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特許7001273注入成分の準備のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】注入成分の準備のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20220112BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A61J1/20 314C
A61J1/20 314B
A61J3/00 310C
A61J1/20 316A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018539822
(86)(22)【出願日】2017-01-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-02-07
(86)【国際出願番号】 US2017015511
(87)【国際公開番号】W WO2017132625
(87)【国際公開日】2017-08-03
【審査請求日】2020-01-27
(31)【優先権主張番号】62/289,145
(32)【優先日】2016-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/304,139
(32)【優先日】2016-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518264424
【氏名又は名称】クリーデンス メドシステムズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Credence MedSystems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】シルサス,アラン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ディアス,スティーブン エイチ.
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-529204(JP,A)
【文献】特表昭62-502876(JP,A)
【文献】特表2014-525295(JP,A)
【文献】特表2009-534144(JP,A)
【文献】特表2013-544139(JP,A)
【文献】特表平11-500931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤成分を混合するためのアセンブリであって、
第1の薬剤成分容器および第2の薬剤成分容器を少なくとも部分的に保持するためのハウジングと、
前記第1および第2の薬剤成分容器をそれぞれ流体的に結合するための開放された第1および第2の端部を有する移送部材と、
圧力発生チャンバに前記第2の薬剤成分容器を流体的に結合するための圧力部材と、
前記圧力発生チャンバ内に圧力を生成して、前記第2の薬剤成分容器から前記第1の薬剤成分容器内に流体を移送するためのエネルギー貯蔵部材と、
前記アセンブリの外部に前記第1の薬剤成分容器を流体的に結合するための出口部材と、
流体が前記第2の薬剤成分容器から前記第1の薬剤成分容器に移送されるときに、ガスが前記第1の薬剤成分容器から逃げることを可能にするために前記出口部材に流体的に結合された出口ベントを有するベントキャップであって、これにより前記第1の薬剤成分容器内の圧力を低下させるベントキャップと、
を具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、
前記圧力発生チャンバに圧力を発生させるためのピストンをさらに具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のアセンブリにおいて、
前記エネルギー貯蔵部材は、前記圧力発生チャンバ内に前記ピストンを移動させるよう構成されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のアセンブリにおいて、
前記エネルギー貯蔵部材は、前記圧力発生チャンバ内に移動してその中に圧力を発生させるように前記ピストンを付勢することを特徴とするアセンブリ。
【請求項5】
請求項2に記載のアセンブリにおいて、さらに、
ロック部材を具え、前記ロック部材は、前記ピストンが前記圧力発生チャンバ内に移動してその中に圧力を発生させるのを前記ロック部材が防止するロック構成と、前記ロック部材が前記ピストンの前記圧力発生チャンバ内への移動を防止しないロック解除構成とを有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載のアセンブリにおいて、さらに、
前記ロック構成から前記ロック解除構成に前記ロック部材を移動させるよう手動で操作可能な作動部材を有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載のアセンブリにおいて、さらに、
前記作動部材の移動を防止するためのロックアウト部材を有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、さらに、
シリンジに前記アセンブリを流体結合するための出口インターフェースを有しており、 前記出口インターフェースが前記出口部材に流体結合され、
前記ベントキャップが前記出口インターフェース上に配置されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、さらに、
流体が前記第2の薬剤成分容器から前記第1の薬剤成分容器に流れ得る一方で、前記第1の薬剤成分容器から前記第2の薬剤成分容器に流体が流れるのを防止する一方向弁を有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、さらに、
前記第1および第2薬剤成分容器の間に配置された移送アセンブリをさらに有し、前記移送アセンブリが前記移送部材を有しており、前記移送アセンブリが前記圧力部材および前記出口部材に流体結合されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、
前記移送部材の前記開放された第1の端部は、流体の出口速度を制限するための幾何学的形状を有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項12】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、
前記第1の薬剤成分容器は、第1の開口部を有し、
前記第2の薬剤成分容器は、第2の開口部を有し、
前記第1および第2の薬剤成分容器が前記ハウジング内に配置されるとき、前記第1および第2の開口部は互いに対向することを特徴とするアセンブリ。
【請求項13】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、
前記エネルギー貯蔵部材は、流体を前記第2の薬剤成分容器から前記第1の薬剤成分容器に移送するためのばねであることを特徴とするアセンブリ。
【請求項14】
薬剤成分を混合する方法であって、
第1の薬剤成分をその中に有する第1の薬剤成分容器を、移送部材、加圧部材、出口部材、および前記出口部材に流体的に結合された出口ベントを有するベントキャップを有する薬剤ミキシングアセンブリの中に差し込むステップであって、前記第1の薬剤成分容器を前記薬剤ミキシングアセンブリの中に差し込むことは、前記第1の薬剤成分容器の中に前記移送部材の開放された第1の端部を差し込むことである、ステップと、
第2の薬剤成分をその中に有する第2の薬剤成分容器を前記薬剤ミキシングアセンブリの中に差し込むステップであって、前記第2の薬剤成分容器を前記薬剤ミキシングアセンブリの中に差し込むことは、前記第の薬剤成分容器の中に前記移送部材の開放された第2の端部を差し込むことにより、前記移送部材を介して前記第1および第2の薬剤成分容器を流体結合することである、ステップと、
エネルギー貯蔵部材を解放して、前記加圧部材を介して前記第2の薬剤成分容器の中に加圧流体を自動的に移動させて、前記第2の薬剤成分容器内の圧力を増加させ、これにより、前記第2の薬剤成分の少なくとも一部を前記第2の薬剤成分容器から前記第1の薬剤成分容器の中に移動させるステップと、
前記第2の薬剤成分の少なくとも一部が前記第2の薬剤成分容器から前記第1の薬剤成分容器に移動するときに、ガスが前記ベントキャップの前記出口ベントを通って前記第1の薬剤成分容器から逃げることを可能にし、これにより前記第1の薬剤成分容器の圧力を低下させるステップと、
前記薬剤ミキシングアセンブリを移動させて、前記第1の薬剤成分容器内の前記第1薬剤成分と前記第2薬剤成分とを混合して、調製薬剤を形成するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、さらに、
前記薬剤ミキシングアセンブリから前記ベントキャップを取り外すステップと、
前記シリンジが前記出口部材を介して前記第1の薬剤成分容器に流体結合されるように、前記薬剤ミキシングアセンブリに前記シリンジを連結するステップと、
前記第1の薬剤成分容器から前記調製薬剤を引き出し、前記出口部材を通して前記シリンジの中に引き込むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、
前記エネルギー貯蔵部材を解放することにより、前記薬剤ミキシングアセンブリの圧力発生チャンバの中にピストンを自動的に移動させて、前記圧力発生チャンバから前記第2の薬剤成分容器の中に圧力流体を移動させることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記エネルギー貯蔵部材は、前記圧力発生チャンバの中に前記ピストンを移動させてその中に圧力を発生させるように付勢されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、薬剤の調製および注入に対する種々のレベルの制御を容易にするための注入システム、デバイス、およびプロセスに関し、特に医療環境における安全な調製および注入構成に関するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
毎日何百万個ものシリンジが医療環境で消費され、患者に薬剤を注入している。いくつかの医薬品は、2つ以上の別々のパーツで購入され、その後、医療従事者によって組み合わされて、患者への注入のためにシリンジの中に装填され得る調製溶液を生成する。例えば、使用直前まで粉末/乾燥形態で保管される特定の薬剤がある。そのような薬剤は、液体成分と組み合わされ、それと混合されて、「調製液体薬剤」と称されるものを生成することができ、これをシリンジの中に装填し、患者に注入することができる。非限定的な例として、「インフリキシマブ」としても知られているJanssen Biotech,Inc.によって商品名Remicade(RTM)で販売されている薬剤は、注入直前に滅菌水と組み合わされ、注意深く混合され、患者に注射するためにシリンジの中に装填され、クローン病および/または関節リウマチなどの疾患を治療する薬剤の一つである。図1を参照すると、従来、注入用の二剤薬剤を調製するために、かなりの手作業が行われる。滅菌水などの液体成分の容器は、粉末状または乾燥した薬剤成分の別個の容器と共に準備され、さらに、調製ステップおよびその後の注入を支援するために、注射針およびシリンジが準備される(2)。注射針とシリンジが組み立てられ、注射針の遠位先端が液体成分容器の隔壁シールを越えて挿入される(4)。シリンジアセンブリのプランジャがシリンジアセンブリのシリンジ本体に対して引き出されて、液体が液体容器からシリンジ内に移動する(6)。そして、注射針の遠位先端部は、薬剤成分容器の隔壁シールを越えて挿入され(8)、シリンジ本体に対してシリンジのプランジャを差し込むことによって、液体成分が粉末薬剤または乾燥薬剤成分容器内に放出される(10)。液体成分および粉末または乾燥成分の少なくともいくつかを、粉末または乾燥成分のみを予め収容した容器内で一緒に組み合わせて、(すなわち、振動運動などの手動操作を用いて)これらの成分を混合して、調製された液体薬剤を形成する(12)。調製された液体薬剤がシリンジ内に移送され得るように、プランジャがシリンジ本体に対して引き出されている間に、容器を傾けることができる(14)。注射針/シリンジアセンブリは、調製された液体薬剤を収容する容器の隔壁シールから引き出され(16)、その後、薬剤は、注射針/シリンジアセンブリを用いた注射によって患者に投与され得る(18)。これらのステップでは、容器や注射針/シリンジアセンブリを手動でかなり操作する必要があり、貴重な時間を費やすだけでなく、特にシリンジ/注射針アセンブリが、ある容器から別の容器に脱着されるときに、及び、混合中に、注射針が調製された液体薬剤を収容する容器の中に刺し込まれたままである場合に、医療従事者といった操作者を、注射針/鋭利な露出部のいくつかの位置にさらす可能性がある。
【0003】
現在利用可能な構成の欠点に対処する改良された注入システムが必要とされている。特に、薬剤の調製および注入に対する様々なレベルの制御を容易にするためのシステム、デバイス、およびプロセスの必要性があり、特に、二剤薬剤が利用される医療環境における安全な調製および注入構成に関するシステムおよび方法の必要性がある。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、薬剤成分を混合するためのアセンブリが、第1の薬剤成分容器および第2の薬剤成分容器を少なくとも部分的に保持するためのハウジングを含む。また、アセンブリは、第1および第2の薬剤成分容器をそれぞれ流体的に結合するための第1および第2の端部を有する移送部材を含む。さらに、アセンブリは、圧力発生チャンバに第1の薬剤成分容器を流体的に結合するための圧力部材を含む。さらに、アセンブリは、圧力発生チャンバ内に圧力を生成して、第1の薬剤成分容器から第2の薬剤成分容器内に流体を移送するためのエネルギー貯蔵部材を含む。さらに、アセンブリは、アセンブリの外部に第2の薬剤成分容器を流体的に結合するための出口部材を含む。
【0005】
1つ以上の実施形態では、アセンブリは、圧力発生チャンバに圧力を発生させるためのピストンをさらに具える。エネルギー貯蔵部材は、圧力発生チャンバ内にピストンを移動させるよう構成される。エネルギー貯蔵部材は、圧力発生チャンバ内に移動してその中に圧力を発生させるようにピストンを付勢する。
【0006】
1つ以上の実施形態では、ピストンは、第2の薬剤成分容器を具える。さらに、第1の薬剤成分容器がアセンブリ内に差し込まれるまで、アセンブリ内への第2の薬剤成分容器の差し込みを防止するラッチ部材を具える。ラッチ部材は、選択的に回転可能なリングである。
【0007】
1つ以上の実施形態では、さらに、アセンブリが、ロック部材を具え、ロック部材は、ピストンが圧力発生チャンバ内に移動してその中に圧力を発生させるのをロック部材が防止するロック構成と、前記ロック部材が前記ピストンの前記圧力発生チャンバ内への移動を防止しないロック解除構成とを有する。さらに、アセンブリが、ロック構成からロック解除構成にロック部材を移動させるよう手動で操作可能な作動部材を有する。さらに、アセンブリが、作動部材の移動を防止するためのロックアウト部材を有する。
【0008】
1つ以上の実施形態では、アセンブリが、さらに、シリンジにアセンブリを流体結合するための出口インターフェースを有している。出口インターフェースは、出口部材に流体結合される。アセンブリが、さらに、流体が第2の薬剤成分容器から第1の薬剤成分容器に流れ得る一方で、第1の薬剤成分容器から第2の薬剤成分容器に流体が流れるのを防止する一方向弁を有する。
【0009】
1つ以上の実施形態では、アセンブリが、さらに、第1および第2薬剤成分容器の間に配置された移送アセンブリを有する。移送アセンブリが移送部材を有している。移送アセンブリが圧力部材および出口部材に流体結合される。移送部材の開放された第1の端部は、流体の出口速度を制限するための幾何学的形状を有する。
【0010】
別の実施形態では、薬剤成分を混合する方法が、第1の薬剤成分をその中に有する第1の薬剤成分容器を、薬剤ミキシングアセンブリの中に差し込むステップを有する。薬剤ミキシングアセンブリは、移送部材、加圧部材、および出口部材を有する。第1の薬剤成分容器を薬剤ミキシングアセンブリの中に差し込むことは、第1の薬剤成分容器の中に移送部材の開放された第1の端部を差し込むことである。また、この方法は、第2の薬剤成分をその中に有する第2の薬剤成分容器を薬剤ミキシングアセンブリの中に差し込むステップを有する。第2の薬剤成分容器を薬剤ミキシングアセンブリの中に差し込むことは、第1の薬剤成分容器の中に移送部材の開放された第2の端部を差し込むことにより、移送部材を介して第1および第2の薬剤成分容器を流体結合することである。さらに、この方法は、エネルギー貯蔵部材を解放して、加圧部材を介して第2の薬剤成分容器の中に加圧流体を自動的に移動させて、第2の薬剤成分容器内の圧力を増加させ、これにより、第2の薬剤成分の少なくとも一部を第2の薬剤成分容器から第1の薬剤成分容器の中に移動させるステップを有する。さらに、この方法は、薬剤ミキシングアセンブリを移動させて、第1の薬剤成分容器内の第1薬剤成分と第2薬剤成分とを混合して、調製薬剤を形成するステップを有する。
【0011】
1つ以上の実施形態では、この方法は、シリンジが出口部材を介して第1の薬剤成分容器に流体結合されるように、薬剤ミキシングアセンブリにシリンジを連結するステップを有する。また、この方法は、第1の薬剤成分容器から調製薬剤を引き出し、出口部材を通してシリンジの中に引き込むステップを有する。
【0012】
1つ以上の実施形態では、エネルギー貯蔵部材を解放することにより、薬剤ミキシングアセンブリの圧力発生チャンバの中にピストンを自動的に移動させて、圧力発生チャンバから第2の薬剤成分容器の中に圧力流体を移動させる。エネルギー貯蔵部材は、前記圧力発生チャンバの中にピストンを移動させてその中に圧力を発生させるように付勢される。
【0013】
1つ以上の実施形態では、ピストンは第2の薬剤成分容器を有する。圧力発生チャンバの中にピストンを移動させることは、圧力発生チャンバの中に第2の薬剤成分容器の少なくとも一部を移動させることを有する。エネルギー貯蔵部材を解放するステップは、作動部材を操作するステップを有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、混合後のシリンジベースの注射のための従来の2部薬剤調製手順の様々な態様を示す。
図2図2A図2Eは、液体成分および粉末成分を組み合わせて、シリンジを用いて患者への注射のために調製することができる、一実施形態に係る多成分薬剤調製システム構成の様々な態様を示す。
図3図3は、図2A図2Eまたは図4A図4Jに示されるような構成を使用する、一実施形態に係る混合後のシリンジベースの注入のための2部薬剤調製手順の様々な態様を示す。
図4図4A図4Jは、液体成分および粉末成分を組み合わせて、シリンジを用いて患者への注射のために調製することができる、一実施形態に係る多成分薬剤調製システム構成の様々な態様を示す。
図5図5は、図6A図6Cに示すような構成を使用する、一実施形態に係る混合後のシリンジベースの注射のための2部薬剤調製手順の様々な態様を示す。
図6図6A-6Cは、液体成分および粉末成分を組み合わせて、シリンジを用いて患者への注射のために調製することができる、一実施形態に係る多成分薬剤調製システム構成の様々な態様を示す。
図7図7A-7Gは、液体成分および粉末成分を組み合わせて、シリンジを用いて患者への注射のために調製することができる、一実施形態に係る多成分薬剤調製システム構成の様々な態様を示す。
図8図8A-8Gは、液体成分および粉末成分を組み合わせて、シリンジを用いて患者への注射のために調製することができる、一実施形態に係る多成分薬剤調製システム構成の様々な態様を示す。
図9図9A-9Bは、液体成分および粉末成分を組み合わせて、シリンジを用いて患者への注射のために調製することができる、一実施形態に係る多成分薬剤調製システム構成の様々な態様を示す。
図10図10A図10Hは、液体成分および粉末成分を組み合わせて、シリンジを用いて患者への注射のために調製することができる、一実施形態に係る多成分薬剤調製システム構成の様々な態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2A図2Eを参照すると、ミキシングアセンブリの様々な部分直交図が示されている。図2A-2Cを参照すると、ミキシングアセンブリは、内部ハウジングアセンブリ(34)を収容する外部ハウジングアセンブリ(20)を有する3つの異なる直交図で示されており、その組み合わせは、オペレータの手によって容易に操作されるようなサイズである。液体薬剤成分容器(30)および乾燥または粉末薬剤成分容器(32)は、下記のように、フィンガー操作インターフェースを備えたピンのようなロックアウトインターフェース(26)、及び作動可能に連結された薬剤成分容器(30,32)を逃がすための出口ベント(24)が形成される通気キャップ(22)と共に、ハウジングのアセンブリ(20,34)に動作可能に結合されるよう示されている。図2Dおよび図2Eは、図2Dにおいて、外側ハウジングアセンブリ(20)の前部が取り外されて、より多くの内側ハウジングアセンブリ(34)を示していることを除いて、図2Cのものと同様の図を示す。図2Eに示すように、内部ハウジングアセンブリ(34)の前方部分も、ミキシングアセンブリの他の構成要素を示すために取り外されている。図4Aにおいて、液体薬剤成分容器(30)および粉末薬剤成分容器(32)は、図示されたアセンブリの残りの部分と相互結合されて示されていないことを除いて、図2Eのものと同様のアセンブリを示す。図4A図4Jは、対象となっているミキシングアセンブリおよびその使用法のさらなる詳細を示す。
【0016】
図3を参照すると、図2A図2Eに示されるようなミキシングアセンブリを使用することによって、簡略化され且つ安全に最適化された薬剤調製プロセスが促進される。最初に、滅菌水、油または他の液体のような液体成分の容器が、液体が添加される粉末薬剤成分容器とともに準備される。図2A図2Eに示されているような空のシリンジ、注射針、およびミキシングアセンブリも準備される(70)。液体および粉末薬剤成分容器は、ミキシングアセンブリに結合されてもよく、ミキシングアセンブリは、各容器隔壁を自動的に突き刺し、以下でさらに詳細に説明するように、移送管などによって容器を互いに流体的に結合するように構成されてもよい(72)。オペレータが薬剤成分を混合する準備ができたとき、オペレータは、オペレータの指を使用してアセンブリからピンを引っ張り、空気を圧縮させるように構成されたミキシング作動インターフェースを押し下げるなどして、貯蔵されたポテンシャルエネルギー(例えば、ミキシングアクチュエータの押し下げにより解放された一定の力のばねのようなバネによって)を液体成分容器に導入することによって、一定量の液体成分がその元の容器から流体連通した粉末薬剤成分容器に移される(74)。ここでは、粉末薬剤成分容器が液体および粉末成分の両方の少なくともいくらかの量を含有することにより、ミキシングアセンブリ全体を、粉末薬剤成分容器内の成分を混合するために(例えば、操作者の手を用いた振動運動によって)徐々に動かすことができ、所定量の調製液体薬剤と称されるものを形成する(78)。調製された液体薬剤が適切に混合された状態で、シリンジ本体は、ミキシングアセンブリのルアー(Luer)インターフェースといった調製された液体薬剤除去インターフェースに取り外し可能に結合され、ミキシングアセンブリを重力下降/排出上昇(gravity-down/exit-up)に関して手で傾けて、粉末薬剤成分容器から調製された液体薬剤を確実に空にし、シリンジアセンブリのプランジャを後退させて、調製された液体薬剤をミキシングアセンブリの粉末薬剤成分容器からシリンジ内に移すことができる(78)。適切な量の調製された液体薬剤でシリンジを充填した状態で、シリンジはミキシングセンブリから切り離され、注射針はシリンジに固定され、調製された液体薬剤は、シリンジ/針アセンブリを用いた注射によって患者に投与することができる。このような構成は、図1に示す従来の構成と比較して、危険なニードルアセンブリ動作および操作の多くを回避する。
【0017】
再び図4A図4Jを参照すると、図3に示されるプロセスに提示されるような機能性を示すために、相互接続された容器または図示の目的のために取り除かれたハウジングの構成要素を有する一連の例示的な直交図が示されている。図4Aを参照すると、すぐに使用できるミキシングアセンブリの部分的な直交図(すなわち、外側ハウジングアセンブリ(20)および内側ハウジングアセンブリ(34)の一部を取り外して内側の構成要素を示す)が示されている。液体成分および粉末薬剤成分によって占められる空のドッキング容積のための外側(20)および内側(34)ハウジングアセンブリは、以下の図4Bを参照して説明される。プランジャ部材(38)は、外側(20)及び内側(34)ハウジングアセンブリに動作可能に結合され、窒素または空気などの気体を含むことができる円筒形部材(40)によって規定された容積部(42)の中にプランジャ部材のシール先端部(44)を差し込むように、下方に移動可能に構成される。操作可能なピンのようなロックアウトインターフェース(26)は、負荷伝達部材(36)の一部に取り外し可能に結合され、後述するように、ロックアウトインターフェース(26)が取り外されるまで、プランジャ部材(38)の動きを防止するよう構成されている。作動インターフェース部材(28)は、操作可能で操作者がアクセス可能な上面(56)を有してもよく、上面(56)に押し下げ負荷が加えられると、ロックアウトインターフェース(26)が取り外されている(すなわち、負荷伝達部材(36)を自由に回転させたままにする)場合には、作動インターフェース部材(28)の押し下げにより、作動可能に連結された負荷伝達部材(36)が、(すなわち、負荷伝達部材(36)に形成された突起(54)と接触する、作動インターフェース部材の下面に形成された傾斜面(52)によって)スロット(60)に回転し、その後、負荷伝達部材(36)および動作可能に結合されたプランジャ部材(38)が、円筒状部材(40)に向かって自由に押し下げられる。図4A図4Jに示す実施形態では、負荷伝達部材(36)が円筒状部材(40)に向かう方向に動かなくなったときに、円筒状部材(40)に向かってプランジャ部材(38)を確実に引っ張るために、定力ばね(例えば、テープ測定で使用されるもの;適切な定力ばねは、ペンシルベニア州ランズデールのJohn Evans’Sons Inc.のような供給元から入手可能である)といったポテンシャルエネルギー源を利用することができる。代替的に、螺旋コイルまたはエラストマーの圧縮または引張りばねを、ポテンシャルエネルギー源として使用することができる。また、高圧エアーボトルのような圧力源を、液体を移送するためのポテンシャルエネルギー源として使用することができる。スプリング(46)がプランジャ部材(38)に加える力の量は、液体成分と薬剤成分との混合速度を増減させるように調整することができる。大きな力のばねは成分を迅速に混合するが、小さな力のばねは成分をゆっくりと混合する。図4Aは、スプリングリール(50)と負荷伝達部材(36)との間の結合点(48)で結合された定力ばね(46)を示す。図4Aはまた、以下に説明するように、シリンジ本体の対応するインターフェースに適合するよう構成された(例えば、ルアー(Luer)インターフェースといった)出口インターフェース上に配置された通気キャップ(22)を示す。
【0018】
図4Bを参照すると、ミキシングアセンブリに差し込まれた(それぞれ88,90)液体薬剤成分容器および粉末薬剤成分容器(それぞれ30,32)が示されており、その中に完全に差し込まれて結合されると、移送管(64)の(図4Aで68としてより明確に示すように)鋭利な端部が、これらの容器(30,32)のそれぞれの隔壁(84,86)を突き刺すように構成され、これらの容器が移送管(64)により流体連結されるようになる。代替的に、移送管(68)の鋭利な端部は、液体ディフューザを介して粉末薬剤成分容器(32)の中に液体成分を分配して、粉末薬剤に液体を徐々に導入し、混合中の乱流を最小にするように構成し得る。移送管(64)はまた、粉末薬剤成分容器(32)の中に液体を流入させ得る一方、液体薬剤成分容器(30)の中に薬剤を逆流させない、一方向流体流バルブを含むことができる。図4Cは、ミキシングアセンブリに結合され、互いに流体結合されたこれらの容器(30,32)を示す。図4Dを参照すると、ロックアウトインターフェース(26)が引っ張られて(92)、上述したように負荷伝達部材(36)を可動にする。図4Eを参照すると、作動インターフェース部材(28)の上面(56)に押し込みまたは圧縮負荷(94)を有する状態で、負荷伝達部材(36)を回転させると(96)、垂直変位を事前に防止する負荷伝達部材(36)の突出部がスロット(60)と揃うように配置され、負荷伝達部材(36)及び作動可能に結合されたプランジャ部材(38)の垂直変位を可能にする。この新たな運動の自由により、定力ばね(46)に蓄積されたポテンシャルエネルギーは、プランジャ部材(38)および関連するプランジャシール(44)を円筒部材(40)内に下方に移動させ、円筒部材に含まれるガス、空気または他の流体を、連結管(62)を介して、連結管(62)が流体結合された液状薬剤成分容器(30)の中に排出させる(図4A参照)。図4Fは、円筒部材(40)によって規定された容積(42)から、連結管(62)の中に、及び少なくとも部分的に液体薬剤成分容器(30)内に、予め収容された容量のガス、空気または他の流体を最大限に排気するように、ばね部材(46)がこのような相対変位を生じさせた後に、円筒部材(40)の底部に完全に着座したプランジャ部材(38)およびプランジャシール(44)を示している。移送管(64)によって粉末薬剤成分容器(32)に液体薬剤成分容器(30)が流体結合された状態で、ある量の液体成分が粉末薬剤成分容器(32)の中に移送管(64)を介して移送される。従って、ある量の組み合わさった成分(すなわち、液体薬剤成分容器(30)からの液体および粉末薬剤成分容器(32)に存在する粉末薬剤成分は)は、同じ容器(32)内に存在し、徐々に混合されて、手動で加えられる振動運動によってミキシングアセンブリを徐々に手動で動かすといったことによって、(例えば、図4Gに示される)調製された液体薬剤を形成することができる。図4H図4Jを参照すると、調製された液体薬剤は使用する準備ができており、容易に操作されるミキシングアセンブリ(図4Gに示すように、調製された液状薬剤を含む粉末薬剤成分容器(32)を直接視覚化できるようにした図4Gの外側ハウジングアセンブリを通して形成された窓に注目)内に収容された粉末薬剤成分容器(32)内に安全にかつ便利に収容され、シリンジ本体(102)、プランジャ(104)、および(ミキシングアセンブリの出口インターフェース(100)と対になるように適合されたルアー(Luer)インターフェースのような)機械的インターフェース(106)を含むシリンジアセンブリは、粉末薬剤成分容器(32)を重力上昇/排出下降(gravity-up/exit-down)に配置するようにアセンブリが向いた状態で、プランジャ(104)をシリンジ本体(102)に対して引き抜く(110)ことができるように、ミキシングアセンブリに取り外し可能に結合でき、出口インターフェイス(100)に粉末薬剤成分容器(32)を流体接続する出口管(66)を介して(図4A参照)、最終的に患者への注射の準備ができているシリンジ本体(102)内に、粉末薬剤成分容器(32)からの所定の容量(108)の調製された薬液を得る。また、出口インターフェース(100)は、調製された液体薬剤をシリンジ本体(102)に移送させ、シリンジ本体から粉末薬剤成分容器(32)の中への空気の偶発的な排出を防止し得る、一方向弁を含むことができる。シリンジから粉末薬剤成分容器(32)内への空気の排出は、調製された液体薬剤の移送管(64)への入り込みを引き起こし、液体薬剤成分容器(30)内に入る可能性がある。粉末薬剤成分容器(32)内への空気の排出を防止することにより、調製された液体薬剤の損失を防ぐことができる。図4Iおよび4Jは、図4Hの構成の内部構成要素をさらに示すための部分的に切り取った拡大図を示す。
【0019】
図5および図6A図6Cを参照すると、アセンブリが、(図4Aの部材40のような)円筒部材に対して(図4Aの部材38のような)プランジャ部材を自動的に差し込んで構成要素の組み立てを行うために蓄積されたポテンシャルエネルギー源を特徴としないことを除いて、上述した多くの類似する構成要素および機能性を有する別の実施形態が示されており、露出したプランジャまたは差し込み部材(138)の手動による押し込みを容易にするために、図6Aに示すように、外側ハウジングアセンブリ(132)に窓(134)が形成される。図6Bおよび図6Cは、外側ハウジングアセンブリ(132)に形成される窓(134)を通して使用者に露出される際の露出された「手動差し込み」プランジャ部材(138)とともに、異なる外側ハウジングアセンブリ(132)および内側ハウジングアセンブリ(136)を示す部分分解図を示す。したがって、図5に示すような手動で操作されるバージョンのプロセスでは、液体成分容器、粉末薬剤成分容器、空のシリンジ、注射針、および手動で操作されるミキシングアセンブリが準備される(120)。液体および粉末薬剤成分容器はミキシングアセンブリに結合され、それによって、各容器の隔壁を突き刺し、移送管(122)を用いて容器を互いに流体結合する。操作者が成分を混合することを望む場合、安全機構を操作して、手動で駆動されるプランジャ部材の上面といったミキシング作動インターフェースを押し下げて差し込み、液体成分容器の中に手動で空気または他のガスまたは流体を圧入することにより、そこに収容された所定量の液体成分を粉末薬剤成分容器の中に移動させる(124)。アセンブリ全体を(例えば、徐々に手動で加えられる振動運動によって)移動させて、混合された液体および粉末薬剤成分を粉末薬剤成分容器内で混合し、調製液体薬剤を形成することができる(126)。シリンジ本体を、ミキシングアセンブリの出口インターフェースまたはルアー(Luer)インターフェースといった「調製された液体薬剤インターフェース」に取り外し可能に結合することができ、ミキシングアセンブリを、重力上昇/排出下降(gravity-up/exit-down)に傾けることができ、シリンジと連動するプランジャは、シリンジの中に調整された液体薬剤を取り込むように引っ込められる(128)。その後、注射針をシリンジ本体に固定し、充填されたシリンジアセンブリを利用して、患者に調製された液体薬剤を投与することができる。
【0020】
図7A図7Gを参照すると、図4A図4Jに示した実施形態と同様の実施形態が示され、図7A図7Gの構成は、図4A図4Jの構成とのいくつかの相違点を有する。例えば、図7Aおよび図7Bを参照すると、内側ハウジングアセンブリ(35)は、異なる幾何学的形状を有し、プランジャ部材(39)で押される一定量の空気または他のガスを収容するシリンダ部材(41)を具える。この実施形態のプランジャ部材(39)は、一体化された一方向弁(142)を有し、空気またはガスを圧縮するためのシールとして動作可能に結合されたOリング(45)を特徴とする。さらに、外側ハウジングは、テーブルのような平坦な表面上に容易に設置されるように構成されたフランジ形状の底部(140)を具える。また、図7A図7Gの構成は、ポリマー材料から構成され、例えば射出成形技術を用いて形成され得る小さな機能的特徴を有する移送/排出アセンブリ(146)を特徴とする。図7Bおよび7Cは断面図であり、図7Cは、移送/排出アセンブリ(146)並びに移送/排出アセンブリ(146)のプランジャアセンブリおよび移送管腔(148)を通る一方向流のみを促すように配置された一方向弁(142,144)の詳細を示すためのクローズアップされた断面図を示す。図7Cは、移送管腔(148)を示しており、それを通る流れが、一方向弁(144)によって遮断されて逆流を防止するよう構成される。プランジャアセンブリ(39)内の一方弁(144)は、混合薬剤が出口カップリングアセンブリ(22)を通って引き出されるときに空気をミキシングアセンブリの中に引き込むことを可能にする。ミキシングアセンブリの中に空気を入れることができない場合、真空ロック現象により混合薬剤を引き出すことができない。移送管腔(148)の出口形状(150)は、関連する粉末薬剤成分容器(32)の中に緩やかな角度で流体を散布するよう構成される一方で、出口管及び出口カップリングアセンブリ(22)に流体結合する出口管腔(152)の入口形状(154)は比較的大きく構成され、関連する粉末薬剤成分容器(32)から混合流体の実質的に全てを引き出せるように配置される。図7Dは、容器シールを突き刺すための鋭利な先端部(69)と、上部(158)と、底部(162)と、空気-ガス/出口ポータルインターフェイス(156)を特徴とする中間部(160)と、図7Eの拡大図で示すように、相互結合された一方向弁(144)の構成を備える移送/出口アセンブリを示す。図7Fは、上部(166)と、底部(168)と、図7Gの拡大図でさらに示すような、相互結合Oリング(45)および一方向弁(142)とを特徴とするプランジャアセンブリ(39)を示す。
【0021】
図8A図8Gを参照すると、別のミキシング構成が示されており、液体薬剤成分容器(30)自体が、構成要素の適切な組立後に混合を行うためのある種のプランジャハンドルとして利用され得る。図8Aは、外側ハウジング(170)の構成を示す。図8B-8Gは、断面図を示す。図8Bは、容器(30,32)が相互に連結されていない状態を示す。移送管(172)は、相互に結合されたときに容器(30,32)のシールを突き刺すための鋭利な端部(68)を有する。出口管(176)は、出口形状インターフェース(22)に相互連結されるために比較的短い。内側ハウジングアセンブリ(174)は、図8Cに示すように、粉末薬剤成分容器(32)の結合を容易にするために構成要素を相互結合する。図8Dに示すように、粉末薬剤成分容器(32)が完全に差し込まれると、内側ハウジングアセンブリ(174)の一部は、2つのラッチ部材(178;図10A参照)を外側に押して、図8Dに示すように、他方の(「液体」)薬剤成分容器(30)の差し込みを容易にする。図8Eは、上部薬剤成分容器(30)が完全に装着された構成を示しており、完全に装着された上部薬剤成分容器(30)に作動可能に連結されたカラー部材(180)が、上部薬剤成分容器(30)が外部ハウジング(170)に対して差し込まれ得るように、2つの他のラッチ部材(182)を外側に押し出すように構成されることで、収容容積部(43)からの空気または気体を移送管(188)を通して圧縮し、上部薬剤成分容器(30)の中に導入することにより、その内容物を移送管(172)を介して粉末薬剤成分容器(32)の中に圧縮する。換言すれば、図8Fにおいて、ラッチ部材(178,182)を用いたロックアウトにより、上部薬剤成分容器(30)がプランジャハンドルのように押されて(184)、上記の一連の事象の後にのみ混合を引き起こし、異なる順序の事象を防止する。図8Gは、使用のために調製された液体薬剤を引き出すためにシリンジ本体(102)及びシリンジプランジャ(104)を使用することを示す。移送管の先端部(186)は、図8Gに示される重力方向(すなわち、粉末薬剤成分容器(32)が重力上昇/排出下降(gravity-up/exit-down))にあるときに、調整された液体薬剤を他の容器(30)に誤って移してしまうほど長くない長さを有するように構成することができる。図9Aおよび図9Bは、上部薬剤成分容器(30)と収容容積部(43)との間の移送管(188)における逆流を防止するために、一方弁(190)を適所に配置することもできることを示す。
【0022】
図10B図10Hは、ラッチ部材(178,182)に事象の順序を制約させるのではないという例外があるが、図8A-8Gの構成と同様の構成を示しており、一対のリング部材(198,200)は、これらのリング部材(198,200)を回転させて事象の順序を適切に制約するために、内部ハウジングアセンブリ(175)の可動構成要素と整合するように構成される。図10Aは、上述のラッチ部材(178)の位置決めを示すために、外側ハウジングが部分的に除去された図8A-8Gの構成の直交図である。図10B図10Hは、外側ハウジングが取り外された図であり、斜めの部分(196)を有するラッチ部材(192)を使用し、1又はそれ以上のリング部材上の係合機構を押して、これらのリング部材を内側ハウジングアセンブリ(175)に対して回転させて特定の動作を制限し得ることを示す。図10Bは、いずれの容器(30,32)も有さないミキシングアセンブリを示す。図10Cは、図10Dに示すように、完全差し込み(194)でラッチ部材(192)を押し上げる下側容器(32)が差し込まれた状態を示す。これは、図10Eおよび図10Fに示されるように、上部容器(30)が差し込まれる(202)ことを可能にするリング部材アセンブリ(198,200)での回転を引き起こす。上部容器を適所に配置した状態で、上部容器をさらに差し込み(204)、図10Gに示すようにプランジャのインターフェースとして機能し、下部容器(32)内の成分を混合する。続いて、図10Hに示すように、シリンジアセンブリ(102,104)を用いて混合成分を除去し、患者に利用し得る。
【0023】
本明細書では、本発明の様々な例示的な実施形態について説明されている。これらの例は非限定的に参照される。それらは、本発明のより広く適用可能な態様を例示するために提供される。本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、記載された本発明に様々な変更を加えることができ、同等なものを置換することができる。さらに、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセス行為または工程を本発明の目的、精神または範囲に適合させるために多くの改変を行うことができる。さらに、当業者には理解されるように、本明細書に記載され説明された個々の変形の各々は、本発明の範囲または精神を逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、またはそれらと組み合わせられ得る個別の構成要素および特徴を有する。本発明の範囲または精神を逸脱することなく、このような改変は全て、本開示に関連する特許請求の範囲内にあるものとする。
【0024】
本診断または本介入手順を実施するために説明された任意のデバイスは、そのような介入を実行する際に使用するためのパッケージされた組み合わせで提供され得る。これらの供給「キット」は、使用のための説明書をさらに含み、このような目的に一般的に使用される滅菌トレイまたは容器に包装されてもよい。
【0025】
本発明は、本発明の装置を使用して実施することができる方法を含んでいる。この方法は、このような適切な装置を提供する行為を含むことができる。そのような提供は、エンドユーザによって実行されてもよい。換言すれば、「提供する」行為は、単に、本方法において必要なデバイスを提供するために、エンドユーザが取得、アクセス、接近、位置決め、セットアップ、起動、電源投入、または他の行為を行うことを要する。本明細書で列挙する方法は、論理的に可能である列挙された事象の任意の順序で、また列挙された事象の順序で実行されてもよい。
【0026】
本発明の例示的な態様は、材料の選択および製造に関する詳細と共に上記に示されている。本発明の他の詳細については、それらは、当業者に一般的に知られているかまたは認識されていることとともに、上記の特許及び開示と関連して理解されるであろう。例えば、当業者であれば、例えば、器具の他の部分またはその近傍の組織構造に対するそのような物体の低摩擦操作又は前進を容易にするために、必要に応じて可動に結合された部品の比較的大きなインターフェースなどの、本発明の装置の様々な部分に関連して(例えば、ポリビニルピロリドン系組成物といった親水性ポリマー、テトラフルオロエチレンといったフルオロポリマー、親水性ゲルまたはシリコーンといった)1つ以上の潤滑性コーティングを使用してもよいことを理解するであろう。
【0027】
加えて、本発明は、任意に様々な態様を組み込んだいくつかの例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関連して考えられる記載され又は示されるものに限定されない。本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、記載された本発明に対して様々な変更がなされてもよく、(本明細書に記載されているか、または簡潔にするために含まれていなくても)同等物と置換することができる。さらに、ある範囲の値が提供される場合、その範囲及び他の記載の上限と下限との間の各介在値又は、その記載された範囲内の介在値は、本発明に包含されることが理解される。
【0028】
また、記載された本発明のバリエーションの任意の態様を、独立して、または本明細書に記載される任意の1つ以上の態様と組み合わせて、説明し且つ主張することができると考えられる。単一項目への参照は、複数の同じ項目が存在する可能性を含んでいる。より具体的には、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、「said」および「the」は、特に断らない限り、複数の指示対象を含んでいる。換言すれば、これらの冠詞の使用は、本開示に関連する特許請求の範囲とともに上記の説明における対象項目の「少なくとも1つ」という意味を可能にする。さらに、任意の要素を排除するようにそのような特許請求の範囲を作成することができることに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連して、「専ら」、「単なる」などのような排他的な用語を使用するための、または「否定的」な限定を使用するための前提として役立つことを意図している。
【0029】
このような排他的な用語を用いることなく、本開示に関連する特許請求の範囲における「具える(comprising)」という用語は、そのような特許請求の範囲に所定数の要素が列挙されているかどうかに係わらず、任意の追加要素を含めることができ、あるいは、ある態様の追加は、そのような特許請求の範囲に記載された要素の性質を変えるものとみなすことができる。本明細書において特に定義されている場合を除き、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、特許請求の範囲の妥当性を維持しながら、可能な限り一般に理解されている広い意味で与えられるべきである。
【0030】
本発明の範囲は、提供される実施例および/または本明細書に限定されるのではなく、本開示に関連する特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H