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特許7001908切り落とし開封製本型葉書及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】切り落とし開封製本型葉書及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
B42D15/02 501B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017255388
(22)【出願日】2017-12-20
(65)【公開番号】P2019111796
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000105280
【氏名又は名称】ケイディケイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 義和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅人
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-054822(JP,A)
【文献】特開2012-148546(JP,A)
【文献】特開2008-162228(JP,A)
【文献】特開2014-237304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
縦方向の折り線を介して連接された2葉片が横方向の折り線を介して上下に連接された合計4葉片からなる単位シートが印刷されると共に天地の横方向の余白が切除された枚葉シートを間隔を取り順次繰り出す繰り出し工程と、間隔を取り繰り出された枚葉シートの所定の面に疑似接着フィルムシート及び完全接着フィルムシートを被覆するフィルムシートの被覆工程と、フィルムシートが被覆され間隔を取り連続状態となった枚葉シートの左右の縦方向の余白を切除する切除工程と、縦方向の余白が切除された単位シートを縦方向の折り線から二つ折りに折り畳む第一の折り畳み工程と、二つ折りに折り畳まれた連続状態の前後する単位シートの前記間隔の中央でフィルムシートを断裁する断裁工程と、断裁により単品となった単位シートを横方向の折り線から二つ折りに折り畳む第二の折り畳み工程と、横方向の折り線から二つ折りに折り畳まれた単位シートに加圧或いは加熱・加圧処理を施して一体化する一体化工程とからなることを特徴とした切り落とし開封製本型葉書の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一見すると通常の葉書であるにも関わらず、複数の葉片を折り畳み剥離可能に一体化されているため、大量の情報を隠蔽状態で伝達することが可能な郵便葉書に関する。
さらに詳しくは、任意の縁辺を切り落として開封することが可能となるため、前記機能に加えさらに秘匿性に優れた切り落とし開封製本型葉書とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年パンフレットやチラシを折り畳み剥離可能に一体化したダイレクトメールを、郵送や配送により受取人へ大量な情報を隠蔽状態で送付する広告宣伝手段が採用されている。そのようなものとして例えば特開2013-86507号公報に記載される情報通信体の製本手段及びそれを用いた製本型情報通信体及びその製造方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-86507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献の発明は、一つの情報通信体において異なる性質(感熱性、感圧性、感湿性、粘着剤等)の接着剤を使用することなく、さらに疑似接着と完全接着の両者を同一処理条件(加熱・加圧処理)で実行することを可能としたものである。そして少なくとも2種類の接着剤により製造可能であった従来の製本タイプの情報通信体を、1種類の接着剤のみにより実行可能としたものである。
【0005】
然るに製本部分がフィルムシートに形成されている感熱接着剤と紙材からなる葉片表面との接着のため、一般に多用されるマット紙やコート紙等の塗工紙では表面の塗工層が剥がれ易い点、また製本部分に形成される限られた面積の貫通孔を通しての接着となり、フィルムシートと紙材の接着が満足に行われず容易に葉片が製本部分において剥離して脱落する事故が起きる。
【0006】
また開封に関しても特別趣向が凝らされている訳ではないため、第三者が誤って開封してしまったり、郵送途上で自然に開封したりしてしまう等の事故が起きる。
【0007】
本発明は上記問題に鑑み、製本部分における葉片同士の接着が容易に剥離して脱落することがなく、誤って第三者に開封されたり郵送途上で自然開封したりすることのない情報通信体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の切り落とし開封製本型情報通信体は、縦方向の折り線を介して連接された2葉片が横方向の折り線を介して上下に連接された合計4葉片からなる単位シートを、縦方向の折り線に沿って折り畳んだ後に横方向の折り線から二つ折りに折り畳む切り落とし開封製本型葉書において、前記横方向の折り線から二つ折りに折り畳む際の対向面間は剥離不能に接着し、その他の対向面間を疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に接着することにより、縦方向の左右縁辺が前記剥離不能な接着と疑似接着フィルムシートにより封緘され、また下縁辺が各葉片の折り畳みによる袋とじ状態で封緘され、さらに上側縁辺ははみ出した疑似接着フィルムシートにより封緘される切り落とし開封製本型葉書であり、開封に際して上下の縁辺を切り落とすことにより製本状態に展開できることを特徴としている。
【0009】
また上記目的を達成するために、本発明の切り落とし開封製本型葉書の製造方法は、縦方向の折り線を介して連接された2葉片が横方向の折り線を介して上下に連接された合計4葉片からなる単位シートが印刷されると共に天地の横方向の余白が切除された枚葉シートを間隔を取り順次繰り出す繰り出し工程と、間隔を取り繰り出された枚葉シートの所定の面に疑似接着フィルムシート及び完全接着フィルムシートを被覆するフィルムシートの被覆工程と、フィルムシートが被覆され間隔を取り連続状態となった枚葉シートの左右の縦方向の余白を切除する切除工程と、縦方向の余白が切除された単位シートを縦方向の折り線から二つ折りに折り畳む第一の折り畳み工程と、二つ折りに折り畳まれた連続状態の前後する単位シートの前記間隔の中央でフィルムシートを断裁する断裁工程と、断裁により単品となった単位シートを横方向の折り線から二つ折りに折り畳む第二の折り畳み工程と、横方向の折り線から二つ折りに折り畳まれた単位シートに加圧或いは加熱・加圧処理を施して一体化する一体化工程とからなることを特徴としている。
【0010】
本発明の切り落とし開封製本型情報通信体を構成する葉片に使用される枚葉シートは、上質紙、マット紙、コート紙、合成紙、樹脂フィルムシート、不織布等を好適に使用することができる。
【0011】
疑似接着フィルムシートとしては、例えばポリエチレンテレフタレートや二軸延伸ポリプロピレン等を基材として、一方の面に公知の感熱接着剤層を形成し、もう一方の面に疑似接着層を形成したサーマルラミネート法に対応したものを好適に使用できる。このものは印刷用紙の表面に被覆して疑似接着層が対向するように折り畳み、加圧或いは加熱・加圧処理を施すことにより剥離可能に接着するものである。なお前記以外の構成の疑似接着フィルムシートでも構わない。
【0012】
最終的に横方向の折り線から二つ折りに折り畳む際の対向面間を剥離不能に接着する手段としては、例えば前記疑似接着フィルムシートの疑似接着層に代えてヒート処理層を形成したサーマルラミネート法に対応した完全接着フィルムシートを好適に使用できる。このものは印刷用紙の表面に被覆してヒート処理層が対向するように折り畳み、加圧或いは加熱・加圧処理を施すことにより剥離不能に接着するものである。なお前記以外の構成の完全接着フィルムシートでも構わない。
【0013】
なお前記疑似接着フィルムシートは疑似接着予定の対向面間の全面をカバーする状態に被覆されていても構わず、或いは部分的にカバーする状態で被覆されていても構わない。また前記完全接着フィルムシートは完全接着予定の対向面間の全面をカバーする状態に被覆されており、より確実に接着するように連接する葉片側へ折り線を跨ぐ状態ではみ出して被覆されていても構わない。
【0014】
最終的に折り畳まれて完成する切り落とし開封製本型情報通信体の上側縁辺からは、内部に被覆されている疑似接着フィルムシート及び完全接着フィルムシートがはみ出した状態となり、前記上側縁辺を封緘している。また下側縁辺は葉片の折り返しにより袋綴じ状態で封緘されており、左右の縁辺は対向面間に被覆されている疑似接着フィルムシート及び完全接着フィルムシートにより封緘されている。
【0015】
本発明の切り落とし開封製本型情報通信体の受取人は、既述の上下縁辺を切除することにより初めて開封可能となる。このような操作が必要なため、郵送途上での自然開封はありえず、また第三者には切除動作が必要なため注意を喚起することになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の切り落とし開封製本型葉書は、製本部分が完全接着フィルムシートにより全面的に接着されるため、葉片同士が容易に剥離して脱落することがない。
また開封に際して、上下縁辺の2か所を切除する必要があるため郵送途上での自然開封は起こり得ず、切除動作により注意が喚起されるため第三者による誤開封がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(A)は本発明の切り落とし開封製本型葉書Jの表面図、(B)は裏面図である。
図2】(A)は図1におけるI-I線断面図、(B)はII-II線断面図である。
図3】(A)は切り落とし開封製本型葉書Jの上下の切り落とし部分を切除して封緘を解除した様子を示す斜視図。(B)は封緘が解除された切り落とし開封製本型葉書Jを開封する様子を示す斜視図である。
図4】(A)は本発明の切り落とし開封製本型葉書Jを製造する際にしようする枚葉シートSの表面図、(B)は裏面図である。
図5】(A)は用紙載せ台に乗せる際に天地の横方向の余白Yが切除された枚葉シートZの表面図、(B)は裏面図である。
図6】切り落とし開封製本型葉書Jを製造する工程を分かりやすく説明する要部概略図である。
図7】(A)は被覆工程で枚葉シートZ表面の所定の位置に完全接着フィルムシートKが被覆された状態を示す平面図、(B)は枚葉シートZ裏面の所定の位置に疑似接着フィルムシートGが被覆された状態を示す平面図である。
図8】(A)は切除工程で縦方向の余白Xが切除された連続状態の単位シートSの表面図、(B)は裏面図である。
図9】間隔をおいて連続する単位シートSを前記間隔の断裁予定線Lで断裁し単品の単位シートSに仕上げる断裁工程を説明する平面図である。
図10】(A)は折り畳まれて単品に仕上げられた単位シートSの平面図、(B)は(A)におけるIII-III線断面図、(C)はIV-IV線断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[切り落とし開封製本型葉書J]
まず、切り落とし開封製本型葉書Jについて、図面に沿って分かりやすく説明する。
図1(A)及び図2(B)に示される本発明の切り落とし開封製本型葉書は、特に図2(B)に示すように、第一葉片1及び第二葉片2とそれよりも縦長さの長い第三葉片3及び第四葉片4が横方向の折り線6から折り合わされている。そして第一葉片1及び第二葉片2の対向面間と第三葉片3及び第四葉片4の対向面間は、疑似接着フィルムシートGを介して剥離可能に接着されており、第一葉片1及び第三葉片3の対向面間は完全接着フィルムシートKを介して剥離不能に接着されている。
【0019】
そして、第三葉片3及び第四葉片4の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGは両葉片の上側縁辺からはみ出した状態で突出しており、第三葉片3及び第一葉片1の対向面間に介在する第三葉片3側に被覆されている完全接着フィルムシートKが前記疑似接着フィルムシートGと共にはみ出した状態で接着されている。
【0020】
さらに、第一葉片1及び第二葉片2の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートGは、両葉片からはみ出した状態で、第一葉片1及び第三葉片3の対向面間に介在する第一葉片1側に被覆されている完全接着フィルムシートKと共に、第一葉片1及び第二葉片2の上側縁辺から突出して表出している、第三葉片3の上側縁辺の第三葉片3側に被覆されている完全接着フィルムシートKと接着されている。
【0021】
また図1(A)及び図2(A)に示すように、第二葉片2の左側縁辺に沿って完全フィルムシートKが、下側の第一葉片1から縦方向の折り線5を跨いで被覆されている。そして第二葉片2から突出した第三葉片3上縁辺の表出面には、「POST CARD」或いは「郵便はがき」等の葉書本体を示す表示が記載されている。この文言の記載により対向面間が接着され一体化した第一葉片1及び第三葉片3が本体となる。
【0022】
既述の構成の切り落とし開封製本型葉書Jは図2(A)に示すように、左右の側縁辺が各対向面間に介在する完全接着フィルムシートK及び疑似接着フィルムシートGの接着により封緘されている。また上側縁辺は突出した完全接着フィルムシートK及び疑似接着フィルムシートG同士の接着により封緘されている。極めて薄いフィルムシート同士の接着面を剥離するのは不可能である。さらに下側縁辺は横方向の折り線6で各葉片が折り畳まれ袋とじ状態となり封緘され、このようにして四周全部が封緘されている。
【0023】
切り落とし開封製本型葉書Jの受取人は、図1(A)及び(B)に示される上下縁辺の切取線7を、図3(A)に示すようにカッターや鋏等の切除道具で切り落とす。すると図2(B)に二点鎖線で示す位置が除去され上下の封緘が解除され、図2(A)に示す右側縁辺の疑似接着フィルムシートGが被覆されていない非接着域を剥離の端緒として、図3(B)に示すように見開き状態に開封できるのである。
【0024】
[切り落とし開封製本型葉書Jの製造方法]
次に本発明の切り落とし開封製本型葉書Jの製造方法を分かりやすく説明する。
図4に示すのは切り落とし開封製本型葉書Jを製造するための枚葉シートZである。
同図(A)及び(B)に示すように枚葉シートZの表面は、縦方向の折り線5及び横方向の折り線6を介して田の字型に配置された第一葉片1、第二葉片2、第三葉片3及び第四葉片4からなる単位シートSが印刷されている。
【0025】
そして第一葉片1表面の横方向の折り線6近辺には後の断裁工程で使用する読取用マークMが記載されている。なお郵便料金欄、郵便番号欄及び受取人の住所氏名等は第二葉片2表面に記載される。また前記単位シートSは、縦方向の余白X及び横方向の余白Yにより周囲が囲まれている。なお前記周囲の余白は加工工程中の切除工程及び断裁工程で排除されるものである。
【0026】
既述の構成の枚葉シートSは、図6に示す加工工程の最上流(用紙載せ台10)に配置される前に図5(A)及び(B)に示すように、天地の横方向の余白Yが予め切除された状態で用紙載せ台に配置される。そして例えば最上面の単位シートSから順番に、例えば吸着パッド等の給紙装置11により、間隔が約3~10mmの範囲で右側の搬送テーブル上に送り出されるのである。
【0027】
そして搬送テーブル上に配置された一対のニップローラ12a、12bに銜えられて、右側に配置された例えば一対のヒートローラ13a、13bからなる被覆装置へ送り込まれる。前記被覆装置では上方及び下方に待機している完全接着フィルムシートK及び疑似接着フィルムシートGが引き込まれ、図7(A)及び(B)に示すように前記一対のヒートローラで通過する単位シートSの表裏面の所定の位置に被覆されるのである。
【0028】
各種フィルムシートが被覆された単位シートSは、次に右側に配置された例えばスリット刃14a及びバックアップローラ14bからなるスリッター等の切除装置へ送られて、図8(A)及び(B)に示すように両外側の縦方向の余白Xが切除され、さらに右側のミシン刃15aとバックアップローラ15bからなる折り手段形成装置へ送り込まれる。
【0029】
折り手段形成工程では通過する単位シートSに折りミシンが形成される。単位シートSには疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆されているため、シートとフィルムシートの両者を貫通するミシンが形成されることになる。なお繰り出し工程で予め枚葉シートZの単位シートSに折りミシンを形成しておけば、本折り手段形成工程は省略することができる。そして折りミシンが形成された単位シートSは、一対のニップローラ16a、16bにより、さらに下流の第一の折り畳み装置へと送り込まれる。
【0030】
第一の折り畳み装置は、例えば連続用紙の折り畳みに使用される、業界でくせ折り機或いはアングルと称される公知の折り畳み装置が好適に使用できる。前記第一の折り畳み装置では図9に示すように、下方のサポートローラ17から上方のサポートローラ18へ引き上げられる間に、単位シートSの縦方向の折り線5から第一葉片1及び第三葉片3の裏面が第二葉片2及び第四葉片4の裏面と対向するように二つ折りに折り畳まれる。そして引き続き下流の断裁装置へと送り込まれる。
【0031】
断裁装置では図9に示すように間隔を開けて連続的に通過する単位シートSのマークMをセンサ20が読み取ると、単位シートSが移動する距離をカウントする。そして一定の距離を走行すると下流に設けられた断裁刃21a及び固定刃21bからなるギロチン式の断裁装置が稼働するというものである。なお図9では、単位シートS1の第一葉片1に記載されているマークMを起点に距離のカウントが開始され、単位シートS1及びS2の間隔の中間点(二点鎖線で現される断裁予定線L)で断裁されて、図10(A)、(B)及び(C)に示す単品の単位シートSが切り出されるように設定されている。なお断裁装置は上記以外に、例えばダイカットローラとバックアップローラの組み合わせやロータリーカッター等の切断手段が等を採用できる。また前記マークMは図9に示す第一葉片1及び第三葉片3の表面の何れの位置に記載されていても構わない。
【0032】
前記断裁装置により図10(A)、(B)及び(C)に示すように単品に仕上げられた単位シートSは、次に折りローラ22a、22b、22cと折りトレー23からなる第二の折り畳み装置により横方向の折り線6から第一葉片1の表面と第三葉片3の表面同士が対向するように二つ折りに折り畳まれ、さらに右側に配置された一対の搬送ローラ24a、24bと一対のヒータパネル25a、25bが交互に配置されると共に出口に加圧ローラ26a、26b配置された一体化装置へ送り込まれる。
【0033】
前記一体化装置では、通過する単位シートSに加熱・加圧処理が施される。それにより単位シートSは、第一葉片1と第二葉片2の対向面間及び第三葉片と第四葉片4の対向面間に介在する疑似接着フィルムシートG同士が剥離可能に接着さ、第一葉片1と第三葉片3の対向面間に介在する完全接着フィルムシートK同士が剥離不能に接着されて一体化されるのである。
【0034】
既述の通り製造される切り落とし開封製本型葉書Jは、前記一体化装置の出口に設けられた一対の加圧ローラ26a、26bから排出されると、ベルトコンベア等からなるスタッカ27に順次積載され、区分けされた後に通常葉書として投函されるのである。
なお切り落とし開封製本型葉書Jの受取人の開封手段は既に前記切り落とし開封製本型葉書Jで説明した通りである。
【0035】
本発明は、前記実施例に限られるものではない。
例えば、図1(A)、(B)及び図2(A)、(B)にあるように、完全接着フィルムシートKは必ずしも第二葉片2と第四葉片4の表出面側まで被覆する必要はない。第一葉片1と第三葉片3の対向面内に収まっていても構わないのである。
また、完全接着フィルムシートKは、基材の両面に感熱接着剤層を設けた両面接着性フィルムシートを使用しても構わず、さらに感熱接着剤を対向面の何れか或いは両面に直接塗布して用いても構わない。
第一葉片1と第二葉片2の上縁辺から突出してはみ出しているフィルムシートは、本実施例では第三葉片3の上縁辺内に収まっているが、第三葉片3からはみ出していても構わない。
また、切取線7及び他の葉片の前記切取り線7に該当する箇所に破断用のミシン目を形成しておいて、受取人が容易に折り曲げて破断し開封できるようにしておけば極めて至便である。
【符号の説明】
【0036】
J 切り落とし開封製本型葉書
Z 枚葉シート
S 単位シート
G 疑似接着フィルムシート
K 完全接着フィルムシート
X 縦方向の余白
Y 横方向の余白
M マーク
1、2、3、4 葉片
5、6 折り線
7 切取線
10 用紙載せ台
11 吸着パッド
12a、12b、16a、16b、19a、19b 一対のニップローラ
13a、13b 一対のヒートローラ
14a スリット刃
15a ミシン刃
14b、15b バックアップローラ
17、18 サポートローラ
20 センサ
21a 断裁刃
21b 固定刃
22a、22b、22c 折りローラ
23 折りトレー
24a、24b 一対の搬送ローラ
25a、25b 一対のヒータパネル
26a、26b 一対の加圧ローラ
27 排出トレー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10