(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20220113BHJP
A63F 13/75 20140101ALI20220113BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/75
(21)【出願番号】P 2019174955
(22)【出願日】2019-09-26
【審査請求日】2020-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 文子
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-027901(JP,A)
【文献】特開2019-098196(JP,A)
【文献】特開2018-149386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム画面が表示される表示部と、ユーザにより操作される操作部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記操作部に対するユーザの操作により生じたゲーム状況を監視する監視手段、
前記監視手段により監視される前記ゲーム状況に基づき、ユーザが入手可能なゲーム内のオブジェクトの中から所定のオブジェクトを特定オブジェクトとして特定する特定手段、および、
前記特定オブジェクトが当選される確率である当選確率値を変更する確率変更手段、として機能させ、
前記確率変更手段により前記当選確率値を変更可能なオブジェクトは複数あり、
前記特定手段は、前記当選確率値を変更可能な複数の前記オブジェクトの中の一部である1または複数のオブジェクトを前記特定オブジェクトとして特定し、
前記コンピュータを、前記操作部に対するユーザの操作により前記オブジェクトを前記表示部に表示させるオブジェクト表示手段として更に機能させ、
前記監視手段は、前記ゲーム状況として、前記表示部に表示された表示時間および表示回数の少なくとも一方に関連する表示頻度値を前記オブジェクトごとに監視し、
前記特定手段は、前記表示頻度値に基づき、前記特定オブジェクトを特定する
、ゲームプログラム。
【請求項2】
ゲーム画面が表示される表示部と、ユーザにより操作される操作部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記操作部に対するユーザの操作により生じたゲーム状況を監視する監視手段、
前記監視手段により監視される前記ゲーム状況に基づき、ユーザが入手可能なゲーム内のオブジェクトの中から所定のオブジェクトを特定オブジェクトとして特定する特定手段、および、
前記特定オブジェクトが当選される確率である当選確率値を変更する確率変更手段、として機能させ、
前記確率変更手段により前記当選確率値を変更可能なオブジェクトは複数あり、
前記特定手段は、前記当選確率値を変更可能な複数の前記オブジェクトの中の一部である1または複数のオブジェクトを前記特定オブジェクトとして特定し、
前記コンピュータを、
前記ゲーム内で予め定められた複数のクエストの中から、前記操作部に対するユーザの操作により選択されたクエストを実行するクエスト実行手段、および、
実行された前記クエストが達成された場合に、前記当選確率値に基づいて、前記クエストに対して予め定められた複数の前記オブジェクトの中から、前記ユーザに付与する前記オブジェクトを抽選する抽選手段、として更に機能させ、
前記監視手段は、前記ゲーム状況として、前記クエストごとに実行回数を監視し、
前記特定手段は、前記クエストの実行回数に基づき、前記特定オブジェクトを特定する
、ゲームプログラム。
【請求項3】
ゲーム画面が表示される表示部と、ユーザにより操作される操作部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記操作部に対するユーザの操作により生じたゲーム状況を監視する監視手段、
前記監視手段により監視される前記ゲーム状況に基づき、ユーザが入手可能なゲーム内のオブジェクトの中から所定のオブジェクトを特定オブジェクトとして特定する特定手段、および、
前記特定オブジェクトが当選される確率である当選確率値を変更する確率変更手段、として機能させ、
前記確率変更手段により前記当選確率値を変更可能なオブジェクトは複数あり、
前記特定手段は、前記当選確率値を変更可能な複数の前記オブジェクトの中の一部である1または複数のオブジェクトを前記特定オブジェクトとして特定し、
前記監視手段は、前記ゲーム状況として、前記ユーザが所有するオブジェクトを監視し、
前記特定手段は、前記ユーザが所有するオブジェクトに基づき、前記特定オブジェクトを特定する
、ゲームプログラム。
【請求項4】
ゲーム画面が表示される表示部と、ユーザにより操作される操作部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記操作部に対するユーザの操作により生じたゲーム状況を監視する監視手段、
前記監視手段により監視される前記ゲーム状況に基づき、ユーザが入手可能なゲーム内のオブジェクトの中から所定のオブジェクトを特定オブジェクトとして特定する特定手段、および、
前記特定オブジェクトが当選される確率である当選確率値を変更する確率変更手段、として機能させ、
前記確率変更手段により前記当選確率値を変更可能なオブジェクトは複数あり、
前記特定手段は、前記当選確率値を変更可能な複数の前記オブジェクトの中の一部である1または複数のオブジェクトを前記特定オブジェクトとして特定し、
前記コンピュータを、前記操作部に対するユーザの操作に基づき、前記ゲーム内の空間に配置されたプレイヤキャラクタの行動を制御するキャラクタ制御手段として更に機能させ、
前記ユーザが入手可能なゲーム内の複数のオブジェクトには、前記プレイヤキャラクタ
が装備可能な複数の装備アイテム、および、前記装備アイテムの強化に必要な複数の素材アイテムを含み、
前記監視手段は、前記ゲーム状況として、前記ユーザが所有する前記装備アイテムを監視し、
前記特定手段は、前記ユーザが所有する前記装備アイテムの強化に必要な前記素材アイテムを、前記特定オブジェクトとして特定する
、ゲームプログラム。
【請求項5】
ゲーム画面が表示される表示部と、ユーザにより操作される操作部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記操作部に対するユーザの操作により生じたゲーム状況を監視する監視手段、
前記監視手段により監視される前記ゲーム状況に基づき、ユーザが入手可能なゲーム内のオブジェクトの中から所定のオブジェクトを特定オブジェクトとして特定する特定手段、および、
前記特定オブジェクトが当選される確率である当選確率値を変更する確率変更手段、として機能させ、
前記確率変更手段により前記当選確率値を変更可能なオブジェクトは複数あり、
前記特定手段は、前記当選確率値を変更可能な複数の前記オブジェクトの中の一部である1または複数のオブジェクトを前記特定オブジェクトとして特定し、
前記コンピュータを、前記操作部に対するユーザの操作に応じて1つまたは複数のオブジェクトを指定し、指定したオブジェクトを欲しい物リストとして記憶部に記憶する希求オブジェクト指定手段として更に機能させ、
前記監視手段は、前記ゲーム状況として、前記希求オブジェクト指定手段により指定された前記オブジェクトを監視し、
前記特定手段は、前記希求オブジェクト指定手段により指定された前記オブジェクトに基づき、前記特定オブジェクトを特定する
、ゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備えた、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム内のイベントの実行、イベントの実行結果、ゲームの進行状況などに応じて、ゲームをプレイするユーザにアイテムなどのゲームオブジェクトを付与するゲームを実現するゲームシステムが知られている。この種のゲームでは、ゲームオブジェクトごとにユーザが入手できる確率が設定されている。例えばいわゆるレアアイテムなどの入手確率が低いゲームオブジェクトを入手することは、ユーザにとってゲームをプレイする動機付けに関わる重要なゲーム要素となっている。
【0003】
例えば特許文献1には、ゲーム内のレアカードの出現確率を変更する情報生成装置が開示されている。この情報生成装置では、ゲームにおけるユーザの勝率が60パーセント以上の場合に勝率が高いほどレアカードの出現確率が上がるように調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、レアなオブジェクトについて満遍なく入手確率を変更してしまうと、ゲーム内でのレアなオブジェクト全体の価値が変わってしまい望ましくない場合がある。
【0006】
そこで本発明は、ユーザが入手可能なゲーム内のオブジェクトについて、ゲーム内のオブジェクト全体の価値の変動を抑えつつ、ゲーム内のオブジェクトの入手確率を変更するゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、第1の発明は、ゲーム画面が表示される表示部と、ユーザにより操作される操作部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、前記コンピュータを、前記操作部に対するユーザの操作により生じたゲーム状況を監視する監視手段、前記監視手段により監視される前記ゲーム状況に基づき、ユーザが入手可能なゲーム内のオブジェクトの中から所定のオブジェクトを特定オブジェクトとして特定する特定手段、および、前記特定オブジェクトが当選される確率である当選確率値を変更する確率変更手段、として機能させ、前記確率変更手段により前記当選確率値を変更可能なオブジェクトは複数あり、前記特定手段は、前記当選確率値を変更可能な複数の前記オブジェクトの中の一部である1または複数のオブジェクトを前記特定オブジェクトとして特定する。
【0008】
このゲームプログラムによれば、例えば特定手段により、ゲーム状況に基づきユーザが現在欲しているアイテムなどが特定される場合、ユーザが欲するアイテムのみ当選確率値を変更することができる。これにより、ゲーム内のオブジェクト全体の当選確率値を変更する場合に比べて、オブジェクトの価値の変動を抑えることができる。
【0009】
また、第1の発明において、前記監視手段により監視される前記ゲーム状況は、前記操作部に対するユーザの操作により前記表示部に表示される所定のゲーム画面の表示状況、前記操作部に対するユーザの操作により前記ゲーム内の所定のイベントの実行状況、前記操作部に対するユーザの操作によりユーザが入手したオブジェクトの所持状況、および、前記操作部に対するユーザの操作により選択されたオブジェクトの選択状況のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0010】
また、第1の発明において、前記コンピュータを、前記操作部に対するユーザの操作により前記オブジェクトを前記表示部に表示させるオブジェクト表示手段として更に機能させ、前記監視手段は、前記ゲーム状況として、前記表示部に表示された表示時間および表示回数の少なくとも一方に関連する表示頻度値をオブジェクトごとに監視し、前記特定手段は、前記表示頻度値に基づき、前記特定オブジェクトを特定してもよい。これにより、例えばユーザが見ている頻度が高いオブジェクトを、ユーザが欲しているアイテムとして特定できる。
【0011】
また、第1の発明において、前記コンピュータを、前記ゲーム内で予め定められた複数のクエストの中から、前記操作部に対するユーザの操作により選択されたクエストを実行するクエスト実行手段、および、実行された前記クエストが達成された場合に、前記当選確率値に基づいて、前記クエストに対して予め定められた複数の前記オブジェクトの中から、前記ユーザに付与する前記オブジェクトを抽選する抽選手段、として更に機能させ、前記監視手段は、前記ゲーム状況として、前記クエストごとに実行回数を監視し、前記特定手段は、前記クエストの実行回数に基づき、前記特定オブジェクトを特定してもよい。これにより、例えばユーザが選択し、実行したクエストの実行頻度から、そのクエストを実行することで入手できるオブジェクトを、ユーザが欲しているオブジェクトとして特定できる。
【0012】
また、第1の発明において、前記監視手段は、前記ゲーム状況として、前記ユーザが所有するオブジェクトを監視し、前記特定手段は、前記ユーザが所有するオブジェクトに基づき、前記特定オブジェクトを特定してもよい。これにより、例えばユーザが所有する武器アイテムから、その武器アイテムを強化するための素材アイテムやその武器アイテムと相性の良いアイテム(例えば所有する武器アイテムと種類または属性が同じ防具アイテム)などを、ユーザが欲しているアイテムとして特定できる。
【0013】
また、第1の発明において、前記コンピュータを、前記操作部に対するユーザの操作に基づき、前記ゲーム内の空間に配置されたプレイヤキャラクタの行動を制御するキャラクタ制御手段として更に機能させ、前記ユーザが入手可能なゲーム内の複数のオブジェクトには、前記プレイヤキャラクタが装備可能な複数の装備アイテム、および、前記装備アイテムの強化に必要な複数の素材アイテムを含み、前記監視手段は、前記ゲーム状況として、前記ユーザが所有する前記装備アイテムを監視し、前記特定手段は、前記ユーザが所有する前記装備アイテムの強化に必要な前記素材アイテムを、前記特定オブジェクトとして特定してもよい。これにより、ユーザが所有する装備アイテムを強化させるために必要な素材アイテムを、例えばユーザが欲している強化アイテムを特定できる。
【0014】
また、第1の発明において、前記コンピュータを、前記操作部に対するユーザの操作に応じて1つまたは複数のオブジェクトを指定し、指定したオブジェクトを欲しい物リストとして記憶部に記憶する希求オブジェクト指定手段として更に機能させ、前記監視手段は、前記ゲーム状況として、前記希求オブジェクト指定手段により指定された前記オブジェクトを監視し、前記特定手段は、前記希求オブジェクト指定手段により指定された前記オブジェクトに基づき、前記特定オブジェクトを特定してもよい。これにより、ユーザが欲しているアイテムの当選確率を確実に変更することができる。
【0015】
第2の発明は、上記のいずれかのゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備えた、ゲームシステムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザが入手可能なゲーム内のオブジェクトについて、ゲーム内のオブジェクト全体の価値の変動を抑えつつ、ゲーム内のオブジェクトの入手確率を変更するゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態におけるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態におけるクエスト画面の一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態におけるクエスト報酬画面の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態におけるゲーム装置およびサーバ装置の各制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態におけるアイテム選択画面の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態における装備アイテムごとの表示頻度値と当選確率値の一例を示す図表である。
【
図7】第1実施形態における当選確率変更処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態におけるゲーム装置およびサーバ装置の各制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図9】第2実施形態における装備アイテムの派生ルート画面の一例を示す図である。
【
図10】第3実施形態における欲しい物リスト画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係るゲームシステムおよびゲームプログラムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
[ハードウェア構成]
まず本発明の第1実施形態に係るゲームシステム1の構成について説明する。
図1は、当該ゲームシステム1を構成するゲーム装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ゲームシステム1は、ゲーム装置2とサーバ装置4とを備え、ゲーム装置2は、一以上のコントローラ(操作部)31、モニタ(表示部)32、スピーカ33を備えている。
【0020】
ゲーム装置2は、その動作を制御するコンピュータである制御部21を備える。制御部21は、例えばCPUを含む。制御部21には、メディアI/F部22、記憶部23、ネットワークI/F部24、無線通信制御部25、グラフィック処理部26およびオーディオ処理部27が、それぞれバス21aを介して接続されている。
【0021】
メディアI/F部22は、ゲームを実行するためのゲームメディア34を装填可能なインターフェースである。ゲームメディア34は、例えばDVD-ROM等のディスク型記録媒体であり、その中にゲームの実行に必要なゲームプログラム34aおよびゲームデータ34bが記録されている。このゲームデータ34bには、ゲームを実行するために必要な各種データが含まれる。
【0022】
記憶部23は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMで構成される。記憶部23には、ゲームメディア34から読み込んだゲームプログラム34aおよびゲームデータ34b、並びにセーブデータ等が記録される。なお、本実施形態では、ゲーム起動時にゲームメディア34内の全てのゲームデータ34bを読み込まず、ゲームの進行状況(例えばゲームシーンの変わり目など)に応じて適宜必要となるゲームデータを読み込む。
【0023】
ネットワークI/F部24は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してゲーム装置2を接続するインターフェースである。ゲーム装置2は、他のゲーム装置2およびサーバ装置4との間で通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。例えば、ゲーム装置2は、外部と通信しながらゲームを進行させる場合に、通信ネットワークNWを介して、他のゲーム装置2との間および/またはサーバ装置4との間でデータの送受信を行う。
【0024】
無線通信制御部25は、ゲーム装置2に付属するコントローラ31との間で無線により接続され、該コントローラ31との間でデータの送受信が可能となっている。コントローラ31は、ユーザによる操作を受け付ける操作装置であり、例えば複数のキー(ボタン等)を備えている。コントローラ31がユーザにより操作されることにより、その操作に対応した操作情報が、無線通信制御部25を介してコントローラ31からゲーム装置2の制御部21に送られる。制御部21は、コントローラ31からの操作情報に基づきゲームを進行させる。
【0025】
グラフィック処理部26は、制御部21の指示に従ってゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部26によって描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてモニタ32に表示される。モニタ32は、ゲーム画像を表示する表示装置(表示部)である。モニタ32は、例えば液晶ディスプレイである。
【0026】
オーディオ処理部27は、制御部21の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部27には、外部のスピーカ33と接続される。オーディオ処理部27により再生および合成されたゲーム音声は、音響出力装置としてのスピーカ33から外部へ出力される。なお、オーディオ処理部27には、スピーカ33に加えてまたは代わりに、外部のヘッドフォンなどが接続され得る。
【0027】
サーバ装置4は、その動作を制御するコンピュータであるサーバ制御部41を備える。サーバ制御部41は、例えばCPUを含む。サーバ制御部41には、記憶部42およびネットワークI/F部43が、それぞれバス41aを介して接続されている。なお、サーバ装置4は、必要に応じてキーボード等の入力装置、および液晶ディスプレイ等の出力装置を備えていてもよい。
【0028】
記憶部42は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMで構成される。ネットワークI/F部43は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してサーバ装置4を接続するインターフェースである。サーバ装置4は、複数のゲーム装置2との間で通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。
【0029】
[ゲームの概要]
本実施の形態におけるゲームの概要について説明する。本実施の形態に係るゲームは、村、森、平原などを表す三次元の仮想空間内を、コントローラ31に対するユーザの操作によりプレイヤキャラクタを行動させてゲームを進行させるアクションゲームである。また、このゲームは、複数のユーザが参加可能なゲーム、いわゆるマルチプレイ対応ゲームであり、複数のユーザに対応する複数のプレイヤキャラクタが同じ仮想空間内で行動可能なオンラインゲームとなっている。
【0030】
このゲームでは、進行に応じて様々なクエスト(ミッション、課題)が用意されている。クエストは、モニタ32に表示される様々なクエストの中から、ユーザにコントローラ31が操作されて選択されることにより受注可能となっている。仮想空間内には、例えば村や集会所など、クエストを受注できる受注フィールドと、例えば森や平原など、受注したクエストの達成を目指すクエストフィールドが用意されている。ユーザは、ユーザ自身が受注したクエストに他のユーザを参加させたり、他のユーザが受注したクエストに参加したりすることができる。クエストの受注またはクエストへの参加により、あるいは、クエスト受注後またはクエスト参加後にプレイヤキャラクタPが受注フィールドからクエストフィールドに移動することにより、クエストが開始される。
【0031】
図2に、プレイヤキャラクタPが仮想空間S(より詳しくはクエストフィールド)に位置する様子を示すゲーム画面(クエスト画面)D1の一例を示す。クエストには様々な種類があり、クエストに応じたクエストフィールドが用意されている。クエストの例としては、例えば、
図2に示すようにクエストフィールドに配置されたターゲットとしての敵キャラクタ(ノンプレイヤキャラクタ)Nの討伐を目指すものや、クエストフィールド内に散りばめられた所定のアイテムの採取を目指すものなどがある。ユーザは、プレイヤキャラクタPを操作してクエストの達成を目指す。クエストが達成されると、そのクエストの報酬がユーザに付与される。ここで、「報酬がユーザに付与される」とは、ユーザのセーブデータ(又はアカウントデータ)に報酬であるオブジェクトが関連付け(紐づけ)されることを意味する。
【0032】
このゲーム内の仮想空間Sには、様々なアイテムが登場する。アイテムとしては、具体的には、クエストで入手可能な素材アイテムや、プレイヤキャラクタPが装備可能な装備アイテムが挙げられる。以下、素材アイテムおよび装備アイテムを、それぞれ、素材および装備ともいう。
【0033】
装備には、例えば武器および防具などが含まれる。武器は、敵キャラクタNを攻撃するための装備であり、より詳しくは、プレイヤキャラクタPが敵キャラクタNを攻撃したときの敵キャラクタNの体力ゲージの減少を促進するための装備である。防具は、敵キャラクタNの攻撃から防御するための装備であり、より詳しくは、プレイヤキャラクタPが敵キャラクタNから攻撃を受けたときのプレイヤキャラクタPの体力ゲージの減少を抑えるための装備である。
【0034】
このゲームでは、複数の種類の装備が登場する。例えば武器は大きく分けて、敵キャラクタNに一定の近距離まで近づくことで敵キャラクタNを攻撃可能な武器である「近接武器」と、敵キャラクタNから離れたところから敵キャラクタNを攻撃可能な武器である「遠距離武器」とに分かれる。「近接武器」には、大剣、太刀、片手剣、双剣、ハンマー、狩猟笛、ランス、ガンランス、スラッシュアックス、チャージアックスおよび操虫棍などの種類がある。また、「遠距離武器」には、ライトボウガン、ヘビィボウガンおよび弓などの種類がある。これら14種の武器の各々は、更に、攻撃力や特性などのステータスが互いに異なる複数の武器種を含む。また、防具も、武器種に対応して複数の種類に分けられる。
【0035】
装備は、プレイヤキャラクタPを、「加工屋」と呼ばれる仮想空間S内の所定の装備作製領域に配置させることで入手可能となっている。より詳しくは、加工屋では、ユーザが希望する装備を新規に生産したり、既にユーザが所有している装備を強化したりすることができる。なお、本明細書では、装備の生産および強化をまとめて作製と称する。加工屋での装備の作製には、素材アイテム(素材)を加工屋に提供する必要がある。素材は、例えば、鉱石や宝石や、討伐した敵キャラクタNの皮革や骨、爪、鱗などが挙げられる。素材は、クエスト中の採取行動などで入手できる他、例えばクエストを達成したときの報酬として入手可能である。
【0036】
図3に、クエストが達成された場合にモニタに表示されるゲーム画面(クエスト報酬画面)D2の一例を示す。クエスト報酬画面D2には、複数の(図例では5つの)報酬枠C1~C5が表示される。報酬枠C1~C4には、それぞれ、クエストの達成により獲得した素材の画像E1~E4が示されている。中に何も示されていない報酬枠C5は、その枠に対応する素材が獲得されなかったことを示す。ユーザはクエストを達成することにより、素材アイテムを入手し、武器を作製する。ユーザは、作製した新たな武器を使用して、より難易度の高いクエストに挑戦する。難易度の高いクエストでは価値の高い素材が得られるため、ユーザは、価値の高い素材によってさらに強力な武器を作製できる。
【0037】
報酬枠の数や各報酬枠で獲得されるアイテムは、クエストに応じて異なる。また、クエスト達成の報酬としての素材は、クエストに応じた複数種類の素材の中から抽選され、ユーザに付与される。各素材の当選確率値は、基本的に予め設定されており、素材の中には当選確率値の低いレアな素材などもある。このため、例えば、ユーザは、現在欲している希少な素材を手に入れるために、その素材を入手可能なクエストを繰り返し挑戦(実行)しなければならない場合もある。本実施形態で説明されるゲームでは、ユーザの操作により生じたゲーム状況が監視され、監視されたゲーム状況に応じて、素材などのアイテムの当選確率値が変更される。これについて、詳細は後述する。
【0038】
[機能的構成]
図4(A)は、ゲーム装置2の制御部21の機能的な構成を示すブロック図である。ゲーム装置2の制御部21は、ゲームプログラム34aを実行することにより、通信手段51、ゲーム空間生成手段52、キャラクタ制御手段53、オブジェクト表示手段54、クエスト実行手段55、抽選手段56、監視手段57、特定手段58、および確率変更手段59として機能する。また、
図4(B)は、サーバ装置4のサーバ制御部41の機能的な構成を示すブロック図である。サーバ装置4のサーバ制御部41は、記憶部42に記憶された所定のゲームプログラムを実行することにより、通信手段71およびクエスト管理手段72として機能する。
【0039】
図4(A)に示す制御部21側の通信手段51は、通信ネットワークNWを介して他のコンピュータ(他のゲーム装置2およびサーバ装置4)との間で通信する。一方、
図4(B)に示すサーバ制御部41側の通信手段71は、通信ネットワークNWを介して複数のゲーム装置2との間で通信する。
【0040】
ゲーム空間生成手段52は、当該ゲームをプレイするための仮想のゲーム空間Sを生成し、更に、これをモニタ32に表示するための二次元画像を生成する。仮想空間Sには、上述した受注フィールド及びクエストフィールドが含まれる。本例では、仮想空間Sは、三次元のゲーム空間であるが、二次元のゲーム空間であってもよい。
【0041】
キャラクタ制御手段53は、コントローラ31に対するユーザの操作に基づき、ゲーム内の空間に配置されたプレイヤキャラクタPの行動を制御する。例えば、ユーザはコントローラ31を操作することにより、プレイヤキャラクタPを仮想空間S内で移動させたり、プレイヤキャラクタPに敵キャラクタNを攻撃させたり、所有するアイテムを使用させたりすることができる。また、仮想空間Sには、プレイヤキャラクタPの他、クエストのターゲットである敵キャラクタNなどのノンプレイヤキャラクタも配置される。キャラクタ制御手段53は、ゲームの状況に応じて仮想空間Sでのノンプレイヤキャラクタの動作を制御する。
【0042】
オブジェクト表示手段54は、コントローラ31に対するユーザの操作によりアイテムをモニタ32に表示させる。これについて、
図5を参照して説明する。
【0043】
図5は、アイテム選択画面D3の一例を示す図である。アイテム選択画面D3は、コントローラ31に対するユーザの操作によりモニタ32に表示される。本例において、アイテム選択画面D3は、複数の装備の中からユーザが選択した1つの装備について詳細な情報を確認することを可能にする。例えば、アイテム選択画面D3は、コントローラ31に対するユーザの操作により、プレイヤキャラクタPに加工屋と会話させることでモニタ32に表示される。アイテム選択画面D3は、装備選択リスト表示欄F1、選択中装備画像表示欄F2、選択中装備ステータス表示欄F3、および選択中装備必要素材表示欄F4を含む。
【0044】
装備選択リスト表示欄F1には、コントローラ31に対するユーザの操作により選択可能な装備が表示される。例えば、装備選択リスト表示欄F1には、ユーザが所有する装備のリストが表示されてもよい。装備選択リスト表示欄F1には、ゲームに登場する装備のうちの一部の装備が表示される。例えば、装備選択リスト表示欄F1には、現在ユーザが所有する装備を強化することにより入手できる装備が表示されてもよい。あるいは、装備選択リスト表示欄F1には、生産可能な装備が表示されてもよい。生産可能な装備や強化可能な装備は、プレイヤキャラクタPのレベルやゲーム進行状況に応じて異なってもよい。
【0045】
装備選択リスト表示欄F1において表示された装備のうち、コントローラ31に対するユーザの操作により1の装備が選択される。本例では、装備選択リスト表示欄F1には、コントローラ31に対するユーザの操作に応じてリスト上を移動可能なカーソルF5が表示される。本例では、カーソルF5は、装備の左側に矢印型で示されているが、カーソルF5は、例えば装備を囲む枠など、装備選択リスト表示欄F1内の1の装備を指し示すものであればいかなる態様でもよい。
【0046】
選択中装備画像表示欄F2には、装備選択リスト表示欄F1において選択中である装備の画像が表示される。
【0047】
選択中装備ステータス表示欄F3には、装備選択リスト表示欄F1において選択中である装備のステータスが表示される。装備のステータスは、例えば、装備のレベルや特性、装備が武器である場合には攻撃力、装備が防具である場合には防御力などを含む。装備の特性は、例えば、火属性、水属性などの属性や、装備が武器である場合には武器による攻撃回数に応じた攻撃力の低下特性を示す斬れ味ゲージなどを含む。
【0048】
選択中装備必要素材表示欄F4には、装備選択リスト表示欄F1において選択中である装備を作製するために必要な素材(以下、「必要素材」とも呼ぶ)の名称と各必要素材の必要個数が表示される。例えば、選択中装備必要素材表示欄F4には、ある装備を強化して選択中の装備を作製するために必要な素材が表示される。必要素材は、装備に応じて異なる。このように、オブジェクト表示手段54は、コントローラ31に対するユーザの操作により選択された装備アイテムおよびその装備アイテムの必要素材をモニタ32に表示させる。なお、装備選択リスト表示欄F1に、現在ユーザが所有する装備が表示されている場合、選択中装備必要素材表示欄F4には、ユーザが所有する装備を強化するために必要な素材が表示されてもよい。
【0049】
図4(A)および4(B)に戻って、クエスト実行手段55は、ゲーム内で予め定められた複数のクエストの中から、コントローラ31に対するユーザの操作により選択されたクエストを実行する。具体的には、コントローラ31に対するユーザの操作により、プレイヤキャラクタPを受注フィールドに配置させることで、クエスト実行手段55は、受注可能なクエストのリスト、あるいは、他のユーザが既に受注したクエストのリストをモニタ32に選択可能に表示する。コントローラ31に対するユーザの操作によりクエストリストの中から1つのクエストが選択されると、クエスト情報がゲーム装置2からサーバ装置4へ送信される。サーバ装置4側では、クエスト管理手段72が、クエスト情報を受信し、ユーザが受注または参加したクエストを登録および管理する。こうして、選択したクエストは実行される。
【0050】
抽選手段56は、ゲーム内に登場するアイテムのうち、予め定めた複数のアイテムの中から、1つまたは複数のアイテムを抽選して、ユーザに付与する抽選イベントを実行する。例えば、抽選手段56は、クエスト実行手段55により実行されたゲーム内のクエストが達成された場合に、
図3に示したように、クエストに対して予め定められた複数のアイテム(装備アイテムや素材アイテムなど)の中から、ユーザに付与するアイテムを報酬として抽選する。抽選手段56による抽選は、記憶部42に記憶された後述する当選確率値に基づいて実行される。
【0051】
監視手段57は、コントローラ31に対するユーザの操作により生じたゲーム状況を監視する。監視手段57の監視対象であるゲーム状況は、ユーザが欲しているアイテムを予測するための指標となり得るものである。本実施形態では、監視手段57は、コントローラ31に対するユーザの操作により生じたゲーム状況として、表示頻度値を武器ごとに監視する。表示頻度値は、各武器に関する情報がモニタ32に表示される頻度(つまり、ユーザが見ている頻度)を示すものであり、モニタ32に表示された各武器の表示時間および表示回数の少なくとも一方に関連する。
【0052】
例えば、監視手段57は、オブジェクト表示手段54によりアイテム選択画面D3の選択中装備画像表示欄F2に表示された武器の表示時間および表示回数に関連する表示頻度値を監視する。本例では、表示頻度値は、各武器の表示時間および表示回数の双方を用いて所定の算出式により算出した値であるが、表示頻度値は、モニタ32に表示された各武器の表示時間自体であってもよいし、モニタ32に表示された各武器の表示回数自体であってもよい。
【0053】
特定手段58は、監視手段57により監視されたゲーム状況、つまり表示頻度値に基づき、所定の素材アイテムを特定オブジェクトとして特定する。確率変更手段59は、特定手段58により特定オブジェクトとして特定された素材アイテムに対応する当選確率値を上昇させる。特定手段58による素材の特定と、特定された素材に対応する当選確率値の変更について、
図6を参照して説明する。
【0054】
図6は、武器ごとの表示頻度値と、必要素材ごとの当選確率値の一例を示す図表である。なお、
図6では、ゲームに登場する複数の装備を、表示頻度値が高い順(大剣B3、片手剣B8、弓B9、ランスB12、チャージアックスB6、…の順)に並べている。本例では、大剣B3の表示頻度値が最も高い。すなわち、ユーザが最も欲している装備が大剣B3である可能性が高いといえる。
【0055】
特定手段58は、監視手段57により監視された武器の表示頻度値に基づき、必要素材を特定オブジェクトとして特定する。
【0056】
具体的には、まず特定手段58は、武器の表示頻度値に基づき、1つまたは複数の武器を、希求オブジェクトとして特定する。希求オブジェクトは、ユーザが欲しているまたはユーザが欲していると予測されるオブジェクトである。本例では、特定手段58は、表示頻度値が最も高い武器を希求オブジェクトとして特定する。ただし、特定手段58は、表示頻度値が高い順に予め定めた数の武器を希求オブジェクトとして特定してもよいし、表示頻度値が所定の閾値以上である武器を希求オブジェクトとして特定してもよい。
【0057】
次に、特定手段58は、希求オブジェクトとして特定した武器の作製に必要な必要素材を、特定オブジェクトとして特定する。図例では、表示頻度値が最も高い武器が大剣B3であることから、特定手段58は、大剣B3を希求オブジェクトとして特定する。さらに、大剣B3の作製に必要な素材が素材M5、素材M30および素材M19であることから、特定手段58は、これら素材M5、素材M30および素材M19を特定オブジェクトとして特定する。
【0058】
当選確率値は、抽選手段56による抽選で当選する確率である。具体的には、ゲーム装置2の記憶部23には、各アイテムの当選確率の基準値(以下、「基準確率値」と呼ぶ)が予め記憶されている。基本的に、抽選手段56は、基準確率値を当選確率値として用いて、ユーザに付与するアイテムを抽選する。
【0059】
各素材の基準確率値は、互いに同じでもよいし、異なってもよい。例えば、
図6に示した素材M5、素材M30、素材M19の基準確率値は、それぞれ、3%、10%、15%である。なお、本実施形態において、当選確率値は、抽選手段56による1回の抽選で当選する確率であり、言い換えれば報酬枠ごとの当選確率である。
図3の例のように報酬枠(抽選枠)が複数ある場合、抽選手段56による抽選は、抽選枠の数だけ行われる。抽選手段56による抽選で対象となる素材が当選されなかった場合、対象素材以外の他の素材がその抽選枠における報酬として選択される、または何も選択されず、その抽選枠における報酬はない。
【0060】
確率変更手段59は、特定手段58により特定オブジェクトとして特定された素材M5,M30,M19の当選確率値を変更する。具体的には、確率変更手段59は、特定手段58により特定された素材M5,M30,M19の当選確率値を、各素材M5,M30,M19の基準確率値に予め定めた追加確率値を加えた値に変更する。本例では、素材M5,M30,M19の追加確率値は、それぞれ、1%,5%,5%に設定されている。つまり、特定手段58により特定された素材M5,M30,M19の当選確率値は、特定オブジェクトとして特定される前に比べて、確率変更手段59により、それぞれ、追加確率値だけ上昇する。このため、特定手段58により特定された素材M5,M30,M19の当選確率値は、それぞれ、4%,15%,20%となっている。
【0061】
追加確率値は、基準確率値に応じた値であってもよい。例えば、特定された素材の基準確率値が低いほど、その素材の追加確率値は低く設定されてもよい。また、追加確率値は、表示頻度値の高い順に大きくなるよう設定されてもよい。
【0062】
次に、本実施形態において、監視手段57、特定手段58および確率変更手段59により実行される当選確率変更処理について、
図7を参照して説明する。ゲームが開始されると、監視手段57は、コントローラ31に対するユーザの操作により生じたゲーム状況の監視を開始する(ステップS1)。本例では、監視手段57は、オブジェクト表示手段54によりモニタ32(例えば選択中装備画像表示欄F2)に表示された武器の表示頻度値を武器ごとに監視する。
【0063】
次に、特定手段58は、監視手段57により監視されたゲーム状況、つまり武器の表示頻度値に基づき、所定の必要素材を特定オブジェクトとして特定する(ステップS2)。確率変更手段59は、特定手段58により特定オブジェクトとして特定された必要素材に対応する当選確率値を変更する(ステップS3)。なお、当選確率変更処理は、ゲーム中に所定の周期で実行されてもよいし、監視対象であるゲーム状況がユーザ操作により変化するたびに(本例では、武器がモニタ32に表示されて表示頻度値が変更されるたびに)実行されてもよい。
【0064】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームプログラム34aは、ゲーム画面が表示されるモニタ32(表示部)と、ユーザにより操作されるコントローラ31(操作部)と、制御部21(コンピュータ)とを備えるゲームシステムにおいて、前記制御部21に実行されるゲームプログラムであって、前記制御部21を、前記コントローラ31に対するユーザの操作により生じたゲーム状況を監視する監視手段57、前記監視手段57により監視される前記ゲーム状況に基づき、ユーザが入手可能なゲーム内のアイテムの中から所定の素材アイテム(オブジェクト)を特定オブジェクトとして特定する特定手段58、および、特定オブジェクトが当選される当選確率値を変更する確率変更手段59、として機能させ、前記確率変更手段59により前記当選確率値を変更可能な素材アイテムは複数あり、前記特定手段58は、前記当選確率値を変更可能な複数の前記素材アイテムの中の一部である1または複数の素材アイテムを前記特定アイテムとして特定する。
【0065】
表示頻度値が高い武器ほど、ユーザが欲している武器である可能性が高く、従って、表示頻度値が高い武器の必要素材もユーザが欲していると予測される。このため、このゲームプログラム34aによれば、ユーザが欲していると予測されるアイテムの当選確率値を変更することができる。これにより、ゲーム内の素材アイテム全体の当選確率値を変更する場合に比べて、素材アイテムの価値の変動を抑えることができる。
【0066】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るゲームプログラムおよびゲームシステムについて、
図8および9を参照して説明する。なお、以下の第2および第3実施形態の説明では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、同じ構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
図8は、第2実施形態におけるゲーム装置2およびサーバ装置4の機能的な構成を示すブロック図である。本実施形態でも、第1実施形態と同様に、監視手段57は、コントローラ31に対するユーザの操作により生じたゲーム状況として、装備アイテムの表示頻度値を監視する。本実施形態では、
図8に示すように、本実施形態では、特定手段58が第1特定手段58aおよび第2特定手段58bを含む。また、ゲーム装置2(の制御部21)が、希求オブジェクト指定手段60としても機能する。希求オブジェクト指定手段60については、第3実施形態で説明する。
【0068】
第1特定手段58aは、第1実施形態と同様に、武器の表示頻度値に基づき、1つまたは複数の武器を、第1希求オブジェクトとして特定し、さらに、第1希求オブジェクトとして特定した武器の作製に必要な必要素材を、第1特定オブジェクトとして特定する。
図6の例を用いて説明すれば、第1特定手段58aは、表示頻度値が最も高い武器である大剣B3を第1希求オブジェクトとして特定し、さらに、大剣B3の作製に必要な素材である素材M5,M30,M19を第1特定オブジェクトとして特定する。
【0069】
第2特定手段58bは、武器の表示頻度値に基づき、1つまたは複数の武器を、第1希求オブジェクトとして特定し、さらに、第1希求オブジェクトとして特定した武器から派生する武器を第2希求オブジェクトとして特定する。そして、第2特定手段58bは、第2希求オブジェクトとして特定した武器の必要素材を第2特定オブジェクトとして特定する。これについては、
図9も参照して説明する。
【0070】
図9は、装備アイテムの派生ルート画面D4の一例を示す図である。派生ルート画面D4は、ある装備を強化することにより新たな装備が派生的に生み出されることを分岐図で表したゲーム画面である。すなわち、
図9に示す例では、大剣B1についての派生ルート画面D4が示されている。図例において、例えば大剣B1から大剣B2に向かうルートは、大剣B1を強化することで大剣B2を生み出すことが可能であることを示す。また、大剣B2から延びるルートは、分岐して大剣B3、大剣B7および大剣B8につながっている。これは、大剣B2を強化することで、大剣B3、大剣B7または大剣B8をユーザの選択に応じて生み出すことが可能であることを示す。
【0071】
例えば
図6の例のように、大剣B3の表示頻度値が最も高い場合、ユーザが大剣B3を欲している可能性だけでなく、ユーザが大剣B3を入手後に、大剣B3を強化させることを欲している可能性も高いといえる。言い換えれば、ユーザが大剣B3だけでなく、大剣B4、大剣B5または大剣B6やそれらを作製するための必要素材を欲している(あるいは大剣B3を入手後に欲する)可能性も高いといえる。このため、第2特定手段58bは、第1希求オブジェクトとして特定された装備(大剣B3)から生み出される装備(
図9において破線で囲まれた大剣B4、大剣B5および大剣B6)、言い換えれば、第1希求オブジェクトとして特定された装備より派生ルートの下流側の装備を第2希求オブジェクトとして特定する。そして、第2特定手段58bは、第2希求オブジェクトとして特定したそれらの装備を作製するために必要な素材を第2特定オブジェクトとして特定する。
【0072】
確率変更手段59は、第1特定手段58aにより特定された第1特定オブジェクトに対応する当選確率値を上昇させるとともに、第2特定手段58bにより特定された第2特定オブジェクトに対応する当選確率値を上昇させる。
【0073】
本実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るゲームプログラムおよびゲームシステムについて、
図10を参照して説明する。第3実施形態におけるゲーム装置2およびサーバ装置4の機能的な構成は、
図8に示す第2実施形態におけるゲーム装置2およびサーバ装置4の機能的な構成と同じである。
【0075】
本実施形態では、監視手段57は、表示頻度値ではなく、希求オブジェクト指定手段60により指定されたアイテムを監視する。そして、第1特定手段58aおよび第2特定手段58bは、希求オブジェクト指定手段60により指定されたアイテムに基づき、第1特定オブジェクトおよび第2特定オブジェクトをそれぞれ特定する。本実施形態は、この点で第2実施形態と異なる。
【0076】
希求オブジェクト指定手段60は、コントローラ31に対するユーザの操作に応じて1つまたは複数のアイテムを指定し、指定したアイテムのリストを欲しい物リスト情報として記憶部23に記憶する。つまり、本実施形態では、ユーザが現在欲しいアイテムを欲しい物リストとして登録可能となっている。
【0077】
図10は、欲しい物リスト画面D5の一例を示す図である。欲しい物リスト画面D5は、コントローラ31に対するユーザの操作によりモニタ32に表示される。本例において、欲しい物リスト画面D5は、ユーザが欲しい装備として登録した装備のリストを表示する。例えば、欲しい物リスト画面D5は、欲しい物リスト表示欄G1と選択中装備必要素材表示欄G2を含む。
【0078】
欲しい物リスト表示欄G1には、ユーザが予め登録した欲しい装備のリストが表示される。欲しい物リスト表示欄G1において表示された装備のうち、コントローラ31に対するユーザの操作により1の装備が選択される。本例では、欲しい物リスト表示欄G1には、コントローラ31に対するユーザの操作に応じてリスト上を移動可能なカーソルG3が表示される。カーソルG3も、
図5のカーソルF5と同様、欲しい物リスト表示欄G1内の1の装備を指し示すものであればいかなる態様でもよい。選択中装備必要素材表示欄G2は、選択中装備必要素材表示欄F4と同じ内容を示すため、説明を省略する。
【0079】
監視手段57は、希求オブジェクト指定手段60により指定され欲しい物リスト表示欄G1に表示されたアイテム、すなわち、記憶部23に記憶された欲しい物リスト情報を監視する。そして、第1特定手段58aは、希求オブジェクト指定手段60により指定されたアイテム(図例では、大剣B3および弓B9)を第1希求オブジェクトとして特定し、第1希求オブジェクトを作製するために必要な素材アイテム(例えば大剣B3の必要素材である素材M5,M30,M19)を第1特定オブジェクトとして特定する。
【0080】
また、第2特定手段58bは、希求オブジェクト指定手段60により指定された武器に基づき、1つまたは複数の武器を、第1希求オブジェクトとして特定し、さらに、第1希求オブジェクトとして特定した武器から派生する武器を第2希求オブジェクトとして特定する。そして、第2特定手段58bは、第2希求オブジェクトとして特定した武器の必要素材を第2特定オブジェクトとして特定する。
【0081】
確率変更手段59は、第1特定手段58aにより特定された第1特定オブジェクトに対応する当選確率値を上昇させるとともに、第2特定手段58bにより特定された第2特定オブジェクトに対応する当選確率値を上昇させる。
【0082】
本実施形態でも、第1および第2実施形態と同様の効果を得ることができる。また、表示頻度値に基づき特定されるアイテムは、必ずしもユーザが欲しいアイテムとは限らないが、欲しい物リストのアイテムは、ユーザ自身が欲しいアイテムとして指定したアイテムである。このため、本実施形態では、ユーザが欲しているアイテムの当選確率を確実に変更することができる。
【0083】
<その他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0084】
例えばゲームプログラム34aは、ゲームメディア34に記録されていなくてもよく、例えば、外部から通信ネットワークNWを介してゲーム装置2にダウンロードされてもよい。例えば、本発明のゲームシステムが備えるゲーム装置2は、スマートフォンなどの携帯情報端末であってもよく、操作部および表示部はタッチスクリーンなどであってもよい。また、ゲーム画面を表示する表示装置は、ヘッドマウントディスプレイなどであってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、ゲームシステム1は、ゲーム装置2およびサーバ装置4を備えていたが、本発明のゲームシステムは、サーバ装置4を備えない構成であってもよい。本発明は、オンラインゲームだけでなく、オフラインゲームにも適用可能である。
【0086】
また、サーバ装置4のサーバ制御部41が、上記実施形態で説明された制御部21の機能の一部を担ってもよい。例えば、上記第1実施形態では、ゲーム装置2の制御部21は、ゲームプログラム34aを実行することにより、抽選手段56、監視手段57、特定手段58、および確率変更手段59として機能したが、サーバ装置4のサーバ制御部41が、記憶部42に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、これら機能部56~58の一部または全部を実行してもよい。この場合、本発明のゲームプログラムは、ゲーム装置2およびサーバ装置4に分散して記憶されており、このようなゲームプログラムを実行する制御部21およびサーバ制御部41がゲームプログラムを実行する「コンピュータ」に対応する。
【0087】
当選確率値は、ゲーム装置2の記憶部23に記憶されていなくてもよく、例えばサーバ装置4の記憶部42に記憶されていてもよい。例えば、上記実施形態で説明された各オブジェクトの基準確率値は、サーバ装置4の記憶部42に記憶され、確率変更手段59により基準確率値に加算される追加確率値が、ゲーム装置2の記憶部23に記憶されてもよい。本発明の「記憶部」は、ゲーム装置2の記憶部23だけでなく、ゲームメディア34を含むものであってもよいし、サーバ装置4の記憶部42を含むものであってもよい。
【0088】
また、上記第1~第3実施形態は適宜組み合わせることが可能である。例えば、第2実施形態において、監視手段57は、武器ごとの表示頻度値と、希求オブジェクト指定手段60により指定されたアイテムの双方を監視してもよく、第1特定手段58aおよび第2特定手段58bは、武器ごとの表示頻度値だけでなく、希求オブジェクト指定手段60により指定されたアイテムに基づき、第1特定オブジェクトおよび第2特定オブジェクトをそれぞれ特定してもよい。また、第2および第3実施形態において、特定手段58は、第1特定手段58aおよび第2特定手段58bの一方のみを含み、他方を含まなくてもよい。
【0089】
また、監視手段57は、ゲーム状況として、各アイテムの表示頻度値や希求オブジェクト指定手段60により指定されたアイテムを監視したが、監視手段57の監視対象としてのゲーム状況は、これに限定されない。例えば、監視手段により監視されるゲーム状況は、操作部に対するユーザの操作により表示部に表示される所定のゲーム画面の表示状況(例えば上述したオブジェクトごとの表示頻度値など)、操作部に対するユーザの操作によりゲーム内の所定のイベントの実行状況、操作部に対するユーザの操作によりユーザが入手したオブジェクトの所持状況、および、操作部に対するユーザの操作により選択されたオブジェクトの選択状況のうちの少なくとも1つを含んでもよい。これらのゲーム状況を監視することで、ユーザが欲しているオブジェクトの特定または予測を容易に行うことができる。
【0090】
例えば、監視手段57は、操作部に対するユーザの操作によりゲーム内の所定のイベントの実行状況として、ゲーム内の所定のイベントであるクエストごとの実行回数を監視してもよい。特定手段58は、監視手段57により監視されたクエストの実行回数に基づき、所定のアイテムを特定してもよい。具体的には、特定手段58は、監視手段57により監視されたクエストの実行回数に基づき、クエスト実行回数の多い順に1つまたは複数のクエストを特定する。例えば、特定手段58は、実行回数が予め定めた回数を超えた1つまたは複数のクエストを特定してもよいし、クエスト実行回数の多い順に予め定めた数のクエストを特定してもよい。そして、特定手段58は、特定したクエストにて入手可能なアイテムを、特定オブジェクトとして特定し、確率変更手段59は、そのクエストにおけるアイテムの当選確率値を変更してもよい。
【0091】
また、例えば、監視手段57は、操作部に対するユーザの操作によりユーザが入手したオブジェクトの所持状況として、ユーザが所有するオブジェクトを監視してもよい。特定手段58は、ユーザが所有するオブジェクトに基づき、所定のアイテムを特定オブジェクトとして特定してもよい。具体的には、特定手段58は、ユーザが所有する装備アイテムを強化するために必要な素材アイテムを特定オブジェクトとして特定してもよい。また、特定手段58は、ユーザが所有するオブジェクト(例えば装備アイテム)と同じオブジェクトは、特定オブジェクトとして特定する対象から除いてもよい。
【0092】
また、例えば、監視手段57は、操作部に対するユーザの操作により選択されたオブジェクトの選択状況として、ユーザが操作するプレイヤキャラクタPに装備された装備アイテムを監視してもよい。特定手段58は、プレイヤキャラクタPに装備された装備アイテムに関連する所定のオブジェクトを特定オブジェクトとして特定してもよい。例えば、特定手段58は、プレイヤキャラクタPに装備された装備アイテムの強化に必要な素材アイテムを特定オブジェクトとして特定してもよい。また、特定手段58は、プレイヤキャラクタPに装備された武器と同じ種類(例えば同じ属性など)の防具を特定オブジェクトとして特定してもよい。
【0093】
上記実施形態では、監視手段57は、所定のゲーム画面の表示状況として、武器ごとの表示頻度値を監視したが、監視手段57は、素材ごとの表示頻度値を監視してもよい。
【0094】
また、本発明は、自分が所持していない武器などをユーザの選択に応じてゲーム画面に表示することができないゲームにも適用可能である。例えばオンラインゲームにおいて、他のユーザのプレイヤキャラクタ情報などをユーザの選択に応じてゲーム画面に表示可能なゲームの場合、監視手段57は、所定のゲーム画面の表示状況として、他のユーザのプレイヤキャラクタが身に着けた装備品やキャラクタ等を表示した回数を表示頻度値として監視してもよい。他のユーザのプレイヤキャラクタが身に着けたアイテムなどをユーザが欲しているアイテムとして特定されてもよい。
【0095】
また、監視手段57が監視するゲーム状況は、上に複数例示したゲーム状況のうちの1つまたは複数の組み合わせであってもよい。例えば、監視手段57は、各アイテムの表示頻度値とクエストの実行回数の両方を監視してもよく、監視手段57により監視された各アイテムの表示頻度値とクエストの実行回数の両方に基づいて所定のアイテムを特定してもよい。また、監視手段57は、コントローラ31に対するユーザの操作により生じたゲーム状況として、上述以外のゲーム状況を監視してもよい。例えばゲーム内の抽選イベントによってユーザに付与されたアイテムに対して、コントローラ31に対するユーザの操作により満足したか不満であるかをユーザが選択できるゲームの場合、監視手段57は、その選択をゲーム状況として監視してもよい。
【0096】
上記実施形態では、特定手段による特定オブジェクトの特定には、ディープラーニング等の学習機能が用いられてもよい。例えば、多数のユーザについて、各ユーザのゲーム状況を示すデータと、各ユーザが入手したアイテムに関するデータとを蓄積し、これらを教師データとして機械学習された予測モデルを構築し、特定手段は、構築した予測モデルを用いて、監視手段57が監視するゲーム状況から、ユーザが入手すべきまたはユーザにとって有効なアイテムを予測し、特定オブジェクトとして特定してもよい。これにより、ユーザが実際には欲していなくても、ゲーム状況からユーザにとって必要な武器(例えばユーザがクリアできないクエストに有効な武器)を作製するための必要素材などを特定してもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、素材アイテムの当選確率値が変更されたが、素材アイテム以外のアイテムの当選確率値が変更されてもよい。例えば特定手段は、希求オブジェクトとして特定した武器の作製に必要な素材の当選確率値ではなく、希求オブジェクトとして特定した武器自体の当選確率値を変更してもよい。
【0098】
具体的には、上記実施形態では、特定手段58は、ユーザが欲しているまたはユーザが欲していると予測される希求オブジェクト(例えば武器)を特定して、希求オブジェクトを入手するために必要なオブジェクト(例えば必要素材)を特定オブジェクトとして特定したが、特定手段による特定オブジェクトの特定方法はこれに限定されない。例えば、特定手段は、監視手段により監視されるゲーム状況に基づき特定される希求オブジェクト自体を特定オブジェクトとして特定してもよい。例えば武器ごとに基準確率値が設定されており、ゲーム内抽選イベントにおいて武器自体が当選され得るゲームにおいては、特定手段は、監視手段により監視される武器の表示頻度値に基づき、1つまたは複数の武器自体(例えば表示頻度値が最も高い武器)を特定オブジェクトとして特定してもよい。そして、確率変更手段は、特定オブジェクトとして特定された武器の当選確率を、基準確率値に予め定めた追加確率値を加えた値に変更してもよい。
【0099】
また、確率変更手段は、武器、防具、素材などのアイテム以外の当選確率値を変更してもよい。すなわち、本発明における「オブジェクト」は、ユーザが所有できるオブジェクトであればよく、例えばキャラクタや動物、モンスター、あるいはそれらを表現したカードなどであってもよい。
【0100】
また、当選確率値を変更可能なオブジェクト(言い換えれば特定手段に特定される対象または候補としてのオブジェクト)は、ユーザが入手可能なゲーム内の全てのオブジェクトでなくてもよい。当選確率値を変更可能なオブジェクトは、レアアイテムなど比較的入手しにくいオブジェクト(例えば所定の設定確率以下の当選確率のオブジェクト)に制限されてもよい。
【0101】
上記実施形態では、当選確率値は、抽選手段56による1回の抽選で当選する確率(抽選枠ごとの当選確率)として説明されたが、当選確率値は、これに限定されない。当選確率値は、特定オブジェクトが当選される確率(ユーザが特定オブジェクトを入手する確率)であればよい。例えば、上記実施形態では、当選確率値が、ユーザが入手可能なゲーム内のオブジェクトごとに記憶部に記憶されている例が説明されたが、当選確率値は、オブジェクトごとに記憶部23に記憶されるものでなくてもよい。例えば、当選確率値は、確率変更手段により直接的に変更される値でなくてもよく、間接的に変更される値であってもよい。例えば、確率変更手段は、抽選手段56による1回の抽選で当選する確率を変えずに、
図3に示した各抽選枠における特定オブジェクトの1回の当選確率を変更せずに、抽選枠の数を増やすことにより、結果的に、特定オブジェクトが当選される確率を上昇させてもよい。また、確率変更手段は、抽選枠と各抽選枠の当選確率の双方を上昇させてもよい。例えば、仮想空間内に配置された武器屋や道具屋にアイテムが販売品として出現するゲームの場合、当選確率値は、アイテムが販売品として出現する確率であってもよい。
【0102】
また、確率変更手段は、抽選手段56による1回の抽選で当選する確率を上昇させるアイテムの購入費用を変更してもよい。確率変更手段は、特定オブジェクトを入手するための購入費用、または加工費用、改造費用などの価格を変更してもよい。
【0103】
抽選手段56は、クエスト実行手段55により実行されたゲーム内のクエストが達成された場合にユーザに付与されるアイテムの抽選でなくてもよく、例えば、所定のアイテム(メダル)などを消費することで、ユーザに付与するアイテムを抽選する抽選イベントを実行するものであってもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、確率変更手段59が当選確率値を上昇させたが、当選確率値を減少させてもよい。これにより、ユーザのゲームのやりこみ度を上げることができたり、希望のアイテムを入手したユーザの希少性を高め、ユーザの自己顕示欲を満たしたりすることができる。
【符号の説明】
【0105】
1 :ゲームシステム
2 :ゲーム装置
21 :制御部
23 :記憶部
31 :コントローラ(操作部)
32 :モニタ(表示部)
34a :ゲームプログラム
34b :ゲームデータ
51 :通信手段
52 :ゲーム空間生成手段
53 :キャラクタ制御手段
54 :オブジェクト表示手段
55 :クエスト実行手段
56 :抽選手段
57 :監視手段
58 :特定手段
58a :第1特定手段
58b :第2特定手段
59 :確率変更手段
60 :希求オブジェクト指定手段