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  • 特許-表示装置の製造方法及び多面取り基板 図1
  • 特許-表示装置の製造方法及び多面取り基板 図2
  • 特許-表示装置の製造方法及び多面取り基板 図3
  • 特許-表示装置の製造方法及び多面取り基板 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】表示装置の製造方法及び多面取り基板
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220112BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220112BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220112BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220112BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20220112BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220112BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220112BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220112BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/30 330
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/06
H05B33/10
H05B33/12 Z
H05B33/14 A
H05K3/00 T
H05K3/00 X
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017171933
(22)【出願日】2017-09-07
(65)【公開番号】P2019045823
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 哲生
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕之
(72)【発明者】
【氏名】渋沢 誠
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-304880(JP,A)
【文献】特開2016-065990(JP,A)
【文献】特開2015-056335(JP,A)
【文献】特開2011-134489(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0112887(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0170982(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H01L27/32
51/50
H05B33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流で駆動される発光素子がそれぞれに設けられた複数の製品領域と、前記複数の製品領域のそれぞれに隣接する余白領域と、を一体的に有する多面取り基板を用意する工程と、
陰極パッド及び陽極パッドを通して前記電流を流して前記発光素子を検査する工程と、
前記多面取り基板から、前記複数の製品領域にそれぞれ対応するように、切断ラインに沿って複数の表示パネルを切り出す工程と、
を含み、
前記多面取り基板は、前記発光素子を検査するために前記複数の製品領域のそれぞれに配置された複数の第1検査パッドと、前記発光素子を検査するために前記余白領域に配置された複数の第2検査パッドと、を有し、
前記陰極パッド及び前記陽極パッドは、前記複数の第1検査パッドに含まれ、前記複数の第2検査パッドに含まれず、
前記切断ラインは、前記第1検査パッドと前記第2検査パッドとの間を通り、
前記多面取り基板は、前記複数の製品領域のそれぞれに、切り出された前記複数の表示パネルのそれぞれで使用するための複数の製品パッドをさらに有し、
前記製品パッドは、前記第1検査パッドと前記第2検査パッドとの間に設けられ、
前記第1検査パッドは、前記製品パッドの一と接続され、
前記第2検査パッドは、前記製品パッドの他の一と接続され、
前記切断ラインは、前記第2検査パッドと前記製品パッドとの間を通ることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項2】
電流で駆動される発光素子がそれぞれに設けられた複数の製品領域と、前記複数の製品領域のそれぞれに隣接する余白領域と、を一体的に有する多面取り基板を用意する工程と、
陰極パッド及び陽極パッドを通して前記電流を流して前記発光素子を検査する工程と、
前記多面取り基板から、前記複数の製品領域にそれぞれ対応するように、切断ラインに沿って複数の表示パネルを切り出す工程と、
を含み、
前記多面取り基板は、前記発光素子を検査するために前記複数の製品領域のそれぞれに配置された複数の第1検査パッドと、前記発光素子を検査するために前記余白領域に配置された複数の第2検査パッドと、を有し、
前記陰極パッド及び前記陽極パッドは、前記複数の第1検査パッドに含まれ、前記複数の第2検査パッドに含まれず、
前記切断ラインは、前記第1検査パッドと前記第2検査パッドとの間を通り、
前記陰極パッド及び前記陽極パッドは、切り出された前記複数の表示パネルのそれぞれで前記電流を前記発光素子に流すためにも兼用され、
前記多面取り基板は、前記複数の製品領域のそれぞれに、前記電流を前記発光素子に流す以外の用途で、切り出された前記複数の表示パネルのそれぞれで使用するための複数の製品パッドをさらに有し、
前記製品パッドは、前記第1検査パッドと前記第2検査パッドとの間に設けられ、
前記第1検査パッドは、前記製品パッドの一と接続され、
前記第2検査パッドは、前記製品パッドの他の一と接続され、
前記切断ラインは、前記第2検査パッドと前記製品パッドとの間を通ることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項3】
複数の表示パネルに切り出されるための複数の製品領域のそれぞれに、電流で駆動されるように設けられた発光素子と、
前記発光素子を検査するために、前記複数の製品領域のそれぞれに配置された複数の第1検査パッドと、
前記発光素子を検査するために、前記複数の製品領域のそれぞれに隣接する余白領域に配置された複数の第2検査パッドと、
前記製品領域と、前記余白領域との間であって、前記複数の表示パネルの一の外形に重なるように位置する切断ラインと、を有し、
前記複数の第1検査パッドは、前記電流を流すための陰極パッド及び陽極パッドを含み、
前記複数の第2検査パッドは、前記電流を流すためのパッドを含まず、
前記切断ラインは、前記第1検査パッドと前記第2検査パッドとの間に位置し、
前記複数の製品領域のそれぞれに、切り出された前記複数の表示パネルのそれぞれで使用するための複数の製品パッドをさらに有し、
前記製品パッドは、前記第1検査パッドと前記第2検査パッドとの間に設けられ、
前記第1検査パッドは、前記製品パッドの一と接続され、
前記第2検査パッドは、前記製品パッドの他の一と接続され、
前記切断ラインは、前記第2検査パッドと前記製品パッドとの間に位置することを特徴とする多面取り基板。
【請求項4】
複数の表示パネルに切り出されるための複数の製品領域のそれぞれに、電流で駆動されるように設けられた発光素子と、
前記発光素子を検査するために、前記複数の製品領域のそれぞれに配置された複数の第1検査パッドと、
前記発光素子を検査するために、前記複数の製品領域のそれぞれに隣接する余白領域に配置された複数の第2検査パッドと、
前記製品領域と、前記余白領域との間であって、前記複数の表示パネルの一の外形に重なるように位置する切断ラインと、を有し、
前記複数の第1検査パッドは、前記電流を流すための陰極パッド及び陽極パッドを含み、
前記複数の第2検査パッドは、前記電流を流すためのパッドを含まず、
前記切断ラインは、前記第1検査パッドと前記第2検査パッドとの間に位置し、
前記陰極パッド及び前記陽極パッドは、切り出された前記複数の表示パネルのそれぞれで前記電流を前記発光素子に流すためにも兼用され、
前記複数の製品領域のそれぞれに、前記電流を前記発光素子に流す以外の用途で、切り出された前記複数の表示パネルのそれぞれで使用するための複数の製品パッドをさらに有し、
前記製品パッドは、前記第1検査パッドと前記第2検査パッドとの間に設けられ、
前記第1検査パッドは、前記製品パッドの一と接続され、
前記第2検査パッドは、前記製品パッドの他の一と接続され、
前記切断ラインは、前記第2検査パッドと前記製品パッドとの間に位置することを特徴とする多面取り基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の製造方法及び多面取り基板に関する。
【背景技術】
【0002】
多面取り基板を使用して複数の表示パネルを一体的に製造し、その後、個々の表示パネルを切り出すことが知られている(特許文献1)。このような多面取り方式の製造プロセスでは、個々の表示パネルに切断する前にセル検査を行う。セル検査のための検査パッドは、表示パネルごとに、表示領域の外側にある周辺領域に配置されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-191700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、表示領域を広くするために周辺領域が狭くなる傾向にあり、周辺領域には検査パッドを配置するスペースがなくなってきた。そこで、多面取り基板において、製品領域の外側に検査パッドを配置することが多くなってきた。
【0005】
有機エレクトロルミネッセンス表示装置のように、発光素子を電流駆動する場合、電流を供給するための検査パッドが製品領域の外側にあると配線が長くなる。あるいは、切断を容易に行えるように、切断ラインと交差する部分で配線を細くすることがある。そのため、電圧降下によって正確な検査ができなかったり、発熱によって発光素子に影響を与えたりする。
【0006】
本発明は、制約されたスペースで検査パッドを効率的に配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置の製造方法は、電流で駆動される発光素子がそれぞれに設けられた複数の製品領域と、前記複数の製品領域のそれぞれに隣接する余白領域と、を一体的に有する多面取り基板を用意する工程と、陰極パッド及び陽極パッドを通して前記電流を流して前記発光素子を検査する工程と、前記多面取り基板から、前記複数の製品領域にそれぞれ対応するように、複数の表示パネルを切り出す工程と、を含み、前記多面取り基板は、前記発光素子を検査するために前記複数の製品領域のそれぞれに配置された複数の第1検査パッドと、前記発光素子を検査するために前記余白領域に配置された複数の第2検査パッドと、を有し、前記陰極パッド及び前記陽極パッドは、前記複数の第1検査パッドに含まれ、前記複数の第2検査パッドに含まれないことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、電流を流すための陰極パッド及び陽極パッドを製品領域内に配置することで、制約されたスペースで検査パッドを効率的に配置することが可能になる。
【0009】
本発明に係る多面取り基板は、複数の表示パネルに切り出されるための複数の製品領域のそれぞれに、電流で駆動されるように設けられた発光素子と、前記発光素子を検査するために、前記複数の製品領域のそれぞれに配置された複数の第1検査パッドと、前記発光素子を検査するために、前記複数の製品領域のそれぞれに隣接する余白領域に配置された複数の第2検査パッドと、前記複数の第1検査パッドは、前記電流を流すための陰極パッド及び陽極パッドを含み、前記複数の第2検査パッドは、前記電流を流すためのパッドを含まないことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、電流を流すための陰極パッド及び陽極パッドを製品領域内に配置することで、制約されたスペースで検査パッドを効率的に配置することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る多面取り基板の平面図である。
図2図1に示す多面取り基板のII-II線断面の拡大図である。
図3】製品領域の回路を示す図である。
図4】本発明の実施形態の変形例に係る製品領域の回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0013】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0014】
さらに、本発明の詳細な説明において、ある構成物と他の構成物の位置関係を規定する際、「上に」「下に」とは、ある構成物の直上あるいは直下に位置する場合のみでなく、特に断りの無い限りは、間にさらに他の構成物を介在する場合を含むものとする。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る多面取り基板の平面図である。多面取り基板10は、複数の製品領域Pを有する。製品領域Pは表示パネルに切り出されるための領域である。表示パネルは、有機エレクトロルミネッセンスパネルであり、例えば、赤、緑及び青からなる複数色の単位画素(サブピクセル)を組み合わせて、フルカラーの画素(ピクセル)を形成し、フルカラーの画像を表示領域DAに表示するようになっている。多面取り基板10は、複数の製品領域Pのそれぞれに隣接する余白領域Mを有する。
【0016】
図2は、図1に示す多面取り基板10のII-II線断面の拡大図である。多面取り基板10は、基板12を有する。基板12には、不純物に対するバリアとなるアンダーコート層14が形成され、その上に半導体層16が形成されている。半導体層16にソース電極18及びドレイン電極20が電気的に接続し、半導体層16を覆ってゲート絶縁膜22が形成されている。ゲート絶縁膜22の上にはゲート電極24が形成され、ゲート電極24を覆って層間絶縁膜26が形成されている。ソース電極18及びドレイン電極20は、ゲート絶縁膜22及び層間絶縁膜26を貫通している。半導体層16、ソース電極18、ドレイン電極20及びゲート電極24によって薄膜トランジスタTFTの少なくとも一部が構成される。薄膜トランジスタTFTを覆うようにパッシベーション膜28が設けられている。
【0017】
パッシベーション膜28の上には、平坦化層30が設けられている。平坦化層30の上には、複数の単位画素それぞれに対応するように構成された複数の画素電極32(例えば陽極)が設けられている。平坦化層30は、少なくとも画素電極32が設けられる面が平坦になるように形成される。画素電極32は、平坦化層30及びパッシベーション膜28を貫通するコンタクトホール34によって、半導体層16上のソース電極18及びドレイン電極20の一方に電気的に接続している。
【0018】
平坦化層30及び画素電極32上に、絶縁層36が形成されている。絶縁層36は、画素電極32の周縁部に載り、画素電極32の一部(例えば中央部)を開口させるように形成されている。絶縁層36によって、画素電極32の一部を囲むバンクが形成される。画素電極32は、発光素子38の一部である。発光素子38は、複数の画素電極32に対向する対向電極40(例えば陰極)と有機エレクトロルミネッセンス層42を含む。
【0019】
有機エレクトロルミネッセンス層42は、発光層EMLを含む。発光層EMLは、画素電極32ごとに別々に(分離して)設けられ、絶縁層36にも載るようになっている。この場合は各画素に対応して青、赤又は緑で発光層EMLが発光するようになる。各画素に対応する色はこれに限られず、例えば、黄又は白等でもよい。発光層EMLは、例えば、蒸着により形成される。あるいは、発光層EMLは、図1に示す表示領域DAを覆う全面に、複数の画素に亘るように形成してもよい。つまり、発光層EMLを絶縁層36上で連続するように形成してもよい。この場合、発光層EMLは溶媒分散による塗布により形成する。発光層EMLを複数の画素に亘るように形成する場合は、全サブピクセルにおいて白色で発光し、図示しないカラーフィルタを通して所望の色波長部分を取り出す構成になる。
【0020】
画素電極32と発光層EMLとの間に、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方からなる正孔注入輸送層HITLが介在する。正孔注入輸送層HITLは、1つの画素電極32ごとに分離して設けてもよいが、図2の例では表示領域DA(図1参照)の全体にわたって連続している。正孔注入輸送層HITLは、画素電極32及び絶縁層36に接触するようになっている。
【0021】
対向電極40と発光層EMLとの間に、電子注入層及び電子輸送層の少なくとも一方からなる電子注入輸送層EITLが介在する。電子注入輸送層EITLは、1つの画素電極32ごとに分離して設けてもよいが、図2の例では表示領域DAの全体にわたって連続している。電子注入輸送層EITLは、対向電極40に接触するようになっている。
【0022】
発光層EMLは、画素電極32及び対向電極40に挟まれ、両者間を流れる電流によって輝度が制御されて発光する。製品領域Pには、電流で駆動されるように発光素子38が設けられている。対向電極40は、金属薄膜などからなり光透過性を有し、発光層EMLで生じた光を透過させて画像を表示する。画素電極32は、発光層EMLで生じた光を対向電極40の方向に反射する反射膜からなり、複数層の1層が反射膜であってもよい。
【0023】
有機エレクトロルミネッセンス層42は、封止膜44によって封止されて水分から遮断される。封止膜44は、窒化ケイ素などの無機層材料からなる無機層を含み、一対の無機層が有機層を挟む構造であってもよい。封止膜44には、粘着層46を介して、対向基板48が貼り付けられている。
【0024】
図3は、製品領域Pの回路を示す図である。画像を生成するための複数の発光素子38は、線順次走査方式によって走査線50ごとに駆動される。複数の走査線50は走査回路52から引き出されている。発光素子38には、電流を供給するための電源線54(陰極線及び陽極線)が接続される。また、発光素子38には、電流を制御するための画像信号を入力するために信号線56が接続される。なお、複数の信号線56のいずれかを選択するための信号線選択回路58が設けられ、全ての発光素子38を一括して検査するためのセル検査回路60が設けられている。
【0025】
製品領域Pには、複数の製品パッド62が配置されている。製品パッド62は、切り出された表示パネルで使用される。複数の製品パッド62は、走査回路52に電源を供給するためのパッド、走査回路52に制御信号を入力するためのパッド、信号線選択回路58に制御信号を入力するためのパッドなどを含む。さらに、複数の製品パッド62は、発光素子38に電流を供給するための電源線54に接続される電源パッド64(製品陰極パッド及び製品陽極パッド)を含む。
【0026】
製品領域Pには、発光素子38を検査するために、複数の第1検査パッド66が配置されている。複数の第1検査パッド66は、発光素子38に電流を流すための陰極パッド68及び陽極パッド70を含む。陰極パッド68及び陽極パッド70は、それぞれ、電源パッド64(製品陰極パッド及び製品陽極パッド)に接続されている。複数の第1検査パッド66は、複数の製品パッド62よりも、複数の発光素子38に近い位置にある。
【0027】
余白領域Mには、発光素子38を検査するために、それぞれの製品領域Pに対応して複数の第2検査パッド72が配置されている。複数の第2検査パッド72は、走査回路52に電源を供給するためのパッド、走査回路52に制御信号を入力するためのパッド、信号線選択回路58に制御信号を入力するためのパッド、セル検査回路60に制御信号を入力するためのパッドなどを含む。複数の第2検査パッド72は、発光素子38を発光させるための電流を流すためのパッドは含まない。
【0028】
本実施形態によれば、発光素子38に電流を流すための陰極パッド68及び陽極パッド70を製品領域P内に配置することで、制約されたスペースで検査パッドを効率的に配置することが可能になる。
【0029】
本実施形態に係る表示装置の製造方法では、図1に示すように、多面取り基板10を用意する。陰極パッド68及び陽極パッド70を通して電流を流して発光素子38を検査する。そして、多面取り基板10から、複数の製品領域Pにそれぞれ対応するように、複数の表示パネルを切り出す。なお、複数の第2検査パッド72に接続される配線74は、切断しやすいように、切断ライン上に細くなった幅狭部74aを有する(図1参照)。
【0030】
図4は、本発明の実施形態の変形例に係る製品領域Pの回路を示す図である。この例では、陰極パッド168及び陽極パッド170は、発光素子138を検査するためだけでなく、製品にも使用される。つまり、陰極パッド168及び陽極パッド170は、切り出された複数の表示パネルのそれぞれで、電流を発光素子138に流すためにも兼用される。
【0031】
製品領域Pには、電流を発光素子138に流す以外の用途で、切り出された複数の表示パネルのそれぞれで使用するための複数の製品パッド162が配置されている。製品パッド162と比べて、陰極パッド168及び陽極パッド170は、面積が大きいか、あるいは、隣のパッドとの間隔が広くなっている。こうすることで、陰極パッド168及び陽極パッド170に、検査用のプローブを当て易くなる。本実施形態に係る表示装置の製造方法は、上記構造に関する説明から自明の内容及び上記実施形態で説明した内容が該当する。
【0032】
なお、表示装置は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置には限定されず、量子ドット発光素子(QLED:Quantum‐Dot Light Emitting Diode)のような発光素子を各画素に備えた表示装置であってもよい。
【0033】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0034】
10 多面取り基板、12 基板、14 アンダーコート層、16 半導体層、18 ソース電極、20 ドレイン電極、22 ゲート絶縁膜、24 ゲート電極、26 層間絶縁膜、28 パッシベーション膜、30 平坦化層、32 画素電極、34 コンタクトホール、36 絶縁層、38 発光素子、40 対向電極、42 有機エレクトロルミネッセンス層、44 封止膜、46 粘着層、48 対向基板、50 走査線、52 走査回路、54 電源線、56 信号線、58 信号線選択回路、60 セル検査回路、62 製品パッド、64 電源パッド、66 第1検査パッド、68 陰極パッド、70 陽極パッド、72 第2検査パッド、74 配線、74a 幅狭部、138 発光素子、162 製品パッド、168 陰極パッド、170 陽極パッド、DA 表示領域、EITL 電子注入輸送層、EML 発光層、HITL 正孔注入輸送層、M 余白領域、P 製品領域、TFT 薄膜トランジスタ。
図1
図2
図3
図4