(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ジンバル動作モードの切替方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20220112BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20220112BHJP
B64D 47/08 20060101ALI20220112BHJP
F16M 11/12 20060101ALI20220112BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20220112BHJP
G05D 1/10 20060101ALI20220112BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220112BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20220112BHJP
【FI】
G03B17/56 A
B64C39/02
B64D47/08
F16M11/12 E
F16M11/12 H
H04N5/222 100
G05D1/10
G03B15/00 U
G03B15/00 P
G03B5/00 J
(21)【出願番号】P 2020528032
(86)(22)【出願日】2017-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2017119113
(87)【国際公開番号】W WO2019127137
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】6F,HKUST SZ IER Bldg.NO.9 Yuexing 1st Rd.Hi-Tech Park(South),Nanshan District Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シュアイ
(72)【発明者】
【氏名】ス、ティエ
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-508108(JP,A)
【文献】中国実用新案第205176664(CN,U)
【文献】特表2017-522588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
B64C 39/02
B64D 47/08
F16M 11/12
H04N 5/222
G05D 1/10
G03B 15/00
G03B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することと、
前記ジンバルの計測姿勢を取得し、前記計測姿勢に基づき前記ジンバルの所望姿勢を確定することと、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えることと、を含
み、
前記第1の動作モードはジンバル固定モードであり、前記第2の動作モードはジンバル追従モードであり、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えることは、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記ジンバル追従モードへと切り替えることを含み、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記ジンバル追従モードへと切り替えることは、
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、
前記所望姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびに前記角度バイアス値に基づき、前記計測姿勢に対応するベース姿勢に対する前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定することと、
前記角度差に基づき追従速度を確定し、前記追従速度を積分して追従コマンドを得ることと、を含む、ジンバル動作モードの切替方法。
【請求項2】
前記ジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することは、
飛行制御データに基づき前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することを含む、請求項1に記載の
ジンバル動作モードの切替方法。
【請求項3】
前記飛行制御データに基づき前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することは、
前記飛行制御データが無人航空機のホバリングに対応する状況で、前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することを含む、請求項2に記載の
ジンバル動作モードの切替方法。
【請求項4】
前記飛行制御データに基づき前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することは、
無人航空機が前記飛行制御データの転送を停止した状況で、前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することを含む、請求項2に記載の
ジンバル動作モードの切替方法。
【請求項5】
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することは、
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角と前記計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することを含む、請求項
1から4の何れか一項に記載の
ジンバル動作モードの切替方法。
【請求項6】
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記ジンバル追従モードへと切り替えることは、
ベース純転動の角度に前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を加え、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を得ることと、
前記所望姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびに前記角度バイアス値に基づき、前記計測姿勢に対応するベース姿勢に対する前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定することと、
前記角度差に基づき追従速度を確定し、前記追従速度を積分して追従コマンドを得ることと、を含む、請求項
1から5の何れか一項に記載の
ジンバル動作モードの切替方法。
【請求項7】
前記ジンバルの現在の動作モードは追従モードであり、
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、
前記角度バイアス値の基礎の上で前記ジンバルの前記追従モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を減じ、前記ジンバルの前記追従モードでのベース純転動の角度を得ることと、
前記ベース純転動の角度を記録することと、を含む、請求項
1から6のいずれか一項に記載の
ジンバル動作モードの切替方法。
【請求項8】
ジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することと、
前記ジンバルの計測姿勢を取得し、前記計測姿勢に基づき前記ジンバルの所望姿勢を確定することと、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えることと、を含み、
前記第1の動作モードはジンバル固定モード又は追従モードであり、前記第2の動作モードは復位モードであり、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えることは、
前記計測姿勢に対応するベース姿勢及び前記所望姿勢に対応する中枠姿勢に基づき、復位速度を確定し、前記復位速度を積分して速度積分コマンド部分を得て、前記速度積分コマンド部分以外の他のコマンド部分をクリアすることを含む、
ジンバル動作モードの切替方法。
【請求項9】
前記速度積分コマンド部分が、前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角と前記所望姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差が所定の範囲内にあるようにする、請求項
8に記載の
ジンバル動作モードの切替方法。
【請求項10】
請求項1から請求項
9の何れか1項に記載の
ジンバル動作モードの切替方法を実行する、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[版権に関する声明]
本特許書類で開示されている内容は、版権の保護を受ける材料を含む。この版権は、版権所有者が所有する。版権所有者は、特許庁の公式なレコード及びドキュメント中に存在するこの特許書類又はこの特許の開示をいかなる者が複製することにも反対しない。
【0002】
本願は、航空機分野に関するものであり、特に、ジンバル動作モードの切替方法、制御装置及び画像安定化機器に関する。
【背景技術】
【0003】
航空技術の発展に伴い、例えばUAV(Unmanned Aerial Vehicle、無人航空機、無人機ともいう)などの航空機が、例えば、UAV植物保護、UAV航空撮影、UAV森林火災モニタリングなどのように、すでに軍用機から徐々に広範な民間機に発展しており、民用化もUAVの将来的な発展の傾向となっている。中でも、航空撮影は、通常、三軸ジンバル技術に基づくジンバルを航空機に搭載し、ジンバル上に撮影装置を設けることが要求される。三軸ジンバル技術は、ピッチ(pitch)角、ヨー(yaw)角及びロール(roll)角に対する制御によって、自動的に安定化し調節することを実現する技術である。
【0004】
手持ちジンバルは、現在、手ブレ防止分野における発展の一つの重要な方向性である。三軸ジンバル技術を手持ち撮影分野に移転し、撮影中に自動的に安定化しバランスをとることを実現するというものである。撮影装置を手持ちジンバルに挟み、手持ちジンバルは、自動的にユーザの動作に伴い調整して、撮影装置を安定化しバランスがとれた角度に終始保つことができ、撮影される画面をできる限り安定化させる。
【0005】
常に高まっている撮影の要求に応じるため、従来のジンバルは、撮影装置を搭載して空中で航空撮影を行うことができ、撮影装置を搭載して自動車に取り付け撮影を行うことも、撮影装置を搭載して手持ち撮影を行うこともできる。上記撮影の要求を実現するため、ジンバルは、複数種の動作モードを有することができる。例えば、撮影時にベースがどのように動いてもジンバルの方向が変わらないモードである固定モード、撮影時にジンバルがベースに従い動く追従モード、ジンバルのヨー方向がベースと一致しジンバルのピッチ方向が水平に戻る復位モードなどである。従来のジンバルは、これらの動作モードを切り替えるときに、ジンバルに搭載された撮影装置で撮影した画面に中断、揺らぎ又は遅延などの現象が生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、ジンバルモードを切り替えるときにジンバルに搭載された撮影装置で撮影した画面に揺らぎ又は遅延などの現象が生じることを防止することができるジンバル動作モードの切替方法、制御装置及び画像安定化機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、ジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することと、前記ジンバルの計測姿勢を取得して、前記計測姿勢に基づき前記ジンバルの所望姿勢を確定することと、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えることと、を含むジンバル動作モードの切替方法を提供する。
【0008】
第2の態様において、ジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することと、前記ジンバルの計測姿勢を取得して、前記計測姿勢に基づき前記ジンバルの所望姿勢を確定することと、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えることと、に用いられる処理ユニットを含む制御装置を提供する。この制御装置は、ジンバルと通信を行うための送受信ユニットをさらに含む。例えば、送受信ユニットは、ジンバルが送信した姿勢情報を受信し、処理ユニットがこれに基づきジンバルの計測姿勢を取得する。さらに、例えば、送受信ユニットは、処理ユニットの指示の下で、ジンバルに制御信号を送信し、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える。
【0009】
第3の態様において、処理装置と、記憶装置と、を含み、前記記憶装置にコンピュータコマンドが格納されており、前記処理装置が前記コンピュータコマンドを実行するときに、前記ジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するステップと、前記ジンバルの計測姿勢を取得して、前記計測姿勢に基づき前記ジンバルの所望姿勢を確定するステップと、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えるステップと、を前記処理装置に実行させる制御装置を提供する。
【0010】
第4の態様において、第1の動作モードと第2の動作モードとを含むジンバルであって、現在の動作モードが前記第1の動作モードであるジンバルと、前記ジンバルの計測姿勢を取得し、前記計測姿勢を前記制御装置に送信するための計測部材と、前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するための制御装置と、を含み、前記計測部材から前記計測姿勢を取得して、前記ジンバルの所望姿勢を確定し、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える画像安定化機器を提供する。
【0011】
第5の態様において、処理モジュールと、通信インターフェースと、を含み、前記処理モジュールは、前記通信インターフェースを制御して外部と通信を行うために用いられ、前記処理モジュールは、さらに第1の態様で提供されている方法を実現するために用いられるチップを提供する。
【0012】
第6の態様において、コンピュータによって実行されるときに第1の態様又は第1の態様のいずれかで可能な実施形態における方法を前記コンピュータに実現させるコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を提供する。具体的には、前記コンピュータは、上記制御装置であってもよい。
【0013】
第7の態様において、コマンドがコンピュータによって実行されるときに第1の態様で提供される方法を前記コンピュータに実現させるコマンドを含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0014】
本願は、ジンバルを制御して所望姿勢を保つようにしたまま、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えることにより、ジンバルの異なる動作モードのシームレスな切替を実現することができ、この種のシームレスな切替は、ジンバルモードを切り替えるときに、ジンバル上に搭載された撮像機器に転動が発生することを防止することができ、これにより異なる撮影状態の移行をユーザが容易に実現することができ、長回しの効果を撮影することができる。そのため、本願の実施例の方法は、先行技術における、ジンバルのモードを切り替えるときに、ジンバルに搭載された撮影装置で撮影した画面に揺らぎ又は遅延などの現象が生じるという問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】本願の実施例のジンバル動作モードの切替方法の模式的流れ図である。
【
図4】本願の実施例におけるジンバルの固定モードから追従モードへの切替の模式図である。
【
図5】本願の実施例におけるジンバルの固定モードから追従モードへの切替の模式図である。
【
図6】本願の実施例におけるジンバルの固定モードから追従モードへの切替の模式図である。
【
図7】本願の実施例の制御装置の模式的ブロック図である。
【
図8】本願の実施例の制御装置の別の模式的ブロック図である。
【
図9】本願の実施例の画像安定化機器の模式的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面と合わせ、本願の実施例における技術手法について説明する。
【0017】
別段の定義がある場合を除き、本文で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本願の技術分野の当業者が通常理解する意味と同じである。本文中の本願の明細書において使用される用語は、具体的な実施例を記述する目的のためのものに過ぎず、本願を限定することを意図したものではない。
【0018】
まず、本願の実施例にかかる関連する技術及び概念について説明する。
【0019】
ジンバル固定モードとは、撮影中に、ジンバルのヨー角(yaw角)がベースの動きに伴い変化しないことをいい、通常、空撮又は車載撮影の場面で用いられる。
【0020】
ジンバル追従モードとは、撮影中に、ジンバルがベースに従い動き、ジンバルのヨー角がベースの転動に伴い変化することをいい、通常、手持ち撮影の場面で用いられる。
【0021】
ジンバル復位モードとは、ジンバルのヨー方向とベースのヨー方向とが一致し、ジンバルがピッチ方向(pitch方向)で水平に戻ることをいう。
【0022】
図1は、本願の実施例の方法を用いた三軸ジンバルの模式図である。
図1に示すように、三軸ジンバルは、三自由度電動回転台を有し、この三自由度電動回転台は、内枠7と、中枠8と、外枠5と、ジンバルベース4とを含む。具体的には、ジンバルベース4上に外枠5が取り付けられ、外枠5上に中枠8が取り付けられ、中枠8上に内枠7が取り付けられている。外枠5の回転軸上には、ヨー軸モータ3を有する。中枠8の回転軸は、外枠5上に位置し、中枠8の回転軸上には、ロール軸モータ2を有する。内枠7の回転軸上には、ピッチ軸モータ1を有する。ここで、外枠5、中枠8及び内枠7の回転軸は、空間上で互いに垂直であり、かつ一点で交わっている。
【0023】
図1に示すように、内枠7上にカメラ固定機構6を有し、その内部に、例えばジャイロスコープなどの慣性計測装置を含む。カメラ9は、カメラ固定機構6の中に装着することができる。
【0024】
ピッチ軸モータ1の稼働によって、内枠7が転動され、カメラ9をピッチ方向に移動させる。内枠7は、ピッチ軸アーム(pitch軸アーム)とも呼ばれる。ロール軸モータ2の稼働によって、中枠8が転動され、カメラ9をロール方向に移動させる。中枠8は、ロール軸アーム(roll軸アーム)とも呼ばれる。ヨー軸モータ3の稼働によって、外軸5が転動され、カメラ9を水平方向に移動させる。外枠5は、水平軸アーム又はヨー軸アーム(yaw軸アーム)とも呼ばれる。
【0025】
ジンバルの方向又は向きとは、ジンバル上に搭載された撮像機器(例えば、
図1におけるカメラ9)の向き、すなわち、ジンバルの内枠の向きをいうと理解すべきである。
【0026】
本文において言及されているベースとは、いずれもジンバルベースをいう。
【0027】
図2は、ジンバルの動作原理の模式図である。
図2に示すように、ジンバルは、慣性計測装置(例えば、
図1に示すカメラ固定機構6の中に位置する慣性計測装置)をフィードバックデバイスとし、三軸モータを出力素子とすることにより、閉ループ制御システムを形成する。この閉ループ制御システムにおける制御量は、ジンバルの姿勢、すなわち、所定の目標姿勢であり、フィードバック制御により計測姿勢が目標姿勢に無限に近づくことを実現する。
【0028】
具体的には、この閉じた制御システムにおける動作の流れは次のとおりである。遠隔制御装置から出力されたレバー数値とモータのトルクによってジンバルの目標姿勢を決定する。積分器がジンバル上のジャイロスコープ(慣性計測装置)の角速度を積分してジンバルの計測姿勢を得る。目標姿勢と計測姿勢の偏差を制御装置に入力し、制御装置は入力された偏差に基づき三軸モータ(例えば、
図1に示したピッチ軸モータ、ロール軸モータ2及びヨー軸モータ3)の稼働を制御し、三軸モータの稼働によって、対応するアームにモーメントを出力させることにより、ジンバルの姿勢を変化させる。この種の閉ループ制御によって、ジンバルの計測姿勢を目標姿勢に常に近づける。
【0029】
現在、人々の撮影要求に応じるため、固定モード、追従モード及び復位モードなどの多くの新しい機能がジンバルに追加されている。固定モードでは、ジンバルベースがどのように動いても、ジンバルの向きは変わらない。追従モードでは、ジンバルがジンバルベースの動きに従う。復位モードでは、ジンバルのヨー方向がジンバルベースと一致し、ピッチ方向で水平に戻る。本文において言及されているジンバルの方向又はジンバルの向きとは、いずれもジンバルの内枠の向きをいうと理解すべきである。
【0030】
撮影技術の発展に伴い、ユーザの撮影要求は高まっており、例えば、ユーザは撮影時に長回しの実現を要求している。長回しとは、撮影中に画面が中断することなく、カメラを航空機に取り付けて撮影しても、自動車に取り付けて撮影しても、カメラジンバルに取り付けて撮影しても、これらの撮影場面において任意に切り替えることができ、ジンバル及びカメラが終始動作状態にあり、撮影した画面が中断せずに連続しており、かつ画面に突然揺らぎが生じたり遅延が生じたりすることがないことをいう。
【0031】
現在、ジンバルは、空撮を行うときには主に固定モードで動作し、手持ち撮影を行うときには主に追従モードで動作する。この2つのモード間で切替を行うときに、ジンバルは、ジンバルベースと追従中心点を改めて探し、この過程において、ジンバルに搭載された撮像機器の向きが転動し、画面の転動をもたらし、モード切替前の場面に合わせることができないため、長回しの効果を撮影することができず、ユーザの撮影要求を満たすことができない。
【0032】
上記課題に対して、本願は、ジンバルモードを切り替えるときにジンバルに搭載された撮影装置で撮影した画面に揺らぎ又は遅延などの現象が生じることを防止することができるジンバル動作モードの切替方法、制御装置及び画像安定化機器を提案する。
【0033】
図3は、本願の実施例のジンバル動作モードの切替方法300の模式的流れ図である。方法300は、ジンバルを制御する制御装置により実行することができる。
図3に示すように、方法300は、次のステップを含む。
【0034】
S310、このジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定する。
【0035】
第1の動作モードとこの第2の動作モードは、ジンバルの2種類の異なる動作モードを表す。例えば、この第1の動作モードはジンバル固定モードであり、この第2の動作モードは追従モード又は復位モードである。又は、この第1の動作モードは追従モードであり、この第2の動作モードはジンバル固定モード又は復位モードである。
【0036】
具体的には、ジンバルを制御する制御装置は、ジンバルの動作モードの切替を行う必要があるかどうか自己適応的に判断することができ、又は、制御装置は、ユーザのコマンドに基づきジンバルの動作モードの切替を行う必要があるかどうか判断することができ、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0037】
S320、このジンバルの計測姿勢を取得し、この計測姿勢に基づきこのジンバルの所望姿勢を確定する。
【0038】
具体的には、ジンバルに搭載された慣性計測装置(例えば、
図1に示したカメラ固定機構6内部に含まれる慣性計測装置)の計測データに基づき、ジンバルの計測姿勢を取得する。例えば、この慣性計測装置がジャイロスコープである場合、ジャイロスコープの角速度を積分することにより、ジンバルの計測姿勢を得る。
【0039】
具体的には、この計測姿勢と遠隔制御装置のレバー数値に基づき、このジンバルの所望姿勢を確定する。
【0040】
一つの例として、このジンバルは、無人航空機上のジンバルである。このジンバルの所望姿勢を確定する流れは次のとおりである。1)ジンバルを初期化するときに、ジンバルと無人航空機とが揃っている。具体的には、ジンバルのピッチ角がゼロであり、ジンバルのロール角がゼロであり、ジンバルのヨー角が無人航空機のヨー角に等しい。2)遠隔制御装置のレバー入力の角速度を取得し、この角速度を積分して、角度を得る。この角度は、ユーザが定義したジンバル姿勢を表す。3)ジンバルの計測姿勢とユーザが定義したジンバル姿勢に基づき、このジンバルの所望姿勢を確定する。
【0041】
別の例として、このジンバルは、手持ちジンバルである。このジンバルの所望姿勢を確定する流れは次のとおりである。1)ジンバルを初期化するときに、ジンバルとグリップとが揃っている。具体的には、ジンバルのピッチ角がゼロであり、ジンバルのロール角がゼロであり、ジンバルのヨー角がグリップのヨー角に等しい。2)遠隔制御装置のレバー入力の角速度を取得し、この角速度を積分して、角度を得る。この角度は、ユーザが定義したジンバル姿勢を表す。3)ジンバルの計測姿勢とユーザが定義したジンバル姿勢に基づき、このジンバルの所望姿勢を確定する。
【0042】
遠隔制御装置のレバー入力とは、ユーザが遠隔制御装置を操作した結果であると理解すべきである。よって、遠隔制御装置のレバー数値で表されるジンバル姿勢は、ユーザが定義したジンバル姿勢であると考えることができる。
【0043】
さらに、モード切替中にジンバルに転動が生じないことをできる限り保証するため、ユーザは、遠隔制御装置を操作することによってジンバル姿勢を定義するときに、原則的にジンバルの現在の計測姿勢を参照して定義し、理想的な状況においては、遠隔制御装置のレバー数値で表されるジンバル姿勢(すなわち、ユーザが定義したジンバル姿勢)とジンバルの計測姿勢が同じであることを理解すべきである。しかしながら、実際には、各種原因によって、遠隔制御装置のレバー数値で表されるジンバル姿勢(すなわち、ユーザが定義したジンバル姿勢)とジンバルの計測姿勢が一致しない可能性がある。ジンバルの計測姿勢とユーザが定義したジンバル姿勢が一致しない場合、ジンバルの計測姿勢を、ジンバルの所望姿勢として確定する。ジンバルの計測姿勢とユーザが定義したジンバル姿勢が一致する場合、ユーザが定義したジンバル姿勢を、ジンバルの所望姿勢として確定することができる。
【0044】
S330、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま、この第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える。
【0045】
具体的には、ジンバルを制御して第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替え、かつ切替中に、ジンバルが所望姿勢をずっと保つよう制御する。言い換えれば、ジンバルの動作モード切替中に、ジンバルの内枠の向きに変化が生じない。
【0046】
本願の実施例は、ジンバルを制御して所望姿勢を保つようにしたまま、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えることにより、ジンバルの異なる動作モードのシームレスな切替を実現することができ、この種のシームレスな切替は、ジンバルモードを切り替えるときに、ジンバル上に搭載された撮像機器に転動が発生することを防止することができ、これにより異なる撮影状態の移行をユーザが容易に実現することができ、長回しの効果を撮影することができる。そのため、本願の実施例の方法は、先行技術に存在する、ジンバルのモードを切り替えるときに、ジンバルに搭載された撮影装置で撮影した画面に揺らぎ又は遅延などの現象が生じるという問題を解決することができる。
【0047】
なお、本文で言及されているジンバルの異なる動作モードのシームレスな切替とは、ジンバルの異なる動作モードの切替中に、ジンバルの内枠の向きが変わらないことをいう。
【0048】
具体的には、ステップS310において、ジンバルを制御する制御装置は、自己適応的な判断によってこのジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することができる。
【0049】
例えば、ジンバルを無人航空機に搭載し、S310において、ジンバルを制御する制御装置が、飛行制御データに基づきこのジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定する。
【0050】
具体的には、飛行制御データは、経緯度データ、高度データ又は姿勢データなどの飛行状態情報を含む。飛行制御データは、空撮のために位置及び方向の参照を提供することができると理解すべきである。
【0051】
選択可能に、一実施形態として、ジンバルを無人航空機に搭載し、ステップS310は、具体的には、この飛行制御データが無人航空機のホバリングに対応する状況で、このジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することを含む。
【0052】
具体的には、この飛行制御データに対応するものが無人航空機のホバリングの飛行状態情報である場合、このときにジンバルで動作モードの切替を行う必要があることを確定する。
【0053】
選択可能に、別の実施形態として、ジンバルを無人航空機に搭載し、ステップS310は、具体的には、無人航空機が飛行制御データの転送を停止した状況で、このジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することを含む。
【0054】
具体的には、無人航空機が飛行制御データの転送を停止したことが検出された場合、ジンバルで動作モードの切替を行う必要があることを確定する。
【0055】
具体的には、ステップS310において、ジンバルを制御する制御装置は、さらに、ユーザコマンドによってこのジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することができる。
【0056】
選択可能に、いくつかの実施例において、ステップS310は、具体的には、動作モード切替コマンドを受信することと、この動作モード切替コマンドに基づきこのジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することとを含む。
【0057】
選択可能な一実施形態として、動作モード切替コマンドを受信することは、遠隔制御装置又はグリップから送信されたこの動作モード切替コマンドを受信することを含む。
【0058】
例えば、ユーザが、遠隔制御装置又はグリップによって動作モード切替コマンドを発し、ジンバルを制御する制御装置が、この動作モード切替コマンドを受信した後、上記実施例におけるS320及びS330を実行するなど、動作モードの切替の流れをトリガする。
【0059】
別の選択可能な実施形態として、動作モード切替コマンドを受信することは、端末機器がアプリケーション(Application、アプリ)によって送信したこの動作モード切替コマンドを受信することを含む。
【0060】
例えば、ユーザが、端末機器にインストールされたアプリによって動作モード切替コマンドを発し、ジンバルを制御する制御装置が、この動作モード切替コマンドを受信した後、上記実施例におけるS320及びS330を実行するなど、動作モードの切替の流れをトリガする。
【0061】
具体的には、ステップS330において、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま、この第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える。動作モードの違いにより、対応する制御コマンドの生成方式も異なる。以下、異なる切替場面を例に説明する。
【0062】
切替場面1:ジンバル固定モードから追従モードへの切替。
【0063】
選択可能に、いくつかの実施例において、この第1の動作モードはジンバル固定モードであり、この第2の動作モードはジンバル追従モードであり、ステップS330は、具体的には、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、このジンバル固定モードからこの追従モードへと切り替える。
【0064】
先行技術において、ジンバルでジンバル固定モードと追従モードとの間を切り替える必要がある場合、ジンバルは、ジンバルベースの追従中心点を改めて探し、この過程において、ジンバルに搭載された撮像機器が転動し、画面の転動をもたらし、モード切替前の場面に合わせることができないため、長回しの効果を撮影することができず、ユーザの撮影要求を満たすことができない。
【0065】
本願の実施例において、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、このジンバル固定モードからこの追従モードに切り替えることにより、ジンバルのジンバル固定モードから追従モードへのシームレスな切替を比較的良好に保証することができ、これによりモード切替中にジンバルに搭載された撮像機器に転動が生じることを防止することができるため、ユーザが長回しの効果を撮影することを実現することができ、ユーザの撮影要求を満たすことができる。
【0066】
ジンバル固定モードでは、撮影中に、ジンバルのヨー方向がジンバルベースの動きに伴い変化しない。そのため、ジンバル固定モードでは、ベース姿勢とジンバル姿勢との差に変化が生じる可能性がある。ベース姿勢とジンバル姿勢との差は、速度積分を生じる部分、プッシュコマンド(pushコマンド)の部分、ベース純転動の部分の3つの部分を含む可能性がある。ジンバル固定モードからジンバル追従モードへと切り替える必要がある場合、ジンバルが動かないことを保証するため、ベース純転動の部分を求める必要がある。
【0067】
ベース純転動の部分で生じる角度は、ジンバルの現在の中枠姿勢のヨーオイラー角からジンバルの現在のベース姿勢のヨーオイラー角を減じ、さらに速度積分部分で生じる角度を減じてから、プッシュコマンド部分を減じて生じる角度に等しい。
【0068】
図1に示す三軸ジンバルを例とすると、中枠姿勢とは、中枠8の姿勢をいい、ベース姿勢とは、ジンバルベース4の姿勢をいう。
【0069】
選択可能に、一実施形態として、ステップS330、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、このジンバル固定モードからこの追従モードへと切り替えることは、具体的には、次のステップS331~S333を含む。
【0070】
S331、ジンバルの計測姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定する。
【0071】
計測姿勢に対応する中枠姿勢で表されるものは、現在のジンバルの中枠姿勢である。計測姿勢に対応するベース姿勢で表されるものは、現在のジンバルのベース姿勢である。
【0072】
具体的には、ジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定する方法は、この計測姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角とこの計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することとすることができる。
【0073】
選択可能に、いくつかの実施例において、ジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定する方法は、さらに、この計測姿勢に対応する中枠姿勢の他の座標系での姿勢角とこの計測姿勢に対応するベース姿勢のこの他の座標系での姿勢角との差に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することとすることができる。ここで言及されている他の座標系とは、オイラー座標系以外の他の実現可能な座標系とすることができ、本発明の実施例ではこれについて限定しない。
【0074】
S332、この所望姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびにこの角度バイアス値に基づき、この計測姿勢に対応するベース姿勢に対するこの所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定する。
【0075】
具体的には、この所望姿勢に対応する中枠姿勢とこの計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、この所望姿勢に対応する中枠姿勢からこの計測姿勢に対応するベース姿勢への変換姿勢を求め、次いで、この変換姿勢からこの角度バイアス値を減じ、この計測姿勢に対応するベース姿勢に対するこの所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を得る。
【0076】
S333、この角度差に基づき追従速度を確定し、この追従速度を積分して追従コマンド(followコマンド)を得る。
【0077】
ジンバルがこの追従コマンドを受信すると、固定モードから追従モードに切り替えられると理解すべきである。
【0078】
本実施例は、ジンバルの固定モードから追従モードへのシームレスな切替を実現することができる。
【0079】
選択可能に、別の実施形態として、ステップS330、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、このジンバル固定モードからこの追従モードへと切り替えることは、ステップS334~S336を含む。
【0080】
S334、ベース純転動の角度にこのジンバルのこのジンバル固定モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を加え、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を得る。
【0081】
S335、この所望姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびにこの角度バイアス値に基づき、この計測姿勢に対応するベース姿勢に対するこの所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定する。
【0082】
具体的には、この所望姿勢に対応する中枠姿勢とこの計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、この所望姿勢に対応する中枠姿勢からこの計測姿勢に対応するベース姿勢への変換姿勢を求め、次いで、この変換姿勢からこの角度バイアス値を減じ、この計測姿勢に対応するベース姿勢に対するこの所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を得る。
【0083】
S336、この角度差に基づき追従速度を確定し、この追従速度を積分して追従コマンドを得る。
【0084】
ジンバルがこの追従コマンドを受信すると、固定モードから追従モードに切り替えられると理解すべきである。
【0085】
本実施例は、ジンバルの固定モードから追従モードへのシームレスな切替を実現することができる。
【0086】
ジンバルは、空撮又は車載撮影を行うときには主にジンバル固定モードで動作し、手持ち撮影を行うときには主に追従モードで動作すると理解すべきである。そのため、上述した切替場面1での動作モード切替方法は、空撮から手持ち撮影への切替、又は車載撮影から手持ち撮影への切替の応用場面に適用することができる。
【0087】
具体的には、
図4から
図6は、ジンバルの固定モードから追従モードへの切替の模式図である。
図4において、ジンバルは空撮状態で動作し、その動作モードは固定モードである。
図5において、ジンバルは動作モード切替過程にあり、すなわち、固定モードから追従モードへと切り替えられている。
図6において、ジンバルはすでに追従モードに切り替えられており、手持ち撮影に用いられる。
図6に示す場面において、本願の実施例の方法を用いてジンバルの固定モードから追従モードへの切替を完了することができる。
【0088】
そのため、本実施例は、ジンバルのジンバル固定モードから追従モードへのシームレスな切替を実現することができ、これにより、ジンバルの空撮から手持ちへの、又は車載撮影から手持ちへのシームレスな切替を実現し、ユーザの満足度を高めることができる。
【0089】
切替場面2:追従モードからジンバル固定モードへの切替。
【0090】
選択可能に、いくつかの実施例において、ジンバルの現在の動作モードは追従モードであり、この方法300は、さらに、ジンバルの計測姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、この角度バイアス値の基礎の上でこのジンバルのこの追従モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を減じ、このジンバルのこの追従モードでのベース純転動の角度を得ることと、このベース純転動の角度を記録することと、ジンバルを固定モードに切り替える必要があるときに、記録したベース純転動の角度に基づき、固定コマンドを生成することとを含む。
【0091】
ジンバルがこの固定コマンドを受信すると、追従モードから固定モードに切り替えられると理解すべきである。
【0092】
さらに、この切替場面2は、手持ち撮影から空撮への切替、又は手持ち撮影から車載撮影への切替といった応用場面に適用することができると理解すべきである。
【0093】
そのため、本実施例は、ジンバルの追従モードからジンバル固定モードへのシームレスな切替を実現することができ、これにより、ジンバルの手持ちから空撮への、又は手持ちから車載撮影へのシームレスな切替を実現し、ユーザの満足度を高めることができる。
【0094】
切替場面3:追従モード又はジンバル固定モードから復位モードへの切替。
【0095】
選択可能に、いくつかの実施例において、この第1の動作モードはジンバル固定モード又は追従モードであり、この第2の動作モードは復位モードであり、ステップS330は、具体的には、次のステップS337及びS338を含む。
【0096】
S337、この計測姿勢に対応するベース姿勢及びこの所望姿勢に対応する中枠姿勢に基づき、復位速度を確定する。
【0097】
具体的には、計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角と所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角について差を求め、復位速度を得る。
【0098】
S338、この復位速度を積分して速度積分コマンド部分を得て、この速度積分コマンド部分以外の他のコマンド部分をクリアする。
【0099】
具体的には、この速度積分コマンド部分以外の他のコマンド部分は、プッシュコマンド部分と、追従コマンド部分と、ベース純転動部分とを含む。
【0100】
選択可能に、本実施例では、この速度積分コマンド部分が、この所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角とこの所望姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差が所定の範囲内にあるようにする。
【0101】
具体的には、計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角と所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角について差を求め、復位速度を得る過程において、計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角と所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角との差が所定の範囲内にある場合、復位が完了したと考え、現在得られた復位速度を積分して速度積分コマンド部分を得るとともに、プッシュコマンド部分、追従コマンド部分及びベース純転動部分をクリアする。
【0102】
本実施例にかかる所定の範囲は、経験値であってもよい。
【0103】
本実施例は、固定モードから復位モードへのシームレスな切替を実現することができ、又は、追従モードから復位モードへのシームレスな切替を実現することができ、これによりユーザの満足度を高めることができる。
【0104】
ジンバルが復位を完了した後、追従モード又は固定モードがオンになると理解すべきである。例えば、ジンバルが復位を完了した後、追従モードに入る必要がある場合、追従モードをオンにする。又は、ジンバルが復位を完了した後、固定モードに入る必要がある場合、固定モードをオンにする。
【0105】
上記からわかるように、本願の実施例は、ジンバルを制御して所望姿勢を保つようにしたまま、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えることにより、ジンバルの異なる動作モードのシームレスな切替を実現することができ、この種のシームレスな切替は、ジンバルモードを切り替えるときに、ジンバル上に搭載された撮像機器に転動が発生することを防止することができ、これにより異なる撮影状態の移行をユーザが容易に実現することができ、長回しの効果を撮影することができる。そのため、本願の実施例の方法は、先行技術に存在する、ジンバルのモードを切り替えるときに、ジンバルに搭載された撮影装置で撮影した画面に揺らぎ又は遅延などの現象が生じるという問題を解決することができる。
【0106】
以上、本願の方法の実施例について説明した。以下、本願の装置の実施例について説明する。装置の実施例の説明は、方法の実施例の説明と互いに対応するものであると理解すべきであるため、詳細に記述されていない内容は、上記方法の実施例を参照することができ、簡潔にするため、ここでは詳しく述べない。
【0107】
図7は、本願の実施例の制御装置700の模式的ブロック図であり、この制御装置700は、ジンバルを制御するために用いられる。
図7に示すように、この制御装置700は、次のものを含む。
【0108】
処理ユニット710は、このジンバルを第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することと、このジンバルの計測姿勢を取得して、この計測姿勢に基づきこのジンバルの所望姿勢を確定することと、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま、この第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替えることとのために用いられる。
【0109】
この制御装置700は、ジンバルと通信を行うための送受信ユニット720をさらに含むと理解すべきである。例えば、送受信ユニット720は、ジンバルが送信した姿勢情報を受信し、処理ユニット710がこれに基づきジンバルの計測姿勢を取得する。さらに、例えば、送受信ユニット720は、処理ユニット710の指示の下で、ジンバルに制御信号を送信し、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま、この第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える。
【0110】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理ユニット710は、具体的には、飛行制御データに基づきこのジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる。
【0111】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理ユニット710は、具体的には、この飛行制御データが無人航空機のホバリングに対応する状況で、このジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる。
【0112】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理ユニット710は、具体的には、無人航空機がこの飛行制御データの転送を停止した状況で、このジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる。
【0113】
選択可能に、いくつかの実施例において、この第1の動作モードはジンバル固定モードであり、この第2の動作モードはジンバル追従モードであり、処理ユニット710は、具体的には、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、このジンバル固定モードからこの追従モードへと切り替えるために用いられる。
【0114】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理ユニット710は、具体的には、この計測姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、この所望姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびにこの角度バイアス値に基づき、この計測姿勢に対応するベース姿勢に対するこの所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定することと、この角度差に基づき追従速度を確定し、この追従速度を積分して追従コマンドを得ることとのために用いられる。送受信ユニット720は、この追従コマンドをジンバルに送信するために用いられる。
【0115】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理ユニット710は、具体的には、この計測姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角とこの計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定するために用いられる。
【0116】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理ユニット710は、具体的には、ベース純転動の角度にこのジンバルのこのジンバル固定モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を加え、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を得ることと、この所望姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびにこの角度バイアス値に基づき、この計測姿勢に対応するベース姿勢に対するこの所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定することと、この角度差に基づき追従速度を確定し、この追従速度を積分して追従コマンドを得ることとのために用いられる。送受信ユニット720は、この追従コマンドをジンバルに送信するために用いられる。
【0117】
選択可能に、いくつかの実施例において、このジンバルの現在の動作モードは追従モードであり、処理ユニット710は、さらに、この計測姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、この角度バイアス値の基礎の上でこのジンバルのこの追従モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を減じ、このジンバルのこの追従モードでのベース純転動の角度を得ることと、このベース純転動の角度を記録することとのために用いられる。
【0118】
選択可能に、いくつかの実施例において、この第1の動作モードはジンバル固定モード又は追従モードであり、この第2の動作モードは復位モードであり、処理ユニット710は、具体的には、この計測姿勢に対応するベース姿勢及びこの所望姿勢に対応する中枠姿勢に基づき、復位速度を確定し、この復位速度を積分して速度積分コマンド部分を得て、この速度積分コマンド部分以外の他のコマンド部分をクリアするために用いられる。
【0119】
選択可能に、いくつかの実施例では、この速度積分コマンド部分が、この所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角とこの所望姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差が所定の範囲内にあるようにする。
【0120】
図8に示すように、本発明の実施例は、さらに、制御装置800を提供する。この制御装置800は、ジンバルを制御する制御装置である。
図8に示すように、この制御装置800は、処理装置810と、記憶装置820とを含み、この記憶装置820にはコンピュータコマンドが格納され、この処理装置810がこのコンピュータコマンドを実行するときに、このジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するステップと、このジンバルの計測姿勢を取得して、この計測姿勢に基づきこのジンバルの所望姿勢を確定するステップと、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま、この第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替えるステップとをこの処理装置810に実行させる。
【0121】
図8に示すように、制御装置800は、ジンバルと通信を行うために送受信装置830をさらに含む。例えば、送受信装置830は、ジンバルが送信した姿勢情報を受信し、処理装置810がこれに基づきジンバルの計測姿勢を取得する。さらに、例えば、送受信装置830は、処理装置810の指示の下で、ジンバルに制御信号を送信し、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま、この第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える。
【0122】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理装置810は、具体的には、飛行制御データに基づきこのジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる。
【0123】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理装置810は、具体的には、この飛行制御データが無人航空機のホバリングに対応する状況で、このジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる。
【0124】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理装置810は、具体的には、無人航空機がこの飛行制御データの転送を停止した状況で、このジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる。
【0125】
選択可能に、いくつかの実施例において、この第1の動作モードはジンバル固定モードであり、この第2の動作モードはジンバル追従モードであり、処理装置810は、具体的には、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、このジンバル固定モードからこの追従モードへと切り替えるために用いられる。
【0126】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理装置810は、具体的には、この計測姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、この所望姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびにこの角度バイアス値に基づき、この計測姿勢に対応するベース姿勢に対するこの所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定することと、この角度差に基づき追従速度を確定し、この追従速度を積分して追従コマンドを得ることとのために用いられる。送受信装置830は、この追従コマンドをジンバルに送信するために用いられる。
【0127】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理装置810は、具体的には、この計測姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角とこの計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定するために用いられる。
【0128】
選択可能に、いくつかの実施例において、処理装置810は、具体的には、ベース純転動の角度にこのジンバルのこのジンバル固定モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を加え、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を得ることと、この所望姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびにこの角度バイアス値に基づき、この計測姿勢に対応するベース姿勢に対するこの所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定することと、この角度差に基づき追従速度を確定し、この追従速度を積分して追従コマンドを得ることとのために用いられる。送受信装置830は、この追従コマンドをジンバルに送信するために用いられる。
【0129】
選択可能に、いくつかの実施例において、このジンバルの現在の動作モードは追従モードであり、処理装置810は、さらに、この計測姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、この角度バイアス値の基礎の上でこのジンバルのこの追従モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を減じ、このジンバルのこの追従モードでのベース純転動の角度を得ることと、このベース純転動の角度を記録することとのために用いられる。
【0130】
選択可能に、いくつかの実施例において、この第1の動作モードはジンバル固定モード又は追従モードであり、この第2の動作モードは復位モードであり、処理装置810は、具体的には、この計測姿勢に対応するベース姿勢及びこの所望姿勢に対応する中枠姿勢に基づき、復位速度を確定し、この復位速度を積分して速度積分コマンド部分を得て、この速度積分コマンド部分以外の他のコマンド部分をクリアするために用いられる。
【0131】
選択可能に、いくつかの実施例では、この速度積分コマンド部分が、この所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角とこの所望姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差が所定の範囲内にあるようにする。
【0132】
図9に示すように、本発明の実施例は、さらに、画像安定化機器900を提供する。画像安定化機器900は、次のものを含む。
【0133】
第1の動作モードと第2の動作モードとを含み、かつ現在の動作モードがこの第1の動作モードであるジンバル910。
【0134】
このジンバルの計測姿勢を取得し、この計測姿勢をこの制御装置930に送信するために用いられる計測部材920。
【0135】
このジンバル910がこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することと、この計測部材920からこの計測姿勢を取得し、このジンバル910の所望姿勢を確定することと、このジンバル910を制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま、この第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替えることとのために用いられる制御装置930。
【0136】
選択可能に、いくつかの実施例において、この制御装置930は、具体的には、飛行制御データに基づきこのジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる。
【0137】
選択可能に、いくつかの実施例において、この制御装置930は、具体的には、この飛行制御データが無人航空機のホバリングに対応する状況で、このジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる。
【0138】
選択可能に、いくつかの実施例において、この制御装置930は、具体的には、無人航空機がこの飛行制御データの転送を停止した状況で、このジンバルがこの第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる。
【0139】
選択可能に、いくつかの実施例において、この第1の動作モードはジンバル固定モードであり、この第2の動作モードはジンバル追従モードであり、この制御装置930は、具体的には、このジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、このジンバル固定モードからこの追従モードへと切り替えるために用いられる。
【0140】
選択可能に、いくつかの実施例において、この制御装置930は、具体的には、次の方式によってこのジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、このジンバル固定モードからこのジンバル追従モードへと切り替えるために用いられる。
【0141】
この計測姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定し、この所望姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびにこの角度バイアス値に基づき、この計測姿勢に対応するベース姿勢に対するこの所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定し、この角度差に基づき追従速度を確定し、この追従速度を積分して追従コマンドを得る。
【0142】
選択可能に、いくつかの実施例において、この制御装置930は、具体的には、次の方式によってこのジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、この計測姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角とこの計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することとのために用いられる。
【0143】
選択可能に、いくつかの実施例において、この制御装置930は、具体的には、次の方式によってこのジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、このジンバル固定モードからこの追従モードへと切り替えるために用いられる。
【0144】
このジンバルのベース純転動の角度にこのジンバルのこのジンバル固定モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を加え、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を得て、この所望姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびにこの角度バイアス値に基づき、この計測姿勢に対応するベース姿勢に対するこの所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定し、この角度差に基づき追従速度を確定し、この追従速度を積分して追従コマンドを得る。
【0145】
選択可能に、いくつかの実施例において、この第1の動作モードはジンバル追従モードであり、この制御装置930は、さらに次のことに用いられる。
【0146】
この計測姿勢に対応する中枠姿勢及びこの計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、このジンバルのこのジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定し、この角度バイアス値の基礎の上でこのジンバルのこの追従モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を減じ、このジンバルのこの追従モードでのベース純転動の角度を得て、このベース純転動の角度を記録する。
【0147】
選択可能に、いくつかの実施例において、この第1の動作モードはジンバル固定モード又はジンバル追従モードであり、この第2の動作モードは復位モードである。
【0148】
この制御装置930は、具体的には、次の方式によってこのジンバルを制御してこの所望姿勢を保つようにしたまま、この第1の動作モードからこの第2の動作モードへと切り替えることと、この計測姿勢に対応するベース姿勢及びこの所望姿勢に対応する中枠姿勢に基づき、復位速度を確定し、この復位速度を積分して速度積分コマンド部分を得て、この速度積分コマンド部分以外の他のコマンド部分をクリアすることとのために用いられる。
【0149】
選択可能に、いくつかの実施例では、この速度積分コマンド部分が、この所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角とこの所望姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差が所定の範囲内にあるようにする。
【0150】
本実施例における制御装置930は、上記装置の実施例で提供した制御装置700又は制御装置800に対応することができると理解すべきである。
【0151】
本願の実施例において言及されている処理装置は、中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)であっても、その他の汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、特定用途向け統合回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)又はその他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアアセンブリなどであってもよいと理解すべきである。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、この処理装置は、いかなる通常の処理装置などであってもよい。
【0152】
さらに、本願の実施例において言及されている記憶装置は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであっても、又は揮発性及び不揮発性メモリの両者を含んでもよいと理解すべきである。ここで、不揮発性メモリは、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory,ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(Programmable ROM,PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(Erasable PROM,EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(Electrically EPROM,EEPROM)又はフラッシュメモリとすることができる。揮発性メモリは、外部で高速で一時的に保存するために用いられるランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)とすることができる。例示的であるが限定的なものではない説明によって、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM,SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic RAM,DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchronous DRAM,SDRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(Double Data Rate SDRAM,DDR SDRAM)、エンハンストシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(Enhanced SDRAM,ESDRAM)、シンクリンクダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchlink DRAM,SLDRAM)及びダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(Direct Rambus RAM,DR RAM)などの多くの形式のRAMを用いることができる。
【0153】
なお、処理装置が汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又はその他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアアセンブリである場合、記憶装置(記憶モジュール)は、処理装置の中に統合される。
【0154】
本文に記載された記憶装置は、これらの任意のその他の適合するタイプの記憶装置を含むが、これらに限定されないことに注意すべきである。
【0155】
本願の実施例は、さらに、コマンドが格納され、コマンドをコンピュータで実行するときに、上記各方法の実施例の方法をコンピュータに実行させるコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0156】
本願の実施例は、さらに、上記コンピュータ可読記憶媒体を含む計算機器を提供する。
【0157】
本願の実施例は、航空機、特に無人機分野に適用することができる。
【0158】
上記実施例において、全部又は部分的に、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はその任意の組み合わせによって実現することができる。ソフトウェアを使用して実現する場合、全部又は部分的にコンピュータプログラム製品の形式で実現することができる。コンピュータプログラム製品は、一つ又は複数のコンピュータコマンドを含む。コンピュータでコンピュータコマンドをロードし実行する際に、全部又は部分的に本願の実施例による流れ又は機能を生じさせる。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又はその他のプログラマブル装置とすることができる。コンピュータコマンドは、コンピュータ可読記憶媒体の中に格納するか、又は一つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に転送することができ、例えば、コンピュータコマンドは、一つのウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンターから有線(例えば同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(Digital Subscriber Line,DSL))又は無線(例えば赤外線、ワイヤレス、マイクロ波など)の方式で、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンターに転送することができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセスできるあらゆる使用可能な媒体又は一つ又は複数の使用可能な媒体が統合したサーバ、データセンターなどのデータ記憶装置とすることができる。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、デジタルバーサタイルディスク(Digital Video Disc,DVD))、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(Solid State Disk,SSD))などとすることができる。
【0159】
本願の各実施例は、いずれも総ビット幅を16桁(bit)とする例で説明したが、本願の各実施例は、他のビット幅にも適用できると理解すべきである。
【0160】
明細書全体で言及されている「一つの実施例」又は「一実施例」とは、実施例に関する特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも一つの実施例に含まれていることを意味すると理解すべきである。そのため、明細書全体の各所で現れる「一つの実施例において」又は「一実施例において」は、必ずしも同じ実施例をいうわけではない。また、これらの特定の特徴、構造又は特性は、任意の適した方式で一つ又は複数の実施例の中に接続することができる。
【0161】
本願の各種実施例において、上記各過程の番号の大きさは、実行順序の前後を意味するものではなく、各過程の実行順序は、その機能及び内在的な論理によって確定するものとし、本願の実施例の実施過程に対していかなる限定も構成するものではないと理解すべきである。
【0162】
本願の実施例において、「Aに対応するB」とは、BがAと関連するものであり、Aに基づきBを確定することができると理解すべきである。しかしながら、さらに、Aに基づきBを確定することは、Aのみに基づきBを確定することを意味せず、Aとその他の情報の少なくともひとつに基づきBを確定することができると理解すべきである。
【0163】
本文における用語「少なくともひとつ」は、関連対象の関連関係を記述しているにすぎず、3種の関係が存在することを表し、例えば、AとBの少なくともひとつは、Aが単独で存在するとともに、A及びBが存在し、Bが単独で存在するという3種類の状況を表すことができると理解すべきである。また、本文における記号「/」は、一般に、前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0164】
当業者は、本文において開示されている実施例に記載された各例のユニット及び演算ステップを組み合わせ、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェア及び電子ハードウェアの組み合わせによって実現することができることを認識することができる。これらの機能は、ハードウェアで実行するのかソフトウェアの形態で実行するのかは、技術手法の特定のアプリケーション及び設計の拘束条件によって決まる。当業者は、各々の特定のアプリケーションについて、記載された機能を異なる方法で実現することができるが、この種の実現は、本願の範囲を超えるものと考えるべきではない。
【0165】
当業者は、記載の便利さ及び簡潔さのために、上述したシステム、装置及びユニットの具体的な動作過程は、前述の方法の実施例における対応する過程を参照することができ、ここでは詳しく述べないことを明確に理解することができる。
【0166】
本願で提供するいくつかの実施例において、開示されているシステム、装置及び方法は、その他の方式によって実現してもよいことを理解すべきである。例えば、上述した装置の実施例は、概略的なものに過ぎず、例えば、前記ユニットの区分は、論理的な機能の区分に過ぎず、実際の実現の際には、別の区分方式を有してもよく、例えば、複数のユニット又はアセンブリを接続するか、又は別のシステムに統合してもよく、又は一部の特徴を省略しても、実行しなくてもよい。もう一点、示された、又は考察された互いの間の接続又は直接接続又は通信接続は、いくつかのインターフェース、装置又はユニットの間接接続又は通信接続としてもよく、電気的、機械又はその他の形式とすることができる。
【0167】
前記分離部材として説明したユニットは、物理的に分けられたものであっても、又は分けられていないものであってもよく、ユニットとして示された部材は、物理的なユニットであっても、又はそうでなくてもよく、すなわち、一つの場所に位置していても、又は複数のネットワークユニットに分布していてもよい。実際の必要に応じて、一部又は全部のユニットを選択し、本実施例の手法の目的を実現してもよい。
【0168】
また、本願の各実施例における各機能ユニットは、一つの処理ユニットの中に統合しても、各ユニットが単独で物理的に存在しても、複数のユニットを一つのユニットの中に統合してもよい。
【0169】
上述した内容は、本願の具体的な実施形態にすぎないが、本願の保護範囲はこれに限定されず、当業者が本願で開示された技術範囲内で容易に想到できる変更又は置き換えは、いずれも本願の保護範囲内にあるものとする。そのため、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とするものとする。
(項目1)
ジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することと、
前記ジンバルの計測姿勢を取得し、前記計測姿勢に基づき前記ジンバルの所望姿勢を確定することと、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えることと、を含む、ジンバル動作モードの切替方法。
(項目2)
前記ジンバルが第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することは、
飛行制御データに基づき前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記飛行制御データに基づき前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することは、
前記飛行制御データが無人航空機のホバリングに対応する状況で、前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することを含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記飛行制御データに基づき前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することは、
無人航空機が前記飛行制御データの転送を停止した状況で、前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定することを含む、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記第1の動作モードはジンバル固定モードであり、前記第2の動作モードはジンバル追従モードであり、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えることは、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記追従モードへと切り替えることを含む、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記追従モードへと切り替えることは、
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、
前記所望姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびに前記角度バイアス値に基づき、前記計測姿勢に対応するベース姿勢に対する前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定することと、
前記角度差に基づき追従速度を確定し、前記追従速度を積分して追従コマンドを得ることと、を含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することは、
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角と前記計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記追従モードへと切り替えることは、
ベース純転動の角度に前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を加え、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を得ることと、
前記所望姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびに前記角度バイアス値に基づき、前記計測姿勢に対応するベース姿勢に対する前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定することと、
前記角度差に基づき追従速度を確定し、前記追従速度を積分して追従コマンドを得ることと、を含む、項目5に記載の方法。
(項目9)
前記ジンバルの現在の動作モードは追従モードであり、
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、
前記角度バイアス値の基礎の上で前記ジンバルの前記追従モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を減じ、前記ジンバルの前記追従モードでのベース純転動の角度を得ることと、
前記ベース純転動の角度を記録することと、を含む、項目5~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記第1の動作モードはジンバル固定モード又は追従モードであり、前記第2の動作モードは復位モードであり、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えることは、
前記計測姿勢に対応するベース姿勢及び前記所望姿勢に対応する中枠姿勢に基づき、復位速度を確定し、前記復位速度を積分して速度積分コマンド部分を得て、前記速度積分コマンド部分以外の他のコマンド部分をクリアすることを含む、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記速度積分コマンド部分が、前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角と前記所望姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差が所定の範囲内にあるようにする、項目10に記載の方法。
(項目12)
処理装置と、記憶装置と、を含み、前記記憶装置にコンピュータコマンドが格納されており、前記処理装置が前記コンピュータコマンドを実行するときに、
前記ジンバルを第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するステップと、
前記ジンバルの計測姿勢を取得して、前記計測姿勢に基づき前記ジンバルの所望姿勢を確定するステップと、
前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えるステップと、を前記処理装置に実行させる、制御装置。
(項目13)
前記処理装置は、具体的には、飛行制御データに基づき前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる、項目12に記載の制御装置。
(項目14)
前記処理装置は、具体的には、前記飛行制御データが無人航空機のホバリングに対応する状況で、前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる、項目13に記載の制御装置。
(項目15)
前記処理装置は、具体的には、無人航空機が前記飛行制御データの転送を停止した状況で、前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる、項目13に記載の制御装置。
(項目16)
前記第1の動作モードはジンバル固定モードであり、前記第2の動作モードはジンバル追従モードであり、
前記処理装置は、具体的には、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記追従モードへと切り替えるために用いられる、項目12~15のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目17)
前記処理装置は、具体的には、次のステップによって、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記追従モードへと切り替え、
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定し、
前記所望姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびに前記角度バイアス値に基づき、前記計測姿勢に対応するベース姿勢に対する前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定し、
前記角度差に基づき追従速度を確定し、前記追従速度を積分して追従コマンドを得る、項目16に記載の制御装置。
(項目18)
前記処理装置は、具体的には、前記計測姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角と前記計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定するために用いられる、項目17に記載の制御装置。
(項目19)
前記処理装置は、具体的には、次のステップによって、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記追従モードへと切り替えるために用いられ、前記ステップは、
ベース純転動の角度に前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を加え、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を得て、
前記所望姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびに前記角度バイアス値に基づき、前記計測姿勢に対応するベース姿勢に対する前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定し、
前記角度差に基づき追従速度を確定し、前記追従速度を積分して追従コマンドを得ることである、項目16に記載の制御装置。
(項目20)
前記ジンバルの現在の動作モードは追従モードであり、前記処理装置は、さらに、
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、
前記角度バイアス値の基礎の上で前記ジンバルの前記追従モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を減じ、前記ジンバルの前記追従モードでのベース純転動の角度を得ることと、
前記ベース純転動の角度を記録することと、のために用いられる、項目16~19のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目21)
前記第1の動作モードはジンバル固定モード又は追従モードであり、前記第2の動作モードは復位モードであり、
前記処理装置は、具体的には、次のステップによって、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えるために用いられ、
前記計測姿勢に対応するベース姿勢及び前記所望姿勢に対応する中枠姿勢に基づき、復位速度を確定し、前記復位速度を積分して速度積分コマンド部分を得て、前記速度積分コマンド部分以外の他のコマンド部分をクリアする、項目12~15のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目22)
前記速度積分コマンド部分が、前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角と前記所望姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差が所定の範囲内にあるようにする、項目21に記載の制御装置。
(項目23)
第1の動作モードと第2の動作モードとを含むジンバルであって、現在の動作モードが前記第1の動作モードであるジンバルと、
前記ジンバルの計測姿勢を取得し、前記計測姿勢を前記制御装置に送信するための計測部材と、
前記ジンバルを前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するための制御装置と、を含み、前記計測部材から前記計測姿勢を取得して、前記ジンバルの所望姿勢を確定し、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える、画像安定化機器。
(項目24)
前記制御装置は、具体的には、飛行制御データに基づき前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる、項目23に記載の画像安定化機器。
(項目25)
前記制御装置は、具体的には、前記飛行制御データが無人航空機のホバリングに対応する状況で、前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる、項目24に記載の画像安定化機器。
(項目26)
前記制御装置は、具体的には、無人航空機が前記飛行制御データの転送を停止した状況で、前記ジンバルが前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替える必要があることを確定するために用いられる、項目24に記載の画像安定化機器。
(項目27)
前記第1の動作モードはジンバル固定モードであり、前記第2の動作モードはジンバル追従モードであり、
前記制御装置は、具体的には、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記追従モードへと切り替えるために用いられる、項目23~26のいずれか一項に記載の画像安定化機器。
(項目28)
前記制御装置は、具体的には、次の方式によって、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記ジンバル追従モードへと切り替えるために用いられ、前記方式は
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定し、
前記所望姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびに前記角度バイアス値に基づき、前記計測姿勢に対応するベース姿勢に対する前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定し、
前記角度差に基づき追従速度を確定し、前記追従速度を積分して追従コマンドを得ることである、項目27に記載の画像安定化機器。
(項目29)
前記制御装置は、具体的には、次の方式によって、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定するために用いられ、前記方式は、
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角と前記計測姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することである、項目28に記載の画像安定化機器。
(項目30)
前記制御装置は、具体的には、次の方式によって、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま復位を行わない状況で、前記ジンバル固定モードから前記追従モードへと切り替えるために用いられ、前記方式は、
前記ジンバルのベース純転動の角度に前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を加え、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を得て、
前記所望姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢、ならびに前記角度バイアス値に基づき、前記計測姿勢に対応するベース姿勢に対する前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のオイラー座標系における角度差を確定し、
前記角度差に基づき追従速度を確定し、前記追従速度を積分して追従コマンドを得ることである、項目27に記載の画像安定化機器。
(項目31)
前記第1の動作モードはジンバル追従モードであり、前記制御装置は、さらに、
前記計測姿勢に対応する中枠姿勢及び前記計測姿勢に対応するベース姿勢に基づき、前記ジンバルの前記ジンバル固定モードでの角度バイアス値を確定することと、
前記角度バイアス値の基礎の上で前記ジンバルの前記追従モードでの速度積分コマンド部分で生じた角度及びプッシュコマンド部分で生じた角度を減じ、前記ジンバルの前記追従モードでのベース純転動の角度を得ることと、
前記ベース純転動の角度を記録することと、のために用いられる、項目27~30のいずれか一項に記載の画像安定化機器。
(項目32)
前記第1の動作モードはジンバル固定モード又はジンバル追従モードであり、前記第2の動作モードは復位モードであり、
前記制御装置は、具体的には、次の方式によって、前記ジンバルを制御して前記所望姿勢を保つようにしたまま、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと切り替えるために用いられ、
前記計測姿勢に対応するベース姿勢及び前記所望姿勢に対応する中枠姿勢に基づき、復位速度を確定し、前記復位速度を積分して速度積分コマンド部分を得て、前記速度積分コマンド部分以外の他のコマンド部分をクリアする、項目23~26のいずれか一項に記載の画像安定化機器。
(項目33)
前記速度積分コマンド部分が、前記所望姿勢に対応する中枠姿勢のヨーオイラー角と前記所望姿勢に対応するベース姿勢のヨーオイラー角との差が所定の範囲内にあるようにする、項目32に記載の画像安定化機器。
(項目34)
コンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータが項目1~11のいずれか一項に記載の方法を実行するコンピュータプログラムが格納された、コンピュータ記憶媒体。
(項目35)
コマンドがコンピュータによって実行されるときに項目1~11のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させる、コマンドを含むコンピュータプログラム製品。