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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】ALGeの共晶接合
(51)【国際特許分類】
   B81C 3/00 20060101AFI20220112BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20220112BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20220112BHJP
   H01L 23/06 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B81C3/00
B81B3/00
H01L23/02 C
H01L23/06 Z
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2019554879
(86)(22)【出願日】2018-04-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 US2018026111
(87)【国際公開番号】W WO2018187490
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2020-04-03
(31)【優先権主張番号】62/481,634
(32)【優先日】2017-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/677,994
(32)【優先日】2017-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151918
【氏名又は名称】キオニックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ヘラー,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】藤田 有真
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-516055(JP,A)
【文献】特開2013-018114(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0375990(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0091405(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0008542(US,A1)
【文献】国際公開第2011/070627(WO,A1)
【文献】特開2010-171368(JP,A)
【文献】特開2012-040677(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0001858(US,A1)
【文献】Microstructure and mechanical properties of aluminum-germanium eutectic bonding with polysilicon metallization for microelectromechanical systems (MEMS) packageing,Scripta Materialia,2010年12月24日,vol.64,p.733-736
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B81C 3/00
B81B 3/00
H01L 23/02
H01L 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の半導体基板を使用して、第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法であって、
前記第1の半導体基板上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成するステップと、
前記第2の半導体基板上にポリシリコン層を形成するステップと、
前記ポリシリコン層が前記アルミニウムゲルマニウム構造に接触するように、前記第1の半導体基板を前記第2の半導体基板で覆うステップと、
前記アルミニウムゲルマニウム構造を溶融させてAlGeSiシーラントを形成し、それにより前記MEMSデバイスを封止するように、前記第1の半導体基板および前記第2の半導体基板間で共晶接合を実行するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記アルミニウムゲルマニウム構造が、アルミニウム層を覆うゲルマニウム層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の半導体基板の前記アルミニウムゲルマニウム構造の下に接着層を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アルミニウムゲルマニウム構造と前記接着層の間にアルミナ層を形成するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記接着層が窒化チタン層である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の半導体基板の前記ポリシリコン層の下にアルミナ層を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の半導体基板の前記ポリシリコン層の下にポリサイド層を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の半導体基板の前記アルミナ層の下に接着層を形成するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
第2の半導体基板を使用して、第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法であって、
前記第1の半導体基板内または上にシリサイド層を形成するステップと、
前記第1の半導体基板の前記シリサイド層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成するステップと、
前記第2の半導体基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成するステップと、
前記第1の半導体基板の前記アルミニウムゲルマニウム構造が前記第2の半導体基板の前記シリサイド層に接触するように、前記第1の半導体基板を前記第2の半導体基板で覆うステップと、
前記アルミニウムゲルマニウム構造を溶融させてAlGeSiシーラントを形成し、それにより前記MEMSデバイスを封止するように、前記第1および前記第2の半導体基板間で共晶接合を実行するステップとを含む、方法。
【請求項10】
前記アルミニウムゲルマニウム構造体は、アルミニウム層を覆うゲルマニウム層を含み、前記アルミニウム層は銅原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記アルミニウムゲルマニウム構造は、共堆積されたアルミニウムおよびゲルマニウムの層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第2の半導体基板を使用して、第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法であって、
前記第1の半導体基板内または上にシリサイド層を形成するステップと、
前記第2の半導体基板内または上にシリサイド層を形成するステップと、
前記第2の半導体基板の前記シリサイド層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成するステップと、
前記第2の半導体基板の前記アルミニウムゲルマニウム構造が前記第1の半導体基板の前記シリサイド層に接触するように、前記第1の半導体基板を前記第2の半導体基板で覆うステップと、
前記アルミニウムゲルマニウム構造を溶融させてAlGeSiシーラントを形成し、それにより前記MEMSデバイスを封止するように、前記第1および前記第2の半導体基板間で共晶接合を実行するステップとを含む、方法。
【請求項13】
第2の半導体基板を使用して、第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法であって、
前記第1の半導体基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成するステップと、
前記第1の半導体基板の前記シリサイド層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成するステップと、
前記第2の半導体基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成するステップと、
前記第2の半導体基板の前記シリサイド層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成するステップと、
前記第1の半導体基板の前記アルミニウムゲルマニウム構造が前記第2の半導体基板の前記アルミニウムゲルマニウム構造と接触するように、前記第1の半導体基板を前記第2の半導体基板で覆うステップと、
前記アルミニウムゲルマニウム構造を溶融させてAlGeSiシーラントを形成し、それにより前記MEMSデバイスを封止するように、前記第1および前記第2の半導体基板間で共晶接合を実行するステップとを含む、方法。
【請求項14】
第2の半導体基板を使用して、第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法であって、
前記第1の半導体基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成するステップと、
前記第1の半導体基板の前記シリサイド層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成するステップと、
前記第2の半導体基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成するステップと、
前記第2の半導体基板の前記シリサイド層の上にアルミニウム構造を形成するステップと、
前記第1の半導体基板の前記アルミニウムゲルマニウム構造が前記第2の半導体基板の前記アルミニウム構造と接触するように、前記第1の半導体基板を前記第2の半導体基板で覆うステップと、
前記アルミニウムゲルマニウム構造を溶融させてAlGeSiシーラントを形成し、それにより前記MEMSデバイスを封止するように、前記第1および前記第2の半導体基板間で共晶接合を実行するステップとを含む、方法。
【請求項15】
第2の半導体基板を使用して、第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法であって、
前記第1の半導体基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成するステップと、
前記第1の半導体基板の前記シリサイド層の上にゲルマニウム構造を形成するステップ十と、
前記第2の半導体基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成するステップと、
前記第2の半導体基板の前記シリサイド層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成するステップと、
前記第2の半導体基板の前記アルミニウムゲルマニウム構造が前記第1の半導体基板の前記ゲルマニウム構造に接触するように、前記第1の半導体基板を前記第2の半導体基板で覆うステップと、
前記アルミニウムゲルマニウム構造を溶融させてAlGeSiシーラントを形成し、それにより前記MEMSデバイスを封止するように、前記第1および前記第2の半導体基板間で共晶接合を実行するステップとを含む、方法。
【請求項16】
第1の半導体基板と、第2の半導体基板とを含むMEMS構造であって、前記第1の半導体基板はアルミニウムゲルマニウム構造を含み前記第2の半導体基板はポリシリコン層を含み、前記MEMS構造は前記第1の半導体基板の空洞内であって前記第1の半導体基板の上に形成されたMEMSデバイスを含み、前記MEMSデバイスは、前記第1の半導体基板に形成された前記アルミニウムゲルマニウム構造と前記第2の半導体基板に形成された前記ポリシリコン層との共晶接合に応じて形成されたAlGeSiシーラントで封止されるMEMS構造。
【請求項17】
前記アルミニウムゲルマニウム構造は、アルミニウム層を覆うゲルマニウム層を含む、請求項16に記載のMEMS構造。
【請求項18】
前記MEMS構造は、前記アルミニウムゲルマニウム構造の下に接着層をさらに含む、請求項16に記載のMEMS構造。
【請求項19】
前記MEMS構造は、前記アルミニウムゲルマニウム構造と前記接着層との間に配置されたアルミナ層をさらに含む、請求項18に記載のMEMS構造。
【請求項20】
前記接着層が窒化チタン層を含む、請求項19に記載のMEMS構造
【請求項21】
前記MEMS構造は、前記第2の半導体基板内の前記ポリシリコン層の下にアルミナ層をさらに含む、請求項16に記載のMEMS構造。
【請求項22】
前記MEMS構造は、前記第2の半導体基板内の前記ポリシリコン層の下にポリサイド層をさらに含む、請求項16に記載のMEMS構造。
【請求項23】
前記MEMS構造は、前記第2の半導体基板内の前記アルミナ層の下に接着層をさらに含む、請求項21に記載のMEMS構造。
【請求項24】
第1の半導体基板のキャビティ内であって前記第1の半導体基板の上に形成されたMEMSデバイスを含むMEMS構造であって、前記MEMSデバイスがAlGeSiシーラントでシールされ、前記AlGeSiシーラントは、前記第1の半導体基板に形成されたアルミニウムゲルマニウム構造と第2の半導体基板の中または上に形成されたシリサイド層の共晶接合に応じて形成された、MEMS構造。
【請求項25】
第1の半導体基板のキャビティ内であって前記第1の半導体基板の上に形成されたMEMSデバイスを含むMEMS構造であって、前記MEMSデバイスがAlGeSiシーラントでシールされ、前記AlGeSiシーラントは、第2の半導体基板に形成されたアルミニウムゲルマニウム構造と前記第1の半導体基板の中または上に形成されたシリサイド層の共晶接合に応じて形成された、MEMS構造。
【請求項26】
第1の半導体基板のキャビティ内であって前記第1の半導体基板の上に形成されたMEMSデバイスを含むMEMS構造であって、前記MEMSデバイスがAlGeSiシーラントでシールされ、前記AlGeSiシーラントは、前記第1の半導体基板に形成された第1のアルミニウムゲルマニウム構造と第2の半導体基板に形成された第2のアルミニウムゲルマニウム構造と前記第1の半導体基板の中または上に形成されたシリサイド層の共晶接合に応じて形成された、MEMS構造。
【請求項27】
第1の半導体基板のキャビティ内であって前記第1の半導体基板の上に形成されたMEMSデバイスを含むMEMS構造であって、前記MEMSデバイスがAlGeSiシーラントでシールされ、前記AlGeSiシーラントは、前記第1の半導体基板に形成された第1のアルミニウムゲルマニウム構造と第2の半導体基板に形成された第2のアルミニウムゲルマニウム構造と前記第2の半導体基板の中または上に形成されたシリサイド層の共晶接合に応じて形成された、MEMS構造。
【請求項28】
第1の半導体基板のキャビティ内であって前記第1の半導体基板の上に形成されたMEMSデバイスを含むMEMS構造であって、前記MEMSデバイスがAlGeSiシーラントでシールされ、前記AlGeSiシーラントは、前記第1の半導体基板に形成された第1のアルミニウムゲルマニウム構造と第2の半導体基板に形成されたアルミニウム構造と前記第1の半導体基板の中または上に形成されたシリサイド層の共晶接合に応じて形成された、MEMS構造。
【請求項29】
第1の半導体基板のキャビティ内であって前記第1の半導体基板の上に形成されたMEMSデバイスを含むMEMS構造であって、前記MEMSデバイスがAlGeSiシーラントでシールされ、前記AlGeSiシーラントは、前記第1の半導体基板に形成された第1のアルミニウムゲルマニウム構造と第2の半導体基板に形成されたアルミニウム構造と前記第2の半導体基板の中または上に形成されたシリサイド層の共晶接合に応じて形成された、MEMS構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2017年4月4日に出願された出願シリアル番号62/481,634号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、基板接合に関し、より詳細には、MEMSデバイスを封止するための共晶接合に関する。
【背景技術】
【0003】
モーションセンサーや可動ミラーなどの微小電気機械システム(MEMS)が広く使用されている。周知のように、MEMS運動センサは、例えば、直線運動を検出するための加速度計、または回転および角速度を検出するためのジャイロスコープであり得る。
【0004】
先進の平面シリコンプロセスは、MEMSデバイスを製造するためにますます使用されている。ガラスフリット接合は、加速度計などのMEMSデバイスのウエハレベルのパッケージングに使用されている。ただし、達成可能な最小シール幅、コスト、および鉛含有量の制限により、現在の世代のジャイロスコープの多くは、共晶はんだ接合などの他のウエハレベルのパッケージングソリューションを使用して作られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
効果的であるために、共晶基板接合プロセスは、きれいな表面を必要とする。表面の過剰な量の自然酸化物およびその他の有機汚染物質は、表面結合の形成、強度、および完全性を損なう可能性がある。シール層スタックの材料とデバイスの構成によっては、結合している表面から自然酸化物層やその他の汚染物質を除去することが困難になる場合がある。共晶基板接合プロセスを使用したMEMSデバイスの堅牢な基板接合および封止は、現在も課題を提起している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による、第2の半導体基板を使用して第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法は、部分的に、第1の基板の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成する。第2の基板の上にポリシリコン層を形成する。ポリシリコン層がアルミニウムゲルマニウム構造に接触するように、第1の基板を第2の基板で覆う。そして、アルミニウムゲルマニウム構造を融解させてAlGeSiシーラントを形成させ、それによりMEMSデバイスを封止するように、第1および第2の基板間で共晶接合を実行する。一実施形態では、ゲルマニウムアルミニウム構造は、アルミニウム層を覆うゲルマニウム層を含む。
【0007】
一実施形態では、この方法は、さらに、第1の基板のアルミニウムゲルマニウム構造の下に接着層を形成することを部分的に含む。一実施形態では、この方法は、部分的に、アルミニウムゲルマニウム構造と接着層との間にアルミナ層を形成することをさらに含む。一実施形態では、接着剤層は窒化チタン層である。一実施形態では、この方法は、部分的に、第2の基板のポリシリコン層の下にアルミナ層を形成することをさらに含む。一実施形態では、この方法は、部分的に、第2の基板のポリシリコン層の下にポリサイド層を形成することをさらに含む。一実施形態では、この方法は、部分的に、第2の基板のアルミナ層の下に接着層を形成することをさらに含む。
【0008】
本発明の一実施形態による、第2の半導体基板を使用して第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法は、部分的に、第1の基板内または上にシリサイド層を形成することを含む。第1の基板のシリサイド層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成する。第2の基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成する。第1の基板のアルミニウムゲルマニウム構造が第2の基板のシリサイド層に接触するように、第1の基板を第2の基板で覆う。そして、アルミニウムゲルマニウム構造を融解させてAlGeSiシーラントを形成させ、それによりMEMSデバイスを封止するように、第1および第2の基板間で共晶接合を実行する。
【0009】
本発明の一実施形態による、第2の半導体基板を使用して第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法は、部分的に、第2の基板内または上にシリサイド層を形成することを含む。第2の基板のケイ化物層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成する。第2基板のアルミニウムゲルマニウム構造が第1の基板のシリサイド層に接触するように、第1の基板を第2の基板で覆う。そして、アルミニウムゲルマニウム構造を融解させてAlGeSiシーラントを形成させ、それによりMEMSデバイスを封止するように、第1および第2の基板間で共晶接合を実行する。
【0010】
本発明の一実施形態による、第2の半導体基板を使用して第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法は、部分的に、第1の基板内または上にシリサイド層を形成することを含む。第1の基板のシリサイド層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成する。第2の基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成する。第2の基板のケイ化物層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成する。第1の基板のアルミニウムゲルマニウム構造が第1基板のアルミニウムゲルマニウム構造と接触するように、第1の基板を第2の基板で覆う。そして、アルミニウムゲルマニウム構造を融解させてAlGeSiシーラントを形成させ、それによりMEMSデバイスを封止するように、第1および第2の基板間で共晶接合を実行する。
【0011】
本発明の一実施形態による、第2の半導体基板を使用して第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法は、部分的に、第1の基板内または上にシリサイド層を形成することを含む。第1の基板のシリサイド層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成する。第2の基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成する。第2の基板のシリサイド層の上にアルミニウム構造を形成する。第1の基板のアルミニウムゲルマニウム構造が第2の基板のアルミニウム構造と接触するように、第1の基板を第2の基板で覆う。そして、アルミニウムゲルマニウム構造を溶融させてAlGeSiシーラントを形成させ、それによりMEMSデバイスを封止するように、第1および第2の基板間で共晶接合を実行する。
【0012】
本発明の一実施形態による、第2の半導体基板を使用して第1の半導体基板に形成されたMEMSデバイスを封止する方法は、部分的に、第1の基板内または上にシリサイド層を形成することを含む。第1の基板のシリサイド層の上にゲルマニウム構造を形成する。第2の基板の基板内または基板上にシリサイド層を形成する。第2の基板のケイ化物層の上にアルミニウムゲルマニウム構造を形成する。第2基板のアルミニウムゲルマニウム構造が第1基板のゲルマニウム構造に接触するように、第1の基板を第2の基板で覆う。そして、アルミニウムゲルマニウム構造を溶融させてAlGeSiシーラントを形成させ、それによりMEMSデバイスを封止するように、第1および第2の基板間で共晶接合を実行する。
【0013】
本発明の一実施形態によるMEMS構造は、第1の半導体基板のキャビティ内に形成され、AlGeSiシーラントで封止されたMEMSデバイスを部分的に含む。 AlGeSiシーラントは、第1の基板に形成されたアルミニウムゲルマニウム構造と第2の半導体基板に形成されたポリシリコン層との間の共晶接合に応答して形成される。
【0014】
一実施形態では、ゲルマニウムアルミニウム構造は、部分的に、アルミニウム層を覆うゲルマニウム層をさらに含む。一実施形態では、MEMS構造体は、アルミニウムゲルマニウム構造体の下に部分的に接着層をさらに含む。一実施形態では、MEMS構造体は、アルミニウムゲルマニウム構造体と接着層との間に配置されたアルミナ層を部分的にさらに含む。一実施形態では、接着剤層は窒化チタン層である。一実施形態では、MEMS構造は、第2の基板のポリシリコン層の下にアルミナ層を部分的にさらに含む。一実施形態では、MEMS構造体は、第2の基板のポリシリコン層の下にポリサイド層を部分的にさらに含む。一実施形態では、MEMS構造は、部分的に、第2の基板のアルミナ層の下に接着層をさらに含む。
【0015】
本発明の一実施形態によるMEMS構造は、部分的に、第1の半導体基板のキャビティ内に形成され、AlGeSiシーラントで封止されたMEMSデバイスを含む。 AlGeSiシーラントは、第1の基板に形成されたアルミニウムゲルマニウム構造と第2の半導体基板内または上に形成されたシリサイド層との間の共晶結合に応答して形成される。
【0016】
本発明の一実施形態によるMEMS構造は、部分的に、第1の半導体基板のキャビティ内に形成され、AlGeSiシーラントで封止されたMEMSデバイスを含む。 AlGeSiシーラントは、第2の半導体基板に形成されたアルミニウムゲルマニウム構造と第1の半導体基板内または上に形成されたシリサイド層との間の共晶結合に応答して形成される。
【0017】
本発明の一実施形態によるMEMS構造は、部分的に、第1の半導体基板のキャビティ内に形成され、AlGeSiシーラントで封止されたMEMSデバイスを含む。AlGeSiシーラントは、第1半導体基板に形成された第1アルミニウムゲルマニウム構造、第2半導体基板に形成された第2アルミニウムゲルマニウム構造、および第1半導体基板内または上に形成されたシリサイド層の間の共晶接合に応答して形成される。
【0018】
本発明の一実施形態によるMEMS構造は、部分的に、第1の半導体基板のキャビティ内に形成され、AlGeSiシーラントで封止されたMEMSデバイスを含む。AlGeSiシーラントは、第1半導体基板に形成された第1アルミニウムゲルマニウム構造、第2半導体基板に形成された第2アルミニウムゲルマニウム構造、および第2半導体基板内または上に形成されたシリサイド層の間の共晶接合に応答して形成される。
【0019】
本発明の一実施形態によるMEMS構造は、部分的に、第1の半導体基板のキャビティ内に形成され、AlGeSiシーラントで封止されたMEMSデバイスを含む。AlGeSiシーラントは、第1半導体基板に形成された第1アルミニウムゲルマニウム構造、第2半導体基板に形成されたアルミニウム構造、および第1半導体基板内または上に形成されたシリサイド層の間の共晶接合に応答して形成される。
【0020】
本発明の一実施形態によるMEMS構造は、部分的に、第1の半導体基板のキャビティ内に形成され、AlGeSiシーラントで封止されたMEMSデバイスを含む。AlGeSiシーラントは、第1半導体基板に形成された第1アルミニウムゲルマニウム構造、第2半導体基板に形成されたアルミニウム構造、および第2半導体基板内または上に形成されたシリサイド層の間の共晶接合に応答して形成される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の例示的な一実施形態による、その上に複数の層を形成した後のデバイスウエハの断面図である。
図2図2Aは、本発明の例示的な一実施形態による、多数のパターニングおよびエッチングステップ後の図1のデバイスウエハの断面図であり、図2Bは、本発明の例示的な一実施形態に係る、多数のパターニングおよびエッチングステップ後の図1のデバイスウエハの断面図である。
図3図3Aおよび3Bは、それぞれ、本発明の例示的な一実施形態による、デバイスウエハのキャビティ内にMEMSデバイスを形成した後の図2Aのデバイスウエハの断面図および上面図である。
図4図4Aおよび4Bは、それぞれ、本発明の例示的な一実施形態による、その上にAlGe構造を形成するためのいくつかのパターニングおよびエッチングステップ後の図3A及び3Bのデバイスウエハの断面図および上面図である。
図5図5は、本発明の例示的な一実施形態による、その上に複数の層を形成した後の図4A及び4Bのデバイスウエハを覆う蓋ウエハの断面図である。
図6図6Aおよび6Bは、それぞれ、本発明の例示的な一実施形態による、多数のパターニングおよびエッチングステップ後の図5の蓋ウエハの断面図および上面図である。
図7図7Aは、本発明の例示的な一実施形態による、図4Aのデバイスウエハを覆う図6Aの蓋ウエハの断面図であり、図7Bは、本発明の別の例示的な実施形態による、図4Aのデバイスウエハを覆う図6Aの蓋ウエハの断面図である。
図8図8Aおよび8Bは、本発明の例示的な一実施形態による、MEMSデバイスおよびシリサイド構造を含むように処理された後のデバイスウエハの簡略化された断面図および上面図である。
図9図9Aおよび9Bは、本発明の例示的な一実施形態による、多数の堆積、パターニングおよびエッチングステップ後の、図8A及び8Bのデバイスウエハの断面図および上面図である。
図10図10Aおよび10Bは、本発明の例示的な一実施形態による、堆積およびエッチングステップ後の図9A及び9Bのデバイスウエハを覆う蓋ウエハの断面図および上面図である。
図11図11は、本発明の例示的な一実施形態による、図9Aのデバイスウエハを覆う図10Aの蓋ウエハの断面図である。
図12図12は、本発明の例示的な一実施形態による、MEMSデバイスおよびシリサイド領域を含むように処理された後のデバイスウエハの簡略化された断面図である。
図13図13Aおよび13Bは、本発明の例示的な一実施形態による、その上にアルミニウムおよびゲルマニウム構造を形成するためにいくつかの処理ステップを実行した後の図12のデバイスウエハの断面および上面図である。
図14図14は、本発明の例示的な一実施形態による、図13Aのデバイスウエハを覆う蓋ウエハの断面図である。
図15図15は、本発明の例示的な一実施形態による、図13Aのデバイスウエハを覆う図14の蓋ウエハの断面図である。
図16図16は、本発明の別の例示的な実施形態による、蓋ウエハで覆われた上面を有するデバイスウエハの断面図である。
図17図17は、本発明の別の例示的な実施形態による、蓋ウエハで覆われた上面を有するデバイスウエハの断面図である。
図18図18は、本発明の別の例示的な実施形態による、蓋ウエハで覆われた上面を有するデバイスウエハの断面図である。
図19図19は、本発明の別の例示的な実施形態による、蓋ウエハで覆われた上面を有するデバイスウエハの断面図である。
図20図20は、本発明の例示的な一実施形態による、MEMSデバイスの簡略化された上面レイアウト図である。
図21図21は、本発明の例示的な一実施形態による、図20のMEMSデバイスの領域のより詳細な図である。
図22図22Aおよび図22Bは、本発明の例示的な一実施形態による、図21で特定される領域内のいくつかの層のより詳細な図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態によれば、MEMSデバイス(本明細書ではセンサと呼ぶ)は、MEMSデバイスが形成される(以下、デバイスウエハと呼ぶ)第1のシリコンウエハと、デバイスウエハの上面を覆う第2のシリコンウエハ(以下、蓋ウエハと呼ぶ)との間に、アルミニウム-ゲルマニウム-シリコン(AlGeSi)共晶基板接合を適用することにより空洞内に密閉される。これを実現するために、デバイスウエハ、蓋ウエハ、またはその両方の上に形成されたアルミニウムおよび/またはゲルマニウムを含む構造と、デバイスウエハ、蓋ウエハ、またはその両方いずれかの構造/領域に存在するシリコン原子とが結合してMEMSデバイスを封止/包む強力なAlGeSiシーラントを形成できるように共晶基板接合が適用される。本発明のいくつかの例示的な実施形態による、デバイスウエハおよび蓋ウエハを形成するための処理ステップを以下に説明する。
【0023】
図1は、本発明の例示的な一実施形態による、その上に複数の層を形成した後のデバイスウエハ100(本明細書では基板とも呼ばれる)の断面図である。デバイスウエハ100は、例えば、100nmから200nmの範囲の厚さを有する窒化チタンTiN層であり得る接着層230を部分的に含むものとして示されている。デバイスウエハ100は、例えば、100nmから200nmの範囲の厚さを有するアルミナ(Al)の層240を含み、接着層230の上に形成されるものとして示されている。TiN層230およびアルミナ層240の両方がALD、CVD、PVDプロセスなどのよく知られた手法を使用して堆積され得る。
【0024】
デバイスウエハ100は、アルミナ層240を覆うアルミニウム層250、およびアルミニウム層250を覆うゲルマニウム層260を含むものとしても示されている。アルミニウム層250およびゲルマニウム層260の厚さは、必要な温度と圧力が適用されるときに共晶接合が生じることを可能にするように選択される。例えば、アルミニウム層250およびゲルマニウム層260は、それぞれ980nmおよび530nmの厚さを有するように選択され得る。
【0025】
その後、従来のパターニングおよびエッチング処理ステップを使用して、層230、層240、層250、および層260を除去して、図2Aに示すように、側壁292を有する開口部285を形成する。
【0026】
図2Bに示されるデバイス構造は、図2Bにおいて、アルミナ層240の下の窒化チタン層230と、アルミナ層240の上のアルミニウム層250およびゲルマニウム層260との間の電気接続を強化するためにアルミナ層240に開口部255が形成されることを除いて、図2Aに示されるデバイス構造に類似している。
【0027】
次に、図3Aに示すように、キャビティ110が、多数の従来の半導体処理技術のいずれか1つを使用してMEMSデバイス120が形成されるシリコン基板の開口部285に形成される。図3Bは、図3Aに示されるデバイスウエハ100の上面図である。図3Bの斜線領域300は、図3Aの層230、層240、層250および層260に対応することが理解される。
【0028】
その後、従来のパターニングおよびエッチングプロセスを使用して、アルミニウム(Al)層250およびゲルマニウム(Ge)層260をエッチングして、キャビティ110の周囲にAlGe構造280を形成する。図4Aおよび4Bはそれぞれパターニングおよびエッチングプロセスが実行されてAlGe構造280が形成された後のデバイスウエハ100の断面図と上面図である。
【0029】
図5は、本発明の例示的な一実施形態による、デバイスウエハ100を覆ってキャビティ110およびデバイス120を気密封止するように適合された蓋ウエハ500の断面図である。蓋ウエハ500は、接着層510、アルミナ層520、およびポリシリコン層530を含むものとして示されている。接着層510は、例えば、100nmから200nmの範囲の厚さを有する窒化チタンTiNを含むことができる。アルミナ層520は、例えば、20nmから100nmの範囲の厚さを有し得る。ポリシリコン層530は、例えば、100nmから150nmの範囲の厚さを有し得る。一実施形態では、層520は、アルミナ層の代わりにポリサイド層であってもよい。ポリサイド層は、WSi層、MoSi層、CoSi層、NiSi層などであってもよい。
【0030】
従来のパターニングおよびエッチングプロセスを使用して、デバイスウエハ100のカバーとして蓋ウエハ500を準備するために、図6Aに示すように、層510、520および530がエッチングされて構造580を形成する。ステップ構造580の幅Wは、図4Aに示されるステップ構造280の幅W1より大きくてもよい。図6Bは、図6Aに示される蓋ウエハ500の上面図である。
【0031】
図7Aから分かるように、MEMSデバイス120を密閉するために、図4A、4Bに示すデバイスウエハ100の上面は、図6Aおよび6Bに示す蓋ウエハ500の上面と接触させられる。これは、ステップ構造280および580を位置合わせするために、デバイスウエハ100の上に蓋ウエハ500を配置することにより達成される。あるいは、MEMSデバイス120を気密封止するために、デバイスウエハ100を蓋ウエハ500上に配置してもよい。
【0032】
その後、必要な熱および圧力が加えられる共晶接合中に、構造280に配置されたアルミニウムおよびゲルマニウムは、それらの相を固体から液体に変化させてAlGe共晶融液を形成し、その後ポリシリコン層530に存在するシリコン原子と反応して三元AlGeSiを形成する。そのように形成されたAlGeSiは、下のポリサイドまたはアルミナ層を濡らす。
【0033】
本発明の実施形態によれば、AlGe共晶融液にシリコン原子を組み込むと、共融点温度が上昇し、したがって、その流れを制御および制限しながら融液を凝固させる。アルミナ層240は、ガス透過および反応性の高い共晶融液に対する障壁を提供する。アルミナは、共晶融液に適した接着層も提供します。層240がポリサイドを含む実施形態では、ポリサイドは、伝導拡散および高反応性共晶融液に対する障壁としてさらに機能する。シリサイド層は、AlGe共晶融液とシリサイド層に含まれるシリコンとの反応速度を低下させる。言い換えれば、液体AlGe共晶融液へのシリコンの取り込み速度を遅くして、AlGe共晶融液から三次AlGeSiへのより制御された変態を提供する。シリコンへの過剰なSiの取り込みと、結果として生じるシリコンへのAlまたはGeのスパイクを回避または大幅に削減できる。シリサイド層の上部にあるシリコン層(アモルファス、ポリシリコン、またはその他のタイプ)は、AlGe共晶融液の初期の容易にアクセス可能なシリコンソースとして使用して、AlGe共晶融液へのシリコンを高速で取り込み、層が完全に溶解した後に速度を遅くすることができる。ケイ化物は拡散バリアとして機能し、AlおよびGe原子が液体共晶融液から下の層に拡散するのを防ぐ。シリサイド層は、AlGe共晶融液の接着層としてさらに機能する。本発明の実施形態による、MEMSデバイスを封止する蓋基板と一緒のデバイス基板は、本明細書では代替的にMEMS構造体と呼ばれる。
【0034】
図7Bに示されるデバイス構造は、図7Bにおいて、例えば、上記の窒化チタンTiN層または以下にさらに説明するシリサイド層である接着層230と、アルミナ層240を覆うアルミニウム層250およびゲルマニウム層260との間の電気的接続を強化するためにアルミナ240に開口部255が形成されることを除いて、図7Aに示されるデバイス構造と同様である。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、デバイスウエハ、蓋ウエハ、またはその両方に形成およびパターニングされたシリサイド層は、以下でさらに説明するように、AlGe共晶融液にシリコン原子を提供する。図8Aは、シリサイドステップ構造610と関連するキャビティ110内のMEMSデバイス120とを含むように処理された後の例示的なデバイスウエハ100の簡略化された断面図である。図8Bはシリサイドステップ構造610、キャビティ110、およびMEMSデバイス120を示すデバイスウエハ100の上面図である。
【0036】
封止のためのデバイスウエハ100を準備するために、アルミニウム層250、続いてゲルマニウム層260がシリサイドステップ構造610上に堆積される。アルミニウムおよびゲルマニウム層250、260は続いてパターン化およびエッチングされて構造280を形成する。図9A及び図9Bは、構造280を形成するためにパターニングおよびエッチングプロセスが実行された後のデバイスウエハ100の断面図および上面図である。
【0037】
図10Aは、本発明の例示的な一実施形態による、図9Bのデバイスウエハ100を覆い、キャビティ110およびデバイス120を気密封止するように適合された蓋ウエハ700の断面図である。蓋ウエハ700をデバイスウエハ100のカバーとして準備するために、従来のパターニングおよびエッチングプロセスを使用して、シリサイド構造710が蓋ウエハの表面上に形成される。図10Bは、デバイスウエハ700の対応する上面図であり、その上面にシリサイド構造710を示している。
【0038】
図11から分かるように、MEMSデバイス120を気密封止するために、図9A、9Bに示すデバイスウエハ100の上面は、図10Aおよび10Bに示す蓋ウエハ700の上面と接触させられる。これは、ケイ化物構造610および710を整列させるために、デバイスウエハ100上に蓋ウエハ700を配置することにより達成される。あるいは、MEMSデバイス120を気密封止するために、デバイスウエハ100を蓋ウエハ700上に配置してもよい。
【0039】
MEMSデバイス100を封止するために、必要な熱および圧力が加えられる共晶接合中に、構造280のアルミニウムおよびゲルマニウムは、固体から液体に変化し、AlGe共晶融液を形成して、シリサイド構造610および/または710に存在するシリコン原子と反応し、三元AlGeSiを形成する。本発明の実施形態に従って、シリコン原子をAlGe共晶融液に組み込むと、共晶点温度が上昇し、したがって融液が凝固し、融液の流れを制御/制限する。
【0040】
図9A及び9Bのデバイスウエハ100は、その基板の表面とアルミニウム層250との間に配置されたシリサイド層610のみを含むものとして示されているが、他の実施形態では、シリコン基板100の表面とシリサイド構造610との間に、他の材料を含む1つ以上の層が含まれてもよいことが理解される。さらに、図9A及び図9Bのデバイスウエハ100は、アルミニウムおよびゲルマニウムの単一層のみを含むものとして示されているが、他の実施形態では別の方法で堆積したアルミニウムおよびゲルマニウムの複数の層をフックんでもよいことが理解される。図に示されているように、デバイスウエハ100は、交互に堆積されたアルミニウムとゲルマニウムの複数の層を含むことができる。さらに、図10A~10Bのカバーウエハ700は、その基板表面上にシリサイド構造710のみを含むように示されているが、他の実施形態では、他の材料(図示せず)を含む1つ以上の層をシリコン基板700およびシリサイド構造710の表面間に配置できることが理解される。
【0041】
本発明の別の実施形態によれば、デバイスウエハ、蓋ウエハ、またはその両方の基板内に形成およびパターン化されたシリサイド領域は、以下でさらに説明するように、AlGe共晶融液のシリコン原子を提供する。図12は、シリサイド領域610を含むように処理された後のデバイスウエハ100の単純化された断面図であり、MEMSデバイス120もその関連するキャビティ110に含まれている。
【0042】
封止のためにデバイスウエハ100を準備するために、アルミニウムおよびゲルマニウムの層がケイ化物領域610上に堆積される。続いて、アルミニウムおよびゲルマニウム層がパターン化およびエッチングされて構造を形成する。上述の工程の後に、図13Aおよび13Bはそれぞれ、キャビティ110、MEMSデバイス120、シリサイド領域610、およびアルミニウム層250およびゲルマニウム層260を含む構造280を含む、デバイスウエハ100の断面図および上面図である。
【0043】
図14は、本発明の例示的な一実施形態による、図13A及び図13Bのデバイスウエハ100を覆い、空洞110およびデバイス120を気密封止するように適合された蓋ウエハ700の例示的な実施形態の断面図である。蓋ウエハ700は、その基板に形成されたシリサイド領域710を含むものとして示されている。
【0044】
図15から分かるように、MEMSデバイス120を密閉するために、図13A、13Bに示されるデバイスウエハ100の上面は、図14に示される蓋ウエハ700の上面と接触させられる。これは、シリサイド領域610および710を整列させるためにデバイスウエハ100の上に蓋ウエハ700を配置することにより、達成される。あるいは、MEMSデバイス120を気密封止するために、デバイスウエハ100を蓋ウエハ700上に配置してもよい。
【0045】
MEMSデバイス100を封止するために、必要な熱および圧力が加えられる共晶接合中に、構造280に存在するアルミニウムおよびゲルマニウムは、それらの相を固体から液体に変化させ、AlGe共晶融液を形成し、シリサイド領域610および/または710に存在するシリコン原子と反応して、三元AlGeSiを形成する。本発明の実施形態に従って、シリコン原子をAlGe共晶融液に組み込むと、共晶点温度が上昇し、したがって融液が凝固し、融液の流れを制御/制限する。
【0046】
図13A、13Bのデバイスウエハ100は、シリサイド領域610の上にアルミニウム層250を含むように示されているが、他の実施形態では、アルミニウム層250とシリサイド領域610の間に他の材料(図示せず)を含む1つ以上の層が存在し得ることが理解される。さらに、図13Aおよび13Bのデバイスウエハ100は、各アルミニウムおよびゲルマニウムの単一の層のみを含むように示されているが、他の実施形態(図示せず)では、デバイスウエハ100は交互に堆積されたアルミニウムとゲルマニウムの層を含み得ることが理解される。さらに、図14に示す実施形態では、蓋ウエハ700は、その基板に形成されたシリサイド領域710のみを含むものとして示されているが、蓋ウエハ700の他の実施形態は、シリサイド領域710の上に配置された1つ以上の層を含むことができることが理解される。
【0047】
図16は、本発明の別の例示的な実施形態による、蓋ウエハ700で覆われた上面を有するデバイスウエハ100の断面図である。図16に示される実施形態は、図16の実施形態において、アルミニウム層750およびゲルマニウム層760を含む構造780が、蓋ウエハ700のシリサイド領域710上に形成されており、デバイスウエハ100は、シリサイド領域610と、キャビティ110に形成されたMEMSデバイス120とを含むものとして示されている。
【0048】
MEMSデバイス100を封止するために、必要な熱および圧力が加えられる共晶接合中に、構造280に存在するアルミニウムおよびゲルマニウムは、それらの相を固体から液体に変化させ、その後にAlGe共晶融液を形成し、シリサイド領域610および/または710において存在するシリコン原子と三元AlGeSiを形成する。本発明の実施形態に従って、シリコン原子をAlGe共晶融液に組み込むと、共晶点温度が上昇し、したがって融液が凝固し、その流れを制御/制限する。
【0049】
図16の蓋ウエハ700は、シリサイド領域710の上にアルミニウム層750およびゲルマニウム層760を含むように示されているが、他の実施形態では、アルミニウム層750とシリサイド領域710との間に、他の材料(図示せず)を含む1つ以上の層があり得ることが理解される。さらに、図16の蓋ウエハ700は、各アルミニウムおよびゲルマニウムの単一層のみを含むように示されているが、他の実施形態(図示せず)では、蓋ウエハ700がその上に交互に堆積されたアルミニウムとゲルマニウムの複数の層を含むことができることが理解される。さらに、図16に示す実施形態では、デバイスウエハ100は、その基板に形成されたシリサイド領域610のみを含むものとして示されているが、デバイスウエハ100の他の実施形態は、シリサイド領域610の上に配置された1つまたは複数の層を含むことができることが理解される。
【0050】
図17は、本発明の別の例示的な実施形態による、蓋ウエハ700で覆われた上面を有するデバイスウエハ100の断面図である。デバイスウエハ100は、デバイスウエハ100のシリサイド領域610上に配置されたAlGe構造280を集合的に形成するアルミニウム層250およびゲルマニウム層260を含むものとして示されている。デバイスウエハ100は、部分的にキャビティ110に形成されたMEMSデバイス120を含むものとしても示されている。蓋ウエハ700は、蓋ウエハ700のシリサイド領域710の上に配置されたAlGe構造780を集合的に形成するアルミニウム層750およびゲルマニウム層760を含むものとして示されている。
【0051】
MEMSデバイス100を封止するために、必要な熱および圧力が加えられる共晶接合中に、アルミニウムおよびゲルマニウムは固体から液体に変化し、AlGe共晶融液を形成する。 AlGe共晶融液は、シリサイド領域610および/またはシリサイド領域710に存在するシリコン原子と反応して、三元AlGeSiを形成する。本発明の実施形態によれば、Si原子をAlGe共晶融液に組み込むと、共融点温度が上昇し、したがって、融液の流れを制御および制限しながら融液を凝固させる。
【0052】
図17には示されていないが、例えば図11に示されるように、シリサイド領域610および710がそれぞれの基板表面上に形成され得ることが理解される。さらに、示されないが、他の材料の1つ以上の層が、デバイスウエハ100のシリサイド領域610とアルミニウム層250の間、および/または蓋ウエハ700のシリサイド領域710とアルミニウム層750の間に配置することができる。さらに、図17には、デバイスと蓋ウエハのそれぞれの上のアルミニウム及びゲルマニウムのそれぞれの層のみを含むことが示されているが、他の実施形態(図示せず)では、デバイスおよび蓋ウエハの両方が、交互に堆積されたアルミニウムおよびゲルマニウムの複数の層を含み得ることが理解される。
【0053】
図18は、本発明のさらに別の例示的な実施形態による、蓋ウエハ700で覆われた上面を有するデバイスウエハ100の断面図である。デバイスウエハ100は、デバイスウエハ100のシリサイド領域610の上に配置されたAlGeステップ構造280を集合的に形成するためにパターニングおよびエッチングされるアルミニウム層250とゲルマニウム層260とを含むものとして示されている。デバイスウエハ100は、部分的にキャビティ110に形成されたMEMSデバイス120を含むものとしても示されている。蓋ウエハ700は、蓋ウエハ700のシリサイド領域710の上に配置されたゲルマニウム層750を含むものとして示されている。
【0054】
MEMSデバイス100を封止するために、必要な熱および圧力が加えられる共晶接合中に、アルミニウムおよびゲルマニウムは、固体から液体に変化してAlGe共晶融液を形成し、シリサイド領域610および/または710に存在するシリコン原子と反応して三元AlGeSiを形成する。本発明の実施形態によれば、Si原子をAlGe共晶融液に組み込むと、共融点温度が上昇し、したがって、融液の流れを制御および制限しながら融液を凝固させる。
【0055】
図17には示されていないが、例えば図11に示されるように、シリサイド領域610および710はそれぞれの基板表面上に形成され得ることが理解される。さらに、示されていないが、他の材料の1つ以上の層を、デバイスウエハ100のシリサイド領域610とアルミニウム層250の間、および/または蓋ウエハ700のシリサイド領域710とゲルマニウム層750の間に配置することができる。さらに、図17の実施形態は各デバイスおよび蓋ウエハ上のアルミニウムおよびゲルマニウムのそれぞれ単一層のみを含むように示されているが、他の実施形態(図示せず)では、デバイスおよび蓋ウエハの両方が交互に堆積されたアルミニウムおよびゲルマニウムの複数の層を含み得ることが理解される。
【0056】
図19は、本発明の別の例示的な実施形態による、蓋ウエハ700で覆われた上面を有するデバイスウエハ100の断面図である。デバイスウエハ100は、そのシリサイド領域610の上に形成されたゲルマニウム層260を含むものとして示されている。デバイスウエハ100は、キャビティ110内に形成されたMEMSデバイス120を部分的に含むものとしても示されている。蓋ウエハ700は、パターン化およびエッチングされて蓋ウエハ700のシリサイド領域710の上に配置されたAlGe構造780を集合的に形成するアルミニウム層750及びゲルマニウム層760を含むものとして示されている。
【0057】
MEMSデバイス100を封止するために、必要な熱および圧力が加えられる共晶接合中に、アルミニウムおよびゲルマニウムは、固体から液体に変化してAlGe共晶融液を形成し、その後、シリサイド領域610および/または710に存在するシリコン原子と反応して三元AlGeSiを形成する。本発明の実施形態によれば、Si原子をAlGe共晶融液に組み込むと、共融点温度が上昇し、したがって、融液の流れを制御および制限しながら融液を凝固させる。
【0058】
図19には示されていないが、例えば図11に示されるように、シリサイド領域610および710はそれぞれの基板表面上に形成され得ることが理解される。さらに、示されていないが、他の材料の1つ以上の層を、デバイスウエハ100のシリサイド領域610とゲルマニウム構造260の間、および/または蓋ウエハ700のシリサイド領域710とアルミニウム層750の間に配置することができる。さらに、図19の実施形態は、蓋ウエハ700上のアルミニウムとゲルマニウムのそれぞれ単一の層のみを含むものとして示されているが、他の実施形態(図示せず)では、蓋ウエハは、その上に交互に堆積されたアルミニウムおよびゲルマニウムの複数の層を含み得ることが理解される。
【0059】
図20は、本発明の例示的な一実施形態によるMEMSデバイス800の簡略化された上面レイアウト図である。 MEMS800の中心近くに配置されているのは、駆動質量810である。デバイスの周辺に沿って形成されるのは、シリサイド層810である。シリサイド層の上には、アルミニウムゲルマニウムスタック層830が位置する。また、例えば、TiN/Al/TiNスタック層840から形成された多数のルーティング相互接続830も示されている。図20には、2つの領域、すなわちTiN/Al/TiNの領域850および領域870が識別される領域870も示されている。これら2つの領域のアルミナ層(これらの図には示されていない)は、シリサイド層230の下に、かつアルミニウムゲルマニウムスタック層830の上に電気的接続を提供する開口部を有する。
【0060】
図21は、図20の領域860に示される構造のより詳細な図を提供する。領域860は、シリサイド層820、アルミニウムゲルマニウムスタック層830、およびTiN/Al/TiNスタックルーティング層840を含むものとして示される。領域870は、円形TiN/Al/TiNスタック層840を含むものとして示されている。図22Aは、アルミナ層に形成された開口部845を示す領域860のより詳細な図を提供する。簡単にするために、アルミニウムゲルマニウムスタック層830およびアルミナ層は図22Aには示されていない。図22Aには、TiNライナーを備えたプラグ経由のタングステン855も示されている。図22Bは、アルミナ層に形成された開口部845を示す領域870のより詳細な図を提供する。簡単にするために、アルミニウムゲルマニウムスタック層830およびアルミナ層は図22Bには示されていない。図22Bには、TiNライナーを備えたプラグ経由のタングステン855も示されている。
【0061】
本発明の上記の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではない。本発明の実施形態は、MEMSデバイスのタイプによって限定されない。本発明の実施形態は、本明細書に記載の様々な層および構造を形成するのに必要な堆積、パターニング、エッチング、および他の半導体処理ステップのタイプによって制限されない。本発明の実施形態は、本明細書に記載の層の特定の厚さに限定されない。本発明の実施形態は、上述の材料/層に限定されない。したがって、上記のさまざまな層の間に他の半導体材料が存在し得ることが理解される。他の追加、減算、または修正は、本開示を考慮すると明らかであり、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B