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特許7001619切削ユニット、包装材料のウェブおよび包装材料のウェブに準備特徴部を切削するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】切削ユニット、包装材料のウェブおよび包装材料のウェブに準備特徴部を切削するための方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/26 20060101AFI20220112BHJP
   B31B 50/14 20170101ALI20220112BHJP
   B26F 1/14 20060101ALI20220112BHJP
   B26F 1/20 20060101ALI20220112BHJP
   B26F 1/38 20060101ALI20220112BHJP
   B26F 1/44 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B26D7/26
B31B50/14
B26F1/14 E
B26F1/20
B26F1/38 A
B26F1/44 E
B26F1/44 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018560143
(86)(22)【出願日】2017-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 EP2017061616
(87)【国際公開番号】W WO2017198620
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】16169773.5
(32)【優先日】2016-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】トルビョルン・ヘドベルク
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-138587(JP,A)
【文献】特開2014-042944(JP,A)
【文献】特開平08-318498(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第01303838(GB,A)
【文献】米国特許第03373643(US,A)
【文献】特開2006-015483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/26
B31B 50/14
B26F 1/14
B26F 1/20
B26F 1/38
B26F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状材料のウェブに準備特徴部を切削するための切削ユニット(100)であって、
剛性のベース部分(132、142)を備えた第1部分(110)と、
前記シート状材料のウェブに第1準備特徴部を切削するように構成された少なくとも1つの第1切削工具(130)と、
前記シート状材料のウェブに第2準備特徴部を切削するように構成された少なくとも1つの第2切削工具(140)と、
を含み、
前記少なくとも1つの第1および第2切削工具(130、140)は、前記剛性ベース部分(132、142)に取り付けられ、かつ互いに距離をおいて配置され、
前記第1または第2切削工具(130、140)の少なくとも1つは、可撓性支持体(134、144)によって支持され、前記可撓性支持体(134、144)は、前記第1部分(110)の前記剛性ベース部分内に配置され、
前記第1および第2切削工具(130、140)は、それぞれ第1および第2可撓性支持体(134、144)に支持され、前記第1可撓性支持体(134)および前記第2可撓性支持体(144)は、前記剛性のベース部分(132、142)の表面に対して垂直な方向に積層され、
前記第1可撓性支持体(134)の材料の硬度、前記第2可撓性支持体(144)の材料の硬度と異なることによって、前記第1切削工具(130)および前記第2切削工具(140)の切削優先順位を定める、
切削ユニット(100)。
【請求項2】
少なくとも1つの第1剛性ベース部分(166、168)を備えた第2部分(160)をさらに含み、前記第2部分(160)は、動作中、前記第1部分(110)およびそれらの間の前記シート状材料のウェブと協働するように構成され、それにより、前記第1および第2部分(110、160)は、前記シート状材料に押し付けられると、包装材料上に少なくとも2つの準備特徴部を生成する、請求項1に記載の切削ユニット。
【請求項3】
前記第2部分(160)の前記第1剛性ベース部分(166)は、前記第1部分(110)の前記可撓性支持体(134、144)と異なる可撓性支持体(164)によって支持される、請求項に記載の切削ユニット。
【請求項4】
前記第1部分(110)は、前記第1および第2準備特徴部と異なる第3準備特徴部を前記シート状材料のウェブに切削するように構成された少なくとも1つの第3切削工具(150)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の切削ユニット。
【請求項5】
前記第1切削工具(130)と前記第2切削工具(140)は、異なる種類の切削工具であり、前記第1準備特徴部と前記第1準備特徴部とは異なる形状の前記第2準備特徴部を前記シート状材料のウェブに生成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の切削ユニット。
【請求項6】
前記第1、第2および第3切削工具(130、140、150)は、それぞれ第1、第2および第3可撓性支持体(134、144、154)によって支持され、前記可撓性支持体(134、144、154)の材料は、それぞれ異なる硬度を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の切削ユニット。
【請求項7】
シート状材料のウェブに準備特徴部を切削するための切削ユニット(100)であって、
剛性のベース部分(132、142)を備えた第1部分(110)と、
前記シート状材料のウェブに第1準備特徴部を切削するように構成された少なくとも1つの第1切削工具(130)と、
前記シート状材料のウェブに第2準備特徴部を切削するように構成された少なくとも1つの第2切削工具(140)と、
を含み、
前記少なくとも1つの第1および第2切削工具(130、140)は、前記剛性ベース部分(132、142)に取り付けられ、かつ互いに距離をおいて配置され、
前記第1または第2切削工具(130、140)の少なくとも1つは、可撓性支持体(134、144)によって支持され、前記可撓性支持体(134、144)は、前記第1部分(110)の前記剛性ベース部分内に配置され、
前記第1および第2切削工具(130、140)は、それぞれ第1および第2可撓性支持体(134、144)によって支持され、前記第1可撓性支持体(134)の材料の硬度は、前記第2可撓性支持体(144)の材料の硬度と異なり、
前記第1切削工具(130)は、円筒形状を有し、かつ前記剛性ベース部分から突出する、切削ユニット。
【請求項8】
シート状材料のウェブに準備特徴部を切削するための切削ユニット(100)であって、
剛性のベース部分(132、142)を備えた第1部分(110)と、
前記シート状材料のウェブに第1準備特徴部を切削するように構成された少なくとも1つの第1切削工具(130)と、
前記シート状材料のウェブに第2準備特徴部を切削するように構成された少なくとも1つの第2切削工具(140)と、
を含み、
前記少なくとも1つの第1および第2切削工具(130、140)は、前記剛性ベース部分(132、142)に取り付けられ、かつ互いに距離をおいて配置され、
前記第1または第2切削工具(130、140)の少なくとも1つは、可撓性支持体(134、144)によって支持され、前記可撓性支持体(134、144)は、前記第1部分(110)の前記剛性ベース部分内に配置され、
前記第1および第2切削工具(130、140)は、それぞれ第1および第2可撓性支持体(134、144)によって支持され、前記第1可撓性支持体(134)の材料の硬度は、前記第2可撓性支持体(144)の材料の硬度と異なり、
前記第2切削工具(140)は、互いに距離をおいて円形または楕円形に配置された複数の突起を含む、切削ユニット。
【請求項9】
シート状材料のウェブであって、複数の折り目線であって、それに沿って前記シート状材料が容器に折り畳まれ得る、複数の折り目線を含み、互いに整列された第1および第2準備特徴部をさらに含み、前記第1および第2準備特徴部は、切削ユニット(100)によって適用され
前記切削ユニット(100)は、
剛性のベース部分(132、142)を備えた第1部分(110)と、
前記シート状材料のウェブに第1準備特徴部を切削するように構成された少なくとも1つの第1切削工具(130)と、
前記シート状材料のウェブに第2準備特徴部を切削するように構成された少なくとも1つの第2切削工具(140)と、
を含み、
前記少なくとも1つの第1および第2切削工具(130、140)は、前記剛性ベース部分(132、142)に取り付けられ、かつ互いに距離をおいて配置され、
前記第1または第2切削工具(130、140)の少なくとも1つは、可撓性支持体(134、144)によって支持され、前記可撓性支持体(134、144)は、前記第1部分(110)の前記剛性ベース部分内に配置され、
前記第1および第2切削工具(130、140)は、それぞれ第1および第2可撓性支持体(134、144)によって支持され、前記第1可撓性支持体(134)の材料の硬度は、前記第2可撓性支持体(144)の材料の硬度と異なる、
シート状材料のウェブ。
【請求項10】
シート状材料のウェブに準備特徴部を切削するための方法であって、
- 切削および/または折り目付けステーションでシート状材料のウェブを受け取り、
- 第1および第2切削および/または折り目付けロールに配置された切削ユニットの第1および第2部分間に前記シート状材料のウェブを通し、第1ユニットは、少なくとも1つの第1切削工具および少なくとも1つの第2切削工具を含み、第2ユニットは、前記シート状材料のウェブおよび前記第1部分が押し付けられるアンビルを含み、
- 前記2つの切削および/または折り目付けロールを前記シート状材料のウェブにかつ互いに押し付け、
- 互いに整列された少なくとも1つの第1準備特徴部および1つの第2準備特徴部を生成し、
前記第1および第2切削工具は、それぞれ第1および第2可撓性支持体によって支持され、前記第1可撓性支持体の材料の硬度は、前記第2可撓性支持体の材料の硬度と異なる、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状材料のウェブに準備特徴部を切削するための切削ユニットおよび方法の分野に関する。さらに、本発明は、切削ユニットによって切削された準備特徴部を有するシート状材料のウェブに関する。
【背景技術】
【0002】
食品用の包装容器を立体化するためのシート状材料のウェブの準備の分野において、いくつかの方法が以前から知られている。
【0003】
1つの変形形態では、シート状材料のウェブのロールは、近くまたは離れた場所から搬送され、かつ折り目付けおよび/または切削機に供給される。折り目付けおよび/または切削機は、複数のロール対を含み、各対は、雄型および雌型ダイを支持する。いくつかの変形形態では、ロール対は、雄型および雌型の折り目付けパターンのみを支持する。両方のダイ上の折り目付けパターンは、シート状材料のウェブに転写されると、シート状材料上に複数の折り目線を形成し、これにより後の製造段階でシート状材料から容器を立体化することが容易になる。次いで、第2ロール対は、穴またはミシン目など、折り目線以外の準備特徴部をシート状材料のウェブに適用し得る。いずれの場合にも、1つのロール対において1つの準備特徴部が適用され、すなわち、第1段階において折り目付けパターンが適用され、第2段階において穴が適用され、および場合により第3段階において、雄型および雌型ダイを有する対応するロール対でミシン目が適用される。
【0004】
切削作業を行うとき、突出した切削要素が雄型ダイ上に配置され、対応する陥凹部が雌型ダイ上に配置される。
【0005】
異なる切削および折り目付け作業が切削/折り目付け機の異なる段階で行われるという事実から生じる1つの問題は、例えば、シート状材料に切削された折り目線パターンと穴との間の整列が、それぞれの切削または折り目付け段階で整列および製造公差が追加されるために損なわれることである。プロセスのいくつかの段階において、いくつかの雄型/雌型ロールによっていくつかの切削および折り目付け作業が行われる場合、さらに大きい問題が生じる。各切削/および折り目付け段階は、シート状材料に転写された折り目パターンまたは他の準備特徴部にその公差を加える。さらに、それぞれの新しい段階は、切削および折り 目付けプロセスにさらに多くのロールを追加し、それによってコストを増加させる。いくつかの段階で準備特徴部を適用することに関する1つの他の問題は、レジスタ保持およびウェブ伸張である。なぜなら、ウェブは、各段階において均一速度でロールの周りを移動しないことがあり、かつ各折り目付けおよび/または切削段階においてロールの周りに密に巻かれないことがあるからである。
【0006】
2つ以上の切削作業間の整列問題を解決する1つの関連する方法は、Sandfordに付与された米国特許第6,203,482号明細書に提示されている。Sandfordは、切削およびミシン目入れ作業が切削ダイの対によって行われ、その際、両方の作業が同じプロセスステップで実行されるような方法で厚紙シートを切削するための装置を開示している。この統合された切削およびミシン目入れ作業の最終的な結果は、蓋の1つの部分が厚紙に切削され、蓋の残りの部分が容易に引き裂かれるようにミシン目を入れられる蓋を有する厚紙である。ミシン目の深さを変えるために、ミシン目入れナイフは、ネジによって高さ調節可能である。
【0007】
上記解決策の1つの欠点は、それがシート状材料のウェブを取り扱うために適合されているのでなく、むしろカートンの個々のブランクを取り扱うために適合されていることである。これにより製造プロセスが必然的に遅くなる。さらに、切削およびミシン目入れ工具の優先順位を設定し、したがって高品質の切削を保証するために、各工具をネジで個々に高さ調整する必要があり、これは、高精度の高さ調整を必要とする。さらに、切削およびミシン目入れ工具の優先順位を変更する必要がある場合、ネジによって高さを再調整する必要がある。
【0008】
したがって、シート状材料のウェブを伴う連続プロセスにおいて異なる折り目付け、切削およびミシン目入れ作業間の適切な整列を保証すると同時に、異なる切削および折り目付け工具間の緩和された整列要件で高品質の準備特徴部を保証する解決策が必要とされている。同じく、切削工具およびミシン目入れ工具の摩耗がより均一になる費用対効果の高い解決策が必要とされている。
【0009】
工業プロセスにおけるいくつかの同時の折り目付けおよび切削作業から生じる1つのさらなる問題は、切削工具が経時的に異なって摩耗することである。したがって、例えば、切削ナイフ全体がミシン目入れナイフよりもはるかに早く鈍くなることがあり、これは、シート状材料上の不十分な準備特徴部をもたらす。
【0010】
したがって、異なる切削および折り目付け作業の両方間の整列が達成され、切削および折り目付け工具の摩耗がより均一である解決策が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来技術のシステムの上述の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による解決策の1つの態様は、独立請求項1に記載の切削ユニットによって提示される。
【0013】
好ましい実施形態は、従属請求項2~9に提示されている。
【0014】
本発明による解決策の1つのさらなる態様は、独立請求項10に記載のシート状のウェブによって提示される。
【0015】
本発明による解決策のさらに別の態様は、請求項11に記載の準備特徴部を切削する方法によって提示される。
【0016】
本発明のこれらおよび他の利点は、以下の詳細な記載を検討することにより、より明らかになるであろう。
【0017】
第1態様によれば、シート状材料のウェブに準備特徴部を切削するための切削ユニットが提供される。切削ユニットは、剛性ベース部分を備えた第1部分と、シート状材料のウェブに第1準備特徴部を切削するように構成された少なくとも1つの第1切削工具と、シート状材料のウェブに第2準備特徴部を切削するように構成された少なくとも1つの第2切削工具とを含む。少なくとも1つの第1および第2切削工具は、ベース部分に取り付けられ、かつ互いに距離をおいて配置され、第1または第2切削工具の少なくとも1つは、可撓性支持体によって支持され、可撓性支持体は、第1部分の剛性ベース部分内に配置される。
【0018】
一実施形態では、切削工具は、少なくとも1つの第1剛性ベース部分を備えた第2部分をさらに含み、第2部分は、動作中、第1部分およびそれらの間のシート状材料のウェブと協働するように構成され、それにより、第1および第2部分は、シート状材料に押し付けられると、包装材料上に少なくとも2つの準備特徴部を生成する。このように、第2部分は、第1部分のためのアンビルを形成し、それにより切削ユニットの動作の精度および正確性を改善することができる。
【0019】
第2部分の第1剛性ベース部分は、第1部分の可撓性支持体と異なる可撓性支持体によって支持され得る。これにより、本質的に均一な摩耗を経時的に得るために、第1および第2切削工具の高さ調節要件の緩和が可能になる。
【0020】
第1部分は、第1および第2準備特徴部と異なる第3準備特徴部をシート状材料のウェブに切削するように構成された少なくとも1つの第3切削工具を含み得る。
【0021】
第1および第2切削工具は、それぞれ第1および第2可撓性支持体によって支持され得、第1可撓性支持体の材料の硬度は、第2可撓性支持体の材料の硬度と等しい。
【0022】
別の実施形態では、第1および第2切削工具は、それぞれ第1および第2可撓性支持体によって支持され、第1可撓性支持体の材料の硬度は、第2可撓性支持体の材料の硬度と異なる。それぞれの可撓性部材の適切な硬度を選択することにより、均一な摩耗が得られるように各切削工具の摩耗を調整することができる。
【0023】
一実施形態では、第1、第2および第3切削工具は、それぞれ第1、第2および第3可撓性支持体によって支持され、可撓性支持体の材料は、それぞれ異なる硬度を有する。
【0024】
第1切削工具は、円筒形状を有し得、かつベース部分から突出する。したがって、第1切削工具を使用してシート状材料のウェブに穴を設けることができる。
【0025】
第2切削工具は、互いに距離をおいて円形または楕円形に配置された複数の突起を含み得る。したがって、第2切削工具を使用してシート状材料のウェブにミシン目を設けることができる。
【0026】
第2態様によれば、シート状材料のウェブが提供される。シート状材料のウェブは、複数の折り目線であって、それに沿ってシート状材料が容器に折り畳まれ得る、複数の折り目線を含み、シート状材料のウェブは、互いに整列された第1および第2準備特徴部をさらに含む。第1および第2準備特徴部は、上述の第1態様による切削ユニットによって適用される。
【0027】
第3態様によれば、シート状材料のウェブに準備特徴部を切削するための方法が提供される。この方法は、切削および/または折り目付けステーションでシート状材料のウェブを受け取り、第1および第2切削および/または折り目付けロールに配置された切削ユニットの第1および第2部分間にシート状材料のウェブを通し、第1ユニットは、少なくとも1つの第1切削工具および少なくとも1つの第2切削工具を含み、第2ユニットは、シート状材料のウェブおよび第1部分が押し付けられるアンビルを含み、2つの切削および/または折り目付けロールをシート状材料のウェブにかつ互いに押し付け、互いに整列された少なくとも1つの第1準備特徴部および1つの第2準備特徴部を形成することを含む。この方法において、第1または第2切削工具の少なくとも1つは、可撓性支持体によって支持される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A】切削ユニットの第1実施形態を上面図で示す。
図1B図1Aの切削ユニットの実施形態を側断面図で示す。
図1C図1Aの切削ユニットの実施形態を斜視図で示す。
図1D図1A~Cに示される実施形態による切削ユニットの断面図である。
図2】切削ユニットの第2実施形態を側断面図で示す。
図3-8】切削ユニットの他の可能な実施形態を示す。
図9】一実施形態によるシート状材料のウェブの上面図である。
図10】一実施形態による方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の詳細な記載において、本発明の例の実施形態を添付の図面を参照して説明する。これらの例は、例示のみを目的とするものであり、本発明の限定として解釈されるべきではないことを指摘しておく。最終的に、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0030】
ここで、図1Aは、切削ユニット100の第1実施形態を上面図で示す。この上面図では、雄型の第1部分110のみが示されているが、雌型の第2部分が図1B~1Dに同様に示されている。
【0031】
図に見られるように、雄型の第1部分110は、円形のナイフ130の形態の第1切削工具130と、ミシン目入れ機能を果たす鋭いエッジを有する一連の突起の形態の第2切削工具140とを含む。雄型の第1部分110は、両方の切削工具130、140を支持するベースプレート122を含む。任意選択的に、雄型の第1部分110は、包装材料に切削される特徴を、包装材料に予め存在する折り目線などの他の準備特徴部と整列させるために、切削ユニット110を通過する磁性粒子を含む包装材料を部分的に磁化するための磁化装置170も含む。また、磁化される粒子は、包装材料に関する特定の情報が転写されるように磁化され得る。
【0032】
切削工具130、140に戻ると、第1切削工具130は、円筒状であり、かつ雄型の第1部分110の円筒状の穴に位置する。また、第1切削工具130は、ベースプレート122のより低い部分(図1Bにおいて参照番号132で示される)によって支持される。第1切削工具130の主な役割は、特定の所定の距離で切削ユニット100の雄部と雌部(図1Bにおいて参照番号160で示される)との間を通過する包装材料のウェブに穴を打ち抜くことであり、穴は、包装材料のウェブから切断されたブランクから折り畳まれた包装容器の注ぎ口として機能する。
【0033】
図1Aから分かるように、第2切削工具140は、中心軸A-Aに関して対称的に配置された2つの湾曲した半部を含む。先に述べたように、第2切削工具140の両半部は、多数の突起を含み、それらの突起は、互いに離間され、特定の所定の位置で包装材料のウェブを切削するためのミシン目入れナイフとしての役割を果たす。この実施形態では、突起の高さは、包装材料のウェブにミシン目を入れるとき、ミシン目が包装材料の特定の深さに達し、包装材料のいくつかの部分を無傷のまま残すようなものである。第2切削工具140の突起は、ベース122の第2ベース部分142内に収容される。第2切削工具140の主な機能は、打ち抜かれた穴の近くの特定の部分を引き裂くことができるように包装材料にミシン目を入れることである。
【0034】
しかしながら、選択された用途に依存して、例えば直線状または湾曲したスリットまたはミシン目など、切削工具130、140の異なる形状および構成が利用され得ることが理解されるべきである。
【0035】
図1Aから分かるように、第1および第2切削工具130、140は、第2切削工具140の中心軸A-Aが第1切削工具130の中心も通過するように互いに整列される。この整列は、両方の切削工具130、140が同じ切削ユニット100に一体化されることによって達成され、それにより、両方の切削作業は、包装材料のウェブに対して切削ステップ中に行われる。一実施形態において、注ぎ穴は、通常、射出成形されかつタグとして機能し得るプラスチックのクロージャによって覆われる。このタグは、引っ張ると、切削ユニット100によって切削された包装材料から立体化された包装容器上の注ぎセクションを開封する目的で包装材料中のミシン目の入ったセクションを引き裂く。第2切削ユニット140の突起が分配されるパターンは、第1および第2切削工具130および140によって切削される包装材料から立体化される容器の種類に依存して、形状および適用が変化し得ることが指摘されるべきである。
【0036】
図1Bは、切削ユニット100の側断面図を示す。図1Aからすでに明らかな特徴の他に、切削ユニット100の雌型の第2部分160は、可撓性材料164によって支持されたアンビル162を含み、可撓性材料164は、アンビル162と雌型の第2切削ユニット160の上側ベース部分166との間に挟まれている。また、アンビル162、可撓性材料支持体164および下側上側部分166からなる構造全体は、下側ベース部分168上に配置されている。
【0037】
さらに、図1Bは、第2切削工具140が、切削ユニット100の雌型の第2切削部分160の可撓性材料164と同じであってもなくてもよい可撓性材料144によって支持されている切削ユニット100の実施形態を示す。また、可撓性材料144および164の厚さは、用途に応じて同じであっても異なっていてもよい。
【0038】
第2切削工具140の可撓性支持体144の主な機能は、支持されていない工具が最も高い優先順位を有するように2つの切削工具130、140の切削優先順位を定め、この切削工具の後に切削システム全体が設定される場合に最良の切削を提供することである。通常、優先されるのは、第1切削工具130(この場合には円筒状ナイフ)である。しかしながら、通常、それは一番速く摩耗するため、第2切削工具140の可撓性支持体144を用いて、両方の切削工具130、140の摩耗が経時的に均等化される。
【0039】
さらに、雌型の第2部分160の可撓性支持体164は、経時的に本質的に均一な摩耗を得るために、第1および第2切削工具130、140の高さ調整条件を緩和する目的を果たす。したがって、可撓性支持体144の厚さは、両方の切削工具130、140の均一な摩耗を守るために高い精度で調整される必要はない。
【0040】
最も一般的な意味において、可撓性支持体は、2つの切削工具130、140の切削優先順位を定め、それにより、いくつかの実施形態において、包装材料にミシン目を入れる第2切削工具140は、包装材料に穴を打ち抜く第1切削工具130よりも優先され得ることが指摘されるべきである。さらに、切削ユニット100に2つ以上のミシン目入れおよび切削工具が存在し得、これは、以下で本文中において例の実施形態でさらに示される。
【0041】
図1Cは、雄型の第1部分110を支持する円筒形の切削ダイ182を示す。切削ダイ182は、図1Bに示す雌型の第2部分160を支持する対応する円筒形の切削ダイ184と相互作用すると想定される。
【0042】
図1Cに示されていないが、切削ダイ182および関連する雌型切削ダイ184は、2つのダイ間を通過する包装材料のウェブに転写される雄型および雌型の折り目付けパターンを含むこともできる。このようにして、折り目付けパターン、打ち抜かれた穴およびミシン目の両方を1つのステップで包装材料のウェブに転写することができ、これは、これらの準備特徴部を別々の変換ステップで適用した場合よりもこれらの準備特徴部間の良好な整列をもたらす。
【0043】
図1Cから分かるように、いくつかの雄型の第1部分110およびそれに対応するいくつかの雌型の第2部分160は、切削ダイ182、184に取り付けられ、それにより、包装材料のウェブは、2つのダイ182、184間の挟み部に入り、いくつかの穴およびミシン目を短時間で包装材料に切削することができる。雄型部分110と雌型部分160との接合は、図1Cの右下隅部に示されている。
【0044】
図1Dは、切削ユニット100の雄型の第1部分110と、雌型の第2部分160との間に挟まれた2本の平行な線190として示された包装材料のウェブに穴およびミシン目が切削される事例を示す。図から分かるように、第2切削工具140は、可撓性材料144によって支持され、第1切削工具130は、雄型の第1部分110内の円筒状の穴135内に配置される。これは、包装材料190を片側から切削し、雌型の第2部分160は、包装材料190を他方の側から押圧する。
【0045】
雌型の第2部分160は、可撓性材料164によって支持されている。可撓性材料164は、可撓性支持体によって支持された切削工具と、支持されない切削工具との間の高さ調節が経時的に均一な摩耗を保証するために正確である必要はないという効果を有する。
【0046】
図2は、切削ユニットの第2実施形態を示し、切削ユニット200は、図1A~1Dに示される切削ユニット100とかなり類似しているが、第1切削工具130は、可撓性支持体134によって支持されている一方、第2切削工具140は、可撓性支持体を有さず、代わりにベース部分142に直接載っている。このようにして、第2切削工具140に切削優先順位が与えられる。したがって、この実施形態は、ミシン目が完全に切削されることを必要とする一方、他の切削がより低い優先順位を与えられるシステムおよび用途に特に有利である。
【0047】
切削ユニット200の残りの部分は、図1A~1Dの切削ユニット100のものと同一である。
【0048】
図3~8は、様々な切削工具に様々な優先順位が与えられ、いくつかの雌型の第2部分が支持されず、いくつかが可撓性支持体によって支持される、切削ユニットのいくつかの代替の実施形態を示す。
【0049】
図3は、硬いアンビルを有する、すなわち雌型の第2部分360が可撓性支持体によって支持されていない切削ユニット300を示す。切削ユニット300のこの実施形態は、第1および第2切削工具130および140のある程度均一な磨耗を保証するために、可撓性支持体144の高さおよびまた場合により材料の何らかの調整を必要とする。この実施形態では、第1切削工具130は、可撓性支持体によって支持されていないため、優先順位が与えられる。
【0050】
図4は、第1および第2切削工具130、140の両方がそれぞれ可撓性支持体134、144によって支持されている実施形態を示す。可撓性支持体の材料の硬度は同じであり得るが、可撓性支持体134、144の高さが異なり、したがって第1および第2切削工具130、140に対して異なる切削優先順位を与え得る。しかしながら、可撓性支持体134、144は、異なる硬度を有する材料から作製され得、この場合、硬度がより高い材料は、それによって支持される切削工具により高い切削優先順位を与える。
【0051】
図5は、切削ユニット500の実施形態を示し、この実施形態では、切削ユニット500は、硬いアンビル560(したがって可撓性支持体なし)と、3つの切削工具130、140および150とを含む。これらのうち、第1切削工具130は、穴打ち抜き機能を実行し得、他の2つの工具140および150は、包装材料にミシン目入れを実行し得る。このようにして、いくつかの切削およびミシン目入れ動作を、それらを整列させた状態に維持して1つのステップで実行することができる。図5から分かるように、第2および第3切削工具140、150は、それぞれの可撓性支持体によって弾性的に支持されている。
【0052】
図6は、切削ユニットの実施形態を示し、切削ユニット600は、3つの切削工具130、140および150を含み、3つの切削工具のすべては、高さが異なり得、かつ異なる硬度を有する材料から作製され得る可撓性支持体によって支持される。可撓性支持体の硬度を変化させることにより、3つの切削工具の切削優先順位が変更される。このようにして、3つの切削工具の摩耗は、経時的にある程度均一になるように調整することができる。この実施形態では、アンビル660は、可撓性支持体によって支持されず、したがって硬いアンビルと呼ばれ得る。
【0053】
図7は、切削ユニットの実施形態を示し、切削ユニット700は、図5に示したものと非常に類似しているが、雌型の第2部分760のアンビルが可撓性支持体764によって支持されている。
【0054】
最後に、図8は、切削ユニット800のさらに別の実施形態を示し、切削ユニット800は、図7の切削ユニット700と非常に類似している。しかしながら、第1切削ツール130はまた、可撓性支持体134によって支持され、選択された材料の硬度および厚さにより、第2および第3切削工具140および150を上回る切削優先順位が与えられる。第2および第3切削ユニットの可撓性支持体はまた、切削工具の均一な摩耗を保証するために、異なる硬度を有する材料から作製され得る。この事例でも、雌型の第2部分のアンビルは、可撓性支持体によって支持される。
【0055】
可撓性支持体が作製される材料のいくつかの例は、ゴム、バネまたは他の可撓性材料であることが指摘されるべきである。
【0056】
また、雄型の第1部分の切削工具および/または雌型の第2部分のアンビルは、例えば、可撓性支持体内にガスクッションを組み込むことにより、ガスで吊り下げられ得ることが付け加えられ得る。
【0057】
また、指摘する価値があることとして、切削ユニットの第1および第2雄型および雌型の部分は、モジュール式であり得、したがって、それらは、使用されているものと異なる支持体を有する雄型および雌型の部分で置き換えられ得、また必要に応じて異なるタイプの穴およびミシン目ならびに異なる数の穴およびミシン目を包装材料に切削し得る。
【0058】
上述の切削ユニットは、毎分400メートルを上回るウェブ速度が利用される高速作業に特に有利であることが判明している。これにより高速で正確な切削が依然として達成される。
【0059】
ここで、図9を参照すると、シート状材料のウェブ900が提供される。シート状材料のウェブは、複数の折り目線902であって、それに沿ってシート状材料が容器に折り畳まれ得る、複数の折り目線902を含む。シート状材料のウェブ900は、互いに整列された第1準備特徴部904および第2準備特徴部906をさらに含む。第1準備特徴部904は、ウェブ900に穴を形成し、第2準備特徴部906は、ウェブ900にミシン目を形成する。第1および第2準備特徴部904、906は、図1~8を参照して上述した通り、切削ユニット100によって適用される。
【0060】
図10では、方法910の実施形態が概略的に示されている。方法910は、シート状材料のウェブに準備特徴部を切削するために実行される。方法910は、切削および/または折り目付けステーションでシート状材料のウェブを受け取る第1ステップ912と、第1および第2切削ロールおよび/または折り目付けロールに配置された切削ユニットの第1および第2部分間にシート状材料のウェブを通す第2ステップ914とを含む。第1部分は、少なくとも1つの第1切削工具と少なくとも1つの第2切削工具とを含み、第2部分は、シート状材料のウェブおよび第1部分が押し付けられるアンビルを含む。この方法はまた、2つの切削ロールおよび/または折り目付けロールをシート状材料のウェブにかつ互いに押し付けるステップ916と、互いに整列された少なくとも1つの第1準備特徴部および1つの第2準備特徴部を形成するステップ918とを含む。この方法では、第1または第2切削工具の少なくとも1つが可撓性支持体によって支持される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10