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特許7000831つる植物の登攀材及びこれを備える緑化装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】つる植物の登攀材及びこれを備える緑化装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/12 20060101AFI20220112BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20220112BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20220112BHJP
   A01G 22/00 20180101ALI20220112BHJP
【FI】
A01G9/12 A
A01G7/00 601C
A01G9/02 103R
A01G22/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017237997
(22)【出願日】2017-12-12
(65)【公開番号】P2019103444
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】江木 和泉
(72)【発明者】
【氏名】小畠 正至
(72)【発明者】
【氏名】柳川 敏治
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-57420(JP,A)
【文献】特開平8-37930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/12
A01G 7/00
A01G 9/00 - 9/02
A01G 22/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランターに植栽したつる植物を登攀させた緑化柵を自立した緑化装置であって、
上面を開口した収容室を有し、この収容室に一つ以上の前記プランターを収容自在な直方体状のプランター収容箱と、
前記プランター収容箱を搭載自在に複数の金属部材を長方形状に枠組みした台座を有し、前記プランター収容箱の両端部を貫通自在な一対の管状部材を略平行に前記台座の両端部から立設した架台と、を備え、
前記緑化柵は、
下部側を前記管状部材に挿入自在に対向配置した一対の支柱部材と、
略水平方向に配置され、一対の前記支柱部材の上部側を接合した一つ以上のバー部材と、
つる植物を登攀自在に略鉛直方向に配置され、前記バー部材に連結した複数の棒状の第1の登攀材と、
前記第1の登攀材の上部に着脱自在に固定した電球ソケットと、
前記電球ソケットに接続でき、前記つる植物に向かって青色光を照射するLED電球と、を有している、緑化装置。
【請求項2】
プランターに植栽したつる植物を登攀させた緑化柵を自立した緑化装置であって、
上面を開口した収容室を有し、この収容室に一つ以上の前記プランターを収容自在な直方体状のプランター収容箱と、
前記プランター収容箱を搭載自在に複数の金属部材を長方形状に枠組みした台座を有し、前記プランター収容箱の両端部を貫通自在な一対の管状部材を略平行に前記台座の両端部から立設した架台と、を備え、
前記緑化柵は、
下部側を前記管状部材に挿入自在に対向配置した一対の支柱部材と、
略水平方向に配置され、一対の前記支柱部材の上部側を接合した一つ以上のバー部材と、
つる植物を登攀自在に略鉛直方向に配置され、前記バー部材に連結した複数の管状の透明体からなる第2の登攀材と、
前記第2の登攀材の頂き部に埋設し、前記つる植物に向かって青色光を照射する発光ダイオードと、を有している、緑化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つる植物の登攀材及びこれを備える緑化装置に関する。特に、プランターなどに植栽したつる植物を登攀させた登攀材及びこれを備える緑化装置であって、人工光源を用いて、つる植物の伸長を抑制できる、つる植物の登攀材及びこれを備える緑化装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、建物の外壁に植物を植える壁面緑化がヒートアイランド現象の緩和及び省エネルギー化に役立つとして、注目されている。壁面緑化には、登攀式、下垂式、補助材式、又は、ユニット式などの様々な工法が提案又は実施されている。
【0003】
登攀式壁面緑化工法は、壁面などに付着自在な付着根を有するつる植物を壁面に自立登攀させることで、建物の壁面を緑化できる。登攀式壁面緑化工法は、低コストで緑化できるメリットを有しているが、付着根を有する付着性植物に限定されるという制約がある。
【0004】
下垂式壁面緑化工法は、屋上又はベランダに設置したプランターから植物を壁面に沿って垂らすことで、建物の壁面を緑化できる。補助材式壁面緑化工法は、ワイヤーなどの補助材を用いて、つる植物を登攀又は下垂させることで、建物の壁面を緑化できる。ユニット式壁面緑化工法は、つる植物を誘引・巻付け自在なユニットを用いて、建物の壁面を緑化できる。
【0005】
一方、プランターに植栽したつる植物を登攀させた緑化柵を形成した緑化装置であって、緑化柵を建物の内部の日除け又は仕切り(パーテーション)として利用することで、直射日光から建物の内部を遮蔽すると共に、建物の内部の景観を向上できる移動式の緑化装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
一般に、植物は、光をエネルギー源として、光合成と光形態形成の光反応により、生長することが知られている。近年では、天候、気候、害虫などの自然環境に影響されないように、人工光源を用いて、植物を育成する植物育成装置が開発されている。そして、人工光源を用いた植物育成装置の実用化が進展している。
【0007】
例えば、観賞用の顕花植物又は葉物野菜などに対して、人工光源による光照射の位置と光強度を制御して、植物を所望の形状に造形可能な植物育成装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2015-112100号公報
【文献】特開2013-5741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図11は、従来技術による植物育成装置の構成を示す図であり、図11(A)は、植物育成装置の縦断面図、図11(B)は、図11(A)のA矢視図である。なお、本願の図11は、特許文献2の図1に相当している。
【0010】
図11を参照すると、従来技術による植物育成装置9は、箱状の本体91と培養容器92を備えている。本体91は、内部に空洞を有している。培養容器92は、培養土Cpを内部に収容している。培養容器92の培養土Cpには、顕花植物Pfを植栽している。
【0011】
図11を参照すると、本体91は、底面側を上にして、培養容器92に載置している。本体91は、外部からの光が顕花植物Pfに照射しないように、顕花植物Pfの回りを覆っている。
【0012】
図11(A)を参照すると、本体91は、一組の光源A1・A2を内壁の上面に配置している。図11(B)を参照すると、これらの光源A1・A2は、実体としてプリント基板93に実装されたLEDである。図11(B)を参照すると、プリント基板93は、赤色LED93rと青色LED93bを縦横に配列している。赤色LED93rと青色LED93bは、交互に配列している。
【0013】
図11(A)を参照すると、本体91は、一組の光源A3・A4を内壁の一方の側面に配置している。同様に、本体91は、一組の光源A5・A6を内壁の他方の側面に配置している。又、培養容器92は、一組の光源A7・A8を培養土Cp上に載置している。なお、光源A3~A8は、赤色LED93rと青色LED93bを交互に配列したプリント基板93で構成している(図11(B)参照)。
【0014】
図11を参照すると、光源A1~A8は、顕花植物Pfに向かって、赤色光、又は、青色光、及び、赤色光と青色光を混在して照射できる。光源A1~A8は、リード線Wrを介して、制御装置94と電気的に接続している。制御装置94は、CPU、入出力装置、メモリ、制御回路、LED駆動回路などを備えている。
【0015】
図11を参照すると、制御装置94は、メモリに記憶させた点灯制御のパターンのプログラムにしたがって、光源A1~A8に電力を供給すると共に、それぞれの光源の赤色LED93rと青色LED93bの点灯と消灯の制御、及び、照度の強さを制御できる。
【0016】
図11を参照すると、特許文献2による植物育成装置9は、青色光の波長領域に反応する植物の光屈性の特性に基づき、制御装置94のメモリに記憶させた点灯制御のパターンのプログラムにしたがって、顕花植物Pfの特定部位である茎の頂芽を伸長させる方向の光源A1~A8から青色LED93bの光を照射して、茎を誘導させ、茎の形状を所望の形状に形成できる、としている。
【0017】
ところで、建物の内部の設置される緑化装置は、つる植物を複数の登攀材に登攀させることで、いわゆる、緑化カーテンを形成している。しかし、つる植物が生長し過ぎると、その容姿が美しく無くなるので、つる植物が生長し過ぎる前に、つる植物を剪定する必要がある。特に、脚立を用いた高所での剪定作業は、体力を要し、脚立から落下しないように、安全性に配慮する必要がある。
【0018】
人工光源を用いて、登攀材に登攀するつる植物の伸長を抑制できれば、剪定作業の頻度を低減できる。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0019】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、人工光源を用いて、登攀材に登攀するつる植物の伸長を抑制することで、剪定作業の頻度を低減できる、つる植物の登攀材及びこれを備える緑化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、青色の波長を有する人工光源を登攀材の上部に配置することで、登攀材に登攀するつる植物の伸長を抑制できると考え、これに基づいて、以下のような新たなつる植物の登攀材及びこれを備える緑化装置を発明するに至った。
【0021】
(1)本発明によるつる植物の登攀材は、つる植物を登攀自在に略鉛直方向に配置されたつる植物の登攀材であって、前記つる植物に向かって青色光を照射する照射手段を前記登攀材の上部に備えている。
【0022】
(2)前記照射手段は、400nm~500nmの青色波長領域の光を前記つる植物に照射できることが好ましい。
【0023】
(3)本発明によるつる植物の登攀材は、略鉛直方向に開口すると共に、前記照射手段を遮光可能に前記照射手段の周囲を囲っているカバーを更に備えることが好ましい。
【0024】
(4)前記カバーは、光を反射する反射手段を内壁に有していることが好ましい。
【0025】
(5)本発明による緑化装置は、プランターに植栽したつる植物を登攀させた緑化柵を自立した緑化装置であって、上面を開口した収容室を有し、この収容室に一つ以上の前記プランターを収容自在な直方体状のプランター収容箱と、前記プランター収容箱を搭載自在に複数の金属部材を長方形状に枠組みした台座を有し、前記プランター収容箱の両端部を貫通自在な一対の管状部材を略平行に前記台座の両端部から立設した架台と、を備え、前記緑化柵は、下部側を前記管状部材に挿入自在に対向配置した一対の支柱部材と、略水平方向に配置され、一対の前記支柱部材の上部側を接合した一つ以上のバー部材と、つる植物を登攀自在に略鉛直方向に配置され、前記バー部材に連結した複数の棒状の第1の登攀材と、前記第1の登攀材の上部に着脱自在に固定した電球ソケットと、前記電球ソケットに接続でき、前記つる植物に向かって青色光を照射するLED電球と、を有している。
【0026】
(6)本発明による緑化装置は、プランターに植栽したつる植物を登攀させた緑化柵を自立した緑化装置であって、上面を開口した収容室を有し、この収容室に一つ以上の前記プランターを収容自在な直方体状のプランター収容箱と、前記プランター収容箱を搭載自在に複数の金属部材を長方形状に枠組みした台座を有し、前記プランター収容箱の両端部を貫通自在な一対の管状部材を略平行に前記台座の両端部から立設した架台と、を備え、前記緑化柵は、下部側を前記管状部材に挿入自在に対向配置した一対の支柱部材と、略水平方向に配置され、一対の前記支柱部材の上部側を接合した一つ以上のバー部材と、つる植物を登攀自在に略鉛直方向に配置され、前記バー部材に連結した複数の管状の透明体からなる第2の登攀材と、前記第2の登攀材の頂き部に埋設し、前記つる植物に向かって青色光を照射する発光ダイオードと、を有している。
【発明の効果】
【0027】
本発明によるつる植物の登攀材は、青色の波長を有する照射手段を登攀材の上部に配置することで、登攀材に登攀するつる植物の伸長を抑制できる。そして、これにより剪定作業の頻度を低減できる。
【0028】
本発明による緑化装置は、プランターに植栽したつる植物を登攀させた緑化柵を自立した緑化装置であって、緑化柵を構成する棒状の第1の登攀材の上部に青色光を照射するLED電球を着脱自在に固定することで、つる植物の伸長を抑制できる。
【0029】
本発明による緑化装置は、プランターに植栽したつる植物を登攀させた緑化柵を自立した緑化装置であって、緑化柵を構成する管状の透明体からなる第2の登攀材の頂き部に青色光を照射する発光ダイオードを埋設することで、つる植物の伸長を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の構成を示す斜視図であり、つる植物を登攀させた緑化柵をプランター収容箱に自立させた状態図である。
図2】第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の構成を示す斜視図である。
図3】第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置を示す図であり、図3(A)は、緑化装置の平面図、図3(B)は、緑化装置の正面図である。
図4】第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の構成を示す図であり、図4(A)は、図3(B)のB-B矢視断面図、図4(B)は、緑化装置の左側面図である。
図5】第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置を示す縦断面図であり、プランター収容箱の長手方向に沿って、緑化装置の中央部を断面で示した状態図である。
図6】第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置を示す平面図であり、図5のF-F矢視断面図である。
図7】第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置を示す縦断面図であり、図7(A)は、図5のE-E矢視断面図、図7(B)は、図5のD-D矢視断面図である。
図8】第1実施形態による緑化装置の構成を示す斜視分解組立図である。
図9】第1実施形態による緑化装置に備わる緑化柵の構成を示す斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の構成を示す斜視図である。
図11】従来技術による植物育成装置の構成を示す図であり、図11(A)は、植物育成装置の縦断面図、図11(B)は、図11(A)のA矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[第1実施形態]
(つる植物の登攀材及び緑化装置の構成)
最初に、本発明の第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の構成を説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の構成を示す斜視図であり、つる植物を登攀させた緑化柵をプランター収容箱に自立させた状態図である。図2は、第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の構成を示す斜視図である。
【0033】
図3は、第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置を示す図であり、図3(A)は、緑化装置の平面図、図3(B)は、緑化装置の正面図である。
【0034】
図4は、第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の構成を示す図であり、図4(A)は、図3(B)のB-B矢視断面図、図4(B)は、緑化装置の左側面図である。
【0035】
図5は、第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置を示す縦断面図であり、プランター収容箱の長手方向に沿って、緑化装置の中央部を断面で示した状態図である。図6は、第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置を示す平面図であり、図5のF-F矢視断面図である。
【0036】
図7は、第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置を示す縦断面図であり、図7(A)は、図5のE-E矢視断面図、図7(B)は、図5のD-D矢視断面図である。
【0037】
図8は、第1実施形態による緑化装置の構成を示す斜視分解組立図である。図9は、第1実施形態による緑化装置に備わる緑化柵の構成を示す斜視図である。
【0038】
(全体構成)
次に、本発明の第1実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の全体構成を説明する。図1から図9を参照すると、本発明の第1実施形態による緑化装置10は、直方体状のプランター収容箱1、架台2、及び、緑化柵3を備えている。緑化装置10は、複数の電球ソケット3sとLED電球3rを更に備えている。
【0039】
図1から図8を参照すると、プランター収容箱1は、上面を開口した収容室11rを有している(図4(B)又は図参照)。収容室11rには、二つのプランター1p・1pを収容している(図5又は図6参照)。図1から図6に示した実施形態では、二つのプランター1p・1pをプランター収容箱1の長手方向に連設している。
【0040】
図1又は図6を参照すると、プランター1pには、つる植物Pvを植栽している。実施形態では、土壌を収容した円筒状のポット11pにつる植物Pvを植栽し、複数のポット11pをプランター1pに収容している(図3(A)又は図8参照)。プランター1p及びポット11pは、市販品を使用することもできる。
【0041】
図8を参照すると、架台2は、台座21と一対の管状部材21p・21pを有している。台座21は、複数の金属部材を互いに接合して、長方形状に枠組みしている。台座21には、プランター収容箱1を搭載できる。又、一対の管状部材21p・21pは、台座21の両端部から立設している。
【0042】
図8を参照すると、一対の管状部材21p・21pは、略平行に配置されている。又、一対の管状部材21p・21pは、プランター収容箱1の両端部を貫通している(図1から図3又は図5参照)。
【0043】
図1から図3又は図5を参照すると、緑化柵3は、一対の支柱部材31p・31p、一組のバー部材31b・31b、及び、複数の棒状の第1の登攀材(以下、登攀材と略称する)31cを備えている。一対の支柱部材31p・31pは、対向配置されている。支柱部材31pは、その下端部側を管状部材21pに挿入できる。
【0044】
図1から図3又は図5を参照すると、一組のバー部材31b・31bは、それらの両端部を一対の支柱部材31p・31pの外周に溶接などで接合している。一方のバー部材31bは、一対の支柱部材31p・31pの上端部に接合している。他方のバー部材31bは、一対の支柱部材31p・31pの中間部に接合している。そして、一組のバー部材31b・31bは、略水平方向に配置されている。
【0045】
図1から図5を参照すると、登攀材31cは、棒状の補助部材31aを介して、バー部材31bに連結している。補助部材31aは、その中間部をバー部材31bに溶接などで接合している。又、補助部材31aは、その両端部を一組の登攀材31c・31cの外周に溶接などで接合している。両端部に配置された補助部材31aは、その一端部を支柱部材31pの外周に溶接などで接合している。そして、複数の登攀材31cは、略平行に略鉛直方向に配置されている。プランター1pの上方に複数の登攀材31cを配置することで、つる植物Pvを登攀材31cに登攀できる(図1参照)。
【0046】
図1から図9を参照すると、第1実施形態による緑化装置10は、つる植物Pvを植栽したプランター1pを収容した直方体状のプランター収容箱1と、プランター収容箱1を設置し、プランター収容箱1の両端部を貫通自在な一対の管状部材21p・21pを両端部から立設した架台2と、一対の支柱部材31p・31pを一対の管状部材21p・21pに差し込んで自立させ、つる植物Pvを登攀自在な複数の登攀材31cを有する緑化柵3と、つる植物Pvに向かって青色光を照射する複数のLED電球3rと、を備え、登攀材31cに登攀するつる植物Pvの伸長を抑制できる。
【0047】
(第1の登攀材の構成)
次に、第1実施形態による登攀材31cの構成を説明する。図1から図5及び図7を参照すると、登攀材31cは、電球ソケット3sと照射手段となるLED電球3rを上部に備えている。
【0048】
図2を参照すると、電球ソケット3sは、口金ソケット部31sを一端部側に有し、クランプ部32sを他端部側に有している。口金ソケット部31sには、LED電球3rの口金部31rを螺合できる。LED電球3rを電球ソケット3sに取り付けることで、LED電球3rと電球ソケット3sを電気的に接続できる。なお、電球ソケット3sから延出するリード線は、その図示を省略している。
【0049】
図2を参照すると、クランプ部32sは、穴部321とスリット322を有している。穴部321は、登攀材31cと嵌合できる。スリット322は、穴部321に連通している。登攀材31cの上部から保護キャップ3cを取り外した状態で、クランプ部32sの穴部321を登攀材31cの上部から挿入でき、クランプ部32sをネジ部材で緊締することで、電球ソケット3sを登攀材31cの上部に着脱自在に固定できる(図1から図5及び図7参照)。
【0050】
図1から図5及び図7を参照すると、LED電球3rは、つる植物Pvに向かって青色光を照射できる。LED電球3rは、400nm~500nmの青色波長領域の光をつる植物Pvに照射することが好ましい。これらの作用は後述する。図1から図3を参照すると、LED電球3rは、奥側の登攀材31cに配置しているが、LED電球3rは、手前側の登攀材31cに配置してもよく、全ての登攀材31cに配置してもよい。
【0051】
図1から図5及び図7を参照すると、登攀材31cは、箱状のカバー4を更に備えている。カバー4は、略鉛直方向に開口すると共に、複数のLED電球3rを遮光可能に複数のLED電球3rの周囲を囲っている。これにより、LED電球3rの青色光が人体の目に直接入射することを防止できる。
【0052】
図1から図5及び図7を参照すると、カバー4は、光を反射する反射膜を内壁に有することが好ましい。LED電球3rから出射される青色光の散乱を抑制でき、青色光をつる植物Pvに効果的に照射できる。
【0053】
図1又は図3から図5を参照すると、一対の支柱部材31p・31pは、ブロック状のクランプ部材3bを上部に固定している。これらのクランプ部材3b・3bは、相反する向きに雌ネジ部3msを設けている。カバー4の側面からネジ部材を雌ネジ部3msに締結することで、一対の支柱部材31p・31pを介して、カバー4を緑化装置10に固定できる。
【0054】
(プランター収容箱の構成)
次に、第1実施形態によるプランター収容箱1の構成を説明する。図1から図8を参照して、プランター収容箱1は、合成樹脂からなることが好ましく、合成樹脂を成形して、内部に一つ以上のプランター1pを収容自在な直方体状のプランター収容箱1を得ることができる。
【0055】
図4(A)を参照すると、プランター収容箱1は、上面から窪んだ段部11dを有している。一方、プランター1pは、外側に張り出した鍔部11fを上部に形成している(図8参照)。一対の鍔部11f・11fを段部11dに設置することで、プランター1pの底面が収容室11rの底面から所定の距離を設けて、プランター1pをプランター収容箱1に配置できる。
【0056】
図8を参照すると、プランター収容箱1は、段部11dに連通した複数の逃げ部11eを有している。対向する一対の逃げ部11e・11eに指を挿入でき、一対の鍔部11f・11fを把持することで、プランター収容箱1からプランター1pを取り出すことができる。
【0057】
図5から図8を参照すると、プランター収容箱1は、二つの仕切り板12・13を備えている。一方の仕切り板12は、一対のアリガタのレール12r・12rを両側部に形成している(図6参照)。一方、プランター収容箱1は、一対のレール12r・12rを案内する一対のアリ溝12s・12sを内壁に形成している(図8参照)。
【0058】
図5から図8を参照すると、他方の仕切り板13は、一対のアリガタのレール13r・13rを両側部に形成している(図6参照)。一方、プランター収容箱1は、一対のレール13r・13rを案内する一対のアリ溝13s・13sを内壁に形成している(図8参照)。
【0059】
図6又は図9を参照して、二つの仕切り板12・13をプランター収容箱1の内部に設置することで、プランター1pの鍔部11fを二つの仕切り板12・13の上面に設置できる。そして、プランター収容箱1に対して、プランター1pの長手方向の移動を規制できる(図5参照)。
【0060】
図5から図8を参照すると、プランター収容箱1は、水中ポンプ14p、散水管141、及び、水位計142を更に備えている。水中ポンプ14pは、プランター収容箱1の底部に設置している(図5又は図7(B)参照)。水中ポンプ14pの上方は、蓋板15で覆っている(図5又は図8参照)。
【0061】
図5から図8を参照すると、散水管141は、プランター収容箱1の長手方向に沿って、複数のプランター1pの上方に配置されている(図5参照)。散水管141は、その一端部を水中ポンプ14pに接続している。又、散水管141は、その他端部を閉塞している。更に、散水管141は、多数の散水孔を直線部の外周に開口している。
【0062】
図5又は図7を参照すると、プランター収容箱1は、培養液Cfを内部に貯留している。水中ポンプ14pを駆動すると、培養液Cfを吸引し、培養液Cfを散水管141に送出できる。そして、培養液Cfを複数のポット11pに散水できる(図3(A)又は図8参照)。又、余剰の培養液Cfは、プランター収容箱1の底部に循環される。水中ポンプ14pを駆動する時間は、例えば、1日1回5分程度とし、タイマーなどを設置して管理することもできる。
【0063】
図5又は図7を参照すると、水位計142は、一方の仕切り板12に着脱自在に固定されている。水位計142は、その末端部をプランター収容箱1の底面に近接している。水位計142は、球状のフロート14fを内部に配置している。培養液Cfの水位に対応して、フロート14fが上下方向に変位することで、培養液Cfの水位を検出できる。
【0064】
(カバー部材の構成)
図1又は図2及び図4(A)又は図8を参照すると、プランター収容箱1は、一対の逆Y字状のカバー部材16・16を更に備えている。カバー部材16は、プランター収容箱1の側面Sfに開口した逆Y字状の溝部16dに嵌合できる(図8参照)。
【0065】
図4(A)を参照すると、管状部材21pと支柱部材31pは、高さ調整ねじ16sで連結している。後述するように、高さ調整ねじ16sを操作することで、管状部材21pに対して、支柱部材31pの高さを段階的に変化できる。
【0066】
図8を参照すると、溝部16dは、垂直溝部Sdと一対の水平溝部Hd・Hdを有している。垂直溝部Sdに対して、一対の水平溝部Hd・Hdは、略直交している。プランター収容箱1の側面Sfからカバー部材16を取り外すことで、高さ調整ねじ16sを操作できる。管状部材21pに対して、支柱部材31pの高さを変化した後に、カバー部材16をプランター収容箱1の側面Sfに取り付けることで、管状部材21pを外面から覆うことができる(図1参照)。
【0067】
図1又は図2を参照すると、プランター収容箱1は、カバー部材16をプランター収容箱1の側面Sfに取り付けた状態では、管状部材21pが露出しないので、外観が優れている。又、カバー部材16をプランター収容箱1の側面Sfに取り付けた状態では、カバー部材16は、プランター収容箱1の側面Sfと略面一の状態で溝部16dに嵌合しているので、不要な突起物がなく、安全である。
【0068】
(架台の構成)
次に、第1実施形態による架台2の構成を説明する。図8又は図10を参照すると、台座21は、長尺の山形鋼からなる一対のチャンネル架211・211と短尺の山形鋼からなる一対の連結架212・212を有している。一対のチャンネル架211・211の両端部には、一対の連結架212・212の両端部を溶接などで接合している。
【0069】
図8を参照すると、台座21は、短尺の山形鋼からなる一組の中間架213・213を更に有している。一組の中間架213・213は、それらの両端部を一対のチャンネル架211・211の中間部に溶接などで接合している。一組の中間架213・213は、台座21を補強している。
【0070】
又、図8を参照すると、架台2は、台座21の四隅に四つのキャスタ2cを固定している。これにより、架台2に搭載された緑化柵3付きのプランター収容箱1を容易に移動できる。
【0071】
図8を参照すると、管状部材21pは、鋼製の角パイプからなることが好ましく、一方の端縁を連結架212の中間部に溶接などで接合している。管状部材21pの他方の端縁は、支柱部材31pを導入可能に開口している。又、管状部材21pは、プランター収容箱1の底部側から溝部16dに挿通できる。
【0072】
又、図8を参照すると、管状部材21pは、山形鋼からなる一組の斜材214・214で基端部側が補強されている。斜材214は、その一端部をチャンネル架211の端部に溶接などで接合している。又、斜材214は、その他端部を管状部材21pの211の基端部側に溶接などで接合している。
【0073】
図8を参照すると、管状部材21pは、複数の穴21hを基端部側に開口している。これらの穴21hには、高さ調整ねじ16sを挿通できる(図4(B)参照)。高さ調整ねじ16sの取り付け位置を変えることで、管状部材21pに対して、支柱部材31pの高さを段階的に変化できる。
【0074】
(緑化柵の構成)
次に、第1実施形態による緑化柵3の構成を説明する。図1から図5及び図9を参照すると、支柱部材31pは、丸パイプからなることが好ましく、複数の穴31hを基端部側に開口している。これらの穴21hには、高さ調整ねじ16sを挿通できる(図4(B)参照)。高さ調整ねじ16sの取り付け位置を変えることで、管状部材21pに対して、支柱部材31pの高さを段階的に変化できる。
【0075】
図1から図5を参照すると、登攀材31cは、丸棒からなることが好ましく、プランター1pに植栽したつる植物Pvを登攀させることができる(図1参照)。登攀材31cは、その上端部に保護キャップ3cを取り付けることが好ましく、登攀材31cの上端部に人体などの一部が接触したときに、人体を損傷から保護できる。
【0076】
図1又は図2及び図11を参照すると、複数の登攀材31cは、平面視において、千鳥状(スタッガード)に配列している。これにより、つる植物Pvを登攀させた緑化柵3の美観を向上できる(図1参照)。
【0077】
(つる植物の登攀材及び緑化装置の作用)
次に、第1実施形態による登攀材31c及び緑化装置10の作用及び効果を説明する。植物の生長初期、いわゆる実生の植物に青色光を照射することで、茎の伸長を抑制できることが知られている。生長した後のつる植物に青色光を照射することで、茎の伸長を抑制する効果が期待されている。LEDによる人工光源は、製造段階で波長領域を規定できるので、植物の形態を操作するのに便利である。
【0078】
以上のような植物と人工光源の関係を利用して、第1実施形態による登攀材31cは、青色の波長を有するLED電球3rを登攀材31cの上部に配置することで、登攀材31cに登攀するつる植物Pvの伸長を抑制できる。そして、これにより剪定作業の頻度を低減できる。又、高い場所での剪定作業を削減できるという効果も期待できる。
【0079】
第1実施形態による緑化装置10は、つる植物Pvを植栽したプランター1pを収容した直方体状のプランター収容箱1と、プランター収容箱1を設置し、プランター収容箱1の両端部を貫通自在な一対の管状部材21p・21pを両端部から立設した架台2と、一対の支柱部材31p・31pを一対の管状部材21p・21pに差し込んで自立させ、つる植物Pvを登攀自在な複数の登攀材31cを有する緑化柵3と、つる植物Pvに向かって青色光を照射する複数のLED電球3rと、を備え、登攀材31cに登攀するつる植物Pvの伸長を抑制できる。
【0080】
図8を参照すると、架台2は、台座21の四隅に四つのキャスタ2cを固定しているので、架台2に搭載された緑化柵3付きのプランター収容箱1を容易に移動できる。
【0081】
図1又は図2を参照すると、プランター収容箱1は、カバー部材16をプランター収容箱1の側面Sfに取り付けた状態では、管状部材21pが露出しないので、外観が優れている。又、カバー部材16をプランター収容箱1の側面Sfに取り付けた状態では、カバー部材16は、プランター収容箱1の側面Sfと略面一の状態で溝部16dに嵌合しているので、不要な突起物がなく、安全である。
【0082】
図1から図5及び図11を参照すると、登攀材31cは、その上端部に保護キャップ3cを取り付けることが好ましく、登攀材31cの上端部に人体などの一部が接触したときに、人体を損傷から保護できる。
【0083】
図1を参照して、緑化装置10を建物の内部に設置することで、緑化柵3を建物の内部の日除け又は仕切りとして利用でき、直射日光から建物の内部を遮蔽すると共に、建物の内部の景観を向上できる。又、つる植物Pvを登攀させた緑化柵3を室内に設置することで、二酸化炭素をつる植物Pvが吸収でき、酸素を供給できる。
【0084】
[第2実施形態]
(つる植物の登攀材及び緑化装置の構成)
次に、本発明の第2実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の構成を説明する。図10は、本発明の第2実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の構成を示す斜視図である。
【0085】
なお、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を付した構成品は、その作用を同じにするので、以下説明を省略することがある。
【0086】
(全体構成)
次に、本発明の第2実施形態によるつる植物の登攀材及び緑化装置の全体構成を説明する。図10を参照すると、本発明の第2実施形態による緑化装置20は、直方体状のプランター収容箱1、架台2、及び、緑化柵5を備えている。緑化装置20は、複数の発光ダイオード5dを更に備えている。
【0087】
図10を参照すると、緑化柵5は、一対の支柱部材51p・51p、一組のバー部材51b・51b、及び、複数の管状の透明体からなる第2の登攀材(以下、登攀材と略称する)51cを備えている。一対の支柱部材51p・51pは、対向配置されている。支柱部材51pは、その下端部側を管状部材21pに挿入できる。
【0088】
図10を参照すると、一組のバー部材51b・51bは、それらの両端部を一対の支柱部材51p・51pの外周に溶着などで接合している。一方のバー部材51bは、一対の支柱部材51p・51pの上端部に接合している。他方のバー部材31bは、一対の支柱部材51p・51pの中間部に接合している。そして、一組のバー部材51b・51bは、略水平方向に配置されている。
【0089】
図10を参照すると、登攀材51cは、棒状の補助部材51aを介して、バー部材51bに連結している。補助部材51aは、その中間部をバー部材51bに溶着などで接合している。又、補助部材51aは、その両端部を一組の登攀材51c・51cの外周に溶着などで接合している。両端部に配置された補助部材51aは、その一端部を支柱部材51pの外周に溶着などで接合している。そして、複数の登攀材51cは、略平行に略鉛直方向に配置されている。プランター1pの上方に複数の登攀材51cを配置することで、つる植物Pvを登攀材51cに登攀できる(図1参照)。
【0090】
図10を参照すると、第2実施形態による緑化装置20は、つる植物Pvを植栽したプランター1pを収容した直方体状のプランター収容箱1と、プランター収容箱1を設置し、プランター収容箱1の両端部を貫通自在な一対の管状部材21p・21pを両端部から立設した架台2と、一対の支柱部材51p・51pを一対の管状部材21p・21pに差し込んで自立させ、つる植物Pvを登攀自在な複数の登攀材51cを有する緑化柵5と、つる植物Pvに向かって青色光を照射する複数の発光ダイオード5dと、を備え、登攀材51cに登攀するつる植物Pvの伸長を抑制できる。
【0091】
(第2の登攀材の構成)
次に、第2実施形態による登攀材51cの構成を説明する。図10を参照すると、登攀材51cは、絶縁性を有するマウント部材5mと照射手段となる発光ダイオード5dを上部に備えている。
【0092】
図10を参照すると、マウント部材5mは、発光ダイオード5dの接続端子を絶縁状態で覆っている。マウント部材5mは、その一方の端部から発光ダイオード5dの発光部を突出している。又、マウント部材5mは、その他方の端部からリード線5rを延出している。リード線5rは、マウント部材5mの内部で、発光ダイオード5dの接続端子に電気的に接続している。リード線5rを通して、発光ダイオード5dに電源を供給することで、発光ダイオード5dを点灯できる。
【0093】
図10を参照すると、発光ダイオード5dは、登攀材51cの頂き部から挿入されている。マウント部材5mを登攀材51cの頂き部に固定することで、発光ダイオード5dを登攀材51cの頂き部に固定できる。このように、発光ダイオード5dは、透明体からなる登攀材51cの頂き部に埋設されている。そして、発光ダイオード5dを点灯することで、つる植物Pvに向かって青色光を照射できる。
【0094】
図10を参照すると、発光ダイオード5dは、つる植物Pvに向かって青色光を照射できる。発光ダイオード5dは、400nm~500nmの青色波長領域の光をつる植物Pvに照射することが好ましい。図10を参照すると、発光ダイオード5dは、全ての登攀材51cの頂き部に配置しているが、発光ダイオード5dは、奥側の登攀材51cに配置してもよく、手前側の登攀材51cに配置してもよい。
【0095】
図10を参照すると、登攀材51cは、箱状のカバー4を更に備えている。カバー4は、略鉛直方向に開口すると共に、複数の発光ダイオード5dを遮光可能に複数の発光ダイオード5dの周囲を囲っている。これにより、発光ダイオード5dの青色光が人体の目に直接入射することを防止できる。
【0096】
図10を参照すると、カバー4は、光を反射する反射膜を内壁に有することが好ましい。発光ダイオード5dから出射される青色光の散乱を抑制でき、青色光をつる植物Pvに効果的に照射できる。
【0097】
図10を参照すると、一対の支柱部材51p・51pは、ブロック状のクランプ部材3bを上部に固定している。これらのクランプ部材3b・3bは、相反する向きに雌ネジ部3msを設けている。カバー4の側面からネジ部材を雌ネジ部3msに締結することで、一対の支柱部材51p・51pを介して、カバー4を緑化装置20に固定できる。
【0098】
(緑化柵の構成)
次に、第2実施形態による緑化柵5の構成を説明する。図10を参照すると、支柱部材51pは、透明なアクリル樹脂などからなる丸パイプで構成することが好ましい。補助部材51a及びバー部材51bは、透明なアクリル樹脂などからなる丸棒で構成することが好ましく、補助部材51a及びバー部材51bを支柱部材51pに溶着などで接合できる。
【0099】
図10を参照すると、登攀材51cは、透明なアクリル樹脂などからなる丸パイプで構成することが好ましく、バー部材51bを登攀材51cに溶着などで接合できる。又、登攀材51cは、プランター1pに植栽したつる植物Pvを登攀させることができる(図1参照)。登攀材51cを透明体で構成することにより、登攀材51cの頂き部に埋設した発光ダイオード5dからつる植物Pvに向かって青色光を照射できる。
【0100】
図10を参照すると、複数の登攀材51cは、平面視において、千鳥状(スタッガード)に配列している。これにより、つる植物Pvを登攀させた緑化柵5の美観を向上できる(図1参照)。
【0101】
(つる植物の登攀材及び緑化装置の作用)
次に、第2実施形態による登攀材51c及び緑化装置20の作用及び効果を説明する。植物の生長初期、いわゆる実生の植物に青色光を照射することで、茎の伸長を抑制できることが知られている。生長した後のつる植物に青色光を照射することで、茎の伸長を抑制する効果が期待されている。LEDによる人工光源は、製造段階で波長領域を規定できるので、植物の形態を操作するのに便利である。
【0102】
以上のような植物と人工光源の関係を利用して、第2実施形態による登攀材51cは、青色の波長を有する発光ダイオード5dを登攀材51cの頂き部に配置することで、登攀材51cに登攀するつる植物Pvの伸長を抑制できる。そして、これにより剪定作業の頻度を低減できる。又、高い場所での剪定作業を削減できるという効果も期待できる。
【0103】
第2実施形態による緑化装置20は、つる植物Pvを植栽したプランター1pを収容した直方体状のプランター収容箱1と、プランター収容箱1を設置し、プランター収容箱1の両端部を貫通自在な一対の管状部材21p・21pを両端部から立設した架台2と、一対の支柱部材51p・51pを一対の管状部材21p・21pに差し込んで自立させ、つる植物Pvを登攀自在な複数の登攀材51cを有する緑化柵5と、登攀材51cの頂き部に埋設し、つる植物Pvに向かって青色光を照射する複数の発光ダイオード5dと、を備え、登攀材51cに登攀するつる植物Pvの伸長を抑制できる。
【0104】
本発明は、建物の内部に設置することが好適な登攀材及び緑化装置を開示したが、本発明による登攀材及び緑化装置は、建物の外部に設置することもでき、緑化柵を窓と対向配置することで、直射日光から建物の内部を遮蔽できる。
【符号の説明】
【0105】
31c 登攀材(第1の登攀材)
51c 登攀材(第2の登攀材)
3r LED電球(照射手段)
5d 発光ダイオード(照射手段)
Pv つる植物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11