(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ジャンパ連結器のロック装置
(51)【国際特許分類】
B61G 5/10 20060101AFI20220112BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20220112BHJP
H01R 13/64 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B61G5/10
H01R13/639 Z
H01R13/64
(21)【出願番号】P 2017226426
(22)【出願日】2017-11-27
【審査請求日】2020-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594002439
【氏名又は名称】小田急電鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】津村 哲広
【審査官】米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-99091(JP,U)
【文献】特開平11-102741(JP,A)
【文献】特開2017-188249(JP,A)
【文献】特表2010-519100(JP,A)
【文献】特表2009-500237(JP,A)
【文献】実開平7-35233(JP,U)
【文献】特開平9-147980(JP,A)
【文献】特開2003-346980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61G 5/10
H01R 13/639
H01R 13/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の接続部に固定されたレセプタクル側に係止ピンを配設し、ジャンパ線に接続されたプラグ側に前記係止ピンと篏合可能に形成された係合爪を有する操作レバー部材を回動可能に配設したジャンパ連結器のロック装置であって、
前記操作レバー部材には、その回動中心から前記係合爪と反対側へ前記回動中心から前記係合爪までの距離より長く延設された先端部に第2係止ピンを形成し、
前記接続部には、前記係合爪が前記係止ピンと篏合状態にあるとき、前記第2係止ピンと係合して前記操作レバー部材の回動を規制する規制部材を回動可能に備えること
、
前記第2係止ピンは、前記接続部の端面と略平行に配置され、且つ前記規制部材は、前記接続部の端面に対してヒンジ部を介して起立する位置から略平行に倒伏する位置まで回動可能に装着され、
前記規制部材が前記第2係止ピンと係合したときには、前記第2係止ピンは前記接続部の端面と前記規制部材との間に挟まれて保持されていることを特徴とするジャンパ連結器のロック装置。
【請求項2】
請求項
1に記載されたジャンパ連結器のロック装置において、
前記規制部材は、前記第2係止ピンと係合する第2係合爪が長手方向の中間部に形成された長尺規制板を備え、
前記長尺規制板は、前記ヒンジ部と対向する位置で、前記接続部の端面に対してバネ力で保持するキャッチクリップで係脱可能に固定されることを特徴とするジャンパ連結器のロック装置。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載されたジャンパ連結器のロック装置において、
前記操作レバー部材の回動軌跡と前記規制部材の回動軌跡とが、略直交していることを特徴とするジャンパ連結器のロック装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項
3のいずれか1項に記載されたジャンパ連結器のロック装置において、
前記ジャンパ連結器は、イーサネット用ジャンパ連結器であることを特徴とするジャンパ連結器のロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャンパ連結器のロック装置に関し、詳しくは、鉄道車両の車両間を渡して接続されるジャンパ線を連結するジャンパ連結器のロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄道車両では、例えば、走行用の制御信号やイーサネット(登録商標)用等の各種情報信号等を車両間で伝送するため、車両間を渡してジャンパ線が接続されている。ジャンパ線の両端には、列車編成等に応じて着脱操作ができるようにジャンパ連結器が設けられている。このジャンパ連結器のロック装置には、例えば、車両の低圧ツナギ箱に固定されたレセプタクル側に係止ピンを配設し、ジャンパ線に接続されたプラグ側に前記係止ピンと篏合可能に形成された係合爪を有する操作レバー部材を回動可能に配設したジャンパ連結器のロック装置が知られている。しかし、このようなロック装置の構造では、工具も使用せず、ワンアクションによって係止ピンと係合爪との篏合を取り外すことが可能であるため、操作ミスにより、誤ってロック解除してしまう恐れがあり、安全面での懸念があった。
【0003】
上記の誤ったロック解除を防止する方策として、例えば、特許文献1には、二重ロック構造のジャンパ連結器のロック装置100が開示されている。すなわち、
図5~
図7に示すように、特許文献1のジャンパ連結器のロック装置100は、鉄道車両用ジャンパ線101に接続された接触部を持つプラグ102と、車体側に固定されプラグ102に通電するための接触部を持つレセプタクル103とを備え、レセプタクル103は、プラグ102が挿入されるレセプタクル本体103aの開口部103bを開閉可能に閉塞する蓋体104とを有し、蓋体104の開状態でプラグ102が接続されるように構成されている。
【0004】
また、蓋体104は、レセプタクル本体103aに回動可能に支持される枢支部104aを有し、レセプタクル本体103aに回動規制部材(カム金具)105が設けられ、この回動規制部材105は、蓋体104の枢支部104aに対し蓋体104の閉状態で係合不能でかつ開状態で係合可能であり、その係合により蓋体104の閉動作を規制する構成とされている。また、蓋体104に係合突部104bが形成される一方、レセプタクル103とプラグ102との接続状態において係合突部104bが係脱可能に係合する係合凹部102aが、プラグ102に形成されている。
【0005】
また、回動規制部材105は、枕木方向の外側に操作レバー105aが、内側に軸部105bが、それぞれ連接されて構成され、軸部105bはレセプタクル本体103aに回転可能に支承されている。回動規制部材105は、軸部105bの外周に装着された圧縮バネ105eによって、レセプタクル本体103aの中央側へ常時付勢されている。
【0006】
上記構成のジャンパ連結器のロック装置100におけるロック操作手順は、以下のように行われる。すなわち、蓋体104の開状態でレセプタクル103にプラグ102を完全に挿入した後、蓋体104を上方向に少し持ち上げた状態で、回動規制部材105の操作レバー105aを、レセプタクル本体103aの軸線に直交する方向(枕木方向の外側)に引いて、回動規制部材105による蓋体104の開状態のロックを解除する。
【0007】
次に、この操作レバー105aを外側へ引いた状態を維持したまま、蓋体14の係合突部104bをプラグ102の係合凹部102aに押し込むように蓋体104を閉め、それらの係合関係でプラグ102をロックする。また、プラグ102をロックした後、操作レバー105aを外側へ引いたまま、蓋体104と回動規制部材105との合わせマーク104c、105cが合うまで操作レバー105aを軸中心に回動して、合わせマーク104c、105cが合った位置で止め、操作レバー105aを内側に戻す。
【0008】
これによって、回動規制部材105の規制面105dが蓋体104の枢支部104aの被規制面104dに当接し、蓋体14の係合突部104bがプラグ102の係合凹部102aから嵌合抜けするのも防止され、二重ロック状態とされる。また、蓋体104と回動規制部材105との合わせマーク104c、105cが一致しているのを目視することによって、二重ロック状態を目で確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記ジャンパ連結器のロック装置100では、二重ロック状態を形成するために、複雑な操作を行う必要があった。具体的には、「操作レバー105aを外側へ引いた状態を維持したまま、蓋体104の係合突部104bをプラグ102の係合凹部102aに押し込むように蓋体104を閉めて、プラグ102をロックする操作」のように、操作レバー105aを引く操作と蓋体104を閉める操作(2種類の操作)を同時に行う必要があった。
【0011】
また、「操作レバー105aを外側へ引いたまま、更に、蓋体104と回動規制部材105との合わせマーク104c、105cが合うまで操作レバー105aを軸中心に回動して、合わせマーク104c、105cが合った位置で止め、操作レバー105aを内側に戻す操作」のように、操作レバー105aを引く操作と、回転させる操作と、所定の回転位置で戻す操作(3種類の操作)を連続して行う必要があった。
【0012】
そのため、ジャンパ連結器のロック装置100を二重ロック状態にさせるために、作業者にとって面倒な、複雑な操作を強いられるという問題があった。また、蓋体104と回動規制部材105との合わせマーク104c、105cが一致するか否かを、遠くから目視で判断することも、容易ではなかった。更に、回動規制部材105の構造が複雑であり、故障しやすいという問題もあった。
【0013】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、簡単な構造かつ操作で、二重ロック状態が可能な安全性の高いジャンパ連結器のロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係るジャンパ連結器のロック装置は、以下の構成を備えている。
(1)車両の接続部に固定されたレセプタクル側に係止ピンを配設し、ジャンパ線に接続されたプラグ側に前記係止ピンと篏合可能に形成された係合爪を有する操作レバー部材を回動可能に配設したジャンパ連結器のロック装置であって、
前記操作レバー部材には、その回動中心から前記係合爪と反対側へ前記回動中心から前記係合爪までの距離より長く延設された先端部に第2係止ピンを形成し、
前記接続部には、前記係合爪が前記係止ピンと篏合状態にあるとき、前記第2係止ピンと係合して前記操作レバー部材の回動を規制する規制部材を回動可能に備えることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、操作レバー部材には、その回動中心から係合爪と反対側へ回動中心から係合爪までの距離より長く延設された先端部に第2係止ピンを形成し、接続部には、係合爪が係止ピンと篏合状態にあるとき、第2係止ピンと係合して操作レバー部材の回動を規制する規制部材を回動可能に備えるので、係合爪が係止ピンと篏合状態になるように操作レバー部材を回動させた後、規制部材を回動させて操作レバー部材の第2係止ピンと規制部材を係合させること(いわゆるツーアクション)によって、ジャンパ連結器のロック装置における二重ロック状態を簡単に実現することができる。この場合、ツーアクションによるため、操作ミスにより、誤ってロック解除してしまう恐れも大幅に低減できる。
【0016】
また、操作レバー部材が回動して係合爪が係止ピンと篏合状態になることによって、レセプタクルにプラグが挿入された状態でロックされる。係合爪が係止ピンと篏合状態にあるとき、操作レバー部材の先端部に形成された第2係止ピンは、規制部材と係合可能な位置に静止され、操作レバー部材から手を放しても移動しない。したがって、次に、規制部材を回動させて操作レバー部材の第2係止ピンと規制部材とを係合させるだけで、ジャンパ連結器のロック装置を二重ロック状態にさせることができる。よって、複雑な操作を行うことなく、ジャンパ連結器のロック装置を二重ロック状態にさせ、安全性を高めることができる。
【0017】
また、プラグ側に配設した操作レバー部材の先端部に第2係止ピンを形成し、接続部側に第2係止ピンと係合する規制部材を回動可能に備えるだけなので、ロック装置の構造を簡単化させることもできる。また、操作レバー部材には、その回動中心から係合爪と反対側へ回動中心から係合爪までの距離より長く延設された先端部に第2係止ピンを形成したので、回動中心から第2係止ピンまでの距離が、回動中心から係合爪までの距離より長くなり、梃子の原理によって、操作レバー部材の回動規制に伴う規制部材への負荷を軽減でき、規制部材の構造を簡素化させることができる。
【0018】
よって、本発明によれば、簡単な構造かつ操作で、二重ロック状態が可能な安全性の高いジャンパ連結器のロック装置を提供することができる。なお、係合爪が係止ピンと篏合状態になるように操作レバー部材を回動させる動作と、レセプタクルにプラグを挿入する動作とを、連動させるように構成してもよいが、別々に行わせるように構成してもよい。
【0019】
(2)(1)に記載されたジャンパ連結器のロック装置において、
前記第2係止ピンは、前記接続部の端面と略平行に配置され、且つ前記規制部材は、前記接続部の端面に対してヒンジ部を介して起立する位置から略平行に倒伏する位置まで回動可能に装着され、
前記規制部材が前記第2係止ピンと係合したときには、前記第2係止ピンは前記接続部の端面と前記規制部材との間に挟まれて保持されていることを特徴とする。
【0020】
本発明においては、第2係止ピンは、接続部の端面と略平行に配置され、且つ規制部材は、接続部の端面に対してヒンジ部を介して起立する位置から略平行に倒伏する位置まで回動可能に装着され、規制部材が第2係止ピンと係合したときには、第2係止ピンは接続部の端面と規制部材との間に挟まれて保持されているので、ジャンパ連結器のロック装置の二重ロック状態において、第2係止ピンが規制部材と係合された状態から離間して外れる方向へ移動するのを、接続部の端面で規制することができる。そのため、操作レバー部材の回動をより簡単な構造で規制することができる。
【0021】
(3)(2)に記載されたジャンパ連結器のロック装置において、
前記規制部材は、前記第2係止ピンと係合する第2係合爪が長手方向の中間部に形成された長尺規制板を備え、
前記長尺規制板は、前記ヒンジ部と対向する位置で、前記接続部の端面に対してバネ力で保持するキャッチクリップで係脱可能に固定されることを特徴とする。
【0022】
本発明においては、規制部材は、第2係止ピンと係合する第2係合爪が長手方向の中間部に形成された長尺規制板を備え、長尺規制板は、ヒンジ部と対向する位置で、接続部の端面に対してバネ力で保持するキャッチクリップで係脱可能に固定されるので、ヒンジ部を支点に回動する梃子に相当する長尺規制板の中間部に形成した第2係合爪によって第2係止ピンを規制できる。そのため、梃子の原理によってキャッチクリップのバネ力を軽減でき、より簡単な操作で規制部材を固定できる。
【0023】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載されたジャンパ連結器のロック装置において、
前記操作レバー部材の回動軌跡と前記規制部材の回動軌跡とが、略直交していることを特徴とする。
【0024】
本発明においては、操作レバー部材の回動軌跡と規制部材の回動軌跡とが、略直交しているので、レセプタクルに対するプラグの抜き差し動作やレセプタクル側に形成された係止ピンに操作レバー部材の係合爪を係脱させる動作等に対して、規制部材を干渉しない位置に簡単に退避させることができる。そのため、規制部材に複雑な動作をさせることなく、より簡単な操作で、ジャンパ連結器のロック装置の二重ロック状態を実現させることができる。
【0025】
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載されたジャンパ連結器のロック装置において、
前記ジャンパ連結器は、イーサネット用ジャンパ連結器であることを特徴とする。
【0026】
本発明においては、ジャンパ連結器は、イーサネット用ジャンパ連結器であるので、より簡単な構造かつ操作で、イーサネット用ジャンパ連結器のロック装置の二重ロック状態を実現させることができる。よって、イーサネット用ジャンパ連結器の安全性をより一層高めることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、簡単な構造かつ操作で、二重ロック状態が可能な安全性の高いジャンパ連結器のロック装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態に係るジャンパ連結器のロック装置の側面図である。
【
図4】
図1に示すジャンパ連結器のロック装置の動作説明図である。(A)は、レセプタクルにプラグを挿入する前の状態を示し、(B)は、レセプタクルにプラグを挿入開始の段階で、係止ピンが操作レバー部材の受け溝に当接した状態を示し、(C)は、レセプタクルにプラグを挿入途中の段階で、係止ピンが操作レバー部材を回動操作させる状態を示し、(D)は、レセプタクルにプラグを挿入完了し、操作レバー部材の回動を規制部材で規制した状態を示す。
【
図5】特許文献1に記載されたジャンパ連結器の連結状態を表す断面図である。
【
図6】
図5に示すジャンパ連結器の回動規制部材の概略構成図である。
【
図7】
図5に示す蓋体の枢支部と回動規制部材との関係を表す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の実施形態に係るジャンパ連結器のロック装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。具体的には、本実施形態に係るジャンパ連結器のロック装置に関する構成(主に、操作レバー部材と規制部材等の構成)を詳細に説明した上で、その操作手順を簡単に説明する。
【0030】
<本ジャンパ連結器のロック装置の構成>
まず、本実施形態に係るジャンパ連結器のロック装置の構成について、
図1~
図3を用いて説明する。
図1に、本発明の実施形態に係るジャンパ連結器のロック装置の側面図を示す。
図2に、
図1に示すA-A矢視図を示す。
図3に、
図2に示すB―B断面図を示す。
【0031】
図1~
図3に示すように、本実施形態に係るジャンパ連結器20のロック装置10は、車両1の低圧ツナギ箱(接続部)2に固定されたレセプタクル3側に係止ピン4を配設し、ジャンパ線5に接続されたプラグ6側に前記係止ピン4と篏合可能に形成された係合爪711を有する操作レバー部材7を回動可能に配設したジャンパ連結器のロック装置である。このジャンパ連結器20は、例えば、イーサネット用ジャンパ連結器として用いることができるが、これに限定されることはない。また、低圧ツナギ箱(接続部)2は、他の端子箱やブラケット等に置き換えることもできる。
【0032】
低圧ツナギ箱2は、車両1のレール方向の前端部及び後端部に形成されている。レセプタクル3は、低圧ツナギ箱2の端面(前端面21又は後端面22)に固着され、車両内の通信配線23と接続されている。レセプタクル3内の端子部を保護する環状壁31には、左右一対の係止ピン4が径方向に突設されている。レセプタクル3に連結するプラグ6には、当該係止ピン4と篏合する係合爪711を備えた操作レバー部材7がジャンパ線5の長手方向へ回動するように装着されている。
【0033】
また、操作レバー部材7は、側面視で略L字状に形成された左右一対のレバー本体部70を備えている。当該レバー本体部70は、それぞれ板状に形成され、プラグ6の本体ケース61の左右側壁に対して回動可能に支承されている。また、左右一対のレバー本体部70には、その基端部71からL字状折れ曲げ部まで嘴状に開くスリット溝部75が、それぞれ形成されている。
【0034】
また、レバー本体部70の基端部71には、レセプタクル3の係止ピン4と篏合する鈎型の係合爪711と、プラグ挿入動作に伴って係止ピン4を受領し、操作レバー部材7を回動操作させる受け溝712が、スリット溝部75を挟んで形成されている。また、基端部71には、受け溝712と隣接して、係止ピン4が当接すると操作レバー部材7を回動操作させるカム溝713が形成されている。なお、レバー本体部70の回動中心74は、受け溝712及びカム溝713が形成された側の基端部71に設けられている。
【0035】
また、操作レバー部材7には、その回動中心74から係合爪711と反対側へ回動中心74から係合爪711までの距離より長く延設された先端部72に第2係止ピン73を形成している。第2係止ピン73は、回動中心74から第2係止ピン73までの距離が、回動中心74から係合爪711までの距離より、例えば3~5倍程度長くなるように配置されている。第2係止ピン73は、係合爪711と対向する位置にあり、左右一対のレバー本体部70同士を平行に連結するように形成されている。また、第2係止ピン73は、係止ピン4と係合爪711とが篏合状態において、プラグ6の本体ケース61から最も離間した位置に配置されている。
【0036】
また、低圧ツナギ箱2には、係合爪711が係止ピン4と篏合状態にあるとき、第2係止ピン73と係合して操作レバー部材7の回動を規制する規制部材8を回動可能に備えている。第2係止ピン73は、低圧ツナギ箱2の端面(前端面21又は後端面22)と略平行に配置され、且つ規制部材8は、低圧ツナギ箱2の端面に対してヒンジ部84を介して略垂直に起立する位置から略平行に倒伏する位置まで回動可能に装着されている。また、規制部材8が第2係止ピン73と係合したときには、第2係止ピン73は低圧ツナギ箱2の端面と規制部材8との間に挟まれて保持されている。
【0037】
また、規制部材8は、第2係止ピン73と係合する第2係合爪82が長手方向の中間部に形成された長尺規制板81を備え、長尺規制板81は、ヒンジ部84と対向する位置(先端部83)で、低圧ツナギ箱2の端面に対してバネ力で保持するキャッチクリップ85で係脱可能に固定されるように形成されている。長尺規制板81の先端部83には、キャッチクリップ85と係合するU溝831が形成されている。第2係合爪82は、長尺規制板81の中間部で幅方向に沿って延設され、直角状に折り曲げて形成されている。第2係合爪82は、第2係止ピン73の軸部と略同等の長さに形成され、第2係止ピン73の軸部と係合する。
【0038】
また、キャッチクリップ85は、低圧ツナギ箱2の側端面24に締結された止め金具25に固定されている。キャッチクリップ85には、止め金具25に固定されたベース体851と、ベース体851に対して回動するレバー体852と、レバー体852に連結されたU字状アーム体853と、U字状アーム体853に装着された引張りバネ部材854とを備えている。U字状アーム体853は、長尺規制板81のU溝831と係合するように形成されている。
【0039】
なお、操作レバー部材7の回動軌跡Pと規制部材8の回動軌跡Qとが、略直交しているので、レセプタクル3に対するプラグ6の抜き差し動作やレセプタクル3側に形成された係止ピン4に操作レバー部材7の係合爪711を係脱させる動作等に対して、規制部材8の長尺規制板81を干渉しない位置に簡単に退避させることができる。また、第2係止ピン73は、回動中心74から第2係止ピン73までの距離が、回動中心74から係合爪711までの距離より長くなる(例えば3~5倍程度長い)ように配置されているので、操作レバー部材7の回動規制に伴う規制部材8への負荷を大幅に軽減でき、規制部材8の構造を簡素化させることができる。
【0040】
<本ジャンパ連結器のロック装置の操作手順>
まず、本実施形態に係るジャンパ連結器のロック装置の操作手順について、
図4を用いて説明する。
図4に、
図1に示すジャンパ連結器のロック装置の動作説明図を示す。
図4(A)は、レセプタクルにプラグを挿入する前の状態を示し、
図4(B)は、レセプタクルにプラグを挿入開始の段階で、係止ピンが操作レバー部材の受け溝に当接した状態を示し、
図4(C)は、レセプタクルにプラグを挿入途中の段階で、係止ピンが操作レバー部材を回動操作させる状態を示し、
図4(D)は、レセプタクルにプラグを挿入完了し、操作レバー部材の回動を規制部材で規制した状態を示す。
【0041】
はじめに、
図4(A)に示すように、プラグ6の軸心とレセプタクル3の軸心とを一致させて、プラグ6を保持する。このとき、操作レバー部材7は、受け溝712がレセプタクル側の係止ピン4と当接する軸心位置まで、予め回動させておく。また、規制部材8は、低圧ツナギ箱2の端面に対してヒンジ部84を介して略垂直に起立した状態に保持されている。
【0042】
次に、
図4(B)に示すように、プラグ6を軸方向に沿って移動させ、レセプタクル3にプラグ6を近接させて、挿入開始させる。レセプタクル3にプラグ6が挿入し始めると、操作レバー部材7の受け溝712がレセプタクル側の係止ピン4と当接する。
【0043】
次に、
図4(C)に示すように、レセプタクル3にプラグ6を更に挿入させると、操作レバー部材7は、受け溝712と受け溝712に隣接するカム溝713が係止ピン4に押されて、回動中心74を支点にして時計回りに回動する。操作レバー部材7は、時計回りに回動することによって、第2係止ピン73が低圧ツナギ箱2の端面21(22)及び規制部材8に近接する位置へ移動する。
【0044】
次に、
図4(D)に示すように、レセプタクル3にプラグ6を挿入完了すると、操作レバー部材7の係合爪711と係止ピン4とが篏合する。係合爪711が係止ピン4と篏合状態にあるとき、操作レバー部材7の先端部に形成された第2係止ピン73は、規制部材8と係合可能な位置に静止している。
【0045】
次に、規制部材8の長尺規制板81を、ヒンジ部84を中心に低圧ツナギ箱2の端面(前端面21又は後端面22)に対して略平行に倒伏する位置まで回動させる。また、キャッチクリップ85のレバー体852を回動させて、U字状アーム体853に長尺規制板81のU溝831を係合させ、レバー体852をベース体と平行になるよう戻すことによって、引張りバネ部材854のバネ力で長尺規制板81の先端部を止め金具25の先端部251に押圧させる。このとき、規制部材8の第2係合爪82は操作レバー部材7の第2係止ピン73と係合した状態で保持される。これによって、本ジャンパ連結器20のロック装置10は、二重ロック状態となる。
【0046】
<作用効果>
以上、詳細に説明した本実施形態に係るジャンパ連結器20のロック装置10によれば、操作レバー部材7には、その回動中心74から係合爪711と反対側へ回動中心74から係合爪711までの距離より長く延設された先端部72に第2係止ピン73を形成し、低圧ツナギ箱(接続部)2には、係合爪711が係止ピン4と篏合状態にあるとき、第2係止ピン73と係合して操作レバー部材7の回動を規制する規制部材8を回動可能に備えるので、係合爪711が係止ピン4と篏合状態になるように操作レバー部材7を回動させた後、規制部材8を回動させて操作レバー部材7の第2係止ピン73と規制部材8を係合させること(いわゆるツーアクション)によって、ジャンパ連結器20のロック装置10における二重ロック状態を簡単に実現することができる。この場合、ツーアクションによるため、操作ミスにより、誤ってロック解除してしまう恐れも大幅に低減できる。
【0047】
また、操作レバー部材7が回動して、係合爪711が係止ピン4と篏合状態になることによって、レセプタクル3にプラグ6が挿入された状態でロックされる。係合爪711が係止ピン4と篏合状態にあるとき、操作レバー部材7の先端部72に形成された第2係止ピン73は、規制部材8と係合可能な位置に静止され、操作レバー部材7から手を放しても移動しない。したがって、次に、規制部材8を回動させて操作レバー部材7の第2係止ピン73と規制部材8とを係合させるだけで、ジャンパ連結器20のロック装置10を二重ロック状態にさせることができる。よって、複雑な操作を行うことなく、ジャンパ連結器20のロック装置10を二重ロック状態にさせ、安全性を高めることができる。
【0048】
また、プラグ6側に配設した操作レバー部材7の先端部72に第2係止ピン73を形成し、低圧ツナギ箱2側に第2係止ピン73と係合する規制部材8を回動可能に備えるだけなので、ロック装置10の構造を簡単化させることもできる。また、操作レバー部材7には、その回動中心74から係合爪711と反対側へ回動中心74から係合爪711までの距離より長く延設された先端部72に第2係止ピン73を形成したので、回動中心74から第2係止ピン73までの距離が、回動中心74から係合爪711までの距離より長くなり、梃子の原理によって、操作レバー部材7の回動規制に伴う規制部材8への負荷を軽減でき、規制部材8の構造を簡素化させることができる。
【0049】
よって、本実施形態によれば、簡単な構造かつ操作で、二重ロック状態が可能な安全性の高いジャンパ連結器20のロック装置10を提供することができる。なお、係合爪711が係止ピン4と篏合状態になるように操作レバー部材7を回動させる動作と、レセプタクル3にプラグ6を挿入する動作とを、連動させるように構成したので、操作の簡素化がより一層図られている。
【0050】
また、本実施形態によれば、第2係止ピン73は、低圧ツナギ箱2の端面21、22と略平行に配置され、且つ規制部材8は、低圧ツナギ箱2の端面21、22に対してヒンジ部84を介して略垂直に起立する位置から略平行に倒伏する位置まで回動可能に装着され、規制部材8が第2係止ピン73と係合したときには、第2係止ピン73は低圧ツナギ箱2の端面21、22と規制部材8との間に挟まれて保持されているので、ジャンパ連結器20のロック装置10の二重ロック状態において、第2係止ピン73が規制部材8と係合された状態から離間して外れる方向へ移動するのを、低圧ツナギ箱2の端面21、22で規制することができる。そのため、操作レバー部材7の回動をより簡単な構造で規制することができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、規制部材8は、第2係止ピン73と係合する第2係合爪82が長手方向の中間部に形成された長尺規制板81を備え、長尺規制板81は、ヒンジ部84と対向する位置で、低圧ツナギ箱2に対してバネ力で保持するキャッチクリップ85で係脱可能に固定されるので、ヒンジ部84を支点に回動する梃子に相当する長尺規制板81の中間部に形成した第2係合爪82によって第2係止ピン73を規制できる。そのため、梃子の原理によってキャッチクリップ85のバネ力を軽減でき、より簡単な操作で規制部材8を固定できる。
【0052】
また、本実施形態によれば、操作レバー部材7の回動軌跡Pと規制部材8の回動軌跡Qとが、略直交しているので、レセプタクル3に対するプラグ6の抜き差し動作やレセプタクル3側に形成された係止ピン4に操作レバー部材7の係合爪711を係脱させる動作等に対して、規制部材8を干渉しない位置に簡単に退避させることができる。そのため、規制部材8に複雑な動作をさせることなく、より簡単な操作で、ジャンパ連結器20のロック装置10の二重ロック状態を実現させることができる。
【0053】
また、本実施形態によれば、ジャンパ連結器20は、イーサネット用ジャンパ連結器であるので、より簡単な構造かつ操作で、イーサネット用ジャンパ連結器のロック装置の二重ロック状態を実現させることができる。よって、イーサネット用ジャンパ連結器の安全性をより一層高めることができる。
【0054】
<変形例>
以上、本実施形態のジャンパ連結器20のロック装置10を詳細に説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、本実施形態のジャンパ連結器20のロック装置10は、レセプタクル3にプラグ6を挿入させると、操作レバー部材7は、受け溝712と受け溝712に隣接するカム溝713が係止ピン4に押されて、回動中心74を支点にして時計回りに回動するように、プラグ6の挿入行為と操作レバー部材7の回動行為とが連動する構造となっている。しかし、これに限定される必要はなく、例えば、プラグ6をレセプタクル3に挿入完了してから、操作レバー部材7を回動させて係止ピン4に係合爪711を篏合させる構造でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、例えば、ジャンパ連結器のロック装置に関し、詳しくは、鉄道車両の車両間を渡して接続されるジャンパ線を連結するジャンパ連結器のロック装置として利用できる。
【符号の説明】
【0056】
1 車両
2 低圧ツナギ箱(接続部)
3 レセプタクル
4 係止ピン
5 ジャンパ線
6 プラグ
7 操作レバー部材
8 規制部材
10 ロック装置
20 ジャンパ連結器
21 端面(前端面)
22 端面(後端面)
72 先端部
73 第2係止ピン
74 回動中心
81 長尺規制板
82 第2係合爪
84 ヒンジ部
85 キャッチクリップ
711 係合爪
P、Q 回動軌跡