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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20220112BHJP
   H01R 12/79 20110101ALI20220112BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R12/79
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018001476
(22)【出願日】2018-01-09
(65)【公開番号】P2019121540
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100153969
【弁理士】
【氏名又は名称】松澤 寿昭
(72)【発明者】
【氏名】舛永 貴司
(72)【発明者】
【氏名】尾関 康介
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-112700(JP,A)
【文献】特開2011-238410(JP,A)
【文献】特開2006-344524(JP,A)
【文献】特開2014-035851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56-13/72
H01R 12/00-12/69
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと、
第1方向に沿って前記第1コネクタに嵌合するように構成され、且つ、前記第1方向と交差する第2方向に延びる接続体が接続された第2コネクタと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合した嵌合状態を保持するように構成されたロック部材とを備え、
前記第1コネクタは、前記ロック部材に係合可能な少なくとも一つのコネクタ係合部を含み、
前記ロック部材は、
前記第1コネクタに装着された際に、前記嵌合状態の前記第2コネクタを前記第1コネクタとの間で挟む本体部と、
前記コネクタ係合部と係合可能に構成された少なくとも一つのロック係合部と、
前記本体部から延びており、前記コネクタ係合部と前記ロック係合部との間の係合を解除する解除操作が行えるように構成された少なくとも一つの解除操作部と
前記ロック係合部を外方から覆う保護部とを含む、電気コネクタ。
【請求項2】
前記ロック部材は金属によって構成されている、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記ロック部材は、前記第2コネクタに対して、前記第1方向及び前記第2方向の双方に交差する第3方向に沿って延びる回動軸を中心に回動可能に取り付けられており、
前記回動軸は、前記本体部を、前記第2コネクタに対して近接させた位置と前記第2コネクタに対して離隔させた位置との間で回動可能とするように、前記本体部に連結されている、請求項1又は2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記本体部は、前記第3方向に沿って延びる第1側縁と、前記第3方向に沿って延び且つ前記第2方向において前記第1側縁と対向する第2側縁とを含み、
前記回動軸は、前記第2方向において、前記本体部における前記第1側縁寄りに位置しており、
前記解除操作部は、前記第2方向において、前記本体部における前記第2側縁寄りに設けられている、請求項3に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記第1コネクタは、前記第1方向及び前記第2方向の双方に交差する第3方向において対向する一方のコネクタ端部及び他方のコネクタ端部を含み、
前記ロック部材は、前記第3方向において対向する一方のロック端部及び他方のロック端部を含み、
前記一方のコネクタ端部及び前記他方のコネクタ端部にはそれぞれ、前記コネクタ係合部が設けられており、
前記一方のロック端部及び前記他方のロック端部にはそれぞれ、前記ロック係合部が設けられており、
前記第3方向における前記一方のロック端部寄りの前記本体部の部分及び前記他方のロック端部寄りの前記本体部の部分の少なくとも一方には、前記解除操作部が設けられている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記本体部は、前記一方のロック端部及び前記他方のロック端部の間に位置する中央部を含み、
前記中央部の前記第2方向における第1幅は、前記一方のロック端部及び前記他方のロック端部の前記第2方向における第2幅よりも小さい、請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記第1コネクタは、前記第1方向及び前記第2方向の双方に交差する第3方向に沿って配列された複数の第1導電端子と、第1係止部とを含み、
前記第2コネクタは、前記第3方向に沿って配列された複数の第2導電端子と、前記第1係止部と係止可能に構成された第2係止部とを含み、
前記複数の第1導電端子はそれぞれ、付勢部を含み、
前記嵌合状態において、前記各付勢部は、前記第2係止部を前記第1係止部に押し付けるように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記第2コネクタは、前記第3方向に沿って延びる第1側壁と、前記第3方向に沿って延び且つ前記第2方向において前記第1側壁と対向する第2側壁とを含み、
前記第2係止部は、前記第2方向における前記第1側壁寄りに配置されており、
前記ロック係合部は、前記第2方向における前記第2側壁寄りに配置されている、請求項に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記第2コネクタは、前記第3方向に沿って延びる第1側壁と、前記第3方向に沿って延び且つ前記第2方向において前記第1側壁と対向する第2側壁とを含み、
前記接続体は、前記第1側壁から前記第2側壁に向かう方向と反対の方向に沿って延び、
前記第2係止部は、前記第2方向における前記第1側壁寄りに配置されている、請求項又はに記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記第2コネクタは、前記嵌合状態の前記第2コネクタを前記第1コネクタから抜去する抜去操作が行えるように構成された抜去操作部をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記第2コネクタは、前記第1方向及び前記第2方向の双方に交差する第3方向に沿って延びる第1側壁と、前記第3方向に沿って延び且つ前記第2方向において前記第1側壁と対向する第2側壁とを含み、
前記接続体は、前記第1側壁から前記第2側壁に向かう方向と反対の方向に沿って延び、
前記抜去操作部は、前記第2方向における前記第2側壁寄りに配置されている、請求項10に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記第1コネクタは回路基板に電気的に接続されており、
前記第2コネクタは、前記接続体である電気ケーブル又はフレキシブルプリント基板に電気的に接続されている、請求項11のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電線が取り付けられるプラグコンタクトを有するプラグコネクタと、当該プラグコンタクトに電気的に接続されるリセプタクルコンタクトを有し基板の主面(コネクタ搭載面)に搭載されるリセプタクルコネクタとを備える基板対電線(Board-to-Wire)の電気コネクタが開示されている。当該電気コネクタにおいて、プラグコネクタは、上方から基板の主面に近づく方向に沿ってリセプタクルコネクタに嵌合する。このような嵌合方式は、垂直嵌合方式ともいわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013/145527号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような垂直嵌合方式の電気コネクタにおいては、例えば、プラグコネクタが取り付けられている電線の端末寄りの部分を上方に持ち上げることによる電線の変位(以下、「煽り」という。)により、基板の主面から離れる方向の外力がプラグコネクタに生ずることがある。このような外力が作用しても、両コネクタの導通を確保するために、プラグコネクタがリセプタクルコネクタから抜けることなく、嵌合状態が維持されていることが望ましい。
【0005】
本開示は、外力の作用によっても嵌合状態を安定して維持可能な電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例1.電気コネクタの一例は、第1コネクタと、第1方向に沿って第1コネクタに嵌合するように構成され、且つ、第1方向と交差する第2方向に延びる接続体が接続された第2コネクタと、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合した嵌合状態を保持するように構成されたロック部材とを備え、第1コネクタは、ロック部材に係合可能な少なくとも一つのコネクタ係合部を含み、ロック部材は、第1コネクタに装着された際に、嵌合状態の第2コネクタを第1コネクタとの間で挟む本体部と、コネクタ係合部と係合可能に構成された少なくとも一つのロック係合部と、本体部から延びており、コネクタ係合部とロック係合部との間の係合を解除する解除操作が行えるように構成された少なくとも一つの解除操作部とを含む。
【0007】
例1の電気コネクタによれば、ロック部材のロック係合部と第1コネクタのコネクタ係合部とが係合可能とされている。これにより、第1コネクタにロック部材が接続されるので、第1コネクタ及びロック部材に挟まれた第2コネクタの移動が規制される。したがって、接続体を通じて外力が第2コネクタに作用しても嵌合状態を維持することが可能である。また、解除操作部によってコネクタ係合部及びロック係合部の係合を解除可能となっているので、第2コネクタの移動の規制が簡易に解除される。
【0008】
例2.例1の電気コネクタにおいて、ロック部材は金属によって構成されていてもよい。この場合、例えば樹脂によってロック部材が構成されている場合と比較して、ロック部材の剛性が高まるので、より確実に嵌合状態を維持することができる。
【0009】
例3.例1又は例2の電気コネクタにおいて、ロック部材は、第2コネクタに対して、第1方向及び第2方向の双方に交差する第3方向に沿って延びる回動軸を中心に、回動可能に取り付けられており、回動軸は、本体部を、第2コネクタに対して近接させた位置と第2コネクタに対して離隔させた位置との間で回動可能とするように、本体部に連結されていてもよい。この場合、ロック部材を回動軸まわりに回動させることで簡易にロックが解除されるので、第1コネクタ及び第2コネクタの抜去作業をより容易に行うことができる。また、ロック部材が回動軸を介して第2コネクタに取り付けられているので、部品の散逸を抑制することができる。
【0010】
例4.例3の電気コネクタにおいて、本体部は、第3方向に沿って延びる第1側縁と、第3方向に沿って延び且つ第2方向において第1側縁と対向する第2側縁とを含み、回動軸は、第2方向において、本体部における第1側縁寄りに位置しており、解除操作部は、第2方向において、本体部における第2側縁寄りに設けられていてもよい。この場合、回動軸と解除操作部との距離を十分に確保でき、ロック部材を、回動軸を中心に回動させる際、いっそう簡易にロックを解除できる。
【0011】
例5.例1~例4のいずれかの電気コネクタにおいて、第1コネクタは、第1方向及び第2方向の双方に交差する第3方向において対向する一方のコネクタ端部及び他方のコネクタ端部を含み、ロック部材は、第3方向において対向する一方のロック端部及び他方のロック端部を含み、一方のコネクタ端部及び他方のコネクタ端部にはそれぞれ、コネクタ係合部が設けられており、一方のロック端部及び他方のロック端部にはそれぞれ、ロック係合部が設けられており、第3方向における一方のロック端部寄りの本体部の部分及び他方のロック端部寄りの本体部の部分の少なくとも一方には、解除操作部が設けられていてもよい。この場合、ロック部材の一方のロック端部及び他方のロック端部の両方でロック係合部及びコネクタ係合部が係合するので、意図して抜去する場合を除いては、一方のコネクタ及び他方のコネクタの嵌合状態をより確実に維持できる。また、意図して抜去する際には、解除操作部によって少なくとも一方のロック係合部及びコネクタ係合部の係合を解除するだけで両方の係合が解除されるので、第2コネクタを第1コネクタから簡易に抜去することができる。
【0012】
例6.例5の電気コネクタにおいて、本体部は、一方のロック端部及び他方のロック端部の間に位置する中央部を含み、中央部の第2方向における第1幅は、一方のロック端部及び他方のロック端部の第2方向における第2幅よりも小さくてもよい。この場合、第3方向における両端部よりも中央部の方が撓みやすくなる。そのため、嵌合状態において、ロック部材が第2コネクタから離間する方向の外力が中央部に作用すると、中央部は撓むが、両端部に設けられているロック係合部はむしろコネクタ係合部に近接する。そのため、ロック部材が第2コネクタから離間する方向の外力が予期せず第2コネクタに作用しても、コネクタ係合部及びロック係合部の係合を外れ難くすることができる。一方、解除操作部を操作することで、中央部付近が撓んで端部が外方に膨らみながら揺動して、両端部に設けられているロック係合部がコネクタ係合部から離間する。そのため、コネクタ係合部及びロック係合部の係合を解除しやすくすることができる。
【0013】
例7.例1~例6のいずれかの電気コネクタにおいて、ロック部材は、ロック係合部を外方から覆う保護部をさらに含んでいてもよい。この場合、保護部の存在によって、意図しない外力がロック係合部に作用し難くなる。そのため、ロック係合部及びコネクタ係合部の係合が外れることを抑制できる。
【0014】
例8.例1~例7のいずれかの電気コネクタにおいて、第1コネクタは、第1方向及び第2方向の双方に交差する第3方向に沿って配列された複数の第1導電端子と、第1係止部とを含み、第2コネクタは、第3方向に沿って配列された複数の第2導電端子と、第1係止部と係止可能に構成された第2係止部とを含み、複数の第1導電端子はそれぞれ、付勢部を含み、嵌合状態において、各付勢部は、第2係止部を第1係止部に押し付けるように構成されていてもよい。この場合、嵌合状態において、第1導電端子によって構成される付勢部が第2係止部を第1係止部に押し付けているので、第1係止部と第2係止部とが強固に係止される。そのため、第1コネクタに対する第2コネクタの相対移動が規制される。したがって、接続体を通じて外力が第2コネクタに作用しても嵌合状態が維持可能とされる。その結果、第1導電端子及び第2導電端子を確実に接触させることができる。
【0015】
例9.例8の電気コネクタにおいて、第2コネクタは、第3方向に沿って延びる第1側壁と、第3方向に沿って延び且つ第2方向において第1側壁と対向する第2側壁とを含み、第2係止部は第2方向における第1側壁寄りに配置されており、ロック係合部は第2方向における第2側壁寄りに配置されていてもよい。この場合、ロック係合部及びコネクタ係合部の係合位置と第1係止部及び第2係止部との係止位置とが第2方向において異なるので、第1コネクタ及び第2コネクタの嵌合状態をより確実に維持することができる。
【0016】
例10.例8又は例9の電気コネクタにおいて、第2コネクタは、第3方向に沿って延びる第1側壁と、第3方向に沿って延び且つ第2方向において第1側壁と対向する第2側壁とを含み、接続体は、第1側壁から第2側壁に向かう方向と反対の方向に沿って延び、第2係止部は、第2方向における第1側壁寄りに配置されていてもよい。この場合、接続体の変位(煽り)により、第2方向において電線の端末部分に近い第1側壁寄りの部分に抜去方向(第1方向)の外力が生じやすい。このような煽りが生じやすい第1側壁寄りに第2係止部があることにより、嵌合状態をより確実に維持することができる。
【0017】
例11.例8~例10のいずれかの電気コネクタにおいて、第2コネクタは、嵌合状態の第2コネクタを第1コネクタから抜去する抜去操作が行えるように構成された抜去操作部をさらに含んでいてもよい。この場合、抜去操作部によって抜去操作をより容易に行うことができる。
【0018】
例12.例11の電気コネクタにおいて、第2コネクタは、第1方向及び第2方向の双方に交差する第3方向に沿って延びる第1側壁と、第3方向に沿って延び且つ第2方向において第1側壁と対向する第2側壁とを含み、接続体は、第1側壁から第2側壁に向かう方向と反対の方向に沿って延び、抜去操作部は、第2方向における第2側壁寄りに配置されていてもよい。この場合、嵌合状態において、強固に係止されている第1係止部及び第2係止部に近い位置から抜去操作を行っても第2コネクタを第1コネクタから抜去しがたいが、付勢部寄りの位置(第2側壁寄りの位置)から抜去操作を行うことにより、係止による影響をあまり受けることなく第2コネクタを第1コネクタから抜去することができる。そのため、第2方向において、第2係止部寄りに位置している第1側壁と対向する第2側壁に抜去操作部がある場合、第2コネクタを第1コネクタから容易に抜去することができる。
【0019】
例13.例8~例12のいずれかの電気コネクタにおいて、第1コネクタは回路基板に電気的に接続されており、第2コネクタは、接続体である電気ケーブル又はフレキシブルプリント基板に電気的に接続されていてもよい。この場合、接続体が電気ケーブル又はフレキシブルプリント基板であると、これらに煽りが生じやすく、第2コネクタが抜去方向(第1方向)の力を受けやすい。このような外力の作用によっても嵌合状態を維持可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、外力の作用によっても嵌合状態を安定して維持可能な電気コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、電気コネクタを示す斜視図である。
図2図2は、電気コネクタを示す平面図である。
図3図3は、電気コネクタを示す側面図である。
図4図4は、図2のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、図2のV-V線に沿った断面図である。
図6図6は、リセプタクルコネクタを示す斜視図である。
図7図7は、リセプタクルコネクタを示す平面図である。
図8図8は、プラグコネクタ及びロック部材を上方から見て示す斜視図である。
図9図9は、プラグコネクタ及びロック部材を下方から見て示す斜視図である。
図10図10は、プラグコネクタ及びロック部材を示す平面図である。
図11図11は、電気コネクタの嵌合手順及び抜去手順を模式的に示す斜視図である。
図12図12は、電気コネクタの嵌合手順及び抜去手順を模式的に示す斜視図である。
図13図13は、電気コネクタの嵌合手順及び抜去手順を模式的に示す断面図である。
図14図14は、電気コネクタの抜去手順を模式的に示す断面図である。
図15図15は、図4の状態からロック部材に外力が作用したときの様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図面においては、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。各図において、X軸、Y軸及びZ軸により規定される直交座標系Sを示し、説明において、Z軸正方向を「上」、Z軸負方向を「下」という場合がある。以下に説明される本開示に係る実施形態は、本発明を説明するための例示であるので、本発明は以下の内容に限定されるべきではない。
【0023】
[電気コネクタ]
図1図3を参照して、電気コネクタ1の概要について説明する。図1図3に示されるように、電気コネクタ1は、リセプタクルコネクタ10(第1コネクタ)と、プラグコネクタ20(第2コネクタ)と、ロック部材30とを備える。リセプタクルコネクタ10は、回路基板50に取り付けられ、回路基板50に電気的に接続されている。プラグコネクタ20は、電気ケーブル60(接続体)に取り付けられ、電気ケーブル60に電気的に接続されている。
【0024】
リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20は、回路基板50の主面50s(例えば、XY平面)に交差する第1方向(例えばZ軸方向)に沿って互いに嵌合及び抜去可能に構成されている。ロック部材30は、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ20とが嵌合した嵌合状態を保持するように構成されている。リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20の嵌合状態において、回路基板50の主面50sに形成されている導電路(例えば配線であって、図示を省略する。)と電気ケーブル60とが電気的に接続される。このように、電気コネクタ1は、当該導電路と電気ケーブルとを電気的且つ物理的に接続するための電気コネクタである。
【0025】
回路基板50は、電子回路を搭載する各種の基板であり、例えばプリント配線基板又はフレキシブルプリント基板等である。回路基板50は、主面50s上にリセプタクルコネクタ10を半田接続等により実装している。
【0026】
電気ケーブル60は、携帯電話等の小型の電子機器に内蔵される各種の回路基板間で信号を伝送するために用いられる配線である。電気ケーブル60は、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20の嵌合状態において、第1方向に交差する第2方向(例えばX軸方向)に沿って延びている。電気ケーブル60は、線状に延びる金属線(例えば銅線)からなる内部導体61と、内部導体61の周面を覆う絶縁体62と、円筒状を呈する金属編組線からなり且つ絶縁体62の周面を覆う外部導体63と、外部導体63の周面を覆う保護被膜64とを含む(図5参照)。
【0027】
電気ケーブル60は、プラグコネクタ20が取り付けられる先端部(端末部分)から基端部(先端部とは逆側の端末部分)に向かうにつれて内部導体61、絶縁体62、外部導体63及び保護被膜64がこの順で段状に露出される。例えば電気ケーブル60は同軸ケーブル等である。すなわち、プラグコネクタ20は、第1方向及び第2方向の双方に交差する第3方向(例えばY軸方向)に沿って延びる同軸ケーブル用のコネクタであってもよい。
【0028】
以下、第1方向がZ軸方向に沿い、第2方向がX軸方向に沿い、第3方向がY軸方向に沿うものとして説明する。
【0029】
[リセプタクルコネクタ]
図4図7を参照してリセプタクルコネクタ10について詳細に説明する。リセプタクルコネクタ10は、全体としてY軸方向に沿って延びる長尺状のコネクタであり、回路基板50の主面50sに取り付けられている。そのため、図6及び図7に示されるように、リセプタクルコネクタ10の端部10a(一方のコネクタ端部)及び端部10b(他方のコネクタ端部)は、Y軸方向において互いに対向している。図6及び図7に示されるように、リセプタクルコネクタ10は、シェル11と、ハウジング12と、複数の導電端子13(第1導電端子)とを含む。
【0030】
シェル11は、例えばプレス加工された金属の板状部材によって構成され、弾性及び導電性を有する。図6及び図7に示されるように、例えばシェル11は、側壁11a,11b,11c,11dと、複数の突起11eと、係止片11f(第1係止部)と、コネクタ係合部11gとを含む。
【0031】
側壁11a,11bは、図5図7に示されるように、X軸方向に互いに対向し、Y軸方向に沿って延びている。側壁11aにおいて、回路基板50の主面50sから延びた先端部11hは、図5に示されるように、上方において側壁11bに向かって湾曲しており、X軸方向において弾性変形可能に構成されている。先端部11hは、例えば、回路基板50の主面50sから(後述する取付面10sから)高さH1に位置している(位置P1)。
【0032】
側壁11bは、図5図7に示されるように、Y軸方向沿って並ぶ複数(例えば6個)の板厚部11iを含む。板厚部11iは、例えばY軸方向に分割された側壁11bの一部が側壁11a側に折り返されて形成されている。側壁11bの高さ(Z軸方向における長さ)は、側壁11aの略半分程度である。
【0033】
側壁11c,11dは、図6及び図7に示されるように、Y軸方向に互いに対向し、側壁11a,11bに連結されている。これにより、側壁11a,11b,11c,11dは、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20が嵌合する際に、プラグコネクタ20を収容する収容空間Vの一部を構成する。図4及び図6に示されるように、側壁11c,11dにおいて、回路基板50の主面50sから延びた各先端部11jは、図4及び図6に示されるように、上方において内側(収容空間V側)に向かって湾曲しており、Y軸方向に沿って弾性変形可能に構成されている。
【0034】
複数の突起11eは、図5図7に示されるように、側壁11a,11bの下端において外側(収容空間Vと反対側)に突出するように設けられ、Y軸方向に沿って並んでいる。図4図6に示されるように、突起11eは、さらに側壁11c,11dの下端において外側(収容空間Vと反対側)に突出するように設けられていてもよい。突起11eの回路基板50の主面50sに伏せられる面は、例えば半田等によって回路基板50の導電路に電気的に接続される。すなわち、突起11eは、回路基板50の主面50sに取り付けられるように構成された取付面10sを含む。
【0035】
係止片11fは、図5図7に示されるように、側壁11bの各板厚部11iに形成されている。具体的には、各係止片11fは、各板厚部11iの中央部がX軸方向で対向する側壁11aに向かって突出するように屈曲されてなる。係止片11fは、各板厚部11iの下端が側壁11a側に突出するように屈曲されていてもよく、板厚部11iから側壁11a側に突出するように接着等によって固定された別の部材で構成されていてもよい。図5に示されるように、係止片11fは、例えば取付面10sから高さH2に位置している(位置P2)。
【0036】
コネクタ係合部11gは、図6に示されるように、後述するロック部材30に係合可能に構成されている。コネクタ係合部11gは、端部10a,10bにそれぞれ設けられていてもよい。図4及び図6に示されるように、例えばコネクタ係合部11gは、側壁11c,11dに形成された切り欠きであってもよい。コネクタ係合部11gは、当該切り欠きに限定されず、例えば側壁11c,11dに設けられた凹部等であってもよい。
【0037】
ハウジング12は、複数の導電端子13を保持すると共に、シェル11と導電端子13との間を絶縁する。図4図7に示されるように、例えばハウジング12は、側壁12aと、中央壁12bと、側壁12cと、底壁12dとを含む。側壁12aは、図6に示されるように、Y軸方向に沿って延びて、収容空間Vの一部を構成する。図5に示されるように、側壁12aは、外面を側壁11aによって覆われており、側壁12aの内面に先端部11hが位置するように、側壁11aの湾曲部分が側壁12aの上端に引っ掛けられている。
【0038】
中央壁12bは、側壁12aに並ぶように収容空間Vにおける側壁11a,11bの中間部に配置されている。側壁12a及び中央壁12bは、例えばY軸方向に沿って延びる略直方体部材である。側壁12cは、図4に示されるように、シェル11の側壁11c,11dの間において端部10a、10bにそれぞれ配置されている。側壁12cは、外面を側壁11c又は側壁11dによって覆われており、側壁12cの内面に各先端部11jが位置するように、側壁11c又は側壁11dの湾曲部分が各側壁12cの上端に引っ掛けられている。底壁12dは、側壁12a、中央壁12b及び側壁12cのそれぞれの下端部を連結している。
【0039】
複数の導電端子13は、例えばプレス加工された金属の板状部材によって構成され、弾性及び導電性を有する。図4及び図7に示されるように、複数の導電端子13は、Y軸方向に沿って配列されている。図5に示されるように、各導電端子13は、X軸方向に沿って延び、基端部13aと、中間部13bと、接触部13cとを含む。
【0040】
基端部13aは、回路基板50の主面50s上に配置され、回路基板50の導電路と例えば半田等によって接続されている。基端部13aは、ハウジング12の中央壁12bの下方に位置している。
【0041】
中間部13bは、基端部13aと接触部13cとを連結している。中間部13bは、ハウジング12の中央壁12bの内部においてU字状に屈曲された後、回路基板50の主面50sに沿って側壁12aの近傍まで延びている。
【0042】
接触部13cは、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20の嵌合状態において、後述するプラグコネクタ20の導電端子23に接触する。接触部13cは、側壁12aに沿って上方に延びると共に、先端部分を湾曲させて収容空間Vにおける中央壁12bとの間に一部を露出させている。これにより、接触部13cは、X軸方向において弾性変形可能に構成されている。接触部13cにおける導電端子23に接触する部分は、例えば取付面10sから高さH3に位置している(位置P3)。
【0043】
[プラグコネクタ]
次に、図4図5及び図8図11を参照し、プラグコネクタ20について詳細に説明する。図8図11に示されるように、プラグコネクタ20は、シェル21と、ハウジング22と、複数の導電端子23(第2導電端子)と、抜去操作部24とを含む。
【0044】
シェル21は、例えばプレス加工された金属の板状部材によって構成され、導電性を有する。図9及び図11に示されるように、例えばシェル21は、上壁21aと、側壁21b,21c,21d,21eと、複数の係止孔21f(第2係止部)と、軸受21gとを含む。
【0045】
上壁21aは、図5に示されるように、電気ケーブル60の先端部(端末部分)を覆いつつ、Y軸方向に延びている。上壁21aには、図10及び図11に示されるように、Y軸方向に沿って延びるスリットSLが形成されている。スリットSLは、上壁21aにおいて側壁21b寄りに位置している。側壁21b,21c,21d,21eは、図5図9及び図11に示されるように、上壁21aから下方に向けて連続するように設けられている。側壁21b(第2側壁)は、Y軸方向に沿って延びている。側壁21bは、下部においてX軸方向に沿って内方(側壁21cに向かう方向)に屈曲している。
【0046】
側壁21c(第1側壁)は、側壁21bとX軸方向において対向し且つY軸方向に沿って延びている。図5及び図9に示されるように、側壁21cは、電気ケーブル60を保持する保持部21hを含む。保持部21hは、例えば側壁21cの上部において側壁21bと反対の方向に沿って屈曲されてなる。側壁21cは、側壁21bとの間において電気ケーブル60の先端の内部導体61と導電端子23とを接続するための接続領域Dを形成している。言い換えると、電気ケーブル60は、プラグコネクタ20において側壁21cから側壁21bと反対の方向に沿って延びている。電気ケーブル60の基端部は、側壁21cよりも後方に位置している。
【0047】
側壁21d,21eは、図9及び図10に示されるように、Y軸方向において互いに対向している。側壁21d,21eは、上壁21aから下方に向けて屈曲されている。
【0048】
複数の係止孔21fは、係止片11fと係止可能に構成されている。図5及び図9に示されるように、各係止孔21fは、各係止片11fに対応する位置にそれぞれ形成されている。具体的には、各係止孔21fは、側壁21cの下端寄りの部分に形成されている。すなわち、各係止孔21fは、電気ケーブル60を保持する保持部21hの下方に位置している。係止孔21fは、例えば、側壁21cをX軸方向に貫通する貫通孔である。係止孔21fは、側壁21cに形成された切り欠きであってもよい。係止孔21fは、側壁21cを貫通していなくてもよく、例えば凹部等であってもよい。係止孔21fは、側壁21c以外の部材(例えば後述する側壁22b)における側壁21c寄りに設けられていてもよい。
【0049】
軸受21gは、図9に示されるように、後述するロック部材30の回動軸34を保持する。例えば軸受21gは側壁21d,21eにそれぞれ形成されている。各軸受21gは、X軸方向において、側壁21c寄りに位置している。各軸受21gは、例えば、側壁21d,21eに設けられた貫通孔又は凹部等であってもよい。
【0050】
ハウジング22は、複数の導電端子23を保持すると共に、シェル21と導電端子23との間を絶縁する。図4図5及び図9に示されるように、例えばハウジング12は、中央壁22aと、側壁22bとを含む。中央壁22aは、図5に示されるように、接続領域Dにおいて側壁21b,21cの中間部に配置されている。側壁22bは、中央壁22aに並ぶように接続領域Dにおける側壁21cに沿って配置されている。中央壁22a及び側壁22bは、図9に示されるように、例えばY軸方向に沿って延びる略直方体部材である。中央壁22a及び側壁22bは、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20が嵌合する際に、リセプタクルコネクタ10の収容空間Vに収容される。そのため、中央壁22a及び側壁22bは、全体として凸状を呈する嵌合凸部Wを構成している。
【0051】
複数の導電端子23は、例えばプレス加工された金属の板状部材によって構成され、導電性を有する。図4及び図9に示されるように、複数の導電端子23は、接続領域DにおいてY軸方向に沿って配列されている。図5に示されるように、各導電端子23は、X軸方向に沿って延び、接続部23aと、中間部23bと、接触部23cとを含む。
【0052】
接続部23aは、側壁22bの上端面を電気ケーブル60の先端部の内部導体61に沿って延びると共に、露出状態の内部導体61に半田等で接続されている。中間部23bは、接続部23aと接触部23cとを連結している。中間部23bは、中央壁22aにおける側壁22b寄りの外面に沿って接続部23aから屈曲され下方に向けて延びた後、シェル21の側壁21bに向かって中央壁22aの底面を延びている。接触部23cは、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20の嵌合状態において、リセプタクルコネクタ10の導電端子13に接触する。接触部23cは、中央壁22aにおける側壁21b寄りの外面に沿って上方に延びている。
【0053】
抜去操作部24は、嵌合状態のプラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から抜去する操作が行えるように構成されている。各図においては、抜去操作部24を二点鎖線で示している。抜去操作部24は、図1図3図5及び図8図10に示されるように、シェル21の側壁21bに取り付けられている。具体的には、抜去操作部24は、シェル21の上壁21aのスリットSLを通って側壁21bに引っ掛けられると共に、Z軸方向に沿って上方に延びている。抜去操作部24は、樹脂テープ、金属の板状部材等によって構成されていてもよい。なお、抜去する操作は、抜去操作部24による操作に限らず、シェル21における側壁21b寄りの部分を作業者等が指等で把持し、上方に持ち上げる操作でもよい。この場合、シェル21における側壁21b寄りの部分が抜去操作部となる。
【0054】
[ロック部材]
図1図4及び図8図10を参照し、ロック部材30について詳細に説明する。ロック部材30は、上述したように、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ20とが嵌合した嵌合状態を保持するように構成されている。図1図3に示されるように、例えばロック部材30は、回路基板50の主面50sと対向してY軸方向に沿って延び、プラグコネクタ20に取り付けられている。そのため、図8図10に示されるように、ロック部材30の端部30a(一方のロック端部)及び端部30b(他方のロック端部)は、Y軸方向において互いに対向している。
【0055】
ロック部材30は、例えばプレス加工された金属の板状部材によって構成され、弾性及び導電性を有する。図8図10に示されるように、ロック部材30は、本体部31と、ロック係合部32と、解除操作部33と、回動軸34と、保護部35とを含む。
【0056】
本体部31は、図8及び図10に示されるように、XY平面に沿う全体として矩形板状を呈している。本体部31は、Y軸方向に沿って延びる側縁31a(第1側縁)と、側縁31aと対向してY軸方向に沿って延びる側縁31b(第2側縁)と、端部30a,30bの間に位置する中央部31cとを含む。側縁31aはシェル21の側壁21c寄りに位置し、側縁31bは側壁21b寄りに位置する。
【0057】
図10に示されるように、中央部31cのX軸方向における幅B1(第1幅)は、端部30a,30bのX軸方向における幅B2(第2幅)よりも小さくてもよい。例えば、側縁31aは、Y軸方向において、端部30a,30bから中央部31cに向かうにつれて側縁31bに近づくように湾曲している。側縁31bが、Y軸方向において、端部30a,30bから中央部31cに向かうにつれて側縁31aに近づくように湾曲していてもよい。あるいは、側縁31a及び側縁31bの両方がY軸方向において、端部30a,30bから中央部31cに向かうにつれて互いに近づくように湾曲していてもよく、湾曲に限らず段状を呈していてもよい。
【0058】
ロック係合部32は、リセプタクルコネクタ10のコネクタ係合部11g(図6参照)と係合可能に構成されている。ロック係合部32は、端部30a,30bにそれぞれ設けられていてもよい。図4及び図10に示されるように、例えばロック係合部32は、端部30a,30bのそれぞれにおいて本体部31から下方に向けて屈曲された壁部32aと、各壁部32aの表面から中央部31cに向かう方向(Y軸方向において、プラグコネクタ20の中央に向かう方向)に突出する突起部32bとを含む。
【0059】
各突起部32bは、図4に示されるように、各コネクタ係合部11gに対応する位置に形成されている。図4及び図8図10に示されるように、例えば各突起部32bは、各壁部32aにおけるZ軸方向の中央部が内方(各壁部32aの表面から中央部31cに向かう方向)に向けて突出するように屈曲されてなる。突起部32bは、各壁部32aの下端を内方に向けて突出させるように屈曲されていてもよく、壁部32aから内方に向けて突出するように接着等によって壁部32aに固定された別の部材で形成されていてもよい。図9に示されるように、ロック係合部32は、X軸方向においてプラグコネクタ20の係止孔21fよりも側壁21b寄りに位置している。
【0060】
解除操作部33は、コネクタ係合部11gとロック係合部32との間の係合を解除する操作が行えるように構成されている。図8及び図10に示されるように、解除操作部33は、本体部31の側縁31bからX軸負方向に向けて延びており、XY平面に沿う矩形板状を呈している。例えば解除操作部33は、本体部31における端部30a,30b寄りの部分の両方に設けられている。解除操作部33は、本体部31における端部30a,30bの寄りの部分の一方のみに設けられていてもよい。
【0061】
図9及び図11に示すように、回動軸34は、Y軸方向に沿って延びている。図10に示されるように、例えば回動軸34は、本体部31における側縁31a寄りに位置している。回動軸34は、本体部31に連結され、プラグコネクタ20の軸受21gに保持されている。これにより、ロック部材30は、回動軸34を中心として、本体部31をプラグコネクタ20に対して近接させた位置(例えば図1の状態)と離隔させた位置(例えば図12の状態)との間で回動可能に取り付けられている。
【0062】
図4及び図8図10に示されるように、保護部35は、各ロック係合部32を外方から覆うように構成されている。例えば保護部35は、端部30a,30bの各ロック係合部32の外方(Y軸方向において、ロック係合部32に対してプラグコネクタ20の接続領域Dから遠ざかる位置)において、本体部31から下方に延びている。保護部35の下端部は、内方(プラグコネクタ20の接続領域Dに向かう方向)に向けて突出するように屈曲されている。
【0063】
[嵌合状態]
次に、図3図5を参照し、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20の嵌合状態について説明する。リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20が嵌合する際には、リセプタクルコネクタ10の収容空間V(図6参照)にプラグコネクタ20の嵌合凸部W(図9参照)が収容される。
【0064】
係止片11f及び係止孔21fは、図5に示されるように、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20が嵌合した状態(以下、「嵌合状態」という。)において互いに係止している。嵌合状態において、接触部13cは、プラグコネクタ20の係止孔21fをリセプタクルコネクタ10の係止片11fに押し付けるように構成された付勢部15として機能する。
【0065】
図5に示されるように、嵌合状態においては、接触部13cと接触部23cとが当接することで、導電端子13,23同士が互いに電気的に接続される。このとき、接触部13cは、接触部23cとの当接によりX軸方向において側壁11aに近づくように弾性変形する。この変形により接触部13cに生じた付勢力は、中央壁22aを介してプラグコネクタ20に伝達され、係止孔21fを係止片11fに押し付ける。
【0066】
リセプタクルコネクタ10のシェル11(側壁11aの先端部11h)が付勢部15として機能してもよい。図5に示されるように、嵌合状態においては、先端部11hがプラグコネクタ20(例えばハウジング22の中央壁22a)に当接することで、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20が互いに正しい位置に位置決めされる。このとき、先端部11hは、中央壁22aとの当接によりX軸方向において外方(接続領域Dから遠ざかる方向)に弾性変形する。この変形により先端部11hに生じた付勢力は、中央壁22aを介してプラグコネクタ20に伝達され、係止孔21fを係止片11fに押し付ける。
【0067】
嵌合状態において、接触部13c(付勢部15)が接触部23cに当接する位置P3(第1位置)の取付面10sからの高さH3(第1高さ)は、係止片11fと係止孔21fとが係止する位置P2(第2位置)の取付面10sからの高さH2(第2高さ)よりも高くてもよい。嵌合状態において、先端部11h(付勢部15)が中央壁22aに当接する位置P1の取付面10sからの高さH1は、係止片11fと係止孔21fとが係止する位置P2の取付面10sからの高さH2よりも高くてもよい。
【0068】
図3及び図4に示されるように、嵌合状態において突起部32b及びコネクタ係合部11gが互いに係合することにより、ロック部材30がリセプタクルコネクタ10に装着される。ロック部材30は、リセプタクルコネクタ10に装着された状態(以下、「装着状態」という。)において、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20の嵌合状態を保持する。図5に示されるように、装着状態において、ロック部材30の本体部31は、プラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10とで挟む位置に配置される。
【0069】
図5に示されるように、嵌合状態において、X軸方向における側壁21c寄りには、係止片11f及び係止孔21fが位置している。図3に示されるように、嵌合状態において、X軸方向における側壁21b寄りには、ロック係合部32及びコネクタ係合部11gが位置している。例えばロック係合部32及びコネクタ係合部11gは、図3及び図5に示されるように、Y軸方向から見て、接触部13cと接触部23cとが当接する位置P3と重複する位置の近傍において互いに係合している。
【0070】
[嵌合手順]
次に、図11図13を参照し、プラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10に嵌合させる手順(以下、「嵌合手順」という。)について説明する。まず、図11に示されるように、分離状態(嵌合前の状態)において、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ20とをZ軸方向に互いに対向配置させ、Z軸方向に沿った嵌合方向(図11の矢印DF1方向)にプラグコネクタ20を移動させてリセプタクルコネクタ10に嵌合させる。これにより、リセプタクルコネクタ10の導電端子13の接触部13cとプラグコネクタ20の導電端子23の接触部23cとが互いに電気的に接続される。
【0071】
次に、図12及び図13に示されるように、嵌合状態において、ロック部材30を、回動軸34を中心に矢印DF2方向に回動させ、ロック部材30をリセプタクルコネクタ10に装着する。具体的には、ロック部材30を、回動軸34を中心に回動させて、本体部31とリセプタクルコネクタ10とでプラグコネクタ20を挟み、その状態において、ロック係合部32及びコネクタ係合部11gを互いに係合させる。これにより、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ20との嵌合状態がロック部材30によって保持される。以上により嵌合手順が完了し、電気コネクタ1は、図1図3に示される状態となる。
【0072】
[抜去手順]
次に、図11図14を参照し、プラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から抜去する手順(以下、「抜去手順」という。)について説明する。まず、図12及び図13に示されるように、嵌合状態において、ロック部材30の装着状態を解除する。このとき、はじめにロック係合部32及びコネクタ係合部11gの係合を解除し、当該係合が解除された状態において、ロック部材30を、回動軸34を中心に図12及び図13の矢印DR1方向(本体部31をプラグコネクタ20に対して離隔させる方向)に回動させる。具体的には、図12に示されるように、本体部31における端部30a,30b寄りの部分に設けられている解除操作部33を作業者等が指等で持ち上げることにより、ロック係合部32及びコネクタ係合部11gの係合状態からの解除操作及びロック部材30の回動操作を連続して行う。
【0073】
次に、図11及び図14に示されるように、プラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から抜去する。具体的には、図14に示されるように、抜去操作部24をZ軸方向に沿った方向(図14の矢印DR2方向)に引っ張ることにより、プラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から抜去する操作を行う。これにより、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20を分離させた後、図11に示されるように、Z軸方向に沿った方向(図11の矢印DR3方向)にプラグコネクタ20を移動させる。以上により、抜去手順が完了する。なお、抜去の際は、抜去操作部24ではなく、シェル21における側壁21b寄りの部分をZ軸方向に引き上げてもよい。
【0074】
[作用]
本実施形態に係る電気コネクタ1は、リセプタクルコネクタ10と、Z軸方向に沿ってリセプタクルコネクタ10に嵌合するように構成され、且つ、Z軸方向と交差(例えば直交)するX軸方向に延びる電気ケーブル60が取り付けられたプラグコネクタ20と、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ20とが嵌合した嵌合状態を保持するように構成されたロック部材30とを備える。リセプタクルコネクタ10は、ロック部材30に係合可能な少なくとも一つのコネクタ係合部11gを含む。ロック部材30は、リセプタクルコネクタ10に装着された際に、嵌合状態のプラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10との間で挟む本体部31と、コネクタ係合部11gと係合可能に構成された少なくとも一つのロック係合部32と、本体部31から延びており、コネクタ係合部11gとロック係合部32との間の係合を解除する操作が行えるように構成された少なくとも一つの解除操作部33とを含む。
【0075】
本実施形態に係る電気コネクタ1によれば、ロック部材30のロック係合部32とリセプタクルコネクタ10のコネクタ係合部11gとが係合可能とされている。これにより、リセプタクルコネクタ10にロック部材30が接続されるので、リセプタクルコネクタ10及びロック部材30に挟まれたプラグコネクタ20の移動が規制される。したがって、電気ケーブル60を通じて外力が第2コネクタに作用しても嵌合状態を維持することが可能である。また、解除操作部33によってコネクタ係合部11g及びロック係合部32の係合を解除可能となっているので、プラグコネクタ20の移動の規制が簡易に解除される。
【0076】
本実施形態において、ロック部材30は金属によって構成されている。これにより、例えば樹脂によってロック部材30が構成されている場合と比較して、ロック部材30の剛性が高まるので、より確実に嵌合状態を維持することができる。
【0077】
本実施形態において、ロック部材30は、プラグコネクタ20に対して、Z軸方向及びX軸方向の双方に交差(例えば直交)するY軸方向に沿って延びる回動軸34を中心に、回動可能に取り付けられている。これにより、ロック部材30を、回動軸34を中心に回動させることで簡易にロックが解除されるので、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20の抜去作業をより容易に行うことができる。また、ロック部材30が回動軸34を介してプラグコネクタ20に取り付けられているので、部品の散逸を抑制することができる。
【0078】
本実施形態において、本体部31は、Y軸方向に沿って延びる側縁31aと、側縁31aとX軸方向に対向してY軸方向に沿って延びる側縁31bとを含み、回動軸34は、X軸方向において、本体部31における側縁31a寄りに位置しており、解除操作部33は、X軸方向において、本体部31における側縁31b寄りに設けられている。これにより、回動軸34と解除操作部33との距離を十分に確保でき、ロック部材30を、回動軸34を中心に回動させる際、いっそう簡易にロックを解除できる。
【0079】
本実施形態において、リセプタクルコネクタ10は、Y軸方向において対向する端部10a及び端部10bを含み、ロック部材30は、Y軸方向において対向する端部30a及び端部30bを含み、端部10a及び端部10bにはそれぞれ、コネクタ係合部11gが設けられており、端部30a及び端部30bにはそれぞれ、ロック係合部32が設けられており、本体部31における端部30a,30b寄りの部分の少なくとも一方には、解除操作部33が設けられている。ロック部材30の端部30a及び端部30bの両方でロック係合部32及びコネクタ係合部11gが係合するので、意図して抜去する場合を除いては、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20の嵌合状態をより確実に維持できる。また、意図して抜去する際には、解除操作部33によって少なくとも一方のロック係合部32及びコネクタ係合部11gの係合を解除するだけで両方の係合が解除されるので、プラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から簡易に抜去することができる。
【0080】
本実施形態において、本体部31は、端部30a及び端部30bの間に位置する中央部31cを含み、中央部31cのX軸方向における幅B1は、端部30a及び端部30bのX軸方向における幅B2よりも小さい。これにより、端部30a及び端部30bよりも中央部31cの方が撓みやすくなる。そのため、図15(a)に示されるように、嵌合状態において、ロック部材30がプラグコネクタ20から離間する方向の外力が中央部31cに作用すると、中央部31cは撓むが、端部30a及び端部30bに設けられているロック係合部32はむしろコネクタ係合部11gに近接する(図15(a)における二点鎖線を参照)。したがって、ロック部材が第2コネクタから離間する方向の外力が予期せずプラグコネクタ20に作用しても、コネクタ係合部11g及びロック係合部32の係合を外れ難くすることができる。一方、図15(b)に示されるように、端部30a及び端部30bの少なくとも一方(例えば端部30a)に位置する解除操作部33を操作することで、中央部31c付近が撓んで端部30aが外方に膨らみながら揺動して、端部30a及び端部30bに設けられているロック係合部32がコネクタ係合部11gから離間する(図15(b)における二点鎖線を参照)。そのため、コネクタ係合部11g及びロック係合部32の係合を解除しやすくすることができる。
【0081】
本実施形態において、ロック部材30は、ロック係合部32を外方から覆う保護部35をさらに含んでいる。この場合、保護部35の存在によって意図しない外力がロック係合部32に作用し難くなる。そのため、ロック係合部32及びコネクタ係合部11gの係合が外れることを抑制できる。
【0082】
本実施形態において、リセプタクルコネクタ10は、付勢部15と、係止片11fとを含み、プラグコネクタ20は、係止片11fと係止可能に構成された係止孔21fを含み、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ20とが嵌合した嵌合状態において、付勢部15は、係止孔21fを係止片11fに押し付けるように構成されている。これにより、嵌合状態において、付勢部15が係止孔21fを係止片11fに押し付けているので、係止片11fと係止孔21fとが強固に係止される。そのため、リセプタクルコネクタ10に対するプラグコネクタ20の相対移動が規制される。一方で、プラグコネクタ20における付勢部15寄りの部分をリセプタクルコネクタ10から離間させることにより、係止片11f及び係止孔21fが係止されていることによる影響を小さくして、プラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から抜去できる。したがって、電気ケーブル60を通じて外力がプラグコネクタ20に作用しても嵌合状態が維持可能とされる。
【0083】
本実施形態において、リセプタクルコネクタ10は、Z軸方向及びX軸方向の双方に交差(ここでは直交)するY軸方向に沿って配列された複数の導電端子13を含み、プラグコネクタ20は、Y軸方向に沿って配列された複数の導電端子23を含み、複数の導電端子13はそれぞれ、付勢部15(接触部13c)を含み、各付勢部15は、対応する導電端子23との当接によって係止孔21fを係止片11fに押し付けるように構成されている。これにより、付勢部15が導電端子13によって構成されているので、導電端子13及び導電端子23を確実に接触させる機能と、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20の嵌合状態を維持する機能とを併有させることができる。
【0084】
本実施形態において、プラグコネクタ20は、Y軸方向に沿って延びる側壁21bと、Y軸方向に沿って延び且つX軸方向において側壁21bと対向する側壁21cとを含み、係止孔21fはX軸方向における側壁21c寄りに配置されており、ロック係合部32はX軸方向における側壁21b寄りに配置されている。これにより、ロック係合部32の位置と係止孔21fとの位置とがX軸方向において異なるので、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20の嵌合状態をより確実に維持することができる。
【0085】
本実施形態において、プラグコネクタ20は、Y軸方向に沿って延びる側壁21cと、Y軸方向に沿って延び且つX軸方向において側壁21cと対向する側壁21bとを含み、電気ケーブル60は、側壁21cから側壁21bに向かう方向と反対の方向に沿って延び、係止孔21fはX軸方向における側壁21c寄りに配置されている。この場合、電気ケーブル60の変位(煽り)により、X軸方向において電気ケーブル60の端末部分に近い側壁21c寄りの部分に抜去方向(Z軸方向)の外力が生じやすい。このような煽りが生じやすい側に係止孔21fがあることにより、嵌合状態をより確実に維持することができる。
【0086】
本実施形態において、リセプタクルコネクタ10は、回路基板50の主面50sに取り付けられるように構成された取付面10sを含み、嵌合状態において、付勢部15(接触部13c)が導電端子23に当接する位置P3の取付面10sからの高さH3は、係止片11fと係止孔21fとが係止する位置P2の取付面10sからの高さH2よりも高い。これにより、電気ケーブル60の煽りにより、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ20が互いに離れる向きの外力が作用した場合に、プラグコネクタ20は位置P3付近を中心として揺動しうる。そのため、付勢力が作用する位置P3よりも低い位置P2で係止していると、係止孔21fが外側に膨らみながら揺動して、その過程で係止孔21fが係止片11fに向けていっそう近接する。従って、係止片11f及び係止孔21fがより強固に係止されるので、外力が電気ケーブル60を通じてプラグコネクタ20に作用しても嵌合状態をよりいっそう維持しやすくなる。
【0087】
本実施形態において、プラグコネクタ20は、嵌合状態のプラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から抜去する抜去操作が行えるように構成された抜去操作部24をさらに含んでいる。これにより、抜去操作部24によって抜去操作をより容易に行うことができる。
【0088】
本実施形態において、プラグコネクタ20は、Y軸方向に沿って延びる側壁21cと、Y軸方向に沿って延び且つX軸方向において側壁21cと対向する側壁21bとを含み、電気ケーブル60は、側壁21cから側壁21bに向かう方向と反対の方向に沿って延び、抜去操作部24は、側壁21b寄りに配置されている。嵌合状態において、強固に係止されている係止片11f及び係止孔21fに近い位置から抜去操作を行ってもプラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から抜去しがたいが、付勢部15寄りの位置(側壁21b寄りの位置)から抜去操作を行うことにより、係止による影響をあまり受けることなくプラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から抜去することができる。そのため、Y軸方向において、係止孔21f寄りに位置している側壁21cと対向する側壁21b寄りに抜去操作部24があることにより、プラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から容易に抜去することができる。これにより、係止片11f及び係止孔21fよりも付勢部15に近い側壁21bにおいて、抜去操作部24によりプラグコネクタ20をリセプタクルコネクタ10から離間させる向きの抜去操作がしやすくなるので、抜去操作をより容易に行うことができる。
【0089】
本実施形態において、リセプタクルコネクタ10は回路基板50に電気的に接続されており、プラグコネクタ20は、電気ケーブル60に電気的に接続されている。プラグコネクタ20に接続された接続体が電気ケーブル60であると、電気ケーブル60に煽りが生じやすく、プラグコネクタ20が抜去方向(Z軸方向)の力を受けやすい。このような外力の作用によっても嵌合状態を維持可能となる。
【0090】
[変形例]
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本発明の要旨の範囲内で種々の変形を上記の実施形態に加えてもよい。例えば、電気コネクタ1は、回路基板の配線と電気ケーブルとを電気的に接続するための電気コネクタに限定されない。例えば、プラグコネクタ20がX軸方向に延びるフレキシブルプリント基板の配線に電気的に接続されていてもよく、電気コネクタ1は、例えば回路基板の配線同士を電気的に接続する、いわゆる基板対基板用の電気コネクタであってもよい。このように、プラグコネクタ20に接続された接続体がフレキシブルプリント基板である場合においても煽りが生じやすい。電気コネクタ1は、フレキシブルプリント基板の煽りによる外力の作用によっても嵌合状態を維持可能である。
【0091】
電気コネクタ1は、リセプタクルコネクタ10が係止片11fを含み、プラグコネクタ20が係止孔21fを含む場合に限定されない。電気コネクタ1において、リセプタクルコネクタ10が係止孔(第1係止部)を含み、プラグコネクタ20が係止片(第2係止部)を含んでいてもよい。
【0092】
ロック部材30がプラグコネクタ20に接着等によって固定されていてもよい。その場合、嵌合手順及び抜去手順において、ロック部材30を、回動軸34を中心に図12及び図13における矢印DF2方向及び矢印DR1方向に回動させる操作が省略される。例えば嵌合手順においては、まず、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ20とをZ軸方向に互いに対向配置させ、Z軸方向に沿った嵌合方向(図11における矢印DF1方向)にプラグコネクタ20を移動させてリセプタクルコネクタ10に嵌合させる。そして、嵌合状態において、ロック係合部32及びコネクタ係合部11gを互いに係合させる。以上により嵌合手順が完了し、電気コネクタ1は、図1図3に示される状態となる。
【0093】
電気コネクタ1は、ロック部材30を備えていなくてもよい。この場合においても、嵌合状態において、付勢部15が第2係止部を第1係止部に押し付けることにより第1係止部と第2係止部との係止が強固となるので、外力が接続体を通じて第2コネクタに作用しても嵌合状態を維持可能である。
【符号の説明】
【0094】
1…電気コネクタ、10…リセプタクルコネクタ、10a…端部(一方のコネクタ端部)、10b…端部(他方のコネクタ端部)、11f…係止片(第1係止部)、11g…コネクタ係合部、13…導電端子(第1導電端子)、15…付勢部、20…プラグコネクタ、21b…側壁(第2側壁)、21c…側壁(第1側壁)、21f…係止孔(第2係止部)、23…導電端子(第2導電端子)、24…抜去操作部、30…ロック部材、30a…端部(一方のロック端部)、30b…端部(他方のロック端部)、31…本体部、31c…中央部、32…ロック係合部、33…解除操作部、34…回動軸、35…保護部、31a…側縁(第1側縁)、31b…側縁(第2側縁)、50…回路基板、60…電気ケーブル(接続体)、B1…幅(第1幅)、B2…幅(第2幅)、H2…高さ(第2高さ)、H3…高さ(第1高さ)、P2…位置(第2位置)、P3…位置(第1位置)。
図1
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