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特許7001621高性能かつ高信頼性の固体電解質タンタルコンデンサーおよび選別方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】高性能かつ高信頼性の固体電解質タンタルコンデンサーおよび選別方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 13/00 20130101AFI20220112BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20220112BHJP
   G01R 31/50 20200101ALI20220112BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20220112BHJP
   H01G 9/15 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
H01G13/00 361A
G01R31/00
G01R31/50
H01G4/38 A
H01G9/15
H01G13/00 361D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018561540
(86)(22)【出願日】2017-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 US2017032852
(87)【国際公開番号】W WO2017205111
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-12
(31)【優先権主張番号】15/164,178
(32)【優先日】2016-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518169255
【氏名又は名称】ヴィシャイ スプレイグ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VISHAY SPRAGUE,INC.
【住所又は居所原語表記】2813 West Road,Bennington,Vermont 05201 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】エイデルマン,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】チウ,ヨンジェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイスマン,パベル
(72)【発明者】
【氏名】スタングリット,ユーリ
(72)【発明者】
【氏名】アイゼンバーグ,リタ
(72)【発明者】
【氏名】オストロフスキー,ナタリ
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-289019(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102005007582(DE,A1)
【文献】特表2008-541476(JP,A)
【文献】特開2014-49767(JP,A)
【文献】特開平6-84709(JP,A)
【文献】特開2005-109076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/00-4/10
H01G 4/14-4/22
H01G 4/255-4/40
H01G 9/15
H01G 13/00-13/06
G01R 31/00
G01R 31/50
G01R 31/52
G01R 31/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結タンタル陽極を構成するコンデンサーを形成する工程を含み、コンデンサーを選別する方法において、
前記コンデンサーの定格電圧の130%を超える電圧を印加する工程、
前記電圧と共に高い温度が選択され、前記コンデンサーの破壊電圧が改良されるように前記電圧を印加すると共に前記コンデンサーの温度を上昇させた前記高い温度を前記コンデンサーに与える工程、
前記コンデンサーのDC漏れ電流を測定する工程、および
前記高い温度の下で、前記コンデンサー以外の複数のコンデンサーから得た測定値を分析して導き出した所定のDC漏れ電流最大値と、前記測定した前記DC漏れ電流とを比較する工程を有することを特徴とした方法。
【請求項2】
前記コンデンサーの定格電圧の130%を超える電圧を印加する工程で、前記印加する電圧は前記コンデンサーの定格電圧の約130%~約250%の範囲から選択する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電圧を印加する工程で、さらに、前記印加する電圧前記コンデンサーの前記定格電圧の約1.3倍~約2倍である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記上昇する温度は約85℃~約150℃の範囲から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記コンデンサーのDC漏れ電流が前記所定のDC漏れ電流最大値を超えない場合に、前記コンデンサーを合格と判定する工程を有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記コンデンサーのDC漏れ電流が前記所定のDC漏れ電流最大値を超えた場合に、前記コンデンサーを不合格と判定する工程を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コンデンサーが複数のコンデンサー素子を有し、前記の複数のコンデンサー素子の各コンデンサー素子が陽極線を有し、これら陽極線を並列に配置する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コンデンサーを形成するプロセスにおいて、
タンタル金属粉体をプレスし、焼結して、焼結タンタル陽極ペレットを形成する工程、
陽極酸化によりタンタル陽極ペレットの表面に誘電体を形成する工程、
前記タンタル陽極ペレットに導電性ポリマーを被覆して前記タンタル陽極ペレットを処理し、陰極層を形成する工程、
前記タンタル陽極ペレットを被覆して、集電層を形成する工程、
基体上に前記タンタル陽極ペレットを組み付ける工程、
前記タンタル陽極ペレットの周囲にパッケージ体を成形する工程、
前記パッケージ体の終端部をメッキして、コンデンサーを形成する工程を有する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記コンデンサーが複数のコンデンサー素子を有し、前記複数のコンデンサー素子の夫々が陽極線を有し、これらの陽極線を積み重ねて配置する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記コンデンサーが複数の陽極を有し、これらの複数の陽極を積み重ねて配置する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記コンデンサーがマルチアレイパッケージ(MAP)構造で構成されて、
少なくとも二つのコンデンサー素子を収容する成型体を有し、これら少なくとも二つのコンデンサー素子を少なくとも一つの基体に接続し、そしてこれら少なくとも二つのコンデンサー素子の夫々が、陰極端子に電気的に接続された陰極部分、および陽極端子に電気的に接続された陽極部分を有したコンデンサーである請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも一つの前記基体が第1及び第2基体を有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1及び第2基体の一部を前記成型体に収容し、そして前記成型体と前記第1及び第2基体とが前記コンデンサーの平坦面を形成する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記の少なくとも二つのコンデンサー素子が、
前記第1基体に接続された第1端部および前記第2基体に接続された第2端部を有する第1コンデンサー素子、および、
前記第1基体に接続された第1端部および前記第2基体に接続された第2端部を有する第2コンデンサー素子を有する請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1コンデンサー素子の前記第1端部および前記第2コンデンサー素子の前記第1端部に隣接する前記成型体の第1表面上に前記陰極端子を設ける請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1コンデンサー素子の前記第2端部および前記第2コンデンサー素子の前記第2端部に隣接する前記成型体の第2表面上に前記陽極端子を設ける請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コンデンサーがさらに、前記第1コンデンサー素子の前記陽極部分を前記陽極端子に電気的に接続する第1陽極線、および前記第2コンデンサー素子の前記陽極部分を前記陽極端子に電気的に接続する第2陽極線を有する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記陰極部分を導電性陰極被覆で被覆する請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記の少なくとも二つのコンデンサー素子を並列に配置する請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記の少なくとも二つのコンデンサー素子を積み重ねて配置する請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2016年5月25日に出願された米国特許出願第15/164,178号の優先権を主張する出願である。この米国特許出願明細書全体をここに援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は電子部品(構成部分)に関し、具体的には群として、積み重ね体として、あるいはマルチアレイパッケージ(multi-array packages、MAP)として形成したコンデンサーおよびこれの選別方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年の技術進歩の結果、例えばパッキング効率を高めることによって電子部品をさらに小型化することが求められるようになってきている。自動車、航空電子工学、軍事部門や宇宙探査などの用途においても高周波性能や強靭性の改善が求められている。固体電解質タンタルコンデンサーは性能および信頼性が高いためこれら分野で広く使用されている。USP7,161,797および7,449,032(全体を援用するものとする)には、MAP設計例および比較的小さいパッケージサイズでキャパシタンスの高い表面実装タンタルコンデンサーの製造方法が開示されている。
【0004】
複数のコンデンサー素子をもつコンデンサーを対象とするMAP設計における陽極および陰極の各種構成も求められている。
【0005】
さらに、信頼性が最も高いMAP設計およびMAP構成を有するコンデンサーを選択するためにこれらを選別する効率が良くかつ正確な方法も求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】USP7,161,797
【文献】USP7,449,032
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様は、従来のタンタルコンデンサーよりもパッキング密度(体積効率)、電子性能および信頼性の点ですぐれているタンタルコンデンサーに関する。即ち、本発明は信頼性の高い固体タンタルコンデンサーおよびその製造方法に関する。本発明のコンデンサーは全体として導電性のポリマー陰極、複数の陽極コンデンサー素子を積み重ねた効率の高いパッケージ構成、および選別方法による高い信頼性を特徴とするものである。本発明はこのようなコンデンサーの性能を試験する選別方法(screening process)にも関する。
【0008】
本発明の一態様は、一つかまたは複数の陽極を有するとともに、マルチアレイパッケージ設計を有するコンデンサーの選別方法に関する。この選別方法は、
上記コンデンサーの定格電圧以上の電圧を印加する工程、
高温を上記コンデンサーに加える工程、
上記コンデンサーのDC漏れ電流を測定する工程、および
所定最大値と上記DC漏れ電流を比較する工程を有する。
【0009】
本発明の別な態様は、マルチアレイパッケージ(MAP)構成で構成したコンデンサーであって、少なくとも2つのコンデンサー素子を収容する成型体を有するコンデンサーに関する。これらコンデンサー素子を少なくとも一つの基体に接続する。この基体が成型体とともに平面を形成することになる。コンデンサー素子それぞれは陰極端子に電気的に接続される陰極部分、および陽極端子に電気的に接続される陽極部分を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付図面に示す実施例を参照する以下の記載から本発明をより詳細に理解できるはずである。
【0011】
図1A】コンデンサーの横断面図である。
図1B図1Aのコンデンサーを一部透明化して示す斜視図である。
図2A】MAPコンデンサーの横断面図である。
図2B図2AのMAPコンデンサーを一部透明化して示す斜視図である。
図3A】本発明の構成に使用することができるMAPコンデンサーの実施例を示す図である。
図3B】本発明の構成に使用することができるMAPコンデンサーの実施例を示す図である。
図4A】本発明の一態様に従って構成したMAPコンデンサーの各種構成を一部透明化して示す斜視図である。
図4B】本発明の一態様に従って構成したMAPコンデンサーの各種構成を一部透明化して示す斜視図である。
図5】本発明に従って構成したMAPコンデンサー構成実施例を示す図である。
図6A図5に520(a)として示すMAPコンデンサーの一実施態様を示す横断側面図である。
図6B図5に515(a)として詳細に示すMAPコンデンサーの実施態様を示す上部横断面図である。
図7図5に515(b)として詳細に示すMAPコンデンサーの実施態様を示す上部横断面図である。
図8A】本発明の一態様に従って構成したMAPコンデンサーの一実施態様を一部透明化して示す斜視図である。
図8B図8Aのコンデンサーを示す横断側面図である。
図8C図8AのMAPコンデンサーを示す上部横断面図である。
図9A】本発明に従って構成したMAPコンデンサーの一実施態様を一部透明化して示す斜視図である。
図9B図9AのMAPコンデンサー示す横断側面図である。
図9C図9AのMAPコンデンサーを示す上部横断面図である。
図10A】本発明に従って構成したMAPコンデンサーの一実施態様を一部透明化して示す斜視図である。
図10B図10AのMAPコンデンサーを示す横断側面図である。
図10C図10AのMAPコンデンサーを示す上部横断面図である。
図11】本発明の一態様に従ってタンタルコンデンサーを製造する製造方法を示す概略フローチャートである。
図12】本発明の選別方法を示す図である。
図13】本発明の一態様に従って高温下各種電圧におけるDCL選別の効果を示すグラフである。
図14】EEケース150μF30Vコンデンサーの破壊電圧でのDCL選別の効果を示すグラフである。
図15】EEケース470μF16Vコンデンサーの破壊電圧でのDCL選別の効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
当業者ならば、以下の説明によって本発明実施態様を実施しかつ利用できるはずであり、また当業者にとってはこれら実施態様の一部修正、等価体、変更、併用および代替は自明なはずである。従って、これらすべての一部修正、変更、等価体、併用および代替はいずれも、特許請求の範囲に記載した範囲内に包摂されるものである。
【0013】
以下の説明で使用する用語は便宜的なもので、限定を意図するものではない。用語“右”、“左”、“上”や“下”は参照すべき添付図面における方向を示すものである。特許請求の範囲および明細書の対応する部分における単数表現は、特に断らない限り、一つかそれ以上の参照部分を含むものである。本明細書では、これらの用語は同義語などを包摂するものである。2つかそれ以上の“A、BまたはC”などの個々の単位の前の“少なくとも一つの”はA、BまたはCそれぞれが単独の場合を示すこともあり、あるいはこれらの任意の組み合わせを意味することもある。
【0014】
以下、信頼性の高い固体タンタルコンデンサーの構造および製造方法について説明する。本明細書に開示する構造は、従来のコンデンサーよりも体積効率が高く、等価直列抵抗(ESR)が低く、かつ等価直列インダクタンス(ESL)が低いデバイスになる。さらに、本発明の製造方法を利用すると、信頼性が長く持続する製品が確実に得られる。
【0015】
本発明のタンタルコンデンサー、およびタンタルコンデンサーの性能を選別、検討および/または試験する方法は以下の一つかそれ以上の作用効果を有する。
【0016】
1.タンタル(Ta)コンデンサー素子(陽極)については、導電性ポリマーで陽極を被覆し、陰極層を形成することによって製造できる。
【0017】
2.本発明のコンデンサー構造の場合、MAP構成を使用するためESRおよびESLが低くなる。そして、この低いESRおよびESLが高周波性能をすぐれたものにする。
【0018】
3.本発明の一態様のコンデンサーの高周波性能については、MAP構成であるデバイスにおいて(i)一つのパッケージ内に複数の陽極を並列に組み付けるか、あるいは(ii)一つのパッケージ内に複数の陽極を積み重ねることによってESRおよびESLを実効的に下げることによってさらに改善できる。
【0019】
4.完成したコンデンサーデバイスおよびアレイについて、高温下でかつデバイス定格化電圧を超える電圧で選別し、信頼性が例外的に高いコンデンサーデバイスを選別する。
【0020】
本発明のコンデンサーおよび/またはコンデンサー構成の一実施態様の場合、タンタル陽極を陽極化成処理して誘電体層を形成し、導電性ポリマーで被覆処理して所定厚みの陰極層を形成することができる。次に、黒鉛/銀ペーストを被覆し、集電層を形成すると、組み立ての準備が整う。
【0021】
コンデンサー素子については、例えばUSP7,161,797およびUSP7,449,032(内容全体を援用するものとする)に開示されているマルチアレイパッケージ(MAP)法を使用して、基体上に一つか、あるいは2つの陽極として、あるいは2つの以上の複数の陽極として組み付ける。これら構成では、陰極および陰極リード部は個々のコンデンサーの任意のコンデンサーのなかで共通していてもよく、そうでなくともよい。同様に、陽極および陽極リード部は個々のコンデンサーの任意のコンデンサーのなかで共通していてもよく、そうでなくともよい。
【0022】
図1Aおよび図1Bにタンタルコンデンサーの実施例を示す。このコンデンサーはペレット115として形成したタンタルコンデンサー素子、このタンタルコンデンサーペレット115の陽極部分に埋設され、かつこれに電気的に接触するタンタル陽極線120、およびタンタル線120に電気的に接続され、タンタルコンデンサーペレット115を収容することができる成型樹脂体144のパッケージ外側において陽極接続端子になる陽極端子110を有する。さらに、コンデンサーの陰極に電気的に接続され、上記パッケージの外側において陰極接続端子になる陰極端子125も有する。
【0023】
図1Aおよび図1Bに示すように、基体については基体部分130aおよび130bとして設ける。基体部分130aはコンデンサーの陰極端部に隣接し、成型樹脂体144内部の容積を占める、複数部分からなる湾曲部または段差部を有する成型樹脂体144内に設ける。基体部分130bについても、同様に成型樹脂体144を設ける。
【0024】
図2Aおよび図2Bに、本発明のマルチアレイパッケージ(MAP)構成の一部として使用するために、本発明の一態様に従って構成したタンタルコンデンサーを示す。図2Aおよび図2Bに示すコンデンサーはタンタルコンデンサー素子215(本明細書では陽極、タンタルペレットまたはタンタルコンデンサーペレットと呼ぶこともある)、およびタンタルコンデンサーペレット215の陽極部分に埋設され、かつこれと電気的に接触するタンタル陽極線220を有する。タンタル線220に電気的に接続された陽極端子235が、コンデンサー本体を収容することができる成型樹脂体245のパッケージ外側において陽極接続端子になる。コンデンサー陰極に電気的に接続され、成型樹脂体245の外側において陰極接続端子になる陰極端子225も有する。導電性ペースト240がタンタルコンデンサーペレット215の少なくとも一部を取り囲み、かつ被覆することができる。非導電性接着剤250を使用して、以下に詳しく説明するように、タンタルコンデンサーペレット215の一部を平面状の基体部分230に取り付けてもよい。
【0025】
図2Aおよび図2Bの構造の場合、図1Aおよび図1Bに示す内部基体130、湾曲基体130や段差基体130の代わりに、基体230を平面状基体230に設けるため、占有空間を小さくできる。さらに、図1に示すような従来構造とは対照的に、図2Aおよび図2Bに示す構造の場合、タンタルペレットと陽極/陰極端子との間のパッケージ内部の電気的接続を短くできるため、両構造においてタンタルペレットのサイズが同じ場合、当然なことだが、本発明構造では占有面積が小さくなり、パッキング密度および体積効率、即ち単位体積当たりのキャパシタンスを高くできる。さらに、従来公知な電磁気の基本原理から、図2Aおよび図2Bの本発明の短い電気接続の結果として、図1の従来構造よりもESRおよびESLが小さくなり、また高周波性能が向上する。
【0026】
本発明のデバイス、構成または方法の一部として使用することができるコンデンサー構成については、全体を本明細書に援用するUSP7,161,797に示されている。即ち、USP7,161,797には、表面実装コンデンサーおよびその製造方法が記載されている。図3Aおよび図3Bに、USP7,161,797に示されている構成を示すとともに、それぞれ2つのこのようなコンデンサー10および10Aを示す。固体スラグまたはペレット陽極体1を絶縁材のケース6に収容する。陽極終端部3および陰極終端部2にはケース6の一方の側において表面実装部分を形成する。ケース6を介してペレット1の陰極終端部2から陰極まで内部電気接続4を行う。ペレット1に対応する陽極とケース6の外部にある陽極終端部3との間に電気接続9、7または7Aを行う。電気絶縁接着剤5を使用して、陽極端部に隣接するペレット1の部分を陽極終端部3に接続する。外部接続部16はコンデンサーの陰極端部の壁部にそって設けることができる。外部接続部7、7Aがあるため、ケース6内の空間をより大きなペレット1に割り当てることによって体積効率を改善できる。
【0027】
図2Aおよび図2Bに例示するコンデンサーなどの基体上に設けた2つかそれ以上のコンデンサー素子を一枚のプレート上に積み重ねかつ成型することができる。このプレートについては、一つのパッケージ、デバイスまたはユニットに構成すればよい。このような構成の実施例を図4Aおよび図4Bに示す。図示のように、2つのコンデンサー素子(410)を並列配置し、3つのコンデンサー素子(420)を並列配置し、2つのコンデンサー素子(430)を積み重ね、4つのコンデンサー素子(440)を積み重ね、6つのコンデンサー素子(450)を積み重ねる。図4Aおよび図4Bの各実施例に示すコンデンサー素子の個数、およびコンデンサー素子の位置設定については、例示のみを目的とし、限定を意図していない。
【0028】
図5に、本発明の各種の並列構成(parallelないしside-by-side)および積み重ね構成のコンデンサー素子の異なる図の例を示す。カラム(510)に各種構成の設計例を、カラム(515)に上部横断面図を、そしてカラム(520)に対応する斜視図を示す。
【0029】
図6Aおよび図6Bに、2つのコンデンサー素子(陽極)を有し、これらコンデンサー素子を並列(並び合うように)配置したマルチアレーパッケージ(MAP)に示す(図4A(410)および図5(515a)および(520a)に示す構成に対応する)複数のコンデンサー素子を有する構成を示す。コンデンサー素子についてはタンタルコンデンサーペレット315a、315b(個々の陽極体について315a、315bとして別々に示す)として形成し、タンタル陽極リード線320については、タンタルコンデンサーペレット315a、315bそれぞれの陽極部分に埋設するか、あるいはその他の手段で接合または結合するとともに、この陽極部分に電気的に接触させる。このコンデンサー構成を成型樹脂体345に収容する。陽極端子335を陽極リード線320に電気的に接続し、成型樹脂体345のパッケージの外側に陽極接続端子を形成する。分離性エポキシ350を使用してコンデンサーの陽極部分を陽極端子基体330bに接合する。なお、この基体330bについては、上面の少なくとも一部を分離性エポキシ355で被覆しておく。
【0030】
タンタルコンデンサーペレット315a、315bの一部を取り囲む導電性陰極被覆365を形成するが、タンタルコンデンサーペレット315a、315bの陽極部分についてはこれを露出状態にしておく。導電性接着エポキシ360を使用して、陰極365を陰極端子325に電気的に接着し、成型樹脂体345の外側に陰極接続端子を形成する。また、導電性接着エポキシ360を使用して、陰極部分365を陰極端子基体330aに接着する。
【0031】
図6Aおよび図6Bに示すコンデンサー構成の場合、2つのコンデンサーを有するパッケージであり、コンデンサー素子を並列配置する。即ち、コンデンサー素子315a、315bが少なくとも陽極端子335、陰極端子325、基体330a、330b、導電性接着エポキシ360、および分離性エポキシ355を共有する。図6Aおよび図6Bに示すように、陽極リード線320および導電性陰極被覆365を設ける。共有された基体330a、330bは基体330aと330bとの間の成型樹脂体345の底面とともにコンデンサーパッケージの平面状の底面を形成する。これら基体330a、330bの場合、公知コンデンサー構成のように、成型樹脂体345内部の容量を占有することはない。他の作用効果に加えて、この構成の場合、コンデンサー容量をより効率的に利用できる上に、パッケージをより平坦化できる。
【0032】
図7に、三つの陽極を並列配置したマルチアレイパッケージ(MAP)における複数のコンデンサーを有する構成(図4A(420)および図5(515b)および(520b)に対応する)を示す。3つのコンデンサー素子315a、315bおよび315cを並列配置する。この構成は図6Aおよび図6Aに示す構成と似ているが、コンデンサー数は3個である。即ち、コンデンサー素子315a、315bおよび315cは少なくとも陽極端子335、陰極端子325、基体330a、330b、導電性接着エポキシ360、および分離性エポキシ355を共有する。共有された基体330a、330bは基体330aと330bとの間の成型樹脂体345の底面とともにコンデンサーパッケージの平面状の底面を形成する。これら基体330a、330bの場合、公知コンデンサー構成のように、成型樹脂体345内部の容量を占有することはない。他の作用効果に加えて、この構成の場合、コンデンサー容量をより効率的に利用できる上に、パッケージをより平坦化できる。図7の個々のコンデンサー素子315a、315bおよび315cの横断側面図は図6Aと同じであるか、あるいは同様である。
【0033】
図8A図8B、および図8Cに、本発明に従って構成したコンデンサーパッケージの異なる構成を示す。図8A図8B、および図8Cの構成の場合、図示の他のコンデンサー素子よりも広く、従って表面積および実装面積(footprint)が大きいコンデンサー素子315aおよび315bを相互に積み重ねる。即ち、上部(top or upper)コンデンサー素子315aを底部(bottom or lower)コンデンサー素子315bの上部に積み重ねる。この構成の場合、コンデンサー素子315a、315bの本体は図6A図6Bおよび図7に示す実施態様よりも広い。基体330a、330bについては、成型樹脂体345内であって、成型樹脂体345のほぼ中央においてコンデンサー素子315aと315bとの間に位置設定する。
【0034】
図8A図8Bおよび図8Cに示すように、コンデンサー素子315a、315bは外装用導電性接着エポキシ360を有し、各導電性陰極被覆365を陰極端子基体330aに接合する。コンデンサー素子315a、315bの陽極端部において、陽極端子基体330bの上面および底面に非導電性保護ストリップ370を被覆する。絶縁性の接着エポキシ350を使用して、コンデンサー素子315a、315bの陽極部分を保護ストリップ370に接合する。
【0035】
全体としてL字形の陰極端子はコンデンサーパッケージの陰極面にそって第1部分325aを有し、そして陰極に隣接するコンデンサーパッケージの下面にそって第2部分325bを有する。陰極端子325a、325bは導電性接着エポキシ360によって各陰極365に電気的に接続する。全体としてL字形の陽極端子はコンデンサーパッケージの陽極面にそって第1部分335aを有し、そして陽極に隣接するコンデンサーパッケージの下面にそって第2部分335bを有する。これらの構成によって表面実装可能なデバイスを実現できる。図8A図8Bおよび図8Cの構成によって、コンデンサーパッケージに対して利用できる容量を効率的に利用した状態で、積み重ねコンデンサー素子を実現できる。
【0036】
図9A図9Bおよび図9Cに示す別な実施態様は、(図4B(440)および図5(515c)および(520c)の構成に対応する)4つのコンデンサー素子を有する構成である。図9A図9Bおよび図9Cに示すように、積み重ね体の上部列に2つのコンデンサー素子315aおよび315bを並列ないし並べて配置する。さらに、積み重ね体の底部列に2つのコンデンサー素子315cおよび315dを並列配置する。図9A図9Bおよび図9Cに示すように、コンデンサー素子315aおよび315c、およびコンデンサー素子315bおよび315dは外装用導電性接着エポキシ360を有し、各導電性陰極被覆365を陰極端子基体330aに接合する。コンデンサー素子の陽極端部において、陽極端子基体330bの上面および底面に非導電性保護ストリップ370を被覆する。絶縁性の接着エポキシ350を使用して、コンデンサー素子315a、315bの陽極部分を保護ストリップ370に接合する。
【0037】
全体としてL字形の陰極端子はコンデンサーパッケージの陰極面にそって第1部分325aを有し、そして陰極に隣接するコンデンサーパッケージの下面にそって第2部分325bを有する。陰極端子325a、325bは導電性接着エポキシ360によって各陰極365に電気的に接続する。全体としてL字形の陽極端子はコンデンサーパッケージの陽極面にそって第1部分335aを有し、そして陽極に隣接するコンデンサーパッケージの下面にそって第2部分335bを有する。これらの構成によって表面実装可能なデバイスを実現できる。図9A図9Bおよび図9Cの構成によって、コンデンサーパッケージに対して利用できる容量を効率的に利用した状態で、積み重ねコンデンサー素子を実現できる。
【0038】
図10A図10Bおよび図10Cに、(図4B(450)に対応し、図5(515c)および(520c)に図示されている)本発明に従って構成した6つのコンデンサー素子を有する構成を示す。図10A図10Bおよび図10Cに図示するように、積み重ね体の上部列に3つのコンデンサー素子315a、315bおよび315cを並列ないし並べて配置する。さらに、積み重ね体の底部列に3つのコンデンサー素子315d、315eおよび315fを並列ないし並べて配置する。図10A図10Bおよび図10Cに図示するように、コンデンサー素子315aおよび315f、コンデンサー素子315bおよび315e、およびコンデンサー素子315cおよび315dは外装用導電性接着エポキシ360を有し、各導電性陰極被覆365を陰極端子基体330aに接合する。コンデンサー素子の陽極端部において、陽極端子基体330bの上面および底面に非導電性保護ストリップ370を被覆する。絶縁性の接着エポキシ350を使用して、コンデンサー素子315a、315bの陽極部分を保護ストリップ370に接合する。
【0039】
全体としてL字形の陰極端子はコンデンサーパッケージの陰極面にそって第1部分325aを有し、そして陰極に隣接するコンデンサーパッケージの下面にそって第2部分325bを有する。陰極端子325a、325bは導電性接着エポキシ360によって各陰極365に電気的に接続する。全体としてL字形の陽極端子はコンデンサーパッケージの陽極面にそって第1部分335aを有し、そして陽極に隣接するコンデンサーパッケージの下面にそって第2部分335bを有する。これらの構成によって表面実装可能なデバイスが可能になる。図10A図10Bおよび図10Cの構成によって、コンデンサーパッケージに対して利用できる容量を効率的に利用した状態で、積み重ねコンデンサー素子を実現できる。
【0040】
図11は、本発明に従ってデバイスを製造する方法を示す例示的な工程チャートである。コンデンサー素子については、粉体のプレスおよび焼結、誘電体の形成、ポリマー被覆および黒鉛/Agの設層を行った後に製造する。次に、一つの、あるいは複数のコンデンサー素子を組み付け、および/または積み重ね、パックおよび/またはブロックに成型してから、これを個々のデバイスに切断する。陽極終端部および陰極終端部については、金属層をデバイスにメッキすることによって形成する。本発明の製造方法の概略を以下に示す。
【0041】
(a)タンタル金属粉体をプレス/焼結し、焼結タンタル陽極ペレットを形成する。
【0042】
(b)誘電体形成工程を使用して、タンタル陽極ペレットの表面に誘電体を形成する。コンデンサー誘電体の形成については、一般に、陽極材の陽極酸化(例えばTaのTaへの酸化)を行い、陽極体の表面に酸化層を形成して行う。
【0043】
(c)タンタル陽極に導電性ポリマーを被覆し、陰極層を形成する。
【0044】
(d)陽極に次に黒鉛/銀ペーストを被覆し、集電層を形成する。
【0045】
(e)コンデンサー素子を基体に組み付け、成型する。
【0046】
(f)コンデンサー素子を切断し、個々のコンデンサー素子を形成する。
【0047】
(g)個々のコンデンサー素子に終端部をメッキする。
【0048】
(h)エージングおよび試験を行った後に、製品品質および製品信頼性を確認するためにコンデンサーの選別を行う。この選別は、高温下定格電圧よりも高い所定電圧を印加することによって行う。この所定電圧については、例えば定格電圧の約130%~約250%の範囲から選択すればよい。高温については、約85℃~約150℃の範囲から選択するのが好ましい。上記高温下で測定された母集団の統計学的分析から誘導された所定値未満のDC漏れ電流(DCL)を示す部分(選別されたデバイス)を選別試験に合格したものとする。
【0049】
図12に、本発明の例示的な選別方法800を示す。高温環境810内で定格電圧(Vr)を超える電圧を選別対象のコンデンサーに印加する。これら条件下で所定時間経過後に、コンデンサーのDC漏れ電流(DCL)が所定の最大値を超えない場合に、このコンデンサーは選別試験815に合格したことになる。合格したコンデンサーは目視検査を行い、輸送・運送820を目的としてパックする。別な表現では、DCLが最大値を超えるコンデンサーは選別試験に落ちたものとみなし、廃棄処分825する。
【0050】
高温選別試験の利点を挙げると、一般に漏れ電流は温度が高くなるに従って高くなるため、選別感度が高くなり、また選別効率が高くなることである。このため、選別試験時に破壊電圧付近や破壊電圧以上の電圧を印加した場合に、選別される部分に過剰なストレスが加わることがなくなる。
【0051】
DCL選別試験の場合、対応する分野である程度使用されているが、十分高い電圧を印加した状態で高温選別試験を行うと、予想してもいなかった驚くべき好ましい結果が得られることがわかった。即ち、この試験方法の場合、試験対象のデバイスの“弱い”母集団を選別できるだけでなく、残りの母集団(即ち、合格判定の母集団)の電気的ストレスに対する強靭性および抵抗性をより強くできるため、デバイスの“合格判定”の母集団の信頼性がいっそう高くなる。
【0052】
本発明の作用効果である低いESR/ESLを実施例1で説明する。より高い信頼性については実施例2、実施例3および実施例4で説明する。
【0053】
実施例1
170μF16V定格化Ta陽極を導電性ポリマーで被覆し、陰極層を形成した。次に、陽極に黒鉛/銀ペーストを被覆し、集電層を形成した。マルチアレイパッケージ(MAP)法を使用して基体に陽極を組み付けた。例えば図8A図8Bおよび図8Cに示すように積み重ねることによって2つの陽極を接続し、330μF16Vのコンデンサーを作成した。リフロー処理、エージング、電流/電圧サージ、目視検査および125℃における30VでのDCL選別試験を行った後の完成コンデンサーの20MHzでのESR値は15mOhm以下で、ESLは2.3nH未満である。このデバイスのESR性能は、ESRが25mOhmの対応する単陽極コンデンサーよりもはるかにすぐれている。
【0054】
実施例2
47μF16V定格化Ta陽極を導電性ポリマーで被覆し、陰極層を形成した。次に、陽極に黒鉛/銀ペーストを被覆し、集電層を形成した。マルチアレイパッケージ(MAP)法を使用して基体に一つの陽極を組み付けた。リフロー処理、エージング、電流/電圧サージおよび目視検査を行った後、同じロットから4群の試験サンプルを選択し、各群に125℃下で90秒間それぞれ0V、15V、23Vおよび34Vを印加した。不合格品の選別後、各群について破壊電圧試験を行った。破壊電圧試験後、コンデンサーに高い電圧を印加し、コンデンサーが破壊した電圧をモニターし、記録した。
【0055】
破壊電圧試験の結果を図13に示す。なお、“HDCL”は“ホット(Hot)”(例えば高温)DCL選別試験を示す。図13に示す結果から確認できるように、選別試験電圧がちょうど15.5Vおよび22.5Vまで高くなった時点での破壊電圧の平均値は39Vである。ところが、十分高い電圧、例えば33.8V(定格電圧の211%)を印加すると、平均破壊電圧は39Vから45Vに上昇し、目覚ましい向上を示す。この結果は、高温選別は、適正な電圧を選択する限り、製品の信頼性を有効に改善するものであることを示す。
【0056】
実施例3
75μF30V定格化Ta陽極を導電性ポリマーで被覆し、陰極層を形成した。次に、陽極に黒鉛/銀ペーストを被覆し、集電層を形成した。マルチアレイパッケージ(MAP)法を使用して基体に2つの陽極を組み付け、積み重ねて、150μF30Vのコンデンサーを作成した。リフロー処理、エージング、電流/電圧サージおよび目視検査を行った後、試験サンプル群を選択し、125℃で50V(定格電圧の167%)選別試験を行った。この試験群の破壊電圧は、図14に示すように、選別試験を行わない群に匹敵するものである。選別試験群の平均破壊電圧は63Vで、一方選別試験なしの群の破壊電圧は60Vである。
【0057】
実施例4
240μF16V定格化Ta陽極を導電性ポリマーで被覆し、陰極層を形成した。次に、陽極に黒鉛/銀ペーストを被覆し、集電層を形成した。マルチアレイパッケージ(MAP)法を使用して基体に2つの陽極を組み付け、積み重ねて、470μF16Vのコンデンサーを作成した。リフロー処理、エージング、電流/電圧サージおよび目視検査を行った後、試験サンプル群を選択し、125℃で23V(定格電圧の143%)選別試験を行った。この試験群の破壊電圧は、図15に示すように、選別試験を行わない群に匹敵するものである。選別試験群の平均破壊電圧は36Vで、一方選別試験なしの群の破壊電圧は31Vである。
【0058】
高温選別による破壊電圧の改善は注目に値する上に有用である。この作用効果を得るために、選別電圧は十分高く設定する必要があるが、選別電圧をあまりにも高く設定すると、収率がかなり低下し、電圧が製品の破壊電圧に近くなるか、あるいはこれを超えた場合に、誘電体性能が劣化することもあり得る。従って、選別電圧については、最適な範囲内で適切に選択する必要がある。性能の最適化の点からは、選別電圧は定格電圧に等しいか、あるいは約1.3倍程度高くなるように設定することが好ましい。定格電圧よりも約1.3倍~約2倍高い選別電圧範囲を使用することができる。
【0059】
本発明技術の具体的な実施態様に関する上記説明は例示を目的とするものである。この説明は完全を期するものではなく、また本発明を厳密な開示形態に限定するものでもなく、多数の一部変更などは以上の説明に照らして可能であることは自明と考えられる。実施態様については、本発明の原理およびその応用を明示するために選択したもので、当業者ならば、本発明技術および一部変更を伴う各種実施態様を意図する用途に応じて実施することは可能なはずである。本発明の範囲は特許請求の範囲およびその等価範囲に記載する通りである。
【符号の説明】
【0060】
1:ペレット陽極体、ペレット
2:陰極終端部
3:陽極終端部
4:内部電気接続
5:電気絶縁接着剤
6:ケース
7、7A、9:電気接続
7、7A、16:外部接続部
10、10A:コンデンサー
110、235、335:陽極端子
115、215:タンタルコンデンサーペレット
120、220:タンタル陽極線、タンタル線
125、225、325:陰極端子
130:内部基体、湾曲基体、段差基体
130a、130b:基体部分
144、245、345:成型樹脂体
230:平面状基体、基体部分
240:導電性ペースト
250:非導電性接着剤
315a、315b、315c、315d、315e、315f:コンデンサー素子
320:陽極リード線
325a、335a:第1部分
325b、335b:第2部分
330a:陰極端子基体
330b:陽極端子基体
350、355:分離性エポキシ、絶縁性の接着エポキシ
360:導電性接着エポキシ
365;導電性陰極被覆、陰極
370:保護ストリップ
410:2つのコンデンサー素子
420:3つのコンデンサー素子
430:2つのコンデンサー素子
440:4つのコンデンサー素子
450:6つのコンデンサー素子
510、515、520:カラム
800:選別方法
810:高温環境
815:選別試験
820:輸送・運送
825:廃棄処分
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15