(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】マフラーを繊維材料で充填するためのシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
F01N 1/04 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
F01N1/04 L
F01N1/04 M
(21)【出願番号】P 2019532961
(86)(22)【出願日】2017-10-11
(86)【国際出願番号】 US2017056009
(87)【国際公開番号】W WO2018118186
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-09-17
(32)【優先日】2016-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507220187
【氏名又は名称】オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ブラント リュック ジェイ
【審査官】菅野 京一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-016764(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0279570(US,A1)
【文献】米国特許第06094817(US,A)
【文献】米国特許第07975382(US,B2)
【文献】特表2004-518063(JP,A)
【文献】米国特許第06412596(US,B1)
【文献】特開2015-078631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 1/00,13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マフラーのマフラーキャビティに繊維材料を充填する際に使用するためのインサートであって、
下面と該下面から延びてインサートキャビティを定める1又は2以上の側壁とを有する本体を含み、
前記本体は、少なくとも部分的に前記マフラーキャビティ内に嵌合するサイズ及び形状を有し、
前記本体の前記下面は、前記マフラー内のパイプ端部が前記インサートキャビティを通過して入り込むためのサイズ及び形状を有するパイプ開口部を含み、
前記本体の前記下面は、空気を通過させることができるが、前記繊維材料が通過することを防止するサイズを有する複数の穿孔を含む、
ことを特徴とするインサート。
【請求項2】
前記本体は、前記インサートキャビティを取り囲む上面を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のインサート。
【請求項3】
前記本体の前記下面は、複数の前記パイプ開口部を含むことを特徴とする請求項1に記載のインサート。
【請求項4】
前記本体の前記下面からほぼ前記側壁の高さまで延びる中空ポストを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のインサート。
【請求項5】
前記本体の外周が、前記マフラーキャビティの内周に一致することを特徴とする請求項1に記載のインサート。
【請求項6】
前記本体の前記下面は、充填ノズルが前記マフラーキャビティを通過してそこに入り込むためのサイズ及び形状を有するノズル開口部を含むことを特徴とする請求項5に記載のインサート。
【請求項7】
マフラーのキャビティに繊維材料を充填するためのシステムであって、
前記マフラーの前記キャビティに挿入するための穿孔された部材と、
前記マフラーと前記穿孔された部材とを互いに対して固定するための保持部材と、
前記繊維材料を前記マフラーの前記キャビティの中に送出するための充填ノズルと、
空気を前記マフラーの前記キャビティから排出するための真空源と、
を含み、
前記穿孔された部材は、
前記マフラーの前記キャビティ内に位置するパイプの端部を取り囲み、これにより、前記真空源が空気を前記マフラーの前記キャビティから前記穿孔された部材を通して、前記パイプを通して、かつ該マフラーから引き出すことがで
き、
前記穿孔された部材は、前記真空源が前記繊維材料を前記パイプ内に引き込むことを防止する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項8】
前記マフラーは、該マフラーの前記キャビティを第1のチャンバと第2のチャンバに分割するバッフルを含み、
前記穿孔された部材は、前記第1のチャンバを前記繊維材料で充填する時に前記マフラーの前記キャビティ内で前記第2のチャンバを該繊維材料で充填する時と同じ場所に位置決めされる、
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記マフラーは、該マフラーの前記キャビティを第1のチャンバと第2のチャンバに分割するバッフルを含み、
前記穿孔された部材は、前記第1のチャンバを前記繊維材料で充填する時に前記マフラーの前記キャビティ内の第1の場所に位置決めされ、
前記穿孔された部材は、前記第2のチャンバを前記繊維材料で充填する時に前記マフラーの前記キャビティ内の第2の場所に位置決めされる、
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記穿孔された部材の外周が、前記キャビティの内周に一致することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記充填ノズルは、前記穿孔された部材内の開口部を通過することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
複数の前記保持部材を更に含むことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
複数の前記充填ノズルを更に含むことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記繊維材料は、テクスチャ化された繊維ガラスであることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用により本明細書にその開示全体が完全に組み込まれている2016年12月19日出願の「繊維材料でマフラーを充填するためのシステム及びその方法」という名称の欧州特許出願第1の6306724.2号に対する優先権及びその全ての利益を主張するものである。
【0002】
一般的な発明概念は、マフラーを繊維材料で充填するためのシステム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0003】
作動中にマフラーによって生成される音を吸収して減衰させるために繊維材料(例えば、ガラス繊維)をマフラーの本体の中に導入することは公知である。
【0004】
引用により本明細書にその開示全体が組み込まれている米国特許第7、975、382号明細書に示されているように、多くのタイプの排気マフラーは、複数の部品を機械的に接合してマフラーシェルを形成することによって生成される。例えば、1つの一般的なタイプの排気マフラーは、スパンマフラーとして公知である。スパンマフラーは、材料のシートを望ましい形状に形成してマフラー本体を形成し、この本体に溶接又は圧着で末端キャップを取り付けてマフラーシェルを形成することによって作られる。別の一般的なタイプの排気マフラーは、溶接又は圧着によって上側セクションを下側セクションに接合することによって組み立てられるクラムシェルマフラーである。スパンマフラーとクラムシェルマフラーの両方は、一般的にバッフル又は仕切りによって複数のチャンバに分割され、マフラーにガスを入れるかつ排気するためにチャンバ間を張る1又は2以上の入口パイプ及び出口パイプを含有する。
【0005】
排気マフラーを充填するのに使用される一般的な材料は、連続ガラス繊維である。この繊維は、通常はマフラーチャンバの1又は2以上を充填し、かつ多くの場合にテクスチャ化又は「増量」された形態でマフラーに挿入される。マフラーシェルを組み立てる前に、これらの増量された繊維をマフラーシェル構成要素又はチャンバの1つに挿入することは公知である。マフラーシェルが部分的に組み立てられた状態にある時に、増量された繊維をマフラーシェル構成要素又はチャンバの1つに導入することも公知である。
【0006】
例えば、テクスチャ化された繊維材料をマフラーに導入するのにテクスチャ化ノズルを使用することができる。例えば、引用により本明細書にその開示全体が組み込まれている米国特許第5、976、453号明細書に開示されているように、テクスチャ化デバイスは、圧縮空気を使用してデバイスを通して繊維材料のストランドを前進させ、ストランドの繊維は、線維材料がデバイスを出る時に分離されて交絡される(すなわち、テクスチャ化される)。
【0007】
テクスチャ化ノズルは、テクスチャ化された繊維材料で充填されているマフラーキャビティ内にかなりの量の圧縮空気を導入するので、この空気が、それがテクスチャ化された繊維材料の適正な分布をそれで充填されているマフラーキャビティ内で乱さないように出口の経路を有することが重要である。
【0008】
入口パイプ及び/又は出口パイプは、そこに穿孔を有することができる。同様に、バッフル又は仕切りもそこに穿孔を有することができる。一般的に、これらの穿孔は、燃焼ガスがそこを通過することを可能にし、同時にテクスチャ化された繊維材料の通過を妨げるようなサイズにされる。このようにして、マフラーに入る燃焼ガスは、パイプから出て及び/又はバッフルを通って流れてテクスチャ化された繊維材料と相互作用し、これが音の吸収及び減衰をもたらし、次に、燃焼ガスがマフラーを通るかつそこから出るそれらの経路を持続する時にパイプの中に及び/又はバッフルを通って戻ることができる。
【0009】
これらの穿孔は、テクスチャ化された繊維材料がマフラーに導入される時にその分布を制御するのにも使用される。’382号特許に示されているように、排気ガスの騒音を小さくするのに十分な密度を用いてテクスチャ化された繊維材料の均一な分布を達成するようにテクスチャ化された繊維材料のマフラーへの導入を制御することが重要である。典型的に、充填作動中にマフラーに導入されている圧縮空気をマフラーから引き出す圧力差ΔPを生成するのに真空源(例えば、’382特許における真空源42)が使用される。
【0010】
例えば、
図1に示すように、従来の充填システム100は、マフラー110の第1の端部108上の開口部106を通じてテクスチャ化された繊維材料102をマフラーキャビティ104に導入し、同時に部分真空(ΔP)が真空源120によってマフラー110の第2の端部114(第1の端部108の反対側)上の開口部112に生成される。
【0011】
マフラー110は、本体130を含み、2本のパイプ132が本体130を少なくとも部分的に通って延びる。パイプ132は、マフラー110を通る排気ガスを運ぶための入口パイプ及び/又は出口パイプとすることができる。各パイプ132の少なくとも一部分は穿孔140を含む。マフラー110はまた、マフラーキャビティ104を第1のチャンバ136と第2のチャンバ138に分割するバッフル134を含む。バッフル134の少なくとも一部分は穿孔142を含む。上述のように、穿孔140、142は、燃焼ガスがそれを通過することを可能にし、同時にテクスチャ化された繊維材料102の通過を妨げるようなサイズにされる及び/又はそのように成形される。
【0012】
充填作動中に、マフラー110は、第1の端部108とのインタフェースを有する第1の部材122と第2の端部114とのインタフェースを有する第2の部材124との間で所定位置に保持される。マフラー110の本体130は、部分的に組み立てられた状態、すなわち、末端キャップがまだ本体130に接合されていない状態にあるので、第1の部材122は、本体130の開口端106に当接するか又は嵌合し、第2の部材124は、本体130の開口端112に当接するか又は嵌合する。特に、第1の部材122は、第1の端部108で本体130との実質的に気密のインタフェースを形成し、第2の部材124は、第2の端部114で本体130との実質的に気密のインタフェースを形成する。
【0013】
第1の部材122は、テクスチャ化された繊維材料102をマフラーキャビティ104に送出するためにテクスチャ化ノズル150を挿入することができる開口部を含む。第1の部材122はまた、マフラー110の第1の端部108の近くでパイプ132のあらゆる端部152を覆い、端部152も、テクスチャ化された繊維材料102のいずれかがそこに引き込まれるのを防ぐために別々に塞ぐことができる。
【0014】
第2の部材124は、開口部を含み、それを通して真空源120は、マフラー110の第2の端部114の近くでパイプ132のあらゆる端部154とのインタフェースを有することができる。このようにして、真空源120は、充填ノズル150によって導入される空気を含む内側キャビティ104(すなわち、第1のチャンバ136及び第2のチャンバ138)からの空気を排出することができる。
【0015】
特に、内側キャビティ104内の空気は、穿孔140を通じて第1のチャンバ136とパイプ132の間を流れることができる。同様に、内側キャビティ104内の空気は、穿孔142を通じて第1のチャンバ136と第2のチャンバ138の間を流れることができる。真空源120は、パイプ132の端部154(両端152は塞がれている)を通して内側キャビティ104から空気を引き出すので、第2のチャンバ138内の(又はそこに流れ込む)空気は、穿孔142を通じて第1のチャンバ136に引き込まれる。同様に、第1のチャンバ136内の(又はそこに流れ込む)空気は、穿孔140を通してパイプ132に引き込まれる。すなわち、テクスチャ化ノズル150によって内側キャビティ104内に導入されている空気は、マフラー110から出る流路を有する。流路の様々な部分は、破線矢印で
図1に示されている。
【0016】
テクスチャ化ノズル150によって内側キャビティ104内に導入された空気に対してマフラー110から出る流路を提供することにより、穿孔140、142は、内側キャビティ104内のテクスチャ化された繊維材料102の制御された分布を容易にする。言い換えれば、穿孔140、142は、内側キャビティ104に導入されている空気が、充填されているチャンバ(すなわち、第1のチャンバ136)内のテクスチャ化された繊維材料102の緩やかな蓄積を乱すことを防ぐ。すなわち、望ましい密度に対する第1のチャンバ136内のテクスチャ化された繊維材料102の比較的均一な分布を容易に達成することができる。テクスチャ化された繊維材料102のこの均一な分布はまた、最適な音減衰のために穿孔140、142がテクスチャ化された繊維材料102によって十分に覆われることを保証する
【0017】
しかし、穿孔(例えば、穿孔140、142)が存在しないか又は充填作動中にマフラー内に導入されている空気を適切に排出するのに不十分である(例えば、量、サイズにおいて)時に問題が生じる。
【0018】
説明目的のために、1又は2以上のパイプ及び/又は1又は2以上のバッフルに穿孔がない(又は十分な穿孔がない)仮想的なマフラー210を
図2に示している。
図2において、従来の充填システム200は、マフラー210の第1の端部208にある開口部206を通してテクスチャ化された繊維材料102をマフラーキャビティ204に導入し、同時に真空源120によってマフラー210の第2の端部214(第1の端部208とは反対側)にある開口部212に部分真空(ΔP)が生成される。
【0019】
マフラー210は、本体230を含み、2本のパイプ232が、本体230を少なくとも部分的に通って延びる。パイプ232は、マフラー210を通して排気ガスを運ぶための入口パイプ及び/又は出口パイプとすることができる。この例では、各パイプ232にはいずれの穿孔もない(又は充填作動中にマフラー210に導入される空気の量を十分に排出するのに適する穿孔がない)。マフラー210はまた、マフラーキャビティ204を第1のチャンバ236と第2のチャンバ238に分割するバッフル234を含む。この例では、バッフル234にはいずれの穿孔もない(又は充填作動中にマフラー210に導入される空気の量を十分に排出するのに適する穿孔がない)。
【0020】
充填作動中に、マフラー210は、第1の端部208とのインタフェースを有する第1の部材122と第2の端部214とのインタフェースを有する第2の部材124との間で所定位置に保持される。マフラー210の本体230は、部分的に組み立てられた状態、すなわち、末端キャップがまだ本体230に接合されていない状態にあるので、第1の部材122は、本体230の開口端206に当接するか又は嵌合し、第2の部材124は、本体230の開口端212に当接するか又は嵌合する。特に、第1の部材122は、第1の端部208で本体230との実質的に気密のインタフェースを形成し、第2の部材124は、第2の端部214で本体230との実質的に気密のインタフェースを形成する。
【0021】
第1の部材122は、テクスチャ化された繊維材料102をマフラーキャビティ204内に送出するためのテクスチャ化ノズル150を挿入することができる開口部を含む。第1の部材122はまた、マフラー210の第1の端部208の近くでパイプ232のあらゆる端部252を覆い、端部252も別々に塞ぐことができる。
【0022】
第2の部材124は、開口部を含み、それを通して真空源120は、マフラー210の第2の端部214の近くでパイプ232のあらゆる端部254とのインタフェースを有することができる。しかし、穿孔の欠如(又は適切な穿孔の欠如)は、内側キャビティ204内の空気が充填作動中にパイプ232を通ってマフラー210から出る十分な流路を持たないことを意味するので、真空源120は、充填ノズル150によって導入された空気を含む内側キャビティ204(例えば、テクスチャ化繊維材料102で充填されている第1のチャンバ236)からの空気を実質的に排出することができない。
【0023】
特に、内側キャビティ204内の空気は、パイプ232内の穿孔の欠如に起因して第1のチャンバ236とパイプ232の間を実質的に流れることができない。同様に、内側キャビティ204内の空気は、バッフル234内の穿孔の欠如に起因して第1のチャンバ236と第2のチャンバ238の間を実質的に流れることができない。その結果、充填作動中に(すなわち、充填ノズル150によって)内側キャビティ204内に導入されている空気は、充填されているチャンバ(すなわち、第1のチャンバ236)内に蓄積する。この衰えない空気の流入は、攪乱的で制御されない方式で第1のチャンバ内を流れる。例示的流路が破線矢印で
図2に示されている。
【0024】
テクスチャ化ノズルによって内側キャビティ204に導入されている空気は、本質的に可変で制御されない流路を辿るので、内側キャビティ204内でテクスチャ化された繊維材料102の制御された分布を達成することは不可能ではないとしても困難である。言い換えれば、パイプ232及び/又はバッフル234内の穿孔(又は適切な穿孔)の欠如により、内側キャビティ104に導入されている空気は、充填されているチャンバ(すなわち、第1のチャンバ236)内でのテクスチャ化された繊維材料102の緩やかな蓄積を乱す。更に、内側キャビティ204に存在する空気圧は、充填ノズル150の性能に悪影響を及ぼす可能性があるので、充填ノズル150は、繊維材料を適切に送出してテクスチャ化することができにくくなる。従って、望ましい密度に対する第1のチャンバ236内のテクスチャ化された繊維材料102の均一な分布を容易に達成することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【文献】米国特許第7,975,382号明細書
【文献】米国特許第5,976,453号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
以上の観点から、制御された均一な方式でマフラーを繊維材料で充填するためのシステム及びその方法の改善に対する未解決の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0027】
一般的な発明概念は、マフラーを繊維材料で充填するためのシステム及びその方法の改善に関連し、かつそれを考えている。
【0028】
例示的実施形態では、マフラーキャビティを繊維材料で充填する際に使用するためのインサートを開示する。インサートは、下面と下面から延びてインサートキャビティを定める1又は2以上の側壁とを有する本体を含む。インサートは、少なくとも部分的にマフラーキャビティ内に嵌合するサイズ及び形状を有する。本体の下面はパイプ開口部を含み、そのパイプ開口部はマフラー内のパイプ端部がインサートキャビティを通過して入り込むためのサイズ及び形状を有する。本体の下面は複数の穿孔を含み、この穿孔は、空気を通過させるが繊維材料が通過しないように防ぐサイズを有する。
【0029】
一部の例示的実施形態では、本体は、更に、インサートキャビティを取り囲む上面を含む。
【0030】
一部の例示的実施形態では、本体の下面は複数のパイプ開口部を含む。
【0031】
一部の例示的実施形態では、インサートは、本体の下面からほぼ側壁の高さまで(例えば、上面まで)延びる中空ポストを更に含む。
【0032】
例示的実施形態では、マフラーキャビティを繊維材料で充填するためのシステムを開示する。システムは、マフラーのキャビティに挿入するための穿孔された部材と、マフラーと穿孔された部材とを互いに固定するための保持部材と、繊維材料をマフラーのキャビティ内に送出するための充填ノズルと、マフラーのキャビティから空気を排出するための真空源とを有する。穿孔された部材は、マフラーのキャビティ内に位置するパイプの端部を囲み、真空源がマフラーのキャビティから穿孔された部材を介してパイプを通してマフラーの外へ空気を引き出すことができるようにする。更に、穿孔された部材は、真空源が繊維材料をパイプ内に引き込まないように防ぐ。
【0033】
一部の例示的実施形態では、保持部材は、穿孔された部材の上面を形成する。
【0034】
一部の例示的実施形態では、マフラーは、マフラーのキャビティを第1のチャンバと第2のチャンバに分割するバッフルを含み、穿孔された部材は、第1のチャンバを繊維材料で充填する時と第2のチャンバを繊維材料で充填する時とでマフラーのキャビティ内の同じ場所に位置決めされる。
【0035】
一部の例示的実施形態では、マフラーは、マフラーのキャビティを第1のチャンバと第2のチャンバに分割するバッフルを含み、穿孔された部材は、第1のチャンバを繊維材料で充填する時にマフラーのキャビティ内の第1の場所に位置決めされ、穿孔された部材は、第2のチャンバを繊維材料で充填する時にマフラーのキャビティ内の第2の場所に位置決めされる。
【0036】
一部の例示的実施形態では、充填システムは複数の保持部材を有する。
【0037】
一部の例示的実施形態では、充填システムは複数の充填ノズルを有する。
【0038】
一部の例示的実施形態では、繊維材料はテクスチャ化された繊維ガラスである。
【0039】
例示的実施形態では、マフラーのキャビティを繊維材料で充填する方法を開示する。本方法は、穿孔された部材をマフラーのキャビティに挿入する段階と、穿孔された部材をマフラーに対して固定するようにマフラーを保持する段階と、マフラーのキャビティを繊維材料で充填する段階と、マフラーのキャビティから穿孔された部材と穿孔された部材の中に延びるマフラーのパイプの端部とを通して空気を排出する段階とを含み、穿孔された部材は、繊維材料がパイプ内に入らないように防ぐ。
【0040】
一部の例示的実施形態では、本方法は、マフラーを解除する段階と、穿孔された部材をマフラーのキャビティから取り外す段階とを更に含む。
【0041】
一部の例示的実施形態では、本方法は、マフラーの組立を完了する段階を更に含む。
【0042】
一部の例示的実施形態では、マフラーは、マフラーのキャビティを第1のチャンバと第2のチャンバに分割するバッフルを含み、本方法は、第1のチャンバを繊維材料で充填する時に穿孔された部材をマフラーのキャビティ内の第1の場所に位置決めする段階と、第2のチャンバを繊維材料で充填する時に穿孔された部材をマフラーのキャビティ内の第2の場所に位置決めする段階とを更に含む。
【0043】
一部の例示的実施形態では、繊維材料はテクスチャ化された繊維ガラスである。
【0044】
一部の例示的実施形態では、本方法段階のうちの1又は2以上は、自動的に実行される。一部の例示的実施形態では、本方法段階の全てが自動的に実行される。
【0045】
一般的な発明概念の多くの他の態様、利点、及び/又は特徴は、以下の例示的実施形態の詳細説明から、特許請求の範囲から、及び本明細書と共に提出された添付図面からより容易に明らかになるであろう。
【0046】
図面を参照して一般的な発明概念、並びにその実施形態及び利点を一例として以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】内部穿孔を有するマフラーをテクスチャ化された繊維材料で充填するための従来の充填システムの図である。
【
図2】内部穿孔を欠くマフラーをテクスチャ化された繊維材料で充填しようとする
図1の充填システムの図である。
【
図3】内部穿孔を欠くマフラーをテクスチャ化された繊維材料で充填するための一例示的実施形態による充填システムの図である。
【
図4A】穿孔インサートの斜視図を示す一例示的実施形態による穿孔インサートを示す図である。
【
図4B】穿孔インサートの底面図を示す一例示的実施形態による穿孔インサートを示す図である。
【
図4C】マフラー内に位置決めされた穿孔インサートの斜視図を示す一例示的実施形態による穿孔インサートを示す図である。
【
図5】内部穿孔を欠くマフラーをテクスチャ化された繊維材料で充填する一例示的実施形態による充填方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
一般的な発明概念は多くの異なる形態の実施形態を受け入れるが、本発明の開示を一般的な発明概念の原則の例示として見なすものとするという理解の下でその特定の実施形態を図面に示して本明細書に詳細に以下に説明する。従って、一般的な発明概念が本明細書に示す特定の実施形態に限定されることを意図していない。
【0049】
ここで図面を参照すると、一般的な発明概念の様々な態様を説明するための図が
図3に示されている。
図3において、充填システム300は、パイプ又はバッフル内に穿孔(又は適切な穿孔)がない場合でも、充填作動中にマフラーに導入されている空気の適切な排出を可能にする。
【0050】
図3に示すように、充填システム300は、マフラー210の第1の端部208にある開口部206を通して、テクスチャ化された繊維材料102をマフラーキャビティ204に導入し、同時に真空源120によってマフラー210の第2の端部214(第1の端部208とは反対側)にある開口部212に部分真空(ΔP)が生成される。
【0051】
マフラー210は、本体230を含み、2本のパイプ232が少なくとも部分的に本体230を通って延びる。パイプ232は、マフラー210を通して排気ガスを運ぶための入口パイプ及び/又は出口パイプとすることができる。各パイプ232にはいずれの穿孔もない(又は充填作動中にマフラー210に導入されている空気の量を十分に排出するのに適する穿孔がない)。マフラー210はまた、マフラーキャビティ204を第1のチャンバ236と第2のチャンバ238に分割するバッフル234を含む。バッフル234にはいずれの穿孔もない(又は充填作動中にマフラー210に導入されている空気の量を十分に排出するのに適する穿孔がない)。充填システム300に関連して、充填作動中にマフラー210に導入されている空気の「十分な排出」とは、空気がマフラーキャビティ204を出る速度が、マフラーキャビティ204に導入されている速度よりも大きいか又はそれに等しいことを意味する。
【0052】
充填作動中に、マフラー210は、第1の端部208とのインタフェースを有する第1の部材122と、第2の端部214とのインタフェースを有する第2の部材124との間で所定位置に保持される。マフラー210の本体230は、部分的に組み立てられた状態、すなわち、末端キャップがまだ本体230に接合されていない状態にあるので、第1の部材122は、本体230の開口端206とのインタフェースを有し(例えば、嵌合するか又は他に覆う)、第2の部材124は、本体230の開口端212とのインタフェースを有する(例えば、嵌合するか又は他に覆う)。特に、第1の部材122は、第1の端部208で本体230との実質的に気密のインタフェースを形成し、第2の部材124は、第2の端部214で本体230との実質的に気密のインタフェースを形成する。
【0053】
第1の部材122は、テクスチャ化された繊維材料102をマフラーキャビティ204に送出するためにテクスチャ化ノズル150を挿入することができる開口部を含む。第1の部材122はまた、マフラー210の第1の端部208の近くでパイプ232のあらゆる端部252を覆い、テクスチャ化された繊維材料102が引き込まれるのを防ぐために端部252も別々に塞ぐことができる。
【0054】
第2の部材124は、開口部を含み、それを通して真空源120は、マフラー210の第2の端部214の近くでパイプ232のあらゆる端部254とのインタフェースを有することができる。当業者は、真空源120がマフラー210の第2の端部214の開口部212全体のようなマフラー210内のあらゆる1又は2以上の適切な開口部とのインタフェースを有することができることを認めるであろう。従来の実施では、上述のように、穿孔の欠如(又は適切な穿孔の欠如)が、内側キャビティ204内の空気が充填作動中にパイプ232を通ってマフラー210から出る十分な流路を持たないことを意味するので、真空源120は、充填ノズル150によって導入された空気を含む内側キャビティ204(例えば、テクスチャ化繊維材料102で充填されている第1のチャンバ236)からの空気を実質的に排出することができない。
【0055】
この問題に対処するために、充填システム300は、穿孔された部材360を使用する。穿孔された部材360は、内側キャビティ362を定める本体を含む。本体の少なくとも一部分、例えば、その下面は、複数の穿孔364を含む。一般的に、これらの穿孔364は、空気がそれらを通過することができる一方、テクスチャ化された繊維材料102の通過を妨げるようなサイズである。例えば、テクスチャ化された繊維材料102の繊維は比較的小さい直径(例えば、20μm)を有するが、繊維が穿孔364を通って容易に流動しないように防ぐ「架橋効果」が存在する。穿孔364が充填作動中にマフラー210内に導入されている空気の「十分な排出」を可能にする限り、あらゆる数の穿孔364を使用することができる。一部の例示的実施形態では、穿孔された部材360は、少なくとも50個の穿孔を含む。
【0056】
充填システム300では、パイプ232の端部252は塞がれない。これに代えて、穿孔された部材360は、上側開口部206を通じてマフラー本体230内に少なくとも部分的に嵌合するようなサイズ及び形状である。このようにして、パイプ232の端部252は、穿孔された部材360の内側キャビティ内に受け入れられる。真空源120によって空気がパイプ232の端部254を通って内側キャビティ204から引き出される時に、充填されているチャンバ(すなわち、第1のチャンバ236)内の空気も、マフラー210から出る時に穿孔された部材360内の穿孔364を通ってパイプ232の端部252に引き込まれ、パイプ252を通ってパイプ232の端部254から引き出される。従って、穿孔された部材360に起因して、テクスチャ化ノズル150によって内側キャビティ104内に導入されている空気は、マフラー210から出る流路を有する。流路の様々な部分が破線矢印で
図3に示されている。
【0057】
テクスチャ化ノズル150により内側キャビティ204内に導入された空気に対するマフラー210から出る流路を提供することにより、穿孔された部材360は、テクスチャ化された繊維材料102の内側キャビティ204内での制御された分布を容易にする。言い換えれば、穿孔された部材360は、内側キャビティ204に導入されている空気が、充填されているチャンバ(すなわち、第1のチャンバ236)内でのテクスチャ化された繊維材料102の緩やかな蓄積を乱さないように防ぐ。このようにして、パイプ232及び/又はバッフル234内に穿孔(又は適切な穿孔)がないにも関わらず、望ましい密度に対する第1のチャンバ236内のテクスチャ化された繊維材料102の比較的均一な分布を容易に達成することができる。
【0058】
テクスチャ化された繊維材料102は、内燃機関によって生じるような排気ガスによって生じる音を吸収して減衰させるのに適するあらゆる材料とすることができる。一部の実施形態では、テクスチャ化された繊維材料102は繊維ガラスである。一部の実施形態では、繊維ガラスは、E-ガラスフィラメント及びS-ガラスフィラメントのうちの一方を含む。テクスチャ化された繊維材料102は、一般的に、特定の密度(例えば、50g/L~200g/L)を有することになる。
【0059】
穿孔された部材360は、充填作動に耐えるのに適するあらゆる材料で作ることができる。一例示的実施形態では、穿孔された部材360は、金属(例えば、鋼、アルミニウム)で作ることができる。
【0060】
一部の例示的実施形態では、穿孔された部材360は、第1の部材122と一体化される。
【0061】
一部の例示的実施形態では、充填システム300は、充填作動中に複数の個別の穿孔された部材360を使用し、例えば、充填されているチャンバ内の第1のパイプの周りに第1の穿孔された部材360を配置し、充填されているチャンバ内の第2のパイプの周りに第2の穿孔された部材360を配置する。
【0062】
上述のように、マフラー設計は、広範な形状、サイズ、及び構成を包含する。一般的な発明概念は、様々なマフラー設計(例えば、パイプ及びバッフルの数、サイズ、形状、及び構成の変動)にわたって適用可能である。一部の例示的実施形態では、充填システム300は、複数の異なる穿孔された部材を含み、各穿孔された部材は、特定のマフラー設計又は構成に対応する。
【0063】
一般的な発明概念はまた、様々なマフラー充填システム(例えば、保持部材の数、サイズ、形状、及び構成の変動)にわたって適用可能である。一部の例示的実施形態では、充填システム300は、複数の異なる保持部材を含み、各保持部材は、特定のマフラー設計又は構成に対応する。
【0064】
一部の例示的実施形態では、テクスチャ化された繊維材料102の導入は、真空源120がマフラーとのインタフェースを有する側とは反対のマフラーの側で行われる。一部の例示的実施形態では、テクスチャ化された繊維材料102の導入は、真空源120とのインタフェースを有するのと同じマフラーの側で行われる。一部の例示的実施形態では、テクスチャ化された繊維材料102の導入は、真空源120がマフラーとのインタフェースを有する側に隣接する側で行われる。
【0065】
更に、マフラー内のパイプ及び/又はバッフルには穿孔が存在することができるが、それらの穿孔は、穿孔の欠如(又は適切な穿孔の欠如)と関連する上述の問題を回避するマフラーの領域(すなわち、充填されている特定のチャンバ)内にあるか又はそれに隣接する必要はない。穿孔された部材360は、そのようなマフラーにおいても、有効な充填作動を達成する又は他に改善するのに有用であると考えられる。
【0066】
穿孔された部材400の例示的実施形態を
図4A~4Cに示している。穿孔された部材400は、特定のマフラー450の設計に対応する(
図4C参照)。マフラー450は、その一端464に開口部462を有するマフラー本体460を含む。マフラー450はまた、単一バッフル(図示せず)を含む。バッフルは、マフラー450の内側キャビティを第1のチャンバと第2のチャンバに分割する。この特定のマフラー450は、テクスチャ化された繊維材料で充填されているチャンバ(すなわち、第1のチャンバ)の中に又はそれを通って延びる3つのパイプ(すなわち、第1のパイプ452、第2のパイプ454、及び第3のパイプ456)を含む。
【0067】
穿孔された部材400は、取り外し可能なインサートであり、そのインサートは、下面404とインサートの内側キャビティ408を定める1又は2以上の側壁406とを有する本体402を含む。一部の例示的実施形態では、本体402は、更に、蓋又はカバーのような内側キャビティ408を取り囲む上面(図示せず)を含む。上面は、一般的に下面404と平行になる。一部の例示的実施形態では、保持部材(例えば、第1の部材122)は、穿孔された部材400とのインタフェースを有して内側キャビティ408を取り囲む。
【0068】
3つの開口部(すなわち、第1の開口部412、第2の開口部414、及び第3の開口部416)が、本体402の下面404に形成される。更に、本体402の下面404には複数の穿孔418が形成される。穿孔は、充填工程によって導入されている空気がそれらを通過することができる一方、充填材料(例えば、テクスチャ化された繊維材料102)が通過しないように防ぐサイズ及び/又は形状である。
【0069】
一部の例示的実施形態では、1又は2以上のポスト420が本体402上に形成される。ポスト420は中空であり、本体402の下面404から本体402の上面まで、又は代わりに本体402の側壁406と類似の高さまで延びる。ポスト420を使用して、例えば、保持部材(例えば、第1の部材122)を貫通して延びる充填ノズルを穿孔された部材400に通してテクスチャ化された繊維材料で充填されているチャンバ内に入り込ませることができる。別の例示的実施形態では、充填ノズルは、穿孔された部材400を通過することなく、充填されているチャンバ内に挿入することができる。
【0070】
図4Cに示すように、穿孔された部材400は、開口部462を通して第1のチャンバ内に少なくとも部分的に嵌合するようなサイズ及び形状である。そのように位置決めされた状態で、マフラー450の第1のパイプ452、第2のパイプ454、及び第3のパイプ456は、穿孔された部材400の対応する開口部(すなわち、第1の開口部412、第2の開口部414、及び第3の開口部416)を貫通して延び、パイプの端部が穿孔された部材400の内側キャビティ408内で終端するようになる。本体402の側壁406は、あらゆる高さとすることができるが、第1の空隙がパイプ端部の上に生成されるように、内側キャビティ408に受け入れられたパイプ端部の上方に延びる必要がある。第2の空隙が、本体402の下面404と、穿孔された部材400の下方に位置するあらゆる構造(例えば、バッフル)との間に存在しなければならない。一部の例示的実施形態では、第2の空隙は、少なくとも50mmの高さを有する必要がある。
【0071】
このようにして、穿孔された部材400の穿孔418は、充填作動中に第1のチャンバに導入された空気が穿孔された部材400を通って内側キャビティに引き込まれ(例えば、真空源により)、次に途中のパイプを通ってマフラーから出る流路に寄与する。
【0072】
充填ノズルにより第1のチャンバに導入された空気に対してマフラーから出る十分な流路を提供することにより、穿孔された部材400は、充填材料の第1のチャンバ内での制御された分布を容易にする。言い換えれば、穿孔された部材400は、第1のチャンバに導入されている空気が第1のチャンバ内での充填材料の緩やかな蓄積を乱さないように防ぐ。このようにして、パイプ及び/又はバッフル内に穿孔(又は適切な穿孔)がないにも関わらず、望ましい密度に対する第1のチャンバ内の充填材料102の均一な分布を容易に達成することができる。同様に、パイプ及び/又はバッフル内の穿孔(又は適切な穿孔)がないにも関わらず、充填材料による穿孔418の十分なカバレージも容易に達成される。
【0073】
一般的な発明概念はまた、いずれの特定の充填システム実施からも独立した穿孔インサート(例えば、穿孔された部材360、穿孔された部材400)を包含する。
【0074】
一般的な発明概念はまた、
図3に示す充填システム300のような上述の例示的充填システムに対応する方法も包含する。
【0075】
例えば、
図5は、一例示的実施形態による充填方法500を説明する流れ図が示されている。
【0076】
充填方法500により、充填されているマフラーは、典型的には、段階502において半組立状態(例えば、末端キャップのような1又は2以上の最終部品を取り付けていない)に位置決めされる又は他に保持される。充填作動を開始する前に、段階504で穿孔された部材(例えば、穿孔された部材400)をマフラーに挿入する。
【0077】
穿孔された部材を所定位置に保持した状態で、充填作動が段階506で始まる。充填作動は、充填されているマフラーのキャビティ又はチャンバの中への充填材料(例えば、テクスチャ化された繊維材料102)の導入を伴う。充填作動と合わせて、段階508において、充填作動によって導入された空気をマフラーから排出する。例えば、吸引デバイス(例えば、真空源120)を使用して、穿孔された部材を通してマフラーから空気を引き出すことができる。通常、段階508を段階506の前に開始する。一部の例示的実施形態では、段階506及び508は、同時に開始される。一部の例示的実施形態では、段階506及び508は、比較的迅速な連続で開始され、例えば、段階508は、段階506の少なくとも1秒前に始まる。一般的に、段階508は、少なくとも段階506が実行されている限り行われる。
【0078】
マフラーのキャビティ/チャンバが適度に充填された状態で、充填作動が終了し、段階510で充填ステーションからマフラーを解除する。その後、穿孔された部材をマフラーから取り外すことができるので、段階512でマフラーには最終組立を行うことができる。マフラーの最終組立は、例えば、末端キャップをマフラーの本体の上に固定する段階(例えば、溶接、圧着)を含むことができる。
【0079】
例示したマフラーアセンブリの一部の態様は大部分が当業技術で公知であり、これらの態様は、一般的な発明概念の様々な態様をより容易に説明するために省略することができることは認められるであろう。更に、一般的な発明概念の範囲は、本明細書に図示して説明した特定の例示的実施形態に限定されることを意図していない。当業者は、与えられた開示から一般的な発明概念及びそれに付随する利点を理解するだけでなく、開示した方法及びシステムに対する明らかな様々な変更及び修正も見出すであろう。従って、変更及び修正の全て及びそのあらゆる均等物は、本明細書に説明して主張する一般的な発明概念の精神及び範囲に入るように網羅されることが求められている。例えば、本明細書に図示して説明した例示的実施形態は、多くの場合にスパンマフラー設計を参照するが、一般的な発明概念はそのように限定されず、少なくとも2つのハウジング部分がマフラーアセンブリの一部として互いに接合されるいずれのマフラー構成にも適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
400 穿孔された部材(インサート)
408 内側キャビティ
418 穿孔
420 ポスト
450 マフラー