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特許7001427彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバ
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20220127BHJP
   B29C 64/171 20170101ALI20220127BHJP
   B29C 64/386 20170101ALI20220127BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20220127BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20220127BHJP
   G06F 111/02 20200101ALN20220127BHJP
   G06F 113/10 20200101ALN20220127BHJP
【FI】
G06F30/10
B29C64/171
B29C64/386
B33Y50/00
G06F3/12 302
G06F3/12 323
G06F3/12 378
G06F3/12 385
G06F30/10 200
G06F111:02
G06F113:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017210385
(22)【出願日】2017-10-31
(65)【公開番号】P2019082899
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2020-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 政之
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-082678(JP,A)
【文献】特開2009-096031(JP,A)
【文献】特開2017-182241(JP,A)
【文献】特開2017-023258(JP,A)
【文献】特開2015-225093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/10
B29C 64/171
B29C 64/386
B33Y 50/00
G06F 3/12
G06F 111/02
G06F 113/10
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dプリンタを含む利用者端末と通信可能に接続され、ネットワークを介して立体物の彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバであって、
完成状態の立体物を示す第1の3Dプリンタ用データと、前記完成状態の立体物を内包し、彫刻を開始する前の初期状態の立体物を示す第2の3Dプリンタ用データとを記憶する記憶部と、
前記初期状態の立体物の表面の内、前記初期状態の立体物を設置した場合の底面に所定の形状の凹部を有するよう前記第2の3Dプリンタ用データを編集する編集部と、
前記凹部を塞ぎ、前記凹部に着脱可能な装着立体物を示す第3の3Dプリンタ用データを生成する生成部と、
彫刻作業を行う利用者の前記利用者端末に対し、編集された前記第2の3Dプリンタ用データと、生成された前記第3の3Dプリンタ用データとを送信するデータ送信部と、
を有する彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバ。
【請求項2】
前記凹部は、円錐台の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバ。
【請求項3】
前記凹部の側面及び前記装着立体物の側面は、互いに螺合する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバ。
【請求項4】
前記凹部は、第1の直径を有する第1の空間と、前記第1の空間の上面に設けられ、前記第1の直径以下である第2の直径を有する第2の空間とを有し、
前記装着立体物は、第1の装着立体物と、第2の装着立体物とを有し、
前記第1の空間の側面及び前記第1の装着立体物の側面は、互いに螺合する形状を有し、
前記第2の空間の側面及び前記第2の装着立体物の側面は、互いに螺合する形状を有することを特徴とする請求項3に記載の彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバ。
【請求項5】
前記装着立体物は、前記利用者が手指を挿入可能な一または複数の穴、またはドライバと嵌合するための溝を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
3Dプリンタの高性能化、小型化、低価格化が進み、近年では従来の業務用3Dプリンタだけでなく、民生用の3Dプリンタも急速に普及している。
【0003】
例えば、特許文献1には、折り紙の折り方等、軟弱材の手作業加工法を効果的に学習するための教材が開示されている。この教材は、学習のための動画や音声、テキストと併せて、完成品に至る途中の複数個の半成品の3Dプリンタ用データが含まれる。利用者は、インターネット経由で入手した3Dプリンタ用データを3Dプリンタで出力することにより、半成型品の立体物を入手することができる。ここで、3Dプリンタを含む利用者端末と通信可能に接続され、完成状態の立体物を内包し、彫刻を開始するのに適した大きさ、形状である初期状態の立体物(素材)を示す3Dプリンタ用データを、ネットワークを介して利用者端末に送信するサーバが考えられる。利用者は、利用者端末の3Dプリンタを用いて初期状態の立体物を3Dプリントし彫刻を開始することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-225093号公報
【文献】特開2015-082678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば木彫りの仏像のような造形物には、内部に経文を収めるための空洞が設けられているものがある。このような空洞は、たとえば、作業者が彫刻作業によって仏像を作製する際に形成される。しかしながら、空洞を形成することは、仏像の完成状態の外観に影響を与えるものではないため、作業者にとって退屈な作業である。
【0006】
そこで、3Dプリンタを用いて、予め空洞が設けられた初期状態の立体物を作成しておき、その状態から彫刻作業を開始することが考えられる。例えば、特許文献2には、3Dプリンタを用いて所定の立体物を出力するためのプリンタデータに別情報を合成してユーザーに配信する、プリンタデータの配信方法が開示されている。この合成された別情報により、当該立体物の内部には空間が形成される。
【0007】
しかしながら、初期状態の立体物に予め空洞を設けておくと、立体物の強度が低下する。そのため、作業者が立体物を彫刻刀で彫ったり、手で把持したりする際に強い力が加わると圧壊するおそれがあるため、作業の安全性の点で問題が生じる可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、利用者に対し、内部に空洞を設けながらも彫刻作業を安全に行うことができる立体物を示す3Dプリンタ用データを提供可能なサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための主たる発明は、3Dプリンタを含む利用者端末と通信可能に接続され、ネットワークを介して立体物の彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバであって、完成状態の立体物を示す第1の3Dプリンタ用データと、前記完成状態の立体物を内包し、彫刻を開始する前の初期状態の立体物を示す第2の3Dプリンタ用データを記憶する記憶部と、前記初期状態の立体物の表面の内、前記初期状態の立体物を設置した場合の底面に所定の形状の凹部を有するよう前記第2の3Dプリンタ用データを編集する編集部と、前記凹部を塞ぎ、前記凹部に着脱可能な装着立体物を示す第3の3Dプリンタ用データを生成する生成部と、彫刻作業を行う利用者の前記利用者端末に対し、編集された前記第2の3Dプリンタ用データと、生成された前記第3の3Dプリンタ用データとを送信するデータ送信部と、を有する彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバである。本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用者に対し、内部に空洞を設けながらも彫刻作業を安全に行うことができる立体物を示す3Dプリンタ用データを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る彫刻システムの概略を示す図である。
図2】実施形態に係るサーバの構成例を示す図である。
図3A】実施形態に係る作製する立体物の例を示す図である
図3B】実施形態に係る作製する立体物の例を示す図である
図4】実施形態に係る第2の3Dプリンタ用データによる初期状態の立体物を説明する斜視図である。
図5A】実施形態に係る第2の3Dプリンタ用データを作成する方法を説明する図である。
図5B】実施形態に係る第2の3Dプリンタ用データを作成する方法を説明する図である。
図6A】実施形態に係る第3の3Dプリンタ用データを説明する図である。
図6B】実施形態に係る第3の3Dプリンタ用データを説明する図である。
図7A】実施形態に係る凹部を装着立体物で塞いだ状態を説明する図である。
図7B】実施形態に係る凹部を装着立体物で塞いだ状態を説明する図である。
図8】サーバの処理を示すフローチャートである。
図9A】変形例1に係る第2の3Dプリンタ用データを作成する方法を説明する図である。
図9B】変形例1に係る第2の3Dプリンタ用データを作成する方法を説明する図である。
図10A】変形例1に係る第3の3Dプリンタ用データを説明する図である。
図10B】変形例1に係る第3の3Dプリンタ用データを説明する図である。
図11A】変形例1に係る凹部を装着立体物で塞いだ状態を説明する図である。
図11B】変形例1に係る凹部を装着立体物で塞いだ状態を説明する図である。
図12A】変形例2に係る第2の3Dプリンタ用データを作成する方法を説明する図である。
図12B】変形例2に係る第2の3Dプリンタ用データを作成する方法を説明する図である。
図13A】変形例2に係る第3の3Dプリンタ用データを説明する図である。
図13B】変形例2に係る第3の3Dプリンタ用データを説明する図である。
図14A】変形例2に係る凹部を装着立体物で塞いだ状態を説明する図である。
図14B】変形例2に係る凹部を装着立体物で塞いだ状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
==彫刻システム==
図1に示すように、彫刻システム1は、複数の利用者端末M、及び彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバS(以下、サーバSと呼ぶことがある)を備える。各利用者端末MとサーバSとは、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。ネットワークNは、例えば公衆電話回線網やインターネット回線等の伝送路である。
【0013】
本実施形態では、サーバSから提供される3Dプリンタ用データを利用者端末Mが受け取り、利用者端末Mが含む3Dプリンタm2を用いて初期状態の立体物を作製する。利用者は、初期状態の立体物に対して彫刻作業を行い、完成状態の立体物を作製する。
【0014】
==利用者端末==
利用者端末Mは、利用者が所有する機器である。利用者端末Mは、コンピュータm1、及び3Dプリンタm2を含む。
【0015】
コンピュータm1は、家庭用のパーソナルコンピュータ等である。コンピュータm1は、画像や文字を表示するためのディスプレイが付属されている。また、コンピュータm1は、3Dプリンタm2を制御するためのソフトウェア、3Dプリンタ用データが示す立体物の画像やサーバSから送信される各種情報を表示するためのソフトウェア等がインストールされている。
【0016】
3Dプリンタm2は、3Dプリンタ用データに基づいて、立体物を作製する装置である。造形方式は、FDM方式や光造形方式等、様々な方式を用いることができる。なお、3Dプリンタm2に用いるフィラメント(立体物の素材)は、立体物の外観に適しているだけでなく、彫刻作業に適した材質であることが望ましい。たとえば、樹脂材料に対して木や竹の粉末を添加したフィラメントを用いることができる。
【0017】
3Dプリンタ用データの入手は様々な方法で可能となる。たとえば、利用者は、コンピュータm1を使用して、ネットワークN経由でサーバSが提供するインターネットサイトにアクセスする。利用者は、ユーザー登録を行った後、彫刻を希望する立体物の情報等を入力する。最後に、利用者は、オンラインで料金支払いを行うことで、希望した立体物を彫刻するのに適した大きさ、形状の3Dプリンタ用データを入手できる。或いは、インターネットサイトは無料サイトであって、3Dプリンタ用データは、無料で入手可能であってもよい。
【0018】
コンピュータm1は、利用者からの指示入力に応じて、サーバSから受け取った3Dプリンタ用データを3Dプリンタm2に入力する。3Dプリンタm2は、当該データに基づいて初期状態の立体物等を作製する。
【0019】
==サーバ==
サーバSは、ネットワークNを介して立体物の彫刻のための3Dプリンタ用データを利用者に提供するコンピュータである。図2は、サーバSの構成例を示す図である。サーバSは、記憶部10、通信部20及び制御部30を備える。
【0020】
[記憶部]
記憶部10は、サーバSによって提供される各種立体物のデータ等を記憶する大容量の記憶装置である。本実施形態に係る記憶部10は、完成状態の立体物42(図5A及び図5B参照)を示すデータ(第1の3Dプリンタ用データ)及び初期状態の立体物40(図5A及び図5B参照)を示すデータ(第2の3Dプリンタ用データ)を記憶する。第2の3Dプリンタ用データは、完成状態の立体物42を内包するデータである。
【0021】
図3A及び図3Bは、完成状態の立体物42の一例である仏像Xを示した図である。図3A及び図3Bにおいて、仏像Xの左右方向をX軸方向とし、前後方向をY軸方向とし、高さ方向(X軸及びY軸に直交する方向)をZ軸方向とする。図3Aは仏像Xを正面から見た図であり、図3Bは仏像XをZ軸方向の上側から見た図である。また、仏像Xの下には台座下部X1が設けられている。
【0022】
[通信部]
通信部20は、サーバSと利用者端末Mとを接続するためのインターフェースを提供する。
【0023】
[制御部]
制御部30は、サーバSにおける各種の制御を行う。制御部30はCPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。本実施形態においては、CPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御部30は、編集部30a、生成部30b、及びデータ送信部30cとして機能する。
【0024】
(編集部)
編集部30aは、初期状態の立体物40の表面に所定の形状の凹部41を有するよう第2の3Dプリンタ用データを編集する。凹部41は、初期状態の立体物40の表面の内、初期状態の立体物40を設置した場合の底面に設けられる。
【0025】
図4乃至図5Bを用いて、所定の形状の凹部41を有するよう第2の3Dプリンタ用データを編集する方法について説明する。図4(a)は、編集前の第2の3D用データによる初期状態の立体物40を説明する斜視図である。図4(b)は、編集後の第2の3D用データによる初期状態の立体物40を説明する斜視図である。図5Aは、編集された第2の3Dプリンタ用データによる初期状態の立体物40を説明する図であって、初期状態の立体物40をY軸方向から見た図である。図5Bは、編集された第2の3Dプリンタ用データによる初期状態の立体物40を説明する図であって、初期状態の立体物40をZ軸方向の上側から見た図である。図5A及び図5Bにおいて、初期状態の立体物40の内部において完成状態の立体物42である仏像Xが占める領域を点線で示し、内接円錐台C1(詳細は後述する。)を破線で示している。図4乃至図5Bに示すように、編集前の初期状態の立体物40は、仏像Xの台座下部X1の底面と同じ形状(面積)の底面を有し、仏像Xの高さよりも高い柱状である。また、図4(b)及び図5Aに示すように、この例では、初期状態の立体物40の底面に凹部41が形成される。凹部41は、底面41a、開口部及び側面41cを有する円錐台の空間である。
【0026】
凹部41は、完成状態の立体物42の形状に基づいて決定される空間である。具体的には、先ず、内接円錐台C1を決定する。本実施形態において、内接円錐台C1とは、完成状態の立体物42が占める領域に内包することが可能な円錐台のうち、体積が最大になる円錐台形状を意味する。
【0027】
この例では、完成状態の立体物42は仏像Xであり、内接円錐台C1は、円錐台下面が初期状態の立体物40の底面内にあり、円錐台上面の円周が仏像Xの表面の内の頭部に接し、円錐台側面が仏像Xの表面の内の頸部に接する。この例では、決定された内接円錐台C1は、高さが300.0mm、上面の直径が30.0mm、下面の直径が60.0mmとなる。
【0028】
次いで、決定された内接円錐台C1に基づいて、凹部41の形状を決定する。具体的には、凹部41は、内接円錐台C1に対して、所定割合だけ縮小した形状とする。ここで、所定割合が100%の場合は、内接円錐台C1と凹部41とが一致する場合に相当するため、完成状態の立体物42の表面と、凹部41の内面とが互いに接する箇所が生じる。このような場合、完成状態の立体物42の表面に、凹部41に繋がる穴が生じ、完成状態の立体物42が複数に分断される場合がある。従って、所定割合は、100%よりも小さい範囲で、凹部41が所望の大きさを有するように決定すればよい。この例では、所定割合は85%とする。この場合、円錐台の形状を有する凹部41は、高さが255.0mm、底面41aの直径が25.5mm、開口の直径が51.0mmとなる。
【0029】
編集部30aは、凹部41が設けられていない初期状態の立体物40を示す第2の3Dプリンタ用データ(編集前の第2の3Dプリンタ用データ)を編集して、前述の方法で決定された凹部41を有する初期状態の立体物40を示す3Dプリンタ用データとする。編集部30aは、編集した第2の3Dプリンタ用データを生成部30b及びデータ送信部30cに出力する。
【0030】
(生成部)
生成部30bは、編集部30aによって編集された第2の3Dプリンタ用データに基づいて、第3の3Dプリンタ用データを生成する。第3の3Dプリンタ用データは、装着立体物50を示すデータである。ここで、装着立体物50とは、凹部41を塞ぎ、凹部41に着脱可能な立体物である。装着立体物50は、編集部30aによって決定された凹部41と同一又は略同一の形状を有する立体物である。
【0031】
図6Aは、生成された第3の3Dプリンタ用データによる装着立体物50を説明する図であって、装着立体物50をY軸方向から見た図である。図6Bは、生成された第3の3Dプリンタ用データによる装着立体物50を説明する図であって、装着立体物50をZ軸方向の上側から見た図である。装着立体物50は、上面50a、上面50aよりも直径が大きい下面50b、側面50cからなる円錐台状の部材である。
【0032】
図7Aは、本実施形態に係る初期状態の立体物40の凹部41を装着立体物50で塞いだ状態を説明する図であって、初期状態の立体物40をY軸方向から見た図である。図7Bは、本実施形態に係る初期状態の立体物40の凹部41を装着立体物50で塞いだ状態を説明する図であって、初期状態の立体物40をZ軸方向の上側から見た図である。本実施形態においては、円錐台の形状を有する装着立体物50は、凹部41に装着されたときに、装着立体物50の側面50cの全域が凹部41の側面41cに接し、上面50aの全域が凹部41の底面41aに接する。一方、装着立体物50の下面50bは、初期状態の立体物40の底面と同一面内に位置する。すなわち、凹部41が装着立体物50によって塞がれる。
【0033】
尚、本実施形態において、装着立体物50は、利用者が手指を挿入可能な一または複数の穴50dを有する。この例では、円錐台状の装着立体物50の下面50bに、2つの穴50dが設けられる。穴50dの数は、特に限定されない。たとえば、図6A及び図6Bのように2つ設けることで、穴50dに指を挿入して、2本の指で挟むことができるので、装着立体物50を凹部41から取り外し易い。
【0034】
生成部30bは、生成した第3の3Dプリンタ用データをデータ送信部30cに出力する。
【0035】
以上説明した編集部30a及び生成部30bの処理において、編集された初期状態の立体物40のデータを第2の3Dプリンタ用データとし、生成された装着立体物50のデータを第3の3Dプリンタ用データとする態様を示した。しかし、これに限られず、編集された初期状態の立体物40のデータ及び生成された装着立体物50のデータを、別個にせず、まとめて第2の3Dプリンタ用データに含めてもよい。そして、データ送信部30cは、彫刻作業を行う利用者の利用者端末Mに対し、その第2の3Dプリンタ用データのみを送信してもよい。
【0036】
この場合、第2の3Dプリンタ用データを受信した利用者端末Mは、3Dプリンタm2で初期状態の立体物40と、装着立体物50とを同時に作製することができる。このとき、装着立体物50は、初期状態の立体物に装着された状態で作製することもできる。
【0037】
(データ送信部)
データ送信部30cは、彫刻作業を行う利用者の利用者端末Mに対し、編集された第2の3Dプリンタ用データと、生成された第3の3Dプリンタ用データとを送信する。
【0038】
==彫刻手順==
第2の3Dプリンタ用データと、第3の3Dプリンタ用データとを受信した利用者端末Mは、3Dプリンタm2で第2の3Dプリンタ用データに基づく立体物(初期状態の立体物40)と、第3の3Dプリンタ用データに基づく立体物(装着立体物50)とを作製する。
【0039】
利用者は、3Dプリンタm2によって作製された初期状態の立体物40に対して彫刻を行う。このとき、利用者は、初期状態の立体物40の凹部41を、装着立体物50で塞いだ後に、この状態で彫刻を行い、完成状態の立体物42を作製することができる。
【0040】
尚、上述したように、初期状態の立体物40のデータ及び装着立体物50のデータを、別個にせず、まとめて第2の3Dプリンタ用データに含めた場合は、初期状態の立体物40と、装着立体物50とを同時に作製することができる。この場合、装着立体物50は、初期状態の立体物に装着された状態で作製される。
【0041】
利用者は、彫刻作業が終了した後に、装着立体物50に設けられた穴50dに手指を挿入して装着立体物50を取り外すことができる。これによって、完成状態の立体物42の内部に容易かつ最適に空洞を設けることができる。
【0042】
==3Dプリンタ用データの作成手順==
次に、図8を参照して本実施形態における3Dプリンタ用データの作成手順について述べる。図8は、サーバSにおける処理を示すフローチャートである。以下の例では、利用者が、彫刻を希望する立体物が仏像Xである旨(立体物情報)を入力したとする。
【0043】
制御部30は、利用者によって入力された立体物情報をネットワークN経由で通信部20により取得する(S10)。
【0044】
編集部30aは、立体物情報に基づいて、仏像Xの彫刻を開始する前の初期状態の立体物40を示す第2の3Dプリンタ用データを記憶部10から読み出す(S11)。
【0045】
編集部30aは、初期状態の立体物40を設置した場合の底面に所定の形状の凹部41を有するよう第2の3Dプリンタ用データを編集する(S12)。
【0046】
生成部30bは、凹部41を塞ぎ、凹部41に着脱可能な装着立体物50を示す第3の3Dプリンタ用データを生成する(S13)。
【0047】
データ送信部30cは、彫刻作業を行う利用者の利用者端末Mに対し、編集された第2の3Dプリンタ用データと、生成された第3の3Dプリンタ用データとを送信する(S14)。
【0048】
以上から明らかなように、本実施形態に係るサーバSは、3Dプリンタm2を含む利用者端末Mと通信可能に接続され、ネットワークNを介して立体物の彫刻のための3Dプリンタ用データを提供するサーバSであって、完成状態の立体物42を示す第1の3Dプリンタ用データと、完成状態の立体物42を内包し、彫刻を開始する前の初期状態の立体物40を示す第2の3Dプリンタ用データを記憶する記憶部10と、初期状態の立体物40の表面の内、初期状態の立体物40を設置した場合の底面に所定の形状の凹部41を有するよう第2の3Dプリンタ用データを編集する編集部30aと、凹部41を塞ぎ、凹部41に着脱可能な装着立体物50を示す第3の3Dプリンタ用データを生成する生成部30bと、彫刻作業を行う利用者の利用者端末Mに対し、編集された第2の3Dプリンタ用データと、生成された第3の3Dプリンタ用データとを送信するデータ送信部30cと、を有する。
【0049】
3Dプリンタm2は、第2の3Dプリンタ用データ及び第3の3Dプリンタ用データに基づいて、初期状態の立体物40及び装着立体物50を作製する。利用者は、装着立体物50によって当該空洞を塞いだ状態で彫刻作業を行うことができる。これによって、利用者が立体物を彫刻刀で彫ったり手で把持したりする際に強い力が加わった場合に、立体物が変形しないために圧壊するおそれがない。従って、本実施形態に係るサーバSは、利用者に対し、内部に空洞を設けながらも彫刻作業を安全に行うことができる立体物を示す3Dプリンタ用データを提供することができる。更に、初期状態の立体物40の凹部41を円錐台の形状としてもよい。これによって、利用者が彫刻作業を完了した後、装着立体物50を取り外すことが容易になる。
【0050】
更に装着立体物50に、利用者が手指を挿入可能な一または複数の穴50dを設けてもよい。これによって、利用者は、彫刻作業が終了した後に、装着立体物50を取り外す際、穴50dに手指を挿入して簡単に取り外すことができる。
【0051】
<変形例1>
実施形態においては、初期状態の立体物40に設けられる凹部41は、円錐台の空間であって、装着立体物50の形状は、凹部41を塞ぐ円錐台の形状である例を示した。しかし、凹部41及び装着立体物50の形状としては、これに限られず多様な形状が考えられる。本変形例において、他の形状を有する凹部41及び装着立体物50の例について説明する。
【0052】
図9A乃至図11Bを用いて、本変形例に係る凹部41の形状を決定し、装着立体物50を得る方法について説明する。図9Aは、編集された第2の3Dプリンタ用データによる初期状態の立体物40を説明する図であって、初期状態の立体物40をY軸方向から見た図である。図9Bは、編集された第2の3Dプリンタ用データによる初期状態の立体物40を説明する図であって、初期状態の立体物40をZ軸方向の上側から見た図である。これらの図において、初期状態の立体物40の内部において、完成状態の立体物42である仏像Xが占める領域を点線で示し、内接円柱C2(詳細は後述する。)を破線で示している。図10Aは、生成された第3の3Dプリンタ用データによる装着立体物50を説明する図であって、装着立体物50をY軸方向から見た図である。図10Bは、生成された第3の3Dプリンタ用データによる装着立体物50を説明する図であって、装着立体物50をZ軸方向の上側から見た図である。図11Aは、凹部41を装着立体物50で塞いだ状態を説明する図であって、初期状態の立体物40をY軸方向から見た図である。図11Bは、凹部41を装着立体物50で塞いだ状態を説明する図であって、初期状態の立体物40をZ軸方向の上側から見た図である。
【0053】
本変形例において、凹部41は、円柱状の形状を有する。円柱の形状を有する凹部41は、完成状態の立体物42の形状に基づいて決定される。具体的には、先ず、内接円柱C2を決定する。本変形例において、内接円柱C2とは、完成状態の立体物42が占める領域に内包することが可能な円柱のうち、体積が最大になる円柱を意味する。
【0054】
この例では、内接円柱C2は、円柱下面が初期状態の立体物40の底面内にあり、円柱上面の円周が仏像Xの表面の内の頭部に接し、円柱側面が仏像Xの表面の内の頸部に接する。この例では、決定された内接円柱C2は、高さが300.0mm、底面の直径が50.0mmとなる。
【0055】
次いで、決定された内接円柱C2に基づいて、凹部41を決定する。具体的には、凹部41は、内接円柱C2に対して、高さ及び底面の直径が、それぞれに対する所定割合だけ縮小された形状とする。この例では、所定割合は90%とする。この場合、円柱の形状を有する凹部41は、高さが270.0mm、底面41aの直径が45.0mmとなる。
【0056】
装着立体物50は、以上のように決定された凹部41と同一又は略同一の形状を有する立体物であり、円柱状の立体物である(図10A及び図10B参照)。
【0057】
更に、本変形例においては、それぞれが円柱状の形状を有する凹部41の側面41c及び装着立体物50の側面50cは、互いに螺合する形状を有する。具体的には、装着立体物50の側面50cはボルトの側面のような形状を有し、凹部41の側面41cは、ナットの側面のような形状を有する。つまり、装着立体物50の側面50cにはねじ山が設けられ、凹部41の側面41cには当該ねじ山に螺合する溝が設けられている。このような構成によって、凹部41の側面41c及び装着立体物50の側面50cが互いに螺合する。その結果、凹部41が装着立体物50によって塞がれる(図11A及び図11B参照)。
【0058】
本変形例の装着立体物50により凹部41を塞ぐ際には、その一端部を凹部41の開口へ挿入し、装着立体物50の中心軸回りに所定の方向に回転させながら徐々に挿入する。その結果、凹部41を装着立体物50により塞ぐことができる。装着立体物50を凹部41から取り外すには、円柱状の装着立体物50の中心軸周りに挿入時とは反対方向に回転させながら、徐々に取り外す。
【0059】
更に、本変形例においても、実施形態と同様、装着立体物50の下面50bに、利用者が手指を挿入可能な一または複数の穴50dを有する。これによって、穴50dに手指を挿入して、装着立体物50の中心軸周りに回しやすくなる。
【0060】
以上から明らかなように、本変形例において、凹部41の側面41c及び装着立体物50の側面50cは、互いに螺合する形状を有する。凹部41の側面41c及び装着立体物50の側面50cを螺合させた場合に、凹部41が装着立体物50によって塞がれた状態となる。その結果、作業者が立体物を彫刻刀で彫ったり手で把持したりする際に強い力が加わった場合であっても、40から装着立体物50が外れる可能性を低減できる。
【0061】
<変形例2>
図12A乃至図14Bを用いて、本変形例に係る凹部41の形状を決定し、装着立体物50を得る方法について説明する。図12Aは、編集された第2の3Dプリンタ用データによる初期状態の立体物40を説明する図であって、初期状態の立体物40をY軸方向から見た図である。図12Bは、編集された第2の3Dプリンタ用データによる初期状態の立体物40を説明する図であって、初期状態の立体物40をZ軸方向の上側から見た図である。これらの図において、初期状態の立体物40の内部において、完成状態の立体物42である仏像Xの形状を点線で示し、内接円柱C2を破線で示している。図13Aは、生成された第3の3Dプリンタ用データによる装着立体物50を説明する図であって、装着立体物50をY軸方向から見た図である。図13Bは、生成された第3の3Dプリンタ用データによる装着立体物50を説明する図であって、装着立体物50をZ軸方向の上側から見た図である。図14Aは、凹部41を装着立体物50で塞いだ状態を説明する図であって、初期状態の立体物40をY軸方向から見た図である。図14Bは、凹部41を装着立体物50で塞いだ状態を説明する図であって、初期状態の立体物40をZ軸方向の上側から見た図である。
【0062】
本変形例において、凹部41は、第1の直径を有する第1の空間411と、第2の直径を有する第2の空間412とを有する。第2の空間412は、第1の空間411の上面411aに設けられ、第2の直径は、第1の直径以下である。ここで、第1の空間411及び第2の空間412は、それぞれの円柱の中心軸が互いに一致するように決定する。
【0063】
凹部41は、完成状態の立体物42の形状に基づいて決定される。具体的には、先ず、前述の変形例と同様に、内接円柱C2を決定する。つまり、内接円柱C2とは、完成状態の立体物42が占める領域に内包することが可能な円柱のうち、体積が最大になる円柱を意味する。決定された内接円柱C2は、前述の変形例と同様、高さが300.0mm、底面の直径が50.0mmとなる。
【0064】
次いで、凹部41の内の第1の空間411を決定する。具体的には、第1の空間411は、内接円柱C2に対して、高さ及び下面の直径が、それぞれに対する所定割合だけ縮小された形状とする。この例では、高さに対する所定割合は20%とし、下面の直径に対する所定割合は95%とする。この場合、円柱の形状を有する第1の空間411は、高さが60.0mm、下面411bの直径が47.5mmとなる。
【0065】
次いで、凹部41の内の第2の空間412を決定する。第1の空間411と同様に、第2の空間412は、内接円柱C2に対して、高さ及び下面の直径が、それぞれ所定割合だけ縮小された形状とする。この例では、高さに対する所定割合は70%とし、下面の直径に対する所定割合は90%とする。この場合、円柱の形状を有する第2の空間312は、高さが210.0mm、下面412bの直径が45.0mmとなる。
【0066】
本変形例において、装着立体物50は、第1の装着立体物501と、第2の装着立体物502とを有する。第1の装着立体物501は、第1の空間411と同一又は略同一の形状を有し、第2の装着立体物502は、第2の空間412と同一又は略同一の形状を有する(図13A及び図13B参照)。
【0067】
更に、第1の空間411の側面411c及び第1の装着立体物501の側面501cは、互いに螺合する形状を有する。変形例1と同様に、第1の装着立体物501の側面501cにはねじ山が設けられ、第1の空間411の側面411cには当該ねじ山に螺合する溝が設けられている。このような構成によって、第1の空間411の側面411c及び第1の装着立体物501の側面501cが互いに螺合する。その結果、第1の空間411が第1の装着立体物501によって塞がれる。第2の装着立体物502及び第2の空間412の関係についても同様である(図14A及び図14B参照)。
【0068】
更に、本変形例においても、第1の装着立体物501は、利用者が手指を挿入可能な一または複数の穴501dを有する。この例では、円柱状の第1の装着立体物501の下面501bに、穴501dが設けられる。更に、第2の装着立体物502は、利用者が手指を挿入可能な一または複数の穴502dを有する。この例では、円柱状の第2の装着立体物502の下面502bに、穴502dが設けられる。
【0069】
利用者は、3Dプリンタm2によって作製された初期状態の立体物40に対して彫刻を行う。このとき、利用者は、初期状態の立体物40の凹部41を、第1の装着立体物501及び第2の装着立体物502で塞いだ状態で彫刻を行い、完成状態の立体物42を作製することができる。
【0070】
利用者は、彫刻が終了した後に、穴501dに手指を挿入して第1の装着立体物501を取り外し、その後に穴502dに手指を挿入して第2の装着立体物502を取り外すことができる。これによって、完成状態の立体物42の内部に空洞を設けることができる。空洞の内部には、例えば経文を収めることができる。その後、第1の装着立体物501のみを凹部41に装着すれば、経文が収められた第2の空間412を密閉することができる。
【0071】
尚、本変形例においては、それぞれが円柱の形状を有する第1の空間411及び第2の空間412は、それぞれの中心軸が互いに一致する態様を示したが、これに限られるものではない。円柱の形状を有する第1の空間411及び第2の空間412は、それぞれの中心軸が互いに一致しなくてもよく、第1の空間411の上面411aに第2の空間412の底面412aが包含されていればよい。
【0072】
また、本変形例においては、第1の空間411の側面411c及び第1の装着立体物501の側面501cは、互いに螺合する形状を有し、第2の空間412の側面412c及び第2の装着立体物502の側面502cは、互いに螺合する形状を有する態様を示したが、これに限られるものではない。第2の空間412については他の形状を有していてもよい。一例として、第2の空間412は、第2の装着立体物502と螺合する側面を有さず、通常の円柱の形状を有する空間であってもよい。他の例として、第2の空間412は、円錐台の形状を有する空間であってもよい。
【0073】
また、本変形例においては、凹部41は、第1の空間411及び第2の空間412の2つを有する態様を示したが、これに限られるものではない。凹部41は、第2の空間412の底面412aに、第3の空間を更に有してもよい。一例として、第3の空間は、第2の直径以下である第3の直径を有する円柱の形状を有する空間であってもよい。他の例として、第3の空間は、円錐台の形状を有する空間であってもよい。
【0074】
以上から明らかなように、本変形例において、凹部41は、第1の直径を有する第1の空間411と、第1の空間411の上面411aに設けられ、第1の直径以下である第2の直径を有する第2の空間412を有し、装着立体物50は、第1の装着立体物501と、第2の装着立体物502とを有し、第1の空間411の側面411c及び第1の装着立体物501の側面501cは、互いに螺合する形状を有し、第2の空間412の側面412c及び第2の装着立体物502の側面502cは、互いに螺合する形状を有する。これによって、彫刻作業中には第1の空間411及び第2の空間412をそれぞれ第1の装着物及び第2の装着物で塞ぐことができるため、利用者は安全に彫刻作業を行うことができる。彫刻作業の終了後には、第1の空間411のみを第1の装着物で塞ぐことによって、閉じた第2の空間412を形成することができる。
【0075】
なお、実施形態及び変形例においては、凹部41の決定に際し、体積が最大となるような内接円錐台あるいは内接円柱を用いたが、たとえば、完成状態の立体物42を設置した場合の底面の形状に基づき装着立体物50が着脱可能な様に決定するなど、他の方法によって決定してもよい。
【0076】
なお、実施形態及び変形例においては、サーバが初期状態の立体物40を示すデータ(第2の3Dプリンタ用データ)を編集し、装着立体物50を示すデータ(第3の3Dプリンタ用データ)を生成して利用者端末に送信したが、利用者端末Mのコンピュータm1に同様の編集及び生成ソフトウェアを備え、サーバから送信された完成状態の立体物42を示すデータ(第1の3Dプリンタ用データ)及び未編集の初期状態の立体物40を示すデータ(第2の3Dプリンタ用データ)を元に編集を行い、装着立体物50を示すデータ(第3の3Dプリンタ用データ)の生成を行ってもよい。
【0077】
なお、変形例においては、装着立体物の下面に穴を設けたが、穴ではなくドライバ等で取り外せる様に溝を設けてもよい。
【0078】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
1:彫刻システム 10:記憶部 20:通信部 30:制御部 30a:編集部 30b:生成部 30c:データ送信部 40:初期状態の立体物 41:凹部 41a:底面 41c:側面 411:第1の空間 411a:上面 411c:側面 412:第2の空間 412a:底面 412c:側面 42:完成状態の立体物 50:装着立体物 50d:穴 501:第1の装着立体物 502:第2の装着立体物 501d:穴 502d:穴 C1:内接円錐台 C2:内接円柱 M:利用者端末 m1:コンピュータ m2:3Dプリンタ N:ネットワーク S:サーバ X:仏像
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B