(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】カード用コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/72 20110101AFI20220113BHJP
【FI】
H01R12/72
(21)【出願番号】P 2017201224
(22)【出願日】2017-10-17
【審査請求日】2020-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】槇山 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】石動 尚子
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-077544(JP,A)
【文献】特開2003-257529(JP,A)
【文献】特開2014-146444(JP,A)
【文献】実開平06-036261(JP,U)
【文献】特開昭63-058776(JP,A)
【文献】特開2000-123901(JP,A)
【文献】国際公開第2011/155142(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
H01R 13/08
H01R 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部の裏面から段差を設けて窪んだ第1溝部の底面に複数の第1接続端子を配置した矩形の第1カードと、前記第1カードと外形寸法及び厚さが同じであり、一方の端部の裏面から窪んだ第2溝部の底面に複数の前記第1接続端子及び複数の第2接続端子を配置した矩形の第2カードと、を共用できるカード用コネクタであって、
前記第1カード又は前記第2カードを挿入自在な凹部を有する板状のハウジングと、
前記ハウジングの凹部の奥側に配置され、前記第1接続端子に接続できる複数の第1コンタクトと、
前記ハウジングの凹部の開口側に配置され、前記第2接続端子に接続できる複数の第2コンタクトと、を備え、
前記第2コンタクトは、
前記第1カードを前記凹部に挿入した状態では、前記第1カードの裏面に当接せず、前記第2カードを前記凹部に挿入した状態では、前記第2接続端子に接触できる狭幅の接点と、
前記第1カードを前記凹部に挿入した状態では、前記第1溝部の段差に当接でき、当該第2コンタクトが延びる方向と略直交する幅方向に板厚面から突出した幅広の凸片と、を有している、カード用コネクタ。
【請求項2】
前記凸片は、前記第2コンタクトの先端部側の一方の側辺から突出している、
請求項1記載のカード用コネクタ。
【請求項3】
前記凸片は、前記第2コンタクトの先端部側の両側辺から突出している、
請求項1記載のカード用コネクタ。
【請求項4】
前記第2接続端子は、
複数の対を成す信号端子と、
前記対を成す信号端子の両側に配置されるグラウンド端子と、を含み、
前記第2コンタクトは、
前記対を成す信号端子に接触自在な対を成す第1信号コンタクトと、
前記グラウンド端子に接触自在なグラウンドコンタクトと、を含み、
前記対を成す第1信号コンタクトは、相反する向きに前記凸片を配置している、請求項1又は2記載のカード用コネクタ。
【請求項5】
前記第2接続端子は、
複数の対を成す信号端子と、
前記対を成す信号端子の両側に配置されるグラウンド端子と、を含み、
前記第2コンタクトは、
前記対を成す信号端子に接触自在な対を成す第2信号コンタクトと、
前記グラウンド端子に接触自在なグラウンドコンタクトと、を含み、
前記第2信号コンタクトは、その先端部側の両側辺から前記凸片を突出している、
請求項1記載のカード用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード用コネクタに関する。特に、外形寸法及び厚さは同じであるが、接続端子の配列が一部異なる二種類のカードを共用できるカード用コネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、メモリの転送速度を向上した、UHS-I対応SDメモリカード又はUHS-II対応SDメモリカードが出現している。UHS-II対応SDメモリカードは、UHS-I対応SDメモリカードの転送速度の約3倍の転送速度を実現できる、とされている。以下、UHS-I対応SDメモリカードを第1カードと言い、UHS-II対応SDメモリカードを第2カードと言う。
【0003】
ところで、第1カードと第2カードを共用できるカード用コネクタが求められている。第1カードと第2カードは、これらの矩形の外形寸法とこれらの厚さが同じである。又、第1カードと第2カードは、挿入側の端部に形成した複数の第1接続端子の配列が同じである。一方、第2カードは、複数の第1接続端子の後段に複数の第2接続端子を配列している、という第1カードとの違いがある。
【0004】
実体として、第1カードは、その裏面から窪んだ第1溝部の底面に複数の第1接続端子を配置している。一方、第2カードは、その裏面から窪んだ第2溝部の底面に複数の第1接続端子及び複数の第2接続端子を配置している。つまり、第1溝部の端縁からの長さは、第2溝部の端縁からの長さより、短くなっている。
【0005】
例えば、従来技術によるカード用コネクタは、第1カード又は第2カードを挿入可能な凹部を有するハウジングと、第1接続端子に接触できる複数の第1コンタクトと、第2接続端子に接触できる複数の第2コンタクトと、備えている。又、これらの第1コンタクト及び第2コンタクトは、ハウジングの凹部の底面に配置されている。
【0006】
従来技術によるカード用コネクタは、第2カードをハウジングの凹部に挿入すると、第2カードを第1コンタクト及び第2コンタクトに電気的に接続できる。一方、第1カードをハウジングの凹部に挿入すると、第1溝部の段差が第2コンタクトに当接して、ハウジングの段差部が削れる心配があった。そして、この削りカスが第2コンタクトの接点に付着して、第2接続端子と第2コンタクトが確実に接触しない心配があった。
【0007】
このような不具合に対して、第1カードの裏面のみに当接する第1の山部と、第2接続端子のみに当接する第2の山部とを第2コンタクトの先端部側に別々に設けたカード用コネクタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図9は、本発明に係る第1カードの構成を示す斜視図であり、第1カードを表面側から観た状態図である。
図10は、本発明に係る第1カードの構成を示す斜視図であり、第1カードを裏面側から観た状態図である。
【0010】
図11は、本発明に係る第2カードの構成を示す斜視図であり、第2カードを表面側から観た状態図である。
図12は、本発明に係る第2カードの構成を示す斜視図であり、第2カードを裏面側から観た状態図である。
【0011】
図9又は
図10を参照すると、第1カードC1は、UHS-I対応SDメモリカードを示している。第1カードC1は、その外形を矩形に形成している。又、第1カードC1は、誤挿入防止用の切り欠きCaを隅部に形成している。更に、第1カードC1は、複数の第1溝部D1を一方の端部に形成している。第1溝部D1は、第1カードC1の裏面Bfから段差を設けて窪んでいる。そして、第1溝部D1の底面に、第1接続端子1ctを配置している。
【0012】
図9又は
図10を参照すると、第1カードC1は、絶縁性を有するプラスチック筐体ch1の内部にICチップ(図示せず)を収納している。このICチップは、第1溝部D1の底面に貼り付けられた複数の金属箔に接続している。そして、この金属箔が第1カードC1の第1接続端子1ctとなっている。第1接続端子1ctは、後述する第1コンタクト91と電気的に接続できる。
【0013】
図11又は
図12を参照すると、第2カードC2は、UHS-II対応SDメモリカードを示している。第2カードC2は、その外形を矩形に形成している。又、第2カードC2は、誤挿入防止用の切り欠きCaを隅部に形成している。更に、第2カードC2は、複数の第2溝部D2を一方の端部に形成している。第2溝部D2は、第2カードC2の裏面Bfから段差を設けて窪んでいる。そして、第2溝部D2の底面に、第1接続端子1ct及び第2接続端子2ctを配置している。
【0014】
図11又は
図12を参照すると、第2カードC2は、絶縁性を有するプラスチック筐体ch2の内部にICチップ(図示せず)を収納している。このICチップは、第2溝部D2の底面に貼り付けられた複数の金属箔に接続している。そして、この金属箔が第2カードC2の第1接続端子1ct及び第2接続端子2ctとなっている。第2カードC2の第2接続端子2ctは、後述する第2コンタクト92と電気的に接続できる。
【0015】
図12を参照すると、第2接続端子2ctは、一組の対を成す信号端子2st・2st、電源端子2et、及び、三つのグラウンド端子2gtを含んでいる。一対のグラウンド端子2gt・2gtは、対を成す信号端子2st・2stの両側に配置されている。
【0016】
図9と
図11を対比すると、第1カードC1と第2カードC2は、これらの表面Sf側から観ると、これらの矩形の外形寸法とこれらの厚さtが同じである。
【0017】
又、
図10と
図12を対比すると、第1カードC1と第2カードC2は、挿入側の端部に形成された複数の第1接続端子1ctの配列が同じである。一方、第2カードC2は、複数の第1接続端子1ctの後段に複数の第2接続端子2ctを配列しているという、第1カードC1との違いがある。
【0018】
更に、
図10と
図12を対比すると、第1溝部D1の端縁からの長さは、第2溝部D2の端縁からの長さより短くなっている、という違いがある。
【0019】
図13は、従来技術によるカード用コネクタの構成を示す斜視図である。
図14は、従来技術によるカード用コネクタに備わる第2コンタクト92の要部を拡大した斜視図である。なお、本願の
図13と
図14は、特許文献1の
図1(a)と
図1(b)に相当している。
【0020】
図13を参照すると、従来技術によるカード用コネクタ9は、凹部9aを有する矩形のハウジング9h、複数の第1コンタクト91、及び、複数の第2コンタクト92を備えている。第1コンタクト91及び第2コンタクト92は、ハウジング9hの凹部9aの底面に配置されている。ハウジング9hには、その前部に形成した挿入開口9bから第1カードC1又は第2カードC2を挿入できる(
図9から
図12参照)。
【0021】
図9又は
図10及び
図13を参照して、第1カードC1を凹部9aに挿入すると、第1コンタクト91の接点を第1接続端子1ctに接触できる(
図10参照)。そして、第1カードC1と第1コンタクト91を電気的に接続できる。
【0022】
図9又は
図10及び
図13を参照して、第2カードC2を凹部9aに挿入すると、第1コンタクト91の接点を第1接続端子1ctに接触できる(
図12参照)。又、第2コンタクト92の接点を第2接続端子2ctに接触できる(
図12参照)。そして、第2カードC2と第1コンタクト91を電気的に接続できると共に、第2カードC2と第2コンタクト92を電気的に接続できる。
【0023】
図14を参照すると、第2コンタクト92は、第1の山部921と第2の山部922を先端部側に有している。第1の山部921は、第2コンタクト92の基端部側に配置されている。第2の山部922は、第2コンタクト92の先端部側に配置されている。
【0024】
図13又は
図14を参照して、特許文献1によるカード用コネクタ9は、第1カードC1を凹部9aに挿入した状態では、第2コンタクト92が傾倒して、第1の山部921のみが第1カードC1の裏面Bfに当接し、第2の山部922は、第1カードC1の裏面Bfに当接しない、としている。
【0025】
一方、
図13又は
図14を参照して、特許文献1によるカード用コネクタ9は、第1カードC1を凹部9aに挿入した状態では、第1の山部921が第2接続端子2ctに接触することなく、第2の山部922のみが第2接続端子2ctに接触できる、としている。特許文献1によるカード用コネクタ9は、第1カードC1を凹部9aに挿入した状態では、第1の山部921が第2接続端子2ctに接触しないので、接触信頼性を向上できる、としている。
【0026】
しかし、
図9から
図14を参照すると、特許文献1によるカード用コネクタ9は、第1カードC1の削りカスが第2の山部922に付着することを抑制できる、としているが、第2コンタクト92の先端部側が第1溝部D1の段差に当接するので、第1カードC1の削りカスの発生を抑制することは困難と考えられる。
図14を参照すると、第2コンタクト92の先端部側の幅wは狭いので、第1カードC1の削りカスの発生を抑制することは、殊更困難と考えられる。
【0027】
第1溝部の底面に複数の第1接続端子を配置した第1カードと、第2溝部の底面に複数の第1接続端子及び複数の第2接続端子を配置した第2カードと、を共用できるカード用コネクタであって、第1カードの削りカスの発生を抑制できるカード用コネクタが求められている。そして、そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0028】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、外形寸法及び厚さは同じであるが、接続端子の配列が一部異なる二種類のカードを共用できるカード用コネクタであって、第1カードの削りカスの発生を抑制できるカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明者らは、第2コンタクトが延びる方向と略直交する方向に板厚面から突出した凸片を第2コンタクトの先端部側に設け、第1溝部を端部に有する第1カードをハウジングの凹部に挿入すると、第1カードの第1溝部の段差が凸片を含む第2コンタクトの広い面に当接することで、第1カードの削りカスの発生を抑制できると考え、これに基づいて、以下のような新たなカード用コネクタを発明するに至った。
【0030】
(1) 一方の端部の裏面から段差を設けて窪んだ第1溝部の底面に複数の第1接続端子を配置した矩形の第1カードと、前記第1カードと外形寸法及び厚さが同じであり、一方の端部の裏面から窪んだ第2溝部の底面に複数の前記第1接続端子及び複数の第2接続端子を配置した矩形の第2カードと、を共用できるカード用コネクタであって、前記第1カード又は前記第2カードを挿入自在な凹部を有する板状のハウジングと、前記ハウジングの凹部の奥側に配置され、前記第1接続端子に接続できる複数の第1コンタクトと、前記ハウジングの凹部の開口側に配置され、前記第2接続端子に接続できる複数の第2コンタクトと、を備え、前記第2コンタクトは、前記第1カードを前記凹部に挿入した状態では、前記第1カードの裏面に当接せず、前記第2カードを前記凹部に挿入した状態では、前記第2接続端子に接触できる接点と、前記第1カードを前記凹部に挿入した状態では、前記第1溝部の段差に当接でき、当該第2コンタクトが延びる方向と略直交する方向に板厚面から突出した凸片と、を有している、カード用コネクタ。
【0031】
(2) 前記接点は、前記第2コンタクトの先端部側に配置した曲率半径の大きい湾曲部の頂き部に形成している、(1)記載のカード用コネクタ。
【0032】
(3) 前記凸片は、前記第2コンタクトの先端部側の一方の側辺から突出している、(1)又は(2)記載のカード用コネクタ。
【0033】
(4) 前記凸片は、前記第2コンタクトの先端部側の両側辺から突出している、(1)又は(2)記載のカード用コネクタ。
【0034】
(5) 前記第2接続端子は、複数の対を成す信号端子と、前記対を成す信号端子の両側に配置されるグラウンド端子と、を含み、前記第2コンタクトは、前記対を成す信号端子に接触自在な対を成す第1信号コンタクトと、前記グラウンド端子に接触自在なグラウンドコンタクトと、を含み、前記対を成す第1信号コンタクトは、相反する向きに前記凸片を配置している、(1)又は(2)記載のカード用コネクタ。
【0035】
(6) 前記第2接続端子は、複数の対を成す信号端子と、前記対を成す信号端子の両側に配置されるグラウンド端子と、を含み、前記第2コンタクトは、前記対を成す信号端子に接触自在な対を成す第2信号コンタクトと、前記グラウンド端子に接触自在なグラウンドコンタクトと、を含み、前記第2信号コンタクトは、その先端部側の両側辺から前記凸片を突出している、(1)又は(2)記載のカード用コネクタ。
【発明の効果】
【0036】
本発明によるカード用コネクタは、第2コンタクトが延びる方向と略直交する方向に板厚面から突出した凸片を第2コンタクトの先端部側に設け、第1溝部を端部に有する第1カードをハウジングの凹部に挿入すると、第1カードの第1溝部の段差が凸片を含む第2コンタクトの広い面に当接することで、第1カードの削りカスの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、カバー板を取り外した状態図である。
【
図3】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、カード用コネクタを
図2と異なる方向から観た状態図である。
【
図4】第1実施形態によるカード用コネクタに備わる第1コンタクト及び第2コンタクトの斜視図であり、第1コンタクト及び第2コンタクトをハウジングにモールドする前の状態図である。
【
図5】第1実施形態によるカード用コネクタに備わる第2コンタクトを拡大した斜視図である。
【
図6】第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図6の左欄は、第1実施形態によるカード用コネクタの平面図を示し、
図6の右欄は、第1実施形態によるカード用コネクタを拡大した縦断面図を示し、
図6(A)は、第1カード又は第2カードをカード用コネクタに挿入する前の状態図、
図6(B)は、第2カードをカード用コネクタに挿入した状態図、
図6(C)は、第1カードをカード用コネクタに挿入した状態図である。
【
図7】本発明の第2実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、カバー板を取り外した状態図である。
【
図9】本発明に係る第1カードの構成を示す斜視図であり、第1カードを表面側から観た状態図である。
【
図10】本発明に係る第1カードの構成を示す斜視図であり、第1カードを裏面側から観た状態図である。
【
図11】本発明に係る第2カードの構成を示す斜視図であり、第2カードを表面側から観た状態図である。
【
図12】本発明に係る第2カードの構成を示す斜視図であり、第2カードを裏面側から観た状態図である。
【
図13】従来技術によるカード用コネクタの構成を示す斜視図である。
【
図14】従来技術によるカード用コネクタに備わる第2コンタクト92の要部を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[第1実施形態]
(カード用コネクタの構成)
最初に、本発明の第1実施形態によるカード用コネクタの構成を説明する。
【0039】
図1は、本発明の第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、カバー板を取り外した状態図である。
【0040】
図3は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、カード用コネクタを
図2と異なる方向から観た状態図である。
【0041】
(全体構成)
次に、本発明の第1実施形態によるカード用コネクタの全体構成を説明する。
図1から
図3を参照すると、本発明の第1実施形態によるカード用コネクタ(以下、コネクタと略称する)10は、板状のハウジング1とカバー板2を備えている。又、コネクタ10は、複数の第1コンタクト3と複数の第2コンタクト4を備えている。
【0042】
図2又は
図3を参照すると、ハウジング1は、第1カードC1又は第2カードC2を挿入自在な凹部11を形成している。凹部11は、一対の側壁1a・1bと後壁1cで囲われている。
図1又は
図2を参照すると、カバー板2は、凹部11を覆っている。カバー板2で覆われた凹部11を第1カードC1又は第2カードC2の収容空間とすることができる。
【0043】
図2又は
図3を参照すると、第1コンタクト3は、凹部11の奥側に配置している。第1コンタクト3は、第1カードC1の第1接続端子1ctに接触できる(
図10参照)。又、第1コンタクト3は、第2カードC2の第1接続端子1ctに接触できる(
図12参照)。
【0044】
図2又は
図3を参照すると、第2コンタクト4は、凹部11の開口側に配置している。第2コンタクト4は、第2カードC2の第2接続端子2ctに接触できる(
図12参照)。
【0045】
図2又は
図3を参照すると、第2コンタクト4は、二組の対を成す第1信号コンタクト4s・4sと電源コンタクト4eと三つのグラウンドコンタクト4gを含んでいる。
【0046】
図2又は
図3を参照すると、対を成す第1信号コンタクト4s・4sは、対を成す信号端子2st・2stに電気的に接続できる(
図12参照)。電源コンタクト4eは、電源端子2etに電気的に接続できる。グラウンドコンタクト4gは、グラウンド端子2gtに電気的に接続できる(
図12参照)。
【0047】
図5を参照すると、第1信号コンタクト4sは、接点4cを先端部側に有している。接点4cは、第2コンタクト4の先端部側に配置した曲率半径の大きい湾曲部の頂き部に形成している。接点4cは、第1カードC1を凹部11に挿入した状態では、第1カードC1の裏面Bfに当接しない。一方、接点4cは、第2カードC2を凹部11に挿入した状態では、第2接続端子2ctに接触できる。
【0048】
又、
図5を参照すると、第1信号コンタクト4sは、矩形の凸片4tを先端部側に有している。凸片4tは、第1信号コンタクト4sが延びる方向と略直交する方向に板厚面から突出している。又、凸片4tは、第1信号コンタクト4sの先端部側の一方の側辺から突出している。第2コンタクトは、その一部が凸片4tを先端部側に有している、ということもできる。実施の形態では、対を成す第1信号コンタクト4s・4sは、相反する向きに一組の凸片4t・4tを配置している。
【0049】
図1から
図3及び
図5を参照して、第1カードC1を凹部11に挿入した状態では、凸片4tを含む第2コンタクト4の広い面が第1溝部D1の段差に当接できる。これにより、第1カードC1の削りカスの発生を抑制できる。
【0050】
(ハウジングの構成)
次に、第1実施形態によるハウジング1の構成を説明する。
図1から
図3を参照して、ハウジング1は、絶縁性を有する合成樹脂からなり、絶縁性を有する合成樹脂を成形して、板状のハウジング1を得ることができる。
【0051】
(イジェクト機構の構成)
図2又は
図3を参照すると、ハウジング1は、イジェクト機構Eを凹部11の一方の端部に配置している。イジェクト機構Eは、第1カードC1又は第2カードC2を凹部11に挿入すると、第1カードC1又は第2カードC2を停止するように動作でき、停止状態の第1カードC1又は第2カードC2を押すと、第1カードC1又は第2カードC2を排出できる。以下、イジェクト機構Eの構成及び動作は、第1カードC1を代表して説明する。
【0052】
図3を参照すると、イジェクト機構Eは、平板状のスライド部材E1、圧縮コイルばねE2、及び、案内棒E3で構成している。スライド部材E1は、第1カードC1の挿抜方向と平行する方向に進退自在に、ハウジング1と連結している。又、スライド部材E1は、第1カードC1の切り欠きCaに係合するL字片を先端部に形成している。更に、スライド部材E1は、第1カードC1の側面に形成された溝部(
図11参照)に係合自在な突起Eaを有している。又、スライド部材E1は、ハート型のカム溝(図示せず)を上面から穿設している。
【0053】
図2又は
図3を参照すると、圧縮コイルばねE2は、スライド部材E1の内部に保持されている。又、圧縮コイルばねE2は、第1カードC1が排出される方向にスライド部材E1を付勢している。案内棒E3は、その一端部がハート型のカム溝(図示せず)に連結している。又、案内棒E3は、その他端部がハウジング1に回転自在に連結している。
【0054】
図2又は
図3を参照して、凹部11に第1カードC1を挿入し、圧縮コイルばねE2の付勢力に抗して、スライド部材E1をハウジング1の奥側に移動すると、案内棒E3の一端部は、ハート型のカム溝の分岐点に移動する。そして、案内棒E3の一端部がハート型のカム溝の分岐点に到達すると、案内棒E3は、スライド部材E1をロックでき、第1カードC1の停止位置を規定できる。
【0055】
図2又は
図3を参照して、案内棒E3の一端部がハート型のカム溝の分岐点に位置した状態から、第1カードC1を一旦押すと、案内棒E3の一端部は、ハート型のカム溝の分岐点から解放されて、ハート型のカム溝の帰り行程に相対的に移動する。そして、圧縮コイルばねE2がスライド部材E1をハウジング1の開口側に移動させることで、第1カードC1を排出できる。
【0056】
図2又は
図3を参照して、案内棒E3の一端部がハート型のカム溝の分岐点に位置した状態から、第1カードC1を一旦押すと、案内棒E3の一端部は、ハート型のカム溝の分岐点から解放されて、ハート型のカム溝の帰り行程に相対的に移動する。そして、圧縮コイルばねE2がスライド部材E1をハウジング1の開口側に移動させることで、第1カードC1を排出できる。
【0057】
(カード検出スイッチの構成)
図2又は
図3を参照すると、ハウジング1は、カード検出スイッチ(以下、検出スイッチと略称する)Swを凹部11の他方の端部に配置している。検出スイッチSwは、帯状の可動板Cmと帯状の固定板Csで構成している。
【0058】
図3を参照すると、可動板Cm及び固定板Csは、それらの基端部がハウジング1の側壁1bに固定されている。又、可動板Cm及び固定板Csは、それらの先端部がオーバーラップしている。可動板Cmの先端部側は、凹部11に向かって湾曲している。
【0059】
図1から
図3を参照して、第1カードC1又は第2カードC2を凹部11に挿入すると、可動板Cmの先端部側を変位でき、可動板Cmの先端部を固定板Csの先端部に向かって移動できる。可動板Cmの先端部が固定板Csの先端部に接触した状態では、可動板Cmと固定板Csを電気的に導通できる。これにより、検出スイッチSwは、オンの状態となり、第1カードC1又は第2カードC2の挿入を検出できる。
【0060】
図1から
図3を参照して、第1カードC1又は第2カードC2を凹部11から引き抜くと、可動板Cmの先端部側を弾性復帰でき、可動板Cmの先端部を固定板Csの先端部から離反できる。これにより、検出スイッチSwは、オフの状態となり、第1カードC1又は第2カードC2の非挿入を検出できる。
【0061】
(カバー板の構成)
次に、第1実施形態によるカバー板2の構成を説明する。
図1又は
図2を参照すると、カバー板2は、導電性を有する金属板で構成している。カバー板2は、天板21と一対の側面板22・23で構成している。
【0062】
図1を参照すると、天板21は、凹部11に対向配置されている。一対の側面板22・23は、天板21の両端部が直角に折り曲げられて形成されている。一対の側面板22・23は、ハウジング1の両側面に密着できる。一対の側面板22・23は、それらの一部が更に折り曲げられて、ハウジング1の底面に密着できる。そして、ハウジング1の凹部11に向かってカバー板2を挿入することで、カバー板2をハウジング1に組み立てることができる。
【0063】
図1を参照すると、天板21には、複数の第2コンタクト4を視認容易な窓21wを開口している。又、天板21には、第1カードC1又は第2カードC2を表面Sf側から押圧する一組の板ばね片21a・21aを有している。更に、天板21には、スライド部材E1を押圧する板ばね片21bを有している。又、天板21には、案内棒E3の他端部を押圧する板ばね片22bを有している。
【0064】
図1を参照して、導電性を有するカバー板2でハウジング1を覆うことで、内部に収容された第1カードC1又は第2カードC2を電磁妨害から守ることができる。
【0065】
引き続き、第1実施形態によるコネクタ10の構成を説明する。
【0066】
図4は、第1実施形態によるカード用コネクタに備わる第1コンタクト及び第2コンタクトの斜視図であり、ハウジングにモールドした状態図である。
図5は、第1実施形態によるカード用コネクタに備わる第2コンタクトを拡大した斜視図である。
【0067】
(第1コンタクトの構成)
次に、第1実施形態による第1コンタクト3の構成を説明する。
図4を参照すると、第1コンタクト3は、展開板(図示せず)が成形された導電性を有する金属板からなり、展開板を打ち抜き加工又は折り曲げ加工して、導電性を有する片持ち状のベローズコンタクトを得ることができる。第1コンタクト3は、加工の容易性や、ばね特性、導電性などを考慮すれば、銅合金が好ましく用いられるが、銅合金に限定される訳ではない。
【0068】
図4を参照すると、十の第1コンタクト3は、互いに分離しているが、十の第1コンタクト3が部分的に互いに繋がった連鎖状コンタクトしてもよく、第1コンタクト3の固定部をモールドしてハウジング1を成形した後に、連鎖状コンタクトを適宜に打ち抜き加工することで、十の第1コンタクト3を個別に分離できる。
【0069】
図2又は
図3を参照すると、第1コンタクト3は、その固定端部がハウジング1に固定されている。一方、第1コンタクト3は、その自由端部が凹部11の底面から傾斜して延出している。そして、第1コンタクト3の自由端部の頂き部が第1接続端子1ctに接触できる接点3cを形成している(
図4参照)。
【0070】
図4を参照すると、第1コンタクト3は、その固定端部にリード片を形成している。これらのリード片は、図示しないプリント基板の一方の面にハンダ接合できる。つまり、コネクタ10は、表面実装形のコネクタになっている。
【0071】
(第2コンタクトの構成)
次に、第1実施形態による第2コンタクト4の構成を説明する。
図4を参照すると、第2コンタクト4は、展開板(図示せず)が成形された導電性を有する金属板4pからなっている。展開板を打ち抜き加工又は折り曲げ加工して、導電性を有する片持ち状のベローズコンタクトを得ることができる。第2コンタクト4は、加工の容易性や、ばね特性、導電性などを考慮すれば、銅合金が好ましく用いられるが、銅合金に限定される訳ではない。
【0072】
図4を参照して、金属板4pの中央部をモールドして、ハウジング1を成形できる。そして、
図10に示すように、第2コンタクト4は、第1信号コンタクト4sと電源コンタクト4eとグラウンドコンタクト4gを個別に分離している。
【0073】
図2又は
図3を参照すると、第1信号コンタクト4sは、その固定端部がハウジング1に固定されている。又、第1信号コンタクト4sは、その自由端部が凹部11の底面から傾斜して延出している。そして、第1信号コンタクト4sの自由端部の頂き部が信号端子2stに接触できる接点4cを形成している(
図5参照)。
【0074】
同様に、
図2又は
図3を参照すると、電源コンタクト4e及びグラウンドコンタクト4gは、その固定端部がハウジング1に固定されている。一方、電源コンタクト4e及びグラウンドコンタクト4gは、その自由端部が凹部11の底面から傾斜して延出している。そして、電源コンタクト4e及びグラウンドコンタクト4gの自由端部の頂き部が電源端子2et又はグラウンド端子2gtに接触できる接点41cを形成している(
図5参照)。
【0075】
(カード用コネクタの作用)
次に、第1実施形態によるコネクタ10の動作を説明しながら、コネクタ10の作用及び効果を説明する。
【0076】
図6は、第1実施形態によるカード用コネクタの構成を示す図であり、
図6の左欄は、第1実施形態によるカード用コネクタの平面図を示し、
図6の右欄は、第1実施形態によるカード用コネクタを拡大した縦断面図を示し、
図6(A)は、第1カード又は第2カードをカード用コネクタに挿入する前の状態図、
図6(B)は、第2カードをカード用コネクタに挿入した状態図、
図6(C)は、第1カードをカード用コネクタに挿入した状態図である。
【0077】
図6(A)を参照すると、第1カードC1又は第2カードC2をコネクタ10に挿入する前の状態では、第1コンタクト3の接点3cは、カバー板2に対向配置されている。又、第1信号コンタクト4sの接点4cは、カバー板2に対向配置されている。
【0078】
図6(A)に示した状態から、第2カードC2をハウジング1の凹部11に挿入すると、第2カードC2を後壁1cに向かって進行できる。
図6(B)を参照して、第2カードC2をハウジング1の凹部11に挿入した状態では、第1コンタクト3の接点3cは、第1接続端子1ctに接触している(
図12参照)。又、第2カードC2をハウジング1の凹部11に挿入した状態では、第1信号コンタクト4sの接点4cは、第1接続端子1ctに接触している(
図12参照)。
【0079】
図6(A)に示した状態から、第1カードC1をハウジング1の凹部11に挿入すると、第1カードC1を後壁1cに向かって進行できる。
図6(C)を参照して、第1カードC1を後壁1cに向かって進行する過程では、第1溝部D1の段差が凸片4tを含む第1信号コンタクト4sの広い面に当接できる。
【0080】
図6(C)を参照して、第1カードC1を後壁1cに向かって更に進行すると、第1溝部D1の段差が第2コンタクト4を押して、第1信号コンタクト4sを含む第2コンタクト4を傾倒できる。そして、第1信号コンタクト4sが傾倒した状態では、第1信号コンタクト4sの接点4cは、第1溝部D1の底面に当接しないように、構成している。これにより、第1信号コンタクト4sの接点4cを保護できる。又、第1カードC1をハウジング1の凹部11に挿入した状態では、第1コンタクト3の接点3cは、第1接続端子1ctに接触している(
図10参照)。
【0081】
このように、第1実施形態によるコネクタ10は、第1カードC1を凹部11に挿入した状態では、凸片4tを含む第2コンタクト4の広い面が第1溝部D1の段差に当接できる。これにより、第1カードC1の削りカスの発生を抑制できる。又、第1実施形態によるコネクタ10は、第1カードC1を凹部11に挿入した状態では、第1信号コンタクト4sの接点4cは、第1溝部D1の底面に当接しないように、構成しているので、第1信号コンタクト4sの接点4cを保護できる。
【0082】
[第2実施形態]
(カード用コネクタの構成)
次に、本発明の第2実施形態によるカード用コネクタの構成を説明する。
【0083】
図7は、本発明の第2実施形態によるカード用コネクタの構成を示す斜視図であり、カバー板を取り外した状態図である。
図8は、
図7の要部を拡大した斜視図である。なお、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じにするので説明を省略することがある。
【0084】
(全体構成)
次に、本発明の第2実施形態によるカード用コネクタの全体構成を説明する。
図7又は
図8を参照すると、本発明の第2実施形態によるカード用コネクタ(以下、コネクタと略称する)20は、板状のハウジング1とカバー板2を備えている。又、コネクタ20は、複数の第1コンタクト3と複数の第2コンタクト4を備えている。
【0085】
図7又は
図8を参照すると、ハウジング1は、第1カードC1又は第2カードC2を挿入自在な凹部11を形成している。凹部11は、一対の側壁1a・1bと後壁1cで囲われている。
図1又は
図2を参照すると、カバー板2は、凹部11を覆っている。カバー板2で覆われた凹部11を第1カードC1又は第2カードC2の収容空間とすることができる。
【0086】
図7又は
図8を参照すると、第1コンタクト3は、凹部11の奥側に配置している。第1コンタクト3は、第1カードC1の第1接続端子1ctに接触できる(
図10参照)。又、第1コンタクト3は、第2カードC2の第1接続端子1ctに接触できる(
図12参照)。
【0087】
図7又は
図8を参照すると、第2コンタクト4は、凹部11の開口側に配置している。第2コンタクト4は、第2カードC2の第2接続端子2ctに接触できる(
図12参照)。
【0088】
図7又は
図8を参照すると、第2コンタクト4は、二組の対を成す第2信号コンタクト5s・5sと電源コンタクト4eと三つのグラウンドコンタクト4gを含んでいる。
【0089】
図7又は
図8を参照すると、対を成す第2信号コンタクト5s・5sは、対を成す信号端子2st・2stに電気的に接続できる(
図12参照)。グラウンドコンタクト4gは、グラウンド端子2gtに電気的に接続できる(
図12参照)。
【0090】
図8を参照すると、第2信号コンタクト5sは、接点5cを先端部側に有している。接点5cは、第2コンタクト4の先端部側に配置した曲率半径の大きい湾曲部の頂き部に形成している。接点5cは、第1カードC1を凹部11に挿入した状態では、第1カードC1の裏面Bfに当接しない。一方、接点5cは、第2カードC2を凹部11に挿入した状態では、第2接続端子2ctに接触できる。
【0091】
又、
図8を参照すると、第2信号コンタクト5sは、矩形の凸片5tを先端部側に有している。凸片5tは、第2信号コンタクト5sが延びる方向と略直交する方向に板厚面から突出している。又、凸片5tは、第2信号コンタクト5sの先端部側の両側辺から突出している。第2コンタクトは、その一部が凸片5tを先端部側に有している、ということもできる。実施の形態では、対を成す第2信号コンタクト5sは、相反する向きに一対の凸片5t・5tを配置している。
【0092】
なお、第1信号コンタクト4sと第2信号コンタクト5sは、実質的に同じものであるが、説明の便宜上符号を変えて区別した。第1信号コンタクト4sが先端部側の一方の側辺から凸片4tを突出しているのに対し、第2信号コンタクト5sは、先端部側の両側辺から一対の凸片5t・5tを突出していると、いう違いがある。
【0093】
又、接点4cと接点5cは、同じものであるが、説明の便宜上符号を変えて区別した。同様に、凸片4tと凸片5tは、実質的に同じものであるが、説明の便宜上符号を変えて区別した。
【0094】
図7又は
図8を参照して、第1カードC1を凹部11に挿入した状態では、一対の凸片5t・5tを含む第2コンタクト4の広い面が第1溝部D1の段差に当接できる。これにより、第1カードC1の削りカスの発生を抑制できる。
【0095】
(カード用コネクタの作用)
次に、第2実施形態によるコネクタ20の作用及び効果を説明する。
【0096】
図6を類推すると、第2実施形態によるコネクタ20は、第1カードC1を凹部11に挿入した状態では、一対の凸片5t・5tを含む第2コンタクト4の広い面が第1溝部D1の段差に当接できる。これにより、第1カードC1の削りカスの発生を抑制できる。又、第2実施形態によるコネクタ200は、第1カードC1を凹部11に挿入した状態では、第2信号コンタクト5sの接点5cは、第1溝部D1の底面に当接しないように、構成しているので、第2信号コンタクト5sの接点5cを保護できる。
【0097】
本発明は、外形寸法及び厚さは同じであるが、接続端子の配列が一部異なる二種類のカードを共用できるカード用コネクタであって、一方のカードの削りカスの発生を抑制できるカード用コネクタを開示したが、本発明の技術的思想を応用すれば、カード以外にも金属箔からなる接続端子を表面に有するプリント基板又は電気コネクタにも適用できる。
【符号の説明】
【0098】
1 ハウジング
1ct 第1接続端子
2ct 第2接続端子
3 第1コンタクト
4 第2コンタクト
4s 第1信号コンタクト
4c 接点
4t 凸片
10 コネクタ(カード用コネクタ)
11 凹部
Bf 裏面
C1 第1カード
C2 第2カード
D1 第1溝部
D2 第2溝部