(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】導波送出器の動的インピーダンス整合のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04B 3/56 20060101AFI20220112BHJP
H01P 5/04 20060101ALI20220112BHJP
H01P 3/10 20060101ALI20220112BHJP
H01P 3/16 20060101ALI20220112BHJP
H03H 7/38 20060101ALI20220112BHJP
H04B 3/36 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
H04B3/56
H01P5/04 607
H01P3/10
H01P3/16
H03H7/38 Z
H04B3/36
(21)【出願番号】P 2019546801
(86)(22)【出願日】2018-01-29
(86)【国際出願番号】 US2018015634
(87)【国際公開番号】W WO2018156307
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2021-01-29
(32)【優先日】2017-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507220730
【氏名又は名称】エイ・ティ・アンド・ティ インテレクチュアル プロパティ アイ,エル.ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ラパポート,ハーロルド リー
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-504109(JP,A)
【文献】特表2017-505557(JP,A)
【文献】特開2004-297107(JP,A)
【文献】特表2013-526954(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0373937(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105900344(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/56
H01P 5/04
H01P 3/10
H01P 3/16
H03H 7/38
H04B 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送出器であって、
1つ又は複数の調整可能な回路要素を含むインピーダンス整合回路であって、入力無線周波数(RF)信号を受信し、且つ前記入力RF信号に応答して出力RF信号を生成するインピーダンス整合回路と、
前記出力RF信号に応答して、伝送媒体の表面に沿って導波される電磁波を生成するように構成された導波送出器であって、前記導波される電磁波は、電気帰還路を必要とせずに前記伝送媒体の前記表面に沿って伝搬し、前記導波される電磁波は、非光学搬送周波数を有する、導波送出器と、
前記出力RF信号に基づいて不整合信号を生成するように構成された定在波比メータを含む不整合プローブであって、前記不整合信号は、前記導波送出器のインピーダンス不整合を示す、不整合プローブと、
前記不整合信号に応答して1つ又は複数の制御信号を生成するように構成されたコントローラであって、前記1つ又は複数の制御信号は、前記インピーダンス整合回路の前記1つ又は複数の調整可能な回路要素を調整し、前記1つ又は複数の調整可能な回路要素の調整は、前記導波送出器の前記インピーダンス不整合の低減を促進する、コントローラと
を含み、
前記導波送出器は、前記伝送媒体のエリアにおける天候状況に基づいて変化するインピーダンスを有し、前記1つ又は複数の制御信号は、前記伝送媒体の前記エリアにおける前記天候状況に基づいて変化する前記インピーダンスを補償するように前記インピーダンス整合回路の前記1つ又は複数の調整可能な回路要素を調整する、送出器。
【請求項2】
前記インピーダンス整合回路は、パイ形回路網、L形回路網又はT形回路網として構成される、請求項1に記載の送出器。
【請求項3】
前記1つ又は複数の調整可能な回路要素は、1つ又は複数の調整可能なインピーダンスを含む、請求項1に記載の送出器。
【請求項4】
前記1つ又は複数の調整可能なインピーダンスは、調整可能なキャパシタ又は調整可能なインダクタを含む、請求項3に記載の送出器。
【請求項5】
前記1つ又は複数の調整可能なインピーダンスは、複数の調整可能なインピーダンスを含み、前記1つ又は複数の制御信号は、複数の制御信号を含み、前記複数の制御信号のそれぞれは、前記複数の調整可能なインピーダンスの対応する1つを制御する、請求項3に記載の送出器。
【請求項6】
前記1つ又は複数の調整可能な回路要素は、調整可能変圧器を含む、請求項1に記載の送出器。
【請求項7】
前記導波送出器は、ホーン送出器、ストリップ線送出器、非同軸送出器、反射送出器、スロット送出器又は螺旋送出器である、請求項1に記載の送出器。
【請求項8】
前記コントローラは、ルックアップテーブルを含む、請求項1に記載の送出器。
【請求項9】
前記導波される電磁波は、広帯域変調信号を介して変調され、及び前記インピーダンス整合回路は、送信機の広帯域インピーダンス整合を前記導波送出器に提供する、請求項1に記載の送出器。
【請求項10】
前記導波される電磁波は、10GHz未満の周波数の範囲を有する、請求項1に記載の送出器。
【請求項11】
前記導波される電磁波は、ミリメートル波周波数帯域の周波数の範囲を有する、請求項1に記載の送出器。
【請求項12】
1つ又は複数の調整可能な回路要素を含むインピーダンス整合回路を介して、入力無線周波数(RF)信号を受信することと、
前記インピーダンス整合回路を介して、前記入力RF信号に応答して出力RF信号を生成することと、
導波送出器を介して、且つ前記出力RF信号に応答して、伝送媒体の表面に沿って導波される電磁波を生成することであって、前記導波される電磁波は、電気帰還路を必要とせずに前記伝送媒体の前記表面に沿って伝搬し、前記導波される電磁波は、非光学搬送周波数を有する、生成することと、
定在波比メータを含む不整合プローブを介して、前記出力RF信号に基づいて不整合信号を生成することであって、前記不整合信号は、前記導波送出器のインピーダンス不整合を示す、生成することと、
コントローラを介して、前記不整合信号に応答して1つ又は複数の制御信号を生成することであって、前記1つ又は複数の制御信号は、前記インピーダンス整合回路の前記1つ又は複数の調整可能な回路要素を調整し、前記1つ又は複数の調整可能な回路要素の調整は、前記導波送出器の前記インピーダンス不整合の低減を促進する、生成することと
を含み、
前記導波送出器は、前記伝送媒体のエリアにおける天候状況に基づいて変化するインピーダンスを有し、前記1つ又は複数の制御信号は、前記伝送媒体の前記エリアにおける前記天候状況に基づいて変化する前記インピーダンスを補償するように前記インピーダンス整合回路の前記1つ又は複数の調整可能な回路要素を調整する、方法。
【請求項13】
前記インピーダンス整合回路は、パイ形回路網、L形回路網又はT形回路網として構成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ又は複数の調整可能な回路要素は、調整可能なキャパシタ又は調整可能なインダクタを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ又は複数の調整可能な回路要素は、調整可能変圧器を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する特許/特許出願の相互参照
本PCT出願は、2017年2月27日に出願された「APPARATUS AND METHODS FOR DYNAMIC IMPEDANCE MATCHING OF A GUIDED WAVE LAUNCHER」という名称の米国実用出願米国特許出願公開第15/443,941号明細書に対する優先権を主張するものであり、この出願は、全体的として参照により本明細書に援用され、あらゆる目的において本PCT出願の一部をなす。
【0002】
本開示は、通信ネットワークにおけるマイクロ波伝送を介した通信に関する。
【背景技術】
【0003】
スマートフォン及び他のポータブルデバイスが次第に普及し、データ使用量が増えるにつれ、マクロセル基地局デバイス及び既存のワイヤレスインフラストラクチャは、増加する需要に対処するために、これまで以上により高い帯域幅容量を必要としている。更なるモバイル帯域幅を与えるために、スモールセルの展開が推進されつつあり、この展開において、マイクロセル及びピコセルがこれまでのマクロセルよりはるかに小さいエリアのためのカバレッジを提供している。
【0004】
加えて、大半の家庭及び企業は、成長して音声、動画及びインターネット閲覧等のサービスで広帯域データアクセスに依存している。広帯域アクセスネットワークは、衛星、4G又は5Gワイヤレス、電力線通信、ファイバ、ケーブル及び電話回線網を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで、必ずしも一定の縮尺で描かれていない添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本明細書において説明される種々の態様による、導波通信システムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図2】本明細書において説明される種々の態様による、送信デバイスの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図3】本明細書において説明される種々の態様による、電磁場分布の一例の非限定的な実施形態を示すグラフィック図である。
【
図4】本明細書において説明される種々の態様による、電磁場分布の一例の非限定的な実施形態を示すグラフィック図である。
【
図5A】本明細書において説明される種々の態様による、周波数応答の一例の非限定的な実施形態を示すグラフィック図である。
【
図5B】本明細書において説明される種々の態様による、種々の動作周波数での導波される電磁波の場を示す、絶縁線の長手方向断面の一例の非限定的な実施形態を示すグラフィック図である。
【
図6】本明細書において説明される種々の態様による電磁場分布の一例の非限定的な実施形態を示すグラフィック図である。
【
図7】本明細書において説明される種々の態様によるアーク結合器の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図8】本明細書において説明される種々の態様によるアーク結合器の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図9A】本明細書において説明される種々の態様によるスタブ結合器の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図9B】本明細書において説明される種々の態様による電磁分布の一例の非限定的な実施形態を示す図である。
【
図10A】本明細書において説明される種々の態様による、結合器及び送受信機の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図10B】本明細書において説明される種々の態様による、結合器及び送受信機の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図11】本明細書において説明される種々の態様による二重スタブ結合器の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図12】本明細書において説明される種々の態様による、リピーターシステムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図13】本明細書において説明される種々の態様による、双方向リピーターの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図を示す。
【
図14】本明細書において説明される種々の態様による導波路システムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図15】本明細書において説明される種々の態様による、導波通信システムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図16A】本明細書において説明される種々の態様による、電力網通信システムを管理するシステムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図16B】本明細書において説明される種々の態様による、電力網通信システムを管理するシステムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図17A】
図16A及び
図16Bのシステムの通信ネットワークにおいて生じる外乱を検出及び軽減する方法の一例の非限定的な実施形態を示す流れ図を示す。
【
図17B】
図16A及び
図16Bのシステムの通信ネットワークにおいて生じる外乱を検出及び軽減する方法の一例の非限定的な実施形態を示す流れ図を示す。
【
図18A】導波される電磁波を伝搬させる伝送媒体の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図18B】導波される電磁波を伝搬させる伝送媒体の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図18C】導波される電磁波を伝搬させる伝送媒体の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図18D】本明細書において説明される種々の態様による、結束伝送媒体の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図18E】本明細書において説明される種々の態様による、
図18Dの結束伝送媒体の第1の伝送媒体と第2の伝送媒体との間のクロストークを示すプロットの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18F】本明細書において説明される種々の態様による、クロストークを軽減する結束伝送媒体の一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18G】本明細書において説明される種々の態様による、内部導波路を有する伝送媒体の一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18H】本明細書において説明される種々の態様による、内部導波路を有する伝送媒体の一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18K】導波される電磁波が伝搬する伝送媒体の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図18L】本明細書において説明される種々の態様による、クロストークを軽減する結束伝送媒体の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。
【
図18M】本明細書において説明される種々の態様による、アンテナとして用いられる結束伝送媒体からの露出スタブの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18N】本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18O】本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18P】本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18Q】本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18R】本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18S】本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18T】本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18U】本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18V】本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18W】本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図18X】本明細書において説明される種々の態様による、誘電体アンテナの一例の非限定的な一実施形態並びに対応する利得及び場強度プロットを示すブロック図である。
【
図18Y】本明細書において説明される種々の態様による、誘電体アンテナの一例の非限定的な一実施形態並びに対応する利得及び場強度プロットを示すブロック図である。
【
図18Z】本明細書において説明される種々の態様による、別の誘電体アンテナ構造の一例の非限定的な一実施形態のブロック図である。
【
図19A】電柱により支持される電力線上に導波される電磁波を誘導するのに用いられる
図18Aの伝送媒体の一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図19B】電柱により支持される電力線上に導波される電磁波を誘導するのに用いられる
図18Aの伝送媒体の一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図19C】本明細書において説明される種々の態様による通信ネットワークの一例の非限定的な一実施形態のブロック図である。
【
図20A】下りリンク信号を送信する方法の一例の非限定的な一実施形態の流れ図を示す。
【
図20B】上りリンク信号を送信する方法の一例の非限定的な一実施形態の流れ図を示す。
【
図20C】本明細書に記載される様々な態様による伝送媒体上に電磁波を誘導し受信する方法の一例の非限定的な実施形態の流れ図を示す。
【
図20D】本明細書に記載される様々な態様による通信システムの一例の非限定的な実施形態のブロック図を示す。
【
図20E】本明細書に記載される様々な態様によるインピーダンス整合回路の一例の非限定的な実施形態のブロック図を示す。
【
図20F】本明細書に記載される様々な態様によるインピーダンス整合回路の一例の非限定的な実施形態のブロック図を示す。
【
図20G】本明細書に記載される様々な態様によるインピーダンス整合回路の一例の非限定的な実施形態のブロック図を示す。
【
図20H】本明細書に記載される様々な態様による調整可能なインピーダンスの一例の非限定的な実施形態の概略図を示す。
【
図20I】本明細書に記載される様々な態様による調整可能なインピーダンスの一例の非限定的な実施形態の概略図を示す。
【
図20J】本明細書に記載される様々な態様によるインピーダンス整合回路の一例の非限定的な実施形態のブロック図を示す。
【
図20K】本明細書に記載される様々な態様による方法の一例の非限定的な実施形態の流れ図を示す。
【
図21A】本明細書において説明される種々の態様による、ハイブリッド波を送出する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図21B】本明細書において説明される種々の態様による、ハイブリッド波を送出する導波路デバイスの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図22】本明細書において説明される種々の態様による、
図21A及び
図21Bの導波路デバイスにより送出されるハイブリッド波の一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図である。
【
図23】本明細書において説明される種々の態様による計算環境の一例の非限定的な実施形態のブロック図である。
【
図24】本明細書において説明される種々の態様による、モバイルネットワークプラットフォームの一例の非限定的な実施形態のブロック図である。
【
図25】本明細書において説明される種々の態様による通信デバイスの一例の非限定的な実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここで、1つ又は複数の実施形態が図面を参照しながら説明され、図面では、同じ参照符号が全体を通して同じ要素を指すために用いられる。以下の説明では、説明の目的上、種々の実施形態の完全な理解を提供するために多数の細部が記載される。しかし、種々の実施形態を、これらの細部を用いることなく(及び任意の特定のネットワーク化された環境又は標準規格に適用することなく)実施できることは明らかである。
【0008】
一実施形態では、導波される電磁波を介してデータ又は他のシグナリング等の通信信号を送受信する導波通信システムが提示される。導波される電磁波は、例えば、伝送媒体に結合又は導波される表面波又は他の電磁波を含む。例示的な実施形態から逸脱することなく、導波通信と併せて多様な伝送媒体が利用可能であることが理解されよう。そのような伝送媒体の例としては、単独で又は1つ若しくは複数の組み合わせで以下の1つ又は複数を含むことができる:絶縁されるか否か、及び単線であるか又は撚り線であるかに関係なく、電線;電線束、ケーブル、ロッド、レール、パイプを含む他の形状若しくは構成の導体;誘電体パイプ、ロッド、レール若しくは他の誘電体部材等の非導体;導体と誘電体材料との組み合わせ;又は他の導波伝送媒体。
【0009】
伝送媒体における導波される電磁波の誘導は、電気回路の一部としての伝送媒体に注入されるか又は他に伝送するいかなる電位、電荷又は電流からも独立することができる。例えば、伝送媒体が電線である場合、電線に沿った導波の伝搬に応答して、小さい電流を電線中に形成することができ、これが電線表面に沿った電磁波の伝搬に起因し得、電気回路の一部としての電線に注入される電位、電荷又は電流に応答して形成されないことを理解されたい。したがって、電線上の進行する電磁波は、電線表面に沿って伝搬するのに回路を必要としない。したがって、電線は、回路の一部ではない単層伝送線路である。また、幾つかの実施形態において、電線は必要なく、電磁波は、電線ではない単線伝送媒体に沿って伝搬することができる。
【0010】
より一般には、本開示により説明される「導波される電磁波」又は「導波」は、伝送媒体の少なくとも一部(例えば、裸線若しくは他の導体、誘電体、絶縁電線、導管若しくは他の中空要素、誘電体若しくは絶縁体で被膜、被覆若しくは囲まれた絶縁電線の束若しくは他の電線束又は別の形態の固体、液体若しくは他の非ガス伝送媒体)である物理的物体の存在により行われて、物理的物体により少なくとも部分的に向けられるか又は誘導され、物理的物体の伝送路に沿って伝搬する。そのような物理的物体は、伝送媒体の界面(例えば、外面、内面、外面と内面との間の内部又は伝送媒体の要素間の他の境界)により、導波される電磁波の伝搬を誘導する伝送媒体の少なくとも一部として動作することができ、導波される電磁波の伝搬は、送信側デバイスから伝送路に沿って受信側デバイスにエネルギー、データ及び/又は他の信号を搬送することができる。
【0011】
導波されない電磁波の進行距離の二乗に反比例して強度が下がる無誘導(又は非結合)電磁波等のワイヤレス信号の自由空間伝搬と異なり、導波される電磁波は、導波されない電磁波が受けるよりも小さい単位距離当たりの大きさ損失で伝送媒体に沿って伝搬することができる。
【0012】
電気信号と異なり、導波される電磁波は、送信側デバイスと受信側デバイスとの間に別個の電気帰還路を必要とせずに送信側デバイスから受信側デバイスに伝搬することができる。その結果、導波される電磁波は、送信側デバイスから受信側デバイスに、導電性部品を有さない(例えば、誘電性ストリップを有する)伝送媒体に沿って、又は1個以下の導体(例えば、1本の裸線又は絶縁電線)を有する伝送媒体を介して伝搬することができる。伝送媒体が1つ又は複数の導電性部品を含み、伝送媒体に沿って伝搬する導波される電磁波が、導波される電磁波の方向において1つ又は複数の導電性部品を流れる電流を生成する場合でも、そのような導波される電磁波は、送信側デバイスと受信側デバイスとの間での電気帰還路で逆電流が流れる必要なく、送信側デバイスから伝送媒体に沿って受信側デバイスに伝搬することができる。
【0013】
非限定的な例示において、送信側デバイスと受信側デバイスとの間で導電媒体を経由して電気信号を送受信する電気システムを考える。そのようなシステムは、一般に、電気的に別個の順路及び帰還路に依存する。例えば、絶縁体で隔てられた中心導体及び接地シールドを有する同軸ケーブルを考える。通常、電気システムでは、送信側(又は受信側)デバイスの第1の端子は、中心導体に接続することができ、送信側(又は受信側)デバイスの第2の端子は、接地シールドに接続することができる。送信側デバイスが第1の端子を介して中心導体に電気信号を注入する場合、電気信号は中心導体に沿って伝搬し、中心導体に順電流を生じさせ、接地シールドに帰還電流を生じさせる。同じ状況が2端子受信側デバイスにも当てはまる。
【0014】
これとは対照的に、電気帰還路なしで、導波される電磁波の送信及び受信に伝送媒体(中でも特に同軸ケーブルを含む)の異なる実施形態を利用することができる、本開示において説明されるような導波通信システムを考える。1つの実施形態では、例えば、本開示の導波通信システムは、同軸ケーブルの外面に沿って伝搬する導波される電磁波を誘導するように構成することができる。導波される電磁波は、接地シールドに順電流を生じさせるが、導波される電磁波は、導波される電磁波が同軸ケーブルの外面に沿って伝搬できるようにするために帰還電流を必要としない。同じことが、導波される電磁波を送受信するために導波通信システムにより使用される他の伝送媒体についても言える。例えば、裸線又は絶縁電線の外面に導波通信システムにより誘導された導波される電磁波は、電気帰還路なしで裸線又は絶縁電線に沿って伝搬することができる。
【0015】
したがって、送信側デバイスにより注入された電気信号の伝搬を可能にするために、別個の導体で順電流及び逆電流を搬送する2つ以上の導体を必要とする電気システムは、伝送媒体の界面に沿った導波される電磁波の伝搬を可能にするために電気帰還路が必要ない、伝送媒体の界面上に導波される電磁波を誘導する導波システムと異なる。
【0016】
本開示に記載される導波される電磁波は、伝送媒体に結合されるか又は伝送媒体によって導波されるために、また伝送媒体の外面上を又は外面に沿って微小な距離より長い距離(non-trivial distances)を伝搬するために、伝送媒体の主に又は実質的に外側に存在する電磁場構造を有し得ることに更に留意されたい。他の実施形態では、導波される電磁波は、伝送媒体に結合されるか又は伝送媒体によって導波されるために、また伝送媒体内の微小な距離より長い距離を伝搬するために、伝送媒体の主に又は実質的に内側に存在する電磁場構造を有することができる。他の実施形態では、導波される電磁波は、伝送媒体に結合されるか又は伝送媒体によって導波されるために、また伝送媒体に沿って微小な距離より長い距離を伝搬するために、伝送媒体の部分的に内側且つ部分的に外側に存在する電磁場構造を有することができる。一実施形態での所望の電場構造は、所望の伝送距離、伝送媒体自体の特性及び伝送媒体の外部の環境状況/特性(例えば、降雨、霧、大気条件等の存在)を含む多様な要因に基づいて様々であり得る。
【0017】
本明細書に記載される種々の実施形態は、導波される電磁波をミリメートル波周波数(例えば、30GHz~300GHz)で伝送媒体に送出し及び/又はそれから抽出する「導波路結合デバイス」、「導波路結合器」、又はより簡単に「結合器」、「結合デバイス」、又は「送出器」と呼ぶことができる結合デバイスに関連し、ここで、ミリメートル波長は、電線の外周若しくは他の断面寸法等の結合デバイス及び/又は伝送媒体の1つ又は複数の寸法と比較して小さいか、又は300MHz~30GHz等の低域マイクロ波であり得る。伝送は、誘電材料のストリップ、アーク又は他の長さ;ホーン、モノポール、ロッド、スロット又は他のアンテナ;アンテナのアレイ;磁気共鳴キャビティ又は他の共鳴結合器;コイル、ストリップライン、導波路又は他の結合デバイス等の結合デバイスにより導波される波として伝搬するように生成することができる。動作において、結合デバイスは、電磁波を送信機又は伝送媒体から受信する。電磁波の電磁場構造は、結合デバイスの内部、結合デバイスの外部又はそれらの何らかの組み合わせで存在することができる。結合デバイスが伝送媒体に近い場合、電磁波の少なくとも一部分は、伝送媒体に結合され、導波される電磁波として引き続き伝搬する。往復では、結合デバイスは、伝送媒体から導波を抽出し、これらの電磁波を受信機に転送することができる。
【0018】
例示的な実施形態によれば、表面波は、電線の外部若しくは外側の表面又は異なる特性(例えば、誘電率)を有する別のタイプの媒体に隣接又は露出した電線の別の表面等の伝送媒体の表面により導波されるタイプの導波である。実際に、例示的な実施形態では、表面波を導波する電線の表面は、2つの異なるタイプの媒体間の遷移面を表すことができる。例えば、裸線又は非絶縁電線の場合、電線の表面は、空気又は自由空間に露出した裸線又は非絶縁電線の外側又は外部導体表面であり得る。別の例として、絶縁電線の場合、電線の表面は、絶縁体、空気及び/又は導体の特性(例えば、誘電率)の相対的な違いに応じて、更に導波の1つ又は複数の周波数及び伝搬モードに応じて、電線の絶縁体部分と接触する電線の導電部分であり得るか、又は他に空気若しくは自由空間に露出した電線の絶縁体表面であり得るか、又は他に電線の絶縁体表面と電線の絶縁体部分に接触する電線の導電部分との間の任意の材料領域であり得る。
【0019】
例示的な実施形態によれば、導波と併せて使用される電線又は他の伝送媒体の「周囲」という用語は、円形又は実質的に円形の場分布、対称的な電磁場分布(例えば、電場、磁場、電磁場等)又は電線若しくは他の伝送媒体の少なくとも部分的に周りの他の基本モードパターンを有する導波等の基本的な導波伝搬モードを含むことができる。加えて、導波は、電線又は他の伝送媒体の「周囲」を伝搬する場合、基本波動伝搬モード(例えば、ゼロ次モード)のみならず、加えて又は代わりに、高次導波モード(例えば、一次モード、二次モード等)、非対称モード及び/又は電線又は伝送媒体の周りに非円形場分布を有する他の導波(表面波)等の非基本波動伝搬モードを含む導波伝搬モードに従ってそうすることができる。本明細書において用いられるとき、「導波モード」という用語は、伝送媒体、結合デバイス又は導波通信システムの他のシステムコンポーネントの導波伝搬モードを指す。
【0020】
例えば、そのような非円形場分布は、相対的に高い場強度によって特徴付けられる1つ又は複数の方位ローブ及び/又は相対的に低い場強度、零場強度又は実質的な零場強度によって特徴付けられる1つ又は複数のヌル又はヌル領域を伴う片側又は多方向であり得る。更に、場分布は、例示的な実施形態に従って、電線の周囲の方位(azimuthal orientation)の1つ又は複数の領域が方位の1つ又は複数の他の領域より高い電場強度又は磁場強度(又はその組み合わせ)を有するように、他に電線周囲の長手方向の方位の関数として変化することができる。高次モード又は非対称モードの導波の相対的向き又は相対的位置は、導波が電線に沿って進行するにつれて変化する可能性があることは理解されよう。
【0021】
本明細書において用いられるとき、「ミリメートル波」という用語は、30GHz~300GHzの「ミリメートル波周波数帯」内にある電磁波/信号を指すことができる。「マイクロ波」という用語は、300MHz~300GHzの「マイクロ波周波数帯」内にある電磁波/信号を指すことができる。「無線周波数」又は「RF」という用語は、10kHz~1THzの「無線周波数帯域」内にある電磁波/信号を指すことができる。本開示において説明されるワイヤレス信号、電気信号及び導波される電磁波が、例えば、ミリメートル波及び/又はマイクロ波周波数帯域内、その上又はその下の周波数における等、任意の所望の周波数範囲において動作するように構成し得ることが理解される。特に、結合デバイス又は伝送媒体が導電要素を含む場合、結合デバイスにより搬送され、及び/又は伝送媒体に沿って伝搬する導波される電磁波の周波数は、導電要素内の電子の平均衝突周波数未満であり得る。更に、結合デバイスにより搬送され、及び/又は伝送媒体に沿って伝搬する導波される電磁波の周波数は、非光学周波数、例えば、1THzで始まる光学周波数範囲未満の無線周波数であり得る。
【0022】
本明細書において用いられるとき、「アンテナ」という用語は、ワイヤレス信号を送信/放射又は受信する送信システム又は受信システムの部分であるデバイスを指すことができる。
【0023】
1つ又は複数の実施形態によれば、スマート送出器は、1つ又は複数の調整可能な回路要素を有するインピーダンス整合回路であって、入力無線周波数(RF)信号を受信し、且つ入力RF信号に応答して出力RF信号を生成するインピーダンス整合回路を含む。導波送出器は、出力RF信号に応答して、伝送媒体の表面に沿って導波される電磁波を生成するように構成され、電磁波は、電気帰還路を必要とせずに伝送媒体の表面に沿って伝搬し、導波される電磁波は、非光学搬送周波数を有する。不整合プローブは、出力RF信号に基づいて不整合信号を生成するように構成され、不整合信号は、導波送出器のインピーダンス不整合を示す。コントローラは、不整合信号に応答して1つ又は複数の制御信号を生成するように構成され、1つ又は複数の制御信号は、インピーダンス整合回路の1つ又は複数の調整可能な回路要素を調整し、1つ又は複数の調整可能な回路要素の調整は、導波送出器のインピーダンス不整合の低減を促進する。
【0024】
1つ又は複数の実施形態によれば、方法は、送信機からインピーダンス整合回路において入力無線周波数(RF)信号を受信することと、インピーダンス整合回路を介して、入力RF信号に応答して出力RF信号を生成することと、導波送出器を介して、且つ出力RF信号に応答して、伝送媒体の表面に沿って導波される電磁波を生成することであって、電磁波は、電気帰還路を必要とせずに伝送媒体の表面に沿って伝搬し、伝送媒体は、光学信号に対して不透明である、生成することと、出力RF信号に基づいて不整合信号を生成することであって、不整合信号は、導波送出器のインピーダンス不整合を示す、生成することと、不整合信号に応答して1つ又は複数の制御信号を生成することと、1つ又は複数の制御信号に応答して、インピーダンス整合回路の1つ又は複数の調整可能な回路要素を調整することであって、調整は、伝送媒体のエリアでの変化する天候状況から生じる導波送出器のインピーダンス変化を補償するように導波送出器のインピーダンス不整合の低減を促進する、調整することとを含む。
【0025】
1つ又は複数の実施形態によれば、デバイスは、インピーダンス整合回路において入力無線周波数(RF)信号を受信し、且つ入力RF信号に応答して出力RF信号を生成する回路手段と、出力RF信号に応答して、伝送媒体の表面に沿って導波される電磁波を生成する送出器手段であって、電磁波は、電気帰還路を必要とせずに伝送媒体の表面に沿って伝搬し、電磁波は、非光学搬送周波数を有する、送出器手段と、出力RF信号に基づいて不整合信号を生成するプローブ手段であって、不整合信号は、送出器手段のインピーダンス不整合を示す、プローブ手段と、不整合信号に応答して1つ又は複数の制御信号を生成するコントローラ手段であって、1つ又は複数の制御信号は、回路手段のインピーダンスを調整し、インピーダンスは、送出器手段のインピーダンス不整合を低減する、コントローラ手段とを含む。
【0026】
ここで、
図1を参照すると、導波通信システムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック
図100が示されている。動作において、送信デバイス101は、データを含む1つ又は複数の通信信号110を通信ネットワーク又は他の通信デバイスから受信し、導波120を生成して、伝送媒体125を介してデータを送信デバイス102に伝達する。送信デバイス102は、導波120を受信し、通信ネットワーク又は他の通信デバイスに送信する、データを含む通信信号112に変換する。位相変調、周波数変調、直交振幅変調、振幅変調、直交周波数分割多重等のマルチキャリア変調等の変調技法により、周波数分割多重、時分割多重、符号分割多重、異なる波動伝搬モードによる多重化等の複数のアクセス技法により、並びに他の変調及びアクセス方法により導波120を変調してデータを搬送することができる。
【0027】
1つ又は複数の通信ネットワークは、モバイルデータネットワーク、セルラー音声データネットワーク、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(例えば、WiFi又は802.xxネットワーク)、衛星通信ネットワーク、パーソナルエリアネットワーク又は他のワイヤレスネットワーク等のワイヤレス通信ネットワークを含むことができる。1つ又は複数の通信ネットワークは、電話回線網、イーサネットネットワーク、ローカルエリアネットワーク、インターネット等の広域ネットワーク、ブロードバンドアクセスネットワーク、ケーブルネットワーク、光ファイバネットワーク又は他の有線ネットワーク等の有線通信ネットワークを含むこともできる。通信デバイスは、ネットワークエッジデバイス、ブリッジデバイス又はホームゲートウェイ、セットトップボックス、ブロードバンドモデム、電話アダプタ、アクセスポイント、基地局又は他の固定通信デバイス、車載ゲートウェイ又はオートモバイルコンピューター、ラップトップコンピューター、タブレット、スマートフォン、携帯電話又は他の通信デバイス等のモバイル通信デバイスを含むことができる。
【0028】
例示的な実施形態では、導波通信システム100は双方向様式で動作することができ、双方向様式では、送信デバイス102は、通信ネットワーク又はデバイスから、他のデータを含む1つ又は複数の通信信号112を受信し、導波122を生成し、伝送媒体125を介して上記の他のデータを送信デバイス101に搬送する。この動作モードでは、送信デバイス101は、導波122を受信し、通信ネットワーク又はデバイスに送信する、上記の他のデータを含む通信信号110に変換する。位相変調、周波数変調、直交振幅変調、振幅変調、直交周波数分割多重等のマルチキャリア変調等の変調技法により、周波数分割多重、時分割多重、符号分割多重、異なる波動伝搬モードによる多重化等の複数のアクセス技法により、並びに他の変調及びアクセス方法により導波122を変調してデータを搬送することができる。
【0029】
伝送媒体125は、絶縁体又は他の誘電性カバー、被膜又は他の誘電材料等の誘電材料で囲まれた少なくとも1つの内部を有するケーブルを含むことができ、誘電材料は、外面及び対応する周縁を有する。例示的な実施形態において、伝送媒体125は、単層伝送線路として動作して、電磁波の伝送を導波する。伝送媒体125は、単線伝送システムとして実施される場合、電線を含むことができる。電線は絶縁されてもよく又は絶縁されなくてもよく、単線であってもよく又は撚り線(例えば、編組)であってもよい。他の実施形態において、伝送媒体125は、電線束、ケーブル、ロッド、レール、パイプを含む他の形状又は構成の導体を含むことができる。加えて、伝送媒体125は、誘電体パイプ、ロッド、レール又は他の誘電体部材等の非導体、導体と誘電体材料との組み合わせ、誘電材料なしの導体又は他の導波伝送媒体を含むことができる。伝送媒体125は、他の点において、上述した任意の伝送媒体を含み得ることに留意されたい。
【0030】
更に、上述したように、導波120及び122は、自由空間/空気を介する無線伝送又は電気回路を介した電線の導体を通る電力又は信号の従来の伝搬と対比され得る。導波120及び122の伝搬に加えて、伝送媒体125は、任意選択的に、1つ又は複数の電気回路の一部として、従来の様式で電力又は他の通信信号を伝搬する1つ又は複数の電線を含むことができる。
【0031】
ここで、
図2を参照すると、送信デバイスの一例の非限定的な実施形態を示すブロック
図200が示されている。送信デバイス101又は102は、通信インターフェース(I/F)205、送受信機210及び結合器220を含む。
【0032】
動作の一例において、通信インターフェース205は、データを含む通信信号110又は112を受信する。種々の実施形態において、通信インターフェース205は、LTE又は他のセルラー音声データプロトコル、WiFi又は802.11プロトコル、WIMAXプロトコル、超広帯域プロトコル、Bluetoothプロトコル、Zigbeeプロトコル、直接放送衛星(DBS)若しくは他の衛星通信プロトコル又は他のワイヤレスプロトコル等のワイヤレス標準プロトコルに従ってワイヤレス通信信号を受信するワイヤレスインターフェースを含むことができる。加えて又は代わりに、通信インターフェース205は、イーサネットプロトコル、ユニバーサルシリアルバス(USB)プロトコル、ケーブルによるデータサービスインターフェース標準(DOCSIS)プロトコル、デジタル加入者線(DSL)プロトコル、ファイヤワイヤ(IEEE1394)プロトコル又は他の有線プロトコルに従って動作する有線インターフェースを含む。標準規格に基づくプロトコルに加えて、通信インターフェース205は、他の有線プロトコル又は無線プロトコルと共に動作することができる。更に、通信インターフェース205は、任意選択的に、MACプロトコル、トランスポートプロトコル、アプリケーションプロトコル等を含む複数のプロトコルレイヤを含むプロトコルスタックと共に動作することができる。
【0033】
動作の一例において、送受信機210は、データを搬送する通信信号110又は112に基づいて電磁波を生成する。電磁波は、少なくとも1つの搬送波周波数と、少なくとも1つの対応する波長とを有する。搬送波周波数は、60GHz若しくは30GHz~40GHzの範囲内の搬送波周波数等の30GHz~300GHzのミリメートル波周波数帯域内又は26GHz~30GHz、11GHz、6GHz若しくは3GHz等のマイクロ波周波数範囲内の300MHz~30GHzという低周波数帯域に存在することができるが、他の実施形態において、他の搬送波周波数が可能であることが理解されよう。一動作モードにおいて、送受信機210は、伝送媒体125により導波又は結合される導波される電磁波としてマイクロ波帯域又はミリメートル波帯域内の電磁信号を伝送するために、1つ又は複数の通信信号110又は112を単にアップコンバートする。別の動作モードにおいて、通信インターフェース205は、通信信号110又は112をベースバンド信号若しくはベースバンド付近の信号に変換するか、又は通信信号110若しくは112からデータを抽出し、送受信機210は、送信するためにデータ、ベースバンド信号若しくはベースバンド付近の信号を高周波数搬送波に変調する。送受信機210が通信信号110又は112を介して受信したデータを変調して、異なるプロトコルのペイロードへのカプセル化により又は単純な周波数偏移により、通信信号110又は112の1つ又は複数のデータ通信プロトコルを保存し得ることを理解されたい。代替では、送受信機210は、通信信号110又は112の1つ又は複数のデータ通信プロトコルと異なるプロトコルに、通信信号110又は112を介して受信したデータを他に変換することができる。
【0034】
動作の一例において、結合器220は、1つ又は複数の通信信号110又は112を搬送する導波される電磁波として電磁波を伝送媒体125に結合する。先の説明は、送信機としての送受信機210の動作に焦点を合わせたが、送受信機210は、他のデータを単線伝送媒体から結合器220を介して搬送する電磁波を受信し、上記他のデータを含む通信インターフェース205を介して通信信号110又は112を生成するように動作することもできる。追加の導波される電磁波が、伝送媒体125に沿っても伝搬する他のデータを搬送する実施形態を考える。結合器220は、受信のためにこの追加の電磁波も伝送媒体125から送受信機210に結合することができる。
【0035】
送信デバイス101又は102は、任意選択的なトレーニングコントローラ230を含む。例示的な実施形態において、トレーニングコントローラ230は、スタンドアロンプロセッサ又は送信デバイス101若しくは102の1つ又は複数の他のコンポーネントと共有されるプロセッサにより実施される。トレーニングコントローラ230は、導波される電磁波を受信するように結合される少なくとも1つのリモート送信デバイスから送受信機210により受信されるフィードバックデータに基づいて、導波される電磁波の搬送波周波数、変調方式及び/又は導波モードを選択する。
【0036】
例示的な実施形態において、リモート送信デバイス101又は102により送信された導波される電磁波は、伝送媒体125に沿っても伝搬するデータを搬送する。リモート送信デバイス101又は102からのデータは、フィードバックデータを含むように生成することができる。動作において、結合器220は、伝送媒体125からの導波される電磁波も結合し、送受信機は、電磁波を受信し、電磁波を処理してフィードバックデータを抽出する。
【0037】
例示的な実施形態において、トレーニングコントローラ230は、フィードバックデータに基づいて動作して、複数の周波数候補、変調方式候補及び/又は送信モード候補を評価し、スループット、信号強度等の性能を強化し、伝搬損失を低減等するように搬送波周波数、変調方式及び/又は送信モードを選択する。
【0038】
以下の例を考える。送信デバイス101が、パイロット波又は他のテスト信号等のテスト信号として複数の導波を、伝送媒体125に結合されたリモート送信デバイス102に向けられた対応する複数の周波数候補及び/又はモード候補で送信することにより、トレーニングコントローラ230の制御下で動作を開始する。加えて又は代わりに、導波はテストデータを含むことができる。テストデータは、信号の特定の周波数候補及び/又は導波モード候補を示し得る。一実施形態において、リモート送信デバイス102におけるトレーニングコントローラ230は、適宜受信した任意の導波からテスト信号及び/又はテストデータを受信し、最良の周波数候補及び/又は導波モード候補、1組の許容可能な周波数候補及び/又は導波モード候補又は周波数候補及び/又は導波モード候補のランク付き順序を決定する。周波数候補又は/及び導波モード候補のこの選択は、受信信号強度、ビットエラーレート、パケットエラーレート、信号対雑音比、伝搬損失等の1つ又は複数の最適化基準に基づいてトレーニングコントローラ230により生成される。トレーニングコントローラ230は、選択された周波数候補又は/及び導波モード候補を示すフィードバックデータを生成し、送信デバイス101に送信するために、フィードバックデータを送受信機210に送信する。次に、送信デバイス101及び102は、選択された周波数候補又は/及び導波モードに基づいて互いとデータを通信することができる。
【0039】
他の実施形態において、テスト信号及び/又はテストデータを含む導波される電磁波は、これらの波を開始した送信デバイス101のトレーニングコントローラ230による受信及び分析のために、リモート送信デバイス102により送信デバイス101に反射、中継又は他にループバックされる。例えば、送信デバイス101は、信号をリモート送信デバイス102に送信して、テストモードを開始することができ、テストモードでは、物理的な反射器は線上で切り替えされ、終端インピーダンスは、反射を生じさせるように変更され、ループバックモードがオンに切り替えられて電磁波をソース送信デバイス102に再び結合し、及び/又はリピーターモードがイネーブルされて電磁波を増幅し、ソース送信デバイス102に再送信する。ソース送信デバイス102におけるトレーニングコントローラ230は、適宜受信した任意の導波からテスト信号及び/又はテストデータを受信し、選択された周波数候補及び/又は導波モード候補を決定する。
【0040】
上記手順は、スタートアップ又は初期化動作モードで説明されたが、各送信デバイス101又は102は、同様にテスト信号を送信し得るか、通常の送信等の非テストを介して周波数候補若しくは導波モード候補を評価し得るか、又は他の時間で若しくは連続して周波数候補若しくは導波モード候補を他に評価し得る。例示的な実施形態において、送信デバイス101及び102間の通信プロトコルは、完全なテスト又は周波数候補及び導波モード候補のサブセットのより制限されたテストがテストされ評価される要求時又は定期的テストモードを含むことができる。他の動作モードにおいて、外乱、天候状況等に起因した性能の低下により、そのようなテストモードへのリエントリをトリガーすることができる。例示的な実施形態において、送受信機210の受信機帯域幅は、全ての周波数候補を受信するのに十分に広いか若しくは掃引され、又はトレーニングコントローラ230により、送受信機210の受信機帯域幅が全ての周波数候補を受信するのに十分に広いか若しくは掃引されるトレーニングモードに選択的に調整することができる。
【0041】
ここで、
図3を参照すると、電磁場分布の一例の非限定的な実施形態を示すグラフィック
図300が示されている。この実施形態において、空中にある伝送媒体125は、断面で示されるように、内部導体301と、誘電材料の絶縁外被302とを含む。
図300は、非対称及び非基本導波モードを有する導波の伝搬により生成される異なる電磁場強度を表す異なるグレースケールを含む。
【0042】
特に、電磁場分布は、絶縁伝送媒体に沿った導波される電磁波の伝搬を強化し、エンドツーエンド伝送損失を低減するモーダル「スイートスポット」に対応する。この特定のモードにおいて、電磁波は、伝送媒体125により導波されて、伝送媒体の外面 - この場合、絶縁外被302の外面 - に沿って伝搬する。電磁波は、部分的に絶縁体内に埋め込まれ、部分的に絶縁体の外面上で放射される。このようにして、電磁波は絶縁体に「軽く」結合されて、低伝搬損失での長距離の電磁波伝搬を可能にする。
【0043】
示されるように、導波は主に又は実質的に、電磁波を導波するように機能する伝送媒体125の外部にある場構造を有する。導体301の内部にある領域は、場を有さないか、有したとしてもごくわずかである。同様に、絶縁外被302内部の領域も低い場強度を有する。電磁場強度の大半は、絶縁外被302の外面におけるローブ304及びその近傍に分布する。非対称導波モードの存在は、絶縁外被302の外面の上部及び下部(図の向きでの)における高電磁場強度により示される - 絶縁外被302の他の側での非常に小さい場強度とは対照的である。
【0044】
示される例は、直径1.1cm及び誘電絶縁厚0.36cmを有する電線により導波される38GHz電磁波に対応する。電磁波は伝送媒体125により導波され、場強度の大半は、外面の限られた距離内の絶縁外被302の外部にある空気中に集中するため、導波は、非常に低い損失で伝送媒体125を長手方向下に伝搬することができる。示される例において、この「限られた距離」は、伝送媒体125の最大断面寸法の半分未満の外面からの距離に対応する。この場合、電線の最大断面寸法は、全体直径1.82cmに対応するが、この値は、伝送媒体125のサイズ及び形状に伴って変化し得る。例えば、伝送媒体125が、高さ0.3cm及び幅0.4cmを有する矩形形状のものである場合、最大断面寸法は対角線の0.5cmであり、対応する制限される距離は0.25cmである。場強度の大半を含むエリアの寸法も周波数に伴って変化し、一般に搬送波周波数の低減に伴って増大する。
【0045】
結合器及び伝送媒体等の導波通信システムのコンポーネントが、各導波モードでそれ自体の遮断周波数を有し得ることにも留意されたい。遮断周波数は、一般に、特定の導波モードがその特定のコンポーネントによりサポートされるように設計される最低周波数を示す。例示的な実施形態において、示される特定の非対称伝搬モードは、この特定の非対称モードの低遮断周波数Fcの限られた範囲(Fc~2Fc等)内にある周波数を有する電磁波により、伝送媒体125上に誘導される。低遮断周波数Fcは、伝送媒体125の特性に固有である。絶縁外被302で囲まれた内部導体301を含む示される実施形態の場合、この遮断周波数は、絶縁外被302の寸法及び特性並びに潜在的に内部導体301の寸法及び特性に基づいて変化し得、所望のモードパターンを有するように実験的に決定することができる。しかし、中空誘電体又は内部導体なしの絶縁体でも同様の効果を見出し得ることに留意されたい。この場合、遮断周波数は、中空誘電体又は絶縁体の寸法及び特性に基づいて変化し得る。
【0046】
低遮断周波数よりも低い周波数では、非対称モードを伝送媒体125に誘導することは困難であり、全ての伝搬に失敗し、微小な距離のみ伝搬する。周波数が遮断周波数の前後の限られた周波数範囲を超えて増大するにつれて、非対称モードは絶縁外被302のますます内側に向かってシフトする。遮断周波数よりもはるかに高い周波数では、場強度はもはや絶縁外被の外部に集中せず、主に絶縁外被302の内部に集中する。伝送媒体125は電磁波に強力な導波を提供し、伝搬は依然として可能であるが、絶縁外被302内の伝搬に起因する損失の増大によって範囲はより制限される - 周囲空気とは対照的である。
【0047】
ここで、
図4を参照すると、電磁場分布の一例の非限定的な実施形態を示すグラフィック
図400が示されている。特に、
図3と同様の断面
図400は、同様の要素を指すのに使用される共通の参照符号を用いて示されている。示される例は、直径1.1cm及び誘電絶縁厚0.36cmを有する電線により導波される60GHz波に対応する。導波の周波数は、この特定の非対称モードの遮断周波数の限られた範囲を超えるため、場強度の多くは絶縁外被302の内側にシフトしている。特に、場強度は主に絶縁外被302の内部に集中する。伝送媒体125は強力な導波を電磁波に提供し、伝搬は依然として可能であるが、絶縁外被302内の伝搬に起因した損失の増大により、
図3の実施形態と比較した場合、範囲はより制限される。
【0048】
ここで、
図5Aを参照すると、周波数応答の一例の非限定的な実施形態を示すグラフィック図が示されている。特に、
図500は、200cm絶縁媒体電圧電線の3点における電磁場分布510、520及び530が重ねられた、周波数の関数としてのエンドツーエンド損失(dB単位)のグラフを提示する。絶縁体と周囲空気との境界は、各電磁場分布において参照符号525で表されている。
【0049】
図3に関連して考察したように、示される伝搬の所望の非対称モードの一例は、この特定の非対称モードでの伝送媒体の低遮断周波数Fcの限られた範囲(Fc~2Fc等)内にある周波数を有する電磁波により、伝送媒体125に誘導される。特に、6GHzにおける電磁場分布520は、絶縁された伝送媒体に沿った電磁波伝搬を強化し、エンドツーエンド伝送損失を低減するこのモーダル「スイートスポット」内にある。この特定のモードにおいて、導波は、部分的に絶縁体内に埋め込まれ、部分的に絶縁体の外面上で放射される。このようにして、電磁波は絶縁体に「軽く」結合されて、低伝搬損失での長距離の導波される電磁波伝搬を可能にする。
【0050】
3GHzにおける電磁場分布510により表される低周波数において、非対称モードはより強く放射し、高い伝搬損失をもたらす。9GHzにおける電磁場分布530により表される高周波数において、非対称モードは絶縁外被のますます内側にシフトし、多すぎる吸収を提供し、ここでも高い伝搬損失をもたらす。
【0051】
ここで、
図5Bを参照すると、種々の動作周波数における導波される電磁波の場を示す、絶縁電線等の伝送媒体125の長手方向断面の一例の非限定的な実施形態を示すグラフィック
図550が示されている。
図556に示されるように、導波される電磁波が概ねモーダル「スイートスポット」に対応する遮断周波数(f
c)にある場合、導波される電磁波は絶縁電線と緩く結合し、それにより、吸収は低減し、導波される電磁波の場は、環境(例えば、空気)中に放射される量を低減するのに十分に結合される。導波される電磁波の場の吸収及び放射は低いため、その結果として伝搬損失は低く、導波される電磁波のより長距離にわたる伝搬を可能にする。
【0052】
図554に示されるように、導波電磁波の動作周波数が遮断周波数(f
c)の約2倍を超えて - 又は述べたように「スイートスポット」の範囲を超えて - 増大する場合、伝搬損失は増大する。電磁波の場強度のより多くが絶縁層内部で生じ、伝搬損失を増大させる。遮断周波数(f
c)よりもはるかに高い周波数において、導波される電磁波は、
図552に示されるように、導波される電磁波により発せられる場が電線の絶縁層に集中することの結果として、絶縁電線に強く結合する。これは、導波される電磁波の絶縁層による吸収に起因して、伝搬損失を更に上昇させる。同様に、
図558に示されるように、導波される電磁波の動作周波数が遮断周波数(f
c)よりもかなり低い場合も伝搬損失は増大する。遮断周波数(f
c)よりもはるかに低い周波数において、導波される電磁波は絶縁電線に弱く(又は公称的に)結合し、それにより、環境(例えば、空気)中に放射する傾向を有し、これは、導波される電磁波の放射に起因して伝搬損失を増大させる。
【0053】
ここで、
図6を参照すると、電磁場分布の一例の非限定的な実施形態を示すグラフィック
図600が示されている。この実施形態において、伝送媒体602は、断面で示されるように裸線である。
図300は、単一の搬送波周波数において対称及び基本導波モードを有する導波の伝搬により生じる異なる電磁場強度を表す異なるグレースケールを含む。
【0054】
この特定のモードにおいて、電磁波は、伝送媒体602により導波されて、伝送媒体の外面 - この場合、裸線の外面 - に沿って伝搬する。電磁波は電線に「軽く」結合して、低伝搬損失で長距離にわたる電磁波伝搬を可能にする。示されるように、導波は、電磁波を導波するように機能する伝送媒体602の実質的に外部にある場構造を有する。導体602の内部にある領域は、場を有さないか、有したとしてもごくわずかである。
【0055】
ここで、
図7を参照すると、アーク結合器の一例の非限定的な実施形態を示すブロック
図700が示されている。特に、結合デバイスは、
図1に関連して提示した送信デバイス101又は102等の送信デバイスで使用されるために提示される。結合デバイスは、送信機回路712及び終端又はダンパー714に結合されるアーク結合器704を含む。アーク結合器704は、誘電材料、他の低損失絶縁体(例えば、テフロン、ポリエチレン等)、導電(例えば、金属、非金属等)材料又は上記材料の任意の組み合わせで作ることができる。示されるように、アーク結合器704は、導波路として動作し、アーク結合器704の導波路表面の周囲を導波として伝搬する波706を有する。示される実施形態において、アーク結合器704の少なくとも一部は、電線702又は他の伝送媒体(伝送媒体125等)の近くに配置されて、電線上に導波708を送出するために、本明細書に説明されるようにアーク結合器704と電線702又は他の伝送媒体との間の結合を促進することができる。アーク結合器704は、湾曲したアーク結合器704の一部分が電線702に対して接線方向、且つ平行又は実質的に平行であるように配置することができる。電線に平行なアーク結合器704の部分は、曲線の頂点又は曲線の接線が電線702に平行な任意の点であり得る。アーク結合器704がこのように位置決め又は配置される場合、アーク結合器704に沿って進行する波706は、少なくとも部分的に電線702に結合し、導波708として電線702の電線表面の周り又は周囲を電線702に沿って長手方向に伝搬する。導波708は、電線702又は他の伝送媒体により導波されるか、又は結合する表面波又は他の電磁波として特徴付けることができる。
【0056】
電線702に結合しない波706の部分は、波710としてアーク結合器704に沿って伝搬する。波706の電線702への所望のレベルの結合又は非結合を達成するために、電線702に関連して多様な位置にアーク結合器704を構成し配置し得ることが理解されよう。例えば、平行又は実質的に平行であるアーク結合器704の曲率及び/又は長さ及びその電線702への分離距離(一実施形態において、ゼロ分離距離を含むことができる)は、例示的な実施形態から逸脱せずに変化し得る。同様に、電線702に関連するアーク結合器704の配置は、電線702及びアーク結合器704のそれぞれの固有の特徴(例えば、厚さ、組成、電磁特性等)並びに波706及び708の特徴(例えば、周波数、エネルギーレベル等)の考慮に基づいて変えることができる。
【0057】
導波708は、電線702が湾曲及び屈曲する場合でも電線702に平行又は実質的に平行なままである。電線702の湾曲は伝送損失を増大させることがあり、これは、電線の直径、周波数及び材料にも依存する。アーク結合器704の寸法が効率的な送電に向けて選択される場合、波706の電力の大半は電線702に移り、波710に残る電力はごくわずかである。電線702に平行又は実質的に平行な経路に沿って進行する間、導波708の性質は、依然として、基本伝送モードあり又はなしで、非基本又は非対称であるモードを有することを含めてマルチモーダル(本明細書において考察される)であり得ることが理解されよう。一実施形態において、非基本又は非対称モードを利用して、伝送損失を最小化し、及び/又は伝搬距離の増大を得ることができる。
【0058】
平行という用語は、一般に、現実のシステムでは厳密には達成可能でないことが多い幾何学的構成であることに留意されたい。したがって、本開示において利用される平行という用語は、本開示において開示される実施形態の説明に用いられるとき、厳密な構成ではなく近似を表す。一実施形態において、実質的に平行は、全ての寸法において真の平行の30度以内である近似を含むことができる。
【0059】
一実施形態において、波706は、1つ又は複数の波動伝搬モードを示し得る。アーク結合器モードは、結合器704の形状及び/又は設計に依存し得る。1つ又は複数のアーク結合器モードの波706は、電線702に沿って伝搬する1つ又は複数の波動伝搬モードの導波708を生成し、影響し、又は影響を及ぼすことができる。しかし、導波706に存在する導波モードが導波708の導波モードと同じであるか又は異なり得ることに特に留意されたい。このようにして、1つ又は複数の導波モードの導波706は、導波708に移らない可能性もあり、更なる1つ又は複数の導波モードの導波708は、導波706に存在していなかった可能性もある。特定の導波モードでのアーク結合器704の遮断周波数が電線702の遮断周波数又はそれと同じモードの他の伝送媒体の遮断周波数と異なり得ることにも留意されたい。例えば、電線702又は他の伝送媒体は、特定の導波モードの遮断周波数のわずかに上で動作することができるが、アーク結合器704は、低損失のために、それと同じモードの遮断周波数のかなり上で動作することができ、例えばより大きい結合及び送電を誘導するために、それと同じモードの遮断周波数のわずかに下で動作することができ、又はそのモードのアーク結合器の遮断周波数に関連して何らかの他の点で動作することができる。
【0060】
一実施形態において、電線702上の波動伝搬モードは、アーク結合器モードと同様であり得、その理由は、波706及び708が両方ともアーク結合器704及び電線702のそれぞれの外部の周囲を伝搬するためである。幾つかの実施形態において、波706は電線702に結合する際、アーク結合器704と電線702との間の結合に起因して、モードは形態を変えることができ、又は新しいモードを作成若しくは生成することができる。例えば、アーク結合器704及び電線702のサイズ、材料及び/又はインピーダンスの違いにより、アーク結合器モードに存在しない追加のモードを作成し、及び/又はアーク結合器モードの幾つかを抑制することができる。波動伝搬モードは、小さい電場及び/又は磁場のみが伝搬方向において延在し、導波が電線に沿って伝搬する間、電場及び磁場が径方向外側に延在する基本横電磁モード(疑似TEM00)を含むことができる。この導波モードは、電磁場の少数がアーク結合器704又は電線702内に存在するドーナツ形であり得る。
【0061】
波706及び708は、場が径方向外側に延在する基本TEMモードを含むと共に、他の非基本(例えば、非対称、高次等)モードも含むことができる。特定の波動伝搬モードを上述したが、利用される周波数、アーク結合器704の設計、電線702の寸法及び組成及びその表面特性、存在する場合にはその絶縁体、周囲環境の電磁特性等に基づいて、横断電気(TE)及び横断磁気(TM)モード等の他の波動伝搬モードも同様に可能である。周波数、電線702の電気的特性及び物理的特性並びに生成される特定の波動伝搬モードに応じて、導波708が、酸化非絶縁電線、非酸化非絶縁電線、絶縁電線の導電表面に沿って及び/又は絶縁電線の絶縁表面に沿って進行し得ることに留意されたい。
【0062】
一実施形態において、アーク結合器704の直径は電線702の直径よりも小さい。用いられるミリメートル帯域波長では、アーク結合器704は、波706を構成する単一の導波路モードをサポートする。この単一の導波路モードは、導波708として電線702に結合するときに変化し得る。アーク結合器704がより大きい場合、2つ以上の導波路モードをサポートすることができるが、これらの追加の導波路モードは、効率的に電線702に結合しない可能性があり、その結果、結合損失が高くなり得る。しかし、幾つかの代替の実施形態において、例えば、より高い結合損失が望ましい場合又は結合損失を他に低減する他の技法(例えば、先細りを用いたインピーダンス整合等)と併せて使用される場合、アーク結合器704の直径は、電線702の直径以上であり得る。
【0063】
一実施形態において、波706及び708の波長は、アーク結合器704及び電線702の外周と同等又はより小さいサイズである。一例において、電線702が直径0.5cm及び対応する外周約1.5cmである場合、送信の波長は約1.5cm以下であり、70GHz以上の周波数に対応する。別の実施形態において、送信及び搬送波信号の適する周波数は、30GHz~100GHzの範囲であり、おそらく約30GHz~60GHz、一例では約38GHzである。一実施形態において、アーク結合器704及び電線702の外周が、送信の波長とサイズが同等又はより大きい場合、波706及び708は、本明細書において説明される種々の通信システムをサポートするのに十分な距離にわたり伝搬する基本及び/又は非基本(対称及び/又は非対称)モードを含む複数の波動伝搬モードを示し得る。したがって、波706及び708は、2つ以上のタイプの電場及び磁場構成を含むことができる。一実施形態において、導波708が電線702を下に伝搬するにつれて、電場及び磁場構成は、電線702の端部から端部まで同じままである。他の実施形態において、導波708が伝送損失又は散乱に起因して干渉(歪み若しくは障害)に直面するか又はエネルギーを失うとき、磁場及び電場構成は、導波708が電線702を下に伝搬するにつれて変化し得る。
【0064】
一実施形態において、アーク結合器704は、ナイロン、テフロン、ポリエチレン、ポリアミド又は他のプラスチックで構成することができる。他の実施形態において、他の誘電材料が可能である。電線702の電線表面は、裸の金属表面を有する金属であり得るか、又はプラスチック、誘電体、絶縁体若しくは他の被覆、外被若しくはシースを用いて絶縁することができる。一実施形態において、誘電体又は他の非導電/絶縁導波路は、裸/金属電線又は絶縁電線と対にすることができる。他の実施形態において、金属及び/又は導電性導波路は、裸/金属電線又は絶縁電線と対にすることができる。一実施形態において、電線702の裸の金属表面の酸化層(例えば、酸素/空気への裸の金属表面の露出から生じる)も、幾つかの絶縁体又はシースにより提供されるものと同様の絶縁特性又は誘電特性を提供することができる。
【0065】
波706、708及び710のグラフィック表示は、単に、波706が例えば単層伝送線路として動作する電線702に導波708を誘導又は他に送出する原理を示すために提示されることに留意されたい。波710は、導波708の生成後、アーク結合器704に残る波706の部分を表す。そのような波動伝搬の結果として生成される実際の電場及び磁場は、利用される周波数、特定の1つ又は複数の波動伝搬モード、アーク結合器704の設計、電線702の寸法及び組成並びに表面特性、任意選択的な絶縁、周囲環境の電磁特性等に応じて変化し得る。
【0066】
アーク結合器704は、波710から残留放射又はエネルギーを吸収することができるアーク結合器704の端部において終端回路又はダンパー714を含み得ることに留意されたい。終端回路又はダンパー714は、送信機回路712に向かって反射する波710からの残留放射又はエネルギーを回避及び/又は最小化することができる。一実施形態において、終端回路又はダンパー714は、終端抵抗及び/又はインピーダンス整合を実行して反射を減衰させる他のコンポーネントを含むことができる。幾つかの実施形態において、結合効率が十分に高く、及び/又は波710が十分に小さい場合、終端回路又はダンパー714を使用する必要がないことがある。簡単にするために、これらの送信機712及び終端回路又はダンパー714は、他の図に示されていないことがあるが、それらの実施形態において、おそらく送信機及び終端回路又はダンパーを用いることができる。
【0067】
更に、単一の導波708を生成する単一のアーク結合器704が提示されるが、電線702に沿った異なる点及び/又は電線の周囲の異なる方位に配置される複数のアーク結合器704を利用して、同じ又は異なる周波数、同じ又は異なる位相、同じ又は異なる波動伝搬モードにおける複数の導波708を生成し受信することができる。
【0068】
図8では、アーク結合器の一例の非限定的な実施形態を示すブロック
図800が示されている。示される実施形態において、結合器704の少なくとも1つの部分は、電線702又は他の伝送媒体(伝送媒体125等)の近くに配置して、アーク結合器704と電線702又は他の伝送媒体との間の結合を促進し、本明細書において説明されるように導波808として導波806の一部分を抽出することができる。アーク結合器704は、湾曲アーク結合器704の一部分が電線702に対して接線方向に、且つ平行又は実質的に平行であるように配置することができる。電線に平行なアーク結合器704の部分は、曲線の頂点又は曲線の接線が電線702に平行な任意の点であり得る。アーク結合器704がこのように位置決め又は配置される場合、電線702に沿って進行する波806は、少なくとも部分的にアーク結合器704に結合し、導波808としてアーク結合器704に沿って受信側デバイス(明示的に示されず)に伝搬する。アーク結合器に結合されない波806の部分は、電線702又は他の伝送媒体に沿って波810として伝搬する。
【0069】
一実施形態において、波806は、1つ又は複数の波動伝搬モードを示し得る。アーク結合器モードは、結合器704の形状及び/又は設計に依存し得る。1つ又は複数のモードの導波806は、アーク結合器704に沿って伝搬する1つ又は複数の導波モードの導波808を生成し、影響し、又は影響を及ぼすことができる。しかし、導波806に存在する導波モードが導波808の導波モードと同じであるか又は異なり得ることに特に留意されたい。このようにして、1つ又は複数の導波モードの導波806は、導波808に移らない可能性もあり、更なる1つ又は複数の導波モードの導波808は、導波806に存在していなかった可能性もある。
【0070】
ここで、
図9Aを参照すると、スタブ結合器の一例の非限定的な実施形態を示すブロック
図900が示されている。特に、スタブ結合器904を含む結合デバイスは、
図1に関連して提示される送信デバイス101又は102等の送信デバイスで使用されるために提示されている。スタブ結合器904は、誘電材料、他の低損失絶縁体(例えば、テフロン、ポリエチレン等)、導電(例えば、金属、非金属等)材料又は上記材料の任意の組み合わせで作ることができる。示されるように、スタブ結合器904は、導波路として動作し、スタブ結合器904の導波路表面の周囲を導波として伝搬する波906を有する。示される実施形態において、スタブ結合器904の少なくとも1つの部分は、電線702又は他の伝送媒体(伝送媒体125等)の近くに配置して、本明細書において説明されるようにスタブ結合器904と電線702又は他の伝送媒体との間の結合を促進し、電線に導波908を送出することができる。
【0071】
一実施形態において、スタブ結合器904は湾曲し、スタブ結合器904の端部は、電線702に繋ぐか、固定するか、又は他に機械的に結合することができる。スタブ結合器904の端部が電線702に固定される場合、スタブ結合器904の端部は電線702に平行又は実質的に平行である。代替的に、端部を越える誘電導波路の別の部分は、固定又は結合される部分が電線702に平行又は実質的に平行であるように電線702に固定又は結合することができる。固定具910は、ナイロンケーブル紐又はスタブ結合器904と別個であるか、又はスタブ結合器904の一体のコンポーネントとして構築される他のタイプの非導電/誘電材料であり得る。スタブ結合器904は、電線702を囲まずに電線702に隣接することができる。
【0072】
図7に関連して説明したアーク結合器704のように、スタブ結合器904は、端部が電線702に平行な状態で配置される場合、スタブ結合器904に沿って進行する導波906は、電線702に結合し、電線702の電線表面の周囲を導波908として伝搬する。例示的な実施形態において、導波908は、表面波又は他の電磁波として特徴付けることができる。
【0073】
波906及び908のグラフィック表示は、単に、波906が例えば単線伝送線路として動作する電線702に導波908を誘導又は他に送出する原理を示すために提示されることに留意されたい。そのような波動伝搬の結果として生成される実際の電場及び磁場は、結合器の形状及び/又は設計、電線に対する誘電導波路の相対位置、利用される周波数、スタブ結合器904の設計、電線702の寸法及び組成並びにその表面特性、電線702の任意選択的な絶縁、周囲環境の電磁特性等の1つ又は複数に応じて変化し得る。
【0074】
一実施形態において、スタブ結合器904の端部は、電線702に向かって先細り形を有し、結合効率を上げることができる。実際に、スタブ結合器904の端部の先細り形は、本開示の例示的な実施形態によれば、電線702へのインピーダンス整合を提供し、反射を低減することができる。例えば、スタブ結合器904の端部は徐々に先細り、
図9Aに示されるように波906及び908間に所望のレベルの結合を取得することができる。
【0075】
一実施形態において、固定具910とスタブ結合器904の端部との間に短い長さのスタブ結合器904があるように固定具910を配置することができる。最大結合効率は、この実施形態において、固定具910を越えるスタブ結合器904の端部の長さが、伝送中の周波数を問わず伝送中の周波数の波長の少なくとも数倍であるときに実現される。
【0076】
ここで、
図9Bを参照すると、本明細書において説明される種々の態様による電磁分布の一例の非限定的な実施形態を示す
図950が示されている。特に、一例において、誘電材料で構築されるスタブ結合器内に示される結合器952を含む送信デバイスの場合の電磁分布が二次元で提示される。結合器952は、電線702又は他の伝送媒体の外面に沿って導波として伝搬するために電磁波を結合する。
【0077】
結合器952は、対称導波モードを介して電磁波をx
0における接合部に導波する。結合器952に沿って伝搬する電磁波のエネルギーの幾らかは結合器952の外部にあるが、この電磁波のエネルギーの大部分は結合器952内に含まれる。x
0における接合部は、伝送媒体の下部に対応する方位角において電磁波を電線702又は他の伝送媒体に結合する。この結合は、方向956において少なくとも1つの導波モードを介して電線702又は他の伝送媒体の外面に沿って伝搬するように導波される電磁波を誘導する。導波される電磁波のエネルギーの大部分は、電線702又は他の伝送媒体の外面の外部にあり、又はしかし外面の近傍にある。示される例において、x
0における接合部は、対称モード及び電線702又は他の伝送媒体の表面をごく近くを通る、
図3に関連して提示された一次モード等の少なくとも1つの非対称表面モードの両方を介して伝搬する電磁波を形成する。
【0078】
導波のグラフィック表示は、単に導波の結合及び伝搬の例を示すために提示されることに留意されたい。そのような波動伝搬の結果として生成される実際の電場及び磁場は、利用される周波数、結合器952の設計及び/又は構成、電線702又は他の伝送媒体の寸法及び組成並びにその表面特性、存在する場合には絶縁、周囲環境の電磁特性等に応じて変化し得る。
【0079】
ここで、
図10Aを参照すると、示されているのは、本明細書において説明される種々の態様による結合器及び送受信機システムの一例の非限定的な実施形態のブロック
図1000である。システムは、送信デバイス101又は102の一例である。特に、通信インターフェース1008は通信インターフェース205の一例であり、スタブ結合器1002は結合器220の一例であり、送信機/受信機デバイス1006、ダイプレクサ1016、電力増幅器1014、低雑音増幅器1018、周波数混合器1010及び1020及び局部発振器1012は、まとめて送受信機210の一例をなす。
【0080】
動作において、送信機/受信機デバイス1006は、波を送出し(例えば、導波1004をスタブ結合器1002に)受信する。導波1004は、通信インターフェース1008により、ホストデバイス、基地局、モバイルデバイス、建物又は他のデバイスから受信され且つそれに送信される信号を送るのに使用することができる。通信インターフェース1008は、システム1000の一体部分であり得る。代替的に、通信インターフェース1008は、システム1000に繋ぐことができる。通信インターフェース1008は、赤外線通信協会(IrDA)プロトコル又は他の視線光学プロトコル等の赤外線プロトコルを含め、任意の種々のワイヤレスシグナリングプロトコル(例えば、LTE、WiFi、WiMAX、IEEE802.xx等)を利用するホストデバイス、基地局、モバイルデバイス、建物又は他のデバイスとインターフェースするワイヤレスインターフェースを含むことができる。通信インターフェース1008は、光ファイバ回線、同軸ケーブル、撚り対線、カテゴリ5(CAT-5)ケーブル等の有線インターフェース又はイーサネットプロトコル、ユニバーサルシリアルバス(USB)プロトコル、ケーブルによるデータサービスインターフェース標準(DOCSIS)プロトコル、デジタル加入者線(DSL)プロトコル、ファイヤワイヤ(IEEE1394)プロトコル若しくは他の有線プロトコル若しくは光学プロトコル等のプロトコルを介してホストデバイス、基地局、モバイルデバイス、建物若しくは他のデバイスと通信する他の適する有線若しくは光学媒体を含むこともできる。システム1000がリピーターとして機能する実施形態において、通信インターフェース1008は必要ないことがある。
【0081】
通信インターフェース1008の出力信号(例えば、Tx)は、周波数混合器1010において局部発振器1012により生成される搬送波(例えば、ミリメートル波搬送波)と組み合わせることができる。周波数混合器1010は、ヘテロダイン技法又は他の周波数シフト技法を用いて、通信インターフェース1008からの出力信号を周波数シフトすることができる。例えば、通信インターフェース1008に及び通信インターフェース1008から送信される信号は、ロングタームエボリューション(LTE)ワイヤレスプロトコル若しくは他のワイヤレス3G、4G、5G若しくはより高次の音声及びデータプロトコル、Zigbee、WIMAX、超広帯域若しくはIEEE802.11ワイヤレスプロトコル;イーサネットプロトコル、ユニバーサルシリアルバス(USB)プロトコル、ケーブルによるデータサービスインターフェース標準(DOCSIS)プロトコル、デジタル加入者線(DSL)プロトコル、ファイヤワイヤ(IEEE1394)プロトコル等の有線プロトコル又は他の有線若しくは無線プロトコルに従ってフォーマットされた直交周波数分割多重(OFDM)信号等の被変調信号であり得る。例示的な実施形態において、この周波数変換はアナログ領域において行うことができ、結果として、周波数シフトは、基地局、モバイルデバイス又は建物内デバイスが使用する通信プロトコルのタイプに関係なく行うことができる。新たな通信技術が開発されるにつれて、通信インターフェース1008は、アップグレード(例えば、ソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェアを用いた更新)又は交換することができ、周波数シフト及び伝送装置はそのままであり、アップグレードを簡単にすることができる。次に、搬送波は電力増幅器(「PA」)1014に送信することができ、ダイプレクサ1016を経由して送信機受信機デバイス1006を介して送信することができる。
【0082】
送信機/受信機デバイス1006から受信され、通信インターフェース1008に向けられる信号は、ダイプレクサ1016を介して他の信号から分離することができる。次に、受信信号は、増幅するために低雑音増幅器(「LNA」)1018に送信することができる。周波数混合器1020は、局部発振器1012からの支援を受けて受信信号(幾つかの実施形態において、ミリメートル波帯又は約38GHzにある)を本来の周波数まで下方にシフトすることができる。次に、通信インターフェース1008は、入力ポート(Rx)において、その伝送を受信することができる。
【0083】
一実施形態において、送信機/受信機デバイス1006は、円筒形若しくは非円筒形の金属(例えば、一実施形態において中空であり得るが、必ずしも縮尺どおりに描かれていない)又は他の導電性若しくは非導電性導波路を含むことができ、スタブ結合器1002の端部を導波路若しくは送信機/受信機デバイス1006内に又は導波路若しくは送信機/受信機デバイス1006に近接して配置することができ、それにより、送信機/受信機デバイス1006が伝送を生成するとき、導波がスタブ結合器1002に結合し、導波1004としてスタブ結合器1002の導波路表面の周囲を伝搬するようにすることができる。幾つかの実施形態において、導波1004は、部分的にスタブ結合器1002の外面上を、部分的にスタブ結合器1002の内部を伝搬することができる。他の実施形態において、導波1004は、スタブ結合器1002の外面上を実質的に又は完全に伝搬することができる。更に別の実施形態において、導波1004は、スタブ結合器1002の内部を実質的に又は完全に伝搬することができる。この後者の実施形態において、導波1004は、
図7の電線702等の伝送媒体に結合するために、スタブ結合器1002の端部(
図4に示される先細りの端部等)において放射することができる。同様に、導波1004が到来しつつある(電線702からスタブ結合器1002に結合される)場合、導波1004は送信機/受信機デバイス1006に入り、円筒形導波路又は導電性導波路に結合する。送信機/受信機デバイス1006は、別個の導波路を含むように示されるが、別個の導波路あり又はなしで、アンテナ、空洞共振器、クライストロン、マグネトロン、進行波管又は他の放射素子を利用して結合器1002上に導波を誘導することができる。
【0084】
一実施形態において、スタブ結合器1002は、いかなる金属又はそれ以外の導電性材料も使用することなく完全に誘電体材料(又は別の適切な絶縁材料)から構成することができる。スタブ結合器1002は、ナイロン、テフロン、ポリエチレン、ポリアミド、他のプラスチック又は非導電性であり、そのような材料の外面上の少なくとも一部において電磁波の伝送を容易にするのに適している他の材料から構成することができる。別の実施形態において、スタブ結合器1002は、導電性/金属製であるコアを含み、外側誘電体表面を有することができる。同様に、スタブ結合器1002によって誘導された電磁波を伝搬させるために、又はスタブ結合器1002に電磁波を供給するためにスタブ結合器1002に結合する伝送媒体は、裸線又は絶縁電線であることに加えて、いかなる金属又はそれ以外の導電性材料も使用することなく完全に誘電体材料(又は別の適切な絶縁材料)から構成することができる。
【0085】
図10Aは、送信機受信機デバイス1006の開口部がスタブ結合器1002よりはるかに広いことを示すが、これは一定の縮尺に従っていないこと、及び他の実施形態においてスタブ結合器1002の幅は、中空の導波路の開口部と同程度であるか、又はわずかに小さいことに留意されたい。また、図示されないが、一実施形態において、送信機/受信機デバイス1006内に挿入される結合器1002の端部は、反射を少なくし、結合効率を高めるために先細りになる。
【0086】
スタブ結合器1002に結合する前に、送信機/受信機デバイス1006によって生成された導波の1つ又は複数の導波路モードは、スタブ結合器1002に結合し、導波1004の1つ又は複数の波動伝搬モードを誘導することができる。導波1004の波動伝搬モードは、中空の金属導波路と誘電体導波路との特性の違いに起因して、中空の金属導波路モードと異なる可能性がある。例えば、導波1004の波動伝搬モードは、基本横電磁モード(擬似TEM00)を含むことができ、そのモードでは、導波がスタブ結合器1002に沿って伝搬する間、わずかな電場及び/又は磁場のみが伝搬方向に延在し、電場及び磁場はスタブ結合器1002から径方向外向きに延在する。基本横電磁モード波動伝搬モードは、中空である導波路内部に存在することも存在しないこともできる。したがって、送信機/受信機デバイス1006によって使用される中空の金属導波路モードは、スタブ結合器1002の波動伝搬モードに実効的且つ効率的に結合することができる導波路モードである。
【0087】
送信機/受信機デバイス1006及びスタブ結合器1002の他の構成又は組み合わせが可能であることが理解されよう。例えば、
図10Bの参照符号1000’で示されているように、スタブ結合器1002’は、送信機/受信機デバイス1006’(対応する回路部は図示せず)の中空の金属導波路の外面に対して接線方向又は平行に(間隙の有無にかかわらず)配置することができる。参照符号1000’で示されていない別の実施形態において、スタブ結合器1002’は、送信機/受信機デバイス1006’の中空の金属導波路の内側に配置することができ、スタブ結合器1002’の軸を送信機/受信機デバイス1006’の中空の金属導波路の軸と同軸上に位置合わせすることを要しない。これらの実施形態のいずれにおいても、送信機/受信機デバイス1006’によって生成された導波は、スタブ結合器1002’の表面に結合して、基本モード(例えば、対称モード)及び/又は非基本モード(例えば、非対称モード)を含む1つ又は複数の波動伝搬モードの導波1004’をスタブ結合器1002’上に誘導することができる。
【0088】
1つの実施形態において、導波1004’は、部分的にスタブ結合器1002’の外面上を伝搬し、部分的にスタブ結合器1002’の内側を伝搬することができる。別の実施形態において、導波1004’は、実質的に又は完全にスタブ結合器1002’の外面上を伝搬することができる。更に別の実施形態において、導波1004’は、実質的に又は完全にスタブ結合器1002’の内部を伝搬することができる。この後者の実施形態において、導波1004’は、
図9の電線702等の伝送媒体に結合するために、スタブ結合器1002’の端部(
図9に示されている先細りの端部等)において放射することができる。
【0089】
送信機/受信機デバイス1006の他の構成が可能であることが更に理解されよう。例えば、
図10Bにおいて参照符号1000’’として示されているように、送信機/受信機デバイス1006’’(対応する回路部は図示せず)の中空の金属導波路は、スタブ結合器1002を使用することなく、
図4の電線702等の伝送媒体の外面に対して接線方向又は平行に(間隙の有無にかかわらず)配置することができる。この実施形態において、送信機/受信機デバイス1006’’によって生成される導波は、電線702の表面に結合して、基本モード(例えば、対称モード)及び/又は非基本モード(例えば、非対称モード)を含む1つ又は複数の波動伝搬モードの導波908を電線702上に誘導することができる。別の実施形態において、電線702は、送信機/受信機デバイス1006’’’(対応する回路部は図示せず)の中空の金属導波路の内部に位置決めすることができ、それにより、電線702の軸は、スタブ結合器1002を使用することなく、中空の金属導波路の軸と同軸上に(又は同軸にならないように)位置合わせされるようになっている -
図10Bの参照符号1000’’’を参照されたい。この実施形態において、送信機/受信機デバイス1006’’’によって生成された導波は、電線702の表面に結合して、基本モード(例えば、対称モード)及び/又は非基本モード(例えば、非対称モード)を含む1つ又は複数の波動伝搬モードの導波908を電線上に誘導することができる。
【0090】
1000’’及び1000’’’の実施形態において、絶縁外面を有する電線702の場合、導波908は、部分的に絶縁体の外面上を伝搬し、部分的に絶縁体の内側を伝搬することができる。実施形態において、導波908は、実質的に若しくは完全に絶縁体の外面上を伝搬することができ、又は実質的に若しくは完全に絶縁体の内部を伝搬することができる。1000’’及び1000’’’の実施形態において、裸の導体である電線702の場合、導波908は、部分的に導体の外面上を伝搬し、部分的に導体の内部を伝搬することができる。別の実施形態において、導波908は、実質的に又は完全に導体の外面上を伝搬することができる。
【0091】
ここで、
図11を参照すると、二重スタブ結合器の一例の非限定的な実施形態を示すブロック
図1100が示されている。特に、二重結合器設計は、
図1に関連して提示した送信デバイス101又は102等の送信デバイスで使用するために提示されている。一実施形態において、導波1108を受信するために、2つ以上の結合器(スタブ結合器1104及び1106等)を電線1102の周囲に位置決めすることができる。一実施形態において、導波1108を受信するには1つの結合器で十分である。その場合、導波1108は、結合器1104に結合し、導波1110として伝搬する。導波1108の場構造が特定の導波モード又は種々の外部要因に起因して電線1102の周囲で振動又は波動する場合、導波1108が結合器1106に結合するように結合器1106を配置することができる。幾つかの実施形態において、電線1102の周囲で振動若しくは回転することがある導波、異なる方位において誘導された導波又は例えば方位に依存するローブ及び/又はヌル若しくは他の非対称性を有する非基本モード若しくはより高次のモードを有する導波を受信するために、4つ以上の結合器を電線1102の一部の周囲に、例えば互いに90度に又は別の間隔で配置することができる。しかし、例示的な実施形態から逸脱することなく、電線1102の一部の周囲に4つより少数又は多数の結合器を配置し得ることが理解されよう。
【0092】
結合器1106及び1104はスタブ結合器として示されるが、アーク結合器、アンテナ又はホーン結合器、磁気結合器等を含む本明細書において説明される任意の他の結合器設計も同様に使用可能であることに留意されたい。また、幾つかの例としての実施形態は、電線1102の少なくとも一部の周囲に複数の結合器を提示してきたが、この複数の結合器は、複数の結合器サブコンポーネントを有する単一の結合器システムの一部と見なし得ることも理解されよう。例えば、一度の設置で電線の周囲に設置することができる単一のシステムとして、2つ以上の結合器を製造することができ、それにより、結合器は、その単一のシステムに従って予め位置決めされるか、又は互いに対して調整可能(手動で又はモータ若しくは他のアクチュエータ等の制御可能な機構を用いて自動的に)である。
【0093】
結合器1106及び1104に結合される受信機は、信号品質を最大化するために、ダイバーシティ合成を用いて、両方の結合器1106及び1104から受信された信号を合成することができる。他の実施形態において、結合器1104及び1106のいずれか一方が所定の閾値より高い伝送を受信する場合、受信機は、いずれの信号を使用するかを決定するときに選択ダイバーシティを使用することができる。更に、複数の結合器1106及び1104による受信が示されているが、同じ構成での結合器1106及び1104による送信も同様に行うことができる。特に、広範囲の多入力多出力(MIMO)送受信技法が、
図1に関連して提示された送信デバイス101又は102等の送信デバイスが複数の送受信機及び複数の結合器を含む伝送に利用可能である。
【0094】
波1108及び1110のグラフィック表示は、導波1108が結合器1104上に波1110を誘導するか又は他に送出する原理を例示するために提示されるにすぎないことに留意されたい。そのような波動伝搬の結果として生成される実際の電場及び磁場は、利用される周波数、結合器1104の設計、電線1102の寸法及び組成並びにその表面特性、存在する場合には絶縁、周囲環境の電磁特性等に応じて変化し得る。
【0095】
ここで、
図12を参照すると、リピーターシステムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック
図1200が示されている。特に、
図1に関連して提示した送信デバイス101又は102等の送信デバイスで使用されるためのリピーターデバイス1210が提示される。このシステムにおいて、電線1202に沿って伝搬する導波1205が結合器1204により波1206として(例えば、導波として)抽出され、次にリピーターデバイス1210によって昇圧又は再現されて、波1216として(例えば、導波として)結合器1214上に送出されるように、2つの結合器1204及び1214を電線1202又は他の伝送媒体の近くに配置することができる。次に、波1216は、電線1202上に送出され、導波1217として電線1202に沿って引き続き伝搬することができる。一実施形態において、リピーターデバイス1210は、例えば、電線1202が電力線であるか又は他に送電導体を含む場合、電線1202との磁場結合を通して、昇圧又は再現に利用される電力の少なくとも一部を受け取ることができる。結合器1204及び1214はスタブ結合器として示されているが、アーク結合器、アンテナ又はホーン結合器又は磁気結合器等の本明細書において説明される任意の他のタイプの結合器設計も同様に使用可能であることに留意されたい。
【0096】
幾つかの実施形態において、リピーターデバイス1210は、波1206に関連付けられる伝送を再現することができ、他の実施形態において、リピーターデバイス1210は、データ又は他の信号を波1206から抽出して、そのようなデータ又は信号を別のネットワーク及び/又は1つ又は複数の他のデバイスに通信信号110又は112として供給し、及び/又は通信信号110又は112を別のネットワーク及び/又は1つ又は複数の他のデバイスから受信する通信インターフェース205を含むことができ、受信した通信信号110又は112を内部に埋め込んだ導波1216を送出することができる。リピーター構成において、受信機導波路1208は、波1206を結合器1204から受信することができ、送信機導波路1212は、導波1217として導波1216を結合器1214上に送出することができる。受信機導波路1208と送信機導波路1212との間で、導波1206に埋め込まれる信号及び/又は導波1216自体を増幅して、信号損失及び導波通信に関連付けられる他の非効率を補正することができるか、又は信号を受信して処理し、それに含まれるデータを抽出し、送信するために再生することができる。一実施形態において、受信機導波路1208は、信号からデータを抽出し、データを処理して、例えば、誤り修正符号を利用してデータエラーを修正し、修正されたデータを用いて更新された信号を再生するように構成することができる。次に、送信機導波路1212は、更新された信号が埋め込まれた導波1216を送信することができる。一実施形態において、導波1206に埋め込まれた信号は、伝送から抽出され、処理されて、通信信号110又は112として通信インターフェース205を介して別のネットワーク及び/又は1つ又は複数の他のデバイスに通信することができる。同様に、通信インターフェース205が受信した通信信号110又は112は、送信機導波路1212により生成され、結合器1214に送出される導波1216の伝送に挿入することができる。
【0097】
図12は、それぞれ左から入り、右に出る導波伝送1206及び1216を示すが、これは簡単にするためにすぎず、限定は意図していないことに留意されたい。他の実施形態において、受信機導波路1208及び送信機導波路1212は、それぞれ送信機及び受信機としての役割も果たすことができ、それにより、リピーターデバイス1210を双方向にすることができる。
【0098】
一実施形態において、リピーターデバイス1210は、電線1202又は他の伝送媒体上に断続又は障害物が存在する場所に配置することができる。電線1202が電力線である場合、これらの障害物は、変圧器、接続、電柱及び他のそのような電力線デバイスを含むことができる。リピーターデバイス1210は、導波(例えば、表面波)が線路上のこれらの障害物を越え、同時に伝送電力を昇圧することを促進することができる。他の実施形態において、結合器を用いて、リピーターデバイスを使用することなく障害物を越えることができる。その実施形態において、結合器の両端を電線に繋ぐか又は固定して、それにより、導波が障害物によって阻止されることなく進行するための経路を提供することができる。
【0099】
ここで、
図13を参照すると、本明細書において説明される種々の態様による、双方向リピーターの一例の非限定的な実施形態のブロック
図1300が示されている。特に、双方向リピーターデバイス1306は、
図1に関連して提示した送信デバイス101又は102等の送信デバイスで使用されるために提示される。結合器はスタブ結合器として示されているが、アーク結合器、アンテナ又はホーン結合器、磁気結合器等を含む本明細書において説明される任意の他の結合器設計も同様に使用可能であることに留意されたい。双方向リピーター1306は、2本以上の電線又は他の伝送媒体が存在する場合、ダイバーシティパスを利用することができる。導波伝送は、絶縁電線、非絶縁電線又は他のタイプの伝送媒体等の異なるタイプの伝送媒体で異なる伝送効率及び結合効率を有し、及び更に要素に露出する場合、天候及び他の大気状況による影響を受け得るため、特定のときに異なる伝送媒体で選択的に伝送することが有利であり得る。種々の実施形態において、種々の伝送媒体は、呼称がある伝送媒体が別の伝送媒体よりも好ましいことを示すか否かに関係なく、一次、二次、三次等と呼ばれることがある。
【0100】
示される実施形態において、伝送媒体は、絶縁又は非絶縁電線1302及び絶縁又は非絶縁電線1304(本明細書では、それぞれ電線1302及び1304と呼ぶ)を含む。リピーターデバイス1306は、受信機結合器1308を用いて、電線1302に沿って進行する導波を受信し、電線1304に沿う導波として、送信機導波路1310を用いて伝送を再現する。他の実施形態において、リピーターデバイス1306は、電線1304から電線1302に切り替えることができるか、又は同じ経路に沿ってその伝送を再現することができる。リピーターデバイス1306は、伝送に影響を及ぼす可能性がある状況を示すセンサーを含むか、又はそのようなセンサー(又は
図16Aに示されるネットワーク管理システム1601)と通信することができる。センサーから受信されるフィードバックに基づいて、リピーターデバイス1306は、その伝送を同じ電線に沿って維持するか、その伝送を他の電線に転送するかについての判断を行うことができる。
【0101】
ここで、
図14を参照すると、双方向リピーターシステムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック
図1400が示されている。特に、双方向リピーターシステムは、
図1に関連して提示した送信デバイス101又は102等の送信デバイスで使用されるために提示される。双方向リピーターシステムは、分散アンテナシステム又はバックホールシステム内に配置される他の結合デバイスからの伝送を受信し、送信する導波路結合デバイス1402及び1404を含む。
【0102】
種々の実施形態において、導波路結合デバイス1402は、別の導波路結合デバイスから伝送を受信することができ、その伝送は複数の副搬送波を有する。ダイプレクサ1406が他の伝送からその伝送を分離し、その伝送を低雑音増幅器(「LNA」)1408に送ることができる。周波数混合器1428は、局部発振器1412からの支援を受けてその伝送(幾つかの実施形態において、ミリメートル波帯又は約38GHzにある)を、分散アンテナシステムの場合のセルラー帯(約1.9GHz)、本来の周波数又はバックホールシステムの場合の他の周波数等のより低い周波数まで下方にシフトすることができる。抽出器(又はデマルチプレクサ)1432が副搬送波上の信号を抽出し、その信号を出力コンポーネント1422に送り、電力増幅器1424により任意選択的に増幅、バッファリング又は分離して通信インターフェース205に結合することができる。通信インターフェース205は、電力増幅器1424から受信した信号を更に処理するか、又はそうでなければ、基地局、モバイルデバイス、建物等の他のデバイスに無線又は有線インターフェースを介してそのような信号を送信することができる。この場所で抽出されない信号の場合、抽出機1432は、それらを別の周波数混合器1436にリダイレクトすることができ、周波数混合器1436において、信号は、局部発振器1414により生成される搬送波の変調に用いられる。搬送波は、その副搬送波と共に電力増幅器(「PA」)1416に送られ、導波路結合デバイス1404によりダイプレクサ1420を介して別のシステムに再送される。
【0103】
LNA1426を用いて、通信インターフェース205から受信した信号を増幅、バッファリング又は分離することができ、次に信号をマルチプレクサ1434に送信することができ、マルチプレクサ1434は、導波路結合デバイス1404から受信していた信号とその信号とを融合させる。結合デバイス1404から受信した信号は、ダイプレクサ1420により分割されており、次にLNA1418を通して渡され、周波数混合器1438により周波数を下方にシフトされている。信号は、マルチプレクサ1434によって合成されるとき、周波数混合器1430によって周波数を上方にシフトされ、次にPA1410によって昇圧され、導波路結合デバイス1402により別のシステムに送信される。一実施形態において、双方向リピーターシステムは、出力デバイス1422を有さない単なるリピーターであり得る。この実施形態において、マルチプレクサ1434は利用されず、LNA1418からの信号は、上述したように混合器1430に送られる。幾つかの実施形態において、双方向リピーターシステムは、2つの異なる別々の一方向リピーターを用いて実施し得ることは理解されよう。代替の実施形態において、双方向リピーターシステムはブースターであり得るか、又は他に下方シフト及び上方シフトを行うことなく再送を実行することができる。実際には、例示的な実施形態において、再送は、信号又は導波を受信することと、信号又は導波の再送前に幾つかの信号又は導波処理又は整形、フィルタリング及び/又は増幅を実行することとに基づくことができる。
【0104】
ここで、
図15を参照すると、導波通信システムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック
図1500が示されている。この図は、
図1に関連して提示した導波通信システム等の導波通信システムを用いることができる例示的な環境を示す。
【0105】
ネットワーク接続を追加の基地局デバイスに提供するために、通信セル(例えば、マイクロセル及びマクロセル)をコアネットワークのネットワークデバイスにリンクするバックホールネットワークがそれに対応して拡大する。同様に、ネットワーク接続を分散アンテナシステムに提供するために、基地局デバイスを分散アンテナにリンクする拡張通信システムが望ましい。
図15に示される等の導波通信システム1500は、代替の、増大した又は追加のネットワーク接続を可能にするために提供することができ、導波路結合システムは、単線伝送線路(例えば、ユーティリティライン)として動作し、導波路として用いることができ、及び/又は電磁波の伝送を誘導するように他に動作する電線等の伝送媒体上で導波(例えば、表面波)通信を送信及び/又は受信するために提供することができる。
【0106】
導波通信システム1500は、中央オフィス1501及び/又はマクロセルサイト1502に通信可能に結合される1つ又は複数の基地局デバイス(例えば、基地局デバイス1504)を含む分散システムの第1のインスタンス1550を含むことができる。基地局デバイス1504は、有線接続(例えば、ファイバ及び/又はケーブル)又は無線接続(例えば、マイクロ波無線接続)によりマクロセルサイト1502及び中央オフィス1501に接続することができる。分散システムの第2のインスタンス1560を用いて、ワイヤレス音声及びデータサービスをモバイルデバイス1522及び住宅及び/又は商用施設1542(本明細書において施設1542と呼ぶ)に提供することができる。システム1500は、
図15に示されるように、音声及び/又はデータサービスをモバイルデバイス1522~1524及び施設1542に提供する分散システムの追加のインスタンス1550及び1560を有することができる。
【0107】
マクロセルサイト1502等のマクロセルは、モバイルネットワーク及び基地局デバイス1504への専用接続を有することができ、又は共有することができ、及び/又は他に別の接続を使用することができる。中央オフィス1501を用いてメディアコンテンツを配信し、及び/又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)サービスをモバイルデバイス1522~1524及び施設1542に提供することができる。中央オフィス1501は、メディアコンテンツを衛星1530の集合(そのうちの1つを
図15に示す)又は他のコンテンツソースから受信し、分散システムの第1のインスタンス1550及び第2のインスタンス1560を介してそのようなコンテンツをモバイルデバイス1522~1524及び施設1542に配信することができる。中央オフィス1501は、インターネット1503に通信可能に結合することもでき、それによりインターネットデータサービスをモバイルデバイス1522~1524及び施設1542に提供する。
【0108】
基地局デバイス1504は、電柱1516に搭載又は取り付けることができる。他の実施形態において、基地局デバイス1504は、変圧器の近く及び/又は電力線の近傍の他の場所にあり得る。基地局デバイス1504は、モバイルデバイス1522及び1524のモバイルネットワークへの接続を容易にすることができる。それぞれ電柱1518及び1520に又はそれらの近傍に搭載されるアンテナ1512及び1514は、信号を基地局デバイス1504から受信し、アンテナ1512及び1514が基地局デバイス1504に又はその近傍に配置される場合よりもはるかに広いエリアにわたり、それらの信号をモバイルデバイス1522及び1524に送信することができる。
【0109】
図15は、簡単にするために、分散システムの各インスタンス1550及び1560において、3本の電柱を1つの基地局デバイスと共に表示することに留意されたい。他の実施形態において、電柱1516は、より多数の基地局デバイスを有することができ、より多くの電柱が分散アンテナ及び/又は施設1542に繋がれる接続を有する。
【0110】
図1に関連して提示した送信デバイス101又は102等の送信デバイス1506は、電柱1516、1518及び1520を接続するユーティリティ又は電力線を介して信号を基地局デバイス1504からアンテナ1512及び1514に送信することができる。信号を送信するために、無線ソース及び/又は送信デバイス1506は、基地局デバイス1504からの信号をアップコンバートする(例えば、周波数混合を介して)か、又は基地局デバイス1504からの信号をマイクロ波帯域信号に他に変換し、送信デバイス1506はマイクロ波帯域波を送出し、マイクロ波帯域波は、先の実施形態において説明したように、ユーティリティライン又は他の電線に沿って進行する導波として伝搬する。電柱1518において、別の送信デバイス1508が、導波を受信し(及び任意選択的に、必要又は所望に応じて導波を増幅することができ、又は導波を受信し、再生成するリピーターとして動作することができ)、ユーティリティライン又は他の電線上の導波として転送する。送信デバイス1508は、マイクロ波帯域導波から信号を抽出し、その周波数を下方シフトするか、又は他に元のセルラー帯域周波数(例えば、1.9GHz又は他の規定されるセルラー周波数)又は別のセルラー(又は非セルラー)帯域周波数に変換することもできる。アンテナ1512は、下方シフトされた信号をモバイルデバイス1522にワイヤレス送信することができる。プロセスは、必要又は所望に応じて送信デバイス1510、アンテナ1514及びモバイルデバイス1524により繰り返すことができる。
【0111】
モバイルデバイス1522及び1524からの伝送は、アンテナ1512及び1514によりそれぞれ受信することもできる。送信デバイス1508及び1510は、セルラー帯域信号をマイクロ波帯域に上方シフトするか又は他に変換し、導波(例えば、表面波又は他の電磁波)伝送として、電力線を介して信号を基地局デバイス1504に送信することができる。
【0112】
中央オフィス1501により受信されたメディアコンテンツは、基地局デバイス1504を介して分散システムの第2のインスタンス1560に供給し、モバイルデバイス1522及び施設1542に配信することができる。送信デバイス1510は、1つ又は複数の有線接続又は無線インターフェースにより施設1542に繋ぐことができる。1つ又は複数の有線接続は、限定ではなく、電力線、同軸ケーブル、ファイバケーブル、撚り対線ケーブル、導波伝送媒体又はメディアコンテンツを配信し、及び/又はインターネットサービスを提供する他の適する有線媒体を含むことができる。例示的な実施形態において、送信デバイス1510からの有線接続は、1つ又は複数の対応するサービスエリアインターフェース(SAI - 図示せず)又はペデスタルに配置された1つ又は複数の超高速デジタル加入者線(VDSL)モデムに通信可能に結合することができ、各SAI又はペデスタルは、施設1542の一部にサービスを提供する。VDSLモデムを用いて、施設1542に配置されたゲートウェイ(図示せず)にメディアコンテンツを選択的に配信し、及び/又はインターネットサービスを提供することができる。SAI又はペデスタルは、電力線、同軸ケーブル、ファイバケーブル、撚り対線ケーブル、導波伝送媒体又は他の適する有線媒体等の有線媒体を介して施設1542に通信可能に結合することもできる。他の例示的な実施形態において、送信デバイス1510は、SAI又はペデスタル等の中間インターフェースなしで施設1542に通信可能に直接結合することができる。
【0113】
別の例示的な実施形態において、システム1500は、ダイバーシティパスを利用することができ、その場合、2つ以上の送電線又は他の電線が電柱1516、1518及び1520間に張り渡され(例えば、電柱1516及び1520間にある2つ以上の電線等)、基地局/マクロセルサイト1502からの冗長伝送が導波として送電線又は他の電線の表面を下流に送信される。送電線又は他の電線は、絶縁又は非絶縁のいずれかであり得、伝送損失を引き起こす環境条件に応じて、結合デバイスは、絶縁又は非絶縁送電線又は他の電線から信号を選択的に受信することができる。その選択は、電線の信号対雑音比の測定値に基づくことができるか、又は特定された気象/環境条件(例えば、水分検出器、気象予報等)に基づくことができる。システム1500と共にダイバーシティパスを使用することは、代替のルーティング能力、負荷バランシング、負荷取扱量の増加、同時の双方向又は同期通信、スペクトル拡散通信等を可能にすることができる。
【0114】
図15における送信デバイス1506、1508及び1510の使用が単なる例であり、他の実施形態において、他の使用が可能であることに留意されたい。例えば、送信デバイスは、基地局デバイスにネットワーク接続を提供するバックホール通信システムで使用することができる。送信デバイス1506、1508及び1510は、絶縁されるか否かに関係なく、電線を介して導波通信を伝送することが望ましい多くの状況において用いることができる。送信デバイス1506、1508及び1510は、高電圧を搬送することができる電線との接触がないか、又は物理的及び/又は電気的接触が限られることに起因して、他の結合デバイスよりも優れた改善である。送信デバイスは、誘電体が絶縁体として機能し、安価であり、容易であり、及び/又は複雑性が低い設置を可能にするため、電線に電気的に接触しない限り、電線から離れて(例えば、電線から離間して)配置し、及び/又は電線上に配置することができる。しかし、上述されたように、例えば電線が電話網、ケーブルテレビネットワーク、ブロードバンドデータサービス、光ファイバ通信システム又は低電圧を利用するか、若しくは絶縁された伝送線路を有する他のネットワークに対応する構成では、導電性又は非誘電体結合器を利用することができる。
【0115】
実施形態において基地局デバイス1504及びマクロセルサイト1502が例示されるが、他のネットワーク構成も同様に可能であることに更に留意されたい。例えば、アクセスポイント又は他のワイヤレスゲートウェイ等のデバイスを同様に利用して、ワイヤレスローカルエリアネットワーク、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク又は802.11プロトコル、WIMAXプロトコル、超広帯域プロトコル、Bluetooth(登録商標)プロトコル、Zigbeeプロトコル若しくは他のワイヤレスプロトコル等の通信プロトコルに従って動作する他のワイヤレスネットワーク等の他のネットワークの通信範囲を広げることができる。
【0116】
ここで、
図16A及び
図16Bを参照すると、電力網通信システムを管理するシステムの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図が示されている。
図16Aを考慮すると、導波路システム1602は、
図15に関連して提示したシステム等の導波通信システムで使用するために提示される。導波路システム1602は、センサー1604、電力管理システム1605、少なくとも1つの通信インターフェース205、送受信機210及び結合器220を含む送信デバイス101又は102を含むことができる。
【0117】
導波路システム1602は、電力線1610に結合されて、本開示において説明される実施形態による導波通信を容易にすることができる。例示的な実施形態において、送信デバイス101又は102は、本開示において説明されるように、電力線1610の表面に沿って長手方向に伝搬する電力線1610の表面上の電磁波を誘導する結合器220を含む。送信デバイス101又は102は、同じ電力線1610上に電磁波を再送し、又は
図12及び
図13に示されるように、電力線1610間で電磁波をルーティングするリピーターとして機能することもできる。
【0118】
送信デバイス101又は102は、例えば、元の周波数範囲で動作する信号を結合器に沿って伝搬して、電力線1610の表面に沿って伝搬する対応する導波される電磁波を誘導する搬送波周波数で動作するか、搬送波周波数を示すか、又は搬送波周波数に関連付けられた電磁波にアップコンバートするように構成される送受信機210を含む。搬送波周波数は、電磁波の帯域幅を定義する上限及び下限遮断周波数を有する中心周波数により表すことができる。電力線1610は、導電表面又は絶縁表面を有する電線(例えば、単線又は撚り線)であり得る。送受信機210は、結合器220から信号を受信し、搬送波周波数で動作する電磁波を元の周波数の信号にダウンコンバートすることもできる。
【0119】
アップコンバートのために送信デバイス101又は102の通信インターフェース205により受信された信号は、限定ではなく、通信インターフェース205の有線又は無線インターフェースを介して中央オフィス1611により供給される信号、通信インターフェース205の有線又は無線インターフェースを介して基地局1614により供給される信号、通信インターフェース205の有線又は無線インターフェースを介して配信するためにモバイルデバイス1620により基地局1614に送信されるワイヤレス信号、通信インターフェース205の有線又は無線インターフェースを介して建物内通信デバイス1618により供給される信号及び/又は通信インターフェース205のワイヤレス通信範囲にローミングするモバイルデバイス1612により通信インターフェース205に供給されるワイヤレス信号を含むことができる。
図12及び
図13に示されるように、導波路システム1602がリピーターとして機能する実施形態において、通信インターフェース205は、導波路システム1602に含まれても又は含まれなくてもよい。
【0120】
電力線1610の表面に沿って伝搬する電磁波は、データペイロードを含み、ネットワーキング情報(1つ又は複数の宛先導波路システム1602を識別するヘッダ情報等)を更に含むデータのパケット又はフレームを含むように変調及びフォーマットすることができる。ネットワーキング情報は、導波路システム1602又は中央オフィス1611、基地局1614、モバイルデバイス1620若しくは建物内デバイス1618又はそれらの組み合わせ等の発信デバイスにより提供し得る。更に、変調された電磁波は、信号外乱を軽減するために誤り修正データを含むことができる。宛先導波路システム1602は、ネットワーキング情報及び誤り修正データを用いて、宛先導波路システム1602に向けられた伝送を検出し、宛先導波路システム1602に通信可能に結合された受信通信デバイスに向けられた音声及び/又はデータ信号を含む伝送をダウンコンバートし、誤り修正データを用いて処理することができる。
【0121】
ここで、導波路システム1602のセンサー1604を参照すると、センサー1604は、温度センサー1604a、外乱検出センサー1604b、エネルギー損失センサー1604c、雑音センサー1604d、振動センサー1604e、環境(例えば、天候)センサー1604f及び/又はイメージセンサー1604gの1つ又は複数を含むことができる。温度センサー1604aは、周囲温度、送信デバイス101若しくは102の温度、電力線1610の温度、温度差(例えば、設定点若しくはベースラインと比較した送信デバイス101若しくは102と1610との間等)又はそれらの任意の組み合わせの測定に用いることができる。1つの実施形態において、温度メトリックは、定期的に収集し、基地局1614を経由してネットワーク管理システム1601に報告することができる。
【0122】
外乱検出センサー1604bは、測定を電力線1610に対して実行して、電力線1610上の電磁波の伝搬を妨げるおそれがある下流外乱の存在を示し得る信号反射等の外乱を検出することができる。信号反射は、例えば、送信デバイス101又は102から下流に配置される電力線1610内の外乱から送信デバイス101又は102に全体的又は部分的に反射する、送信デバイス101又は102により電力線1610上に送信される電磁波から生じる歪みを表すことができる。
【0123】
信号反射は、電力線1610上の障害物により生じることがある。例えば、木の枝は、電力線1610上に横たわるか、又はコロナ放電を生じさせるおそれがある電力線1610の近傍にあるとき、電磁波反射を生じさせることがある。電磁波反射を生じさせるおそれがある他の障害物としては、限定ではなく、電力線1610に絡まった物体(例えば、衣服、靴紐が電力線1610に巻き付いた靴等)、電力線1610上の腐食堆積物又は氷の堆積物を挙げることができる。電力網コンポーネントも電力線1610の表面上の電磁波の伝搬を妨げるか、又は邪魔することがある。信号反射を生じさせるおそれがある電力網コンポーネントの例示としては、限定ではなく、変圧器及び継がれる電力線を接続するジョイントが挙げられる。鋭角になった電力線1610も電磁波反射を生じさせるおそれがある。
【0124】
外乱検出センサー1604bは、電磁波反射の大きさを送信デバイス101又は102により送信される元の電磁波の大きさと比較して、電力線1610内の下流外乱が伝送を減衰させる量を特定する回路を含むことができる。外乱検出センサー1604bは、スペクトル分析を反射波に対して実行するスペクトル分析器回路を更に含むことができる。スペクトル分析器回路により生成されるスペクトルデータは、パターン認識、専門家システム、曲線フィッティング、整合フィルタリング又は他の人工知能、分類若しくは比較技法を介してスペクトルプロファイルと比較されて、例えば、スペクトルデータに最も密に一致するスペクトルプロファイルに基づいて外乱のタイプを識別することができる。スペクトルプロファイルは、外乱検出センサー1604bのメモリに記憶することができ、又は外乱検出センサー1604bによりリモートアクセス可能であり得る。プロファイルは、電力線1610上で直面する可能性がある異なる外乱をモデリングして、外乱検出センサー1604bが外乱をローカルに識別できるようにするスペクトルデータを含むことができる。既知である場合、外乱の識別は、基地局1614を経由してネットワーク管理システム1601に報告することができる。外乱検出センサー1604bは、送信デバイス101又は102を利用して、電磁波をテスト信号として送信し、電磁波反射の往復時間を特定することもできる。外乱検出センサー1604bにより測定される往復時間を使用して、反射が生じるポイントまで電磁波が進行する距離を計算することができ、それにより、外乱検出センサー1604bは、送信デバイス101又は102から電力線1610上の下流の外乱までの距離を計算することができる。
【0125】
計算された距離は、基地局1614を経由してネットワーク管理システム1601に報告することができる。1つの実施形態において、電力線1610上の導波路システム1602の位置は、ネットワーク管理システム1601にとって既知であり得、ネットワーク管理システム1601はその位置を用いて、電力網の既知のトポロジーに基づいて電力線1610上の外乱の位置を特定することができる。別の実施形態において、導波路システム1602は、その位置をネットワーク管理システム1601に提供して、電力線1610上の外乱の位置の特定を支援することができる。導波路システム1602の位置は、導波路システム1602により、導波路システム1602のメモリに記憶された導波路システム1602の予めプログラムされた位置から取得することができ、又は導波路システム1602は、導波路システム1602に含まれるGPS受信機(図示せず)を用いてその位置を特定することができる。
【0126】
電力管理システム1605は、導波路システム1602の上述したコンポーネントにエネルギーを提供する。電力管理システム1605は、太陽電池から、又は電力線1610に結合された変圧器(図示せず)から、又は電力線1610若しくは別の付近の電力線への誘導結合によりエネルギーを受け取ることができる。電力管理システム1605は、予備電池及び/又は超コンデンサ又は一時的な電力を導波路システム1602に提供する他のコンデンサ回路を含むこともできる。エネルギー損失センサー1604cは、導波路システム1602が電力損失状況及び/又は何らかの他の誤作動の発生を有するときを検出するのに使用することができる。例えば、エネルギー損失センサー1604cは、太陽電池の欠陥、太陽電池を誤作動させる太陽電池への妨げ、電力線1610上の電力損失に起因する電力損失があるとき及び/又は予備電池の期限切れ又は超コンデンサでの検出可能な欠陥に起因して予備電力系統が誤作動するときを検出することができる。誤作動及び/又は電力損失が生じる場合、エネルギー損失センサー1604cは、基地局1614を経由してネットワーク管理システム1601に通知することができる。
【0127】
雑音センサー1604dは、電力線1610上の電磁波の伝送に悪影響を及ぼすおそれがある電力線1610上の雑音を測定するのに使用することができる。雑音センサー1604dは、予期されない電磁干渉、雑音バースト又は電力線1610の表面上での変調電磁波の受信を妨げるおそれがある他の外乱源を検知することができる。雑音バーストは、例えば、コロナ放電又は他の雑音源により生じる可能性がある。雑音センサー1604dは、パターン認識、専門家システム、曲線フィッティング、整合フィルタリング又は他の人工知能、分類若しくは比較技法を介して、測定された雑音を、雑音プロファイルの内部データベース又は雑音プロファイルを記憶するリモートに配置されたデータベースから導波路システム1602により取得される雑音プロファイルと比較することができる。比較から、雑音センサー1604dは、例えば、測定された雑音への最も密な一致を提供する雑音プロファイルに基づいて雑音源(例えば、コロナ放電等)を識別することができる。雑音センサー1604dは、ビットエラーレート、パケット損失率、ジッタ、パケット再送要求等の伝送メトリックを測定することにより、雑音が伝送にどのように影響するかを検出することもできる。雑音センサー1604dは、基地局1614を経由して、中でも特に雑音源の識別情報、雑音の発生時刻及び伝送メトリックをネットワーク管理システム1601に報告することができる。
【0128】
振動センサー1604eは、電力線1610上の2D又は3D振動を検出する加速度計及び/又はジャイロスコープを含むことができる。振動は、パターン認識、専門家システム、曲線フィッティング、整合フィルタリング又は他の人工知能、分類若しくは比較技法を介して導波路システム1602にローカルに記憶するか、又はリモートデータベースから導波路システム1602により取得することができる振動プロファイルと比較することができる。振動プロファイルを用いて、例えば、測定された振動への最も密な一致を提供する振動プロファイルに基づいて、例えば、倒木を突風から区別することができる。この分析の結果は、振動センサー1604eにより基地局1614を経由してネットワーク管理システム1601に報告することができる。
【0129】
環境センサー1604fは、中でも特に大気圧、周囲温度(温度センサー1604aにより提供することができる)、風速、湿度、風向き及び降雨を測定する測定器(barometer)を含むことができる。環境センサー1604fは、生の情報を収集し、パターン認識、専門家システム、知識ベースのシステム又は他の人工知能、分類若しくは他の天候モデリング及び予測技法を介して、これを、導波路システム1602のメモリ又はリモートデータベースから取得することができる環境プロファイルと比較することによりこの情報を処理して、気象状況が生じる前にその気象状況を予測することができる。環境センサー1604fは、生のデータ及びその分析をネットワーク管理システム1601に報告することができる。
【0130】
イメージセンサー1604gは、導波路システム1602の近傍の画像を捕捉するデジタルカメラ(例えば、電荷結合素子又はCCDイメージャ、赤外線カメラ等)であり得る。イメージセンサー1604gは、複数の視点(例えば、上面、下面、左面、右面等)から電力線1610を検査するようにカメラの移動(例えば、実際の位置又は焦点/ズーム)を制御する電気機械的機構を含むことができる。代替的に、イメージセンサー1604gは、複数の視点を取得するために電気機械的機構が必要ないように設計することができる。イメージセンサー1604gにより生成されたイメージングデータの収集及び検索は、ネットワーク管理システム1601により制御することができ、又はイメージセンサー1604gにより自律的に収集し、ネットワーク管理システム1601に報告することができる。
【0131】
導波路システム1602は、電力線1610(又は任意の他の形態の電磁波伝送媒体)上の電磁波伝送の伝搬を妨げる可能性がある外乱の検出、予測及び/又は軽減を目的として、導波路システム1602及び/又は電力線1610に関連付けられたテレメトリ情報を収集するのに適する可能性がある他のセンサーを利用することができる。
【0132】
ここで、
図16Bを参照すると、ブロック
図1650は、本明細書において説明される種々の態様による、電力網1653を管理するシステム及びそれに組み込まれるか、又は関連付けられる通信システム1655の一例の非限定的な実施形態が示されている。通信システム1655は、電力網1653の電力線1610に結合される複数の導波路システム1602を含む。通信システム1655内で使用される導波路システム1602の少なくとも一部分は、基地局1614及び/又はネットワーク管理システム1601と直接通信することができる。基地局1614又はネットワーク管理システム1601に直接接続されない導波路システム1602は、基地局1614又はネットワーク管理システム1601に接続された他の下流導波路システム1602を経由して、基地局1614又はネットワーク管理システム1601のいずれかとの通信セッションに従事することができる。
【0133】
ネットワーク管理システム1601は、ユーティリティ企業1652の機器及び通信サービスプロバイダ1654の機器に通信可能に結合されて、電力網1653及び通信システム1655に関連付けられたステータス情報を各エンティティにそれぞれ提供することができる。ネットワーク管理システム1601、ユーティリティ企業1652の機器及び通信サービスプロバイダ1654は、ステータス情報を提供し、及び/又は電力網1653及び/又は通信システム1655の管理に人員を向けるために、ユーティリティ企業人員1656により利用される通信デバイス及び/又は通信サービスプロバイダ人員1658により利用される通信デバイスにアクセスすることができる。
【0134】
図17Aは、
図16A及び
図16Bのシステムの通信ネットワークにおいて生じる外乱を検出及び軽減する方法1700の一例の非限定的な実施形態の流れ図を示す。方法1700は、ステップ1702において開始することができ、導波路システム1602は、電力線1610の表面に沿って進行する変調された電磁波又は別のタイプの電磁波に埋め込まれるか、若しくはその部分を形成するメッセージを送受信する。メッセージは、音声メッセージ、ストリーミングビデオ及び/又は通信システム1655に通信可能に結合される通信デバイス間で交換される他のデータ/情報であり得る。ステップ1704において、導波路システム1602のセンサー1604は、検知データを収集することができる。一実施形態において、検知データは、ステップ1702におけるメッセージの送信及び/又は受信の前、その間又はその後にステップ1704において収集することができる。ステップ1706において、導波路システム1602(又はセンサー1604自体)は、検知データから、導波路システム1602から発せられた(例えば、送信された)又は導波路システム1602により受信される通信に影響を及ぼす可能性がある通信システム1655内の外乱の実際の発生又は予測される発生を特定することができる。導波路システム1602(又はセンサー1604)は、温度データ、信号反射データ、エネルギー損失データ、雑音データ、振動データ、環境データ又はそれらの任意の組み合わせを処理してこの特定を行うことができる。導波路システム1602(又はセンサー1604)は、通信システム1655における外乱の原因及び/又はその位置を検出、識別、推定又は予測することもできる。ステップ1708において、外乱が検出/識別されず、また予測/推定されない場合、導波路システム1602はステップ1702に進むことができ、電力線1610の表面に沿って進行する変調された電磁波に組み込まれるか、又はその一部を形成するメッセージを引き続き送受信する。
【0135】
ステップ1708において、外乱が検出/識別されるか、又は発生が予測/推定される場合、導波路システム1602はステップ1710に進み、外乱が通信システム1655におけるメッセージの送信又は受信に悪影響を及ぼす可能性があるか否か(又は代替的に、悪影響を及ぼす傾向があるか否か、又は悪影響を及ぼす可能性がある程度)を判断する。1つの実施形態において、持続時間閾値及び発生頻度閾値をステップ1710において用いて、外乱が通信システム1655における通信に悪影響を及ぼすときを特定することができる。単に例示を目的として、持続時間閾値が500msに設定される一方、発生頻度閾値が、10秒の観測期間中に5回の外乱発生に設定されると仮定する。したがって、500msよりも長い持続時間を有する外乱は、持続時間閾値をトリガーする。更に、10秒の時間間隔中に6回以上発生する外乱は、発生頻度閾値をトリガーする。
【0136】
1つの実施形態において、外乱は、持続時間閾値のみを超える場合、通信システム1655における信号完全性に悪影響を及ぼすと見なすことができる。別の実施形態において、外乱は、持続時間閾値及び発生頻度閾値の両方を超える場合、通信システム1655における信号完全性に悪影響を及ぼすと見なすことができる。したがって、通信システム1655における信号完全性に悪影響を及ぼす外乱の分類に関して、後者の実施形態は、前者の実施形態よりも保守的である。例示的な実施形態により、多くの他のアルゴリズム並びに関連するパラメータ及び閾値をステップ1710で利用し得ることが理解されよう。
【0137】
再び方法1700を参照すると、ステップ1710において、ステップ1708において検出された外乱が、悪影響を受ける通信の条件を満たさない(例えば、持続時間閾値も発生頻度閾値も超えない)場合、導波路システム1602はステップ1702に進み、メッセージの処理を続けることができる。例えば、ステップ1708において検出された外乱が、1msの持続時間及び10秒の時間期間中に1回の発生を有する場合、いずれの閾値も超えない。したがって、そのような外乱は、通信システム1655における信号完全性に対してわずかにのみ影響するものとして見なすことができ、したがって、軽減が必要な外乱としてフラグ付けられない。フラグ付けられないが、外乱の発生、その発生時刻、その発生頻度、スペクトルデータ及び/又は他の有用情報は、モニタリングを目的として、テレメトリデータとしてネットワーク管理システム1601に報告することができる。
【0138】
再びステップ1710を参照すると、他方では、外乱が、悪影響を受ける通信の条件を満たす(例えば、いずれか一方又は両方の閾値を超える)場合、導波路システム1602はステップ1712に進み、インシデントをネットワーク管理システム1601に報告することができる。報告は、センサー1604により収集された生の検知データ、導波路システム1602により既知の場合、外乱の記述、外乱の発生時刻、外乱の発生頻度、外乱に関連付けられた位置、ビットレートエラー、パケット損失率、再送要求、ジッタ、待ち時間等のパラメータ読み取り値等を含むことができる。外乱が導波路システム1602の1つ又は複数のセンサーによる予測に基づく場合、報告は、予期される外乱のタイプ及び予測可能な場合、外乱の予測発生時刻及び予測が導波路システム1602のセンサー1604により収集された過去検知データに基づく場合、予測される外乱の予測発生頻度を含むことができる。
【0139】
ステップ1714において、ネットワーク管理システム1601は、軽減、迂回又は修正技法を決定することができ、技法は、外乱の位置を特定することができる場合、トラフィックを再ルーティングして、外乱を迂回するように導波路システム1602に指示することを含み得る。1つの実施形態において、外乱を検出する導波路結合デバイス1402は、外乱による影響を受ける一次電力線から二次電力線に導波路システム1602を接続して、導波路システム1602がトラフィックを異なる伝送媒体に再ルーティングし、外乱を回避できるようにするように、
図13及び
図14に示される等のリピーターを指示することができる。導波路システム1602がリピーターとして構成される一実施形態において、導波路システム1602は、それ自体、一次電力線から二次電力線へのトラフィックの再ルーティングを実行することができる。双方向通信(例えば、全二重又は半二重通信)の場合、リピーターは、導波路システム1602による処理のために、トラフィックを二次電力線から再び一次電力線に再ルーティングするように構成し得ることに更に留意されたい。
【0140】
別の実施形態において、導波路システム1602は、外乱を回避するようにトラフィックを一次電力線から二次電力線に一時的にリダイレクトし、且つ一次電力線に戻るように外乱の上流にある第1のリピーター及び外乱の下流にある第2のリピーターに指示することにより、トラフィックをリダイレクトすることができる。双方向通信(例えば、全二重又は半二重通信)の場合、リピーターは、トラフィックを二次電力線から再び一次電力線に再ルーティングするように構成し得ることに更に留意されたい。
【0141】
二次電力線で生じている既存の通信セッションへの割り込みを回避するために、ネットワーク管理システム1601は、二次電力線の未使用タイムスロット及び/又は周波数帯域を利用して、データ及び/又は音声トラフィックを一次電力線から離れてリダイレクトし、外乱を迂回するようにリピーターに命令するように導波路システム1602に指示することができる。
【0142】
ステップ1716において、外乱を回避するために、トラフィックが再ルーティングされている間、ネットワーク管理システム1601は、ユーティリティ企業1652の機器及び/又は通信サービスプロバイダ1654の機器に、検出された外乱及び既知である場合にはその位置を通知することができ、これらの機器は、次にユーティリティ企業1656の人員及び/又は通信サービスプロバイダ1658の人員に通知することができる。いずれかの当事者からの現場の人員は、特定された外乱位置において外乱に対応し、解決することができる。外乱がユーティリティ企業の人員及び/又は通信サービスプロバイダの人員によりなくなるか又は他に軽減されると、そのような人員は、現場の機器(例えば、ネットワーク管理システム1601に通信可能に結合されるラップトップコンピューター、スマートフォン等)、及び/又はユーティリティ企業の機器、及び/又は通信サービスプロバイダの機器を利用して、各企業及び/又はネットワーク管理システム1601に通知することができる。通知は、外乱がどのように軽減されたか及び通信システム1655のトポロジーを変更する可能性がある電力線1610への任意の変更の記述を含むことができる。
【0143】
外乱が解決されると(判断1718において判断されるように)、ネットワーク管理システム1601は、導波路システム1602により使用された前のルーティング構成を復元するか、又は外乱の軽減に用いられた復元方法により通信システム1655の新しいネットワークトポロジーが生成された場合、新しいルーティング構成に従ってトラフィックをルーティングするように、ステップ1720において導波路システム1602に指示することができる。別の実施形態において、導波路システム1602は、テスト信号を電力線1610上に送信して、外乱がなくなったときを検出することにより、外乱の軽減をモニタリングするように構成することができる。導波路システム1602は、外乱がないことを検出すると、通信システム1655のネットワークトポロジーが変更されていないと判断する場合、ネットワーク管理システム1601による支援なしでルーティング構成を自律的に復元することができ、又は検出された新しいネットワークトポロジーに適合する新しいルーティング構成を利用することができる。
【0144】
図17Bは、
図16A及び
図16Bのシステムの通信ネットワークにおいて生じる外乱を検出及び軽減する方法1750の一例の非限定的な実施形態の流れ図を示す。1つの実施形態では、方法1750はステップ1752において開始することができ、ネットワーク管理システム1601は、ユーティリティ企業1652の機器又は通信サービスプロバイダ1654の機器から保守計画に関連付けられた保守情報を受信する。ネットワーク管理システム1601は、ステップ1754において、保守情報から、保守計画中に実行される保守活動を識別することができる。これらの活動から、ネットワーク管理システム1601は、保守から生じる外乱(例えば、電力線1610の計画された交換、電力線1610上の導波路システム1602の計画された交換、電力網1653内の電力線1610の計画された再構成等)を検出することができる。
【0145】
別の実施形態において、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1755において、テレメトリ情報を1つ又は複数の導波路システム1602から受信することができる。テレメトリ情報は、中でも特にテレメトリ情報を提出する各導波路システム1602の識別情報、各導波路システム1602のセンサー1604により取られた測定値、各導波路システム1602のセンサー1604により検出されたか、予測されたか、推定されたか、又は実際の外乱に関連する情報、各導波路システム1602に関連付けられた位置情報、検出された外乱の推定位置、外乱の識別情報等を含むことができる。ネットワーク管理システム1601は、テレメトリ情報から、導波路の動作、電線表面に沿った電磁波の伝送又は両方に不利である可能性がある外乱のタイプを特定することができる。ネットワーク管理システム1601は、複数の導波路システム1602からのテレメトリ情報を用いて外乱を分離し識別することもできる。更に、ネットワーク管理システム1601は、影響を受けた導波路システム1602の近傍にある導波路システム1602からテレメトリ情報を要求して、外乱の位置を三角測量で特定し、及び/又は他の導波路システム1602から同様のテレメトリ情報を受信することにより外乱の識別を確認することができる。
【0146】
更に別の実施形態において、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1756において、非計画活動報告を保守現場人員から受信することができる。非計画保守は、計画されない現場の呼び出しの結果として、又は現場での呼び出し中又は計画された保守活動中に発見された予期されない現場の問題の結果として行うことができる。活動報告は、通信システム1655及び/又は電力網1653において発見された問題に現場の人員が対処したことから生じる電力網1653のトポロジー構成への変更、1つ又は複数の導波路システム1602への変更(その交換又は修理等)、外乱がある場合に実行される外乱の軽減等を識別することができる。
【0147】
ステップ1758において、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1752~1756に従って受信する報告から、保守計画に基づいて外乱が生じるか否か、又はテレメトリデータに基づいて、外乱が生じたか否か若しくは生じると予測されるか否か、又は外乱が現場活動報告で識別される非計画保守に起因して生じたか否かを判断することができる。これらの任意の報告から、ネットワーク管理システム1601は、検出又は予測される外乱が、影響を受ける導波路システム1602又は通信システム1655の他の導波路システム1602によるトラフィックの再ルーティングを必要とするか否かを判断することができる。
【0148】
ステップ1758において外乱が検出又は予測される場合、ネットワーク管理システム1601はステップ1760に進むことができ、ネットワーク管理システム1601は、外乱を迂回するようトラフィックを再ルーティングするように1つ又は複数の導波路システム1602に指示することができる。外乱が電力網1653の永久的なトポロジー変更に起因して永久的である場合、ネットワーク管理システム1601はステップ1770に進み、ステップ1762、1764、1766及び1772をスキップすることができる。ステップ1770において、ネットワーク管理システム1601は、新しいトポロジーに適合する新しいルーティング構成を用いるように1つ又は複数の導波路システム1602に指示することができる。しかし、外乱が1つ又は複数の導波路システム1602により供給されるテレメトリ情報から検出された場合、ネットワーク管理システム1601は、ユーティリティ企業1656又は通信サービスプロバイダ1658の保守人員に外乱の位置、既知である場合には外乱のタイプ及びそのような人員が外乱を軽減するのに有用である可能性がある関連情報を通知することができる。外乱が保守活動に起因すると予期される場合、ネットワーク管理システム1601は、保守計画中の保守活動により生じる外乱を回避するよう所与の計画(保守計画と一貫する)でトラフィックルートを再構成するように1つ又は複数の導波路システム1602に指示することができる。
【0149】
再びステップ1760に戻り、ステップ1760が完了すると、プロセスはステップ1762に続くことができる。ステップ1762において、ネットワーク管理システム1601は、外乱が現場の人員により軽減されたときをモニタリングすることができる。外乱の軽減は、現場の機器(例えば、ラップトップコンピューター又はハンドヘルドコンピューター/デバイス)を利用して通信ネットワーク(例えば、セルラー通信システム)を介して、現場の人員によりネットワーク管理システム1601に提出された現場の報告を分析することにより、ステップ1762において検出することができる。外乱が軽減されたことを現場の人員が報告した場合、ネットワーク管理システム1601はステップ1764に進み、現場の報告から、外乱の軽減にトポロジー変更が必要であったか否かを判断することができる。トポロジー変更は、電力線1610の再ルーティング、異なる電力線1610を利用するような導波路システム1602の再構成、他に代替のリンクを利用して外乱を迂回すること等を含むことができる。トポロジー変更が行われた場合、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1770において、1つ又は複数の導波路システム1602に、新しいトポロジーに適合した新しいルーティング構成を用いるように指示することができる。
【0150】
しかし、トポロジー変更が現場の人員により報告されなかった場合、ネットワーク管理システム1601はステップ1766に進むことができ、ネットワーク管理システム1601は、テスト信号を送信して、外乱検出前に用いられていたルーティング構成をテストするように1つ又は複数の導波路システム1602に指示することができる。テスト信号は、外乱近傍の影響を受けた導波路システム1602に送信することができる。テスト信号を用いて、信号外乱(例えば、電磁波反射)が任意の導波路システム1602により検出されるか否かを判断することができる。テスト信号により、前のルーティング構成がもはや前に検出された外乱を受けていないことが確認される場合、ネットワーク管理システム1601は、ステップ1772において、影響を受けた導波路システム1602に前のルーティング構成を復元するように指示することができる。しかし、1つ又は複数の導波路結合デバイス1402により分析され、ネットワーク管理システム1601に報告されたテスト信号により、その外乱又は新しい外乱が存在することが示される場合、ネットワーク管理システム1601はステップ1768に進み、この情報を現場の人員に報告して、現場の問題に更に対処する。ネットワーク管理システム1601は、この状況において、ステップ1762における外乱の軽減のモニタリングを続けることができる。
【0151】
上記実施形態において、導波路システム1602は、電力網1653の変更及び/又は外乱の軽減に自己適合するように構成することができる。すなわち、1つ又は複数の影響を受けた導波路システム1602は、外乱の軽減を自己モニタリングし、ネットワーク管理システム1601による指示の送信を必要とせずにトラフィックルートを再構成するように構成することができる。この実施形態において、自己構成可能な1つ又は複数の導波路システム1602は、ネットワーク管理システム1601に導波路システム1602のルーティングの選択を通知することができ、それにより、ネットワーク管理システム1601は、通信システム1655の通信トポロジーのマクロレベルビューを維持することができる。
【0152】
説明を簡単にするために、各プロセスは
図17A及び
図17Bの一連のブロックとしてそれぞれ示され説明されるが、請求項に記載される主題がブロックの順序により限定されず、幾つかのブロックが、本明細書において示され説明されるものと異なる順序で、及び/又は他のブロックと同様に行われ得ることが理解及び認識される。更に、示される全てのブロックが、本明細書において説明される方法の実施に必要とされないことがあり得る。
【0153】
ここで、
図18Aを参照すると、導波される電磁波を伝搬する伝送媒体1800の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図が示されている。特に、
図1に関連して提示された伝送媒体125の更なる例が提示される。一実施形態において、伝送媒体1800は、伝送媒体1800の上に堆積する第1の誘電材料1802及び第2の誘電材料1804を含むことができる。一実施形態において、第1の誘電材料1802は誘電体コア(本明細書において誘電体コア1802と呼ばれる)を含むことができ、第2の誘電材料1804は、全体的又は部分的に誘電体コアを囲む誘電性発泡体等のクラッディング又はシェル(本明細書において誘電性発泡体1804と呼ばれる)を含むことができる。一実施形態において、誘電体コア1802及び誘電性発泡体1804は、互いと同軸上に位置合わせすることができる(しかし、そうである必要はない)。一実施形態において、誘電体コア1802と誘電性発泡体1804との組み合わせは、誘電体コア1802及び誘電性発泡体1804の材料を破損せずに少なくとも45度だけ屈曲又は湾曲することができる。一実施形態において、誘電性発泡体1804の外面は、外被(本明細書において外被1806と呼ばれる)として機能することができる第3の誘電材料1806により全体的又は部分的に更に囲まれることができる。外被1806は、電磁波の伝搬に悪影響を及ぼす可能性がある環境(例えば、水、土等)への誘電体コア1802及び誘電性発泡体1804の露出を回避することができる。
【0154】
誘電体コア1802は、例えば、高密度ポリエチレン材料、高密度ポリウレタン材料又は他の適する誘電材料を含むことができる。誘電性発泡体1804は、例えば、発泡ポリエチレン材料又は他の適する誘電材料等の発泡プラスチック材料を含むことができる。外被1806は、例えば、ポリエチレン材料又は同等の材料を含むことができる。一実施形態において、誘電性発泡体1804の誘電率は、誘電体コア1802の誘電率よりも低い(又は実質的に低い)ことができる。例えば、誘電体コア1802の誘電率は約2.3であり得る一方、誘電性発泡体1804の誘電率は約1.15であり得る(空気の誘電率よりもわずかに高い)。
【0155】
誘電体コア1802は、伝送1800上で導波される電磁波を送出するように構成することができる送出器又は本明細書において説明される他の結合デバイスから電磁波の形態の信号を受信するのに使用することができる。1つの実施形態において、伝送媒体1800は、スタブアンテナ(図示せず)等の放射デバイスから電磁波を受信することができる、例えば、円形導波路1809として構築される中空導波路1808に結合することができる。したがって、中空導波路1808は、誘電体コア1802に導波される電磁波を誘導することができる。この構成において、導波される電磁波は、誘電体コア1802により導波又は誘電体コア1802に結合され、誘電体コア1802に沿って長手方向に伝搬する。送出器の電子回路を調整することにより、導波される電磁波の場強度プロファイル1810が外被1806の外側にわずかに延在する(又は全く延在しない)ような電磁波の動作周波数を選択することができる。
【0156】
導波される電磁波の場強度の大半(全てでない場合)を誘電体コア1802、誘電性発泡体1804及び/又は外被1806の部分内に維持することにより、伝送媒体1800は、内部を伝搬する電磁波の伝搬に悪影響を及ぼさずに厳しい環境で用いることができる。例えば、伝送媒体1800は、伝送媒体1800を伝搬する導波される電磁波に悪影響を及ぼさずに(又は実質的に及ぼさずに)、土中に埋設することができる。同様に、伝送媒体1800は、伝送媒体1800を伝搬する導波される電磁波に悪影響を及ぼさずに(又は実質的に及ぼさずに)、水に露出(例えば、雨又は水中に配置)することができる。一実施形態において、上記実施形態における導波される電磁波の伝搬損失は、動作周波数60GHzにおいて1m当たり1dB~2dB以上であり得る。導波される電磁波の動作周波数及び/又は伝送媒体1800に用いられる材料に応じて他の伝搬損失が可能であり得る。更に、伝送媒体1800の構築に用いられる材料に応じて、伝送媒体1800は、幾つかの実施形態において、誘電体コア1802及び誘電性発泡体1804を通って伝搬する導波される電磁波に悪影響を及ぼさずに(又は実質的に及ぼさずに)横に屈曲することができる。
【0157】
図18Bは、
図18Aの伝送媒体1800と異なるが、依然として
図1に関連して提示した伝送媒体125の更なる例を提供する伝送媒体1820を示す。伝送媒体1820は、
図18Aの伝送媒体1800の同様の要素に同様の参照符号を示す。伝送媒体1800とは対照的に、伝送媒体1820は、導電性コア1822を全体的又は部分的に囲む絶縁層1823を有する導電性コア1822を含む。絶縁層1823と導電性コア1822との組み合わせは、本明細書において絶縁導体1825と呼ばれる。
図18Bの図において、絶縁層1823は、上述した材料から構築することができる誘電性発泡体1804及び外被1806により全体的又は部分的に覆われる。一実施形態において、絶縁層1823は、誘電性発泡体1804の誘電率(例えば、1.15)よりも高い誘電率(例えば、2.3)を有するポリエチレン等の誘電材料を含むことができる。一実施形態において、伝送媒体1820のコンポーネントは、同軸上に位置合わせすることができる(しかし、そうである必要はない)。一実施形態において、絶縁層1823と別個であり得る(しかし、そうである必要はない)金属板1809を有する中空導波路1808を用いて、絶縁層1823の外面上を実質的に伝搬する導波される電磁波を送出することができるが、本明細書において説明されるような他の結合デバイスも同様に利用することができる。一実施形態において、導波される電磁波は、絶縁層1823に沿って長手方向に電磁波を導波するのに十分に、絶縁層1823により導波又は絶縁層1823に結合することができる。送出器の動作パラメータを調整することにより、中空導波路1808により送出される導波される電磁波の動作周波数は、誘電性発泡体1804内に実質的に閉じ込められた導波される電磁波を生成する電場強度プロファイル1824を生成することができ、それにより、導波される電磁波が、伝送媒体1820を介する導波される電磁波の伝搬に悪影響を及ぼす環境(例えば、水、土等)に露出されないようにする。
【0158】
図18Cは、
図18A及び
図18Bの伝送媒体1800及び1820と異なるが、依然として
図1に関連して提示した伝送媒体125の更なる例を提供する伝送媒体1830を示す。伝送媒体1830は、
図18A及び
図18Bの伝送媒体1800及び1820の同様の要素にそれぞれ同様の参照符号を示す。伝送媒体1800及び1820とは対照的に、伝送媒体1830は、上述した材料から構築することができる誘電性発泡体1804及び外被1806により全体的又は部分的に囲まれる裸の(又は非絶縁)導体1832を含む。一実施形態において、伝送媒体1830のコンポーネントは、同軸上に位置合わせすることができる(しかし、そうである必要はない)。一実施形態において、裸の導体1832に結合される金属板1809を有する中空導波路1808を用いて、裸の導体1832の外面上を実質的に伝搬する導波される電磁波を送出することができるが、本明細書において説明されるような他の結合デバイスも同様に利用することができる。一実施形態において、導波される電磁波は、裸の導体1832に沿って長手方向に導波される電磁波を導波するのに十分に、裸の導体1832により導波又は裸の導体1832に結合することができる。送出器の動作パラメータを調整することにより、中空導波路1808により送出される導波される電磁波の動作周波数は、誘電性発泡体1804内に実質的に閉じ込められた導波される電磁波を生成する電場強度プロファイル1834を生成することができ、それにより、導波される電磁波が、伝送媒体1830を介する電磁波の伝搬に悪影響を及ぼす環境(例えば、水、土等)に露出されないようにする。
【0159】
図18A、
図18B及び
図18Cの伝送媒体1800、1820及び1830とそれぞれ併用される中空送出器1808を他の送出器又は結合デバイスで置換可能であることに留意されたい。更に、任意の上記実施形態での電磁波の伝搬モードは、基本モード、非基本(又は非対称)モード又はそれらの組み合わせであり得る。
【0160】
図18Dは、本明細書において説明される種々の態様による、伝送媒体束1836の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。伝送媒体束1836は、可撓性スリーブ1839により定位置に保持される複数のケーブル1838を含むことができる。複数のケーブル1838は、
図18Aのケーブル1800の複数のインスタンス、
図18Bのケーブル1820の複数のインスタンス、
図18Cのケーブル1830の複数のインスタンス又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。スリーブ1839は、土、水又は他の外部材料が複数のケーブル1838に接触しないようにする誘電材料を含むことができる。一実施形態において、それぞれ
図10Aに示されるものと同様の送受信機又は本明細書において説明される他の結合デバイスを利用する複数の送出器は、各ケーブルに導波される電磁波を選択的に誘導するように構成することができ、導波される電磁波は、それぞれ異なるデータ(例えば、束、音声、ビデオ、メッセージング、コンテンツ等)を搬送する。一実施形態において、各送出器又は他の結合デバイスの動作パラメータを調整することにより、導波される電磁波のそれぞれの電場強度プロファイルは、完全に又は実質的に、対応するケーブル1838の層内に閉じ込められ、ケーブル1838間のクロストークを下げることができる。
【0161】
導波される各電磁波の電場強度プロファイルが対応するケーブル1838内に完全に閉じ込められないか、又は実質的に閉じ込められない状況において、電磁信号のクロストークは、
図18Eに示される2つのケーブルに関連する信号プロットにより示されるように、ケーブル1838間に発生する可能性がある。
図18Eにおけるプロットは、導波される電磁波が第1のケーブル上で誘導される場合、第1のケーブルの発せられる電場及び磁場が第2のケーブル上に信号を誘導し、クロストークを生じさせ得ることを示す。幾つかの軽減選択肢を用いて
図18Dのケーブル1838間のクロストークを下げることができる。一実施形態において、
図18Fに示すように、炭素等の電磁場を吸収することができる吸収材料1840をケーブル1838に適用して、種々の偏極状態で導波される電磁波のそれぞれを偏極してケーブル1838間のクロストークを下げることができる。別の実施形態(図示せず)において、炭素ビードをケーブル1838間の間隙に追加してクロストークを下げることができる。
【0162】
更に別の実施形態(図示せず)において、ケーブル1838の直径を異なるように構成して、ケーブル1838間の導波される電磁波の伝搬速度を変え、ケーブル1838間のクロストークを下げることができる。一実施形態(図示せず)において、各ケーブル1838の形状を非対称(例えば、楕円形)にして、各ケーブル1838の導波される電磁場を互いから離れるように向けてクロストークを下げることができる。一実施形態(図示せず)において、誘電性発泡体等の充填材料をケーブル1838間に追加して、ケーブル間のクロストークを下げるのに十分にケーブル1838を離間することができる。一実施形態(図示せず)において、長手炭素ストリップ又はスワールを各ケーブル1838の外被1806の外面に適用して、外被1806の外部の導波される電磁波の放射を低減し、それによりケーブル1838間のクロストークを下げることができる。更に別の実施形態において、各送出器は、直交周波数、変調又はモード等の異なる周波数、変調、波動伝搬モードを有する導波される電磁波を送出してケーブル1838間のクロストークを下げるように構成することができる。
【0163】
更に別の実施形態(図示せず)において、ケーブル1838の対をらせん状に撚り合わせて、対間及び対の近傍にある他のケーブル1838間のクロストークを下げることができる。幾つかの実施形態において、特定のケーブル1838を撚り合わせることができる一方、他のケーブル1838は撚り合わせず、ケーブル1838間のクロストークを下げることができる。更に、撚り合わせられたケーブル1838の各対は、異なるピッチ(すなわち、1m当たりの撚り合わせ数等の異なる撚り合わせ率)を有して、対間及び対の近傍にある他のケーブル1838間のクロストークを更に下げることができる。別の実施形態(図示せず)において、送出器又は他の結合デバイスは、外被1806を越えてケーブル間の間隙内に延在する電磁場を有する導波される電磁波をケーブル1838内に誘導してケーブル1838間のクロストークを下げるように構成することができる。ケーブル1838間のクロストークを軽減する上記実施形態の任意の1つを組み合わせてケーブル1838間のクロストークを更に下げ得ることが提案される。
【0164】
図18G及び
図18Hは、本明細書において説明される種々の態様による、内部導波路を有する伝送媒体の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。一実施形態において、伝送媒体1841はコア1842を含み得る。1つの実施形態において、コア1842は誘電体コア1842(例えば、ポリエチレン)であり得る。別の実施形態において、コア1842は絶縁導体又は非絶縁導体であり得る。コア1842は、誘電体コア又は導電性コアの絶縁層の誘電率よりも低い誘電率を有する誘電性発泡体(例えば、発泡ポリエチレン材料)を含むシェル1844により囲むことができる。誘電率の相違により、電磁波をコア1842に結合し導波することができる。外被1844はシェル外被1845で覆うことができる。シェル外被1845は、剛性材料(例えば、高密度プラスチック)又は高張力材料(例えば、合成繊維)で作ることができる。一実施形態において、シェル外被1845を用いて、シェル1844及びコア1842が不利な環境(例えば、水、湿気、土等)に露出しないようにすることができる。一実施形態において、シェル外被1845は、コア1842の外面がシェル外被1845の内面から離間され、それにより、シェル外被1854とコア1842との間に長手方向間隙が生じるのに十分な剛性を有することができる。長手方向間隙は、シェル1844の誘電性発泡体で充填することができる。
【0165】
伝送媒体1841は、複数の外輪導体1846を更に含むことができる。外輪導体1846は、シェル外被1845の周囲に織られ、それにより、シェル外被1845を全体又は部分的に覆う導電性材料のストランドであり得る。外輪導体1846は、ソース(例えば、変圧器、発電機等)から電力信号を受信する本開示において説明される実施形態と同様に、帰還電気路を有する電力線の機能を果たすことができる。1つの実施形態において、外輪導体1846はケーブル外被1847で覆い、外輪導体1846が水、土又は他の環境要因に露出しないようにすることができる。ケーブル外被1847は、ポリエチレン等の絶縁材料で作ることができる。コア1842は、電磁波伝搬の中心導波路として用いることができる。上述した円形導波路等の中空の導波路送出器1808を用いて、
図18A、
図18B及び
図18Cの実施形態について説明したものと同様に、コア1842により導波される電磁波を誘導する信号を送出することができる。電磁波は、外輪導体1846の電気帰還路又は任意の他の電気帰還路を利用せずに、コア1842により導波することができる。送出器1808の電子回路を調整することにより、電磁波の動作周波数は、導波される電磁波の場強度プロファイルがシェル外被1845外部にわずかに延びる(又は全く延びない)ように選択することができる。
【0166】
別の実施形態において、伝送媒体1843は、シェル外被1845’で囲まれた中空コア1842’を含み得る。シェル外被1845’は、内部導電性表面又は中空コア1842’を電磁波の導管として用いることを可能にする他の表面材料を有することができる。シェル外被1845’は、電力信号の伝導について上述した外輪導体1846で少なくとも部分的に覆うことができる。一実施形態において、ケーブル外被1847を外輪導体1846の外面に配置して、外輪導体1846が水、土又は他の環境要因に露出しないようにすることができる。導波路送出器1808を用いて、中空コア1842’及びシェル外被1845’の導電性内面により導波される電磁波を送出することができる。一実施形態(図示せず)において、中空コア1842’は、上述したような誘電性発泡体を更に含むことができる。
【0167】
伝送媒体1841は、電気帰還路を利用して外輪導体1846上で電力を伝導し、コア1842、シェル1844及びシェル外被1845の組み合わせを含む内部導波路により通信サービスを提供する多目的ケーブルを表すことができる。内部導波路は、コア1842により導波される電磁波の送信又は受信に用いることができる(電気帰還路を利用せずに)。同様に、伝送媒体1843は、電気帰還路を利用して外輪導体1846上で電力を伝導し、中空コア1842’及びシェル外被1845’の組み合わせを含む内部導波路により通信サービスを提供する多目的ケーブルを表すことができる。内部導波路は、中空コア1842’及びシェル外被1845’によって導波される電磁波の送信又は受信に用いることができる(電気帰還路を利用せずに)。
【0168】
外輪導体1846により囲まれる複数の内部導波路を用いるように、
図18G及び
図18Hの実施形態を構成し得ることが提案される。内部導波路は、上述したクロストーク軽減技法(例えば、導波路の撚り対、異なる構造的寸法の導波路、シェル内での偏極子の使用、異なる波動モードの使用等)を用いるように構成することができる。
【0169】
例示のみを目的として、伝送媒体1800、1820、1830、1836、1841及び1843は、本明細書において、ケーブル1850が本開示において説明される伝送媒体の任意の1つを又はそれらの複数のインスタンスの束を表すことができるという理解の下に、ケーブル1850と呼ばれる。例示のみを目的として、伝送媒体1800、1820、1830、1836、1841及び1843の誘電体コア1802、絶縁導体1825及び裸導体1832、コア1842又は中空コア1842’は、本明細書においてケーブル1850が伝送媒体1800、1820、1830、1836、1841及び/又は1843のそれぞれの誘電体コア1802、絶縁導体1825、裸の導体1832、コア1842又は中空コア1842’を利用することができるという理解の下に、それぞれ伝送媒体1852と呼ばれる。
【0170】
ここで、
図18I及び
図18Jを参照すると、ケーブル1850により用いることができるコネクタ構成の一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図が示されている。1つの実施形態において、ケーブル1850は、
図18Iに示されるように、メス接続構成又オス接続構成で構成することができる。
図18Iの右側のオス構成は、伝送コア1852の一部を露出させるように誘電性発泡体1804(及び外被1806がある場合には外被1806)を剥ぐことにより達成することができる。
図18Iの左側のメス構成は、誘電性発泡体1804(及び外被1806がある場合には外被1806)を維持しながら、伝送コア1852の部分を除去することにより達成することができる。
図18Hに関連して説明されるように、伝送コア1852が中空である一実施形態において、伝送コア1852のオス部分は、
図18Iの左側にあるメス構成内に摺動して、中空コアを一緒に位置合わせすることができる剛性外面を有する中空コアを表すことができる。
図18G及び
図18Hの実施形態において、ケーブル1850のオス部分及びメス部分を接続するように外輪導体1846を変更可能であることに更に留意されたい。
【0171】
上記実施形態に基づいて、オスコネクタ構成及びメスコネクタ構成を有する2つのケーブル1850を一体に結合することができる。接着性内部ライニング又は収縮包装材料(図示せず)を有するスリーブをケーブル1850間の接合部のエリアに適用して、接合部を固定位置に維持し、露出(例えば、水、土等への)を避けることができる。ケーブル1850が結合される場合、1つのケーブルの伝送コア1852は、他方のケーブルの伝送コア1852のごく近くにあることになる。いずれかの方向から進行するケーブル1850の伝送コア1852のいずれかにより伝搬される導波される電磁波は、伝送コア1852が接触するか否かに関係なく、伝送コア1852が同軸上で位置合わせられるか否かに関係なく、及び/又は伝送コア1852間に間隙があるか否かに関係なく、互いに非同一の伝送コア1852間を渡ることができる。
【0172】
別の実施形態において、メスコネクタ構成を両端部に有するスプライスデバイス1860を用いて、
図18Jに示されるように、オスコネクタ構成を有するケーブル1850と結合することができる。
図18Jに示されていない代替の一実施形態において、スプライスデバイス1860は、メスコネクタ構成を有するケーブル1850に結合することができるオスコネクタ構成を両端部に有するように構成することができる。
図18Jに示されていない別の実施形態において、スプライスデバイス1860は、メスコネクタ構成及びオスコネクタ構成をそれぞれ有するケーブル1850に結合することができるオスコネクタ構成及びメスコネクタ構成を対向する端部に有するように構成することができる。中空コアを有する伝送コア1852の場合、スプライスデバイス1860の端部が両方ともオスであるか、それとも両方ともメスであるか、それともそれらの組み合わせであるかに関係なく、
図18Iにおいて説明されるオス構成及びメス構成をスプライスデバイス1860に適用可能であることに更に留意されたい。
【0173】
図18I及び
図18Jに示されるケーブルを接続する上記実施形態は、結束伝送媒体1836のケーブル1838のそれぞれ1つのインスタンスに適用することができる。同様に、
図18及び
図18Jに示される上記実施形態は、複数の内部導波路を有するケーブル1841又は1843の内部導波路のそれぞれ1つのインスタンスに適用することができる。
【0174】
ここで、
図18Kを参照すると、導波される電磁波を伝搬する伝送媒体1800’、1800’’、1800’’’及び1800’’’’の一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図が示されている。一実施形態において、伝送媒体1800’は、コア1801と、セクションに分割され、
図18Kに示されるように外被1806で覆われた誘電性発泡体1804’とを含むことができる。コア1801は、
図18Aの誘電体コア1802、
図18Bの絶縁導体1825又は
図18Cの裸の導体1832により表すことができる。誘電性発泡体1804’の各セクションは、間隙(例えば、空気、気体、真空又は低誘電率を有する物質)により隔てることができる。一実施形態において、誘電性発泡体1804’のセクション間の間隙分離は、
図18Kに示されるように準ランダムであり得、これは、電磁波がコア1801に沿って長手方向に伝搬する際、誘電性発泡体1804’の各セクションにおいて生じる電磁波の反射を低減するに当たり有用であり得る。誘電性発泡体1804’のセクションは、例えば、コア1801を一定位置に支持する内部開口部を有する誘電性発泡体で作られたワッシャーとして構築することができる。例示のみを目的として、本明細書において、ワッシャーをワッシャー1804’と呼ぶ。一実施形態において、各ワッシャー1804’の内部開口部は、コア1801の軸と同軸上で位置合わせすることができる。別の実施形態において、各ワッシャー1804’の内部開口部は、コア1801の軸からずれることができる。別の実施形態(図示せず)において、各ワッシャー1804’は、ワッシャー1804’の厚さの相違により示されるように、可変長手方向厚さを有することができる。
【0175】
代替の一実施形態において、伝送媒体1800’’は、コア1801と、
図18Kに示されるように外被1806により覆われ、らせん状にコアの周囲に巻かれる誘電性発泡体1804’’のストリップとを含むことができる。
図18Kに示される図面から明白でないことがあり得るが、一実施形態において、誘電性発泡体1804’’のストリップは、誘電性発泡体1804’’のストリップの異なるセクションに対して可変ピッチ(すなわち、異なる捻れ率)でコア1801の周囲に巻き付けることができる。可変ピッチの利用は、誘電性発泡体1804’のストリップで覆われていないコア1801のエリア間で生じる電磁波の反射又は他の外乱の低減に役立つことができる。誘電性発泡体1804’’のストリップの厚さ(直径)が、
図18Kに示されるコア1801の直径よりもはるかに大きい値である(例えば、2倍以上)であり得ることに更に留意されたい。
【0176】
代替の一実施形態において、伝送媒体1800’’’(断面図において示される)は、誘電性発泡体1804及び外被1806で覆われた非円形コア1801’を含むことができる。一実施形態において、非円形コア1801’は、
図18Kに示されるように楕円形構造又は他の適する非円形構造を有することができる。別の実施形態において、非円形コア1801’は非対称構造を有することができる。非円形コア1801’は、非円形コア1801’上に誘導される電磁波の場を偏極するのに用いることができる。非円形コア1801’の構造は、電磁波が非円形コア1801’に沿って伝搬する際、電磁波の偏極を保つのに役立つことができる。
【0177】
代替の一実施形態において、伝送媒体1800’’’’(断面図において示される)は、複数のコア1801’’を含むことができる(2つのみのコアが示されるが、より多くのコアが可能である)。複数のコア1801’’は、誘電性発泡体1804及び外被1806で覆うことができる。複数のコア1801’’は、複数のコア1801’’上に誘導される電磁波の場を偏極するのに用いることができる。複数のコア1801’の構造は、導波される電磁波が複数のコア1801’’に沿って伝搬する際、導波される電磁波の偏極を保つことができる。
【0178】
図18Kの実施形態が、
図18G~
図18Hの実施形態を変更するのに用い得ることが理解されよう。例えば、コア1842又はコア1842’は、間に間隙又は誘電性発泡体1804’’の1つ若しくは複数のストリップを用いてセクション化シェル1804’を利用するように構成することができる。同様に、コア1842又はコア1842’は、対称又は非対称断面構造を有することができる非円形コア1801’を有するように構成することができる。更に、コア1842又はコア1842’は、単一の内部導波路において複数のコア1801’’を用いるか、又は複数の内部導波路が用いられる場合、異なる数のコアを用いるように構成することができる。したがって、
図18Kに示されるいずれの実施形態も、単独で又は
図18G~
図18Hの実施形態と組み合わせて適用することができる。
【0179】
ここで、
図18Lを参照すると、本明細書において説明される種々の態様による、クロストークを軽減する結束伝送媒体の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。一実施形態において、結束伝送媒体1836’は、可変コア構造1803を含むことができる。コア1803の構造を変えることにより、伝送媒体1836’の各コアにおいて誘導される導波される電磁波の場は、ケーブル1838間のクロストークを低減するのに十分に異なり得る。別の実施形態において、結束伝送媒体1836’’は、ケーブル1838 1本当たりにつき可変数のコア1803’を含むことができる。ケーブル1838 1本当たりのコア1803’の数を変更することにより、伝送媒体1836’’の1つ又は複数のコアにおいて誘導される導波される電磁波の場は、ケーブル1838間のクロストークを低減するのに十分に異なり得る。別の実施形態において、コア1803又は1803’は異なる材料のものであり得る。例えば、コア1803又は1803’は、誘電体コア1802、絶縁導体コア1825、裸導体コア1832又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0180】
図18A~
図18D及び
図18F~
図18Hに示される実施形態は、
図18K及び
図18Lの実施形態の幾つかにより及び/又はそれと組み合わせて変更し得ることに留意されたい。
図18K及び
図18Lに示される実施形態の1つ又は複数を組み合わせることができる(例えば、コア1801’、1801’’、1803又は1803’と共にセクション化誘電性発泡体1804’又は誘電性発泡体1804’’のらせん状ストリップを用いて)ことに更に留意されたい。幾つかの実施形態において、
図18Kの伝送媒体1800’、1800’’、1800’’’及び/又は1800’’’’において伝搬する導波される電磁波は、
図18A~
図18Cの伝送媒体1800、1820及び1830において伝搬する導波される電磁波よりも少ない伝搬損失を示すことができる。更に、
図18K及び
図18Lに示される実施形態は、
図18I及び
図18Jに示される接続実施形態を用いるように構成することができる。
【0181】
ここで、
図18Mを参照すると、アンテナ1855として用いる、伝送媒体束1836から露出される先細り形のスタブの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図が示されている。各アンテナ1855は、ワイヤレス通信デバイスに向けられるワイヤレス信号を放射し、又は伝送媒体(例えば、電力線)の表面上に電磁波伝搬を誘導する指向性アンテナとして機能することができる。一実施形態において、アンテナ1855により放射されるワイヤレス信号は、各アンテナ1855により生成されるワイヤレス信号の位相及び/又は他の特性を構成することにより操縦されるビームであり得る。一実施形態において、アンテナ1855は、パイ皿形アンテナ(pie-pan antenna)組立体内に個々に配置して、ワイヤレス信号を種々の方向に向けることができる。
【0182】
本開示において利用される「コア」、「クラッディング」、「シェル」及び「発泡体」という用語は、電磁波がコアに沿って長手方向に伝搬しながら、電磁波をコアに結合したままにできるようにする任意のタイプの材料(又は材料の組み合わせ)を含み得ることに更に留意されたい。例えば、上述した誘電性発泡体1804’’のストリップは、誘電体コア1802に巻かれる通常の誘電材料(例えば、ポリエチレン)のストリップ(本明細書において、単に例示を目的として「ラップ」と呼ばれる)で置換することができる。この構成において、ラップの平均密度は、ラップのセクション間の空気スペースの結果として小さい密度であり得る。したがって、ラップの実効誘電率は、誘電体コア1802の誘電率よりも低い値であり得、それにより、導波される電磁波をコアに結合したままにすることができる。したがって、コア及びコアの周囲のラップに用いられる材料に関連する本開示のいずれの実施形態も、コアに沿って伝搬しながら、コアに結合された電磁波を維持する結果を達成する他の誘電材料を用いて構造的に構成及び/又は変更することができる。更に、本開示の任意の実施形態において説明されるようなコアは、全体的又は部分的に不透明材料(例えば、ポリエチレン)を含むことができる。したがって、コアに導波され結合する電磁波は、非光学周波数範囲(例えば、可視光の最低周波数未満)を有する。
【0183】
図18N、
図18O、
図18P、
図18Q、
図18R、
図18S及び
図18Tは、本明細書において説明される種々の態様による、電磁波を送信又は受信する導波路デバイスの一例の非限定的な実施形態を示すブロック図である。一実施形態において、
図18Nは、放射電場(E場)1861を有する電磁波を発する複数のスロット1863(例えば、開口部又はアパーチャ)を有する導波路システム1865の正面図を示す。一実施形態において、対称に位置するスロット1863の対(例えば、導波路システム1865の北及び南のスロット)の放射E場1861は、互いから離れるように向けることができる(すなわち、ケーブル1862を中心として半径方向逆向きの極)。スロット1863は、矩形を有するものとして示されているが、他の多角形、扇形及び弓形、楕円形及び他の形状等の他の形状も同様に可能である。例示のみを目的として、北という用語は、図に示されるように、相対的な方向を指す。他の方向(例えば、南、東、西及び北西等)への本開示における全ての参照は、北向きの図に相対する。一実施形態において、例えば、北及び南のスロット1863において逆向きのE場を達成するために、北及び南のスロット1863は、これらのスロットに供給される電磁波信号の概ね1波長である外周距離を互いの間に有するように配置することができる。導波路システム1865は、導波路システム1865の中心に円筒形キャビティを有し、ケーブル1862の配置を可能にすることができる。1つの実施形態において、ケーブル1862は絶縁導体を含むことができる。別の実施形態において、ケーブル1862は非絶縁導体を含むことができる。更に他の実施形態において、ケーブル1862は、上述したケーブル1850の伝送コア1852の任意の実施形態を含むことができる。
【0184】
1つの実施形態において、ケーブル1862は、導波路1865システムの円筒形キャビティ内に摺動することができる。別の実施形態において、導波路1865システムは組立体機構(図示せず)を利用することができる。組立体機構(例えば、ヒンジ又は1つ又は複数の位置において導波路システム1865を開く方法を提供する他の適する機構)を用いて、導波路システム1865をケーブル1862の外面に配置するか、又は他の方法で別個の個片を一緒に組み立てて、示されるように導波路システム1865を形成できるようにすることができる。これら及び他の適する実施形態によれば、導波路システム1865は、襟のようにケーブル1862に巻かれるように構成することができる。
【0185】
図18Oは、導波路システム1865の一実施形態の側面図を示す。導波路システム1865は、本開示において上述したように(例えば、
図1及び
図10Aの参照符号101、1000を参照されたい)、送信機回路により生成される電磁波1866を受信する中空矩形導波路部分1867を有するように構成することができる。電磁波1866は、中空矩形導波路部分1867により導波路システム1865の中空カラー1869内に分布させることができる。矩形導波路部分1867及び中空カラー1869は、電磁波をこれらの組立体の中空チャンバ内に維持するのに適する材料(例えば、炭素繊維材料)で構築することができる。導波路部分1867は中空矩形構成で示され説明されるが、他の形状及び/又は他の非中空構成も利用し得ることに留意されたい。特に、導波路部分1867は、正方形又は他の多角形断面、ケーブル1862の外面に適合するように切頂される弓形又は扇形断面、円形又は楕円形断面又は断面形状を有することができる。加えて、導波路部分1867は、中実誘電体材料として構成されるか、又は他の方法で中実誘電体材料を含むことができる。
【0186】
上述したように、中空カラー1869は、対称に位置するスロット1863及び1863’の対において、逆のE場1861を有する電磁波を各スロット1863から発するように構成することができる。一実施形態において、スロット1863及び1863’の組み合わせにより発せられる電磁波は、したがって、ケーブル1862に結合されて、他の波動モード - 非基本波動モード等 - が存在しない状態で、基本波動モードに従って伝搬する電磁波1868を誘導することができる。この構成において、電磁波1868は、ケーブル1862に沿ってケーブル1862に結合される他の下流導波路システムに長手方向に伝搬することができる。
【0187】
図18Oの中空矩形導波路部分1867はスロット1863(導波路システム1865の北位置における)により近いため、スロット1863が、スロット1863’(南位置における)により発せられる電磁波よりも強い大きさを有する電磁波を発し得ることに留意されたい。これらのスロット間の大きさの違いを低減するために、スロット1863’は、スロット1863よりも大きく作ることができる。異なるスロットサイズを利用して、スロット間の信号の大きさを平衡させる技法は、
図18N、
図18O、
図18Q、
図18S、
図18U及び
図18Vに関連する本開示の任意の実施形態に適用することができる - そのうちの幾つかについて以下で説明する。
【0188】
別の実施形態において、
図18Pは、信号入力1872(例えば、通信信号を提供する同軸ケーブル又は他の信号入力)にそれぞれ結合されるモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)1870等の回路を利用するように構成することができる導波路システム1865’を示す。信号入力1872は、電気信号をMMIC1870に提供するように構成される、本開示において上述したような送信機回路(例えば、
図1及び
図10Aの参照符号101、1000を参照されたい)により生成することができる。各MMIC1870は信号1872を受信するように構成することができ、MMIC1870は、信号1872を変調し、放射要素(例えば、アンテナ又は他のデバイス)を用いて、放射E場1861を有する電磁波を放射することができる。1つの実施形態において、MMIC1870は、同じ信号1872を受信するが、異なる向きのE場1861を有する電磁波を送信するように構成することができる。これは、他のMMIC1870により送信される電磁波から制御可能な位相にある電磁波を送信するように、MMIC1870の1つを構成することにより達成することができる。示される例では、逆位相を有する電場1861が生成される(180度位相ずれ)が、互いと同相の信号の送信を含め、生成に選択された導波モードに応じて他の構成も同様に可能である。一実施形態において、MMIC1870により発せられる電磁波の組み合わせは、一緒に、ケーブル1862に結合されて、他の波動モードが存在しない状態で特定の波動モードに従って伝搬する電磁波1868を誘導することができる。この構成において、電磁波1868は、ケーブル1862に沿ってケーブル1862に結合される他の下流導波路システムに長手方向に伝搬することができる。
【0189】
様々な実施形態では、反射板1871も、示される波動方向矢印によって示される、ケーブル1862によって導波される電磁波1868の伝搬方向に対してMMIC1870の放射要素の背後の領域に含まれる。反射板は、金属板、金属被膜面、走行中の電磁波をMMIC1870から反射板1871又は他の反射板に向けて反射するのに十分な密度を有するワイヤメッシュで構築することができる。
【0190】
動作において、反射板1871は、電磁波1861のインスタンスをケーブル1862の表面等の伝送媒体の境界面に向けて、ケーブル1862に沿った電磁波1868の伝搬を誘導するのに役立つ。例えば、反射板1871は、接地及び/又は導波路システム1865の外部筐体に短絡して、MMICによって生成された電場1861と相互作用することができる。
【0191】
示される実施形態では、反射板1871は、ケーブル1862の長手軸及び波動方向に直交し、任意選択的に、MMIC1870の放射要素を含む平面に平行である構成で導波路システム1865’の外部筐体内部に位置決めされるが、他の構成も同様に可能である。様々な実施形態では、反射板とMMIC1870の放射要素との間の距離d1は、TM00、HE11、EH1m、TM0m(ここで、m=1、2、...である)等の選択された基本又は非基本波動モード又は選択された動作周波数における他の非基本及び/又は非対称モードを介した電磁波1868の伝搬誘導をサポートするように調整又は他の方法で設定することができる。例えば、距離d1を増分的に調整して、1つ又は複数の選択されたモードの電磁波1868の最大信号強度をもたらすd1の特定の値を特定することができる。
【0192】
導電ホーン又は他の同軸反射器等のテーパ形ホーン1880を
図18O及び
図18Pの実施形態に追加して、
図18Q及び
図18Rに示されるように、ケーブル1862上の電磁波1868の誘導のために電場1861を向けることを支援することができる。特定の構成のテーパ形ホーン1880が示されるが、フレアコーン、ピラミッドホーン又は他のホーン設計を含む他の構成のコーンも同様に利用することができる。
【0193】
ケーブル1862が非絶縁導体である一実施形態において、ケーブル1862上に誘導された電磁波は、大きい半径方向寸法(例えば、1m)を有することができる。より小さい先細り形ホーン1880を使用できるように、絶縁層1879を
図18Q及び
図18Rにおいてハッシュ線を用いて示されるように、キャビティ又はその近傍におけるケーブル1862の部分に適用することができる。絶縁層1879は、導波路システム1865から離れて面する先細り形端部を有することができる。追加された絶縁により、ケーブル1862に密に結合されるように、電磁波1868をまず導波路システム1865(又は1865’)により送出することができ、それにより、電磁波1868の半径方向寸法が低減する(例えば、数cm)。電磁波1868が導波路システム1865(1865’)から離れて伝搬し、絶縁層1879の先細り形端部に達すると、電磁波1868の半径方向寸法は増大し始め、最終的に、仮に電磁波1868が絶縁層なしの非絶縁導体上で誘導された場合に有したであろう半径方向寸法を達成する。
図18Q及び
図18Rの図において、先細り形端部は、先細り形ホーン1880の端部において開始される。他の実施形態において、絶縁層1879の先細り形端部は、先細り形ホーン1880の端部の前又は後で開始することができる。先細り形ホーンは、金属製であり得るか、他の導電材料で構築され得るか、又は誘電体層で被覆若しくは覆われるか、若しくは導電材料がドープされて、金属製ホーンと同様の反射特性を提供するプラスチック若しくは他の非導電材料で構築され得る。
【0194】
様々な実施形態では、反射板とMMIC1870の放射要素との間の距離d2は、TM00、HE11、EH1m、TM0m(ここで、m=1、2、...である)等の選択された基本又は非基本波動モード又は選択された動作周波数における他の非基本及び/又は非対称モードを介した電磁波1868の伝搬誘導をサポートするように調整又は他の方法で設定することができる。例えば、距離d2を増分的に調整して、1つ又は複数の選択されたモードの電磁波1868の最大信号強度をもたらすd2の特定の値を特定することができる。
【0195】
上記のように、ケーブル1862は、上述したケーブル1850の任意の実施形態を含むことができる。この実施形態において、導波路1865及び1865’は、
図18S及び
図18Tに示されるように、ケーブル1850の伝送コア1852に結合することができる。導波路1865及び1865’は、上述したように、全体的又は部分的にケーブル1850の内層内を伝搬する電磁波1868を伝送コア1852上に誘導することができる。
【0196】
図18Q、
図18R、
図18S及び
図18Tの上記実施形態において、電磁波1868が双方向であり得ることに留意されたい。例えば、異なる動作周波数の電磁波1868を導波路1865及び1865’のそれぞれのスロット1863又はMMIC1870により受信することができる。受信されると、電磁波は、受信機回路(例えば、
図1及び
図10Aの参照符号101、1000を参照されたい)により伝達されて、処理される通信信号を生成することができる。
【0197】
様々な実施形態では、反射板とMMIC1870の放射要素との間の距離d3は、TM00、HE11、EH1m、TM0m(ここで、m=1、2、...である)等の選択された基本又は非基本波動モード又は選択された動作周波数における他の非基本及び/又は非対称モードを介した電磁波1868の伝搬誘導をサポートするように調整又は他の方法で設定することができる。例えば、距離d3を増分的に調整して、1つ又は複数の選択されたモードの電磁波1868の最大信号強度をもたらすd3の特定の値を特定することができる。
【0198】
示されていないが、導波路1865及び1865’は、電磁波1868を長手方向上流又は下流に向けることができるように構成し得ることに更に留意されたい。例えば、導波路システム1865又は1865’の第1のインスタンスに結合される第1の先細り形ホーン1880は、ケーブル1862上を西に向けることができる一方、導波路システム1865及び1865’の第2のインスタンスに結合される第2の先細り形ホーン1880は、ケーブル1862上を東に向けることができる。導波路1865又は1865’の第1及び第2のインスタンスは、リピーター構成において、第1の導波路システム1865又は1865’により受信される信号を第2の導波路システム1865又は1865’に提供して、ケーブル1862上を東の方向に再送信することができるように結合することができる。ここで述べたリピーター構成は、ケーブル1862上を東から西の方向に適用することもできる。
【0199】
図18P、
図18R及び
図18Tの導波路システム1865’は、非基本又は非対称波動モードを有する電磁場を生成するように他の方法で構築することもできる。
図18Uは、1つ又は複数の選択された非基本波動モードを有する電磁場を生成するように構成された導波路システム1865’’の一実施形態を示す。導波路システム1865’’は、共通の参照符号で参照される、導波路システム1865’と同様の機能及び特徴を含む。MMIC1870の代わりに、アンテナ1873は、1つ又は複数の選択された非基本波動モードを介して波動方向に伝搬するように伝送媒体1862又は1852の境界面に向けられた電磁波を放射するように動作する。示される例では、アンテナ1873は、モノポールアンテナであるが、他のアンテナ構成及び放射要素も同様に利用することができる。
【0200】
反射板1871も、示される波動方向矢印によって示される、ケーブル1862によって導波される電磁波1868の伝搬方向に対してアンテナ1873の背後の領域に含まれる。反射板1871は、金属板、金属被膜面、走行中の電磁波をアンテナ1873から反射板1871又は他の反射板に向けて反射するのに十分な密度を有するワイヤメッシュで構築することができる。
【0201】
動作において、反射板1871は、電磁波1861をケーブル1862の表面等の伝送媒体の境界面に向けて、ケーブル1862に沿った電磁波1868の伝搬を誘導するのに役立つ - 伝搬は、電気帰還路を必要としない。例えば、反射板1871は、接地及び/又は導波路システム1865の外部筐体に結合して、アンテナ1873によって生成された電場1861と相互作用することができる。
【0202】
示される実施形態では、反射板1871は、ケーブル1862の長手軸及び波動方向に直交し、任意選択的に、アンテナ1873を含む平面に平行である構成で導波路システム1865’の外部筐体内部に位置決めされるが、他の構成も同様に可能である。様々な実施形態では、反射板とアンテナ1873との間の距離d4は、TM00、HE11、EH1m、TM0m(ここで、m=1、2、...である)等の選択された基本又は非基本波動モード又は選択された動作周波数における他の非基本及び/又は非対称モードを介した電磁波1868の伝搬誘導をサポートするように調整又は他の方法で設定することができる。例えば、距離d4を増分的に調整して、1つ又は複数の選択されたモードの電磁波1868の最大信号強度をもたらすd4の特定の値を特定することができる。
【0203】
明示的に示されていないが、導電ホーン又は他の同軸反射器を
図18Uの実施形態に追加して、ケーブル1862上の電磁波1868の誘導のために電場1861を向けることを支援することができる。
【0204】
図18P、
図18R及び
図18Tの導波路システム1865’は、非基本又は非対称波動モードを有する電磁場を生成するように協働して使用することもできる。
図18Vは、1つ又は複数の選択された非基本波動モードを有する電磁場を生成するように構成された2つの導波路システム1865’-1及び1865’-2を含む導波路システムの一実施形態を示す。導波路システム1865’-1及び1865’-2は、共通の参照符号で参照される、導波路システム1865’と同様の機能及び特徴を含む。
【0205】
MMIC1870及び1870’に電気信号を提供するように構成された信号入力1872は、本開示において先に記載された送信機回路(例えば、
図1及び
図10Aの参照符号101、1000を参照されたい)によって生成することができる。各MMIC1870及び1870’は、信号1872を受信するように構成することができ、MMIC1870又は1870’は、信号1872を変調し、放射要素(例えば、アンテナ又は他のデバイス)を用いて送信し、放射電場1861及び1861’を有する電磁波を放射することができる。示される構成では、MMIC1870は、それぞれケーブル1852又は1862の周りに同心状及び/又は半径方向に配置された放射要素を含む。MMIC1870’は、ケーブル1852又は1862の周りでも同心状であるが、MMIC1870の放射要素から角度オフセットされて配置される放射要素をそれぞれ含む。示される向きでは、MMIC1870の放射要素は、角度90度及び270度に配置される一方、MMIC1870の放射要素は、角度0度及び180度に配置される。互いから及びMMIC1870の角度変位からのMMIC1870の角度変位の選択は、各回路により生成される信号入力1872の位相オフセットと共に、電磁波1868の基本モード又は所望の空間向きを有する電磁波1868の非基本波動モードのサポートに使用され得ることに留意されたい。
【0206】
示される実施形態では、MMIC1870は、同じ信号1872を受信するが、逆向きの電場1861を有する電磁波を送信するように構成することができる。同様に、MMIC1870は、同じ信号1872を受信するが、電場1861から180度の位相オフセットを有する逆向きの電場1861’を有する電磁波を送信するように構成することができる。これは、制御可能な位相を有する電磁波を送信するようにMMIC1870及びMMIC1870’を構成することによって達成することができる。一実施形態では、MMIC1870によって発せられた電磁波の組合せは、一緒に、非基本波動モード等の他の波動モードが存在しない状態で基本波動モードに従って伝搬するようにケーブル1862に結合された電磁波1868を誘導することができるが、MMICに選択される位相及び距離d5に応じて、非基本モード等の他のモードを選択することも同様にできる。この構成では、電磁波1868は、ケーブル1862に沿って長手方向において、ケーブル1862に結合された他の下流導波路システムに伝搬することができる。
【0207】
示される実施形態では、導波路システム1865’-1及び1865’-2は、それぞれケーブル1862の長手軸及び波動方向に直交する構成であり、したがって、MMIC1870の放射要素を含む平面は、MMIC1870’の放射要素を含む平面に平行であるが、他の構成も同様に可能である。様々な実施形態では、導波路1865’-1と1865’-2との間の距離d5は、MMIC1870の放射要素の平面とMMIC1870’の放射要素の平面との間の距離に対応する。距離d5は、TM00、HE11、EH1m、TM0m(ここで、m=1、2、...)等の選択された基本又は非基本波動モード又は選択された動作周波数における他の非基本及び/又は非対称モードを介した電磁波1868の伝搬誘導をサポートするように調整又は他の方法で設定することができる。例えば、距離d5を増分的に調整して、1つ又は複数の選択されたモードの電磁波1868の最大信号強度をもたらすd5の特定の値を特定することができる。
【0208】
様々な実施形態では、導波路システム1865’-2は、電磁波1868の伝搬方向に相対してMMIC1870’の放射要素の背後の領域に反射板1871を有する。反射板は、金属板、金属被膜面、走行中の電磁波をMMIC1870’から反射板1871又は他の反射板に向けて反射するのに十分な密度を有するワイヤメッシュで構築することができる。
【0209】
動作において、反射板1871は、電磁波1861’のインスタンスをケーブル1862の表面等の伝送媒体の境界面に向けて、ケーブル1862に沿った電磁波1868の伝搬を誘導するのに役立つ - 伝搬は、電気帰還路を必要としない。例えば、反射板1871は、接地及び/又は導波路システム1865の外部筐体に短絡して、MMICによって生成された電場1861と相互作用することができる。
【0210】
示される実施形態では、反射板1871は、ケーブル1862の長手軸及び波動方向に直交し、任意選択的に、MMIC1870’の放射要素を含む平面に平行である構成で導波路システム1865’-2の外部筐体内部に位置決めされるが、他の構成も同様に可能である。様々な実施形態では、反射板とMMIC1870の放射要素との間の距離d6は、TM00、HE11、EH1m、TM0m(ここで、m=1、2、...である)等の選択された基本又は非基本波動モード又は選択された動作周波数における他の非基本及び/又は非対称モードを介した電磁波1868の伝搬誘導をサポートするように調整又は他の方法で設定することができる。例えば、距離d6を増分的に調整して、1つ又は複数の選択されたモードの電磁波1868の最大信号強度をもたらすd6の特定の値を特定することができる。更に、互いから及びMMIC1870の角度変位からのMMIC1870の角度変位の選択は、各回路により生成される信号入力1872の位相オフセットと共に、距離d6及び距離d5に加えて、所望の空間向きを有する電磁波1868の非基本波動モードのサポートに使用され得る。
【0211】
明示的に示されていないが、導電ホーン又は他の同軸反射器を導波路システム1865’-1に追加して、ケーブル1862上の電磁波1868の誘導のために電場1861を向けることを支援することができる。更に、明示的に示されていないが、筐体又はレードームを導波路システム1865’-1と1865’-2との間に提供して、送出器を環境から保護し、且つ/又は放射を低減し、電磁波1861’をケーブル1862又は1852に更に向けることができる。
【0212】
別の実施形態では、
図18Vの導波路システム1865’-1及び1865’-2は、非基本波動モードのみを有する電磁波を生成するように構成することもできる。これは、
図18Wに示されるように、より多くのMMIC1870及び1870’を追加することによって達成することができる。特に、導波路システム1865’-1のMMIC1870の同心位置合わせは、背後にある導波路システム1865’-2のMMIC1870’の同心位置合わせと共に提示される。
【0213】
各MMIC1870及び1870’は、同じ信号入力1872を受信するように構成することができる。しかしながら、MMIC1870は、各MMIC1870及び1870’内の制御可能な位相シフト回路を使用して異なる位相を有する電磁波を放射するように選択的に構成することができる。例えば、距離d5は、波長の整数倍に設定することができ、北及び南のMMIC1870は、180度の位相差を有する電磁波を放射し、それにより北方向又は南方向のいずれかにおいて電場を位置合わせするように構成することができる。MMIC1870及び1870’のペアの任意の組合せ(例えば、西及び東のMMIC1870、北西及び南東のMMIC1870’、北東及び南西のMMIC1870’)に逆の又は並んだ電場を構成することができる。したがって、導波路システム1865’は、1つ若しくは複数の非基本波動モードを有する電磁波、1つ若しくは複数の基本波動モードを有する電磁波又はそれらの任意の組合せを生成するように構成することができる。
【0214】
任意の所与の時間において、全てのMMICが送信中である必要はない。
図18Wに示されるMMIC1870及び1870’の1つのMMIC1870又は1870’は、非基本波動モードを有する電磁波を生成するように構成することができ、その間、他の全てのMMIC1870及び1870’は、使用されないか又はディセーブルされる。同様に、制御可能な位相を有するMMIC1870及び1870’の他の非ヌルの適切なサブセットをイネーブルすることにより、他の波動モード及び波動モード組合せを誘導することができる。
【0215】
幾つかの実施形態において、
図18N~
図18Wの導波路システム1865、1865’及び1865’’は、ある波動モードが他方よりも優位な基本波動モードと非基本波動モードとの組み合わせを生成し得ることに更に留意されたい。例えば、1つの実施形態において、
図18N~
図18Wの導波路システム1865、1865’及び1865’’により生成される電磁波は、非基本波動モードを有する弱信号成分及び基本波動モードを有する実質的に強い信号成分を有することができる。したがって、この実施形態において、電磁波は実質的に基本波動モードを有する。別の実施形態において、
図18N~
図18Wの導波路システム1865、1865’及び1865’’により生成される電磁波は、基本波動モードを有する弱信号成分及び非基本波動モードを有する実質的に強い信号成分を有することができる。したがって、この実施形態において、電磁波は実質的に非基本波動モードを有する。更に、伝送媒体の長さに沿って些細な距離のみ伝搬する非優位波動モードを生成することができる。
【0216】
図18N~
図18Wの導波路システム1865、1865’及び1865’’が、結合された電磁波の1つ又は複数の生成される波動モードと異なり得る波動モードを有する電磁波のインスタンスを生成するように構成可能であることにも留意されたい。
図18Wの導波路システム1865’の各MMIC1870又は1870’が、別のMMIC1870又は1870’により生成される電磁波の別のインスタンスの波動特性と異なる波動特性を有する電磁波のインスタンスを生成するように構成可能であることに更に留意されたい。あるMMIC1870又は1870’は、例えば、別のMMIC1870又は1870’により生成される別の電磁波の異なるインスタンスの空間方位及び位相、周波数、大きさ、電場方位及び/又は磁場方位と異なる空間方位及び位相、周波数、大きさ、電場方位及び/又は磁場方位を有する電磁波のインスタンスを生成することができる。したがって、導波路システム1865’は、結合されたとき、1つ又は複数の所望の波動モードを有する結果的な電磁波を達成する異なる波動特性及び空間特性を有する電磁波のインスタンスを生成するように構成することができる。
【0217】
これらの例示から、
図18N~
図18Wの導波路システム1865及び1865’が、1つ又は複数の選択可能な波動モードを有する電磁波を生成するように構成可能であることが提案される。1つの実施形態において、例えば、導波路システム1865及び1865’は、1つ又は複数の波動モードを選択し、1つ又は複数の構成可能な波及び空間特性を有する電磁波のインスタンスを結合するプロセスから選択され生成される1つ又は複数の波動モードを有する電磁波を生成するように構成することができる。一実施形態において、例えば、パラメトリック情報をルックアップテーブルに記憶することができる。ルックアップテーブル中の各エントリは、選択可能な波動モードを表すことができる。選択可能な波動モードは、単一の波動モード又は複数の波動モードの組み合わせを表すことができる。複数の波動モードの組み合わせは、1つ又は複数の優位な波動モードを有することができる。パラメトリック情報は、所望の波動モードを有する結果的な電磁波を生成する電磁波のインスタンスを生成する構成情報を提供することができる。
【0218】
例えば、1つ又は複数の波動モードが選択されると、ルックアップテーブルの選択された1つ又は複数の波動モードに関連するエントリからのパラメトリック情報を用いて、所望の波動モードを有する電磁波を達成するために、1つ又は複数のMMIC1870及び1870’のいずれを利用し、及び/又はそれらの対応する構成を識別することができる。パラメトリック情報は、所望の波動モードを有する電磁波の生成に必要とされることがあるMMIC1870及び1870’の空間方位に基づいて、1つ又は複数のMMIC1870及び1870’の選択を識別することができる。パラメトリック情報は、選択されたMMIC1870又は1870’のそれぞれで同じあっても又は同じでなくてもよい特定の位相、周波数、大きさ、電場方位及び/又は磁場方位を有するように1つ又は複数のMMIC1870及び1870’のそれぞれを構成するために、情報を提供することもできる。選択可能な波動モード及び対応するパラメトリック情報を有するルックアップテーブルは、スロット付き導波路システム1865、1865’及び1865’’を構成するように構成することができる。
【0219】
幾つかの実施形態において、導波される電磁波は、対応する波動モードが、伝送媒体上を微小な距離より長い距離(non-trivial distances)だけ伝搬し、望ましいこともあれば望ましくないこともある他の波動モードよりもはるかに大きい大きさ(例えば、20dBだけ高い大きさ)の場強度を有する場合、所望の波動モードを有すると見なすことができる。そのような所望の1つ又は複数の波動モードは、優位波動モードと呼ぶことができ、他の波動モードは非優位波動モードと呼ばれる。同様に、基本導波モードを実質的に有さないと言える導波される電磁波は、基本波動モードを有さないか、又は非優位基本波動モードを有する。非基本波動モードを実質的に有さないと言える導波される電磁波は、非基本導波モードを有さないか、又は非優位非基本導波モードのみを有する。幾つかの実施形態において、単一の導波モードのみ又は選択された導波モードを有すると言える導波される電磁波は、1つのみの対応する優位導波モードを有することができる。
【0220】
【0221】
ここで、
図18X及び
図18Zを参照すると、本明細書において説明される種々の態様による、誘電体アンテナ並びに対応する利得及び場強度プロットの一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図が示されている。
図18Xは、円錐形構造を有する誘電体ホーンアンテナ1891を示す。誘電体ホーンアンテナ1891は、フィードポイント1892に結合され、フィードポイント1892も誘電体材料で構成することができる。一実施形態では、例えば、誘電体ホーンアンテナ1891及びフィードポイント1892は、ポリエチレン材料、ポリウレタン材料又は他の適した誘電体材料(例えば、合成樹脂)等の誘電体材料で構築することができる。一実施形態では、誘電体ホーンアンテナ1891及びフィードポイント1892は、任意の導電材料がないように構成することができる。例えば、誘電体ホーンアンテナ1891及びフィードポイント1892の外面1897は、非導電性であり得、誘電体ホーンアンテナ1891及びフィードポイント1892の構築に使用される誘電体材料は、導電性であり得る不純物を実質的に含まないようなものであり得る。
【0222】
フィードポイント1892は、
図18I及び
図18Jにおいて例示により上述された等のコア1852に結合するように構成することができる。一実施形態において、フィードポイント1892は、
図18Jのスプライスデバイス1860等のジョイント(
図18Xに示されず)を利用してコア1852に結合することができる。フィードポイント1892をコア1852に結合する他の実施形態を用いることもできる。一実施形態において、ジョイントは、フィードポイント1892にコア1852の終点に接触させるように構成することができる。別の実施形態において、ジョイントは、フィードポイント1892とコア1852のエンドポイントとの間に間隙を作成することができる。更に別の実施形態において、ジョイントは、フィードポイント1892及びコア1852を同軸上に位置合わせするか、又は部分的に位置合わせしなくてもよい。上記実施形態の任意の組み合わせにも関わらず、電磁波は、全体的又は少なくとも部分的にフィードポイント1892とコア1852との間を伝搬することができる。
【0223】
ケーブル1850は、
図18Sに示される導波路システム1865又は
図18Tに示される導波路システム1865’に結合することができる。例示のみを目的として、
図18Tの導波路システム1865’を参照する。しかし、
図18Sの導波路システム1865も以下の考察により利用し得ることが理解される。導波路システム1865’は、波動モード(例えば、上述したような非基本波動モード、基本波動モード、ハイブリッド波動モード又はそれらの組み合わせ)を選択し、非光学動作周波数(例えば、60GHz)を有する電磁波のインスタンスを送信するように構成することができる。電磁波は、
図18Tに示されるように、ケーブル1850のインターフェースに向けることができる。
【0224】
導波路システム1865’により生成される電磁波のインスタンスは、コア1852からフィードポイント1892に伝搬する、選択された波動モードを有する結合電磁波を誘導することができる。結合電磁波は、部分的にコア1852の内部及び部分的にコア1852の外面上を伝搬することができる。結合電磁波は、コア1852とフィードポイント1892との接合部を通って伝搬すると、引き続き、部分的に給電線1892の内部及び部分的に給電線1892の外面上を伝搬することができる。幾つかの実施形態において、コア1852及び給電線1892の外面を伝搬する結合電磁波の部分は小さい。これらの実施形態において、結合電磁波は、誘電体アンテナ1891に向かって長手方向に伝搬しながら、コア1852及び給電線1892により導波され、密に結合されると言うことができる。
【0225】
結合電磁波は、誘電体アンテナ1891の基端部(給電線1892と誘電体アンテナ1891との間の接合部1892’における)に達すると、誘電体アンテナ1891の基端部に入り、誘電体アンテナ1891の軸に沿って長手方向に伝搬する(ハッシュ線として示される)。結合電磁波がアパーチャ1893に達するときまでに、結合電磁波は、
図18Yに示されるものと同様の強度パターンを有する。
図18Yの電場強度パターンは、結合電磁波の電場がアパーチャ1893の中心領域において最強であり、外側領域においてより弱いことを示す。一実施形態において、誘電体アンテナ1891内を伝搬する電磁波の波動モードがハイブリッド波動モード(例えば、HE11)である場合、外面1897における電磁波の漏れは、低減されるか、又は幾つかの場合にはなくなる。ハイブリッド波動モードをケーブル1850上に送出する方法について以下で考察する。
【0226】
一実施形態において、
図18Yに示される遠距離場アンテナ利得パターンは、結合電磁波の動作周波数を低減することにより広げることができる。同様に、利得パターンは、結合電磁波の動作周波数を増大させることにより狭めることができる。したがって、アパーチャ1893により発せられるワイヤレス信号のビームの幅は、結合電磁波の動作周波数を増大又は低減するように導波路システム1865’を構成することにより制御することができる。
【0227】
図18Xの誘電体アンテナ1891は、無線信号の受信に使用することもできる。アパーチャ1893において誘電体アンテナ1891によって受信された無線信号は、誘電体アンテナ1891において、フィードポイント1892に向かって伝搬する電磁波を誘導する。電磁波は、フィードポイント1892からコア1852に引き続き伝搬し、それにより、
図18Tに示されるようにケーブル1850に結合された導波路システム1865’に送られる。この構成において、導波路システム1865’は、誘電体アンテナ1891を利用して双方向通信を実行することができる。幾つかの実施形態において、ケーブル1850(破線で示される)のコア1852がフィードポイント1892と同一線上にあるように構成されて、
図18Xに示される湾曲を避け得ることに更に留意されたい。幾つかの実施形態において、同一線上の構成は、ケーブル1850の湾曲に起因する電磁の変更を低減することができる。
【0228】
ここで、
図18Zを参照すると、本明細書に記載される様々な態様による別の誘電体アンテナ構造の一例の非限定的な実施形態のブロック図が示されている。
図18Zは、ピラミッド形誘電体ホーンアンテナ1894のアレイを示す。ピラミッド形誘電体ホーンアンテナ1894のアレイの各アンテナは、複数のケーブル1850のコア1852に結合するフィードポイント1896を有することができる。各ケーブル1850は、
図18Tに示される等の異なる導波路システム1865’に結合することができる。ピラミッド形誘電体ホーンアンテナ1894のアレイは、複数の空間方位を有するワイヤレス信号を送信するのに用いることができる。360度をカバーするピラミッド形誘電体ホーンアンテナ1894のアレイは、アンテナに結合される複数の導波路システム1865’が、他の通信デバイス又は同様のタイプのアンテナとの全指向性通信を実行できるようにすることができる。
【0229】
図18Xの誘電体アレイ1891について上述した電磁波の双方向伝搬特性は、コア1852から、ピラミッド形誘電体ホーンアンテナ1894のアパーチャ1895へのフィードポイント1896に及び逆方向に伝搬する電磁波に対しても適用可能である。同様に、ピラミッド形誘電体ホーンアンテナ1894のアレイは、導電性表面及び内部導電材料を有さないことができる。例えば、幾つかの実施形態において、ピラミッド形誘電体ホーンアンテナ1894のアレイ及び対応するフィードポイント1896は、ポリエチレン又はポリウレタン材料等の誘電体のみの材料から構築することができる。
【0230】
ピラミッド形誘電体ホーンアンテナ1894のアレイの各アンテナは、
図18Yにおける誘電体アンテナ1891について示されるものと同様の利得及び電場強度マップを有し得ることに更に留意されたい。ピラミッド形誘電体ホーンアンテナ1894のアレイの各アンテナは、
図18Xの誘電体アンテナ1891について上述したようにワイヤレス信号を受信するのに用いることもできる。幾つかの実施形態において、ピラミッド形誘電体ホーンアンテナの単一のインスタンスを用いることができる。同様に、
図18Xの誘電体アンテナ1891の複数のインスタンスを
図18Zに示されるものと同様のアレイ構成において用いることができる。
【0231】
ここで、
図19A及び
図19Bを参照すると、電柱により支持される電力線上に導波される電磁波を誘導するのに用いられる
図18Aのケーブル1850の一例の非限定的な一実施形態を示すブロック図が示されている。1つの実施形態において、
図19Aに示されるように、ケーブル1850は、一端部において、例えば、
図18A~
図18Cに示される中空導波路1808を利用して、ケーブル1850の1つ又は複数の内層内に導波される電磁波を送出するマイクロ波装置に結合することができる。マイクロ波装置は、
図10Aに示される等のマイクロ波送受信機を利用して、信号を送信し、又はケーブル1850から信号を受信することができる。ケーブル1850の1つ又は複数の内層内に誘導される導波される電磁波は、ホーンアンテナ内部に配置されるケーブル1850の露出スタブ(
図19Aにおいて点線として示される)に伝搬して、ホーンアンテナを介して電磁波を放射することができる。したがって、ホーンアンテナからの放射信号は、中電圧(MV)電力線上を長手方向に伝搬する導波される電磁波を誘導することができる。1つの実施形態において、マイクロ波装置は、AC電力を低電圧(例えば、220V)電力線から受信することができる。代替的に、ホーンアンテナは、
図19Bに示されるようにスタブアンテナと置換して、MV電力線上を長手方向に伝搬する導波される電磁波を誘導し、又は他の1つ又は複数のアンテナシステムにワイヤレス信号を送信することができる。
【0232】
代替の一実施形態において、
図19Aに示される中空ホーンアンテナは、
図18Xの誘電体アンテナ1891又は
図18Zのピラミッド形ホーンアンテナ1894等の中実誘電体アンテナで置換することができる。この実施形態において、ホーンアンテナは、
図19Cに示される双方向ホーンアンテナ1940等の別のホーンアンテナに向けられたワイヤレス信号を放射することができる。この実施形態において、各ホーンアンテナ1940は、
図19Cに示されるように、ワイヤレス信号を別のホーンアンテナ1940に送信し、又は他のホーンアンテナ1940からワイヤレス信号を受信することができる。そのような構成は、アンテナ間で双方向ワイヤレス通信を実行するのに用いることができる。示されていないが、ホーンアンテナ1940には、ホーンアンテナ1940の方向を操作する電子機械デバイスを構成することができる。
【0233】
代替の実施形態において、第1のケーブル1850A’及び第2のケーブル1850B’は、
図19A及び
図19Bに示されるように、マイクロ波装置及び変圧器1952にそれぞれ結合することができる。第1のケーブル1850A’及び第2のケーブル1850B’は、例えば、
図18B及び
図18Cのケーブル1820又はケーブル1830によりそれぞれ表すことができ、各ケーブルは導電コアを有する。第1のケーブル1850A’の導電コアの第1の端部をマイクロ波装置に結合して、内部に送出された導波される電磁波を伝搬することができる。第1のケーブル1850A’の導電コアの第2の端部は、変圧器1952の導電コイルの第1の端部に結合されて、第1のケーブル1850A’内を伝搬する導波される電磁波を受信し、変圧器1952の導電コイルの第2の端部により、関連する信号を第2のケーブル1850B’の第1の端部に供給することができる。第2のケーブル1850B’の第2の端部は、
図19Aのホーンアンテナに結合するか、又は
図19Bのスタブアンテナとして露出されて、MV電力線上を長手方向に伝搬する導波される電磁波を誘導することができる。
【0234】
ケーブル1850、1850A’及び1850B’がそれぞれ伝送媒体1800、1820及び/又は1830の複数のインスタンスを含む一実施形態において、
図18Kに示される等のアンテナ1855のポリロッド構造を形成することができる。各アンテナ1855は、例えば、
図19Aに示されるようにホーンアンテナ組立体又はパイ皿形(pie-pan)アンテナ組立体(図示せず)に結合されて、複数のワイヤレス信号を放射することができる。代替的に、アンテナ1855は、
図19Bにおいてスタブアンテナとして用いることができる。
図19A及び
図19Bのマイクロ波装置は、導波される電磁波を調整して、アンテナ1855により発せられるワイヤレス信号をビーム操作するように構成することができる。アンテナ1855の1つ又は複数は、電力線上に導波される電磁波を誘導するのに用いることもできる。
【0235】
ここで、
図19Cを参照すると、本明細書において説明される種々の態様による、通信ネットワーク1900の一例の非限定的な一実施形態のブロック図が示されている。1つの実施形態において、例えば、
図16Aの導波路システム1602は、
図19Cのネットワークインターフェースデバイス(NID)1910及び1920等のNIDに組み込むことができる。導波路システム1602の機能を有するNIDを用いて、顧客構内1902(企業又は住宅)とペデスタル1904(サービスエリアインターフェース又はSAIと呼ばれることもある)との間の伝送機能を強化することができる。
【0236】
1つの実施形態において、中央オフィス1930は、1つ又は複数のファイバケーブル1926をペデスタル1904に供給することができる。ファイバケーブル1926は、高速全二重データサービス(例えば、1~100Gbps以上)をペデスタル1904内に配置されるミニDSLAM1924に提供することができる。データサービスは、音声、インターネットトラフィック及びメディアコンテンツサービス(例えば、ストリーミングビデオサービス、ブロードキャストTV)等の輸送に用いることができる。従来技術によるシステムにおいて、ミニDSLAM1924は、通常、撚り対線電話回線(例えば、外側絶縁シースで囲まれた、24ゲージ絶縁中実電線等の撚り対線ケーブルのシールドなしの束を含むカテゴリ5e又はカテゴリ5eシールドなし撚り対線(UTP)ケーブルに含まれる撚り対線)に接続し、撚り対線電話回線は顧客構内1902に直接接続する。そのようなシステムにおいて、DSLデータレートは、要因の中でも特に、部分的に顧客構内1902へのレガシー撚り対線ケーブル対の長さに起因して、100Mbps以下に先細る。
【0237】
しかし、
図19Cの実施形態は従来技術によるDSLシステムと異なる。
図19Cの図において、ミニDSLAM1924は、例えば、ケーブル1850(全体的又は部分的に、単独で又は組み合わせて
図18A~
図18D及び
図18F~
図18Lに関連して説明した任意のケーブル実施形態を表すことができる)を介してNID1920に接続するように構成することができる。顧客構内1902とペデスタル1904との間にケーブル1850を利用することにより、NID1910及び1920は、上りリンク通信及び下りリンク通信で導波される電磁波を送信及び受信することができる。上述した実施形態に基づいて、ケーブル1850は、いずれかの方向におけるそのような波の電場プロファイルが少なくとも部分的又は全体的にケーブル1850の内層内に閉じ込められる限り、下りリンク路又は上りリンク路のいずれかにおける電磁波伝搬に悪影響を及ぼさずに、雨に露出することができ、又は埋設することができる。本例示において、下りリンク通信は、ペデスタル1904から顧客構内1902への通信路を表す一方、上りリンク通信は、顧客構内1902からペデスタル1904への通信路を表す。ケーブル1850が
図18G及び
図18Hの実施形態の1つを含む一実施形態において、ケーブル1850は、電力をNID1910及び1920並びに顧客構内1902及びペデスタル1904の他の機器に供給する目的を果たすこともできる。
【0238】
顧客構内1902において、DSL信号は、DSLモデム1906(内蔵ルーターを有することができ、WiFi等のワイヤレスサービスを顧客構内1902内に示されるユーザ機器に提供することができる)を起点とすることができる。DSL信号は、撚り対線電話1908によりNID1910に供給することができる。NID1910は、一体化導波路1602を利用して、ケーブル1850内で、上りリンク路上でペデスタル1904に向けられた導波される電磁波1914を送出することができる。下りリンク路において、ミニDSLAM1924により生成されたDSL信号は、撚り対線電話回線1922を通ってNID1920に流れることができる。NID1920に一体化された導波路システム1602は、DSL信号又はその一部を電気信号から、下りリンク路上でケーブル1850内を伝搬する導波される電磁波1914に変換することができる。全二重通信を提供するために、上りリンク上の導波される電磁波1914は、下りリンク上の導波される電磁波1914と異なる搬送波周波数及び/又は異なる変調手法で動作して、干渉を低減又は回避するように構成することができる。更に、上りリンク路及び下りリンク路上で、導波される電磁波1914は、上述したように、ケーブル1850のコアセクションにより導波され、そのような波は、導波される電磁波を全体的又は部分的にケーブル1850の内層に閉じ込める場強度プロファイルを有するように構成することができる。導波される電磁波1914は、ケーブル1850外部に示されるが、これらの波の図は例示のみを目的とする。このため、導波される電磁波1914は「ハッシュマーク」を用いて描かれて、ケーブル1850の内層により導波されることを示す。
【0239】
下りリンク路上で、NID1910の一体化導波路システム1602は、NID1920により生成された導波される電磁波1914を受信し、それらを再び、DSLモデム1906の要件に準拠するDSL信号に変換する。次に、DSL信号は、処理のために、電話回線1908の1組の撚り対線を介してDSLモデム1906に供給される。同様に、上りリンク路上で、NID1920の一体化導波路システム1602は、NID1910により生成された導波される電磁波1914を受信し、それらを再び、ミニDSLAM1924の要件に準拠するDSL信号に変換する。次に、DSL信号は、処理のために、電話回線1922の1組の撚り対線を介してミニDSLAM1924に供給される。電話回線1908及び1922の長さは短いため、DSLモデム1908及びミニDSLAM1924は、非常に高速(例えば、1Gbps~60Gbps以上)で、上りリンク及び下りリンク上でそれらの間でDSL信号を送信及び受信することができる。したがって、上りリンク路及び下りリンク路は、大半の状況において、撚り対線電話回線を介する従来のDSL通信のデータレート限界を超えることができる。
【0240】
下りリンク路は、通常、上りリンク路よりも高いデータレートをサポートするため、通常、DSLデバイスは、非対称データレートに向けて構成される。しかし、ケーブル1850は、下りリンク路及び上りリンク路の両方ではるかに高速を提供することができる。ファームウェア更新を用いて、
図19Cに示される等のレガシーDSLモデム1906に上りリンク路及び下りリンク路の両方でより高速に構成することができる。同様のファームウェア更新をミニDSLAM1924に対して行って、上りリンク路及び下りリンク路でより高い速度を利用することができる。DSLモデム1906及びミニDSLAM1924へのインターフェースは、従来の撚り対線電話回線のままであるため、DSL信号から導波される電磁波1914への変換及びこの逆の変換を実行するために、ファームウェアの変更並びにNID1910及び1920の追加の他に、レガシーDSLモデム又はレガシーミニDSLAMへのハードウェア変更は必要ない。NIDの使用により、レガシーモデム1906及びミニDSLAM1924の再利用が可能であり、且つそれにより設置コスト及びシステムアップグレードを大幅に低減することができる。新しい建物の場合、ミニDSLAM及びDSLモデムの更新バージョンに一体化導波路システムと構成して、上述した機能を実行することができ、それにより、一体化導波路システムを有するNID1910及び1920の必要がなくなる。この実施形態において、モデム1906の更新バージョン及びミニDSLAM1924の更新バージョンはケーブル1850に直接接続され、双方向の導波される電磁波伝送を介して通信し、それにより、撚り対線電話回線1908及び1922を用いてDSL信号を送信又は受信する必要性をなくす。
【0241】
ペデスタル1904と顧客構内1902との間でのケーブル1850の使用が、ロジスティックに非実用的又はコストがかかる一実施形態において、NID1910は、代わりに、電柱118上の導波路108を起点とし、顧客構内1902のNID1910に達する前に土中に埋設することができるケーブル1850’(本開示のケーブル1850と同様)に結合するように構成することができる。ケーブル1850’は、NID1910と導波路108との間で導波路電磁波1914’を受信及び送信するのに用いることができる。導波路108は、導波路106を介して接続することができ、導波路106は基地局104に結合することができる。基地局104は、ファイバ1926’を介して中央オフィス1930への接続により、データ通信サービスを顧客構内1902に提供することができる。同様に、中央オフィス1926からペデスタル1904へのアクセスがファイバリンクを介して実用的ではなく、基地局104への接続がファイバリンク1926’を介して可能な状況において、代替の経路を用いて、電柱116を起点とするケーブル1850’’(本開示のケーブル1850と同様)を介してペデスタル1904のNID1920に接続することができる。ケーブル1850’’は、NID1920に達する前に埋設することもできる。
【0242】
図20A及び
図20Bは、下りリンク通信及び上りリンク通信の実施形態を記載している。
図20Aの方法2000はステップ2002で開始することができ、電気信号(例えば、DSL信号)がDSLAM(例えば、ペデスタル1904のミニDSLAM1924又は中央オフィス1930から)により生成され、電気信号は、ステップ2004において、NID1920により導波される電磁波1914に変換され、ケーブル1850等の伝送媒体上を伝搬して、顧客構内1902に下りリンクサービスを提供する。ステップ2008において、顧客構内1902のNID1910は、導波される電磁波1914を再び電気信号(例えば、DSL信号)に変換し、電気信号は、ステップ2010において、電話回線1908を介してDSLモデム1906等の顧客構内機器(CPE)に供給される。その代わりに又はそれと組み合わせて、電力及び/又は導波される電磁波1914’は、代替又は追加の下りリンク(及び/又は上りリンク)路として、電力系統(
図18G又は
図18Hに示されるような内部導波路を有する)の電力線1850’からNID1910に供給することができる。
【0243】
図20Bの方法2020のステップ2022において、DSLモデム1906は、電話回線1908を介して電気信号(例えば、DSL信号)をNID1910に供給することができ、電気信号は、ステップ2024において、DSL信号を、ケーブル1850によりNID1920に向けられる導波される電磁波に変換する。ステップ2028において、ペデスタル1904(又は中央オフィス1930)のNID1920は、導波される電磁波1914を再び電気信号(例えば、DSL信号)に変換し、電気信号は、ステップ2029において、DSLAM(例えば、ミニDSLAM1924)に供給される。この代わりに又はこれと組み合わせて、電力及び導波される電磁波1914’は、代替又は追加の上りリンク(及び/又は下りリンク)路として、電力系統(
図18G又は
図18Hに示されるような内部導波路を有する)の電力線1850’からNID1920に供給することができる。
【0244】
ここで、
図20Cを参照すると、伝送媒体上に電磁波を誘導し受信する方法2030の一例の非限定的な一実施形態の流れ図が示されている。ステップ2032において、
図18N~
図18Tの導波路1865及び1865’は、第1の通信信号(例えば、通信デバイスにより供給される)から第1の電磁波を生成し、ステップ2034において、伝送媒体の境界面において基本波動モード「のみ」を有する第1の電磁波を誘導するように構成することができる。一実施形態において、境界面は、
図18Q及び
図18Rに示されるように、伝送媒体の外面であり得る。別の実施形態において、境界面は、
図18S及び
図18Tに示されるように、伝送媒体の内層であり得る。ステップ2036において、
図18N~
図18Tの導波路1865及び1865’は、
図20Cにおいて記述される同じ又は異なる伝送媒体の境界面において、第2の電磁波を受信するように構成することができる。一実施形態において、第2の電磁波は基本波動モード「のみ」を有することができる。他の実施形態において、第2の電磁波は、基本波動モード及び非基本波動モード等の波動モードの組み合わせを有することができる。ステップ2038において、第2の通信信号を第2の電磁波から生成して、例えば、同じ又は異なる通信デバイスにより処理することができる。
図20C及び
図20Dの実施形態は、本開示において説明される任意の実施形態に適用することができる。
【0245】
ここで、
図20Dを参照すると、本明細書に記載される様々な態様による通信システムの一例の非限定的な実施形態のブロック
図2040が示されている。特に、送受信機2042と、インピーダンス整合回路2044を含むスマート送出器と、導波送出器2046と、不整合プローブ2050と、コントローラ2054とを含む通信システムが示される。
【0246】
様々な実施形態では、送出器は、伝送媒体125に送出される導波される電磁波2048に導波送出器2046によって変換される入力RF信号2043を生成する。入力RF信号2043は、ミリメートル波又は他のマイクロ波周波数帯域にあることができ、伝送媒体125から導波される電磁波2048を抽出するリモートスマート送出器2049に結合された同様の受信機にデータを伝達するように変調することができる。インピーダンス整合回路2044は、導波送出器2046からの反射信号エネルギーを低減し、且つ/又は送信機2042から導波送出器2046へのエネルギーフローを増大させるために、送信機2042と導波送出器2046とのインピーダンス整合を提供する(例えば、インピーダンス不一致の量を低減する)。動作において、インピーダンス整合回路2044は、入力RF信号2043を受信し、且つ入力RF信号2043に応答して出力RF信号2045を生成する。インピーダンス整合回路2044は、1つ又は複数の調整可能な回路要素を含み、異なるインピーダンスに動的に調整可能である。インピーダンス整合回路2044は、送信機2042及び導波送出器2046とは別個に示されているが、インピーダンス整合回路の構成要素の幾つか又は全ては、送信機2042及び/又は導波送出器2046内で実施され得る。
【0247】
導波送出器2046は、出力RF信号2045に応答して、伝送媒体125の表面に沿って導波される電磁波2048を生成するように構成される。導波される電磁波は、電気帰還路を必要とせずに伝送媒体の表面に沿って伝搬し、送信機2042によって生成される入力RF信号2043の搬送周波数に対応する非光学搬送周波数を有する。様々な実施形態では、導波送出器2046は、本明細書において先に考察した送出器設計のいずれかを介して又は別のホーン送出器、別の非同軸送出器、テーパ形スロット送出器、ストリップ線、マイクロストリップ又は他の平面送出器、アンテナ、磁気結合器、容量性結合器及び/又は別の送出器設計を介して実施することができる。
【0248】
不整合プローブ2050は、出力RF信号2045に基づいて不整合信号2052を生成するように構成され、不整合信号2052は、導波送出器2046のインピーダンス不整合を示す。例えば、不整合プローブ2050は、エンベロープ検出器、サンプルホールド回路又は出力RF信号2045のエンベロープ若しくはピーク電圧を検出する他の電圧検出器を介して実施される。他の例では、不整合プローb2050は、出力RF信号2045の電圧定在波比又は導波送出器2046からインピーダンス整合回路2044に向けて反射された電圧を測定する定在波比メータ、方向性結合器及び/又は反射計を介して実施することができる。
【0249】
コントローラ2054は、不整合信号に応答して1つ又は複数の制御信号2056を生成するように構成され、1つ又は複数の制御信号2056は、導波送出器2046のインピーダンス不整合の低減を促進するようにインピーダンス整合回路2044の1つ又は複数の調整可能な回路要素を調整する。様々な実施形態では、インピーダンス整合回路2044は、調整可能なインダクタ及び/又はキャパシタ等の1つ又は複数の調整可能なインピーダンスを含むパイ形回路網、L形経路網又はT形回路網として構成することができる。コントローラ2054は、不整合を低減するように調整可能なインダクタ及び/又はキャパシタのそれぞれのインピーダンスを調整する個々の制御信号2056を生成する。別の実施形態では、インピーダンス整合回路2044は、調整可能なインピーダンス整合バラン等の調整可能変圧器又は広帯域インピーダンス整合を提供する他の整合変圧器を含む。
【0250】
コントローラ2054は、信号処理デバイス2053又は複数の処理デバイスを介して実施することができる。そのような処理デバイス2053は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央演算処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、状態マシン、論理回路、アナログ回路、デジタル回路及び/又は回路のハードコード及び/又は動作命令に基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスであり得る。コントローラ2054は、メモリ及び/又は集積メモリ要素であり得るか又はそれを更に含み得、メモリ及び/又は集積メモリ要素は、1つのメモリデバイス、複数のメモリデバイス及び/又は別の処理モジュールの埋め込み回路、モジュール、処理回路及び/又は処理ユニットであり得る。そのようなメモリデバイスは、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスであり得る。なお、コントローラ2054が2つ以上の処理デバイスを含む場合、処理デバイスは、集中配置され得(例えば、有線及び/又は無線バス構造を介して一緒に直接結合される)、又は分散して配置され得る(例えば、ローカルエリアネットワーク及び/又は広域ネットワークを介した間接結合を介したクラウド計算)。更に、コントローラ2054が状態マシン、アナログ回路、デジタル回路及び/又は論理回路を介して機能の1つ又は複数を実施する場合、対応する動作命令を記憶したメモリ及び/又はメモリ要素は、状態マシン、アナログ回路、デジタル回路及び/又は論理回路を含む回路内に組み込まれ得るか又は外部にあり得ることに留意されたい。更に、メモリ要素は、本明細書に記載されるステップ及び/又は機能の少なくとも幾つかに対応するハードコード及び/又は動作命令を記憶し得、コントローラ2054は、本明細書に記載されるステップ及び/又は機能の少なくとも幾つかに対応するハードコード及び/又は動作命令を実行することに留意されたい。そのようなメモリデバイス又はメモリ要素は、製品に含むことができる。
【0251】
様々な実施形態では、コントローラ2054のメモリは、不整合信号2052の可能な値が索引付けられ、導波送出器2046のインピーダンス不整合を補償及び/又は低減するのに望ましい値に2044の調整可能な回路要素を制御する制御信号2056の対応する値を含むルックアップテーブル(LUT)2055を含む。他の実施形態では、コントローラ2054は、制御アルゴリズムを介して動作して、不整合信号によって示された不整合の量に基づいて直接、制御信号の値を計算することができ、又は不整合信号の変化に応答して、許容可能なレベルのインピーダンス不整合が得られたか、又はインピーダンス不整合が可能な限り低減されたことを不整合信号2052が示すまで、制御信号2056の値をサーチする勾配サーチアルゴリズム等のサーチアルゴリズムを介して動作することができる。
【0252】
導波送出器2046がテーパ形ホーンアンテナを介して実施され、導波される電磁波2048が電力会社の中電圧電力線等の屋外伝送媒体125上で周波数範囲3GHz~6GHzの広帯域変調信号を介して変調される特定の例を考える。導波送出器2046は、雨、みぞれ、雪、露等の伝送媒体125のエリアにおける天候状況に基づいて変化するインピーダンスを有する。コントローラ2054は、インピーダンス整合回路2044の1つ又は複数の調整可能な回路要素を調整して、伝送媒体のエリアでの天候状況に基づくインピーダンス変化を補償する制御信号2056を生成する。例えば、インピーダンス整合回路2044は、導波送出器2046への送信機2042の広帯域インピーダンス整合を提供する調整可能なインピーダンス整合変圧器を含むことができ、コントローラ2054は、天候状況の変化によって生じる不整合を低減するように、調整可能なインピーダンス整合変圧器によるインピーダンス整合を制御する制御信号2056を生成する。
【0253】
ここで、
図20E~
図20Gを参照すると、本明細書に記載される様々な実施形態によるインピーダンス整合回路2044の例の非限定的な実施形態のブロック
図2058、2060及び2062が示されている。特に、インピーダンス整合回路2044は、
図2058において、インピーダンスZa、Zb及びZcを有するT形回路網構成で示される。これらの3つのインピーダンスの1つ又は複数は、調整可能なキャパシタ又はインダクタを介して実施することができ、残りのインピーダンスがある場合、それらは、固定キャパシタ又はインダクタ等の固定インピーダンスを介して実施される。インピーダンス整合回路2044は、
図2060において、インピーダンスZa、Zb及びZcを有するパイ形回路網で示される。これらの3つのインピーダンスの1つ又は複数は、調整可能なキャパシタ又はインダクタを介して実施することができ、残りのインピーダンスがある場合、それらは、固定キャパシタ又はインダクタ等の固定インピーダンスを介して実施される。インピーダンス整合回路2044は、
図2062において、インピーダンスZa及びZbを有するL形回路網構成で示される。これらの2つのインピーダンスの1つ又は複数は、調整可能なキャパシタ又はインダクタを介して実施することができ、残りのインピーダンスがある場合、それらは、固定キャパシタ又はインダクタ等の固定インピーダンスを介して実施される。これらの3つの可能な回路網構成が示されるが、より複雑なインピーダンス整合回路もより多数のインピーダンスを用いて同様に実施することができる。
【0254】
ここで、
図20H~
図20Iを参照すると、本明細書に記載される様々な態様による調整可能なインピーダンスZa、Zb及び/又はZcの例の非限定的な実施形態の概略
図2064及び2066が示されている。特に、
図2064は、調整可能なキャパシタを提示し、
図2066は、調整可能なインダクタを提示する。様々な実施形態では、調整可能なキャパシタ又は調整可能なインダクタは、制御信号2056に応答する制御可能な交換網を介して一緒に結合される複数の固定キャパシタ又はインダクタを介して実施することができる。例えば、制御信号2056は、交換網を制御して、これらの固定キャパシタ又はインダクタの選択されたものを直列又は並列回路構成で一緒に結合して、所望の合計キャパシタンス又は合計インダクタンスを生成する。
【0255】
ここで、
図20Jを参照すると、本明細書に記載される様々な態様によるインピーダンス整合回路の一例の非限定的な実施形態のブロック
図2068である。特に、インピーダンス整合回路2044は、調整可能なインピーダンス整合変圧器を介して実施されるものとして示される。例えば、調整可能なインピーダンス整合変圧器は、固定変圧器及び制御信号2056に応答して変圧器のバイアスを調整して、インピーダンス整合を制御する1つ又は複数の制御可能な電流源を用いて実施することができる。
【0256】
ここで、
図20Kを参照すると、本明細書に記載される様々な態様による方法の一例の非限定的な実施形態の流れ
図2080が示されている。特に、本明細書において先に記載された任意の機能及び特徴と併用される方法が提示される。ステップ2082は、送信機からインピーダンス整合回路において入力無線周波数(RF)信号を受信することを含む。ステップ2084は、インピーダンス整合回路を介して、且つ入力RF信号に応答して出力RF信号を生成することを含む。ステップ2086は、出力RF信号に応答して、且つ導波送出器を介して、伝送媒体の表面に沿って導波される電磁波を生成することを含み、電磁波は、電気帰還路を必要とせずに伝送媒体の表面に沿って伝搬し、伝送媒体は、光学信号に対して不透明である。ステップ2088は、出力RF信号に基づいて不整合信号を生成することを含み、不整合信号は、導波送出器のインピーダンス不整合を示す。ステップ2090は、不整合信号に応答して1つ又は複数の制御信号を生成することを含む。ステップ2092は、1つ又は複数の制御信号に応答して、インピーダンス整合回路の1つ又は複数の調整可能な回路要素を調整することを含み、調整は、伝送媒体のエリアでの天候状況の変化から生じる導波送出器のインピーダンス変化を補償するように導波送出器のインピーダンス不整合を低減することを促進する。
【0257】
様々な実施形態では、インピーダンス整合回路は、パイ形回路網、L形回路網又はT形回路網として構成され、1つ又は複数の調整可能な回路要素は、調整可能なキャパシタ、調整可能なインダクタ及び/又は調整可能変圧器を含むことができる。1つ又は複数の調整可能な回路要素は、複数の調整可能な回路要素を含むことができ、1つ又は複数の制御信号は、複数の制御信号を含み、複数の制御信号のそれぞれは、複数の調整可能な回路要素の対応する1つを制御する。
【0258】
説明を簡明にするために、各プロセスは、
図20Kにおいて一連のブロックとして示され説明されるが、幾つかのブロックは、本明細書に示され説明されるものと異なる順序で及び/又は他のブロックと同時に行われ得るため、特許請求の範囲に記載される趣旨がブロックの順序によって限定されないことを理解及び認識されたい。更に、示されている全てのブロックが、本明細書に記載される方法の実施に必要であるわけではない。
【0259】
ここで、
図21A及び
図21Bを参照すると、本明細書に記載される様々な態様による、混成波を送出する導波路システム2100の一例の非限定的な実施形態を示すブロック図が示されている。導波路システム2100は、プローブ2102を絶縁導体2108の外面に対して異なる位置又は向きに配置できるようにする摺動可能又は回転可能な機構2104に結合されたプローブ2102を含むことができる。機構2104は、プローブ2102による電磁波の送信を可能にする同軸フィード2106又は他の結合を含み得る。同軸フィード2106は、プローブ2102間の経路差が波長の1/2又は波長の何らかの奇数整数倍であるような機構2104上の位置に配置することができる。プローブ2102が逆位相の電磁信号を生成する場合、電磁波は、ハイブリッドモード(HE11モード等)を有する絶縁導体2108の外面上に誘導することができる。
【0260】
機構2104は、プローブ2102を望ましい位置に移動させるモータ又は他のアクチュエータ(図示せず)に結合することもできる。1つの実施形態において、例えば、導波路システム2100は、プローブ2102を異なる位置(例えば、左及び西)に回転させて(プローブ2102が回転可能であると仮定して)、
図22のブロック
図2200に示されるように水平に偏極したHE11モードを有する電磁波を生成するように、モータに指示するコントローラを含み得る。電磁波を絶縁導体2108の外面上に導波するために、導波路システム2100は、
図21Bに示される先細り形ホーン2110を更に含み得る。先細り形ホーン2110は、絶縁導体2108と同軸上に位置合わせすることができる。先細り形ホーン2110の断面寸法を低減するために、追加の絶縁層(図示せず)を絶縁導体2108上に配置することができる。追加の絶縁層は、
図18Q及び
図18Rに示される先細り形絶縁層1879と同様であり得る。追加の絶縁層は、先細り形ホーン2110から離れた方を指す先細り形端部を有することができる。先細り形絶縁層1879は、HE11モードに従って送出される初期電磁波のサイズを低減することができる。電磁波が絶縁層の先細り形端部に向かって伝搬するにつれて、HE11モードは、
図22に示されるような完全サイズに達するまで拡大する。他の実施形態において、導波路システム2100は、先細り形絶縁層1879を用いる必要がないことがある。
【0261】
図22は、HE11モード波を雨水等の障害物を軽減するのに用い得ることを示す。例えば、
図22に示されるように、雨水により水膜が絶縁導体2108の外面を囲んでいると考える。更に、水滴が絶縁導体2108の下部に集まったと仮定する。
図22に示されるように、水膜は全HE11波の小さい部分を占める。また、水平に偏極したHE11波を有することにより、水滴はHE11波の最も密度が低いエリアにあり、それにより、水滴により生じる損失を低減する。したがって、HE11波は、グーボー波又は絶縁導体2108に密に結合され、したがって、水で占められるエリアにより大きいエネルギーを有するモードを有する波よりもはるかに低い伝搬損失を受ける。
【0262】
図21A及び
図21Bの導波路システム2100が、HEモードを有する電磁波を生成することが可能な本開示の他の導波路システムで置換可能であることが提案される。例えば、
図18Wの導波路システム1865’は、HEモードを有する電磁波を生成するように構成することができる。一実施形態において、導波路システム1865’の2つ以上のMMIC1870は、逆位相の電磁波を生成して、HEモードに存在する等の偏極E場を生成するように構成することができる。別の実施形態において、異なる対のMMIC1870を選択して、異なる空間位置(例えば、北及び南、西及び東、北西及び南東、北東及び南東又は他の細分画組み合わせ)において偏極するHE波を生成することができる。更に、
図18N~
図18Wの導波路システムは、HEモードを有する電磁波を、HEモード波の伝搬に適するケーブル1850の1つ又は複数の実施形態のコア1852上に送出するように構成することができる。
【0263】
HE波は、伝送媒体上の障害物の軽減に望ましい特性を有することができるが、遮断周波数を有する特定の波動モード(例えば、TEモード、TMモード、TEMモード又はそれらの組み合わせ)も十分に大きく、障害物領域に直交(又は概ね直交)する偏極E場を有する波を示し、障害物によって生じる伝搬損失の軽減への使用を可能にし得ることが提案される。方法2070は、例えば、ステップ2086において、ルックアップテーブルからそのような波動モードを生成するように構成することができる。例えば、障害物よりも大きく、障害物に垂直(又は概ね垂直)である偏極E場を有する波動モードを示す、遮断周波数を有する波動モードは、実験及び/又はシミュレーションにより決定することができる。低伝搬損失特性を有する遮断周波数を有する1つ又は複数の波を生成するパラメータ(例えば、大きさ、位相、周波数、波動モード、空間位置等)の組み合わせが決定されると、各波のパラメトリック結果は、導波路システムのメモリ内のルックアップテーブルに記憶することができる。同様に、伝搬損失を低減する特性を示す、遮断周波数を有する波動モードは、ステップ2082~2084のプロセスにおいて上述された任意の検索アルゴリズムにより繰り返し生成することもできる。
【0264】
ここで、
図23を参照すると、本明細書において説明される種々の態様による、コンピューティング環境のブロック図が示されている。本明細書において説明される種々の実施形態に関して更なる状況を与えるために、
図23及び以下の検討は、本開示の実施形態の種々の実施形態を実施することができる適切なコンピューティング環境2300の簡潔で全般的な説明を提供することを意図している。実施形態が1つ又は複数のコンピューター上で実行することができるコンピューター実行可能命令の一般的状況においてこれまで説明されてきたが、それらの実施形態を他のプログラムモジュールと組み合わせて、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実施し得ることが当業者に認識されよう。
【0265】
一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造等を含む。更に、本発明の方法をそれぞれ1つ又は複数の関連するデバイスに動作可能に結合することができる、シングルプロセッサ若しくはマルチプロセッサコンピューターシステム、ミニコンピューター、メインフレームコンピューター及びパーソナルコンピューター、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、マイクロプロセッサに基づくか、若しくはプログラム可能な家庭用電化製品等を含む、他のコンピューターシステム構成と共に実施できることが当業者に理解されよう。
【0266】
本明細書において用いられるとき、処理回路は、プロセッサ並びに特定用途向け集積回路、デジタル論理回路、状態機械、プログラマブルゲートアレイ等の他の特定用途向け回路又は入力信号若しくはデータを処理し、それに応答して出力信号若しくはデータを生成する他の回路を含む。プロセッサの動作に関連して本明細書において説明されるいかなる機能及び特徴も、処理回路により同様に実行可能であることに留意されたい。
【0267】
「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語は、特許請求の範囲において用いられるとき、文脈によって他に明記される場合を除いて、明確にすることのみを目的としており、他の点では時間に関するいかなる順序も示さず、暗示もしない。例えば、「第1の判断」、「第2の判断」及び「第3の判断」は、第1の判断が第2の判断の前に行われることを示すものでも暗示するものでもなく、その逆も同様である。
【0268】
本明細書における実施形態の例示される実施形態は、特定のタスクが通信ネットワークを通してリンクされる遠隔処理デバイスによって実行される分散コンピューティング環境において実施することもできる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールをローカルメモリ記憶デバイス及びリモートメモリ記憶デバイス内の両方に配置することができる。
【0269】
コンピューティングデバイスは、通常、種々の媒体を含み、それらの媒体はコンピューター可読記憶媒体及び/又は通信媒体を含むことができ、その2つの用語は、以下のように本明細書において互いに異なるように使用される。コンピューター可読記憶媒体は、コンピューターによってアクセスすることができる任意の入手可能な記憶媒体であり得、揮発性及び不揮発性媒体、リムーバブル及び非リムーバブル媒体の両方を含む。例であって限定はしないが、コンピューター可読記憶媒体は、コンピューター可読命令、プログラムモジュール、構造化データ又は非構造化データ等の情報を記憶するための任意の方法又は技術に関連して実現することができる。
【0270】
コンピューター可読記憶媒体は、限定はしないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス又は所望の情報を記憶するために用いることができる他の有形及び/又は非一時的媒体を含むことができる。この関連で、記憶装置、メモリ又はコンピューター可読媒体に適用されるような、本明細書における「有形」又は「非一時的」という用語は、修飾語として、一時的な伝搬信号自体のみを除外するものと理解されるべきであり、一時的な伝搬信号自体のみでない全ての標準的な記憶装置、メモリ又はコンピューター可読媒体に対する権利を放棄しない。
【0271】
コンピューター可読記憶媒体は、媒体によって記憶される情報に関する種々の動作のために、例えば、アクセス要求、問い合わせ又は他のデータ検索プロトコルを介して1つ又は複数のローカル若しくはリモートコンピューティングデバイスによってアクセスすることができる。
【0272】
通信媒体は、通常、被変調データ信号、例えば、搬送波又は他の搬送機構等のデータ信号において、コンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他の構造化若しくは非構造化データを具現し、任意の情報送達又は搬送媒体を含む。「被変調データ信号」又は信号という用語は、1つ又は複数の信号内に情報を符号化するように設定又は変更される特性の1つ又は複数を有する信号を指している。例であって限定はしないが、通信媒体は、有線ネットワーク又は直結される接続等の有線媒体及び音響、RF、赤外線及び他のワイヤレス媒体等のワイヤレス媒体を含む。
【0273】
図23を再び参照すると、基地局(例えば、基地局デバイス1504、マクロセルサイト1502若しくは基地局1614)若しくは中央オフィス(例えば、中央オフィス1501若しくは1611)の少なくとも一部を介して信号を送受信するか、又は基地局若しくは中央オフィスの少なくとも一部をなす環境例2300である。環境例2300の少なくとも一部は、送信デバイス101又は102に用いることもできる。環境例は、コンピューター2302を含むことができ、コンピューター2302は、処理ユニット2304、システムメモリ2306及びシステムバス2308を含む。システムバス2308は、システムメモリ2306を含むが、これに限定されないシステムコンポーネントを処理ユニット2304に結合する。処理ユニット2304は、任意の種々の市販のプロセッサであり得る。デュアルマイクロプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャも処理ユニット2304として利用することができる。
【0274】
システムバス2308は、種々の市販のバスアーキテクチャのいずれかを用いて、メモリバス(メモリコントローラーを含むか又は含まない)、周辺機器用バス及びローカルバスに更に相互接続することができる幾つかのタイプのバス構造のいずれかであり得る。システムメモリ2306は、ROM2310及びRAM2312を含む。ROM、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、EEPROM等の不揮発性メモリ内に基本入出力システム(BIOS)を記憶することができ、BIOSは、起動中等にコンピューター2302内の要素間で情報を転送することを促進する基本ルーチンを含む。RAM2312は、データをキャッシュするためのスタティックRAM等の高速RAMも含むことができる。
【0275】
コンピューター2302は、適切なシャーシ(図示せず)において外部で使用するように構成することもできる内部ハードディスクドライブ(HDD)2314(例えば、EIDE、SATA)と、磁気フロッピーディスクドライブ(FDD)2316(例えば、リムーバブルディスケット2318に対する読出し又は書込み用)と、光ディスクドライブ2320(例えば、CD-ROMディスク2322の読出し、又はDVDのような他の大容量光学媒体に対する読出し若しくは書込み用)とを更に含む。ハードディスクドライブ2314、磁気ディスクドライブ2316及び光ディスクドライブ2320は、それぞれハードディスクドライブインターフェース2324、磁気ディスクドライブインターフェース2326及び光ドライブインターフェース2328により、システムバス2308に接続することができる。外部ドライブを実現するためのインターフェース2324は、ユニバーサルシリアルバス(USB)及び米国電気技術者協会(IEEE)1394インターフェース技術の少なくとも一方又は両方を含む。他の外部ドライブ接続技術も本明細書において説明される実施形態の考慮の範囲内にある。
【0276】
ドライブ及びその関連するコンピューター可読記憶媒体は、データ、データ構造、コンピューター実行可能命令等の不揮発性記憶を提供する。コンピューター2302の場合、ドライブ及び記憶媒体は、適切なデジタルフォーマットにおいて任意のデータの記憶に対応する。上記のコンピューター可読記憶媒体の説明はハードディスクドライブ(HDD)、リムーバブル磁気ディスケット及びCD又はDVD等のリムーバブル光媒体を参照するが、ジップドライブ、磁気カセット、フラッシュメモリカード、カートリッジ等、コンピューターによって読出し可能である他のタイプの記憶媒体も例示的な動作環境において使用できること、更に任意のそのような記憶媒体が、本明細書において説明される方法を実行するためのコンピューター実行可能命令を含み得ることが当業者に理解されよう。
【0277】
ドライブ及びRAM2312内に、オペレーティングシステム2330、1つ又は複数のアプリケーションプログラム2332、他のプログラムモジュール2334及びプログラムデータ2336を含む複数のプログラムモジュールを記憶することができる。オペレーティングシステム、アプリケーション、モジュール及び/又はデータの全て又は一部をRAM2312にキャッシュすることもできる。本明細書において説明されるシステム及び方法は、種々の市販のオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせを利用して実施することができる。処理ユニット2304によって実施することができるか、又は他に実行することができるアプリケーションプログラム2332の例は、送信デバイス101又は102によって実行されるダイバーシティ選択決定を含む。
【0278】
ユーザは、1つ又は複数の有線/ワイヤレス入力デバイス、例えば、キーボード2338及びマウス2340等のポインティングデバイスを通してコンピューター2302にコマンド及び情報を入力することができる。他の入力デバイス(図示せず)は、マイクロフォン、赤外線(IR)遠隔制御、ジョイスティック、ゲームパッド、スタイラスペン、タッチスクリーン等を含むことができる。これらの入力デバイス及び他の入力デバイスは、多くの場合、システムバス2308に結合することができる入力デバイスインターフェース2342を通して処理ユニット2304に接続されるが、パラレルポート、IEEE1394シリアルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IRインターフェース等の他のインターフェースによって接続することもできる。
【0279】
モニター2344又は他のタイプのディスプレイデバイスもビデオアダプター2346等のインターフェースを介してシステムバス2308に接続することができる。また、代替の実施形態において、モニター2344は、インターネット及びクラウドベースネットワーク経由を含む、任意の通信手段を経由してコンピューター2302に関連付けられる表示情報を受信するための任意のディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイを有する別のコンピューター、スマートフォン、タブレットコンピューター等)であり得ることは理解されよう。モニター2344に加えて、コンピューターは、通常、スピーカー、プリンター等の他の周辺出力デバイス(図示せず)を含む。
【0280】
コンピューター2302は、リモートコンピューター2348等の1つ又は複数のリモートコンピューターとの有線及び/又はワイヤレス通信を介しての論理接続を用いてネットワーク化された環境において動作することができる。リモートコンピューター2348は、ワークステーション、サーバーコンピューター、ルーター、パーソナルコンピューター、ポータブルコンピューター、マイクロプロセッサ内蔵娯楽機器、ピアデバイス又は他の共通ネットワークノードであり得、通常、コンピューター2302に関して説明される要素の多く又は全てを含むが、簡潔にするために1つのメモリ/記憶デバイス2350のみが示される。図示される論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)2352及び/又はより大きいネットワーク、例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN)2354への有線/ワイヤレス接続を含む。そのようなLAN及びWANネットワーク化環境はオフィス及び企業では一般的であり、その全てがグローバル通信ネットワーク、例えば、インターネットに接続することができるイントラネット等の企業規模のコンピューターネットワークを容易にする。
【0281】
LANネットワーク化環境において用いられるとき、コンピューター2302は、有線及び/又はワイヤレス通信ネットワークインターフェース又はアダプタ2356を通して、ローカルネットワーク2352に接続することができる。アダプタ2356は、LAN2352との有線又はワイヤレス通信を容易にすることができ、LANは、そこに配置され、無線アダプタ2356と通信するためのワイヤレスAPも含むことができる。
【0282】
WANネットワーク化環境において用いられるとき、コンピューター2302は、モデム2358を含むことができるか、WAN2354上の通信サーバーに接続することができるか、又は例えばインターネットにより、WAN2354を介して通信を確立するための他の手段を有する。モデム2358は、内部又は外部及び有線又はワイヤレスデバイスであり得、入力デバイスインターフェース2342を介して、システムバス2308に接続することができる。ネットワーク化された環境では、コンピューター2302に関して図示されるプログラムモジュール又はその一部は、リモートメモリ/記憶デバイス2350に記憶することができる。図示されるネットワーク接続は例であり、コンピューター間に通信リンクを確立する他の手段を用い得ることは理解されよう。
【0283】
コンピューター2302は、ワイヤレス通信において動作可能に配置される任意のワイヤレスデバイス又はエンティティ、例えば、プリンター、スキャナー、デスクトップ及び/又はポータブルコンピューター、ポータブルデータアシスタント、通信衛星、ワイヤレスで検出可能なタグに関連付けられる機器又は場所(例えば、キオスク、ニューススタンド、化粧室)の任意の部分及び電話と通信するように動作可能にすることができる。これは、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)及びBLUETOOTH(登録商標)ワイヤレス技術を含むことができる。このようにして、通信は、従来のネットワーク又は単に少なくとも2つのデバイス間のアドホック通信の場合のような規定された構造であり得る。
【0284】
Wi-Fiにより、自宅の長椅子から、ホテルの部屋のベッドから、又は仕事中に会議室からワイヤレスでインターネットに接続できるようになる。Wi-Fiは携帯電話において使用されるのに類似のワイヤレス技術であり、それにより、そのようなデバイス、例えば、コンピューターが基地局の範囲内の屋内外いずれの場所にもデータを送信及び受信できるようになる。Wi-Fiネットワークは、安全で、信頼性があり、高速のワイヤレス接続性を提供するために、IEEE802.11(a、b、g、n、ac、ag等)と呼ばれる無線技術を使用する。Wi-Fiネットワークを用いて、コンピューターを互いに、インターネットに、且つ有線ネットワーク(IEEE802.3又はイーサネット(登録商標)を使用することができる)に接続することができる。Wi-Fiネットワークは、例えば、免許不要2.4GHz及び5GHz無線帯域において動作するか、又は両方の帯域(デュアルバンド)を含む製品を用いて動作するため、ネットワークは、多くのオフィスにおいて使用される基本10BaseT有線イーサネットネットワークに類似の実世界性能を提供することができる。
【0285】
図24は、本明細書において説明される開示される主題の1つ又は複数の態様を実施し、利用することができるモバイルネットワークプラットフォーム2410の例示的な実施形態2400を提示する。1つ又は複数の実施形態において、モバイルネットワークプラットフォーム2410は、基地局(例えば、基地局デバイス1504、マクロセルサイト1502若しくは基地局1614)、中央オフィス(例えば、中央オフィス1501若しくは1611)又は開示される主題に関連付けられた送信デバイス101若しくは102により送受信される信号を生成し、受信することができる。一般に、ワイヤレスネットワークプラットフォーム2410は、パケット交換(PS)トラフィック(例えば、インターネットプロトコル(IP)、フレームリレー、非同期転送モード(ATM))及び回線交換(CS)トラフィック(例えば、音声及びデータ)の両方並びにネットワーク化されたワイヤレス電気通信のための制御生成を容易にするコンポーネント、例えば、ノード、ゲートウェイ、インターフェース、サーバー又は異種プラットフォームを含むことができる。非限定的な例として、ワイヤレスネットワークプラットフォーム2410は、電気通信キャリアネットワーク内に含めることが可能であり、本明細書の他の場所で論じられたように、キャリア側コンポーネントと見なすことができる。モバイルネットワークプラットフォーム2410は、電話網2440(例えば、公衆交換電話網(PSTN)、又は公衆陸上移動ネットワーク(PLMN))、又はシグナリングシステム#7(SS7)ネットワーク2470のような、レガシーネットワークから受信されるCSトラフィックとのインターフェースを有することができるCSゲートウェイノード2422を含む。回線交換ゲートウェイノード2422は、そのようなネットワークから生じるトラフィック(例えば、音声)を許可し、認証することができる。更に、CSゲートウェイノード2422は、SS7ネットワーク2470を通して生成されるモビリティデータ又はローミングデータ、例えば、メモリ2430内に存在することができるビジターロケーションレジスタ(VLR)に記憶されるモビリティデータにアクセスすることができる。更に、CSゲートウェイノード2422は、CSベーストラフィック及びシグナリング並びにPSゲートウェイノード2418とのインターフェースを有する。一例として、3GPP UMTSネットワークにおいて、CSゲートウェイノード2422は、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)において少なくとも部分的に実現することができる。CSゲートウェイノード2422、PSゲートウェイノード2418及びサービングノード2416の機能及び特定の動作は、電気通信のためにモバイルネットワークプラットフォーム2410によって利用される無線技術によって提供され、決定されることは理解されたい。
【0286】
CS交換トラフィック及びシグナリングを受信及び処理することに加えて、PSゲートウェイノード2418は、サービングされるモバイルデバイスとのPSベースデータセッションを許可し、認証することができる。データセッションは、ワイドエリアネットワーク(WAN)2450、企業ネットワーク2470及びサービスネットワーク2480のようなワイヤレスネットワークプラットフォーム2410の外部にあるネットワークと交換されるトラフィック又はコンテンツを含むことができ、それらはローカルエリアネットワーク(LAN)において具現することができ、PSゲートウェイノード2418を通してモバイルネットワークプラットフォーム2410とインターフェース接続することもできる。WAN2450及び企業ネットワーク2460は、IPマルチメディアサブシステム(IMS)のようなサービスネットワークを少なくとも部分的に具現できることに留意されたい。技術リソース2417において利用可能な無線技術レイヤに基づいて、パケット交換ゲートウェイノード2418は、データセッションが確立されるときにパケットデータプロトコルコンテキストを生成することができ、パケット化されたデータをルーティングすることを容易にする他のデータ構造も生成することができる。そのために、一態様において、PSゲートウェイノード2418は、Wi-Fiネットワークのような異種ワイヤレスネットワークとのパケット化された通信を容易にすることができるトンネルインターフェース(例えば、3GPP UMTSネットワーク(図示せず)におけるトンネル終端ゲートウェイ(TTG))を含むことができる。
【0287】
実施形態2400において、ワイヤレスネットワークプラットフォーム2410は、サービングノード2416も含み、サービングノードは、技術リソース2417内の利用可能な無線技術レイヤに基づいて、PSゲートウェイノード2418を通して受信されたデータストリームの種々のパケット化されたフローを搬送する。主にCS通信に依存する技術リソース2417の場合、サーバーノードが、PSゲートウェイノード2418に依存することなく、トラフィックを送達できることに留意されたい。例えば、サーバーノードは、モバイル交換センターを少なくとも部分的に具現することができる。一例として、3GPP UMTSネットワークにおいて、サービングノード2416は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)において具現することができる。
【0288】
パケット化された通信を利用する無線技術の場合、ワイヤレスネットワークプラットフォーム2410内のサーバー2414が、複数の異種のパケット化されたデータストリーム又はフローを生成し、そのようなフローを管理する(例えば、スケジューリングする、待ち行列に入れる、フォーマットする等)ことができる多くのアプリケーションを実行することができる。そのようなアプリケーションは、ワイヤレスネットワークプラットフォーム2410によって提供される標準的なサービス(例えば、プロビジョニング、課金、顧客サポート等)に対するアドオン機構を含むことができる。データストリーム(例えば、音声通話又はデータセッションの一部であるコンテンツ)をデータセッションの許可/認証及び開始のためにPSゲートウェイノード2418に搬送することができ、その後、通信のためにサービングノード2416に搬送することができる。アプリケーションサーバーに加えて、サーバー2414は、ユーティリティサーバーを含むことができ、ユーティリティサーバーは、プロビジョニングサーバー、運用及びメンテナンスサーバー、認証局及びファイヤウォール並びに他のセキュリティ機構を少なくとも部分的に実現することができるセキュリティサーバー等を含むことができる。一態様において、セキュリティサーバーは、ワイヤレスネットワークプラットフォーム2410を通してサービングされる通信を保護し、CSゲートウェイノード2422及びPSゲートウェイノード2418が規定することができる許可及び認証手順に加えて、ネットワークの運用及びデータインテグリティを確保する。更に、プロビジョニングサーバーが、異種サービスプロバイダによって運用されるネットワークのような外部ネットワークからのサービス、例えば、WAN2450又はグローバルポジショニングシステム(GPS)ネットワーク(図示せず)からのサービスをプロビジョニングすることができる。また、プロビジョニングサーバーは、更なるネットワークカバレッジを提供することによりワイヤレスサービスカバレッジを向上させる、
図1に示す分散アンテナネットワーク等のワイヤレスネットワークプラットフォーム2410に関連付けられる(例えば、同じサービスプロバイダによって展開され、運用される)ネットワークを通して、カバレッジをプロビジョニングすることもできる。
図7、
図8及び
図9に示されるようなリピーターデバイスも、UE2475による加入者サービス体感を向上させるためにネットワークカバレッジを改善する。
【0289】
サーバー2414は、マクロネットワークプラットフォーム2410の機能を少なくとも部分的に与えるように構成される1つ又は複数のプロセッサを含み得ることに留意されたい。そのために、1つ又は複数のプロセッサは、例えば、メモリ2430に記憶されたコード命令を実行することができる。サーバー2414は、上記で説明されたのと実質的に同様に動作する、コンテンツマネージャ2415を含み得ることは理解されたい。
【0290】
例示的な実施形態2400において、メモリ2430は、ワイヤレスネットワークプラットフォーム2410の運用に関連する情報を記憶することができる。他の運用情報は、ワイヤレスプラットフォームネットワーク2410を通してサービングされるモバイルデバイスのプロビジョニング情報、加入者データベース;アプリケーションインテリジェンス、プライシングスキーム、例えば、販売促進料、定額プログラム、クーポン配布キャンペーン;異種無線又はワイヤレス、技術レイヤの運用のための電気通信プロトコルと一致する技術仕様等を含むことができる。また、メモリ2430は、電話網2440、WAN2450、企業ネットワーク2470又はSS7ネットワーク2460の少なくとも1つからの情報を記憶することができる。一態様において、例えば、データストアコンポーネントの一部として又は遠隔接続されるメモリストアとして、メモリ2430にアクセスすることができる。
【0291】
開示される主題の種々の態様に関する状況を提供するために、
図24及び以下の検討は、開示される主題の種々の態様を実現することができる適切な環境の簡潔で一般的な説明を提供することを意図している。主題は、単数及び/又は複数のコンピューター上で実行されるコンピュータープログラムのコンピューター実行可能命令の一般的な状況においてこれまで説明されてきたが、開示される主題を他のプログラムモジュールとの組み合わせにおいて実現し得ることが当業者に認識されよう。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し、及び/又は特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造等を含む。
【0292】
図25は、通信デバイス2500の例示的な実施形態を示す。通信デバイス2500は、本開示により参照される(例えば、
図15、
図16A及び
図16Bにおいて)モバイルデバイス及び建物内デバイス等のデバイスの例示的な実施形態として機能することができる。
【0293】
通信デバイス2500は、有線及び/又は無線送受信機2502(本明細書では送受信機2502)、ユーザインターフェース(UI)2504、電源2514、ロケーション受信機2516、運動センサー2518、向きセンサー2520及びその動作を管理するコントローラ2506を含むことができる。送受信機2502は、少数を挙げれば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、WiFi、DECT又はセルラー通信技術等の近距離又は長距離ワイヤレスアクセス技術をサポートすることができる(Bluetooth(登録商標)及びZigBee(登録商標)は、Bluetooth(登録商標)Special Interest Group及びZigBee(登録商標)Allianceによりそれぞれ登録された商標である)。セルラー技術は、例えば、CDMA-1X、UMTS/HSDPA、GSM/GPRS、TDMA/EDGE、EV/DO、WiMAX、SDR、LTE及び開発される他の次世代ワイヤレス通信技術を含むことができる。送受信機2502は、回線交換有線アクセス技術(PSTN等)、パケット交換有線アクセス技術(TCP/IP、VoIP等)及びそれらの組み合わせをサポートするように構成することもできる。
【0294】
UI2504は、通信デバイス2500の動作を操作するローラーボール、ジョイスティック、マウス又はナビゲーションディスク等のナビゲーション機構を有する押下可能又はタッチセンシティブキーパッド2508を含むことができる。キーパッド2508は、通信デバイス2500の筐体組立体の一体部分であり得るか、又は繋がれた有線インターフェース(USBケーブル等)若しくは例えばBluetooth(登録商標)をサポートするワイヤレスインターフェースによりそれに動作可能に結合される独立デバイスであり得る。キーパッド2508は、電話で一般に用いられる数字キーパッド及び/又は英数字キーを有するQWERTYキーパッドを表すことができる。UI2504は、モノクロ若しくはカラーLCD(液晶ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオード)又は通信デバイス2500のエンドユーザに画像を伝達する他の適するディスプレイ技術等のディスプレイ2510を更に含むことができる。ディスプレイ2510がタッチセンシティブである一実施形態において、キーパッド2508の一部又は全ては、ナビゲーション機能を有するディスプレイ2510により提示することができる。
【0295】
ディスプレイ2510は、タッチスクリーン技術を用いてユーザ入力を検出するユーザインターフェースとして機能することもできる。タッチスクリーンディスプレイとして、通信デバイス2500は、指のタッチでユーザにより選択することができるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を有するユーザインターフェースを提示するように構成することができる。タッチスクリーンディスプレイ2510は、ユーザの指がタッチスクリーンディスプレイの一部に配置された表面積の大きさを検出する容量性、抵抗性又は他の形態の検知技術を備えることができる。この検知情報を用いて、ユーザインターフェースのGUI要素又は他の機能の操作を制御することができる。ディスプレイ2510は、通信デバイス2500の筐体組立体の一体部分であり得るか、又は繋がれた有線インターフェース(ケーブル等)若しくはワイヤレスインターフェースによりそれに通信可能に結合される独立デバイスであり得る。
【0296】
UI2504は、オーディオ技術を利用して、低音量オーディオ(人間の耳の近くで聞こえるオーディオ等)及び高音量オーディオ(ハンズフリー操作でのスピーカーフォン等)を伝達するオーディオシステム2512を含むこともできる。オーディオシステム2512は、エンドユーザの可聴信号を受信するマイクロフォンを更に含むことができる。オーディオシステム2512は、音声認識用途に用いることもできる。UI2504は、静止画像又は動画を捕捉する電荷結合素子(CCD)カメラ等のイメージセンサー2513を更に含むことができる。
【0297】
電源2514は、交換式電池及び充電式電池、供給規制技法及び/又は充電システム技術等の一般的な電力管理技法を利用して、通信デバイス2500のコンポーネントにエネルギーを供給し、長距離又は近距離ポータブル通信を容易にすることができる。代替的に又は組み合わせにおいて、充電システムは、USBポート等の物理的インターフェース又は他の適するテザリング技術を介して供給されるDC電力等の外部電源を利用することができる。
【0298】
ロケーション受信機2516は、補助GPS対応の全地球測位システム(GPS)受信機等の位置特定技術を利用し、GPS衛星の群により生成される信号に基づいて通信デバイス2500のロケーションを識別することができ、ロケーションは、ナビゲーション等のロケーションサービスの促進に用いることができる。運動センサー2518は、加速度計、ジャイロスコープ又は他の適する運動検知技術等の運動検知技術を利用して三次元空間内で通信デバイス2500の運動を検出することができる。向きセンサー2520は、磁力計等の向き検知技術を利用して、通信デバイス2500の向き(北、南、西及び東並びに度、分若しくは他の適する向き尺度を組み合わせた向き)を検出することができる。
【0299】
通信デバイス2500は、送受信機2502を用いて、受信信号強度インジケータ(RSSI)及び/又は信号到着時間(TOA)又は飛行時間(TOF)測定の利用等の検知技法により、セルラー、WiFi、Bluetooth(登録商標)又は他のワイヤレスアクセスポイントへの近接性を特定することもできる。コントローラ2506は、フラッシュ、ROM、RAM、SRAM、DRAM又は他の記憶技術等の関連する記憶メモリと共に、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路及び/又はビデオプロセッサ等の計算技法を利用して、コンピューター命令を実行し、通信デバイス2500の上記コンポーネントを制御し、通信デバイス2500の上記コンポーネントにより供給されるデータを処理することができる。
【0300】
本開示の1つ又は複数の実施形態において、
図25に示されていない他のコンポーネントを用いることができる。例えば、通信デバイス2500は、加入者識別モジュール(SIM)カード又は汎用集積回路カード(UICC)等の識別モジュールを追加又は削除するためのスロットを含むことができる。SIM又はUICCカードは、加入者サービスの識別、プログラムの実行、加入者データの記憶等に用いることができる。
【0301】
本明細書において、「ストア」、「ストレージ」、「データストア」、「データ記憶装置」、「データベース」という用語並びにコンポーネントの動作及び機能に関連する任意の他の情報記憶コンポーネントは、「メモリコンポーネント」、「メモリ」において具現されるエンティティ又はメモリを含むコンポーネントを指している。本明細書において説明されるメモリコンポーネントは、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリのいずれかであり得るか、又は揮発性及び不揮発性両方のメモリを含むことができ、例示であって限定はしないが、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ディスクストレージ及びメモリストレージを含み得ることは理解されよう。更に、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)又はフラッシュメモリにおいて不揮発性メモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとしての役割を果たすランダムアクセスメモリ(RAM)を含めることができる。例示であって限定はしないが、RAMは、同期RAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、SynchlinkDRAM(SLDRAM)及びdirect RambusRAM(DRRAM)等の多くの形態で入手することができる。更に、本明細書におけるシステム又は方法の開示されるメモリコンポーネントは、限定されないが、これら及び任意の他の適切なタイプのメモリを含むことを意図している。
【0302】
更に、開示される主題は、シングルプロセッサ若しくはマルチプロセッサコンピューターシステム、ミニコンピューティングデバイス、メインフレームコンピューター並びにパーソナルコンピューター、ハンドヘルドコンピューティングデバイス(例えば、PDA、電話、スマートフォン、腕時計、タブレットコンピューター、ネットブックコンピューター等)、マイクロプロセッサベース又はプログラマブル家電製品又は産業用電子機器等を含む他のコンピューターシステム構成で実践できることに留意されたい。例示される態様は、通信ネットワークを通してリンクされる遠隔処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境において実践することもできる。しかし、本開示の、全てではないが幾つかの態様は、スタンドアローンコンピューター上で実践することができる。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカルメモリ記憶装置及びリモートメモリ記憶装置の双方の中に位置することができる。
【0303】
本明細書において説明される実施形態の幾つかは、本明細書において説明される1つ又は複数の特徴を自動化することを容易にするために人工知能(AI)を利用することもできる。例えば、任意選択的なトレーニングコントローラ230に人工知能を用いて、転送効率を最大化するように候補周波数、変調方式、MIMOモード及び/又は導波モードを評価し選択ことができる。複数の実施形態(例えば、既存の通信ネットワークに追加した後に最大の価値/利益を提供する取得セルサイトを自動的に識別することに関連する)は、種々の実施形態を実行するために、AIに基づく種々の方式を利用することができる。更に、分類器を用いて、取得ネットワークの各セルサイトのランク付け又は優先順位を決定することができる。分類器は、入力属性ベクトルx=(x1、x2、x3、x4、...、xn)を、入力が1つのクラスに属する信頼度にマッピングする関数であり、すなわち、f(x)=信頼度(クラス)である。そのような分類は、ユーザが自動的に実施されることを望む動作を予測又は推論するために、(例えば、分析の有用性及びコストを計算に入れる)確率的解析及び/又は統計に基づく解析を利用することができる。サポートベクトルマシン(SVM)は、利用できる分類器の一例である。SVMは、取り得る入力の空間内で超曲面を見つけることによって動作し、超曲面は非トリガーイベントからトリガー基準を分離しようとする。直観的には、これは、トレーニングデータに近いが、同一ではないデータをテストするために分類を正確にする。他の有向及び無向モデル分類手法は、例えば、ナイーブベイズ、ベイジアンネットワーク、決定木、ニューラルネットワーク、ファジー論理モデルを含み、独立した異なるパターンを提供する確率的分類モデルを利用することができる。本明細書において用いられるとき、分類は、優先順位のモデルを開発するために利用される統計的回帰も包含する。
【0304】
容易に理解されるように、実施形態の1つ又は複数は、暗黙的にトレーニングされる(例えば、UE挙動を観察すること、運用者の好み、履歴情報、外部情報を受信することによる)だけでなく、明確にトレーニングされる(例えば、汎用トレーニングデータによる)分類器を利用することができる。例えば、SVMは、分類器コンストラクター及び特徴選択モジュール内の学習又はトレーニング段階を介して構成することができる。したがって、分類器を用いて、限定はしないが、所定の基準に従って、取得セルサイトのいずれの取得セルサイトが最大数の加入者に利益を与えることになり、及び/又は取得セルサイトのいずれの取得セルサイトが既存の通信ネットワークカバレッジに最小値を追加することになるか等を判断することを含む、複数の機能を自動的に学習し、実行することができる。
【0305】
本出願における幾つかの状況において使用されるように、幾つかの実施形態において、「コンポーネント」、「システム」等の用語は、コンピューター関連エンティティ又は1つ若しくは複数の特定の機能を有する使用可能な装置に関連するエンティティを指すか又は含むことを意図しており、そのエンティティは、ハードウェア、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア又は実行中ソフトウェアのいずれかであり得る。一例として、コンポーネントは、限定はしないが、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行のスレッド、コンピューター実行可能命令、プログラム及び/又はコンピューターであり得る。例示であって限定はしないが、サーバー上で実行されるアプリケーション及びサーバーの両方をコンポーネントであり得る。1つ又は複数のコンポーネントは、プロセス及び/又は実行のスレッド内に存在する場合があり、コンポーネントは、1つのコンピューター上に局在し、及び/又は2つ以上のコンピューター間に分散される場合がある。更に、これらのコンポーネントは、それに記憶された種々のデータ構造を有する種々のコンピューター可読媒体から実行することができる。コンポーネントは、例えば、1つ又は複数のデータパケット(ローカルシステム内、分散システム内の別のコンポーネントとインタラクトするコンポーネントからのデータ及び/又はインターネット等のネットワークにわたって、信号を介して他のシステムとインタラクトするコンポーネントからのデータ)を有する信号に従って、ローカル及び/又はリモートプロセスを介して通信することができる。別の例として、コンポーネントは、プロセッサによって実行されるソフトウェア又はファームウェアアプリケーションによって運用される電気回路又は電子回路によって操作される機械部品によって提供される特定の機能を有する装置であり得、プロセッサはその装置の内部又は外部に存在することができ、ソフトウェア又はファームウェアアプリケーションの少なくとも一部を実行する。更に別の例として、コンポーネントは、機械部品を用いることなく、電子コンポーネントを通して特定の機能を提供する装置であり得、電子コンポーネントは、電子コンポーネントの機能を少なくとも部分的に与えるソフトウェア又はファームウェアを実行するために、その中にプロセッサを含むことができる。種々のコンポーネントが別々のコンポーネントとして例示されてきたが、例示的な実施形態から逸脱することなく、複数のコンポーネントを単一のコンポーネントとして実現できるか、単一のコンポーネントを複数のコンポーネントとして実現できることは理解されよう。
【0306】
更に、種々の実施形態は、開示される主題を実現するために、コンピューターを制御するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又は任意のその組み合わせを作製するための標準的なプログラミング及び/又はエンジニアリング技法を用いて、方法、装置又は製品として実現することができる。本明細書において使用されるとき、「製品」という用語は、任意のコンピューター可読デバイス又はコンピューター可読記憶/通信媒体からアクセス可能なコンピュータープログラムを含むことを意図している。例えば、コンピューター可読記憶媒体は、限定はしないが、磁気記憶デバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード及びフラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)を含むことができる。当然のことながら、種々の実施形態の範囲又は趣旨から逸脱することなく、この構成に対する多くの変更形態がなされ得ることが当業者に認識されよう。
【0307】
更に、「例」及び「例示的」という言葉は、事例又は例示としての役割を果たすことを意味するために本明細書において使用される。本明細書において「例」又は「例示的」として説明されたいかなる実施形態又は設計も、必ずしも他の実施形態又は設計より好ましいか、又は有利であると解釈されるべきではない。むしろ、例又は例示的という言葉を使用することは、概念を具体的に提示することを意図している。本出願において使用されるとき、「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく、包含的な「又は」を意味することを意図している。すなわち、別段の指示がない限り、又は文脈において明らかでない限り、「XがA又はBを利用する」は、自然な包含的置換のいずれかを意味することを意図している。すなわち、XがAを利用する、XがBを利用する、又はXがA及びBの両方を利用する場合、上記の事例のいずれのもとにおいても、「XがA又はBを利用する」が満たされる。更に、本出願及び添付の特許請求の範囲において用いられる冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、一般に、別段の指示がない限り又は単数形を対象とすることが文脈から明らかでない限り、「1つ又は複数」を意味すると解釈されるべきである。
【0308】
更に、「ユーザ機器」、「移動局」、「モバイル加入者局」、「アクセス端末」、「端末」、「ハンドセット」、「モバイルデバイス」のような用語(及び/又は類似の専門用語を表す用語)は、データ、制御、音声、ビデオ、サウンド、ゲーム又は実質的に任意のデータストリーム若しくはシグナリングストリームを受信又は搬送するために、ワイヤレス通信サービスの加入者又はユーザによって利用されるワイヤレスデバイスを指すことができる。上記の用語は、本明細書において及び関連する図面を参照しながら交換可能に利用される。
【0309】
更に、「ユーザ」、「加入者」、「顧客」、「消費者」等の用語は、その用語間の特定の差異が文脈において正当化されない限り、全体を通して交換可能に利用される。そのような用語は、実在する人間又はシミュレートされた視覚、音声認識等を提供することができる、人工知能(例えば、複雑な数学的な形式に少なくとも基づいて推論する能力)を通してサポートされる自動化されたコンポーネントを指し得ることは理解されたい。
【0310】
本明細書において用いられるとき、「プロセッサ」という用語は、限定はしないが、シングルコアプロセッサ、ソフトウェアマルチスレッド実行能力を有するシングルプロセッサ、マルチコアプロセッサ、ソフトウェアマルチスレッド実行能力を有するマルチコアプロセッサ、ハードウェアマルチスレッド技術を用いるマルチコアプロセッサ、並列プラットフォーム、分散共有メモリを有する並列プラットフォームを含む、実質的に任意のコンピューティング処理ユニット又はデバイスを指すことができる。更に、プロセッサは、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント又は本明細書において説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを指すことができる。プロセッサは、ユーザ機器の空間利用を最適化するか、又は性能を向上させるために、限定はしないが、分子又は量子ドットに基づくトランジスタ、スイッチ及びゲート等のナノスケールアーキテクチャを利用することができる。また、プロセッサは、コンピューティング処理ユニットの組み合わせとして実現することもできる。
【0311】
本明細書において用いられるとき、「データ記憶装置」、データ記憶装置」、「データベース」並びにコンポーネントの動作及び機能に関連する実質的に任意の他の情報記憶コンポーネントのような用語は、「メモリコンポーネント」、又は「メモリ」において具現されるエンティティ、又はメモリを含むコンポーネントを指している。本明細書において説明される、メモリコンポーネント又はコンピューター可読記憶媒体は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリのいずれかであり得るか、又は揮発性及び不揮発性両方のメモリを含み得ることは理解されよう。
【0312】
これまでに説明されてきたことは、種々の実施形態の単なる例を含む。当然のことながら、これらの例を説明するために、コンポーネント又は方法の考えられるあらゆる組み合わせを説明することはできず、当業者は、本実施形態の多くの更なる組み合わせ及び置換形態が可能であることを認識することができる。したがって、本明細書において開示され、及び/又は特許請求される実施形態は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲に入る全てのそのような改変形態、変更形態及び変形形態を含むことを意図している。更に、「包含する」という用語が詳細な説明又は特許請求の範囲のいずれかにおいて使用される限りにおいて、そのような用語は、「含む」という用語が特許請求の範囲において移行語として利用されるときに解釈されるのと同様に包括的であることを意図している。
【0313】
更に、流れ図が、「開始」及び/又は「継続」表示を含む場合がある。「開始」及び「継続」表示は、提示されたステップを、任意選択で、他のルーチンに組み込むことができるか、又は他に他のルーチンと共に使用できることを表す。この関連において、「開始」は、提示される最初のステップの先頭を示し、具体的に図示されない他の活動が先行する場合がある。更に、「継続」表示は、提示されたステップが複数回実行される場合があり、及び/又は具体的に図示されない活動によって引き継がれる場合があることを表す。更に、流れ図がステップの特定の順序を示すが、因果関係の原則が維持される場合、他の順序も同様に可能である。
【0314】
また、本明細書において使用される場合があるとき、「~に動作可能に結合される」、「~に結合される」及び/又は「結合する」という用語は、アイテム間の直接の結合及び/又は1つ又は複数の介在するアイテムを介してのアイテム間の間接的な結合を含む。そのようなアイテム及び介在するアイテムは、限定はしないが、接合部、通信パス、構成要素、回路要素、回路、機能ブロック及び/又はデバイスを含む。間接的な結合の一例として、第1のアイテムから第2のアイテムに搬送されるデータは、1つ又は複数の介在するアイテムにより、信号内の情報の形態、性質又はフォーマットを変更することによって変更される場合があるが、それにもかかわらず、信号内の1つ又は複数の情報要素は、第2のアイテムが認識することができるように搬送される。間接的な結合の更なる例において、1つ又は複数の介在するアイテム内の作用及び/又は反応の結果として、第1のアイテムにおける作用が第2のアイテムにおける反応を引き起こす可能性がある。
【0315】
特定の実施形態が本明細書において示され説明されたが、同じ又は同様の目的を達成する任意の構成が、本開示により説明又は示される実施形態に取って代わり得ることを理解されたい。本開示は、種々の実施形態のあらゆる適合形態又は変形形態の包含を意図する。上記実施形態の組み合わせ及び本明細書において特に説明されない他の実施形態が本開示において使用可能である。例えば、1つ又は複数の実施形態からの1つ又は複数の特徴は、1つ又は複数の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができる。1つ又は複数の実施形態において肯定的に記載される特徴は、別の構造的特徴及び/又は機能的特徴での置換の有無にかかわらず、実施形態において否定的に記載され、実施形態から除外されることもある。本開示の実施形態に関して説明されたステップ又は機能は、任意の順序で実行することができる。本開示の実施形態に関して説明されたステップ又は機能は、単独で実行されるか又は本開示の他のステップ若しくは機能と組み合わせて実行され得、また本開示に説明されなかった他の実施形態若しくは他のステップから実行され得る。更に、一実施形態に関して説明された特徴の全てよりも多数又は少数を利用することもできる。