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特許7001867眼球運動評価支援システム及び眼球運動評価支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】眼球運動評価支援システム及び眼球運動評価支援方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/113 20060101AFI20220113BHJP
   A61B 5/398 20210101ALI20220113BHJP
【FI】
A61B3/113
A61B5/398
A61B3/113 ZDM
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021143957
(22)【出願日】2021-09-03
【審査請求日】2021-10-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000181826
【氏名又は名称】社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 隆明
(72)【発明者】
【氏名】中村 豪
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-161800(JP,A)
【文献】特表2000-502917(JP,A)
【文献】特開2005-278662(JP,A)
【文献】特表2017-506564(JP,A)
【文献】特開2015-177403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
A61B 5/398
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
6種類ある眼球筋の状態を評価するための眼球運動評価支援システムであって、
被験者の視点を検出する検出装置と、
制御装置と、
前記制御装置が出力した画像を表示する表示装置と、を備え、
前記制御装置は、
注視目標画像を含む注視タスク画像を前記表示装置に出力する注視タスク画像出力処理であって、前記注視目標画像を前記注視タスク画像の領域内の互いに異なる6箇所の位置に順次表示する注視タスク画像出力処理と、
追視目標画像を含む追視タスク画像を前記表示装置に出力する追視タスク画像出力処理であって、前記追視目標画像を前記追視タスク画像の領域内の互いに異なる複数の移動経路上を順次移動させる追視タスク画像出力処理と、
前記注視タスク画像出力処理の実行時に前記検出装置が検出した前記被験者の視点移動を表す注視タスク結果情報及び前記追視タスク画像出力処理の実行時に前記検出装置が検出した前記被験者の視点移動を表す追視タスク結果情報を生成し、前記注視タスク結果情報及び追視タスク結果情報を出力する結果出力処理と、
を実行し、
前記注視タスク画像出力処理における前記6箇所の位置は、前記注視目標画像を所定の基準位置の左方の位置、左斜め上方の位置、右斜め上方の位置、右方の位置、右斜め下方の位置、及び左斜め下方の位置の6箇所の位置であり、
前記追視タスク画像出力処理における前記複数の移動経路は、少なくとも、前記基準位置を通り上下方向に延びる第1経路と、前記基準位置を通り左右方向に延びる第2経路を含む、眼球運動評価支援システム。
【請求項2】
前記追視タスク画像出力処理における前記複数の移動経路は、
前記第1経路の左方において前記第1経路と平行に延びる第3経路と、
前記第1経路の右方において前記第1経路と平行に延びる第4経路と、
前記第2経路の上方において前記第2経路と平行に延びる第5経路と、
前記第2経路の下方において前記第2経路と平行に延びる第6経路と、を含む、請求項1に記載の眼球運動評価支援システム。
【請求項3】
前記制御装置は、注視タスク画像出力処理の実行時に前記検出装置が検出した前記被験者の視点移動に基づき眼振回数を算出する注視タスク評価処理を実行し、
注視タスク結果情報は、前記眼振回数、単位時間あたりの前記眼振回数又は単位時間あたりの前記眼振回数を点数化した値である、請求項1又は2に記載の眼球運動評価支援システム。
【請求項4】
前記制御装置は、追視タスク画像出力処理の実行時に前記検出装置が検出した前記被験者の視点移動に基づき眼振回数を算出する追視タスク評価処理を実行し、
追視タスク結果情報は、前記眼振回数、単位時間あたりの前記眼振回数又は単位時間あたりの前記眼振回数を指標化した値である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の眼球運動評価支援システム。
【請求項5】
前記追視タスク画像出力処理は、前記追視目標画像が前記画面上の互いに異なる複数の移動経路上を第1速度で順次移動する第1追視タスク画像と、前記追視目標画像が前記複数の移動経路上を前記第1速度よりも早い第2速度で順次移動する第2追視タスク画像を出力する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の眼球運動評価支援システム。
【請求項6】
前記検出装置は、前記被験者の左眼及び右眼の視点移動をそれぞれ検出し、
前記注視タスク結果情報は、前記注視タスク画像出力処理の実行時に前記検出装置が検出した前記被験者の左眼及び右眼のそれぞれの視点移動を表す情報であり、
前記追視タスク結果情報は、前記追視タスク画像出力処理の実行時に前記検出装置が検出した前記被験者の左眼及び右眼のそれぞれの視点移動を表す情報である、請求項1乃至5の何れか1項に記載の眼球運動評価支援システム。
【請求項7】
注視目標画像を含む注視タスク画像を出力し、前記注視タスク画像は前記注視目標画像が前記注視タスク画像の領域内の互いに異なる6箇所の位置に順次表示される画像であり、
被験者の視点を検出する検出装置が検出した前記注視目標画像を注視する前記被験者の視点移動を取得し、
追視目標画像を含む追視タスク画像を出力し、前記追視タスク画像は前記追視目標画像が前記追視タスク画像の領域内の互いに異なる複数の移動経路上を順次移動する画像であり、前記複数の移動経路は上下方向及び左右方向に延びる経路を含み、
前記検出装置が検出した前記追視目標画像を追視する前記被験者の視点移動を取得し、
前記注視目標画像を注視する前記被験者の視点移動を表す注視タスク結果情報を出力し、
前記追視目標画像を追視する前記被験者の視点移動を表す追視タスク結果情報を出力し、
前記注視タスク画像における前記6箇所の位置は、前記注視目標画像を所定の基準位置の左方の位置、左斜め上方の位置、右斜め上方の位置、右方の位置、右斜め下方の位置、及び左斜め下方の位置であり、
前記追視タスク画像における前記複数の移動経路は、少なくとも、前記基準位置を通り上下方向に延びる第1経路と、前記基準位置を通り左右方向に延びる第2経路である、眼球運動評価支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼球運動評価支援システム及び眼球運動評価支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼球運動障害を有する患者や眼球筋力が衰えた高齢者などは、眼球を意図したとおりに動かすことが出来ず、日常生活に支障をきたしたり、見えづらさを感じたりすることがある。眼球を意図したとおりに動かすためには、眼球を動かすための6つの眼球筋である上直筋、上斜筋、下直筋、下斜筋、外直筋、内直筋を上手く協調させながら収縮させることが不可欠である。したがって、眼球運動障害や眼球筋力が衰えている場合、6つの眼球筋のどの眼球筋が問題であるのかを正確に評価する必要がある。
【0003】
しかし、眼球筋の状態を評価する方法として現在実施されているのは、臨床スタッフが患者に臨床スタッフの指先を注視するように指示を与え、その際の患者の眼球の動きを目視で確認する方法によってである。このような方法では、患者の眼球筋のどの筋に問題が生じているのかは正確に評価できない。
【0004】
ただ、認知症などの脳疾患の脳機能検査において、有効な検査方法の一つとして、眼球運動検査が行われている。この眼球運動検査はあくまで脳疾患の鑑別、重症度等を判定するための補助的なデータを取得するための検査であり、眼球筋の状態を正確に評価するための検査ではないが、その脳機能検査としての有効性は証明されている。
【0005】
例えば、特許文献1に記載されている眼球運動計測装置が知られている。
この眼球運動計測装置は、一定方向に一定速度で移動する視標をディスプレイ上に表示する視標表示手段と、視標を追従する時の被検体の眼球を撮影して眼球画像を取得する眼球撮影手段と、撮像時間内の各画像フレームにおける黒目領域を検出する黒目領域検出手段と、画像フレーム間における黒目領域の移動量を算出して滑動性眼球運動を計測する運動計測手段と、連続する画像フレームにおいて黒目領域の移動が停留している停留回数を算出し、算出した停留回数を眼球運動のサッケード回数として算定するサッケード回数算出手段とを備えている。この眼球運動計測装置により、視標が右へと移動する間にサッケードを計測してサッケード回数を検出し、その結果により認知症の早期発見等の脳機能障害を判定している。
【0006】
また、特許文献2に記載されている眼球運動検査装置が知られている。
この眼球運動検査装置は、眼球運動を評価する指標を算出するために設けたもので、発光素子、撮像カメラ、画像処理回路、眼球運動計算部、映像表示部により構成される。そして、眼球運動検査では、眼球運動検査装置は、映像表示部の提示する画像内に複数の領域を設定し、何れかの領域に現れる目標物を探索する能力を測定するとともに、一定の時間間隔で画面上の位置が不規則に変化する複数の対象物の中から一定の方向に一定量だけ位置が変化する対象物を識別する能力を測定する。そして、眼球運動検査装置は、眼球運動を評価する指標を算出し、神経心理学検査装置により算出した評価する指標と合わせて多変量演算を行う。これによって、脳機能の検査精度を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017―189470号公報
【文献】特開2003―38443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の眼球運動計測装置、特許文献2に記載の眼球運動検査装置では、脳疾患の状態を判断するためのデータを得られても、6つの眼球筋の状態を正確に評価することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る眼球運動評価支援システムは、6種類ある眼球筋の状態を評価するための眼球運動評価支援システムであって、被験者の視点を検出する検出装置と、制御装置と、前記制御装置が出力した画像を表示する表示装置と、を備え、前記制御装置は、注視目標画像を含む注視タスク画像を前記表示装置に出力する注視タスク画像出力処理であって、前記注視目標画像を前記注視タスク画像の領域内の互いに異なる6箇所の位置に順次表示する注視タスク画像出力処理と、追視目標画像を含む追視タスク画像を前記表示装置に出力する追視タスク画像出力処理であって、前記追視目標画像を前記追視タスク画像の領域内の互いに異なる複数の移動経路上を順次移動させる追視タスク画像出力処理と、前記注視タスク画像出力処理の実行時に前記検出装置が検出した前記被験者の視点移動を表す注視タスク結果情報及び前記追視タスク画像出力処理の実行時に前記検出装置が検出した前記被験者の視点移動を表す追視タスク結果情報を生成し、前記注視タスク結果情報及び追視タスク結果情報を出力する結果出力処理と、を実行し、前記注視タスク画像出力処理における前記6箇所の位置は、前記注視目標画像を所定の基準位置の左方の位置、左斜め上方の位置、右斜め上方の位置、右方の位置、右斜め下方の位置、及び左斜め下方の位置の6箇所の位置であり、前記追視タスク画像出力処理における前記複数の移動経路は、少なくとも、前記基準位置を通り上下方向に延びる第1経路と、前記基準位置を通り左右方向に延びる第2経路を含む。
【0010】
この構成によれば、所定の基準位置に基づく注視タスクと追視タスクを実施するので、注視タスクの測定結果と追視タスクの測定結果を有機的に関連させて判断することができ、6種類ある眼球筋のそれぞれの状態を正確に評価することができる。これによって、臨床スタッフによる目視での評価において発生する眼球筋の異常を見落とす可能性を低減させることができ、6種類ある眼球筋のそれぞれの状態が正確に評価することができるので、治療のための訓練や対策が有効に実施できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、臨床スタッフによる目視での評価において発生する眼球筋の異常を見落とす可能性を低減させることができ、6種類ある眼球筋のそれぞれの状態が正確に評価することができるので、治療のための訓練や対策が有効に実施できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る眼球運動評価支援システムの構成例を示す図である。
図2図1の眼球運動評価支援システムの制御系統の構成例を概略的に示すブロック図である。
図3図1の眼球運動評価支援システムの注視タスク画像出力処理部が出力する注視タスク画像の構成例を示す図である。
図4図1の眼球運動評価支援システムの追視タスク画像出力処理部が出力する追視タスク画像の構成例を示す図である。
図5】眼球筋の説明図である。
図6図1の眼球運動評価支援システムの動作例を示すフローチャートである。
図7図1の眼球運動評価支援システムの結果出力処理部が出力する結果通知画像を示す図である。
図8図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果を示すグラフであり、注視タスクを実施した際の測定結果を示すグラフである。
図9図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果に対する評価を示す表であり、注視タスクに対する評価を示す表である。
図10図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果を示すグラフであり、被験者1が追視タスクを実施した際の測定結果を示すグラフである。
図11図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果を示すグラフであり、被験者2が追視タスクを実施した際の測定結果を示すグラフである。
図12図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果を示すグラフであり、被験者3が追視タスクを実施した際の測定結果を示すグラフである。
図13図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果に対する評価を示す表であり、上下方向、低速に係る追視タスクに対する評価を示す表である。
図14図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果に対する評価を示す表であり、上下方向、高速に係る追視タスクに対する評価を示す表である。
図15図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果に対する評価を示す表であり、水平方向、低速に係る追視タスクに対する評価を示す表である。
図16図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果に対する評価を示す表であり、水平方向、高速に係る追視タスクに対する評価を示す表である。
図17図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果に対する評価を示すレーダーチャートであり、注視タスクに対する評価を示すレーダーチャートである。
図18図1の眼球運動評価支援システムの実施例の測定結果に対する評価を示すレーダーチャートであり、追視タスクに対する評価を示すレーダーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0014】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成又はプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路及び/又はそれらの組み合わせ、を含む回路又は処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路又は回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、又は手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、又は、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラム又は構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、又はユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェア及び/又はプロセッサの構成に使用される。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る眼球運動評価支援システム100の構成例を示す図である。
【0016】
眼球運動評価支援システム100は、被験者Sの眼球運動能力の推定を支援するシステムであり、被験者Sに対して注視タスクと追視タスクの2つのタスクを含むタスクを実行し、実行結果を表示装置4に表示させて、表示された結果に基づき医師が被験者Sの眼球運動について評価を行うものである。注視タスクは、表示装置4の画面41に個別に表示された静止した注視目標画像TAを被験者Sに注視させて、被験者Sの眼筋の長さが変化しない静的な筋収縮の能力(等尺性収縮の能力)を検査するためのタスクである。追視タ
スクは、表示装置4の画面41に個別に表示された移動する追視目標画像TBを被験者Sに追視させて、被験者Sの眼筋の長さを動的に変化させる被験者Sの筋収縮の能力(等張性収縮の能力)を検査するためのタスクである。医師はこれら静止タスクと追視タスクの両方の検査結果により被験者Sの眼球運動について推定をする。
【0017】
なお、図5に示すように、眼球運動には、上直筋、上斜筋、内直筋、下直筋、下斜筋、及び外直筋の6つの眼筋が関与しており、眼球を動かす方向に応じて眼筋の関与度合いが異なる。眼球運動評価支援システム100は、6種類ある眼球筋の状態を評価するためのシステムであって、どの眼筋に問題が生じているかの評価を容易にするために、注視タスク及び追視タスクのそれぞれにおいて、被験者Sに対して複数のサブタスクを実行させる。
【0018】
図2は、眼球運動評価支援システム100の制御系統の構成例を概略的に示すブロック図である。図2に示すように、眼球運動評価支援システム100は、検出装置1と、CPU等で構成される制御装置2と、RAM、ROM等のメモリを有する記憶装置3と、表示装置4とを備える。制御装置2、記憶装置3、及び表示装置4は、PC、タブレット端末、スマートフォン、又は専用端末などのハードウェアが備える装置であってもよい。記憶装置3は、本実施の形態のプログラムや各種データ処理を行うための制御プログラムを記憶する。
【0019】
表示装置4は、例えばノート型パソコンのディスプレイ装置であり、表示装置4の画面41に制御装置2が出力した注視目標画像TAや追視目標画像TBを表示する。
【0020】
検出装置1は、被験者Sの視点を検出する装置であり、被験者Sの眼球動作を検出し、検出した眼球動作に基づき視点(注視点)の位置を算出する。本実施の形態において、検出装置1は、所定のサンプリング時間間隔で被験者Sの両眼それぞれの視点の位置を算出し、両眼の視点の位置の平均を被験者Sの視点位置とする。検出装置1が出力する視点位置は、左右方向におけるx座標及び垂直方向におけるy座標を有する座標で表現される。そして、検出装置1は、算出した視点位置を出力する。出力された被験者Sの視点位置の座標データは、制御装置2に入力される。
【0021】
制御装置2は、その機能的構成として、注視タスク画像出力処理部21と、追視タスク画像出力処理部22と、注視タスク評価処理部23と、追視タスク評価処理部24と、結果出力処理部25とを含む。制御装置2が所定のプログラムを実行することによって、上記の注視タスク画像出力処理部21と、追視タスク画像出力処理部22と、注視タスク評価処理部23と、追視タスク評価処理部24と、結果出力処理部25とが機能的に実現される。制御装置2により実行される上記プログラムは、例えば、記録媒体又はネットワークを介してインストールされる。
【0022】
図3は、注視タスク画像51の構成例を示す図である。図3に示すように、注視タスク画像出力処理部21は、注視タスクに用いる注視目標画像TAを含む注視タスク画像51を表示装置4に出力する処理を実行する。注視タスク画像51は、注視目標画像TAが当該注視タスク画像51の領域内の互いに異なる複数の注視目標画像表示位置に順次表示される動画像である。注視目標画像TAは、注視タスクにおいて、被験者Sに対し、顔を動かさない状態で視点を置く目標位置を指示するための画像であり、例えば、円、モグラのイラスト等、任意の画像を用いることができる。これによって、被験者Sは注視タスクを実行することができる。注視タスク画像51は、例えば画面41の表示領域全体の大きさと同じサイズの大きさの画像であり、全画面表示に適した画像である。注視タスク画像51は、注視タスク画像出力処理部21が各種設定情報に基づき生成する。しかし、これに代えて、記憶装置3に予め格納された注視タスク画像51を注視タスク画像出力処理部2
1が読み出して外部に出力してもよい。
【0023】
本実施の形態において、注視タスク画像51には、画像領域内に基準位置Aが設定されている。基準位置Aは、例えば注視タスク画像51の中央に設定されている。そして、表示装置4は、注視タスクを実行する被験者Sの正面に基準位置Aが位置するように配置される。また、注視タスク画像51には、注視目標画像表示位置として画像上に、基準位置Aの左方の位置である左位置A1と、基準位置Aの左斜め上方の位置である左上位置A2と、基準位置Aの右斜め上方の位置である右上位置A3と、基準位置Aの右方の位置である右位置A4と、基準位置Aの右斜め下方の位置である右下位置A5と、基準位置Aの左斜め下方の位置である左下位置A6とが設定されている。そして、左位置A1は、基準位置Aの水平方向左方に配置され、注視目標画像表示位置A1~A6は、基準位置Aを中心とするおよそ60度ごとの回転対称位置に配置している。
【0024】
そして、注視タスク画像51には、注視目標画像TAがこれらの位置A1~A6に所定時間ずつ順次表示される。このようにして、被験者Sは、注視タスクに含まれる、左位置A1を注視する第1サブ注視タスク、左上位置A2を注視する第2サブ注視タスク、右上位置A3を注視する第3サブ注視タスク、右位置A4を注視する第4サブ注視タスク、右下位置A5を注視する第5サブ注視タスク、及び左下位置A6を注視する第6サブ注視タスクを実行する。なお、注視目標画像TAが各注視目標画像表示位置に表示される順番は任意の順番とすることができる。また、順番はランダムに決定されてもよい。更に、注視タスク画像出力処理部21は、例えば、最初に基準位置Aに注視目標画像TAを表示してから、注視目標画像表示位置A1~A6に注視目標画像TAを表示してもよい。これによって、眼球運動評価支援システム100は、注視タスク実行時における顔の向きやディスプレイと顔との位置関係を推定することができる。
【0025】
なお、図5に示すように、被験者Sが左位置A1を注視する第1サブ注視タスクを実行するときの眼球の運動においては右眼の外直筋と左眼の内直筋が強く関与する。また、被験者Sが左上位置A2を注視する第2サブ注視タスクを実行するときの眼球の運動においては右眼の上直筋と左眼の下斜筋が強く関与する。更に、被験者Sが右上位置A3を注視する第3サブ注視タスクを実行するときの眼球の運動においては右眼の下斜筋と左眼の上直筋が強く関与する。また、被験者Sが右位置A4を注視する第4サブ注視タスクを実行するときの眼球の運動においては右眼の内直筋と左眼の外直筋が強く関与する。更に、被験者Sが右下位置A5を注視する第5サブ注視タスクを実行するときの眼球の運動においては右眼の上斜筋と左眼の下直筋が強く関与する。また、被験者Sが左下位置A6を注視する第6サブ注視タスクを実行するときの眼球の運動においては右眼の下直筋と左眼の上斜筋が強く関与する。
【0026】
図4は、追視タスク画像52の構成例を示す図である。図4に示すように、追視タスク画像出力処理部22は、追視タスクに用いる追視目標画像TBを含む追視タスク画像52を出力する処理を実行する。追視タスク画像52は、追視目標画像TBが追視タスク画像52の領域内の互いに異なる複数の追視タスク画像移動経路上を順次移動する動画像である。また、追視タスク画像移動経路には上下方向及び左右方向に延びる経路が含まれる。追視目標画像TBは、追視タスクにおいて、被験者Sに対し、視点を置く目標位置を指示するための画像であり、例えば、注視目標画像TAと同じ画像である。これによって、被験者Sは追視タスクを実行することができる。追視タスク画像52は、例えば画面41の表示領域全体の大きさと同じサイズの大きさの画像であり、全画面表示に適した画像である。追視タスク画像52は、追視タスク画像出力処理部22が各種設定情報に基づき生成する。しかし、これに代えて、記憶装置3に予め格納された追視タスク画像52を追視タスク画像出力処理部22が読み出して外部に出力してもよい。
【0027】
追視タスク画像52は、注視タスク画像51と同じく、追視タスク画像52の中央に基準位置Aが設定されている。また、追視タスク画像52は、追視タスク画像移動経路として画像上に、第1経路W1と、第2経路W2と、第3経路W3と、第4経路W4と、第5経路W5と、第6経路W6とが設定されている。第1経路W1は、基準位置Aを通り上下方向に延びる経路である。第2経路W2は、基準位置Aを通り左右方向に延びる経路である。第3経路W3は、第1経路W1の左方において第1経路W1と平行に延びる経路である。第4経路W4は、第1経路W1の右方において第1経路W1と平行に延びる経路である。第5経路W5は、第2経路W2の上方において第2経路W2と平行に延びる経路である。第6経路W6は、第2経路W2の下方において第2経路W2と平行に延びる経路である。そして、追視目標画像TBがこれら経路W1~W6上を双方向に順次往復移動する。なお、これに代えて、追視目標画像TBが追視タスク画像移動経路を一方向に移動してもよい。
【0028】
これによって、被験者Sは、第1経路W1上を移動する追視目標画像TBを追視する第1サブ追視タスク、第2経路W2上を移動する追視目標画像TBを追視する第2サブ追視タスク、第3経路W3上を移動する追視目標画像TBを追視する第3サブ追視タスク、第4経路W4上を移動する追視目標画像TBを追視する第4サブ追視タスク、第5経路W5上を移動する追視目標画像TBを追視する第5サブ追視タスク、第6経路W6上を移動する追視目標画像TBを追視する第6サブ追視タスクを実行する。なお、追視目標画像TBが各経路を移動する順番は任意の順番とすることができる。
【0029】
そして、上記の通り第1~第6経路W1~W6を配置することにより、被験者Sが各サブ追視タスクを実行するときの眼球の運動に強く関与する眼筋を互いに異なるものにできる。
【0030】
なお、追視タスク画像出力処理部22は、各サブ追視タスクにおいて、第1追視タスク画像と、第2追視タスク画像の2種類の画像を順次出力する。第1追視タスク画像は、追視目標画像TBが画面41上の移動経路上を第1速度で順次移動する画像である。第2追視タスク画像は、追視目標画像TBが移動経路上を第1速度よりも早い第2速度で順次移動する画像である。第1追視タスク画像を用いた各サブ追視タスクと第2追視タスク画像を用いた各サブ追視タスクとは、交互に実行されるように進められてもよく、また、第1追視タスク画像を用いた各サブ追視タスクが完了した後に第2追視タスク画像を用いた各サブ追視タスクが実行されるように進められてもよい。
【0031】
注視タスク評価処理部23は、被験者Sの注視タスクの実行結果を取得し、評価する処理を実行する。注視タスク評価処理部23は、例えば、検出装置1が検出した注視タスクを実行する被験者Sの視点移動に基づき眼振回数、眼振度及び眼振度を点数化した指標を算出する。眼振度は、例えば、眼振回数を当該眼振回数算出するために用いた視点の移動データに対応する計測時間で除した単位時間あたりの眼振回数である。以下、注視タスク評価処理部23が実行する処理の詳細について説明する。
【0032】
まず、注視タスク評価処理部23は、注視タスク画像出力処理部21が出力する注視タスク画像51において左位置A1に注視目標画像TAを表示した時間帯において、検出装置1から入力された被験者Sの視点の位置の移動データを第1サブ注視タスクの実行結果データとする。同様に、注視タスク評価処理部23は、左上位置A2に注視目標画像TAを表示した時間帯、右上位置A3に注視目標画像TAを表示した時間帯、右位置A4に注視目標画像TAを表示した時間帯、右下位置A5に注視目標画像TAを表示した時間帯、及び左下位置A6に注視目標画像TAを表示した時間帯において検出装置1から入力された被験者Sの視点の位置の移動データをそれぞれ第2、第3、第4、第5、及び第6サブ注視タスクの実行結果データとする。これらのデータは、被験者Sの視点のxy座標を時
系列に並べたデータである。
【0033】
次に、注視タスク評価処理部23は、各サブ注視タスクの実行結果データ毎に、眼振回数を算出する。注視タスク評価処理部23は、眼振回数の算出において、まず、各実行結果データに含まれる各視点Pの座標P=(x,y)の平均値Pa=(xa,xb)を算出する。
【0034】
次に、注視タスク評価処理部23は、例えば以下の通り、各視点Pと平均値Paとの距離Dのx方向成分及びy方向成分を算出する。
D=(dx,dy)・・・(1)
但し、
dx=|x-xa|
dy=|y-ya|
次に、注視タスク評価処理部23は、所定の閾値Dth=(dxth,dyth)と各サンプルのDとを比較し、距離Dのx方向成分dxがx方向成分の閾値dxth以上となった回数、及び距離Dのy方向成分dyがy方向成分の閾値dyth以上となった回数を個別に眼振回数としてカウントする。
【0035】
次に、注視タスク評価処理部23は、各サブ注視タスクの眼振度毎に、眼振回数を各サブタスクに係る実行時間で除して、単位時間あたりの眼振回数を算出し、これを眼振度とする。
【0036】
次に、注視タスク評価処理部23は、各サブ注視タスクの眼振度毎に、眼振度を点数化した指標である得点S(k=1、2・・・6)を算出する。注視タスク評価処理部23は、例えば以下の式に基づいて得点Sを算出する。
【0037】
【数1】
上記式(2)及び式(3)において、最小基準値p Min及び最大基準値p Maxは、例えば、非高齢者及び/又は健常高齢者と、眼球筋力の衰えが見られる高齢者とを区別できるように、統計的に及び/又は試行錯誤的に決定される。上記式を用いることにより、眼球運動能力が高いほど得点Sが高くなる。なお、得点Sの算出方法は上記のものに限定されるものではなく、上記以外の複数の指標値Pを算出して、総合得点STotalを算
出してもよい。
【0038】
このように眼振回数を点数化した指標を算出することにより、医師は被験者Sの眼筋の状態を容易に評価することができる。
【0039】
追視タスク評価処理部24は、被験者Sの追視タスクの実行結果を取得し、評価する処理を実行する。追視タスク評価処理部24は、検出装置1が検出した追視タスクを実行する被験者Sの視点移動に基づき眼振回数、眼振度及び眼振回数を点数化した指標を算出する。以下、追視タスク評価処理部24の処理の詳細について説明する。
【0040】
まず、追視タスク評価処理部24は、追視タスク画像出力処理部22が出力する追視タスク画像52において第1経路W1上を上端から下端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯において、検出装置1から入力された被験者Sの視点の位置の移動データを第1サブ追視タスクの実行結果データとする。同様に、第1経路W1上を下端から上端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯、第3経路W3上を上端から下端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯、第3経路W3上を下端から上端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯、第4経路W4上を上端から下端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯、第4経路W4上を下端から上端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯、第2経路W2上を左端から右端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯、第2経路W2上を右端から左端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯、第5経路W5上を左端から右端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯、第5経路W5上を右端から左端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯、第6経路W6上を左端から右端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯、及び第6経路W6上を右端から左端に向かって追視目標画像TBが移動するように表示した時間帯において、検出装置1から入力された被験者Sの視点の位置の移動データをそれぞれ第2~第12サブ追視タスクの実行結果データとする。
【0041】
次に、追視タスク評価処理部24は、各サブ追視タスク実行結果毎に眼振回数、眼振度、及び眼振度を点数化した指標を算出する。追視タスク評価処理部24は、例えば、眼振回数、眼振度、及び眼振度を点数化した指標を注視タスク評価処理部23における算出方法と同様の方法で算出する。
【0042】
そして、追視タスク評価処理部24は、各サブ追視タスク実行結果毎に算出した得点Sに対して、各サブ追視タスクを実行する上での各眼筋の関与度の大きさに応じて重みづけをして、右眼及び左眼のそれぞれについて、外直筋、上直筋、下斜筋、内直筋、上斜筋、及び下直筋の組み合わせ毎に合計点Sを算出する。この算出は、例えば式(4)に基づいて行う。
=ω+ω+・・・+ω ・・・(4)
但し、
ωは、得点Sに対する重み
【0043】
結果出力処理部25は、例えば図7に示す注視タスク結果情報IA及び追視タスク結果情報IBが含まれる画像を出力する。注視タスク結果情報IAは、注視タスク評価処理部23が算出した注視タスクにおいて検出装置1が検出した被験者Sの視点移動を表す情報を含む。追視タスク結果情報IBは、追視タスク評価処理部24が算出した追視タスクにおいて検出装置1が検出した被験者Sの視点移動を表す情報、単位時間あたりの眼振回数又は単位時間あたりの眼振回数を指標化した値を含む。注視タスク結果情報IA及び追視タスク結果情報IBに係る、検出装置1が検出した被験者Sの視点移動を表す情報は、例えば、図8に示すように、タスク実行結果データに含まれる各視点P=(x,y)をプロットしたグラフであり、結果出力処理部25がタスク実行結果データに基づき生成する。また、これに代えて、検出装置1が検出した被験者Sの視点移動を表す情報は、追視タスク評価処理部24が算出した眼振回数、追視タスク評価処理部24が算出した眼振度、及び追視タスク評価処理部24が算出した眼振度を点数化した値の少なくとも何れかを含む
情報であってもよい。
【0044】
図7は、結果出力処理部25が出力する画像の一例である。図7に示すように、注視タスク結果情報IAは、注視タスクにおける位置A1~A6それぞれの眼振度を点数化した値をレーダーチャートで表した図である。位置A1~A6それぞれの値は、各位置に対応する眼筋と関連付けて表示される。すなわち、左位置A1の値に対応する項目欄には、被験者Sがこの左位置A1を注視する運動に強く関与する右眼の外直筋及び左眼の内直筋を表示する。また、左上位置A2の値に対応する項目欄には、被験者Sがこの左上位置A2を注視する運動に強く関与する右眼の上直筋及び左眼の下斜筋を表示する。更に、右上位置A3の値に対応する項目欄には、被験者Sがこの右上位置A3を注視する運動に強く関与する右眼の下斜筋及び左眼の上直筋を表示する。また、右位置A4の値に対応する項目欄には、被験者Sがこの右位置A4を注視する運動に強く関与する右眼の内直筋及び左眼の外直筋を表示する。更に、右下位置A5の値に対応する項目欄には、被験者Sがこの右下位置A5を注視する運動に強く関与する右眼の上斜筋及び左眼の下直筋を表示する。また、左下位置A6の値に対応する項目欄には、被験者Sがこの左下位置A6を注視する運動に強く関与する右眼の下直筋及び左眼の上斜筋を表示する。これによって、6つの眼筋のうち等尺性収縮の能力が低下している可能性がある眼筋を分かりやすく医師に提示することができる。
【0045】
また、図7に示すように、追視タスク結果情報IBは、追視タスクにおける経路W1~W6の単位時間あたりの眼振回数を6つの眼筋ごとに重み付けした合計点Stをレーダーチャートで表した図である。これによって、6つの眼筋のうち等張性収縮の能力が低下している可能性がある眼筋を分かりやすく医師に提示することができる。
【0046】
[動作例]
次に、眼球運動評価支援システム100の動作例を説明する。
【0047】
図6は、眼球運動評価支援システム100の動作例を示すフローチャートである。
【0048】
まず、眼球運動評価支援システム100の動作に先立ち、医師は被験者Sに対して、この眼球運動評価には、注視タスクと追視タスクの2つが含まれること、及び各タスクにおいて、顔を動かすことなく視点を移動させ、画面41に表示される注視目標画像TA及び追視目標画像TBに視点を置くことを指示する。
【0049】
そして、まず制御装置2は注視タスクを開始する。すなわち、注視タスク画像出力処理部21は、位置A1~A6に順次注視目標画像TAを表示する注視タスク画像51を出力し、注視タスク画像51が画面41に表示される(ステップS1)。
【0050】
そして、検出装置1は、注視タスクの実行中において、被験者Sの眼球動作を検出し、検出した眼球動作、すなわち被験者Sの視点位置に係る座標データを出力する。出力された座標データは、制御装置2に入力される。これによって、注視タスク評価処理部23は、被験者Sの注視タスクの実行結果を取得する(ステップS2)。
【0051】
次に、注視タスク評価処理部23は、例えば、検出装置1が検出した注視タスクを実行する被験者Sの視点移動に基づき、眼振回数、眼振度及び眼振度を点数化した指標を算出する(ステップS3)。
【0052】
次に、制御装置2は、追視タスクを開始する。すなわち、追視タスク画像出力処理部22は、追視目標画像TBに経路W1~W6上を順次移動させるように表示する追視タスク画像52を出力し、追視タスク画像52が画面41に表示される(ステップS4)。
【0053】
そして、検出装置1は、追視タスクの実行中において、被験者Sの眼球動作を検出し、検出した眼球動作、すなわち被験者Sの視点位置に係る座標データを出力する。出力された座標データは、制御装置2に入力される。これによって、追視タスク評価処理部24は、被験者Sの追視タスクの実行結果を取得する(ステップS5)。
【0054】
次に、追視タスク評価処理部24は、追視タスクにおける記憶装置3に格納された被験者Sの視点位置に係る座標データに基づき、眼振回数、眼振度及び眼振度を点数化した指標を算出する(ステップS6)。
【0055】
次に、結果出力処理部25は、注視タスク結果情報IA及び追視タスク結果情報IBが含まれる画像を出力する(ステップS7)。これによって、医師は、注視タスク結果情報IAに基づき、6種類ある眼球筋のそれぞれについて、眼筋の長さが変化しない静的な筋収縮の能力(等尺性収縮の能力)を評価することができる。また、医師は、追視タスク結果情報IBに基づき、6種類ある眼球筋のそれぞれについて、眼筋の長さを動的に変化させる筋収縮の能力(等張性収縮の能力)を評価することができる。そして、眼球運動評価支援システム100は、共通の基準位置Aを設けることで、注視タスク結果情報IAに示される注視タスクの測定結果と追視タスク結果情報IBに示される追視タスクの測定結果を有機的に関連させて判断することができ、6種類ある眼球筋のそれぞれの状態を正確に評価することができる。これによって、臨床スタッフによる目視での評価において発生する眼球筋の異常を見落とす可能性を低減させることができ、6種類ある眼球筋のそれぞれの状態が正確に評価することができるので、治療のための訓練や対策が有効に実施できる。
【0056】
なお、注視タスク及び追視タスクは、上記の順に限られるものではなく、注視タスクに係るステップS1及びステップS2は、追視タスクに係るステップS4及びステップS5の後に実行してもよい。また、注視タスクの評価に係るステップS3と追視タスクの評価に係るステップS6とは、ステップS1、S2、S4及びS5の後にまとめて実行してもよい。
【0057】
[実施例]
図8~18に、眼球運動評価支援システム100を用いた眼球運動評価方法によって、3名の被験者をそれぞれ評価した結果を示す。
【0058】
図8は、注視タスクにおける被験者Sの視点移動を示す図である。図8において、被験者1~3は、非高齢者1名(被験者1)、高齢者2名(被験者2、3)をそれぞれ示す。また、図8のグラフの横軸は、画面41のx座標[cm]、縦軸は、y座標[cm]を示している。図8の四角形のプロットは、基準位置A及び注視目標画像表示位置A1~A6を示している。図8においては、被験者1のグラフにのみ基準位置A、及び注視目標画像表示位置A1~A6の符号を付したが被験者2、3のグラフについても同様である。図8において、灰色の×印は、被験者の視点を示しており、注視タスク中に検出装置1が検出した全視点をプロットしている。
【0059】
注視タスク画像出力処理部21は、注視目標画像TAを基準位置Aに3秒間表示した後に、左上位置A2、左位置A1、左下位置A6、右下位置A5、右位置A4、右上位置A3の順に3秒間ずつ表示した。
【0060】
まず、図8に示すように、注視タスクにおいて、非高齢者である被験者1は、位置A1~A6の周辺に視点のプロットが集中している一方で、高齢者である被験者2、3は、位置A1~A6から離れた位置にもプロットが広がっており、被験者1に比べて被験者2、
3は注視目標を上手く注視できていない様子が見られる。
【0061】
本実施例において、注視タスク評価処理部23は、各サブ注視タスクについて、左右方向の眼振回数及び上下方向の眼振回数の合計値について、それぞれ単位時間あたりの眼振回数を算出し、これを眼振度[回/s]とした。また、注視タスク評価処理部23は、各サブ注視タスクについて、当該タスクに対応する注視目標画像表示位置への注視目標画像TAの表示を開始した1秒後からこの表示位置への注視目標画像TAの表示を終了するまでの時間における眼振度を算出した。
【0062】
図9は、注視タスク評価処理部23が算出した眼振回数、眼振度、及び眼振度を点数化した値を示す図であり、非高齢者である被験者1は、すべての位置A1~A6において、眼振回数が少なく、得点Sが100点となっている。これに対し、高齢者である被験者2は、左位置A1、右下位置A5、左下位置A6が0点~50点台と低い点数となっている。また、同様に高齢者である被験者3は、すべてのサブ注視タスクで0点となっており、注視タスクが上手くできなかった結果が見られる。このように、眼振度を点数化した指標を用いることにより、眼球運動能力の違いを一目で確認でき、眼球運動能力の衰えを容易に確認することができる。
【0063】
また、被験者2は、左位置A1、右下位置A5、左下位置A6の点数が低いという傾向が見られ、左位置A1に対応する右眼の外直筋及び左眼の内直筋の少なくとも何れか一方、右下位置A5及び左下位置A6に対応する右眼の上斜筋及び左眼の下直筋の少なくとも何れか一方の等尺性筋収縮の能力が低下している可能性を見つけることができる。このように、6つの眼球筋のち、能力が低下している可能性のある眼球筋を分かりやすく医師に提示することができる。
【0064】
図17は、被験者1~3の注視タスクの実行結果に基づいて算出した眼振度を点数化した指標をレーダーチャートで表した図である。レーダーチャートを用いることにより、例えば、被験者2は、右眼の外直筋及び左眼の内直筋の少なくとも何れか一方、右眼の下直筋及び左眼の上斜筋の少なくとも何れか一方、並びに右眼の上斜筋及び左眼の下直筋の少なくとも何れか一方の等尺性収縮能力が低下している可能性を分かりやすく医師に提示することができる。特に、被験者2は、右眼の上斜筋及び左眼の下直筋の少なくとも何れか一方の等尺性収縮が低下している可能性を分かりやすく医師に提示することができる。また、被験者3の結果からは、等尺性収縮の能力が全体的に低下している可能性を分かりやすく医師に提示することができる。
【0065】
本実施例において、追視タスク画像出力処理部22は、第1追視タスク画像として、各経路W1~W6の一端から他端まで追視目標画像TBを12秒かけて移動させ、更に他端から一端まで追視目標画像TBを12秒かけて移動させる画像を出力した。また、追視タスク画像出力処理部22は、第2追視タスク画像として、各経路W1~W6の一端から他端まで追視目標画像TBを8秒かけて移動させ、更に他端から一端まで追視目標画像TBを8秒かけて移動させる画像を出力した。また、追視タスク評価処理部24は、本実施の形態においては、最小基準値p Minは「2」とし、最大基準値p Maxは「10」として、得点Skを算出した。
【0066】
図10~12は、追視タスクにおける被験者1~3それぞれの視点移動を示す図である。図10~12の黒く塗りつぶした小円は、基準位置Aである。また、図10~12の太い線は、移動経路W1~W6である。図10にのみW1~W6の符号を付したが被験者2、3に係る図11及び12についても同様である。その他の点については、図8と同様である。図10~12は、第1追視タスク画像に係る追視タスク及び第2追視タスク画像に係る追視タスクの両タスクにおいて検出された視点をプロットしている。
【0067】
図10~12の上下移動に係る第1~第3サブ追視タスク実行結果に示すように、非高齢者である被験者1は、経路W1~W6の周辺に視点のプロットが集中している一方で、高齢者である被験者2、3は、目標画像から離れた位置にもプロットが広がっており、結果出力処理部25が当該グラフを出力することにより、被験者2、3が追視目標を上手く追視できていない可能性を医師に提示することができる。
【0068】
本実施例において、追視タスク評価処理部24は、追視目標画像TBの移動方向と直行する方向の眼振回数について、それぞれ単位時間あたりの眼振回数を算出し、これを眼振度[回/s]とした。すなわち、追視タスク評価処理部24は、追視目標画像TBを上下方向に延びる経路W1、W3、W4上を移動させる第1、第3、第4サブ追視タスクにおいては、左右方向の眼振回数について、それぞれ単位時間あたりの眼振回数を算出し、これを眼振度[回/s]とした。また、追視タスク評価処理部24は、追視目標画像TBを左右方向に延びる経路W2、W5、W6上を移動させる第2、第5、第6サブ追視タスクにおいては、上下方向の眼振回数について、それぞれ単位時間あたりの眼振回数を算出し、これを眼振度[回/s]とした。
【0069】
図13~16は、追視タスク評価処理部24が算出した値を示す図である。図13~16に示すように、非高齢者である被験者1は、すべてのサブ追視タスクで、眼振回数が少なく、得点Sは、100点となっている。
【0070】
図13及び図14に示す上下移動のサブ追視タスク実行結果において、被験者2と被験者3は、何れのサブ追視タスク実行結果においても80点以上となっており、上手く追視タスクが行えている可能性を医師に提示することができる。
【0071】
一方、図15及び図16に示す左右方向の追視タスク実行結果においては、被験者2は、20点、60点、72点といった低い点数が見られ、追視タスクが上手くできなかった可能性を医師に提示することができる。被験者3は、すべてのタスクにおいて80点以上の点数が見られ、追視タスクを上手く実行できた可能性を医師に提示することができる。このように、眼振度を点数化した指標を用いることで、被験者間の眼球運動能力の違いを分かりやすく医師に提示することができる。
【0072】
更に、例えば、被験者2は、上下方向へ眼球を動かすタスクよりも左右方向へ眼球を動かすタスクの点数が悪いという傾向が見られ、右眼の外直筋及び左眼の内直筋の少なくとも何れか一方の等張性収縮能力の能力が低下している可能性を医師に提示することができる。また、特に画面上側を見る際の点数が低下している傾向が見られることから右眼の上直筋及び左眼の下斜筋の少なくとも何れか一方の等張性収縮能力の能力が低下している可能性を医師に提示することができる。
【0073】
図18は、追視タスク結果情報IBに係る合計点Stをレーダーチャートで示した図である。図18に示す合計点Stを算出するにあたり、追視タスク評価処理部24は、合計点Stの算出に用いる重みとして、以下の表に示す値を用いた。
【0074】
【表1】
図18に示すように被験者2は、右眼の外直筋及び左眼の内直筋の少なくとも何れか一方の等張性収縮能力が低下している可能性を医師に分かりやすく提示することができる。被験者3は、追視タスクは上手く行えていることが一目で確認できる。
【0075】
そして、上記の図7に示す注視タスク結果情報IA及び追視タスク結果情報IBが含まれる結果通知画像56は、被験者2の結果を示したものである。この結果通知画像56に示すように、注視タスク結果情報IAに係るレーダーチャートと、追視タスク結果情報IBに係るレーダーチャートとを並べて表示することにより、被験者Sの等張性収縮能力と等尺性収縮能力を同時に把握することができる。
【0076】
また、図18において、追視タスク結果として、被験者1と被験者3のレーダーチャートは同じような結果が示していて、追視タスクだけの結果からは被験者1と被験者3は眼筋に特に問題がないと評価されてしまうが、図17において、注視タスク結果として、被験者1と被験者3のレーダーチャートは全く異なっていて、被験者3は等尺性収縮の能力が全体的に低下している可能性があることがはじめて認識できる。この事例のように、注視タスク結果情報IAに係るレーダーチャートと、追視タスク結果情報IBに係るレーダーチャートとを並べて同時に表示することにより、医師は被験者3の眼球運動について正しく推定することができ、注視タスク又は追視タスクの1つだけの結果だけでは正しく推定できない。
【0077】
このように、被験者Sの眼球運動能力をより正確に評価するためには、注視タスクと追視タスクの2つを行い、眼球運動の等張性収縮能力と尺性筋収縮能力の2つの能力を出力することが非常に重要である。また、特に6つの眼球筋の能力をレーダーチャートなどで表示することで、どの筋が衰えているかを一目で確認することができる。また、ゆっくり目標物体が移動する場合と速く移動する場合のそれぞれの評価結果を表示することで、どのような速度で眼球を動かすことが苦手であるかなどより詳細に眼球運動能力の状態を把握することができる。
【0078】
以上に説明したように、眼球運動評価支援システム100は、6種類ある眼球筋の状態を評価するための眼球運動評価支援システムであって、被験者Sの視点を検出する検出装置1と、制御装置2と、制御装置2が出力した画像を表示する表示装置4と、を備え、制御装置2は、注視目標画像TAを含む注視タスク画像51を表示装置4に出力する注視タスク画像出力処理であって、注視目標画像TAを注視タスク画像51の領域内の互いに異なる複数の位置に順次表示する注視タスク画像出力処理と、追視目標画像TBを含む追視タスク画像52を表示装置4に出力する追視タスク画像出力処理であって、追視目標画像TBを追視タスク画像52の領域内の互いに異なる複数の移動経路上を順次移動させる追視タスク画像出力処理と、注視タスク画像出力処理の実行時に検出装置1が検出した被験
者Sの視点移動を表す注視タスク結果情報IA及び追視タスク画像52出力処理の実行時に検出装置1が検出した被験者Sの視点移動を表す追視タスク結果情報IBを生成し、注視タスク結果情報IA及び追視タスク結果情報IBを出力する結果出力処理と、を実行し、注視タスク画像出力処理における6箇所の位置は、注視目標画像TAを所定の基準位置Aの左方の位置A1、左斜め上方の位置A2、右斜め上方の位置A3、右方の位置A4、右斜め下方の位置A5、及び左斜め下方の位置A6の6箇所の位置であり、追視タスク画像出力処理における複数の移動経路は、少なくとも、基準位置Aを通り上下方向に延びる第1経路W1と、基準位置Aを通り左右方向に延びる第2経路W2を含む。
【0079】
この構成によれば、所定の基準位置Aに基づく注視タスクと追視タスクを実施するので、注視タスクの測定結果と追視タスクの測定結果を有機的に関連させて判断することができ、6種類ある眼球筋のそれぞれの状態を正確に評価することができる。これによって、臨床スタッフによる目視での評価において発生する眼球筋の異常を見落とす可能性を低減させることができ、6種類ある眼球筋のそれぞれの状態が正確に評価することができるので、治療のための訓練や対策が有効に実施できる。
【0080】
(実施の形態2)
以下では実施の形態2の構成、動作について、実施の形態1との相違点を中心に述べる。上記実施の形態1において、検出装置1は、所定のサンプリング時間間隔で被験者Sの左眼及び右眼のそれぞれの視点の位置を検出し、両眼の視点の位置の平均を被験者Sの視点位置とする。これに代えて、本実施の形態において、検出装置は、被験者Sの左眼及び右眼の視点移動をそれぞれ検出してもよい。そして、注視タスク結果情報IAは、注視タスク画像出力処理の実行時に検出装置1が検出した被験者Sの左眼及び右眼のそれぞれの視点移動を表す情報であってもよい。また、追視タスク結果情報IBは、追視タスク画像出力処理の実行時に検出装置1が検出した被験者Sの左眼及び右眼のそれぞれの視点移動を表す情報であってもよい。
【0081】
これによって、医師は、左右の眼の何れに障害が生じているかをより的確に評価することができる。
【0082】
(実施の形態3)
上記実施の形態1において、眼球運動評価支援システム100は、注視タスクと追視タスクの何れを実行するのかを選択するタスク選択手段を備えていてもよい。
【0083】
(実施の形態4)
上記実施の形態1において、注視タスク評価処理部23及び追視タスク評価処理部24は、眼振回数及び眼振度を算出した。これに代えて、又はこれに加えて、検出した視点の時系列データから視点の移動速度、移動加速度などを算出してもよい。また、検出した視点の時系列データから眼球の回転角度を算出し、眼球の回転角速度、眼球の回転角加速度、眼球トルク、筋張力、筋活性度などを算出してもよい。そして、結果出力処理部25は、追視タスク評価処理部24が算出した上記の値を出力してもよい。
【0084】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【符号の説明】
【0085】
1 検出装置
2 制御装置
4 表示装置
21 注視タスク画像出力処理部
22 追視タスク画像出力処理部
23 注視タスク評価処理部
24 追視タスク評価処理部
25 結果出力処理部
51 注視タスク画像
52 追視タスク画像
56 結果通知画像
A 基準位置
100 眼球運動評価支援システム
【要約】
【課題】 注視タスクの測定結果と追視タスクの測定結果を有機的に関連させて判断することができ、6種類ある眼球筋のそれぞれの状態を正確に評価することができる眼球運動評価支援システムを提供する。
【解決手段】 眼球運動評価支援システム100は、注視タスク画像出力処理と、追視タスク画像出力処理と、結果情報を生成、出力する結果出力処理と、を実行し、注視タスク画像出力処理は注視目標画像TAを所定の基準位置Aの左方、左斜め上方、右斜め上方、右方、右斜め下方、及び左斜め下方の位置の6箇所の位置A1~A6に順次表示する画像を出力する処理であり、追視タスク画像出力処理は、基準位置Aを通り上下方向及び左右方向に延びる経路W1、W2を含む移動経路上を追視タスク画像52が移動する画像を出力する処理である。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
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