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7001641情報処理装置、広告誘導評価支援システム、広告誘導評価支援方法、及びプログラム
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  • -情報処理装置、広告誘導評価支援システム、広告誘導評価支援方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、広告誘導評価支援システム、広告誘導評価支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220112BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019125944
(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公開番号】P2021012507
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2020-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】白川 貴久
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-021440(JP,A)
【文献】特開2002-135757(JP,A)
【文献】特開2000-134167(JP,A)
【文献】特開2006-067229(JP,A)
【文献】特開2017-224198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアデバイスから出力された音声データ又は前記音声データを含む環境音を広告に関する情報として蓄積する記憶部と、
ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告のサウンドロゴまたはキーフレーズを広告の特徴情報として受信する受信部と、
前記受信部が前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する検索部と、
前記検索部によって、前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する送信部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
メディアデバイスから出力された画像データを広告に関する情報として蓄積する記憶部と、
ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告の画像特徴量を広告の特徴情報として受信する受信部と、
前記受信部が前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する検索部と、
前記検索部によって、前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する送信部と
を具備する情報処理装置。
【請求項3】
メディアデバイスから出力された広告情報に付加されるとともに、広告を特定するための広告識別情報を広告に関する情報として蓄積する記憶部と、
ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告識別情報を広告の特徴情報として受信する受信部と、
前記受信部が前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報と一致する前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する検索部と、
前記検索部によって、前記広告の特徴情報に一致する前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する送信部と
を具備する情報処理装置。
【請求項4】
前記広告に関する情報は、該広告に関する情報を取得した時刻または該広告に関する情報を視聴した時刻と関連付けられており、
前記検索部は、前記広告に関する情報に関連付けられている時刻が、前記コンテンツの配信要求から所定期間前までの期間に合致する前記広告に関する情報を対象として検索を行う請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1からのいずれかに記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置から前記コンテンツの配信要求を受信した場合に、前記コンテンツと、前記コンテンツに関連する前記広告の特徴情報とを前記情報処理装置に送信するサーバと
を備える広告誘導評価支援システム。
【請求項6】
メディアデバイスから出力された音声データ又は前記音声データを含む環境音を広告に関する情報として記憶部に蓄積する工程と、
ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告のサウンドロゴまたはキーフレーズを広告の特徴情報として受信する工程と、
前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する工程と、
前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する工程と
をコンピュータが実行する広告誘導評価支援方法。
【請求項7】
メディアデバイスから出力された画像データを広告に関する情報として記憶部に蓄積する工程と、
ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告の画像特徴量を広告の特徴情報として受信する工程と、
前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する工程と、
前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する工程と
をコンピュータが実行する広告誘導評価支援方法。
【請求項8】
メディアデバイスから出力された広告情報に付加されるとともに、広告を特定するための広告識別情報を広告に関する情報として記憶部に蓄積する工程と、
ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告識別情報を広告の特徴情報として受信する工程と、
前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報と一致する前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する工程と、
前記広告の特徴情報に一致する前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する工程と
をコンピュータが実行する広告誘導評価支援方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から4のいずれかに記載の情報処理装置として機能させるための広告誘導評価支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、広告誘導評価支援システム、広告誘導評価支援方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ放送のコマーシャルメッセージ(以下「CM」という。)やラジオ放送で提供される広告情報等の広告コンテンツによる効果測定は、例えば、テレビ受像機等に視聴率測定器を設置し、視聴率を測定することによって行われていた。しかしながら、この方法では、広告コンテンツを視聴したユーザが実際に広告に係る商品やサービスに興味を持ち、その広告に関するウェブサイトを閲覧したか否かを把握することが難しく、テレビ広告等によるウェブサイトへの誘導効果を評価することが困難であった。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1では、各家庭においてテレビCMに関する音声等を録音してクラウド上に送信し、クラウド上において受信した情報を分析することにより、各CMによる誘導効果を推定する方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、テレビCM等のコンテンツに対応するクーポンの発行とクーポンの利用による汎用ポイントの付与を通じてテレビCM等のコンテンツ視聴から購買までを一体的に計測できるプラットフォームを提供するコンテンツ視聴効果測定システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2018/0167677号明細書
【文献】特開2017-224198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示される方法では、ユーザの環境音がクラウドに送信されるためプライバシー上の問題が生じるおそれがある。また、各ユーザ端末からクラウドに対して相当量のデータを送信する必要があることから、ユーザ側における通信料負担を増大しかねない。
また、特許文献2に開示される方法では、クーポン発行を利用するため処理が複雑になる。更に、メディアデバイスから発せられた音声データをマイクロフォンによって取得し、取得された全ての音声データに対してオリジナル音声データとのマッチング処理を行うため、演算処理の増大を招いていた。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、プライバシーを確保できるとともに広告誘導評価の処理負担を軽減することのできる情報処理装置、広告誘導評価支援システム、広告誘導評価支援方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一態様は、メディアデバイスから出力された音声データ又は前記音声データを含む環境音を広告に関する情報として蓄積する記憶部と、ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告のサウンドロゴまたはキーフレーズを広告の特徴情報として受信する受信部と、前記受信部が前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する検索部と、前記検索部によって、前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する送信部とを具備する情報処理装置である。
本発明の第二態様は、メディアデバイスから出力された画像データを広告に関する情報として蓄積する記憶部と、ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告の画像特徴量を広告の特徴情報として受信する受信部と、前記受信部が前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する検索部と、前記検索部によって、前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する送信部とを具備する情報処理装置である。
本発明の第三態様は、メディアデバイスから出力された広告情報に付加されるとともに、広告を特定するための広告識別情報を広告に関する情報として蓄積する記憶部と、ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告識別情報を広告の特徴情報として受信する受信部と、前記受信部が前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報と一致する前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する検索部と、前記検索部によって、前記広告の特徴情報に一致する前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する送信部とを具備する情報処理装置である。
【0009】
本発明の第態様は、上記情報処理装置と、前記情報処理装置から前記コンテンツへのアクセス要求を受信した場合に、前記コンテンツと、前記コンテンツに関連する前記広告の特徴情報とを前記情報処理装置に送信するサーバとを備える広告誘導評価支援システムである。
【0010】
本発明の第態様は、メディアデバイスから出力された音声データ又は前記音声データを含む環境音を広告に関する情報として記憶部に蓄積する工程と、ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告のサウンドロゴまたはキーフレーズを広告の特徴情報として受信する工程と、前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する工程と、前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する工程とをコンピュータが実行する広告誘導評価支援方法である。
本発明の第六態様は、メディアデバイスから出力された画像データを広告に関する情報として記憶部に蓄積する工程と、ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告の画像特徴量を広告の特徴情報として受信する工程と、前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する工程と、前記広告の特徴情報を含む前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する工程とをコンピュータが実行する広告誘導評価支援方法である。
本発明の第七態様は、メディアデバイスから出力された広告情報に付加されるとともに、広告を特定するための広告識別情報を広告に関する情報として記憶部に蓄積する工程と、ネットワークを介してコンテンツの配信要求を送信した後に、前記コンテンツに関連する広告識別情報を広告の特徴情報として受信する工程と、前記広告の特徴情報を受信した場合に、受信した前記広告の特徴情報と一致する前記広告に関する情報を前記記憶部から検索する工程と、前記広告の特徴情報に一致する前記広告に関する情報が検索結果として得られた場合に、前記コンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す情報を送信する工程とをコンピュータが実行する広告誘導評価支援方法である。
【0011】
本発明の第態様は、コンピュータを上記情報処理装置として機能させるための広告誘導評価支援プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プライバシーを確保できるとともに広告誘導評価の処理負担を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る広告誘導評価支援システムの構成を示す全体構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理装置が備える機能のうち、主に広告誘導評価支援機能に関する機能を抽出して示した機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る広告誘導評価支援方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る情報処理装置、広告誘導評価支援システム、広告誘導評価支援方法、及びプログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る広告誘導評価支援システム10の構成を示す全体構成図である。図1に示すように、広告誘導評価支援システム10は、情報処理装置1及びサーバ5を備えている。図1において、情報処理装置1及びサーバ5は、それぞれ1台ずつ図示されているが、これらの台数は図示した態様に限定されるものではなく、台数については特に限定されない。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。図2に示すように、情報処理装置1は、例えば、CPU11、CPU11が実行するプログラム及びこのプログラムにより参照されるデータ等を記憶するための補助記憶装置12、各プログラム実行時のワーク領域として機能する主記憶装置13、ネットワークに接続するための通信部14、入力部15、及び表示部16等を備えている。これら各部は、例えば、バス18を介して接続されている。補助記憶装置12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気ディスク、光磁気ディスク、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリ等が一例として挙げられる。
【0016】
後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、広告誘導評価プログラム)の形式で補助記憶装置12に記憶されており、このプログラムをCPU11が主記憶装置13に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、補助記憶装置12に予めインストールされている形態や、他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0017】
図2において、通信部14は、インターネットに代表されるネットワーク3に接続され、ネットワーク3とのインターフェースを図るものである。入力部15は、例えば、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネル等、ユーザが情報処理装置1に対して指示を与えるためのユーザインタフェースである。表示部16は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示画面を有し、情報処理装置1によって実行されたアプリケーションソフトウェアプログラムの結果や通信部14によって受信されたコンテンツ等を表示するものである。
情報処理装置1の一例として、ノートPC、タブレット端末、携帯電話機等が挙げられる。
【0018】
サーバ5は、ネットワーク3に接続される情報処理装置1に対して情報処理装置1からの閲覧請求に応じたコンテンツの配信等を行う。
【0019】
図3は、情報処理装置1が備える機能のうち、主に広告誘導評価支援機能に関する機能を抽出して示した機能ブロック図である。図3に示すように、情報処理装置1は、記憶部21、検索部22、及び送受信部23を備えている。
【0020】
記憶部21は、メディアデバイス7から広告に関する情報を取得し、取得した広告に関する情報を蓄積する。メディアデバイス7は、例えば、テレビジョン受信機(以下、単に「テレビ」という。)、ラジオ受信機(以下、単に「ラジオ」という。)、街頭に設置された街頭広告装置等である。
【0021】
メディアデバイス7がテレビの場合、例えば、テレビから流れる音声が情報処理装置1の備えるマイクロフォン(図示略)によって取得され、取得された音声データが記憶部21に格納される。これにより、記憶部21には、視聴されている番組の音声やその番組の合間に流れるテレビCMの音声等が格納されることとなる。
【0022】
また、メディアデバイス7がラジオの場合、例えば、ラジオから流れる音声が情報処理装置1の備えるマイクロフォン(図示略)によって取得され、取得された音声データが記憶部21に格納される。これにより、記憶部21には、聴取されているラジオ番組の音声やその番組の合間に流れる広告情報の音声等が格納されることとなる。
【0023】
また、メディアデバイス7は、情報処理装置1自体であってもよい。すなわち、ユーザが情報処理装置1を用いてテレビ視聴やラジオ聴取をしている場合には、情報処理装置1が備えるスピーカ(図示略)から発せられるこれらの音声がマイクロフォンによって取得され、取得された音声データが記憶部21に格納されることとなる。
【0024】
なお、記憶部21に格納される「広告に関する情報」は、メディアデバイス7から発せられた音声を含む環境音であってもよいし、メディアデバイス7から発せられる音声データ自体でもよい。
また、記憶部21に格納される「広告に関する情報」は、上述した音声データの他、例えば、放送番組の画像情報であってもよい。また、「広告に関する情報」は、例えば、メディアデバイス7が録画機能を有する場合、メディアデバイス7において録画された放送番組等の録画データを情報処理装置1が取得し、取得した録画データ自体を「広告に関する情報」として、または、「取得した録画データ」から広告に関する情報を更に取得して記憶部21に格納してもよい。
また、メディアデバイス7から発せられるテレビCM等の広告情報にその広告を特定するための広告識別情報が付加されている場合には、その広告識別情報を「広告に関する情報」として記憶部21に格納してもよい。例えば、広告識別情報は、広告の音声の非可聴域の音波データとして付加されていてもよい。また、広告識別情報はエンコードされていてもよく、この場合には、広告識別情報をデコードするための機能を情報処理装置1に設ければよい。
また、本実施形態において、上記「広告に関する情報」は、広告に関する情報を情報処理装置1が取得した時刻又は該広告に関する情報が視聴された時刻と関連付けられて記憶部21に格納される。この時刻情報は、例えば、後述する検索部22において検索対象を絞り込む際に使用される。
【0025】
検索部22は、例えば、ユーザが入力部15を操作してウェブブラウザを起動させ、このウェブブラウザ上で所定の入力操作を行うことにより、ユーザが所望するコンテンツの配信要求がネットワーク3を介して送信された場合に、配信を要求したコンテンツに関連する広告の特徴情報をコンテンツデータとともに取得し、取得した広告の特徴情報を含む広告に関する情報(一例として、音声データ)を記憶部21から検索する。
【0026】
例えば、ユーザがテレビで放送されたテレビCMやラジオで紹介された製品等の広告情報に興味を持ち、その広告に関する製品やサービスに関連するウェブサイトにアクセスする場合、ユーザは情報処理装置1においてウェブブラウザを立ち上げ、テレビCM等で取得したキーワードやURL等を入力部15から入力することにより、所望のウェブサイトへのアクセスを試みる。
【0027】
これにより、情報処理装置1は、ネットワーク3を介してサーバ5にアクセスし、サーバ5に対してウェブサイトに関するコンテンツの配信要求を送信する。サーバ5は、配信要求のあったコンテンツデータとともに、そのコンテンツに関連する広告の特徴情報を情報処理装置1に送信する。
【0028】
上記広告の特徴情報の一例として、メディアデバイス7から発せられる広告の特徴的なメロディであるサウンドロゴや特徴的なキーフレーズ等が挙げられる。
また、メディアデバイス7から発せられる広告に、広告を特定するための広告識別情報が付加されている場合には、広告識別情報を広告の特徴情報として採用し、サーバ5から情報処理装置1に送信することとしてもよい。
【0029】
検索部22は、サーバ5から受信した広告の特徴情報を含む広告に関する情報を記憶部21から検索する。
例えば、広告の特徴情報としてサウンドロゴを受信した場合には、検索部22は、受信したサウンドロゴと記憶部21に格納されている音声データとを照合することにより、このサウンドロゴを含む音声データを検索する。
【0030】
また、例えば、広告の特徴情報としてキーフレーズを受信した場合には、検索部22は、受信したキーフレーズと記憶部21に格納されている音声データとを照合することにより、広告の特徴情報として受信したキーフレーズを含む音声データを検索する。
【0031】
また、例えば、広告の特徴情報として広告識別情報を受信した場合には、検索部22は、受信した広告識別情報が付加された音声データを記憶部21から検索する。
また、例えば、広告の特徴情報として、画像特徴量を受信した場合には、検索部22は、受信した画像特徴量と記憶部21に格納されている画像データを照合することにより、広告の特徴情報として受信した画像特徴量を含む画像データを検索する。
【0032】
なお、検索部22は、サーバ5から受信したJavascript(登録商標)等のプログラムを実行することにより、上記検索処理を実現することとしてもよい。
【0033】
送受信部23は、検索部22の検索結果に応じた情報を送信する。例えば、検索結果として、広告の特徴情報を含む音声データが得られた場合には、送受信部23は、コンテンツに関連する広告(例えば、テレビCM等)がユーザによって視聴されていたことを示す情報を予め設定されている送信先へ送信する。このとき、送受信部23は、広告を視聴していた時刻、換言すると、検索結果として得られた広告に関する情報(例えば、音声データ)に関連付けられていた時刻情報を送信することとしてもよい。また、情報の送信先として、例えば、広告を管理するサーバや、広告視聴評価を行うサーバ等が挙げられる。
【0034】
次に、本実施形態に係る情報処理装置1によって実行される広告誘導評価支援方法について図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る広告誘導評価支援方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、説明の便宜上、メディアデバイス7としてテレビを例示し、テレビから広告識別情報が付加されたテレビCMが放映される場合を例示して説明する。
【0035】
まず、テレビから流れる視聴番組やテレビCMの音声が情報処理装置1のマイクロフォンによって取得され、その音声データが時刻情報と共に記憶部21に蓄積される。この処理はリアルタイムで繰り返し行われており、記憶部21のデータ容量が最大データ容量付近に設定された所定の閾値を超えると、古い音声データから消去され、新しい音声データが書き込まれるようになっている。
【0036】
このような状況において、ユーザにより入力部15が操作されることによりウェブブラウザが起動され、更に、ウェブブラウザ上において閲覧を希望するウェブサイトのURLや、検索結果の一つがクリックされる等の入力操作が行われることにより、閲覧を希望するコンテンツの情報が入力されると(SA1:YES)、情報処理装置1の送受信部23からサーバ5に対して閲覧を希望するコンテンツの配信要求が送信される(SA2)。
サーバ5は、コンテンツの配信要求を受信すると(SA3)、配信要求のあったコンテンツデータを情報処理装置1に送信するとともに、そのコンテンツに関連付けられた広告の特徴情報として広告識別情報を送信する(SA4)。
【0037】
情報処理装置1は、受信したコンテンツデータを表示部16に表示させるとともに(SA5)、受信した広告識別情報を含む音声データを記憶部21から検索する(SA6)。このとき、情報処理装置1は、コンテンツの配信要求がなされたときから所定の期間前までに記憶部21に格納された音声データを検索対象として検索を行う。すなわち、記憶部21に格納されている音声データのうち、コンテンツの配信要求がなされたときから遡って所定期間前までの期間に該当する時刻情報が付加された音声データを検索対象として広告特徴情報の検索を行う。
【0038】
ここで、「コンテンツの配信要求がなされたとき」とは、閲覧を希望するコンテンツの情報が入力部15から入力されたときから配信要求を行ったコンテンツに関連付けられた広告の特徴情報を受信するまでの間において設定される所定のタイミングをいう。
例えば、閲覧を希望するコンテンツの配信要求が入力されたとき、コンテンツの配信要求がサーバ5に送信されたとき、コンテンツに関連付けられた広告の特徴情報をサーバ5から受信したとき等が一例として挙げられる。
【0039】
上記の検索結果が得られると、情報処理装置1は検索結果に応じた視聴履歴情報を所定の送信先に送信する(SA7)。例えば、検索結果として広告識別情報を含む音声データが得られた場合には、配信要求を行ったコンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていたことを示す視聴履歴情報を所定の送信先へ送信する。この場合において、広告を視聴していた時刻、換言すると、検索結果として得られた音声データに関連付けられていた時刻情報を送信することとしてもよい。
一方、検索結果として広告特徴情報を含む音声データが得られなかった場合には、閲覧要求を行ったコンテンツに関連する広告がユーザによって視聴されていないことを示す視聴履歴情報を所定の送信先へ送信する。
サーバ5は、上記広告の視聴履歴情報を受信する(SA8)。
これにより、今回のコンテンツ配信要求がテレビCMによる広告誘導によってなされたものなのか、広告誘導に関係なくユーザによって自発的に行われたものなのかを把握することが可能となる。
【0040】
そして、ウェブサイトへのアクセス要求がある度に、上記処理が繰り返し行われることとなる。
なお、メディアデバイス7を通じた誘導広告を行っていないコンテンツに関しては、コンテンツに関連する広告の特徴情報が存在しないため、上述した検索処理等は行われない。上記広告の特徴情報に基づく音声データの検索処理は、メディアデバイス7を用いた広告を行っており、かつ、その広告に関するコンテンツの配信をネットワーク3を介して行っている場合に限られる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1、広告誘導評価支援システム10、広告誘導評価支援方法、及びプログラムによれば、メディアデバイス7から広告に関する情報を取得し、取得した広告に関する情報を蓄積する記憶部21と、ネットワーク3を介してコンテンツの配信要求を送信した場合に、コンテンツに関連する広告の特徴情報を受信する受信部(送受信部23)と、送受信部23が広告の特徴情報を受信した場合に、受信した広告の特徴情報を含む広告に関する情報(例えば、音声データ)を記憶部21から検索する検索部22と、検索部22の検索結果に応じた情報を送信する送信部(送受信部23)とを備える。
【0042】
本実施形態によれば、コンテンツの配信要求を送信した場合に、そのコンテンツに関連する広告の特徴情報を含む広告に関する情報(例えば、音声データ)を記憶部21から検索するので、検索結果として広告に関する情報(例えば、音声データ)が抽出された場合には、メディアデバイス7を介して行われた広告誘導によって、その広告に関連するコンテンツにユーザがアクセスしたとある程度の信頼性をもって推定することができる。これにより、広告の視聴とコンテンツへのアクセスとの関連性をより高めることができ、広告誘導に関する評価の信頼性を高めることが可能となる。
更に、コンテンツの配信要求を送信した場合に検索処理を行うので、リアルタイムで検索処理を繰り返す必要がなく、処理負担の軽減を図ることができる。一般に、広告によりコンテンツへのアクセスが誘導されるのは1%以下程度の頻度しかなく、この負荷軽減は大きな効果がある。
また、音声データは情報処理装置1内に留められ、他のデバイスに流出しないため、プライバシーを確保することが可能である。
【0043】
また、本実施形態によれば、広告に関する情報は、広告に関する情報を取得した時刻または広告に関する情報を視聴した時刻と関連付けられており、コンテンツの配信要求を送信した場合に、検索部は、広告に関する情報に関連付けられている時刻が、コンテンツの配信要求がなされたときから所定期間前までの期間に合致する広告に関する情報を対象として検索を行うので、広告の視聴とコンテンツへのアクセスとの関連性を更に高めることができるとともに、対象期間を限定することで、照合処理等の処理負担の軽減を図ることが可能となる。また、所定期間前までの広告に関する情報(例えば、音声データ)しか検索に用いられないことから、その期間に対応する広告に関する情報のみを格納しておけばよいこととなり、保持するデータ量を削減することができる。これにより、大容量の記憶部21は不要となり、記憶部21の小型化や低コスト化を図ることが可能となる。
【0044】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態で説明した処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 :情報処理装置
3 :ネットワーク
5 :サーバ
7 :メディアデバイス
10 :広告誘導評価支援システム
11 :CPU
12 :補助記憶装置
13 :主記憶装置
14 :通信部
15 :入力部
16 :表示部
18 :バス
21 :記憶部
22 :検索部
23 :送受信部
図1
図2
図3
図4