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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】側部閉塞部材を備える間仕切パネル
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/00 20060101AFI20220112BHJP
   E06B 7/18 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
E05D15/00 A
E06B7/18 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018111757
(22)【出願日】2018-06-12
(65)【公開番号】P2019214856
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】土山 和功
(72)【発明者】
【氏名】高橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】安立 直也
(72)【発明者】
【氏名】渡部 寛人
(72)【発明者】
【氏名】小林 隆久
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-8849(JP,A)
【文献】特開2016-148168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00 - 15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に設けられる誘導路に吊支部材を介して吊支されて当該誘導路に沿って移動可能であり、連接されることで空間を仕切る複数の間仕切パネルの少なくとも一つは、移動規制端部との隙間を閉塞可能な側部閉塞部材を備える間仕切パネルであって、
前記側部閉塞部材は、水平方向への移動を案内可能な重量支持手段によって前記間仕切パネルの枠体を構成する部材に支持されており、前記重量支持手段とは独立して前記移動規制端部に対して進退動作する側部進退手段によって進退移動可能であることを特徴とする側部閉塞部材を備える間仕切パネル。
【請求項2】
前記重量支持手段は、上下方向に離間して設けられた複数の重量支持機構から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の側部閉塞部材を備える間仕切パネル。
【請求項3】
前記重量支持機構は、リンク機構であることを特徴とする請求項2に記載の側部閉塞部材を備える間仕切パネル。
【請求項4】
前記重量支持機構は、スライド機構であることを特徴とする請求項2に記載の側部閉塞部材を備える間仕切パネル。
【請求項5】
前記側部進退手段及び前記重量支持手段はそれぞれ、上下方向へ直線状に延びる縦杆部材に取付けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の側部閉塞部材を備える間仕切パネル。
【請求項6】
前記側部進退手段は、操作回転力を受ける回動体と、該回動体に回動可能に接続され前記側部閉塞部材を進退させるアームと、により構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の側部閉塞部材を備える間仕切パネル。
【請求項7】
前記重量支持手段は、前記側部進退手段のストロークの範囲において前記側部閉塞部材の移動を水平方向へ案内可能であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の側部閉塞部材を備える間仕切パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス、会議室、ショールーム、店舗等の室内を所定の区画に仕切って使用するための側部閉塞部材を備える間仕切パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス、会議室、ショールーム、店舗等の室内は、天井に設けられたレール(誘導路)にローラを有する吊支部材を介して吊支され、該レールに沿って移動可能な間仕切パネルを連接して所定の区画に仕切って、所望の小区画のレイアウトを実現している。このような間仕切パネルにあっては、壁部(移動規制端部)との隙間を閉塞する側部閉塞部材を進退自在に備えたものがあり、側部閉塞部材を壁部に対して押圧させることで隙間を閉塞し、光や音の漏れを防止できるようにしたものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に示される側部閉塞部材を備える間仕切パネルは、上下方向に延びる円柱状のネジ軸ロッドと、二つの板材の一端部同士が回動可能に連結された連結端部を基点として拡開する横向きV字状を成した拡縮リンク部材とから構成される側部進退手段に側部閉塞部材が取付けられている。側部進退手段は、ネジ軸ロッドの周面に上下方向に離間して所謂右ネジ状の雄ネジ部と左ネジ状の雄ネジ部がそれぞれ形成されており、雄ネジ部は二つの板材の自由端部に形成された雌ネジ部に螺合されている。側部閉塞部材は、拡縮リンク部材の連結端部に取付けられており、二つの板材によって片持ち支持されている。
【0004】
側部進退手段は、ネジ軸ロッドを一方向に回転させると二つの板材の自由端部同士が近接することに伴い、拡縮リンク部材の連結端部がネジ軸ロッドから離間する方向へと進出する。同様に、昇降ロッドを他方向に回転させると拡縮リンク部材の自由端部同士が離間することに伴い、拡縮リンク部材の連結端部がネジ軸ロッドに近接する方向へと後退する。これらのように、ネジ軸ロッドを一方向または他方向へ回転させることによって、拡縮リンク部材の連結端部に取付けられた側部閉塞部材は、左右方向に進退移動可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実公平7-35104号公報(第2,3頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような、特許文献1の側部閉塞部材を備える間仕切パネルにおいてネジ軸ロッドは、二つの板材により側部閉塞部材を片持ち支持していることから側部閉塞部材が進出する際に側部閉塞部材の荷重によるモーメントを受けるとともに、側部閉塞部材が移動規制端部との隙間を閉塞した際に壁部から反力を受ける。このことから、ネジ軸ロッドは重厚となっており、側部閉塞部材を備える間仕切パネルの重量が重くなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、側部閉塞部材を備えながら、軽量である間仕切パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の側部閉塞部材を備える間仕切パネルは、
天井に設けられる誘導路に吊支部材を介して吊支されて当該誘導路に沿って移動可能であり、連接されることで空間を仕切る複数の間仕切パネルの少なくとも一つは、移動規制端部との隙間を閉塞可能な側部閉塞部材を備える間仕切パネルであって、
前記側部閉塞部材は、水平方向への移動を案内可能な重量支持手段によって前記間仕切パネルの枠体を構成する部材に支持されており、前記重量支持手段とは独立して前記移動規制端部に対して進退動作する側部進退手段によって進退移動可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、側部閉塞部材は、側部進退手段とは独立した重量支持手段によって水平方向への移動が案内可能に間仕切パネルの枠体を構成する部材に支持されている。このことから、重量支持手段は、側部閉塞部材が進退移動する際や側部閉塞部材が移動規制端部との隙間を閉塞した際に側部閉塞部材の重量を受けるようになっている。また、重量支持手段とは独立した側部進退手段は、側部閉塞部材が移動規制端部との隙間を閉塞した際に移動規制端部からの反力を受けるようになっている。すなわち、側部閉塞部材の重量と移動規制端部からの反力とを重量支持手段と側部進退手段にそれぞれ分散して受けるようになっているため、重量支持手段及び側部進退手段それぞれの構成を簡素化することができる。これにより、側部閉塞部材を備える間仕切パネルを軽量とすることができる。
【0009】
前記重量支持手段は、上下方向に離間して設けられた複数の重量支持機構から構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、複数の重量支持機構が上下方向に離間して設けられることで、側部閉塞部材を水平方向へ案内する精度が増す。
【0010】
前記重量支持機構は、リンク機構であることを特徴としている。
この特徴によれば、簡素な構造とすることができる。
【0011】
前記重量支持機構は、スライド機構であることを特徴としている。
この特徴によれば、簡素な構造とすることができる。
【0012】
前記側部進退手段及び前記重量支持手段はそれぞれ、上下方向へ直線状に延びる縦杆部材に取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、同じ縦杆部材に取付けられることから、側部進退手段及び重量支持手段同士の相対的な取付け精度が向上する。
【0013】
前記側部進退手段は、操作回転力を受ける回動体と、該回動体に回動可能に接続され前記側部閉塞部材を進退させるアームと、により構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、重量支持手段によって側部閉塞部材の移動が水平方向へ案内されるため、回動体の回動に応じて当該回動体とアームとの屈折角度が可変することで進退動作を行う側部進退手段を採用することができる。
【0014】
前記重量支持手段は、前記側部進退手段のストロークの範囲において前記側部閉塞部材の移動を水平方向へ案内可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、側部閉塞部材を進出させて移動規制端部との隙間を閉塞するまで、確実に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1における側部閉塞部材を備える間仕切パネルを有する移動間仕切装置を示す斜視図である。
図2】移動間仕切装置により部屋を仕切った状態を示す概略図である。
図3】側部閉塞部材を備える間仕切パネルの構造を示す分解斜視図である。
図4】上部閉塞部材及び下部閉塞部材の収納状態を示す縦断面図である。
図5】パネル本体に設置された側部閉塞装置を示す模式図である。
図6】(a)は、収納状態における側部閉塞装置を示す模式図であり、(b)は、押引手段の最大ストロークにおける側部閉塞装置を示す模式図である。
図7】収納状態における側部進退機構の一部を示す模式図である。
図8】側部進退手段の最大ストローク時における側部進退機構の一部を示す模式図である。
図9】進出状態における側部進退機構の一部を示す模式図である。
図10】(a),(b)は、側部閉塞部材を備える間仕切パネルによる天井、床、壁部との間の隙間の閉塞態様を示す模式図である。
図11】(a),(b)は、図10に引き続き、側部閉塞部材を備える間仕切パネルによる天井、床、壁部との間の隙間の閉塞態様を示す模式図である。
図12】(a)は、本発明の実施例2における収納状態の側部閉塞装置を示す模式図であり、(b)は、本発明の実施例2における側部進退手段の最大ストローク時の側部閉塞装置を示す模式図である。
図13】本発明における枠体の変形例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る側部閉塞部材を備える間仕切パネルを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0017】
実施例1に係る側部閉塞部材を備える間仕切パネルを有する移動間仕切装置につき、図1から図11を参照して説明する。以下、図2の紙面手前側及び図4の紙面右側を、側部閉塞部材を備える間仕切パネルの正面側(前方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
【0018】
間仕切パネル1は、例えば、オフィス、会議室、ショールーム、店舗等の建物内の室内を所定の区画に仕切るために用いられるものであり、図1図2に示されるように、本実施例では、複数の間仕切パネル1,1,…,1Aを組み合わせて移動間仕切装置10を構成している。
【0019】
移動間仕切装置10は、室内空間の天井Rに設けられるレール3(誘導路)に沿って移動可能な一対の吊支部材9,9(図3参照)により上端が吊支される複数の間仕切パネル1,1,…と、側部閉塞装置2を有する最後尾の間仕切パネル1Aと、から主に構成され、間仕切パネル1,1,…,1Aをレール3に沿って図1において右側の側壁W’に設けられる移動規制端部S’側に所定の位置まで手動で順次移動させることによって、間仕切パネル1,1,…,1Aを一列に連接させ、後述する上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12がレール3及び床Fに向けて押し付けられるとともに、側部閉塞装置2の側部閉塞部材20(図2参照)が側壁Wに設けられる移動規制端部Sに押し付けられることにより、天井Rから床Fに亘って室内空間を仕切ることができるようになっている。
【0020】
尚、移動規制端部S,S’とは、移動間仕切装置10を構成する間仕切パネル1,1,…,1Aの内、先頭の間仕切パネル1、または、最後尾の間仕切パネル1Aの側部閉塞部材20が当接し、先頭の間仕切パネル1、または、最後尾の間仕切パネル1Aの側部閉塞部材20の移動を規制する端部を構成する所定の側壁や支柱等のことである。
【0021】
また、図1に示されるように、レール3には、収納レール3a,3aが直交連結されており、収納レール3a,3aは、間仕切パネル1,1Aに固定された一対の吊支部材9,9と略同一寸法離間して配置されている。これにより、間仕切パネル1,1,…,1Aを前後方向(連接方向に直交する方向)に並べて収納可能となっている。
【0022】
次に、最後尾の間仕切パネル1Aについて説明する。尚、他の間仕切パネル1の構成については、最後尾の間仕切パネル1Aの構成と略同一態様であるため、重複する説明については省略する。
【0023】
図3に示されるように、最後尾の間仕切パネル1Aは、前後に間隔をおいて対向配置される一対のガラスパネル4,4(パネル部材)と、ガラスパネル4,4を一体に保持する枠体5(上部フレーム6、縦フレーム7,7A及び下部フレーム8)と、上部フレーム6または下部フレーム8に収納される上部閉塞部材11または下部閉塞部材12と、上部閉塞部材11または下部閉塞部材12に収納される上角部閉塞部材31及び下角部閉塞部材32と、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12を進退移動させる上部進退機構65または下部進退機構85(図5参照)と、縦フレーム7Aに取付けられる側部閉塞装置2と、から主に構成される二重ガラスパネル構造を成し、パネル材として透明のガラスパネル4,4が使用されることにより、間仕切パネル1,1,…,1Aによって仕切られる室内空間の開放感を演出することができるとともに、強度や遮音性に優れている。尚、本実施例では、ガラスパネル4,4と枠体5とが一体化されてパネル本体50(図5参照)を構成している。
【0024】
次に、ガラスパネル4,4の構造について説明する。図4に示されるように、ガラスパネル4は、2枚の透明な板ガラス41,41を重合して強化された合わせガラスとなっている。尚、板ガラス41,41は、透明度の高いポリカーボネートやアクリル樹脂製を使用してもよい。
【0025】
図3に示されるように、前方のガラスパネル4には貫通孔4bが形成されており、貫通孔4bは、後述する側部閉塞装置2のアクセス部C(後述する六角ボルト頭部)に位置合わせされている。
【0026】
次に、枠体5の構造について説明する。図3に示されるように、枠体5は、ガラスパネル4,4の上端部に沿って取付けられる上部フレーム6と、上端部が上部フレーム6の左右両端部に連結される一対の縦フレーム7,7Aと、ガラスパネル4,4の下端部に沿って取付けられ、左右両端部が一対の縦フレーム7,7Aの下端部に連結される下部フレーム8と、から主に構成され、一対のガラスパネル4,4の上下左右端に沿って配置される、いわゆる四方枠形状を成している。
【0027】
図4に示されるように、上部フレーム6は、長手方向に沿って設けられる上部チャンネル部62を備えており、上部チャンネル部62には、上部閉塞部材11及び上部進退機構65(図5参照)が収納されている。また、下部フレーム8は、上部フレーム6を上下に反転した形状と略同一形状であり、下部フレーム8の下部チャンネル部82には、下部閉塞部材12及び下部進退機構85(図5参照)が収納されている。
【0028】
図3に戻って、最後尾の間仕切パネル1Aの右側の縦フレーム7は、ガラスパネル4,4の上下方向に延びる芯部材71と、該間仕切パネル1Aの上下方向に延び芯部材71を被覆する被覆部材70と、から主に構成され、芯部材71の上端部が上部フレーム6に、芯部材71の下端部が下部フレーム8に、それぞれ一対のネジで固定される。最後尾の間仕切パネル1Aの左側の縦フレーム7Aは、ガラスパネル4,4の上下方向に亘って延びる芯部材71Aと、上面視コ字状に形成され芯部材71Aを覆うカバー部材72と、から主に構成され、芯部材71Aの上端部が上部フレーム6に、芯部材71Aの下端部が下部フレーム8に、それぞれ一対のネジで固定される。尚、他の間仕切パネル1は、縦フレーム7,7が対向配置されている。
【0029】
ここで、ガラスパネル4,4と縦フレーム7,7Aとの固定について説明する。ガラスパネル4,4の内面と、縦フレーム7の被覆部材70の側面とを透明な両面テープで貼付するとともに、前方のガラスパネル4の内面と、縦フレーム7Aのカバー部材72の側面とを透明な両面テープで貼付する。このようにしてガラスパネル4,4と縦フレーム7,7Aとが固着されている。
【0030】
また、図3に示されるように、カバー部材72の前方の側板部には、前方のガラスパネル4の貫通孔4bと位置合わせされて貫通孔72fが形成されており、ガラスパネル4,4と縦フレーム7,7Aとが固着され、貫通孔72fと貫通孔4bとが連通することで、アクセス部C(操作部)にアクセス可能なアクセス孔Hが形成される。尚、直接の図示は省略するが、アクセス部Cの操作を行うとき以外は、アクセス孔Hにキャップが装着され、アクセス部Cの保護がなされている。
【0031】
次に、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12について説明する。図4図5に示されるように、上部閉塞部材11は、上部フレーム6と略同一寸法で左右方向に延びており、側方から見て下向きコ字形状を成している。下部閉塞部材12は、上部閉塞部材11を上下反転した形状と略同一形状であるため、その説明を省略する。
【0032】
図7図9図10に示されるように、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12は、上部フレーム6の上部チャンネル部62及び下部フレーム8の下部チャンネル部82に収納された状態において、パネル本体50よりも右側(間仕切り位置への進行方向)に右端部がそれぞれ突出している。また、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12は、隣接する間仕切パネル1の左側端部に押圧されることにより、上部進退機構65または下部進退機構85によってレール3及び床Fに対して進退移動するようになっている。尚、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12を進退動作させる上部進退機構65または下部進退機構85は、捻りコイルバネ、または捻りコイルバネ及びリンク部材を組み合わせたリンク機構等により構成されている。
【0033】
次に、側部閉塞装置2について説明する。図5図6に示されるように、側部閉塞装置2は、カバー部材72内の収納部72dに収納される側部閉塞部材20と、縦フレーム7Aの芯部材71Aに固定されるベース杆23と、側部閉塞部材20の水平方向への移動を案内可能な上下一対のリンク機構35,35(重量支持機構,重量支持手段)と、リンク機構35,35とは独立して移動規制端部Sに対して進退動作する側部進退機構25(側部進退手段)と、から主に構成されており、側部進退機構25の進退動作に応じて側部閉塞部材20は進退するようになっている。
【0034】
図5図6を参照し、側部閉塞部材20は、ガラスパネル4,4の上下方向に亘って延び芯部材71A側(右側)に開口する上面視コ字状に形成された本体部材21の底部の内側に支持杆22が固定されており、上面視移動規制端部S側(左側)に開口するカバー部材72の内部に連接方向(左右方向)に移動可能に収納されている。また、支持杆22には側部進退機構25及び各リンク機構35,35が連結されている。
【0035】
図5のA-A矢視図を吹出し内に示すように、支持杆22は、上下方向に長尺な角パイプ状の部材であり、支持杆22の側端部には、取付片22a,22aが上部及び下部それぞれに溶接固定されており、取付片22aにはリンク機構35が回動可能に取付けられている。
【0036】
また、図5のA-A矢視図を吹出し内に示すように、支持杆22の前後の側面部には、上面視柄杓形状に形成された二つの段付き板材22b,22bが、各短板部を芯部材71A側で対向配置させた状態で固定されており、二つの段付き板材22b,22bに囲まれた空間内を後述する側部進退機構25の押引体26が左右方向に移動可能かつ芯部材71A側への移動は短板部である規制部により規制可能となっている。
【0037】
また、図5のA-A矢視図を吹出し内に示すように、支持杆22と押引体26との間には、複数の緩衝部材33が配置されている。緩衝部材33は、左右方向に付勢するコイル状の圧縮バネ33aと、該圧縮バネ33aに軸通されるボルト形状の軸芯33bと、から構成されており、軸芯33bの一端部が押引体26の支持杆22側の側端部に螺着されている。一方、軸芯33bの他端部は、支持杆22の押引体26側の側端部を左右方向に貫通する貫通孔22cに挿通されており、軸芯33bは、該貫通孔22cを通じて左右方向へ移動可能となっている。
【0038】
図5図6を参照して、ベース杆23(縦杆部材)は、上下方向に長尺なC字チャンネル杆状の部材であり、上下方向に亘って形成されたスリットが移動規制端部S側(左側)に向けて配置された状態で、ボルトナットにより芯部材71Aに固定されている。
【0039】
また、ベース杆23の左側面部には、上下方向略中央部に上下方向に離間した第1取付片23a,23aと、第1取付片23a,23aよりも上端部側または下端部側に位置した第2取付片23b,23bと、第2取付片23b,23bそれぞれの下方にてベース杆23の板状の支持板23c,23cとが溶接固定されており、第1取付片23a,23aには側部進退機構25が、第2取付片23b,23bにはリンク機構35,35が、それぞれ回動可能に軸支され、支持板23c,23cにはリンク機構35,35のローラ38,38(図6参照)が押圧されている。
【0040】
このように、同じベース杆23に側部進退機構25とリンク機構35,35が取付けられることから、側部進退機構25及びリンク機構35,35同士の相対的な取付け精度が向上する。
【0041】
また、図7に示されるように、ベース杆23の第1取付片23aには、ピン状の第1ストッパ98aと第2ストッパ98bとが溶接固定されており、後述する側部進退機構25のレバー27が当接することで当該レバー27の回動を規制する。
【0042】
図6に示されるように、リンク機構35は、長尺の第1リンク部36と、該第1リンク部36の略半分の寸法の第2リンク部37と、から構成され、横向き略入字状を成している。尚、リンク機構35は後述にて詳細に説明する。
【0043】
このように、側部閉塞部材20とベース杆23とはリンク機構35によって連結されている。これにより、側部閉塞部材20は、リンク機構35によって最後尾の間仕切パネル1Aの縦フレーム7Aに側部閉塞部材20の重量W1(図6参照)が支持されているとともに、リンク機構35によって縦フレーム7Aに対して略平行に配置された状態を保ちながら水平方向へ案内される。
【0044】
次いで、図5図7を用いて、側部進退機構25について説明をする。図5図6に示されるように、側部進退機構25は、ベース杆23に回動可能に軸支される上下一対のレバー27,27(回動体)と、該レバー27に回動可能に取付けられる板状の長尺部材であるアーム体28,28(アーム)と、該アーム体28,28それぞれが回動可能に取付けられる上下方向に長尺な押引体26と、レバー27,27それぞれに回動可能に軸支される上下方向に長尺なパイプ状のリンク部材29と、押引体26と支持杆22との間に介在する複数の緩衝部材33,33,…と、から主に構成されている。尚、本実施例における押引手段は、押引体26と、アーム体28,28と、から構成されている。
【0045】
図5を参照して、押引体26は、支持杆22よりも短尺な角パイプ状の部材の上部と下部から芯部材71A側にそれぞれ突出した軸部に略矩形状の取付部26a,26aが連結されて構成されており、取付部26a,26aにはアーム体28,28が回動可能に取付けられている。
【0046】
また、押引体26は、圧縮バネ33aの付勢力やアーム体28による引動により、押引体26が芯部材71A側に移動しても段付き板材22b,22bの規制部に接触するため、貫通孔22cから軸芯33bから脱落することがなく、支持杆22から離脱することが防止されている。
【0047】
図7に示されるように、レバー27は、正面視略鈍角三角形状に形成されており、鈍角に形成された第1角部27aを前後方向に貫通する貫通孔と、ベース杆23の第1取付片23aを前後方向に貫通する貫通孔と、に挿通された六角ボルトにナットが螺着されることで、第1取付片23aに回動可能に軸支されている。また、六角ボルトの頭部は、レバー27に対して相対的に回動しないように当該レバー27に固定されており、下方のレバー27の六角ボルトの頭部は、アクセス孔Hを介して前方のガラスパネル4に露出するアクセス部Cである。
【0048】
また、第1角部27aから最も離間した第2角部27bと、アーム体28の一端部28aとがそれぞれ回動可能に軸支されている。さらに、上方のレバー27の第3角部27cはリンク部材29の上端部29a(図5参照)に、下方のレバー27の第3角部27cはリンク部材29の下端部29bに、それぞれ回動可能に軸支されることでリンク部材29を介して連結されており、レバー27,27はリンク部材29によって連動して回動する。
【0049】
また、上方のアーム体28の他端部28bは押引体26の上方の取付部26a(図5参照)に、下方のアーム体28の他端部28bは押引体26の下方の取付部26aに、それぞれ回動可能に取付けられている。このようにして、側部進退機構25は、側部閉塞部材20とベース杆23との間に連結されている。
【0050】
尚、以降の説明において、図6図9に示されるように、レバー27の第1角部27aの軸支部分を第1軸支部P1、第2角部27bの軸支部分を第2軸支部P2、アーム体28の他端部28bの軸支部分を第3軸支部P3、第3角部27cの軸支部分を第4軸支部P4とする。
【0051】
図5図7に示されるように、第1軸支部P1と第3軸支部P3とは、略同一の高さ位置に配置されている。
【0052】
次に、図7図11を用いて、最後尾の間仕切パネル1Aによる間仕切パネル1,1,…,1Aと移動規制端部S、天井R及び床Fとの隙間の閉塞動作について説明する。尚、以降の説明において、特に断らない限り、下方に位置する、レバー27、アーム体28及び押引体26の取付部26aを例に説明する。先ず、図10(a)に示されるように、側部閉塞装置2の側部閉塞部材20が収納状態にある最後尾の間仕切パネル1Aを隣接する間仕切パネル1と移動規制端部Sとの間へと移動する。このとき、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12は隣接する間仕切パネル1の左側端部に当接しており、連接された間仕切パネル1,1,…,1Aと移動規制端部Sとの間には、最後尾の間仕切パネル1Aと移動規制端部Sとの隙間G1と、最後尾の間仕切パネル1Aとこれに隣接する間仕切パネル1Aとの隙間G2とが形成されている。
【0053】
また、側部閉塞部材20の収納状態において、図7に示されるように、第2軸支部P2が第1軸支部P1の略垂直下方に位置している。このとき、レバー27の第1角部27aと第3角部27cとの間の側端部27dが、第1ストッパ98aに当接しているため、レバー27の反時計回り方向への回動が規制されている。一方、レバー27とアーム体28とは、第2軸支部P2で谷折りに屈折して正面視略V字状を成し、本実施例において第1軸支部P1から第3軸支部P3までの左右方向の寸法が最短となっている。押引体26及び側部閉塞部材20もレバー27側に配置されているため、側部閉塞部材20はカバー部材72内の収納部72dに収納された状態となっている(図6(a)参照)。
【0054】
また、側部閉塞部材20の収納状態において、アクセス部Cに取付けたハンドル(図示略)を操作して下方のレバー27を時計回り方向に回動させると、リンク部材29を介して上方のレバー27も時計回り方向に回動され、各第2軸支部P2,P2が時計回り方向へ回動して、第3軸支部P3が移動規制端部S側へと移動し、谷折りに屈折するレバー27とアーム体28とが拡開していく。このとき、側部閉塞部材20は、リンク機構35,35によって側部閉塞部材20の重量W1が支持されながら、略水平方向へ案内されるため、第3軸支部P3はレバー27の回動に応じて略水平方向へ移動する。これにより、側部閉塞部材20は押引体26に押動され、図10(b)に示されるように、側部閉塞部材20は移動し、その側端部が移動規制端部Sに当接して、隙間G1が閉塞される。
【0055】
ここで、リンク機構35,35による案内について詳しく説明する。尚、以下の説明において、図7に示されるように、第1リンク部36の他端部36bの軸支部分を支持杆軸支部Q1、第1リンク部36と第2リンク部37との軸支部分を交差軸支部Q2、ローラ38の軸支部分をローラ軸支部Q3、第2リンク部37の他端部37bの軸支部分をベース杆軸支部Q4とする。
【0056】
図7に示されるように、支持杆軸支部Q1、交差軸支部Q2及びベース杆軸支部Q4は、軸支部Q1,Q2間の寸法と、軸支部Q2,Q4間の寸法とが略同一である二等辺三角形状に配置されており、支持杆軸支部Q1とベース杆軸支部Q4とは、略同一の高さ位置に配置されている。
【0057】
側部進退機構25によって側部閉塞部材20が左方向へ押動されると、ローラ軸支部Q3が上方に移動するとともに、支持杆軸支部Q1とベース杆軸支部Q4が左右方向に離間するように移動する。このとき、支持杆軸支部Q1、交差軸支部Q2及びベース杆軸支部Q4は二等辺三角形状に配置されていることから、支持杆軸支部Q1を回動軸とした第1リンク部36の回動角度と、ベース杆軸支部Q4を回動軸とした第2リンク部37の回動角度とは略同一となる。これにより、交差軸支部Q2を頂点とした角度が広がり、第1リンク部36及び第2リンク部37が拡開することによって、支持杆軸支部Q1は略水平左方へ直線移動する(図8参照)。同様に、側部閉塞部材20が右方向へ引動されると、支持杆軸支部Q1は略水平右方へと直線移動する(図7参照)。すなわち、リンク機構35は、側部閉塞部材20を水平方向へ案内することができる。
【0058】
また、本実施例においてリンク機構35は、軸支部Q1,Q2間の寸法と、軸支部Q2,Q4間の寸法と、軸支部Q2,Q3間の寸法とが略同一であることから、交差軸支部Q2を中心とした各支持杆軸支部Q1、ローラ軸支部Q3、ベース杆軸支部Q4までのバランスがとられているため、リンク機構35を小型に構成できる。
【0059】
また、リンク機構35,35は上下に離間して2個(複数)配置されていることから、側部閉塞部材20を水平方向へ案内する精度が高い。
【0060】
また、リンク機構35,35によって、側部閉塞部材20の重量W1をベース杆23(図6参照)に主に負荷させることができるので、側部進退機構25のレバー27を軽い力で回動操作可能となっている。
【0061】
また、側部進退機構25は、平行リンクを形成していることから、側部進退機構25による側部閉塞部材20の押動または引動の際に、押引体26に対して略均等に力を作用させることができるとともに、押引体26(第3軸支部P3,P3)を第1軸支部P1,P1に対して略平行に移動させることができる。
【0062】
また、側部進退機構25は、上下方向においてリンク機構35,35間に配置されていることから、側部閉塞部材20をベース杆23に対して略平行に配置された状態を保ちながらバランスよく押動または引動できるため、側部閉塞部材20が傾きにくくなっている。
【0063】
図10(b)に示される状態から、ハンドルを操作してアクセス部Cの回動を続けると、側部閉塞部材20の移動規制端部S側への移動は、該移動規制端部Sによって規制されていることから、パネル本体50側が隣接する間仕切パネル1側へと移動する。これに伴い、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12それぞれの側端部が隣接する間仕切パネル1の左側端部に押圧されることから、図11(a)に示されるように、上部閉塞部材11及び下部閉塞部材12が天井Rまたは床Fに向かって進出し、当接する。
【0064】
図11(a)に示される状態から、ハンドルを操作してアクセス部Cの回動を続けると、パネル本体50が移動し、谷折りに屈折するレバー27とアーム体28との拡開が進み直線状を成した後、屈折方向が山折りに反転して、ハンドルの回動角度が略90度に達することで、図11(b)に示されるように、隙間G2が閉塞される。以下、詳細に説明する。
【0065】
アクセス部Cが時計回り方向へ回動されると、第2軸支部P2は、第1軸支部P1を中心として時計回り方向へ回動し、第1軸支部P1及び第3軸支部P3と略同一高さ位置に移動することで、第1軸支部P1、第3軸支部P3と共に略直線を成す(図8(a)を参照)。このとき、第1軸支部P1から第3軸支部P3までの左右方向の寸法(すなわち、側部進退機構25のストローク)が最長となり、緩衝部材33の圧縮バネ33aが最も圧縮された状態となる(図8(b)参照)。また、押引体26と、アーム体28と(押引手段)の最大ストロークにおいて、第1軸支部P1、第2軸支部P2及び第3軸支部P3は、所謂デッドセンターに沿って並んでいる。
【0066】
また、リンク機構35についても、第1リンク部36の他端部36bと第2リンク部37の他端部37bとが、本実施例において最も離間した状態となっている。すなわち、リンク機構35は、側部進退機構25のストロークの範囲において側部閉塞部材20の移動を水平方向へ案内可能である。
【0067】
この状態からさらにハンドルを操作して、アクセス部Cの回動により第2軸支部P2がデッドセンターを越えると、レバー27とアーム体28とが山折りに屈折して正面視略下向きV字状を成し、押引体26とアーム体28が後退して、第1角部27aと第2角部27bとの間の側端部27eが第2ストッパ98bに当接する。これにより、レバー27の回動が規制されるため、押引体26とアーム体28の後退も規制される。その一方で、側部閉塞部材20は、圧縮バネ33aからの付勢力を受けることによって、移動規制端部Sに安定して押し付け続けられることから、連接された間仕切パネル1,1,…,1Aと移動規制端部Sとの隙間G1,G2(10(a)参照)を安定して閉塞できる。また、レバー27、アーム体28に外力が作用しない限り屈折方向は反転しないことから、隙間G1,G2を閉塞した位置で保持される。
【0068】
リンク機構35は、上述したように、側部進退機構25と独立しているとともに、側部進退機構25のストロークの範囲において側部閉塞部材20の移動を水平方向へ案内可能であることから、圧縮バネ33aからの付勢力を受ける側部閉塞部材20を、第1リンク部36の他端部36bと第2リンク部37の他端部37bとが最も離間した状態のまま支持することができる。すなわち、側部閉塞部材20の移動を確実に略水平方向へ案内することができる。
【0069】
また、リンク機構35,35は、側部閉塞部材20が移動規制端部Sとの隙間G1,G2を閉塞した際にも、側部閉塞部材20の重量W1を受け続けることで当該側部閉塞部材20を支持している。その一方で、側部進退機構25は、側部閉塞部材20を移動規制端部Sへ押圧することによる当該移動規制端部Sからの反力を受けている。すなわち、側部閉塞部材20の重量W1と移動規制端部Sからの反力とをリンク機構35,35と側部進退機構25にそれぞれ分散して受けることができる。
【0070】
また、移動規制端部Sからの反力によってもレバー27が第2ストッパ98bに押圧されているため、隙間Gを閉塞した位置で確実に保持される。
【0071】
また、例えば移動規制端部Sが垂直方向よりも僅かに傾斜しているような状態であっても、緩衝部材33の圧縮バネ33a(図5参照)が圧縮され当該側部閉塞部材20の側端部は傾動するため、確実に側部閉塞部材20を移動規制端部Sに沿って押圧させることができる。
【0072】
また、逆の手順を行うことで、第2軸支部P2を基点として山折りに屈折していた屈折方向(図9(a)参照)が、第2軸支部P2を基点として谷折りに屈折するように反転して(図7(a)参照)、押引体26がレバー27側へと移動する。これに伴って、押引体26によって支持杆22の段付き板材22b,22bの規制部が引動され、側部閉塞部材20はカバー部材72の収納部72d内へと後退し収納状態となる(図6(a)参照)。
【0073】
以上説明してきたように、本実施例の最後尾の間仕切パネル1Aは、側部閉塞部材20の重量W1と移動規制端部Sからの反力とをリンク機構35,35と側部進退機構25にそれぞれ分散して受けるようになっているため、リンク機構35,35及び側部進退機構25それぞれの構成を簡素化することができる。これにより、側部閉塞部材20を備える最後尾の間仕切パネル1Aを軽量とすることができる。
【0074】
また、リンク機構35,35によって側部閉塞部材20の移動が水平方向へ案内されるため、レバー27の回動に応じて当該レバー27とアーム体28との屈折角度が可変することで進退動作を行う側部進退機構25を採用することができる。
【0075】
また、側部閉塞装置2が一対のガラスパネル4,4の間に配設されることで美観性がよく、アクセス部Cがガラスパネル4,4に露出していることからアクセスが容易であるため、操作性が良い。
【0076】
また、枠体5が上部フレーム6、一対の縦フレーム7,7A及び下部フレーム8が一体に連結されて構成されることにより、枠体5の構造強度を確保しながら、上部フレーム6、一対の縦フレーム7,7A及び下部フレーム8によって囲まれる領域における、ガラスパネル4,4のパネル面の領域が相対的に大きくなり、ガラスパネル4,4のパネル面の領域を広くとることで見栄えが良く、且つ視認性が良くなるので室内空間に開放感を演出することができる。
【実施例2】
【0077】
次に、実施例2に係る側部閉塞部材を備える間仕切パネルにつき、図12を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0078】
前記実施例1の重量支持手段は、リンク機構35,35である態様として説明したが、本実施例2にあっては、図12に示されるように、上下一対のスライド機構135,135(重量支持機構)が重量支持手段を構成している。スライド機構135は、支持杆22に溶接固定された側面視直角三角形状の走行体136と、ベース杆23に溶接固定されたベース体137と、から構成されている。
【0079】
走行体136は、略直角部分から上方に延びる側端部が支持杆22に溶接固定されるとともに、該略直角部分から略水平方向にベース杆23側に延びる下端部の先端側には、略垂直下方に突出して左右一対の走行ローラ138,138が回動可能に軸支されている。ベース体137は、略直角部分から下方に延びる側端部がベース杆23に溶接固定されており、該略直角部分から略水平方向に支持杆22側に延びる上端部を、走行体136の走行ローラ138,138が回転しながら直線移動可能となっている。
【0080】
これにより、側部閉塞部材20の重量W1が走行体136を介してベース体137に支持される。また、側部閉塞部材20の進退動作の際には、走行体136がベース体137に支持されたまま、ベース体137に対して相対移動する。このように、側部閉塞部材20は、スライド機構135によって最後尾の間仕切パネル1Aの縦フレーム7Aに支持されている。
【0081】
すなわち、側部閉塞部材20の重量W1と移動規制端部Sからの反力とをスライド機構135,135と側部進退機構25にそれぞれ分散して受けるようになっているため、側部閉塞部材20を備える最後尾の間仕切パネル1Aを軽量とすることができる。また、側部閉塞部材20の重量W1を側部閉塞装置2のベース杆23に主に負荷させることができる。このことから、側部進退機構25を軽い力で回動操作可能となっている。
【0082】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0083】
例えば、前記実施例では、側部閉塞装置2を有する間仕切パネル1Aは、最後尾である態様として説明したが、これに限らず、先頭や間仕切パネル1,1の間等、その配置は適宜変更されてもよい。また、他の間仕切パネルに関しては、本実施例における最後尾の間仕切パネル1Aの構成と略同一態様であることに限らず、例えば、梯子状の枠体にパネル部材が貼り付けられたものでもよく、適宜選択されればよい。
【0084】
また、側部閉塞部材20は、最後尾の間仕切パネル1Aの縦フレーム7Aに支持されている態様として説明したが、これに限らず、間仕切パネルの枠体であればよく、例えば、他の上部フレーム6、縦フレーム7、下部フレーム8のいずれか一つに支持されていてもよく、上部フレーム6、縦フレーム7,7A、下部フレーム8のいずれかを併用して支持されていてもよく、限定されるものではない。さらに、枠体は、例えば図13に示されるように、上部フレーム6、縦フレーム7,7Aから構成される下向きコ字状枠の枠体5であってもよく、矩形枠に限定されるものではない。
【0085】
また、縦杆部材は、ベース杆23である態様として説明したが、これに限らず、縦フレーム7Aであってもよい。
【0086】
レバー27は、鈍角三角形状に形成されている態様として説明したが、これに限らず、第1軸支部P1が第2軸支部P2及び第3軸支部P3によって挟まれるように配置されているのであれば、略円状や他の多角形状に形成されていてもよい。
【0087】
また、側部進退機構25は、側部閉塞部材20が収納状態である際に、レバー27とアーム体28とが正面視略V字状を成しており、レバー27を時計回りに回動させることで側部閉塞部材20を進出させることができる態様として説明したが、レバー27とアーム体28とが正面視略下向きV字状を成していてもよく、この態様であればレバー27を反時計回りに回動させることで側部閉塞部材20を進出させることができる。さらに、アーム体28,28と押引体26との間に回動可能に軸支された別のアーム体が介在されていてもよい。すなわち、押引手段を含めて側部進退機構25の構造については、適宜変更されてもよい。
【0088】
側部進退機構25は、押引体26、レバー27,27、アーム体28,28、及びリンク部材29により平行リンクを成しているとして説明したが、これに限らず、レバー27とアーム体28だけで構成されていてもよく、限定されるものではない。また、レバー27とアーム体28とは、回動可能に軸支されている態様として説明したが、これに限らず、カムの回動に応じてアーム体が連接方向に進退動作するカム機構であってもよい。
【0089】
また、側部進退機構は、本実施例の態様に限らず、特許文献1に示されるようにネジ軸ロッドと拡縮リンクから構成されていてもよく、電動シリンダ等を用いて進退動作が行われてもよく、限定されるものではない。
【0090】
重量支持手段は、リンク機構35またはスライド機構135が上下一対に配置されて構成される態様として説明したが、これに限らず、一つであってもよく、3つ以上であってもよく、限定されるものではない。
【0091】
リンク機構35は、第1リンク部36の一端部36aに回動可能にローラ38が軸支されている態様として説明したが、これに限らず、フッ素樹脂等の摩擦係数が小さい合成樹脂からなる低摩擦部材が固着されていてもよい。この態様であっても、支持板23c,23cに押圧されながら摺動し、上方または下方に移動可能である。これは、スライド機構135についても同様である。
【0092】
また、重量支持機構は、リンク機構35またはスライド機構135である態様として説明したが、これに限らず、スライドレール、油圧シリンダ等が用いられてもよく、側部閉塞部材20の移動を水平方向へ案内可能かつ当該側部閉塞部材20の重量W1を支持可能であれば、限定されるものではない。
【0093】
また、ガラスパネル4,4が前後に2枚設けられる間仕切パネル1について説明したが、これに限らず、間仕切パネルは、ガラスパネルが1枚または3枚以上の複数設けられるものであってもよい。
【0094】
パネル部材は、ガラスパネル4,4である態様として説明したが、これに限らず、木板や不透明に着色された樹脂製の板等、不透明のものが適宜使用されてもよい。また、各ガラスパネルの左右方向の寸法は適宜変更されてもよく、その構成が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0095】
1,1A 間仕切パネル
2 側部閉塞装置
3 レール(誘導路)
5 枠体
9 吊支部材
10 移動間仕切装置
20 側部閉塞部材
23 ベース杆(縦杆部材)
25 側部進退機構(側部進退手段)
35 リンク機構(重量支持機構,重量支持手段)
135 スライド機構(重量支持機構,重量支持手段)
F 床
R 天井
S 移動規制端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13