IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイの特許一覧

<>
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図1a
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図1b
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図1c
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図2
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図3
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図4
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図5
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図6
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図7
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図8
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図9
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図10
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図11
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図12
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図13
  • 特許-自動重ね継ぎのための装置および方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】自動重ね継ぎのための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/18 20060101AFI20220112BHJP
   B65H 19/20 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B65H19/18
B65H19/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019505514
(86)(22)【出願日】2017-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 EP2017067520
(87)【国際公開番号】W WO2018024454
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-10
(31)【優先権主張番号】16182641.7
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル・ルーフスタディウス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・パーソン
【審査官】飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/173122(WO,A1)
【文献】特表2005-529012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 19/00-19/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ材料(10)を切断および密封するように構成される切断ユニット(130)と、
前記ウェブ材料(10)を移動させるように構成されるウェブ供給アーム(120)と、
少なくとも1つの検出器(140)と、
制御ユニット(190)と
を備え、
前記制御ユニット(190)が、
i)初期材料ウェブ(10)の少なくとも1つのマーク(20)の位置を判定し、
ii)前記初期材料ウェブ(10)の特定領域が前記切断ユニット(130)に近接して配置されるように、前記判定した位置に基づいて前記ウェブ供給アーム(120)を制御し、
iii)新たに導入された材料ウェブ(10)の少なくとも1つのマーク(20)の位置を判定し、
iv)前記新たに導入された材料ウェブ(10)の特定領域が前記切断ユニット(130)に近接して配置されるように、前記新たに導入された材料ウェブ(10)の前記マーク(20)の前記判定した位置に基づいて前記ウェブ供給アーム(120)を制御し、
v)前記新たに導入された材料ウェブ(10)に対する前記初期材料ウェブ(10)の密封を制御する
ように構成される、
ウェブ材料(10)のための自動重ね継ぎ装置(100)。
【請求項2】
前記ウェブ供給アーム(120)が、前記材料ウェブ(10)の幅方向に延在する、
請求項に記載の自動重ね継ぎユニット(100)。
【請求項3】
前記ウェブ供給アーム(120)が、使用時、前記材料ウェブ(10)の長手方向に対して傾いているように構成される、
請求項またはに記載の自動重ね継ぎユニット(100)。
【請求項4】
前記切断ユニット(130)が、切断アーム(132)と密封アーム(134)とを備える、
請求項のいずれか一項に記載の自動重ね継ぎユニット(100)。
【請求項5】
前記切断アーム(132)および前記密封アーム(134)が、固定されたフレーム(136)上に取り付けられる、
請求項に記載の自動重ね継ぎユニット(100)。
【請求項6】
前記切断アーム(132)および前記密封アーム(134)が、使用時、前記材料ウェブ(10)の長手方向に対して傾斜可能である、
請求項またはに記載の自動重ね継ぎユニット(100)。
【請求項7】
前記切断アーム(132)および前記密封アーム(134)が、前記材料ウェブ(10)の幅方向に延在する、
請求項のいずれか一項に記載の自動重ね継ぎユニット(100)。
【請求項8】
前記切断アーム(132)が、前記密封アーム(134)からある長手方向距離をおいて配置される、
請求項のいずれか一項に記載の自動重ね継ぎユニット(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包装材料の重ね継ぎと呼ばれる、包装材料の2つのウェブの端部を自動的に結合するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボール紙または厚紙などの包装材料、特に、繊維状材料のコアを備える包装用ラミネートは、連続したステップで製造される。ステップの順序ならびに特定のステップの内容は変わってもよく、さらに一例として、工程は、板紙の製造から始めてもよい。
【0003】
板紙は製紙工場で製造されて、大型ロールに巻かれ、そして、印刷物加工施設に出荷される。印刷物加工施設では、大型ロールは広げられ、追加の層、通常、プラスチックおよび/またはアルミニウム箔が、板紙の表面に押し出され(または、積層され)、新しいロール上に巻かれる。同時に、または、その前後に、材料のウェブには好適な装飾および折り目線、すなわち、その後の包装容器が折り曲げられるときのガイドを提供する弱め線も設けられてもよい。
【0004】
工程中のいくつかのステップでは、第1の大型ロールは、幅方向に複数のロールに分けられる。結果として得られるロールは通常、単一の包装容器のための第1の方向への折り目パターンに対応する幅と、特定の数の包装容器のための第2の方向への折り目パターンに対応する長さとを有してもよい。特定の数は通常、数千のオーダーの包装容器であるが、単一のロール上に適合する可能性がある包装容器の最大数は明らかに存在する。
【0005】
ウェブの重ね継ぎは、包装材料のロールの製造における多くの異なるステップで加えることができる、すなわち、重ね継ぎは、印刷物加工工場において全幅ウェブに、または、全幅ウェブを切断した後の単一のパッケージ幅ウェブに実行することができる。典型的な例は、さらなる長さの包装材料を既存のロールに追加しなければならないとき、および、ウェブの一部が不具合を含むことから取り除かれたときである。後者は、多くの場合「ドクタリング(doctoring)」と呼ばれる。
【0006】
プラスチック被覆紙、厚紙、または一般に、被覆された繊維層を備える、液状食品、たとえば、ジュースまたは牛乳のためのパックが知られている。包装材料の製造中、ウェブ材料はロール上に配置される。よって、個々のロールは、事前に浮き彫り加工、刻印、積層などされ、巻き取られた材料ウェブを備える。印刷物加工中、または、その後の充填機の作動中、個々のロールが使い果たされたとき、余裕を持って予備ロールを準備しておかなければならず、使い果たされた個々のロールの「古い」材料ウェブの後縁は、新しい個々のロールの予め準備された前縁に接合しなければならない。2つの材料ウェブを接合するその方法は、「重ね継ぎ」とも呼ばれる。
【0007】
欧州特許第1184311号明細書は、傾斜切り込みを有する材料ウェブの2つの短手方向縁のうちの1つを提供し、次いで、材料ウェブの鋭い縁部を曲げ、液密接着が製品側に行われるようにそれを貼り付ける方法を開示している。これにより、繊維層の当初開いていた面は、プラスチック材料によって覆われ、液密接着される。
【0008】
材料ウェブの自動重ね継ぎは、複数の問題と関連付けられる。材料ウェブロールの後縁を予備材料ウェブロールの短手方向前縁に接着することは、高品質で良好な液密密封の完全性を有する接着性接合を行うように、圧力および熱を材料ウェブの短手方向縁の全幅に適切な量かつ正確な時間だけ加える必要がある。
【0009】
さらに、予備材料ウェブの短手方向前縁の適切な位置決めは、長手方向、短手方向、および角度の位置合わせのいずれの点でも最も重要である。
【0010】
上記を出発点として、特に、通常1.6mの幅を有する全幅材料ウェブの自動重ね継ぎのために、行うべきさらなる改善点がある。その文脈において、重ね継ぎおよび同様の作業における改善は、作業に費やされる時間、結果の品質、下流工程において発生する廃棄物の量などに対する直接的な影響を有することがあることは述べなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本開示は、高く安定した性能および向上した効率を提供する目的を有する、全幅材料ウェブのために実装できる自動重ね継ぎのための新しい方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのために、本開示は、その第1の態様による、包装材料のウェブを重ね継ぎするための方法に関すると言ってもよい。方法は、自動重ね継ぎ装置を通して包装材料のウェブを案内することと、検出器によって材料ウェブの少なくとも1つのマークの位置を判定することと、材料ウェブの特定領域が切断ユニットに近接して配置されるように、判定した位置に基づいて材料ウェブを移動させることと、材料ウェブの別の先端部を形成するために材料ウェブを切断することとを含む。方法はまた、別の材料ウェブの新しい先端部を自動重ね継ぎ装置に導入することと、新たに導入された材料ウェブの少なくとも1つのマークの位置を判定することと、新たに導入された材料ウェブの特定領域が切断ユニットの密封アームに近接して配置されるように、判定した位置に基づいて新たに導入された材料ウェブを移動させることと、材料ウェブの別の先端部と新たに導入された材料ウェブとを密封することとを含む。
【0013】
ある実施形態によると、マークの位置を判定することは、撮像装置および関連する画像解析の形態の検出器を使用して実行される。
【0014】
方法は、新たに導入された材料ウェブの特定領域が切断ユニットの密封アームに近接して配置されるように、判定した位置に基づいて新たに導入された材料ウェブを移動させる前に、新たに導入された材料ウェブを切断することをさらに含んでもよい。
【0015】
切断ユニットの位置は、重ね継ぎ作業の間ずっと固定されてもよい。
【0016】
材料ウェブを切断することと新たに導入された材料ウェブを切断することとは、好ましくは、材料ウェブの横方向に対してある角度で実行されてもよい。
【0017】
ある実施形態において、方法は、別の材料ウェブの新しい先端部を自動重ね継ぎ装置に導入する前に、材料ウェブの先端部を密封位置の方へ長手方向に移動させることをさらに含む。
【0018】
第2の態様に従って、ウェブ材料のための自動重ね継ぎ装置が提供される。装置は、ウェブ材料を切断および密封するように構成される切断ユニットと、ウェブ材料を移動させるように構成されるウェブ供給アームと、少なくとも1つの検出器と、制御ユニットとを備える。制御ユニットは、初期材料ウェブの少なくとも1つのマークの位置を判定し、初期材料ウェブの特定領域が切断ユニットに近接して配置されるように、判定した位置に基づいてウェブ供給アームを制御し、新たに導入された材料ウェブの少なくとも1つのマークの位置を判定し、新たに導入された材料ウェブの特定領域が切断ユニットに近接して配置されるように、新たに導入された材料ウェブのマークの判定した位置に基づいてウェブ供給アームを制御し、新たに導入された材料ウェブに対する初期材料ウェブの密封を制御するように構成される。
【0019】
ウェブ供給アームは、材料ウェブの幅方向に延在してもよい。
【0020】
ある実施形態において、ウェブ供給アームは、使用時、材料ウェブの長手方向に対して傾いているように構成される。
【0021】
切断ユニットは、切断アームと密封アームとを備えてもよく、切断アームおよび密封アームは、固定されたフレーム上に取り付けられてもよい。
【0022】
ある実施形態において、切断アームおよび密封アームは、使用時、材料ウェブの長手方向に対して傾斜可能である。
【0023】
切断アームおよび密封アームは、材料ウェブの幅方向に延在してもよい。
【0024】
切断アームは、いくつかの実施形態において、前記密封アームからある長手方向距離をおいて配置されてもよい。
【0025】
さらなる実施形態は、詳細な説明で開示され、すべての実施形態の特徴は、さらなる利点を実現するために自由に組み合わされてもよいことが強調されなければならない、すなわち、実施形態は例によって提供され、添付の特許請求の範囲内で利用可能なすべての代替形態の網羅的なリストを提供することは意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a】包装材料のウェブを処理するための基本的なシステムの概略の側面図である。
図1b】ある実施形態による自動重ね継ぎ方法の切断ステップ中の、図1aに示されたシステムの側面図である。
図1c】自動重ね継ぎ方法の密封ステップにおける、図1a~bに示されたシステムの側面図である。
図2】いろいろな実施形態による重ね継ぎ方法で使用される包装材料のウェブの上面図である。
図3】ある実施形態による重ね継ぎ方法の概略図である。
図4】ある実施形態による自動重ね継ぎ装置の上面図である。
図5-14】作業中の、図4に示された自動重ね継ぎ装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1a~cは、本開示の自動重ね継ぎ作業の仕組みを極限まで簡略化して示す。示されているものは、第1のリール2から第2のリール4まで巻き取られている包装材料のウェブ10である。第1のリールと第2のリールとの間で、ウェブ10は、複数のローラおよびガイド(図示せず)の上下を通ってもよい。さらにまた、少なくとも1つの切断および密封装置6、8(図1b~c参照)が、包装材料ウェブ10の経路に沿って配置される。切断および密封装置6、8は、図1b~cで概略的に示され、図4~14を参照して後でさらに詳細に説明される自動重ね継ぎ装置の一部を形成する。
【0028】
供給側リール2がほとんど使い果たされると、材料ウェブは、図1bに示されるように、短手方向に切断される。新しい第2のリール3から繰り出されたウェブの先端は、図1cに示されるように、第1のリール4のウェブの終端に重ね合わされる。次いで、図1cにさらに示されるように、第2のリール3からのウェブの先端は、第1のリール4のウェブの終端に重ね継がれ、その結果、材料ウェブ処理を間断なく続けることができる。
【0029】
密封は、たとえば、事前に設定された時間、熱と圧力との組合せを使用して実行されてもよい。1つまたは複数の実施形態において、熱は、包装材料から形成される包装容器の内部の方をその後に向く包装材料の側から加えられる。しかしながら、加熱は、所望の効果が実現される限り、さまざまな傾きで、さまざまな方向から行われてもよいことは理解すべきである。
【0030】
密封ユニット、特に、熱および圧力を提供する密封バーは、明確に定義された力が接合される領域の上に加えられるように、空気圧で制御されてもよく、油圧で制御されてもよく、または、ばね付勢されてもよい。
【0031】
テールおよびヘッドは、融合する端部を説明するのに使用される。すなわち、それぞれ、包装材料の第1のウェブの終端、および、包装材料の第2のウェブの先端である。
【0032】
上記の概要は、ドクタリングのために作動するように容易に変更される可能性があることは理解すべきである。そのような場合には、図1cの第2のリール3は、図1a~bの元の第2のリール2と置き換えられ、それによって、材料ウェブ10の2つの短手方向の切断が、材料ウェブ10の不必要な部分を取り除くために実行される。よって、包装材料の第1のウェブおよび包装材料の第2のウェブは、不具合区域が取り除かれるドクタリング作業において切断される同じ包装材料のウェブでもよい。
【0033】
後述する自動重ね継ぎ装置の理解を容易にするために、包装材料のウェブの一部の概要が図2に関して提供される。包装材料のウェブ10は、図2の矢印で示される長手方向Lに供給されると仮定する。さらに、図2から分かるように、包装材料のウェブ10は全幅ウェブであり、後で、複数の個々のウェブ10a、10b、10cに切断される。次いで、個々のウェブ10a~cはそれぞれ、充填機に供給され、厚紙ベースのパッケージがウェブ10a~cから製造されて、内容物が充填される。ウェブ10は、個々のウェブ10a~cを後で形成するために、3つの並列の短手方向セクション10a~cを含むが、当然、他の数の短手方向セクション10a~cが実現される可能性があることは理解すべきである。
【0034】
通常、ウェブ10は約1.6mの幅Wを有する。各短手方向セクション10a~cは、W=w1+w2+w3であるような幅w1~3を有する。短手方向セクション幅w1~3は、必ずしも等しくなくてもよい。
【0035】
各短手方向セクション10a~cは、個々のパッケージがそれから形成されてもよいように処理される。よって、各短手方向セクション10a~cは、大量の長手方向セクション10a1、10a2、10a3、10b1、10b2、10b3、10c1、10c2、10c3を備える。通常、各短手方向セクション10a~cは、数千もの連続する長手方向セクションを含む。
【0036】
各長手方向セクション10a1~10c3は、個々のパッケージを形成するように構成される。長手方向セクション10a1に関して、各長手方向セクションは、最終的なパッケージの下端を形成するための折り目線が設けられる下側領域11aと、最終的なパッケージの上端を形成するための折り目線が設けられる上側領域11bと、最終的なパッケージの縦長の本体を形成する中央領域11cとを有する。
【0037】
少なくとも1つのマーク20は好ましくは、各長手方向セクション10a1~10c3のどこかに設けられる。少なくとも1つのマーク20は、たとえば、視覚マーク、または、たとえば、関連する磁気センサ回路によって検出できる磁性粒子を含む埋込マーク、または、それらの組合せであってもよい。磁性埋込マークの場合、磁性粒子は周囲包装材料に対するコントラストを提供するので、そのようなマークは光学的に検出されてもよいことは理解すべきである。好ましくは、少なくとも1つのマーク20の位置は、たとえば、ウェブ10の外縁部、関連するまたは隣接する折り目線領域11a、11bの端部までの長手方向距離などに関して明確である。
【0038】
図2から分かるように、短手方向セクション10a~cは、角度αだけ互いに対してずらされている。そのようなずらされた構成の理由は変化してもよいが、場合によっては、折り目付けローラ、すなわち、折り目線パターンが設けられているローラにおいて、折り目線が共通の短手方向領域上に配置される場合に発生することがある周期的な振動を回避することが有利であることがある。
【0039】
ここで、折り目線についてのいくつかの一般的コメントが提示される。折り目線は、包装材料にプレスされた折り曲げるしるしであり、包装材料が包装容器の形成のために意図されるとき、折り目線のパターンは、包装材料上に「印刷される」。包装容器を見ると、折り目線の大部分は、包装容器の底部および頂部が形成される領域、すなわち、領域11a~bに配置され、したがって、短手方向の重ね継ぎの切断は、包装容器の本体11cに対応する領域で行われる。正確な位置はそれほど重要ではなく、方法は、任意の折り目線を有していない材料に適用してもよい。折り目線の動力学および使用は、研究の領域そのものであり、本開示のために、当業者は、上記の短い説明がなくても十分な知識を有しているであろう。形成される包装容器の頂部と底部との間のどこかで重ね継ぎの切断を行うことについては、1つのさらなる理由がある。その理由は、重ね継ぎを含む包装材料のセクションから形成されるパッケージは通常、廃棄されることに関係がある。容器の中央に切れ目を有することによって、単一の包装容器は1つだけが重ね継ぎによる影響を受け、そのため、包装容器は1つだけ廃棄されることが保証される。この事実は、結果として得られる包装容器が結局のところ廃棄されるのであれば、重ね継ぎの性能がなぜそれほど重要であるのかという問題を提起することがある。1つの答えは、それがほとんどの充填システムが作動する方法であるので、パッケージは充填前に廃棄されないことである。したがって、以前の漏洩または他の不具合は相当の問題を引き起こし、その理由のために、重ね継ぎは、無傷で、液圧に耐えることができる必要がある。
【0040】
重ね継ぎの切断のための好適な位置は、1つまたは複数の実施形態において、重ね継ぎの切断が最小量の折り目線と交差する領域に対応してもよく、よって、ウェブ10の短手方向に対する重ね継ぎの切断角度は、ずらし角度αに等しくてもよく、または、ずらし角度αに近くてもよい。
【0041】
ここで、図3を参照すると、材料のウェブを自動重ね継ぎするための方法30の実施形態が説明されている。最初、ステップ31において、重ね継ぎが必要であることが判定される。この判定の理由は、たとえば、供給ロールが空になりそうであること、または、ドクタリングが必要であることであってもよい。その後、ステップ32において、望ましい重ね継ぎの正確な位置が決定される。これは、たとえば、ウェブ10の特定領域内の1つまたは複数のマーク20の位置を検出することによって、この現在位置に基づいて、好適な重ね継ぎ位置を計算するために、実行されてもよい。次のステップ33において、材料のウェブ10は、ウェブ10の計算された重ね継ぎ位置が関連する切断ユニットの切断領域に配置されるように前方に供給される。ステップ34において、切断ユニットは、好ましくはずらし角度αで、切断作業を実行する。切断されたウェブ10の終端は所定の位置に固定され、古い供給ロールが空になっている場合には、古いロールは新しい供給ロールと取り替えられる。
【0042】
続くステップ35において、新しいウェブロールが自動重ね継ぎ装置に取り付けられ、ステップ36において、新しいウェブ10の先端の望ましい切断の正確な位置が決定される。しかしながら、ドクタリングの場合には、すなわち、同じウェブロールを使用するときには、ステップ35は省略され、ステップ36は同じウェブロールに対して実行されることは理解すべきである。このような実施形態において、望ましい切断の正確な位置は、不具合領域を検出して、不具合領域を越えた望ましい切断の位置を設定することによって決定される。
【0043】
望ましい切断の正確な位置を決定するステップ36は、たとえば、新しいウェブ10の特定領域内の1つまたは複数のマーク20の現在位置を検出することによって、この現在位置に基づいて、好適な切断位置を計算するために、実行されてもよい。
【0044】
ステップ37において、ウェブは望ましい位置で切断され、任意選択的に、このステップは、望ましい切断位置が切断ユニットの領域に配置されるまで新しいウェブを前および/または横方向に移動させるステップの後に行う。
【0045】
ステップ38において、新しいウェブの先端は、重ね継ぎ位置、すなわち、古いウェブの終端が固定されたのと同じ位置に到達するまで、前進移動によって移動される。この位置に配置されると、古いウェブの終端を新しいウェブの先端に密封することによって重ね継ぎが実現される。
【0046】
上記ステップはすべて、図4に概略的に示されるような自動重ね継ぎ装置100によって自動的に実行することができる。自動重ね継ぎ装置100は、入力端部101と出力端部102との間で、関連する材料ウェブの長手方向に延在する。自動重ね継ぎ装置100は、ウェブ供給アーム120が移動可能に支持されるウェブ供給フレーム110を備える。よって、ウェブ供給アーム120は、ウェブ供給フレーム110に対してその長手方向位置を変えることができる。
【0047】
ウェブ供給アーム120は、材料ウェブの先端を長手方向に移動させるように構成され、この目的のために、ウェブ供給アーム120には、材料ウェブをウェブ供給アーム120に固定するための手段122が設けられる。そのような固定手段122は、たとえば、ウェブ供給アーム120の横方向の伸長に沿って分布する真空吸着ノズル、接着剤、または同様のものを含んでもよい。好ましくは、固定手段122は、材料ウェブの固定を、それぞれ、作動および停止できるように制御可能である。
【0048】
ウェブ供給アーム120は好ましくは、そのそれぞれの端部123a、123bでウェブ供給フレーム110に支持される。このために、ウェブ供給フレーム110は、2本の平行なビーム112a、112bを備え、その上で、ウェブ供給アーム120の支持体124は摺動または移動してもよい。支持体124は、ウェブ供給フレーム110に沿った長手方向への望ましい移動を実現するためのリニアモータなどの駆動装置(図示せず)を有してもよい。
【0049】
ウェブ供給アーム120の支持体124の駆動装置は、好ましくは、一方の支持体124が他方の支持体124から独立して移動できるように、個々に制御される。これによって、ウェブ供給フレーム110に対するウェブ供給アーム120の傾斜の実現が可能になる。この目的のために、ウェブ供給アーム120は、後でさらに説明されるように、それぞれの支持体124に枢動可能に接続される。
【0050】
さらに、支持体124には、ウェブ供給フレーム100に対するウェブ供給アーム120の横方向の位置決めが調整可能または制御可能であるような、さらなる位置制御装置も設けられてもよい。
【0051】
自動重ね継ぎ装置100は、切断ユニット130をさらに備える。切断ユニット130は、切断アーム132と密封アーム134とを有する。切断アーム132を作動させることによって材料ウェブの全幅を切断できるように、切断アーム132はウェブ供給フレーム110を横切って延在する。同様に、密封アーム134を作動させることによって材料ウェブの全幅を溶封または重ね継ぎできるように、密封アーム134はウェブ供給フレーム110を横切って延在する。
【0052】
切断アーム132および密封アーム134は、傾斜した状態でウェブ供給フレーム110を横切って延在し、それにより、傾斜角βが、望ましい切断角度、すなわち、材料ウェブのずらし角度α(図2参照)に対応する。好ましくは、傾斜角βは自動的に設定され、それは、傾斜角βが材料ウェブの現在のずらし角度αに応じて調整可能であることも意味する。よって、制御ユニット190は好ましくは、たとえば、操作者からのそのような入力を受信することによって、ずらし角度αを決定し、それに応じて傾斜角βを設定するように構成される。
【0053】
示された例において、切断アーム132および密封アーム134は、長方形のフレーム構造136のそれぞれの側部を形成する。フレーム構造136全体が傾斜しており、それは、切断アーム132および密封アーム134が常に互いに対して同じ位置にとどまることを意味する。
【0054】
切断アーム132および密封アーム134は、好ましくは撮像装置140の形態である検出器に対して固定位置に配置される。撮像装置140は好ましくは、平坦な支持面142上に配置され、それにより、撮像装置140が材料ウェブの画像を記録するために作動するとき、材料ウェブを支持面142によって平面状に維持することができる。他の実施形態において、検出器は、たとえば、磁気マークの存在および位置を検出するように構成される磁気読取装置でもよい。
【0055】
自動重ね継ぎ装置100は、後部ウェブ処理ユニット150も有する。後部ウェブ処理ユニット150は、材料ウェブの端部を長手方向に移動させるように構成され、この目的のために、後部ウェブ処理ユニット150には、材料ウェブを後部ウェブ処理ユニット150に固定するための手段152が設けられる。ウェブ供給アーム120と同様に、後部ウェブ処理ユニット150の固定手段152は、たとえば、後部ウェブ処理ユニット150の横方向の伸長に沿って分布する真空吸着ノズル、接着剤、または同様のものを含んでもよい。好ましくは、固定手段152は、材料ウェブの固定を、それぞれ、作動および停止できるように制御可能である。
【0056】
後部ウェブ処理ユニット150は、後部ウェブ処理ユニット150の2つの対向する側端部を案内する2本の平行ビーム162a、162bを有する後部ウェブ処理フレーム160に沿って、長手方向に移動可能である。後部ウェブ処理ユニット140は、制御された方法で材料ウェブを移動させる同じ機能を有する他の機器と取り替えられてもよいことに注目すべきである。よって、後部ウェブ処理ユニット150は、自動重ね継ぎ装置100の形成部よりもむしろ下流機器の一部であってもよい。
【0057】
ウェブ供給アーム120および後部ウェブ処理ユニット150を同じ長手方向位置に位置付けることができるように、ウェブ供給フレーム110と後部ウェブ処理フレーム160との間にはある一定の長手方向の重なりがある。
【0058】
駆動ユニット(図示せず)は、後部ウェブ処理フレーム160に沿って後部ウェブ処理ユニット150を移動させるために設けられてもよい。後部ウェブ処理ユニット150は、後部ウェブ処理フレーム160の長手方向の伸長に垂直に配置されることに注目すべきである。
【0059】
任意選択的に、後部撮像装置170は、後部ウェブ処理ユニット150の領域に設けられる。後部撮像装置170は好ましくは、平坦な支持面172上に配置され、それにより、撮像装置170が材料ウェブの画像を記録するために作動するとき、材料ウェブを支持面172によって平面状に維持することができる。後部撮像装置170を利用する実施形態のために、そのような後部撮像装置170は、材料ウェブの適切な位置を検証するように構成されてもよい。
【0060】
撮像装置140、170は好ましくは、包装材料ウェブの本体における区別可能領域を監視するように配置される。「区別可能領域」は、レジスタマーク、または単なる、上で説明された装飾の特定の領域に対応してもよい。商業的に利用可能な多くの種類の撮像装置があり、簡単のため、それらは以下では「カメラ」と呼ぶ。目的に適した任意の種類のデジタルまたはアナログ撮像装置が使用できる。
【0061】
自動重ね継ぎ装置100の作業を制御するための制御ユニット190も設けられる。作業の一般的原理が図5~14を参照して説明されるが、制御ユニット190の機能についてのいくつかの一般的コメントが提供される。
【0062】
制御ユニット190は、材料ウェブのマークの位置に関する情報を備える撮像装置140、170などの検出器からの入力を受信する。受信した情報は、たとえば、撮像画像であってもよく、それによって、制御ユニット190は、マークの正確な位置を読み出すために画像解析を実行するように構成される。代替的な実施形態において、画像装置140、170は、マークの正確な位置を読み出すために、専用ソフトウェアをそれ自体に実装しており、それによって、制御ユニット190は、特定のマークに対して判定された座標を受信する。
【0063】
制御ユニット190は、画像装置140、170から受信された入力に基づいて、材料ウェブの移動を制御するようにさらに構成される。制御ユニット190と自動重ね継ぎ装置100の特定の部品との間の(図4の矢印で示される)通信リンクによって制御は実行される。図4に示されるように、制御ユニット190は、支持体124の駆動装置に制御信号を送信することによって、ウェブ供給アーム120の移動を制御するように構成される。さらに、制御ユニット190はまた、ウェブ供給アーム120の保持手段122の作動および停止を制御するように構成される。
【0064】
制御ユニット190はまた、材料ウェブ10の切断を実行するために、切断アーム132の保持手段133の作動、ならびに、切断アーム132自体の作動を制御するように構成される。同様に、制御ユニット190は、密封アーム134およびその関連する保持手段135に制御信号を送信するように構成される。
【0065】
制御ユニット190はまた、後部ウェブ処理ユニット150の移動、ならびに、後部ウェブ処理ユニット150の保持手段152の作動および停止を制御するように構成される。
【0066】
制御ユニット190と自動重ね継ぎ装置100のさまざまな部品との間の通信リンクは好ましくは双方向であり、それにより、制御ユニット190はまた、ウェブ供給アーム120、切断ユニット130、および後部ウェブ処理ユニット150の現在の状態および位置に関する入力信号を受信する。
【0067】
制御ユニット190は、マークの判定された位置に基づいて、および、基準座標系に基づいて、自動重ね継ぎ装置100のさまざまな部品の移動を制御するように構成される。各移動は、ウェブ供給アーム120および後部ウェブ処理ユニット150の正確な位置決めが可能であるように、この基準座標系に基づいて制御される。
【0068】
ここで、図5~14を参照すると、自動重ね継ぎ装置100の作業が説明されている。
【0069】
図5において、アイドル状態が示され、材料のウェブ10は、供給ロール2から自動重ね継ぎ装置100を通して連続的に供給されている。切断ユニット130は固定位置に配置され、長手方向位置は、撮像装置140などの検出器から、所定のかつ明確な距離に固定される。傾斜角は、上記のように、材料ウェブのずらし角度に従って設定および固定される。さらに、このアイドル状態において、ウェブ供給アーム120は、ウェブ供給フレーム110の前端に位置付けられ、一方、後部ウェブ処理ユニット150は、後部ウェブ処理フレーム160の後端に位置付けられる。図5に示されるアイドル状態において、自動重ね継ぎ装置による材料ウェブ10の係合はない。
【0070】
ここで、図6を参照すると、重ね継ぎを実行することが決定されたとき、材料ウェブ10の繰り出しは止められる。次いで、ウェブ供給アーム120は、固定手段122を作動させることによって、材料ウェブ10と係合し、前進方向で所定の端位置P1まで長手方向に移動する。材料ウェブ10は、この移動の間、ウェブ供給アーム120に固定され、それにより、材料ウェブ10は、それに応じて供給される。この位置P1で、後部撮像装置170の支持面172に配置される真空ホルダ180(図4参照)などの保持手段が、材料ウェブ10の位置を固定する。
【0071】
材料ウェブ10の長手方向位置が固定されると、ウェブ供給アーム120は後方に移動し、同時に、切断ユニット130の傾斜角に適応する。傾斜角は、材料ウェブのずらし角度αに従って設定される。これは、図7に示される。ウェブ供給アーム120の傾斜は、支持駆動装置を個別に制御することによって実現される。ウェブ供給アーム120が後方に移動すると同時に、後部ウェブ処理ユニット150は、後方に、すなわち、切断ユニット130の方へ長手方向に、所定の端位置P1に到達するまで移動する。切断ユニット130の位置は不変のままである。
【0072】
撮像装置を利用する実施形態については、この位置において、撮像装置140は、ウェブ材料10の少なくとも1つの画像を取り込むように作動する。これによって、撮像装置140は、材料ウェブ10上に設けられた任意のマークのx座標およびy座標(すなわち、長手方向および横方向の位置)を検出するように構成される視覚システムの一部を形成する。マークは、たとえば、レジスタマーク、埋込磁気マーク、または同様のものでもよい。マークの正確な位置、すなわち、検出されたxおよびy座標は、自動重ね継ぎ装置100のさまざまな部品の作業も制御するように構成される制御ユニット190(図4参照)に送信される。そのような制御可能な部品は、たとえば、ウェブ供給アーム駆動装置、後部ウェブ処理ユニット駆動装置、保持手段180、固定手段122、152、切断アーム132、および密封アーム134を含む。
【0073】
マークの受信した座標に基づいて、制御ユニット190は制御し、材料ウェブ10は、後部ウェブ処理ユニット150によって長手方向の前進方向に移動する。この移動は、マークの位置に対して、材料ウェブ10の好適な領域が切断アーム132に近接して配置されるように制御される。後部ウェブ処理ユニット150の正確な移動は、材料ウェブ10によって形成されるパッケージの寸法、材料ウェブのずらし角度に基づいて、廃棄物を最小にするために計算される。
【0074】
材料ウェブ10が適切な位置に移動されると、材料ウェブ10は、所定の位置に固定されて、好ましくは鋭角に切断される。固定は、たとえば、切断アーム132の保持手段133を作動させることによって実現されてもよい。
【0075】
切断は、ウェブの厚さ方向に対して、約10~30°、たとえば、約20°などの角度で実行されてもよい。後者のアプローチは、繊維状材料の未処理縁部が密封領域に曝露する危険性を減少させる切下げ面を生成する。この特徴は、前述の欧州特許第1184311号明細書で開示されており、本明細書ではさらには説明しない。
【0076】
切断アーム132の作動後、材料ウェブ10は2つの分離された部分に分かれ、材料ウェブ10の先端部は、ウェブ供給アーム120と後部ウェブ処理ユニット150との間の同期された移動によって長手方向前方に移動される。上述したように、後部ウェブ処理ユニット150は、他の等価な機器と取り替えられてもよい。材料ウェブ10の先端部の終端が密封アーム134に近接して配置されると、この移動は停止する。ここで、密封アーム134の固定手段135は、材料ウェブ10の先端部の位置を固定するために作動する。密封アーム134の固定手段135および切断アーム132の保持手段133は、たとえば、それぞれのアーム132、134の横方向の伸長にわたって分布する多数の真空ノズルによって実装されてもよい。
【0077】
材料ウェブ10の先端部が密封アーム134の所定の位置に固定されると、供給ロール2を含む材料ウェブ10の終端部は、自動重ね継ぎ装置100から取り外される。これは、図9に示される。しかしながら、重ね継ぎがドクタリングのために実行される場合、供給ロール2は、自動重ね継ぎ装置100の入口側に残してもよい。
【0078】
図10において、新しい供給ロール3が自動重ね継ぎ装置100に装填された。同時に、ウェブ供給アーム120は、ウェブ供給フレーム110の前端のそのアイドル位置に戻された。この位置に配置されると、ウェブ供給アーム120は、新しい材料ウェブ10と係合し、新しい材料ウェブ10が切断ユニット130の切断アーム132を通るまで、新しい材料ウェブ10を長手方向前方に移動させる。所定の長手方向位置P2に到達すると、ウェブ供給アーム120の動きは止まる。これは、図11に示される。
【0079】
ウェブ供給アーム120が位置P2に到達すると、撮像装置140は、新しい材料ウェブ10のマークの少なくとも1つの画像を取り込むように作動する。適切な画像解析によってマークの正確なx座標およびy座標が判定され、自動重ね継ぎ装置100のさらなる制御のために、制御ユニット190に送信される。そのようなさらなる制御は、材料ウェブ10の特定のセクションが切断アーム132の近接に位置付けられるように、新しい材料ウェブ10の位置を修正することを含む。正確な位置は、マークの新たに検出されたx座標およびy座標に基づいて、しかし、ここでは密封アーム134で固定されている「古い」材料ウェブ10の事前に検出されたx座標およびy座標にも基づいて判定される。
【0080】
新しい材料ウェブ10の位置決めは、材料ウェブ10の長手方向ならびに横方向の調整によって実現される。位置調整は、たとえば、上記の駆動装置または駆動ユニットによって、長手方向および横方向の両方にウェブ供給アーム120を制御することによって実行される。
【0081】
適切な位置決めが実現されるとすぐに、材料ウェブ10は、切断アーム132(より正確には、切断アーム132の保持手段133)によって、所定の位置に固定され、その後、材料ウェブ10の別の台形部分を形成するために、切断が実行される。これは図12に示される、しかしながら、図では、台形部分は、切断アーム132と密封アーム134との間に設けられた廃棄物ハッチによって取り除かれている。その後、ウェブ供給アーム120は、切断アーム132の直前の傾斜位置まで長手方向後方に移動する。ここで、ウェブ供給アーム120は材料ウェブ10と係合し、一方、材料ウェブ10は、切断アーム132の保持手段133から解放される。
【0082】
図13に示される、最終的な作業ステップにおいて、ウェブ供給アーム120は、密封アーム134の方へ長手方向前方に移動する。後続の材料ウェブ10は、「古い」材料ウェブ10にある程度重なり合うまで前方に供給される。この位置で、新しい材料ウェブ10の先端は、密封アーム134の固定手段135によって、所定の位置に固定され、その後、密封を実行することができる。密封作業は、材料ウェブ10の重なり領域を、一定量のエネルギおよび圧力に所定時間さらすことによって実行される。
【0083】
密封の完了後、2つの材料ウェブ10は接合され、上流側および下流側機器のさらなる作業を再開することができる。次いで、ウェブ供給アーム120は、図14に示されるように、そのアイドル位置に戻される。
【0084】
重ね継ぎは、長手方向および横方向の両方において、±0.5mmの幾何公差を示した。
【0085】
上記を鑑みて、自動重ね継ぎ装置100は、元の材料ウェブ上ならびに新しい材料ウェブ上に存在するマークの位置を判定するように構成される、撮像装置などの検出器を新たに使用することによって、材料ウェブの2つの端部を重ね継ぐことが可能である。2つの材料ウェブ端部は、それらのそれぞれの切断位置に移動され、その位置は、それぞれのマークに対して判定された位置に基づく。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14