(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】青果物用包装袋を用いた青果物包装方法及びこれに用いる青果物用包装袋の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/50 20060101AFI20220112BHJP
B65D 33/14 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B65D85/50 120
B65D33/14 A
(21)【出願番号】P 2019165023
(22)【出願日】2019-09-11
【審査請求日】2020-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】391049219
【氏名又は名称】ホリアキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【氏名又は名称】北村 光司
(74)【代理人】
【識別番号】100146503
【氏名又は名称】高尾 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】本多 浩之
(72)【発明者】
【氏名】松浦 正明
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-088615(JP,A)
【文献】特開平11-180451(JP,A)
【文献】特開平07-040470(JP,A)
【文献】特開平10-218200(JP,A)
【文献】特開2017-154819(JP,A)
【文献】実開昭54-052407(JP,U)
【文献】登録実用新案第3204195(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0134702(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/50
B65D 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装装置と青果物用包装袋とを備え、袋本体部と、この袋本体部の袋開口部の片側から張り出す張出体とを有し、この張出体を前記袋開口部に沿って横断する易切断加工部を設けることで、この張出体を前記袋本体部側の張出部と包装機に取り付けられる耳部とに区切ってある青果物用包装袋を用いる青果物包装方法であって、
前記張出部には前記易切断加工部に沿って前記袋開口部と前記易切断加工部との間に溶融加工部を設けておき、
前記包装装置は下部に向かうに従い順次窄まる円筒形状を呈し、下部では作業者側部分に近接する側に送風側部分が傾斜するホッパーを有し、
前記溶融加工部の設けられた前記青果物用包装袋を前記耳部で複数積層して前記送風側部分の湾曲に前記耳部を沿わせて取り付け、
前記袋開口部に風を吹き込んで前記袋本体部を拡張させ、開口された前記袋開口部から前記袋本体部に青果物を投入すると共に前記易切断加工部に沿って前記青果物の挿入された前記袋本体部を前記張出部と共に前記青果物の重さで切断し離脱させる青果物包装方法。
【請求項2】
前記易切断加工部はミシン目により形成されている請求項1記載の青果物包装方法。
【請求項3】
袋本体部と、この袋本体部の袋開口部の片側から張り出す張出体とを有し、この張出体を前記袋開口部に沿って横断する易切断加工部を設けることで、この張出体を前記袋本体部側の張出部と包装機に取り付けられる耳部とに区切ってあり、
第1フィルム、第2フィルムを上部が張り出すようにずらせて重ね、張出体と連続する袋本体部を形成してある請求項1または2記載の青果物包装方法に用いられる青果物用包装袋の製造方法であって、
溶融加工機により前記張出部に前記易切断加工部に沿って溶融加工部を設け、
サイドシール切断機により前記第1、第2フィルムの突き合わせ体を溶断すると共にサイドシールがなされて袋が形成され、
複数の青果物用包装袋を積層して前記耳部で貼り合わせる青果物用包装袋の製造方法。
【請求項4】
前記易切断加工部をミシン目カッターによりミシン目として形成する請求項3記載の青果物用包装袋の製造方法。
【請求項5】
前記溶融加工機は、前記張出部にヒーターを当接させて溶融させることにより前記溶融加工部を形成するものである請求項3または4記載の青果物用包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、青果物用包装袋を用いた青果物包装方法及びこれに用いる青果物用包装袋の製造方法に関する。さらに詳しくは、包装装置と青果物用包装袋とを備え、袋本体部と、この袋本体部の袋開口部の片側から張り出す張出体とを有し、この張出体を前記袋開口部に沿って横断する易切断加工部を設けることで、この張出体を前記袋本体部側の張出部と包装機に取り付けられる耳部とに区切ってある青果物用包装袋を用いた青果物包装方法及びこれに用いる青果物用包装袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上述のような包装袋を用いる青果物用包装装置としては、次の特許文献1、2に記載のものが知られている。同文献1の装置によれば、
図4,9に示すように、保持部303の係止孔305を1本のピンに貫通させて、包装袋を支持している。そして、開口302から風が送られて袋が膨らみ、青果物を開口302から包装袋に投入して、ミシン目304で包装袋がちぎれて封入が完了する。特許文献2の
図2,4,5に示すものもピンの数は2本であるが同様である。また、特許文献2の
図7~9に示すものは、幅広の包装袋が横に配置されて風が吹き込まれる形式となっている。
【0003】
ところで、
図5(b)に比較例を掲載するが、ミシン目15だけを設けた場合には、このミシン目15の部分からフィルムが引き裂かれ、符合13axに示すようなフィルム断片が不規則に現れるおそれがある(写真9~10参照)。このような場合、フィルム断片13axが風Bが袋開口部12に届かずに、包装袋が開かないこととなる不都合があった。また、手で袋の口を開けて青果物等を挿入する場合も、フィルム断片が発生した場合は、袋の開口部をふさぎ、作業効率の低下するおそれがあっった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-168280号公報
【文献】特開2016- 88615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明の目的は、ミシン目等の易切断部からフィルム断片を残さずに、包装袋を離脱させることの可能な青果物用包装袋を用いた青果物包装方法及びこれに用いる青果物用包装袋の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明にかかる包装袋の特徴構成は、袋本体部と、この袋本体部の袋開口部の片側から張り出す張出体とを有し、この張出体を前記袋開口部に沿って横断する易切断加工部を設けることで、この張出体を前記袋本体部側の張出部と包装機に取り付けられる耳部とに区切った構成であって、前記張出部には前記易切断加工部に沿って溶融加工部を設けたことにある。
【0007】
同構成によれば、
図5(a)に示すように溶融加工部を設けたことにより、例えミシン目等の易切断部から引き裂きが発生しても、その引き裂きは溶融加工部によりストップされる。その結果、
図5(b)、
図9に示すように、耳部にフィルム断片が残ることもない。したがって、袋開口部から風が吹き込まれ、包装袋はより確実に膨らむこととなる。また、手で袋開口部を広げて内容物を挿入する場合においてもフィルム断片が妨げになることもない。
【0008】
上記構成において、前記易切断加工部はミシン目により形成するとよい。また、溶融加工部はヒーターにより溶融されたものとすることで、加工を容易に行うことができる。この包装袋は、袋開口部に風が吹き込まれて前記袋本体が拡張し、または、袋開口部が手で押し広げられて、内容物が前記袋本体に挿入されるものである。
【0009】
一方、上記目的を達成するための青果物用包装袋の製造方法の特徴は、袋本体部と、この袋本体部の袋開口部の片側から張り出す張出体とを有し、この張出体を前記袋開口部に沿って横断する易切断加工部を設けることで、この張出体を前記袋本体部側の張出部と包装機に取り付けられる耳部とに区切ってあり、第1フィルム、第2フィルムを上部が張り出すようにずらせて重ね、張出体と連続する袋本体部を形成してある方法であって、溶融加工機により前記張出部に前記易切断加工部に沿って溶融加工部を設け、サイドシール切断機により前記第1、第2フィルムの突き合わせ体を溶断すると共にサイドシールがなされて袋が形成され、複数の青果物用包装袋を積層して前記耳部で貼り合わせることにある。
【0010】
同製造方法において、前記易切断加工部をミシン目カッターによりミシン目として形成するとよい。また、同製造方法において、前記溶融加工機は、前記張出部にヒーターを当接させて溶融させることにより前記溶融加工部を形成するとよい。この製造方法に用いられる包装袋は、袋開口部には風が吹き込まれて前記袋本体部が拡張し、内容物が前記袋本体部に挿入されるものである。
【0011】
また、青果物用包装袋を用いた青果物包装方法の特徴は、包装装置と青果物用包装袋とを備え、袋本体部と、この袋本体部の袋開口部の片側から張り出す張出体とを有し、この張出体を前記袋開口部に沿って横断する易切断加工部を設けることで、この張出体を前記袋本体部側の張出部と包装機に取り付けられる耳部とに区切ってある青果物用包装袋を用いる方法であって、前記張出部には前記易切断加工部に沿って前記袋開口部と前記易切断加工部との間に溶融加工部を設けておき、前記包装装置は下部に向かうに従い順次窄まる円筒形状を呈し、下部では作業者側部分に近接する側に送風側部分が傾斜するホッパーを有し、前記溶融加工部の設けられた前記青果物用包装袋を前記耳部で複数積層して前記送風側部分の湾曲に前記耳部を沿わせて取り付け、前記袋開口部に風を吹き込んで前記袋本体部を拡張させ、開口された前記袋開口部から前記袋本体部に青果物を投入すると共に前記易切断加工部に沿って前記青果物の挿入された前記袋本体部を前記張出部と共に前記青果物の重さで切断し離脱させることにある。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の特徴によれば、ミシン目等の易切断部からフィルム断片を残さずに、包装袋を離脱させることの可能な青果物用包装袋を用いた青果物包装方法及びこれに用いる青果物用包装袋の製造方法を提供し得るに至った。
【0013】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る青果物包装装置の分解斜視図である。
【
図3】
図1の青果物包装装置に装着する包装袋を示す図であり、(a)は包装袋の部分拡大平面図、(b)は(a)のA-A線断面図、(c)は包装袋が開口した状態の(b)相当図である。
【
図4】
図1の青果物包装装置の斜視図であり、(a)は包装袋をホッパーに掛止させた状態、(b)は包装袋を支持具で押圧し風を供給した状態を示す。
【
図5】ホッパーの通気切欠近傍における縦断面図であって、(a)は溶融加工部を設けた場合、(b)は溶融加工部を設けない場合である。
【
図6】本発明に係る包装袋の製造工程を示す図である。
【
図7】溶融加工部の加工用ヒーター装置の
図6紙面直交方向に対する縦断面図である。
【
図8】溶融加工部を設けた場合の包装袋の切断状態を示す写真である。
【
図9】溶融加工部を設けない場合のフィルム断片を生じた状態を示す耳部近傍の写真である。
【
図10】溶融加工部を設けない場合のフィルム断片を生じた状態を示す耳部近傍の他の写真である。
【
図11】溶融加工部を設けた包装袋の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、
図1~10を参照しながら、本発明の実施形態をさらに詳しく説明する。
本発明に係る青果物包装装置1は、
図2,4に示すように、上部21から投入される青果物Vを下部22に取り付けられた包装袋10へ誘導するホッパー2と、ホッパー2の下部22へ向けて気体としての風(気流、空気)を送る送風部3とを備える。送風部3は装置本体部4と内部で連通し、装置本体部4に内蔵された送風手段5によって吸気口6から取り込んだ風が供給送風される。また、送風部3の下方には、包装袋10をホッパー2の下端近傍でホッパー2へ向けて押圧する支持具40が設けられている。
【0016】
本実施形態において、投入される青果物Vとしては、例えば、ニラ、青ネギや白ネギ等の長尺の青果物や、ほうれん草、青梗菜などの葉物が挙げられる。係る場合、青果物包装装置1は、例えば三脚100A等によって所定高さに設置されるほか、固定板7を利用してテーブル等に取り付けられる。
【0017】
包装袋10は、
図3に示すように、袋開口部12から突出する張出体13と、本実施形態では、短冊状の第一フィルム17及び第二フィルム18をその周縁部で溶着して袋状に形成している。また、第一フィルム17を第二フィルム18よりも長く形成することで、第一フィルム17に袋開口部12より突出する張出体13を一体に形成する。張出体13には、ホッパー2の取付ピン25に貫通させる一対の貫通孔14と、袋開口部12近傍に易切断部としてのミシン目15が形成されている。なお、第一、第二フィルム17,18の材質は特に限定されるものではないが、本実施形態では、例えば二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いる。
【0018】
各包装袋10は複数枚が張出体13の耳部13bで融着されて、包装袋束10xを形成する。装袋束10xは、ミシン目15で袋がちぎれると、張出体13の耳部13bは積層して残る。ミシン目(易切断加工部)15と袋開口部12との間には後述の溶融加工部16が設けられている。この溶融加工部16により、ミシン目15を起点とする引き裂きはストップされ、張出部13aが耳部13bから裂けることなく離脱する。したがって、ミシン目15を基点とする引き裂きが連続することを防止するために、溶融加工部16は袋開口部12よりもミシン目15により近いことが望まれる。
【0019】
ここで、
図6と
図3とを対照しながら、製袋機100の構造と工程について説明する。製袋機100の構造には、まず、第一、第二フィルム17,18がロール状体で供給され、ローラーR1で付き合わされる。上述の張出体13部分が第一フィルムだけが例えば
図6手前側にずらされて形成される。第一、第二フィルム17,18が付き合わされた状態で後端シール切断機101に入り、第一、第二フィルム17,18ともに溶断され、包装袋の下端が連続的に形成される。ミシン目形成機102は、間欠的に刃が円周部に形成されたカッターと、下部のバックアップローラーよりなり、張出体13にミシン目(易切断加工部)15を連続形成する。続いて、抜きプレス機103により一対の貫通孔14を形成する。
【0020】
そして、溶融加工機104により上述の溶融加工部16をミシン目(易切断加工部)15と袋開口部12との間に形成する。その後、サイドシール切断機105により,第一、第二フィルム17,18の突き合わせ体が溶断されるとともに、サイドシールがなされて包装袋10が形成され、コンベア106でスタッカー107に運ばれて積層される。積層された包装袋10の束は適宜枚数毎に上述の耳部13bで貼り合わされる。なお、包装袋10の束を形成せずに個別の包装袋を包装装置にセットしてもよいが、束のほうが包装袋10の交換が容易である。
【0021】
図7は、溶融加工機104の断面図である。溶融加工機104は、シリンダーにより間欠的に上下するヒーター部110と、受け部120とを備えている。ヒーター部110は、ブロック111の下端にくさび形の溶融部112を取付け、ブロック111内に紙面前後に貫通形成した長孔に、シースヒーター等のヒーター113を挿入している。ボルト115で固定される熱電対114によりヒーター113の温度は管理され、第一フィルム17が溶断されずに溶融されて、フィルムの引き裂きをストップさせる溶融加工部16を形成できるようになっている。
【0022】
なお、溶融加工機104のヒーター部110は、ローラー状のヒーターや超音波シール機を用いて連続加工することも可能である。しかし、幅方向に圧力を分散させて、上述の機能を溶融加工させるには、上下動するヒーター部110の上下動する溶融加工機104が優れている。
【0023】
製袋機100において、後端シール切断機101、ミシン目形成機102、抜きプレス機103、溶融加工機104は適宜前後させて設けても構わない。ただし、後端シール切断機101及びミシン目形成機102の後に溶融加工機104を配置することで、ミシン目15に溶融加工部16をより近接させるように微調整することが容易となる利点がある。
【0024】
送風部3は、
図1,2に示すように、吸気口6から空気を取り込み送風手段5のブロア5aにより放出口31から空気Bを下部に向けて放出し、この放出口31と装置本体部4とを連通させる連通部32を備えている。送風手段5の調整器5bはブロア5aのモーター等と接続される可変抵抗器であり、ノブ5b1を回動させることにより抵抗値を変更させて、ブロア5aの送風量を調整する。連通部32の側面32aには、後述の固定手段24aを螺合させるねじ孔33が形成されている。また、送風部3には、鉛直方向Zに沿って垂下する板状の垂下部34が設けられている。
【0025】
ホッパー2は、
図2,3に示すように、上部21から下部22へ向かうに従い漸次窄まる円筒形状を呈する。上部21には、上開口部21a及び外周面20の一部が切り欠けられた略方形の切欠部23が形成され、その幅方向の両側には板状の取付部24が一対設けられている。この取付部24は例えばねじやボルト等の固定手段24aによって送風部3の側面32aに取り付けられ、切欠部23を介して送風部3から送風された風Bが包装袋10へ供給される。また、ホッパー2の外周面20には、包装袋10を取り付ける一対の取付ピン25が立設されている。
【0026】
ホッパー2は口径の違うものが着脱交換により適宜選択され用いられる。
図1等に示す小口径ホッパー2には長尺の青果物が、図示しない大口径ホッパーには葉物などが用いられ、口径に合わせて袋のサイズも変更される。
【0027】
ホッパー2の下部のうち送風部側部分22aは、前記ホッパー下部のうち作業者側部分22bよりも、この作業者側部分22bに近接する側に傾斜しており、送風部3からの風を受ける送風部側部分22aの下端に通気切欠28を有する。また、同側の外側面に前記袋束の耳部を貫通支持するための2本の取り付けピンを有する。そして、送風部側部分22aの湾曲に耳部13bを沿わせ、後述の支持具により押さえることにより取り付けてある。
【0028】
風Bを送風手段5の放出口31から先の通気切欠28まで誘導する通気路Wは、ホッパー2の通風部側部分20aと垂下部34a、34bにより構成されている。幅広垂下部34aはホッパー2の通風部側部分20aと共同して筒状の通気路を形成し、さらに通気切欠28近傍に幅狭垂下部34bを備えている。幅狭垂下部34bとホッパー2の通風部側部分20aとの間に横開口部34cを形成している。横開口部34cは下方への風の供給と同時に横方向への風の供給を行い、ホッパー全体に風Bを供給する。幅狭垂下部34bによる横方向への風の周りが先の通風切欠28の近くで行われるため、通風切欠28まで十分風が到達する。
【0029】
支持具40は、
図1~4に示すように、装置本体部4にその一端が弾性部材等を介して回転固定された棒状部43に、上支持体41と下支持体42とを備えてなる。上支持体41は、ホッパー2の外周面20を迂回して、二股の先端の折り曲げられた角部に押圧部41a,41aを有する。そして、この2カ所の押圧部41a,41aで、先の耳部13bの横端近傍の2カ所P、Pをミシン目15近傍で押圧することで、上記耳部13bの密着を実現している。下支持体42の先端部も包装袋10の傾斜方向に沿うように押圧部42aが設けられ、押圧部42aが包装袋10の円弧の外側を軽く押すことで、先の耳部13bの密着を補助する。
【0030】
ホッパーを着脱交換可能とする取付手段は、一対の取付部24にそれぞれ少なくとも上下二カ所ずつ形成された切欠部24bと、送風部近傍の4カ所に設けられた先のねじ孔33に螺合されたねじ、ボルト等の固定手段24aとを有する。この切欠部24bは上下に沿う長孔24b1と、その下部に通じる横切欠24b2よりなる。
【0031】
各ホッパー2には、青果物Vをホッパー2から包装袋10へ誘導するための1枚の大フラップ71と2枚の小フラップ72とを有している。ホッパー2には、1つの第1スリット26と、2つの第2スリット27が形成されており、それぞれのスリット26,27に大フラップ71と小フラップ72とが差し込まれている。大フラップ71は、本体71a及びウエイト71bの間に段差のあるネック71cを有している。また、小フラップ72は、本体72a及びウエイト72bの間に部分的にくびれた切込72cを有している。本体71a,72aはいずれもウエイト71b,72bで常時持ち上げられているが、青果物Vとの接触で揺動下降して袋との間の橋渡しとなる。ネック71c及び切込72cは、いずれも両フラップ71,72のスリット26,27からの脱落を防止する。
【0032】
ここで、
図1~5を参照しながら青果物Vの包装工程について説明する。
まず、
図4(a)に示すように、支持具40をホッパー2から離隔させた状態で、複数枚の包装袋束10xを張出体13の貫通孔14を介してホッパー2の取付ピン25にそれぞれ掛止させて取り付ける。この時、包装袋10は第一フィルム17によって鉛直方向Zに吊り下げられ、袋開口部12はホッパー2の下開口部の直下に位置する。ここで、包装袋10をホッパー2の外周面20のうち送風部側部分22aに密着して沿うように傾斜させて、
図4(b)に示すように、支持具40をホッパー2側へ揺動させる。これにより、上支持体41がホッパー2の下部22で包装袋束10xの耳部13bの端に近い部分P,Pを、先の押圧部41a,41aを送風部側部分22aに押圧して保持する。P,P間の内側にもさらに押圧部を設けてもよい。
【0033】
次に、青果物包装装置1の電源を入れ、風Bを送風手段5のブロア5aにより送風部3へ供給し、放出口31からホッパー2の下部22へ向けて放出する。ホッパーの下部22、耳部13b,袋開口部12及びミシン目15の関係は
図2,5(a)のようになる。通気切欠28を設け、しかも、通気路は、送風部3の放出口31から連続してホッパーの一部と共同して筒状空間を形成する幅広垂下部34aと、通気切欠28近傍以下に連続する幅狭垂下部34bとを備え、幅狭垂下部34bとホッパー2との間に横開口部34cを形成してあるため、
図5(a)に示すように、風Bは袋開口部12に容易に吹き込み、包装袋10は斜めに傾斜して膨らむこととなる。
【0034】
そして、
図2,
図4(b)に示すように、作業者が青果物Vをホッパー2の上部21から投入(落下)すると、青果物Vはホッパー2によって鉛直方向Zに誘導される。ホッパー2の下部22直下では、風Bにより袋開口部12が開口しており、先の両フラップ71,72で誘導されるので、青果物Vを包装袋10、スムースに充填することができる。そして、青果物Vの重さにより、包装袋10はミシン目15で切断されると共に風Bによって、次の包装袋10が開口される。このように、作業者はホッパー2の上部21から青果物Vを投入すれば、投入された青果物Vはほぼ自動的に包装袋10へ投入され、包装が完了する。
【0035】
次に、本発明の他の実施形態の可能性について言及する。
上記実施形態では、第一、第二フィルム17,18を二枚重ね合わせて用いたが、一枚のフィルムを折り曲げて袋を形成してもよい。易切断加工部15はミシン目形成機102によりミシン目として形成したが、例えば、超音波を利用して易切断加工を行ったり、溶融加工機104に類似する機器により易切断加工を行っても良い。その他、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、本発明の要素が種々の改変が可能である。
【0036】
図11は、ほうれん草、青梗菜などの葉物を包装するための包装袋10である。袋全体が袋開口部12側に向かって広がっており、ミシン目15と溶融加工部16とが設けられている。このように包装袋10の形状や貫通孔14の個数や位置は変更自由である。また、貫通孔14を設けずに、包装装置にクリップのみで包装袋10の束を固定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、青果物用包装袋のほか、青果物以外の長尺物、葉状物、塊状物等の包装に利用することができる。風を吹き込む包装装置のほか、風を吹き込まずに袋開口部を広げる方式の包装装置(治具)にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1,1':青果物包装装置、2:ホッパー、2A:小口径ホッパー、2B:大口径ホッパー、3:送風部、4:装置本体部、5:送風手段、5a:ブロア、5b:調整器、5b1:ノブ、6:吸気口、7:固定板、10,10':包装袋、10x:包装袋束、10b:内面、11:袋本体部、12:袋開口部、13:張出体、13a:張出部、13b:耳部、13bx:耳束、14:貫通孔、15:ミシン目(易切断加工部)、16:溶融加工部、17:第一フィルム、18:第二フィルム、20:外周面、21:上部、21a:上開口部、22:下部、22a:送風部側部分、22b:作業者側部分、23:切欠部、24:取付部、24a:固定手段(ねじ、ボルト)、24b:切欠部、25:取付ピン、26:第1スリット、27:第2スリット、28:通気切欠、31:放出口、32:連通部、32a:側面、33:ねじ孔、34:垂下部、34a:幅広垂下部、34b:幅狭垂下部、34c:横開口部、34':突出部、40:支持具、41:上支持体、41a:押圧部、42:下支持体、42a:押圧部、43:棒状部、50:袋保持部材、51:載置部、51a:突起部、51b:切欠部、51z:直線側部、52:挟持部、52a:切欠部、52b:取付部、52c:固定手段、52z:直線側部、53:連結部、60:分散部材、60a:開口、61:本体部、62:折曲部、63:斜面、64:隙間、71:大フラップ、71a:本体、71b:ウエイト、71c:ネック、72:小フラップ、72a:本体、72b:ウエイト、72c:切込、100:製袋機、101:後端シール切断機、102:ミシン目形成機、103:抜きプレス機、104:溶融加工機、105:サイドシール切断機、106:コンベア、107:スタッカー、110:ヒーター部、111:ブロック、112:溶融部、113:ヒーター、114:熱電対、120:受け部、121:溶着防止シート、122:受けブロック、B:風(気流)、V:青果物、W:通気路、X:水平方向、Z:鉛直方向