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  • 特許-湾曲コンロッドコンプレッサー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】湾曲コンロッドコンプレッサー
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20220113BHJP
   F16C 5/00 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
F04B39/00 107B
F16C5/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020564299
(86)(22)【出願日】2019-01-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 CN2019000008
(87)【国際公開番号】W WO2019153976
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】201810151909.5
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520289534
【氏名又は名称】▲談▼宇
【氏名又は名称原語表記】TAN, Yu
(73)【特許権者】
【識別番号】520289545
【氏名又は名称】▲談▼石元
【氏名又は名称原語表記】TAN, Shiyuan
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】▲談▼宇
(72)【発明者】
【氏名】▲談▼石元
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/210810(WO,A1)
【文献】米国特許第07021270(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
F16C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダー、前記シリンダーに組み付けられたピストン、ピストンピン、振りロッド、前記振りロッドのシュート内に組み付けられたクランクピン、クランクシャフト、前記振りロッドを備えた機台、および湾曲コンロッドであって、その一端が前記振りロッド上に組み付けられ、その他端が前記ピストンピンを介して前記ピストンに接続されている湾曲コンロッドを備える湾曲コンロッドコンプレッサーであって、
前記振りロッドは、前記クランクシャフトの回転により駆動された前記クランクピンによって押されて左右に移動し、前記振りロッドの左右の移動により、前記湾曲コンロッド及び前記ピストンが駆動されてシリンダー内を往復移動して圧縮仕事をし、
前記湾曲コンロッドは、第1の部分、第2の部分および第3の部分によって、形成されており、
前記湾曲コンロッドの前記第1の部分の第1の端部は、前記湾曲コンロッドの前記第2の部分の第1の端部に接続されており、前記湾曲コンロッドの前記第2の部分の第2の端部は、前記湾曲コンロッドの湾曲した尖部を形成するように、前記湾曲コンロッドの前記第3の部分の第1の端部に尖部のような屈曲した態様で接続されており、
前記湾曲コンロッドの前記第1の部分の第2の端部にピストンピン孔が形成され、前記湾曲コンロッドの前記第3の部分の第2の端部に組立孔が形成され、
前記ピストンピン孔と前記組立孔は、同一の第1の中心線に沿って配置されており、
第2の中心線は、前記湾曲コンロッドの前記第1の部分の中心線であり、前記ピストンピン孔に接続しており、前記湾曲コンロッドの前記第1の部分は、前記第2の中心線に沿って延在し、
第3の中心線は、前記湾曲コンロッドの前記第2の部分の中心線であり、前記湾曲コンロッドの前記第2の部分は、前記第3の中心線に沿って延在し、
第4の中心線は、前記湾曲コンロッドの前記第3の部分の中心線であり、前記湾曲コンロッドの前記第3の部分は、前記第4の中心線に沿って延在し、
前記第2の中心線および前記第3の中心線は第4の中心線に接続しており、
前記第1の中心線および前記第3の中心線は第1の角度を形成し、前記第1の中心線および前記第4の中心線は第2の角度を形成し、前記第2の中心線および前記第1の中心線は第3の角度を形成する、湾曲コンロッドコンプレッサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンプレッサーコンロッド類に関し、特に新らたに発明された湾曲コンロッドコンプレッサーに関する
【背景技術】
【0002】
図1図2は、従来のコンプレッサー製品の構造模式図である。図1図2に示すように、従来のコンプレッサーの主な構造は、コンプレッサーのシリンダー1、ピストン2、ピストンピン3、コンロッド4、振りロッド5、クランクピン6、及びクランクシャフト7等の構造を備え、クランクピン6は振りロッド5のシュート内に取り付けられ、コンロッド4は長方形のものである。コンプレッサーが作動している時、パワーマシンにより、クランクシャフト7を駆動して回転させ、クランクシャフト7の回転により、クランクピン6を駆動して振りロッド5を押して左右にスイングさせ、振りロッド5の左右の移動により、コンロッド4及びピストン2を駆動してシリンダー1内を往復に移動して圧縮仕事させ、圧縮仕事で発生された圧縮空気は、排気口から排出されて使用される。この構造のコンプレッサーでは、クランクシャフト7とクランクピン6との中心距離Lが短いため、ピストン2のストロークが小さく、排気量が小さく、効果が悪い。クランクシャフト7とクランクピン6との中心距離Lを増大させることは、コンプレッサーコンロッドによって制限される。本発明者は、継続的な研究、革新、実験を通じて、コンプレッサーコンロッドによって制限させることなく、クランクシャフトとクランクピンとの中心距離を増大させることがきる湾曲コンロッドコンプレッサーを発明し、これにより、ピストンのストロークを増大させ、排気量を増加させることができ、コンプレッサーの排気量の増加に大きく貢献した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
当該新型湾曲コンロッドコンプレッサーは、シリンダー8、ピストン9、ピストンピン10、湾曲コンロッド11、振りロッド12、クランクピン13、クランクシャフト14、機台15等の構造を備える湾曲コンロッドコンプレッサーである。機台15は、振りロッド12を備える。湾曲コンロッド11の一端は、振りロッド12に組み付けられる。湾曲コンロッド11の他端は、ピストンピン10を介してピストン9に接続される。ピストン9はシリンダ8に組み付けられており、クランクピン13は振りロッド12のシュート19内に組み付けられる。湾曲コンロッド11は、湾曲コンロッド11の第1の部分111、第2の部分112、および第3の部分113によって形成される。湾曲コンロッド11の第1の部分111の端部111Tは、湾曲コンロッド11の第2の部分112の端部112Fに接続されている。湾曲コンロッド11の第2の部分112の端部112Gは、湾曲コンロッド11の湾曲した尖部を形成するように、湾曲コンロッド11の第3の部分113の端部113Eに尖部のような屈曲した態様で接続されている。ピストンピン穴16は、湾曲コンロッド11の第1の部分111の端部111Nに配置されている。湾曲コンロッド11の第3の部分113の端部113Vには、組立穴17が配置されている。ピストンピン孔16と組立孔17は同一の中心線Aに沿って配置されている。中心線Bは湾曲コンロッド11の第1の部分111の中心線であり、ピストンピン穴16に接続している。湾曲コンロッド11の第1の部分111は、中心線Bに沿って延びる。中心線Cは、湾曲コンロッド11の第2の部分112の中心線であり、それに沿って、湾曲コンロッド11の第2の部分112が延びる。中心線Dは、湾曲コンロッド11の第3の部分113の中心線であり、組立穴17に接続している。湾曲コンロッド11の第3の部分113は、中心線Dに沿って延びる。中心線Bと中心線Cは中心線Dに接続している。中心線Aと中心線Cは角度R1をなし、中心線Aと中心線Dは角度R2をなし、中心線Bと中心線Aは角度R3をなす。
【発明の効果】
【0004】
本発明では、機台内には振りロッドが取り付けられ、湾曲コンロッドの一方の端は振りロッド上に組み立てられ、湾曲コンロッドの他方の端はピストンピンを介してピストンに接続され、ピストンはシリンダー内に取り付けられる。コンプレッサーが作動している時、パワーマシンにより、クランクシャフトを駆動して回転させ、クランクシャフトの回転により、クランクピンを駆動して振りロッドを押して左右にスイングさせ、振りロッドの左右の移動により、湾曲コンロッド及びピストンを駆動してシリンダー内を往復に移動して圧縮仕事させ、圧縮仕事で発生された圧縮空気は、排気口から排出されて使用される。この湾曲コンロッドコンプレッサーは、湾曲コンロッドがクランクピンの位置を避けたため、クランクシャフトの中心からクランクピンの中心までの距離を増大させ、ピストンのストロークを増大させ、排気量を増加させることができ、コンプレッサーの排気量の増加に大きく貢献した。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下、本発明の実施例の図面を参照しながら本発明を詳しく説明する。図面に記載されている実施例は、例示的なものであり、本発明を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。
図1】従来のコンプレッサー製品の構造模式正面図である。
図2】従来コンプレッサー製品のコンロッドの構造模式図である。
図3】湾曲コンロッドコンプレッサー製品の構造模式正面図。
図4】湾曲コンロッドコンプレッサーの湾曲コンロッドの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1~4を参照し、図3には、機台15内には振りロッドI12が組み立てられ、湾曲コンロッド11の一方の端は、振りロッドI12上に組み立てられ、湾曲コンロッド11の他方の端はピストンピンI10を介してピストンI9に接続され、ピストンは、シリンダー内に組み立てられ、クランクピン13は振りロッド12のシュート19内に組み立てられる。湾曲コンロッドコンプレッサーが作動している時、パワーマシンにより、クランクシャフト14を駆動して回転させ、クランクシャフト14の回転により、クランクピン13を駆動して振りロッド12を押して左右にスイングさせ、振りロッド12の左右の移動により、湾曲コンロッド11及びピストンを駆動してシリンダー内を往復に移動して圧縮仕事させ、圧縮仕事で発生された圧縮空気は、排気口から排出されて使用される。この湾曲コンロッドコンプレッサーは、湾曲コンロッド11がクランクピン13の位置を避けたため、クランクピンがコンプレッサーコンロッドによって制限される問題を解決し、クランクシャフト14の中心からクランクピン13の中心までの距離Nを増大させ、ピストンのストロークを増大させ、排気量を増加させることができ図4では、湾曲コンロッド11は、湾曲コンロッド11の第1の部分111、第2の部分112、および第3の部分113によって形成される。湾曲コンロッド11の第1の部分111の端部111T(第1の端部)は、湾曲コンロッド11の第2の部分112の端部112F(第1の端部)に接続されている。湾曲コンロッド11の第2の部分112の端部112G(第2の端部)は、湾曲コンロッド11の湾曲した尖部を形成するように、湾曲コンロッド11の第3の部分113の端部113E(第1の端部)に尖部のような屈曲した態様で接続されている。湾曲コンロッド11の第1の部分111の端部111N(第2の端部)には、ピストンピン穴16が形成されている。湾曲コンロッド11の第3の部分113の端部113V(第2の端部)には、組立穴17が形成されている。ピストンピン穴16と組立穴17は、同一の中心線A(第1の中心線)に沿って配置されている。中心線B(第2の中心線)は、湾曲コンロッド11の第1の部分111の中心線であり、ピストンピン穴16に接続している。湾曲コンロッド11の第1の部分111は、中心線Bに沿って延びる。中心線C(第3の中心線)は、湾曲コンロッド11の第2の部分112の中心線であり、それに沿って、湾曲コンロッド11の第2の部分112が延びる。中心線D(第4の中心線)は、湾曲コンロッド11の第3の部分113の中心線であり、それに沿って、湾曲コンロッド11の第3の部分113が延びる。中心線Bと中心線Cは中心線Dに接続している。中心線Aと中心線Cは角度R1(第1の角度)をなし、中心線Aと中心線Dは角度R2(第2の角度)をなし、中心線Bと中心線Aは角度R3(第3の角度)をなす。第1の部分の中心線Bと中心線Aとの間に形成される角度R3は、湾曲コンロッド11とシリンダ8の中心線Sとの間の角度を調整することができ、シリンダ8の中心線Sと湾曲コンロッド11の第1の部分111の中心線Bとの間の最小角度を得ることができる。
【0007】
上記実施例は、本発明の好適な実例に過ぎず、本発明の実施範囲を制限するものではない。本発明の技術は、様々なタイプ及び型番の湾曲コンロッドコンプレッサー製品を製造することができ、本発明の趣旨の範囲内に行った同等の変更または修正、湾曲コンロッドコンプレッサーの使用の原理、湾曲コンロッドコンプレッサーの技術特徴を有する様々なコンプレッサー製品、又は本発明に基づいて本分野公知技術を使用して行った改善と代替品は、いずれも本発明の特許保護の範囲に含まれる。
【0008】
以上のように、本発明に係る湾曲コンロッドコンプレッサーは、湾曲コンロッド構造がクランクピンの位置を避けるため、クランクピンがコンプレッサーコンロッドによって制限される問題を解決し、クランクシャフトの中心からクランクピンの中心までの距離を増大させ、ピストンのストロークを増大させ、排気量を増加させることができ、コンプレッサーの技術革新に大きく貢献した。
図1
図2
図3
図4