坂道から1km離れたところに分岐路があること、および分岐点で左折車線と右折車線に分かれることを含み、環境情報は、ガソリンスタンド、ガソリンスタンドが右折車線の出口に設置されることを含むと、一定の比率で環境情報及び道路状況情報に基づいて、対応する所在道路のモデルを構築することができる。構築された所在道路のモデルにも、上り坂、脇道、分岐点で左折車線と右折車線に分かれること、ガソリンスタンドが右折車線の出口に設置されることが含まれる。
【0041】
なお、本実施例において、ステップ201とステップ102の実行順序が前後問わず、ステップ201は、ステップ102の後に実行されてもよいし、同時に実行されてもよいし、またはステップ102の前に実行されてもよい。本実施例では、ステップ201がステップ102の後に実行されることのみを例とし、本出願を限定するものではない。
【0042】
ステップ202において、車両の標識に基づいて、車両のモデルのパラメータを取得する。
【0043】
ここで、車両のモデルのパラメータは、車高、車幅、車体長などの外形パラメータを含むが、これらに限定されない。
【0044】
通常、異なるブランドの車両や、同じブランドの異なるシリーズの車両は、車両の車幅、車体長などの外形パラメータで差異があり、本実施例において、車両の標識に基づいて、車両のモデルのパラメータを取得することができる。例えば、車両の標識とモデルのパラメータとのマッピング関係を予め記憶し、取得された現在の車両の標識に基づいて、マッピング関係を検索ことにより、現在の車両のモデルのパラメータを決定することができる。
【0045】
ステップ203において、所定期間における第1の運転方針及び車両のモデルのパラメータに基づいて、所在道路のモデルにおける車両の走行軌跡を決定する。
【0046】
異なる車両、例えば、小型セダンとオフローダーとは、同一道路を走行するとき、外部の障害物による車両への影響の程度が異なるため、本実施例において、所定期間における第1の運転方針及び車両のモデルのパラメータに基づいて、所在道路のモデルにおける車両の走行軌跡を決定することができる。
【0047】
ステップ204において、走行軌跡と所在道路のモデルとのマッチング度に基づいて、第1の運転方針を調整する。
【0048】
本実施例において、所在道路のモデルにおける車両の走行軌跡が決定された後、走行軌跡と所在道路のモデルとのマッチング度に基づいて、第1の運転方針を調整することができる。例えば、走行軌跡と所在道路のモデルとのマッチング度が予め設定されたマッチング度の閾値より小さい場合、第1の運転方針を調整する。
【0049】
例えば、所在道路のモデルにおける車両の走行軌跡が直進してから左折し、所在道路のモデルが直進してから右折する場合、第1の運転方針を左折に調整することができる。
【0050】
本実施例の車両制御方法は、所在道路の道路状況情報及び環境情報に基づいて、所在道路のモデルを構築し、車両の標識に基づいて、車両のモデルのパラメータを取得し、所定期間における第1の運転方針及び車両のモデルのパラメータに基づいて、所在道路のモデルにおける車両の走行軌跡を決定し、走行軌跡と所在道路のモデルとのマッチング度に基づいて、第1の運転方針を調整する。これにより、第1の運転方針の正確さが向上し、車両を正確に制御するための条件が提供される。
【0051】
図3は、本出願の実施例によって提供されるさらに他の車両制御方法の概略フローチャートである。
【0052】
図3に示すように、
図1に示す実施例に基づいて、ステップ103の後に、下記ステップ301~ステップ303をさらに含むことができる。
【0053】
ステップ301において、各実行機構の状態調整モードに基づいて、第1の運転方針のスコアを決定する。
【0054】
本実施例において、各実行機構の状態調整モードが決定された後、各実行機構の状態調整モードに基づいて、第1の運転方針のスコアを決定することができる。例えば、状態調整モードが不整合な実行機構の数が多いほど、第1の運転方針のスコアが低くなる。状態調整モードが不整合な実行機構の数が同じである場合、同一実行機構の制御幅の変化が大きいほど、第1の運転方針のスコアが低くなる。
【0055】
ステップ302において、第1の運転方針のスコアが第1の閾値より小さい場合、サーバが制御方針モデルを更新するように、第1の運転方針、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報をサーバに返送する。
【0056】
ステップ303において、第1の運転方針のスコアが第2の閾値より小さい場合、自動運転モードを終了するように車両を制御する。
【0057】
ここで、第1の閾値及び第2の閾値は、予め設定することができる。第1の閾値は、第2の閾値以上である。
【0058】
本実施例において、第1の運転方針のスコアが第1の閾値より小さい場合、サーバが制御方針モデルを更新するように、第1の運転方針、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報をサーバに返送する。第1の運転方針のスコアが第2の閾値より小さい場合、自動運転モードを終了するように車両を制御する。
【0059】
一例として、第1の閾値は、第2の閾値より大きい。第1の運転方針が第1の閾値より小さいが、第2の閾値以上である場合、第1の運転方針、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報をサーバに返送する。第1の運転方針が第2の閾値より小さい場合、自動運転モードを終了するように車両を制御する。
【0060】
一例として、第1の閾値は、第2の閾値に等しい。第1の運転方針が第1の閾値より小さい場合、第1の運転方針、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報をサーバに返送し、自動運転モードを終了するように車両を制御することができる。
【0061】
本実施例の車両制御方法は、各実行機構の状態調整モードに基づいて、第1の運転方針のスコアを決定し、第1の運転方針のスコアが第1の閾値より小さい場合、サーバが制御方針モデルを更新するように、第1の運転方針、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報をサーバに返送し、第1の運転方針のスコアが第2の閾値より小さい場合、自動運転モードを終了するように車両を制御する。これにより、制御方針モデルを適時に更新して第1の運転方針の予測の正確さを向上させることができるだけでなく、車両走行の安全性を向上させることもできる。
【0062】
通常、インテリジェント車両は、自動運転のみをサポートするのでなく、人工運転もサポートする。人工運転モードでは、運転者は、道路状況などの事情に基づいて、車両を自発的に制御することができる。本出願の実施例において、インテリジェント車両が人工運転モードで運転される場合、運転者の運転習慣に基づく車両のパーソナライズ制御を実現するために、現在の車両の状態情報、道路状況情報などを収集して制御方針モデルを調整することができる。そのため、本出願の実施例は、さらに他の車両制御方法を提供する。
図4は、本出願の実施例によって提供されるさらに他の車両制御方法の概略フローチャートである。
【0063】
図4に示すように、上記実施例に基づいて、当該車両制御方法は、下記ステップ401とステップ402とをさらに含むことができる。
【0064】
ステップ401において、車両が人工運転モードにある場合、車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態を収集する。
【0065】
本実施例において、車両が人工運転モードにある場合、運転者による車両の制御に基づいて、各車載センサからデータを収集し、車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態を決定することができる。ここで、車両走行状態は、例えば、車両の走行速度、ステアリングホイールの方向及び角度、減速/加速走行などを含むことができる。
【0066】
ステップ402において、車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態に基づいて、予め設定された制御方針モデルを調整する。
【0067】
本実施例において、制御方針モデルに基づいて生成された第1の運転方針が運転者の運転習慣に合わせて、パーソナライズされた車両制御を実現するように、収集された車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態に基づいて、予め設定された制御方針モデルを調整することができる。
【0068】
本実施例の車両制御方法は、車両が人工運転モードにある場合、車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態を収集し、車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態に基づいて、予め設定された制御方針モデルを調整することにより、制御方針モデルに基づいて生成された第1の運転方針が運転者の運転習慣に合うようになり、パーソナライズされた車両制御を実現し、ユーザ体験が向上する。
【0069】
上記実施例を実現するため、本出願は、車両制御装置をさらに提供する。
【0070】
図5は、本出願の実施例によって提供される車両制御装置の概略構成図である。
【0071】
図5に示すように、当該車両制御装置50は、情報収集モジュール510と、生成モジュール520と、モード決定モジュール530と、調整モジュール540と、を含む。
【0072】
情報収集モジュール510は、各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を決定する。
【0073】
生成モジュール520は、予め設定された制御方針モデルに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を処理して、車両の所定期間における第1の運転方針を生成する。
【0074】
モード決定モジュール530は、所定期間における第1の運転方針及び車両の現在の第2の運転方針に基づいて、車両における各実行機構の状態調整モードを決定する。
【0075】
調整モジュール540は、少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整する。
【0076】
さらに、本出願の実施例の実現可能な形態において、
図6に示すように、
図5に示す実施例に基づいて、当該車両制御装置50は、
所在道路の道路状況情報及び環境情報に基づいて、所在道路のモデルを構築するためのモデル構築モジュール550と、
車両の標識に基づいて、車両のモデルのパラメータを取得し、所定期間における第1の運転方針及び車両のモデルのパラメータに基づいて、所在道路のモデルにおける車両の走行軌跡を決定するためのシミュレーションモジュール560と、
走行軌跡と所在道路のモデルとのマッチング度に基づいて、第1の運転方針を調整するための初期調整モジュール570と、をさらに含むことができる。
【0077】
本実施例において、モード決定モジュール530は、初期調整モジュール570によって調整された第1の運転方針及び車両の現在の第2の運転方針に基づいて、車両における各実行機構の状態調整モードを決定する。
【0078】
所在道路の道路状況情報及び環境情報に基づいて、所在道路のモデルを構築し、車両の標識に基づいて、車両のモデルのパラメータを取得し、所定期間における第1の運転方針及び車両のモデルのパラメータに基づいて、所在道路のモデルにおける車両の走行軌跡を決定し、走行軌跡と所在道路のモデルとのマッチング度に基づいて、第1の運転方針を調整する。これにより、第1の運転方針の正確さが向上し、車両を正確に制御するための条件が提供される。
【0079】
本出願の実施例の実現可能な形態において、
図7に示すように、
図5に示す実施例に基づいて、当該車両制御装置50は、
各実行機構の状態調整モードに基づいて、第1の運転方針のスコアを決定するためのスコア決定モジュール580と、
第1の運転方針のスコアが第1の閾値より小さい場合、サーバが制御方針モデルを更新するように、第1の運転方針、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報をサーバに返送する処理モジュール590と、をさらに含むことができる。
【0080】
さらに、処理モジュール590は、第1の運転方針のスコアが第2の閾値より小さい場合、自動運転モードを終了するように車両を制御する。
【0081】
各実行機構の状態調整モードに基づいて、第1の運転方針のスコアを決定し、第1の運転方針のスコアが第1の閾値より小さい場合、サーバが制御方針モデルを更新するように、第1の運転方針、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報をサーバに返送し、第1の運転方針のスコアが第2の閾値より小さい場合、自動運転モードを終了するように車両を制御することにより、制御方針モデルを適時に更新して第1の運転方針の予測の正確さを向上させることができるだけでなく、車両走行の安全性を向上させることもできる。
【0082】
本出願の実施例の実現可能な形態において、
図8に示すように、
図5に示す実施例に基づいて、当該車両制御装置50は、車両が人工運転モードにある場合、車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態を収集し、車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態に基づいて、予め設定された制御方針モデルを調整するための更新モジュール500をさらに含むことができる。
【0083】
車両が人工運転モードにある場合、車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態を収集し、車両の状態情報、所在道路の道路状況情報、環境情報及び車両走行状態に基づいて、予め設定された制御方針モデルを調整することにより、制御方針モデルに基づいて生成された第1の運転方針が運転者の運転習慣に合うようになり、パーソナライズされた車両制御が実現され、ユーザ体験が向上する。
【0084】
なお、車両制御方法の実施例についての上記の解釈説明は、当該実施例の車両制御装置にも適用され、その実現原理が類似しているので、ここでは、詳しく説明しない。
【0085】
本出願の実施例の車両制御装置は、各車載センサによって収集されたデータに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を決定し、予め設定された制御方針モデルに基づいて、車両の現在の状態情報、所在道路の道路状況情報及び環境情報を処理して、車両の所定期間における第1の運転方針を生成し、所定期間における第1の運転方針及び車両の現在の第2の運転方針に基づいて、車両における各実行機構の状態調整モードを決定し、少なくとも一つの実行機構の状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整する。これにより、予測した第1の運転方針と、現在の第2の運転方針とを比較することで、車両における各実行機構の状態調整モードを決定し、状態調整モードが所定の条件を満たしていない場合、第1の運転方針を調整して、第1の運転方針と第2の運転方針との差異を低減することができ、同一実行機構の制御が徐々に変化するようになり、自動運転過程の安定性及び適応性が向上する。
【0086】
上記実施例を実現するため、本出願は、メモリと、プロセッサとを含むコンピュータ機器をさらに提供し、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能なプログラムコードを読み取る出ことにより、して、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行して、前述した実施例に記載の車両制御方法を実現する。
【0087】
図9は、本出願の実施例によって提供されるコンピュータ機器の概略構成図であり、本出願の実施形態を実現するための例示的なコンピュータ機器90のブロック図を示している。
図9に示されるコンピュータ機器90は、単なる一例であり、本出願の実施例の機能及び使用範囲について一切限定しない。
【0088】
図9に示すように、コンピュータ機器90は、汎用コンピューティングデバイスの形態で示されている。コンピュータ機器90の構成要素は、1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニット906と、システムメモリ910と、異なるシステムの構成要素(システムメモリ910と処理ユニット906とを含む)を接続するバス908と、を含むが、これらに限定されない。
【0089】
バス908は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート、プロセッサ、または多様なバス構造のいずれかのバス構造を使用するローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のうちの1つまたは複数を表す。例えば、これらのアーキテクチャは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(Industry Standard Architecture、以下ISAと略する)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro Channel Architecture、以下MCAと略する)バス、拡張ISAバス、ビデオエレクトロニクススタンダーズアソシエーション(Video Electronics Standards Association、以下VESAと略する)ローカルバス、およびペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnection、以下PCIと略する)バスを含むが、これらに限定されない。
【0090】
コンピュータ機器90は、通常、複数種類のコンピュータシステム読み取り可能な媒体を含む。これらの媒体は、揮発性媒体および不揮発性媒体、リムーバブル媒体およびノンリムーバブル媒体を含む、コンピュータ機器90によってアクセスされ得る任意の使用可能な媒体であってもよい。
【0091】
システムメモリ910は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、以下RAMと略する)911および/またはキャッシュメモリ912のような揮発性メモリの形態のコンピュータシステム読み取り可能な媒体を含んでもよい。コンピュータ機器90は、他のリムーバブル/ノンリムーバブル、揮発性/不揮発性コンピュータシステム記憶媒体をさらに含んでもよい。例だけあるが、ストレージシステム913は、ノンリムーバブル、不揮発性磁気媒体(
図6に図示せず、通常「ハードディスク運転」と称する)に対して読み出しおよび書き込みをするために用いることができる。
図9に示されていないが、リムーバブル不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピーディスク」)に対して読み出しおよび書き込みをするための磁気ディスク運転、およびリムーバブル不揮発性光学ディスク(例えば、シーディーロム(Compact Disc Read Only Memory、以下CD-ROMと略する)、ディーブイディーロム(Digital Video Disc Read Only Memory、以下DVD-ROMと略する)または他の光学媒体)に対して読み出しおよび書き込みをするための光ディスク運転を提供することができる。これらの場合、各運転は、1つまたは複数のデータメディアインターフェイスを介してバス908に接続することができる。システムメモリ910は、本開示の各実施例に記載の機能を実行するように構成される1セットの(例えば、少なくとも1つ)プログラムモジュールを有する少なくとも1つのプログラム製品を含んでもよい。
【0092】
コンピュータ読み取り可能なの信号媒体は、ベースバンドにおける、又は搬送波の一部として伝播するデータ信号を含むことができ、その中には、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードが搭載される。この伝播するデータ信号は様々な形式を採用することができ、電磁信号、光信号又は上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない。コンピュータ読み取り可能なの信号媒体は、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよく、当該コンピュータ読み取り可能な媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスにより使用され、或いはそれらと組み合わせて使用されるプログラムを送信、伝播又は伝送することができる。
【0093】
コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれるプログラムコードは、無線、有線、光ケーブル、RFなど、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体によって伝送することができる。
【0094】
1つ又は複数のプログラミング言語又はそれらの組み合わせで本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードを作成することができ、前記プログラミング言語は、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのプロジェクト指向のプログラミング言語を含み、さらに、「C」言語又は同様のプログラミング言語といった従来の手続き型プログラミング言語をも含む。プログラムコードは、完全にユーザコンピュータで実行されてもよいし、部分的にユーザコンピュータに実行されてもよいし、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されてもよいし、部分的にユーザコンピュータで、部分的にリモートコンピュータで実行されてもよい、又は完全にリモートコンピュータ又はサーバで実行してもよい。
【0095】
1セットの(少なくとも1つ)プログラムモジュール9140を有するプログラム/ユーティリティ914は、例えば、システムメモリ910に記憶されてもよく、このようなプログラムモジュール9140は、オペレーティングシステム、1つまたは複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュールおよびプログラムデータを含むが、これらに限定されない。これらの例のそれぞれまたはある組み合わせには、ネットワーキング環境の実装が含まれる可能性がある。プログラムモジュール9140は、通常、本開示に記載の実施例における機能および/または方法を実行する。
【0096】
コンピュータ機器90は、1つまたは複数の外部デバイス14(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ100など)と通信することができ、また、ユーザが当該コンピュータ機器90とインタラクションすることを可能にする1つまたは複数のデバイスと通信することができ、および/または、当該コンピュータ機器90が1つまたは複数の他のコンピューティングデバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(例えば、ネットワークカード、モデムなど)と通信することもできる。そのような通信は、入力/出力(I/O)インターフェイス902を介して行うことができる。また、コンピュータ機器90は、ネットワークアダプタ900を介して、1つまたは複数のネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、以下LANと略する)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network、以下WANと略する)、および/またはパブリックネットワーク、例えば、インターネット)と通信することができる。
図9に示すように、ネットワークアダプタ900は、バス908を介してコンピュータ機器90の他のモジュールと通信する。なお、
図9に示されていないが、マイクロコード、デバイスドライバ、冗長化処理ユニット、外部ディスク駆動アレイ、RAIDシステム、テープドライバ、およびデータバックアップストレージシステムなどを含むが、これらに限定されない他のハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュールをコンピュータ機器90と組み合わせて使用することができる。
【0097】
処理ユニット906は、システムメモリ910に記憶されているプログラムを実行することにより、多様な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行し、前述した実施例に記載の車両制御方法を実現する。
【0098】
上記実施例を実現するために、本出願は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該プログラムがプロセッサによって実行されるとき、前述した実施例に記載の車両制御方法が実現される。
【0099】
上記実施例を実現するために、本出願は、コンピュータプログラム製品をさらに提供し、前記コンピュータプログラム製品における命令がプロセッサによって実行されるとき、前述した実施例に記載の車両制御方法が実現される。
【0100】
本明細書の説明において、「一実施例」、「一部の実施例」、「例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参考した説明とは、当該実施例或いは例を合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性が、本開示の少なくとも1つの実施例或いは例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例を示すものではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性は、いずれか1つ或いは複数の実施例又は例において適切に結合することができる。なお、相互に矛盾しない限り、当業者は、本明細書において説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0101】
本発明の説明において、「第1」、「第2」の用語は、単に説明するためのものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはならない。よって、「第1」、「第2」が限定されている特徴は少なくとも1つの前記特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本開示の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つなどを意味する。
【0102】
フローチャートにおける、又はここで他の形態で記載された任意のプロセス又は方法は、特定ロジック機能又はプロセスのステップを実現するための1つ又は複数の実行可能な命令コードを含むモジュール、セグメント又は一部を表すと理解されてもよい。また、本発明の好ましい実施形態の範囲は、ここで示されるか又は論議された順番ではなく、係る機能に応じてほぼ同時の形態又は逆の順番で機能を実行することができる他の実現を含むことができる。これは、当業者であれば理解すべきである。
【0103】
フローチャートで示された又はここで他の形態で説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の順番付けられたリストと見なすことができ、任意のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に具体的に実装されて、命令実行システム、装置、又はデバイス(例えばコンピュータに基づいたシステム、プロセッサを含むシステム、又は他の命令実行システム、装置又はデバイスから命令を獲得して命令を実行するシステム)に利用されるか、又はこれらの命令実行システム、装置又はデバイスと組み合わせて利用される。本願明細書において、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」は、命令実行システム、装置又はデバイスによって、又は、命令実行システム、装置又はデバイスと組み合わせて使用するためのプログラムを含む、格納する、通信する、伝播する、又は伝送することができる任意の装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例(非限定的なリスト)として、1つ又は複数の配線を備える電気接続部(電子デバイス)、ポータブルコンピュータディスクカートリッジ(磁気デバイス)、ランダムアクセスメモリ(RAM)読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバデバイス、及びポータブルコンパクトディスク読み出し専用リメモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記プログラムが印刷され得る紙又は他の適切な媒体であってもよく、これは、例えば、紙や他の媒体を光学的スキャンし、次に編集し、解釈し、又は必要な場合に他の適切な形態で処理して前記プログラムを電子的に取得して、そしてコンピュータメモリに格納するからである。
【0104】
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。上記実施形態において、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶された且つ適切な命令実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実現することができる。例えば、ハードウェアで実現される場合に、もう1つの実施形態と同様に、本分野において周知である、データ信号に対してロジック機能を実現するためのロジックゲート回路を備える離散ロジック回路、適切な組み合わせロジックゲート回路を備える特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの当分野の周知技術のうちいずれか1つ又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
【0105】
通常の当業者であれば、上記の実施例に係る方法に含まれる全部又は一部のステップは、プログラムによってハードウェアを命令することで実行することができると理解することができる。前記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納することができ、当該プログラムが実行される場合に、方法実施例におけるステップの1つ又はそれらの組み合わせが実行される。
【0106】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに集積されてもよいし、それぞれが個別の物理的存在であってもよいし、2つ以上のユニットが1つのモジュールに集積されてもよい。前記集積モジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。前記集積モジュールがソフト機能モジュールの形態で実現されるとともに、独立した製品として販売又は使用される場合に、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。
【0107】
上記の記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、又はCDなどであってもよい。なお、以上、本発明の実施例を示して説明したが、上記実施例は例示するものであって、本発明を制限するためのものであると理解してはならない。通常の当業者であれば、本発明の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、置換え、変形を行うことができる。