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特許7002090近距離通知技術を活用した受入業務効率化システムとその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】近距離通知技術を活用した受入業務効率化システムとその方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20220113BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220113BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021145512
(22)【出願日】2021-09-07
(62)【分割の表示】P 2021070492の分割
【原出願日】2021-04-19
【審査請求日】2021-09-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521002202
【氏名又は名称】吉谷土木株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148851
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 徳一
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 拓真
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-191906(JP,A)
【文献】特開2021-92976(JP,A)
【文献】特開2003-162610(JP,A)
【文献】特開2015-225418(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1212657(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入する資材をプラント施設で積載して運搬する運搬車に搭載される車載器と、
前記プラント施設に備えられ、前記車載器から前記購入する資材の関連情報をスマートタッチで受信して出荷処理するプラント制御装置と、を備え、
前記購入する資材の関連情報は、購入事業者名と運搬事業者名と購入資材の種類・量と運転者氏名と運搬日付と、を少なくとも含み、
前記運搬車は、産業廃棄物を収集して処理場へ運搬する運搬車であって、
前記プラント制御装置は、前記産業廃棄物を受入れして処理する受入れ施設でもあるところの前記プラント施設に備えられ、台貫で計測した前記運搬車の前記産業廃棄物の積荷重量を取得するとともに、前記車載器から産業廃棄物処理関連情報を受信して受入れ処理し、
前記産業廃棄物処理関連情報は、排出事業者名と運搬受託者と運搬許可番号と排出される前記産業廃棄物の種類・数量・形状・荷姿と運転者氏名と運搬日付と、を少なくとも含む
ことを特徴とする産業廃棄物の高効率回収と同時に行う資材購入効率化システム。
【請求項2】
請求項1に記載の資材購入効率化システムにおいて、
前記運搬車への前記購入する資材の積込み作業が完了した後、前記プラント制御装置は、前記車載器による再度のスマートタッチを受けて、積込み完了の判断を確定する
ことを特徴とする資材購入効率化システム。
【請求項3】
請求項2に記載の資材購入効率化システムにおいて、
前記プラント制御装置は、前記積込み完了の判断を確定した後、前記購入事業者名宛てに請求書を自動的に発行する
ことを特徴とする資材購入効率化システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の資材購入効率化システムにおいて、
前記購入する資材が複数種類である場合に、
前記プラント制御装置は、前記購入する資材の関連情報をスマートタッチで受信した後、第一の資材を保管する第一のプラント施設に対して第一の資材を購入希望量だけ前記運搬車に積載するように自動的に指示するとともに、第二の資材を保管する第二のプラント施設に対して第二の資材を購入希望量だけ前記運搬車に積載するように自動的に指示する
ことを特徴とする資材購入効率化システム。
【請求項5】
請求項4に記載の資材購入効率化システムにおいて、
前記第一の資材はアスファルトであり、前記第二の資材は砕石である
ことを特徴とする資材購入効率化システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の資材購入効率化システムにおいて、
前記車載器は、P2P機能またはカードエミュレーション機能またはNFC(Near Field Communication,近距離無線通信技術)機能を有するスマートフォンまたはタブレット端末である
ことを特徴とする資材購入効率化システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の資材購入効率化システムにおいて、
前記プラント制御装置は、前記スマートタッチで受信して出荷処理した履歴データを有し、売掛け集計を出力することが可能である
ことを特徴とする資材購入効率化システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の資材購入効率化システムにおいて、
前記プラント制御装置は、
前記運搬車の外観映像を取得するカメラと、前記カメラで取得した映像に基づいて前記運搬車の積荷種類と重量とを推定するAIと、を備え、
前記AIで推定した積荷の重量と、前記台貫で計測した前記運搬車の積荷重量と、の整合を確認し、整合している場合にはマニフェストに前記積荷重量を印字して出力する
ことを特徴とする資材購入効率化システム。
【請求項9】
請求項8に記載の資材購入効率化システムにおいて、
前記プラント制御装置は、
前記AIで推定した前記運搬車の積荷種類と、運転車が提出してスキャナーで読み込まれた前記マニフェストに記載された積荷種類または/及び前記車載器から受信した前記産業廃棄物処理関連情報に含まれる積荷種類と、の整合を確認し、整合している場合には前記マニフェストに前記積荷種類の承認印を印字して出力する
ことを特徴とする資材購入効率化システム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の資材購入効率化システムにおいて、
前記AIで推定された重量と、前記台貫で取得された重量と、を比較してダブルチェックする
ことを特徴とする資材購入効率化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離通知技術を活用した受入業務効率化システムとその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業廃棄物の廃棄時には廃棄物の重量に応じた従量制の課金等の手続きを要するので、トラックスケールや台貫による計量が必要であり、同時に受付処理や伝票等の発行・マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行等も行うので相応の時間を要するものとなり、受付待ちに長蛇の渋滞を為して多大な時間を要するものとなっていた。
【0003】
工場や工事現場等で発生する産業廃棄物は収集運搬許可を得ているダンプトラックなどに集積され、処理品目を許可された受入施設に搬入し、中間処理ならびに最終処分される。この場合に受入施設では、受入処理施設に設置されている計量台貫(トラックスケール等)にて産業廃棄物持ち込み重量の計量及び受け入れを行うが、運搬者(ドライバー)が施設に提出するマニフェストの決済に時間を要する。その結果、後続する運搬車両の渋滞を招来して待機時間が発生し、長い車両行列ができてしまい1時間以上施設周辺の道路で順番待ちすることも珍しくない。
【0004】
このような渋滞は、待機車両からは発生する排気ガスによる環境負荷を発生させ、また待機車列が長蛇になる事から、施設周辺道路の交通渋滞をも発生させている。また、複数回の搬入をする場合にはその都度 車両待機時間が生じ、折り返し往復の場合の廃棄物の収集サイクルタイム(1日の回収に要する時間)が長くなる事で、運搬費の高騰へと結びつき、その結果エンドユーザーへの費用負担が高止まりしている状況となっている。
【0005】
その他、受入施設の受付側にソーシャルディスタンス設備を設置しているものの、紙等の書類の物理的な受け渡しが発生する事から、病原菌・ウィルスの付着等による感染拡大を助長させているリスクが有る。
【0006】
例えば、特許文献1には、“廃棄物処理場で排出される廃棄物の重量をトラックスケールによる計量作業を行うことなく管理することができ、これによってトラックスケールの設置コストの削減や、トラックスケールでの計量待ちに起因する車両渋滞の解消を図ることのできる廃棄物重量管理システムを提供する。”ことを目的として、“廃棄物収集車両3に、計量手段(26,27)による計量によって得られる収集廃棄物の重量データを記憶するメモリ21と、このメモリ21に記憶されている重量データを無線送信する無線送信機23およびアンテナ25とを設け、廃棄物処理場8に、廃棄物収集車両3から無線送信される重量データを受信するアンテナ45および無線受信機44と、受信した重量データを管理する管理用パソコン42とを設ける構成とする。”ことが記載されている。
【0007】
また、下記特許文献2には、「廃棄物の運搬車両に搭載された車載器と、トラックスケールで測定した廃棄物の重量を取得するとともに、廃棄物の情報を取得して履歴情報を作成するセンターサーバーと、を備え、前記廃棄物の情報は、運搬車両Tが廃棄物を搬入した日時である受入日時、業者種類が許可業者である場合の事業者名称である許可業者名と、運搬車両Tを運転する運転手名と、廃棄物を排出した事業者名と、廃棄物情報である積載物と、を少なくとも含むことを特徴とする清掃工場の車両管理システム。」の発明が記載されている。
【0008】
さらに、下記特許文献3には、「産業廃棄物を運搬する運搬車両に搭載される車両搭載端末と、前記車両搭載端末からその取得した情報、運搬車両情報、管理票情報を受信するシステムネットワークセンターとを備えることを特徴とする産業廃棄物適正処理監視システム。」の発明が記載されている。
【0009】
そして、下記特許文献4には、「撮影した廃棄物の写真から求められた廃棄物の量及び種類と、収集運搬業者が入力した廃棄物の量及び種類が実質的に同一であるか否かを判定する手段を備えた廃棄物処理管理システム。」の発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2009-211346号公報
【文献】特開2014-186527号公報
【文献】特開2004-231387号公報
【文献】特開2019-164574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、NFC等を用いた非接触による、産廃等の処分場への受入または/及び資材購入時のプラントからの出荷業務の効率化を図り、受付待ち渋滞の緩和と効率化を図ること等を目的とする。
また、本発明は、より好ましくは廃棄物処理の計量及び受付時における従来の問題点に鑑み為されたものであり、より容易かつ迅速に受付処理をして作業効率を向上させる回収システムを提案することを目的とする。さらに好ましくは、環境への負荷を低減させるのみならず、非接触対応による疾病の感染拡大の防止をも図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の資材購入効率化システムは、購入する資材をプラント施設で積載して運搬する運搬車に搭載される車載器と、プラント施設に備えられ、車載器から購入する資材の関連情報をスマートタッチで受信して出荷処理するプラント制御装置と、を備え、購入する資材の関連情報は、購入事業者名と運搬事業者名と購入資材の種類・量と運転者氏名と運搬日付と、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の資材購入効率化システムは、好ましくは運搬車への購入する資材の積込み作業が完了した後、プラント制御装置は、車載器による再度のスマートタッチを受けて、積込み完了の判断を確定することを特徴とする。
【0014】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくはプラント制御装置は、積込み完了の判断を確定した後、購入事業者名宛てに請求書を自動的に発行することを特徴とする。
【0015】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくは購入する資材が複数種類である場合に、プラント制御装置は、購入する資材の関連情報をスマートタッチで受信した後、第一の資材を保管する第一のプラント施設に対して第一の資材を購入希望量だけ運搬車に積載するように自動的に指示するとともに、第二の資材を保管する第二のプラント施設に対して第二の資材を購入希望量だけ運搬車に積載するように自動的に指示することを特徴とする。
【0016】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくは第一の資材がアスファルトであり、第二の資材は砕石であることを特徴とする。
【0017】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくは車載器が、P2P機能またはカードエミュレーション機能またはNFC(Near Field Communication,近距離無線通信技術)機能を有するスマートフォンまたはタブレット端末であることを特徴とする。
【0018】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくはプラント制御装置が、スマートタッチで受信して出荷処理した履歴データを有し、売掛け集計を出力することが可能であることを特徴とする。
【0019】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくは運搬車が、産業廃棄物を収集して処理場へ運搬する運搬車であって、プラント制御装置は、産業廃棄物を受入れして処理する受入れ施設でもあるところのプラント施設に備えられ、台貫で計測した運搬車の産業廃棄物の積荷重量を取得するとともに、車載器から産業廃棄物処理関連情報を受信して受入れ処理し、産業廃棄物処理関連情報は、排出事業者名と運搬受託者と運搬許可番号と排出される産業廃棄物の種類・数量・形状・荷姿と運転者氏名と運搬日付と、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくはプラント制御装置が、運搬車の外観映像を取得するカメラと、カメラで取得した映像に基づいて運搬車の積荷種類と重量とを推定するAIと、を備え、AIで推定した積荷の重量と、台貫で計測した運搬車の積荷重量と、の整合を確認し、整合している場合にはマニフェストに積荷重量を印字して出力することを特徴とする。
【0021】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくはプラント制御装置が、AIで推定した運搬車の積荷種類と、運転車が提出してスキャナーで読み込まれたマニフェストに記載された積荷種類または/及び車載器から受信した産業廃棄物処理関連情報に含まれる積荷種類と、の整合を確認し、整合している場合にはマニフェストに積荷種類の承認印を印字して出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、NFC等を用いた非接触による、産廃等の処分場への受入または/及び資材購入時のプラントからの出荷業務の効率化を図り、受付待ち渋滞の緩和と効率化を図ることが可能となる。さらに好ましくは、より容易かつ迅速に受付処理をして作業効率を向上させる回収システムを提案することができる。さらに好ましくは、環境への負荷を低減させるのみならず、非接触対応による疾病の感染拡大の防止をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】マニフェストの種類の説明する図である。
図2】電子マニフェストの運用における典型例を説明する図である。
図3】(a)は本発明にかかる産業廃棄物の高効率回収システムの典型例を説明する図であり、(b)は車載器と受入建屋内の制御装置の関係を説明する図である。
図4】マニフェストの見本サンプルを示す図であり、
図5】廃材受け入れ伝票の見本サンプルを示す図である。
図6】(a)が基本データの転送、(b)がプラント施設への入場時、(c)が搬入物の処理及び荷受けについて説明する図である。
図7】(a)が処理完了・出荷準備完了について説明する図であり、(b)が伝票について説明する図である。
図8】(a)及び(b)がそれぞれ請求書と出荷証明について説明しており、(c)が事業者若しくは発注者へのデータフィードバックに係るデータ通信について説明する図である。
図9】発注者情報等を車載器から近距離無線通信によって受領するプラント制御装置及びそれが備える制御装置等を含む資材購入効率化システム全体の構成概要を説明する概念図である。
図10】売掛集計等の集計データを算出して必要に応じて出力可能に構成され、発注者情報等を車載器から近距離無線通信によって受領するプラント制御装置及びそれが備える制御装置等を含む資材購入効率化システム全体の構成概要を説明する概念図である。
図11】履歴データを算出して必要に応じて出力可能に構成され、発注者情報等を車載器から近距離無線通信によって受領するプラント制御装置及びそれが備える制御装置等を含む資材購入効率化システム全体の構成概要を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第一の実施形態)
本システムは、産業廃棄物処理受け入れ施設及び産業廃棄物運搬車両の作業効率を向上させるとともに、好ましくは環境負荷を低減させること、ならびに非接触受付による疫病の感染拡大防止を講じるものとする。
【0025】
好ましくは、車両に搭載される車載器に、産業廃棄物発生事業所、運搬車両の規格と車両No.、運転者の情報を記録しておき、受入処理施設にて台貫計量と同時に車載器から電波で受付側に情報データを送って情報処理する事により、運転者が車両に乗ったままで受付処理が全て完了可能となり、受付時間の短縮となる他、受付処理業務が簡素化されることで業務効率の改善となる。
【0026】
受付時間の短縮がもたらすものは、後続する待機車両が発生させている交通渋滞の緩和と、廃棄物収集のサイクルタイム短縮による運搬費のコストダウンへと波及していく。また、渋滞車両が発生させる排気ガスの低減、紙等の物理的な接触を伴わない非接触型への改善に伴う病原菌感染の防止にも効果がある。すなわち好ましいメリットとしては、ゴミや廃棄物の受入業務時間の短縮、計量の順番待ちともなう渋滞の緩和、渋滞の緩和に伴う排気ガスによる環境負荷軽減、集計作業の自動化に伴う業務軽量化、輸送効率向上に伴う廃棄物運搬処理現場作業の迅速化、繁忙期の運搬車両不足の解消(運搬車両の運用効率の向上)、マニフェストへの記載業務の迅速化・簡素化などが考えられる。
【0027】
図1は、マニフェストの種類を説明する図である。紙マニフェストの様式は、施行規則第8条の21第2項で定められている。マニフェストについては、A,B1,B2,C1,C2,D,Eの6枚綴り複写式となっておりそれぞれの意味は下記に示すとおりである。
【0028】
A伝票(排出事業者控え)排出事業者(建設事業では元請会社)、B1伝票(運搬会社1控え)排出事業者と契約した運搬会社が処分場へ運んだ事を証明する書類(マニフェスト記載の運搬受託者1)、B2伝票(排出事業者控え)運搬会社が処分場へ運んだ事を通知する書類、C1伝票(処分場控え)処分場が受入をした事を証明する書類、C2伝票(運搬会社1控え)処分会社が運搬会社に受入した事を通知する書類、E伝票(排出事業者受取)処分が完了した事を証明し、排出事業者に通知する書類、F伝票(排出事業者受取)処分が完了した事を証明し、排出事業者に通知する書類。
【0029】
排出事業者より排出された産業廃棄物は収集をされた後、運搬車両により移送され処分場へと運ばれる。収集運搬車は処分場到着後、計量台貫にて車両及び積荷との総重量を計測し総重量から車両重量を引いた残りの重量を積載された積荷の重量として扱う。計量台貫にて計量を終えた車両は運転者が処分場の受付にて産業廃棄物管理票マニフェストを提出し廃棄物の受け入れ承認の受付印を貰うと同時に廃棄物の受け入れ伝票を受け取るが、これらの処理時間には少なくとも一台毎に5分程度費やす。このため、台貫が1台しか稼働されていない場合には、一時間に最大で12台の運搬車両を受け付けることしかできない。
【0030】
受付終了後、運転者はマニフェストと計量を証明する廃材受入伝票を渡されてから積荷をリサイクル処理場へ卸して処分を終了する。運搬車両が計量台貫にて計量と受入を終える1台当りに必要とされる処理時間が5分とすれば、10台の運搬車両の受入を処理するのに50分~1時間かかるので、多い時には受入待ちの運搬車両数十台が処理場前に並んで数時間待機するような渋滞を引き起こす。
【0031】
本システムの構築によって台貫による計量と同時にマニフェストの受入と廃材の計量伝票の処理を一括で行うことで、1台当り5分程度必要であった受入業務処理時間が1分程度以内に短縮される事となるので、各業務の高効率化に伴う受入業務の簡素化、運搬効率や回数の向上、処理場周辺の渋滞緩和に効果が期待される。また、電子マニフェストへのデータとリンクをすることで、日本産業廃棄物振興センターが推奨するマニフェストの電子化普及率の向上に寄与していく事が可能となる。
【0032】
車載されたPDAやスマホや専用機に、排出事業者と処分場との産業廃棄物処理契約書、契約情報、契約No.等、具体的には下記表1に記載の事項の全部または一部を予め入力しておく。
【0033】
【表1】
【0034】
産業廃棄物の受入側(廃棄物処分場)での対応としては、マニフェスト記載項目と現物との対比確認を行った後、パソコンまたはPDA(Personal Digital Assistant:個人向けの情報端末)等にて下記表2に示す“2-1”乃至“2-3”の受け入れ承認を行う。
【0035】
【表2】
【0036】
表2の2-3で示すマニフェスト印字プリンターの機能について以下に補足説明する。このプリンターにはマニフェスト用紙及び廃材受入伝票が予めセット乃至内蔵されており、処理毎に新しい用紙に受入情報を印字する。受入側の受付情報は6枚綴りのマニフェストに複数枚押印欄が有る事から、マニフェスト用紙のページB1,B2,C1,C2,D,Eにそれぞれ承認印を印字した後に運転者へ発行されるように構成されている。
【0037】
図2は、電子マニフェストの運用における典型例を説明する図である。そこで、図2の記載及び財団法人 日本産業廃棄物処理振興センターHPの記載に基づいて以下に順次説明する(以下の説明において図2中の丸記号数字は()書き数字として記す)
【0038】
1)マニフェスト情報の登録 <排出事業者⇒情報処理センター>
排出事業者は産業廃棄物を収集・運搬者または処分業者に引き渡してから3日以内に必要情報をパソコンで入力し情報処理センターにマニフェスト情報の登録を行う((1)の登録)
【0039】
2)運搬終了報告 <収集運搬業者⇒情報処理センター>
収集運搬業者は(1)により登録されたマニフェスト情報に対して、運搬が終了した日から3日以内に情報処理センターに運搬終了報告を行う((2)の報告)
【0040】
3)中間処理終了報告 <中間処理業者⇒情報処理センター>
中間処理業者は(1)により登録されたマニフェスト情報に対して、中間処理が終了した日から3日以内に情報処理センターに処分(中間処理)終了報告を行う((3)の報告)
【0041】
4)運搬終了報告・処分(中間処理)終了報告の通知 <情報処理センター⇒排出事業者>
情報処理センターは、運搬終了報告または処分(中間処理)終了報告を受けた場合、排出事業者のパソコンに運搬または処分(中間処理)が終了した旨の通知を行う((2)・(3)の通知)
【0042】
5)2次マニフェスト情報登録 <中間処理業者⇒情報処理センター>
中間処理業者は、廃棄物を引渡した日から3日以内に産業廃棄物の種類ごとおよび行き先(処分事業場)ごとにマニフェスト情報の登録を行う((4)の登録)
【0043】
6)中間処理後の廃棄物の運搬終了報告 <収集運搬業2⇒情報処理センター>
収集運搬業者2は、運搬が終了した日から3日間以内に、情報処理センターへ運搬終了報告を行う((5)の報告)
【0044】
7)中間処理後の廃棄物の最終処分終了報告 <最終処分業者⇒情報処理センター>
最終処分業者は、最終処分が終了した日から3日間以内に、情報処理センターへ最終処分が終了した旨を報告((6)の報告)
【0045】
8)運搬終了報告・最終処分終了報告の通知 <情報処理センター⇒中間処理業者>
情報処理センターは、運搬終了報告または最終処分終了報告を受けた場合、中間処理業者のパソコンに運搬または最終処分が終了した旨の通知を行う((5)・(6)の通知)
【0046】
9)中間処理業者からの最終処分終了報告 <中間処理業者⇒情報処理センター>
中間処理業者は(1)により登録されたマニフェスト情報に対して、(6)の最終処分終了報告を受けた日から3日以内に情報処理センターに最終処分終了報告を行う((7)の報告)
【0047】
10)排出事業者への最終処分終了報告 <情報処理センター⇒排出事業者>
情報処理センターは、中間処理業者より最終処分終了報告を受けた場合、排出事業者のパソコンに最終処分が終了した旨の通知を行う((7)の通知)
【0048】
上述のようにマニフェスト情報の保存・管理の観点から構築されている現状の電子マニフェストに対して、本件発明では下記のように連携することが好ましい。日本産業廃棄物処理振興センターが展開する上記の電子マニフェストシステムは、紙ベースのマニフェストからデータベース化する為にパソコンやスマホで処理情報を人が手作業で入力できるようにして業務の効率化を図っているが、計量と受付を伴う受け入れ処理作業については効率化を行う事ができていない。その事から本発明のシステムを電子マニフェストシステムのソフトあるいはアプリケーションにアドインもしくは日本産業廃棄物処理振興センターのシステムに改善を行う事で、マニフェストの印字によるプリントアウトの工程が省略できるように構成改良する。
【0049】
しかしながら、平成22年度に運用が開始されてから平成31年度での電子マニフェストの普及率は63%となったものの、その内訳は医療・福祉施設で48.6%,商業小売で30.4%を占め、建設業においては5.6%と低いのが現状である。この事から、本発明のシステムはより好ましくは建設業における電子マニフェスト運用の推進していくもとなる。
【0050】
図3(a)は、本発明にかかる産業廃棄物の高効率回収システム1000の典型例を説明する図であり、図3(b)は、車載器1210と受入建屋内の制御装置1120の関係を説明する図である。
【0051】
図3において、産業廃棄物処理施設に到着した廃棄物運搬車1200は、施設1000内の台貫1110にて計量を行うと共にカメラ1130にて積み荷の確認と車両の確認が行われる。すなわち、台貫1110にて計量された重量値は制御装置1120に入力され、またカメラ1130で撮影された画像が制御装置1120に入力されて車両確認と積荷種類と積荷容積(積荷の量)とを認定される。カメラ1130で取得される積荷容積と台貫1110から取得される計量値とに基づいて、積み荷である産業廃棄物の種類や量が大凡推定可能である。この場合に、制御装置1120は、人工知能(AI)やデータベースを用いて推定または/及び特定しても良い。
【0052】
制御装置1120で確認された車両と積荷種類と積荷容積(または/及び重量)とは、表示モニター1160に表示されるとともに、通信インターフェース1140を介して車載器1210に通知される。また、プリンター1150にて、マニフェストと廃材受入伝票にプリントアウトされる。
【0053】
車載器1210はPDAやスマホや専用機でも良く、本体またはUSB等の記憶媒体に予め記録されている運搬車データ(車種・車重等)、運転者情報、廃棄物の発生事業者、運搬会社の情報を、通信インターフェースを介して受け入れ先に提供する。
【0054】
また、受け入れ側では、通信インターフェースを介して車載器1210から取得した上記情報と、台貫の計量データをパソコン等の制御装置1120で解析して、当該受け入れした車両情報及び積み荷の重量をデータベース化する。そして、当該データベースから、マニフェストへ記載する項目を抽出して印字して自動的にプリントアウトするとともに、運転者に提供するべき受入伝票を印字して発行する。
【0055】
また、制御装置1120は通信インターフェース1140を介して車載器1210本体またはそれに接続されたUSB等の記憶媒体に、データベースの当該データをフィードバックする。この場合に、制御装置1120は、新規に開発されて予めインストールされたアプリケーションソフトを用いてデータベースを作成することができる。
【0056】
また、図4はマニフェストの見本サンプルを示す図であり、図5は、廃材受け入れ伝票の見本サンプルを示す図である。
【0057】
本発明により、産廃運転者が処理上での受付処理時に車から降車することなく、スムースかつ迅速に必要なデータの受け渡しと認証等を完了させて、順番待ちの渋滞発生を回避することも可能である。また、マニフェストの要記載事項の空欄にプリンターで自動印字して受け入れ時のマニフェストを完成させることも可能であるので、従来のように手書きで必要事項を記入して押印等する手間と時間を迅速化して記載ミスも低減することが可能である。
【0058】
例えば、運搬車の運転者が持参したマニフェストに台貫で計量したりカメラでAI判定した認定事項をプリンターで加筆印字及び押印して、運転者に返却することも可能である。また、運転車が持参したマニフェストの記載内容が誤っているとAI(人工知能)で判定された場合には、新たに訂正印字されたマニフェストをプリントアウトして発行することとしても良い。
【0059】
また、カメラの映像に基づいてAIで判定する場合に、積荷全体外観とその容量と色合い、搭載物個々の形状(ワイヤーが突出しているか、角張っているか丸まっているか等)を取得することで、大凡の産廃の種類を推定・特定することとしても良い。従って、積み荷形状と容量(積み荷の量)をAIがカメラ映像から把握して重量等推定し、台貫のデータとダブルチェックすることとしても良い。
【0060】
さらに、制御部でのAIまたは/及び台貫による把握内容と運転者が持参したマニフェスト記載内容(またはPDA等からの通信での受信内容)との整合性を制御部がチェックして、整合していれば受け入れ承認することとできる。このため、制御部はマニフェストをスキャンしてスキャナーで映像として取り込み、記載内容の文字をイメージOCR(Optical Character Recognition/光学的文字認識)等によって読み込むことでマニフェストに予め記載されている産廃の種類や量等を把握するものとしても良い。
【0061】
また、PDAや車載器にはマイク・スピーカを付帯させて受け入れ事務所と会話による内容確認等を可能なように構成しても良いし、スマホで車内と事務所で会話可能としても良い。
【0062】
本実施形態で説明する産業廃棄物の高効率回収システムは、産業廃棄物を収集して処理場へ運搬する運搬車に搭載される車載器と、前記産業廃棄物を受入れして処理する受入れ施設に備えられ、台貫で計測した前記運搬車の積荷重量を取得するとともに、前記車載器から産業廃棄物処理関連情報を受信して受入れ処理する制御装置と、を備え、前記産業廃棄物処理関連情報は、排出事業者名と運搬受託者と運搬許可番号と排出される前記産業廃棄物の種類・数量・形状・荷姿と運転者氏名と運搬日付と、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0063】
これにより、産業廃棄物の受け入れ施設において台貫での計量と受け入れ処理に関する受付処理の迅速化が図れるので、受付待機時間が低減されて渋滞の発生も低減できる。運搬車が台貫で計測している間またはその計測直前に車載器から産業廃棄物処理関連情報を受信して施設の制御装置が受付処理を遂行できる。このため、運転者がわざわざ車両から降りて施設事務所に入室してマニフェストに記入したり押印等する処理が不要となり、制御装置により自動的に必要な項目が記載されてプリントアウトしたりデータベース化したり記録・保存したりすることが可能となる。すなわち、受付処理時に運転者と施設との間で、紙ベースによる産業廃棄物処理関連情報の申告や確認を省略して、電子的に無線送信で、産業廃棄物処理関連情報のデータやり取りを完了できる。ペーパーレス化ができる。また、産業廃棄物処理関連情報では、マニフェストとして通常必須となる、排出事業者名と運搬受託者と運搬許可番号と排出される前記産業廃棄物の種類・数量・形状・荷姿と運転者氏名と運搬日付と、を少なくとも含むことにより、従来 紙ベースでの申告や確認・承認等が電子的に完了できるものとなるので好ましい。
【0064】
本実施形態で説明する産業廃棄物の高効率回収システムは、好ましくは前記制御装置は、前記運搬車の外観映像を取得するカメラと、前記カメラで取得した映像に基づいて前記運搬車の積荷種類と重量とを推定するAIと、を備え、前記AIで推定した積荷の重量と、前記台貫で計測した前記運搬車の積荷重量と、の整合を確認し、整合している場合にはマニフェストに前記積荷重量を印字して出力することを特徴とする。
【0065】
これにより、カメラで取得された映像や画像からトラック等運搬車の積荷状況や車種・大きさ規格・ナンバープレート・運転者等をAIが把握できるので、積み荷の種類と量を推定することも可能となる。また、AIの顔認識機能によって運転者の判別をして、所属や年齢・保有する取り扱い資格や免許の有無等を判別することで、施設の制御装置による受け入れ承認可否判断の一助とすることも可能である。AIの判定認識結果と、台貫等による実測結果および/または車載器から電子的に無線送信された申告内容等と、を比較検討して制御装置の受け入れ承認可否判断の一助とすることも可能である。比較整合の結果が良好に一致している場合には、申告内容を信用できるものとして受け入れ承認し、マニフェストに承認結果や内容をプリントアウトして制御装置のプリンターから自動的に出力するものとできる。
【0066】
本実施形態で説明する産業廃棄物の高効率回収システムは、さらに好ましくは前記制御装置は、前記AIで推定した前記運搬車の積荷種類と、運転車が提出してスキャナーで読み込まれた前記マニフェストに記載された積荷種類または/及び前記車載器から受信した前記産業廃棄物処理関連情報に含まれる積荷種類と、の整合を確認し、整合している場合には前記マニフェストに前記積荷種類の承認印を印字して出力することを特徴とする。
【0067】
これにより、AIを搭載する制御装置が、カメラの画像や映像に基づいて推定した積荷種類と、マニフェストに記載されていたり車載器から電子無線申告された廃棄物内容と、が合致しているか否かを判断できるので、記載ミスや虚偽の申告についてもかなりの精度で検出することが可能となり、このような場合には受け入れ承認をペンディングして修正や訂正を促すことも可能である。例えば、制御装置は、記載内容な申告内容等に修正等が必要である旨を運転車に報知するための報知手段を備えるものとしても良い。また、積み荷の外観形状やその状態・トラック等運搬車の種類等によって、ある程度 産業廃棄物の種類・量を特定することも可能であることから、AIは予め可能な限り精確な判断・判定が可能となるように、判断に資する種々の関連データをインプットされておくことが好ましい。
【0068】
本実施形態で説明する産業廃棄物の高効率回収システムは、さらに好ましくは前記産業廃棄物処理関連情報は、産業廃棄物処理契約書に基づく契約No.をさらに含むことを特徴とする。
【0069】
これにより、産業廃棄物処理契約書の契約ナンバーと、持ち込まれた産業廃棄物の処理日時・処理量・処理内容・種類等を施設側において紐づけてデータベース化しておけるため、後日に何か不具合や不適切な事実が判明した場合でも、産業廃棄物処理契約書の当事者等にまで遡って調査し原因究明することも可能となるので好ましい。
【0070】
本実施形態で説明する産業廃棄物の高効率回収システムは、さらに好ましくは前記産業廃棄物処理関連情報に含まれる前記産業廃棄物の形状は、固形か泥状か液体かを少なくとも分別し、前記産業廃棄物処理関連情報に含まれる前記産業廃棄物の荷姿は、バラ積みかコンテナ積みかドラム缶積みか袋積みかを少なくとも分別することを特徴とする。
【0071】
これにより、産業廃棄物の形状が、固形なのか泥状であるのか液体であるのか等をさらに細かく分別する情報が得られるものとなり、産業廃棄物の荷姿が、バラ積みかコンテナ積みかドラム缶積みか袋積みであるのか等をさらに細かく分別する情報が得られるものとなるので好ましい。より精確な分別処理とその準備対応もさらに容易となる。
【0072】
また、AI(人工知能)は、より多くの運搬車の積み荷姿のバリエーションや台貫計測重量値を学習すればする程、確からしい推定の精度が向上する。従って、AIが判定した運搬車からの申告データ(提出されたマニフェスト記載事項のOCRによる読み取り値または無線送信により車載器から受信したデータ)の確からしさを、荷姿や台貫計測値からAIが判定し、判定値が所定のしきい値(例えば信頼度80%等)以上である場合には、その申告データを信頼できるものとしてそのまま受け入れ承認するものとしても良い。また仮に、判定値が所定のしきい値以下である場合には、積載物や積載量の精密な確認作業や検査をするものとしても良い。このようなデータを蓄積しておくことで、AIの判定確からしさは経験値の蓄積に応じてさらに向上できるものとなる。
【0073】
本実施形態で説明する産業廃棄物の高効率回収システムは、さらに好ましくは前記制御装置が備えるプリンターは、マニフェストへの印字フォマットまたは/及び廃材受入伝票への印字フォマットを有することを特徴とする。
【0074】
これにより、当該プリンターをマニフェスト等を印字するための専用プリンターとして利用することもできる。プリンターは、必要な項目をマニフェストや伝票の必要箇所に所望の大きさで適切に印字可能に構成されることが好ましい。また、そのためにフォマット(テンプレート)等を予めプリセットデータ等として有しておくものとできる。
【0075】
既に説明してきたように本発明により、排出された廃棄物の運搬車の処分場での受入れ処理の迅速化が図れペーパーレスで受付けすることも可能となるので、待機車両による渋滞の発生も回避できる。また、運搬車の運転者が持参したマニフェストや申告表に予め記載されている事項や電子データで通信により受信した申告データに誤記や虚偽があった場合でも、処分場での受付処理時にAIによって迅速かつ的確に正誤が判定可能となる。そのまま承認スルーしても良い車両と検査・確認するべき事項を有する車両とが迅速かつ的確に判断されるものとできる。AIにはカメラでの外観荷姿に加え、台貫での測定重量もデータとして与え、運搬車の運転者から申告される産業廃棄物の内容等に関する真偽を判定するものとしても良い。そして、より正確な正しい内容をマニフェストや伝票の所定項目箇所に印字出力するものとしても良い。従来のように、廃棄物運搬車の運転者と処理場の受付担当者との間で、紙ベースの書類に基づいて手書きし押印して書類手渡しして相互に内容確認して・・との受付工程に比べて各段に迅速化され、書き間違い・誤記や訂正の発生も低減できるものとなる。
【0076】
(第二の実施形態)
本実施形態は、資材や機材を購入して車両に積み込んで運搬する場合に、注文にかかる購入物を予めスマホ等に入力しておき、運転者が持参して、倉庫や工場やプラント施設等の購入場所や積み込み場所において当該スマホ(スマートフォンの略称、以下同様)をスマートタッチすることで、NFC等を介して注文データが瞬時に販売側に伝わり注文受け付けされるシステムとする。
【0077】
これにより、発注伝票や注文書等を紙ベースで持参して、窓口で人的接触を介して手渡し押印等の手間と時間が削減されるものとなり、非接触となるので感染病等の感染リスクを低減した注文受付・購入手続きが可能となる。鉄道の駅改札や飲食店・スーパーマケット支払いやホテル出入口等でもスマートタッチは利用されているが、例えばこれと同様のスマートタッチによって運転者が注文内容(購入予定内容)を販売側(プラント施設等)に正確に瞬時に伝達することができる。
【0078】
また例えば、複数種類の資材をプラント施設で購入する場合に、積み込む場所(サイト若しくは施設内の各プラント)が異なる場合も少なくない。例えば、同一プラント施設内であってもアスファルトの保管・積み込み場所と砕石の保管・積み込み場所とは、それぞれ異なる建造物で為されることが一般的である。このような場合に、スマートタッチによる注文の受付と同時に、プラント施設のAIが最適な積み込みルートや積み込み順序を運転者に提示するものとしても良い。もちろん、AIが整わない場合には、人的にプラント施設側の職員がAIを代替して指示しても良いが、AIを用いることでより正確に迅速・精緻な判断や決定及び提示が可能となる。
【0079】
運転者はAIのガイドルートに沿って、複数の資材を順次に積み込むことで、プラント施設内を右往左往して無駄な資源を消費する懸念を低減できるし、時間の節約と渋滞の回避にも繋がる。AIは、プラント施設内のサイトAで資材aを積み込んだ後に、サイトBで資材bを積み込むように運転者に指示できる。この場合に、AIは資材a、資材bの特性のみならず、サイトA、サイトBの込み具合や渋滞予測・順番待ち待機時間予測等に基づいて、積み込み順序や積み込みルートを決定して提示することができる。
【0080】
また、プラント施設では、スマートタッチの注文受注履歴を記憶・記録しておくことにより、注文書データや月次売掛金の集計等を容易に生成することも可能である。運搬車の運転手は、通常は注文購入の真の主体ではない(一般に真の購入主体は資材購入会社であり、運転手は運送を請け負う運送会社の社員である)が、スマートタッチによって、注文内容に関しては運転者を介さない発注システムとなるので、迅速・簡易な受発注が可能となる。
【0081】
典型的には、第一の実施形態で示す産業廃棄物の処分場と本実施形態のプラント施設が同一の場合には、産廃を往路運搬してきた運搬車が積み荷の産廃を降ろして、そのまま購入品(例えばアスファルトや砕石等)を積み込んで帰路運搬することも可能である。人的な接触や紙データ(伝票・押印・受領サイン等)のやり取りや押印をすることなく、スマートタッチ等によって受発注や購入が可能となる。そこで、典型例の工程等について以下に順次に説明する。
【0082】
1.基本データの転送
事業者若しくは発注者は運搬車両に搭載される車載器にタブレットもしくはPCで作成した事業内容及び運搬内容をP2P通信などにて情報を共有して、運搬作業に従事する。(図6(a)参照)
【0083】
2.プラント施設等への受付入場手続き
倉庫やプラント施設、工場に入場した運搬車両は必要に応じてトラックスケール(台貫)で重量を計量し、同時に車載器に記録されている発注データを受入施設にNFC機能により読み取り機を経て施設内のパソコンに転送される。転送された発注データを基に受入もしくは出荷情報をプラントやサイロの制御装置に入力される。人手による積込作業の場合はスマートフォンやタッチパネル等の情報デバイスに通知される。なお、計量の必要が無い場合はトラックスケールは省略できる。(図6(b)参照)
【0084】
3.搬入物の処理及び荷受け
受付システムからの情報(典型的にはスマートタッチにより受信された情報)を伝達されたプラント施設内の各施設(典型的には資材毎の各サイト等)において、受入や積荷の出荷準備を行い運搬車両を入場させて作業する。(図6(c)参照)
【0085】
4.処理完了・出荷準備完了
受入(処理)もしくは荷物を積んだ運搬車両は積卸しもしくは積荷が完了したことを確認し施設を退場する際に車載器を読み取り機に近接もしくは接触(スマートタッチ)し作業が終了し退場する事を受付にデータを転送し、入場時のデータと差異が無いかを確認チェックする。トラックスケールを使用しないものについては計量を省略する。(図7(a)参照)
【0086】
5.伝票について
従来複写式伝票をプリントアウトして、手書きのサインにて管理していたが、車載器の個別番号、受入品目、数量、出荷品目数量をデータベース化することで、伝票を不要とし、ペーパーレス化を行う。(図7(b)参照)
【0087】
6.請求書と出荷証明について
受入品目、数量、出荷品目、数量はデータベース化され集計し、請求書の発行及び出荷証明書の発行を行う事が可能である。車載器の履歴はCSVもしくはTXTデータとして活用できる。(図8(a)、図8(b)参照)
【0088】
7.事業者若しくは発注者へのデータフィードバック
本システムはペーハーレスであるため、事業者や発注者への伝票の受け渡しが行われない為、事業者若しくは発注者へはデバイス若しくはPCへのデータフィードバックを可能とする。フィードバックされたデータは履歴を蓄積する事ができ、なおかつ、CSVやtxtデータに変換し集計したものをプリントアウトして帳票管理や出納管理にできるものとする。無論、そのままエクセルや会計ソフトにデータを転用できるものとする。(図8(c)参照)
【0089】
また、図9は、発注者情報等を車載器6210から近距離無線通信によって受領するプラント制御装置6100及びそれが備える制御装置6120等の構成概要を説明する概念図である。図9において、受付時にトラック等の運搬車6200は必要に応じてトラックスケール6110で重量計測するとともにタブレットやスマホ等の車載器6210からスマートタッチ受信機6150を介して購入資材の種類や量、運転者情報、発注会社名等の情報を受け取る制御装置6120を備える。また、制御装置6120は種々の情報を表示するモニター6160や資機材受け渡しシステム6190や第一実施形態で説明した産業廃棄物処理システム6180と連携してもよい。資機材受け渡しシステム6190は、資材毎に各資材に対応する各サイトへ連絡・調整してスムースな資材引き渡しが可能となるようにAI等によって積み込み順序や積み込みルートを調整するものとしても良い。
【0090】
また、図10は、売掛集計等の集計データを算出して必要に応じて出力可能に構成され、発注者情報等を車載器7210から近距離無線通信によって受領するプラント制御装置7100及びそれが備える制御装置7120等を含む資材購入効率化システム7000全体の構成概要を説明する概念図である。図10において、受付時にトラック等の運搬車7200は必要に応じてトラックスケール7110で重量計測するとともにタブレットやスマホ等の車載器7210からスマートタッチ受信機7150を介して購入資材の種類や量、運転者情報、発注会社名等の情報を受け取る制御装置7120を備える。また、制御装置7120は種々の集計情報等を表示するモニター7160や資機材受け渡しシステム7190や第一実施形態で説明した産業廃棄物処理システム7180と連携してもよい。資機材受け渡しシステム7190は、資材毎に各資材に対応する各サイトへ連絡・調整してスムースな資材引き渡しが可能となるようにAI等によって積み込み順序や積み込みルートを調整するものとしても良い。
【0091】
また、図11は、履歴データを算出して必要に応じて出力可能に構成され、発注者情報等を車載器8210から近距離無線通信によって受領するプラント制御装置8100及びそれが備える制御装置8120等を含む資材購入効率化システム8000全体の構成概要を説明する概念図である。図11において、受付時にトラック等の運搬車8200は必要に応じてトラックスケール8110で重量計測するとともにタブレットやスマホ等の車載器8210からスマートタッチ受信機8150を介して購入資材の種類や量、運転者情報、発注会社名等の情報を受け取る制御装置8120を備える。また、制御装置8120は種々の集計情報等を表示するモニター8160や資機材受け渡しシステム8190や第一実施形態で説明した産業廃棄物処理システム8180と連携してもよい。資機材受け渡しシステム8190は、資材毎に各資材に対応する各サイトへ連絡・調整してスムースな資材引き渡しが可能となるようにAI等によって積み込み順序や積み込みルートを調整するものとしても良い。
【0092】
また、上記した運搬車は、往路において第一の実施形態に示すように産業廃棄物を運搬し、帰路において第二の実施形態で示すように購入対象資材を積荷として運搬するものとして、所定の希望の場所まで運搬することとしても良い。この場合に、第一の実施形態の廃棄物処分場において第二の実施形態の購入対象物を保管するプラント施設を兼ね備える施設とできる。また、第一の実施形態の車載器は、NFCやP2P(peer to peer)機能等を有することにより、近接通信や近距離無線通信によってプラント制御装置と廃棄物や購入物等の処分・発注データ交換を行えるものとしてもよい。
【0093】
本発明の資材購入効率化システムは、購入する資材をプラント施設で積載して運搬する運搬車に搭載される車載器と、プラント施設に備えられ、車載器から購入する資材の関連情報をスマートタッチで受信して出荷処理するプラント制御装置と、を備え、購入する資材の関連情報は、購入事業者名と運搬事業者名と購入資材の種類・量と運転者氏名と運搬日付と、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0094】
これにより、ペーパーレスでかつ非接触にてプラント施設での購入等受入業務を済ませることが可能となる。受付待機時間の短縮や集計作業の自動化に伴う業務軽減化や伝票発行業務のデジタル化によるペーパーレス化に繋げることも可能となるので好ましい。さらには、売掛集計のデジタル化による履歴の確認の簡素化にも繋がる。運搬車がドライブスルー方式で受付業務を済ませるとともに、荷物の受入業務と出荷業務とを同時に遂行することも可能となる。
【0095】
購入する資材の関連情報として購入事業者名を含むことにより請求書等の発行宛先がプラント施設側で明確に把握することができ、運搬事業者名を含むことにより運搬車の所属事業会社や運転者の所属会社等を把握することができる。購入資材の種類・量により、プラント施設内部における運搬車へのガイド先、すなわち資材の種類によって運搬車に積み込むサイト(またはプラント)が異なることから適切な対象サイトへと運搬車を案内して誘導することも自動で可能となる。
【0096】
より具体的には、アスファルトを1t購入して運搬車に積み込む場合と、砕石を1t購入して運搬車に積み込む場合と、では、プラント施設内部においてアスファルト保管・積み込みサイトと砕石保管・積み込みサイトとが異なる場所であるので、それぞれの場所にて目的の資材を運搬車へ積み込むこととなる。このような場合でも、受付時のスマートタッチによりプラント施設側で車両を誘導すべきサイトと必要な資材量を瞬時に把握できるので、車両をスムースにガイドして目的のサイトへと導き、かつ当該サイトにおいては所望の資材量を車両到着前に予め準備しておくことで速やかな積み込み作業も可能となる。
【0097】
本発明の資材購入効率化システムは、好ましくは運搬車への購入する資材の積込み作業が完了した後、プラント制御装置は、車載器による再度のスマートタッチを受けて、積込み完了の判断を確定することを特徴とする。
【0098】
これにより、より確実に積み込み作業の完了をダブルチェックすることが可能となる。すなわち、プラント側では所定の資材量を積み込み完了したと判断していても、これを運搬車の運転者によるスマートタッチでダブルチェックして確認することができる。積み込み作業それ自体はプラント側で行う作業であり、運搬車の運転者はプラント施設側の人員では無いので、積み込み作業には直接関与しないケースも多い。このような場合であっても、運転者が積み込み作業の完了を確認し、確認した証としてスマートタッチすることにより、相互に確認済みの認証とチェックとを行える。このため、各サイト(例えば砕石積み込みサイトやアスファルト積み込みサイト)には、車載器によるスマートタッチを受信するNFC受信器等を設置しておくこととできる。プラント制御装置においては、各サイトでの各積み込みが全て完了したか否かを把握し、運搬車の復路出荷時すなわちプラント施設からの退出時に整合確認するものとできる。また、プラント制御装置が、請求書発行時に全ての積み込みが完了したか否か、すなわち全ての該当サイトで完了確認のスマートタッチが為された否かを整合確認するものとしても良い。
【0099】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくはプラント制御装置は、積込み完了の判断を確定した後、購入事業者名宛てに請求書を自動的に発行することを特徴とする。
【0100】
これにより、請求書が自動的に発行されるので非接触となりはやり病の伝染を予防できるので好ましい。積み込み完了後に発行することで、資材の搬出や移動と請求書の発行のタイミングを整合するものとできる。
【0101】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくは購入する資材が複数種類である場合に、プラント制御装置は、購入する資材の関連情報をスマートタッチで受信した後、第一の資材を保管する第一のプラント施設に対して第一の資材を購入希望量だけ運搬車に積載するように自動的に指示するとともに、第二の資材を保管する第二のプラント施設に対して第二の資材を購入希望量だけ運搬車に積載するように自動的に指示することを特徴とする。
【0102】
これにより、複数の資材を積む込む場所やサイトやプラントがそれぞれ異なる場合においても、プラント制御装置から各サイト等に対して、該当車両に積み込む資材とその量が速やかに指示されるので、各サイトにおいては混乱も無く車両が当該サイトに到着する前から積載準備を進めておくことが可能となる。例えば、ある車両がアスファルト1tと砕石1tとを購入したい場合には、プラント制御装置が、購入する資材の関連情報をスマートタッチで受信すると速やかに、アスファルト積載サイトと砕石積載サイトへと各1tの積み込み指示を通知する。好ましくは最適な積載順序をプラント制御装置がAIによって判断し、当該AIの判断に基づいて積載順序を決定して車両をその順に各サイトに誘導するものとしても良い。
【0103】
資材の種類に寄っては当該資材の上には何も重畳積載しないほうが良い資材も存在するのでこのような資材は最後に最上部に積み込むことが好ましいといえる。また、サイト内での車両の走行距離が最短となるように複数の積み込みサイトへ最短総ルートで誘導するようにAIが誘導ルートや積載順序を決定することができる。さらには、購入総重量が軽い資材種類から優先的に順に積み込んでいくようにAIが積み込み順序やルートを決定・指示すれば、重い資材を積載した状態でプラント施設内を走行する距離が低減されるので、プラント施設内における環境負荷の低減に資するものとなる。
【0104】
これにより、プラント施設内を運搬車が右往左往して無駄に環境負荷を増大させてしまう懸念を低減できる。大型のプラント施設等においては、資材ごとにまとめて保管されており当該資材の積載場所も保管場所に隣接して設けられている等によって、積み込みサイトが資材ごとに別途独立に設けられているケースも少なくないが、スマートタッチによる購入予定資材情報(種類や量)の入手と、AIによる積み込み順序やルートの決定及び/または各サイトへの事前指示、によりさらなる効率的な資材積み込み作業が可能となる。
【0105】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくは第一の資材がアスファルトであり、第二の資材は砕石であることを特徴とする。典型例としては、アスファルトと砕石とを購入して荷台等に積載して復路運搬することが考えられるが、これに限定されるものではない。
【0106】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくは車載器が、P2P(Peer to Peer)機能またはカードエミュレーション機能またはNFC(Near Field Communication,近距離無線通信技術)機能を有するスマートフォンまたはタブレット端末であることを特徴とする。
【0107】
スマートフォンまたはタブレット端末を典型例とするPDA(Personal Digital Assistant:個人向けの情報端末)においては、持ち運びも簡単であり任意に車載が可能でありながら、車内専用ではなく、運転者が帯同可能である。通常、運搬車の運転者は、車両の目的地までの安全な運転(車両(積載物含む)の移動)が主たる業務であって、積載物の専門家ではないし、その業者ではないケースが多い。
【0108】
このため、積載物に関する種々の情報については、PDAに入力して記憶させてこれを車載しておくことで、産廃処分場やプラント施設等の目的地において、運転者が直接接触したり関係することなく、PDAから情報を相手側に提供することができる。運転者によるスマートタッチも極めて容易に可能である。また、常時車載されて据え付置かれるものでは通常ないので、必要に応じて運転者がPDAを持参して記録内容を相手方と確認したりマスターデータと照合させたり応用的な使用も簡単に可能となる。スマートタッチは、例えば現在鉄道の駅改札ゲート等で汎用されているような方式で実現しても良い。
【0109】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくはプラント制御装置が、スマートタッチで受信して出荷処理した履歴データを有し、売掛け集計を出力することが可能であることを特徴とする。
【0110】
これにより、従来手作業で紙伝票に基づいて売掛け集計していた作業が、迅速かつ正確かつ容易に自動的に、プラント制御装置が備えるコンピュータや集計電子機械等によって行われることが可能となる。
【0111】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくは運搬車が、産業廃棄物を収集して処理場へ運搬する運搬車であって、プラント制御装置は、産業廃棄物を受入れして処理する受入れ施設でもあるところのプラント施設に備えられ、台貫で計測した運搬車の産業廃棄物の積荷重量を取得するとともに、車載器から産業廃棄物処理関連情報を受信して受入れ処理し、産業廃棄物処理関連情報は、排出事業者名と運搬受託者と運搬許可番号と排出される産業廃棄物の種類・数量・形状・荷姿と運転者氏名と運搬日付と、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0112】
第一の実施形態で説明した技術思想を往路で実施し、第二の実施形態で説明した技術思想を復路で実施するものとしても良い。産業廃棄物処理場へ産廃を運搬した運搬車が、当該処理場でリサイクル販売等されているアスファルトや砕石等を積み込んで帰る場面も想定される。往路と復路とでそれぞれ異なる積み荷を運搬でき、かつその積み下ろしや荷物の入れ替え作業も迅速にかつ正確に非接触で行えるものとなる。
【0113】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくはプラント制御装置が、運搬車の外観映像を取得するカメラと、カメラで取得した映像に基づいて運搬車の積荷種類と重量とを推定するAIと、を備え、AIで推定した積荷の重量と、台貫で計測した運搬車の積荷重量と、の整合を確認し、整合している場合にはマニフェストに積荷重量を印字して出力することを特徴とする。
【0114】
AIは種々のデータを蓄積しておくことにより、様々な判断に利用できるので、運搬車の積荷産廃の種類と重量とを推定するAIが、プラント施設内の最適積み込み順序や最適積み込みルート等を判断して決定することも可能である。
【0115】
本発明の資材購入効率化システムは、さらに好ましくはプラント制御装置が、AIで推定した運搬車の積荷種類と、運転車が提出してスキャナーで読み込まれたマニフェストに記載された積荷種類または/及び車載器から受信した産業廃棄物処理関連情報に含まれる積荷種類と、の整合を確認し、整合している場合にはマニフェストに積荷種類の承認印を印字して出力することを特徴とする。
【0116】
これにより、AIを搭載する制御装置が、カメラの画像や映像に基づいて推定した積荷種類と、マニフェストに記載されていたり車載器から電子無線申告された廃棄物内容と、が合致しているか否かを判断できるので、記載ミスや虚偽の申告についてもかなりの精度で検出することが可能となり、このような場合には受け入れ承認をペンディングして修正や訂正を促すことも可能である。例えば、制御装置は、記載内容な申告内容等に修正等が必要である旨を運転車に報知するための報知手段を備えるものとしても良い。また、積み荷の外観形状やその状態・トラック等運搬車の種類等によって、ある程度 産業廃棄物の種類・量を特定することも可能であることから、AIは予め可能な限り精確な判断・判定が可能となるように、判断に資する種々の関連データをインプットされておくことが好ましい。
【0117】
本実施形態で提示するシステムは、材料を調達しに来た運搬車両は、例えばNFC機能付車載器にて(近距離通信技術利用)読み取り器に近接または接触すると、車載器に予め入力されている情報を基に瞬時に受付を完了し、伝票発行、受領サインの人によって行っている作業が不要になる。また、材料の調達履歴をデータベース化し、販売もしくは出荷側が顧客に請求する内訳と金額を集計し請求書の発行と出荷物の出荷証明を自動で発行できる。カーナビ―に搭載することも可能である。また、毎回発行する紙ベースの伝票が不要となりペーパーレス化となる。さらには、調達履歴をデータベースにする事で出荷時に行っていた受付業務が必要無くなる。近距離通信技術を利用することにより、非接触での受付ができる事による感染症の予防となる。受付業務時間の効率が良くなる。等々の種々のメリットが期待される。
【0118】
また、受付時間が簡素化され業務時間の短縮になる、伝票発行が不要となる、自動決済となるのでサインレスとなる。履歴をデータベースできる。材料の出荷管理を自動で行い集計できる。請求締め日管理に伴い、自動で請求書の発行ができる。集計に基づき出荷証明書が発行できる。産業廃棄物処理の受付業向に同等の内容で使用できる等々のメリットも期待される。
【0119】
本実施形態で説明した上述の態様はあくまで説明の便宜上例示した具体例に過ぎず、記載内容に限定されることなく当業者に自明な範囲で、かつ本発明の技術思想の射程の範囲内で、適宜 構成・素材や原材料・工程・方法・構造・作業手順等を変更しアレンジし、また追加し・削除し・修正することが可能である。また、上述の説明では第一の実施形態と第二の実施形態としてそれぞれ別個独立に説明しているが、互いに適宜組み合わせ適用して技術や要素を混合乃至ミックスしてシステム構築等することができる。また、実施態様で例示したアスファルトや砕石等は、説明の便宜上示している典型例であるので、資材や積載物等についてはこれらに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、産業廃棄物の高効率回収システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0121】
1000・・産業廃棄物高効率回収システム、1100・・産廃処理施設、1110・・台貫、1120・・制御装置、1130・・カメラ、1140・・通信インターフェース、1150・・プリンター、1160・・表示モニター、1200・・廃棄物運搬車、1210・・車載器。
【要約】
【課題】NFC等を用いた非接触による、産廃等の処分場への受入または/及び資材購入時のプラントからの出荷業務の効率化を図り、受付待ち渋滞の緩和と効率化を図ること等を目的とする。
【解決手段】購入する資材をプラント施設で積載して運搬する運搬車に搭載される車載器と、前記プラント施設に備えられ、前記車載器から前記購入する資材の関連情報をスマートタッチで受信して出荷処理するプラント制御装置と、を備え、前記購入する資材の関連情報は、購入事業者名と運搬事業者名と購入資材の種類・量と運転者氏名と運搬日付と、を少なくとも含む資材購入効率化システムとする。
【選択図】図9
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