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特許7001673再生のクイックスタートアップのためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】再生のクイックスタートアップのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/438 20110101AFI20220112BHJP
   H04N 21/4385 20110101ALI20220112BHJP
【FI】
H04N21/438
H04N21/4385
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019503199
(86)(22)【出願日】2017-03-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-23
(86)【国際出願番号】 US2017022348
(87)【国際公開番号】W WO2017172352
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-01-07
(31)【優先権主張番号】15/085,598
(32)【優先日】2016-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518348942
【氏名又は名称】ディビックス, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アミデイ, ウィリアム デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ブラネス, ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ドブリン, クリスティーナ
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0331167(US,A1)
【文献】特表2014-529967(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0003516(US,A1)
【文献】特開2007-215069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのビデオストリームを使用したエンコードされたメディアコンテンツのビデオ再生の高速スタートアップのための方法であって、前記メディアは、少なくとも第1のビデオストリームおよび第2のビデオストリームとしてエンコードされ、前記方法は、
メディアコンテンツの複数の暗号化された代替ストリームおよびクイックスタートアップストリームに関する情報を再生デバイスにおいてコンテンツプロバイダシステムからネットワークを経由して受信することであって、前記複数の暗号化された代替ストリームは、種々のビットレート、分解能、およびフレームレートでエンコードされ、前記複数の暗号化された代替ストリームの各特定のストリーム内のメディアコンテンツは、前記特定のストリームのビットレート、分解能、およびフレームレートのうちの少なくとも1つに基づく特定の品質を有し、前記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの品質は、前記複数の暗号化された代替ストリームのそれぞれのビデオコンテンツより低い品質を有する、ことと、
前記複数の暗号化された代替ストリームに関する情報の受信に応答して、前記複数の暗号化された代替ストリームの少なくとも1つの暗号化された代替ストリームを解読するための解読キーを認証システムから前記ネットワークを経由して前記再生デバイスを使用して要求することと、
前記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツのストリーミングを前記コンテンツプロバイダシステムから前記ネットワークを経由して前記再生デバイスを使用して開始することと、
前記再生デバイスが前記認証システムから解読プロセスのための前記解読キーを受信したこと、前記再生デバイスを使用して判定することと、
記判定に応答して、前記複数の暗号化された代替ストリームのうちの1つ内のメディアコンテンツのストリーミングを前記コンテンツプロバイダシステムから前記ネットワークを経由して前記再生デバイスを使用して開始すること
を含み、
前記複数の暗号化された代替ストリームの少なくとも1つのストリームは、第1の暗号化プロセスを使用して暗号化され、前記クイックスタートアップストリームは、前記第1の暗号化プロセスよりセキュアではない第2の暗号化プロセスを使用して暗号化され、前記方法は、
前記再生デバイスを使用した前記クイックスタートアップストリームに関する情報の受信に応答して、前記第2の暗号化プロセスのための解読キーを取得することと、
前記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの受信に応答して、前記再生デバイスを使用して、前記クイックスタートアップストリームからのメディアコンテンツを第2の解読キーを用いてデコードすることと
をさらに含む、方法。
【請求項2】
前記第2の解読キーは、前記再生デバイスによって、前記クイックスタートアップストリームに関して受信された情報から読み取られる、請求項に記載の方法。
【請求項3】
第2の解読キーを取得することは、
前記再生デバイスを使用して、前記第2の暗号化プロセスに関する解読情報をクイックスタートアップキーに関して受信された情報から読み取ることと、
前記第2の暗号化プロセスからの解読キーをコンテンツプロバイダシステムから前記ネットワークを経由して前記再生デバイスを使用して要求することと、
第2の解読プロセスのための解読キーを前記コンテンツプロバイダシステムから前記再生デバイスにおいて受信すること
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
メディアコンテンツのストリーミングを開始することはさらに、規定量のビデオコンテンツが前記クイックスタートアップストリームを使用して受信されたことと、ある時間量が経過したこととのうちの少なくとも1つ判定に応答する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
記再生デバイスは、前記クイックスタートアップストリーム内の所望の開始位置から前記メディアコンテンツのストリーミングを開始する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
再生デバイスであって、
メモリと、
ネットワークインターフェースと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、
メディアコンテンツに関する情報をコンテンツプロバイダシステムからネットワークを経由して要求することと、
メディアコンテンツの複数の暗号化された代替ストリームおよびクイックスタートアップストリームに関する情報を前記コンテンツプロバイダシステムから前記ネットワークを経由して受信することであって、前記複数の暗号化された代替ストリームは、種々のビットレート、分解能、およびフレームレートでエンコードされ、前記複数の暗号化された代替ストリームの各特定のストリーム内のメディアコンテンツは、前記特定のストリームのビットレート、分解能、およびフレームレートのうちの少なくとも1つに基づく特定の品質を有し、前記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの品質は、前記複数の暗号化された代替ストリームのそれぞれのビデオコンテンツより低い品質を有し、前記複数の暗号化された代替ストリームは、暗号化プロセスを使用して暗号化される、ことと、
前記複数の暗号化された代替ストリームに関する情報の受信に応答して、暗号化プロセスのための解読キーを認証システムから前記ネットワークを経由して前記再生デバイスを使用して要求することと、
前記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツのストリーミングをコンテンツプロバイダシステムから前記ネットワークを経由して開始することと、
前記認証システムから解読プロセスのための前記解読キー受信されたことを判定することと、
記判定に応答して、前記複数の暗号化された代替ストリームのうちの1つ内のメディアコンテンツのストリーミングをコンテンツプロバイダシステムから前記ネットワークを経由して前記再生デバイスを使用して開始することと
を行うように前記プロセッサに指示する、前記メモリ内に記憶される命令を読み取る、プロセッサと
を備え
前記複数の暗号化された代替ストリームの少なくとも1つのストリームは、第1の暗号化プロセスを使用して暗号化され、前記クイックスタートアップストリームは、前記第1の暗号化プロセスよりセキュアではない第2の暗号化プロセスを使用して暗号化され、前記命令はさらに、
前記クイックスタートアップストリームに関する情報の受信に応答して、前記第2の暗号化プロセスのための解読キーを取得することと、
前記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの受信に応答して、前記クイックスタートアップストリームからのメディアコンテンツを第2の解読キーを使用してデコードすることと
を行うように前記プロセッサに指示する、再生デバイス。
【請求項7】
前記第2の解読キーは、前記クイックスタートアップストリームに関して受信された情報から読み取られる、請求項に記載の再生デバイス。
【請求項8】
前記命令は、
前記第2の暗号化プロセスに関する解読情報をクイックスタートアップキーに関して受信された情報から読み取ることと、
前記第2の暗号化プロセスからの解読キーをコンテンツプロバイダシステムから前記ネットワークを経由して要求することと、
第2の解読プロセスのための解読キーを前記コンテンツプロバイダシステムから受信することと
によって、第2の解読キーを取得するように前記プロセッサに指示する、請求項に記載の再生デバイス。
【請求項9】
メディアコンテンツのストリーミングを開始することはさらに、規定量のビデオコンテンツが前記クイックスタートアップストリームを使用して受信されたことと、ある時間量が経過したこととのうちの少なくとも1つ判定に応答する、請求項に記載の再生デバイス。
【請求項10】
記再生デバイスは、前記クイックスタートアップストリーム内の所望の開始位置から前記メディアコンテンツのストリーミングを開始する、請求項に記載の再生デバイス。
【請求項11】
プロセッサ命令を含有する非一過性コンピュータ記憶媒体であって、プロセッサによる前記命令の実行は、前記プロセッサに、
メディアコンテンツの複数の暗号化された代替ストリームおよびクイックスタートアップストリームに関する情報をコンテンツプロバイダシステムからネットワークを経由して受信することであって、前記複数の暗号化された代替ストリームは、種々のビットレート、分解能、およびフレームレートでエンコードされ、前記複数の暗号化された代替ストリームの各特定のストリーム内のメディアコンテンツは、前記特定のストリームのビットレート、分解能、およびフレームレートのうちの少なくとも1つに基づく特定の品質を有し、前記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの品質は、前記複数の暗号化された代替ストリームのそれぞれのビデオコンテンツより低い品質を有し、前記複数の暗号化された代替ストリームは、暗号化プロセスを使用して暗号化される、ことと、
前記複数の暗号化された代替ストリームに関する情報の受信に応答して、暗号化プロセスのための解読キーを認証システムから前記ネットワークを経由して再生デバイスを使用して要求することと、
前記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツのストリーミングをコンテンツプロバイダシステムから前記ネットワークを経由して開始することと、
前記認証システムから解読プロセスのための前記解読キー受信されたことを判定することと、
記判定に応答して、前記複数の暗号化された代替ストリームのうちの1つ内のメディアコンテンツのストリーミングをコンテンツプロバイダシステムから前記ネットワークを経由して開始すること
を含むプロセスを実施させ
前記複数の暗号化された代替ストリームの少なくとも1つのストリームは、第1の暗号化プロセスを使用して暗号化され、前記クイックスタートアップストリームは、前記第1の暗号化プロセスよりセキュアではない第2の暗号化プロセスを使用して暗号化され、前記プロセスはさらに、
前記クイックスタートアップストリームに関する情報の受信に応答して、前記第2の暗号化プロセスのための解読キーを取得することと、
前記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの受信に応答して、前記クイックスタートアップストリームからのメディアコンテンツを第2の解読キーを使用してデコードすることと
を含む、非一過性コンピュータ記憶媒体。
【請求項12】
前記第2の解読キーは、前記クイックスタートアップストリームに関して受信された情報から読み取られる、請求項11に記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
【請求項13】
第2の解読キーを取得することは、
前記第2の暗号化プロセスに関する解読情報をクイックスタートアップキーに関して受信された情報から読み取ることと、
前記第2の暗号化プロセスからの解読キーをコンテンツプロバイダシステムから前記ネットワークを経由して要求することと、
第2の解読プロセスのための解読キーを前記コンテンツプロバイダシステムから受信すること
を含む、請求項11に記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
【請求項14】
メディアコンテンツのストリーミングを開始することはさらに、規定量のビデオコンテンツが前記クイックスタートアップストリームを使用して受信されたことと、ある時間量が経過したこととのうちの少なくとも1つ判定に応答する、請求項11に記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
【請求項15】
記メディアコンテンツをストリーミングすることは、前記クイックスタートアップストリーム内の所望の開始位置から開始する、請求項11に記載の非一過性コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、適応ストリーミングに関し、より具体的には、メディアコンテンツの再生の開始の際に使用するためのクイックスタートアップストリームを含む、ストリーミングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
用語「ストリーミングメディア」は、再生デバイス上におけるメディアの再生を説明しており、メディアは、1つまたはそれを上回るサーバ上に記憶され、再生の間、ネットワークを経由して、再生デバイスに継続的に送信される。典型的には、再生デバイスは、メディアの次の部分の受信に先立って、全てのバッファされたメディアの再生を完了するため、再生デバイスは、再生の間、任意の所与の時間において、十分な量のメディアをバッファ内に記憶し、再生の途絶を防止する。適応ビットレートストリーミングまたは適応ストリーミングは、本ストリーミング条件(例えば、ユーザのネットワーク帯域幅およびCPU容量)をリアルタイムで検出し、適宜、ストリーミングされるメディアの品質を調節することを伴う。典型的には、ソースメディアは、複数のビットレートでエンコードされ、再生デバイスまたはクライアントは、利用可能なリソースに応じて、異なるエンコードのストリーミング間で切り替える。
【0003】
適応ストリーミングソリューションは、典型的には、RFC2616として、Internet Engineering Task ForceおよびWorld Wide Web Consortiumによって公開されたハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、またはRFC2326として、Internet Engineering Task Forceによって公開されたリアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)のいずれかを利用して、サーバと再生デバイスとの間でメディアをストリーミングする。HTTPは、再生デバイスが、ファイル内のバイト範囲を要求することを可能にする、ステートレスプロトコルである。HTTPは、サーバが、再生デバイスから受信された要求に応答するために、情報を要求する再生デバイスの状態または再生デバイスによって要求されたバイト範囲に関する情報を記録することが要求されないため、ステートレスとして説明される。RTSPは、ストリーミングメディアサーバを制御するために使用されるネットワーク制御プロトコルである。再生デバイスは、メディアをストリーミングするサーバに、「再生」および「一時停止」等の制御コマンドを発行し、メディアファイルの再生を制御する。RTSPが利用されるとき、メディアサーバは、各クライアントデバイスの状態を記録し、クライアントデバイスから受信した命令およびクライアントの状態に基づいて、ストリーミングするためのメディアを判定する。
【0004】
適応ストリーミングシステムでは、ソースメディアは、典型的には、実際のビデオおよびオーディオデータを含有する、いくつかの代替ストリームをポイントするトップレベルインデックスファイルとして、メディアサーバ上に記憶される。各ストリームは、典型的には、1つまたはそれを上回るコンテナファイル内に記憶される。異なる適応ストリーミングソリューションは、典型的には、異なるインデックスおよびメディアコンテナを利用する。World Wide Web Consortiumによって開発された同期マルチメディア統合言語(SMIL)は、Microsoft Corporation(Redmond, Washington)によって開発されたIISスムーズストリーミング、およびAdobe Systems Incorporated(SanJose, California)によって開発されたフラッシュダイナミックストリーミングを含む、いくつかの適応ストリーミングソリューションにおいて、インデックスを作成するために利用される。Apple Computer Incorporated(Cupertino, California)によって開発されたHTTP適応ビットレートストリーミングは、典型的には、メディアコンテナファイルを識別する、URIのリストを含有するテキストファイルである、拡張M3U再生ファイル(.M3U8)を使用して、インデックスファイルを実装する。最も一般に使用されるメディアコンテナ形式は、MPEG-4 Part 14(すなわち、ISO/IEC14496-14)に規定されるMP4コンテナ形式、およびMPEG-2 Part 1(すなわち、ISO/IEC規格13818-1)に規定されるMPEGトランスポートストリーム(TS)コンテナである。MP4コンテナ形式は、IISスムーズストリーミングおよびフラッシュダイナミックストリーミングにおいて利用される。TSコンテナは、HTTP適応ビットレートストリーミングにおいて使用される。
【0005】
Matroskaコンテナは、オープン標準プロジェクトとしてMatroska非営利団体(Aussonne, France)によって開発されたメディアコンテナである。Matroskaコンテナは、拡張バイナリメタ言語(EBML)に基づき、これは、拡張マークアップ言語(XML)のバイナリ派生物である。Matroskaコンテナのデコードは、多くの消費者電子機器(CE)デバイスによってサポートされている。DivX, LLC(San Diego, California)によって開発されたDivX Plusファイルフォーマットは、Matroskaコンテナフォーマットの拡張子を利用する(すなわち、Matroskaコンテナフォーマットに基づくが、Matroskaフォーマット内に規定されていない要素を含む)。
【0006】
インターネットを経由してメディアコンテンツの配信のための一貫した手段を提供するために、国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)は、HTTP(DASH)規格を経由した動的適応ストリーミングを推進している。DASH規格は、HTTPを使用したMPEGコンテンツの配信のためのメディアコンテンツおよびコンテンツの記述のためのフォーマットを規定する。DASHによると、プレゼンテーションのためのメディアコンテンツの各コンポーネントは、1つまたはそれを上回るストリーム内に記憶される。ストリームはそれぞれ、セグメントに分割される。メディアプレゼンテーション記述(MPD)は、ストリームのそれぞれ内のセグメントについての情報と、再生の間にメディアコンテンツをプレゼンテーションするために必要とされる他の情報とを含む、データ構造である。再生デバイスは、再生のための適応ビットレートストリーミングを使用してメディアコンテンツのコンポーネントを取得するために、MPDを使用する。
【0007】
多くの場合、コンテンツプロバイダは、メディアコンテンツのストリーム内のデータを暗号化し、非認可ユーザによるメディアコンテンツのアクセスおよび使用から保護する。したがって、再生に先立って、再生デバイスは、認証システムと相互作用し、ストリームからのデータを解読するために使用され得る、キーを取得する必要がある。キーを取得する本プロセスは、多くの場合、完了に時間がかかる、ネゴシエーションプロセスを伴う。したがって、再生デバイスは、キーがネゴシエーションプロセスを完了することによって取得されるまで、ストリームからのメディアコンテンツを解読および再生することができない。ある場合には、これは、容認不可能な時間量にわたって、再生を遅延させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による、ビデオ再生のクイックスタートアップのためのシステムおよび方法が、開示される。本発明の少なくともいくつかの実施形態による、ビデオ再生のクイックスタートアップを提供するためのプロセスは、以下の様式で実施される。再生デバイスが、メディアコンテンツの種々の代替ストリームおよびメディアコンテンツのコンテンツクイックスタートアップストリームに関する情報をプロバイダシステムからネットワークを経由して受信する。代替ストリーム内のメディアコンテンツは、種々のビットレート、分解能、およびフレームレートでエンコードされ、各特定の代替ストリーム内のコンテンツは、特定のストリームのビットレート、分解能、およびフレームレートのうちの少なくとも1つに基づく、特定の品質を有する。クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの品質は、代替ストリームのそれぞれのビデオコンテンツより低い品質を有する。再生デバイスは、クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツのストリーミングをコンテンツプロバイダシステムからネットワークを経由して開始する。再生デバイスは、ストリーミングによって、メトリックが満たされたときを判定する。メトリックが満たされたことに応答して、再生デバイスは、代替ストリームのうちの1つからのメディアコンテンツのストリーミングをコンテンツプロバイダシステムからネットワークを経由して開始する。
【0009】
いくつかの実施形態によると、代替ストリームは、第1の暗号化プロセスを使用して暗号化される。これらの実施形態のうちのいくつかによると、再生デバイスは、代替ストリームに関する情報の受信に応答して、第1の暗号化プロセスのための解読キーを認証システムからネットワークを経由して要求する。再生デバイスは、解読キーの要求に応答して、第1の暗号化プロセスのための解読キーを認証システムから受信し、再生デバイスが解読キーを受信したことに応答して、メトリックが満たされたことを判定する。いくつかの実施形態によると、クイックスタートアップストリームは、第1の暗号化プロセスよりセキュアではない、第2の暗号化プロセスを使用して暗号化され、再生デバイスは、再生デバイスを使用したクイックスタートアップストリームに関する情報の受信に応答して、第2の暗号化プロセスのための解読キーを取得する。再生デバイスは、次いで、クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの受信に応答して、クイックスタートアップストリームからのメディアコンテンツを第2の解読キーを用いてデコードする。いくつかの実施形態によると、第2の解読キーは、再生デバイスによって、クイックスタートアップストリームに関して受信された情報から読み取られる。
【0010】
多くの実施形態によると、再生デバイスは、以下の様式で第2の解読を取得する。再生デバイスは、第2の暗号化プロセスに関する解読情報をクイックスタートアップキーに関して受信された情報から読み取り、第2の暗号化プロセスのための解読キーをコンテンツプロバイダシステムからネットワークを経由して要求する。第2の解読プロセスのための解読キーは、次いで、再生デバイスによって、コンテンツプロバイダシステムから受信される。
【0011】
いくつかの実施形態によると、再生デバイスは、クイックスタートアップストリームを使用して、規定量のビデオコンテンツが受信されたことと、またはある時間量が経過したこととのうちのいずれかの少なくとも1つを判定することによって、メトリックが満たされたことを判定する。
【0012】
いくつかの実施形態によると、再生デバイスは、再生デバイスを使用して、メディアコンテンツの特定の部分がメディアコンテンツの再生のための開始位置であることを判定し、クイックスタートアップストリーム内の判定された特定の部分からメディアコンテンツのストリーミングを開始する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
少なくとも2つのビデオストリームを使用したエンコードされたメディアコンテンツのビデオ再生の高速スタートアップのための方法であって、上記メディアは、少なくとも第1のビデオストリームおよび第2のビデオストリームとしてエンコードされ、上記方法は、
メディアコンテンツの複数の代替ストリームおよびクイックスタートアップストリームに関する情報を再生デバイスにおいてコンテンツプロバイダシステムからネットワークを経由して受信するステップであって、上記複数の代替ストリームは、種々のビットレート、分解能、およびフレームレートでエンコードされ、上記複数の代替ストリームの各特定のストリーム内のメディアコンテンツは、上記特定のストリームのビットレート、分解能、およびフレームレートのうちの少なくとも1つに基づく特定の品質を有し、上記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの品質は、上記複数の代替ストリームのそれぞれのビデオコンテンツより低い品質を有する、ステップと、
上記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツのストリーミングを上記コンテンツプロバイダシステムから上記ネットワークを経由して上記再生デバイスを使用して開始するステップと、
上記再生デバイスを使用して、メトリックが満たされたことを判定するステップと、
上記メトリックが満たされたことの判定に応答して、上記複数の代替ストリームのうちの1つ内のメディアコンテンツのストリーミングを上記コンテンツプロバイダシステムから上記ネットワークを経由して上記再生デバイスを使用して開始するステップと
を含む、方法。
(項目2)
上記複数の代替ストリームは、第1の暗号化プロセスを使用して暗号化され、上記方法は、
上記複数の代替ストリームに関する情報の受信に応答して、上記第1の暗号化プロセスのための解読キーを認証システムから上記ネットワークを経由して上記再生デバイスを使用して要求するステップと、
上記解読キーの要求に応答して、上記第1の暗号化プロセスのための解読キーを上記認証システムから受信するステップと、
上記再生デバイスが上記解読キーを受信したことに応答して、上記メトリックが満たされたことを判定するステップと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記クイックスタートアップストリームは、上記第1の暗号化プロセスよりセキュアではない第2の暗号化プロセスを使用して暗号化され、上記方法は、
上記再生デバイスを使用した上記クイックスタートアップストリームに関する情報の受信に応答して、上記第2の暗号化プロセスのための解読キーを取得するステップと、
上記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの受信に応答して、上記再生デバイスを使用して、上記クイックスタートアップストリームからのメディアコンテンツを第2の解読キーを用いてデコードするステップと
をさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
上記第2の解読キーは、上記再生デバイスによって、上記クイックスタートアップストリームに関して受信された情報から読み取られる、項目3に記載の方法。
(項目5)
第2の解読を取得するステップは、
上記再生デバイスを使用して、上記第2の暗号化プロセスに関する解読情報をクイックスタートアップキーに関して受信された情報から読み取るステップと、
上記第2の暗号化プロセスからの解読キーをコンテンツプロバイダシステムから上記ネットワークを経由して上記再生デバイスを使用して要求するステップと、
第2の解読プロセスのための解読キーを上記コンテンツプロバイダシステムから上記再生デバイスにおいて受信するステップと
を含む、項目3に記載の方法。
(項目6)
上記メトリックが満たされたことを判定するステップは、規定量のビデオコンテンツが上記クイックスタートアップストリームを使用して受信されたことと、ある時間量が経過したこととのうちの少なくとも1つを判定するステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記再生デバイスを使用して、上記メディアコンテンツの特定の部分が上記メディアコンテンツの再生のための開始位置であることを判定するステップをさらに含み、
上記再生デバイスは、上記クイックスタートアップストリーム内の上記判定された特定の部分から上記メディアコンテンツのストリーミングを開始する、項目1に記載の方法。
(項目8)
再生デバイスであって、
メモリと、
ネットワークインターフェースと、
プロセッサであって、上記プロセッサは、
メディアコンテンツに関する情報をコンテンツプロバイダシステムからネットワークを経由して要求することと、
メディアコンテンツの複数の代替ストリームおよびクイックスタートアップストリームに関する情報を上記コンテンツプロバイダシステムから上記ネットワークを経由して受信することであって、上記複数の代替ストリームは、種々のビットレート、分解能、およびフレームレートでエンコードされ、上記複数の代替ストリームの各特定のストリーム内のメディアコンテンツは、上記特定のストリームのビットレート、分解能、およびフレームレートのうちの少なくとも1つに基づく特定の品質を有し、上記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの品質は、上記複数の代替ストリームのそれぞれのビデオコンテンツより低い品質を有する、ことと、
上記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツのストリーミングをコンテンツプロバイダシステムから上記ネットワークを経由して開始することと、
メトリックが満たされたことを判定することと、
上記メトリックが満たされたことの判定に応答して、上記複数の代替ストリームのうちの1つ内のメディアコンテンツのストリーミングをコンテンツプロバイダシステムから上記ネットワークを経由して上記再生デバイスを使用して開始することと
を行うように上記プロセッサに指示する、上記メモリ内に記憶される命令を読み取る、プロセッサと
を備える、再生デバイス。
(項目9)
上記複数の代替ストリームは、第1の暗号化プロセスを使用して暗号化され、上記命令はさらに、
上記複数の代替ストリームに関する情報の受信に応答して、上記第1の暗号化プロセスのための解読キーを認証システムから上記ネットワークを経由して要求することと、
上記解読キーの要求に応答して、上記第1の暗号化プロセスのための解読キーを上記認証システムから受信することと、
上記再生デバイスが上記第1の暗号化プロセスのための解読キーを受信したことに応答して、上記メトリックが満たされたことを判定することと
を行うように上記プロセッサに指示する、項目8に記載の再生デバイス。
(項目10)
上記クイックスタートアップストリームは、上記第1の暗号化プロセスよりセキュアではない第2の暗号化プロセスを使用して暗号化され、上記方法は、
上記クイックスタートアップストリームに関する情報の受信に応答して、上記第2の暗号化プロセスのための解読キーを取得することと、
上記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの受信に応答して、上記クイックスタートアップストリームからのメディアコンテンツを第2の解読キーを使用してデコードすることと
をさらに含む、項目9に記載の再生デバイス。
(項目11)
上記第2の解読キーは、上記クイックスタートアップストリームに関して受信された情報から読み取られる、項目10に記載の再生デバイス。
(項目12)
上記命令は、
上記第2の暗号化プロセスに関する解読情報をクイックスタートアップキーに関して受信された情報から読み取ることと、
上記第2の暗号化プロセスからの解読キーをコンテンツプロバイダシステムから上記ネットワークを経由して要求することと、
第2の解読プロセスのための解読キーを上記コンテンツプロバイダシステムから受信することと
によって、第2の解読を取得するように上記プロセッサに指示する、項目10に記載の再生デバイス。
(項目13)
上記メトリックが満たされたことを判定することは、規定量のビデオコンテンツが上記クイックスタートアップストリームを使用して受信されたことと、ある時間量が経過したこととのうちの少なくとも1つを判定することを含む、項目8に記載の再生デバイス。
(項目14)
上記命令はさらに、
上記メディアコンテンツの特定の部分が上記メディアコンテンツの再生のための開始位置であることを判定するように上記プロセッサに指示し、
上記再生デバイスは、上記クイックスタートアップストリーム内の上記判定された特定の部分から上記メディアコンテンツのストリーミングを開始する、項目8に記載の再生デバイス。
(項目15)
プロセッサ命令を含有する非一過性機械可読媒体であって、プロセッサによる上記命令の実行は、上記プロセッサに、
メディアコンテンツの複数の代替ストリームおよびクイックスタートアップストリームに関する情報をコンテンツプロバイダシステムからネットワークを経由して受信するステップであって、上記複数の代替ストリームは、種々のビットレート、分解能、およびフレームレートでエンコードされ、上記複数の代替ストリームの各特定のストリーム内のメディアコンテンツは、上記特定のストリームのビットレート、分解能、およびフレームレートのうちの少なくとも1つに基づく特定の品質を有し、上記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの品質は、上記複数の代替ストリームのそれぞれのビデオコンテンツより低い品質を有する、ステップと、
上記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツのストリーミングをコンテンツプロバイダシステムから上記ネットワークを経由して開始するステップと、
メトリックが満たされたことを判定するステップと、
上記メトリックが満たされたことの判定に応答して、上記複数の代替ストリームのうちの1つ内のメディアコンテンツのストリーミングをコンテンツプロバイダシステムから上記ネットワークを経由して開始するステップと
を含むプロセスを実施させる、非一過性機械可読媒体。
(項目16)
上記複数の代替ストリームは、第1の暗号化プロセスを使用して暗号化され、上記プロセスはさらに、
上記複数の代替ストリームに関する情報の受信に応答して、上記第1の暗号化プロセスのための解読キーを認証システムから上記ネットワークを経由して要求するステップと、
上記解読キーの要求に応答して、上記第1の暗号化プロセスのための解読キーを上記認証システムから受信するステップと、
上記再生デバイスが上記解読キーを受信したことに応答して、上記メトリックが満たされたことを判定するステップと
を含む、項目15に記載の非一過性機械可読媒体。
(項目17)
上記クイックスタートアップストリームは、上記第1の暗号化プロセスよりセキュアではない第2の暗号化プロセスを使用して暗号化され、上記プロセスはさらに、
上記クイックスタートアップストリームに関する情報の受信に応答して、上記第2の暗号化プロセスのための解読キーを取得するステップと、
上記クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツの受信に応答して、上記クイックスタートアップストリームからのメディアコンテンツを第2の解読キーを使用してデコードするステップと
を含む、項目16に記載の非一過性機械可読媒体。
(項目18)
上記第2の解読キーは、上記クイックスタートアップストリームに関して受信された情報から読み取られる、項目17に記載の非一過性機械可読媒体。
(項目19)
第2の解読を取得するステップは、
上記第2の暗号化プロセスに関する解読情報をクイックスタートアップキーに関して受信された情報から読み取るステップと、
上記第2の暗号化プロセスからの解読キーをコンテンツプロバイダシステムから上記ネットワークを経由して要求するステップと、
第2の解読プロセスのための解読キーを上記コンテンツプロバイダシステムから受信するステップと
を含む、項目17に記載の非一過性機械可読媒体。
(項目20)
上記メトリックが満たされたことを判定するステップは、規定量のビデオコンテンツが上記クイックスタートアップストリームを使用して受信されたことと、ある時間量が経過したこととのうちの少なくとも1つを判定するステップを含む、項目15に記載の非一過性機械可読媒体。
(項目21)
上記プロセスはさらに、
上記メディアコンテンツの特定の部分が上記メディアコンテンツの再生のための開始位置であることを判定するステップを含み、
上記メディアコンテンツをストリーミングするステップは、上記クイックスタートアップストリーム内の上記判定された特定の部分から開始する、項目15に記載の非一過性機械可読媒体。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明のある実施形態による、適応ビットレートストリーミングシステムのネットワーク略図を図示する。
【0014】
図2図2は、本発明のある実施形態による、再生デバイス内の処理システム等の処理システムのコンポーネントのブロック図を図示する。
【0015】
図3図3は、本発明のある実施形態による、エンコードシステムおよび/またはコンテンツプロバイダシステム内の処理システム等の処理システムのコンポーネントのブロック図を図示する。
【0016】
図4図4は、本発明の実施形態による、エンコードシステムによって、メディアコンテンツの暗号化されたデータを含むストリームをエンコードするために実施されるプロセスの流れ図を図示する。
【0017】
図5図5は、本発明のある実施形態による、再生デバイスによって、スタートアップストリームを使用して、メディアコンテンツの再生を開始するために実施されるプロセスの流れ図を図示する。
【0018】
図6図6は、本発明のある実施形態による、再生デバイスによって、暗号化キーを取得するために実施されるプロセスの流れ図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで図面に目を向けると、本発明のいくつかの実施形態による、適応ビットレートストリーミングシステムにおけるメディアコンテンツの再生のクイックスタートアップのためのシステムおよび方法が、図示される。スタートアップは、再生されるべき次のフレームが再生デバイスのバッファ内にまだ記憶されていないときに生じる。スタートアップは、ビデオが最初に開始されるとき、または再生がチャプタ検索または時間検索等の非シーケンシャル再生動作が実施された後に再開されるときに生じ得る。したがって、新しいメディアコンテンツのバッファまたはロードにおける遅延(再生が開始するとき、バッファアンダーフローの可能性を低減させるために)が、新しいメディアコンテンツを表示する際に遅延をもたらし得る。いくつかの実施形態によると、スタートアップは、ストリーム内のエンコードされたメディアコンテンツが暗号化されるときに遅延され、再生デバイスは、最初に、解読キーをネゴシエートおよび受信し、メディアコンテンツをデコードしなければならない。スタートアップにおける遅延は、約数秒であり得、これは、ユーザにとって不満足である。スタートアップのために必要とされる時間を短縮するために、ソースメディアは、本発明のいくつかの実施形態では、通常再生のための少なくとも1つのビデオストリームと、エンコードされたメディアの再生のためのクイックスタートアップを実施するために利用され得る少なくとも1つのストリームとしてエンコードされる。スタートアップ時間をさらに短縮するために、いくつかの他の実施形態では、ソースメディアは、適応ビットレートストリーミングのためのいくつかの代替ストリームと、少なくとも1つの付加的クイックスタートアップストリームとしてエンコードされる。クイックスタートアップストリームでは、ソースメディアは、クイックスタートアップからのエンコードされたメディアの再生が、従来の代替ストリームからのエンコードされたメディアの再生より高速で開始するようにエンコードされる。そのために、クイックスタートアップストリームは、いくつかの実施形態によると、より低い品質バージョンのエンコードされたメディアを含む。本議論の目的のために、より低い品質とは、エンコードされたメディアが、別のストリーム内のエンコードされたメディアより低い分解能、ビットレート、および/またはフレームレートを有することを意味する。いくつかの他の実施形態では、クイックスタートアップストリームは、クイックスタートアップストリームに関する解読情報を取得するための時間が、他の代替ストリームのために使用される暗号化方法のもの未満であるように、他の代替ストリームと異なる様式で暗号化される、より低い品質バージョンのエンコードされたメディアを含んでもよい。いくつかのこれらの実施形態によると、クイックスタートアップストリームは、任意の方法で暗号化されなくてもよい。これらの実施形態のいくつかのその他によると、クイックスタートアップストリームは、再生デバイス内に記憶される解読キーを有し、再生を実施するためにアプリケーションにアクセス可能であって、メディアコンテンツの解読がコンテンツがクイックスタートアップストリームから受信された直後に開始することを可能にする、暗号化プロセスを使用して暗号化される。クイックスタートアップストリームは、従来の代替ストリームのうちの1つの使用より迅速に再生デバイスのバッファをメディアコンテンツで充填し、再生のより迅速なスタートアップを可能にするするために利用されることができる。いくつかの実施形態では、クイックスタートアップストリームをロードするプロセスは、第1のデコーダをインスタント化し、スタートアップストリームをデコードし、第1のデコーダを破棄するステップと、第2のデコーダをインスタント化し、第1のデコーダによるコンテンツの再生の間にバッファされる、より高い分解能および/またはよりロバストに暗号化されたストリームをデコードするステップとを伴うことができる。
【0020】
いくつかの実施形態によると、メディアコンテンツは、DASH規格に従って、ストリーム内に記憶される。しかしながら、当業者は、限定ではないが、Matroska(MKV)コンテナファイルフォーマット等のフォーマットも本発明から逸脱することなく、メディアコンテンツのストリームを記憶するために使用され得ることを認識するであろう。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態による、適応ビットレートストリーミングシステムの性能は、代替ストリームおよびクイックスタートアップストリームのそれぞれ内のソースビデオの各部分を各ビットレートでエンコードし、その結果、ビデオの該部分が、イントラフレームであるインスタントデコーダリフレッシュ(IDR)フレームから開始する、単一(または少なくとも1つ)クローズドグループオブピクチャ(GOP)として各ストリーム内でエンコードされるようにすることによって、大幅に向上されることができる。多くの実施形態では、クイックスタートアップストリーム内のメディアコンテンツはまた、他の代替ストリーム内のビデオコンテンツより低いビットレート、フレームレート、および/または分解能でエンコードされ、他の代替ストリーム内のエンコードされたメディアコンテンツより低い品質を有する。再生デバイスは、通常再生の間に使用される代替ストリームと、セグメントの再生の完了時におけるクイックスタートアップストリームとの間で切り替えることができ、セグメントが取得されるストリームに関係なく、セグメント内の第1のフレームは、クラスタ要素内に含有されるエンコードされたメディア以外の任意のエンコードされたメディアを参照せずにデコードされ得る、IDRフレームとなるであろう。したがって、再生デバイスは、クイックスタートアップストリームからのメディアコンテンツの受信から切り替え、クイックスタートアップストリームが任意の他の利用可能なストリームであるかのように、従来の適応ビットレートストリーミングを実施し得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、MPDは、クイックスタートアップストリームまたは解読キーが取得され得るURL内のエンコードされたメディアコンテンツを解読するために使用され得る、解読キーを含有してもよい。再生デバイスは、MPDから利用可能なストリームのそれぞれに関する情報を取得し、メディアの再生において利用するための1つまたはそれを上回るストリームを選択する。再生デバイスは、次いで、ヘッダ情報を1つまたはそれを上回るビットストリームまたはストリームを含有するコンテナファイルから取得することができ、ヘッダは、ストリームのデコードに関する情報を提供する。再生デバイスはまた、関連コンテナファイル内に記憶されるエンコードされたメディアのセグメントをインデックス化する、インデックス情報を要求することができる。インデックス情報は、コンテナファイル内に、またはMPDもしくは別個のインデックスファイル内のコンテナファイルと別個に記憶されることができる。インデックス情報は、再生デバイスが、エンコードされたメディアの特定の部分を含有するコンテナファイル内のメディアのセグメントに対応するバイト範囲をHTTPを介してサーバから要求することを可能にする。再生デバイスは、いくつかの実施形態によると、インデックス情報を使用して、スタートアップの間、クイックスタートアップストリームからのメディアコンテンツの部分を要求し、次いで、スタートアップが完了した後、他の代替ストリームからエンコードされたメディアの部分を要求する。再生は、再生デバイスがネットワーク条件によってサポートされ得るビットレートでエンコードされたメディアコンテンツを有するストリームからエンコードされたコンテンツの部分を要求することによって継続される。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態による、クイックスタートアップストリームを提供する適応ビットレートストリーミングシステムにおいて使用するためのソースビデオのエンコードおよび適応ビットレートストリーミングを使用したエンコードされたメディアコンテンツの再生が、以下にさらに議論される。
【0024】
(適応ストリーミングシステムアーキテクチャ)
ここで図1を参照すると、本発明の実施形態による適応ストリーミングシステムが、図示される。適応ストリーミングシステム10は、いくつかの代替ストリームとして、ソースメディアをエンコードするように構成される、ソースエンコーダ12を含む。図示される実施形態では、ソースエンコーダは、サーバである。他の実施形態では、ソースエンコーダは、プロセッサと、ソースメディア(限定ではないが、ビデオ、オーディオ、および/または字幕を含む)のトランスコーディングを行うための十分なリソースとを含む、任意の処理デバイスであることができる。典型的には、ソースエンコードサーバ12は、ストリームを含有する複数のコンテナファイルへのトップレベルインデックスを生成し、そのうちの少なくとも複数は、代替ストリームである。代替ストリームは、同一のメディアコンテンツを異なる方法でエンコードする、ストリームである。多くの事例では、代替ストリームは、異なる最大ビットレートでメディアコンテンツ(限定ではないが、ビデオ等)をエンコードする。いくつかの実施形態では、代替ストリームは、異なる解像度および/または異なるフレームレートでエンコードされる。トップレベルインデックスファイルおよびコンテナファイルは、HTTPサーバ14にアップロードされる。種々の再生デバイスは、次いで、HTTPまたは別の適切なステートレスプロトコルを使用して、インターネット等のネットワーク16を介して、トップレベルインデックスファイルおよびコンテナファイルの一部を要求することができる。
【0025】
図示される実施形態では、再生デバイスは、パーソナルコンピュータ18、CEプレーヤ、および携帯電話20を含む。他の実施形態では、再生デバイスは、消費者電子機器デバイス、例えば、DVDプレーヤ、Blu-ray(登録商標)プレーヤ、テレビ、セットトップボックス、ビデオゲームコンソール、タブレット、およびHTTPを介して、サーバに接続し、エンコードされたメディアを再生可能である、他のデバイスを含むことができる。特定のアーキテクチャは、図1に示されるが、適応ビットレートストリーミングではなく、従来のストリーミングを行うシステムを含む、任意の種々のアーキテクチャのいずれかが、再生デバイスが、本発明の実施形態に従って、トップレベルインデックスファイルおよびコンテナファイルの一部を要求することを可能にするように利用されることができる。
【0026】
(再生デバイス)
本発明の実施形態による方法およびシステムを提供するためのいくつかのプロセスは、再生デバイスによって実行される。本発明の実施形態による、適応ストリーミングプロセスを含むプロセスを実施することができる、再生デバイス内の関連コンポーネントが、図2に示される。当業者は、再生デバイスが、本発明の説明される実施形態から逸脱することなく、簡潔にするために省略される他のコンポーネントを含んでもよいことを認識するであろう。再生デバイス200は、プロセッサ205と、不揮発性メモリ210と、揮発性メモリ215とを含む。プロセッサ205は、揮発性メモリ215または不揮発性メモリ210内に記憶された命令を行い、メモリ内に記憶されたデータを操作する、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、またはプロセッサ、マイクロプロセッサ、および/またはコントローラの組み合わせである。不揮発性メモリ210は、本発明の実施形態によるプロセスを含むプロセスを行なうように再生デバイス200を構成するために利用されるプロセッサ命令および/または利用されるプロセスのためのデータを記憶することができる。他の実施形態では、再生デバイスソフトウェアおよび/またはファームウェアは、特定のアプリケーションに適切な種々の非一過性コンピュータ可読媒体のいずれか内に記憶されることができる。
【0027】
(サーバ)
本発明の実施形態による方法およびシステムを提供するためのいくつかのプロセスは、HTTPサーバ、ソースエンコードサーバ、および/またはローカルおよびネットワーク時間サーバによって実行される。本発明の実施形態によるプロセスを行うサーバ内の関連コンポーネントが、図3に示される。当業者は、サーバが、本発明の説明される実施形態から逸脱することなく、簡潔にするために省略される他のコンポーネントを含んでもよいことを認識するであろう。サーバ300は、プロセッサ305と、不揮発性メモリ310と、揮発性メモリ315とを含む。プロセッサ305は、揮発性メモリ315または不揮発性メモリ310内に記憶された命令を行い、メモリ内に記憶されたデータを操作する、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、またはプロセッサ、マイクロプロセッサ、および/またはコントローラの組み合わせである。不揮発性メモリ310は、本発明の実施形態によるプロセスを含むプロセスを行うようにサーバ300を構成するために利用されるプロセッサ命令および/または利用されるプロセスのためのデータを記憶することができる。他の実施形態では、サーバソフトウェアおよび/またはファームウェアは、特定のアプリケーションに適切な種々の非一過性コンピュータ可読媒体のいずれかに記憶されることができる。特定のサーバが、図3に図示されるが、任意の数のプロセスを行うように構成される、種々のサーバのいずれかが、本発明の実施形態に従って利用されることができる。
【0028】
(クイックスタートアップストリームおよび代替ストリームのエンコード)
本発明のある実施形態による、エンコードシステムによって実施されるクイックスタートアップストリームを含む代替ストリームにソースメディアコンテンツをエンコードするためのプロセスの流れ図が、図4に示される。プロセス400は、ソースメディアコンテンツを受信するステップ(405)を含む。いくつかの実施形態によると、ソースメディアコンテンツは、特定の分解能、フレームレート、および他の従来のプロパティを有する、ソースメディアコンテンツを含んでもよい。他の実施形態によると、ソースメディアコンテンツは、特定のソースメディアコンテンツの複数のコピーを含んでもよく、コピーのセット内のソースメディアコンテンツの各コピーは、異なる分解能、フレームレート、および/または他のプロパティを有し、異なるメディアコンテンツ特性をサポートする再生デバイスによる使用のための異なるプロパティを有する、ストリームの生成を可能にする。
【0029】
エンコードシステムは、メディアコンテンツをコンテンツの代替ストリームにエンコードする(410)。種々の実施形態によると、代替ストリームは、エンコードされたビデオコンテンツの1つまたはそれを上回るストリームを含む。いくつかの実施形態によると、生成された代替ストリームは、種々のビットレート、品質レベル、および/またはコンテンツを有する。例えば、各代替ストリームは、(限定ではないが)ネットワーク帯域幅がストリームのための要求されるビットレートを超えるとき等、ネットワーク条件がストリームをサポートし得るとき、各ストリームが使用され得るように、異なるビットレートを有してもよい。さらに、異なる代替ストリームは、多くの実施形態によると、異なるアスペクト比、分解能、および/またはフレームレートを有する、メディアコンテンツを含み、異なるタイプの再生デバイスおよび/または異なるビットレートのストリームをサポートしてもよい。
【0030】
ストリームの生成されたメディアコンテンツは、第1の暗号化プロセスを使用して暗号化される(415)。ストリームの暗号化は、非認可ユーザがメディアコンテンツを視聴することを防止する。いくつかの実施形態によると、第1の暗号化プロセスは、さらに以下に議論されるように、クイックスタートアップストリームを暗号化するために使用されるキーよりセキュアである、第1のキーを使用する。当業者は、任意の暗号化方法が本発明から逸脱することなく使用されてもよいことを認識するであろう。本発明の実施いくつかの形態に従って使用される特定の暗号化プロセスは、「Systems and methods for playing back alternative streams of protected content protected using common cryptographic information」と題され、2014年12月9日にKiefer et al.に発行された米国特許第8,909,922号に説明され、暗号化される材料の適応ビットレートストリーミングに関連する部分が、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0031】
コンテナファイルを参照して前述の情報を含む、代替ストリーム毎のメタデータが、生成される(417)。いくつかの実施形態によると、メタデータは、ストリームのエンコードされた最大ビットレート内に含まれるストリームのプロパティに関連する情報と、各チャンクのプレゼンテーション時間情報(限定ではないが、分解能、フレームレート、およびサンプルアスペクト比を含む、メディアコンテンツのプロパティ)とを含んでもよい。代替ストリームのためのコンテナファイルおよびインデックスファイルが、暗号化された代替ストリームおよび暗号化されたストリームのためのメタデータから生成される。いくつかの実施形態によると、インデックスファイルは、ストリーム毎のメタデータと、適応ビットレートストリーミングにおいて使用するための代替ストリーム毎のポインタまたはURLとを含む、上位レベルインデックスファイルを含んでもよい。
【0032】
当業者は、ストリームの生成(410)、ストリームの暗号化(415)、メタデータの生成(417)、およびコンテナファイルの生成(420)が、別個のプロセスとして示されるが、プロセスは、いくつかの実施形態によると、同時に、または異なるシーケンスで行われてもよいことを認識するであろう。
【0033】
加えて、メディアコンテンツのクイックスタートアップストリームが、生成される(425)。いくつかの実施形態によると、クイックスタートアップストリームは、低品質バージョンのメディアコンテンツを含む。実施形態の多くによると、低品質ストリームは、メディアコンテンツの開始部分等、メディアコンテンツのわずかな部分のみを含んでもよい。例えば、クイックスタートアップストリームは、メディアコンテンツの開始部分の約数秒~数分の部分のみを含み、クイックスタートアップおよびストリーミングの開始のみを可能にしてもよい。随意に、エンコードシステムは、第2の暗号化プロセスを使用して、クイックスタートアップデータを暗号化してもよい(430)。いくつかの実施形態によると、第2の暗号化プロセスは、他の代替ストリームのために使用される第1の暗号化プロセスよりセキュアではない。例えば、第2の暗号化プロセスは、第1の暗号化プロセスにおいて使用される暗号化/解読キーより複雑性が低くあり得る単純な暗号化/解読キーを使用してもよい。クイックスタートアップストリームのためのメタデータが、生成される(445)。いくつかの他の実施形態によると、第2のエンコードプロセスのための暗号化/解読キーは、再生デバイス内に記憶され、アプリケーションがメディアを再生するために利用可能である。多くの実施形態によると、クイックスタートアップストリームのために生成されたメタデータは、上記に説明されるように、代替ストリームのために生成されたメタデータと同一または類似する。
【0034】
エンコードシステムは、次いで、クイックスタートアップストリームをコンテナファイルに追加し、および/または生成されたストリームならびに/もしくは生成されたメタデータを使用して、クイックスタートアップストリームのためのコンテナファイルを生成する(450)。クイックスタートアップストリームのためのコンテナファイルは、上記に説明される、代替ストリームのための生成されたコンテナファイルと同一および/または類似する。クイックスタートアップファイルのためのメタデータもまた、ストリームのためにインデックスファイルに追加される(455)。いくつかの実施形態によると、クイックスタートアップストリームのメタデータのインデックスファイルへの追加は、上位インデックスファイルへのクイックスタートアップストリームのためのメタデータを含む。
【0035】
エンコードシステムはまた、第2の暗号化プロセスに関する暗号化情報をインデックスファイルに追加してもよい(460)。いくつかの実施形態によると、暗号化情報の追加は、第2の暗号化プロセスのための解読キーをクイックスタートアップストリームのためのメタデータを含むインデックスファイルに追加するステップを含んでもよい。いくつかの他の実施形態によると、暗号化情報の追加は、第2の暗号化プロセスのための解読キーを含有するファイルのための識別子またはURLを含んでもよい。
【0036】
当業者は、ストリームの生成(425)、ストリームの暗号化(430)、メタデータの生成(445)、およびコンテナファイルの生成(450)が、別個のプロセスとして示されるが、プロセスは、いくつかの実施形態によると、同時に行われてもよいことを認識するであろう。さらに、当業者は、ストリームの生成(410)、ストリームの暗号化(415)、メタデータの生成(417)、およびコンテナファイルの生成(420)が、代替ストリームを生成するために上記に説明される対応するプロセスから別個として示されるが、クイックスタートアップストリームおよび代替ストリームのためのプロセスは、いくつかの実施形態によると、同時に実施されてもよいことを認識するであろう。
【0037】
代替ストリームをクイックスタートアップストリームでエンコードするための種々のプロセスが、上記に説明されるが、当業者は、クイックスタートアップストリームを含む、ストリームをエンコードするための他のプロセスも、本発明のいくつかの実施形態によると、実施されてもよいことを認識するであろう。
【0038】
クイックスタートアップストリームは、再生デバイスが他の代替ストリームからのメディアコンテンツのデコードを準備している間、再生デバイスによって、メディアコンテンツをより迅速にロード、デコード、および再生を開始するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、クイックスタートアップストリームは、再生デバイスが他の代替ストリーム内のメディアコンテンツを解読およびデコードするための解読キーを取得するプロセスを完了する間、メディアコンテンツの開始部分を再生するために使用されてもよい。多くの実施形態では、クイックスタートアップストリームはまた、トリック再生コマンドが実施された後、メディアコンテンツを取得し、再生デバイスのバッファを充填するために使用されてもよい。本発明のある実施形態による、再生デバイスによってクイックスタートアップストリームを使用して再生を開始するために実施されるプロセスは、図5に示される。
【0039】
プロセス500では、再生デバイスが、メディアコンテンツのための上位レベルインデックスファイルを受信することを開始する(505)。再生デバイスは、メディアコンテンツの代替ストリームに関する解読/暗号化情報を取得する(510)。いくつかの実施形態によると、解読/暗号化情報は、上位レベルインデックスファイルから読み取られる。他の実施形態によると、暗号化/解読情報は、別のソースから受信される。解読/暗号化情報は、再生デバイスを認証システムおよび/またはコンテンツプロバイダシステムによって提供される認証プロセスにダイレクトする、URLまたは他のタイプのポインタ等の識別子であってもよい。解読/暗号化情報に基づいて、再生デバイスは、解読キーを取得するためのプロセスを実施する(515)。
【0040】
再生デバイスはまた、クイックスタートアップストリーム情報を上位レベルインデックスファイルから読み出す(520)。いくつかの実施形態によると、クイックスタートアップストリームは、クイックスタートアップストリームのエンコードされたビデオデータおよび/またはクイックスタートアップストリームのためのインデックスファイルを含有する、コンテナファイルへのURLである。多くの実施形態では、再生デバイスはまた、解読キーまたは他の解読情報を上位レベルインデックスファイル、クイックスタートアップストリームのインデックスファイル、および/またはクイックスタートアップストリームのコンテナファイル内の解読ファイルから取得してもよい(525)。
【0041】
再生デバイスは、次いで、クイックスタートアップストリームコンテナファイルからストリーミングを開始する。そのために、再生デバイスは、クイックスタートアップストリームのメディアコンテンツの一部(すなわち、エンコードされたオーディオ、字幕、および/またはビデオデータ)をクイックスタートアップストリームコンテナファイルから要求する(530)。いくつかの実施形態によると、再生デバイスは、クイックスタートアップストリームコンテナファイルの第1の部分を要求することを開始する。いくつかの実施形態では、再生デバイスは、トリック再生コマンドが実施された後、限定ではないが、メディアコンテンツ内の現在のプレゼンテーションポイント等、ストリーム内の所望のポイントにおけるクイックスタートアップストリームコンテナファイルの部分の要求を開始する。再生デバイスは、要求された部分をコンテンツプロバイダシステム上のコンテナファイルから受信し(535)、メディアコンテンツを再生のために準備する(540)。再生のためのメディアコンテンツの準備は、多くの実施形態によると、受信された部分を解読し、メディアコンテンツを解読された部分からデコードするステップを含んでもよい。
【0042】
再生デバイスは、他の代替ストリームのための解読キーが受信されたかどうかを判定する(545)。いくつかの実施形態によると、別のメトリックが、限定ではないが、規定量のメディアコンテンツが受信されたこと、または所定の時間量が経過したこと等、解読キーの受信の代わりに、またはそれと組み合わせて使用されてもよい。解読キーが受信されず、および/または別のメトリックが満たされない場合、再生デバイスは、クイックスタートアップストリームの別の部分の再生のために、要求(530)、受信(535)、および準備(540)を繰り返す。解読キーが受信され、および/または別のメトリックが満たされた場合、再生デバイスは、従来の様式において、他の代替ストリームでのストリーミングの実施を開始する(550)。ストリームを選択し、再生を開始するためのシステムおよび方法は、「Systems and Methods for Determining Available Bandwidth and Performing Initial Stream Selection WhenCommencing Streaming Using Hypertext Transfer Protocol」と題された米国特許出願公開第2013/0007200号および「Systems and Methods for Performing Multiphase Adaptive Bitrate Streaming」と題された米国特許第8,832,297号に開示されるものを含み、本開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれ、より具体的には、再生デバイスによって、適応ビットレートストリーミングを使用してメディアコンテンツを取得するために実施されるプロセスが、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0043】
クイックスタートアップストリームを使用して再生を開始するための特定のプロセスは、図5を参照して前述されるが、当業者は、クイックスタートアップストリームを用いて再生を開始するための他のプロセスも、種々の本発明の実施形態によると、実施されてもよいことを認識するであろう。
【0044】
代替ストリームのための解読キーを取得するために、再生デバイスは、コンテンツプロバイダシステムおよび/または第三者認証システムとキーに関してネゴシエートしなければならない。本発明のある実施形態による、再生デバイスによって実施されるプロセスは、図6に示される。プロセス600は、認証システムと接続を確立するステップ(605)を含む。いくつかの実施形態によると、確立される接続は、ネットワークを経由したセキュア接続であって、機密情報が第三者によって取得されることができないことを確実にする。再生デバイスは、次いで、認証システムと相互作用し、解読キーに関してネゴシエートする(610)。多くの実施形態によると、ネゴシエーションは、再生デバイスが、証明および/または登録情報を認証システムに提供し、認証システムが、情報を照合し、再生デバイスを認可するステップを含んでもよい。いったん再生デバイスが認可されると、認証システムは、解読キーをセキュア接続を経由して受信する再生デバイスに解読キーを提供する(615)。
【0045】
本発明のある実施形態による、解読キーを取得するための特定のプロセスが、図6に開示されるが、他のプロセスも、再生デバイスによって、本発明の実施形態に従って解読キーを取得するために実施されてもよい。
【0046】
本発明は、ある特定の側面において説明されたが、多くの付加的修正および変形例が、当業者に明白となるであろう。したがって、本発明は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、それらが準拠する特定の規格内に規定されるもの以外の特徴をサポートする、エンコーダおよびデコーダの利用等、実装の種々の変更を含め、具体的に説明される以外にも実践されてもよいことを理解されたい。したがって、本発明の実施形態は、あらゆる点において、制限的ではなく、例証的と見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6