(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】外科用ステープリング及び切断デバイスおよびこのデバイスの使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
A61B17/072
(21)【出願番号】P 2017156785
(22)【出願日】2017-08-15
(62)【分割の表示】P 2017019295の分割
【原出願日】2006-07-25
【審査請求日】2017-09-08
【審判番号】
【審判請求日】2019-05-22
(32)【優先日】2005-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2006-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2006-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508024083
【氏名又は名称】エシコン エンド-サージェリー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ケビン,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,マシュー,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】クライン,コーリ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ドゥビル,デレク,ディー
【合議体】
【審判長】芦原 康裕
【審判官】佐々木 一浩
【審判官】栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-336540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M17/068-17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用デバイスであって、
近位端及び遠位端を有する器具シャフトと、
前記器具シャフトの前記近位端に接続された制御ハンドルと、
前記器具シャフトの前記遠位端にジョイントにおいて接続された外科用端部作動体と、
を具えており、
前記外科用端部作動体が、前記ジョイントにおいて前記器具シャフトに対して、横径移動するよう連接動作可能であり、
前記外科用端部作動体が、固定位置に前記ジョイントを保持するよう構成されたプルツーリリース(pull-to-release)およびリリースツーリロック(release-to-relock)連接ロックを有しており、
前記制御ハンドルが、作動したときに、前記外科用端部作動体
が軸方向に整列した方向に戻るように連接ロックを解放するよう構成された連接ロックアクチュエータを有することを特徴とする外科用デバイス。
【請求項2】
外科用デバイスであって、
近位端及び遠位端を有する器具シャフトと、
前記器具シャフトの前記近位端に接続された制御ハンドルと、
前記器具シャフトの前記遠位端にジョイントにおいて接続された外科用端部作動体と、
を具えており、
前記外科用端部作動体が、前記ジョイントにおいて前記器具シャフトに対して、横径移動するよう連接動作可能であり、
前記外科用端部作動体が、固定位置に前記ジョイントを保持するよう構成されたプルツーリリース(pull-to-release)およびリリースツーリロック(release-to-relock)連接ロックを有しており、
前記制御ハンドルが、近位方向に変位可能な連接ロックアクチュエータであって、近位方向に変位するよう作動したときに、前記外科用端部作動体
が軸方向に整列した方向に戻るように連接ロックを解放するよう構成された連接ロックアクチュエータを有することを特徴とする外科用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用デバイスの分野に関し、特に、組織にステープルのラインを当てながら、これらのステープルラインの間の組織を切断することができる外科用ステープラ器具の分野に関し、更に、ステープラ器具の改良及び、連接型シャフトを含むこれらのステープラ器具の様々な構成部品を形成するプロセスの改良に関する。このデバイスは、特に、内視鏡または腹腔鏡外科手順を行う間に組織のステープリングおよび切断を行うのに用いることができる。
【0002】
内視鏡外科器具は、しばしば伝統的な開外科デバイスより好まれる。なぜなら、より小さい切開が、術後の回復時間と合併症を低減する傾向にあるためである。この結果、外套針のカニューラを通して所望の外科部位に遠位側端部作動体を正確に配置するのに好適な内視鏡外科器具の作動範囲に有意な開発がなされた。これらの遠位側端部作動体は、様々な方法で組織に係合して診断または治療効果をあげている(例えば、エンドカッタ、把持器、カッタ、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセスデバイス、薬剤/遺伝子セラピィ送出デバイス、超音波、RF、レーザなどを用いたエネルギィデバイス、他)。
【0003】
端部作動体の位置決めは、外套針によって強制される。一般的に、これらの内視鏡外科器具は、端部作動体と外科医が操作するハンドル部分との間に長いシャフトがある。この長いシャフトが、所望の深さへの挿入と、このシャフトの長軸を中心とする回転を可能にし、これによって、端部作動体を幾分位置決めすることができる。外套針を賢明に配置し、例えば、別の外套針を介して把持器を使用することで、多くの場合この位置決め量で十分である。例えば、Knodel et al.に付与された米国特許第5、465、895号などの外科用ステープリング及び切断器具は、挿入と回転によって端部作動体をうまく位置決めする内視鏡外科器具の一例である。
【文献】米国特許第5,465,895号
【0004】
United States Surgical Corporation社によって製造され、Green et al.に付与された米国特許第6,644,532号及び第6,250,532号に記載されているステープラは、同じステップで単一の面に沿って相応して移動するレバーの作動に応じて、単一の面に沿ってステップで回動する端部作動体を具える。
図31および
図32を参照されたい。しかしながら、United States Surgical Corporation社のステープラは、達成できる所定の角度と、左右の回動の制限(-45°から+45°)によって制限を受け、操作に二本の手を必要とする。
【文献】米国特許第6,644,532号
【文献】米国特許第6,250,532号
【0005】
挿入と回転に制限されるのではなく、操作の特性に依存して、内視鏡外科器具の端部作動体の位置決めを更に調整することが望まれる。特に、端部作動体をこの器具のシャフトの長軸を横切る軸に向けることがしばしば望まれている。この器具のシャフトに対する端部作動体の横径移動は、従来より、「連接」と呼ばれている。この連接型位置決めによれば、外科医は、いくつかの場合、より容易に組織に係合させることができる。また、有利なことに、連接型位置決めによれば、器具のシャフトによってブロックされることなく、端部作動体の背後に内視鏡を配置することができる。
【0006】
上述した非連接型ステープリングおよび切断器具は、実用性が高く多くの外科的手順にうまく利用することができるが、端部作動体を連接する能力をもってこの動作を強化して、これによって使用に際して外科医により優れたフレキシビリティを与えることが望まれる。連接型外科器具は、一般的に、器具シャフト内で、連接ジョイントを通って縦方向に移動して、カートリッジからステープルを発射して、最も内側のステープルライン間の組織を切断する一又それ以上の発射バーを使用している。これらの外科器具の一つの共通の問題は、連接ジョイントを通る発射バーの制御である。端部作動体は、シャフトと端部作動体のエッジが連接中にぶつからないように、連接ジョイントにおいてシャフトから縦方向にスペースを空けて配置されている。このギャップは、支持材料で満たされているか、あるいは、単一または複数の発射バーに縦方向の発射負荷がかかっているときに、発射バーのジョイントの留め金が外れてしまわないような構造でなくてはならない。必要なものは、連接ジョイントを通して単一又は複数の発射バーを案内して支持する潮路構造、あるいは端部作動体が連接される時に曲がるあるいは湾曲する支持構造である。
【0007】
Schulze et al.に付与された米国特許第5,673,840号は、エラストマ材料またはプラスチック材料で形成され、フレキシブル連接ジョイントを開示している。これはフレキシブルジョイントまたは「フレックスネック」で曲がる。発射バーは、フレックスネック内の中空チューブを通って支持され案内される。フレックスネックは、こう合閉鎖機構の一部であり、組織上でこう合部が閉じるときに、端部作動体、シャフト、発射バーに対して縦方向に移動する。次いで、ステープルが発射され組織が切断されるときに、発射バーがフレックスネック内を縦方向に移動する。
【0008】
Oberlin et al.に付与された米国特許第5,797,537号(Richard-Allan Medical Industries、Inc.が所有)は、フレックスジョイントを中心に曲がるのではなく、ピンの回りを回動する連接ジョイントを開示している。この器具では、発射バーは、一対のスペースを空けて配置された支持プレートの間に支持されている。このプレートは、一端部がシャフトに、他端部が端部作動体に連結されている。これらの連結の少なくとも一方が、摺動可能な連結である。支持プレートは、連接面においてフレキシブルな駆動部材近傍の連接ジョイントを通って延在しており、支持プレートは、先端がこの連接面内のギャップを通って曲がり、フレキシブル発射バーは、先端がその整合位置から一方向に連接される時に、支持プレートに対して曲がる。U.S.Surgicalからの Milliman et al.に付与された米国特許第6,330,965号は、シャフトに固定的に取り付けられ、端部作動体に摺動可能に取り付けられた支持プレートの使用を教示している。
【文献】米国特許第5,797,537号
【文献】米国特許第6,330,965号
【0009】
これらの公知の支持プレートは、連接ジョイントを通って発射バーを案内しているが、性能を強化しうると考えられる。例えば、多くの場合、発射バーが発射の間に急速に加速して、組織を効果的に切断するのに十分な運動量を確保することが望まれる。強固に取り付けられた支持プレートは、応答において無理に移動する傾向にあり、発射バーを連接ジョイントから飛び出させる。更なる例としては、連接しているかどうかにかかわらず、器具が同じ態様で動作することが望ましい。連接時の摩擦が大きくなることは好ましくなく、発射力の変化量を用いる必要がある場合、外科医を混乱させる。
【0010】
この結果、連接ジョイントを介して発射バーへの支持を強化する外科器具機構用の改良した連接機構が有意に求められている。
【0011】
従って、本発明の目的は、一般的なタイプの公知のデバイスと方法の上述した欠点を克服し、連接型外科用端部作動体を提供する外科用ステープリング及び切断デバイス及びこのデバイスを使用する方法を提供することである。
【0012】
上述の目的及びその他の目的を鑑みると、本発明によれば、端部作動体を制御ハンドルに連結する受動的連接ジョイントを具える、医療用デバイス端部作動体連結アッセンブリが提供されている。
【0013】
本発明の目的を鑑みると、制御ハンドルに連結された端部作動体を有する医療デバイスにおいて、当該端部作動体を制御ハンドルに連結する受動的連接ジョイントを具える作動体連結アッセンブリが提供されている。
【0014】
本発明の目的を鑑みると、また、制御ハンドルと、受動的連接接続を介してこの制御ハンドルに連結した外科用端部作動体を具える、医療デバイスが提供されている。
【0015】
本発明の目的を鑑みると、また、制御ハンドルと、この制御ハンドルに対して受動的に連接された外科用端部作動体を具える医療用デバイスが提供されている。
【0016】
本発明の目的を鑑みると、また、受動的連接ジョイントの第1の部分を有する制御ハンドルと、受動的連接ジョイントの第2の部分を有する外科用端部作動体を具え、この受動的連接ジョイントの第1及び第2の部分が端部作動体を制御ハンドルに連結している医療用デバイスが提供されている。
【0017】
本発明の目的を鑑みると、また、制御ハンドルと、端部作動体を制御ハンドルに連結する受動的連接ジョイントを有する外科用端部作動体を具える医療用デバイスが提供されている。
【0018】
本発明の目的を鑑みると、また、制御ハンドルと、外科用端部作動体と、この端部作動体を制御ハンドルに連結する受動的連接ジョイントを具える医療用デバイスが提供されている。
【0019】
本発明の目的を鑑みると、また、非作動状態および作動状態にある連接ジョイントアクチュエータを有する制御ハンドルと、外科用端部作動体と、この外科用端部作動体を制御ハンドルに連結する受動的連接ジョイントを具える医療用デバイスが提供されている。この連接ジョイントアクチュエータは、非作動状態にあるとき、受動的連接ジョイントを保持し、これによって端部作動体を実質的に固定された連接位置とし、作動状態にあるときに、受動的連接ジョイントを連接自在な状態に解放し、端部作動体に作用する外力に応じて、制御ハンドルに対して端部作動体を自在に連接させる。
【0020】
本発明の目的を鑑みると、また、ステープル付ステープリングデバイスと、刃付切断デバイスの少なくとも一つを有する外科用ステープリング端部作動体と、作動時にステープリングデバイスを閉じるステープラ閉鎖アクチュエータを有する制御ハンドルと、作動時にステープルの止め付けと、切断デバイスでの組織の切断の少なくとも一方を行うステープル発射アクチュエータと、非作動状態と作動状態とを有する連接型ジョイントアクチュエータと、端部作動体を制御ハンドルに連結する受動的連接型ジョイントとを具える医療用デバイスが提供されているこの端部作動体は、連接型ジョイントが作動して、連接型ジョイントアクチュエータが作動していないときに所定の連接位置に係止したときに、端部作動体にかかる力に応じて、自在に連接する。
【0021】
本発明の一の態様によれば、外科用器具は、係止を解放して、端部作動体の連接と連接されている間の発射を可能とするハンドル部分を有している。この解放および発射機構は、シャフトを介して連接機構へ伝達される。連接機構は、ユーザが端部作動体に与える力に対応しており、シャフトの縦軸のラインの外への端部作動体の連接を可能にする。発射機構は、発射動作に対応しており、連接機構と端部作動体を介して移動させるために連結されている。発射支持デバイスによって、連接が生じると、発射機構が発射機構を支持して適所に保持することができる。
【0022】
本発明の別の特徴によれば、制御ハンドルは、非作動状態と作動状態を有する連接ジョイントアクチュエータを具え、端部作動体は、係止連接状態と、非係止連接状態を有する連接ロックを有し、連接ジョイントアクチュエータは、非作動状態から作動状態に変わったときに、連接ロックを係止連接状態から非係止連接状態に変更し、作動状態から非作動状態に変わったときに、連接ロックを非係止連接状態から係止連接状態に変更する。
【0023】
本発明の更なる特徴によれば、ステープラ閉鎖アクチュエータとステープル発射アクチュエータが、連接ジョイントアクチュエータと異なる。
【0024】
本発明の追加の特徴によれば、受動的連接ジョイントを介して制御ハンドルをステープル発射アクチュエータに連結する少なくとも一の第1のフレキシブルビームと、受動連接ジョイントを介して端部作動体を制御ハンドルに縦方向に連結する少なくとも第2のフレキシブルビームが提供されている。この第1及び第2のフレキシブルビームは、受動的連接ジョイントの連接に対応して撓む。
【0025】
本発明の更なる特徴によれば、制御ハンドルが第1の縦軸を有し、端部作動体が第2の縦軸を有し、制御ハンドルと、端部作動体、および受動連悦ジョイントの少なくとも一つが、整列デバイスを有する。例示的な実施例では、整列デバイスは、端部作動体にバイアスをかけて、連接ジョイントアクチュエータが作動したときに、第1及び第2の縦軸を実質的に整列させる。整列デバイスは、中央にバイアスするデバイスであっても良い。このような実施例では、中央バイアスデバイスは、第1の縦軸の対向する側に配置したばね式プランジャセットであり、これは、端部作動体を個別に押圧して、第1の縦軸に第2の縦軸を整列させている。
【0026】
本発明のもう一つの利点は、移動可能な遠位側端部作動体が中央にバイアスされていることである。これは、まず遠位端が、安定位置から自由であり、次いで、周辺組織などの環境構造に対して端部作動体押圧することで新たな位置に受動的に動くことを意味する。端部作動体を安定位置から自由にするアクチュエータが解放されたときに、中央バイアスデバイス、好ましくは少なくとも一のバイアスばね、特に、対向しており、従って、中央方向にバイアス力をかける2本のバイアスばねを押圧した状態で、遠位側端部作動体が、中央位置に戻る。代替的に、中央バイアスデバイスが、クレビスにおいて端部作動体のどちらかの側部に配置したばね式プランジャセットであり、中央位置に向けて個別に端部作動体を押圧するものであってもよい。
【0027】
本発明の更なる特徴によれば、連接型ジョイントアクチュエータは、遠位側を向いた歯を有するプルロックを有しており、受動的連接ジョイントは、連接ジョイントアクチュエータが非作動状態にあるときにこの遠位側を向いた歯に相互係合する近位側を向いた歯を有するギアを有する。また、この連接型ジョイントアクチュエータは、連接型ジョイントアクチュエータが非作動状態にあるときに、近位側を向いた歯から遠位側を向いた歯の係合を解除して、端部作動体の連接ロックを解除する。
【0028】
本発明の更なる特徴によれば、遠位側への移動の作動は、プルツーリリース(pull-to-release)、およびリリースツーリロック(release-relock)のトリガによって生じる。受動的な動きを制御するこのトリガは、通常は、係止されている。この係止は、トリガにおいて引っ張られることによって解放される。遠位側端部作動体が所望の位置にくると、ユーザがこのトリガを解除して、遠位側端部作動体を新しい位置に係止させる。
【0029】
本発明によるデバイスは、外科用ステープラおよびカッタ、あるいは特に、組織の部分を互いにステープルし、所望の時に組織を切断するのに使用することができるその他の内視鏡デバイスである。端部作動体の一の実施例では、ステープリング機能と切断機能の両方を実行する手段が、デバイスの遠位側端部作動体内に全体的に保持されている。
【0030】
再び、本発明のもう一つの利点は、ハンドルが、電子的に制御され、ユニバーサルであり、電動式であることである。ハンドルは、多数の製品構成用にプログラムされたマイクロプロセッサを具える。例えば、ステープラの場合、ハンドルは30mm、45mm、あるいは60mmのステープルカートリッジ用にプログラムされている。ステープラの遠位シャフトは、ユニバーサルハンドルに差し込む近位端を有する。この遠位シャフトは、電気的コンタクトアレイを具え、これが、接続位置においてハンドル側の合致するアレイと対応して接触する。この接触は、様々な遠位シャフトの各々でユニークなものであり、ハンドルがシャフトを「認識」して、そのシャフト用の適宜のプログラムを稼働する。ハンドルは、安全なロックアウト、ステープラ送出速度、ストロークの距離、その他のロジックを含むようにプログラムされている。このような、モジュール性によって、複数の端部作動体を有する一つのハンドルをシャフトに合致するように製造することができる。
【0031】
デバイスの作動は、電気モータを用いて行われる。デバイスは、又、複数の電気モータによって、油圧モータまたは空気圧モータによって、あるいは、作動アッセンブリをデバイスの遠位部分に一義的にあるいは全体的に含めることができるようなあらゆる方法でフレキシブル駆動シャフトを介してエネルギィを伝達することによって、駆動させることができる。
【0032】
これらの手段のいずれかによって行われた仕事は、スクリュドライブ、ギアドライブ、ウエッジ、トグル、カム、ベルト、プーリ、ケーブル、ベアリング、あるいは押出ロッドのようなものを単一で、あるいはこれらを組み合わせて所望の動きに変換することができる。特に、スクリュドライブは、電気モータの動きを線形の動きに変換するのに使用される。一の実施例では、スクリュドライブのモータが、ハンドルに設けられている。フレキシブルに回転するケーブルがモータからねじ式シャフトに連結されている。従って、モータがいずれかの方向に回転すると、フレキシブルケーブルの回転がねじ式駆動シャフトに伝わって、ステープリングアクチュエータと切断スライドが駆動シャフトの上に配置されているので、スライドの遠位側の動きによって両方の機能が実行される。第2の実施例では、モータ全体が端部作動体内に設けられており、直接にあるいはトランスミッションギアを介してスライド駆動シャフトに連結されたシャフトを有する。この場合、ハンドル内に必要なものは、オン/オフ及び駆動シャフト方向アクチュエータであり、前者はモータのオンとオフを切り替えるためのものであり、後者は、モータがスピンする方向を決定するためのものである。
【0033】
このデバイスは、スクリュドライブで駆動されるキャリッジを有しており、ステープラこう合を閉じる、切断刃を前進させる、ステープルを発射するといった機能を含めて、多くの機能を行う。キャリッジは、これらのタスクを行うための唯一の方法ではない。二次的なあるいは多くの仕事源が、これらの機能のいずれかを行うのに必要な仕事を提供する。
【0034】
端部作動体の第2の実施例では、ステープリング及び切断作動デバイス全体が自蔵式であり、動作ジョイントの遠位側に配置されている。
【0035】
作動デバイス全体を挿入し、オペレータによって所望されるあらゆる動きあるいは制限を行う多軸「ボール」ジョイントあるいは「ユニバーサル」ジョイントによって操作することができる。
【0036】
更に、作動デバイス全体は、ハンドルから完全にフリーであり、別の角度から再度把持することができ、より良好な位置的フレキシビリティが可能である。
【0037】
本発明の更なる特徴によれば、受動的連接ジョイントが、ボールと、カップデバイスと、当該ボールとカップデバイスを互いに係止し、係止を解除するボール-カップ係止デバイスを有するボールジョイントであり、このボール-カップ係止デバイスは、制御ハンドルが非作動状態にあるときに係止状態にあり、制御ハンドルが作動状態にあるときに係止が解除された状態になる。端部作動体は、このボールとカップデバイスの一方を有し、制御ハンドルがこのボールとカップデバイスの他方を有する。ボールは、カップデバイスに取り外し可能に連結されている。
【0038】
本発明の更なる特徴によれば、端部作動体は、縦方向に二つの端部を有し、前記ボールが二つのボールである。この二つのボールはそれぞれ、縦方向の二つの端部の一方の上に配置されており、二つのボールは各々カップデバイスに取り外し可能に連結することができる。
【0039】
本発明の一の態様では、縦方向に移動する発射機構を用いて器具が端部作動体を作動させる。この発射機構は、側方支持プレートあるいは固い支持チャネルによって連接機構を介して有利に支持されている。前者の実施例では、発射機構上の負荷の発射によりよく応答するために、各支持プレートの一又はそれ以上の端部が、連接機構の一方の側に弾性あるいはバネで係合しており、従って、発射機構の座屈をより良好に防止することができる。例えば、支持プレート対は、連接機構を横切って発射機構の側面に位置し、各支持プレートは連接機構に形成されたフレーム溝にばねで係合した端部を具えており、連接機構内あるいは外の発射機構の座屈の防止を補助する。
【0040】
チャネルの実施例においては、連接機構内をチャネルが浮動しており、連接がいずれかの方向で生じると発射機構のいずれかの側を支持する面を有する。従って、発射機構の座屈を防止することができる。チャネルはフロアと二つの側部を有する。支持チャネルは、連接機構内部のキャビティ内に自在に乗っている。チャネルの端部は、このキャビティの湾曲に合致するように湾曲している。支持チャネルは、連接機構内で曲がったときに発射機構に接触して支持するさまざまな内部表面を有しており、これによって、連接機構内部あるいは外部における発射機構の座屈を防止することができる。
【0041】
従って、さまざまなタイプの作動した診断又は治療端部作動体を、強い発射力であっても、内視鏡仕様に部品寸法を小さくしても、連接機構で座屈を生じることなく、本発明の連接型医療器具に組み込むことができる。
【0042】
本発明の更なる態様においては、医療器具が、閉鎖動作、発射動作、連接機構の係止解除動作、及び連接動作を生じるハンドル部分を有している。これらの動作は、各々シャフトを取って伝達される。端部作動体は、ステープルまたはステープルカートリッジを受けるシャフトに連接された細長チャネルと、この細長チャネルに回動可能に連結され、シャフトからの閉鎖動作に応答する台座を具える。発射デバイスは細長デバイスと台座との間で縦方向に受けられている、遠位側にある切断デバイスを具える。発射デバイスは、ハンドルから端部作動体へ、シャフトと連接機構を介して連結されている。発射デバイスは、ステープリングを利用して、発射動作によって切断を行う。連接機構は、シャフトに対して端部作動体を移動させる。連接機構は、遠位側でシャフトに連結されており、連接ロックが解除された(すなわち、アンロック)後、及び、端部作動体に働いて連接動作を生じさせる力に応答して、端部作動体を連接させる。換言すれば、連接ロックが解除されると、端部作動体の環境に対する圧力が端部作動体をシャフトに対して連接させる。発射機構を支持するために、一対の支持プレートを連接機構にわたって発射機構の側面に位置することができる。各支持プレートは連接機構内に形成されたフレーム溝にスプリングで係合された端部を具える、あるいは、固いチャネルが連接機構にわたって発射機構を取り囲むようにしても良い。これによって、改良されたステープリングおよび切断器具が、高い発射負荷に耐える発射デバイスを含んでおり、連接時に有意に大きくなった発射力を導入することがない。
【0043】
作動デバイスは、様々な長さで製造しても良く、及び/又は、腹腔鏡用あるいは内視鏡用のいずれか、あるいは両方に好適な直径に製造しても良い。交換可能なステープルカートリッジを使用することができる。また、作動デバイスは、フレキシブルな内視鏡の遠位端に取り付けるように構成することができる。
【0044】
本発明の有意な利点は、端部作動体の動きが受動的であり、係止可能であることである。換言すると、端部作動器は、係止を解除して、次いで所望の位置に移動させ、次いで、その新しい位置に保持することができる。これらの動作は、全て片手の操作で行うことができる。内視鏡及び腹腔鏡外科手術は、外科医が両方の手を別個に使用できることが必要である。この必要性をなくすことは、外科手術をものすごく困難なものにするか、あるいは不可能にする。本発明のハンドルは、二本めの手を用いることなく移動解除/係止を作動でき、真の片手でのデバイスの操作を可能にしている。
【0045】
本発明の更なる利点は、端部作動体の軸方向の動きが別であり、手動であることである。例えば、ユーザは、挿入の前にデバイスの縦軸を中心に遠位側端部作動体を回転させることによって軸方向の動きを設定することができる。この予め設定した位置決めは、端部作動体をシャフトから離れる方向に引っ張り、次いで遠位側端部作動体を所望の方向にひねることによって生じる。この軸方向の動きは、軸外の動き(横方向の動き)と組み合わせて、遠位端で合成角を作って、端部作動体(または複数の端部作動体)の正確な位置決めを助ける。別の変形例では、ユーザは、シャフト、連接機構、及び端部作動体を含む遠位側構成部品に、ハンドルを軸方向に固定して、回転方向には自在に連結する回転デバイスを提供することによって、いつでも、動的に遠位側端部作動体をデバイスの縦軸を中心に回転させることができる。遠位側構成部品の回転は、ベル形状の回転デバイスを端部作動体から離れる方向に引っ張って生じ、次いで、所望の方向にシャフトの縦軸を中心に回転デバイスの回転が生じる。この回転運動が、端部作動体の軸外運動と組み合わされて、デバイスの遠位端に合成角を作り、端部作動体(または複数の端部作動体)の正確な位置決めを補助する。
【0046】
本発明の更に別の利点は、ステープラ/カッタを、標準的なフレキシブル内視鏡の端部に装着するように構成できることである。この制御は、内視鏡の作業チャネルを通って送り戻され、制御ハンドルまたは制御モジュールに合致する。
【0047】
本発明の目的を鑑みると、医療デバイスの端部作動体を操作する方法も提供されている。この方法は、連接ロックを用いて安定した位置で端部作動体の連接動作を制御する受動的連接ジョイントを維持するステップと、連接ロックの解放を作動して、受動的連接ジョイントの係止を解き、端部作動体に係る外力に応じて受動的連接ジョイントを介して端部作動体を連接動作させるステップと、を具える。
【0048】
本発明の目的を鑑みると、医療デバイスの端部作動体を操作する方法が提供されており、この方法は、連接ロックによって係止状態にある受動的連接ジョイントを保持するステップと、連接ロックを作動してこの受動的連接ジョイントの係止を解き、端部作動体に作用する外力に応じて受動的連接ジョイントに連接動作をさせるステップと、を具える。
【0049】
本発明の別のモードによれば、端部作動体は、連接位置へ受動的に移動する。
【0050】
本発明の更なるモードによれば、端部作動体は端部作動体の一部を環境の構造に対して押圧することによって連接位置に受動的に移動する。
【0051】
本発明の更なるモードによれば、端部作動体を所望の連接位置に連接するために、端部作動体に力が加えられる。
【0052】
本発明の更なるモードによれば、連接ロックの作動が取り除かれて受動的連接ジョイントを係止し、これによって、端部作動体が更に連接動作を行うことを防止する。
【0053】
有利なことに、上述のステップの全てが片手で行われる。
【0054】
本発明の特徴と考えられるその他の特徴は、請求の範囲に記載されている。
【0055】
本発明は、外科用ステープル及び切断デバイス及びこのデバイスを使用する方法として、図に示し、記載したが、さまざまな変形例と構造的な変形を、本発明の精神から外れることなく、請求の範囲の範囲および均等の範囲内で行うことができるので、図に示す詳細に限定するものではない。
【0056】
本発明の構成及び操作方法は、追加の目的と利点と共に、添付の図面と共に読む場合に以下の特定の実施例の記載から最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明の実施例の利点は、本発明の好ましい実施例の以下の詳細な説明から明らかである。この説明は、添付の図面と共に考慮すべきである。
【
図1】
図1は、本発明に係る遠位ステープリング及び切断端部作動体と、それに連結されたシャフトの一部の第1実施例を、遠位端から見て、拡大して、断片的に示す斜視図であり、端部作動体のステープルカートリッジこう合からステープルカートリッジが約半分引き出されており、ステープル連接及び組織切断スライドから分離したステープラの台座を有する。
【
図2】
図2は、
図1に示す端部作動体を拡大して、断片的に示す側面図であり、遠位側カウリングと、近位側のスプライン加工した軸方向の移動部分を具え、明瞭化のために除去したカートリッジと、スライドに連結したステープラの台座を具える。
【
図3】
図3は、
図1に示す端部作動体を拡大して、断片的に示す斜視図であり、遠位側部分にステープル作動及び組織切断スライドを有し、当該スライドから離れたステープラの台座を具える。
【
図4】
図4は、
図1に示す端部作動体を拡大して、断片的に示す斜視図であり、下側こう合/ステープルカートリッジホルダから取り外したステープルカートリッジと、中央に対して約45°の角度に回転したクレビスを示す。
【
図5】
図5は、
図1に示す端部作動体の遠位側部分を拡大して、断片的に示す、ワイヤフレーム側正面図である。
【
図6】
図6は、約90°回転した
図1に示す端部作動体のスプライン加工した軸移動アッセンブリを、拡大して、断片的に示す、ワイヤフレーム側斜視図であり、明瞭化のために、端部作動体の横方向の動作係止ピンと近位側スクリュは除いてある。
【
図7】
図7は、
図6に示す端部作動体を底側から見て、拡大して、断片的に示すワイヤフレーム側側面図であり、横に移動するスプロケットの歯に係合する端部作動体横移動係止ピンと、ばねとを具え、明瞭化のために近位側スクリュは除いてある。
【
図8】
図8は、
図7に示す端部作動体を拡大して、断片的に示すワイヤフレーム側底面図であり、横に移動するスプロケットの歯に係合する端部作動体横移動係止ピンを具える。
【
図9】
図9は、
図8に示す端部作動体を拡大して、断片的に示す、底側から見た縦断面図であり、横に移動するスプロケットの歯に係合する端部作動体横移動係止ピンを具え、明瞭化のためにばねは除いている。
【
図10】
図10は、
図2に示す、縦軸を中心に回転した端部作動体を拡大して、断片的に示す斜視図であり、明瞭化のために、クレビス、スクリュ、遠位側でスプライン加工したスリーブ軸の動きと、バネ部分は除いている。
【
図11】
図11は、
図1に示す端部作動体の遠位側部分を拡大して、断片的に示す底面図であり、近位側位置のステープル作動および組織切断スライドを示す。
【
図12】
図12は、
図11に示す端部作動体の遠位側部分を拡大して、断片的に示す底面図であり、中間位置のステープル作動および組織切断スライドを示す。
【
図13】
図13は、
図2に示す端部作動体のステープリング作動及び組織切断スライドを通る、拡大した、断片的に示す半径方向の断面図である。
【
図14】
図14は、
図1に示す端部作動体の下側半分を通る、拡大した、断片的に示す水平方向の縦断面図である。
【
図15】
図15は、
図1に示す端部作動体の近位側部分の上側半分を通る、拡大した、断片的に示す水平方向の縦断面図である。
【
図16】
図16は、
図1に示す端部作動体の近位側部分の縦軸を通る、拡大した、断片的に示す水平方向の縦断面図である。
【
図17】
図17は、
図1に示す端部作動体の近位側部分の右側半分を通る、拡大した、断片的に示す水平方向の縦断面図である。
【
図18】
図18は、本発明に係る外科用ステープラの左側面を示す図であり、作動ハンドルの安定位置における端部作動体の開いた状態のこう合を示す。
【
図19】
図19は、
図18に示す外科用ステープラの左側面を示す図であり、作動ハンドルの親指トリガの作動位置における端部作動体のこう合が閉じている状態を示す。
【
図20】
図20は、
図18の外科用ステープラの上方から左側を示す図であり、横方向動作トリガを押圧した状態で、表面などの環境との接触に依存して、横方向に自在に移動する状態の位置にある遠位側端部作動体と、作動ハンドルの安定位置における端部作動体が開いた状態にあり、約45°の角度で横方向に位置するこう合を示す。
【
図21】
図21は、
図18の外科用ステープラの上方から左側を示す図であり、安定位置における横方向移動トリガと、横方向に捕捉した移動状態にある遠位側端部作動体と、作動ハンドルの安定位置において端部作動体が開いた状態にあり、約30°の角度で横方向に位置するこう合を示す。
【
図22】
図22は、
図18の端部作動体の左側を断片的に示す図であり、安定位置において、及び約75°で横方向に位置するこう合を示す。
【
図23】
図23は、
図18に示すステープラの端部作動体の左側を断片的に示す図であり、安定位置において、及び回転した第1の軸方向の位置において開いた状態のこう合を示す。
【
図24】
図24は、
図23に示す端部作動体の左側を断片的に示す図であり、安定位置において及び、
図23に対して反時計回りに回転した正常位置において開いた状態のこう合を示す。
【
図25】
図25は、本発明の外科用ステープリングデバイスの第2実施例を遠位端から見た斜視図であり、組み込み式のステープリングモータを有する取り外し可能な端部作動体と、開いている安定位置と、約45°の右側横方向の位置にあるステープリングこう合と安定位置でボールを捕捉しているボール解放レバーと、安定したモータオフ位置にあるモータ作動ボタンとを示す。
【
図26】
図26は、
図25に示す取り外し可能な端部作動体の拡大した斜視図であり、安定開位置にあるこう合を示し、明瞭化のためにスライドは除いている。
【
図27】
図27は、本発明の外科用ステープリングデバイスの第3実施例を遠位端から見た斜視図であり、二つのボール連結端部と組み込み式のステープリングモータを有する取り外し可能な端部作動体と、安定開位置にあり、約45°の右側横方向の位置にあるステープリングこう合と、逆向きで近位側を向いているステープルこう合と、作動したボール解放位置におけるボール解放レバーと、安定したモータオフ位置におけるモータ作動ボタンとを示す。
【
図28】
図28は、右側及び遠位端から見た
図27に示す取り外し可能な端部作動体の拡大した斜視図であり、安定開位置にあるこう合を示し、明瞭可のためにスライドは除いている。
【
図29】
図29は、
図25及び26に示す外科用ステープリング及び切断デバイス、及び
図25及び26の取り外し可能なステープリング端部作動体のボールジョイントを捕捉して整列した状態で示す、作動ハンドルの最も遠位端の、断片的な、拡大した側部断面ワイヤフレームの図である。
【
図30】
図30は、
図29に示す作動の反対側の最も遠位端の断片的な、拡大した側断面図であり、不整列で、解放された状態にあるが作動ハンドルのクランプの間に捕捉されているボールジョイントを示す。
【
図31】
図31は、本発明のステープリング及び切断デバイスの近位端から見た斜視図であり、台座は除いてある。
【
図32】
図32は、
図31のデバイスの近位端から見た、断片的な斜視図であり、押出ロッド付きの連接解除デバイスの近位側を示すためにハンドルを除いてある。
【
図33】
図33は、
図31に示すデバイスの内側チューブの近位端部分を拡大して、分解した図である。
【
図34】
図34は、外側チューブを取り除いて、端部作動体の連接ジョイントに連接解除デバイスを連結している内部部品を遠位端から見た、断片的な斜視図である。
【
図36】
図36は、
図31に示すナイフガイドアッセンブリの、断片的な、拡大した斜視図であり、外側及び内側のチューブを取り外した、ナイフガイドの近位側からナイフブレードの遠位側にかけての図である。
【
図37】
図37は、
図35の部分の一部の、プルバンドの近位側端部における、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図38】
図38は、
図35の部分の一部の、プルバンドの遠位側端部における、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図39】
図39は、
図31のデバイスの、ステープラアッセンブリ、ドラムスリーブ、連接ジョイント、及びデバイスのクレビスの、断片的な、拡大した側部断面図であり、開いた状態の台座を示す。
【
図40】
図40は、
図31のデバイスの、ステープラアッセンブリ、ドラムスリーブ、連接ジョイント、及びデバイスのクレビスの、断片的な、拡大した側部断面図であり、閉じた発射状態の台座を示す。
【
図41】
図41は、ナイフガイドの近位側からナイフブレードにかけての、ナイフガイドサブアッセンブリの断片的な、拡大した斜視図であり、ナイフガイドと、クレビスと、左ハンモックと、ドラムスリーブと、カートリッジホルダは取り除いている。
【
図42】
図42は、
図31のデバイスの、ナイフ-押出ロッドピンジョイントの、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図43】
図43は、
図31に示すデバイスのプルバンド-アルミニウムチューブピンジョイントの断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図44】
図44は、
図31に示すデバイスのクレビス近位面の、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図45】
図45は、
図31に示すデバイスのプランジャピンスプリングポケットと、連接解除ピンの、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図46】
図46は、
図31に示すデバイスのプランジャピンカム面と連接係止スプロケットの、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図47】
図47は、
図31に示すデバイスの端部作動体連接ジョイントの、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図48】
図48は、
図31に示すデバイスの、遠位側プルバンドピンジョイントの、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図49】
図49は、
図31に示すデバイスの、台座/上側こう合ピボットスロットの断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図50】
図50は、
図31に示すデバイスの、スプリングロッドを通る連接ジョイント部の、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図51】
図51は、
図31に示す、ナイフ案内ブレード用テストベッドと、デバイスのハンモックを示す図である。
【
図52】
図52は、
図31に示すデバイスの連接ジョイント部の連接係止解除スライドを通る、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図53】
図53は、
図31に示すデバイスの遠位側部品を、台座のない、遠位端から見た分解斜視図である。
【
図54】
図54は、内側及び外側チューブを取り外した、本発明の端部作動体の第4の実施例の連接遠位部分を示す斜視図である。
【
図55】
図55は、外側チューブを取り外した、
図54に示す端部作動体の連接部分の断片的な、拡大した、分解斜視図であり、看者に対して先端が内側を向いている。
【
図56】
図56は、
図54に示す端部作動体の連接部分の、断片的な、拡大した、底面図であり、外側クレビスと、閉鎖リングが取り除かれている。
【
図57】
図57は、
図54に示す端部作動体の連接部分の、ドッグボーンガイドの下側端部を通る、断片的な、拡大した、断面図である。
【
図58】
図58は、
図54に示す端部作動体の連接部分の、スプリングロッドを通る、断片的な、縦断面図であり、内側チューブ及び押出ロッド-ブレードサポートは除去されている。
【
図59】
図59は、
図54に示す端部作動体の連接部分の、ドッグボーンガイドの遠位端を通る、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図60】
図60は、
図54に示す端部作動体の連接部分の、下側クレビスのドッグボーンガイド室の近位端を通る断片的な、拡大した、縦断面図であり、ドッグボーンガイドは除去されている。
【
図61】
図61は、
図54に示す端部作動体の連接部分の、ドッグボーンガイドの下側中間部分を通る、断片的な、拡大した、縦断面図である。
【
図62】
図62は、
図54に示す端部作動体の連接部分の、ドッグボーンガイドの中央部分を通る、断片的な水平方向の縦断面図である。
【
図63】
図63は、
図54に示す端部作動体の連接部分を、内側チューブ、押出ロッド刃サポート、台座、及び、ステープルスレッドのほぼ半分を除去したスプリングロッドを通る縦断面図である。
【
図64】
図64は、
図54に示す端部作動体の連接部分のスプリングロッドを通る縦断面図であり、スプリングプレート、台座、及び、ステープルスレッドのほぼ半分を除いている。
【
図65】
図65は、
図54に示す端部作動体の連接部分の遠位端の、内側チューブ、押出ロッド刃サポート、台座、及び、ステープルスレッドのほぼ半分を除去した縦断面図である。
【
図66】
図66は、
図54に示す端部作動体の、下側クレビス、下側ドッグボーンクレビス、ドッグボーンガイド、及び3つの隣接するナイフブレードを示す斜視図である。
【
図68】
図68は、
図54の端部作動体の、プルバンドの遠位側連結部の代替の実施例の、断片的な、ワイヤフレーム斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明の態様を、本発明の特定の実施例に関する以下の説明と図面に開示する。本発明の精神または範囲から外れることなく代替の実施例を考案することができる。更に、本発明の例示的な実施例のよく知られた要素は、詳細には説明しない、あるいは、本発明の関連する詳細を邪魔しないように、説明を省略する。
【0059】
本発明を開示して説明する前に、ここで使用する用語は、特定の実施例を記載するだけの目的であり、限定を意図するものではない。明細書及び特許請求の範囲に使用されているように、単数形の冠詞は、コンテキストから明らかでない限り、複数の意味もあることに留意すべきである。
【0060】
本明細書は、新規と考えられる本発明の特徴を規定する請求の範囲で結ばれているが、本発明は、図面と併せて以下の説明を考慮することでより良く理解されると考えられる。図面には、同じ符号が用いられている。図面は、スケールどおり記載されていない。
【0061】
図面を詳細に、特にまず
図1を参照すると、本発明によるステープリング及び切断用端部作動体1の第1の例示的実施例が示されている。端部作動体の主要部品には、クレビス10、台座20、ステープルカートリッジ100を受けるカートリッジホルダ30、アダプタスリーブ40、及び横方向移動又は連接デバイス50が含まれる。
図1は、カートリッジホルダ30からのステープルカートリッジ100の着脱性を示している。
【0062】
台座20をカートリッジホルダ30と、ステープルカートリッジ100に連結しているのは、ステープル作動及び組織切断スライド60である。スライド60は、台座20とカートリッジホルダ30に動作可能に係合しており、この二つの部品20と30を正しく整列させて保持し、カートリッジ100の中で作動したステープルが、台座20内の各ステープラ台座に当たり、台座20とカートリッジ100の間に配置された組織の回りにこのステープルを固定するようにする。スライド60の遠位側を向いた面は、組織を互いにステープルするときに、こう合20、30内に配置された組織を切断する刃62を有する。このスライドの近位側の動きが、
図1乃至3に線図的に示されている。スライド60は、
図1及び3に見ることができ、台座20は、スライド60の先端から外れている。しかしながら、動作中は、スライド60は、
図2、特に
図13に示すように、台座20に連結されていなければならない。
【0063】
図2は、アダプタスリーブ内での移動のさまざまな特徴を見せるために、アダプタスリーブ40を取り除いた端部作動体1を示す図である。
【0064】
横方向移動デバイス50の二つの主要部品の第1の部品が、
図1乃至3に明らかである。近位側部品52は、近位側スプロケット522と、中間スプライン加工コネクタ524、及び遠位側ロッド526を具える。例示的な実施例では、中間スプライン加工コネクタ524は、
図2に明瞭に示すように、4本の遠位側に突出した歯5242を有する。
【0065】
また、
図2には、引っ張りケーブルアダプタ70が示されている。この引っ張りケーブルアダプタ70は、近位側側部が引っ張りケーブル110(破線)に連結されており、遠位側側部がカートリッジホルダ30に連結されている。従って、引っ張りケーブルアダプタ70を用いて、台座20に対してカートリッジホルダ30を押したり引いたりして、これによって、カートリッジホルダ30の動きに応じて、台座20が開位置から閉位置へ、あるいは、反対に回動する。台座20の近位端は、両側部にカムフォロワ22を有する。カートリッジホルダ30の近位端は、両側部に二つのカム面32を規定しており、各カムフォロワ22を受けるように整列している。従って、遠位方向あるいは近位方向へのカートリッジホルダの動きによって、台座20に対応する開回動または閉回動が生じる。
【0066】
図4は、クレビス10に対するステープラ20、30の横方向の連接動作を示す図である。
【0067】
図5乃至8では、アダプタスリーブ40と、クレビス10を含む全ての部品がワイヤフレームで示されており、これによって、内部の特徴がわかる。クレビス10は、4つのルーメンを具えており、その内の二つが
図5に示されており、
図6および
図7には、4つのルーメン全てが示されている。これらのルーメンの内、第1のルーメン12は、端部作動体横方向移動係止ピン120の遠位側及び近位側への移動を制御する、図示しないシャフトを含むように形成されている。このピン120は、
図8及び
図9にまず示されている。二つの横方向ルーメン14は、引っ張りケーブルアダプタ70を近位側に移動させる引っ張りワイヤを受けるような形状をしている(引っ張りケーブルアダプタ70の遠位側への移動は、バネによって生じる)。二つのルーメン14の他のルーメンは、余分なルーメンであり、追加の器具をいくつでも受けることができる。駆動ケーブルルーメン16は、4つのルーメンの最後のルーメンであり、スライド60の動きを制御する駆動スクリュ34(
図1参照)を回転させるフレキシブル駆動ケーブルを受けるように構成されている。
【0068】
駆動ケーブルルーメン16の遠位端において、クレビス20は、横方向移動係止ピン120を受ける長円キャビティ18を規定している。
図6乃至9は、特に、このキャビティ18の例示的な形状を示す。横方向移動係止ピン120は円周形状が長円形であるため、ピン120はスプロケット522の歯に整列した位置から回転しない。
【0069】
また、
図5に示すクレビス10の先端側の下には、二つの復心ばね130が見える。これらのばね130は、
図6乃至9、特に
図10にも示されている。ばね130間の望ましくない相互作用を防ぐために、バネ130を挟んで分離プレート140が設けられている。
図10は、間に分離プレート140を有する二つのバネ130を示す図である。
【0070】
透明のスリーブ40の下側の機構は、
図7乃至10でよりよく説明される。スリーブ40は、二つの外側構造と、二つの内部ボアを規定している。第1の外側構造は、近位側シリンダ42である。近位側シリンダ42は、その近位端にスプライン構造422を規定している。これらのスプライン構造422は、近位側部分52の中間のスプライン付コネクタ524に合致して相互作用する。近位側シリンダ42は、第1のボア44も規定しており、これは、近位側部分52の遠位側ロッド526を受けるような形状をしている。ロッド526と第1のボア44の内側面との間には円筒状の半径方向クリアランスが、ケーブルアダプタ70の近位端と第1のボア44の近位内側面との間は縦方向クリアランスがある。この筒状クリアランスは、明瞭化のために図示していない第1の筒状バイアスデバイス(例えば、コイルばね)を受けることができる。第1のバイアスデバイスは、アダプタスリーブ40の最も近位側端部に近位側を向いた力をかける位置にある。このような構成において、第1のバイアスデバイスによってかかる力が、遠位側スプライン構造422を近位側スプライン構造5242に向けて、これに対して押圧する。
【0071】
スリーブ40の第2の外側構造は、遠位側シリンダ46である。この遠位側シリンダ46は、そこで引っ張りケーブルアダプタ70を受ける形状をしている第2のボア48を規定する。引っ張りケーブルアダプタ70も、近位側部分52の遠位ロッド526を受ける形状の内側ボア72を規定している。この構造を明確にするために、ロッド526は、
図9において破線で内側ボア72に完全に延在している様子が示されている。作動時は、ロッド526は、内側ボア72内へ完全に延在する。内側ボア72は、同軸であり、例示的な実施例では、第1のボア44と同じ内径を有する。従って、ロッド526と内側ボア72の内側面との間には円筒状半径方向のクリアランスがあり、ケーブルアダプタ70の遠位側表面と、内側ボア72の内側遠位側表面との間には縦方向のクリアランスがある。これは、第2の筒状バイアスデバイス(例えば、コイルスプリング)を収容する形状をしているためであり、明瞭にするために図には示していない。第2のバイアスデバイスは、引っ張りケーブルアダプタ70に対して遠位側に向けたバイアス力を与えるように設けられている。このような力は、こう合20、30を開位置に保つ。従って、こう合20、30は安定した開位置を有する。
【0072】
中間部分を設けることなく、図示しない二つのバイアスデバイスが連結しており、従って、単一のバネを形成している。しかしながら、二つのバイアスデバイスは相互作用しないことが望ましい。なぜなら、スプライン部分の分離によって、キャリッジに望ましくない力がかかり、キャリッジホルダ30の動きがスプライン部分の連結を緩めることがあるからである。従って、引っ張りケーブルアダプタ70の近位端表面と、第2のボア48の遠位端表面とによって規定される筒状キャビティ74内の二つのバイアスデバイス間に、図示しないワッシャが配置されている。
図7は、このワッシャを保持するための近位側側部を特に示す図であり、このワッシャはそこを通る遠位側ロッド526を受けるだけの形状をしている。従って、ワッシャが引っ張りケーブルアダプタ70とスリーブ40との間にはまるので、二つのバネが外れ、互いに独立したバイアス力を提供する。
【0073】
図11および12の下側の図は、スライド60の駆動シャフト34と、カートリッジホルダ30内の適所に駆動シャフト34を保持する近位側アイドラブッシュ36を示す。アイドラブッシュ36のこの位置では、駆動シャフト34にはねじがついていない。しかしながら、アイドラブッシュ36の近位側では、駆動シャフト34に、駆動シャフト34の遠位端へ延在するねじが設けられている(図示せず)。
図11及び12は、駆動シャフト34の対向する端部上にスラストベアリング38を示していないが、
図1は、このベアリング38を明確に示している。
図11、12、及び13には、駆動ナット64の形状をしたスライド60の底部が示されている。例示的な実施例では、この駆動ナット64は、スライド60の刃62から分離された一部であるが、刃62の底部に固定的に連結されている。図に示す形状の駆動ナット64は、ダンベル形状の断面を有し、ねじの上にかかる力をいくらか軽減している。
図11では、駆動ナット64は、台座20が開位置にある近位側位置にある。
図12および13は、反対に、台座20が部分的に閉じた位置にある中間位置の駆動ナット64を示す。
【0074】
図13は、刃62と駆動ナット64を具えるスライド60の形状と構造を示すのに特に有益である。
【0075】
図14及び
図15に示す端部作動体のほぼ縦軸に沿った水平断面は、遠位ロッド526の周囲のボアを示すのに特に有益である。また、ロッド526は、引っ張りケーブルアダプタ70のボア72の遠位側表面への経路全体に延在しているが、明瞭にするために、そのようには示されていない。ロッド526の近位端の周囲には、アダプタスリーブ46内の第1のボア44がある。第1のボア44のすぐ遠位側に、その中のワッシャを受けるキャビティ74があり、キャビティ74のすぐ遠位側には、第2のバイアスデバイスを受ける引っ張りケーブルアダプタ70の内側ボア72がある。
【0076】
図16に示す端部作動体の縦軸にほぼ沿った縦断面は、駆動ナット64と駆動シャフト34の間の連結を示すのに特に有益である。同様に、明瞭可のために、引っ張りケーブルアダプタ70内のボア72の近位側表面への全ての経路に延在しているロッド526は示されていない。
【0077】
図17に示す端部作動体の縦軸にほぼ沿った縦断面は、スライド60と台座20及びカートリッジホルダ30との間の連結を見るのに特に有益である。二つの上側ウイング66は、台座20内の溝内に配置されており、二つの下側ウイング68は、下側ウイング68と駆動ナット64によって形成されたI字形状の上側保持表面を形成している。
【0078】
図18乃至24は、本発明に係るステープリングデバイスの縦方向の全寸法を示す図であり、遠位側端部作動体1と、作動ハンドル2の第1の例示的実施例を示す。
図60に示すように、こう合20、30は開位置で安定している。
【0079】
引っ張りケーブルアダプタ70で終端している引っ張りケーブルの近位端に親指トリガが連結している。従って、親指トリガ3が作動すると(
図19参照)、カートリッジホルダ30が近位方向に引っ張られる。カム面32の形状によって、カムフォロワ22が移動し、これによって、台座20をほぼステープリング位置に回動させる。上述したとおり、カートリッジホルダ30、従って、ステープルカートリッジ100に対して台座20を確実に正しい平行方向に向けるのは親指トリガ3ではない。むしろ、正しい平行方向を確実にしているのはスライド60である。
【0080】
図20乃至22は、端部作動体1が横方向においてどのように受動的に連接しているかを示す図である。人差し指トリガ4を押すと、横方向移動係止ピン120が後側に移動して、スプロケット522から外れる。端部作動体1に何ら力が加わらなければ、二つの復心ばね130によって、端部作動体1は、
図18及び19に示すように、軸方向に整列した方向に残る。しかしながら、外からの力が端部作動体1に与えられると(
図20に示すように)、横方向に自在である端部作動体1は、スプロケット522の軸を中心に、例えば、
図20に示すほぼ45度左の位置、あるいは、その他の方向といった、どの位置へでも回動できる。例えば
図22を参照されたい。人差し指トリガ4を解放すると、スプロケット522の二本の歯の間の係止ピン120の遠位端を戻すことによって、横方向の動きは防止される。このように、
図21及び22に例示するように、端部作動体は、多数の横方向に連接した位置に係止させることができる。明瞭可のために、ステープルカートリッジ100は
図18ないし24には記載されていないことに留意されたい。
【0081】
図23と24は、端部作動体の軸方向の回転制御を示す図である。このような軸方向の回転制御は、アダプタスリーブ40と横方向の移動デバイス50のそれぞれの二つのスプライン構造422、5242によって提供される。
図23では、スプライン構造が係合しており、台座20は、ハンドルに対して90度の位置にある。スプライン構造の係合をはずすために、第1のバイアスデバイスに打ち勝つ十分な力が端部作動体1にかかり、スプライン構造422、5242が分離する。次いで、端部作動体1が、時計方向または半時計方向に回転することができる。
図68は、例えば、台座20が反時計方向に、約9時の位置に回転した状態を示す。
【0082】
図1乃至3は、本発明のステープリングデバイスの電動式ステープリング機能の動作を示すのに使用することができる。
図1では、スライド60が近位位置にある。可逆モータは、ハンドル内部に収納されている。3方向スイッチがモータに連結されている。中央位置にあるときに、例えば、モータがオフになる。近位側にあるときは、モータがオンになって、駆動シャフト34を回転させ、スライド60が近位方向に移動する。逆に、スイッチが遠位位置にあると、モータがオンになって、スライド60が遠位方向に移動するように駆動シャフト34を回転させる。もちろん、スイッチは、オフ位置のない、単なる2方向スイッチでも良い。
【0083】
図25及び26は、本発明のステープリング及び切断システム200の第2の例示的実施例を示す図である。このシステム200は、電動式ステープリングアッセンブリ全体が端部作動体210に含まれている点で、第1の実施例と異なる。従って、ハンドル220は、二つの作動デバイスを必要とするのみである。第1の作動デバイス222は、ボールジョイント解除レバーであり、第2の作動デバイスは、ステープリング/切断モータオン/オフボタン224である。
【0084】
端部作動体210は、ボールジョイントコネクタ228におけるハンドル220の作動シャフト226の遠位端に連結されている。端部作動体210は、最も遠位端に、ボールジョイント212を有する。ボールジョイント212は、二つの対向するカップ形状クランプ2122、2124を有する。クランプ2122、2124の内側面は、ボールジョイント212の外側形状に対応する形状をしている。クランプ2122、2124は、レバー222の作動に基づいて、互いに向けてあるいは互いから離れるように移動する。
【0085】
クランプ2122、2124は、閉位置において互いに対してバイアスしており、ボールジョイント212がその中に配置されている場合は、二つのクランプ2122、2124がボールジョイント212をしっかり把持する。レバー222の作動によって、クランプ2122、2124が分離し、これによって、ボールジョイント212が二つのクランプ2122、2124内で自在に回転できる。従って、レバー222が作動すると、端部作動体210は、ステープリング/切断部位近傍の組織などの環境内の構造に対する圧力に基づいて「自在」に動く。レバー222を十分に押し下げて、ボールジョイント212をクランプ2122、2124の外に完全に移動させる。従って、第1の端部作動体210が第1の部位でクランプされ、第2の端部作動体210が第2の部位でとまって切断することが所望される場合は、第1の端部作動体210は第1の端部でクランプされたままで、シャフト226を本体から取り外して、第2の端部作動体210に負荷をかけて、第2の端部作動体210を第2の部位に案内することができる。
【0086】
第2の作動デバイス224は、ユーザが端部作動体210を用いてステープリング及び切断を行うことを所望するときに必要である。端部作動体210は、ステープリング/切断の所望の位置にあるときに、アクチュエータ224(例えば、ボタン)を押す。好ましくは、この作動が、端部作動体210内部のモータへ電力を供給する回路を接続し(あるいは遮断する)、これによってスライド60を遠位側へ移動させて、こう合のステープリングと切断機能を実行する。
【0087】
図25は、ボールジョイント212に対していずれかの位置に端部作動体210を方向付けるための全く自在な状態を示す。
図25では、端部作動体210は、右横方向に約45度の位置に、台座は約90度の位置に示されている。
【0088】
図27及び28は、
図25と26に示す端部作動体の第2の実施例の変形例を示す図である。特に、ハンドル220は、
図25と26に示すものと同じである。しかしながら、端部作動体310は異なる。特に、端部作動体310は、
図25及び26に示すボールジョイント212と同じ近位側ボールジョイント312を有するが、近位側ボールジョイント312とほとんど同じ形状の第2の遠位側ボールジョイント314も有する。従って、レバー222を押し下げてボールジョイント312、314を解放すると、端部作動体310を本体内に位置させることができ、反対側の端部をクランプ2122、2124で挟むことができる。このような
図27に示す方向において、開いたこう合がユーザに対向しているときに、ステープリング/切断を作動することができる。
【0089】
端部作動体210、310を手術部位に配置することは、端部作動体210、310の開いたこう合に比較して、手術部位へのアクセスがむしろ小さいことが求められる。端部作動体310を反転させる能力によって、シングルボールジョイント端部作動体210をもっては到達できない、到達が困難であったいくつかの部位にアクセすることができる。
【0090】
図29及び30は、
図25乃至28の端部作動体210、310のボールジョイント212、312、314を保持している
図25乃至28に示す外科用ステープリング及び切断デバイス200、300の作動シャフト226の最も遠位端にあるクランプ2122、2124を示す。これらの図面は、レバー222が、その遠位端にプランジャ232を有する押出ロッド230に連結されていることを示す。このプランジャ232は、最も遠位端に、ボールジョイント212、312、314の外側形状に対応する形状を持つカップ状面234を有する。従って、プランジャ232が最も遠位側位置において、ボールジョイント212、312、314と接触しているとき、ボールが捕捉され、移動あるいは回転しない。逆に、プランジャ232が
図30に示すように近位側に移動すると、ボールジョイント212、312、314のボールがクランプ2122、2124の間で自在に回転する。
【0091】
図31乃至70に示すエンドステープラは、
図1乃至30に示すエンドステープラに、様々な異なる代替及び/又は追加の特徴を加えたものである。
【0092】
図31乃至70において、明瞭化のために、先端こう合又は台座1020が示されているのは
図30と40のみである。更に、台座20は、
図1乃至30を参照して上記に詳述されており、従って、以下では繰り返しの説明を避ける。
【0093】
図31に示す例示的ハンドルは、Ethicon Endo-Surgery、Inc.社で製造されたものであり、Ethicon社のリニアカッタ、モデルECHELON60 Endopath Staplerに見ることができる。従って、このハンドルの説明は、このハンドルの部品及び機能的説明がこの技術で公開されているので、冗長であると考えられる。このような説明は、本明細書に全体的な引用として組み込まれている。
【0094】
上述したとおり、本発明のエンドステープラの遠位端は、標準ステープルカートリッジ100を収納するように構成されている。カートリッジ100も、先行する刊行物に開示されており、ここで繰り返して述べる必要はない。この刊行物は、従って、本明細書に全体的な引用として組み込まれている。
【0095】
図31は、本発明のエンドステープラ1000の代替の実施例を部分的に示す図である。エンドステープラ1000のハンドル1200上の二つの遠位側作動レバーは、
図31では、明確化のために隠れて見えない。
【0096】
ハンドル1200の遠位端は、ベル状のアクチュエータ1100を具える。これは、エンドステープラ1000の連接部分に二つの制御角度を提供する。第1に、ベルアクチュエータ1100は、ハンドル1200の遠位端上で、エンドステープラ1000の中央軸を中心に自在に回動する。ベルアクチュエータ1100は外側チューブ1100に回動可能に固定的に連接されているため、ベルアクチュエータ1100が時計方向あるいは反時計方向に回転すると、エンドステープラ1000の遠位端全体が対応して回転する。第2に、ベルアクチュエータ1100は、ハンドル1200の遠位端上で、近位方向に所定の距離を超えて移動することができる。以下に更に詳細に記載するように、ベルアクチュエータ1100の近位側の移動によって、連接ロック解放スライド120、1120の対応する動きが、遠位側端部作動体1002を伝達デバイス50、1050において連接させる。例えば、ベルアクチュエータ1100の遠位部分に位置する図示しないバイアスデバイス(例えば、圧縮ばね)を用いて、ベルアクチュエータ1100と、連接係止解除スライド1120に遠位方向にバイアスを与え、ベルアクチュエータ1100を非作動状態にしたまま、連接ロック解除スライド120、1120が動作位置あるいは係止位置に残る。
図8及び9を参照されたい。このバイアスデバイスは、ベルアクチュエータ1100の内側に収納されているが、明瞭化のために
図32には、示されていない。内側チューブ1130の回りの溝1139に嵌るスナップリングも示されていない。このバイアスデバイスは、ロッド引っ張りブロック1105(
図34)の近位側と、スナップリングの遠位側で区切られている。このような構造では、ベルアクチュエータ1100が近位側に引っ張られると、このアクチュエータ1100がロッド引っ張りブロック1105に近位側へ力を加え、これによって、連接係止解除スライド120、1120が係止解除位置に移動する。ベルアクチュエータ1100の内面のキー孔は、形状で係止するように、ロッド引っ張りブロック1105を囲んでおり、内側チューブ1130の縦軸を中心としたベルアクチュエータ1100の回転で、ロッド引っ張りブロック1105に力がかかり、対応する回転がなされる。形状で係止するあるいは形状でフィットする連結は、要素形状自体で二つの要素を互いに連結するものであり、要素への外力によって要素を互いに係止させる力係止連結とは逆である。このように、内側チューブと、デバイス1000の遠位側アッセンブリ全体は、同様に回転する。代替の構成では、ベルアクチュエータ1100の縦の動きが、スライド120、1120を非係止状態に位置させる第1の作動と、スライド120、1120を係止状態に位置させる第2の作動とによって、標準的なボールペンと同様に機能する。
【0097】
本発明のベルアクチュエータ1100を用いて、外科医は、エンドステープラ1000のあらゆる機能を片手で取り扱うことができる。
【0098】
図32は、ハンドル1200のないエンドステープラ1000の近位端を示す図である。ベルアクチュエータ1100内で同軸に配置した押出ロッド1102は、ステープラが発射方向にあるときに、切断刃1060を移動させるのに用いる。
【0099】
図33は、エンドステープラ1000の近位端における部品を示す図であり、この部品は、軸方向に固定的に、及び自在に回転するように、遠位アッセンブリをベルアクチュエータ1100に連結している。特に、内側チューブ1130(外側チューブ1110内部に配置される)は、内側チューブ連結チャンバ1134を規定する近位側エクステンション1132を有する。クラムシェル套管1131は、内側チューブ1130のエクステンション1132にほぼ等しい長さと、近位側エクステンション1132の連結チャンバ1134に対応すると套管連結チャンバ1333を有する。回転カップル1141は、連結チャンバ1133と1134の双方に対応する外側形状を有する遠位側T字型状回転リンク1143を有しており、リンク1143がエクステンション1132と套管1131との間に配置されているときに、リンク1143は自在でありそこで回転する。このカップル1141は、カップル1141の近位端上の近位側ポート1145を通ってハンドル1200の内側に固定されている。
【0100】
一緒に配置したときに、内側チューブ1130は、カップル1141に対して軸方向に保持されているが、カップル1141とは独立して回転する。3つの連結部1130、1131、1141が、外側チューブ1110の内側に嵌るサイズなので、これらの部品が外側チューブ1110の内側に配置されると、外側チューブ1110は形状による係止連結となり、内側チューブ1130と套管1131のあらゆる分離を防止する(外側チューブ1110がこの領域を十分にカバーしている限り)。従って、ベルアクチュエータ1100が、内側チューブ1130の縦軸を中心に回転すると、内側及び外側チューブ1110、1130は、チューブ1110、1130の同軸を中心に回転可能であるが、ハンドル1200内側に縦方向に固定されているカップル1141に対しては縦方向に安定している。
【0101】
図34は、ハンドル1200、ベルアクチュエータ1100、および外側チューブ1110のないエンドステープラ1000の近位端を示す図である。図に示すように、内側チューブ1130は中空形状であり、ここを通って押出ロッド1102を受ける。このロッドについては、以下に詳細に述べる。これらの図面に示すように、クレビス1010とドラムスリーブ1040は、互いに、エンドステープラ1000の連接接合またはジョイント1050を形成している。
【0102】
この時点では、下側こう合/ステープルカートリッジホルダ1030はハンドル1200に対して縦方向に固定されている点に留意されたい。この固定は、回動可能であり、こう合を閉じる及び/又は開けるためにキー孔形状のカム面32を通って摺動するときにいくらか縦方向に移動する上側台座1020と対照的である(カム面1032について、以下に/上記に更に詳細に述べる)。
【0103】
ステープルカートリッジホルダ1030とハンドル1200の縦方向に固定した連結を形成するためには、内側チューブ1130が、ステープルカートリッジホルダ1030に連結されていなければならない。しかし、同時に、ステープルカートリッジホルダ1030が内側チューブ1130の縦方向のエクステントに対して連接可能でなければならない。従って、二つの部品1030、1130の間は、軸方向には固定されているが、横方向に連接されていなければならない。
【0104】
このような連結を提供するために、本発明は、例えば
図35乃至38に示すような、少なくとも一のプルバンド1140を具える。例示的構造においては、多数のプルバンド1140が隣り合って設けられている。3つまたは4つのバンドで、二つの構造を形成している。対向する二本のプルバンド1140が、縦方向の強度はほぼ同じであるが、プルバンド1140を横方向に曲げるのに必要な力は低減する。おなじことが3本、または4本のプルバンド1140にも言える。
図37は、プルバンド1140の近位端を示す図であり、この近位端は、近位側プルバンドピン1142で内側チューブ1130の遠位端に縦方向に止めつけられている。プルバンド1140と内側チューブ1130の間を強く連結するために、例えば、内側チューブ1130の遠位端とプルバンド1140の間に真鍮製の近位ガイドブロック1150を配置している。
【0105】
プルバンド1140は、
図35に示すように、連接ジョイント1050の全長にわたっており、
図38に示すように、遠位ガイドブロック1160に連結されている。遠位ガイドブロック1160(これも、例えば真鍮でできている)は、ステープルカートリッジホルダ1030の近位端の上の少なくとも一の溝に嵌る少なくとも一の突起を有する。以降の図面は、遠位ガイドブロック1160をステープルカートリッジホルダ1030に連結する手段を示しており、最終的に、ステープルカートリッジホルダ1030は、ハンドルに軸方向には固定的に連結されているが、内側チューブ1130に対しては連接できる。
図38に示すように、遠位側プルバンドピン1144は、プルバンド1140を遠位ガイドブロック1160に軸方向に係止している。
【0106】
こう合20、30の動きに関する第1の実施例が上述されている。ここでは、ステープルカートリッジ30は軸方向に移動し、台座20は相対的に静止している。
図31、及び以下に示すようにエンドステープラ1000の構成では、操作上反対に移動する。
【0107】
ステープルカートリッジホルダ1030がハンドル1200に対して縦方向に固定されていることを鑑みると、二つのこう合20、30;1020、1030を閉じるアッセンブリがなくてはならない。従って、閉鎖は、以下に述べるように、上側こう合/台座1020の移動によって行われる。
【0108】
ハンドル1200の2本のレバーのうちの第1のレバー(例えば、近位側ハンドル)は、外側チューブ1110に操作可能に連結されており、第1のレバーが圧縮され/作動すると、外側チューブ1110を遠位側に動かす。クレビス1010、連接ジョイント1050、及びドラムスリーブ1040は、外側チューブ1110に軸方向に固定的に連結されているため(また、外側チューブ1110が内側チューブ1130に沿って縦方向にスライド可能であるため)、第1のレバーの作動で、ドラムスリーブ1040を遠位側に移動させる。
【0109】
図39は、開状態にある台座1020を示す図である。ここに見られるように、ギャップ1031は、ドラムスリーブ1040の遠位端と、ステープルカートリッジホルダ1030底部の近位シェルフとの間にギャップ1031がある。この方向において、ドラムスリーブ1040、クレビス1010、及び外側チューブ1110は、シェルフからある距離、近位側に配置されている。
【0110】
図40は、閉状態にある台座1020を示す図である。ここに示すように、ドラムスリーブ1040とステープルカートリッジホルダ1030の近位シェルフとの間にはギャップ1031がない。この方向において、ドラムスリーブ1040、クレビス1010、外側チューブ1110は、ドラムスリーブ1040がシェルフと接触する位置にある。
【0111】
ハンドル1200に対するステープルカートリッジホルダ1030の軸方向に固定された位置と反対に、また、ドラムスリーブ1040の移動と同様に、ナイフ60、1060は、縦軸に沿ってハンドル1200に対して移動しなければならない。
図35、36、及び38乃至41は、ハンドル1200のナイフ移動構造に対するナイフ1060の軸方向に変位可能な連結を示す。
【0112】
図35を参照すると、押出ロッド1102がハンドル1200から延在しており、ハンドル1200の第2の図示しないレバー(例えば、遠位側レバー)に連結されている。押出ロッド1102の遠位端は、押出ピン1122を通って少なくとも一のフレキシブルなナイフ刃1062の遠位端に連結されている。このナイフ刃1062の遠位端は、切断刃1060の近位側に連結されており、切断刃1060は、押出ロッドの1102の対応する動きを追って遠位側あるいは近位側に移動する。ナイフ刃1062は、近位側に上方向に延在するフランジ1064を有し、これは、押出ロッドピン1122を受けるボアを収納している。押出ロッド1102とナイフ刃1062との間のこの軸外連結によって遠位方向に押されると、ナイフ刃1062の遠位端に下側に力が加わり、従って、例えば
図36及び
図42に示すように、押出ロッド刃サポート1070の内側の位置に留まる。
【0113】
ナイフ刃1062は十分にフレキシブルであり、連接ジョイント105が曲がるいずれの方向にも曲がる。従って、ナイフ刃1062も、支持されていなければ屈曲するのに十分にフレキシブルである。本発明は、従って、
図36及び42に示す押出ロッド-刃サポート1070を提供する。ここで、押出ロッド-刃サポート1070の近位端は、矩形ナイフ刃1062を摺動可能に支持する矩形刃チャネル1072を明らかにしている。また、押出ロッド1102の湾曲した(例えば円筒形)の外面を摺動可能に支持する、湾曲した押出ロッドチャネル1074が示されている。このように、押出ロッド-刃サポート1070は、押出ロッド1102がサポート1070内部にある位置で押出ロッド1102を支持しており、また、ナイフ刃1062がサポート1070内部にある位置で、ナイフ刃1062を支持している。
【0114】
図36は、サポート1070の連結と、近位ガイドブロック1150に対する関係を示す。
【0115】
プルバンド1140と同様に、一又はそれ以上のナイフブレード1062を並べることができる。このような構成において、複数のブレード1062は同じ縦方向の剛性を有するが、連接ジョイント1050に曲げがある場合にはより大きな可撓性を提供する。
【0116】
図41に明らかなものは、こう合1020、1030の連接を係止する連接ロック解除スライド1120である。
【0117】
図42乃至50は、エンドステープラ1000の縦軸に直交する面に沿った、ハンドル1200の筒状部分遠位側の縦断面を示す図である。
【0118】
図42は、ナイフ刃1062と押出ロッドピン1122の連結ジャンクションの断面を示す。押出ロッドピン1122は、2枚の隣接する刃1062と押出ロッド1102の全体を通過するが、押出ロッドの外側面の外へは延在しない。この図面は、内側及び外側チューブ1130、1110及び押出ロッド-刃サポート1070の関係も示している。また、この図から明らかなことは、係止解除スライド1120のロックを解除するのに使用する解除押出ロッド1104である。解除プルロッド1104の縦方向のエキスステントは、まず、
図35に示されており、また、
図36、37、41、52および53にも示されている。特に、
図41は、外側部品は隠されているが、プルロッド1104がどのようにベルアクチュエータ1100を連接係止解除スライド1120に連結しているかを示す。
図37に示すように、連接係止解除スライド1120の遠位端を通り、遠位端の回りに巻き付けられているプルロッド1104の遠位端で、解除プルロッド1104は、ベルアクチュエータ1100と連接係止解除スライド1120の間の縦方向の固定的連結を行う。このように、ベルアクチュエータ1100は近位側に移動するときに、連接係止解除スライド1120が対応して近位方向に移動し、連接係止解除スライド1120の遠位側の歯1121とスプロケット1522のスポーク1041を分離する。特に、
図46と52を参照されたい。プルロッド1104と連接係止解除スライド1120の間の巻かれている連結は、例示的実施例にすぎない。その他の形状による係止、力による係止連結も同様に可能である。
【0119】
図43は、プルバンド1140と内側チューブ1130によるピンジョイントの連結を示す。上述したとおり、近位側プルバンドピン1142は、刃1062、近位ガイドブロック1150、及び内側チューブ1130を全体的に通過しているが、外側チューブ1110には及ばない。
【0120】
図44は、連接係止解除スライド1120の近位端のすぐ近位側の領域を示す。この例示的実施例では、プルバンド1140が二本の刃1062の上に配置されている。プルバンド1140と刃1062のうちの少なくとも一方を支持するために、一対のハンモック1066がプルバンド1140と刃1062の連接部分の側部に沿って配置されている。例えば、
図50に示すように、各ハンモック1066はU字形状(縦断面に沿って)をしており、各ハンモック1066の近位側アームは、クレビス1010の近位側面を中心に曲がっており、各ハンモック1066の遠位側アームは、ドラムスリーブ1040内のキャッチ面を中心に曲がっている。
【0121】
クレビス1010内部には、2本のスプリングロッド1012が配置されており、この回りに各スプリングロッドカラー1014がある。このカラーは、縦軸に向けて及び縦軸に沿って連接ジョイント1050のアッセンブリ遠位側全体を横方向にバイアスするように機能する。スプリングロッドとカラー1012、1014については、以下に更に詳細に述べる。
【0122】
図45は、プルロッド1104(この図には示されていない)の曲がった部分を受ける連接係止解除スライド1120の中央の開領域を示す。また、キャビティ1016も示されており、この中に図示しないスプリングロッド1012のバイアスばねが入っている。この断面領域には、二本のナイフ刃1062の上に配置された二本のプルバンド1140の部分が含まれている。
【0123】
図46は、スプリングロッド1012がカム面1018に対して作動している開領域を示す。カム面1018は、アーチ形状をしており、スプリングロッド1012とカム面1018間の接触が常に、スプリングロッド1012の最も遠位側の表面に垂直な軸方向に作用する。例えば、
図56を参照されたい。このような構成において、遠位側連接アッセンブリ(例えば、台座1020、ステープルカートリッジホルダ1030、ドラムスリーブ1040)を内側及び外側チューブ1130、1110の縦軸に対してバイアスするためにカム面1018に対してスプリングロッド1012によって与えられる力は、常に、連接テープルカートリッジホルダ1030の連接軸を中心に同じ半径にある。このような構成の利点の一つは、どのような場合でもスプリングロッド1012に横方向に力がかからないことであり、この場合、スプリングロッド1012の最も遠位端が、カム面1018をとらえて係止することができる。
【0124】
図47は、エンドステープラ連接ジョイント1050内の領域を断面で示す。再び、二本のプルバンド1140と、二本の刃1062、及び二つのハンモック1066の一部がこの領域に含まれている。上側及び下側軸パック1152がドラムスリーブ1040の表面上及び下のオリフィス1042内に挿入されている。連接ジョイント1050におけるドラムスリーブ1040に対するクレビス1010の連結は、上部と底部において対称である。パック1152は、ドラムスリーブ1040の近位端の上部と底部において、オリフィス1042に挿入される。この方向において、アッセンブリはクレビス1040の遠位端に挿入され、スクリュ孔1011をパック1152の中央ねじ付きボア1153に整列させる。整列したときに、スクリュ1013がパック1152に螺合して、ドラムスリーブ1040をクレビス1010に軸方向に固定すると共に、ドラムスリーブ1040を二本のスクリュ1013の縦軸によって規定される軸を中心に連接させる。
【0125】
図48は、遠位側プルバンドピンジョイントの領域を示す。この領域では、プルバンド1140の遠位側端部が、遠位側ガイドブロック1160のボア内に配置されている遠位側プルバンドピン1144で固定されている。遠位側ガイドブロック1160は、ステープルカートリッジホルダ1030内に配置されており、上述したようにそこに固定されている。
【0126】
図49は、切断刃1060のすぐ近位側の領域を示しており、切断刃1060の近位側オリフィス内の二本のナイフ刃1062の固定した連結を示す。この図も、台座1020を回動させてステープルカートリッジホルダ1030に対して移動させるカム面1032を明確に示している。
【0127】
図50は、スプリングロッド1012を通る縦断面を示す。この図では、ハンモック1066の縦方向のエクステント全体が見られる。ハンモック1066の遠位側部分は、ハンモック1066の遠位端近傍の垂直軸を中心に連接している。
図50では、スプリングロッド1012とハンモック1066の間に実質的にギャップが存在する。ハンモック1066がなければ、薄いナイフ刃1062が曲がって、これらのギャップ内で反ったり、あるいは曲がる可能性がある。ハンモック1066をこれらの間に配置することによって、ナイフ刃1062の許されない曲がりが生じすることを防ぐ。
図51は、このような目的で作ったテストベッドにおける、ハンモック1066と刃1062の極端に曲がっているエクステントを示す図である。上側ハンモック1066は、臨界的曲がり領域におけるカーブの内側表面を追従しているので、
図51に関して上側の曲がりには用いられていない。対照的に、下側ハンモック1066が、ナイフ刃1062(例示的実施例では二本)がテストベッドのギャップ内へ許されない曲がりが生じることを実質的に防ぐために用いられている。各ハンモック1066は、両側にしっかりと保持されており、実質的に非弾性材料(例えば、ステンレススチール)でできているので、その間に曲がったナイフ刃1062を支持するスリングまたは「ハンモック」を形成する。
【0128】
図52は、連接係止解除スライド1120を通る断面を示す図であり、解除プルロッド1104のスライド1120内への遠位側連結曲がりを明確に示している。このような構成では、係止解除プルロッド1104の近位側への変位によって、スライド1120が対応して近位側に変位し、スライド1120の歯1121をドラムスリーブ1040の近位側の対応する歯1041間から解除する。図示しないバイアスデバイスによって、連接係止解除スライド1120に遠位側のバイアスがかかる。このバイアスデバイスは、中空1123内にあり、中空1123の遠位端と、クレビス1010に対して固定されているブロック1124に対して押圧している。
【0129】
図35は、解除プルロッド1104とハンドル1200との間の連結を示す。ロッドプルブロック1105は、プルロッド1104を受けるための縦方向のボア1107を有する。ロッドプルブロック1105は、横方向のボア1109も有しており、ロッドプルブロック1105内にプルロッド1104を固定するために、そこで図示しないスクリュセットを受ける。ベルアクチュエータ1100の内側部分は、ロッドプルブロックと係合し、ベルアクチュエータ1100が近位側に移動すると、ロッドプルブロック1105(例えば、キー孔などの形状嵌合連結など)を近位側に偏位させるような形状をしている。
【0130】
図53は、遠位端から見たエンドステープラの遠位部分の分解斜視図である。
【0131】
図34乃至53に示すクレビス1010は、一体型である。代替的に、クレビス1010を、二等分にモールドすることができる。このような場合、パック1152を除いて、代わりに、二等分したクレビスの各部分を形成し、これによって、スクリュ1013を不要とすることができる。なぜなら、外側チューブ1110は、クレビス1010の近位端に取り付けるときに、二等分したものを互いに保持するからである。このような構成が、
図54以下のエンドステープラの実施例に記載されている。
【0132】
図54は、端部作動体の第4実施例の内部部品をいくつか示す図である。台座1020は、ステープルカートリッジホルダ1030の反対側に配置されており、閉リング1040は、ステープルカートリッジホルダ1030の近位端を囲んでいる。内側及び外側チューブ1130、1110は除去されており、連接係止解除スライド1120、押出ロッド1102、および押出ロッド刃サポート1070をはっきり見ることができる。スクリーンドア1103が、押出ロッド1102の周囲で、内側及び外側チューブ1130、1110、及びベルアクチュエータ1100の内側に装着されている。ハンドル1200とベルアクチュエータ1100は、明瞭化のために取り除かれている。スクリーンドア1103は、ナイフ/切断刃1060が遠位方向に移動するのみなので、押出ロッド1102の動きを一方向(遠位側)のみに制限している。
【0133】
二等分したクレビスは、
図55及び56に最も良く示されている。これらの図面では、外側チューブ1110は除かれており、
図54に示す端部作動体の様々な内部構造を示す。
図55の分解図において、プルバンド1140のステープルカートリッジホルダ1030への連結が明らかである。図示しないピン(
図59も参照されたい)は、ホルダ1030の第1の近位側フランジと、第1のスペーサ1170と、プルバンド1140の遠位側フランジと、第2のスペーサ1170と、ホルダ1030の第2の対向する近位側フランジとを、それぞれ、通っている。
図59に示すような閉鎖リング1040は、ピンをここに保持して、これらの部品の縦方向の連結を提供する。
【0134】
ナイフ/切断刃1060の様々な構造も、
図55に明らかである。歯1060は、ナイフ刃1062の遠位端を連結する近位側溝1061を有する。例示的な実施例は、溝1061と遠位端が、キー孔形状の係止を形成している。刃1060の上側ハーフは、上側台座1020の底面内の対応する溝に嵌る外側形状を有する二つの対向するガイドウイング1063を有する。刃1060の下側ハーフも、二つの対向するガイドウイング1065を有する。ホルダ1030は、下側ウイング1065をそこに受けるために、上側表面内に溝を有する。これらの二対のウイング1063、1065によって、刃1060が切断及びステープリング手順中にそこに沿って移動しているときに、台座1020とホルダ1030が確実に、固定した平行位置にある。刃1060の下側ハーフには、近位側に延在するフランジ1067が配置されている。板ばね1090が、リベット1036によってステープルカートリッジホルダ1030に取り付けられている。板ばね1090と、刃1060のその他の特徴を、以下により詳細に記載する。
【0135】
図55及び56は、また、二等分したクレビス2010、2020の様々な部品を示す。
図56及び58に見られるように、クレビスの上側ハーフ2010の内側表面は、二つのキャビティ2011を規定しており、これらのキャビティは各々、スプリングロッド1012と、このスプリングロッド1012用の図示しないバイアスデバイスとを収納する。図に示す例示的実施例では、クレビスの上側ハーフ2010が、スプリングロッド1012用のキャビティ2011全体を規定しており、クレビスの下側ハーフ2020は、バイアスデバイスを収容するためだけのキャビティの底部分2021を規定している。これらのクレビスハーフ2010、2020は、ドッグボーンクレビスの二つの部分2030、2040の各々の上の連接ボス2031、2041をそこで受けるための連接ポート2012、2022を規定している。
【0136】
図56及び57は、外側チューブ1110内の構造の縦方向の連結を示す。押出ロッド刃サポート1070は、内側チューブ1130の下側チャネル内に配置されている。この押出ロッド刃サポート1070も、狭い近位側ネック1074と比較的広い遠位側ヘッド1075を有する遠位エクステンション1071を有する。クレビスの下側ハーフ2020の底部にある対応する溝2023によって、遠位側エクステンション1071は、クレビスハーフ2020、従って、クレビスの残りのハーフに、縦方向に固定することができる。
【0137】
外側チューブ1110とクレビスの下側ハーフ2020は、スプリングロッドキャビティ2011内のスプリングロッド1012の構造を示すために、
図56では取り除かれている。再び、スプリングロッドバイアスデバイス(例えば、コイルスプリング)は、明瞭にするために、キャビティ2011には示されていない。様々な部品を取り除いて、プルバンド1140の連接エクステントが
図56に明確に示されている。クレビスの上側ハーフ2010内部のプルバンド1140用支持面は、
図58の断平面に見ることができる。上側ドッグボーンクレビス2030は、二つの対向する支持面2032を有し、この面は各々が、非連接プルバンド1140の中央線に対して同じ鋭角をなしている。同様に、クレビスの上側ハーフ2010は、二つの対向する面2013を有し、これらの面も、各々、非連接プルバンド1140の中央線に対して鋭角を成している。
【0138】
図55及び58に、クレビスの下側ハーフ2020の内側に向かう方向の反対側の図を示す。ナイフ刃1062用連接部が、下側ドッグボーンクレビス2040内部のドッグボーン1080用支持面2042、及びクレビスの下側ハーフ2010内部のドッグボーン1080用支持面2024と共に示されている。また、この方向においては、ドッグボーンガイド1080用ガイド面及び支持面を見ることができる。
図57では、下側ドッグボーンクレビスが、キドニー形状の遠位側ドッグボーン凹部2043を有し、クレビスの下側ハーフ2010がキドニー形状の近位側ドッグボーン凹部2025を有することわかる。これらの凹部2025、2043及び面2024、2042は、
図66にも示されており、以下に詳細に説明する。
図59、62及び66に更に見られる特徴は、左右の面1082を有するドッグボーンガイド1080の内側通路であり、これを以下に更に詳細に説明する。
【0139】
ドッグボーンガイド1080の遠位端が、
図59の縦断面図に示されている。遠位側ドッグボーン凹部2043は、ドッグボーンガイド1080の遠位端を収納しており、非連接時には、ドッグボーンガイド1080が下側ドッグボーンクレビス2040の支持面2042に接触しない。
【0140】
ドッグボーンガイド1080の遠位端用近位側ハウジングが
図60に示されている。近位側ドッグボーン凹部2025の構造をより明らかにするために、ドッグボーンガイド1080をこれらの構造から取り除いている。
【0141】
凹部2025、2043の両方が、ここに配置されたドッグボーンガイド1080の下側延在部を共に、
図57の水平方向の、縦断面に示されている。ここには、押出ロッド刃サポート1070、切断刃1060、及びステープルスレッド102(取り外し可能なステープルカートリッジ100の一部である)の下側構造が示されている。これらの構造を、
図61及び62に拡大して示す。
【0142】
図63、64および65は、ナイフ刃1060閉鎖構造を示す図である。換言すると、ステープルカートリッジ100がないとき、あるいはすでに発射されたステープルカートリッジがステープルカートリッジホルダ1030内にあるときに、ナイフ刃1060が前進しないようにする安全装置である。理解を容易にするために、この図に示されているステープルカートリッジ100の部分のみが、ステープルスレッド102である。
【0143】
ナイフ刃1060は、ステープルスレッド102が発射用意位置にあるとき、すなわち、スレッド102が
図65に示す位置にあるときにのみ、遠位側に移動できるようにするべきである。スレッド102がこの位置にないときは、二つの事態を意味する。すなわち、ホルダ1030内にステープルカートリッジ100がないか、あるいはスレッド102がすでに遠位側に移動している、換言すると、ロード済みステープルカートリッジ100によって部分的あるいは完全な発射がすでに成されたという事態である。従って、スレッド102には、閉塞接触面104が設けられており、刃1060には、対応する形状の接触ノーズ1069が設けられている。この時点において、下側ガイドウイング1065は、刃1060が遠位側にエッジ1035をすぎて移動するまでカートリッジホルダ1030内のフロア1034に乗らない。このような構成によって、スレッド102が刃1060の遠位端になく、ノーズ1069をたたかない場合、下側ガイドウイング1065がエッジ1035のすぐ近位側の凹部1037を追跡し、フロア1034の上に進む代わりに、エッジ1035をたたいて刃1060が更に前側に移動することを止める。スレッド102が存在しないときにこのような接触を補助するために、ステープルカートリッジ1030は、板ばね1090を有する(リベット1036によって取り付けられている)。上向きに固定されており、フランジ1067を下向きに押圧している板ばね1090(少なくとも、フランジ1067が板ばね1090の遠位端の遠位側にくるまで)によって、下向きの力が刃1060にかかり、ウイング1065を凹部1037に押し下げる。このように、スレッド102が存在することなく刃1060が遠位側に進むと、ウイング1065を凹部1037の下側カーブを追跡して、ウイング1065の遠位エッジがエッジ1035に当たるときに、止まってこれ以上遠位側に移動しないようにする。
図63は、例えば、遠位エッジ1035と二つの立ち上がりボス1038を示す。このボスは、エッジ1035の高さに延在して、スレッド102が内場合にウイング1065がエッジ1035を超えて押されることがないようにする。
【0144】
図66は、クレビスの下側ハーフ2020と下側ドッグボーンクレビス2040内のドッグボーン1080の例示的な動きを示す図である。
図66の完全に左側に曲がった位置では、ドッグボーン1080の遠位側底部突出部が、遠位側ドッグボーン凹部2043内の回転位置にあり、近位側底部突出部が、近位側ドッグボーン凹部2025内の回転位置にある。重要なことは、ドッグボーン1080の左側垂直面が、左側ドッグボーン支持面2024、2042の上でほぼ完全に支持されていることである。凹部2025、2043の形状、及びドッグボーン1080の底部突出部は、ドッグボーン1080の伸張あるいは圧縮がなく、端に、端部作動体の連接が生じるときに左から右へ揺れ動くように選択される。
【0145】
三本の並んだナイフ刃1062が、クレビスの下側ハーフ2020、2040の左側のアーチ状位置内において、
図66に図示されている。左側に曲がると、ナイフ刃1062がドッグボーン1080の右側内側面1082に押しつけられる。従って、内側面1082は、端部作動体が曲がるであろうエクステントに応じた形状をしている。本発明の特徴を画のに制限があるため、刃1062は、ほぼカーブした方向に概略的に示されているだけである。
【0146】
ナイフ刃1062のいくつかの特徴をよりよく理解するために、押出ロッド1102と押出ロッド刃サポート1070との近位側連結の拡大図が
図67に示されている。同軸に整列したナイフ刃1062と押出ロッド1102を有する構造を想像することが可能であるが、例えば
図41、67に示すオフセット連結が用いられる。上述したとおり、ナイフ刃1062の長さが、ナイフ刃1062が、押出ロッド刃サポート1070内で刃チャンネル1072へ完全に押し下げることが好ましいものにする。
図41は、刃1062をチャネル1072にバイアスするオフセット連結の第1の実施例を示す。
図67は、このオフセット連結の第2の実施例を示す。この第2の実施例では、刃1062が、第1の実施例(横方向押出ピン1122で連結されている)のように押出ロッド1102に固定的に連結されていない。代わりに、押出ロッド1102にチャンバ1108が形成されており、この中に刃1062の近位端が挿入される。チャンバ1108を、刃1062を軸方向に縦に保持する(例えば、横方向オフセット)形状に形成することによって、固定的な連結が不要になる。この実施例では、チャンバ1108が縦断面においてほぼL字形状であり、このような横方向のオフセットを提供しているが、様々な異なる形状であっても良い。
【0147】
プルバンド1140の遠位側連結が
図59に特によく示されている。このような構成では、左右のアーチが、二つ、三つ、四つ、あるいはそれ以上の隣接するプルバンド1140の各々を曲げる。各プルバンド1140は固定長を有しており、またプルバンド1140が側部に沿って互いに積み重なっているので、所定の方向のアーチが、差はわずかであるにしても、各プルバンド1140を異なる方向に曲げる。このような曲がりの差を補償するための、遠位側連結の代替の実施例が、
図68乃至70に示されている。明瞭化と、簡単にするために、これらの図面には上側ドッグボーンクレビス2030の一部のみを略図で示す。
【0148】
この代替の実施例では、第1の実施例のスペーサ1170を置き換えている。ここでは、5本のプルバンド1140が側部に並べて配置されている。上側ドッグボーンクレビス2030が、内側ボア2033(例えば円形ボア)を規定しており、この中に、ボア2033の内側形状に対応する外側形状を有するピストン2050が挿入される。ボア2033は、近位側窓2034を具えており、これを通ってプルバンド1140がボア2033内に突出している。窓2034は、プルバンド1140の全幅とほぼ同じ幅(わずかにこれより大きいが)を有する。
【0149】
ピストン2050は、横方向ボアを有し、この中に、近位側プルバンドピン2060が螺合している。このピンはピストン2050と、及び各プルバンド1140の遠位側プルバンドボア1145と螺合するときに、軸として機能する。
図70を参照されたい。ピストン2050の内部2051は、重なったプルバンド1140の幅に対応する形状を有していない。代わりに、プルバンド1140の遠位端を受ける内側開口が、ウイング付きの水平方向断面形状を有する。
【0150】
端部作動体が連接するときに、プルバンド1140の遠位端が曲がってカーブになる。プルバンド1140などの隣接する平行プレートが共に曲がって、外側プレートが、中央あるいは内側プレートと異なる方向に移動する。この不均質な動きは、ウイング付開口2051と、楕円形状の遠位側プルバンドボア1145によって補償される。端部作動体が連接すると、プルバンド1140にかかる曲げ力が、上側ドッグボーンクレビス2030のボア2033内でピストン2050を回動させる。端部作動体が連接するほど、ピストン2050が、完全な連接が外側プルバンド1140をウイング付開口2051の内側面に対して押圧するまで、更に回動する。この時点で、各プルバンド1140の近位端は整列するが、
図68ないし70に示す遠位端は整列しない。卵形開口1145の存在によって、プルバンド1140は互いに対して若干移動することができる。
【0151】
上述した説明及び図面は、本発明の原理、好ましい実施例、及び操作モードを示すものである。しかしながら、本発明は、上述した特定の実施例に限定されると介すべきではない。上述の実施例の更なる変形例は、当業者には自明である。
【0152】
従って、上述の実施例は、限定ではなく、例示であると考えるべきである。従って、当業者が特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から外れることなくこれらの実施例の変形例を作ることができることは自明である。