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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】炭酸水製造装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 21/00 20220101AFI20220113BHJP
   B01F 23/20 20220101ALI20220113BHJP
   C02F 1/68 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
B01F1/00 B
B01F3/04 Z
C02F1/68 520C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021171580
(22)【出願日】2021-10-20
【審査請求日】2021-11-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】721008431
【氏名又は名称】村上 良一郎
(72)【発明者】
【氏名】村上 良一郎
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05366745(US,A)
【文献】米国特許第05549037(US,A)
【文献】特開2016-209830(JP,A)
【文献】特開2014-113545(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0080142(KR,A)
【文献】米国特許第04999140(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 1/00-15/06
C02F 1/68
B01J 4/00- 7/02
A23L 2/00- 2/84
C01B 32/50
B65D 35/44-35/54、39/00-55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸ガス発生用容器と炭酸水製造用容器の栓口部を対向させ両端に螺子部を備えた貫通孔のある接続部を介し、これらを順次一列に並ぶよう螺合接続し炭酸水製造を装置縦置きで行い、炭酸水製造用容器中の炭酸水と、炭酸ガス発生用容器中の炭酸塩と酸の溶液が、互いに混入しない機構を備えたことを特徴とする炭酸水製造装置。
【請求項2】
炭酸ガス発生用の溶媒である水の供給管と炭酸ガス圧出管及び炭酸ガス注入管の3つの機能を兼ねた1本の管を備えており、炭酸ガス発生用容器に挿入される管長は容器正立及び倒立状態にて、溶媒の水に管の端面が接しない長さとし、炭酸水製造用容器に挿入される管長は容器正立状態にて、製造した炭酸水に管の端面が接しない長さの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸水製造装置の接続部。
【請求項3】
備えた管の中心線と接続部外径の中心線が一致せず、同心ではないことを特徴とする請求項2に記載の接続部。
【請求項4】
請求項2における管の内径が、水を投入した炭酸水製造用容器と接続部とを螺合接続し倒立させた状態で表面張力により水が管から漏出しない範囲であることを特徴とする請求項2に記載の接続部。
【請求項5】
炭酸ガス発生用容器に挿入される、請求項2における接続部に備えた管の先端部分が容器外径中心線から離れていることを特徴とする請求項2に記載の接続部。
【請求項6】
炭酸ガス発生用容器に挿入される、請求項2における管の先端から管の外径寸法と同一の寸法部分までの範囲が管の他の部位と異なる色であることを特徴とする請求項2に記載の接続部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸水を簡便に製造する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
簡便な炭酸水の製造法として、容器に炭酸塩、酸及び水を投入し、発生した炭酸ガスを水にそのまま溶解させ炭酸水とする方法が用いられている。一つの容器で製造した炭酸水は、炭酸塩と酸の反応により塩辛さと強い酸味があるため、飲用に適さない。
【0003】
飲用に供することができる炭酸水製造器として、二つ以上の容器を管で接続し、二酸化炭素を発生させる容器と、炭酸水用の容器に分けた形態の装置が存在する。二つ以上の容器を管で接続するため相応の設置面積を必要とし、発生した二酸化炭素の利用率が低い。また、二酸化炭素の発生と、二酸化炭素の水への溶解は、容器を揺動することで促進されるが、二つの容器に分かれているためそれぞれ別々に揺動する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-97473号公報
【文献】特開平8-276192号公報
【文献】特開2014-73466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の炭酸塩と酸を反応させ、発生した炭酸ガスを使用する炭酸水製造装置において、単独の容器で製造した炭酸水は、反応後の物質が含まれるため塩辛く、酸味が強く飲用に適さない。この課題を解決するため複数の容器を用い、炭酸ガス発生用容器と、炭酸水用容器を分離した炭酸水製造装置が存在する。この装置を用いた場合においても、装置の大型化、可撓性のある管で容器と容器を接続することによる装置設置の手間と、部品点数が多く分解が困難な部品もあり洗浄が容易でないという課題が存在する。本発明はこれらの課題を解決するため開発したものであり、目的とするところは、炭酸水を簡便に製造することが可能であり部品点数が少なく洗浄が容易な小型装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、炭酸水製造機であり、炭酸ガス発生用容器と炭酸水製造用容器が、貫通孔のある接続部の両端に螺合接続された装置で、炭酸水製造用容器中の炭酸水と、炭酸ガス発生用容器中の炭酸塩と酸の溶液が、互いに混入しない機構を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の炭酸水製造装置の接続部であり、炭酸ガス発生用の溶媒である水の供給管と炭酸ガス圧出管及び炭酸ガス注入管の3つの機能を兼ねた1本の管を備えており、炭酸ガス発生用容器に挿入される管長は容器正立及び倒立状態にて、溶媒の水に管の端面が接しない長さとし、炭酸水製造用容器に挿入される管長は容器正立状態にて、製造した炭酸水に管の端面が接しない長さの範囲であることを特徴とする
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の接続部において、備えた管の中心線と接続部外径の中心線が一致せず、同心ではないことを特徴とする
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2における接続部に備えた管の内径が、水を投入した炭酸水製造用容器と接続部とを螺合接続し倒立させた状態で表面張力により水が管から漏出しない範囲であることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は請求項2に記載の接続部において、備えた管の先端部分が容器外径中心線から離れていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は請求項2に記載の接続部において、管の先端から管の外径寸法と同一の寸法部分までの範囲が管の他の部位と異なる色であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、小型で設置面積が小さく、炭酸塩と酸の反応後の溶液が製造する炭酸水へ混入することなく、炭酸水を簡便に製造し、部品洗浄を容易にすることが可能である。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、接続部に備えた1本の管が3つの機能を有し、炭酸水製造時に溶媒の水の注入、炭酸ガスの圧出及び、炭酸ガスの水への注入を行うことができ炭酸水製造を円滑に実行可能である。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、炭酸水製造時に炭酸ガス発生用容器に投入する固化した棒状の炭酸塩と酸の薬剤と、接続部に備えた管が物理的に干渉することなく容易に接続部と螺合接続することが可能である。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、炭酸水製造時に水を投入した炭酸水製造用容器と接続部を螺合接続した後、倒立させた状態で、容器中の水の漏出を防止することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、管先端部と溶液との距離を保つことが可能となり炭酸塩と酸の反応の促進のための揺動時及び、炭酸水製造後の炭酸ガス発生用容器と炭酸水製造用容器の上下反転時に、炭酸塩と酸の反応後の溶液が炭酸水へ混入することを容易に防止可能である。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、管先端部の視認性が向上するため、炭酸塩と酸の反応の促進のための揺動時及び、炭酸水製造後の炭酸ガス発生用容器と炭酸水製造用容器の上下反転時に、炭酸塩と酸の反応後の溶液が炭酸水へ混入することを容易に防止可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】炭酸水製造装置の正面図
図2】管を備えた接続部の拡大断面図
図3】水を投入し倒立状態にした炭酸水製造容器と接続部の正面図
図4】炭酸塩と酸の薬剤投入後の容器正面図
図5】炭酸ガス発生時の正面図
図6】上下反転後の装置正面図
図7】パッキンと一体成型の逆止弁を備えた接続部の拡大断面図
図8】水を投入し倒立状態にした炭酸水製造容器と接続部の正面図
図9】炭酸ガス発生時の正面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は炭酸水製造装置が炭酸ガス発生用容器10、炭酸水製造用容器20及び接続部30で構成されていることを示す装置全体の正面図である。図1で示すように設置面積は、容器の底面と同一であり、高さは容器二つに接続部30を加えた寸法であり、小型、省スペースである。
【0030】
第1の実施形態として、接続部30に管31、管32を備えた炭酸水製造装置の実施例について説明する。図2図6は第1の実施形態を示すものである。装置の構成は、炭酸ガス発生用容器10、管31、管32を備えた接続部30及び、炭酸水製造用容器20である。炭酸水製造には、水と炭酸塩と酸の薬剤を用いる。構成部品である2つの容器には、炭酸飲料用のペットボトルを使用してもよい。接続部30と取り付ける管31、管32との間に圧密状態を維持するため必要に応じグロメットを使用してもよい。
【0031】
第1の実施形態における、炭酸水製造の工程は次のとおりである。先ず炭酸水の使用者が望む炭酸強度に応じた色で棒状に固化された炭酸塩と酸の薬剤を炭酸ガス発生用容器10に投入する。別途、炭酸水製造用容器20に水を栓口部付近まで投入し、接続部30の管32を備えた側と螺合接続後、手で保持し倒立させた状態で管31より水が漏出しないことを確認し、あらかじめ薬剤を投入しておいた炭酸ガス発生用容器10と接続部30を螺合接続する。次に炭酸水製造用容器20を押圧し、炭酸ガス発生用容器10の容積の5分の1程度、接続部30の管32、管31を通じて水を投入する。炭酸ガスが発生しに圧出され、炭酸水製造用容器20の水に炭酸ガスが溶解し炭酸水となる。溶けていない薬剤が確認できる場合には、溶液が炭酸水に混入しないよう接続部30の着色された管31先端に溶液が触れることを避け、炭酸ガス発生用容器10を左右に揺動してもよい。炭酸水製造用容器20においても、左右の揺動は、炭酸ガスの溶解を促進させることができる。
【0032】
第1の実施形態において製造した炭酸水の装置からの取り外し及び、使用について説明する。炭酸水製造後、装置を上下反転させる。炭酸ガス発生用容器10を上部に、炭酸水製造用容器20を下部にする。装置を上下反転させる際、炭酸塩と酸の溶液が炭酸水に混入しないよう接続部30の着色された管31先端に溶液が触れないことを確認しつつ行う。装置を上下反転後、接続部30を保持し、接続部30の下側の炭酸水が入った炭酸水製造用容器20を外す。外す時には水に溶解していない炭酸ガスが排出される。製造した炭酸水は、そのまま使用するか、容器に蓋をすることで炭酸水の保存が可能である。
【0033】
第2の実施形態として、接続部30に逆止弁33を備えた炭酸水製造装置の実施例について説明する。図7図9は第2の実施形態を示すものである。装置の構成は、炭酸ガス発生用容器10、一体成型のパッキンと逆止弁33を備えた接続部30及び、炭酸水製造用容器20である。炭酸水製造には、水と炭酸塩と酸の薬剤を用いる。構成部品である2つの容器には、炭酸飲料用のペットボトルを使用してもよい。
【0034】
第2の実施形態における、炭酸水製造の工程は次のとおりである。先ず炭酸水の使用者が望む炭酸強度に応じた色で棒状に固化された炭酸塩と酸の薬剤を炭酸ガス発生用容器10に投入する。別途、炭酸水製造用容器20に水を容器の5分の4程度投入し、接続部30の一体成型のパッキンと逆止弁33を備えた側と螺合接続後、手で保持し倒立させた状態で接続部30より水が漏出しないことを確認する。次に、あらかじめ薬剤を投入しておいた炭酸ガス発生用容器10に5分の1程度水を投入した後、接続部30と螺合接続する。炭酸ガスが発生し圧出され、炭酸水製造用容器20の水に炭酸ガスが溶解し炭酸水となる。溶けていない薬剤が確認できる場合には、溶液が炭酸水に混入しないよう栓口部まで溶液が届かない程度に炭酸ガス発生用容器10を左右に揺動してもよい。炭酸水製造用容器20においても、左右の揺動は、炭酸ガスの溶解を促進させることができる。
【0035】
第2の実施形態において製造した炭酸水の装置からの取り外し及び、使用について説明する。炭酸水製造後は、接続部30を保持し、接続部30の下側の炭酸ガス発生用容器10を外す。外す時には水に溶解していない炭酸ガスが排出される。製造した炭酸水は、接続部30を外さずにそのまま保存してもよい。また接続部30を取り外し炭酸水を即時使用することも可能である。接続部30は逆止弁33を備えているため、炭酸水製造用容器中の炭酸ガスが漏出することなく、容器の蓋としても使用可能である。
【符号の説明】
【0036】
10 炭酸ガス発生用容器
20 炭酸水製造用容器
30 接続部
31 炭酸ガス発生用容器側の接続部に備えた管
32 炭酸水製造用容器側の接続部に備えた管
33 炭酸水製造用容器側の接続部に備えた一体成型のパッキンと逆止弁
40 炭酸塩と酸の薬剤
50 炭酸水
51 炭酸塩と酸の反応後の溶液
【要約】
【課題】小型で簡便に炭酸水の製造をすることができ、少ない部品点数で各部品の洗浄が容易な炭酸水製造装置を提供すること。
【解決手段】炭酸水製造装置は、炭酸ガス発生用容器10、接続部30、炭酸水製造用容器20で構成され、接続部の各部品は全て脱着可能であり、それぞれの容器が貫通孔のある接続部30の両端に螺合接続された装置で、炭酸水製造用容器中の炭酸水と、炭酸ガス発生用容器中の炭酸塩と酸の溶液が、互いに混入しない機構を備え、炭酸塩と酸の薬剤を使用し発生した炭酸ガスを炭酸ガス発生用容器10から炭酸水製造用容器20に圧入し、炭酸水を製造する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9