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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】スクリーン及びブース
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
E04B2/74 561M
E04B2/74 561H
E04B2/74 541P
E04B2/74 561A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2016225987
(22)【出願日】2016-11-21
(65)【公開番号】P2018084031
(43)【公開日】2018-05-31
【審査請求日】2019-10-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載アドレス: http://www.kokuyo.co.jp/com/press/2016/11/1881.html http://www.kokuyo.co.jp/com/press/2016/11/1882.html 掲載日 : 平成28年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】加藤 善雅
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】古田 司
【審査官】松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-089434(JP,A)
【文献】登録実用新案第3070863(JP,U)
【文献】特開2014-036762(JP,A)
【文献】実開昭50-047739(JP,U)
【文献】特開2001-241132(JP,A)
【文献】特開平11-343672(JP,A)
【文献】米国特許第05058863(US,A)
【文献】特開2007-126873(JP,A)
【文献】特開2004-225340(JP,A)
【文献】米国特許第04516620(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74
A47G 5/00
A47B 13/10
A47B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプを組み合わせて構築されたフレーム構造体と、このフレーム構造体の両面にそれぞれ張設され、前記フレーム構造体の一部又は全部を覆うようにして前記パイプ間に着脱可能に張設された可撓変形可能な面材とを具備してなり、前記フレーム構造体がパイプ間に空間が形成される構成を有しており、前記フレーム構造体の両面にそれぞれ張設した面材の一方が他方に影響を及ぼすことがない範囲でそれぞれ前記パイプ間の空間を利用して厚み方向にたわむように変形を許容されているスクリーン。
【請求項2】
前記フレーム構造体が、複数本の支柱と、それら支柱間に横架されたフレームとを備えたものである請求項1記載のスクリーン。
【請求項3】
前記フレーム構造体が、前記支柱の上端間に配された上のフレームと、前記支柱の下端間に配された下のフレームと、支柱の下端に近い中間部間に配された中間のフレームとを備えたものであり、前記中間のフレームと前記下のフレームとの間に、面材が存在しない透窓領域が形成されている請求項2記載のスクリーン。
【請求項4】
前記支柱が、起立姿勢をなす竪のパイプと、この竪のパイプの上下両端にそれぞれ剛結された横のパイプとを備えたものであり、前記各支柱の上端に設けられた横のパイプ間にフレーム用パイプを架設することにより上のフレームが形成されているとともに、前記各支柱の下端に設けられた横のパイプ間にフレーム用パイプを架設することにより下のフレームが形成されている請求項2又は3記載のスクリーン。
【請求項5】
前記パイプが、横断面円形をなす丸パイプである請求項1、2、3又は4記載のスクリーン。
【請求項6】
ブース空間を囲うような形態をなす請求項1、2、3、4又は5記載のスクリーンを備えてなり、このスクリーンの両端間に前記ブース空間に対する出入口が形成されているブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等で好適に使用されるスクリーン、及びそのスクリーンを用いて構成されるブースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスクリーンは、角パイプや押し出し材等を用いて構築されたフレーム構造体と、このフレーム構造体に添接された間仕切り用の面材とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところで、従来のものは、前記面材が、例えば、板金製の面板に化粧布を貼着するなどして作られた剛性を有する板状のものである。そのため、触れたり衝突したりした際に硬さを感じるだけでなく、見た目にも柔らかな曲面などを有した優美なものにするのが難しく、設計や外観デザインの自由度に制限があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2001-525027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の点に着目し、触れたり衝突したりした際に硬さを感じるのを緩和し、見た目にも柔らかな曲面などを有した優美なスクリーンを実現すべく、その設計や外観デザインの自由度の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のスクリーンは、パイプを組み合わせて構築されたフレーム構造体と、このフレーム構造体の両面にそれぞれ張設され、前記フレーム構造体の一部又は全部を覆うようにして前記パイプ間に着脱可能に張設された可撓変形可能な面材とを具備してなり、前記フレーム構造体がパイプ間に空間が形成される構成を有しており、前記フレーム構造体の両面にそれぞれ張設した面材の一方が他方に影響を及ぼすことがない範囲でそれぞれ前記パイプ間の空間を利用して厚み方向にたわむように変形を許容されている。
【0007】
請求項2記載のスクリーンは、請求項1に係る構成において、前記フレーム構造体が、複数本の支柱と、それら支柱間に横架されたフレームとを備えたものである。
【0008】
請求項3記載のスクリーンは、請求項に係る構成において、前記フレーム構造体が、前記支柱の上端間に配された上のフレームと、前記支柱の下端間に配された下のフレームと、支柱の下端に近い中間部間に配された中間のフレームとを備えたものであり、前記中間のフレームと前記下のフレームとの間に、面材が存在しない透窓領域が形成されている。
【0009】
請求項4記載のスクリーンは、請求項2又は3に係る構成において、前記支柱が、起立姿勢をなす竪のパイプと、この竪のパイプの上下両端にそれぞれ剛結された横のパイプとを備えたものであり、前記各支柱の上端に設けられた横のパイプ間にフレーム用パイプを架設することにより上のフレームが形成されているとともに、前記各支柱の下端に設けられた横のパイプ間にフレーム用パイプを架設することにより下のフレームが形成されている。
【0010】
請求項5記載のスクリーンは、請求項1、2、3又は4に係る構成において、前記パイプが、横断面円形をなす丸パイプである。
【0011】
請求項6記載のブースは、ブース空間を囲うような形態をなす請求項1、2、3、4又は5記載のスクリーンを備えてなり、このスクリーンの両端間に前記ブース空間に対する出入口が形成されている。
【0013】
なお、本発明において、「スクリーン」とは、衝立状の狭義のスクリーンに限らず、パーティションその他、間仕切機能を有する家具全般を意味するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スクリーンにおける設計や外観デザインの自由度の向上を図ることができ、触れたり衝突したりした際に硬さを感じるのを緩和し、見た目にも柔らかな曲面などを有した優美なスクリーンを容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一の実施形態におけるブースを示す斜視図。
図2】同実施形態におけるブースを示す平面図。
図3】同実施形態におけるブースの内面側を示す部分斜視図。
図4図2におけるA-A線に沿った断面図。
図5図1におけるB-B線に沿った断面図。
図6図1におけるC-C線に沿った断面図。
図7図2におけるD-D線に沿った断面図。
図8】同実施形態におけるフレーム構造体を示す分解斜視図。
図9】同実施形態における端の支柱と上のフレームとの接続箇所を示す縦断面図。
図10】同実施形態における端の支柱と中間のフレームとの接続箇所を示す縦断面図。
図11図9におけるX-X線に沿った断面図。
図12図10におけるY-Y線に沿った断面図。
図13】同実施形態における中間の支柱と上のフレームとの接続箇所を示す縦断面図。
図14】同実施形態における中間の支柱と中間のフレームとの接続箇所を示す縦断面図。
図15】同実施形態における端の支柱と上のフレームとの接続箇所をパイプの一部を破断して示す斜視図。
図16】同実施形態における端の支柱と下のフレームとの接続箇所をパイプの一部を破断して示す斜視図。
図17】同実施形態における中間の支柱と上のフレームとの接続箇所をパイプの一部を破断して示す斜視図。
図18】同実施形態における中間の支柱と下のフレームとの接続箇所をパイプの一部を破断して示す斜視図。
図19】同実施形態における端の支柱と中間のフレームとの接続箇所をパイプの一部を破断して示す斜視図。
図20】同実施形態における中間の支柱と中間のフレームとの接続箇所をパイプの一部を破断して示す斜視図。
図21】同実施形態における端の支柱まわりをパイプの一部を破断して示す分解斜視図。
図22】同実施形態における中間の支柱まわりをパイプの一部を破断して示す分解斜視図。
図23】同実施形態における中間の支柱と上のフレームとの接続部分を示す分解斜視図。
図24】同実施形態における手前側のブラケットの支柱に対する接続部分を示す分解斜視図。
図25】同実施形態における奥側のブラケットの支柱に対する接続部分を示す分解斜視図。
図26】本発明の第二の実施形態におけるブースを示す斜視図。
図27】同実施形態におけるフレーム構造体を示す斜視図。
図28】本発明の第三の実施形態におけるフレーム構造体を示す斜視図。
図29】本発明の第四の実施形態におけるフレーム構造体を示す斜視図。
図30】本発明の第五の実施形態におけるブースを示す斜視図。
図31】同実施形態におけるフレーム構造体を示す斜視図。
図32】本発明の第六の実施形態におけるフレーム構造体を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第一の実施形態]
以下、本発明の第一の実施形態について図1図25を参照しつつ以下に述べる。
【0017】
この実施形態は図1及び図2に示すように、ブース空間Sを囲うような形態をなし、対向する起立端縁2a間に出入口2xが形成されている部分筒状のスクリーン2と、このスクリーン2の内側に取付け位置を周方向に変更可能な状態で取付けられた天板3とを具備してなるブース1である。すなわち、このブース1は、仮想正多角柱に沿った形状をなし複数対の入隅2bを有するスクリーン2と、反使用端3b側の対をなすエッジ3dを前記スクリーン2の何れかの対をなす入隅に選択的に対応させて前記スクリーン2に着脱可能に取付けられる天板3とを具備してなる。より具体的には、前記スクリーン2は、仮想正六角柱に沿った形状をなし、当該仮想正六角柱の一つの角部に対応する部位に前記出入口2xを有するものであり、前記天板3の対をなすエッジ3dを選択的に対応させることができる対をなす入隅を3組、具体的には第1及び第3の入隅2b1、2b3の組と、第2及び第4の入隅2b2、2b4の組と、第3及び第5の入隅2b3、2b5の組とを備えている。
【0018】
以下、このブース1の構造を構成要素ごとに説明する。
【0019】
≪スクリーン≫
前記スクリーン2は、パイプを組み合わせて構築され部分筒状の骨組みを構成するフレーム構造体4と、このフレーム構造体4の一部を覆うようにして前記パイプ間に着脱可能に張設された可撓変形可能な面材5A、5Bとを具備してなるもので、この実施形態では、前記パイプとして、横断面が円形をなす丸パイプが用いられている。以下、前記パイプは、丸パイプと称する。
【0020】
<フレーム構造体>
前記フレーム構造体4は、図8に示すように、複数本の支柱6A~6Fと、それら支柱6A~6F間に横架されたフレーム7A~7Cとを備えたものである。すなわち、このフレーム構造体4は、前記支柱6A~6Fの上端6Aa~6Fa間に配された上のフレーム7Aと、前記支柱6A~6Fの下端6Ab~6Fb間に配された下のフレーム7Bと、前記支柱6A~6Fの下端6Ab~6Fbに近い中間部6Ac~6Fc間に配された中間のフレーム7Cとを備えたものであり、前記中間のフレーム7Cと前記下のフレーム7Bとの間には、図1に示すように、面材5が存在しない透窓領域4aが形成されている。この実施形態のスクリーン2では、図1図2及び図8に示すように、当該スクリーン2の両端に位置する、対をなす端の支柱6A、6Bと、これら支柱6A、6Bの内側面6Ad、6Bd間に一定のピッチで配された第1~第4の中間の支柱6C~6Fとを備えており、前記端の支柱6A、6Bの外側面6Ae、6Be間に前記ブース空間Sに対する出入口2xが形成されている。
【0021】
前記端の支柱6A、6Bは、図8に示すように、起立姿勢をなす竪姿勢の丸パイプ6A1、6B1と、この竪姿勢の丸パイプ6A1、6B1の上端にそれぞれ溶接等により剛結された上の横姿勢の丸パイプ6A2、6B2と、前記竪姿勢の丸パイプ6A1、6B1の下端に溶接等によりそれぞれ剛結され、前記上の横姿勢の丸パイプ6A2、6B2と対をなす下の横姿勢の丸パイプ6A3、6B3とを備えたものである。前記横姿勢の丸パイプ6A2、6B2、6A3、6B3は、一端が前記竪姿勢の丸パイプ6A1、6A1の上端又は下端に溶接等により剛結されたもので、他端が開放されている。
【0022】
前記第1~第4の中間の支柱6C~6Fは、図8に示すように、それぞれ、起立姿勢をなす竪姿勢の丸パイプ6C1~6F1と、この竪姿勢の丸パイプ6C1~6F1の上端に直交状態でそれぞれ剛結された上の横姿勢の丸パイプ6C2~6F2と、前記竪姿勢の丸パイプ6C1~6F1の下端に直交状態でそれぞれ剛結され前記上の横姿勢の丸パイプ6C2~6F2とそれぞれ対をなす下の横姿勢の丸パイプ6C3~6F3とを備えたものである。前記横姿勢の丸パイプ6C2~6F2、6C3~6F3は、軸心方向中間部が前記竪姿勢の丸パイプ6C1~6C3の上端又は下端に溶接等により剛結されたもので、軸心方向両端が開放されている。なお、これら中間の支柱6C~6Fは、一端側の端の支柱6Aに近い側から順に、それぞれ第1の中間の支柱6C、第2の中間の支柱6D、第3の中間の支柱6E、第4の中間の支柱6Fと称する。
【0023】
前記端の支柱6A、6B及び中間の支柱6C~6Fの竪姿勢の丸パイプ6A1~6F1には、図8図24及び図25に示すように、天板取付用のブラケット171、173を掛止するためのスリット6As~6Fsがブース空間Sに臨ませて形成されている。
【0024】
前記端の支柱6A、6Bの上端6Aa、6Baに位置する横姿勢の丸パイプ6A2、6B2と、第1又は第4の中間の支柱6C、6Fの上端6Ca、6Faに位置する横姿勢の丸パイプ6C2、6F2との間、及びたがいに隣接する中間の支柱6C~6Fの上端6Ca~6Faにそれぞれ位置する横姿勢の丸パイプ6C2~6F2同士の間には、図2及び図8に示すように、フレーム用パイプである屈曲した丸パイプ7A1を架設しており、これら横姿勢の丸パイプ6A2~6F2及び前記丸パイプ7A1により前記上のフレーム7Aが形成されている。
【0025】
前記端の支柱6A、6Bの下端に位置する横姿勢の丸パイプ6A3、6B3と、第1又は第4の中間の支柱6C、6Fの下端に位置する横姿勢の丸パイプ6C3、6F3との間、及びたがいに隣接する中間の支柱6C~6Fの下端にそれぞれ位置する横姿勢の丸パイプ6C3~6F3同士の間にも、図8に示すように、フレーム用パイプである屈曲した丸パイプ7B1を架設しており、これら横姿勢の丸パイプ6A3~6F3及び前記丸パイプ7B1により下のフレーム7Bが形成されている。
【0026】
前記端の支柱6A、6Bにおける前記竪姿勢の丸パイプ6A1、6B1の中間部と、第1又は第4の中間の支柱6C、6Fにおける前記竪姿勢の丸パイプ6C1、6F1の中間部との間、及びたがいに隣接する中間の支柱6C~6Fにおける前記竪姿勢の丸パイプ6C1~6F1の中間部同士の間にも、図8に示すように、フレーム用パイプである前記丸パイプ7C1を架設しており、これらの丸パイプ7C1により中間のフレーム7Cが形成されている。
【0027】
<直線接続用の丸パイプの接続構造>
ここで、前記上の横姿勢の丸パイプ6A2~6F2と前記上フレーム7Aを構成する前記丸パイプ7A1との間の接続、及び前記下の横姿勢の丸パイプ6A3~6F3と下フレーム7Bを構成する前記丸パイプ7B1との間の接続には、以下に述べるような丸パイプの接続構造が採用されている。
【0028】
まず、一端側の端の支柱6Aの上端6Aaに位置する横姿勢の丸パイプ6A2と、この丸パイプ6A2に接続され前記上フレーム7Aを構成する前記丸パイプ7A1とが接続されている箇所P1の接続構造について、図9図11図15及び図21を参照しつつ説明する。以下の説明においては、横姿勢の丸パイプ6A2を一方の丸パイプ11と称し、前記上フレーム7Aを構成する前記丸パイプ7A1を他方の丸パイプ13と称する。
【0029】
この丸パイプの接続構造は、図9及び図15に示すように、端面11a、13a同士を突き合わせた一対の丸パイプ11、13を、締付ねじ21を用いた直線接続用の緊締手段15により相寄る方向に緊締して接続したものであって、前記丸パイプ11、13の端部間に、当該丸パイプ11、13同士の円周方向への相対的な位置ずれを規制するための周方向用の凹凸係合手段17と、当該丸パイプ11、13同士の径方向への相対的な位置ずれを規制するための径方向用の凹凸係合手段19A、19Bとが設けられている。
【0030】
<直線接続用の緊締手段>
前記直線接続用の緊締手段15は、図9に示すように、前記締付ねじ21の軸心21xを前記丸パイプ11、13の軸心11x、13xに対して角度θだけ傾斜させたものである。この実施形態においては、前記角度θが25度に設定されているが、適宜変更可能である。また、前記直線接続用の緊締手段15は、図9及び図15に示すように、一方の丸パイプ11の端部内に固設された雌ねじ孔23aを有するナット部材23と、他方の丸パイプ13の端部内に固設されたねじ挿通孔25aを有するねじ受け部材25と、このねじ受け部材25のねじ挿通孔25aを通して前記ナット部材23の雌ねじ孔23aに螺着された前記締付ねじ21とを備えたものである。
【0031】
前記ナット部材23は、図9図11図15及び図21に示すように、前記雌ねじ孔23aを有する板ナット27と、この板ナット27を保持すべく前記一方の丸パイプ11の内周面11bに固設されたナットホルダ29と、前記板ナット27の縁から前記一方の丸パイプ11の内周面11bに沿って外方に延びる突起31とを備えたもので、溶接等により前記一方の丸パイプ11に固設されている。なお、前記板ナット27は、前記雌ねじ孔23aの軸心23xが前記一方の丸パイプ11の軸心11xに対して角度θだけ傾斜する姿勢で前記一方の丸パイプ11に固定されている。
【0032】
前記ねじ受け部材25は、図9図11図15及び図21に示すように、前記ねじ挿通孔25aを有するねじ受け板33と、このねじ受け板33の縁から前記他方の丸パイプ13の内方に延びる延出板35と、この延出板35の延出端に設けられ前記他方の丸パイプ13の内部を区成する区画板37とを一体に備えたものである。前記ねじ受け板33は前記締付ねじ21の頭部21aを係止するものであり、前記板ナット27に平行となるように傾斜させて前記他方の丸パイプ13内に固設されている。すなわち、丸パイプ11、13同士を突き合わせた姿勢において、前記ねじ挿通孔25aの軸心25xと前記雌ねじ孔23aの軸心23xとが合致するように構成されており、このねじ挿通孔25aを通して前記雌ねじ孔23aに螺合させた前記締付ねじ21を締め付けることにより、前記両丸パイプ11、13の端面11a、13a同士が相互に圧接されるとともに、図11に示すように、前記一方の丸パイプ11側に設けられた主たる径方向用凹凸係合手段19Aの凸部39と前記他方の丸パイプ13の内周面13bとが圧接されて両丸パイプ11、13が径方向に位置ずれを起こすことなく強固に接続されるようになっている。この連結状態では、図11に示すように、周方向用の凹凸係合手段17を構成する一方の丸パイプ11側の凸部41が、他方の丸パイプ13側の凹部43に嵌合し、両丸パイプ11、13の相対的な周方向の位置ずれも禁止される。なお、図9に示すように、前記他方の丸パイプ13の前記ねじ受け部材25に対応する部位には、前記締め付けねじ21を装着するための装着窓13zが形成されている。
【0033】
<周方向用の凹凸係合手段>
前記周方向用の凹凸係合手段17は、図9及び図11に示すように、前記一方の丸パイプ11の端部に突設された前記凸部41を備えたものであり、前記丸パイプ11、13同士を突き合わせた姿勢で前記凸部41が前記他方の丸パイプ13の端部に形成された前記凹部43に嵌合するようにしたものである。より具体的には、前記凸部41は、前記ナットホルダ29の延出端部の一部を厚み方向に段押しして一体的に外周方向に突出させることにより形成されたもので、キー状をなしている。前記凹部43は、前記他方の丸パイプ13の端部を切除することにより形成されたもので、キー溝状をなしている。
【0034】
<径方向用の凹凸係合手段>
この実施形態においては、図9及び図11に示すように、両丸パイプ11、13の接続部に、前述した主たる径方向用の凹凸係合手段19Aと、従たる径方向用の凹凸係合手段19Bとが設けられている。
【0035】
主たる径方向用の凹凸係合手段19Aは、図9及び図11に示すように、前記一方の丸パイプ11の端部に突設された凸部39を備えたものであり、前記丸パイプ11、13同士を突き合わせた姿勢で前記凸部39が他方の丸パイプ13の端部内周13bに嵌合するようにしたものである。また、主たる径方向用の凹凸係合手段19Aは、前記締付ねじ21の締付力に起因した丸パイプ11、13同士の径方向の位置ずれを係止し得る位置に配されている。なお、この実施形態では、前記ナットホルダ29の先端部29aは、前記丸パイプ11の端面11aよりも外方に突出させてあり、その突出部分を前記凸部39としている。すなわち、この凸部39は、前記ナット部材23を構成する部品の一つであるナットホルダ29に一体に設けられている。
【0036】
従たる径方向用の凹凸係合手段19Bも、図9及び図11に示すように、前記一方の丸パイプ11の端部に突設された凸部45を備えたものであり、前記丸パイプ11、13同士を突き合わせた姿勢で前記凸部45が前記他方の丸パイプ13の端部内周13bに嵌合するようにしたものである。なお、この実施形態では、前記板ナット27の縁から前記丸パイプ11の内周面11bに沿って外方に延びる前記突起31の先端部31aは、前記丸パイプ11の端面11aよりも外方に突出させてあり、その突出部分を前記凸部45としている。すなわち、この凸部45は、前記ナット部材23を構成する部品の一つである板ナット27に一体に設けられている。
【0037】
そして、前記両凹凸係合手段19A、19Bそれぞれにおける凸部39、45の外周面39a、45aは、図11に示すように、前記一方の丸パイプ11の内周面11bに沿った円弧状に形成されており、前述したように、これら丸パイプ11、13同士を突き合わせた姿勢で前記凸部39、45が他方の丸パイプ13の端部内周13bに嵌合する。
【0038】
なお、締め付けねじ21を緊締した状態においては、主たる径方向用の凹凸係合手段19Aの係合度合いが強くなり、従たる径方向用の凹凸係合手段19Bの係合度合いが弱くなるようになっている。従たる径方向用の凹凸係合手段19Bは、主に組み立て時の丸パイプ11、13の位置決めに使われるものである。
【0039】
以上の接続構造に準じた接続構造は、他端側の支柱6Bの上端6Baに位置する横姿勢の丸パイプ6B2と、この丸パイプ6B2に接続され前記上フレーム7Aを構成する前記丸パイプ7A1との接続箇所P2にも採用されている。また、図13図17図22及び図23に示すように、中間の支柱6C~6Fの上端に位置する横姿勢の丸パイプ6C2~6F2と、この丸パイプ6C2~6F2の両側にそれぞれ接続され前記上フレーム7Aを構成する前記丸パイプ7A1との接続箇所P3~P10にも採用されている。さらに、図16図18図21及び図22に示すように、各支柱6A~6Fの下端に位置する横姿勢の丸パイプ6A3~6F3と、該丸パイプ6A3~6F3の開放端にそれぞれ接続され前記下フレーム7Bを構成する前記丸パイプ7B2との接続箇所P11~P20にも採用されている。以上に述べた接続箇所P2~P20の接続構造については、前述した接続箇所P1におけるものと同一または対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。なお、下フレーム7B側における他方の丸パイプ13(丸パイプ7B2)の装着窓13zには、化粧蓋14が着脱可能に蓋着されている。図16図18図21及び図22における符号99は、図示しないアジャスタを取り付けるためのナットである。
【0040】
<直交接続用の丸パイプの接続構造>
また、前記竪姿勢の丸パイプ6A1~6F1における中間部と、前記中間フレーム7Cを構成する前記丸パイプ7C1との間の接続には、以下に述べるような丸パイプの接続構造が採用されている。
【0041】
まず、一端側の支柱6Aにおける竪姿勢の丸パイプ6A1と、この丸パイプ6A1に接続され前記中間フレーム7Cを構成する前記丸パイプ7C1とが接続されている箇所P21の接続構造について、図10図12図19及び図21を参照しつつ説明する。以下の説明においては、竪姿勢の丸パイプ6A1を一方の丸パイプ49と称し、前記中間フレーム7Cを構成する丸パイプ7C1を他方の丸パイプ51と称する。
【0042】
この丸パイプの接続構造は、図10及び図19に示すように、一方の丸パイプ49の外周面49aに他方の丸パイプ51の端面51aを当接させ、それらの丸パイプ49、51を締付ねじ55を用いた直交接続用の緊締手段53により相寄る方向に緊締して接続したものである。前記一方の丸パイプ49は、外周面49aから外方に突出する凸部57を保持したものであり、図10及び図12に示すように、前記他方の丸パイプ51側から前記一方の丸パイプ49に内設されたナット部材59に螺合させた前記締付ねじ55を締め付けた状態で、前記他方の丸パイプ51の端面51aが前記一方の丸パイプ49の外周面49aに押し付けられるとともに、前記他方の丸パイプ51の外周面51bが前記凸部57に押し付けられるように構成されている。
【0043】
また、前記一方の丸パイプ49は、図10図12図19及び図21に示すように、前記他方の丸パイプ51が接続される部位にナット露出窓61を有するとともに、そのナット露出窓61に隣接する部位に前記凸部57を保持したものである。図10及び図21に示すように、前記ナット露出窓61の上下に隣接する部位には、後述する取付ねじ65、66を通過させるためのねじ挿通孔49x、49yが設けられている。前記ナット露出窓61は、前記締付ねじ55の挿通を許容するだけでなく、前記ナット部材59を一方の丸パイプ49内にけんどん動作により挿入することが可能な形態をなしている。
【0044】
前記他方の丸パイプ51は、図22に示すように、前記一方の丸パイプ49の外周面49aに沿うように凹陥した端面51aを備えており、その凹陥した端面51aが一方の丸パイプ49の外周面49aに密着することにより、当該他方の丸パイプ51の軸心周りの位置ずれが規制されるようになっている。
【0045】
<直交接続用の緊締手段>
前記緊締手段53は、図10に示すように、前記締付ねじ55の軸心55xを前記他方の丸パイプ51の軸心51xに対して角度θだけ傾斜させたものである。すなわち、この緊締手段53は、図10及び図19に示すように、雌ねじ孔59aを前記ナット露出窓61に臨ませて前記一方の丸パイプ49内に配設された前記ナット部材59と、前記他方の丸パイプ51の端部内に固設されたねじ挿通孔63aを有するねじ受け部材63と、このねじ受け部材63の前記ねじ挿通孔63aを通して前記ナット部材59の前記雌ねじ孔59aに螺着された前記締付ねじ55とを備えたものである。
【0046】
前記ナット部材59は、図10図19及び図21に示すように、中央部に前記雌ねじ孔59aを有した厚板状のもので、取付ねじ65、66を用いて前記一方の丸パイプ49内に取付けられている。具体的には、このナット部材59は、その両端部に、前記取付ねじ65、66を螺着させることが可能な小雌ねじ孔67a、67bをそれぞれ有している。そして、前記一方の丸パイプ49に設けられた前記ねじ挿通孔49x、49yに外側から挿通させた前記取付ねじ65、66を前記小雌ねじ孔67a、67bに螺着することにより、前記ナット部材59が一方の丸パイプ49の内部に固定されている。一方の丸パイプ49の外側に位置する前記一方の取付ねじ65の頭部65aは、図10図12図19及び図21に示すように、その丸パイプ49の外周面49aから外方に突出する円柱状のものであり、この頭部65aが前記他方の丸パイプ51の外周面51bを位置決めするための前記凸部57を構成している。他方の取付ねじ66の頭部66aは、例えば皿ねじタイプのもので、前記丸パイプ51とは干渉しないようにしてなっている。なお、前記ナット部材59は、前記雌ねじ孔59aの軸心59xが前記他方の丸パイプ51の軸心51xに対して角度θだけ傾斜する姿勢で前記一方の丸パイプ49に固定されている。
【0047】
前記ねじ受け部材63は、図10図19及び図21に示すように、前記ねじ挿通孔63aを有するねじ受け板71と、このねじ受け板71の縁から前記他方の丸パイプ51の内方に延びる延出板73と、この延出板73の延出端に設けられ前記他方の丸パイプ51の内部を区成する区画板75とを一体に備えたものである。前記ねじ受け板71は前記締付ねじ55の頭部55aを係止するものであり、前記他方の丸パイプ51内に固設されている。すなわち、前記一方の丸パイプ49に他方の丸パイプ51を直交姿勢で当接させた状態において、前記ねじ挿通孔63aの軸心63xと前記雌ねじ孔59aの軸心59xとが合致するように構成されており、このねじ挿通孔63aを通して前記雌ねじ孔59aに螺合させた前記締付ねじ55を締め付けることにより、前記他方の丸パイプ51の端面51aが前記一方の丸パイプ49の外周面51aに圧接されるとともに、前記他方の丸パイプ51の外周面51bが前記凸部57に押し付けられるようにしてある。なお、前記他方の丸パイプ51の前記ねじ受け部材63に対応する部位には、前記締付ねじ55を装着するための装着窓51zが形成されている。その装着窓51zには、化粧蓋52が着脱可能に蓋着されている。
【0048】
以上の接続構造に準じた接続構造は、他端側の支柱6Bにおける竪姿勢の丸パイプ6B1と、この丸パイプ6B1に接続され前記中間フレーム7Cを構成する前記丸パイプ7C1との接続箇所P22にも採用されている。また、図14図16図20及び図22に示すように、中間の支柱6C~6Fにおける竪姿勢の丸パイプ6C1~6F1と、この丸パイプ6C1~6F1の両側にそれぞれ接続され前記中間フレーム7Cを構成する前記丸パイプ7C1との接続箇所P23~P30にも採用されている。以上に述べた接続箇所P22~P30の接続構造については、前述した接続箇所P21におけるものと同一または対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
<横姿勢の面材掛止部材>
前記上フレーム7Aを構成する前記丸パイプ7A1の下側には、図3図4図8図13図15及び図17に示すように、横姿勢の面材掛止部材101がねじ103及びスペーサ105を介して取り付けられている。この面材掛止部材101は、前記スペーサ105が取り付けられた底壁107と、この底壁107の両側縁から上方に延出させた側壁109とを備えたチャンネル状のもので、前記底壁107及びスペーサ105を貫通させたねじ103を前記丸パイプ7A1に設けた雌ねじ孔111に螺着することにより、前記丸パイプ7A1との間に所定の隙間を形成した状態で取り付けられている。前記底壁107における前記他方の丸パイプ13の装着窓13zに対応する部位には、前記締付ねじ21を通過させるための窓107zが設けられている。なお、符号112は、前記スペーサ105を前記底壁107に取り付けるための弾性爪である。
【0050】
<竪姿勢の面材掛止部材>
前記端の支柱6A、6Bを構成する竪姿勢の丸パイプ6A1、6B1の出入口2xと反対の側には、図5図8図15及び図19に示すように、竪姿勢の面材掛止部材113がねじ115及びスペーサ117を介して取り付けられている。この面材掛止部材113は、前記スペーサ117が取り付けられた底壁119と、この底壁119の両側縁から側方に延出させた側壁121とを備えたチャンネル状のもので、前記底壁119及びスペーサ117を貫通させたねじ115を前記丸パイプ6A1、6B1に設けた雌ねじ孔123に螺着することにより、丸パイプ6A1、6B1との間に所定の隙間を形成した状態で取り付けられている。前記底壁119における前記他方の丸パイプ51の装着窓51zに対応する部位には、前記締付ねじ55を通過させるための窓119zが設けられている。なお、符号124は、前記スペーサ117を前記底壁119に取り付けるための弾性爪である。
【0051】
<面材>
以上説明したフレーム構造体4の内外に、図1及び図3図7に示すように、2枚の面材5、すなわち外装用の面材5A及び内装用の面材5Bがそれぞれ添接されている。
【0052】
この実施形態における外装用の面材5Aは、図2図3及び図6に示すように、5枚の面材構成シート125をスライドファスナ127により着脱可能に接続したもので、上フレーム7Aと中間フレーム7Cとの間に形成される空間を覆い隠しうる面積を備えている。前記スライドファスナ127は、図3及び図6に示すように、先端縁にそれぞれ務歯127bを有する対をなすテープ127aを備え、スライダ127cのスライド動作により前記務歯127b同士を係脱させうるようにした通常のもので、前記各テープ127aが隣接する面材構成シート125の側縁に縫い込まれている。
【0053】
各面材構成シート125は、図4図7に示すように、布製の表地129と不織布製の裏地131との間に芯材である例えばポリウレタンフォーム等の発泡材132を配したもので、例えばエラストキルト加工により作られている。すなわち、各面材構成シート125は、接着剤を塗布した表地129と発泡材132と裏地131とを重ね合わせた積層体に過熱成型を施すことにより作られている。また、この面材構成シート125には、図3及び図6に示すように、それぞれ上下方向に延伸する厚肉部125a及び薄肉部125bが、所定ピッチで繰り返されるように交互に配されている。そして、図3及び図4に示すように、各面材構成シート125の上縁部を折り返して横姿勢の掛止材135を縫い込んでいる。この掛止材135は、図4に示すように、軟質樹脂製の押し出し材を所定の長さに切断したものであり、前記面材構成シート125の端部と折り返し部分133との間に縫い込まれる縫製部137と、この縫製部137の下端から延びる二股部139とを備えた帯状をなしている。そして、この掛止材135の前記二股部139を前記横姿勢の面材掛止部材101の側壁109に係り合わせることにより面材5Aの上縁部分をフレーム構造体4の上フレーム7Aに取り付けるようにしている。また、図5に示すように、端の支柱6A、6Bに臨む面材構成シート125の側縁部を折り返して竪姿勢の掛止材141を縫い込んでいる。この掛止材141も、軟質樹脂製の押し出し材を所定の長さに切断したものであり、前記面材構成シート125の端部と折り返し部分133との間に縫い込まれる縫製部143と、この縫製部143の先端から延びる二股部145とを備えた帯状をなしている。そして、この掛止材141の前記二股部145を前記竪姿勢の面材掛止部材113の側壁121に係り合わせることにより面材5Aの側縁部分をフレーム構造体4の端の支柱6A、6Bに取り付けるようにしている。さらに、各面材構成シート125の下縁部内面は、図示しない面ファスナを介して中間フレーム7Cに着脱可能に止着されている。
【0054】
この実施形態における内装用の面材5Bは、前記外装用の面材5Aに準じた構成を有したもので、同一または対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
≪天板≫
前記天板3は、図1図3に示すように、前記スクリーン2により囲われたブース空間S内に配されたもので、ブラケット171、173を介して前記支柱6A~6Bに着脱可能に支持されている。この実施形態においては、前記スクリーン2が仮想正六角柱に沿った形状をなすものであるため、前記天板3は、出入口2xから見て右側に位置する、図1及び図2に示すような右寄り態様(P)と、出入口2xから見て正面に位置する図示しない正面態様(Q)と、出入口2xから見て左側に位置する図示しない左寄り態様(R)とのいずれかをとることができるようになっている。すなわち、前記右寄り態様(P)では、図2に示すように、天板3の使用端3a両側を手前側のブラケット171を介して端の支柱6Aと第3の中間の支柱6Eとに支持させるとともに、天板3の反使用端3b両側を第1の中間の支柱6C及び第2の中間の支柱6Dに奥側のブラケット173を介して支持させている。前記正面態様(Q)では、天板3の使用端3a両側を手前側のブラケット171を介して第1の中間の支柱6Cと第4の中間の支柱6Fとに支持させるとともに、天板3の反使用端3b両側を第2の中間の支柱6D及び第3の中間の支柱6Eに奥側のブラケット173を介して支持させている。前記左寄り態様(R)では、天板3の使用端3a両側を手前側のブラケット171を介して第2の中間の支柱6Dと端の支柱6Bとに支持させるとともに、天板3の反使用端3b両側を第3の中間の支柱6E及び第4の中間の支柱6Fに奥側のブラケット173を介して支持させている。
【0056】
また、この天板3の反使用端3b側のエッジ3dと側端3cとは120°の角度をなして交差しており、これらが交差する箇所が前記スクリーン2の入隅2b1~2b5に対応するように設定されている。換言すれば、この天板3は、反使用端3b側の対をなすエッジ3dを前記スクリーン2の何れかの対をなす入隅2b1~2b5に選択的に対応させて前記スクリーン2に着脱可能に取付けられるようになっている。ここで、前記スクリーン2における一方の端の支柱6Aと第1の中間の支柱6Cとの間の入隅を第1の入隅2b1と称し、以下、一方の端の支柱6Aに近いほうの入隅から順に、第2~第5の入隅2b2~2b5と称する。より具体的には、前記右寄り態様(P)では、図2に示すように、前記天板3の反使用端3b側の対をなすエッジ3dは、第1及び第3の入隅2b1、2b3に対応させた状態で前記スクリーン2に着脱可能に取付けられるようになっている。前記正面態様(Q)では、前記天板3の反使用端3b側の対をなすエッジ3dは、第2及び第4の入隅2b2、2b4に対応させた状態で前記スクリーン2に着脱可能に取付けられるようになっている。そして、前記左寄り態様(R)では、前記天板3の反使用端3b側の対をなすエッジ3dは、第3及び第5の入隅2b3、2b5に対応させた状態で前記スクリーン2に着脱可能に取付けられるようになっている。
【0057】
前記各支柱6A~6Fには、図8図24及び図25に示すように、前記ブース空間Sに向けて開口するブラケット取付用のスリット6As~6Fsが形成されており、これらのスリット6As~6Fsに前記手前側のブラケット171及び奥側のブラケット173を選択的に掛止することができるようになっている。そして、このスリット6As~6Fsに対応する位置には、図6に示すように、前記内側の面材5Bを構成する面材構成シート125同士を接続するためのスライドファスナ127が配されるようになっており、このスライドファスナ127を部分的に開くことにより前記スリット6As~6Fsをブース空間Sに臨ませることができるようにしてある。すなわち、各スライドファスナ127は、該スライドファスナ127を開閉するためのスライダ127cを上側及び下側にそれぞれ有しており、これらのスライダ127cを介して前記スライドファスナ127における前記スリット6As~6Fsよりも上側及び下側をそれぞれ閉じることにより、前記スリット6As~6Fsをブース空間Sに臨ませつつ前記面材構成シート125同士を接続することができるようになっている。
【0058】
また、この天板3は、図2及び図7に示すように、前記面材5に当接又は近接する縁部に、クランプ193を介して電源コンセントや照明器具等のオプション部材195を取り付けるためのオプション取付け領域3Aを備えている。前記オプション取付け領域3Aに対応する前記スクリーン2の部位には、前記面材5が厚み方向に変形するのを許容すべく、前記支柱6A~6F及び前記フレーム7A~7Cのいずれもが配されていないようになっている。
【0059】
手前側のブラケット171は、図24に示すように、基端に前記スリット6As~6Fsに掛け止めされる掛止爪177を有する支持部175と、この支持部175の上端に設けられ天板3の下面を受ける天板受け部179とを備えたもので、前記天板受け部179には、当該ブラケット171を天板3に固定するための図示しないねじを挿通させるためにねじ挿通孔181を設けている。
【0060】
奥側のブラケット173も、図25に示すように、基端に前記スリット6As~6Fsに掛け止めされる掛止爪185を有する支持部183と、この支持部183の上端に設けられ天板3の下面を受ける天板受け部187とを備えたもので、前記天板受け部187には、当該ブラケット173を天板3に固定するための図示しないねじを挿通させるためにねじ挿通孔189を設けている。
【0061】
また、図2に示すように、前記天板3の反使用端3bにおける中央部分と前記スクリーン2との間には、配線挿通用の隙間SSが形成されており、前記天板3の下面における前記隙間SSに対応する部位には、配線ダクト191が設けられている。
【0062】
≪本実施形態の効果≫
本実施形態によれば、面材5A、5Bが可撓変形可能な材料により作られているため、スクリーン2の外観をフレーム構造体4の形態に沿ったものにすることが容易になり、スクリーン2における設計や外観デザインの自由度の向上を図ることができる。特に、フレーム構造体4を丸パイプにより構成すれば、フレーム構造体4の形を比較的自由に造形することができる。また、面材5A、5Bは発泡体等を主体として構成することができるため、フレーム構造体4が丸パイプにより形成されていることと相まって、全体の軽量化を図ることが容易になる。また、スクリーン2の外面、換言すればブース1の外面が可撓変形可能な材料により構成されるため、触れたり衝突したりした際に硬さを感じるのを緩和することができ、見た目にも柔らかな曲面などを有した優美なスクリーン2を容易に実現できる。
【0063】
特に、丸パイプ7A1~7C1は自由な方向に曲げることができ、種々の曲面を形成することが容易になり、従来にない優れた外観を有するスクリーンを提供することができる。
【0064】
また、前記フレーム構造体4が、複数本の支柱6A~6Fと、それら支柱6A~6F間に横架されたフレーム7A~7Cとを備えたものであるので、支柱6A~6Fとフレーム7A~7C以外の部分は面材5A、5Bのみにより構成されることになる。そのため、その部分は比較的変形が容易になり、使用者に柔らかみを与えるだけでなく、種々の利便性が得られる。すなわち、このような構成のものであれば、天板3の縁をスクリーン2に近接させて配置しておいても、前記面材5A、5Bを図7の想像線に示すように一時的に変形させることにより、天板3の縁に種々のオプション部材195を取り付けることができる。すなわち、この実施形態では、前記天板3の前記面材5A、5Bに当接又は近接する縁部にオプション取付け領域3Aを備えたものであり、前記オプション取付け領域3Aに対応する前記スクリーン3の部位は、前記面材5A、5Bが厚み方向に変形するのを許容すべく前記支柱6A~6F及び前記フレーム7A~7Cのいずれもが配されていない構造をなしている。
【0065】
また、この実施形態のブース1においては、前記フレーム構造体4が、前記支柱6A~6Fの上端6Aa~6Fa間に配された上のフレーム7Aと、前記支柱6A~6Fの下端間6Ab~6Fbに配された下のフレーム7Bと、前記支柱6A~6Fの下端に近い中間部6Ac~6Fc間に配された中間のフレーム7Cとを備えたものであり、前記中間のフレーム7Cと前記下のフレーム7Bとの間に、面材5A、5Bが存在しない透窓領域4aが形成されているので、内部に使用者がいるかどうかを外部から察知することが可能になる。
【0066】
さらに、前記支柱6A~6Fが、起立姿勢をなす竪のパイプ6A1~6F1と、この竪のパイプ6A1~6F1の上下両端にそれぞれ剛結された横のパイプ6A2~6F2、6A3~6F3とを備えたものであり、前記各支柱6A~6Fの上端6Aa~6Faに設けられた横のパイプ6A2~6F2間にフレーム用パイプ7A1を架設することにより上のフレーム7Aが形成されているとともに、前記各支柱6A~6の上端6Ab~6Fbに設けられた横のパイプ6A3~6F3間にフレーム用パイプ7B1を架設することにより下のフレーム7Bが形成されているので、各支柱6A~6Fと各フレーム7A~7Cとの接続箇所に同じ接続構造を採用することができ、構成の簡略化を図ることができる。
【0067】
前記スクリーン2が、前記フレーム構造体4の内外両面に前記面材5A、5Bがそれぞれ張設されたものであるので、ブース1の内外の外観を整えることができるだけでなく、前述したようにオプション部材195を取り付ける際などに内面側の面材5Bを変形させても外面側の面材5Aに影響が及ぶことがないという利点を得ることもできる。
【0068】
なお、本発明に係るスクリーン及びブースは、以上説明した第一の実施形態のものに限らず、以下の第二ないし第六の実施形態のもの等であってもよい。
【0069】
[第二の実施形態]
この実施形態のブースA1は、図26及び図27に示すように、平面視コーナー部分を丸めた略矩形状をなすスクリーン2と、このスクリーン2の内部に天板取付構造体201を介して設置された天板3と、前記スクリーン2の内部にベンチ取付構造体203を介して設置されたベンチ9とを具備してなるもので、例えば6人程度を収容することができる大きさに設定されている。
【0070】
前記スクリーン2は、図26及び図27に示すように、パイプを組み合わせて構築されたフレーム構造体4と、このフレーム構造体4の一部を覆うようにして前記パイプ間に着脱可能に張設された可撓変形可能な面材5A、5Bとを具備してなる。
【0071】
前記フレーム構造体4は、図27に示すように、支柱6A~6Hと、これら支柱6A~6Hの上端間を連結する上のフレーム7Aと、前記支柱6A~6Hの下端間を連結する下のフレーム7Bと、前記支柱6A~6Hの下端に近い中間部間を連結する中間のフレーム7Cとを具備してなるものである。前記支柱6A~6H及び上、下、中間のフレーム7A~7C自体の構造、及び接続構造は、前述した第一の実施形態に準じた構成をなすものであり、同一または相当する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
[第三の実施形態]
この実施形態のブースは、平面視コーナー部分を丸めた略矩形状をなすスクリーンと、このスクリーンの内部に天板取付構造体201を介して設置された図示しない天板と、前記スクリーンの内部にベンチ取付構造体203を介して設置された図示しないベンチとを具備してなるもので、例えば4人程度を収容することができる大きさに設定されている。
【0073】
前記スクリーンは、パイプを組み合わせて構築された図28に示すようなフレーム構造体4と、このフレーム構造体4の一部を覆うようにして前記パイプ間に着脱可能に張設された可撓変形可能な図示しない面材とを具備してなる。
【0074】
前記フレーム構造体4は、支柱6A~6Fと、これら支柱6A~6Fの上端間を連結する上のフレーム7Aと、前記支柱6A~6Fの下端間を連結する下のフレーム7Bと、前記支柱6A~6Fの下端に近い中間部間を連結する中間のフレーム7Cとを具備してなるものであり、上述した第二の実施形態に係るものに比べて、奥行き寸法が小さくなっている以外は、同一の構成を有している。前記支柱6A~6F及び上、下、中間のフレーム7A~7C自体の構造、及び接続構造は、前述した第一及び第二の実施形態に準じた構成をなすものであり、同一または相当する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
[第四の実施形態]
この実施形態のブースは、平面視コーナー部分を丸めた略矩形状をなすスクリーンと、このスクリーンの内部に天板取付構造体201を介して設置された図示しない天板とを具備してなるもので、例えば1人を収容することができる大きさに設定されている。
【0076】
前記スクリーンは、パイプを組み合わせて構築された図29に示すようなフレーム構造体4と、このフレーム構造体4の一部を覆うようにして前記パイプ間に着脱可能に張設された可撓変形可能な図示しない面材とを具備してなる。
【0077】
前記フレーム構造体4は、支柱6A~6Fと、これら支柱6A~6Fの上端間を連結する上のフレーム7Aと、前記支柱6A~6Fの下端間を連結する下のフレーム7Bと、前記支柱6A~6Fの下端に近い中間部間を連結する中間のフレーム7Cとを具備してなるものであり、上述した第二の実施形態に係るものに比べて、奥行き寸法が小さくなっている以外は、同一の構成を有している。前記支柱6A~6F及び上、下、中間のフレーム7A~7C自体の構造、及び接続構造は、前述した第一及び第二の実施形態に準じた構成をなすものであり、同一または相当する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
[第五の実施形態]
この実施形態のブースB1は、図30及び図31に示すように、平面視コーナー部分を丸めた略矩形状をなすスクリーン2を具備してなるもので、内側に既存のテーブル205や椅子207を配置して使用される。
【0079】
前記スクリーン2は、図30及び図31に示すように、パイプを組み合わせて構築されたフレーム構造体4と、このフレーム構造体4の一部を覆うようにして前記パイプ間に着脱可能に張設された可撓変形可能な図示しない面材とを具備してなる。
【0080】
前記フレーム構造体4は、図31に示すように、支柱6A~6Fと、これら支柱6A~6Fの上端間を連結する上のフレーム7Aと、前記支柱6A~6Fの下端間を連結する下のフレーム7Bと、前記支柱6A~6Fの下端に近い中間部間を連結する中間のフレーム7Cとを具備してなるものであり、上述した第二の実施形態に係るものと同様の構成を有している。前記支柱6A~6H及び上、下、中間のフレーム7A~7C自体の構造、及び接続構造は、前述した第一及び第二の実施形態に準じた構成をなすものであり、同一または相当する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
[第六の実施形態]
この実施形態のブースは、平面視コーナー部分を丸めたコ字形をなすスクリーンを具備してなるもので、内側に図示しない既存のテーブル等を配置して使用される。
【0082】
前記スクリーンは、パイプを組み合わせて構築された図32に示すようなフレーム構造体4と、このフレーム構造体4の全部を覆うようにして前記パイプ間に着脱可能に張設された可撓変形可能な図示しない面材とを具備してなる。
【0083】
前記フレーム構造体は、支柱6A~6Fと、これら支柱6A~6Fの上端間を連結する上のフレーム7Aと、前記支柱6A~6Fの下端間を連結する下のフレーム7Bとを具備してなるものであり、中間フレームが存在しない点以外は、上述した第二の実施形態に係るものに準じた構造を有している。前記支柱6A~6F及び上、下のフレーム7A、7B自体の構造、及び接続構造は、前述した第一及び第二の実施形態に準じた構成をなすものであり、同一または相当する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0084】
以上、第二ないし第六の実施形態によっても、面材5A、5Bが可撓変形可能な材料により作られているとともに、フレーム構造体を構成する支柱及びフレーム自体の構造、及び接続構造は、前述した第の実施形態に準じた構成をなすので、第一の実施形態に係る主要な効果を全て得ることができる。
【0085】
[他の実施態様]
なお、本発明は以上に述べた第一ないし第六の実施形態に限らない。
【0086】
例えば、面材は前述したように厚肉部と薄肉部とを交互に配列させた構造のものに限らず、一定の厚みを有したものであってもよいが、前述したような構成にしておけば、外観に整った縦じま模様が現れるため、美観に優れたものになるだけでなく、平面視の形状は円滑に変形させることはできるが、自重により面が折れ曲がるような不具合の発生は有効に抑制することができる。
【0087】
また、支柱が、起立姿勢をなす竪のパイプとこの竪のパイプの上下両端にそれぞれ剛結された横のパイプとを備え、各支柱の上端又は下端に設けられた横のパイプ間にフレーム用パイプを架設することにより上下のフレームをそれぞれ形成する態様に代えて、水平方向に伸びる横のパイプとこの横のパイプの上面又は下面にそれぞれ剛結された竪のパイプとを備えるフレーム要素を用い、このフレーム要素の横のパイプ同士を接続することにより上下のフレームをそれぞれ形成するとともに、上のフレームを構成するフレーム要素の竪のパイプと下のフレームを構成するフレーム要素の竪のパイプとの間に起立姿勢をなす支柱用の竪のパイプを接続することにより支柱を形成する態様を採用することも考えられる。加えて、支柱とフレームとの接続構造は任意の構成を採用してもよいが、前述したような構成であれば、各支柱と各フレームとの接続箇所に同じ接続構造を採用することができ、構成の簡略化を図ることができる。
【0088】
さらに、横断面円形をなす丸パイプを利用してフレーム構造体を構築するものに限らず、角パイプを利用してフレーム構造体を構築するものであってもよいが、丸パイプを利用してフレーム構造体を構築したものであれば、前述したように、丸パイプは自由な方向に曲げることができ、種々の曲面を形成することが容易になり、従来にない優れた外観を有するスクリーンを提供することができる。
【0089】
加えて、本発明の構成によれば、フレーム構造体の内外両面に面材をそれぞれ張設することにより、前述したように、ブースの内外の外観を整えることができるだけでなく、オプション部材を取り付ける際などに内面側の面材を変形させても外面側の面材に影響が及ぶことがないという利点を得ることもできる。
【0090】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0091】
1…ブース
2…スクリーン
2x…出入口
4…フレーム構造体
5A、5B…面材
6A~6H…支柱
6A1~6H1…竪のパイプ(竪姿勢の丸パイプ)
6A2~6H2…横のパイプ(横姿勢の丸パイプ)
6A3~6H3…横のパイプ(横姿勢の丸パイプ)
7A…上のフレーム
7B…下のフレーム
7C…中間のフレーム
7A1、7A2、7A3…フレーム用パイプ(丸パイプ)
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