(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】デュアルルーメンIVスパイク付き液体移送装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/162 20060101AFI20220113BHJP
A61J 1/20 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A61M5/162
A61J1/20 314B
(21)【出願番号】P 2020553506
(86)(22)【出願日】2020-01-13
(86)【国際出願番号】 IL2020050048
(87)【国際公開番号】W WO2020222220
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2020-11-04
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518123372
【氏名又は名称】ウェスト ファーマ サービシーズ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルエル ヨッシ
(72)【発明者】
【氏名】ファブリカント エリシェヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ベン シャロム ニヴ
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3205560(JP,U)
【文献】米国特許第07896849(US,B2)
【文献】特表2009-513294(JP,A)
【文献】国際公開第2011/025719(WO,A1)
【文献】特表2005-537048(JP,A)
【文献】国際公開第2018/104932(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
A61M 5/162
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液を収容し輸液を投与するための静脈投与ポートを有する輸液コンテナ、バイアルストッパにより密封された薬物添加剤を含むバイアル、ならびにIVポートスパイクおよび患者への投与目的のコネクタを含む注入セット、の各々と共に使用される液体移送装置であって、
バレルを規定する第1の端部と、単一IVスパイクを規定する第2の端部と、バイアルアダプタルーメンを規定する第3の端部とを含むモノリシック三股コネクタ本体と、
前記バレルに接続され、前記注入セットの前記IVポートスパイクを密閉して受け取るように構成されたIVポートと、
前記バイアルアダプタルーメンを有し、前記バイアルに
取り付け可能に構成されたバイアルアダプタと
を備え、
前記バイアルアダプタは、前記バイアルアダプタルーメンと流体連結されたバイアルスパイクを含み、
前記バイアルスパイクは、前記バイアルアダプタを前記バイアルに取り付けたときに前記バイアルストッパに穴を開けて、前記バイアルとの流体連絡するように構成されており、
前記単一IVスパイクは、前記輸液コンテナの前記静脈投与ポートに密封挿入するように構成されており、第1のIVスパイクルーメンと第2のIVスパイクルーメンとを有し、
前記第1のIVスパイクルーメンは、その近位端において、前記三股コネクタ本体を介して前記バイアルアダプタルーメンのみと流体連結され、第1の周辺配置遠位開口を有し、
前記第2のIVスパイクルーメンは、その近位端において、前記三股コネクタ本体を介して前記IVポートのみと流体連結され、第2の周辺配置遠位開口を有し、
これにより、前記バイアルアダプタと前記
単一IVスパイクとの間の流体連絡を、前記IVポートと前記
単一IVスパイクとの間の流体連絡から分離すると同時に、前記バイアルアダプタと前記第1のIVスパイクルーメンを介して前記バイアルから前記輸液コンテナへの薬物添加剤の初期導入を可能にし、前記輸液と前記薬物添加剤との混合により薬用輸液を形成し、そののち、前記輸液コンテナから前記第2のIVスパイクルーメンおよび前記IVポートを介して前記注入セットへの前記薬用輸液の患者への投与を可能にする
液体移送装置。
【請求項2】
前記第1のIVスパイクルーメンは、前記バイアルアダプタルーメンのみと直接的かつ連続的に流体連結されている
請求項1記載の液体移送装置。
【請求項3】
前記第2のIVスパイクルーメンは、前記IVポートのみと直接的かつ連続的に流体連結されている
請求項2記載の液体移送装置。
【請求項4】
前記IVポートは、前記バレルに対し恒久的に固定されている
請求項1から3のいずれか1項に記載の液体移送装置。
【請求項5】
前記第1のIVスパイクルーメンは、前記第2のIVスパイクルーメンよりもさらに遠位に延在し、それにより、前記第1の周辺配置遠位開口は前記
単一IVスパイクに沿って前記第2の周辺配置遠位開口よりも遠位に離間されている
請求項1から4のいずれか1項に記載の液体移送装置。
【請求項6】
プランジャチューブルーメンの内部に規定するプランジャチューブを含むプランジャをさらに備え、
前記バレルは、前記
第2のIVスパイクルーメンと流体連結され、前記プランジャチューブを密封的かつスライド可能に受け入れる内部チャンバを規定する
請求項1から5のいずれか1項に記載の液体移送装置。
【請求項7】
前記プランジャチューブは、その近位端において前記IVポートと流体連結されると共にその遠位端に逆止弁を含んでおり、それにより、前記IVポートは、前記逆止弁の開位置で前記第2のIVスパイクルーメンと流体連結され、前記逆止弁の閉位置で前記第2のIVスパイクルーメンとの流体連結が切断されるようになっている
請求項6に記載の液体移送装置。
【請求項8】
前記第1のIVスパイクルーメンおよび第2のIVスパイクルーメンは、互いに平行に延在している
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の液体移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、液体移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
患者に投与される輸液を収容する従来の輸液容器は、一般に、輸液バックや輸液ボトルなどの形態をとる。事前に充填された注射器またはバイアルは、一般に、液体移送装置を介して輸液内容物に高濃度の薬物を添加して、希釈された薬用輸液を形成するために利用される。そののち、IVスパイクを含む注入セットを液体移送装置のIVポートに挿入することにより、薬用輸液内容物を患者に注入することができる。薬物の一部を高濃度の原液のまま注入される患者のリスクを最小化することは、患者の安全のために重要なことである。
【0003】
本開示は、分離されたルーメンを有する液体移送装置の有利な製造を実現する。ひとつのルーメンは、高濃度の薬液を輸液と混合するためのものであり、もう1つのルーメンは、患者に希釈されていない高濃度の薬液が注入されるのを予防するための追加の手段として、希釈された薬液を注入セットに移送するためのものである。本開示は、追加的もしくは代替的に、患者に対する薬用輸液内容物を投与する前に、IVポートと、薬用輸液内容物に接続されたポートとの間のルーメンの内部の液体との混合が可能な液体移送装置の有利な構造を実現する。
【0004】
簡潔に言えば、本開示は、輸液を収容し、その輸液を投与するための静脈用(IV)ポートを有する輸液容器、バイアルストッパにより密封された薬用添加剤を収容するバイアル、ならびに、IVポートへの挿入を密封するためのIVスパイクおよびコネクタなどを含む、患者への投与目的のための注入セット、をそれぞれ使用するように構成された液体移送装置に関するものである。この液体移送装置は、バレルを規定するモノリシック三股コネクタ本体を第1の端部に含み、単一のIVスパイクを第2の端部に含み、バイアルアダプタルーメンを第3の端部に含んでいる。IVポートはバレルに接続されており、注入セットのIVスパイクを密封して受け取るように形成されている。バイアルアダプタは、バイアルアダプタルーメンに恒久的に固定され、バイアルに対し伸縮自在に搭載されるようになっている。バイアルアダプタは、バイアルアダプタルーメンに流動可能に接続され、バイアルに取り付けたときにバイアルストッパに穴を開けてバイアルアダプタルーメンとの流れの連絡をとるように構成されたバイアルスパイクを含んでいる。単一のIVスパイクは、輸液容器のIVポートに密封された状態を維持しつつ挿入されるようになっている。単一のIVスパイクは、第1のIVスパイクルーメンを有する。第1のIVスパイクルーメンの近位端は三股コネクタ本体を介してバイアルアダプタルーメンのみと流動可能に接続されている。単一のIVスパイクは、第2のIVスパイクルーメンを有する。第2のIVスパイクルーメンの近位端は、三股コネクタ本体を介してIVポートのみと流動可能に接続されている。したがって、バイアルアダプタと単一のIVスパイクとの間の流体連結(fluid communication)は、IVポートと単一のIVスパイクとの間の流体連結から分離されている。一方で、バイアルアダプタ、および輸液と混合して薬用輸液を形成するための第1のIVスパイクルーメンとを介して、バイアルから輸液容器への薬剤添加剤の最初の導入を可能にし、さらに、輸液容器から第2のIVスパイクルーメンおよびIVポートを介して注入セットに至るまで、患者への薬用輸液のその後の投与を可能にしている。第1のIVスパイクルーメンは、第1の周辺配置遠位開口を有し、第2のIVスパイクルーメンは、第2の周辺配置遠位開口を有する。
【0005】
簡潔に言えば、本開示の別の態様は、モノリシック三股コネクタ本体を備えた液体移送装置の使用方法に関するものである。その液体移送装置は、バレルを規定するモノリシック三股コネクタ本体を第1の端部に含み、単一のIVスパイクを第2の端部に含み、バイアルアダプタルーメンを第3の端部に含んでいる。その方法は、バイアルアダプタルーメンに恒久的に固定されたバイアルアダプタを、薬剤添加物を含むバイアルに取り付けるステップと、続いて、バイアルアダプタルーメンに流通可能に接続されたバイアルアダプタのバイアルスパイクによりバイアルストッパに穴をあけるステップと、輸液を収容する輸液容器のIVポートに、単一のIVスパイクにより穴をあけるステップと、バイアルアダプタルーメンおよび単一のIVスパイクの第1のIVスパイクルーメンを介して薬用輸液を取得するため、輸液容器内の輸液にバイアル内の薬剤添加剤を追加する(すなわち、薬剤添加剤を輸液と混合する)ステップと、を含んでいる。第1のIVスパイクルーメンは、その近位端が、三股コネクタ本体を介してバイアルアダプタルーメンのみと流通可能に接続されており、単一のIVスパイクの遠位端と近接した第1の周辺配置遠位開口を有している。この方法は、注入セットのIVスパイクを液体移送装置のIVポートに挿入するステップをも含んでいる。液体移送装置のIVポートは、単一のIVスパイクにおける第2のIVスパイクルーメンに流通可能に接続されている。第2のIVスパイクルーメンは、その近位端がIVポートのみと流通可能に接続されており、単一のIVスパイクの遠位端と近接した第2の周辺配置遠位開口を有している。それにより、患者に対し薬用輸液を投与するため注入セットを輸液容器に流通可能に接続されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の態様に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことにより、よりよく理解されるであろう。しかしながら、本開示は、以下に示された正確な配置および手段に限定されるものではないことを理解されたい。
【0007】
【
図1A】
図1Aは、本開示に係る液体移送装置に使用可能な、バッグ状の形態を有する輸液容器の正面図である。
【
図1B】
図1Bは、本開示に係る液体移送装置に使用可能な、フレキシブルボトルの形態を有する輸液容器の正面図である。
【
図1C】
図1Cは、本開示に係る液体移送装置に使用可能な、予め充填された針無注射器およびバイアルの正面図である。
【
図1D】
図1Dは、本開示に係る液体移送装置に使用可能な、注入セットの正面図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示の第1の実施態様に係る、押し下げられたプランジャ構造を有する液体移送装置の斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、
図2Aに示した液体移送装置の、2B-2B線に沿った断面の正面図である。
【
図3】
図3は、シリンジプランジャおよび
図2Aに示した液体移送装置のIVポートを表す斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の、引き出されたプランジャ構造を有する液体移送装置を表す斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、
図4に示した液体移送装置の、4B-4B線に沿った断面の正面図である。
【
図5】
図5は、代替的に構成されたIVスパイクを有する液体移送装置の他の態様の断面の正面図である。
【
図6】
図6は、代替的に構成された他のIVスパイクを有する、
図2Aに示した液体移送装置における2B-2B線に沿った断面の正面図である。
【
図7A】
図7Aは、
図2Aの液体移送装置のバイアルアダプタの一態様の拡大断面正面図である。
【
図7B】
図7Bは、
図2Aの液体移送装置のバイアルアダプタの他の態様の拡大断面正面図である。
【
図8】
図8は、本開示の第2の実施態様に係る液体移送装置の斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8の液体移送装置の、9-9線に沿った断面の正面図である。
【
図10】
図10は、
図8の液体移送装置における、三股コネクタ本体と、IVポートなどの細長い接続部材との間の代替的なアタッチメントの部分拡大分解斜視図である。
【発明の概要】
【0008】
以下の説明では、便宜上、特定の用語が使用されているが、本開示はこれに限定されるものではない。「下」、「下」、「上」および「上」という語句は、参照される図面内の方向を示す。内向き、「外向き」「上向き」および「下向き」という語句は、本開示において、液体移送装置の幾何学的中心およびその指定された部分にそれぞれ向かう方向および離れる方向を指す。本明細書に特記がない限り、「1つの」という語句は、1つの構成要素に限定されるものではなく、その代わりに「少なくとも1つの」と意として解釈されるべきである。特定の用語には、上記の単語、その派生語、および同様の意味の単語が含まれる。
【0009】
本開示の構成要素の寸法や性質に関して本明細書で用いられる「約(about)」、「おおよそ(approximately)」、「一般的に(generally)」、「実質的に(substantially)」などの用語は、記載された寸法や性質が厳密な境界やパラメータではないし、機能的に類似である、それらの僅かな変更を排除するものでもないことを意味すると理解されるべきである。少なくとも、数値パラメータを含むそのようなリファレンスは、当該技術分野で受け入れられている数学的および工業的原則(例えば、丸め、測定または他の系統的誤差、製造公差など)を使用して、最下位桁の数値を変化させないバリエーションを含むであろう。同じ数字が同じ構成要素を示すいくつかの図面を参照する。
図2A-6に示されたように、本開示の第1の実施の形態に係る液体移送装置30は、輸液を含む輸液容器と、添加剤移送装置との組み合わせで使用することを意図したものである。図示された実施の形態では、液体移送装置30は、輸液バッグ10(
図1A)の形態の輸液容器と共に使用することを意図したものである。本技術分野の当業者によって理解されるように、従来の輸液バック10は、静脈内投与ポート14および添加剤ポート16と流体連絡する輸液を収容するリザーバ12を含んでいる。輸液バッグ10は、それ自身から輸液を投与することで潰すことができる。液体移送装置30は、また、フレキシブルボトル18(
図1B)などの形態の輸液容器と共に用いてもよい。図示した態様の液体移送装置30は、密封されたバイアル20(
図1C)の形態の添加剤移送装置と共に使用することを意図している。バイアル20は、一般的に、患者に投与する前に再構成を必要とする、すなわち、患者に投与される薬液を形成するためにバッグ10内の輸液と混合する必要のある、高濃度の薬液添加剤や凍結乾燥粉末薬を含む。バイアル20の内容物は、(以下にさらに詳細に記載されるようにして)液体移送装置30を介して輸液バッグ10に導入される。
【0010】
液体移送装置30は、三股コネクタ本体32を含んでいる。
図2A-6に記載された態様では、三股コネクタ本体32は、第1の端部においてバレル34を、第2の端部において単一IVスパイク36を、第3の端部においてバイアルアダプタ38を、それぞれ規定するモノリシックボディである。しかし、本開示は(以下にさらに説明するように)それらに限定されるものではない。
図2B,4B,5に最もよく示したように、バレル34は、プランジャ40をスライド可能に受け入れるための開放近位端34bを含む内部チャンバ34aを規定する(以下にさらに説明されるように)。三股コネクタ本体32の第2の端部を規定するIVスパイク36は、輸液バッグ10と共に、すなわち、IVスパイク36をバッグ10の投与ポート14に密封して挿入するための液体移送装置30の使用を可能とする。IVスパイク36は、好ましくは剛性金属、高分子もしくは、例えばポリカーボネートなどのプラスチック材料により構成することができる。IVスパイクは、任意に、バッグ10の、投与ポート14に対する挿入深さを制限するために、IVスパイク36の表面の周囲を取り巻く段差35などの特徴を含んでいてもよい。ひとつの態様として、フランジ33は、コネクタ本体32を備えた射出成型モノリシック構造として形成され得る。但し、本開示はこれに限定されるものではない。スパイクキャップ(図示せず)は、IVスパイク36が使用されていないときに、IVスパイク36を取り外し可能に覆うことができる。
【0011】
図示したように、IVスパイク36は、バレル34と同方向に、および/または同軸に設けられており、2つのルーメン36a,36bを含んでいる。図示された構造では、ルーメン36a,36bは、互いにおおよそ平行に延びている。第1のIVスパイクルーメン36aは、近位端において、連続的かつ直接的に、バイアルアダプタルーメン37のみと流通可能に接続されている。バイアルアダプタルーメン37は、IVスパイク36から角度的に分岐されて、すなわち、枝分かれするように、バイアルアダプタ38の内部に設けられている。第1のIVスパイクルーメン36aは、第1の周辺配置遠位開口36cを含んでいる。
図2B,4B,5により明確に示したように、第1のIVスパイクルーメン36aは、その近位端においてバレルチャンバ34aと流通可能に接続されていない。第2のIVスパイクルーメン36bは、その近位端においてバレルチャンバ34aのみと直接的かつ流動的に接続可能である。第2のIVスパイクルーメン36bは、第1のIVスパイクルーメン36aの第1の遠位開口36cと分離されている第2の周辺配置遠位開口36dを含んでいる。第2のIVスパイクルーメン36bは、その近位端においてバイアルアダプタルーメン37と、もしくはIVスパイク36の長さに沿った任意のポイントにおいて流通可能に接続されていない。すなわち、IVスパイク36は、IVスパイク36を通って延びる2つの分離されたルーメン36a,36bを含んでおり、IVスパイク36内で接続されていない別個の流体経路を提供する。よって、バイアルアダプタ38とIVスパイク36との流体のつながりは、バレルチャンバ34aとIVスパイク36との流体のつながりとは分離されている。
【0012】
バイアルアダプタ38は、バイアル20の形態である添加剤移送装置と共に装置30の使用を可能にするためにバイアル20に搭載されるようになっている。ひとつの形態において、バイアルアダプタ38は、コネクタ本体32の第3の端部に一体に形成され得る。すなわち、バイアルアダプタルーメン37の末端と一体的に形成され、さもなければ、バイアルアダプタルーメン37の末端に恒久的に固定されて密封される。ただし、本開示はこれに限定されない。本明細書および請求の範囲を通じて用いられる「恒久的に固定され」とは、装置に、またはその一部に損傷を与えることなく分離することができない、取り外し不可能であることを意味する。ひとつの限定されない例として、バイアルアダプタ38は、バイアルアダプタルーメン37に超音波溶接されていてもよい。
【0013】
図7Aを参照すると、バイアルアダプタ38は、トップウォール38dと、可撓性および/またはフレアスカート38aと、バイアルスパイク38bを含んでいる。可撓性および/またはフレアスカート38aは、(標準的な方法で)バイアル20へ伸縮スナップフィットを取り付けるためのものである。バイアルスパイク38bは、バイアル20の内部と流体連絡するために、例えば、そのストッパを通してバイアル20を穿刺するためのものである。穴あけのためのバイアルスパイク38bは、バイアルアダプタルーメン37と流体連絡し、同様に、第1スパイクルーメン36aと流体連絡するルーメン38cを含んでいる。当業者であれば理解されるように、バイアルスパイク38bの内径、すなわち、ルーメン38cの直径、および/またはバイアルスパイク38bの外径は、意図された用途に適切な寸法にすることができる。
【0014】
図7Aの構造では、バイアルスパイク38bは、ベース部39を含んでいる。ベース部39は、バイアルスパイク38bの軸に対して概ね凹状である。バイアルアダプタ38は、バイアルアダプタ38がバイアル20に向けて押し下げられ、バイアルスパイク38bがストッパを通じて前進するときに、バイアル20のストッパに形成される裂け目から生じる漏れを最小化/保護するように構成され得る。
図7Bに示したように、ベース部39'の延在方向は、ベース部39'がおおよそ球根状の構成を有するように、バイアルスパイク38bの軸に対して概ね凸状である。バイアルアダプタ38がバイアル20に押し下げされてスパイク38bがバイアルストッパを通じて前進すると、ベース部39'はバイアルストッパの上面に向けて押し付けられ、バイアルストッパのうちの圧縮された材料が、バイアルストッパに形成された裂け目を取り囲んで密封することとなる。バイアルスパイク38bによるバイアルストッパの穿刺は、一般に、バイアルストッパの上面に窪みの形成を伴う。凸状のベース部39'は、その窪みを埋めるように構成され、それにより漏れを最小化/保護するようになっている。しかしながら、当業者によって理解されるべきであるように、現在知られている、またはのちに知られるようになる異なったシーリングベース部/手段は、バイアルスパイク38bとバイアル20の弾性ストッパとの隙間の漏れを最小化するのに用いることができる。さらに、現在知られている、またはのちに知られるようになるその他のバイアルアダプタ構造も代替手段として用いることができる。
【0015】
プランジャ40に目を向けると、
図2B,3,4Bおよび5に最もよく示されているように、プランジャ40は垂直に延びるプランジャチューブ46を含んでいる。プランジャチューブ46は、その内部に設けられたプランジャチューブルーメン46aを規定するものである。プランジャチューブ46は、当業者によく理解されている方法で間に挿入された周辺シール部材42(例えば、エラストマー材料などで構成されている)を介してバレル34とスライド可能に係合している。プランジャチューブ46は、プランジャチューブ46とバレル34の内部側壁との間に実質的に気密シールを形成しつつ、バレル34内でスライド可能となっている。プランジャチューブ46およびシーリング部材42は、バレル34と相まってバレルチャンバ34aの封止近位端を規定している。プランジャチューブ46は、逆止弁48で終端する遠位の延長ネック部分44を含んでいる。実施態様に図示するように、逆止弁48はダックビルバルブの形状を有し、エラストマー材料などで構成されるが、本開示はこれに限定されるものではない。逆止弁48は、例えば、ボール弁、シリコーンフラッパ弁、ダイヤフラム型弁、インライン弁、ストップチェック弁、リフト逆止弁など、本明細書に記載の逆止弁48の機能を実行することができる他のいくつかのタイプの一方向弁の形態をとることができるが、逆止弁48はこれらに限定されない。
【0016】
図示したように、IVポート50は、プランジャチューブ46の近位端と流体連結されている。 IVポート50は、ポート50の周辺の自由近位端に近接するツイストオフ部材50aと、そこから遠位に突出する細長い接続部材52とを含んでいる。接続部材52は、開放端(ツイストオフ部材50aと反対側の端部)を終端とするようにその内部に延在する内部ルーメン52aを有している。IVポート50の内部ルーメン52aは、プランジャルーメン46aと同じ方向に、および/またはプランジャルーメン46aと同軸に延在している。一実施態様として、IVポート50は、例えばPVCなどの適切な可撓性のポリマーもしくはプラスチック材料により構成され得る。図示した実施態様では、細長い接続部材52は、プランジャチューブ46と接合(例えば接着結合)されている。但し、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、これに限定されるものではないが、細長い接続部材52は、恒久的に固定され、回転可能にプランジャチューブ46に取り付けられることが可能である(例えば、
図8~10に応じてさらに以下に詳細に記載されているように)。
【0017】
IVポート50は、細長い接続部材52の内部に設けられ、内部ルーメン52aを横切るように封止する隔壁(septum)50bを含んでいる。したがって、ツイストオフ部材50aは、隔壁50bを越えて流体連結することがなく、取り除くことができるようになっている。隔壁50bを越える、例えばプランジャルーメン46aおよびその先との流体連結は、(以下にさらに詳細に記載するように)隔壁50bに穴を開けることのみにより実現される。ツイストオフ部材50aは、使用されるまで、IVポート50、特に隔壁50bを無菌に保持する。
【0018】
使用の際、液体移送装置30は、(上述したように)IVスパイク36を介して輸液バッグ10と連結され得る。そののち、ユーザは、遠位方向(例えばIVスパイク36から遠ざかる方向(
図4Aおよび
図4B))にプランジャ40を引き抜く。別の方法として、専用のハンドルを使用して、その移送のためにプランジャ40に取り付けることができる。遠位開口36dがバッグ10の内部の輸液に浸漬された状態でプランジャ40の引き抜きがなされると、輸液がバッグ10から遠位開口36dを通じて第2のIVスパイクルーメン36bからバレルチャンバ34aへ導かれる。ダックビルバルブ48は、プランジャ40が引き抜かれる際に、プランジャチューブルーメン46aへの輸液の流入を防ぐようになっている。当業者に理解されるように、プランジャ40の引き抜きは、バレルチャンバ34aの内部に真空を形成し、その結果、輸液バッグ10に対して圧力差が生じ、それにより輸液をバレルチャンバ34aに導かれることとなる。
また、理解されるように、輸液は、当業者によく理解される方法によって手動で排出されるまで、バレルチャンバ34aの内部および第2のIVスパイクルーメン36bの内部に留まる。
【0019】
輸液を輸液バッグ10からバレルチャンバ34aに導く前、もしくは導いたのち、液体移送装置30は、(上述したように)バイアルアダプタ38を介してバイアル20に結合され得る。ユーザは、バイアルアダプタルーメン37および第1のIVスパイクルーメン36aを介して、輸液バッグ10の内容物にバイアル20の収容物を混合させてもよい。すなわち、輸液バッグ10およびデバイス30を、例えばバイアル20がバッグ10の上方に位置するようにひっくり返すことにより、バイアル20の内容物が輸液バッグ10に流れ出るようにすることができる。バイアル20が凍結乾燥された(lyophilized)粉末薬剤を収容する場合、その薬剤は、同様の手法で再構成することができる。 バイアル20を液体移送装置30に接続したのち、輸液バッグ10はバイアル20の上方に保持され、その結果、輸液バッグ10からの輸液はバイアル20に流入し、バイアル20の内容物を再構成することとなる。次に、輸液バッグ10およびデバイス30は、上述したようにひっくり返され、再構成されたバイアル20の内容物がバッグ10に排出されることとなる。
【0020】
輸液バッグ10の内容物とバイアル20の内容物とを混合/結合し、混合/結合された輸液が輸液バッグ10に流入するように液体移送装置30の向きを決定したのち、プランジャ40は、第2のIVスパイクルーメン36bの遠位端/縁と係合するダックビルバルブ48の一部まで少なくとも押し下げられる。図示された実施態様において、ダックビルバルブ48のエラストマーのリップ/フラップの少なくとも1つは第2のIVスパイクルーメン36bの近位端41に隣接し、近位端41によって変位/圧縮され、それによって、流体の流れのためにダックビルバルブ48が開くようになっている。それは、プランジャ40が第2のIVスパイクルーメン36bの近位端/縁41と係合する位置に押し下げられた結果として生じる、ダックビルバルブ48のエラストマーのリップ/フラップの少なくとも1つに加えられる持続した圧力によるものである。バルブ48のエラストマーのリップ/フラップを互いに変位させ、それにより、それらの間のシールを破壊し、それを通る流体の流れを可能にする。そののち、ツイストオフ部材50aは、内部ルーメン52aへのアクセスを確保するために(よく知られた方法により)除去される。注入セット95(
図1D)のIVポートスパイク96は、内部ルーメン52aに密封挿入され、隔壁50bを完全に貫いており、その結果、IVポートスパイク96が、隔壁50bを貫いて内部ルーメン52aの残りの部分と流体連結され、次いで、患者に薬用輸液の投与のために、(開いたダックビルバルブ48を介して)プランジャルーメン46aおよび第2のIVスパイクルーメン36bと流体連結される。IVポートスパイク96は、通常、注入セット95のドリップチャンバ97aの端部から延びている。従来、注入セット95は、患者への輸液投与を制御するためのローラークランプ97c、オスのルアーコネクタ97d、および、ローラークランプ97cをドリップチャンバ97aに流体連結するためのチューブ97bをさらに含む。
【0021】
有利なことに、薬用輸液は、バイアル20に収容された高濃度薬物添加剤を輸液バッグ10に収容された輸液と混合するためのみに利用される第1のIVスパイクルーメン36aを介してではなく、第2のIVスパイクルーメン36bを介して注入セット95と流体連結されている。よって、薬物添加剤の一部を希釈されていない高濃度の形態で患者に投与する可能性が、最小限に抑えられる。さらに、プランジャ40が(上述したように)押し下げられると、バレルチャンバ34a内の輸液は、第2のIVスパイクルーメン36bを通じて遠位開口36dから排出される。したがって、液体移送装置30を使用して輸液バッグ10の内容物とバイアル20の内容物とを混合したのち、第2のIVスパイクルーメン36bおよび遠位開口36dは、混合には使用しないが、輸液バッグ10から注入セット95への薬用輸液の移送のための使用の前に洗い流される。薬剤添加剤の一部を希釈せずに高濃度の形態で患者に投与する可能性をさらに最小限に抑えるためである。
【0022】
他の態様では、
図5に示したように、IVスパイク36'の遠位端は、第1のIVスパイクルーメン36a'が第2のIVスパイクルーメン36b'よりもさらに遠位に延在するように構成される。したがって有利なことに、第1の遠位開口36c'は、遠位開口36d'から距離dだけ離れている。それにより、第1の遠位開口36c'から希釈されていない高濃度の態様の薬用輸液が流出し、遠位開口36d'へ流入する機会をより最小化することができる。 距離dは、好ましくは約1.0mm以上、より好ましくは約2.5mm以上、最も好ましくは約4.0mm以上であるとよい。
【0023】
他の代替の態様では、
図6に示したように、IVスパイク36''が、単一の遠位開口36c''を備えた単一のルーメン36a''を含んでいる。この態様では、バレルチャンバ34aからの輸液の抜き取り、またはバレルチャンバ34aへの輸液の排出、および薬剤と輸液との混合が部分的に単一のルーメン36a''の共通部分を介して行われることを除き、
図2-4Bに示した態様と同様の方法により操作される。 上述したようにルーメン36a''の洗い流しは、輸液バッグ10の内容物とバイアル20の内容物との混合のステップと、注入セット95の接続を行うためのツイストオフ部材50aの除去のステップとの間に行われる。
【0024】
図11Aおよび11Bに示した好ましい態様では、流量制御弁43を装置に組み込んで、流量制御弁43の回転により、ユーザが単一ルーメン36a''に、バイアルアダプタルーメン37またはバレルチャンバ34aのいずれかを選択的に流体連結できるようにしてもよい。バルブ43は、
図11Aに示したように、プランジャチューブ46が引き抜かれたとき、バイアル20に収容された高濃度の薬物添加剤がバレルチャンバ34aに引き込まれるのを防ぐことができる。バイアル20の内容物と輸液バッグ10の内容物との混合の前に、
図11Bに示したように、バルブ43を回転させ、バイアルアダプタルーメン37と単一ルーメン36a''とを流体連結し、バレルチャンバ34aを密閉するようにしてもよい。プランジャチューブ46を押し下げるのに先立って、単一ルーメン36a''の内部の輸液を洗い流すために、 バルブ43を回転させて
図11Aに示した当初の位置に戻すようにしてもよい。
【0025】
他の代替態様では、バイアルアダプタ38が取り外し可能であってもよい。例えば、デバイスは、米国特許第8,551,067号に開示されている針無し添加剤制御バルブのようなバルブを備えていてもよく、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。そのようなバルブは、プランジャチューブ46を引き抜く前に、バイアルアダプタ38を取り外すことを可能にするであろう。次に、バルブを介してバイアルアダプタ38およびバイアル20が接続され、バイアル20における高濃度の内容物をバッグ20に流し込み、続いてプランジャチューブ46を押し下げて単一のルーメン36a ''を洗い流すようになっている。
【0026】
図8-10は、第2の実施態様としての液体移送装置130を示している。第2の実施形態の参照番号は、上記の第1の実施形態の構成(
図2A~7B)の参照番号に100を足したものと区別できるが、それ以外は、他の場合を除いて、上記と同じ要素を示している。本実施態様の液体移送装置130は、第1の実施態様の構成と類似している。したがって、したがって、実施形態間の特定の類似性および動作モードの説明は、簡潔さおよび便宜のために本明細書では省略されるが、限定されない。
【0027】
液体移送装置30に対する液体移送装置130の1つの違いは、コネクタ本体132の第1の端部の構成に関係する。
図8および
図9に示したように、プランジャ40は除去され、IVポート50は、バレル134に対し直接的かつ恒久的に固定されて密閉されている。すなわち、IVポート150もしくはバレル134の少なくとも1つまたはデバイス130のその他に損傷を与えることなく取り外し/除去ができないようになっている。したがって、単一IVスパイク136の第2のIVスパイクルーメン136bは、その近位端において、IVポート150における細長い連結部材152の内部ルーメン152aのみと直接かつ連続的に流体連結しており、バイアルアダプタルーメン137と流体連結されていない。単一IVスパイク136の第1のIVスパイクルーメン136aは、近位端においてバイアルアダプタルーメン137のみと連続的かつ直接的に流体連結しており、細長い連結部材152の内部ルーメン152aとは流体連結していない。
【0028】
図8および
図9に示したように、細長い連結部材152は、バレル134と接合、例えば接着接合されている。先に述べたように、細長い連結部材152は、バレル134に対し恒久的に固定されている。例えば
図10に示したように、バレル134は、開放端154aを有する係合部材154で終端している。係合部材154は、細長い接続部材152の内径および材料に応じてサイズ、寸法、材料などが構成され、内部ルーメン152aの内部に進入し、係合や摩擦、すなわち干渉を形成し、それらの間にフィットすることができる。当業者によって理解されるべきであるように、とげのある係合部材154の配向は、その内部ルーメン152aへの進入を可能にし、コネクタ本体132のバレル134の上方において同方向にIVポート150を密封しつつ確実に取り付ける。また、細長い接続部材152およびとげのある係合部材154の少なくとも1つを損傷することなく、係合部材154の引き抜きを実質的に防止するようになっている。
【0029】
示したように、係合部材154は円錐台形状をなしており、開放端154aから遠ざかるほど徐々に増大する径を有する。係合部材154の反対側の端部は、バレル134の直径よりも大きな直径を有し、その結果、細長い接続部材152からの引き抜きを試みると、細長い接続部材152の内側壁と環状リブ156との干渉が生じる。したがって、係合部材154は、組み立て中に細長い接続部材152の内部ルーメン152aの内部に進入可能であるが、その後は、損傷を引き起こすことなく容易に引き抜くことはできない。
【0030】
さらに、細長い接続部材152のリムは、開放端152bを規定しており、少なくとも1つの切り欠き158aを含んでいる。バレル134は、対応する少なくとも1つのラジアルタブ158bを含んでいる。ラジアルタブ158bはバレル134から突出しており、少なくとも1つの切り欠き158aと嵌合するようになっている。図示した実施態様では、細長い接続部材152は、角度間隔で設けられた複数の切り欠き158aを含み、バレル134は、それに対応する角度間隔で設けられた複数のタブ158bを含んでいる。タブ158bは、バレル134の係合部材154へのIVポート150の取り付けを行う際に切り欠き158aと嵌合して、液体移送装置130の残りの部分に対してIVポート150を回転しないように固定する。タブ158bはまた、バレル134と細長い接続部材152との間の相対回転を防止し、注入セット95に接続する前に、以下に述べるように、ツイストオフ部材150aを取り外すことを可能にする。
【0031】
使用にあたり、液体移送装置130は、バイアルアダプタ138を介してバイアル20と連結され得る。ユーザは、バイアルアダプタルーメン137および第1のIVスパイクルーメン136aを介してバイアル20の内容物と輸液バッグ10の内容物との混合を行うようにしてもよい。バイアル20の内容物と輸液バッグ10の内容物とを混合し、混合された液体が輸液バッグ10に流入するように液体移送装置130を配向したのち、ツイストオフ部材150aが(よく理解されている方法で)除去される。内部ルーメン152aへのアクセスを可能とするためである。注入セット95(
図1D)のIVポートスパイク96は、密閉されて内部ルーメン152aへ挿入され、完全に隔壁50bを貫くことでIVポートスパイク96が内部ルーメン152aの残りの部分と隔壁50bを越えて流体連結し、次いで、薬用輸液を患者に投与するための第2のIVスパイクルーメン136bと連結するようになっている。
【0032】
当業者は、その広範な発明概念から逸脱することなく、上記の実施形態に変更を加えることができることを理解されたい。例えば、バイアルアダプタの代わりに、三股コネクタ本体32,134は、その第3の端部に通常閉(NC)無針添加剤ポート(図示せず)を含み得る(注射器22またはバイアル20での使用の選択を可能にする)。別の例として、バイアルアダプタ38,138は、手動で操作されるストップコックなどによって置き換えることができる。さらに別の例として、液体移送装置30は、プランジャ40をその異なる位置に安定化および/またはロックするためのロック機構を含み得る。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されないが、添付の特許請求の範囲に記載されるように、本開示の精神および範囲内の修正をカバーすることを意図することが理解される。
【0033】
この出願は、2019年4月30日に出願された「デュアルルーメンIVスパイクを備えた液体移送装置」と題された米国仮特許出願第62/840,620号からの優先権および利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。