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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/325 20060101AFI20220112BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20220112BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20220112BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B41J2/325 C
B41J2/32 Z
B41J11/42
B41J11/70
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018033295
(22)【出願日】2018-02-27
(65)【公開番号】P2019147298
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507351883
【氏名又は名称】シチズン・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100161089
【氏名又は名称】萩原 良一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 弘隆
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-267845(JP,A)
【文献】特開平03-183581(JP,A)
【文献】国際公開第2017/169402(WO,A1)
【文献】特開昭60-193671(JP,A)
【文献】国際公開第2017/200520(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/325
B41J 2/32
B41J 11/42
B41J 11/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め画定された複数の被印画領域が長手方向に配置された帯状の連続紙を搬送する搬送部と、
前記複数の被印画領域にそれぞれ対応するように前記長手方向に沿って前記連続紙上に配置された複数の目印を検出する検出部と、
前記連続紙上の前記被印画領域に印画する印画部と、
前記連続紙の排出方向における前記被印画領域の後端で前記連続紙を切断して、前記連続紙上の印画済みの部分を印画物として排出させる切断部と、
前記連続紙上の前記目印と前記被印画領域との位置関係の情報を記憶する記憶部と、
検出された前記目印の位置を基準に前記位置関係に応じて前記連続紙を搬送して前記被印画領域を前記印画部に位置決めした後、印画中に前記連続紙を一方向と逆方向にそれぞれ同じ搬送量だけ繰り返し搬送するように前記搬送部を制御する制御部と、を有し、
前記印画部は、前記連続紙が前記一方向に搬送される度に互いに異なる色で同じ被印画領域に印画して、カラー画像を形成
前記制御部は、前記印画部による印画の終了後に、さらに、検出された新たな目印の位置を基準に、前記位置関係に応じて前記搬送部に前記連続紙を搬送させて、前記被印画領域の前記後端を前記切断部に位置決めさせる、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記記憶部は、前記連続紙の種類ごとに、当該連続紙上の前記被印画領域の形状、大きさまたは配置に応じて定まる前記位置関係の情報を記憶し、
前記制御部は、前記搬送部が搬送する連続紙についての前記位置関係の情報を参照して、前記搬送部の動作を制御する、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記制御部は、前記搬送部が前記連続紙を予め定められた搬送量だけ搬送しても前記目印が検出されない場合に、前記被印画領域の端部の位置を基準に、前記位置関係に応じて前記搬送部に前記連続紙を搬送させて、前記被印画領域の前記後端を前記切断部に位置決めさせる、請求項1または2に記載のプリンタ。
【請求項4】
予め画定された複数の被印画領域が長手方向に配置された帯状の連続紙を搬送する搬送部と、
前記複数の被印画領域にそれぞれ対応するように前記長手方向に沿って前記連続紙上に配置された複数の目印および前記連続紙の排出方向における前記連続紙の先端を検出する検出部と、
前記連続紙上の前記被印画領域に印画する印画部と、
前記連続紙の排出方向における前記被印画領域の後端で前記連続紙を切断して、前記連続紙上の印画済みの部分を印画物として排出させる切断部と、
前記連続紙上の前記目印と前記被印画領域との位置関係の情報を記憶する記憶部と、
検出された前記目印の位置を基準に前記位置関係に応じて前記連続紙を搬送して前記被印画領域を前記印画部に位置決めした後、印画中に前記連続紙を一方向と逆方向にそれぞれ同じ搬送量だけ繰り返し搬送するように前記搬送部を制御する制御部と、を有し、
前記印画部は、前記連続紙が前記一方向に搬送される度に互いに異なる色で同じ被印画領域に印画して、カラー画像を形成し、
前記制御部は、前記搬送部が前記連続紙を予め定められた搬送量だけ搬送しても前記目印が検出されない場合に、前記連続紙の前記先端を基準に、前記位置関係に応じて前記搬送部に前記連続紙を搬送させて、前記被印画領域を前記印画部に位置決めさせる、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
前記制御部は、前記印画部による印画の終了後に、さらに、新たな目印の検出の有無にかかわらず、前記被印画領域の端部の位置を基準に、前記位置関係に応じて前記搬送部に前記連続紙を搬送させて、前記被印画領域の前記後端を前記切断部に位置決めさせる、請求項4に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記制御部は、前記搬送部が前記連続紙を前記予め定められた搬送量だけ搬送しても前記目印が検出されない場合に、前記目印が検出されずに印画が実行された旨を使用者に報知する、請求項4または5に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
印画される記録媒体としてプリンタで使用される帯状の連続紙(ロール状に巻かれた用紙など)には、その連続紙上の印画済み領域を切り取り易くするためのハーフカット(ミシン目など)が予め形成されているものがある。例えば、特許文献1には、こうした連続紙(ロール状の熱転写受像シート)への画像形成方法が記載されている。この画像形成方法では、画像形成開始位置を示す熱転写受像シート上の検知マークがプリンタ内の検知器により検知されると、熱転写受像シートの搬送が停止され、熱転写受像シートの画像形成位置合わせが行われ、昇華熱転写方式によりカラー画像が形成される。特に、検知マークの検知と画像形成位置合わせは、イエロー、マゼンタ、シアンの各画像を重ね合わせる際に3色分繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-323484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばハーフカットが形成されて予め画定された複数の被印画領域が長手方向に配置された帯状の連続紙を記録媒体として使用する場合には、その被印画領域の位置に合わせて画像を形成する必要がある。この場合、例えば1つの被印画領域の途中で連続紙が切断され、連続紙の先端と被印画領域の先端とが必ずしも一致していないことがあり得るため、連続紙の先端を基準として被印画領域を印画部に位置決めしようとすると、正確な位置決めができないおそれがある。このため、複数の被印画領域にそれぞれ対応するように連続紙上に配置された複数の目印の位置を基準に被印画領域を位置決めすることが望ましい。しかしながら、互いに重ね合わされる色ごとに連続紙上の目印を検出してその結果を基に位置決めを行うと、例えば搬送中の連続紙の弛み具合によって検出タイミングが色ごとにずれる可能性もあるため、複数の色の画像を正確に重ね合わせることは難しい。
【0005】
そこで、本発明は、帯状の連続紙上に予め画定された被印画領域にカラー画像を精度よく形成するプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
予め画定された複数の被印画領域が長手方向に配置された帯状の連続紙を搬送する搬送部と、複数の被印画領域にそれぞれ対応するように長手方向に沿って連続紙上に配置された複数の目印を検出する検出部と、連続紙上の被印画領域に印画する印画部と、連続紙の排出方向における被印画領域の後端で連続紙を切断して、連続紙上の印画済みの部分を印画物として排出させる切断部と、連続紙上の目印と被印画領域との位置関係の情報を記憶する記憶部と、検出された目印の位置を基準に位置関係に応じて連続紙を搬送して被印画領域を印画部に位置決めし、印画中に連続紙を一方向と逆方向にそれぞれ同じ搬送量だけ繰り返し搬送するように搬送部を制御する制御部とを有し、印画部は、連続紙が一方向に搬送される度に互いに異なる色で同じ被印画領域に印画して、カラー画像を形成することを特徴とするプリンタが提供される。
【0007】
上記のプリンタでは、記憶部は、連続紙の種類ごとに、連続紙上の被印画領域の形状、大きさまたは配置に応じて定まる位置関係の情報を記憶し、制御部は、搬送部が搬送する連続紙についての位置関係の情報を参照して、搬送部の動作を制御することが好ましい。
【0008】
制御部は、印画部による印画の終了後に、さらに、検出された新たな目印の位置を基準に、位置関係に応じて搬送部に連続紙を搬送させて、被印画領域の後端を切断部に位置決めさせることが好ましい。
【0009】
検出部は、排出方向における連続紙の先端も検出可能であり、制御部は、搬送部が連続紙を予め定められた搬送量だけ搬送しても目印が検出されない場合に、連続紙の先端を基準に、位置関係に応じて搬送部に連続紙を搬送させて、被印画領域を印画部に位置決めさせることが好ましい。
【0010】
制御部は、印画部による印画の終了後に、さらに、新たな目印の検出の有無にかかわらず、被印画領域の端部の位置を基準に、位置関係に応じて搬送部に連続紙を搬送させて、被印画領域の後端を切断部に位置決めさせることが好ましい。
【0011】
制御部は、搬送部が連続紙を予め定められた搬送量だけ搬送しても目印が検出されない場合に、被印画領域の端部の位置を基準に、位置関係に応じて搬送部に連続紙を搬送させて、被印画領域の後端を切断部に位置決めさせることが好ましい。
【0012】
制御部は、搬送部が連続紙を予め定められた搬送量だけ搬送しても目印が検出されない場合に、目印が検出されずに印画が実行された旨を使用者に報知することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上記のプリンタによれば、帯状の連続紙上に予め画定された被印画領域にカラー画像を精度よく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】プリンタ1の概略構成を示す断面図である。
図2】用紙10の例を示す図である。
図3】インクリボン4の例を示す図である。
図4】プリンタ1の第1の動作例を示す図である。
図5】プリンタ1の第1の動作例を示す図である。
図6】プリンタ1の第1の動作例を示すフローチャートである。
図7】プリンタ1の第2の動作例を示す図である。
図8】プリンタ1の第2の動作例を示す図である。
図9】プリンタ1の第2の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、プリンタについて説明する。ただし、本発明は図面または以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
【0016】
図1は、プリンタ1の概略構成を示す断面図である。プリンタ1は、インクリボン4に塗布されたインクを連続紙である用紙10に転写して画像を形成(印画)する熱転写プリンタ(昇華型カラープリンタ)である。図1では、プリンタ1が備える各構成要素の内で、説明のために必要な部分のみを示し、その他の構成要素については省略している。
【0017】
プリンタ1は、主な構成要素として、ロール紙ホルダ2、サーマルヘッド3、供給側リボンローラ4A、巻取側リボンローラ4B、カッタ5、用紙センサ8、プラテンローラ9、排出ローラ14、リボンガイドローラ15、グリップローラ17、ピンチローラ18、制御部20、データメモリ21、用紙駆動部22、ヘッド駆動部23、インクリボン駆動部24、カッタ駆動部25および通信インタフェース26を有する。これらの各構成要素は、筐体7の中に配置されている。
【0018】
ロール紙ホルダ2は、ロール状に巻かれた用紙10を保持する。用紙10の材質は、プリンタに使用可能なものであれば特に限定されない。ロール紙ホルダ2は、用紙駆動部22によって正方向または逆方向に駆動され、その中心軸の周りに回転する。ロール紙ホルダ2が正方向に回転することにより、用紙10は、サーマルヘッド3とプラテンローラ9の間を通過して、排出口6に向けて搬送される。また、ロール紙ホルダ2が逆方向に回転することにより、用紙10はロール紙ホルダ2に巻き戻される。
【0019】
図2(A)および図2(B)は、用紙10の例を示す図である。図の左側は用紙先端10Eに相当し、図の右側はロール紙ホルダ2側に相当する。図2(A)に示すように、用紙10上には、長手方向に一定の間隔を空けて、検知穴41とハーフカット領域43が繰り返し配置されている。
【0020】
検知穴41は、複数の目印の一例であり、ハーフカット領域43を印画時に位置決めするために用紙センサ8により検出される小さな矩形の貫通孔である。プリンタ1では、一点鎖線lで示す用紙10の幅方向の中央に用紙センサ8が配置されているため、検知穴41は、用紙センサ8に合わせて用紙10の幅方向の中央線上に形成されている。プリンタ1の用紙センサ8とは異なり、例えば連続紙の幅方向の端部に用紙センサが配置されているならば、検知穴41も同様に、連続紙の幅方向の端部に形成されていてもよい。また、連続紙上の目印は、矩形の貫通孔に限らず、例えば、連続紙の裏面に形成された黒色のマークや、連続紙の幅方向の端部に形成された切欠きであってもよい。
【0021】
ハーフカット領域43は、複数の被印画領域の一例であり、ハーフカット42により囲まれた用紙10上の領域に相当する。ハーフカット42は、例えば、用紙10が線状に断続的に切り込まれるか、または厚さ方向の途中まで切り込まれたミシン目(切り取り線)であり、用紙10上の印画済み領域を切り取り易くするために設けられている。用紙10は、例えば、剥離可能なラベル紙(シール紙)であってもよく、この場合には、ハーフカット領域43を用紙10から剥がしてシールとして使用可能である。
【0022】
用紙10では、用紙10の幅方向に配列した5個の矩形のハーフカット領域43を1組として、複数組のハーフカット領域43が用紙10の長手方向に繰り返し配置されている。また、用紙10では、個々の検知穴41は1組(5個)のハーフカット領域43に対応しており、1個の検知穴41と5個のハーフカット領域43が、用紙10の長手方向に沿って繰り返し配置されている。連続紙上のハーフカット領域43の形状、個数および配置は、印画物の用途に応じて適宜定めればよく、図示したものには限定されない。例えば、用紙10の幅方向には1個のハーフカット領域43のみを形成し、1個の検知穴41と1個のハーフカット領域43とを用紙10の長手方向に繰り返し配置してもよい。
【0023】
図2(A)に示すように、通常、用紙先端10Eには、ハーフカット領域43ではなく検知穴41が配置されている。しかしながら、用紙10がハーフカット領域43の途中で切断された場合には、図2(B)に示すように、用紙先端10Eには不完全なハーフカット領域43aが配置され、その次に、検知穴41と完全なハーフカット領域43bが順に配置される。
【0024】
図1に示す供給側リボンローラ4Aと巻取側リボンローラ4Bは、インクリボン4を保持する。これらのローラは、インクリボン駆動部24によって駆動され、それぞれの中心軸の周りに回転する。この駆動により、インクリボン4は、供給側リボンローラ4Aから供給され、リボンガイドローラ15を介してサーマルヘッド3とプラテンローラ9の間を通過して、巻取側リボンローラ4Bに巻き取られる。
【0025】
図3は、インクリボン4の例を示す図である。インクリボン4は、例えば、イエローY、マゼンタMおよびシアンCの各インク領域ならびにオーバーコートOPの領域が同じ順序で長手方向に繰り返し配置された帯状のシートである。オーバーコートOPは、印画物の耐光性や耐擦過性を高めるための保護材である。インクリボン4には、各色インク領域のサイズが6×4インチのものや6×8インチのものなど、様々な種類のものがあるため、印画対象の画像サイズに合ったインクリボン4がプリンタ1に取り付けられる。インクの種類は上記の3色に限らず、1色でもよいし、3色以外の複数色でもよいが、カラー画像を形成するためには2色以上が必要である。
【0026】
図1に示すサーマルヘッド3は、プラテンローラ9に対向して配置され、プラテンローラ9に対して移動可能に構成されている。サーマルヘッド3は、インクリボン4と用紙10を間に挟んでプラテンローラ9に圧接し、内蔵された複数の発熱体を発熱させることで、インクリボン4上の各色インクとオーバーコートOPを用紙10上に転写する。サーマルヘッド3には、例えば、昇華型、熱溶融型などのプリンタの種類に応じた機構が用いられる。
【0027】
図3に示すように、プリンタ1は、印画時に、まずインクリボン4と用紙10を矢印A1方向に搬送しながらイエローYを転写し、次に、一旦用紙10を矢印A2方向に搬送した上で、再度インクリボン4と用紙10を矢印A1方向に搬送しながらマゼンタMを転写する。矢印A1方向は、ロール紙ホルダ2と巻取側リボンローラ4Bに向かう方向(逆方向)であり、矢印A2方向は、排出口6に向かう方向(正方向)である。こうして、プリンタ1は、サーマルヘッド3に対して用紙10を往復動させることにより、用紙10の同一領域上にインクリボン4の各色インクを順次転写して画像Iを形成し、さらにその上にオーバーコートOPを転写して、画像Iの表面に保護層を形成する。
【0028】
図1に示す用紙センサ8は、排出方向における用紙先端10Eと用紙10上の検知穴41を検出するためのセンサ(例えば赤外センサ)であり、用紙10の搬送経路上におけるサーマルヘッド3およびプラテンローラ9と排出ローラ14との間に配置されている。用紙センサ8は、用紙10に光を出射し用紙10での反射光を受光する反射型のセンサでもよいし、用紙10に光を出射し用紙10の透過光を受光する透過型のセンサでもよい。
【0029】
グリップローラ17とピンチローラ18は、用紙10を挟んで搬送する。グリップローラ17は、用紙駆動部22によって、用紙10を送り出す方向(正方向)か、または巻き戻す方向(逆方向)のいずれかに回転駆動される。ピンチローラ18は、グリップローラ17に従動して回転する。また、ピンチローラ18は、用紙10の搬送時には、グリップローラ17に当接してグリップローラ17との間で用紙10を保持し、用紙10の搬送時以外には、グリップローラ17から離間して用紙10を解放する。
【0030】
排出ローラ14は、ロール紙ホルダ2からサーマルヘッド3とプラテンローラ9の間を通過した用紙10を、排出経路13経由で排出口6に向けて搬送する。
【0031】
カッタ5は、切断部の一例であり、排出経路13を通過し排出口6から用紙先端10Eがプリンタ1の外部に排出された用紙10における印画済みの部分(画像I)の後端(排出方向、矢印A2方向における上流側の端部)を切断する。例えば、カッタ5は、図3に示すように、用紙10の先端を切断し、さらに、用紙10が矢印A2方向に搬送された後で用紙10における画像Iの後端を切断する。これにより、用紙10上の印画済みの部分は、プリンタ1の前面12に設けられた排出口6から、印画物としてプリンタ1の外部に排出される。カッタ5は、排出経路13上における排出口6の直前に配置され、カッタ駆動部25により駆動される。
【0032】
制御部20は、CPUやメモリなどを含むマイクロコンピュータで構成され、プリンタ1の全体の動作を制御する。特に、制御部20は、用紙センサ8により検出された用紙10上の検知穴41の位置を基準に、用紙駆動部22による用紙10の搬送を制御して、印画時にはサーマルヘッド3の位置に、切断時にはカッタ5の位置に、用紙10をそれぞれ位置決めさせる。一般に、用紙上のハーフカット領域43の位置や、検知穴41とハーフカット領域43との位置関係は用紙ごとに異なり、プリンタ1では、その位置関係の情報が内蔵のメモリ(例えばデータメモリ21)に記憶されている。制御部20は、使用される用紙10についてのその位置関係の情報を参照し、その位置関係に応じて決まる必要な搬送量に従って、用紙駆動部22の動作を制御する。
【0033】
データメモリ21は、記憶部の一例であり、プリンタ1の動作に必要な情報を記憶する。データメモリ21は、通信インタフェース26を介してホストコンピュータから受信した印画対象の画像データや、プリンタ1で使用可能な用紙10のそれぞれについて、用紙10上の検知穴41とハーフカット領域43との位置関係の情報を記憶する。この位置関係の情報として、データメモリ21は、例えば、図2(A)に示した、
・用紙先端10Eからその用紙先端10Eに最も近い検知穴41までの距離L1
・用紙10の長手方向における検知穴41の後端(用紙10の排出方向における上流側の端部)からその検知穴41に対応するハーフカット領域43の後端までの距離L2
・用紙10の長手方向における検知穴41のピッチL3
を記憶する。
【0034】
実際には、用紙10の長手方向におけるハーフカット領域43のピッチは、インクリボン4の各インク領域のピッチに合わせて定められる。このため、上記した検知穴41とハーフカット領域43との位置関係の情報(L1~L3)を、インクリボン4に付随するRFID(ICタグ)に記憶してもよい。ただし、インクリボン4のRFIDは記憶容量が少ないので、RFIDにはインクリボン4に対応する用紙の種類の情報を記憶し、プリンタ1本体のメモリに、用紙の種類と位置関係の情報(L1~L3)との対応関係を記憶してもよい。
【0035】
用紙駆動部22は、グリップローラ17とロール紙ホルダ2を駆動するステップモータであり、制御部20の制御の下で、用紙10を送り出す方向か、または巻き戻す方向のいずれかにそれぞれを回転させる。プリンタ1では、印画時に用紙10がサーマルヘッド3に位置決めされてからカッタ5により切断されるまでの搬送量は、ステップモータのステップ数のみで制御される。ロール紙ホルダ2、グリップローラ17および用紙駆動部22は、連続紙を搬送する搬送部の一例である。
【0036】
ヘッド駆動部23は、画像データに基づいてサーマルヘッド3を駆動し、用紙10上に画像を形成させる。サーマルヘッド3、プラテンローラ9およびヘッド駆動部23は、印画部の一例である。
【0037】
インクリボン駆動部24は、供給側リボンローラ4Aと巻取側リボンローラ4Bを駆動するモータであり、巻取側リボンローラ4Bがインクリボン4を巻き取る方向か、または供給側リボンローラ4Aにインクリボン4を巻き戻す方向のいずれかに、供給側リボンローラ4Aと巻取側リボンローラ4Bを回転させる。カッタ駆動部25は、カッタ5を駆動するモータである。通信インタフェース26は、例えば、通信ケーブルを介してホストコンピュータから印画対象の画像データを受信する。
【0038】
図4(A)~図5(G)は、プリンタ1の第1の動作例を示す図である。図6は、プリンタ1の第1の動作例を示すフローチャートである。図示したフローは、制御部20内のメモリに予め記憶されたプログラムに従って、制御部20内のCPUにより実行される。図4(A)~図5(G)における符号Ph,Ps,Pcは、それぞれ、用紙10の搬送経路上におけるサーマルヘッド3、用紙センサ8およびカッタ5の位置を示す。これらの位置のことを、以下では、ヘッド位置Ph、センサ位置Psおよびカッタ位置Pcという。
【0039】
印画指示と印画対象の画像データをホストコンピュータから受信すると、制御部20は、まず、用紙センサ8の出力が「用紙あり」を示すレベルである(用紙センサ8が用紙10を検出している)か否かを判断する(S1)。用紙センサ8が用紙10を検出している場合(S1でYes)には、制御部20は、用紙センサ8の出力が「用紙なし」を示すレベルになるまで、用紙駆動部22に、用紙10をロール紙ホルダ2に巻き戻させる(引き込ませる)(S2)。用紙センサ8が用紙10を検出していない場合(S1でNo)には、S2は実行されず、処理はS3に進む。すなわち、S2までで、制御部20は、用紙先端10Eがセンサ位置Psを越えておらず用紙センサ8が用紙10を検出していない状態にする。
【0040】
その上で、制御部20は、図4(A)に矢印51で示すように、用紙センサ8が用紙先端10Eを検出するまで、用紙10を排出方向(矢印A2方向)に向けて搬送させる(S3)。さらに、制御部20は、図4(B)に矢印52で示すように、用紙先端10Eに最も近い検知穴41aを用紙センサ8が検出するまで、用紙10を矢印A2方向に搬送させる(S4)。このとき、検知穴41aがセンサ位置Psを通過することで、用紙センサ8の出力は、「用紙あり」のレベルから、一旦「用紙なし」のレベルになり、再度「用紙あり」のレベルになる。
【0041】
続いて、制御部20は、検知穴41aの後端(矢印A2方向における上流側の端部)を基準として、用紙10を矢印A2方向にさらに搬送させて、図4(C)に矢印53で示すように、用紙10上の印画開始位置である用紙10のハーフカット領域43の後端をヘッド位置Phに位置決めさせる(S5)。このときの搬送量は、用紙10の搬送経路に沿ったセンサ位置Psとヘッド位置Phの間の距離と、検知穴41aの後端から印画対象のハーフカット領域43の後端までの距離L2に応じて決まる。
【0042】
位置決めが終わると、制御部20は、図4(D)に示すように、用紙10を矢印A1方向に引き込ませながら、ヘッド駆動部23に印画を実行させる(S6)。その際、制御部20は、最初は、用紙10が矢印A1方向に搬送される間にハーフカット領域43にイエローで印画させ、イエローの印画が終わると、そのときの搬送量と同じ長さだけ用紙10を矢印A2方向に搬送させて、ハーフカット領域43の後端を再びヘッド位置Phに戻す。そして、制御部20は、用紙10が再度矢印A1方向に搬送される間に、同じハーフカット領域43にマゼンタで印画させる。こうして、サーマルヘッド3は、用紙10が矢印A1方向に搬送される度に、YMCの各色で同じハーフカット領域43に印画してカラー画像を形成し、さらにその上にオーバーコートOPを転写して保護層を形成する。
【0043】
図4(D)の符号44は印画済み領域を示す。このように、印画済み領域44は、ハーフカット領域43と完全に一致していなくてもよく、印画対象のハーフカット領域43を覆いかつ用紙10の長手方向に一定の長さを持つ用紙10の幅方向の領域全体であってもよい。したがって、S5で位置決めされる用紙10上の印画開始位置は、ハーフカット領域43の後端と完全に一致していなくてもよく、ハーフカット領域43の後端よりも矢印A2方向における上流側の位置であってもよい。
【0044】
続いて、制御部20は、図5(E)に矢印54で示すように、検知穴41aの次(用紙先端10Eから数えて2番目)の検知穴41bを用紙センサ8が検出するまで、用紙10を矢印A2方向に搬送させる(S7)。
【0045】
さらに、制御部20は、次の検知穴41bの後端を基準として、用紙10を矢印A2方向にさらに搬送させて、図5(F)に矢印55で示すように、用紙10上の印画済み領域44の後端をカッタ位置Pcまで搬送させる(S8)。すなわち、制御部20は、印画済み領域44と次の検知穴41bとの間で用紙10が切断されるように、用紙10をカッタ位置Pcに位置決めさせる。このときの搬送量は、用紙10の搬送経路に沿ったセンサ位置Psとカッタ位置Pcの間の距離と、次の検知穴41bの後端から印画済み領域44の後端までの距離(距離L1と同じ)に応じて決まる。
【0046】
そして、制御部20は、図5(G)に示すように、カッタ駆動部25にカッタ5で用紙10を切断させて、印画物45をプリンタ1の外部に排出させる(S9)。以上で、プリンタ1の第1の動作例は終了する。
【0047】
第1の動作例では、用紙先端10Eを検出する用紙センサ8で検知穴41も検出し、検知穴41の端部を基準としてハーフカット領域43をヘッド位置Phに位置決めすることで、ハーフカット領域43上に正確に印画することができる。プリンタ1では、印画中の矢印A1方向への搬送と矢印A2方向への搬送はそれぞれステップモータの同じステップ数で行われるので、YMCの各色を重ね合わせる際に、色ごとのずれは生じない。また、検知穴41はハーフカット領域43よりも用紙先端10E側にあり、プリンタ1は、検知穴41が検出されてから、その検知穴41に対応する次のハーフカット領域43に印画する。このため、図2(B)に示すように、用紙先端10Eに不完全なハーフカット領域43aがあったとしても、プリンタ1は、そこを飛ばして次の完全なハーフカット領域43bに適切に印画することができる。
【0048】
用紙10を送り出す矢印A2方向の搬送は用紙10を押し出す動きであり、ロール紙ホルダ2から繰り出された用紙10はカールしているため、用紙10が送り出されるときに、用紙先端10Eはプリンタ1内の搬送経路上の各部に接触する。この接触により用紙先端10Eが引っ掛かった状態になると、用紙10に弛みが生じて、検知穴41の検出タイミングがバラつく可能性がある。そこで、S4で検知穴41を検出する際には、一旦検知穴41が検出された後も、矢印A2方向に余分に用紙10を送り出してから搬送を停止し、用紙10を矢印A1方向に引き込みながら改めて検知穴41(用紙センサ8の出力が「用紙あり」のレベルから「用紙なし」のレベルに変化する点)を検出してもよい。用紙10を引き込みながら検知穴41を検出することで、用紙10の弛みが少なくなり、検出タイミングのバラつきを減らすことができる。
【0049】
用紙10上の検知穴41などの目印は大きいほど検出し易いが、ハーフカット領域43のデザインやコストによる制約があるので、検知穴41を大きくすることは難しい。このため、例えば用紙10の蛇行などの何らかの原因により、検知穴41の通過によるレベル変化を用紙センサ8が検出できなかった場合には、エラーとなり、要求された印画物を発行することができない。そこで、以下では、原則として検知穴41の位置を基準にヘッド位置Phへの位置決めを行う(検知穴検出モードという)が、検知穴を検出できなかった場合に、用紙先端10Eを基準にヘッド位置Phへの位置決めを行う(用紙端部検出モードという)第2の動作例について説明する。
【0050】
図7(A)~図8(I)は、プリンタ1の第2の動作例を示す図である。図9は、プリンタ1の第2の動作例を示すフローチャートである。第2の動作例では、プリンタ1は、印画開始時には検知穴検出モードで動作し、検知穴を検出できなかった場合に、動作モードを用紙端部検出モードに切り替える。
【0051】
印画開始時には、制御部20は、まず、用紙センサ8が用紙10を検出している(用紙あり)か否かを判断し(S21)、用紙ありの場合(S21でYes)には用紙なしの状態になるまで用紙10を引き込ませて(S22)から、用紙センサ8が用紙先端10Eを検出するまで用紙10を搬送させる(S23)。S21~S23の処理は、第1の動作例のS1~S3の処理と同じである。
【0052】
その上で、制御部20は、最初の検知穴41aの検出のために、用紙10を矢印A2方向に搬送させる(S24)。ここで、用紙駆動部22が用紙10を規定長だけ搬送しても検知穴41aが検出されない場合(S25でNoになり、S26でNoになり、S24に戻るという処理を繰り返した後、S25でYesになった場合)には、プリンタ1の動作モードは用紙端部検出モードに切り替わり、処理はS27に進む。図7(A)では、2つの検知穴41a,41bが検出されずにセンサ位置Psを通過したことを、×印で示している。S25における規定長は、用紙10の長手方向における検知穴41のピッチL3よりも大きい長さであればよい。
【0053】
検知穴41aが検出されずに用紙10が規定長だけ搬送された場合(S25でYes)には、制御部20は、図7(B)に示すように、用紙先端10Eがセンサ位置Psを越えて用紙なしの状態になるまで用紙10を矢印A1方向に引き込ませる(S27)。そして、制御部20は、図7(C)に矢印61で示すように、用紙センサ8が用紙先端10Eを検出するまで用紙10を矢印A2方向に搬送させる(S28)。S27,S28の処理は、S22,S23の処理と同じである。
【0054】
続いて、制御部20は、用紙先端10Eを基準として、用紙10を矢印A2方向にさらに搬送させて、図7(D)に矢印62で示すように、用紙10上の印画開始位置である用紙10のハーフカット領域43の後端をヘッド位置Phに位置決めさせる(S29)。このときの搬送量は、矢印64の長さに相当し、用紙10の搬送経路に沿ったセンサ位置Psとヘッド位置Phの間の距離、用紙先端10Eから検知穴41aまでの距離L1、および検知穴41aの後端から印画対象のハーフカット領域43の後端までの距離L2に応じて決まる。すなわち、制御部20は、用紙先端10Eから最初のハーフカット領域43の後端があると想定される位置までの長さだけ、用紙10を搬送させる。位置決めが終わると、制御部20は、図7(E)に示すように、用紙10を矢印A1方向に引き込ませながら、ヘッド駆動部23に印画を実行させる(S30)。S30の処理は、第1の動作例のS6の処理と同じである。
【0055】
一方、用紙10が規定長だけ搬送される前に検知穴41aが検出された場合(S26でYes)には、制御部20は、検知穴41aの後端を基準として、用紙10を矢印A2方向にさらに搬送(図7(D)の矢印63)させて、ハーフカット領域43の後端をヘッド位置Phに位置決めさせる(S31)。位置決めが終わると、制御部20は、図7(E)に示すように、用紙10を矢印A1方向に引き込ませながら、ヘッド駆動部23に印画を実行させる(S32)。S32の処理は、第1の動作例のS6の処理と同じである。
【0056】
S32の印画の後で、制御部20は、次の検知穴41bの検出のために、用紙10を矢印A2方向に搬送させる(S33)。ここで、用紙駆動部22が用紙10を規定長だけ搬送しても次の検知穴41bが検出されない場合(S34でNoになり、S35でNoになり、S33に戻るという処理を繰り返した後、S34でYesになった場合)には、プリンタ1の動作モードは用紙端部検出モードに切り替わり、処理はS36に進む。図8(G)では、次の検知穴41bが検出されずにセンサ位置Psを通過したことを、×印で示している。S34における規定長も、用紙10の長手方向における検知穴41のピッチL3よりも大きい長さであればよい。
【0057】
次の検知穴41bが検出されずに用紙10が規定長だけ搬送された場合(S34でYes)には、制御部20は、S33での搬送量と同じ長さだけ用紙10を矢印A1方向に引き込んで、用紙10をS32での印画終了時の位置に戻す(S36)。
【0058】
S30またはS36の後で、制御部20は、印画済み領域44の先端(矢印A2方向における下流側の端部)を基準として、用紙10を矢印A2方向にさらに搬送させて、図8(H)に示すように、用紙10上の印画済み領域44の後端をカッタ位置Pcまで搬送させる(S37)。このときの搬送量は、矢印67の長さに相当し、用紙10の搬送経路に沿ったヘッド位置Phとカッタ位置Pcの間の距離と、用紙10の搬送方向における印画済み領域44の長さに応じて決まる。
【0059】
図8(F)に矢印65で示すように、用紙10が規定長だけ搬送される前に次の検知穴41bが検出された場合(S35でYes)には、制御部20は、次の検知穴41bの後端を基準として、用紙10を矢印A2方向にさらに搬送(図8(D)の矢印66)させて、用紙10上の印画済み領域44の後端をカッタ位置Pcまで搬送させる(S38)。S38の処理は、第1の動作例のS8の処理と同じである。
【0060】
S37またはS38の後で、制御部20は、図8(I)に示すように、カッタ駆動部25にカッタ5で用紙10を切断させて、印画物45をプリンタ1の外部に排出させる(S39)。以上で、プリンタ1の第2の動作例は終了する。
【0061】
第2の動作例では、検知穴41を検出できなかった場合でも、エラーとせずに、ハーフカット領域43があると想定される位置に合わせて印画をし、印画済み領域44と次の検知穴41bとの間であると想定される位置に合わせて用紙10を切断して、印画物を発行することができる。
【0062】
第2の動作例では、用紙駆動部22が用紙10を規定長だけ搬送しても検知穴41が検出されない場合(検知穴41の検出に失敗し、S27~S30またはS36,S37の処理を行った場合)には、2枚目以降の印画時に、検知穴41の検出を行わず、S23の次にS29に移行して、用紙端部検出モードのままで動作してもよい。また、第2の動作例では、制御部20は、検知穴41の検出に失敗した場合には、検知穴41が検出されずに印画が実行された旨を、通信インタフェース26を介してホストコンピュータに通知してもよい。これにより、検知穴41が検出されずに印画が実行された旨をプリンタ1の使用者に報知することになるので、用紙10の取付け具合や用紙センサ8の出力レベルなどを再確認するように、使用者に注意を促すことができる。
【0063】
上記した第1および第2の動作例の制御は、印画方式にはよらないので、熱転写プリンタ以外のプリンタにも適用可能である。上記の制御を行うプリンタは、連続紙を使用するものであれば、インクジェットプリンタ、電子写真方式プリンタ、ドットインパクトプリンタまたは昇華型プリンタなどのいずれであってもよく、その印画方式は特に限定されない。
【符号の説明】
【0064】
1 プリンタ
2 ロール紙ホルダ
3 ヘッド
4 インクリボン
5 カッタ
8 用紙センサ
9 プラテンローラ
10 用紙
20 制御部
41,41a,41b 検知穴
43 ハーフカット領域
Pc カッタ位置
Ph ヘッド位置
Ps センサ位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9