(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】水酸化物安定性のポリベンズイミダゾリウム及びポリイミダゾリウムの膜及びイオノマーの架橋
(51)【国際特許分類】
C08G 73/18 20060101AFI20220128BHJP
H01M 8/103 20160101ALI20220128BHJP
C25B 13/08 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
C08G73/18
H01M8/103
C25B13/08 301
(21)【出願番号】P 2019506112
(86)(22)【出願日】2017-08-01
(86)【国際出願番号】 US2017044772
(87)【国際公開番号】W WO2018026743
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-09
(32)【優先日】2016-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514003382
【氏名又は名称】サイモン フレーザー 大学
【氏名又は名称原語表記】SIMON FRASER UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】8888 University Drive, Innovation Office, Multi-Tenant Facility, Burnaby, British Columbia V5A 1S6 (CA)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ホールドクロフト, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイスバッハ, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ペッカム, ティモシー, ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ブリトン, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ライト, アンドリュー
【審査官】長岡 真
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/157848(WO,A1)
【文献】WRIGHT, A. G. et al.,Hexamethyl-p-terphenyl poly(benzimidazolium): a universal hydroxide-conducting polymer for energy conversion devices,Energy Environ. Sci.,2016年05月25日,9,2130-2142
【文献】HENKENSMEIER, D. et al.,Polybenzimidazolium-Based Solid Electrolytes,Macromolecuar Materials and Engineering,2011年,296,899-908
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 73/18-73/22
C08G 61/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(A)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーであって、
【化50】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、
式(A)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される、
架橋ポリマー。
【請求項2】
請求項1に記載の架橋ポリマーであって、
(i)前記ポリマーが式(A-A)の繰り返し単位を含み、
【化51】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A-A)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、
式(A-A)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A-A)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A-A)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択されるか、又は、
(ii)前記ポリマーが式(A-B)の繰り返し単位を含み、
【化52】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A-B)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、
式(A-B)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A-B)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A-B)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択されるか、又は、
(iii)前記ポリマーが式(A-C)の繰り返し単位を含み、
【化53】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A-C)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、
式(A-C)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A-C)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A-C)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択されるか、又は、
(iv)前記ポリマーが式(A-D)の繰り返し単位を含み、
【化54】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A-D)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、
式(A-D)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A-D)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A-D)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される、
架橋ポリマー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の架橋ポリマーであって、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分であるか、又は、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、架橋部分に結合するように構成される結合であり、任意選択で、
(i)R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びアリールから選択され;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びアリールから選択されるか、又は、
(ii)R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルから選択されるか、又は
(iii)R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、メチル、トリフルオロメチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、メチル及びトリフルオロメチルから選択され;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、メチル及びトリフルオロメチルから選択される、
架橋ポリマー。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の架橋ポリマーであって、R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素及びアルキルからそれぞれ独立して選択されるか、又は、
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119がそれぞれ水素である、架橋ポリマー。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の架橋ポリマーであって、
R
116が、結合、アルキレン、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換されるか、又は、
R
116が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されたアリーレン及びヘテロアリーレンから選択されるか、又は、
R
116が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で任意選択的に置換されたアリーレンから選択されるか、又は、
R
116がフェニレンである、架橋ポリマー。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の架橋ポリマーであって、R
107、R
110、R
111、及びR
114がそれぞれ独立してアルキルであるか、又は、
R
107、R
110、R
111、及びR
114がそれぞれメチルであるか、又は、
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素及びアルキルからそれぞれ独立して選択されるか、又は、
R
108及びR
112が、水素及びアルキルからそれぞれ独立して選択されるか、又は、
R
108及びR
112がそれぞれ独立してアルキルであるか、又は、
R
108及びR
112がそれぞれメチルであり、任意選択で、
R
109及びR
113がそれぞれ水素である、
架橋ポリマー。
【請求項7】
式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーであって、
【化60】
式中、
R
101a、R
102a、R
104a、及びR
105aが、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
101a、R
102a、R
104a、及びR
105aのうち2つが、架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;R
101a、R
102a、R
104a、及びR
105aのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bが、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bのうち1つが不在であり、前記不在のR
101b、R
102b、R
104b、又はR
105bを含むベンズイミダゾリル基が中性であり;R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
101c、R
102c、R
104c、及びR
105cが、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
101c、R
102c、R
104c、及びR
105cのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;R
101c、R
102c、R
104c、及びR
105cのうち残りの3つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され、
R
101d、R
102d、R
104d、及びR
105dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
103a、R
106a、R
115a、R
117a、R
118a、R
119a、R
103b、R
106b、R
115b、R
117b、R
118b、R
119b、R
103c、R
106c、R
115c、R
117c、R
118c、R
119c、R
103d、R
106d、R
115d、R
117d、R
118d、及びR
119dが、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
107a、R
110a、R
111a、R
114a、R
107b、R
110b、R
111b、R
114b、R
107c、R
110c、R
111c、R
114c、R
107d、R
110d、R
111d、及びR
114dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108a、R
109a、R
112a、R
113a、R
108b、R
109b、R
112b、R
113b、R
108c、R
109c、R
112c、R
113c、R
108d、R
109d、R
112d、及びR
113dが、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され、
前記ポリマーが、mモルパーセントの式(D-A)の繰り返し単位、nモルパーセントの式(D-B)の繰り返し単位、pモルパーセントの繰り返し単位(D-C)、及びqモルパーセントの繰り返し単位(D-D)を含み、
mが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
nが1モルパーセント~50モルパーセントであり、
pが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
qが5モルパーセント~95モルパーセントであり、
m+n+p+q=100%である、
架橋ポリマー。
【請求項8】
前記架橋部分が、
【化72】
であり、
式中、R
120、R
121、R
122、及びR
123が、水素、アルキル、及びペルフルオロアルキルからそれぞれ独立して選択される、
請求項1~
7のいずれか一項に記載の架橋ポリマー。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載の架橋ポリマーを含む、イオン性膜、又はイオノマーであって、
前記イオノマーは、任意選択で、
燃料電池の、電解装置の、又は他の電気化学デバイスの触媒層に組み込まれた、イオノマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、米国仮出願第62/371,100号(2016年8月4日出願)の利益を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
逆浸透法による浄水、水電解装置、レドックス・フロー電池、及びアルカリアニオン交換膜燃料電池(AAEM-FC)に使用することのできる、アニオン伝導性で、化学的に及び機械的に安定なアニオン交換膜が望まれているために、幅広い範囲のポリマー材料が開発されてきた。これらのポリマー材料の例としては、テトラアルキルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、イミダゾリウム、ベンズイミダゾリウム、ホスホニウム官能化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、ポリ(オレフィン)、ポリ(スチレン)、ポリ(フェニレンオキシド)、及びポリ(フェニレン)が含まれる。
【0003】
置換されたテトラアルキルアンモニウム、イミダゾリウム及びベンズイミダゾリウムカチオンは、OH-攻撃に対して、低い安定性を示す。理論に縛られることを望むものではないが、アルキル化トリメチルアンモニウム誘導体の分解は、利用可能である場合、ホフマン脱離経路にしたがうと考えられている。これらの誘導体の安定性がα原子及びβ原子の非存在から利益を得る可能性がある、という仮説が立てられた。
【0004】
四級化されたポリ(ベンズイミダゾリウム)(PBI)及びポリ(イミダゾリウム)ポリマーは、近年多くの注目を集めているが、(ベンズ)イミダゾリウムは、塩基性水溶液に浸漬すると、イミダゾリウム及びベンズイミダゾリウム環それぞれのC2位での開環反応によって分解し、カチオン性官能性の喪失及び不可逆的な開環をもたらすことが見出された。例えば、下記に示されるMes-PDMBI-OH
-ポリマーにおいて、ベンズイミダゾリウム官能基は、メシチレンのメチル基によって、立体的にC2保護されている。
【化1】
Mes-PDMBI-OH
-は、6MのKOH中室温で、又は2MのKOH中60℃で、分解の検出可能な徴候を示さなかった。
【0005】
別の例として、ベンズイミダゾール基をヘキサメチル-p-テルフェニル基で分けることによって、部分的なメチル化後に、同じ優れた安定性を有する、十分に使用可能なAAEM-FCポリマー(HMT-PMBI-I
-)が得られた。
【化2】
しかしながら、高度に官能化されたHMT-PMBI-OH
-は水溶性のままであることが見出された。
【0006】
Mes-PDMBI-OH-及びHMT-PMBI-I-は、例えば、国際出願PCT/CA2017/050529(2017年5月1日出願)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0007】
アルカリアニオン交換膜の研究において、架橋は、水吸着性を制限する及び/又は機械的安定性を増加させるための、将来有望なアプローチである。架橋はまた、反応物/溶媒透過性を減少させ、化学的安定性を向上することが見出された。例えば、共有結合性架橋は、エポキシド、メタセシス、又はチオール-エンクリックケミストリーによる直接架橋によって、確立することができる。ハロゲン化物含有ポリマーと、N,N,N',N'-テトラ-メチル-1,6-ヘキサンジアミン、1,4-ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)又はイミダゾール誘導体などの架橋剤との反応により、追加のイオン交換部位を形成することができる。逆もまた同様に、α,α'-ジクロロ-p-キシレンなどのジハライド架橋剤が、トリアルキルアミン置換されたポリマーを架橋するために使用されてきた。
【0008】
PBI系ポリマーは、モノ置換非四級化PBIを得るために、それぞれ、熱処理、エポキシド、又はハロゲン化物架橋剤によって、イオン性架橋又は共有結合架橋されてきた。プロトン交換膜及びアニオン交換膜をそれぞれ得るためにリン酸及びKOHでドープした場合、架橋された膜は、より低い溶解性、増加した弾性率、及び酸化的ラジカル及び水酸化物に対する化学的安定性を有していた。正浸透用途において、架橋されたPBI繊維膜は、イオン選択性の向上及び水透過流速の増加を示す。
【0009】
追加のドーピング剤を含まない共有結合架橋アニオン交換樹脂は、ハロゲン化物架橋剤又はハロゲン化物含有ポリマーを使用してベンズイミダゾール基上の窒素原子における2番目の置換を行い、ポリ(ベンズイミダゾリウム)を得た後に、得ることができる。例えば、メチル化されたポリ(ベンズイミダゾリウム)を含む架橋ポリマー系は、白金を含まない直接メタノール燃料電池(DMFC)において、80℃で、出力密度120mWを示すことができ、架橋度と化学的安定性との間に相関は観察されない。
【0010】
したがって、高度に帯電したアニオン交換膜の用途は、特に高温で、水又は有機溶媒中での溶解を引き起こす強い水吸着性によって、しばしば制限される。ポリマーの架橋は、この問題を克服するための良好なアプローチであることが示されてきた。しかしながら、架橋はまた、しばしば望まれる特性である、溶媒処理を、不可能にする。したがって、良好な溶媒処理性及び溶媒中での安定性を有するポリマーが必要とされる。本開示は、これらの必要性を満たすことを目的とし、さらなる利点を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
概要
この概要は、詳細な説明において以下にさらに説明される概念の選択を、簡略化された形で紹介するために提供される。この概要は、特許請求の範囲に記載の発明の内容の重要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に記載の発明の内容の範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一つの態様において、本開示は、式(A)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーを特徴とする。
【化3】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、
式(A)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0013】
別の態様において、本開示は、式(B)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーを特徴とする。
【化4】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(B)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、
式(B)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(B)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(B)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり;
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0014】
さらに別の態様において、本開示は、式(C-A)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーを特徴とする。
【化5】
式中、R
101、R
102、R
104、及びR
105が、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち2つが、架橋部分及び結合からそれぞれ独立して選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち残りの2つがそれぞれメチルである。
【0015】
式(C-A)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーは、式(C-B)の繰り返し単位をさらに含むことができる。
【化6】
式中、R
101、R
102、R
104、及びR
105が、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち1つが不在であり、前記不在のR
101、R
102、R
104、又はR
105が結合しているベンズイミダゾリル基が中性であり、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち残りの3つがそれぞれメチルである。
【0016】
式(C-A)及び/又は(C-B)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーは、式(C-C)の繰り返し単位をさらに含むことができる。
【化7】
式中、R
101、R
102、R
104、及びR
105が、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち残りの3つがそれぞれメチルである。
【0017】
式(C-A)、(C-B)、及び/又は(C-C)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーは、式(C-D)の繰り返し単位をさらに含むことができる。
【化8】
【0018】
さらに別の態様において、本開示は、式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーを特徴とする。
【化9】
式中、
R
101a、R
102a、R
104a、及びR
105aが、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
101a、R
102a、R
104a、及びR
105aのうち2つが、架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;R
101a、R
102a、R
104a、及びR
105aのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bが、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bのうち1つが不在であり、前記不在のR
101b、R
102b、R
104b、又はR
105bを含むベンズイミダゾリル基が中性であり;R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
101c、R
102c、R
104c、及びR
105cが、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
101c、R
102c、R
104c、及びR
105cのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;R
101c、R
102c、R
104c、及びR
105cのうち残りの3つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され、
R
101d、R
102d、R
104d、及びR
105dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
103a、R
106a、R
115a、R
117a、R
118a、R
119a、R
103b、R
106b、R
115b、R
117b、R
118b、R
119b、R
103c、R
106c、R
115c、R
117c、R
118c、R
119c、R
103d、R
106d、R
115d、R
117d、R
118d、及びR
119dが、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
107a、R
110a、R
111a、R
114a、R
107b、R
110b、R
111b、R
114b、R
107c、R
110c、R
111c、R
114c、R
107d、R
110d、R
111d、及びR
114dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108a、R
109a、R
112a、R
113a、R
108b、R
109b、R
112b、R
113b、R
108c、R
109c、R
112c、R
113c、R
108d、R
109d、R
112d、及びR
113dが、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され、
前記ポリマーが、mモルパーセントの式(D-A)の繰り返し単位、nモルパーセントの式(D-B)の繰り返し単位、pモルパーセントの繰り返し単位(D-C)、及びqモルパーセントの繰り返し単位(D-D)を含み、
mが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
nが1モルパーセント~50モルパーセントであり、
pが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
qが5モルパーセント~95モルパーセントであり、
m+n+p+q=100%である。
【0019】
さらに別の態様において、本開示は、式(I)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーを特徴とする。
【化10】
式(I)中、
R
1、R
2、R
4、及びR
5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
前記架橋部分が、式(I)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し;
式(I)の前記第1の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(I)の前記第2の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが、式(I)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
1及びR
2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
1及びR
2のうち1つが不在である場合、前記不在のR
1又はR
2を含むイミダゾリル基が中性であり;
R
4及びR
5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
4及びR
5のうち1つが不在である場合、前記不在のR
4又はR
5を含むイミダゾリル基が中性であり;
R
3及びR
6が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
15が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されたアルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され;
R
16が、結合、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
7、R
10、R
11、及びR
14が、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
8、R
9、R
12、及びR
13が、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0020】
さらに別の態様において、本開示は、式(II)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーを特徴とする。
【化11】
式中、
R
1、R
2、R
4、及びR
5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(II)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し;
式(II)の前記第1の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(II)の前記第2の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが、式(II)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが、架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
1及びR
2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
1及びR
2のうち1つが不在である場合、前記不在のR
1又はR
2を含むイミダゾリル基が中性であり;
R
4及びR
5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
4及びR
5のうち1つが不在である場合、前記不在のR
4又はR
5を含むイミダゾリル基が中性であり;
R
3及びR
6が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
7、R
10、R
11、及びR
14が、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
8及びR
12が、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0021】
さらに別の態様において、本開示は、式(III-A)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーを特徴とする。
【化12】
式中、R
1、R
2、R
4、及びR
5が、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち2つが、架橋部分及び結合からそれぞれ独立して選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち残りの2つがそれぞれメチルである。
【0022】
いくつかの実施形態において、式(III-A)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーは、式(III-B)の繰り返し単位をさらに含む。
【化13】
式中、R
1、R
2、R
4、及びR
5が、不在、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち1つが不在であり、前記不在のR
1、R
2、R
4、又はR
5を含むイミダゾリル基が中性であり;
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち残りの2つがそれぞれメチルである。
【0023】
いくつかの実施形態において、式(III-A)及び/又は(III-B)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーは、式(III-C)の繰り返し単位をさらに含む。
【化14】
式中、R
1、R
2、R
4、及びR
5が、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち残りの3つがそれぞれメチルである。
【0024】
いくつかの実施形態において、式(III-A)、(III-B)、及び/又は(III-C)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーは、式(III-D)の繰り返し単位をさらに含む。
【化15】
【0025】
さらなる態様において、本開示は、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーを特徴とする。
【化16】
式中、
R
1a、R
2a、R
4a、及びR
5aが、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
1a、R
2a、R
4a、及びR
5aのうち2つが、架橋部分及び結合からそれぞれ独立して選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;R
1a、R
2a、R
4a、及びR
5aのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
1b、R
2b、R
4b、及びR
5bが、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
1b、R
2b、R
4b、及びR
5bのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;R
1b、R
2b、R
4b、及びR
5bのうち1つが不在であり、前記不在のR
1b、R
2b、R
4b、又はR
5bを含むイミダゾリル基が中性であり;R
1b、R
2b、R
4b、及びR
5bのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
1c、R
2c、R
4c、及びR
5cが、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
1c、R
2c、R
4c、及びR
5cのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され;R
1c、R
2c、R
4c、及びR
5cのうち残りの3つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され、
R
1d、R
2d、R
4d、及びR
5dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
3a、R
6a、R
3b、R
6b、R
3c、R
6c、R
3d、及びR
6dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
7a、R
10a、R
11a、R
14a、R
7b、R
10b、R
11b、R
14b、R
7c、R
10c、R
11c、R
14c、R
7d、R
10d、R
11d、及びR
14dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
8a、R
12a、R
8b、R
12b、R
8c、R
12c、R
8d、及びR
12dが、水素、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され、
前記ポリマーが、rモルパーセントの式(IV-A)の繰り返し単位、sモルパーセントの式(IV-B)の繰り返し単位、tモルパーセントの繰り返し単位(IV-C)、及びuモルパーセントの繰り返し単位(IV-D)を含み、
rが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
sが1モルパーセント~50モルパーセントであり、
tが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
uが5モルパーセント~95モルパーセントであり、
r+s+t+u=100%である。
【0026】
いくつかの実施形態において、上述の架橋ポリマーのうち任意のものが、1M~6Mの水酸化物を含む水溶液にさらされたときに、実質的に安定である。
【0027】
さらなる態様において、本開示は、上述の架橋ポリマーのうち任意の1つを含むイオン性膜を特徴とする。いくつかの実施形態において、本開示は、上述の架橋ポリマーのうち任意の1つを含むイオノマーを特徴とする。このイオノマーは、燃料電池の、電解装置の、又は他の電気化学デバイスの触媒層に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示の前述の態様及び付随する利点の多くは、添付の図面とあわせて以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるにつれて、より容易に理解されるようになるであろう。
【0029】
【
図1】
図1Aは、本開示のポリマーの実施形態についての、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、塩化物形態において測定されたイオン交換容量(IEC
Cl-、点)及び接近可能割合(IEC
Cl-/IEC
Cl-
理論的、棒)のグラフである。
図1Bは、本開示のポリマーの実施形態についての、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、塩化物形態において測定されたイオン交換容量(IEC
Cl-、点)及び接近可能割合(IEC
Cl-/IEC
Cl-
理論的、棒)のグラフである。
図1Cは、本開示のポリマーの実施形態についての、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、塩化物形態において測定されたイオン交換容量(IEC
Cl-、点)及び接近可能割合(IEC
Cl-/IEC
Cl-
理論的、棒)のグラフである。
図1Dは、本開示のポリマーの実施形態についての、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、塩化物形態において測定されたイオン交換容量(IEC
Cl-、点)及び接近可能割合(IEC
Cl-/IEC
Cl-
理論的、棒)のグラフである。
【0030】
【
図2】
図2Aは、本開示のポリマーの実施形態についての、それぞれ、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、25℃、50℃、及び80℃での体積膨潤(Sxyz)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
図2Bは、本開示のポリマーの実施形態についての、それぞれ、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、25℃、50℃、及び80℃での体積膨潤(Sxyz)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
図2Cは、本開示のポリマーの実施形態についての、それぞれ、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、25℃、50℃、及び80℃での体積膨潤(Sxyz)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
図2Dは、本開示のポリマーの実施形態についての、それぞれ、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、25℃、50℃、及び80℃での体積膨潤(Sxyz)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
【0031】
【
図3】
図3Aは、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、本開示のポリマーの実施形態の室温での、H
2O、エタノール(EtOH)、メタノール(MeOH)及びジメチルスルホキシド(DMSO)中での体積膨潤S
xyzのグラフである。非架橋膜は有機溶媒に迅速に溶解する。
図3Bは、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、本開示のポリマーの実施形態の室温での、H
2O、EtOH、MeOH及びDMSO中での体積膨潤S
xyzのグラフである。非架橋膜は有機溶媒に迅速に溶解する。
図3Cは、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、本開示のポリマーの実施形態の室温での、H
2O、EtOH、MeOH及びDMSO中での体積膨潤S
xyzのグラフである。非架橋膜は有機溶媒に迅速に溶解する。
【0032】
【
図4】
図4Aは、本開示のポリマーの実施形態についての、それぞれ、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での塩化物伝導率(σ
Cl-)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
図4Bは、本開示のポリマーの実施形態についての、それぞれ、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での塩化物伝導率(σ
Cl-)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
図4Cは、本開示のポリマーの実施形態についての、それぞれ、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での塩化物伝導率(σ
Cl-)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
図4Dは、本開示のポリマーの実施形態についての、それぞれ、官能化度(df)及び架橋度(dx)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での塩化物伝導率(σ
Cl-)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
【0033】
【
図5A】
図5Aは、相対湿度(RH)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での本開示のポリマーの実施形態(シリーズA)の塩化物伝導率(σ
Cl-)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
【0034】
【
図5B】
図5Bは、相対湿度(RH)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での本開示のポリマーの実施形態(シリーズB)の塩化物伝導率(σ
Cl-)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
【0035】
【
図5C】
図5Cは、相対湿度(RH)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での本開示のポリマーの実施形態(シリーズA、B、C、及びD)の塩化物伝導率(σ
Cl-)のグラフである。矢印は、より高い温度での溶解を示す。
【0036】
【
図6】
図6Aは、相対湿度(RH)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での、本開示のポリマー(シリーズD)を含む後メチル化された膜の塩化物伝導率(σ
Cl-)のグラフである。赤い矢印は、より高い温度での溶解を示す。
図6Bは、相対湿度(RH)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での、本開示のポリマー(シリーズD)を含む後メチル化された膜の塩化物伝導率(σ
Cl-)のグラフである。赤い矢印は、より高い温度での溶解を示す。
図6Cは、相対湿度(RH)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での、本開示のポリマー(シリーズD)を含む後メチル化された膜の塩化物伝導率(σ
Cl-)のグラフである。赤い矢印は、より高い温度での溶解を示す。
図6Dは、相対湿度(RH)の関数としての、25℃、50℃及び80℃での、本開示のポリマー(シリーズD)を含む後メチル化された膜の塩化物伝導率(σ
Cl-)である。赤い矢印は、より高い温度での溶解を示す。
【0037】
【
図7】
図7は、表示された特定の持続時間にわたり80℃で加熱した後の、3MのNaOD/CD
3OD/D
2OにおけるBzMeB(0.02M)のプロトン(
1H)NMRスペクトル(500MHz、CD
3OD)を示す。明確性のために、プロトンを初期(0時間、0h)スペクトルに割り当てている。
【0038】
【
図8】
図8は、
1H NMR分光法により決定される、3MのNaOD/CD
3OD/D
2Oに溶解(0.02M)し、80℃で経時的に加熱したときの、経時的に残存する小分子モデル化合物の一実施形態(BzMeB)の相対的な量のグラフである。
【0039】
【
図9】
図9は、50%確率レベルの熱振動楕円体を示す、H
2Oで共結晶化された小分子モデル化合物の一実施形態(BzMeB、ヨウ化物形態)の結晶構造である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
詳細な説明
本明細書に記載されるのは、架橋されたアルキル化ポリ(ベンズイミダゾール)及びポリ(イミダゾール)ポリマー材料並びにこれらのポリマー材料を含むデバイス(例えば、燃料電池、水電解装置)である。このポリマー材料は便利な方法で調製することができ、アニオン交換膜(AEM)などの用途を可能にする。この膜は、架橋されていない類似の膜と比較した場合に、より広い範囲の動作条件にわたって高いアニオン伝導率を提供する。この架橋ポリマー材料は、類似の非架橋ポリマー材料と比較した場合に、向上したアルカリ安定性を有する。
【0041】
定義
【0042】
本明細書の様々な箇所で、本開示の化合物の置換基が、群又は範囲で開示される。本開示が、そのような群及び範囲のメンバーのありとあらゆる個々のサブコンビネーションを含むことが特に意図される。例えば、用語「Cl-6アルキル」は、メチル、エチル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、及びC6アルキルを個々に開示することが特に意図される。
【0043】
本開示の化合物が安定性であることが、さらに意図される。本明細書で使用される場合、「安定性」は、反応混合物から有用な程度の純度への単離に耐えるのに十分に頑強な化合物を指す。
【0044】
明確性のために別個の実施形態の文脈で説明されている、本開示のある特定の特徴を、単一の実施形態に組み合わせて提供することもできることが、さらに理解される。反対に、簡潔さのために単一の実施形態の文脈で説明されている本開示の様々な特徴を、別々に又は任意の適切なサブコンビネーションで提供することもできる。
【0045】
「任意選択的に置換された」基は、例えば、追加の官能基により置換されていても非置換であってもよい官能基を指すことができる。例えば、基が非置換である場合、それは、基の名前、例えばアルキル又はアリールと呼ぶことができる。基が追加の官能基で置換されている場合、それはより一般的に、置換アルキル又は置換アリールと呼ばれ得る。
【0046】
本明細書で使用される場合、用語「置換された」又は「置換」は、水素原子をH以外の置換基で置き換えることを指す。例えば、「N-置換されたピペリジン-4-イル」は、ピペリジニルのNH由来のH原子を、例えば、アルキルなどの非水素置換基で置き換えることを指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、直鎖又は分岐の炭化水素基を指す。いくつかの実施形態において、アルキルは、1~10の炭素原子(例えば、1~8の炭素原子、1~6の炭素原子、1~3の炭素原子、1又は2の炭素原子、又は1の炭素原子)を有する。代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル、イソプロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチル)、ペンチル(例えば、n-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、ペンタン-2-イル、ペンタン-3-イル)、及びヘキシル(例えば、n-ヘキシル及び異性体)基が含まれる。
【0048】
本明細書で使用される場合、用語「アルキレン」は、連結アルキル基を指す。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、環化アルキル、アルケニル、及びアルキニル基を含む非芳香族炭素環式化合物を指す。シクロアルキル基は、スピロ環を含む、単環式又は多環式(例えば、2、3又は4の縮合環を有する)環系を含むことができる。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3~約20の炭素原子、3~約14の炭素原子、3~約10の炭素原子、又は3~7の炭素原子を有することができる。シクロアルキル基はさらに、0、1、2、又は3の二重結合及び/又は0、1、又は2の三重結合を有することができる。シクロアルキルの定義には、シクロアルキル環に縮合した(すなわち、シクロアルキル環と共通の結合を有する)1又は複数の芳香環を有する部分、例えば、ペンタン、ペンテン、ヘキサンなどのベンゾ誘導体も含まれる。1又は複数の縮合芳香環を有するシクロアルキル基は、芳香族部分又は非芳香族部分のいずれかを介して結合することができる。シクロアルキル基の1又は複数の環形成炭素原子は、例えば、オキソ又はスルフィド置換基を有して酸化されることができる。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボミル(norbomyl)、ノルピニル、ノルカミル(norcamyl)、アダマンチルなどが含まれる。
【0050】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキレン」は、連結シクロアルキル基を指す。
【0051】
本明細書で使用される場合、用語「ペルフルオロアルキル」は、直鎖又は分岐フッ化炭素鎖を指す。いくつかの実施形態において、ペルフルオロアルキルは、1~10の炭素原子(例えば、1~8の炭素原子、1~6の炭素原子、1~3の炭素原子、1又は2の炭素原子、又は1の炭素原子)を有する。代表的なアルキル基としては、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、などが含まれる。
【0052】
本明細書で使用される場合、用語「ペルフルオロアルキレン」は、連結ペルフルオロアルキル基を指す。
【0053】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキル」は、炭素原子のうち1又は複数がO、N、及びSから選択されるヘテロ原子で置き換えられた直鎖又は分岐鎖アルキル基を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキルは、1~10の炭素原子(例えば、1~8の炭素原子、1~6の炭素原子、1~3の炭素原子、1又は2の炭素原子、又は1の炭素原子)を有する。
【0054】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキレン」は、連結ヘテロアルキル基を指す。
【0055】
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、酸素原子に結合した、本明細書に記載されるようなアルキル又はシクロアルキル基を指す。いくつかの実施形態において、アルコキシは、1~10の炭素原子(例えば、1~8の炭素原子、1~6の炭素原子、1~3の炭素原子、1又は2の炭素原子、又は1の炭素原子)を有する。代表的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びイソプロポキシ基が含まれる。
【0056】
本明細書で使用される場合、用語「ペルフルオロアルコキシ」は、酸素原子に結合した、本明細書に記載されるようなペルフルオロアルキル又は環式ペルフルオロアルキル基を指す。いくつかの実施形態において、ペルフルオロアルコキシは、1~10の炭素原子(例えば、1~8の炭素原子、1~6の炭素原子、1~3の炭素原子、1又は2の炭素原子、又は1の炭素原子)を有する。代表的なペルフルオロアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ、などが含まれる。
【0057】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、6~10の炭素原子を有する芳香族炭化水素基を指す。代表的なアリール基としては、フェニル基が含まれる。いくつかの実施形態において、用語「アリール」は、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、及びインデニルなどの、単環式又は多環式(例えば、2、3、又は4の縮合環を有する)芳香族炭化水素を含む。
【0058】
本明細書で使用される場合、用語「アリーレン」は、連結アリール基を指す。
【0059】
本明細書で使用される場合、用語「アラルキル」は、アルキル水素原子のうちの1つが置換された本明細書で定義されたアリール基を有する、本明細書で定義されたアルキル又はシクロアルキル基を指す。代表的なアラルキル基はベンジル基である。
【0060】
本明細書で使用される場合、用語「アラルキレン」は、連結アラルキル基を指す。
【0061】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、O、S、及びNから選択される1~4のヘテロ原子を含む、5~10員の芳香族単環式又は二環式環を指す。代表的な5又は6員の芳香族単環式環基としては、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、及びイソオキサゾールが含まれる。代表的な9又は10員の芳香族二環式環基としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ピラノピロール、ベンゾピラン、キノリン、ベンゾシクロヘキシル、及びナフチリジンが含まれる。
【0062】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリーレン」は、連結ヘテロアリール基を指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨード基を指す。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語「嵩高い基」は、少なくともメチル基と同じ大きさのサイズを有することによって、立体的嵩高さを提供する基を指す。
【0065】
本明細書で使用される場合、用語「コポリマー」は、2以上の異なるモノマーの重合の結果得られるポリマーを指す。各構成単位の数及び性質は、コポリマー中で別々に制御することができる。特に断りのない限り、構成単位は、純粋にランダム、交互ランダム、規則的交互、規則的ブロック、又はランダムブロックの構成で配置することができる。純粋にランダムの構成は、例えば、x-x-y-z-x-y-y-z-y-z-z-z...又はy-z-x-y-z-y-z-x-x...であり得る。交互ランダムの構成は、x-y-x-z-y-x-y-z-y-x-z...であり得、規則的交互の構成は、x-y-z-x-y-z-x-y-z...であり得る。規則的ブロックの構成(すなわち、ブロックコポリマー)は、以下の一般的構成:...x-x-x-y-y-y-z-z-z-x-x-x...を有し、ランダムブロックの構成は、一般的構成:...x-x-x-z-z-x-x-y-y-y-y-z-z-z-x-x-z-z-z-...を有する。
【0066】
本明細書で使用される場合、用語「ランダムコポリマー」は、2以上の構成単位の制御されていない混合物を有するコポリマーである。ポリマー骨格(又は主鎖)全体にわたる構成単位の分布は、構成単位の統計的分布であるか、又は構成単位の統計的分布に近づくことができる。いくつかの実施形態において、構成単位の1又は複数の分布が好ましい。
【0067】
本明細書で使用される場合、ポリマーの「構成単位」の用語は、鎖の部分を含み、そのペンダント原子又は原子団が存在する場合はそれらをともに含む、ポリマー中の原子又は原子団を指す。構成単位は、繰り返し単位を指すことができる。構成単位は、ポリマー鎖上の末端基を指すこともできる。例えば、ポリエチレングリコールの構成単位は、ポリマー鎖内の繰り返し単位に対応する-CH2CH2O-であるか、又は末端基に対応する-CH2CH2OHであることができる。
【0068】
本明細書で使用される場合、用語「繰り返し単位」は最小構成単位に対応し、その繰り返しは規則的巨大分子(又はオリゴマー分子又はブロック)を構成する。
【0069】
本明細書で使用される場合、用語「末端基」は、ポリマー鎖に対して結合を1つのみ有し、ポリマーの末端に位置する、構成単位を指す。例えば、モノマー単位が重合された後、末端基はポリマーの末端にあるモノマー単位に由来し得る。別の例として、末端基は、ポリマーを合成するのに用いられた連鎖移動剤又は開始剤の一部であることができる。
【0070】
本明細書で使用される場合、ポリマーの「末端(terminus)」の用語は、ポリマー骨格の末端に位置する、ポリマーの構成単位を指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、用語「カチオン性」は、正に帯電した部分、又は生理的条件下で正に帯電した部分にイオン化可能な部分を指す。カチオン性部分の例としては、例えば、アミノ、アンモニウム、ピリジニウム、イミノ、スルホニウム、四級ホスホニウム基、などが含まれる。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語「アニオン性」は、負に帯電した官能基、又は生理的条件下で負に帯電した部分にイオン化可能な官能基を指す。アニオン性基の例としては、カルボン酸、硫酸、スルホン酸、リン酸、などが含まれる。
【0073】
本明細書で使用される場合、用語「架橋部分」は、所与の1種類のポリマー上の又は2種類の異なるポリマー上の2つの繰り返し単位に共有結合している少なくとも2つの反応性基を含む部分を指す。
【0074】
本明細書で使用される場合、ベンズイミダゾリウム又はイミダゾリウムが正に帯電している場合、例えば、イミダゾリウムについて以下に図示されているように、
【化17】
この図示される構造は、2つの位置のうちの1つに位置することができる二重結合を包含し、その結果として正電荷が2つの環形成窒素原子のうちの1つに局在すると理解される。
【化18】
そして、ベンズイミダゾリウムが正に帯電している環形成窒素原子を有する場合、二重結合が2つの位置のうちの1つに位置することができ、その結果として正電荷が環形成窒素原子のうちの1つに局在すると理解される。
【化19】
この正電荷はまた、ベンズイミダゾリウムの2つの環形成窒素原子の間で非局在化しているように図示することもできる。
【化20】
【0075】
本明細書で使用される場合、「メチル化度」(dm)は、例えば、本開示のポリマーの一実施形態の、N-メチル化のパーセンテージを指す。したがって、ポリマーのベンズイミダゾール部分又はイミダゾール部分中の全ての環形成窒素原子がメチル化されている場合は、メチル化度は100%である。ポリマーのベンズイミダゾール部分又はイミダゾール部分中の環形成窒素原子の半分がメチル化されている場合は、メチル化度は50%である。
【0076】
本明細書で使用される場合、用語「~から本質的に成る(consisting essentially of)」又は「~から本質的に成る(consists essentially of)」は、組成物であって、その組成物がある構成成分から本質的に成る場合の当該構成成分、及び他の構成成分を含み、但し、他の構成成分は組成物の本質的な特性に実質的に影響を及ぼさない、組成物を指す。典型的には、ある特定の構成成分から本質的に成る組成物は、95質量%以上のこれらの構成成分又は99質量%以上のこれらの構成成分を含むだろう。
【0077】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。好適な方法及び材料を以下に記載するが、本明細書に記載のものと類似又は同等の方法及び材料を、本開示の実施又は試験に用いることができる。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が統制する。さらに、材料、方法、及び例は例示にすぎず、限定することを意図しない。
【0078】
ポリマー
【0079】
本開示は、式(A)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーを特徴とする。
【化21】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(A)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基(すなわち、そのR
101又はR
102のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基)が中性であり;
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基(すなわち、そのR
104又はR
105のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基)が中性であり;
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0080】
いくつかの実施形態において、式(A)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーが、式(A-A)の繰り返し単位を含む。
【化22】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A-A)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(A-A)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A-A)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A-A)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
101又はR
102のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基);
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
104又はR
105のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基);
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0081】
いくつかの実施形態において、式(A)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーが、式(A-B)の繰り返し単位を含む。
【化23】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A-B)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(A-B)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A-B)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A-B)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
101又はR
102のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基が中性であり);
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
104又はR
105のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基が中性であり);
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0082】
いくつかの実施形態において、式(A)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーが、式(A-C)の繰り返し単位を含む。
【化24】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A-C)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(A-C)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A-C)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A-C)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
101又はR
102のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基が中性であり);
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
104又はR
105のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基が中性であり);
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0083】
いくつかの実施形態において、式(A)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーが、式(A-D)の繰り返し単位を含む。
【化25】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(A-D)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(A-D)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(A-D)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(A-D)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
101又はR
102のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基が中性であり);
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
104又はR
105のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基が中性であり);
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
116が、結合、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0084】
式(A)のポリマーは、式(A-A)、(A-B)、(A-C)、及び/又は(A-D)の繰り返し単位の混合物を有する(又はから本質的に成る、又はから成る)ことができる。例えば、ポリマーは、式(A-A)、(A-B)、(A-C)、及び(A-D);式(A-A)、(A-B)、及び(A-C);式(A-A)、(A-B)、及び(A-D);式(A-A)、(A-C)、及び(A-D);式(A-B)、(A-C)、(A-D);式(A-A)及び(A-B);式(A-A)及び(A-C);式(A-A)及び(A-D);式(A-B)及び(A-C);式(A-B)及び(A-D);式(A-C)及び(A-D);式(A-A);式(A-B);式(A-C);又は式(A-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)ことができる。
【0085】
上述のポリマーのうち任意のもの(すなわち、式(A)、(A-A)、(A-B)、(A-C)、及び/又は(A-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)ポリマー)において、いくつかの実施形態において、R101、R102、R104、及びR105のうち少なくとも1つが、第1の繰り返し単位上の架橋部分であり、R101、R102、R104、及びR105のうち少なくとも1つが、第2の繰り返し単位上の架橋部分に結合するように構成される結合であり、架橋部分は、第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる。
【0086】
いくつかの実施形態において、上述のポリマーのうち任意のものにおいて、R101、R102、R104、及びR105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R101及びR102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びアリールから選択され;R104及びR105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びアリールから選択される。いくつかの実施形態において、R101、R102、R104、及びR105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R101及びR102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルから選択され;R104及びR105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルから選択される。いくつかの実施形態において、R101、R102、R104、及びR105が、不在、結合、メチル、トリフルオロメチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R101及びR102のうち少なくとも1つが、メチル及びトリフルオロメチルから選択され;R104及びR105のうち少なくとも1つが、メチル及びトリフルオロメチルから選択される。
【0087】
いくつかの実施形態において、上述のポリマーのうち任意のものにおいて、R103、R106、R115、R117、R118、及びR119が、水素(H)及びアルキルからそれぞれ独立して選択される。一例として、R103、R106、R115、R117、R118、及びR119が、水素(H)、メチル、及びエチルからそれぞれ独立して選択される(例えば、水素(H)及びメチル)。例えば、R103、R106、R115、R117、R118、及びR119は、それぞれ水素(H)であることができる。
【0088】
いくつかの実施形態において、上述のポリマーのうち任意のものにおいて、R116が、結合、アルキレン、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換される。いくつかの実施形態において、R116が、結合、アルキレン、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基でそれぞれ任意選択的に置換される。いくつかの実施形態において、R116が、結合、アルキレン、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基でそれぞれ任意選択的に置換される。いくつかの実施形態において、R116が、結合、アルキレン、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、アリーレン及びヘテロアリーレンが、1、2、3、又は4のアルキルでそれぞれ任意選択的に置換される。いくつかの実施形態において、R116が、結合、アルキレン、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アルキレン、アリーレン及びヘテロアリーレンが、1、2、3、又は4のハロでそれぞれ任意選択的に置換される。いくつかの実施形態において、R116が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基(例えば、アルキル、ヘテロアルキル、及びハロ;アルキル及びハロ;アルキル;又はハロ)でそれぞれ任意選択的に置換されたアリーレン及びヘテロアリーレンから選択される。いくつかの実施形態において、R116が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基(例えば、アルキル、ヘテロアルキル、及びハロ;アルキル及びハロ;アルキル;又はハロ)で任意選択的に置換されたアリーレンである。いくつかの実施形態において、R116がフェニレンである。
【0089】
いくつかの実施形態において、上述のポリマーのうち任意のものにおいて、R107、R110、R111、及びR114がそれぞれ独立してアルキルである。例えば、R107、R110、R111、及びR114が、メチル及びエチルからそれぞれ独立して選択される。例えば、R107、R110、R111、及びR114はそれぞれメチルであることができる。
【0090】
いくつかの実施形態において、上述のポリマーのうち任意のものにおいて、R108、R109、R112、及びR113が、水素(H)及びアルキルからそれぞれ独立して選択される。いくつかの実施形態において、R108及びR112が、水素(H)及びアルキルからそれぞれ独立して選択される。いくつかの実施形態において、R108及びR112がそれぞれ独立してアルキルである。いくつかの実施形態において、R108及びR112が、メチル及びエチルからそれぞれ独立して選択される。例えば、R108及びR112はそれぞれメチルであることができる。いくつかの実施形態において、R109及びR113がそれぞれ水素(H)である。
【0091】
本開示はまた、式(B)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーを特徴とする。
【化26】
式中、
R
101、R
102、R
104、及びR
105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(B)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(B)の前記第1の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(B)の前記第2の繰り返し単位において、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち少なくとも1つが、式(B)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
101及びR
102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
101及びR
102のうち1つが不在である場合、前記不在のR
101又はR
102を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
101又はR
102のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基が中性であり);
R
104及びR
105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
104及びR
105のうち1つが不在である場合、前記不在のR
104又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
104又はR
105のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基が中性であり);
R
103、R
106、R
115、R
117、R
118、及びR
119が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
107、R
110、R
111、及びR
114が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108、R
109、R
112、及びR
113が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0092】
式(B)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーについて、いくつかの実施形態において、R101、R102、R104、及びR105のうち少なくとも1つが、第1の繰り返し単位上の架橋部分であり、R101、R102、R104、及びR105のうち少なくとも1つが、第2の繰り返し単位上の架橋部分に結合するように構成される結合であり、架橋部分は、第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる。
【0093】
いくつかの実施形態において、式(B)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものについて、R101、R102、R104、及びR105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R101及びR102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びアリールから選択され;R104及びR105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びアリールから選択される。いくつかの実施形態において、R101、R102、R104、及びR105が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R101及びR102のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルから選択され;R104及びR105のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルから選択される。いくつかの実施形態において、R101、R102、R104、及びR105が、不在、結合、メチル、トリフルオロメチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R101及びR102のうち少なくとも1つが、メチル及びトリフルオロメチルから選択され;R104及びR105のうち少なくとも1つが、メチル及びトリフルオロメチルから選択される。
【0094】
いくつかの実施形態において、式(B)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものについて、R103、R106、R115、R117、R118、及びR119が、水素(H)及びアルキルからそれぞれ独立して選択される。一例として、R103、R106、R115、R117、R118、及びR119が、水素(H)、メチル、及びエチルからそれぞれ独立して選択される(例えば、水素(H)及びメチル)。いくつかの実施形態において、R103、R106、R115、R117、R118、及びR119がそれぞれ水素(H)である。
【0095】
いくつかの実施形態において、R107、R110、R111、及びR114がそれぞれ独立してアルキルである。例えば、R107、R110、R111、及びR114が、メチル及びエチルからそれぞれ独立して選択される。いくつかの実施形態において、R107、R110、R111、及びR114がそれぞれメチルである。
【0096】
いくつかの実施形態において、上述のポリマーのうち任意のものにおいて、R108、R109、R112、及びR113が、水素(H)及びアルキルからそれぞれ独立して選択される。いくつかの実施形態において、R108及びR112が、水素(H)及びアルキルからそれぞれ独立して選択される。いくつかの実施形態において、R108及びR112がそれぞれ独立してアルキルである。いくつかの実施形態において、R108及びR112が、メチル及びエチルからそれぞれ独立して選択される。いくつかの実施形態において、R108及びR112がそれぞれメチルである。いくつかの実施形態において、R109及びR113がそれぞれ水素(H)である。
【0097】
本開示はまた、式(C-A)の繰り返し単位を含むポリマーを特徴とする。
【化27】
式中、R
101、R
102、R
104、及びR
105が、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち2つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち残りの2つがそれぞれメチルである。
【0098】
いくつかの実施形態において、式(C-A)の繰り返し単位を含むポリマーは、式(C-B)の繰り返し単位をさらに含む。
【化28】
式中、R
101、R
102、R
104、及びR
105が、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち1つが不在であり、前記不在のR
101、R
102、R
104、又はR
105を含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
101、R
102、R
104、又はR
105のうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基が中性であり)、
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち残りの2つがそれぞれメチルである。
【0099】
いくつかの実施形態において、式(C-A)の繰り返し単位を含むポリマー、又は式(C-A)及び(C-B)の繰り返し単位を含むポリマーは、式(C-C)の繰り返し単位をさらに含む。
【化29】
式中、R
101、R
102、R
104、及びR
105が、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
101、R
102、R
104、及びR
105のうち残りの3つがそれぞれメチルである。
【0100】
いくつかの実施形態において、式(C-A)の繰り返し単位、又は式(C-A)及び(C-B)の繰り返し単位、又は式(C-A)、(C-B)、及び(C-C)の繰り返し単位を含むポリマーは、式(C-D)の繰り返し単位をさらに含む。
【化30】
【0101】
いくつかの実施形態において、ポリマーが、mモルパーセントの式(C-A)の繰り返し単位、nモルパーセントの式(C-B)の繰り返し単位、pモルパーセントの繰り返し単位(C-C)、及びqモルパーセントの繰り返し単位(C-D)を含み、
mが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
nが1モルパーセント~50モルパーセントであり、
pが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
qが5モルパーセント~95モルパーセントであり、
m+n+p+q=100%である。
【0102】
式(C-A)の繰り返し単位;式(C-A)及び(C-B)の繰り返し単位;式(C-A)、(C-B)、及び(C-C)の繰り返し単位;又は式(C-A)、(C-B)、(C-C)、及び(C-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものにおいて、1又は複数のR101、R102、R104、及びR105が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキルで官能化された後に、ポリマーを架橋することができる。上述の実施形態のうち任意のものにおいて、1又は複数のR101、R102、R104、及びR105が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキルで官能化される前に、ポリマーを架橋することができる。
【0103】
いくつかの実施形態において、式(C-A)の繰り返し単位;式(C-A)及び(C-B)の繰り返し単位;式(C-A)、(C-B)、及び(C-C)の繰り返し単位;又は式(C-A)、(C-B)、(C-C)、及び(C-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、ポリマーが、少なくとも1つの架橋部分及び架橋部分に結合するように構成される少なくとも1つの結合を含む(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)。いくつかの実施形態において、結合は架橋部分に結合する(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)。
【0104】
本開示は、式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーを特徴とする。
【化31】
式中、
R
101a、R
102a、R
104a、及びR
105aが、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
101a、R
102a、R
104a、及びR
105aのうち2つが、架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R
101a、R
102a、R
104a、及びR
105aのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bが、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bのうち1つが不在であり、前記不在のR
101b、R
102b、R
104b、又はR
105bを含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
101b、R
102b、R
104b、又はR
105bのうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基が中性であり);R
101b、R
102b、R
104b、及びR
105bのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
101c、R
102c、R
104c、及びR
105cが、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
101c、R
102c、R
104c、及びR
105cのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R
101c、R
102c、R
104c、及びR
105cのうち残りの3つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され、
R
101d、R
102d、R
104d、及びR
105dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
103a、R
106a、R
115a、R
117a、R
118a、R
119a、R
103b、R
106b、R
115b、R
117b、R
118b、R
119b、R
103c、R
106c、R
115c、R
117c、R
118c、R
119c、R
103d、R
106d、R
115d、R
117d、R
118d、及びR
119dが、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
107a、R
110a、R
111a、R
114a、R
107b、R
110b、R
111b、R
114b、R
107c、R
110c、R
111c、R
114c、R
107d、R
110d、R
111d、及びR
114dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、ハロ、アリール、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
108a、R
109a、R
112a、R
113a、R
108b、R
109b、R
112b、R
113b、R
108c、R
109c、R
112c、R
113c、R
108d、R
109d、R
112d、及びR
113dが、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され、
前記ポリマーが、mモルパーセントの式(D-A)の繰り返し単位、nモルパーセントの式(D-B)の繰り返し単位、pモルパーセントの繰り返し単位(D-C)、及びqモルパーセントの繰り返し単位(D-D)を含み、
mが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
nが1モルパーセント~50モルパーセントであり、
pが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
qが5モルパーセント~95モルパーセントであり、
m+n+p+q=100%である。
【0105】
いくつかの実施形態において、式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態について、R101a及びR102aのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)、残りのR101a又はR102aが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;R104a及びR105aのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)、残りのR104a又はR105aが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択される。いくつかの実施形態において、R101a及びR102aのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)、残りのR101a又はR102aが、メチル及びトリフルオロメチルから選択され;R104a及びR105aのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)、残りのR104a又はR105aが、メチル及びトリフルオロメチルから選択される。
【0106】
いくつかの実施形態において、式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態について、R101b、R102b、R104b、及びR105bのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R101b、R102b、R104b、及びR105bのうち1つが不在であり、前記不在のR101b、R102b、R104b、又はR105bを含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR101b、R102b、R104b、又はR105bのうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基);R101b、R102b、R104b、及びR105bのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。いくつかの実施形態において、R101b、R102b、R104b、及びR105bのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R101b、R102b、R104b、及びR105bのうち1つが不在であり、前記不在のR101b、R102b、R104b、又はR105bを含むベンズイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR101b、R102b、R104b、又はR105bのうち1つが不在であるベンズイミダゾリル基);R101b、R102b、R104b、及びR105bのうち残りの2つが、メチル及びトリフルオロメチルからそれぞれ独立して選択される。
【0107】
いくつかの実施形態において、式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態について、R101c、R102c、R104c、及びR105cのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R101c、R102c、R104c、及びR105cのうち残りの3つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。例えば、R101c、R102c、R104c、及びR105cのうち1つは、架橋部分及び結合から選択することができ、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R101c、R102c、R104c、及びR105cのうち残りの3つは、メチル及びトリフルオロメチルからそれぞれ独立して選択することができる。別の例として、R101c、R102c、R104c、及びR105cのうち1つは、架橋部分及び結合から選択することができ、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R101c、R102c、R104c、及びR105cのうち残りの3つは、それぞれメチルであることができる。
【0108】
いくつかの実施形態において、式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態について、R101d、R102d、R104d、及びR105dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。例えば、R101d、R102d、R104d、及びR105dは、メチル及びトリフルオロメチルからそれぞれ独立して選択することができる。例えば、R101d、R102d、R104d、及びR105dがそれぞれメチルである。
【0109】
いくつかの実施形態において、式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態について、R103a、R106a、R115a、R117a、R118a、R119a、R103b、R106b、R115b、R117b、R118b、R119b、R103c、R106c、R115c、R117c、R118c、R119c、R103d、R106d、R115d、R117d、R118d、及びR119dが、それぞれ独立して水素(H)及びアルキルである。例えば、R103a、R106a、R115a、R117a、R118a、R119a、R103b、R106b、R115b、R117b、R118b、R119b、R103c、R106c、R115c、R117c、R118c、R119c、R103d、R106d、R115d、R117d、R118d、及びR119dがそれぞれ水素(H)である。
【0110】
いくつかの実施形態において、式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態について、R107a、R110a、R111a、R114a、R107b、R110b、R111b、R114b、R107c、R110c、R111c、R114c、R107d、R110d、R111d、及びR114dがそれぞれ独立してアルキルである。例えば、R107a、R110a、R111a、R114a、R107b、R110b、R111b、R114b、R107c、R110c、R111c、R114c、R107d、R110d、R111d、及びR114dは、それぞれ独立してメチルであることができる。
【0111】
式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーについての上述の実施形態のうち任意のものにおいて、R108a、R112a、R108b、R112b、R108c、R112c、R108d、及びR112dはそれぞれ独立してアルキルであることができる。例えば、R108a、R112a、R108b、R112b、R108c、R112c、R108d、及びR112dはそれぞれメチルであることができる。
【0112】
式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーについての上述の実施形態のうち任意のものにおいて、R109a、R113a、R109b、R113b、R109c、R113c、R109d、及びR113dは、水素(H)及びアルキルからそれぞれ独立して選択することができる。例えば、R109a、R113a、R109b、R113b、R109c、R113c、R109d、及びR113dは、それぞれ水素(H)であることができる。
【0113】
いくつかの実施形態において、式(D-A)、(D-B)、(D-C)、及び(D-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーについて、ポリマーが、少なくとも1つの架橋部分及び架橋部分に結合するように構成される少なくとも1つの結合を含む(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)。いくつかの実施形態において、結合は架橋部分に結合する(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)。
【0114】
上述の架橋ポリマーのうち任意の1つについて、架橋ポリマーは、大気圧で、12時間以上(例えば、24時間以上、48時間以上、72時間以上、96時間以上、120時間以上、又は240時間以上)及び/又は480時間以下(例えば、240時間以下、120時間以下、96時間以下、72時間以下、48時間以下、又は24時間以下)の期間、1M~6Mの水酸化物を含む水溶液にさらされたときに、実質的に安定であることができる。例えば、架橋ポリマーは、3Mの水酸化物中、80℃で240時間、大気圧で、15%未満(例えば、11%未満)分解する可能性がある。いくつかの実施形態において、上述の架橋ポリマーのうち任意の1つを含む膜は、3Mの水酸化物に80℃で168時間暴露された後、同等に官能化された非架橋ポリマーを有する膜と比較したときに、より高いイオン伝導率(例えば、3倍超のイオン伝導率、2.5倍超のイオン伝導率、2倍超のイオン伝導率、又は1.5倍超のイオン伝導率)を有することができる。例えば、(架橋及び/又はアルキル化することができる窒素原子の数に基づいて)約15%で架橋された架橋ポリマーを含む膜は、3Mの水酸化物に80℃で168時間暴露された後、同等に官能化された非架橋ポリマーを有する膜と比較したときに、より高いイオン伝導率(例えば、約2.5倍のイオン伝導率、3倍超のイオン伝導率、2.5倍超のイオン伝導率、2倍超のイオン伝導率、又は1.5倍超のイオン伝導率)を有することができる。
【0115】
いくつかの実施形態において、本開示は、式(I)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーを特徴とする。
【化32】
式(I)中、
R
1、R
2、R
4、及びR
5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
前記架橋部分が、式(I)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(I)の前記第1の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり、
式(I)の前記第2の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが、式(I)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合するように構成された結合であり;
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
1及びR
2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
1及びR
2のうち1つが不在である場合、前記不在のR
1又はR
2を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
1又はR
2のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
4及びR
5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
4及びR
5のうち1つが不在である場合、前記不在のR
4又はR
5を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
4又はR
5のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
3及びR
6が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
15が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されたアルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され;
R
16が、結合、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
7、R
10、R
11、及びR
14が、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
8、R
9、R
12、及びR
13が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0116】
いくつかの実施形態において、式(I)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーが、式(I-A)の繰り返し単位を含む。
【化33】
式中、
R
1、R
2、R
4、及びR
5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(I-A)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(I-A)の前記第1の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり、
式(I-A)の前記第2の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが、式(I-A)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合するように構成される結合であり、
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
1及びR
2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され、
R
1及びR
2のうち1つが不在である場合、前記不在のR
1又はR
2を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
1又はR
2のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
4及びR
5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
4及びR
5のうち1つが不在である場合、前記不在のR
4又はR
5を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
4又はR
5のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
3及びR
6が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
15が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されたアルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され;
R
16が、結合、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
7、R
10、R
11、及びR
14が、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
8、R
9、R
12、及びR
13が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0117】
いくつかの実施形態において、式(I)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーが、式(I-B)の繰り返し単位を含む。
【化34】
式中、
R
1、R
2、R
4、及びR
5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(I-B)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(I-B)の前記第1の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり、
式(I-B)の前記第2の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが、式(I-B)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合するように構成される結合であり;
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
1及びR
2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され、
R
1及びR
2のうち1つが不在である場合、前記不在のR
1又はR
2を含むイミダゾリル基(すなわち、そのR
1又はR
2のうち1つが不在であるイミダゾリル基)が中性であり;
R
4及びR
5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
4及びR
5のうち1つが不在である場合、前記不在のR
4又はR
5を含むイミダゾリル基(すなわち、そのR
4又はR
5のうち1つが不在であるイミダゾリル基)が中性であり;
R
3及びR
6が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
15が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されたアルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され;
R
16が、結合、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
7、R
10、R
11、及びR
14が、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
8、R
9、R
12、及びR
13が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0118】
いくつかの実施形態において、式(I)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーが、式(I-C)の繰り返し単位を含む。
【化35】
式中、
R
1、R
2、R
4、及びR
5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(I-C)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(I-C)の前記第1の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり、
式(I-C)の前記第2の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが、式(I-C)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり、
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
1及びR
2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され、
R
1及びR
2のうち1つが不在である場合、前記不在のR
1及びR
2を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
1又はR
2のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
4及びR
5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
4及びR
5のうち1つが不在である場合、前記不在のR
4又はR
5を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
4又はR
5のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
3及びR
6が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
15が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されたアルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され;
R
16が、結合、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
7、R
10、R
11、及びR
14が、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
8、R
9、R
12、及びR
13が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0119】
いくつかの実施形態において、式(I)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーが、式(I-D)の繰り返し単位を含む。
【化36】
式中、
R
1、R
2、R
4、及びR
5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(I-D)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ、
式(I-D)の前記第1の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(I-D)の前記第2の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが、式(I-D)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり、
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
1及びR
2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され、
R
1及びR
2のうち1つが不在である場合、前記不在のR
1又はR
2を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
1又はR
2のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
4及びR
5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
4及びR
5のうち1つが不在である場合、前記不在のR
4又はR
5を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
4又はR
5のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
3及びR
6が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
15が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されたアルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され;
R
16が、結合、アリーレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換され;
R
7、R
10、R
11、及びR
14が、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
8、R
9、R
12、及びR
13が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0120】
ポリマーは、式(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び/又は(I-D)の繰り返し単位の混合物を有する(又はから本質的に成る、又はから成る)ことができる。例えば、ポリマーは、式(I-A)、(I-B)、(I-C)、及び(I-D);式(I-A)、(I-B)、及び(I-C);式(I-A)、(I-B)、及び(I-D);式(I-A)、(I-C)、及び(I-D);式(I-B)、(I-C)、(I-D);式(I-A)及び(I-B);式(I-A)及び(I-C);式(I-A)及び(I-D);式(I-B)及び(I-C);式(I-B)及び(I-D);式(I-C)及び(I-D);式(I-A);式(I-B);式(I-C);又は式(I-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)ことができる。
【0121】
いくつかの実施形態において、式(I)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものにおいて、架橋部分が、式(I-A)、式(I-B)、式(I-C)、及び/又は式(I-D)の第1の繰り返し単位と、式(I-A)、式(I-B)、式(I-C)、及び/又は式(I-D)の第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の繰り返し単位において、R1、R2、R4、及びR5のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;前記第2の繰り返し単位において、R1、R2、R4、及びR5のうち少なくとも1つが、架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合である。
【0122】
いくつかの実施形態において、式(I)(例えば、式(I-A)、式(I-B)、式(I-C)、及び/又は式(I-D))の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものにおいて、R1、R2、R4、及びR5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R1及びR2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びアリールから選択され;R4及びR5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びアリールから選択される。例えば、R1、R2、R4、及びR5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R1及びR2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルから選択され;R4及びR5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルから選択される。いくつかの実施形態において、R1、R2、R4、及びR5が、不在、結合、メチル、トリフルオロメチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R1及びR2のうち少なくとも1つが、メチル及びトリフルオロメチルから選択され;R4及びR5のうち少なくとも1つが、メチル及びトリフルオロメチルから選択される。
【0123】
いくつかの実施形態において、式(I)(例えば、式(I-A)、式(I-B)、式(I-C)、及び/又は式(I-D))の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものにおいて、R3及びR6がそれぞれ独立してアリールである。
【0124】
いくつかの実施形態において、式(I)(例えば、式(I-A)、式(I-B)、式(I-C)、及び/又は式(I-D))の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものにおいて、R3及びR6がそれぞれ独立してフェニルである。いくつかの実施形態において、R3及びR6がそれぞれ独立してメチルである。
【0125】
いくつかの実施形態において、式(I)(例えば、式(I-A)、式(I-B)、式(I-C)、及び/又は式(I-D))の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものにおいて、R15及びR16が、アルキル及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基でそれぞれ任意選択的に置換されたアリーレン及びヘテロアリーレンから、それぞれ独立して選択される。例えば、R15及びR16は、それぞれ独立して、アルキル及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で任意選択的に置換されたアリーレンであることができる。いくつかの実施形態において、R15及びR16がそれぞれ、アルキル及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で任意選択的に置換されたフェニレンである。例えば、R15及びR16はそれぞれフェニレンであることができる。
【0126】
いくつかの実施形態において、式(I)(例えば、式(I-A)、式(I-B)、式(I-C)、及び/又は式(I-D))の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものにおいて、R7、R10、R11、及びR14がそれぞれ独立してアルキルである。例えば、R7、R10、R11、及びR14がそれぞれ独立してエチル又はメチルである。別の例として、R7、R10、R11、及びR14がそれぞれメチルである。
【0127】
本開示はさらに、式(II)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーを特徴とする。
【化37】
式中、
R
1、R
2、R
4、及びR
5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;
前記架橋部分が、式(II)の第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とを架橋し、前記第1の及び第2の繰り返し単位は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができ;
式(II)の前記第1の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが前記架橋部分であり;
式(II)の前記第2の繰り返し単位において、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが、式(II)の架橋された前記第1の繰り返し単位上の前記架橋部分に結合した結合であり;
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち少なくとも1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
1及びR
2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
1及びR
2のうち1つが不在である場合、前記不在のR
1又はR
2を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
1又はR
2のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
4及びR
5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;
R
4及びR
5のうち1つが不在である場合、前記不在のR
4又はR
5を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
4又はR
5のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
3及びR
6が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
7、R
10、R
11、及びR
14が、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
8及びR
12が、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0128】
いくつかの実施形態において、式(II)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーについて、R1、R2、R4、及びR5が、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R1及びR2のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルから選択され、R4及びR5のうち少なくとも1つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルから選択される。
【0129】
いくつかの実施形態において、式(II)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものについて、R1、R2、R4、及びR5が、不在、結合、メチル、トリフルオロメチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され;但し、R1及びR2のうち少なくとも1つが、メチル及びトリフルオロメチルから選択され、R4及びR5のうち少なくとも1つが、メチル及びトリフルオロメチルから選択される。
【0130】
いくつかの実施形態において、式(II)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものについて、R3及びR6がそれぞれ独立してアリールである。例えば、R3及びR6がそれぞれ独立してフェニルである。いくつかの実施形態において、R3及びR6がそれぞれ独立してメチルである。
【0131】
いくつかの実施形態において、式(II)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述の架橋ポリマーのうち任意のものについて、R7、R8、R10、R11、R12、及びR14がそれぞれ独立してアルキルである。例えば、R7、R8、R10、R11、R12、及びR14がそれぞれ独立してメチルである。
【0132】
本開示はさらに、式(III-A)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーを特徴とする。
【化38】
式中、R
1、R
2、R
4、及びR
5が、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち2つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち残りの2つがそれぞれメチルである。
【0133】
いくつかの実施形態において、式(III-A)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーは、式(III-B)の繰り返し単位をさらに含む。
【化39】
式中、R
1、R
2、R
4、及びR
5が、不在、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち1つが不在であり、前記不在のR
1、R
2、R
4、又はR
5を含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
1、R
2、R
4、又はR
5のうち1つが不在であるイミダゾリル基);
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち残りの2つがそれぞれメチルである。
【0134】
いくつかの実施形態において、式(III-A)の繰り返し単位を含む、又は式(III-A)及び(III-B)の繰り返し単位を含む、架橋ポリマーは、式(III-C)の繰り返し単位をさらに含む。
【化40】
式中、R
1、R
2、R
4、及びR
5が、結合、メチル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、
但し、
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);
R
1、R
2、R
4、及びR
5のうち残りの3つがそれぞれメチルである。
【0135】
いくつかの実施形態において、式(III-A)の繰り返し単位を含む;式(III-A)及び(III-B)の繰り返し単位を含む;又は式(III-A)、(III-B)、及び(III-C)の繰り返し単位を含む、架橋ポリマーは、式(III-D)の繰り返し単位をさらに含む。
【化41】
【0136】
いくつかの実施形態において、式(III-A)、(III-B)、(III-C)、及び(III-D)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーが、rモルパーセントの式(III-A)の繰り返し単位、sモルパーセントの式(III-B)の繰り返し単位、tモルパーセントの繰り返し単位(III-C)、及びuモルパーセントの繰り返し単位(III-D)を含み、
rが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
sが1モルパーセント~50モルパーセントであり、
tが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
uが5モルパーセント~95モルパーセントであり、
r+s+t+u=100%である。
【0137】
式(III-A)、(III-B)、(III-C)、及び/又は(III-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)上述のポリマーのうち任意のものにおいて、1又は複数のR1、R2、R4、及びR5が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキルで官能化された後に、ポリマーを架橋することができる。いくつかの実施形態において、1又は複数のR1、R2、R4、及びR5が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキルで官能化される前に、ポリマーが架橋される。
【0138】
本開示はまた、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーを特徴とする。
【化42】
式中、
R
1a、R
2a、R
4a、及びR
5aが、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
1a、R
2a、R
4a、及びR
5aのうち2つが、架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R
1a、R
2a、R
4a、及びR
5aのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
1b、R
2b、R
4b、及びR
5bが、不在、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
1b、R
2b、R
4b、及びR
5bのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R
1b、R
2b、R
4b、及びR
5bのうち1つが不在であり、前記不在のR
1b、R
2b、R
4b、又はR
5bを含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR
1b、R
2b、R
4b、又はR
5bのうち1つが不在であるイミダゾリル基);R
1b、R
2b、R
4b、及びR
5bのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
1c、R
2c、R
4c、及びR
5cが、結合、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及び架橋部分からそれぞれ独立して選択され、但し、R
1c、R
2c、R
4c、及びR
5cのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R
1c、R
2c、R
4c、及びR
5cのうち残りの3つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され、
R
1d、R
2d、R
4d、及びR
5dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
3a、R
6a、R
3b、R
6b、R
3c、R
6c、R
3d、及びR
6dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロアリールからそれぞれ独立して選択され;
R
7a、R
10a、R
11a、R
14a、R
7b、R
10b、R
11b、R
14b、R
7c、R
10c、R
11c、R
14c、R
7d、R
10d、R
11d、及びR
14dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され;
R
8a、R
12a、R
8b、R
12b、R
8c、R
12c、R
8d、及びR
12dが、水素(H)、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択され、
前記ポリマーが、rモルパーセントの式(IV-A)の繰り返し単位、sモルパーセントの式(IV-B)の繰り返し単位、tモルパーセントの繰り返し単位(IV-C)、及びuモルパーセントの繰り返し単位(IV-D)を含み、
rが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
sが1モルパーセント~50モルパーセントであり、
tが1モルパーセント~95モルパーセントであり、
uが5モルパーセント~95モルパーセントであり、
r+s+t+u=100%である。
【0139】
いくつかの実施形態において、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーについて、R1a及びR2aのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)、残りのR1a又はR2aが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択され;R4a及びR5aのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)、残りのR4a又はR5aが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びアラルキルから選択される。
【0140】
いくつかの実施形態において、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、R1a及びR2aのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)、残りのR1a又はR2aが、メチル及びトリフルオロメチルから選択され;R4a及びR5aのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる)、残りのR4a又はR5aが、メチル及びトリフルオロメチルから選択される。
【0141】
いくつかの実施形態において、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、R1b、R2b、R4b、及びR5bのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R1b、R2b、R4b、及びR5bのうち1つが不在であり、前記不在のR1b、R2b、R4b、又はR5bを含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR1b、R2b、R4b、又はR5bのうち1つが不在であるイミダゾリル基);R1b、R2b、R4b、及びR5bのうち残りの2つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0142】
いくつかの実施形態において、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、R1b、R2b、R4b、及びR5bのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R1b、R2b、R4b、及びR5bのうち1つが不在であり、前記不在のR1b、R2b、R4b、又はR5bを含むイミダゾリル基が中性であり(すなわち、そのR1b、R2b、R4b、又はR5bのうち1つが不在であるイミダゾリル基);R1b、R2b、R4b、及びR5bのうち残りの2つが、メチル、及びトリフルオロメチルからそれぞれ独立して選択される。
【0143】
いくつかの実施形態において、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、R1c、R2c、R4c、及びR5cのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R1c、R2c、R4c、及びR5cのうち残りの3つが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。例えば、R1c、R2c、R4c、及びR5cのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R1c、R2c、R4c、及びR5cのうち残りの3つが、メチル及びトリフルオロメチルからそれぞれ独立して選択される。いくつかの実施形態において、R1c、R2c、R4c、及びR5cのうち1つが架橋部分及び結合から選択され、前記結合が架橋部分に結合するように構成され(前記架橋部分は、同じポリマー鎖上にあるか、又は異なるポリマー鎖上にあることができる);R1c、R2c、R4c、及びR5cのうち残りの3つがそれぞれメチルである。
【0144】
いくつかの実施形態において、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、R1d、R2d、R4d、及びR5dが、アルキル、ペルフルオロアルキル、及びヘテロアルキルからそれぞれ独立して選択される。例えば、R1d、R2d、R4d、及びR5dが、メチル及びトリフルオロメチルからそれぞれ独立して選択される。例えば、R1d、R2d、R4d、及びR5dがそれぞれメチルである。
【0145】
いくつかの実施形態において、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、R3a、R6a、R3b、R6b、R3c、R6c、R3d、及びR6dがそれぞれ独立してアリールである。例えば、R3a、R6a、R3b、R6b、R3c、R6c、R3d、及びR6dがそれぞれ独立してフェニルである。
【0146】
いくつかの実施形態において、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、R7a、R10a、R11a、R14a、R7b、R10b、R11b、R14b、R7c、R10c、R11c、R14c、R7d、R10d、R11d、及びR14dがそれぞれ独立してアルキルである。例えば、R7a、R10a、R11a、R14a、R7b、R10b、R11b、R14b、R7c、R10c、R11c、R14c、R7d、R10d、R11d、及びR14dがそれぞれ独立してメチルである。
【0147】
いくつかの実施形態において、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む(又はから本質的に成る、又はから成る)架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、R8a、R12a、R8b、R12b、R8c、R12c、R8d、及びR12dがそれぞれ独立してアルキルである。例えば、R8a、R12a、R8b、R12b、R8c、R12c、R8d、及びR12dがそれぞれ独立してメチルである。
【0148】
いくつかの実施形態において、架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、架橋ポリマーが、1M~6Mの水酸化物を含む水溶液にさらされたときに、実質的に安定である。
【0149】
いくつかの実施形態において、架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、架橋部分が、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、ヘテロアリーレン、及びポリマー架橋部分から選択され、前記アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換される。例えば、架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、架橋部分は、アルキレン、ペルフルオロアルキレン、ヘテロアルキレン、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択することができ、前記アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換される。例えば、前記架橋部分が、アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンから選択され、前記アリーレン、アラルキレン、及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換される。別の例として、架橋部分は、アラルキレン及びヘテロアリーレンから選択することができ、前記アリーレン及びヘテロアリーレンが、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で、それぞれ任意選択的に置換される。いくつかの実施形態において、式(IV-A)、(IV-B)、(IV-C)、及び(IV-D)の繰り返し単位を含む架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、前記架橋部分が、アルキル、ペルフルオロアルキル、ヘテロアルキル、及びハロから独立して選択される1、2、3、又は4の置換基で任意選択的に置換されたアラルキレンである。例えば、架橋部分は、
【化43】
であることができ、式中、R
120、R
121、R
122、及びR
123が、水素(H)、アルキル、及びペルフルオロアルキルからそれぞれ独立して選択される。いくつかの実施形態において、架橋ポリマーの上述の実施形態のうち任意のものについて、架橋部分が
【化44】
である。
【0150】
いくつかの実施形態において、上述の架橋ポリマーのうち任意のものについて、ポリマーが、ヨウ化物、臭化物、塩化物、フッ化物、三ヨウ化物、水酸化物、炭酸、重炭酸、シアン化物、酢酸、硝酸、硫酸、リン酸、トリフレート、トシレート、テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸、ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド、及びそれらの任意の組み合わせから選択される1又は複数のアニオンX-を含み、前記1又は複数のアニオンX-が、前記ポリマー中の1又は複数の正電荷を相殺する。例えば、前記1又は複数のアニオンX-は、ヨウ化物、臭化物、塩化物、フッ化物、三ヨウ化物、水酸化物、炭酸、重炭酸、硫酸、リン酸、トリフレート、トシレート、テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸、ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド、及びそれらの任意の組み合わせから選択することができ、前記1又は複数のアニオンX-が前記ポリマー中の1又は複数の正電荷を相殺する。別の例として、前記1又は複数のアニオンX-は、ヨウ化物、臭化物、塩化物、フッ化物、水酸化物、炭酸、重炭酸、及びそれらの任意の組み合わせから選択することができ、前記1又は複数のアニオンX-が前記ポリマー中の1又は複数の正電荷を相殺する。いくつかの実施形態において、上述の架橋ポリマーのうち任意のものについて、架橋ポリマーは、1又は複数の水酸化物アニオンをさらに含み、前記1又は複数の水酸化物アニオンが前記ポリマー中の1又は複数の正電荷を相殺する。
【0151】
いくつかの実施形態において、上述の架橋ポリマーのうち任意のものは、イオン性膜及び/又はイオノマーに組み込むことができる。このイオノマーは、例えば、燃料電池の、電解装置の、又は他の電気化学デバイスの触媒層に組み込むことができる。
【0152】
架橋ポリマーの一例が、下記の例1において提供される。この架橋ポリマーは、機械的に安定性且つアルカリ安定性のアニオン伝導膜を提供し、これは水及び有機溶媒中での溶解に耐性があった。この架橋ポリマーにより、より広い範囲の動作条件にわたって高いアニオン伝導率を有する高度に官能化された膜の調製が可能となる。
【実施例】
【0153】
例
【0154】
例1.架橋ポリマーの合成及び特徴付け
【0155】
この研究において、部分的にジメチル化されたHMT-PMBI I-を、その大規模合成の容易さ、優れたex-situ及びin-situ性能、及び水酸化物安定性のために、選択した。部分的なメチル化の限界及び水酸化物環境における過度の膨潤を克服するために、部分的にジメチル化されたHMT-PMBI I-をα,α'-ジクロロ-p-キシレンで架橋した。塩化物形態の膜の、水吸着性、イオン伝導率、及び機械的安定性などのex-situ特性を調査した。水酸化物安定性は、小分子研究によって合理化し、ex-situポリマー安定性と比較した。in-situ特性は、AAEM-FC及び水電解装置試験で調査した。
【0156】
化学薬品
【0157】
すべての材料は、Sigma Aldrichから購入し、特に断りのない限り、α,α'-ジクロロ-p-キシレン(98%)、4-メチルベンジルクロリド(98%)、及びヨウ化メチル(99%、MeI)のように、試薬グレードであった。ジエチルエーテル、ヘキサン、及び塩化カリウムは、ACP Chemicals Inc.から購入した。水酸化カリウムは、Macron Fine Chemicalsから購入した。アセトン、ジクロロメタン、酢酸エチル、及びメタノールは、Fisher Chemicalから購入した。塩酸は、Anachemia Scienceから購入した。硝酸カリウムは、Caledon Laboratoriesから購入した。メタノール-d4(D、99.8%、CD3OD)及びジメチルスルホキシド-d6(D、99.9%、DMSO-d6)は、Cambridge Isotope Laboratoriesから購入した。2-メシチル-1H-ベンズイミダゾール及びHMT-PMBIは、それぞれ、A.G. Wright et al., Hexamethyl-p-terphenyl poly(benzimidazolium): a universal hydroxide-conducting polymer for energy conversion devices, Energy Environ. Sci. 9 (2016) 2130-2142、及びA.G. Wright et al., Poly(phenylene) and m-Terphenyl as Powerful Protecting Groups for the Preparation of Stable Organic Hydroxides, Angew. Chem. Int. Ed. 55 (2016) 4818-4821(これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)にしたがって調製した。脱イオン水(DI水)は、>18.2MΩ cmの抵抗率を有するMillipore Milli-Q浄水システムから得た。1H NMR及び13C NMRスペクトルは、TopSpin 2.1の下でIconNMRを実行している500 MHz Bruker AVANCE IIIで得た。DMSO-d6及びCD3ODについての残留1H NMRスペクトル溶媒ピークは、それぞれ2.50ppm及び3.31ppmに設定した。DMSO-d6についての残留13C NMRスペクトル溶媒ピークは、39.52ppmに設定した。エレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI-MS)は、ポジティブモードのBruker micrOTOFを使用して実施した。全ての測定は、3つのサンプルそれぞれについて少なくとも3回繰り返した。
【0158】
2-メシチル-3-メチル-1-(4-メチルベンジル)-1H-ベンズイミダゾリウム(BzMeB)ヨージドの合成
【0159】
粉末水酸化カリウム(0.46g、8.20mmol)及びジメチルスルホキシド(15mL)を50mL丸底フラスコに添加し、30分間室温で激しく撹拌した。次いで、ジメチルスルホキシド(15mL)中の2-メシチル-1H-ベンズイミダゾール(1.0013g、4.24mmol)を塩基性混合物に添加した。45分間撹拌した後、4-メチルベンジルクロリド(0.60mL、4.53mmol)を添加し、1時間室温で撹拌した。次いで、溶液を、水酸化カリウム(0.92g)を含有する水(200mL)に注いだ。ジエチルエーテルを添加し、有機物を抽出し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固した。残留物をジクロロメタン(10mL)に溶解した。ヨードメタン(2.6mL、41.8mmol)を添加し、キャップをした混合物を室温で22時間撹拌した。次いで、動的真空を使用して溶液を50℃で蒸発乾固し、ジエチルエーテル(100mL)を添加した。1時間撹拌した後、結果として得られた固体を回収し、ジエチルエーテルで洗浄した。固体を酢酸エチル/アセトンから再結晶化し、追加の酢酸エチルで洗浄し、真空下で100℃で乾燥して、BzMeB(0.84g、41%)を淡黄色の固体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ): 8.28 - 8.22 (m, 1H), 8.20 - 8.13 (m, 1H), 7.85 - 7.74 (m, 2H), 7.21 (s, 2H), 7.10 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 5.48 (s, 2H), 3.81 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 1.85 (s, 6H). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6, δ): 149.98, 143.09, 138.59, 138.06, 131.84, 131.07, 130.55, 129.28, 129.15, 127.77, 127.17, 126.84, 117.11, 114.28, 114.05, 48.93, 32.21, 20.97, 20.63, 18.83. ESI-MS m/z calcd for C25H27N2
+ [M+]: 355.217, found 355.220.
【0160】
単結晶X線回折(XRD)
【0161】
無色の針状結晶として、ヨウ化物形態で、BzMeBを結晶化した。この針状結晶は、化合物を水に溶解し、溶媒を空気中で室温でゆっくりと蒸発させることによって調製した。単結晶は、結晶から5.0cm離れたところにAPEX II CCD検出器を備えるBruker SMART APEX IIシステムを使用して、XRDによって分析した。データは周囲条件下で収集し、APEX2 Suiteで処理し、ShelXleで構造を精緻化した。結晶構造の図は、ソフトウェアMercuryを使用して作成した。
【0162】
膜調製
【0163】
部分的にメチル化されたポリ[2,2'-(2,2'',4,4'',6,6''-ヘキサメチル-p-テルフェニル-3,3''-ジイル)-5,5'-ビベンズイミダゾール](HMT-PMBI)ポリマーを、例えば、A.G. Wright, S. Holdcroft, Hydroxide-Stable Ionenes, ACS Macro Lett. 3 (2014) 444-447及びA.G. Wright et al., Hexamethyl-p-terphenyl poly(benzimidazolium): a universal hydroxide-conducting polymer for energy conversion devices, Energy Environ. Sci. 9 (2016) 2130-2142(これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される合成経路にしたがって調製した。メチル化度(dm)は、4.30ppmと3.78ppmとの間のシグナルの下の面積を12に設定し、3.78ppmと3.50ppmとの間のシグナルをxとして積分することによって、
1H NMRにより決定した。dmは以下の式により計算した。
【数1】
80±1%、84±1%、90±1%、及び94±1%のdmをそれぞれ有する、I
-形態のHT-PMBIをこの研究において使用した。これはシリーズAと呼ばれる。
【0164】
スキーム1に記載の反応にしたがって、架橋ポリマー膜を調製した。1.500gのI
-形態のHMT-PMBIを、12時間撹拌し穏やかに加熱することによって13.500gのDMSOに溶解して、10.0質量%の濃度の溶液を得た。ガラス繊維フィルターを通して真空ろ過した後、5.000gの新しく調製したDMSO中α,α'-ジクロロ-p-キシレン溶液を添加し、30分間室温で撹拌した。所望の架橋度(dx)及び初期のdmに応じて、α,α'-ジクロロ-p-キシレンの必要量を、以下の式を使用して決定した。
【数2】
【0165】
K202コントロールコーターのキャスティングテーブル及び調整可能なドクターブレード(RK PrintCoat Instruments Ltd)を使用して、0.75mmの薄いポリマーフィルムを、水平のガラスプレート上にキャストした。ポリマーフィルムは、オーブン内で、85℃で少なくとも12時間乾燥し、ガラスプレートから剥がし、5Lの蒸留水に24時間浸し、真空下で80℃で24時間乾燥した。
【0166】
【0167】
4つのシリーズのポリマー膜をこの技術(スキーム2)によって調製した。シリーズBは、80%、85%及び90%のdmを有し、5%の固定されたdxを有するHMT-PMBI I
-から調製した一方で、シリーズCは、80%のdmを有し、それぞれ0%、5%、10%及び15%のdxを有するHMT-PMBI I
-から調製した。シリーズDの膜は、以下に説明されるように、シリーズCからの後メチル化によって調製した。dmとdxの合計が、官能化度(df)を与える。
【数3】
【0168】
【0169】
膜は全て、それらのそれぞれのdm及びdxにちなんで名付けた。例えば、dm80dx15は、80%のdm及び15%のdxに対応する。
【0170】
膜の後メチル化
【0171】
スキーム3に記載の反応にしたがって、シリーズDについて可能な限り高い官能化度を有する膜を得るために、シリーズCの膜を1.6Lの脱イオン(DI)水に浸した後、2.7mlのMeIを添加した。24時間後、追加の2.7mlのMeIを添加し、膜を複数回DI水で48時間にわたり洗浄することによって、48時間後に反応を停止した。膜を真空下で80℃で少なくとも12時間乾燥した。
【0172】
【0173】
膜の前処理
【0174】
全ての膜サンプルを1MのKCl溶液に2回24時間浸漬し、分析前に48時間にわたり数回DI水で洗浄した。
【0175】
イオン交換容量
【0176】
イオン交換容量(IEC)を、各ポリマーの少なくとも3つのサンプルを、2回、15gの1MのKNO
3溶液に、24時間浸すことによって決定した。合わせた溶液のCl
-濃度([Cl
-]、ppm)を、Cl
-選択性電極(781 pH/イオンメータ、Metrohm AGのCl
-ISE)によって決定した。その後、膜を2回浸し、各浸漬は24時間1MのKCl溶液中で行い、複数回DI水で48時間洗浄し、80℃で真空下で24時間乾燥した。室温に真空下で冷却した後、乾燥重量(m
乾燥)を得た。式4(式中、m
溶液は抽出溶液の質量であり、M
Clは塩素のモル質量である)にしたがって、5回の測定にわたる平均を使用した。
【数4】
加えて、式5にしたがい、dm及びdxから理論的イオン交換容量を決定することができる。
【数5】
【0177】
吸水量
【0178】
膜サンプルをDI水に少なくとも24時間浸した。表面の水をペーパータオルで除去した後、湿潤質量(m
湿潤)を分析天びんで決定した。この手順を4回繰り返した。その後、膜を少なくとも12時間真空下で80℃で乾燥し、室温に真空下で冷却して、乾燥重量(m
乾燥)を決定した。この手順を5回繰り返し、平均質量をさらなる計算に使用した。吸水量は式6によって計算した。
【数6】
【0179】
寸法の膨潤
【0180】
各ポリマーの3つの膜サンプルの湿潤寸法は、DI水中で少なくとも24時間、室温(約25℃)、50℃及び80℃で平衡化した後に、Canon Canoscan 8400Fスキャナーで1600dpiでスキャンし、続いてImageJを使用して画像分析をすることによって、決定した。膜厚は、Mitutoyo Quickmike Series 293マイクロメータを使用して決定した。部分加湿膜寸法は、Espec SH-241環境チャンバーにおいて少なくとも6時間平衡化した後、同様に得た。
【0181】
乾燥寸法は、少なくとも12時間真空下で80℃で乾燥し、室温に真空下で冷却した後に得た。膨潤は式7によって決定した。
【数7】
【0182】
Cl-伝導率
【0183】
部分加湿及び完全加湿(湿潤)膜の面内塩化物イオン伝導率を、ACインピーダンス分光法によって、25℃、50℃及び80℃で決定した。環境チャンバー内の相対湿度(RH)は、それぞれ30%、50%、70%及び90%に設定した。膜を、RH変更の後少なくとも2時間、そして温度変更の後少なくとも6時間、平衡化した。T. Weissbach, et al., Structural effects on the nano-scale morphology and conductivity of ionomer blends, J. Mater. Chem. 22 (2012) 24348-24355(これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように、2つのテフロンブロックによって2つの白金電極上に膜を押し付けた。インピーダンス測定は、10MHz~100Hzの100mV正弦波AC電圧を使用して実施した。膜の抵抗(R、Ω)は、得られたNyquistプロットに標準Randles等価回路を当てはめることによって決定した。得られた抵抗、所与の条件での膜の寸法、及び白金電極間の距離(d、cm)を使用することによって、Cl
-伝導率(σ、mS/cm)を計算した。
【数8】
【0184】
有機溶媒中での膨潤及び溶解性
【0185】
乾燥寸法及び質量を、上述のように、少なくとも12時間真空下で80℃で乾燥した後に得た。膜サンプルを、室温で、メタノール、エタノール及びDMSO中に48時間浸した後に、寸法を得て、111日後にDI水で48時間にわたり複数回洗浄し、乾燥重量m
乾燥,111dを得た。ゲル分率X
ゲルを式9にしたがって計算した。
【数9】
【0186】
BzMeBの安定性試験
【0187】
5mLポリテトラフルオロエチレン(PTFE)容器に、5.0mLの3MのNaOD/CD3OD/D2O(D2O中の2.05gの30質量%NaODをCD3ODで希釈して5.0mLにすることにより調製した)を添加し、次いで46.9mgのBzMeB(ヨウ化物形態)を添加した。混合物を密閉し、80℃のオーブンで5分間加熱して、固体を完全に溶解した。次いで、容器を室温に冷却し、0.6mLを1H NMR分光分析のために取り出した(「0時間(0h)」測定)。次いで、容器を80℃のオーブンに入れた。ある特定の時点(50時間、96時間、168時間、及び240時間)で、容器を短時間室温に冷却し、0.6mLの画分を1H NMR分光分析のために取り出し、その後直ちに容器をオーブンに戻した。80℃で240時間後、溶液をビーカーに注ぎ入れて、水で希釈した。希塩酸及び炭酸水素ナトリウムの添加によって溶液を中和した(pH=7)。ジエチルエーテルを添加して有機層を抽出し、水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてろ過した。動的真空を使用して溶媒を40℃で蒸発させて、質量分析法によって残留物を分析した。
【0188】
下記の式(1)を使用して、様々な時点での
1H NMRスペクトル分析から、残存ベンズイミダゾリウムの相対的な量を決定した。スペクトルは、500MHz分光計で取得し、3.31ppmの残留CD
3ODピークを基準とし、MestReNova 9.0.1の「フルオート(多項式フィット)」機能を使用してベースライン補正した。
【数10】
式中、n
tは、ベンズイミダゾリウムの4位及び7位での重水素交換を説明し、ここでn
tは、時間tにおいて8に等しく(ただし初期の0時間での測定(これは10に等しい)を除く)、x
tは、時間tにおける、8.30~6.40ppmの全芳香族領域についての積分値y
tに対する、7.91~7.77ppmの領域の積分値を表し、n
0、x
0、及びy
0は、初期の0時間での測定についてのそれぞれの値を表す。
【0189】
架橋ポリマー膜の安定性試験
【0190】
塩化物形態の膜サンプルを、3MのKOH水溶液中に168時間80℃で浸漬した。その後、膜を、1MのKCl、0.02MのHCl、1MのKCl及びDI水で、複数回洗浄した。12時間80℃で乾燥した後、1cm-1の分解能を有するPerkin Elmer Spectrum Two全反射測定法(ATR)FTIR分光計を使用して、赤外スペクトルを記録した。スペクトルは、450~4000cm-1の32のスキャンにわたる平均であった。
【0191】
結果
【0192】
スキーム2にしたがって、様々な量のα,α'-ジクロロ-p-キシレン架橋剤とともにHMT-PMBIポリマーをキャストし、スキーム1に示される反応にしたがってp-キシレン架橋膜を得た。基準として、80%~95%のdmを有する非架橋HMT-PMBI膜を調製した。得られた膜は全て、強靭で、可撓性であり、透明であった。架橋反応を確認するために、IR分光法を実施した。
【0193】
これまでに、HMT-PMBI Cl
-が、OH
-形態の膜と同様の水吸着性及び伝導率を有していることが見出された。したがって、CO
2吸収によって引き起こされる混合炭酸形態からの不整合及び逸脱を回避するために、全ての膜をCl
-形態に変換した。
図1A-1Dに示されるように、IECは、官能化度(df)の増加とともに増加した。シリーズAの非架橋HMT-PMBI膜は、dmに依存して、1.6mmol/g~2.2mmol/gのIEC
Cl-を有した。ベンズイミダゾールのベンズイミダゾリウムへの官能化は、前述のようなメチル化によって、又は架橋剤の付加によって、行うことができる。両方の反応がIECを増加させる。5%架橋を付加すると(シリーズB)、非架橋膜(シリーズA)と比較して、IECが約0.1mmol/g増加した。85%(dm=80%、dx=5%)と、95%(dm=90%、dx=5%)のdfの間で、IECは、それぞれ1.7mmol/gから2.2mmol/gに増加した。理論的IECと比較すると、シリーズA及びシリーズBの全ての理論的に存在するイオン交換部位の約80%を交換することができた。80%ジメチル化されたHMT-PMBI(シリーズC)に付加された架橋剤が多いほど、利用可能なイオン交換部位と理論的に利用可能なイオン交換部位との比率がより小さかった。IECはdfの増加とともに1.7mmol/gから2.0mmol/gに増加したが、イオン交換部位接近可能性は83%から74%に低下した。シリーズCの膜の後メチル化は、IECを2.2mmol/gに増加させ、イオン交換部位接近可能性が75%~78%となった(シリーズD)。全ての材料は、100%未満の交換部位接近可能性を示し、このため架橋定量化が不可能であった。
【0194】
IECの増加に加えて、架橋を組み込むことによってまた、膨潤及び溶解性が減少した。
図2A-2Dは、25℃~80℃のDI水中での膨潤体積を示した。df又は温度の増加は、膨潤の増加をもたらした。df=dmが90%及び95%の非架橋HMT-PMBIは、それぞれ、50℃~80℃又は25℃~50℃で溶解する。高温での溶解は、少なくとも5%のdxを有することによって防止することができた(シリーズB):最大950%の体積膨潤を測定したが、膜は構造的にインタクトなままであった。架橋度を15%まで増加させると(シリーズC)、80℃で95%の中程度の膨潤がもたらされた。後メチル化の後、dxの増加とともに膨潤の減少を観察することができた(シリーズD)。非架橋膜は25℃を超えると溶解したが、膨潤は、dxに依存して、900%から220%に低下した。50℃での膨潤と80℃での膨潤との間の小さな差は、言及する価値があった。体積膨潤が吸水量に比例することが見出されたため、この時点では体積膨潤のみを論じた。
【0195】
有機溶媒中で、非架橋HMT-PMBIは、25℃で迅速に溶解した。
図3A-3Cは、水と比較した、エタノール、メタノール、及びDMSO中における、シリーズB、シリーズC及びシリーズDの、部分的にジメチル化されたHMT-PMBIの体積膨潤S
xyzを示した。膨潤は、全ての材料について、H
2O<EtOH<MeOH<DMSOで増加することが見出された。シリーズBは、上で説明した水中での膨潤と同様の傾向を示した:dfの増加は、膨潤の増加をもたらした。対照的に、シリーズCは、シリーズDと同様の傾向を示した:dxの増加は、dfの増加にもかかわらず、膨潤の減少をもたらした。室温で111日後、EtOH、MeOH及びDMSO中の全ての架橋膜のゲル分率X
ゲルが93±2%であることが見出された。
【0196】
25℃、50℃及び80℃の水中での塩化物伝導率測定の結果を
図4A-4Dに要約する。非架橋膜(シリーズA)の最も高い伝導率は、辛うじて不溶性の膜について測定された:最も高い伝導率は、25℃ではdm95について測定され(15mS/cm)、50℃ではdm90について測定され(19mS/cm)、80℃ではdm85について測定された(27mS/cm)。シリーズBでは、dfの増加は、25℃及び50℃で伝導率の増加をもたらした。それぞれ、最大12mS/cm及び24mS/cmが測定された。しかしながら、80℃では、dm90dx5の過度の膨潤に起因して、この傾向は妨害され、dm85dx5(df=90%)について最も高い伝導率が測定された。dxを15%まで増加させると、25℃で10mS/cmの極めて低い伝導率がもたらされたが、80℃では、dxにより伝導率の増加がもたらされ、最大30mS/cmであった(シリーズC)。後メチル化は、IECを増加させ、親水性のイオン交換部位の量を増加させる。膜における、より多量のイオン電荷キャリアと、よりよく結合した水相との組み合わせは、25℃で伝導率の増加をもたらす(シリーズD)。14mS/cm~15mS/cmの伝導率が測定された。温度を上げると、10%及び15%のdxを含む膜のみが、伝導率の顕著な増加を示した。膨潤の減少に起因して、高い伝導率のためには、高いdxが好ましかった。15%架橋を含む後メチル化された膜について、50℃及び80℃でそれぞれ、25mS/cm及び35mS/cmが測定された。湿潤の場合、非架橋95%ジメチル化、非架橋及び後メチル化膜(シリーズD)は、15mS/cmで、25℃で最も高いCl
-伝導率を示した。50℃の温度で、少量の架橋剤で高度に官能化された膜及び高度に架橋され後メチル化された膜は、最も高い性能を示した(約25mS/cm)。80℃で、最も高い伝導率が、高度に架橋された膜(約35mS/cm)及び80%のdmを有する非架橋膜(28mS/cm)について測定された。
【0197】
燃料電池動作中のあまり理想的でない条件下での伝導率もまた重要である。
図5A-5Cは、塩化物伝導率が相対湿度及び温度に依存することを示した。高度に官能化された非架橋膜(シリーズA、dm90及びdm95)は、90%RHで、25℃で5mS/cm~7mS/cm、80℃で18mS/cm~22mS/cmの伝導率を示した。シリーズB(例えばdm90dx5)及びシリーズC(例えばdm80dx15)の高度に官能化された膜は同等の伝導率を有していたことがわかる。特に、85%メチル化された非架橋膜は、部分的な加湿下で低い伝導率を示したが、それらは水中80℃で高度に伝導性であった。90%RHで、25℃及び80℃でそれぞれ、3.5mS/cm及び11mS/cmが測定された。これは、低温での高いイオン交換及び伝導率を促進する水を吸収する部分的な加湿の重要性を示した。
【0198】
図6A-6Dは、後メチル化された膜の塩化物伝導率をRHの関数としてプロットしている。部分的な加湿下では、全ての膜は、dxとは独立して、所与のRH及び温度に対して、非常に類似した伝導率を示した。90%RHと水に浸した膜との間で差が見られた:非架橋膜は90%RHで高い伝導率を与えたが、25℃より高い温度で溶解した。dxを5%から15%に至るまで増加させることによって、90%RHの膜の伝導率と完全に浸した膜の伝導率との間の傾きは、50℃及び80℃で顕著に増加した。これは、水中高温での水吸着性の減少の重要性を示した。
【0199】
部分的な加湿下での、25℃及び80℃での、機械的特性調査の結果を表1にまとめる。全ての試験材料は、約150%の装置のひずみ(ε)限界を超えた。したがって、ε=100%での応力(σ)が、材料の靭性の指標を与えた。温度及び相対湿度が上昇すると、ヤング率(E)及びσε=100%が低下した。これは、水が可塑剤として機能しているためである可能性がある。ほとんどの特性は互いの標準偏差内にあった。このことは、調べたポリマー間で機械的強度に大きな違いがないことを示している。全ての材料は、同様の乾燥HMT-PMBI Cl-と比較して、より高いヤング率及び少なくとも2倍の破断伸度を有することが見出された。サンプル調製技術の向上が、最大ひずみの向上の最も明白な理由であった。
【0200】
【0201】
ベンジル架橋剤の水酸化物安定性を調査するために、スキーム4に示されるように、小分子モデル化合物、BzMeBを調製した。ベンジル基上のp-メチルを使用して、架橋剤のp-キシリル部分を模倣した。
【0202】
【0203】
BzMeBの定量的水酸化物安定性は、例えば、A.G. Wright et al., Poly(phenylene) and m-Terphenyl as Powerful Protecting Groups for the Preparation of Stable Organic Hydroxides, Angew. Chem. Int. Ed. 55 (2016) 4818-4821(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される、同様のベンズイミダゾリウム化合物の安定性試験と同様に、化合物(0.02M)を3MのNaOD/CD
3OD/D
2O中に80℃で240時間溶解することによって決定した。経時的な溶液の
1H NMRスペクトルを
図7に示す。
【0204】
図7は、ベンズイミダゾリウムの4位及び7位(H
b)、ベンジルプロトン(H
e)、及び全てのメチル基上で、経時的に、顕著な重水素交換があったことを示す(ただし、ベンジル基上のp-メチル(H
h)を除く)。加えて、芳香族領域及びアルキル領域に新規のピークが現れ、経時的に成長した。これは分解を意味する。
【0205】
分解の程度を定量化するために、
1H NMRスペクトルの5位及び6位のプロトン(H
c)の積分を、全芳香族領域と経時的に比較した。式10を使用して、
図8においてプロットしたように、残存ベンズイミダゾリウムの相対的な量を経時的に計算した。240時間後、11%の分解しか観察されなかった。データが疑似一次傾向にしたがったため、指数曲線をデータに当てはめて、半減期(t
1/2)を1510時間と計算した。これは、開環分解によってのみ分解することが報告された2-メシチル-1,3-ジメチルベンズイミダゾリウム(t
1/2=436時間)よりも、およそ3.5倍安定であった。
【0206】
これは、ベンジル基がC2位の周りの立体障害を強化し、したがって開環分解を妨げたことを示唆した。理論に縛られることを望むものではないが、ベンズイミダゾリウムの水酸化物安定性は、結晶中のC2-I
-の距離に比例したと考えられる。ヨウ化物形態のBzMeBに対して単結晶XRDを実施した(
図9)。二面角は、イミダゾリウム面とC2-フェニル面に対して、83.4°及び84.7°であると測定された。これは、2-メシチル-1,3-ジメチルベンズイミダゾリウム(79.2°及び83.8°)よりもわずかに大きい。最も近いC2からI
-までの距離もまたわずかに大きく、4.862Åであり、安定性の向上とよく一致した。
【0207】
ベンジル基が新規の分解経路を導入したかどうかを検証するために、240時間実験後のBzMeBの分解生成物を単離し、質量分析法によって分析した。観察された生成物の1つは、開環生成物であった。これは、C2位の周りの立体障害が増加した一方で、それは開環分解を完全に軽減するには十分でなかったことを示唆している。しかしながら、2つのさらなる分解生成物もまた観察された。これらは、スキーム5に示されるように、N-官能基の求核置換(脱アルキル化)に起因していた。
【0208】
【0209】
これは、開環分解に対する安定性の増加が、追加の経路をもたらすことを実証した。N-メチル基が置換されただけでなく、より嵩高いベンジル基も置換された。それにもかかわらず、1つのN-メチル基を1つのベンジル基で置き換えることによる、小分子の安定性の全体的な向上は、HMT-PMBI上のp-キシリル架橋基を使用することによって、機械的安定性が向上するだけでなく、そのアルカリ化学的安定性も大幅に向上するはずであるということを示唆した。アルカリ安定性をさらに向上するための、立体的に保護されていない1,3-ジベンジルポリ(ベンズイミダゾリウム)の合成は、困難であると報告された。
【0210】
したがって、p-キシリル架橋基を、部分的にジメチル化されたHMT-PMBIに首尾よく組み込んで、機械的に安定性且つアルカリ安定性のアニオン伝導膜を得た。多数の異なる組成物の調製及び様々な異なる温度及び湿度下でのそれらの分析は、水吸着性及びアニオン伝導率における傾向を明らかにした。非架橋HMT-PMBI Cl-は、高度に伝導性であることができたが、特定の環境条件は、強力なアニオン伝導体であるための特定の官能化度を必要とした。架橋HMT-PMBI Cl-は、水及び有機溶媒中での溶解に耐性があることが見出された。これにより、高度に官能化された膜は、より広い範囲の動作条件にわたって高いアニオン伝導率を提供することができた。
【0211】
例示的な実施形態を例示し説明してきたが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができるということを理解されたい。