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特許7002142付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/188 20170101AFI20220113BHJP
   B29C 64/118 20170101ALI20220113BHJP
   B29C 64/295 20170101ALI20220113BHJP
   B29C 64/35 20170101ALI20220113BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20220113BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220113BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220113BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220113BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20220113BHJP
【FI】
B29C64/188
B29C64/118
B29C64/295
B29C64/35
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
B29C64/268
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019226445
(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2020108960
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2020-03-16
(31)【優先権主張番号】201811635163.1
(32)【優先日】2018-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510268554
【氏名又は名称】▲華▼中科技大学
【氏名又は名称原語表記】HUAZHONG UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】張海鴎
(72)【発明者】
【氏名】王桂蘭
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-013686(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104525944(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0195671(US,A1)
【文献】特開2016-060063(JP,A)
【文献】特開2008-307895(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105945281(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0197683(US,A1)
【文献】特開2011-089145(JP,A)
【文献】特表2015-511180(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0255198(US,A1)
【文献】特表2017-530260(JP,A)
【文献】国際公開第2018/091000(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00
B33Y 30/00
B33Y 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法であって:
部品の付加製造過程において、同一ステーションで、付加造形工程、変形塑性成形又は塑性成形工程を並行して実施するとともに、更に、同一ステーションにおいて、変形矯正工程、除去加工工程及び仕上げ加工工程のうちの1つ又は複数を並行して実施することで、ワンステップ式の超短フローによる高精度且つ高性能の付加製造を実現し、上記の同一ステーションで並行して実施するとは、加工対象部品のクランプ位置を変えることなく、異なる加工層又は同一加工層における同一パス又は異なるパスで異なる工程を実施し;
更に、歪み制御及び性能改善のための圧延・冷却を追従制御する熱処理プロセスを含み、付加造形過程において、変形熱塑性成形過程の温度、変形度合、変形速度、冷却条件のプロセスパラメータを制御するか、電磁力又は超音波振動方式で補助することで、造形物の結晶形態や組織の力学性能を改善し、残留応力や変形を低減させて、造形精度を向上させ;
その場で変形熱塑性成形する過程では、温度、変形度合、変形速度、冷却条件のプロセスパラメータを制御するか、或いは、電磁力又は超音波振動により補助し、
非溶融電極式ガスシールド溶接のプラズマ熱溶解積層ガンを付加造形用の熱源として使用するとともに、マイクロローラをプラズマ熱溶解積層ガンと同期して運動させ、変形塑性成形用のマイクロローラが、その場で溶融池後方の凝固直後領域の表面に作用し、ガスシールドプラズマ熱溶解積層ガンの熱溶解積層電流は180Aであり、熱溶解積層により製造する鍛造用金型のキャビティの使用性能要求に基づいて、前記鍛造用金型の鋼の溶接ワイヤを使用し、基板上において、金型の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとにマイクロ鋳造熱溶解積層造形とマイクロ鍛造変形塑性成形加工を同期して実行し、圧延・冷却を追従制御する熱処理プロセスを採用することで、付加造形過程では、変形熱塑性成形の過程において、空冷をガス冷却又は液体窒素冷却に変更するか、或いは、造形過程で溶融池に電磁力を付与することで造形を補助し、仕上げ加工過程は、金型のキャビティの造形加工が終了するまで、同期造形加工過程と同期して実行する;
ことを特徴とする付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法。
【請求項2】
付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法であって:
部品の付加製造過程において、同一ステーションで、付加造形工程、変形塑性成形又は塑性成形工程を並行して実施するとともに、更に、同一ステーションにおいて、変形矯正工程、除去加工工程及び仕上げ加工工程のうちの1つ又は複数を並行して実施することで、ワンステップ式の超短フローによる高精度且つ高性能の付加製造を実現し、上記の同一ステーションで並行して実施するとは、加工対象部品のクランプ位置を変えることなく、異なる加工層又は同一加工層における同一パス又は異なるパスで異なる工程を実施し;
更に、歪み制御及び性能改善のための圧延・冷却を追従制御する熱処理プロセスを含み、付加造形過程において、変形熱塑性成形過程の温度、変形度合、変形速度、冷却条件のプロセスパラメータを制御するか、電磁力又は超音波振動方式で補助することで、造形物の結晶形態や組織の力学性能を改善し、残留応力や変形を低減させて、造形精度を向上させ;
前記除去加工工程又は前記仕上げ加工工程は、具体的に、レーザ光、又は電気加工、又は超音波方式で同期及び追従してフライス切削加工を行う工程であり、精度が要求を満たし得ない場合には、部品の精度要求を満たすまで、機械的なフライス切削又は研削仕上げ加工を採用してもよく;
造形過程の各パスにおいて、或いは、異なる層又は同一層の異なるパス同士の付加造形工程のインターバルにおいて、追従クリーニング方式で付加造形過程における熱溶解積層造形領域の表面の酸化物、不純物及び欠陥を追従クリーニングすることで、次のパスでの高品質な熱溶解積層造形に有利となる基体表面又は部品表面又は部品表面を取得し;
ガスシールドレーザガンを付加熱溶解積層造形用の熱源として使用するとともに、マイクロローラをガスシールドレーザ熱溶解積層ガンと同期して運動させ、変形塑性成形に用いられる衝撃造形用のレーザ光は、溶融池後方の凝固領域の表面に作用し、ガスシールドレーザ熱溶解積層造形ガンのパワーは2000ワットであり、付加製造する航空機のエンジンケースにおける使用性能要求に基づいて耐熱合金の溶接ワイヤを使用し、基板上において、部品の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとに熱溶解積層造形とマイクロ塑性成形加工を同期して実行し、エンジンケースはサイズが大きいことから熱溶解積層造形での変形が大きくなるため、上記の同期する造形加工のあとに変形矯正加工を実施する必要があり、前記変形矯正加工の過程は、部品の造形加工が終了して変形が最小限に矯正されるまで、レーザ光による衝撃造形加工の直後に実行するか、或いは、造形過程において、造形済みの領域に超音波振動を加えることで造形を補助し、組織性能を高めるとともに残留応力を低減させ、前記仕上げ加工の過程は、部品の造形加工が終了するまで、同期造形加工過程と同期して実行する;
ことを特徴とする付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法。
【請求項3】
付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法であって:
部品の付加製造過程において、同一ステーションで、付加造形工程、変形塑性成形又は塑性成形工程を並行して実施するとともに、更に、同一ステーションにおいて、変形矯正工程、除去加工工程及び仕上げ加工工程のうちの1つ又は複数を並行して実施することで、ワンステップ式の超短フローによる高精度且つ高性能の付加製造を実現し、上記の同一ステーションで並行して実施するとは、加工対象部品のクランプ位置を変えることなく、異なる加工層又は同一加工層における同一パス又は異なるパスで異なる工程を実施し;
更に、歪み制御及び性能改善のための圧延・冷却を追従制御する熱処理プロセスを含み、付加造形過程において、変形熱塑性成形過程の温度、変形度合、変形速度、冷却条件のプロセスパラメータを制御するか、電磁力又は超音波振動方式で補助することで、造形物の結晶形態や組織の力学性能を改善し、残留応力や変形を低減させて、造形精度を向上させ;
前記除去加工工程又は前記仕上げ加工工程は、具体的に、レーザ光、又は電気加工、又は超音波方式で同期及び追従してフライス切削加工を行う工程であり、精度が要求を満たし得ない場合には、部品の精度要求を満たすまで、機械的なフライス切削又は研削仕上げ加工を採用してもよく;
造形過程の各パスにおいて、或いは、異なる層又は同一層の異なるパス同士の付加造形工程のインターバルにおいて、追従クリーニング方式で付加造形過程における熱溶解積層造形領域の表面の酸化物、不純物及び欠陥を追従クリーニングすることで、次のパスでの高品質な熱溶解積層造形に有利となる基体表面又は部品表面又は部品表面を取得し;
更に、付加造形工程、変形塑性成形工程又は変形矯正工程のあとに設定されて、セグメントごとに並行して実施される熱処理を含むか、或いは、全ての造形加工が終了してから、造形加工ユニット内で造形物又は部品について熱処理を実行することで、残留応力を除去し、変形及び亀裂を低減させて、力学性能を向上させ;
非溶融電極式ガスシールドガンのアーク又はプラズマアークとレーザ光を複合した熱源を付加造形用の熱源として使用するとともに、マイクロローラを複合熱源発生装置と同期して運動させ、変形塑性成形用のマイクロローラは、溶融池後方の凝固直後領域の表面に作用し、ガスシールドアーク又はプラズマアーク熱溶解積層ガンの熱溶解積層電流は200Aであり、レーザ光のパワーは2000Wであり、付加製造する航空機のフレーム梁における使用性能要求に基づいて、チタン合金溶接ワイヤを使用し、基板上において、部品の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとに熱溶解積層造形とマイクロ塑性成形加工を同期して実行し、航空機のフレーム梁はサイズが大きいことから熱溶解積層造形での変形が大きくなるため、上記の同期する造形加工のあとに変形矯正加工を実施する必要があり、前記変形矯正加工の過程は、部品の造形加工が終了して変形が最小限に矯正されるまで、マイクロ塑性加工の直後に実行するが、航空部品は性能要求が高く、各層表面の酸化物や不純物を造形物に持ち込むことは許されないため、高効率の追従クリーニング方式で付加造形過程における熱溶解積層造形領域の表面の酸化物や不純物及び欠陥を追従クリーニングすることで、次のパスでの高品質な熱溶解積層造形に有利となる基体表面又は部品表面を取得する必要があり、前記表面のクリーニングは、部品の造形加工が終了するまで造形加工過程と同期して実行し、
パワー2000Wの固体レーザを用いるとともに、造形材料として耐熱合金製の金属線材を使用し、レーザヘッドに固定したマイクロローラをレーザヘッドと同期して運動させ、サイドローラは溶融軟化領域の側面に付随し、孔形状を有する水平ローラは溶融池後方近傍の凝固直後の軟化領域に柔軟に付随し、基板において、石油パイプ部材の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとにレーザ熱溶解積層造形とマイクロ加圧を同期して実施することで耐熱合金製部品を造形加工し、造形加工ユニットに設けられた熱処理装置を用い、全ての造形加工が終了してから、造形物又は部品について熱処理を実行することで、残留応力を除去し、変形及び亀裂を低減させて、力学性能を向上させる;
ことを特徴とする付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法。
【請求項4】
付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法であって:
部品の付加製造過程において、同一ステーションで、付加造形工程、変形塑性成形又は塑性成形工程を並行して実施するとともに、更に、同一ステーションにおいて、変形矯正工程、除去加工工程及び仕上げ加工工程のうちの1つ又は複数を並行して実施することで、ワンステップ式の超短フローによる高精度且つ高性能の付加製造を実現し、上記の同一ステーションで並行して実施するとは、加工対象部品のクランプ位置を変えることなく、異なる加工層又は同一加工層における同一パス又は異なるパスで異なる工程を実施し;
更に、歪み制御及び性能改善のための圧延・冷却を追従制御する熱処理プロセスを含み、付加造形過程において、変形熱塑性成形過程の温度、変形度合、変形速度、冷却条件のプロセスパラメータを制御するか、電磁力又は超音波振動方式で補助することで、造形物の結晶形態や組織の力学性能を改善し、残留応力や変形を低減させて、造形精度を向上させ;
前記除去加工工程又は前記仕上げ加工工程は、具体的に、レーザ光、又は電気加工、又は超音波方式で同期及び追従してフライス切削加工を行う工程であり、精度が要求を満たし得ない場合には、部品の精度要求を満たすまで、機械的なフライス切削又は研削仕上げ加工を採用してもよく;
造形過程の各パスにおいて、或いは、異なる層又は同一層の異なるパス同士の付加造形工程のインターバルにおいて、追従クリーニング方式で付加造形過程における熱溶解積層造形領域の表面の酸化物、不純物及び欠陥を追従クリーニングすることで、次のパスでの高品質な熱溶解積層造形に有利となる基体表面又は部品表面又は部品表面を取得し;
更に、付加造形工程、変形塑性成形工程又は変形矯正工程のあとに設定されて、セグメントごとに並行して実施される熱処理を含むか、或いは、全ての造形加工が終了してから、造形加工ユニット内で造形物又は部品について熱処理を実行することで、残留応力を除去し、変形及び亀裂を低減させて、力学性能を向上させ;
更に、欠陥検出工程を含み、具体的には、部品の付加製造過程において、製造機器自身の数値制御システムと、搭載されている逆行分析装置及び欠陥検出装置を利用することで、造形物の形状やサイズを並行して逆行分析するとともに、内部及び外部の欠陥を検出し、欠陥があった場合には、除去加工システムによりこれを除去したあと造形を継続するか、或いは、造形完了後に、前記製造機器内の同一ステーションにおいて部品の欠陥検出を完了し;
部品の付加製造過程において、機器自身の数値制御システム又はロボットシステムと、搭載されている逆行分析装置及び欠陥検出装置を利用することで、造形物の形状やサイズを並行して逆行分析するとともに、造形完了後の欠陥検査が困難な死角について内部及び外部の欠陥を検出する;
ことを特徴とする付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法。
【請求項5】
付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法であって:
部品の付加製造過程において、同一ステーションで、付加造形工程、変形塑性成形又は塑性成形工程を並行して実施するとともに、更に、同一ステーションにおいて、変形矯正工程、除去加工工程及び仕上げ加工工程のうちの1つ又は複数を並行して実施することで、ワンステップ式の超短フローによる高精度且つ高性能の付加製造を実現し、上記の同一ステーションで並行して実施するとは、加工対象部品のクランプ位置を変えることなく、異なる加工層又は同一加工層における同一パス又は異なるパスで異なる工程を実施し;
更に、歪み制御及び性能改善のための圧延・冷却を追従制御する熱処理プロセスを含み、付加造形過程において、変形熱塑性成形過程の温度、変形度合、変形速度、冷却条件のプロセスパラメータを制御するか、電磁力又は超音波振動方式で補助することで、造形物の結晶形態や組織の力学性能を改善し、残留応力や変形を低減させて、造形精度を向上させ;
前記除去加工工程又は前記仕上げ加工工程は、具体的に、レーザ光、又は電気加工、又は超音波方式で同期及び追従してフライス切削加工を行う工程であり、精度が要求を満たし得ない場合には、部品の精度要求を満たすまで、機械的なフライス切削又は研削仕上げ加工を採用してもよく;
造形過程の各パスにおいて、或いは、異なる層又は同一層の異なるパス同士の付加造形工程のインターバルにおいて、追従クリーニング方式で付加造形過程における熱溶解積層造形領域の表面の酸化物、不純物及び欠陥を追従クリーニングすることで、次のパスでの高品質な熱溶解積層造形に有利となる基体表面又は部品表面又は部品表面を取得し;
更に、付加造形工程、変形塑性成形工程又は変形矯正工程のあとに設定されて、セグメントごとに並行して実施される熱処理を含むか、或いは、全ての造形加工が終了してから、造形加工ユニット内で造形物又は部品について熱処理を実行することで、残留応力を除去し、変形及び亀裂を低減させて、力学性能を向上させ;
更に、欠陥検出工程を含み、具体的には、部品の付加製造過程において、製造機器自身の数値制御システムと、搭載されている逆行分析装置及び欠陥検出装置を利用することで、造形物の形状やサイズを並行して逆行分析するとともに、造形完了後の欠陥検査が困難な死角について内部及び外部の欠陥を検出し、欠陥があった場合には、除去加工システムによりこれを除去したあと造形を継続するか、或いは、造形完了後に、前記製造機器内の同一ステーションにおいて部品の欠陥検出を完了し;
傾斜機能材料の粉末フィーダと、移行アーク電流170Aのプラズマ熱溶解積層ガンを用い、マイクロローラを産業用ロボットのアームに固定するとともに、産業用ロボットのアームが熱溶解積層造形製造で使用されるNCプラズマ熱溶解積層ガンとの同期を維持し、サイドローラは溶融軟化領域の側面に付随し、孔形状を有する水平ローラは溶融池後方近傍の半凝固軟化領域に柔軟に付随し、ニッケル-アルミ金属間化合物の粉末とニッケル基耐熱合金の粉末又は線材を用い、傾斜機能材料の成分分布情報を有する3次元CADモデルから取得したデジタル化熱溶解積層造形経路に基づいて、層ごとにプラズマ熱溶解積層造形とマイクロ加圧を同期して実施することで、前記傾斜機能材料の部品を造形加工し、前記傾斜機能材料は亀裂が生じやすいため、部品の付加製造過程では、搭載されている逆行分析装置及び欠陥検出装置を利用することで、造形物の形状やサイズを並行して逆行分析したあと検出を実行する必要があり、欠陥があった場合には、除去加工システムによりこれを除去したあと造形を継続するか、或いは、造形完了後の欠陥検査が困難な死角について欠陥検出を行い、欠陥があった場合には、除去加工システムによりこれを除去したあと造形を継続するか、或いは、造形完了後に、前記製造機器内の同一ステーションにおいて同様の逆行分析-検出法を用い、部品の欠陥検出を完了する;
ことを特徴とする付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加製造の技術分野に属し、より具体的には、付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高精密金属部品や金型のモールドレス熱溶解積層造形法には、主に、ハイパワーレーザ熱溶解積層造形、電子ビームフリー造形(Electron-Beam Freeform)、プラズマアーク及びアーク熱溶解積層造形等の方法がある。
【0003】
ハイパワーレーザ熱溶解積層造形ではハイパワーレーザを用い、基板に送られてきた金属粉末を1層ずつ溶融させ、急速に凝固させることで熱溶解積層造形を実施する。この場合には、最終的にほぼ完成形の造形物が得られる。前記方法は造形精度が高く、ワークの密度が選択的レーザ焼結(Selective Laser Sintering)をはるかに上回る。しかし、造形効率、エネルギー及び材料の利用率に劣り、フル密度に達しにくいほか、設備投資やランニングコストが嵩んでしまう。
【0004】
また、電子ビームフリー造形法では、ハイパワーの電子ビームを用いて粉末材料を溶融する。そして、コンピュータモデルに基づいて電磁場を付与し、電子ビームの運動を制御することで、部品全体の造形が完了するまで1層ずつ走査する。前記方法は造形精度が高く、造形品質も良好である。しかし、技術条件に対する要求が厳しく、全ての造形プロセスを真空下で進行せねばならないため、造形サイズが制限されてしまう。また、設備投資とランニングコストが大変嵩む。且つ、選択的焼結と同様に1層ずつ粉末を載せる方式を採用するため、傾斜機能材料部品の造形には適用しにくい。
【0005】
また、プラズマ熱溶解積層造形法では、同期して供給される金属粉末又は線材を、高度に圧縮された集束性に優れるプラズマビームで溶融することで、基板上に金属部品又は金型を1層ずつ熱溶解積層して形成する。前記方法は、上記2つの方法よりも造形効率と材料利用率が高く、高密度を得やすいほか、設備及びランニングコストを抑えられる。しかし、アーク柱の直径が上記2つに比べて大きいため、造形サイズと表面精度が上記2つの場合に及ばない。よって、ハイパワーレーザ熱溶解積層造形法と同様に、ほとんどの場合には造形完了後に仕上げ加工を行う必要がある。
【0006】
そこで、プラズマ熱溶解積層造形とフライス切削加工を組み合わせたモールドレス高速製造法が出現している。これは、プラズマビームを造形の熱源とし、層ごと又はセグメントごとの熱溶解積層造形プロセスにおいて、熱溶解積層造形とNCフライス精密加工を交互に実行することで、短フロー且つ低コストのダイレクト精密製造を実現するものである。
【0007】
上記3つの方法のうち、ハイパワーレーザ熱溶解積層造形法とプラズマアーク造形法は、いずれもサポート材フリー且つモールドレスで、均質或いは複合の傾斜機能材料部品を熱溶解積層造形する方法である。これらの方法は、粉末積層式の電子ビーム造形、選択的レーザ光焼結/溶融造形、及び低融点のシート、樹脂、プラスチック等を用いるLOM(Laminated Object Manufacturing,薄膜積層法)、SLA(Stereolithography Apparatus,光造形)、FDM(Fused Deposition Modeling,熱溶解積層製造)、SLS(Selective Laser Sintering,選択的レーザ光焼結)といったサポート材有りのモールドレス積層造形法と比較して、造形時にサポート材を要することからサポート材を着脱せねばならない場合に伴う、材料、技術、機器面での多くの不利益を回避可能である。よって、製造時間が短縮され、コストが抑えられる。また、傾斜機能材料部品を造形可能である。しかし、サポート材フリーであることから、カンチレバーを有する複雑形状部品の造形プロセスでは、重力の作用によって溶融材料に落下や流動といった現象が生じる場合があり、熱溶解積層造形が困難である。
【0008】
プラズマ熱溶解積層とフライス切削を組み合わせた製造法の場合には、1層ずつ造形及びフライス仕上げすることで加工の複雑さは低下する。しかし、側面に大きな傾斜角を有するもの、特に、横方向に張り出し部分を有する複雑形状部品については、積層造形時に重力に伴い発生する流動、更には崩壊を回避することができない。そのため、横方向への成長・造形が困難である。
【0009】
ガス又は真空でシールドしつつ、糸状や帯状の材料を用いるプラズマアーク/アーク、真空でシールドする電子ビーム、スラグでシールドするエレクトロスラグ溶接及びサブマージアーク溶接といった熱源による熱溶解積層造形法は、粉末状の材料を用いるレーザ粉末供給造形法と比較して、より複雑な形状を造形可能なほか、熱溶解積層効率が高く、コストを一層抑えられる等の利点を有する。しかし、複雑で精密且つ薄壁形状の部品の場合には、アーク柱が太めであることから造形精度に劣る。よって、この種の複雑で精密且つ薄壁の部品を製造する際の応用には限界がある。
【0010】
一方で、多層熱溶解積層がもたらす熱量の蓄積に伴う変形は不可避なため、上記の方法では、複雑形状や大型の部品のいずれにも大きな変形が生じてしまう。変形が深刻な場合には熱溶解積層造形の継続が困難となるか、仮に造形物が得られたとしても、過度な変形によってサイズが極めて不良となり、廃棄される恐れがある。そこで、現在のところは予測によって必要な取り代を見積り、造形後の加工でこれらの取り代を除去することで所望のサイズ及び精度の部品を取得するしかない。しかし、この場合には造形過程で絶えず試行錯誤や修正を続け、変形をサイズ精度要求の範囲内に収めねばならない。複雑形状の部品は変形の予測が難しいため、安全を期して取り代を多めに見積もることが多いが、これに起因して後の除去加工量が増加し、効率が低下するとともに、コストも増大する。
【0011】
このほか、従来の付加製造方法では、一般的に、造形ステーションで造形物を下ろしてクランプし、加工ユニットに移送して加工を終えたあと、加工物を熱処理ユニットに移送して熱処理を行う。これにより、部品の残留応力や変形が除去され、亀裂が防止されるとともに性能が向上するが、フローが長くなり、低効率且つ高コストである。
【0012】
また、先端科学技術、航空・宇宙、艦船・海洋工学、高速鉄道、兵器等の業界では、部品の組織性能や安定性だけでなく、サイズ及び精度に対する要求も大変厳しい。そのため、上述した諸問題の深刻さに起因して、熱溶解積層によるダイレクト付加造形技術はこれらの業界における更なる発展や産業応用の実現が阻まれており、迅速に解決を要する重大な技術的課題及びボトルネックとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来技術における上記の欠点又は改良の必要性に対し、本発明は、付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法を提供する。本発明は、加工対象部品のクランプ位置を変えることなく、異なる加工層又は同一加工層における同一のパス又は異なるパスで異なる工程を同時に実施することで、ワンステップ式の超短フローによる高精度且つ高性能の付加製造を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を実現するために、本発明は、付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法を提供する。本方法は、部品の付加製造過程において、同一ステーションで付加造形工程、変形塑性成形又は塑性成形工程を並行して実施するとともに、更に、同一ステーションにおいて、変形矯正工程、除去加工工程及び仕上げ加工工程のうちの1つ又は複数を並行して実施することで、ワンステップ式の超短フローによる高精度且つ高性能の付加製造を実現する。
【0015】
上記の同一ステーションで並行して実施するとは、加工対象部品のクランプ位置を変えることなく、異なる加工層又は同一加工層における同一パス又は異なるパスで異なる工程を実施することをいう。付加造形工程、変形塑性成形又は塑性成形工程の実行後に所期の要求を満たせなかった場合には、変形矯正工程を実行する必要がある。
【0016】
更に、歪み制御及び性能改善のための圧延・冷却を追従制御する熱処理プロセスを含み、付加造形過程において、変形熱塑性成形過程の温度、変形度合、変形速度、冷却条件のプロセスパラメータを制御することで、造形物の力学性能を改善し、残留応力や変形を低減させて、造形精度を向上させる。
【0017】
更に、前記除去加工工程又は仕上げ加工工程は、具体的に、レーザ光、又は電気加工、又は超音波方式で同期及び追従してフライス切削加工を行う工程である。
【0018】
更に、異なる層同士の付加造形工程のインターバルにおいて、追従クリーニング方式を用い、付加造形過程における熱溶解積層造形領域の表面欠陥を追従クリーニングすることで、表面の質が良好であり、次のパスでの高品質な熱溶解積層造形に有利となるような基体表面又は部品表面を取得する。
【0019】
更に、前記方法は、付加造形工程、変形塑性成形工程又は変形矯正工程のあとに設定されてセグメントごとに並行して実行されるか、或いは、全ての造形加工が終了してから、造形加工ユニット内で造形物又は部品について実行される熱処理を含む。これにより、残留応力を除去し、変形及び亀裂を低減させて、力学性能を向上させる。
【0020】
更に、部品の付加製造過程において、製造機器自身の数値制御システムと、搭載されている逆行分析装置及び欠陥検出装置を利用することで、造形物の形状及びサイズを並行して逆行分析することにより、形状が複雑なために造形完了後の欠陥検査が困難な死角について内部及び外部の欠陥を検出する。そして、欠陥があった場合には、除去加工システムによりこれを除去したあと造形を継続する。また、造形完了後に必要に応じて、同様の方法で前記製造機器内の同一ステーションにおいて部品の欠陥検出を完了してもよい。
【0021】
更に、異なる造形加工層又は同一の造形加工層における同一パス或いは異なるパスの異なる位置で異なる工程を実施する。
【0022】
更に、その場で変形熱塑性成形する過程では、温度、変形度合、変形速度、冷却条件のプロセスパラメータを制御するか、或いは、電磁力又は超音波振動により補助する。
【0023】
非溶融電極式ガスシールド溶接のプラズマ熱溶解積層ガンを付加造形用の熱源として使用するとともに、マイクロローラをプラズマ熱溶解積層ガンと同期して運動させる。変形塑性成形用のマイクロローラは、溶融池後方の凝固直後領域の表面にその場で作用する。ガスシールドプラズマ熱溶解積層ガンの熱溶解積層電流は180Aである。また、熱溶解積層により製造する鍛造用金型のキャビティの使用性能要求に基づいて、前記鍛造用金型の鋼の溶接ワイヤを使用する。そして、基板上において、金型の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとにマイクロ鋳造熱溶解積層造形とマイクロ鍛造変形塑性成形加工を同期して実行する。圧延・冷却を追従制御する熱処理プロセスを採用することで、付加造形過程では、変形熱塑性成形の過程において、空冷をガス冷却又は液体窒素冷却に変更する。或いは、造形過程で溶融池に電磁力を付与することで造形を補助する。金型のキャビティ形状が複雑な場合には、加工を要する造形物の表面に対し、上記の同期する造形過程において非接触式のレーザフライス切削加工を行い、この区間において、時間が足りないためにサイズ及び表面精度が要求を満たし得ない場合には、層ごと又は数層ごとに機械的な仕上げ加工を組み合わせて行ってもよい。仕上げ加工過程は、金型のキャビティの造形加工が終了するまで、同期造形加工過程と同期して実行する。
【0024】
更に、精度が要求を満たし得ない場合には、部品の精度要求を満たすまで、上記の方式を継続して採用してもよいし、機械的なフライス切削又は研削仕上げ加工を採用してもよい。
【0025】
更に、ガスシールドレーザガンを付加熱溶解積層造形用の熱源として使用するとともに、マイクロローラをガスシールドレーザ熱溶解積層ガンと同期して運動させる。変形塑性成形に用いられる衝撃造形用のレーザ光は、溶融池後方の凝固領域の表面に作用する。ガスシールドレーザ熱溶解積層造形ガンのパワーは2000ワットである。また、付加製造する航空機のエンジンケースにおける使用性能要求に基づいて、耐熱合金の溶接ワイヤを使用する。そして、基板上において、部品の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとに熱溶解積層造形とマイクロ塑性成形加工を同期して実行する。エンジンケースはサイズが大きいことから熱溶解積層造形での変形が大きくなるため、上記の同期する造形加工のあとに変形矯正加工を実施する必要がある。前記変形矯正加工の過程は、部品の造形加工が終了し、変形が最小限に矯正されるまで、レーザ光による衝撃造形加工の直後に実行する。或いは、造形過程において、造形済みの領域に超音波振動を加えることで造形を補助し、組織性能を高めるとともに、残留応力を低減させる。部品形状が複雑な場合には、全体の造形完了後の加工が困難な部分について、上記の同期する造形加工過程において、非接触式のレーザフライス切削加工又は断続的な接触式超音波機械加工を行うか、数層ごとに上記の方式又は機械的な仕上げ加工を組み合わせて行う。前記仕上げ加工の過程は、部品の造形加工が終了するまで、同期造形加工過程と同期して実行する。
【0026】
更に、非溶融電極式ガスシールドガンのアーク又はプラズマアークとレーザ光を複合した熱源を付加造形用の熱源として使用するとともに、マイクロローラを複合熱源発生装置と同期して運動させる。変形塑性成形用のマイクロローラは、溶融池後方の凝固直後領域の表面に作用する。ガスシールドアーク又はプラズマアーク熱溶解積層ガンの熱溶解積層電流は200Aであり、レーザ光のパワーは2000Wである。また、付加製造する航空機のフレーム梁における使用性能要求に基づいて、チタン合金溶接ワイヤを使用する。そして、基板上において、部品の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとに熱溶解積層造形とマイクロ塑性成形加工を同期して実行する。航空機のフレーム梁はサイズが大きいことから熱溶解積層造形での変形が大きくなるため、上記の同期する造形加工のあとに変形矯正加工を実施する必要がある。前記変形矯正加工の過程は、部品の造形加工が終了し、変形が最小限に矯正されるまで、マイクロ塑性加工の直後に実行する。しかし、航空部品は性能要求が高く、各層表面の酸化物や不純物を造形物に持ち込むことは許されない。そこで、高効率の追従クリーニング方式で付加造形過程における熱溶解積層造形領域の表面の酸化物や不純物及び欠陥を追従クリーニングすることで、表面の質が良好であり、次のパスでの高品質な熱溶解積層造形に有利となる基体表面又は部品表面を取得する必要がある。前記表面のクリーニングは、部品の造形加工が終了するまで、造形加工過程と同期して実行する。
【0027】
パワー2000Wの固体レーザを用いるとともに、造形材料として耐熱合金製の金属線材を使用する。また、レーザヘッドに固定したマイクロローラをレーザヘッドと同期して運動させる。サイドローラは溶融軟化領域の側面に付随し、孔形状を有する水平ローラは溶融池後方近傍の半凝固軟化領域に柔軟に付随する。そして、基板において、石油パイプ部材の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとにレーザ熱溶解積層造形とマイクロ加圧を同期して実施することで、耐熱合金製部品を造形加工する。また、造形加工ユニットに設けられた熱処理装置を用い、全ての造形加工が終了してから、造形物又は部品について熱処理を実行する。これにより、残留応力を除去し、変形及び亀裂を低減させて、力学性能を向上させる。
【0028】
更に、部品の付加製造過程において、機器自身の数値制御システム又はロボットシステムと、搭載されている逆行分析装置及び欠陥検出装置を利用することで、造形物の形状やサイズを並行して逆行分析するとともに、形状が複雑なために造形完了後の欠陥検査が困難な死角について内部及び外部の欠陥を検出する。
【0029】
更に、傾斜機能材料の粉末フィーダと、移行アーク電流170Aのプラズマ熱溶解積層ガンを用いる。また、マイクロローラを産業用ロボットのアームに固定する。産業用ロボットのアームは、熱溶解積層造形製造で使用されるNCプラズマ熱溶解積層ガンとの同期を維持する。サイドローラは溶融軟化領域の側面に付随し、孔形状を有する水平ローラは溶融池後方近傍の半凝固軟化領域に柔軟に付随する。そして、ニッケル-アルミ金属間化合物の粉末とニッケル基耐熱合金の粉末を用い、傾斜機能材料の成分分布情報を有する3次元CADモデルから取得したデジタル化熱溶解積層造形経路に基づいて、層ごとにプラズマ熱溶解積層造形とマイクロ加圧を同期して実施することで、前記傾斜機能材料の部品を造形加工する。前記傾斜機能材料は亀裂が生じやすいため、部品の付加製造過程では、搭載されている逆行分析装置及び欠陥検出装置を利用することで、造形物の形状やサイズを並行して逆行分析したあと、検出を実行する必要がある。そして、欠陥があった場合には除去加工システムによりこれを除去したあと造形を継続する。或いは、形状が複雑なことから造形完了後の欠陥検査が困難な死角について、欠陥検出を行う必要がある。そして、欠陥があった場合には、除去加工システムによりこれを除去したあと造形を継続する。或いは、造形完了後に、前記機器内の同一ステーションにおいて同様の逆行分析-検出法を用い、部品の欠陥検出を完了する。
【発明の効果】
【0030】
総括すると、本発明が構想する上記の技術方案は、従来技術と比較して以下の有益な効果が得られる。即ち、加工過程では、加工対象部品のクランプ位置を変えることなく、異なる加工層又は同一加工層において異なる工程を実施する。これにより、ワンステップ式の超短フローによる高精度且つ高性能の付加製造が実現される。また、本方法は加工精度に優れ、部品に直接応用可能である。本発明の方法は、優れた実質的応用価値を有する。
【0031】
本発明は、効率の向上及びコストダウンのために、部品の性能やサイズ及び表面精度要求の違いに応じて、上記の造形加工工程における2種類を同期して実施し、要求を満たせればよい。例えば、弁体の鋳造物を製造する場合、パワー2500Wの固体レーザを用い、造形材料として耐摩耗性合金線材を使用する。そして、レーザ光による溶融付加造形過程において、レーザ光又は電気加工又は超音波によりフライス切削加工を同期及び追随して実施する。また、フライス切削量が大きかったり、上記の方式では精度要求を満たせなかったり、高コスト且つ低効率の場合には、部品の精度要求を満たすまで、機械的なフライス切削又は研削仕上げ加工を採用すればよい。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の目的、技術方案及び利点をより明確にすべく、以下に、実施例を組み合わせて本発明につき更に詳細に説明する。なお、ここで記載する具体的実施例は本発明を説明するためのものにすぎず、本発明を限定するものではない。また、以下で記載する本発明の各実施形態で言及する技術的特徴は、互いに矛盾しなければ組み合わせ可能である。
【0033】
本発明は、付加製造過程で部品の変形及び精度を並行制御する方法を提供する。前記方法では、部品の付加製造過程において、同一ステーションで付加造形工程、変形塑性成形又は塑性成形工程を並行して実施する。また、更に、同一ステーションにおいて、変形矯正工程、除去加工工程及び仕上げ加工工程のうちの1つ又は複数を並行して実施する。これにより、ワンステップ式の超短フローによる高精度且つ高性能の付加製造が実現される。上記の同一ステーションで並行して実施するとは、加工対象部品のクランプ位置を変えることなく、異なる加工層又は同一加工層において異なる工程を同時に実施することをいう。
【0034】
付加製造過程では、付加造形工程と変形塑性成形が同一パス内で並行して時間的に密に発生するため、溶融池の凝固直後領域において小さな圧力を用いるだけで、動的再結晶が発生し、熱間鍛造状態下における等軸微細結晶粒を形成可能である。また、変形矯正工程は、一般的に、造形過程における同一パス内か、同一層内又は異なる層内で並行して行われる。
【0035】
更に、前記方法は、歪み制御及び性能改善のための圧延・冷却を追従制御する熱処理プロセスを含む。このプロセスにより、付加造形過程では、変形熱塑性成形過程の温度、変形度合、変形速度、冷却条件のプロセスパラメータを制御することで、造形物の力学性能を改善するとともに、残留応力や変形を低減させて、造形精度を向上させる。
【0036】
同一ステーションでプロセスを並行して実施すると、同一の部品部位における塑性成形工程は、付加造形工程の直後に同一層の同一パス内に発生するため、たいへん高温となり、金属の飛散等がみられる。よって、通常、塑性成形機構には、耐熱性や冷却可能性、スパッタ汚染防止等が求められ、装置の製造や塑性変形の制御難度が増すと考えられている。そのため、部品の同一部分において、付加造形の完了後に変形塑性成形工程を実施する方式を採用すればよいが、実際には、時間的に同一のタイミングで、付加造形工程、変形塑性成形又は塑性成形工程、必要時に実行される変形矯正工程が同時に実行される。ただし、これらは部品の異なる位置に発生する。
【0037】
更に、前記除去加工工程又は仕上げ加工工程とは、具体的に、レーザ光、又は電気加工、又は超音波方式で同期及び追従してフライス切削加工を行う工程である。
【0038】
一般的に、機械的なフライス切削は効果的な仕上げ加工法と考えられている。しかし、この方法は接触式であり、力を付与せねばならず、旋盤式のソフト・ハードシステムが必要である。そのため、付加製造機器が付加造形工程、変形塑性成形工程、変形矯正工程を実行しているときに、数値制御(NC)システムでフライス切削加工を並行して実施することはできず、これらの工程が完了してからNCフライス切削を行うか、数値制御システムを追加するしかない。しかし、このような場合には、造形効率が低下するほか、数値制御システムや伝動システムの追加によってコストや機器の複雑さが増してしまう。また、フライス切削加工は、熱間式且つ乾式の切削であるため非常に難しく、切削工具の消耗も大きい。これに対し、レーザ光等の非接触式の方法を用いれば、走査機構となり、制御が容易であるとともに、上記の造形工程と同一のパス又は同一の層或いは異なる層で並行して実施可能となる。
【0039】
更に、異なる層同士の付加造形工程のインターバルにおいて、追従クリーニング方式を用い、付加造形過程における熱溶解積層造形領域の表面欠陥を追従クリーニングすることで、表面の質が良好であり、次のパスでの高品質な熱溶解積層造形に有利となるような基体表面又は部品表面を取得する。
【0040】
通常、大気中で肉盛溶接を行う場合には、溶接層表面の酸化物が次の溶接時に表面に浮き上がり、一般的にはクリーニングできないと考えられている。しかし、付加造形は多層造形であり、表面層が複数回にわたって酸化及び汚染されると、造形物の性能に支障をきたす恐れがある。そこで、強靱性や疲労性能に対する要求が大変厳しい航空・宇宙等の部品を製造する場合には、上記の造形工程と並行して実施可能でありながら効率を低下させない追従クリーニング方法を用いる必要がある。
【0041】
更に、前記方法は、付加造形工程、変形塑性成形工程、変形矯正工程のあとに設定されてセグメントごとに並行して実行されるか、或いは、全ての造形加工が終了してから、造形加工ユニット内で造形物又は部品について実行される熱処理を含む。これにより、残留応力を除去し、変形及び亀裂を低減させて、力学性能を向上させる。このような熱処理は部品を融解させない熱処理とする。前記熱処理は低温であり、主として残留応力を除去し、変形及び亀裂を低減するために用いられる。
【0042】
一般的に、付加造形物は肉盛溶接により造形されるため、造形完了後には、造形物を製造ユニットから移送して応力除去焼鈍等の熱処理を行う必要があると考えられている。これにより、残留応力と変形が除去され、造形困難部品の亀裂は防止されるが、造形加工の精度が左右されて、製造効率に支障をきたす。そこで、応力除去焼鈍の熱処理等の温度が低温であることに鑑みて、熱処理装置を製造ユニット内に取り付けることが考えられる。これにより、製造効率を低下させることなく、熱処理の完了後に最終の仕上げ加工を実行可能となるため、超短フローによる高精度且つ高性能の付加製造が可能となる。
【0043】
更に、前記方法は、部品の付加製造過程において、製造機器自身の数値制御システムと、搭載されている逆行分析装置及び欠陥検出装置を利用することで、造形物の形状やサイズを並行して逆行分析するとともに、形状が複雑なために造形完了後の欠陥検査が困難な死角について欠陥を検出する。そして、欠陥があった場合には、除去加工システムによりこれを除去したあと造形を継続する。
【0044】
一般的に、従来の製造では、造形加工済みの部品について欠陥を検出するが、このような部品は、欠陥検出により欠陥が基準を上回っていることが分かった場合、廃棄するしかないと考えられている。また、検出の過程では、部品形状が複雑なために検査不可能な部分が存在することがあり、検出の死角が形成される。そこで、造形過程で検出するようにすれば、検出の死角による制限を受けることがなくなる。
【0045】
本発明の方法をより詳細に説明するために、以下に、具体的実施例を組み合わせて更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0046】
非溶融電極式ガスシールド溶接のプラズマ熱溶解積層ガン(レーザ光、溶融電極式ガスシールドアーク、非溶融電極式ガスシールドアーク、電子ビーム)を付加造形用の熱源として使用するとともに、マイクロローラをプラズマ熱溶解積層ガンと同期して運動させる。変形塑性成形用のマイクロローラは、溶融池後方の凝固直後領域の表面に作用する。ガスシールドプラズマ熱溶解積層ガンの熱溶解積層電流は180Aである。また、熱溶解積層により製造する鍛造用金型のキャビティの使用性能要求に基づいて、前記鍛造用金型の鋼の溶接ワイヤを使用する。そして、基板上において、金型の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとに熱溶解積層造形と変形塑性成形加工を同期して実行する。金型のキャビティ形状が複雑な場合には、加工を要する造形物の表面に対し、上記の同期する造形加工過程において非接触式のレーザフライス切削加工を行う必要がある。しかし、この区間において、時間が足りないためにサイズ及び表面精度が要求を満たし得ない場合には、数層ごとに機械的な仕上げ加工を組み合わせて行ってもよい。上記の仕上げ加工過程は、金型のキャビティの造形加工が終了するまで、同期造形加工過程と同期して実行する(即ち、同一ステーションで並行して実施する)。
【実施例2】
【0047】
非溶融電極式ガスシールド溶接のプラズマ熱溶解積層ガンを付加造形用の熱源として使用するとともに、マイクロローラをプラズマ熱溶解積層ガンと同期して運動させる。変形塑性成形用のマイクロローラは、溶融池後方の凝固直後領域の表面に作用する。ガスシールドプラズマ熱溶解積層ガンの熱溶解積層電流は180Aである。また、熱溶解積層により製造する薄板造形用金型のキャビティの使用性能要求に基づいて、前記薄板造形用金型の鋼のワイヤを使用する。そして、基板上において、金型の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとに熱溶解積層造形と変形塑性成形加工を同期して実行する。また、歪み制御及び性能改善のために、圧延・冷却を追従制御する熱処理プロセスを採用する。このプロセスにより、付加造形過程では、変形熱塑性成形(熱塑性成形)の過程において、空冷を液体窒素冷却に変更することで冷却速度を加速し、金型の強度及び硬度を向上させる。或いは、造形過程で溶融池に電磁力を付与することで造形を補助し、組織性能を高めるとともに、残留応力を低減させる。上記の過程は、金型のキャビティの造形加工が終了するまで、造形加工過程と同期して実行する(即ち、同一ステーションで並行して実施する)。
【実施例3】
【0048】
ガスシールドレーザガンを付加造形用の熱源として使用するとともに、マイクロローラをガスシールドレーザ熱溶解積層ガンと同期して運動させる。変形塑性成形に用いられる衝撃造形用のレーザ光は、溶融池後方の凝固領域の表面に作用する。ガスシールドレーザ熱溶解積層造形ガンのパワーは2000ワットである。また、付加製造する航空機のエンジンケースにおける使用性能要求に基づいて、耐熱合金の溶接ワイヤを使用する。そして、基板上において、部品の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとに熱溶解積層造形とマイクロ塑性成形加工を同期して実行する。エンジンケースはサイズが大きいことから熱溶解積層造形での変形が大きくなるため、上記の同期する造形加工のあとに変形矯正加工を実施する必要がある。前記変形矯正加工の過程は、部品の造形加工が終了し、変形が最小限に矯正されるまで、レーザ光による衝撃造形加工の直後に実行する。或いは、造形過程において、造形済みの領域に超音波振動を加えることで造形を補助し、組織性能を高めるとともに、残留応力を低減させる。部品形状が複雑な場合には、造形完了後の加工が困難な部分について、上記の同期する造形加工過程において非接触式のレーザフライス切削加工を行うか、数層ごとに機械的な仕上げ加工を組み合わせて行う。前記仕上げ加工の過程は、部品の造形加工が終了するまで、同期造形加工過程と同期して実行する(即ち、同一ステーションで並行して実施する)。
【実施例4】
【0049】
非溶融電極式ガスシールドガンのアーク又はプラズマアークとレーザ光を複合した熱源を付加造形用の熱源として使用するとともに、マイクロローラを複合熱源発生装置と同期して運動させる。変形塑性成形用のマイクロローラは、溶融池後方の凝固直後領域の表面に作用する。ガスシールドアーク又はプラズマアーク熱溶解積層ガンの熱溶解積層電流は200Aであり、レーザ光のパワーは2000Wである。また、付加製造する航空機のフレーム梁における使用性能要求に基づいて、チタン合金溶接ワイヤを使用する。そして、基板上において、部品の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとに熱溶解積層造形とマイクロ塑性成形加工を同期して実行する。航空機のフレーム梁はサイズが大きいことから熱溶解積層造形での変形が大きくなるため、上記の同期する造形加工のあとに変形矯正加工を実施する必要がある。前記変形矯正加工の過程は、部品の造形加工が終了し、変形が最小限に矯正されるまで、マイクロ塑性加工の直後に実行する。しかし、航空部品は性能要求が高く、各層表面の酸化物や不純物を造形物に持ち込むことは許されない。そこで、高効率の追従クリーニング方式で、付加造形過程における熱溶解積層造形領域の表面の酸化物や不純物及び欠陥を追従クリーニングすることで、表面の質が良好であり、次のパスでの高品質な熱溶解積層造形に有利となる基体表面又は部品表面を取得する必要がある。前記表面のクリーニングは、部品の造形加工が終了するまで、造形加工過程と同期して実行する(即ち、同一ステーションで並行して実施する)。
【実施例5】
【0050】
パワー2000Wの固体レーザを用いるとともに、造形材料として耐熱合金製の金属線材を使用する。また、レーザヘッドに固定したマイクロローラをレーザヘッドと同期して運動させる。サイドローラは溶融軟化領域の側面に付随し、孔形状を有する水平ローラは溶融池後方近傍の半凝固軟化領域に柔軟に付随する。そして、基板において、石油パイプ部材の3次元CADモデルから取得したデジタル化造形加工経路に基づき、層ごとにレーザ熱溶解積層造形とマイクロ加圧を同期して実施することで、耐熱合金製部品を造形加工する(即ち、同一ステーションで並行して実施する)。また、造形加工ユニットに設けられた熱処理装置を用い、全ての造形加工が終了してから、造形物又は部品について熱処理を実行する。これにより、残留応力を除去し、変形及び亀裂を低減させて、力学性能を向上させる。
【実施例6】
【0051】
傾斜機能材料の粉末フィーダと、移行アーク電流170Aのプラズマ熱溶解積層ガンを用いる。また、マイクロローラを産業用ロボットのアームに固定する。産業用ロボットのアームは、熱溶解積層造形製造で使用されるNCプラズマ熱溶解積層ガンとの同期を維持する。サイドローラは溶融軟化領域の側面に付随し、孔形状を有する水平ローラは溶融池後方近傍の半凝固軟化領域に柔軟に付随する。そして、ニッケル-アルミ金属間化合物の粉末とニッケル基耐熱合金の粉末を用い、傾斜機能材料の成分分布情報を有する3次元CADモデルから取得したデジタル化熱溶解積層造形経路に基づいて、層ごとにプラズマ熱溶解積層造形とマイクロ加圧を同期して実施することで、前記傾斜機能材料の部品を造形加工する。前記傾斜機能材料は亀裂が生じやすいため、部品の付加製造過程では、搭載されている逆行分析装置及び欠陥検出装置を利用することで、造形物の形状やサイズを並行して逆行分析したあと、検出を実行する必要がある。そして、欠陥があった場合には、除去加工システムによりこれを除去したあと造形を継続する。或いは、形状が複雑なことから造形完了後の欠陥検査が困難な死角について、欠陥検出を行う必要がある。そして、欠陥があった場合には、除去加工システムを用いてこれを除去したあと、造形を継続する(即ち、同一ステーションと並行して実施する)。或いは、造形完了後に、前記製造機器内の同一ステーションにおいて同様の逆行分析-検出法を用い、部品の欠陥検出を完了する。
【0052】
本発明の技術的効果をより詳細に説明するために、以下に、具体的な実験を組み合わせて更に詳細に説明する。
【0053】
実験1:マイクロ鋳造・鍛造・フライス切削(付加・変形・除去)を組み合わせ、中炭素鋼エンジンの移行部を製造した。
【0054】
中炭素鋼は溶接性に劣るため、世界的に3Dプリントの前例はない。変形微小領域では、幅及び深さ方向において引張応力が圧縮応力に変化し、ひび等の欠陥が減少した。残留応力は70%低減し、変形が減少した。また、柱状晶が超微細等軸晶に変化し、性能が従来の鍛造物を大きく上回った。内部の欠陥については、航空エンジン基準のX線により検出した。また、アーク単一で造形した中炭素鋼の鋳造状態における柱状/樹枝状晶、従来の鍛造によるレベル7~8の粗い等軸晶、マイクロ鋳造・鍛造複合造形によるレベル12の超微細等軸晶を比較した。中炭素鋼エンジンの移行部をX線検査したところ、欠陥はみられなかった。
【0055】
【表1】
【0056】
実験2:実験により、マイクロ鋳造・鍛造(付加・変形)を組み合わせて造形したTC4チタン合金の組織性能は、鋳造状態の柱状/樹枝状晶から鍛造状態の等軸晶に変化した。また、性能は鍛造物を上回っていた。
【0057】
実験3:実験により、マイクロ鋳造・鍛造を組み合わせて耐熱合金In718の結晶粒組織を造形した(変形量30%)。
【0058】
実験4:実験により、従来の方式及びマイクロ鋳造・鍛造複合方式で製造した飛行機の降着装置のエネルギー消費及び材料消費を比較したところ、表2のようになった。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
表3におけるマイクロ鋳造・鍛造・フライス切削プロセスでは、従来の1万トンに及ぶ鍛造圧力の代わりに、4.5×10という1トンに満たないマイクロ鍛造圧力が使用され、エネルギー消費が従来の鍛造の場合の10%未満となった。
【0062】
上記の実験より、本発明の方法によれば、超高強度鋼の材料利用率が従来の製造方式と比べて6.8倍向上した。また、エネルギー消費が90%低下し、エネルギー消費構造が著しく改善された。本発明によれば、性能のネックが解消され、高強度、高靱性、高性能となり、信頼性に優れる。また、鍛造状態の均一な超微細等軸晶組織となり、大型航空機等のハイエンド分野における軽量化ニーズが完全に満たされる。また、本発明のフローは非常に短く、鋳造-鍛造-溶接-フライス切削ユニットを1つの製造ユニットに集積して、1台の機器でハイエンド部品を直接製造するという新たな方式を構築している。これにより、部品の形状及び性能の並行制御が実現されるため、製造サイクルとフローが60%以上短縮される。本発明は効率がよく低コストであり、従来の大量にエネルギーや材料を消費し、深刻な汚染を招来する製造方式を変革するものである。エネルギー消費は90%以上も低減し、革命的なクリーン製造が実現される。本発明は、「設計-監視-制御-修復」を集積して製造する。これにより、大型で複雑な鍛造物を、溶解・鍛造・フライス切削を複合した超短フローにより製造する大型装置を開発した。
【0063】
当業者であれば容易に理解可能なように、上記は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を制限するものではない。本発明の精神及び原則の範囲内で実施されるあらゆる修正、等価の置き換え及び改良等は、いずれも本発明による保護の範囲に含まれる。