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特許7001667超音波トランスデューサの粘着親水性パッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】超音波トランスデューサの粘着親水性パッド
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
A61B8/00
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019235354
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2020108761
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2020-02-20
(31)【優先権主張番号】16/238,729
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517228423
【氏名又は名称】シブコ メディカル インスツルメンツ カンパニー、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー スコット ワーグナー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサス マリン スワーツ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン アルバート スワーツ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ネフィ ノードグレン
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0310912(US,A1)
【文献】特開2002-136515(JP,A)
【文献】特開2006-326204(JP,A)
【文献】特開2018-094119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0016053(US,A1)
【文献】特表2017-513688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波トランスデューサインタフェースパッドであって、
第1の表面及び第2の表面を有する第1の基材層と、
前記第1の基材層の前記第1の表面上に形成された親水性層であって、
水和して前記超音波トランスデューサと患者との間の音響結合を生じるように構成された、親水性層と、
第3の表面及び第4の表面を有する第2の基材層と、
前記第2の基材層の前記第3の表面上に形成されており、前記第1の基材層の前記第2の表面に粘着するように構成された、第1の粘着層と、
前記第2の基材層の前記第4の表面上に形成されており、超音波トランスデューサの動作部分又は患者のうちの一方に粘着するように構成された、第2の粘着層とを備え、
前記第1の粘着層は、アクリル系又は合成ゴム系の粘着性材料を含み、前記第2の粘着層は、シリコーンゲル粘着性コーティングを含み、
前記アクリル系又は合成ゴム系の粘着性材料は、前記シリコーンゲル粘着性コーティングよりも高い剥離力を示す、超音波トランスデューサインタフェースパッド。
【請求項2】
前記第1の基材層又は前記第2の基材層のうちの少なくとも一方は、ポリウレタンフィルム材料を含む、請求項1に記載の超音波トランスデューサインタフェースパッド。
【請求項3】
前記ポリウレタンフィルム材料は、約0.025~1.00ミリメートルの範囲にある厚さを有する、請求項2に記載の超音波トランスデューサインタフェースパッド。
【請求項4】
前記親水性層は、紫外(UV)光硬化性親水性材料又は熱硬化性親水性材料のうちの一方を含む、請求項1に記載の超音波トランスデューサインタフェースパッド。
【請求項5】
前記第1の粘着及び前記第2の粘着は、それぞれ、約0.025~0.2ミリメートルの範囲にある厚さを有する、請求項1に記載の超音波トランスデューサインタフェースパッド。
【請求項6】
前記第1の粘着層及び前記第2の粘着層は、それぞれ、100~200グラム/平方メートル(gsm)の範囲にある被膜重量を有する、請求項5に記載の超音波トランスデューサインタフェースパッド。
【請求項7】
さらに、
前記第2の粘着層上に設けられた剥離層を備え、
前記剥離層は、前記第2の粘着層を前記超音波トランスデューサに粘着させる前に取り外されるようになっている、請求項1に記載の超音波トランスデューサインタフェースパッド。
【請求項8】
使い捨ての超音波トランスデューサインタフェースパッドを作製する方法であって、
第1の基材層の第1の表面に親水性材料を被着して親水性層を形成することであって、前記親水性材料は、水和して患者と超音波トランスデューサとの間の音響結合を生じるように構成されている、親水性層を形成することと、
第2の基材層の第3の表面に第1の粘着性コーティングを被着して第1の粘着層を形成することと、
前記第2の基材層の第4の表面に第2の粘着性コーティングを被着して第2の粘着層を形成することと、
前記親水性層を硬化させることと、
前記第1の基材層の第2の表面を、前記第1の粘着層を介して前記第2の基材層の前記第3の表面に貼り付けることと、
貼り付けられた前記第1の基材層及び前記第2の基材層を所望の大きさ及び形状に切断して、1つ以上の超音波トランスデューサインタフェースパッドを形成することとを含み、
前記第1の粘着性コーティングは、アクリル系又は合成ゴム系の粘着性材料を含み、前記第2の粘着性コーティングは、シリコーンゲル粘着性コーティングを含み、
前記アクリル系又は合成ゴム系の粘着性材料は、前記シリコーンゲル粘着性コーティングよりも高い剥離力を示す、方法。
【請求項9】
前記第1の基材層及び前記第2の基材層のうちの少なくとも一方は、ポリウレタン材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリウレタン層は、約0.025~1.0ミリメートルの範囲にある厚さを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
さらに、
前記第の粘着層に剥離層を被着することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の粘着性コーティング及び前記第2の粘着性コーティングは、それぞれ、約0.025~0.2ミリメートルの範囲にある厚さを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の粘着性コーティング及び前記第2の粘着性コーティングは、それぞれ、100~200グラム/平方メートル(gsm)の範囲にある被膜重量で被着される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記親水性材料は、紫外(UV)光硬化性親水性材料又は熱硬化性親水性材料のうちの一方を含み、前記親水性材料を硬化させることは、前記親水性材料をUV硬化させること又は熱硬化させることのうちの一方を含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年9月29日に出願された米国特許仮出願第62/565,736号の優先権を主張する2017年9月24日に出願された米国特許出願第16/139,625号の優先権を主張するとともに一部継続出願である。
【0002】
本発明は、医療装置に関し、より詳細には、外用、術中用途、又は内腔用途での使用に供される超音波トランスデューサを被覆する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
超音波トランスデューサは、一般に、患者診察室などの、清浄ではあるが無菌でない環境で使用される。出生前の腹部超音波検査、膀胱又は他の器官のスクリーニング、経食道心エコー検査などの、多くの典型的な超音波検査では、うつ伏せの患者の腹部に超音波ゲルを塗布し、ゲルに接触するように超音波トランスデューサを配置して腹部の周りを移動させることにより、超音波画像を取得する。検査が完了すると、患者及び超音波トランスデューサの両方からゲルを取り除かなければならない。検査間の時間が気になる状況において、除去プロセスは、生産性に悪影響を及ぼす。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】本明細書に記載された実施形態が実装され得る環境を示す。
図1B】本明細書に記載された実施形態が実装され得る環境を示す。
図1C】本明細書に記載された実施形態が実装され得る環境を示す。
図2A図1のインタフェースパッドの例示的な実装態様の断面図である。
図2B図1のインタフェースパッドの例示的な実装態様の断面図である。
図2C図1のインタフェースパッドの例示的な実装態様の断面図である。
図2D図1のインタフェースパッドの例示的な実装態様の断面図である。
図3A】本明細書に記載された実施形態に従う超音波トランスデューサインタフェースパッドを形成及び使用する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図3B】本明細書に記載された実施形態に従う超音波トランスデューサインタフェースパッドを形成及び使用する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図3C】本明細書に記載された実施形態に従う超音波トランスデューサインタフェースパッドを形成及び使用する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図3D】本明細書に記載された実施形態に従う超音波トランスデューサインタフェースパッドを形成及び使用する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明は、添付図面に言及する。異なる図面中の同じ参照番号は、同じ又は類似の要素を特定している場合がある。また、以下の詳細な説明は、本発明を限定しない。
【0006】
本明細書に記載された実装態様は、超音波トランスデューサと患者との間の効率的で使いやすいインタフェースを生じる材料に言及する。本明細書に記載された一実装態様によれば、使い捨てのトランスデューサインタフェースは、一方の面上でトランスデューサの動作端部を、また反対側の面上で患者の皮膚を係合させる、以降で「パッド」と称する多層構成を含む。一実施形態において、多層インタフェースパッドは、粘着層を有する保持層と、保持層の両面に被着された親水性層とを含む。使用時に、パッドの粘着層面は、トランスデューサ(又は患者)に取外し可能に粘着して、パッドとトランスデューサとの間の実際的な安定的結合を生じる。次いで、親水性層は、水和して、通り抜ける超音波信号の明瞭かつ効率的な伝達を容易にする実際的な音響結合を生じ、慣用の音響結合ゲルを使用する必要性を解消する。
【0007】
図1A図1Cは、本明細書に記載された実施形態が実装され得る環境100を示す。図1Aに示すように、環境100は、患者105、超音波トランスデューサ110、及びインタフェースパッド115を含む。使用時に、図1B及び図1Cに示すように、インタフェースパッド115は、2つの態様のうちの一方で使用され得る。第1の実施形態では、図1Bに示すように、インタフェースパッド115は、以下に記載するように、超音波トランスデューサ110の動作端部に粘着され得るが、第2の実施形態では、図1Cに示すように、インタフェースパッド115は、患者105に粘着され得る。いずれの実施形態においても、パッド115は、トランスデューサ110又は患者105のいずれかに固着されると、水、生理食塩水、リドカイン、クローラプレップ(chloraprep)(登録商標)、イソプロピルアルコール、又は他の同様の液剤を露出表面に塗布することによって水和して、音響効率がよいインタフェースを形成し、かつトランスデューサ110とインタフェースパッド115との間の容易な移動(すなわち、摺動)を可能にする。いくつかの実施形態において、患者の体液又は排出物は、パッド115を水和するのに十分であり得る。このような実施形態では、外部の、又は添加される水和液剤は、必要でなくてもよい。
【0008】
図2A図2Dは、それぞれインタフェースパッド115-1~115-4として表したインタフェースパッド115の、例示的な実装態様の断面図を示す。図2Aに示すように、インタフェースパッド115-1は、約0.025~1.0mmの範囲にある厚さを有するポリエチレンキャリア又は材料などの、基材層120を含む。本明細書に記載された実装態様によれば、基材層120は、用途に応じて、平坦又は非平坦のいずれかの構成で形成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、基材層120は、上に基材層120があてがわれる超音波トランスデューサに対応した形状をなす(例えば、3次元の)構成を有し得る。他の実施形態において、基材層120は、多数の異なるトランスデューサとともに多様な検査で使用可能な平坦層として形成され得る。さらには、本明細書に記載された実施形態によれば、基材層120は、所望の寸法を達成する任意の実現可能な態様で形成され得る。例えば、基材層120は、押出成形、浸漬、成形、化学堆積などによって形成され得る。
【0009】
本明細書に記載された実施形態によれば、インタフェースパッド115-1は、さらに、基材層120の一方の面に被着された親水性コーティング層122を含む。この構成において、親水性コーティング層122は、トランスデューサ110に対してインタフェースパッド115の外側面上に設けられている。
【0010】
一実施形態において、コーティング層122は、約2~5ミクロンの範囲にある厚さを有する、ポリビニルピロリドン/ポリウレタン(PVP/PU)又はポリメタクリレート(PM)などの、紫外(UV)光硬化性材料又は熱硬化性材料を含む。製造時に、親水性コーティング層122は、基材層120に被着され、UV光への露光、又は層を熱にさらすことにより、硬化され得る。
【0011】
使用時に、音響結合ゲルは、インタフェースパッド115ー1を超音波プローブにあてがう前に、基材層120の内面に塗布され得る。次に、水又は生理食塩水のみを使用して親水性コーティング層122を活性化させて、トランスデューサ110と患者105との間の必要な音響結合インタフェースを設け得る。
【0012】
本明細書に記載された実施形態によれば、インタフェースパッド115-1は、特定の超音波トランスデューサ、又は超音波トランスデューサが使用される患者の身体部分に応じた任意の好適な形状又は寸法で形成され得る。例えば、一実施形態において、インタフェースパッド115-1は、約5インチの長さと約3.25インチの幅とを有する矩形の構成で形成され得る。
【0013】
図2Bは、親水性コーティング層122と反対側の基材層120の面上に被着された第2の親水性コーティング層123を含むインタフェースパッド115-2の実施形態を示す。使用時に、水又は生理食塩水のみを使用して親水性コーティング層122及び123を各々活性化させて、トランスデューサ110と患者105との間の必要な音響結合インタフェースを設け得る。
【0014】
別の実装態様において、図2Cに示すように、インタフェースパッド115-3は、基材層120、粘着層125、親水性コーティング層130、及び取外し可能な剥離層135を含む。一実施形態において、基材層120は、約0.025~1.00ミリメートル(mm)の範囲にある厚さを有する、ポリエーテルポリウレタンなどのポリウレタンフィルムキャリア又は材料を備える。
【0015】
いくつかの実装態様において、粘着層125は、例えば0.2~0.8ニュートン(N)/25ミリメートル(mm)の粘着力(又は剥離力)を有する、シリコーン系粘着材を含み得る。このようなシリコーン系粘着材の比較的低い剥離力により、インタフェースパッド115-3は、概して、初期展開後に再配置可能になる。さらには、このようなシリコーン系粘着材は、初期展開、再配置、又は取外し時に、製品を破損せずに自身に付着することが可能である。
【0016】
他の実施形態において、粘着層125は、アクリル系又は合成ゴム系の粘着性材料を含み得る。このような非シリコーン系粘着材は、(例えば、16.7N/25mmという高さの)顕著に高められた剥離力を示し得る。高められた剥離力を有する粘着材は、使用時のパッドの滑りが気になるようないくつかの状況において望ましい場合がある。
【0017】
本明細書に記載された実施形態によれば、粘着層125は、約100~200グラム/平方メートル(gsm)の範囲にある被膜重量で、好ましくは150gsmの被膜重量で、基材層120上に被着され(例えば、コーティングされ)、結果として、0.025~0.2mm(例えば、0.15mm)の範囲にある被着厚さを有する粘着層125が得られる。
【0018】
図2Cに示すように、親水性コーティング層130は、基材層120に、粘着層125に対する基材層120の反対側の面上で被着される。製造時かつ使用前に、インタフェースパッド115-3は、粘着層125の粘着性を保護するために、かつ粘着層125が使用前に他のアイテム又は自身に粘着することを防止するために粘着層125上に設けられた剥離層135(ライナ又は剥離ライナとも称する)を含む。一実装態様において、剥離層135は、ポリカーボネート層を備える。本明細書に記載された実施形態によれば、剥離層135は、インタフェースパッド115-3を使用する前、例えば、インタフェースパッド115をトランスデューサ110/患者105に粘着する前に、取り外される(例えば、剥がされる)。いくつかの実施形態において、剥離層135は、インタフェースパッド115-3の使用準備ができると剥離層135を容易に取り外せるようにする、エッジ領域又はスリットを含み得る。
【0019】
図2Cのインタフェースパッド115-3は、3つの異なる層120~130及び剥離層135を含むものとして上述されているが、他の実装態様において、インタフェースパッド115は、粘着層125が、下層のポリウレタン基材層を必要とすることなく親水性コーティング層130に直接被着された、2つの層のみから形成され得る。
【0020】
図2Dは、図2Cに関連して上述したように、基材層120及び親水性層130を含むインタフェースパッド115-4を表す。これに加えて、インタフェースパッド115-4は、粘着層125と第2の粘着層145との間に挟まれた第2の基材層140を含む。いくつかの実装態様において、粘着層125と第2の基材層140と第2の粘着層145とのこの組合せは、基材層120及び親水性コーティング層130とは独立に形成されている。製造時に、粘着層125(第2の基材140及び第2の粘着層145と接合済み)は、最初の基材120と、親水性コーティング層130を含む反対側の面で接合される。
【0021】
一実施形態において、第2の基材層140及び最初の基材層120は、各々、約0.025~1.00ミリメートル(mm)の範囲にある厚さを有する、ポリエーテルポリウレタンなどの、ポリウレタンフィルムキャリア又は材料を備える。いくつかの実装態様において、粘着層125/145は、例えば0.2~0.8ニュートン(N)/25ミリメートル(mm)の粘着力(又は剥離力)を有する、シリコーン系粘着材を含み得る。このようなシリコーン系粘着材の比較的低い剥離力により、インタフェースパッド115-4は、概して、初期展開後に再配置可能になる。さらには、このようなシリコーン系粘着材は、初期展開、再配置、又は取外し時に、製品を破損せずに自身に付着することが可能である。
【0022】
他の実施形態において、粘着層125/145は、アクリル系又は合成ゴム系の粘着性材料を含み得る。このような非シリコーン系粘着材は、(例えば、16.7N/25mmという高さの)顕著に高められた剥離力を示し得る。高められた剥離力を有する粘着材は、使用時のパッドの滑りが気になるようないくつかの状況において望ましい場合がある。
【0023】
さらに他の実施形態において、粘着層125は、粘着層145とは異なる材料含み得る。例えば、粘着層125は、アクリル系又は合成ゴム系の粘着性材料を含むことが可能であり、粘着層145は、シリコーン系粘着材を含むことが可能である。
【0024】
本明細書に記載された実施形態によれば、粘着層125/145は、約100~200グラム/平方メートル(gsm)の範囲にある被膜重量で、好ましくは150gsmの被膜重量で、第2の基材層140上に被着され(例えば、コーティングされ)、結果として、各々が0.025~0.2mm(例えば、0.15mm)の範囲にある被着厚さを有する粘着層125/145が得られる。
【0025】
製造時及び使用前に、インタフェースパッド115-4は、また、第2の粘着層145の粘着性を保護するために、かつ第2の粘着層145が使用前に他のアイテム又は自身に粘着することを防止するために第2の粘着層145上に設けられた剥離層135(ライナ又は剥離ライナとも称する)を含む。一実装態様において、剥離層135は、ポリカーボネート層を備える。本明細書に記載された実施形態によれば、剥離層135は、インタフェースパッド115を使用する前、例えば、インタフェースパッド115-4をトランスデューサ110/患者105に粘着する前に、取り外される(例えば、剥がされる)。いくつかの実施形態において、剥離層135は、インタフェースパッド115の使用準備ができると剥離層135を容易に取り外せるようにする、エッジ領域又はスリットを含み得る。
【0026】
他の実装態様において、図2Dに表さないが、第2の剥離層は、粘着層125を最初の基材120に被着する前に、第2の基材140の反対側にある基材層125の表面に被着され得る。このようにして、粘着層125/第2の基材140/第2の粘着層145の組合せが、使用前に保護状態に保存され得る。
【0027】
図3A図3Dは、それぞれ、本明細書に記載された実施形態に従う超音波トランスデューサインタフェースパッドを形成及び使用する例示的なプロセス300,325,及び350、及び370を例示するフローチャートを示し、プロセス300は図2Aの実施形態に対応し、プロセス325は図2Bの実施形態に対応し、プロセス350は図2Cの実施形態に対応し、プロセス375は図2Dの実施形態に対応する。
【0028】
図3Aを参照すると、基材材料の一方の面上に、親水性材料をコーティングし得る(ブロック302)。例えば、ポリウレタン基材のシートの面上に、親水性層120をコーティング(例えば、スプレー、ブラシ塗りなど)し得る。上述したように、親水性層122の被着の前駆体として、押出成形、浸漬、成形、堆積などの好適な製造技術を使用して、基材材料(例えば、基材層120)を最初に所望の構成に形成し得る。
【0029】
ブロック304において、熱又はUV光によるなどして、親水性材料を硬化させる。ブロック306において、ダイカットマシンを使用するなどして、1つ以上のインタフェースパッド115を、所望の大きさ及び/又は形状に切断する。
【0030】
ブロック308において、インタフェースパッド115の内側表面に、慣用の超音波結合ゲルを塗布する。次に、インタフェースパッド115-1を超音波トランスデューサ110の動作端部にあてがって、インタフェースパッド115-1をトランスデューサ110に固定する(ブロック310)。次に、親水性層を活性化させる(ブロック312)。例えば、親水性層122に、水又は生理食塩水を塗布し得る。最後に、活性化させたインタフェースパッドが固定された超音波トランスデューサを、患者上の対象の領域にあてがう(ブロック314)。
【0031】
図3Bを参照して、基材材料の両面上に親水性材料をコーティングし得る(ブロック326)。例えば、ポリウレタン基材のシートの両面上に、親水性層122及び123をコーティング(例えば、スプレー、ブラシ塗りなど)し得る。ブロック328において、熱又はUV光によるなどして、親水性材料を硬化させる。いくつかの実装態様において、親水性層の被着及び硬化は、層122及び123の各々について、独立に行われる。ブロック330において、ダイカットマシンを使用するなどして、1つ以上のインタフェースパッド115-2を、所望の大きさ及び/又は形状に切断する。
【0032】
ブロック332において、親水性層のうちの1つを活性化させる。例えば、水又は生理食塩水を使用して親水性層123を活性化させる。次に、インタフェースパッド115-2を超音波トランスデューサ110の動作端部にあてがって、活性化させた親水性層123を介してインタフェースパッド115-2をトランスデューサ110に固定する(ブロック334)。次に、その他の親水性層を活性化させる(ブロック336)。例えば、親水性層122に、水又は生理食塩水を塗布し得る。最後に、活性化させたインタフェースが固定された超音波トランスデューサを、患者上の対象の領域にあてがう(ブロック338)。
【0033】
図3Cを参照して、基材層に最初に粘着層を被着する(ブロック352)。例えば、基材層120などのポリウレタン基材層の第1の表面上に、シリコーン粘着材料をコーティング(例えば、吐流、スプレー、ブラシ塗りなど)して、粘着層を形成し得る。次に、粘着層に、ポリマー層又はペーパー層などの、剥離層をあてがって、粘着材が、粘着性を失う、又は意図しない材料に付着することを防止し得る(ブロック354)。例えば、粘着層125の粘性面に、剥離層135をあてがい得る。
【0034】
次に、基材層の逆の面上に親水性材料をコーティングし得る(ブロック356)。例えば、粘着層125と反対側の基材120の面上に親水性層130をコーティング(例えば、吐流、スプレー、ブラシ塗りなど)し得る。ブロック358において、熱又はUV光によるなどして、親水性材料を硬化させる。ブロック360において、ダイカットマシンを使用するなどして、積層材料から、1つ以上のインタフェースパッド115-3を所望の大きさ及び/又は形状に切断する。
【0035】
ブロック362において、剥離層を取り外し、粘着層を、超音波トランスデューサの動作端部にあてがうか、又は患者上の対象の領域に直接あてがう。例えば、剥離層135を取り外して粘着層125の粘着面を露出させ、次いで、粘着層125をトランスデューサ110又は患者105にあてがう。次に、ブロック364において、親水性層を活性化させる。例えば、水又は生理食塩水を使用して親水性層130を活性化させる。最後に、活性化させたインタフェースパッド115-3が固定された超音波トランスデューサを、患者上の対象の領域にあてがうか、又は超音波トランスデューサを、患者に固定された活性化させたインタフェースパッド115-3にあてがう(ブロック366)。
【0036】
図3Dを参照して、両面粘着材を、形成及び/又は供給する(ブロック376)。例えば、粘着層125と第2の粘着層145との間に挟まれた第2の基材140を有する材料を形成する。粘着層125/145に、ポリマー層又はペーパー層などの、1つ以上の剥離層をあてがって、粘着材が、粘着性を失う、又は意図しない材料に付着することを防止し得る(ブロック378)。
【0037】
次に、基材層の逆の面上に親水性材料をコーティングし得る(ブロック380)。例えば、基材120の一方の面上に、親水性層130をコーティング(例えば、吐流、スプレー、ブラシ塗りなど)し得る。ブロック382において、熱又はUV光によるなどして、親水性材料を硬化させる。ブロック384において、ブロック376/378の両面粘着材を、親水性層と反対側の基材層の面に貼り付ける。次に、ダイカットマシンを使用するなどして、積層材料から、1つ以上のインタフェースパッド115-4を、所望の大きさ及び/又は形状に切断する(ブロック386)。
【0038】
ブロック388において、剥離層を取り外し、粘着層を超音波トランスデューサの動作端部にあてがうか、又は患者上の対象の領域に直接あてがう。例えば、剥離層135を取り外して粘着層145の粘着面を露出させ、次いで、粘着層155をトランスデューサ110又は患者105にあてがう。次に、ブロック390において、親水性層を活性化させる。例えば、水又は生理食塩水を使用して親水性層130を活性化させる。最後に、活性化させたインタフェースパッド115-4が固定された超音波トランスデューサを、患者上の対象の領域にあてがうか、又は超音波トランスデューサを、患者に固定された活性化させたインタフェースパッド115-4にあてがう(ブロック392)。
【0039】
本明細書に記載された実施形態によれば、インタフェースパッドは、異なる医療環境又は状況での使用に供される無菌製品又は非無菌製品のいずれかとしてパッケージされ得る。
【0040】
例示的な実装態様の以上の説明は、図示及び説明を提供するが、排他的であることも、本明細書に記載された実施形態を、開示された形態そのものに限定することも意図されていない。変更形態及び変形形態が、上記の教示に照らして可能であり、又は実施形態の実施から得られ得る。
【0041】
本発明を詳細に上述したが、本発明は本発明の趣旨から逸脱せずに変更され得ることが当業者に明らかであろうことは、言うまでもなく明らかである。本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、本発明に、形態、設計、又は配置の様々な変更を加え得る。したがって、上述の説明は、限定的ではなく例示的であるとみなされるものであり、本発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲において定義される範囲である。
【0042】
別段の記載がない限り、本出願の説明において用いられる要素、動作、又は命令のうちで、本発明に非常に重要又は必須であるとみなされるべきものはない。また、本明細書で使用される冠詞「ある(a)」は、1つ以上のアイテムを含むことが意図されている。さらに、語句「に基づいて(based on)」は、別段の断りがない限り、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することが意図されている。
【0043】
請求項要素を修飾する、特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」などの基数用語の使用は、それ自体、一請求項要素の別の請求項要素に対する何等の優先性、優位性、順序も示唆しておらず、その仮の順序で方法の動作が実行されたり、その仮の順序で装置によって命令が実行されたりするが、特定の名称を有する一請求項要素を、(基数用語の使用を除いて)同じ名称を有する別の要素から区別するラベルとして、それら請求項要素を区別するために使用されるにすぎない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D