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特許7001395米飯加工食品用包装材、米飯加工食品包装体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】米飯加工食品用包装材、米飯加工食品包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20220112BHJP
   B65D 65/10 20060101ALI20220112BHJP
   B65D 75/62 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B65D85/50 140
B65D65/10 A
B65D75/62 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017164574
(22)【出願日】2017-08-29
(65)【公開番号】P2019043557
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-07-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知毅
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-073521(JP,A)
【文献】特開2017-085926(JP,A)
【文献】登録実用新案第3069242(JP,U)
【文献】特開2008-061596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/50
B65D 65/10
B65D 75/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
米飯加工食品を包み込み可能なシート材を用いて形成された外シートを備え、該外シートは、一方向に対して交差する他方向に分割可能に構成されており、
外シートの一方の面が外側になるように米飯加工食品を包み込む米飯加工食品用包装材であって、
前記外シートは、米飯加工食品を包み込む外シート本体部と、該外シート本体部から外シートの前記一方の面側へ延出し且つ前記一方向に伸びる帯状延出部とを備えており、
前記外シート本体部は、帯状延出部から前記他方向へ離間した位置で前記他方向の一端側と他端側とに分割可能に構成されており、
前記外シートにおける帯状延出部の延出する側の面が外側になるように米飯加工食品の形状に沿って米飯加工食品用包装材を変形させて、該米飯加工食品用包装材で米飯加工食品を包装した際に、前記帯状延出部が米飯加工食品の端縁と交差するように構成される米飯加工食品用包装材を用いて米飯加工食品が包装されてなる米飯加工食品包装体であって、
前記米飯加工食品用包装材は、前記外シートにおける帯状延出部の延出する側の面が外側になるように米飯加工食品の形状に沿って変形されて米飯加工食品を包み込んでおり、
前記帯状延出部が米飯加工食品の端縁と交差するように配置される米飯加工食品包装体。
【請求項2】
前記外シートは、前記一方向に伸びる第一帯状部と、前記他方向の一端側において第一帯状部と並列して配置され且つ前記一方向に伸びる第二帯状部と、第一帯状部及び第二帯状部よりも細幅に形成され且つ前記一方向に伸びる第三帯状部とを備えており、
第二帯状部は、第一帯状部よりも外シートの他方の面側で、第一帯状部側の側端部が第一帯状部と重なるように配置されると共に、第一帯状部と重ならない非重なり領域を備えており、
第三帯状部は、第一帯状部と第二帯状部との重なる位置で第一帯状部と第二帯状部との間に配置されており、
第三帯状部と第一帯状部とが対向するように配置されることで前記帯状延出部が形成されると共に、第一帯状部における第三帯状部と対向しない領域と第二帯状部とによって外シート本体部が形成されており、
第一帯状部は、該帯状延出部から前記他方向に離間した位置で分割可能に構成される請求項1に記載の米飯加工食品用包装
【請求項3】
前記外シートは、前記他方向に間隔を空けて帯状延出部を少なくとも二つ備えており、隣り合う二つの帯状延出部の間で外シート本体部が前記他方向に分割可能に構成される請求項1に記載の米飯加工食品用包装
【請求項4】
前記第一帯状部、第二帯状部、及び、第三帯状部は、一枚のシート材から形成されており、
該シート材が外シートの他方の面になる側へ折り返されることで形成される第一折返端部であって前記一方向に伸びる第一折返端部を介して第一帯状部における第二帯状部側の一側端部と第三帯状部の幅方向の一側端部とが連結されており、
該シート材が外シートの一方の面になる側へ折り返されることで形成される第二折返端部であって前記一方向に伸びる第二折返端部を介して第二帯状部における第一帯状部側の一側端部と第三帯状部の幅方向の他側端部とが連結される請求項2に記載の米飯加工食品用包装
【請求項5】
前記帯状延出部は、第一帯状部及び第三帯状部における対向する各面の少なくとも一部同士が連結される請求項2又は4に記載の米飯加工食品用包装
【請求項6】
外シートと同方向に分割可能な内シートであって外シートと重なり合う内シートを備えており、
該内シートが内側となるように米飯加工食品を包み込む請求項1乃至5の何れか一項に記載の米飯加工食品用包装
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯加工食品を包み込んで包装する米飯加工食品用包装材と、該米飯加工食品用包装材を用いて米飯加工食品が包装されてなる米飯加工食品包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
お握り等の米飯加工食品は、該米飯加工食品を包み込むことが可能なサイズの外シートを備える包装材によって包装された状態で、店頭販売されている。
【0003】
前記外シートとしては、一方向に対して交差する他方向に分割可能に構成されたものが知られている。例えば、米飯加工食品を包み込むことが可能なサイズの外シート本体部と、前記一方向が長手となるように配置されるカットテープと、前記一方向における外シート本体部の一端部に形成された一対の切り込み部とを備え、該一対の切り込み部の間にカットテープの端部が位置する外シートが知られている。
【0004】
これにより、一対の切り込み部の間に形成される摘み部を摘んで、前記一方向における外シートの他端部側へ引っ張ることで、各切り込み部の端部を起点に外シートがカットテープに沿って切断される。これにより、外シートは、他方向へ分割可能となっている(特許文献1参照)。
【0005】
上記のような外シートを備える包装材を用いて米飯加工食品が包み込まれてなる包装体では、米飯加工食品を食する際に、前記摘み部を引っ張って上記のように外シートを切断し、外シートを他方向に分割する(第一ステップ)。そして、外シートの切断された部分を境とする包装材の一方側と他方側とを離間させるように引っ張ることで、米飯加工食品から包装材を取り除く(第二ステップ)。これによって、米飯加工食品を食することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-246152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような包装体は、第二ステップにおいて、包装材の一方側と他方側とを離間させるように引っ張る際に、包装材の一方側、又は、他方側を指などで摘みにくくなっており、米飯加工食品から包装材を取り除きにくくなっている。
【0008】
そこで、本発明は、米飯加工食品を包装する米飯加工食品用包装材であって、米飯加工食品から容易に取り除くことができる米飯加工食品用包装材を提供することを課題とする。また、本発明は、斯かる米飯加工食品用包装材を用いて米飯加工食品が包装されてなる米飯加工食品包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る米飯加工食品用包装材は、米飯加工食品を包み込み可能なシート材を用いて形成された外シートを備え、該外シートは、一方向に対して交差する他方向に分割可能に構成されており、外シートの一方の面が外側になるように米飯加工食品を包み込む米飯加工食品用包装材であって、前記外シートは、米飯加工食品を包み込む外シート本体部と、該外シート本体部から外シートの前記一方の面側へ延出し且つ前記一方向に伸びる帯状延出部とを備えており、前記外シート本体部は、帯状延出部から前記他方向へ離間した位置で前記他方向の一端側と他端側とに分割可能に構成されており、米飯加工食品の形状に沿って米飯加工食品用包装材を変形させて米飯加工食品を米飯加工食品用包装材で包装した際に、前記帯状延出部が米飯加工食品の端縁と交差するように構成される。
【0010】
斯かる構成によれば、外シート本体部から外シートの前記一方の面側へ延出し且つ前記一方向に伸びる帯状延出部を備え、該帯状延出部は、米飯加工食品用包装材で米飯加工食品を包んだ際に、米飯加工食品の端縁と交差するように構成される。このため、帯状延出部は、米飯加工食品の端縁との交差位置の近傍で、外シート本体部から浮き上がった状態になる。これにより、帯状延出部を指などで摘みやすくなる。このため、帯状延出部から前記他方向へ離間した位置で外シート本体部を前記他方向の一端側と他端側とに分割した後、帯状延出部を摘んで、該帯状延出部を備える一端側を他端側から前記他方向に離間させるように引っ張りやすくなる。これにより、米飯加工食品用包装材を米飯加工食品から容易に取り除くことができる。
【0011】
また、米飯加工食品用包装材で米飯加工食品を包装した状態で、電子レンジ等で加熱した場合であっても、帯状延出部を指などで摘むことができるため、米飯加工食品の熱が指などに伝わり難くなる。これにより、加熱後であっても米飯加工食品用包装材を米飯加工食品から容易に取り除くことができる。
【0012】
前記外シートは、前記一方向に伸びる第一帯状部と、前記他方向の一端側において第一帯状部と並列して配置され且つ前記一方向に伸びる第二帯状部と、第一帯状部及び第二帯状部よりも細幅に形成され且つ前記一方向に伸びる第三帯状部とを備えており、第二帯状部は、第一帯状部よりも外シートの他方の面側で、第一帯状部側の側端部が第一帯状部と重なるように配置されると共に、第一帯状部と重ならない非重なり領域を備えており、第三帯状部は、第一帯状部と第二帯状部との重なる位置で第一帯状部と第二帯状部との間に配置されており、第三帯状部と第一帯状部とが対向するように配置されることで前記帯状延出部が形成されると共に、第一帯状部における第三帯状部と対向しない領域と第二帯状部とによって外シート本体部が形成されており、第一帯状部は、該帯状延出部から前記他方向に離間した位置で分割可能に構成されてもよい。
【0013】
斯かる構成によれば、第三帯状部と第一帯状部とが対向するように配置されることで帯状延出部が形成されるため、帯状延出部のコシが増して外シート本体部から浮き上がり易くなる。このため、帯状延出部をより摘み易くすることができる。
【0014】
前記外シートは、前記他方向に間隔を空けて帯状延出部を少なくとも二つ備えており、隣り合う二つの帯状延出部の間で外シート本体部が前記他方向に分割可能に構成されてもよい。
【0015】
斯かる構成によれば、前記他方向に間隔を空けて帯状延出部を少なくとも二つ備えており、隣り合う二つの帯状延出部の間で外シート本体部が前記他方向に分割可能に構成されることで、外シート本体部を前記他方向に分割した後、各帯状延出部を摘んで前記他方向に離間する方向へ引っ張ることができるため、米飯加工食品用包装材を米飯加工食品からより容易に取り除くことが可能となる。
【0016】
前記第一帯状部、第二帯状部、及び、第三帯状部は、一枚のシート材から形成されており、該シート材が外シートの他方の面になる側へ折り返されることで形成される第一折返端部であって前記一方向に伸びる第一折返端部を介して第一帯状部における第二帯状部側の一側端部と第三帯状部の幅方向の一側端部とが連結されており、該シート材が外シートの一方の面になる側へ折り返されることで形成される第二折返端部であって前記一方向に伸びる第二折返端部を介して第二帯状部における第一帯状部側の一側端部と第三帯状部の幅方向の他側端部とが連結されてもよい。
【0017】
斯かる構成によれば、一枚のシート材を折り返して第一帯状部、第二帯状部、及び、第三帯状部が形成されるため、外シートの製造を容易に行うことが可能となる。また、第一折返端部を介して第一帯状部における第二帯状部側の一側端部と第三帯状部の幅方向の一側端部とが連結されるため、帯状延出部の延出方向の先端部に第一折返端部が位置することになる。これにより、帯状延出部のコシが増して外シート本体部から浮き上がり易くなるため、帯状延出部をより摘み易くすることができる。
【0018】
前記帯状延出部は、第一帯状部及び第三帯状部における対向する各面の少なくとも一部同士が連結されてもよい。
【0019】
斯かる構成によれば、帯状延出部は、第一帯状部及び第三帯状部における対向する各面の少なくとも一部同士が連結されることで、第一帯状部と第三帯状部とが分離しないため、帯状延出部のコシが増して外シート本体部から浮き上がり易くなる。これにより、帯状延出部をより摘み易くすることができる。
【0020】
本発明に係る米飯加工食品包装体は、上記何れかの米飯加工食品用包装材を用いて米飯加工食品が包装されてなる米飯加工食品包装体であって、前記帯状延出部が米飯加工食品の端縁と交差するように配置される。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、米飯加工食品用包装材を米飯加工食品から容易に取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る米飯加工食品用包装材の構成を示した斜視図。
図2図1のI-I断面図。
図3】同実施形態に係る米飯加工食品用包装材で米飯加工食品を挟み込んだ状態を示す斜視図。
図4】同実施形態に係る米飯加工食品用包装材で米飯加工食品を包装した状態(米飯加工食品包装体が形成された状態)を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る米飯加工食品用包装材の実施形態について、図1~4に基づいて説明する。なお、以下の説明では、一方向とは、各図の座標軸におけるx軸に沿った方向であり、前記一方向に交差する他方向とは、各図の座標軸におけるy軸に沿った方向である。
【0024】
本実施形態に係る米飯加工食品用包装材(以下では、単に「包装材」とも記す)1は、図1に示すように、米飯加工食品(例えば、おにぎり等)と接する内シート2と、米飯加工食品を包み込んだ際に最も外側に配置される外シート3とを備える。内シート2及び外シート3は、米飯加工食品を包み込み可能な大きさに形成される。本実施形態では、内シート2及び外シート3は、略同一の形状(具体的には、一方向が長手となる長方形状)に形成される。
【0025】
そして、内シート2及び外シート3は、米飯加工食品に巻く海苔等のシート状食品X1を間に介在させた状態で重ね合されると共に、シート状食品X1を囲むように外周端部同士が(例えば、断続的に)シールされる。これにより、包装材1が形成される。
【0026】
内シート2は、一方向(以下、第一方向とも記す)に交差する他方向(以下、第二方向とも記す)に分割可能に構成される。具体的には、内シート2は、一対の内シート片2a,2aから構成される。一対の内シート片2a,2aは、第二方向に並列して配置されると共に、第二方向における内シート2の略中央部において端部同士が重なるように配置される。つまり、内シート2は、一対の内シート片2a,2aの端部同士が重なり合った領域であって第一方向に伸びる領域を第二方向における略中央部に備える。そして、一対の内シート片2a,2aが第二方向に分離可能であることで、内シート2が第二方向に分割可能になっている。
【0027】
外シート3は、米飯加工食品を包み込み可能な大きさのシート材を用いて形成される。また、外シート3は、米飯加工食品を包み込む外シート本体部3aと、第一方向に延びるように配置される一対のカットテープ3b,3bとを備える。一対のカットテープ3b,3bは、第二方向における外シート本体部3aの略中央部において第二方向に間隔を空けて配置される。また、外シート3(具体的には、外シート本体部3a)は、第一方向の一端部に、第二方向に間隔を空けて形成された一対の切り込み3c,3cを備える。そして、該一対の切り込み3c,3cの間には、一対のカットテープ3b,3bの端部が位置する。これにより、一対の切り込み3c,3cの間に指などで摘むことが可能な摘み部3dが形成される。
【0028】
また、外シート3は、外シート本体部3aから外シート3の一方の面側へ延出し且つ第一方向に伸びる帯状延出部3eを備える。具体的には、外シート3は、第二方向に間隔を空けて帯状延出部3eを少なくとも二つ(本実施形態では、一対)備える。該一対の帯状延出部3e,3eは、第二方向における外シート3の両端側へ向かって外シート本体部3aから延出するように構成される。また、外シート3は、第二方向における一対の帯状延出部3e,3eの間に、一対のカットテープ3b,3b及び一対の切り込み3c,3cが位置する。
【0029】
そして、外シート3は、第二方向に分割可能に構成される。具体的には、外シート本体部3aが帯状延出部3eから第二方向へ離間した位置(具体的には、第二方向における一対の帯状延出部3e,3eの間)で第二方向の一端側と他端側とに分割可能に構成される。より詳しくは、第一方向における外シート3の一端側から他端側へ向かって摘み部3dを引っ張ることで、外シート3(外シート本体部3a)は、一対の切り込み3c,3cの端部を起点に一対のカットテープ3b,3bの外側で一対のカットテープ3b,3bに沿って他端側へ向かって切断される。これにより、外シート3が第二方向に分割される。
【0030】
また、外シート3は、第一方向に伸びる第一帯状部3fと、第二方向の一端側及び他端側において第一帯状部3fと並列して配置され且つ第一方向に伸びる一対の第二帯状部3g,3gと、第一帯状部3f及び各第二帯状部3gよりも細幅に形成され且つ第一方向に伸びる一対の第三帯状部3h,3hとを備える。
【0031】
第一帯状部3fは、帯状延出部3eから第二方向に離間した位置で分割可能に構成される。具体的には、第一帯状部3fは、第二方向の略中央部に一対のカットテープ3b,3b、及び、一対の切り込み3c,3cを備える。また第一帯状部3fは、図2に示すように、第二方向の両側端部3f1,3f1が一対の帯状延出部3e,3eの一部を構成する。
【0032】
各第二帯状部3gは、第一帯状部3f側の一側端部3g1が第一帯状部3fよりも外シート3の他方の面側に配置されると共に第一帯状部3fと重なるように配置される。また、各第二帯状部3gは、第一帯状部3fと重ならない非重なり領域3g2を備える。
【0033】
一対の第三帯状部3h,3hは、第一帯状部3fと一対の第二帯状部3g,3gとの重なる位置で第一帯状部3fと一対の第二帯状部3g,3gとの間に配置される。具体的には、一対の第三帯状部3h,3hは、第一帯状部3fよりも外シート3の他方の面側に配置されると共に、一対の第二帯状部3g,3gよりも外シート3の一方の面側に配置される。また、一対の第三帯状部3h,3hは、第二方向における第一帯状部3fの両側端部3f1,3f1と重なるように配置されると共に、一対の第二帯状部3g,3gの第一帯状部3f側の各側端部3g1が各帯状延出部3eと重なるように配置される。
【0034】
そして、第一帯状部3f(具体的には、各側端部3f1)と各第三帯状部3hとが対向するように配置されることで各帯状延出部3eが形成される。また、第一帯状部3fにおける第三帯状部3hと対向しない領域と第二帯状部3gとによって外シート本体部3aが形成される。各帯状延出部3eは、第一帯状部3f(側端部3f1)及び第三帯状部3hにおける対向する各面の少なくとも一部同士(好ましくは、全域)が連結されることで形状が維持される。なお、第一帯状部3f(一側端部3f1)及び第三帯状部3hにおける対向する各面同士を連結する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ヒートシールによって連結されてもよく、粘着剤や両面テープ等を用いて連結されてもよい。
【0035】
また、外シート3は、シート材が外シート3の他方の面になる側へ折り返されることで形成される第一折返端部3iであって第一方向に伸びる第一折返端部3iを備える。そして、第二方向における第一帯状部3fの両側端部3f1,3f1のそれぞれと各第三帯状部3hの幅方向の一側端部3h1とが第一折返端部3iを介して連結される。また、外シート3は、シート材が外シート3の一方の面になる側へ折り返されることで形成される第二折返端部3jであって第一方向に伸びる第二折返端部3jを備える。そして、各第二帯状部3gにおける第一帯状部3f側の一側端部3g1と第三帯状部の幅方向の他側端部3h2とが第二折返端部3jを介して連結される。
【0036】
つまり、外シート3(具体的には、第一帯状部3f、一対の第二帯状部3g,3g、及び、一対の第三帯状部3h,3h)は、一枚のシート材から形成される。具体的には、シート材における第二方向に間隔を開けた2箇所の位置で、シート材における外シート3の他方の面になる側へ第一方向に沿ってシート材が折り返されることで第一帯状部3fと一対の第一折返端部3i,3iとが形成される。また、第二方向における一対の第一折返端部3i,3iよりもシート材の両端側の2箇所の位置で、シート材における外シート3の一方の面になる側へ第一方向に沿ってシート材が折り返されることで一対の第二帯状部3g,3g、一対の第三帯状部3h,3h、及び、一対の第二折返端部3j、3jが形成される。
【0037】
上記のように構成される包装材1を用いて米飯加工食品(例えば、一対の三角形状の対向面を備えるおにぎり)を包装する際には、外シート3の一方の面(帯状延出部3eが延出する側の面)が外側になるように米飯加工食品を包み込む。また、包装材1を用いて米飯加工食品(例えば、一対の三角形状の対向面を備えるおにぎり)を包装する際には、米飯加工食品の形状に沿って包装材1を変形させる。
【0038】
具体的には、図3に示すように、包装材1の内シート2側に米飯加工食品X2を配置して、米飯加工食品X2を包むように包装材1を二つ折りにする。これにより、包装材1には、米飯加工食品X2を間に介在させた状態で対向するように配置される一対の対向部1a,1bが形成される。そして、一方の対向部1a側から他方の対向部1b側へ向かって、包装材1における米飯加工食品X2と対峙しない領域を米飯加工食品X2の形状に沿って折り返すと共に、折り返した部分を他方の対向部1bに重ね合わせる。そして、折り返した部分と他方の対向部1bとを跨ぐように商品情報等が印字されたラベル(図示せず)を貼り付けることで、図5に示すように、包装材1で米飯加工食品X2が包装された状態(米飯加工食品包装体10)が形成される。そして、米飯加工食品包装体10が形成された状態では、一対の帯状延出部3e,3eは、米飯加工食品X2の端縁と交差するように配置される。これにより、一対の帯状延出部3e,3eは、米飯加工食品X2の端縁と交差した位置の近傍で、外シート本体部3aから浮き上がった状態になる。
【0039】
上記のような米飯加工食品包装体10から米飯加工食品X2を取り出す際には、摘み部3dを一対のカットテープ3b,3bに沿って引っ張ることで、外シート3が切断され、一対のカットテープ3b,3b間の領域が他の領域から切除される。これにより、外シート3は、第二方向に分割される。
【0040】
そして、外シート3における切断された部分を境に、外シート3の一方の側が備える帯状延出部3eを摘んで他方の側から第二方向に離間させるように引っ張ることで、包装材1を米飯加工食品X2から取り除く。これにより、シート状食品X1が内シート2と外シート3との間から引き抜かれ、米飯加工食品X2とシート状食品X1とが一体となって取り出される。
【0041】
以上のように、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材1は、米飯加工食品X2から容易に取り除くことができる。また、本実施形態に係る米飯加工食品包装体10は、米飯加工食品用包装材1を米飯加工食品X2から容易に取り除くことができる。
【0042】
即ち、外シート本体部3aから外シート3の前記一方の面側へ延出し且つ第一方向に伸びる帯状延出部3eを備え、該帯状延出部3eは、米飯加工食品用包装材1で米飯加工食品X2を包んだ際に、米飯加工食品X2の端縁と交差するように構成される。このため、帯状延出部3eは、米飯加工食品X2の端縁との交差位置の近傍で、外シート本体部3aから浮き上がった状態になる。これにより、帯状延出部3eを指などで摘みやすくなる。このため、帯状延出部3eから第二方向へ離間した位置で外シート本体部3aを第二方向の一端側と他端側とに分割した後、帯状延出部3eを摘んで、該帯状延出部3eを備える一端側を他端側から第二方向に離間させるように引っ張りやすくなる。これにより、米飯加工食品用包装材1を米飯加工食品X2から容易に取り除くことができる。
【0043】
また、米飯加工食品用包装材1で米飯加工食品X2を包装した状態で、電子レンジ等で加熱した場合であっても、帯状延出部3eを指などで摘むことができるため、米飯加工食品の熱が指などに伝わり難くなる。これにより、加熱後であっても米飯加工食品用包装材1を米飯加工食品X2から容易に取り除くことができる。
【0044】
また、第三帯状部3hと第一帯状部3fとが対向するように配置されることで帯状延出部3eが形成されるため、帯状延出部3eのコシが増して外シート本体部3aから浮き上がり易くなる。このため、帯状延出部3eをより摘み易くすることができる。
【0045】
また、第二方向に間隔を空けて帯状延出部3eを少なくとも二つ備えており、隣り合う二つの帯状延出部3eの間で外シート本体部3aが第二方向に分割可能に構成されることで、外シート本体部3aを第二方向に分割した後、各帯状延出部3eを摘んで第二方向に離間する方向へ引っ張ることができるため、米飯加工食品用包装材1を米飯加工食品X2からより容易に取り除くことが可能となる。
【0046】
また、一枚のシート材を折り返して第一帯状部3f、第二帯状部3g、及び、第三帯状部3hが形成されるため、外シート3の製造を容易に行うことが可能となる。また、第一折返端部3iを介して第一帯状部3fにおける第二帯状部3g側の一側端部3g1と第三帯状部3hの幅方向の一側端部3h1とが連結されるため、帯状延出部3eの延出方向の先端部に第一折返端部3iが位置することになる。これにより、帯状延出部3eのコシが増して外シート本体部3aから浮き上がり易くなるため、帯状延出部3eをより摘み易くすることができる。
【0047】
また、帯状延出部3eは、第一帯状部3f及び第三帯状部3hにおける対向する各面の少なくとも一部同士が連結されることで、第一帯状部3fと第三帯状部3hとが分離しないため、帯状延出部3eのコシが増して外シート本体部3aから浮き上がり易くなる。これにより、帯状延出部3eをより摘み易くすることができる。
【0048】
なお、本発明に係る米飯加工食品用包装材、及び、米飯加工食品包装体は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0049】
例えば、上記実施形態では、一枚のシート材が折り返されることで、米飯加工食品用包装材1が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、外シート本体部3aを形成する一のシート材と、帯状延出部3eを形成する他のシート材とを用い、外シート本体部3aを形成する一のシート材の一方の面から帯状延出部3eを形成する他のシート材が延出するように、一枚のシート材に他のシート材が取り付けられることで、米飯加工食品用包装材が形成されてもよい。斯かる場合には、帯状延出部3eは、例えば、シート材が第一方向に沿って2つ折りにされたものであってもよく、平面状であってもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、外シート3は、一対の帯状延出部3e,3eを備えるように構成されているが、少なくとも一つの帯状延出部3eを備える外シート3であれば、特に限定されるものではない。例えば、帯状延出部3eを一つのみ備える外シート3であってもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、第一折返端部3iを介して第一帯状部3fの両側端部3f1,3f1と第三帯状部3hの一側端部3h1とが連結されており、第二折返端部3jを介して第二帯状部3gにおける第一帯状部3f側の一側端部3g1と第三帯状部3hの幅方向の他側端部3h2とが連結されているが、これに限定されるものではない。例えば、第一帯状部3f、第二帯状部3g、及び、第三帯状部3hが別々のシート材から構成され、第一帯状部3fの両側端部3f1,3f1と第三帯状部3hの一側端部3h1とがヒートシールや粘着剤等の連結手段で連結され、第二帯状部3gにおける第一帯状部3f側の一側端部3g1と第三帯状部3hの幅方向の他側端部3h2とがヒートシールや粘着剤等の連結手段で連結されるように構成されてもよい。
【0052】
また、上記各実施形態では、一対のカットテープ3b,3bの外側(即ち、2箇所)で外シート3が切断されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第一方向に伸びる一つの切断予定線上で外シート3が切断されるように構成されてもよい。具体的には、外シート3が切り込み3cを一つのみ備える場合、該切り込み3cの端部を起点に外シート3を引き裂くようにして外シート3を切断することで、外シート3が第二方向に分割されてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、外シート3は、一対のカットテープ3b,3bを備えているが、これに限定されるものではなく、例えば、比較的幅の広いカットテープ3bを一つのみ備え、該一つのカットテープ3bの両側で外シート3が切断されるように構成されてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、外シート3は、一対のカットテープ3b,3bを備えているが、これに限定されるものではなく、例えば、外シート3がカットテープ3bを備えない(即ち、外シート本体部3aのみから外シート3が構成される)ものであってよい。斯かる場合には、外シート本体部3aは、切断方向性を有するフィルム(例えば、一軸延伸フィルム等)を用いて形成されることが好ましい。
【0055】
また、上記実施形態では、外シート3は、第一方向の一端部に形成された一対の切り込み3c,3cの各端部を起点に第一方向の他端部へ向かって切断が開始されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第一方向の一端部から離れた位置にコ字状の切り込みを設け、該切り込みの内側の領域を摘み部として引っ張ることで、外シート3が切断されるように構成されてもよい。
【0056】
また、上記各実施形態では、包装材1によって包装される米飯加工食品として、三角形状の米飯加工食品X2が用いられているが、これに限定されるものではなく、他の形状(円筒状など)の米飯加工食品を用いることができる。
【0057】
また、上記実施形態では、包装材1は、内シート2を備えるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、内シート2を備えずに構成されてもよい(即ち、外シート3のみから構成されてもよい)。
【符号の説明】
【0058】
1…米飯加工食品用包装材、1a,1b…対向部、2…内シート、2a,2a…内シート片、3…外シート、3a…外シート本体部、3b…カットテープ、3c…切り込み部、3d…摘み部、3e…帯状延出部、3f…第一帯状部、3g…第二帯状部、3h…第三帯状部、3i…第一折返端部、3j…第二折返端部、10…米飯加工食品包装体、X1…シート状食品、X2…米飯加工食品
図1
図2
図3
図4