(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置
(51)【国際特許分類】
A61N 2/04 20060101AFI20220113BHJP
A61M 21/02 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A61N2/04
A61M21/02 D
(21)【出願番号】P 2020512727
(86)(22)【出願日】2018-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2018102586
(87)【国際公開番号】W WO2019042265
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-02-26
(32)【優先日】2017-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519286739
【氏名又は名称】リ シャオピン
(73)【特許権者】
【識別番号】520066418
【氏名又は名称】シェ,チェン
(73)【特許権者】
【識別番号】519286751
【氏名又は名称】リ ジェシカ
(73)【特許権者】
【識別番号】520066429
【氏名又は名称】リー,ジョアナ レ シー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】リー,シャオピン
(72)【発明者】
【氏名】シェ,チェン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョアナ レ シー
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0278687(US,A1)
【文献】国際公開第2017/076320(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/192582(WO,A1)
【文献】特表2008-543386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 2/04
A61M 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号生成モジュール及び前記信号生成モジュールに接続されるアンテナを含む、脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置であって、
前記信号生成モジュールは、電気信号を発生するように設置され、前記電気信号を前記アンテナに送信し、前記電気信号の電力はプリセット変調周波数でバーストフォーマットに変調され、前記バーストフォーマットは、前記電気信号の振幅に対応するパルスフォーマットであり、
前記アンテナは、前記信号生成モジュールから変調された電気信号を受信し、前記電気信号に基づいて電磁場を発生し、前記電磁場の電力は前記プリセット変調周波数で変化し、
ここで、前記装置は前記脳の近傍場に設置され、目標脳機能部位が前記電磁場の近傍場の範囲内である時、前記電磁場の前記電力を利用して、前記脳機能部位での細胞外液を分極させ、前記細胞外液の分極密度が前記プリセット変調周波数で変化するようにし、且つ前記細胞外液のニューロンが前記プリセット変調周波数で放電するように変調され、
各脳機能部位において、ニューロンは細胞外液に囲まれ、細胞外液には帯電粒子が含まれ、
前記細胞外液の分極密度は、周囲の細胞外液における帯電粒子の密度分布であり、前記細胞外液の分極密度の変化周波数を変更すると、前記ニューロンの放電周波数が変更され、
前記脳機能部位の動作ニューロンの放電周波数に基づいて前記プリセット変調周波数を決定し、
前記電磁場の近傍場は、
【数1】
の条件を満たし、ここで、dは前記アンテナから前記近傍場が終了する近傍場端までの距離を表し、Dは前記アンテナの最大寸法を表し、及びλは発生した電磁場の真空中の波長を表し、
前記脳機能部位の寸法に基づいて、発生した電磁場の波長λを適切に変調し、発生した電磁場の真空中の波長λは、前記電磁場の前記脳機能部位での波長が前記脳機能部位の寸法と整合するようにする、
脳における脳機能部位のニューロンの放電周波数を変調する装置。
【請求項2】
前記脳機能部位の寸法に基づいて、発生した電磁場の波長λを適切に変調し、発生した電磁場の真空中の波長λは、前記電磁場の前記脳機能部位での波長が前記脳機能部位の前記寸法の70%から130%に至るようにする、
請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記プリセット変調周波数は1Hzから2500Hzの範囲内であり、好ましくは5Hzから125Hzであり、より好ましくは5Hz至45Hzであり、より好ましくは25Hz至85Hzであり、より好ましくは10Hz至30Hzである、
請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記脳機能部位は、脳睡眠促進部位であり、且つ前記装置は以下のように用いられる:
- 前記近傍場より提供される前記電力を利用して、前記プリセット変調周波数で前記脳睡眠促進部位を変調することにより、前記脳を覚醒モードから睡眠モードに変換させ、前記脳の前記睡眠モードにおいてのみ効果的に働く前記脳のグリアリンパ系によって、前記脳自体が、前記脳の前記覚醒モードにおける前記ニューロンにより生じる老廃物を取り除くようにする;
- 前記近傍場により提供される前記電力を利用して、前記プリセット変調周波数で前記脳睡眠促進部位を変調することにより、更に、前記脳を急速眼球運動(REM)睡眠段階に変化させる;及び
- 一旦前記脳が前記睡眠モードにおいて既に前記REM睡眠段階に達すると、別の変調周波数を利用して他の脳機能部位を変調し、特に学習及び記憶に関する脳機能部位であり、これにより、前記脳の自然過程を促進し、前記自然過程により、睡眠モード期間内における蛋白質の消耗に関するニューロンは、前記蛋白質の消耗に関するニューロンが覚醒モード期間内における蛋白質の消耗の中で働く時と、ほぼ同じニューロンインタネット接続環境を介して前記蛋白質の消耗を完了する、
請求項
1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願の35 U.S.C. § 119(e)に基づいて2017年8月26日に提出されたアメリカ臨時特許出願62/550,596号及び2017年10月29日に提出されたアメリカ臨時特許出願62/578,463号の優先権は、そのすべての内容の全文が引用の形態で本文に組み込んでいる。
【0002】
[技術分野]
本出願は、電磁場を利用して脳の活動を変調する方法及びその装置に関し、特に、脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する方法及びその装置に関し、ここで、電磁場を発生することにより脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調し、脳における活動を変調する。
【0003】
[背景技術]
脳は複数の脳機能部位に集まったニューロンにより形成されている。各機能部位は脳において特定の機能を実行し、且つ機能は特徴的に脳機能部位でのニューロンの放電周波数に関連され、脳における活動として表している。その為、脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調すると、相応的に脳における活動が変調される。各脳機能部位において、ニューロンは細胞外液に囲まれ、細胞外液にはカルシウム、カリウム及び塩素のような帯電粒子が含まれている。各ニューロンはその半透明膜に門があり、帯電粒子は該門を介してニューロンに流入又は流出する。帯電粒子(例えば、拡散することにより)がニューロンの半透明膜へ流入及び集まり、膜電位(即ち、ニューロンの分極)を閾値まで上昇し、且つ膜が刺激を受けることによって、膜の門が開き、これによりすべての帯電粒子が高速に膜(ニューロンの脱分極)から流出し、ニューロンの分極及び脱分極の循環が形成される。脱分極の完了の時、ニューロンの分極の別の循環が次の脱分極に進み始め、これをもって類推して、脳機能部位の機能状態の放電周波数を決定し、従って、ニューロンの放電循環が形成される。
【0004】
拡散によってニューロンの半透明膜に流入することにより、ニューロンの膜電位(即ち、ニューロンの分極)を高める帯電粒子は、周囲の細胞外液における帯電粒子の密度分布に依存し、その為、細胞外液の分極密度を変更させることにより、積極的又は否定的に促進することが可能となる。細胞外液の分極密度を変更することにより、拡散の速度を変更することが可能であり、且つニューロンの分極及び脱分極の為に掛かる時間を変更することが可能となる。その為、細胞外液の分極密度の変化周波数を変更すると、ニューロンの分極及び脱分極の循環周波数が変更され、即ち、ニューロンの放電速度が変更される。
【0005】
[発明の概要]
本発明の1つの態様によれば、脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する方法を提供し、該方法は以下を含む:
そのプリセット変調周波数で変化する電力を介して電磁場が発生される;及び
発生した電磁場を脳の近くに配置し、目標脳機能部位が電磁場の近傍場の範囲内に位置するようにし、これにより、電磁場の電力を利用して、脳機能部位での細胞外液を分極させ、細胞外液の分極密度がプリセット変調周波数で変化するようにし、且つ前記細胞外液におけるニューロンがプリセット変調周波数で放電するように変調される。
【0006】
電磁場の近傍場はアンテナによって発生され、且つ
【0007】
【0008】
の条件を満たし、ここで、dはアンテナから近傍場が終了する近傍場端までの距離を表し、Dはアンテナの最大寸法を表し、及びλは発生した電磁場の真空中の波長を表す。ここで、仮にdが上記条件を満たすと、アンテナからの電力は、アンテナの電流及び電荷が脳のニューロン集団により形成されたニューロンクラスタを介して、目標脳機能部位に印加された誘導及び電容効果によって、近傍場内の目標脳機能部位に効果的に移行され、ニューロンクラスタはアンテナから近傍場内の目標脳機能部位への電力の受信に用いられる二次アンテナとなる。
【0009】
発生した電磁場の真空中の波長λは、発生した電磁場の脳機能部位での波長が脳機能部位の寸法と整合するようにする。このような形態により、電磁場により効果的に脳機能部位を変調することが可能となる。
【0010】
付加的又は代わりに、発生した電磁場の真空中の波長λは、電磁場の脳機能部位での波長が脳機能部位の寸法の70%から130%に至るようにする。
【0011】
脳機能部位での動作(又は正常)ニューロンの放電周波数に基づいて、プリセット変調周波数を決定し、且つ好ましくは1Hzから2500Hzの範囲内であり、好ましくは5Hzから125Hzであり、より好ましくは5Hz至45Hzであり、より好ましくは25Hz至85Hzであり、より好ましくは10Hz至30Hzである。プリセット変調周波数と脳機能部位の動作ニューロンの放電周波数と同じ又は近接する時、脳機能部位は動作ニューロンの放電周波数で適切に動作するように変調され、脳機能部位の病気を治療及び予防し、脳機能を強化する。
【0012】
該方法は不眠症、アルツハイマー病、癲癇及びうつ病のうち一つ又は複数の病状の治療及び予防に用いられ、または、脳の学習及び記憶の促進に用いられる。それ以外、該方法は脳機能部位の寸法に基づいて、発生した電磁場の波長λを適切に変調し、また、脳機能部位の動作ニューロンの放電周波数に基づいて、適切にプリセット変調周波数を指定することによって、さらに脳の他の病気の治療及び予防に用いられる。
【0013】
一つの実施例において、脳機能部位が睡眠促進部位である時、該方法はさらに以下を含むことが可能である:
- 近傍場より提供される電力を利用して、プリセット変調周波数で脳睡眠促進部位を変調することにより、脳をその覚醒モードからその睡眠モードに変換させ、脳の睡眠モードにおいてのみ効果的に働く脳のグリアリンパ系によって、脳自体が、脳の覚醒モードにおけるニューロンにより生じる老廃物を取り除くようにする;
- 近傍場により提供される電力を利用して、プリセット変調周波数で脳睡眠促進部位を変調することにより、更に、脳を急速眼球運動(REM)睡眠段階に変化させる;及び
- 一旦脳がその睡眠モードにおいて既にREM睡眠段階に達すると、プリセット変調周波数と異なる別の変調周波数を利用して、一つ又は複数の他の脳機能部位を変調し、特に学習及び記憶に関する機能部位であり、これにより、脳の自然過程を促進し、該自然過程により、蛋白質の消耗に関するニューロンは、その自体が覚醒モード期間内における蛋白質の消耗の中で働く時と、ほぼ同じニューロンインタネット接続環境を介してその自体の消耗を完了する。
【0014】
別の態様によれば、脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を提供し、それは信号生成モジュール及び信号生成モジュールに接続されるアンテナを含み、ここで、
信号生成モジュールは、電気信号を発生するように設置され、電気信号をアンテナに送信し、前記電気信号の電力は、プリセット変調周波数でバーストフォーマットに変調される;及び
アンテナは、信号生成モジュールから変調された電気信号を受信し、電気信号に基づいて電磁場を発生し、電磁場の電力は、プリセット変調周波数で変化する。
【0015】
ここで、装置は、脳の近くに設置され、目標脳機能部位が電磁場の近傍場の範囲内である時、電磁場の電力を利用して、脳機能部位での細胞外液を分極させ、細胞外液の分極密度がプリセット変調周波数で変化するようにし、且つ細胞外液におけるニューロンがプリセット変調周波数で放電するように変調される。
【0016】
電磁場の近傍場は、
【0017】
【0018】
の条件を満たし、ここで、dはアンテナから近傍場が終了する近傍場端までの距離を表し、Dは前記アンテナの最大寸法を表し、及びλは発生した電磁場の真空中の波長を表す。
【0019】
発生した電磁場の真空中の波長λは、電磁場の脳機能部位での波長が脳機能部位の寸法と整合するようにする。
【0020】
付加的又は代わりに、発生した電磁場の真空中の波長λは、電磁場の脳機能部位での波長が脳機能部位の寸法の70%から130%に至るようにする。
【0021】
脳機能部位での動作(又は正常)ニューロン放電周波数に基づいて、プリセット変調周波数を決定し、且つ、好ましくは1Hzから2500Hzの範囲内であり、好ましくは5Hzから125Hzであり、より好ましくは5Hz至45Hzであり、より好ましくは25Hz至85Hzであり、より好ましくは10Hz至30Hzである。
【0022】
一つの実施例において、目標脳機能部位が脳睡眠促進部位である時、該装置は以下のように用いられることが可能である:
- 近傍場より提供される電力を利用して、プリセット変調周波数で脳睡眠促進部位を変調することにより、脳をその覚醒モードからその睡眠モードに変換させ、脳の睡眠モードにおいてのみ効果的に働く脳のグリアリンパ系によって、脳自体が、脳の覚醒モードにおけるニューロンにより生じる老廃物を取り除くようにする;
- 近傍場により提供される電力を利用して、プリセット変調周波数で脳睡眠促進部位を変調することにより、更に、脳を急速眼球運動(REM)睡眠段階に変化させる;及び
- 一旦脳がその睡眠モードにおいて既にREM睡眠段階に達すると、別の変調周波数を利用して一つ又は複数の他の脳機能部位を変調し、特に学習及び記憶に関する機能部位であり、これにより、脳の自然過程を促進し、該自然過程により、蛋白質の消耗に関するニューロンは、その自体が覚醒モード期間内における蛋白質の消耗の中で働く時と、ほぼ同じニューロンインタネット接続環境を介して、その自体の消耗を完了する。
当業者であれば理解するように、上記方法により実現される利点は、上記装置により実現されても良い。
【0023】
[図面の簡単な説明]
本発明のいくつかの実施例は、本明細書では図面を参照して、例示的な方法のみで説明される。以下具体的に添付図面を参照したいが、示された詳細は、例示として、本発明の実施例を例示的に説明する目的である。この態様では、図面に関連した説明は、本発明の実施例を実施する方法を当業者に理解させる為である。
【0024】
添付図面において、
図1は、本発明の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する方法を示す概略図である。
【0025】
図2は、本発明の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を模式的に示し、ここで、信号生成モジュールは電気信号を発生し、例えば、振幅が低周波数で変調される電流信号であり、且つそれをアンテナに送信することにより、電磁場を発生し、その近傍場は脳に作用して、脳をその覚醒モードからその睡眠モードに変換させる。
【0026】
図3は、本発明の別の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を模式的に示し、ここで、信号生成モジュールは一連の電気信号を発生し、例えば、振幅が低周波数で変調される電流信号であり、且つそれをアンテナに送信することにより、電磁場を発生し、その近傍場は脳に作用して、脳を促進して、脳に蓄積された老廃物を取り除き、ニューロンの周囲の過剰な蛋白質の消耗過程を完了させ、アルツハイマー病の治療及び予防の目的に用いられる。
【0027】
図4は、本発明の別の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を模式的に示し、ここで、信号生成モジュールは、電気信号を発生し、例えば、振幅が低周波数で変調される電流信号であり、且つそれをアンテナに送信することにより、電磁場を発生し、その近傍場は脳に作用して、脳を変調して、癲癇を治療する。
【0028】
図5は、本発明の別の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を模式的に示し、ここで、信号生成モジュールは、電気信号を発生し、例えば、振幅が低周波数で変調される電流信号であり、且つそれをアンテナに送信することにより、電磁場を発生し、その近傍場は脳におけるセロトニンの放出を担当する脳機能部位に作用して、脳を変調して、うつ病を治療し、該脳機能部位はSCGを含む。
【0029】
図6は、本発明の別の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を模式的に示し、ここで、信号生成モジュールは、電気信号を発生し、例えば、振幅が低周波数で変調される電流信号であり、且つそれをアンテナに送信することにより、電磁場を発生し、その近傍場は学習及び記憶を担当する脳機能部位に作用して、脳の学習及び記憶を促進し、該脳機能部位は前頭葉及び側頭葉を含む。
【0030】
[発明を実施するための形態]
以下、図面を参照して、本発明のいくつかの実施例を説明する。
【0031】
一つの実施例において、
図1に示すように、脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する方法は以下を含む:
ステップS101、電磁場を発生し、ここで、その電力は、プリセット変調周波数で変化する;及び
ステップS102、発生した電磁場を脳の近くに配置し、目標脳機能部位が電磁場の近傍場の範囲内に位置するようにし、これにより、電磁場の電力を利用して、脳機能部位での細胞外液を分極させ、細胞外液の分極密度がプリセット変調周波数で変化するようにし、且つ細胞外液におけるニューロンがプリセット変調周波数で放電するように変調される。
【0032】
電磁場の近傍場はアンテナによって発生され、且つ
【0033】
【0034】
の条件を満たし、ここで、dはアンテナから近傍場が終了する近傍場端までの距離を表し、Dはアンテナの最大寸法を表し、及びλは発生した電磁場の真空中の波長を表す。ここで、仮にdが上記条件を満たすと、アンテナからの電力は、アンテナの電流及び電荷が脳のニューロン集団により形成されたニューロンクラスタを介して、目標脳機能部位に印加された誘導及び電容効果によって、近傍場内の目標脳機能部位に効果的に移行され、ニューロンクラスタはアンテナから近傍場内の目標脳機能部位への電力の受信に用いられる二次アンテナとなる。
【0035】
脳がアンテナにより発生した電磁場の近傍場に囲まれた時、アンテナにおける電流及び電荷の強い誘導及び電容効果により、脳におけるニューロン集団により形成されたニューロンクラスタを二次アンテナとして、アンテナから近傍場内の脳機能部位にまで深く入った電力を受信する。
【0036】
ここで、近傍場はアンテナまでの距離d、アンテナの最大寸法D、及びアンテナにより発生した電磁場の波長λの制限を受けている。
【0037】
発生した電磁場の真空中の波長λは、発生した電磁場の脳機能部位での波長が脳機能部位の寸法と整合するようにする。このような形態により、電磁場により脳機能部位を効果的に変調することが可能となる。
【0038】
付加的又は代わりに、発生した電磁場の真空中の波長λは、電磁場の脳機能部位での波長が脳機能部位の寸法の70%から130%に至るようにする。
【0039】
例えば、脳における睡眠促進部位の腹外側視索前核(VLPO)を選択的に変調する場合、VLPOの寸法が約1cm、真空中の波長が6cmの電磁場の脳内での波長が1cmであると仮定すると、1cmの波長はVLPOの寸法と整合して、高変調効率が獲得される。この場合、電磁場の波長λは6 cmであり、且つ、その為、電磁場の周波数は5 GHzであり、アンテナの最大寸法Dは18 cmであり、以下のとおりである:
【0040】
【0041】
即ち、近傍場からアンテナまでの最大距離は19.3 cmである。ここで、寸法Dの値は距離dの値と関連し、当業者は、D及びdの値を適切に相応的に調節して目標脳機能部位に適切に作用させることを知っている。
【0042】
本実施例では、アンテナを介して電磁場を発生し、アンテナは脳の近くに配置され、脳の目標機能部位が発生した電磁場の近傍場内に位置し、且つ近傍場の電場により対象機能部位での細胞外液を分極させ、近傍場の電力がプリセット変調周波数でバーストに変調されることにより、対象機能部位での細胞外液の分極密度は電力の変化周波数(即ち、プリセット変調周波数)と同じ周波数で変化し、従って目標脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する。
【0043】
上記方法の一例において、脳はその覚醒モードからその睡眠モードに変換させ、アンテナは電磁場を発生し、その近傍場は脳に作用して睡眠誘導を行う。操作中、アンテナは脳の近くに位置し、脳睡眠促進部位は、発生した電磁場の近傍場内にあり、睡眠促進部位は、腹外側視索前核(VLPO)を含み、対象機能部位での細胞外液は、近傍場の電力により分極され、ここで、低周波で電磁場の電力がバーストフォーマットに変調され、対象機能部位での細胞外液の分極密度が電力の変化周波数と同じ周波数で変化し、脳睡眠促進部位でのニューロンの放電周波数(VLPOを一定の周波数に変調することを含む)を変調し、これにより、脳を誘導して覚醒モードから睡眠モードに変換させる。ここで、発生した電磁場の周波数を決定し、発生した電磁場の脳内の睡眠促進部位での波長が睡眠促進部位の寸法に最適に整合するようにし、これにより発生した電磁場の変調効果が睡眠促進部位に対して選択性を有するようにする。発生した電磁場の周波数は、1GHzから20GHzの範囲内であり、好ましくは4GHzから6GHzの範囲内である。発生した電磁場の電力変化の為の変調周波数は5Hzから2500Hzの範囲内であり、好ましくは10Hzから30Hzの範囲内である。
【0044】
上記方法がアルツハイマー病の治療及び予防に用いられる別の例において、アンテナは電磁場を発生し、その近傍場は脳に作用し、2つの連続的なステップを実現する:1)脳を覚醒モードから睡眠モードに変換させ、脳自体が脳の睡眠モードにおいてのみ効果的に働く脳のグリアリンパ系を介して、脳の覚醒モードにおけるニューロンにより生じる老廃物を取り除くようにする;2)近傍場により提供される電力を利用して、プリセット変調周波数で脳睡眠促進部位を変調し、脳をその覚醒モードからその睡眠モードに変換させ、高速に急速眼球運動(REM)睡眠段階に達するようにする;3)一旦脳がその睡眠モードにおいて既にREM睡眠段階に達すると、プリセット変調周波数とは異なる別の特定の変調周波数を利用して、一つ又は複数の他の脳機能部位を変調し、特に学習及び記憶の機能部位に関して、脳の自然過程を促進し、該自然過程により、一部の蛋白質(例えば、βアミロイド蛋白質)の消耗に関するニューロンが、それらの脳の覚醒モード期間内における、蛋白質の消耗の中で働く時とほぼ同じニューロンネットワーク接続環境を介して、それらの消耗を完了する。操作中、アンテナは脳の近くに位置し、脳のすべての機能部位、特に睡眠を促進し、学習及び記憶を促進する為の脳機能部位は、発生した電磁場の近傍場にあり、また、近傍場を介して、すべての脳機能部位内の細胞外液を分極させ、且つ近傍場の電力は、低プリセット変調周波数でバーストフォーマットに変調され、脳機能部位内の細胞外液の分極密度を電磁場電力の変化周波数と同じ周波数で変化させ、脳機能部位でのニューロン放電周波数をプリセット変調周波数に変調し、脳を覚醒モードから睡眠モードに変換させ、その後、ニューロンの放電周波数を別の周波数に変調し、脳の自然過程を促進し、該自然過程により脳の覚醒期間内に過剰な蛋白質を処理し、該過剰な蛋白質はアルツハイマー病の原因となる。発生した電磁場の周波数を決定し、発生した電磁場の睡眠促進部位での波長が脳における睡眠促進部位及び学習及び記憶部位の寸法に最適に整合するようにし、発生した電磁場の変調効果が睡眠促進部位及び学習及び記憶部位に対して選択性を有するようにする。電磁場の周波数は、1GHzから20GHzの範囲内であり、好ましくは4GHzから6GHzの範囲内である。発生した電磁場の電力変化の為の変調周波数は5Hzから2500Hzの範囲内であり、好ましくは10Hzから30Hzの範囲内である。
【0045】
上記方法の別の一例において、アンテナは電磁場を発生し、該電磁場の電力はプリセット変調周波数で変化され、その近傍場は脳に作用する。操作中、アンテナは脳の近くに位置し、且つ癲癇の病変の脳部分は発生した電磁場の近傍場内に位置し、且つ近傍場を介して脳の該部分での細胞外液を分極させる;近傍場の電力は、低周波(即ち、プリセット変調周波数)でバーストフォーマットに変調され、脳機能部位内の細胞外液の分極密度が電力の変化周波数と同じ周波数で変化し、脳の癲癇の病変部位でのニューロンを変調し、脳の該部分に癲癇の病変が発生していない時の正常周波数で放電するように変調し、癲癇の病変のニューロンがその放電中正常に回復し、且つ癲癇が治療されるまで至る。発生した電磁場の周波数を決定し、発生した電磁場の脳内の癲癇の病変部分での波長が脳の癲癇の病変寸法に最適に整合するようにし、発生した電磁場の変調効果が脳の癲癇の病変部分に対して選択性を有するようにする。電磁場の周波数は、300MHzから20GHzの範囲内である。発生した電磁場の電力変化の為の変調周波数は1Hzから2500Hzの範囲内であり、最適には5Hzから45Hzの範囲内である。
【0046】
上記方法の脳の変調によるうつ病の治療に用いられる別の例において、振幅が低周波数で変調された電流信号をアンテナに送信して電磁場を発生させ、その近傍場は脳機能部位に作用し、該脳機能部位は脳のセロトニン(即ち、セロトニンパスの低下の活性はうつ病の病理生理学において病気を引き起こす役割をする)の放出を担当し、脳梁の帯状回(SCG)が含まれる。操作中、アンテナは脳の近くに配置され、且つセロトニンの放出を担当する脳部分は発生した電磁場の近傍場内に位置し、且つ近傍場を介して脳の該部分での細胞外液を分極させる;近傍場の電力は、低周波でバーストフォーマットに変調され、脳機能部位内の細胞外液の分極密度が電力の変化周波数と同じ周波数で変化し、脳の該部分のニューロンの放電周波数が変調され、それらのうつ病になってない時の正常放電された周波数で放電するようにする。このような形態を介して、脳の該部分のニューロンはその正常放電挙動に改めて回復し、且つ脳内のうつ病が治療される。ここで、発生した電磁場の周波数を決定し、発生した電磁場の脳内のセロトニン放出を担当する脳機能部位での波長が脳機能部位の寸法に最適に整合するようにし、脳梁の帯状回(SCG)が含まれ、発生した電磁場の変調効果がこれらの脳機能部位に対して選択性を有するようにする。電磁場の周波数は、1GHzから20GHzの範囲内である。発生した電磁場の電力変化の為の変調周波数は1Hzから2500Hzの範囲内であり、好ましくは5Hzから45Hzの範囲内である。
【0047】
上記方法による脳の学習及び記憶の促進に用いられる別の例において、振幅が低周波数で変調された電流信号をアンテナに送信して電磁場を発生させ、その近傍場は学習及び記憶を担当する脳機能部位に作用し、前頭葉及び側頭葉を含む。操作中、アンテナは関連する脳機能部位の近くに配置され、且つ脳機能部位が発生した電磁場の近傍場内に位置するようにし、且つ近傍場を介して脳の該部分での細胞外液を分極させる;近傍場の電力は、低周波でバーストフォーマットに変調され、脳機能部位内の細胞外液の分極密度が電力の変化周波数と同じ周波数で変化し、関連する脳機能部位内の全ニューロンを変調して、それらのシナプスを介してニューロン間の結合に用いられる臨界周波数で放電するようにする。変調を介して、関連する脳機能部位内のニューロンのより多いシナプスが活性化/警告されて結合に用いられ、脳の学習をより速く且つより強固に記憶させる。該例において、発生した電磁場の周波数を決定し、発生した電磁場の学習及び記憶を担当する脳機能部位での波長が脳機能部位寸法に最適に整合するようにし、発生した電磁場の変調効果がこれらの脳機能部位に対して選択性を有するようにする。電磁場の周波数は、300MHzから20GHzの範囲内であり、好ましくは2GHzから10GHzの範囲内である。発生した電磁場の電力変化の為の変調周波数は1Hzから2500Hzの範囲内であり、好ましくは25Hzから85Hzの範囲内である
同様に、上記方法は不眠症の治療及び予防に用いられることが可能である。
【0048】
上記に示したように、目標脳機能部位の寸法に基づいて、発生した電磁場の真空中の周波数(又は波長λ)を決定し、また、脳機能部位の動作ニューロンの放電周波数に基づいて、電磁場電力の変調に用いられるプリセット変調周波数を決定し、且つ、それは1Hzから2500Hzの範囲内であり、好ましくは5Hzから125Hzであり、より好ましくは5Hzから45Hzであり、より好ましくは25Hzから85Hzであり、及びより好ましくは10Hzから30Hzである。
【0049】
該方法は不眠症、アルツハイマー病、癲癇及びうつ病の一つ又は複数の病気を治療及び予防する為に用いられることが可能であり、又は脳の学習及び記憶を促進する為に用いられることが可能である。
【0050】
別の実施例では、脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する為の装置を提供する。以下、該装置の様々な実施例について説明する。
【0051】
図2に示すように、本実施例による装置は、信号生成モジュール21、及び信号生成モジュール21に接続されるアンテナ23を備え、この装置は例えば睡眠を誘導する為に用いられる。信号生成モジュール21は、電流信号を発生し、現在の信号をアンテナ23に送信し、電流信号の振幅をプリセット低変調周波数でバーストフォーマット22に変調するように配置される。従って、アンテナ23は、信号生成モジュール21からの変調電気信号を受信し、電磁場を発生し、その近傍場範囲26は脳25の睡眠促進部位24を覆い、睡眠促進部位24内の細胞外液を分極させ、変調周波数で分極密度の変化を誘導し、ニューロン放電周波数が変調周波数に変調され、脳25を覚醒から睡眠に変換させる。ここで、電磁場の電力はプリセット変調周波数で変化する。
【0052】
図3に示すように、本実施例による装置は信号生成モジュール31、及び信号生成モジュール31に接続されるアンテナ33を備え、この装置はアルツハイマー病を治療及び予防するために用いられる。信号生成モジュール31は、電流信号を発生し、現在の信号をアンテナ33に送信し、電流信号の振幅をプリセット低変調周波数でバーストフォーマット32に変調するように配置される。アンテナ33は、信号生成モジュール31からの変調電気信号を受信し、電磁場を発生し、その近傍場範囲36は睡眠促進部位34、学習及び記憶部位34’及び脳35の他の部位を覆い、これにより、先ず脳機能部位内の細胞外液を分極させ、プリセット変調周波数で脳機能部位での分極密度の変化を誘導することにより、睡眠促進部位34内に変調されたニューロンを放電させ、脳35を覚醒から睡眠に変換させ、グリアリンパ系が脳35のニューロンにより生じる老廃物を取り除くように促進する;その後、脳35がその睡眠モードにある時、学習及び記憶部位34’及び脳35の他の部位での分極密度を誘導して別の特定の周波数で変化するようにし、学習及び記憶部位34’及び脳35の他の部位でのニューロンの放電を別の特定の周波数に変調し、該特定の周波数はニューロン間のシナプス接続を促進し、脳35からの覚醒モードの過剰な蛋白質を消耗/吸収する;これらの2つの促進過程は脳35にアルツハイマー病を治療及び予防する効果を提供することが可能である。
【0053】
図4に示すように、本実施例による装置は、信号生成モジュール41、及び信号生成モジュール41に接続されるアンテナ43を備え、この装置は癲癇を治療するために用いられる。信号生成モジュール41は、電流信号を発生し、現在の信号をアンテナ43に送信し、電流信号の振幅をプリセット低変調周波数でバーストフォーマット42に変調するように配置される。アンテナ43は、信号生成モジュール41からの変調電気信号を受信し、電磁場を発生し、その近傍場範囲46は脳45の癲癇病変部分44を覆い、これにより、脳45の癲癇病変部分44での細胞外液を分極させ、且つ、癲癇病変が起きていない時の脳45の該部分44の正常ニューロンの放電周波数としての変調周波数で、分極密度の変化を誘導することにより、変調周波数で癲癇病変部分44でのニューロンを変調し、ニューロンがそのニューロンの放電挙動において正常に回復し、且つ脳45の癲癇が治癒されるようにする。
【0054】
図5に示すように、本実施例による装置は、信号生成モジュール51、及び信号生成モジュール51に接続されるアンテナ53を備え、この装置はうつ病を治療する為に用いられる。信号生成モジュール51は、電流信号を発生し、現在の信号をアンテナ53に送信し、電流信号をプリセット低変調周波数でバーストフォーマット52に変調するように配置される。アンテナ53は、信号生成モジュール51からの変調電気信号を受信し、電磁場を発生し、その近傍場範囲56は脳機能部位を覆い、該脳機能部位は脳55のセロトニンの放出を担当し、SCG 54を含み、これにより、SCG54及び脳55のセロトニン放出を担当する脳機能部位での細胞外液を分極させ、且つ、脳55にうつ病がない時のこれらの脳機能部位の正常放電周波数としての変調周波数で、分極密度の変化を誘導することにより、これらの脳機能部位でのニューロンが正常な放電挙動に回復し、脳55のうつ病が治癒されるようにする。
【0055】
図6に示すように、本実施例による装置は、信号生成モジュール61、及び信号生成モジュール61に接続されるアンテナ63を備え、この装置はうつ病の治療に用いられる。信号生成モジュール61は、電流信号を発生し、現在の信号をアンテナ63に送信し、電流信号をプリセット低変調周波数でバーストフォーマット62に変調するように配置される。アンテナ63は、信号生成モジュール61からの変調電気信号を受信し、電磁場を発生し、その近く範囲66は、学習及び記憶部位64及び脳65の他の脳機能部位を覆い、これにより、学習及び記憶部位64及び脳65の他の脳機能部位内の細胞外液を分極させ、且つ、変調周波数で分極密度の変化を誘導することにより、関連する脳機能部位の全ニューロンを、それらのシナプスを介してニューロン間の結合に用いられる臨界周波数で、放電するように変調し、関連する脳機能部位内のニューロンの通常より多くのシナプスを活性化して結合され、脳65の学習をより速く且つより強固に記憶させる。
【0056】
上記の例において、電磁場の近傍場は
【0057】
【0058】
の条件を満たし、ここで、dはアンテナから近傍場が終了する近傍場端までの距離を表し、Dはアンテナの最大寸法を表し、及びλは発生した電磁場の真空中の波長を表す。
【0059】
発生した電磁場の真空中の波長λは、電磁場の脳機能部位での波長が脳機能部位の寸法と整合するようにする。
【0060】
付加的又は代わりに、発生した電磁場の真空中の波長λは、電磁場の脳機能部位での波長が脳機能部位の寸法の70%から130%に至るようにする。
【0061】
脳機能部位での動作(又は正常)ニューロンの放電周波数に基づいて、プリセット変調周波数を決定し、且つ、好ましくは1Hzから2500Hzの範囲内であり、好ましくは5Hzから125Hzであり、より好ましくは5Hz至45Hzであり、より好ましくは25Hz至85Hzであり、より好ましくは10Hz至30Hzである。
【0062】
本発明の上記実施例において、アンテナにより発生される電磁場の波形は、任意の波形であり、交番波形及びパルス波形を含むが、これらに限定されるものではない。
【0063】
本発明は、様々な補正及び代替の形態の影響を受けやすいが、添付図面及び上記の詳細な説明において、その具体的な実施例を例示的に示した。しかしながら、本発明は、開示した特別な形態に限定されることを意図しておらず、むしろ、添付した特許請求の範囲に限定されるように本発明の精神及び範囲に含まれるすべての修正、均等物及び代替をカバーすることを理解されたい。
【0064】
本出願の成熟した特許寿命の間に、多くの関連する消毒コネクタが開発される予定である;消毒コネクタという用語の範囲は、これらの新技術のすべての先行検査を含むことを意図している。
【0065】
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「備える(having)」、及びその変化形式は「含むが、これらに限定されない」を意味する。
【0066】
本明細書で使用されるように、コンテキストに明確な規定がない限り、単数形式の「一つ(a)」、「一種類(an)」及び「該」は複数の指代物を含む。
【0067】
本出願全体において、範囲フォーマットを参照して本発明の実施形態を提示することが可能である。範囲フォーマットの説明は、便宜上及び簡潔の為だけであり、本発明の範囲に対する変更不可能な制限として解釈されるべきでないことを理解されたい。従って、範囲の説明は、適切に開示された可能性のあるすべてのサブ範囲及び該範囲内の個々の数値であると考えられるべきである。例えば、「1から6まで」のような範囲の説明は、「1から3まで」、「1から4まで」、「1から5まで」、「2から4まで」、「2から6まで」、「3から6まで」などの特別に開示されたサブ範囲;及び、1、2、3、4、5及び6などの該範囲内の各数字を有すると考えられるべきである。範囲の広さにかかわらず、これは適用される。
【0068】
本明細書において、数値範囲(例えば「10-15」、「10から15まで」、又はこれらの他のこのような範囲の指示によりリンクされる任意の数字ペア)を指示する度に、指示範囲の制限内に含まれる任意の数字(分数又は積分)を意味し、コンテキストが明示的に規定されていない限り、それは範囲制限を含む。フレーズにおいて、第1指示数字と第2指示数字との「間の範囲/変動範囲/範囲」、及び第1指示数字「から」第2指示数字「まで」、「に達する」、「至る」又は「までに」(又は他のこのような範囲指示用語)の「範囲/変動範囲/範囲」は本明細書で交換して使用することが可能であり、且つ第1指示数字と第2指示数字と、及びその間のすべての分数と整数とを含むことを意味する。
【0069】
特に説明がない限り、本明細書に使用される数字及びその任意の数字範囲は当業者に理解される合理的な測定及び丸め誤差の正確さの範囲内の近似値である。
【0070】
明確化の為に個別の実施例のコンテキストで説明される本発明のいくつかの特徴は、単一の実施例においても組み合わせて提供されることが可能であることを理解されたい。一方、簡潔の為に単一の実施例のコンテキストで説明された本発明の様々な特徴も、個別に提供されてもよく、又は任意の適切なサブアセンブリで提供される又は本発明の任意の他の説明に適用される実施例を提供してもよい。様々な実施形態のコンテキストで説明されたいくつかの特徴は、該実施形態がそれらの素子がなくても効力を生ずる限り、これらの実施形態の基本的な特徴であるとは考えられない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する方法を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を模式的に示し、ここで、信号生成モジュールは電気信号を発生し、例えば、振幅が低周波数で変調される電流信号であり、且つそれをアンテナに送信することにより、電磁場を発生し、その近傍場は脳に作用して、脳をその覚醒モードからその睡眠モードに変換させる。
【
図3】
図3は、本発明の別の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を模式的に示し、ここで、信号生成モジュールは一連の電気信号を発生し、例えば、振幅が低周波数で変調される電流信号であり、且つそれをアンテナに送信することにより、電磁場を発生し、その近傍場は脳に作用して、脳を促進して、脳に蓄積された老廃物を取り除き、ニューロンの周囲の過剰な蛋白質の消耗過程を完了させ、アルツハイマー病の治療及び予防の目的に用いられる。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を模式的に示し、ここで、信号生成モジュールは、電気信号を発生し、例えば、振幅が低周波数で変調される電流信号であり、且つそれをアンテナに送信することにより、電磁場を発生し、その近傍場は脳に作用して、脳を変調して、癲癇を治療する。
【
図5】
図5は、本発明の別の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を模式的に示し、ここで、信号生成モジュールは、電気信号を発生し、例えば、振幅が低周波数で変調される電流信号であり、且つそれをアンテナに送信することにより、電磁場を発生し、その近傍場は脳におけるセロトニンの放出を担当する脳機能部位に作用して、脳を変調して、うつ病を治療し、該脳機能部位はSCGを含む。
【
図6】
図6は、本発明の別の実施例に係る脳における脳機能部位でのニューロンの放電周波数を変調する装置を模式的に示し、ここで、信号生成モジュールは、電気信号を発生し、例えば、振幅が低周波数で変調される電流信号であり、且つそれをアンテナに送信することにより、電磁場を発生し、その近傍場は学習及び記憶を担当する脳機能部位に作用して、脳の学習及び記憶を促進し、該脳機能部位は前頭葉及び側頭葉を含む。