(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】材料ウェブ検査において材料ウェブのずれを補正するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/892 20060101AFI20220112BHJP
B65B 41/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
G01N21/892 A
B65B41/00 501J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017203347
(22)【出願日】2017-10-20
【審査請求日】2020-10-19
(31)【優先権主張番号】10 2016 220 759.8
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509035266
【氏名又は名称】テクスマーク・ゲーエムベーハー・フェアトリープスゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】マンフレット・クレーン
【審査官】大河原 綾乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-286646(JP,A)
【文献】特開2002-162363(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188457(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0077538(US,A1)
【文献】特表2007-530934(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0319866(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015105656(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/84 - G01N21/958
B65B41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料ウェブの長さ(y)及び/又は材料ウェブの幅(x)の方向に移動する材料ウェブ用検査システムにおいて、材料ウェブのずれを補正するための方法において、該方法が以下のステップ;
材料ウェブ(10)の第1の区分の第1の記録を、第1の時点において、マトリックスチップ(20)を備えるカメラ(110)を用いて作成するステップ;及び
材料ウェブ(10)の第2の区分の第2の記録を、第2の時点において前記カメラ(110)を用いて作成するステップ;
を有している方法において、
前記第1の記録のために前記マトリックスチップ(20)の第1のアクティブ部分区域(22)が使用され、前記第2の記録のために前記マトリックスチップ(20)の第2のアクティブ部分区域(24)が使用されること
と、前記第1のアクティブ部分区域と前記第2のアクティブ部分区域とは同一ではないこと
と、
前記第2のアクティブ部分区域(24)は、前記第1のアクティブ部分区域(22)に比較して、材料ウェブの長さ方向(y)及び/又は材料ウェブの幅方向(x)において所与のずれだけずらされていることと、
前記第1の記録と前記第2の記録との間の時間的なラグは、固定的に所与とされているか、又は材料ウェブ移動に応じて適合され、第1の時点において前記第1の記録を引き起こす第1のトリガーと、第2の時点において前記第2の記録を引き起こす第2のトリガーと、に依存していることと、を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記マトリックスチップ(20)の前記第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)の大きさ及び/又は位置、及びそれにより材料ウェブの長さ方向(y)及び/又は材料ウェブの幅方向(x)における前記カメラ(110)の視野がダイナミックに適合させられ得ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の区分と前記第2の区分とが2つの同一の材料ウェブ区分であること、又は、前記第1の区分と前記第2の区分とが2つの異なる材料ウェブ区分であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の記録は、前記材料ウェブ(10)の第1の画像シーケンスの一部であり、前記第2の記録は、前記材料ウェブ(10)の第2の画像シーケンスの一部であり、とりわけ、複数の第1の記録を用いて第1のシーケンスが作成されて、前記材料ウェブ(10)の前記第1の画像シーケンスが生成され、複数の第2の記録を用いて第2のシーケンスが作成されて、前記材料ウェブ(10)の前記第2の画像シーケンスが生成されることを特徴とする、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記材料ウェブ(10)が、前記第1及び第2の記録のために第1の種類の照明を用いて光を照らされること、又は、
前記第1の記録のために前記材料ウェブ(10)が第1の種類の照明を用いて光を照らされ、前記第2の記録のために前記材料ウェブ(10)が第2の種類の照明を用いて光を照らされることを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
対応するさらなる区分のさらなる記録が、対応するさらなる時点において、対応するさらなるアクティブなマトリックスチップの部分区域を使用して作成され、前記さらなる区分は前記第1の区分及び/又は前記第2の区分と同一で
あることを特徴とする、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも材料ウェブの幅全体をカバーするために前記カメラ(110)の視野が設計されており、とりわけ前記カメラ(110)の視野は材料ウェブの幅方向(x)において材料ウェブの幅より大きいこ
とを特徴とする、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
材料ウェブ位置センサの信号に基づいて前記第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)が設定され、とりわけ前記第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)の材料ウェブの幅方向(x)における大きさ及び/又は位置が設定されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
材料ウェブの長さ(y)及び/又は材料ウェブの幅(x)の方向に移動する材料ウェブを観察及び/又は検査するための装置であって、以下のもの;
マトリックスチップ(20)の部分区域が互いに独立してアクティブ化され得るマトリックスチップ(20)を有するカメラ(110)、及び
制御ユニット、
を有している装置において、
材料ウェブのずれを制御するための前記制御ユニットが、
材料ウェブ(10)の第1の区分の第1の記録を第1の時点において作成するために前記マトリックスチップ(20)の第1の部分区域(22)がアクティブ化され、
前記材料ウェブ(10)の第2の区分の第2の記録を第2の時点において作成するために前記マトリックスチップ(20)の第2の部分区域(24)がアクティブ化され、
その際前記第1のアクティブ部分区域(22)と前記第2のアクティブ部分区域(24)とは同一ではない、
ようにするために設計されていること
と、
前記第2のアクティブ部分区域(24)が、前記第1のアクティブ部分区域(22)に比較して、材料ウェブの長さ方向(y)及び/又は材料ウェブの幅方向(x)において所与のずれだけずれるように、前記第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)を選択するように前記制御ユニットが設計されていることと、
前記第1の記録と前記第2の記録との間の時間的なラグは、固定的に所与とされているか、又は材料ウェブ移動に応じて適合され、第1の時点において前記第1の記録を引き起こす第1のトリガーと、第2の時点において前記第2の記録を引き起こす第2のトリガーと、に依存していることと、を特徴とする、装置。
【請求項10】
前記マトリックスチップ(20)の前記第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)の大きさ及び/又は位置、及びそれにより材料ウェブの長さ方向(y)及び/又は材料ウェブの幅方向(x)における前記カメラ(110)の視野がダイナミックに適合させられ得ることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の区分と前記第2の区分とが2つの同一の材料ウェブ区分であること、又は、前記第1の区分と前記第2の区分とが2つの異なる材料ウェブ区分であることを特徴とする、請求項9又は請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置(100)が第1の照明装置(120、130)を有しており、それにより前記第1及び第2の記録のために第1の種類の照明を用いて前記材料ウェブ(10)に光を照らすことができること、又は、
前記装置(100)が第1及び第2の照明装置(120、130)を有しており、それにより前記材料ウェブ(10)の前記第1の記録のために第1の種類の照明を使用でき、前記材料ウェブ(10)の前記第2の記録のために第2の種類の照明を使用できること、を特徴とする、請求項9から
11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記制御ユニットが、
材料ウェブの長さ方向(y)において連続する、前記材料ウェブ(10)の複数の区分から、それぞれ前記第1の種類の照明を用いて第1の記録が、及び、それぞれ前記第2の種類の照明を用いて第2の記録が作成され、前記第1の記録は一緒に前記材料ウェブ(10)の第1の画像シーケンスを作り出し、前記第2の記録は前記材料ウェブ(10)の第2の画像シーケンスを作り出す、
ようにするために設計されていることを特徴とする、請求項
12に記載の装置。
【請求項14】
前記制御ユニットが、
対応するさらなる区分のさらなる記録が、対応するさらなる時点において作成されるように、前記マトリックスチップ(20)のさらなる部分区域がアクティブ化され、このとき前記さらなる区分は前記第1の区分及び/又は前記第2の区分と同一であり、及び任意的に、前記装置がさらなる照明装置を有しており、それにより前記さらなる記録のために前記材料ウェブ(10)をさらなる種類の照明を用いて光を照らすことができる、
ようにするために設計されていることを特徴とする、請求項
12又は請求項
13に記載の装置。
【請求項15】
マトリックスチップ(20)を備える複数のカメラが設けられており、これらのカメラが材料ウェブの幅にわたって分配されて配置されており、それにより前記複数のカメラの視野が材料ウェブの幅方向(x)において互いに隣接又はオーバーラップしており、前記制御ユニットは、前記複数のカメラが、対応する第1及び第2の記録を作成し、該第1及び第2の記録が、つながっている2つの画像シーケンスにまとめられるようにするために設計されていることを特徴とする、請求項9から
14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも一つのカメラ(110)が前記材料ウェブ(10)の表側に、及び、少なくとも一つのカメラが前記材料ウェブ(10)の裏側に設けられており、前記制御ユニットは、前記材料ウェブ(10)の表側及び裏側の第1及び第2の記録がそれぞれ作成されるようにするために設計されていることを特徴とする、請求項9から
15のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば材料ウェブなど、製品が連続的に移動している機械のための観察及び検査システムにおいて、材料ウェブのずれを補正するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
とりわけラベル又は包装といった印刷製品も含めて、材料ウェブとして製造された製品の生産においては、印刷結果を検証するために印刷後の観察、及び/又は、自動化された品質保証が非常に重要である。その際には、自動化された監視に加えて操作者による視覚的監視という支援を行うこともできる。この種の品質保証において材料ウェブは、材料ウェブの画像を記録する観察又は検査システムの下を通過する。これらの画像は操作者により、又は自動的に検証することができる。高品質な画像を保証するために、材料ウェブは記録のために相応の装置を介して光を照らすことができる。
【0003】
特別な種類の検査、いわゆるマルチ検査においては、材料ウェブ全体(100%検査)を2種類の照明を用いて捕捉するよう試みられる。しかし、2つより多い種類、つまり3つ、4つ、又は5つの種類の照明を使うことも可能である。異なる種類の照明及び記録パラメータを用いて、交互にもしくは時間をずらして画像記録を行うことにより例えば、異なる情報を持つ2つの画像シーケンスの評価を行うことができる。しかしながら、例えば入射光及び透過光で記録された、個々の画像記録の間、もしくは画像シーケンスの間には、材料ウェブの移動方向においてずれが生じる。このずれの影響は、ウェブ速度が速いほど、マトリックスチップの解像度が高いほど、画像記録の間もしくは画像シーケンスの間のディレイが大きいほど、大きくなる可能性がある。既知の検査システムにおいては、このずれをソフトウェア及び相応の計算機性能を用いて高コストで補正することが試みられており、これは、移動した対象物について同じ参照もしくは同じ基準を(検査エラーの場合に)示せるようにするためには、評価のために2つ(又はそれ以上)の種類の検査の画像シーケンスを正確に重ね合わせる必要があるためである。他方では、わずかなずれは無視するという可能性もあるが、これは満足のいくものではない。ソフトウェア補正を備える他のシステムにおいては、多くは画像安定化用のアルゴリズムが使用されており、そのアルゴリズムでは登録ゾーンを用いたパターンマッチングにより同じパターンが重ね合わされる。しかし、照明が異なり、それにより画像情報も異なる場合は、同一パターンを見つけるのが難しい場合があるという短所がある。ここでは同じ照明であることが前提となっている。これをソフトウェアを介して補正することは、一方では非常に高コストであり、他方では、マルチ検査システムにおいては部分的にはまったく不可能であるか、もしくは満足のいくものではない。また材料ウェブは透明、半透明、不透明、又は混合形式である可能性があり、その特性が満足のいかないソフトウェア補正に影響を与えている可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の目的はソフトウェア補正の短所を解決する装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、材料ウェブ用の検査システムにおいて材料ウェブのずれの補正を行うための、請求項1に記載の方法、ならびに材料ウェブを観察及び/又は検査するための、請求項9に記載の装置に関する。
【0006】
材料ウェブの長さ及び/又は材料ウェブの幅の方向に移動する材料ウェブの検査システムにおいて、材料ウェブのずれを補正するための本発明の方法は、以下のステップ、すなわち、マトリックスチップを有するカメラを用いて、第1の時点において、材料ウェブの第1の区分の第1の記録を作成するステップ、前記カメラを用いて、第2の時点において、材料ウェブの第2の区分の第2の記録を作成するステップ、を有しており、ここで第1の記録のためにマトリックスチップの第1のアクティブ部分区域が用いられ、第2の記録のためにマトリックスチップの第2のアクティブ部分区域が用いられ、第1のアクティブ部分区域と第2のアクティブ部分区域は同一ではない。
【0007】
マトリックスチップにより利用されるアクティブ部分区域をダイナミックに適合させることにより、一つの材料ウェブの2つの画像シーケンスを直接的かつ正確に同期化することが可能になり、また、この適合は、(例えば、ずれのソフトウェア補正のために必要である)材料ウェブの特性とは独立している。この調整により、2つの(又はそれより多い)、わずかに異なる時間に記録された画像シーケンスを直接的に捕捉し、正確に重ね合わせることができる。それにより、記録における材料ウェブの長さ方向のずれ補正をソフトウェア評価を介して行うという、高コストな、又は、まったく実現不可能なこともある、又は少なくとも満足のいくものではないことを行わなくてもよくなる。また、マトリックスチップのアクティブな区域を小さくすることにより、画像記録頻度を高めることができる。このことはとりわけ、移動した対象物のマルチ検査(つまり異なる種類の照明を用いる検査)において好適である。本発明の方法により複数の画像シーケンスの最適な参照(ハードウェア補正)を行うことができる。それにより、異なる種類の照明を用いるマルチ検査システムでも、材料ウェブの正確な100%検査が、参照のために追加的なソフトウェア補正を使用せずに行うことができる。このことは追加的に、必要な計算機性能の節約ポテンシャルにもつながる。
【0008】
構成においては、マトリックスチップの第1及び第2のアクティブ部分区域の大きさ及び/又は位置、及びそれにより材料ウェブの長さ方向及び/又は材料ウェブの幅方向におけるカメラの視野をダイナミックに適合させることができる。
【0009】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、第1の区分及び第2の区分は、2つの同一の材料ウェブ区分とすることができる。代替的に、第1の区分及び第2の区分は、2つの異なる材料ウェブ区分とすることもできる。
【0010】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、第2のアクティブ部分区域は、第1のアクティブ部分区域に比較して、材料ウェブの長さ方向及び/又は材料ウェブの幅方向において所与のずれだけずらすことができる。このことが好適であるのは、それにより材料ウェブの長さ方向における材料ウェブのずれも、材料ウェブの幅方向における材料ウェブのずれも、ハードウェアを介して補正できるためである。このことが特に好適となるのは、例えば、(あるかもしれないソフトウェア補正に関して)材料ウェブの幅方向におけるずれについて材料ウェブ縁の捕捉が行えない場合、もしくは視野が材料ウェブの幅の利用に適合される場合である。これにより、材料ウェブの長さ方向においても材料ウェブの幅方向においても制限されたマトリックスチップの部分区域がアクティブ化されると、画像記録頻度をさらに高めることが可能となる。また、位置センサを用いて、材料ウェブ縁を考慮する必要なく、材料ウェブの幅方向における視野を、使用された材料ウェブの幅に適合させることが可能となる。
【0011】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、第1の記録は、材料ウェブの第1の画像シーケンスの一部とし、第2の記録は、材料ウェブの第2の画像シーケンスの一部とすることができる。第1のシーケンスは、材料ウェブの第1の画像シーケンスを生成するために複数の第1の記録を用いて作成することができ、第2のシーケンスは、材料ウェブの第2の画像シーケンスを生成するために複数の第2の記録を用いて作成することができる。このとき第1の画像シーケンスの全ての記録はマトリックスチップの第1のアクティブ部分区域を用いて、第2の画像シーケンスの全ての記録はマトリックスチップの第2のアクティブ部分区域を用いて記録することができ、又は、マトリックスチップの第2のアクティブ部分区域は第2の画像シーケンスの記録のためにそれぞれ適合させることができる。
【0012】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、第1及び第2の記録のために第1の種類の照明を用いて材料ウェブに光を照らすことができる。代替的に第1の記録のために材料ウェブを第1の種類の照明で照らし、第2の記録のために材料ウェブを第2の種類の照明で照らすことができる。材料ウェブの長さ方向において連続する材料ウェブの複数の区分から、それぞれ第1の種類の照明を用いて第1の記録が、及び、それぞれ第2の種類の照明を用いて第2の記録を作成することができ、このとき第1の記録は一緒になって材料ウェブの第1の画像シーケンスが作り出され、第2の記録は材料ウェブの第2の画像シーケンスを作り出す。第1及び第2の画像シーケンスのうちの少なくとも一つをウェブ観察及び/又は検査のために使用することができる。とりわけ、第1及び/又は第2の画像シーケンスはユーザーのために視覚的に表示することができる。
【0013】
材料ウェブは、第1及び/又は第2の記録のためにカメラの視野全体において光を照らすことができる。代替的に、材料ウェブは、それぞれマトリックスチップの第1及び第2のアクティブ部分区域に対応して選択的に光を照らすことができる。材料ウェブの照明は、材料ウェブの幅方向に関して横切るように行うことができる。また、さらなる記録を、対応するさらなる時点において、マトリックスチップの、対応するさらなるアクティブ部分区域を使用して、対応するさらなる区分について作成することができ、これらさらなる区分は、第1の区分及び/又は第2の区分と同一である。これらさらなる記録のために、さらなる種類の照明を材料ウェブの照明用に使用することができる。
【0014】
照明の種類は、例えば、垂直照明、背景照明、透過照明から成るグループから選ぶことができる。
【0015】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、カメラの視野は、少なくとも材料ウェブの幅全体をカバーするよう設計することができる。とりわけ、材料ウェブの幅方向におけるカメラの視野は、材料ウェブの幅より大きくすることができる。材料ウェブ位置センサの信号に基づいて第1及び第2のアクティブ部分区域、とりわけ材料ウェブの幅方向における第1及び第2のアクティブ部分区域の大きさ及び/又は位置を設定することができる。
【0016】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、第2の時点は第1の時点に対して、時間的に0.0001から0.01秒、とりわけ0.0005から0.001秒だけ、ずらすことができる。
【0017】
材料ウェブは少なくとも150m/min、とりわけ少なくとも500m/min、望ましくは少なくとも900m/minのウェブ速度で材料ウェブの長さ方向において移動させることができる。
【0018】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、さらに、材料ウェブの長さ方向における材料ウェブの移動距離又は速度を調べるためのセンサを用意することができる。
【0019】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、材料ウェブの長さ方向における材料ウェブの移動距離を測定することができ、これを介して第1の記録のための第1の時点及び/又は第2の記録のための第2の時点を計算して、カメラのために用意することができる。
【0020】
代替的に材料ウェブの速度を測定することができ、これを介して第1の記録と第2の記録との間の時間的なラグを制御可能とすることができる。
【0021】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、マトリックスチップを有する複数のカメラを設けることができ、これらのカメラは材料ウェブの幅にわたって分配されて配置されており、そのためカメラの視野は材料ウェブの幅方向において互いに隣接しているか又はオーバーラップしており、これら複数のカメラは、対応する第1及び第2の記録を作成し、第1及び第2の記録は、つながっている2つの画像シーケンスにまとめられる。
【0022】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、カメラの視野は、材料ウェブの幅方向に関して横切るように配置することができる。追加的又は代替的に、複数のカメラが設けられている場合は、これら複数のカメラは、材料ウェブの幅方向に関して横切るように配置することができる。
【0023】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な構成において、少なくとも一つのカメラを材料ウェブの表側に、少なくとも一つのカメラを材料ウェブの裏側に設けることができ、材料ウェブの表側及び裏側のそれぞれ第1及び第2の記録を作成することができる。
【0024】
本発明はさらに、材料ウェブの長さ及び/又は材料ウェブの幅の方向において移動する材料ウェブを観察及び/又は検査するための装置も含んでいる。この装置は、マトリックスチップを有するカメラ、及び、制御ユニットを有しており、マトリックスチップの部分区域は互いに独立してアクティブ化することができる。制御ユニットは、材料ウェブの第1の区分の第1の記録を第1の時点において作成するためにマトリックスチップの第1の部分区域がアクティブ化され、また、材料ウェブの第2の区分の第2の記録を第2の時点において作成するためにマトリックスチップの第2の部分区域がアクティブ化されるようにするために設計されており、ここで第1のアクティブ部分区域及び第2のアクティブ部分区域は同一ではない。
【0025】
構成において、マトリックスチップの第1及び第2のアクティブ部分区域の大きさ及び/又は位置、及びそれにより材料ウェブの長さ方向及び/又は材料ウェブの幅方向におけるカメラの視野はダイナミックに適合させることができる。
【0026】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、第1の区分及び第2の区分は2つの同一の材料ウェブ区分とすることができる。代替的に、第1の区分及び第2の区分は、2つの異なる材料ウェブ区分とすることができる。
【0027】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、制御ユニットは、第2のアクティブ部分区域が第1のアクティブ部分区域に比較して、材料ウェブの長さ方向及び/又は材料ウェブの幅方向において所与のずれだけずらされるように、第1及び第2のアクティブ部分区域を選択するように設計することができる。
【0028】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、第1の記録は、材料ウェブの第1の画像シーケンスの一部とすることができ、第2の記録は、材料ウェブの第2の画像シーケンスの一部とすることができる。制御ユニットは、複数の第1の記録を用いて第1のシーケンスが作成されて材料ウェブの第1の画像シーケンスが生成され、及び、複数の第2の記録を用いて第2のシーケンスが作成されて材料ウェブの第2の画像シーケンスが生成されるようにするために設計することができる。制御ユニットは、第1の画像シーケンスの全ての記録がマトリックスチップの第1のアクティブ部分区域を用いて、及び、第2の画像シーケンスの全ての記録がマトリックスチップの第2のアクティブ部分区域を用いて記録されるように、又は、マトリックスチップの第2のアクティブ部分区域が第2の画像シーケンスの記録のためにそれぞれ適合されるようにするために設計することができる。
【0029】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、この装置は第1の照明装置を有することができ、それにより材料ウェブを、第1及び第2の記録のために第1の種類の照明を用いて光を照らすことができる。代替的にこの装置は第1及び第2の照明装置を有することができ、それにより材料ウェブの第1の記録のために第1の種類の照明を使用することができ、材料ウェブの第2の記録のために第2の種類の照明を使用することができる。制御ユニットは、材料ウェブの長さ方向において連続する、材料ウェブの複数の区分からそれぞれ第1の種類の照明を用いて第1の記録が、及び、それぞれ第2の種類の照明を用いて第2の記録が作成されるようにするために設計することができ、その際、第1の記録が一緒になって材料ウェブの第1の画像シーケンスを作り出し、第2の記録は材料ウェブの第2の画像シーケンスを作り出す。制御ユニットは、材料ウェブが第1及び/又は第2の記録のためにカメラの視野全体において照明されるよう、又は、材料ウェブが、それぞれマトリックスチップの第1及び第2のアクティブ部分区域に対応して選択的に照明されるようにするために設計することができる。第1及び/又は第2の照明装置は、材料ウェブの幅方向に関して、横切るように配置することができる。制御ユニットは、マトリックスチップのさらなる部分区域をアクティブ化するようにするために設計することができ、それにより、対応するさらなる区分の、対応するさらなる時点におけるさらなる記録が作成され、ここでさらなる区分は第1の区分及び/又は第2の区分と同一である。この装置はとりわけ、さらなる記録のために材料ウェブをさらなる種類の照明を用いて照明できるように、さらなる照明装置を有することができる。照明装置は、垂直照明、背景照明、透過照明から成るグループから少なくとも一つの種類の照明を用意するよう設計することができる。
【0030】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、カメラは、少なくとも材料ウェブの幅全体をカバーするために視野を有することができる。とりわけ、材料ウェブの幅方向におけるカメラの視野は、材料ウェブの幅より大きくすることができる。装置はまた、材料ウェブ位置センサを有することができ、制御ユニットは、材料ウェブ位置センサの信号に基づいて第1及び第2のアクティブ部分区域が設定されるよう、とりわけ材料ウェブの幅方向における第1及び第2のアクティブ部分区域の大きさ及び/又は位置が設定されるようにするために設計することができる。
【0031】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、制御ユニットは、第2の時点が第1の時点に対して時間的に0.0001から0.01秒、とりわけ0.0005から0.001秒だけずれるようにするために設計することができる。
【0032】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、材料ウェブの長さ方向における材料ウェブの移動距離又は速度を調べるためのセンサを用意することができる。
【0033】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、装置は、材料ウェブの長さ方向における材料ウェブの移動距離を測定し、それを介して第1の記録のための第1の時点及び/又は第2の記録のための第2の時点を計算し、カメラのために用意するよう設計することができる。
【0034】
代替的に装置は、材料ウェブの速度を測定し、これを介して第1の記録と第2の記録との間の時間的なラグを制御するよう設定することができる。
【0035】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、マトリックスチップを備える複数のカメラを設けることができ、これらのカメラは材料ウェブの幅にわたって分配されて配置されているため、複数のカメラの視野は材料ウェブの幅方向において互いに隣接しているか又はオーバーラップしている。制御ユニットは、これら複数のカメラが、対応する第1及び第2の記録を作成し、第1及び第2の記録が2つのつながった画像シーケンスにまとめられるようにするために設計することができる。
【0036】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、カメラの視野は、材料ウェブの幅方向に関して横切るように配置することができ、及び/又は、複数のカメラが設けられている場合は、これら複数のカメラは、材料ウェブの幅方向に関して横切るように配置することができる。
【0037】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、少なくとも一つのカメラを材料ウェブの表側に、少なくとも一つのカメラを材料ウェブの裏側に設けることができ、このとき制御ユニットは、材料ウェブの表側及び裏側のそれぞれ第1及び第2の記録が作成されるようにするために設計することができる。
【0038】
ここまで記述した全ての構成と組み合わせ可能な装置の構成において、装置はまた、固定焦点距離を持つ対物レンズを有することができる。
【0039】
本発明の特徴のさらなる詳細を、以下の図を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】材料ウェブ観察もしくは材料ウェブ検査を行うための本発明の装置の、ある実施例を図式的に表した図である。
【
図2】材料ウェブの上に画像シーケンスを示した、材料ウェブの2つの図である。
【
図3】対応してアクティブ化された部分区域を持つ、2つのマトリックスチップを図式的に表した図である。
【
図4】対応してアクティブ化された部分区域を持つ、さらなる2つのマトリックスチップを図式的に表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下で使用する材料ウェブという概念は幅広く理解すべきであり、加工の際に自動化されて移動され、観察又は検査が必要である全ての種類の生産物を指す。これには、中でも、印刷された紙製品、布及び織物、包装もしくは包装原料、ラベルなどが含まれる。材料ウェブは無限に先に続くように構成されている必要はなく、連続した湾曲部の形をとることもできる。本発明の装置ならびに本発明の方法は、このような生産物全ての観察及び/又は検査のために導入することができる。
【0042】
図1には材料ウェブ10を観察及び/又は検査するための装置100の側面図が図式的に図示されている。装置100は、以下に記述する、材料ウェブのずれを補正するための全ての方法のために使用することができる。この装置は、ウェブ観察/検査に加えて色濃度測定又は分光比色測定のために導入することができる。装置100は、例えばCCD又はCMOSセンサといったマトリックスチップ20を備えるカメラ110を有している。カメラ110は、1D、2D及び/又は3D記録に適したものとすることができ、ならびにカラーカメラ又は白黒カメラとすることができる。カメラ110もしくはカメラ110の視野は、材料ウェブの幅方向x(
図2参照)に関して平行に又は横切るように配置することができる。図示されていない実施形態においてはまた、細部記録のために追加的なカメラを設けることもできる。
図1にはまた、材料ウェブ10に光を照らすために異なる装置が図示されている。図示された例においては、一つのもしくは2つの照明装置130が材料ウェブ10の上方に、一つの照明装置120が材料ウェブ10の下方に設けられている。代替的に、ただ一つの照明装置、又は2つより多い照明装置を有するように実施することもできる。
【0043】
図1にはさらに、カメラ110用の、望ましくは固定焦点距離(Fixfokus)を有する対物レンズ112が図示されている。代替的な構成においては、ズーム対物レンズを使用することもできる。また、材料ウェブの移動距離もしくは速度を測定するセンサ140も設けられている。ここでセンサとしては例えばエンコーダ、近接スイッチ、印刷レジストレーションセンサもしくは直接的な速度センサを使うことができる。例えばロータリーエンコーダ(インクリメンタルロータリーエンコーダ、ロータリーパルスエンコーダ)を導入することができ、これは多くの場合ホイールと共に使用される。既知の回転円周を持つホイールが材料ウェブ上に置かれており、例えば、1回転あたり複数のパルスを生成する。捕捉されたパルス数により、材料ウェブの長さ方向yにおける材料ウェブの移動距離を決定することができる。すると材料ウェブ速度は、例えば時間単位あたりの捕捉されたパルス数を介して、及び、移動距離を介して、つまり時間と経路の値を介して決定することができる(後に挙げる例を参照)。材料ウェブ10は望ましくは材料ウェブの長さyの方向に移動するが、材料ウェブの幅x(
図2参照)の方向に移動することもできる。材料ウェブ10は例えば少なくとも150m/min、とりわけ少なくとも500m/min望ましくは少なくとも900m/minのウェブ速度で材料ウェブの長さ方向yにおいて移動することができる。
【0044】
また、装置100はさらに制御ユニット(
図1には図示されず)を有しており、これは装置の全ての動作を制御し、及び、例えばセンサ140又はさらなる外部センサからの対応する信号を処理する。また、カメラの記録もしくは作成された画像シーケンスを視覚的に表示するための一つ又は複数のモニターを追加的に設けることもできる(
図1には図示されず)。
【0045】
先に述べたように、本発明の方法により、2つの連続する記録において生じた、材料ウェブのずれを、高コストなソフトウェアを用いずに補正することができる。これは、以下のやり方により可能となる。材料ウェブ10の第1の区分を第1の時点において、マトリックスチップ20を備えるカメラ110を用いて、第1の記録が作成され、次に、第2の記録が、材料ウェブ10の第2の区分を第2の時点においてカメラ110を用いて作成される。ここで特別なことは、
図3及び
図4に図示したように、第1の記録のためにはマトリックスチップ20の第1のアクティブ部分区域22が使用され、第2の記録のためにはマトリックスチップ20の第2のアクティブ部分区域24が使用され、このとき第1のアクティブ部分区域と第2のアクティブ部分区域とは同一ではないことである。
【0046】
第2の時点は第1の時点に対して時間的に例えば0.0001から0.01秒、とりわけ0.0005から0.001秒だけずらすことができる。
【0047】
マトリックスチップ20のアクティブな区域とは、マトリックスチップ20の、画像の記録のためにアクティブ化された部分区域を指す。このとき「注目画像領域」(ROI、
図1参照)の原則が使用され、その原則においてマトリックスチップ20の実際のアクティブな区域、つまり解像度が適合される(すでに述べたようにここでは例えばCMOSチップ、CCDチップ又はFPGA付チップを使用することができる)。つまり、使用されるのは、チップ区域全体ではなく、それにより最大視野ではなく、(
図1には、材料ウェブの長さ方向yにおけるカメラの最大視野150が図示されている)、つまりチップの解像度全体ではなく、部分区域のみ、つまり解像度の一部分もしくは利用可能なセンサポイントの一部分を使用して記録が作成される。これについては、大幅に単純化して図示した例で説明する。例えば、マトリックスチップが、20x20=400の架空ピクセルを有しているとする。実際使用されるマトリックスチップのピスセル数はこれよりはるかに大きい(最高で100メガピクセル以上)ため、明確さを期すためにここで再度、これは本発明の原則を説明するための架空の例であることを述べておく。さて、第1の記録のために例えば、5x20=100の架空ピクセルを持つ第1のアクティブ部分区域22が使用され、これは、(材料ウェブの幅方向に対応するx方向における)マトリックスチップ20の幅の全体を利用するが、(材料ウェブの長さ方向に対応するy方向)長さについてはその一部のみを利用する。第2の記録のためには、材料ウェブの長さ方向yにおいて(
図3の図の架空ピクセルの)1ピクセル幅だけシフトさせた、第2のアクティブ部分区域24を使用することができる。他のパラメータにおいては(例えばより速いウェブ速度、及び/又は、2つの記録の間のより大きなタイムラグ(ディレイ)を補正するために)、第2の記録のために1より多いピクセルだけシフトさせることができる。代替的に、
図4に図示したように、第1の記録のために、方向xにおいて制限されたアクティブ部分区域22を使用することができ、及び、これに対応してx及びy方向にシフトさせた第2の部分区域24を第2の記録のために使用することができる。この方法により、対応する部分区域22、24を用いて第1及び第2の記録を続きで作成して、画像シーケンスにまとめることにより、対応する第1及び第2の画像シーケンスを作成することができる(これについては以下に詳細)。
【0048】
本装置もしくは本方法には複数の有利な点がある。マトリックスチップ20により利用されるアクティブ部分区域22、24のダイナミックな適合は、一つの材料ウェブ10の2つの画像シーケンスを直接的かつ正確に同期化することを可能にし、また、(例えば、ずれのソフトウェア補正のために必要である)材料ウェブ10の特性とは独立している。この調整により、わずかに異なる時間に記録された2つの(又は複数の)画像シーケンスを直接的に捕捉し、正確に重ね合わせることができる。それにより、記録におけるYずれ(
図2のΔy参照)の補正を、ソフトウェア評価という、高コストな、又は部分的にはまったく不可能な、もしくは少なくとも満足のいくものではないことを介して行わなくてもよくなる。
図2では、材料ウェブ10が材料ウェブの長さ方向yに移動する際における、材料ウェブの長さ方向yにおけるずれを明確にするために、2つの材料ウェブ10が図示されており、これらの材料ウェブにおいては、それぞれわずかに異なる時点にウェブ区分が捕捉されており、それらは画像シーケンス30a、30bにまとめることができる。これらの画像シーケンスを合計すると、それぞれ材料ウェブ10の全体(100%検査)をカバーしているが、これらは材料ウェブの移動の方向(この場合は方向y)においてΔyだけずれており、というのも、材料ウェブ10は、連続する2つの記録の間に、材料ウェブ速度及びカメラ110のディレイに応じて常に少しずつ先に移動しているからである。例えば以下の枠組パラメータについて以下のずれΔyが生じ得る。
【0049】
(方向yにおける)ウェブ速度:180m/min=3m/sec=3000mm/sec
カメラ解像度:0.2mm/ピクセル
画像記録ディレイ:500μs
【0050】
ここから、線周波数15000線/sec=15線/ミリ秒が得られる。2つの画像シーケンスの間のディレイが500マイクロ秒(0.5ミリ秒)の場合、これは、ずれΔyは7.5線もしくは7.5ピクセルとなり、これは1.5mmに相当する。
【0051】
このようなずれは、マトリックスチップ20の、対応する部分区域22、24をアクティブ化して、連続する2つの記録において同一の区分を捕捉することにより、本発明の装置100及び本発明の方法を用いて直接的にダイナミックに補正することができる。
【0052】
本発明のさらなる有利な点は、マトリックスチップ20のアクティブな区域22、24を縮小することにより、画像記録頻度を高められることである。このことは、移動した対象物のマルチ検査(つまり異なる種類の照明を用いた検査)においてとりわけ好適である。つまり、本発明の方法及び本発明の装置100により、複数の画像シーケンスの最適な参照(ハードウェア補正)を行うことができる。したがって、材料ウェブの正確な100%検査を、参照のために追加的なソフトウェア補正を使用することなく、異なる種類の照明を用いたマルチ検査システムについても行うことができる。このことは追加的に、必要な計算機性能の節約ポテンシャルにもつながる。
【0053】
対物レンズの、使用された焦点距離に応じて、及び、マトリックスチップ上の使用されたROIに応じて、画像記録に関して、異なる幾何学的ひずみが起こり、それにより不正確性につながる可能性がある。これは、例えばひずみ校正を介して補正することができる。
【0054】
図3及び
図4に図示されているように、マトリックスチップ20の、第1及び第2のアクティブ部分区域22、24の大きさ及び/又は位置、それにより、材料ウェブの長さ方向y及び/又は材料ウェブの幅方向xにおけるカメラ110の視野は、ダイナミックに適合させることができる。アクティブ部分区域の適合に一緒に取り入れる因子としては、例えば(例えばセンサ140を介して測定された)実際のウェブ速度、実際のカメラ解像度、及び2つの画像記録の間の実際のディレイであり、このディレイは固定的に所与のものとすることも、又は、やはりダイナミックに適合させることもできる(これについては後に挙げる例を参照)。これらの因子は、アクティブ部分区域22、24を適合することによりマトリックスチップ20内において直ちに及び直接的に考慮することができ、それにより、例えばこれらの因子における偏差もダイナミックに補正することができる。また、例えば、(x方向における)材料ウェブの位置及び幅を決定する位置センサを設けることもできる。このセンサの信号も、アクティブ部分区域22、24の適合に直接的に取り入れることができる。
【0055】
先述のように、本装置は異なる利用のためにも使用することができる。例えば第1の区分と第2の区分とは、2つの同一の材料ウェブ区分とすることもできる。つまり、材料ウェブ10の同じ区分が2回記録され、例えばマルチ検査においては2つの異なる種類の照明を使用することができる。さらに、2つより多い種類の照明を使って、対応する回数の記録を行うことも可能である。代替的に、第1の区分と第2の区分は2つの異なる材料ウェブ区分とすることもできる。すると材料ウェブの2つの異なる区分が記録されるが、アクティブ部分区域22、24も異なるため、例えば材料ウェブの長さ方向y又は材料ウェブの幅x方向における材料ウェブ10のずれに関して突然に偏差を生じる条件を補正できるようにすることができる。このことは、例えば一種類のみの照明を持つ装置において使用することができる。その場合は一度のみの補正が行われ、それはつまり、カメラ110の記録にとっては特定の事象により引き起こされた、マトリックスチップ20の第1のアクティブ部分区域22から、マトリックスチップ20の第2のアクティブ部分区域24への、一度のみの変化があるだけである。そのような事象としては例えば、材料ウェブ速度の急激な上昇(及びそれによりある種のずれ、例えば
図2における材料ウェブの長さ方向yにおける材料ウェブ10のずれΔy)又は、材料ウェブの、移動方向に対して横方向の変位(材料ウェブの幅方向xにおける材料ウェブ10のずれ)が挙げられる。
【0056】
図3もしくは
図4に図示されているように、第2のアクティブ部分区域24は、第1のアクティブ部分区域22に比較して、材料ウェブの長さ方向y及び/又は材料ウェブの幅方向xにおいて所与のずれだけずらすことができる。このことが好適であるのは、それによりy方向における材料ウェブ10のずれΔyも、x方向における材料ウェブ10のずれも、ハードウェアを介して補正することができるからである。このことは、例えばx方向におけるずれについて材料ウェブ縁が(あるかもしれないソフトウェア補正に関して)捕捉され得ない場合、もしくはカメラ110の視野が材料ウェブ10の実際の利用に適合される場合にとりわけ有利となる。x方向においてもy方向においても制限された、マトリックスチップ20の部分区域がアクティブ化されると、画像記録頻度をさらに高めることが可能である。また、上述の位置センサを用いて、材料ウェブ縁を考慮する必要なしに、x方向における視野を材料ウェブの幅に適合させることが可能である。
【0057】
第1の記録は、材料ウェブ10の第1の画像シーケンスの一部、及び、第2の記録は、材料ウェブ10の第2の画像シーケンスの一部とすることができる。材料ウェブ10の第1の画像シーケンスはこのとき、複数の第1の記録から、第2の画像シーケンスは、複数の第2の記録から作成される。第1の画像シーケンスの全ての記録が、マトリックスチップ20の第1のアクティブ部分区域22を用いて、第2の画像シーケンスの全ての記録が、マトリックスチップ20の第2のアクティブ部分区域24を用いて記録されるようにすることができる。また、マトリックスチップの第2のアクティブ部分区域24が、第2の画像シーケンスの記録のためにそれぞれ適合されることも可能である。このとき、例えば実際のウェブ速度、実際のカメラ解像度、及び2つの画像記録の間の実際のディレイといった因子を考慮することが可能である。
【0058】
図1に図示されるように、本装置は異なる照明装置を有している。材料ウェブ10は第1及び第2の記録のために同じ第1の種類の照明(例えば照明装置130)を用いて光を照らすことができる。代替的に、第1の記録のために材料ウェブ10を第1の種類の照明(例えば照明装置130)を用いて照明し、第2の記録のために材料ウェブ10を第2の種類の照明(例えば照明装置120)を用いて光を照らすことができる。マルチ検査に関しては、今や、材料ウェブの長さ方向yにおいて連続する材料ウェブ10の複数の区分から、それぞれ第1の種類の照明を用いて第1の記録を、及び、それぞれ第2の種類の照明を用いて第2の記録を作成することができ、このとき第1の記録は一緒に材料ウェブ10の第1の画像シーケンスを作り出し、第2の記録は材料ウェブ10の第2の画像シーケンスを作り出す。このようにして生成された画像シーケンスは例えばユーザーのために視覚的に一つ又は複数のモニターに表示することができる。例えば検査のための画像シーケンスにおいて、ユーザーによるウェブ観察も同時に行うことができる。代替的にウェブ観察を、それ自身の画像シーケンスを介して行うこともできる。
【0059】
使用される照明装置120、130に応じて、材料ウェブ10は、第1及び/又は第2の記録のために、カメラ110の視野150全体において光を照らすこと、又は、代替的に、それぞれマトリックスチップの第1及び第2のアクティブ部分区域22、24に応じて選択的に光を照らすことができる。また、材料ウェブ10の照明は、材料ウェブの幅方向xに関して横切るように行うことができる。
【0060】
本装置は、2つの画像シーケンスを用いるマルチ検査に加えて、3つ又はそれより多い画像シーケンスを用いるマルチ検査のために使用することもできる。そのためには、対応するさらなる区分のさらなる記録が、対応するさらなる時点において、マトリックスチップ20の対応するさらなる部分区域を使用して作成され、これらさらなる区分は第1の区分及び/又は第2の区分と同一である。これらさらなる記録のために、さらなる種類の照明が材料ウェブ10の照明のために使用される。もちろん、図示された照明装置120、130に加えてさらなる照明装置を設けることもできる。照明の種類は、例えば垂直照明、背景照明、透過照明から成るグループから選ぶことができる。ここでは、均一又は不均一な照明、直接、拡散、集光もしくはコリメート照明、同軸、透光(transmissive)及び/もしくは偏光照明、異なる照明角度及び明視野もしくは暗視野照明、(例えばセキュリティ要素も検査できるように)UV、可視領域もしくはIR領域における光波長、単色(モノクローム)、多色(ポリクローム)もしくは色を同調可能なもしくは制御可能な(RGB)照明、面照明もしくは線照明、コンスタントなもしくはフラッシュ照明、といった一連の照明特性を実現することができ、垂直及び透過照明においてこれらは交互に又は同時に使うことができる。照明装置は、トンネル照明システム、チューブ照明システム又はドーム照明システムとして構成することができ、ならびにモジュール式にすること、もしくは材料ウェブの幅に適合させることもできる。発光体としては例えば白熱電球、蛍光灯、LED照明、OLED照明又はレーザー照明を使用することができる。照明のそれぞれの種類と特性は、例えば、可視入射光を用いた印刷画像検査、可視透過光を用いたラベル検査、及びUV入射光を用いたUVセキュリティ要素の検査、というマルチ検査に導入することができる。
【0061】
カメラ110の視野は、少なくとも材料ウェブの幅全体をカバーするように設計することができる。先述の通り、とりわけ材料ウェブの幅方向xにおけるカメラ110の視野は、材料ウェブの幅より大きくすることができる。材料ウェブ位置センサ(
図1には図示されず)の信号に基づいて、第1及び第2のアクティブ部分区域22、24、とりわけ材料ウェブの幅方向xにおける第1及び第2のアクティブ部分区域22、24の大きさ及び/又は位置を設定することができる。アクティブ部分区域22、24の適合においては、材料ウェブ10の位置に加えて、実際のウェブ速度、実際のカメラ解像度、及び2つ画像記録の間の実際のディレイ、という因子も追加的に役割を果たす。
【0062】
ディレイ、つまり、第1の記録と第2の記録との間の時間的なラグは、固定的に所与とすることも、又は材料ウェブ移動に応じて適合させることもできる。その際ディレイは、(第1の時点における)第1の記録を引き起こす第1のトリガー、及び、(第2の時点において)第2の記録を引き起こす第2のトリガーに依存している。第1のトリガーと第2のトリガーとの間のディレイにより、材料ウェブのずれΔyが生じる(
図2参照)。すでに述べた通り、これら2つのトリガー(つまり2つの記録)の間の時間的な間隔は、固定的に所与とすることができ、例えばカメラ110の最大画像記録頻度により、下に有界である。しかし、2つのトリガーのための第1及び第2の時点、つまりディレイは、ダイナミックに適合させることもできる。その際は先述のセンサ140を使って材料ウェブ10の移動距離もしくは速度を測定することができる。このことについて以下に、ホイール付きセンサのための簡単な数の例を用いて説明する。トリガー制御のための情報は例えばエンコーダから来る。このエンコーダはホイールに連結されており、ホイールの回転あたり特定のパルス数、例えば2048を出力する。ホイールの直径を例えば100mmとすると、回転円周は100mm*π=314.16mmとなり、材料ウェブの長さ方向yにおける材料ウェブの移動距離は回転あたり314.16mm/2048パルスとなり、これはパルスあたりおよそ0.15mmに相当する。例えば解像度が1600*1200ピクセルであるセンサを使用し、方向xにおける材料ウェブの幅が350mmである場合、ピクセルあたりx方向において350mm/1600ピクセル=0.22mm(材料ウェブの幅全体をカバーした場合)となり、また、マトリックスチップが使用されるため、y方向においてピクセルあたり0.22mmともなる。ずれΔyが132mmに相当し、上述のホイール/エンコーダの組み合わせを使用したと考えた場合、パルスあたり132mm/0.15mm=エンコーダの880パルスとなる。つまり、第1の記録のための第1のトリガーの引き起こしと、第2の記録のための第2のトリガーの引き起こしと、の間でエンコーダの880パルスが捕捉されたことになる。それにより、ずれΔy=132mmである第2の記録が作成される。マトリックスチップの例においては132mmのずれΔyは600ピクセルに相当するため、同じ材料ウェブ区分を(他の照明で)記録するためには、第2の記録のためのROIは材料ウェブの長さ方向yにおいて600ピクセルだけずらす必要がある。つまりパルス数を介してROIのための修正値を決定することができる。つまり、第1のトリガーもしくは第1の記録のための第1の時点、ならびに、第2のトリガーもしくは第2の記録のための第2の時点は、ホイールの道程及びエンコーダのパルスにより決定することができる。そのため例えば第1の記録は第1のパルス数の後に、第2の記録は第2のパルス数の後に行うことができる。このとき、連続運転においては材料ウェブ区分の総計はそれぞれ材料ウェブを100%カバーするため、パルス数は多くの場合一定となる。すると、材料ウェブ速度を変更すると第1の記録と第2の記録との間の時間のみが変化するが、第1の記録と第2の記録との間のパルス数は変化しない。つまり、材料ウェブが移動した距離は変わらないが、これらの記録の間のタイムラグは変化するかもしくは適合されるということである。このことは、経路を測定できるセンサ(エンコーダ付きホイール)を用いて、第1及び第2の記録のための対応するトリガリングならびにROIの修正を行えることを意味する。
【0063】
しかしこのやり方により例えば異なる材料ウェブ速度を補正することもでき、それは、トリガリングは所与のパルス数にのみ依存しており、このパルス数には、ウェブ速度に応じて、より早い時点又はより遅い時点において到達されるからである。つまり、センサ140により、例えば、始動、停止、もしくは、作業プロセス内においても、異なる材料ウェブ速度を考慮することができ、それによりカメラ110の第1及び第2の記録(の時点)が相応に適合される。それぞれ待機するパルス数は、例えば使用されたマトリックスセンサ20の特性及び解像度に応じて決定することができる。
【0064】
トリガリングのために例えば上述の制御ユニット又は制御器を導入することができ、これはそのために情報をセンサ140から受け取り、トリガー信号を、第1の記録及び第2の記録のためにカメラ110に送る。制御ユニット又は制御器は、外部機器として設けることができる。しかし、そのような機器もしくは制御論理を直接的にカメラ110内に組み込むことも可能である。それにより例えばセンサ140を直接的に制御器又はカメラ110に接続することができる。
【0065】
図1に図示されたように一つのカメラ110を備えて実施することに加えて、本装置100は、マトリックスチップ20を持つ複数のカメラを備えることができ、その際カメラは材料ウェブの幅にわたって分配されて配置されるため、カメラの視野は材料ウェブの幅方向xにおいて互いに隣接又はオーバーラップする。これら複数のカメラは次に、対応する第1及び第2の記録を作成し、第1及び第2の記録は、つながっている2つの画像シーケンスにまとめられる。複数のカメラを使う場合、これらのカメラは材料ウェブの幅方向xに関して横切るように配置することができる。また、材料ウェブの長さ方向yにおけるカメラの機械的なずれは互いに、マトリックスチップ20のアクティブ部分区域を相応に選択することにより補正することができる。
【0066】
少なくとも一つのカメラ110を材料ウェブの表側に、及び、少なくとも一つのカメラを材料ウェブ10の裏側に配置し、それぞれが材料ウェブ10の表側及び裏側の第1及び第2の記録を作成するようにすることができる。これにより材料ウェブの両側を観察もしくは検査することができる。
【0067】
本発明については上述し、付属の特許請求の範囲で定義されているが、本発明は代替的に以下の実施形態に対応して定義できることも理解されたい。
[実施形態1]
1.材料ウェブの長さ(y)及び/又は材料ウェブの幅(x)の方向に移動する材料ウェブ用検査システムにおいて、材料ウェブのずれを補正するための方法において、該方法が以下のステップ;
材料ウェブ(10)の第1の区分の第1の記録を、第1の時点において、マトリックスチップ(20)を備えるカメラ(110)を用いて作成するステップ;及び
材料ウェブ(10)の第2の区分の第2の記録を、第2の時点において前記カメラ(110)を用いて作成するステップ;
を有している方法において、
第1の記録のためにマトリックスチップ(20)の第1のアクティブ部分区域(22)が使用され、第2の記録のためにマトリックスチップ(20)の第2のアクティブ部分区域(24)が使用されること、及び、第1のアクティブ部分区域と第2のアクティブ部分区域とは同一ではないことを特徴とする、方法。
[実施形態2]
2.マトリックスチップ(20)の第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)の大きさ及び/又は位置、及びそれにより材料ウェブの長さ方向(y)及び/又は材料ウェブの幅方向(x)におけるカメラ(110)の視野をダイナミックに適合させられ得ることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
3.第1の区分と第2の区分とが2つの同一の材料ウェブ区分であることを特徴とする、実施形態1又は実施形態2に記載の方法。
[実施形態4]
4.第1の区分と第2の区分とが2つの異なる材料ウェブ区分であることを特徴とする、実施形態1又は実施形態2に記載の方法。
[実施形態5]
5.第2のアクティブ部分区域(24)は、第1のアクティブ部分区域(22)に比較して、材料ウェブの長さ方向(y)及び/又は材料ウェブの幅方向(x)において所与のずれだけずらされていることを特徴とする、実施形態1から4のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態6]
6.第1の記録は、材料ウェブ(10)の第1の画像シーケンスの一部であり、第2の記録は、材料ウェブ(10)の第2の画像シーケンスの一部であることを特徴とする、実施形態1から5のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態7]
7.複数の第1の記録を用いて第1のシーケンスが作成されて、材料ウェブ(10)の第1の画像シーケンスが生成され、複数の第2の記録を用いて第2のシーケンスが作成されて、材料ウェブ(10)の第2の画像シーケンスが生成されることを特徴とする、実施形態6に記載の方法。
[実施形態8]
8.第1の画像シーケンスの全ての記録が、マトリックスチップ(20)の第1のアクティブ部分区域(22)を用いて、及び、第2の画像シーケンスの全ての記録が、マトリックスチップ(20)の第2のアクティブ部分区域(24)を用いて記録されるか、又は、マトリックスチップの第2のアクティブ部分区域(24)が、第2の画像シーケンスの記録のためにそれぞれ適合されることを特徴とする、実施形態7に記載の方法。
[実施形態9]
9.材料ウェブ(10)が、第1及び第2の記録のために第1の種類の照明を用いて光を照らされること、又は、
第1の記録のために材料ウェブ(10)が第1の種類の照明を用いて光を照らされ、第2の記録のために材料ウェブ(10)が第2の種類の照明を用いて光を照らされることを特徴とする、実施形態1から8のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態10]
10.材料ウェブの長さ方向(y)において連続する、材料ウェブ(10)の複数の区分から、それぞれ第1の種類の照明を用いて第1の記録が、及び、それぞれ第2の種類の照明を用いて第2の記録が作成され、このとき第1の記録は一緒に材料ウェブ(10)の第1の画像シーケンスを作り出し、第2の記録は材料ウェブ(10)の第2の画像シーケンスを作り出すことを特徴とする、実施形態9に記載の方法。
[実施形態11]
11.第1及び第2の画像シーケンスのうちの少なくとも一つが、ウェブ観察及び/又は検査のために使用され、とりわけ第1の及び/又は第2の画像シーケンスがユーザーのために視覚的に表示されることを特徴とする、実施形態10に記載の方法。
[実施形態12]
12.材料ウェブ(10)が、第1及び/又は第2の記録のためにカメラ(110)の視野(150)全体において光を照らされるか、又は、材料ウェブ(10)が、それぞれマトリックスチップ(20)の第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)に応じて選択的に光を照らされることを特徴とする、実施形態9から11のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態13]
13.材料ウェブ(10)の照明が、材料ウェブの幅方向(x)に関して横切るように行われることを特徴とする、実施形態9から12のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態14]
14.対応するさらなる区分のさらなる記録が、対応するさらなる時点において、対応するさらなるアクティブなマトリックスチップの部分区域を使用して作成され、そのさらなる区分は第1の区分及び/又は第2の区分と同一であり、また任意的に、さらなる記録のためにさらなる種類の照明が、材料ウェブ(10)の照明のために使用されることを特徴とする、実施形態9から13のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態15]
15.照明の種類は、垂直照明、背景照明、透過照明、から成るグループから選ばれることを特徴とする、実施形態9から14のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態16]
16.少なくとも材料ウェブの幅全体をカバーするためにカメラ(110)の視野が設計されており、とりわけカメラ(110)の視野は材料ウェブの幅方向(x)において材料ウェブの幅より大きいことを特徴とする、実施形態1から15のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態17]
17.材料ウェブ位置センサの信号に基づいて第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)が設定され、とりわけ第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)の材料ウェブの幅方向(x)における大きさ及び/又は位置が設定されることを特徴とする、実施形態16に記載の方法。
[実施形態18]
18.第2の時点が第1の時点に対して時間的に0.0001から0.01秒、とりわけ0.0005から0.001秒だけずらされていることを特徴とする、実施形態1から17のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態19]
19.材料ウェブ(10)が、少なくとも150m/min、とりわけ少なくとも500m/min、望ましくは少なくとも900m/minのウェブ速度で材料ウェブの長さ方向(y)において移動することを特徴とする、実施形態1から18のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態20]
20.さらに、材料ウェブの長さ方向(y)における材料ウェブ(10)の移動距離又は速度を調べるためのセンサ(140)が用意されることを特徴とする、実施形態1から19のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態21]
21.材料ウェブの長さ方向(y)における材料ウェブ(10)の移動距離が測定され、これを介して第1の記録のための第1の時点及び/又は第2の記録のための第2の時点が計算され、カメラ(110)のために用意されることを特徴とする、実施形態1から20のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態22]
22.材料ウェブ(10)の速度が測定され、それを介して第1の記録と第2の記録との間の時間的なラグが制御可能であることを特徴とする、実施形態1から20のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態23]
23.マトリックスチップ(20)を備える複数のカメラが設けられており、これらのカメラが材料ウェブの幅にわたって分配されて配置されているため、カメラの視野が材料ウェブの幅方向(x)において互いに隣接又はオーバーラップしており、これら複数のカメラは対応する第1及び第2の記録を作成し、第1及び第2の記録は、つながっている2つの画像シーケンスにまとめられることを特徴とする、実施形態1から22のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態24]
24.カメラの視野が、材料ウェブの幅方向(x)に関して横切るように配置されていること、及び/又は、
実施形態23に従属する場合は、複数のカメラが材料ウェブの幅方向(x)に関して横切るように配置されていることを特徴とする、実施形態1から23のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態25]
25.少なくとも一つのカメラ(110)が材料ウェブ(10)の表側に、少なくとも一つのカメラが材料ウェブ(10)の裏側に設けられていること、及び、材料ウェブ(10)の表側及び裏側の第1及び第2の記録がそれぞれ作成されることを特徴とする、実施形態1から24のいずれか一つに記載の方法。
[実施形態26]
26.材料ウェブの長さ(y)及び/又は材料ウェブの幅(x)の方向に移動する材料ウェブを観察及び/又は検査するための装置であって、
マトリックスチップ(20)の部分区域が互いに独立してアクティブ化され得るマトリックスチップ(20)を有するカメラ(110)、及び
制御ユニット、
を有している装置において、
制御ユニットが、
材料ウェブ(10)の第1の区分の第1の記録を第1の時点において作成するためにマトリックスチップ(20)の第1の部分区域(22)がアクティブ化され、
材料ウェブ(10)の第2の区分の第2の記録を第2の時点において作成するためにマトリックスチップ(20)の第2の部分区域(24)がアクティブ化され、
その際第1のアクティブ部分区域(22)と第2のアクティブ部分区域(24)とは同一ではない、
ようにするよう設計されていることを特徴とする、装置。
[実施形態27]
27.マトリックスチップ(20)の第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)の大きさ及び/又は位置、及びそれにより材料ウェブの長さ方向(y)及び/又は材料ウェブの幅方向(x)におけるカメラ(110)の視野をダイナミックに適合させられ得ることを特徴とする、実施形態26に記載の装置。
[実施形態28]
28.第1の区分と第2の区分とが2つの同一の材料ウェブ区分であることを特徴とする、実施形態26又は実施形態27に記載の装置。
[実施形態29]
29.第1の区分と第2の区分とが、2つの異なる材料ウェブ区分であることを特徴とする、実施形態26又は実施形態27に記載の装置。
[実施形態30]
30.第2のアクティブ部分区域(24)が、第1のアクティブ部分区域(22)に比較して、材料ウェブの長さ方向(y)及び/又は材料ウェブの幅方向(x)において所与のずれだけずれるように、第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)を選択するように制御ユニットが設計されていることを特徴とする、実施形態26から29のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態31]
31.第1の記録は材料ウェブ(10)の第1の画像シーケンスの一部であり、第2の記録は材料ウェブ(10)の第2の画像シーケンスの一部であることを特徴とする、実施形態26から30のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態32]
32.材料ウェブ(10)の第1の画像シーケンスを生成するために第1のシーケンスが複数の第1の記録で作成され、及び、材料ウェブ(10)の第2の画像シーケンスを生成するために第2のシーケンスが複数の第2の記録で作成されるようにするために制御ユニットが設計されていることを特徴とする、実施形態31に記載の装置。
[実施形態33]
33.第1の画像シーケンスの全ての記録がマトリックスチップ(20)の第1のアクティブ部分区域(22)を用いて、及び、第2の画像シーケンスの全ての記録がマトリックスチップ(20)の第2のアクティブ部分区域(24)を用いて記録されるか、又は、マトリックスチップの第2のアクティブ部分区域(24)が第2の画像シーケンスの記録のためにそれぞれ適合されるようにするために制御ユニットが設計されていることを特徴とする、実施形態32に記載の装置。
[実施形態34]
34.装置(100)が第1の照明装置(120、130)を有しており、それにより第1及び第2の記録のために第1の種類の照明を用いて材料ウェブ(10)に光を照らすことできること、又は、
装置(100)が第1及び第2の照明装置(120、130)を有しており、それにより材料ウェブ(10)の第1の記録のために第1の種類の照明を使用でき、材料ウェブ(10)の第2の記録のために第2の種類の照明を使用できることを特徴とする、実施形態26から33のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態35]
35.制御ユニットが、
材料ウェブの長さ方向(y)において連続する、材料ウェブ(10)の複数の区分から、それぞれ第1の種類の照明を用いて第1の記録が、及び、それぞれ第2の種類の照明を用いて第2の記録が作成され、第1の記録は一緒に材料ウェブ(10)の第1の画像シーケンスを作り出し、第2の記録は材料ウェブ(10)の第2の画像シーケンスを作り出す、
ようにするために設計されていることを特徴とする、実施形態34に記載の装置。
[実施形態36]
36.材料ウェブ(10)が、第1及び/又は第2の記録のためにカメラ(110)の視野(150)全体において光を照らされるか、又は、材料ウェブ(10)が、マトリックスチップ(20)の第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)にそれぞれ対応して選択的に光を照らされるようにするために制御ユニットが設計されていることを特徴とする、実施形態34から35のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態37]
37.第1の及び/又は第2の照明装置(120、130)が、材料ウェブの幅方向(x)に関して横切るように配置されていることを特徴とする、実施形態34から36のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態38]
38.制御ユニットが、
対応するさらなる区分のさらなる記録が、対応するさらなる時点において作成されるように、マトリックスチップ(20)のさらなる部分区域がアクティブ化され、このときさらなる区分は第1の区分及び/又は第2の区分と同一であり、及び任意的に、装置がさらなる照明装置を有しており、それによりさらなる記録のために材料ウェブ(10)をさらなる種類の照明を用いて光を照らすことができる、
ようにするために設計されていることを特徴とする、実施形態34から37のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態39]
39.照明装置(120、130)は、垂直照明、背景照明、透過照明から成るグループから選ばれる少なくとも一つの種類の照明を用意するよう設計されていることを特徴とする、実施形態34から38のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態40]
40.少なくとも材料ウェブの幅全体をカバーするために、カメラ(110)が視野を有しており、とりわけカメラ(110)の視野は材料ウェブの幅方向(x)において材料ウェブの幅より大きいことを特徴とする、実施形態26から39のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態41]
41.装置(100)が材料ウェブ位置センサを有していること、及び、材料ウェブ位置センサの信号に基づいて第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)が設定され、とりわけ材料ウェブの幅方向(x)における第1及び第2のアクティブ部分区域(22、24)の大きさ及び/又は位置が設定されるようにするために制御ユニットが設計されていること、を特徴とする、実施形態40に記載の装置。
[実施形態42]
42.第2の時点が第1の時点に対して時間的に0.0001から0.01秒、とりわけ0.0005から0.001秒だけずらされるようにするために制御ユニットが設計されていることを特徴とする、実施形態26から41のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態43]
43.装置(100)がさらに、材料ウェブの長さ方向(y)における材料ウェブ(10)の移動距離又は速度を調べるためのセンサ(140)を用意していることを特徴とする、実施形態26から42のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態44]
44.装置(100)が、材料ウェブの長さ方向(y)における材料ウェブ(10)の移動距離を測定し、これを介して第1の記録のための第1の時点及び/又は第2の記録のための第2の時点を計算してカメラ(110)のために用意するよう設計されていることを特徴とする、実施形態26から43のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態45]
45.装置(100)が、材料ウェブ(10)の速度を測定し、それを介して第1の記録と第2の記録との間の時間的なラグを制御するように設計されていることを特徴とする、実施形態26から43のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態46]
46.マトリックスチップ(20)を備える複数のカメラが設けられており、これらのカメラが材料ウェブの幅にわたって分配されて配置されており、それにより複数のカメラの視野が材料ウェブの幅方向(x)において互いに隣接又はオーバーラップしており、制御ユニットは、複数のカメラが、対応する第1及び第2の記録を作成し、第1及び第2の記録が、つながっている2つの画像シーケンスにまとめられるようにするために設計されていることを特徴とする、実施形態26から45のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態47]
47.カメラの視野が、材料ウェブの幅方向(x)に関して横切るように配置されていること、及び/又は、
実施形態46に従属する場合には、複数のカメラが材料ウェブの幅方向(x)に関して横切るように配置されていることを特徴とする、実施形態26から46のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態48]
48.少なくとも一つのカメラ(110)が材料ウェブ(10)の表側に、及び、少なくとも一つのカメラが材料ウェブ(10)の裏側に設けられており、制御ユニットは、材料ウェブ(10)の表側及び裏側の第1及び第2の記録がそれぞれ作成されるようにするために設計されていることを特徴とする、実施形態26から47のいずれか一つに記載の装置。
[実施形態49]
49.装置(100)がさらに、固定焦点距離を持つ対物レンズ(112)を有することを特徴とする、実施形態26から48のいずれか一つに記載の装置。
【符号の説明】
【0068】
10 ・・・材料ウェブ
20 ・・・マトリックスチップ、マトリックスセンサ
22 ・・・第1のアクティブ部分区域
24 ・・・第2のアクティブ部分区域
30a ・・・画像シーケンス
30b ・・・画像シーケンス
100 ・・・装置
110 ・・・カメラ
112 ・・・対物レンズ
120 ・・・照明装置
130 ・・・照明装置
140 ・・・センサ
150 ・・・視野
x ・・・材料ウェブの幅方向
y ・・・材料ウェブの長さ方向
Δy ・・・材料ウェブの長さ方向yのずれ