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  • 特許-取引情報処理方法及び装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】取引情報処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20220113BHJP
【FI】
G06Q20/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017533593
(86)(22)【出願日】2015-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-01-11
(86)【国際出願番号】 US2015067061
(87)【国際公開番号】W WO2016106201
(87)【国際公開日】2016-06-30
【審査請求日】2018-05-22
【審判番号】
【審判請求日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】201410817824.8
(32)【優先日】2014-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グアンフイ フー
(72)【発明者】
【氏名】ジー コン
(72)【発明者】
【氏名】ミン ジャン
(72)【発明者】
【氏名】チェンリュー ウー
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】吉田 誠
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-296648(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1223686(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0059114(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-G06Q99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって実施される方法であって、
ユーザアカウントから払戻に関する取引命令を受信し、前記取引命令に従って、対応する取引情報を生成することと、
あらかじめ前記ユーザアカウントに結び付けられている取引アカウントに、前記取引情報を送信し、前記取引アカウントを通じて、前記取引情報を処理することであって、前記取引情報を前記処理することは、前記取引アカウントと対応する銀行システムとの間で通信を行うことを通じて、前記取引情報に従って、前記対応する銀行システムに資金の移動を記録させることを含む、ことと、
前記取引情報における払戻金額が、最低払戻限度額よりも高いという条件を満たしているかどうかを判定することと、
前記取引情報における払戻金額が、前記条件を満たしているという判定に応答して、前記取引アカウントを通じて、前記ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、前記処理された取引情報を送信することと、
前記取引情報における払戻金額が、前記条件を満たしていないという判定に応答して、前記ユーザアカウントに対応する前記銀行アカウントの銀行タイプを判定し、前記判定された銀行タイプに対応する指定された情報セットに、前記取引情報を記憶し、前記情報セットの中のすべての取引情報における払戻金額の総計が、前記最低払戻限度額よりも高いとき、判定された銀行タイプに対応する銀行アカウントに、前記すべての取引情報を送信することと
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記取引命令が、払戻命令を含み、
前記取引情報が、支払チャネルまたは払戻金額のうちの1つまたは複数を含む払戻情報を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つまたは複数のプロセッサと、
メモリと、
前記メモリに記憶され、前記1つまたは複数のプロセッサによって、ユーザアカウントから払戻に関する取引命令を受信するように、及び前記取引命令に従って、対応する取引情報を生成するように実行可能な生成モジュールと、
前記メモリに記憶され、前記1つまたは複数のプロセッサによって、あらかじめ前記ユーザアカウントに結び付けられている取引アカウントに、前記取引情報を送信するように、及び前記取引アカウントを通じて、前記取引情報を処理するように実行可能な取引アカウントモジュールであって、前記取引情報を前記処理することは、前記取引アカウントと対応する銀行システムとの間で通信を行うことを通じて、前記取引情報に従って、前記対応する銀行システムに資金の移動を記録させることを含む、取引アカウントモジュールと、
前記メモリに記憶され、前記1つまたは複数のプロセッサによって、前記取引情報における払戻金額が、銀行によって設定される最低払戻限度額よりも高いという条件を満たしているかどうかを判定し、前記取引情報における払戻金額前記条件を満たしていると判定された場合、前記取引アカウントを通じて、前記ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、前記処理された取引情報を送信し、前記取引情報における払戻金額前記条件を満たしていると判定されない場合、前記ユーザアカウントに対応する前記銀行アカウントの銀行タイプを判定し、前記判定された銀行タイプに対応する情報セットに、前記取引情報を記憶し、前記情報セットの中のすべての取引情報に含まれている複数の払戻金額の総計が、前記銀行アカウントに関連する銀行によって設定される前記最低払戻限度額よりも高くなったことに応答して、判定された銀行タイプに対応する銀行アカウントに、前記すべての取引情報を送信するように実行可能な送信モジュールと、
を備える、装置。
【請求項4】
前記取引命令が、払戻命令を含み、
前記取引情報が、支払チャネルまたは払戻金額のうちの1つまたは複数を含む払戻情報を含む、
請求項に記載の装置。
【請求項5】
実行可能な命令を記憶する1つまたは複数のコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1つまたは複数のプロセッサに、
ユーザアカウントから払戻に関する取引命令を受信し、前記取引命令に従って、対応する取引情報を生成することと、
あらかじめ前記ユーザアカウントに結び付けられている取引アカウントに、前記取引情報を送信し、前記取引アカウントを通じて、前記取引情報を処理することであって、前記取引情報を前記処理することは、前記取引アカウントと対応する銀行システムとの間で通信を行うことを通じて、前記取引情報に従って、前記対応する銀行システムに資金の移動を記録させることを含む、ことと、
前記取引情報における払戻金額が、最低払戻限度額よりも高いという条件を満たしているかどうかを判定することと、
前記取引情報における払戻金額が、前記条件を満たしているという判定に応答して、前記取引アカウントを通じて、前記ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、前記処理された取引情報を送信することと、
前記取引情報における払戻金額が、前記条件を満たしていないという判定に応答して、前記ユーザアカウントに対応する前記銀行アカウントの銀行タイプを判定し、前記判定された銀行タイプに対応する指定された情報セットに、前記取引情報を記憶し、前記情報セットの中のすべての取引情報における払戻金額の総計が、前記最低払戻限度額よりも高いとき、判定された銀行タイプに対応する銀行アカウントに、前記すべての取引情報を送信することと
を含む行為を行わせる、前記1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記取引命令が、払戻命令を含み、
前記取引情報が、支払チャネルまたは払戻金額のうちの1つまたは複数を含む払戻情報を含む、
請求項に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータ技術の分野に関し、詳細には、取引情報処理方法及び装置に関する。
【0002】
関連特許出願の相互参照
本出願は、その全体を参照によって本明細書に組み込まれている、2014年12月24日に出願の「Transaction Information Processing Method and Apparatus」と題された中国特許出願第201410817824.8号に対する外国優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
情報技術の発達とともに、インターネットは、豊富なネットワーク資源をユーザにもたらし、便利なことに、ユーザは、ユーザアカウントを登録することによって、様々なタイプの取引サービスを得ることができる。
【0004】
既存の技術においては、ユーザが、通常、取引サービスを得る手法は、ユーザが、そのユーザアカウントを介して、対応するサーバに、取引命令を送信し、サーバが、ユーザアカウントによって送信された取引命令を受信すると同時に、取引命令に従って、対応する取引情報をユーザアカウントに戻すことを含む。それにより、ユーザは、取引サービスを得ることができる。特に、最近は、取引サービスの国際化の傾向があるため、種々の国と地域におけるユーザは、オンライン取引、ビデオ契約、情報照会などの同じウェブサイトから様々なタイプの取引サービスを得ることができる。
【0005】
しかしながら、国際的なビジネス環境の下では、国と地位間の差により、ユーザは、種々の方式を介して取引サービスを得てよい。取引情報が、対応するユーザアカウントに配信され得ることを保証するためには、サーバは、関連の取引命令の送信が介するチャネルを通じて、取引情報を返信することしかできない。取引命令の送信が介するチャネルが取引情報を受信することができない場合、関連のユーザは、対応する取引情報を受信することができない。
【0006】
たとえば、国際的な支払シナリオにおいては、ユーザがそれによって購入された商品に対して払戻を要求するとき、ユーザは、自分のユーザアカウントを通じて、サーバに、払戻要求命令を送信する。ユーザの払戻要求命令により、サーバは、商品を購入するときにユーザが使用した支払モードを介して(すなわち、支払モードは、チャネルであり、それを介して取引命令が提出される)、ユーザに、払戻情報を返信する。しかしながら、ユーザの支払モードは、ユーザの登録済みのユーザアカウントを通じて行われる直接支払であってよい。国と地域間のネットワーク支払についての種々の要件を起因として、特定の国と地域は、サーバからの払戻を直接、受け取るための、ユーザによって登録されたユーザアカウントなどの仮想アカウントを許容せず、そのような払戻は、銀行口座を通じてしか受領できない。結果として、払戻情報は、ユーザアカウントに返信されず、ユーザは、払戻を受領することができない。
【発明の概要】
【0007】
この「発明の概要」は、「発明を実施するための形態」にさらに後述する概念の選択を簡略化した形態で紹介するために提供される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴をすべて特定することを意図するものでも、特許請求される主題の範囲を決定する際の助けとしてのみ使用されることを意図するものでもない。例として、「技法」という用語は、上記の文脈によって、かつ本開示全体を通じて可能にされるデバイス(複数可)、システム(複数可)、方法(複数可)、及び/またはコンピュータ可読命令を示し得る。
【0008】
本開示の実施形態は、今日の国際的なビジネス環境において、取引サービスの効率性が低いという問題を解決するために、取引情報を処理する方法及び装置を提供する。
【0009】
一実施形態においては、本開示は、取引情報処理方法を提供し、この方法は、ユーザアカウントから取引命令を受信し、取引命令に従って、対応する取引情報を生成することと、あらかじめユーザアカウントに結び付けられている取引アカウントに、取引情報を送信し、取引アカウントを通じて、取引情報を処理することと、取引アカウントを通じて、ユーザアカウントに、処理された取引情報を送信することと、を含む。
【0010】
一実施形態においては、本開示は、取引情報処理装置を提供し、この取引情報処理装置は、
ユーザアカウントから取引命令を受信し、取引命令に従って、対応する取引情報を生成するために使用される生成モジュールと、あらかじめユーザアカウントに結び付けられている取引アカウントに取引情報を送信し、取引アカウントを通じて、取引情報を処理するために使用される取引アカウントモジュールと、取引アカウントを通じて、ユーザアカウントに、処理された取引情報を送信するために使用される送信モジュールと、を含む。
【0011】
本開示の実施形態は、取引情報を処理する方法及び装置を提供する。ユーザアカウントに結び付けられている取引アカウントを設けることによって、サーバは、取引命令に対応する取引情報を、ユーザがユーザアカウントを介して対応する取引命令を提出した後、取引アカウントに送信し、処理された取引情報を、ユーザアカウントに直接、送信するのではなく、取引アカウントを通じて、ユーザアカウントに送信してよい。したがって、ユーザアカウントがたとえ、国際的なビジネスシナリオにおいて、取引情報を受信することができなくても、取引情報は、取引アカウントを通じて、受信され、次いで、ユーザアカウントに送信され得る。これにより、ユーザアカウントが、国際的なビジネスシナリオにおいて、取引情報を直接、受信することができないという問題が効果的に解決され、取引情報を処理する効率性が改善される。
【0012】
本明細書に記載の図面は、本開示に対するさらなる理解を提供するために使用され、本開示の一部を構成する。本開示の例示的な実施形態及びその説明は、本開示を例示するために使用され、本開示の不当な限定と解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態による取引情報を処理する方法を示す。
図2】本開示の一実施形態による取引情報を処理する装置の構造的略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の目的、技術的解決策、及び利点をより分かりやすくするために、本開示の技術的解決策は、本開示の例示的な実施形態及び対応する添付の図面を参照して、本明細書に明瞭かつ完全に説明される。説明される実施形態は、本開示の実施形態のほんの一部にすぎず、すべてとは限らないことは明白である。何ら創造的な努力をすることなく、本開示の実施形態に基づいて当業者によって得られるすべての他の実施形態は、本開示の保護範囲に属するものとする。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態による取引情報を処理する方法を示している。方法は、以下に説明する方法ブロックを含み得る。
【0016】
S101は、ユーザアカウントから送信される取引命令を受信し、取引命令に従って、対応する取引情報を生成する
【0017】
本開示の一実施態様においては、ユーザが、取引サービスを得ることを望み、そのユーザアカウントを介して取引命令を提出するとき、対応するサーバは、取引命令を受信し、取引命令に従って、対応する取引情報を生成し得る。
【0018】
一実施態様においては、ユーザアカウントは、サーバにユーザによってあらかじめ登録される個人アカウントを含み得る。取引命令は、払戻命令など、取引サービスを得るために、ユーザによって、自分のユーザアカウントを通じて、サーバに提出される命令を含み得る。取引情報は、払戻情報など、取引命令に従ってサーバによって生成される取引サービスの結果情報を含み得る。
【0019】
たとえば、中国人ユーザAが、あるウェブサイトにユーザ名userAを用いて個人アカウントを登録し、個人アカウントuserAは、ユーザAのユーザアカウントである。ユーザAが、自分のユーザアカウントuserAを使用して、ウェブサイトにおける商品を買った後、ユーザAは、商品の品質問題により、払戻取引を行うことを望む場合がある。そのとき、ユーザAは、自分のユーザアカウントuserAを通じて、払戻命令を提出し得る。ウェブサイトのサーバは、払戻命令に従って、対応する払戻情報を生成し得る。この時点で、払戻命令は、取引命令であり、払戻情報は、取引情報である。本開示の一実施態様においては、ユーザアカウントが、払戻情報を受信した後、ユーザアカウントの中の資金額が、すぐに変わり得ることは明白である。具体的には、払戻情報の中の資金額は、ユーザアカウントの中の資金額にすぐに追加され、払戻情報の受領書は、払戻取引が成功したことを示す。
【0020】
ユーザが、自分のユーザアカウントを使用して、払戻命令などの取引命令を提出するとき、サーバが、支払金額、支払チャネルなどの情報を含む、払戻命令による払戻命令に対応する取引サービス操作の詳細な情報を問い合わせしてよいことに留意されたい。サーバは、獲得されるこれらの情報片に従って、対応する取引情報、すなわち、払戻情報を生成し得る。そのため、本開示の一実施態様においては、取引情報は、支払チャネル及び/または払戻金額を含む。
【0021】
S102は、あらかじめユーザアカウントに結び付けられている取引アカウントに、取引情報を送信し、取引アカウントを通じて、取引情報を処理する。
【0022】
上記の例に続いて、ユーザAが商品を購入するための支払チャネル(この例に説明される支払チャネルは、商品の販売者に支払を行うためにユーザAによって使用されるチャネルを示す)は、あらかじめ自分のユーザアカウントuserAに預金されている残高から直接、支払を行うことと想定される。この場合においては、サーバがユーザAのための払戻取引を遂行するとき、対応する支払チャネルは(この例に説明される支払チャネルは、ユーザAに払戻を行うためにサーバによって使用されるチャネルを示す)、ユーザAのユーザアカウントuserAに、サーバから、ユーザAによって行われた支払の金額を送信している。しかしながら、既存の技術の下での国際的な取引サービスシナリオにおいては、一部の国と地域における規制により、サーバは、ユーザアカウントに、払戻情報を直接、送信することができない。したがって、サーバは、支払チャネルに従って、払戻情報を送信することができず、すなわち、サーバは、ユーザアカウントuserAに、払戻情報を直接、送信することができない。
【0023】
そのため、支払チャネルが、取引情報を受信することができないという問題を解決するために、本開示の一実施態様においては、サーバによって生成される取引情報は、対応する取引アカウントを設けることによって受信される。
【0024】
本開示の一実施態様においては、取引金額は、企業アカウントなど、取引情報を受信することが許容される非個人アカウントを含み得る。本開示の一実施態様においては、取引アカウントもまた、あらかじめサーバに登録されることは明白である。たとえば、アカウントが属する国を中国とする取引アカウントChina-userが、ウェブサイトに登録され得る。取引アカウントChina-userは、あらかじめユーザアカウントuserAに結び付けられ、サーバは、取引アカウントChina-userに、対応する払戻情報を送信し得る。
【0025】
サーバが、取引アカウントに、払戻金額を含む取引情報を送信した後、取引アカウントの中の金額値がすぐに変わり得ないことに留意されたい。これは、取引情報に含まれている払戻金額が、単に、払戻金額の数値上の値をサーバに反映する特徴タイプの情報の種類にすぎないからである。ユーザによって行われる払戻操作の経過中、金額値における変更は、実際には、対応する銀行アカウントの預金における変更である。言い換えれば、サーバが、払戻操作を処理するとき、サーバは、(銀行サーバなどの)銀行システムと相互作用する必要がある。サーバは、銀行システムが払戻操作に対応する金額を記録した後初めて、ユーザアカウントの中の金額値の数値上の値を変更する。
【0026】
上記分析に従って、サーバが、取引アカウントに、取引情報を送信した後、S102における取引アカウントを通じて、取引情報を処理ことは、取引アカウントが、取引情報の中の払戻金額に従って、対応する銀行システムと相互作用して、それにより、銀行システムが、払戻金額を記録することを含んでよく、すなわち、銀行システムは、(ユーザアカウントに結び付けられている銀行カードなどの)ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、払戻金額を記録する。
【0027】
例として、上記の例におけるユーザアカウントuserAについての払戻金額の受信に応答して、取引アカウントChina-userは、ユーザアカウントuserAに対応する銀行システムと相互作用してよく、それにより、銀行システムは、userAに対応する銀行アカウントに払戻金額を記録することが可能になる。
【0028】
加えて、サーバは、実際の適用シナリオにおいて、種々の国と地域におけるユーザアカウントについて種々の取引情報を生成し得る。たとえば、取引情報が、払戻情報である場合、種々の国と地域の通貨間の差異により、サーバは、支払を行うためにユーザアカウントによって使用される通貨に従って、対応する通貨の払戻情報を生成する。この場合においては、ユーザアカウントと、それに結び付けられている取引アカウントとが、同じ国と地域に属していない場合、払戻情報は、為替レートにおける影響を受け、その結果として、払戻情報は、為替レート変動の問題を孕む。
【0029】
したがって、本開示の例示的な実施態様においては、ユーザがユーザアカウントの登録を完了した後、サーバは、ユーザアカウントと取引アカウントとが属する判定された国と地域に従って、自動的に、同じ国と地域に属するユーザアカウントと取引アカウントとを結び付けてよい。国際的なビジネスシナリオにおいては、ユーザが、種々の国と地域の出身であることに留意されたい。ユーザが、対応するサーバにユーザアカウントを登録すると、サーバは、ユーザのInternet Protocol(IP)アドレスに基づいて、ユーザアカウントが属する国と地域を判定し得る。同様に、取引アカウントが、登録されると、サーバはやはり、対応するIPアドレスに基づいて、取引アカウントが属する国と地域を判定し得る。
【0030】
実際の適用においては、ユーザアカウントと取引アカウントとを、それらが属するそれぞれの国と地域に従って、自動的に結び付けるべきであるかどうかは、実際のニーズに従って構成でき、それが、本開示に対する限定を形成するものでないことは明白である。
【0031】
本開示の実施形態の一実施態様においては、取引アカウントは、複数のユーザアカウントに結び付けられてよく、すなわち、同じ国と地域のユーザアカウントは、やはりそのような国と地域に属する取引アカウントに結び付けられることができる。この場合においては、取引アカウントは、公共の取引アカウントである。各ユーザアカウントの取引情報は、一時的に、公共の取引アカウントに記憶される。種々のユーザアカウントに対応する取引情報が、公共の取引アカウントに記録され、取引情報における混乱が生じないことは明白である。
【0032】
S103は、取引アカウントを通じて、ユーザアカウントに、処理された取引情報を送信する。
【0033】
取引アカウントは、種々のユーザアカウントのそれぞれの取引情報片を記憶する。上記の処理後、銀行システムは、ユーザアカウントに結び付けられているそれぞれの銀行アカウントに払戻金額を記録している。この方式においては、取引アカウントに記憶されているそれぞれの取引情報片は、取引アカウントを通じて、個々に、それぞれの取引情報片に対応するユーザアカウントに送信されてよく、それにより、種々のユーザアカウントの中の払戻金額の対応する数値上の値を変更することが可能になる。取引金額からユーザアカウントに取引情報片を送信する処理は、アカウント間の情報の相互作用の処理と見なされてよく、それにより、それぞれの取引情報片が、ユーザアカウントに効果的に送信される。
【0034】
上記の例に続いて、サーバは、取引アカウントChina-userを通じて、ユーザアカウントuserAに、払戻情報を送信してよく、それにより、ユーザアカウントuserAは、サーバから払戻を得る。ユーザアカウントuserAの中の払戻金額の数値上の値が変更され、それによって、払戻取引は、完了される。
【0035】
上記の方法ブロックを通じて、取引情報の受信及び送信の許可を得ている取引アカウントは、あらかじめサーバに登録される。種々のユーザが、対応するユーザアカウントをサーバに登録するとき、同じ国と地域のユーザアカウントは、やはりそのような国と地域に属する取引アカウントに結び付けられる。この方式においては、サーバが、ユーザアカウントに従って、取引命令を送信し、対応する取引情報を生成すると、取引情報は、取引アカウントに直接、送信され得、次いで、取引アカウントを通じて、対応するユーザアカウントに送信される。したがって、取引情報は、ユーザアカウントに確実に配信される。
【0036】
実際の適用の国際的な取引サービスシナリオにおいては、ユーザがユーザアカウントを登録するとき、(銀行カードなどの)対応する銀行アカウントと、ユーザアカウントとの間の相関関係は、取引サービスにおいて、支払を行うなどの操作を容易にするように確立される必要がある。したがって、取引情報が、払戻金額を含むとき、取引情報は、S102からS103において説明されるように、ユーザアカウントに結び付けられている取引アカウントに送信され得、次いで、取引アカウントを通じて、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに直接、送信される。
【0037】
上記の例に続いて、ユーザによって使用される銀行カードXとユーザアカウントuserAとの間の相関関係が確立され、すなわち、銀行カードXは、ユーザアカウントuserAの銀行アカウントである。ある商品を購入するためにユーザAによって使用される支払チャネルは、銀行カードXを使用するユーザAによって支払が行われていると想定される。ユーザAが、自分のユーザアカウントuserAを使用して、サーバに払戻命令を提出した後、サーバは、ユーザアカウントuserAに結び付けられている取引アカウントChina-userに、対応する払戻情報を送信し得る。次いで、払戻情報は、支払チャネルに従って、取引アカウントChina-userを通じて、銀行カードXに送信されて、払戻取引を完了し得る。
【0038】
しかしながら、種々の銀行は、そのような払戻取引について、対応する金額の限度額を設定する。具体的には、銀行は、払戻金額が、銀行によって設けられる指定された限度額に到達したときのみ、取引情報を受信し、銀行は、指定された限度額に到達しない取引情報を受理しない。言い換えれば、ユーザアカウントの取引情報が、銀行によって設けられる指定された限度額に到達しない場合、取引情報が、ユーザの銀行アカウントに送信され得ない状況が生じる。たとえば、銀行カードXが属する銀行の最低払戻金額限度額が、10ドルである場合、銀行は、払戻情報に含まれている金額がたった8ドルである場合には、処理を受理しないことになり、すなわち、払戻操作は、失敗する。
【0039】
そのため、取引情報が払戻金額に含まれているとき、S103において、ユーザアカウントに、処理された取引情報を送信することは、取引情報が、所定の条件を満たしているかどうかを判定することと、肯定である場合、取引アカウントを通じて、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、取引情報を送信することと、そうでない場合、情報セットに取引情報を記憶し、情報セットの中の取引情報片すべてに関連する合計金額が、所定の条件を満たしたとき、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、取引情報を送信することと、を含み得る。
【0040】
本開示の一実施態様においては、取引情報は、払戻金額を含むので、取引情報が、所定の条件を満たしているかどうかを判定することは、実際には、取引情報に含まれている払戻金額が、最低払戻限度額よりも高いかどうかを判定することに対応する(すなわち、指定された限度額は、銀行によって設定される)。そうである場合、これは、取引情報の中の払戻金額が、銀行によって設定された最低払戻限度額以上であることを示し、取引情報が、所定の条件を満たしているという判定が行われる。そうでない場合、これは、取引情報の中の払戻金額が、銀行によって設定された最低払戻限度額未満であることを示し、取引情報が、所定の条件を満たしていないという判定が行われる。
【0041】
取引情報が、所定の条件を満たしている場合、取引情報は、取引アカウントを通じて、対応する銀行アカウントに送信され得る。
【0042】
しかしながら、取引情報が、所定の条件を満たしていない場合、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントは、取引情報を受信することはなく、すなわち、取引情報は、取引アカウントを通じて、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、送信され得ない。この時点で、サーバは、取引アカウントの情報セットに、所定の条件を満たしていない取引情報を記憶することができる。
【0043】
具体的には、ユーザが、繰り返し、自分のユーザアカウントを使用して、取引サービス(複数可)を得てよいことを考慮に入れると、サーバは、繰り返し、取引アカウントに、対応する取引情報を送信し得る。したがって、しばらくしてから、取引アカウントに記憶された取引情報に関連する合計金額が、所定の条件を満たす場合がある。そのため、本開示の一実施態様においては、情報セットに、取引情報を記憶することは、ユーザアカウントに対応する情報セットに、取引情報を記憶することを含み得る。情報セットの中のすべての取引情報片に関連する合計金額が、所定の条件を満たすまで、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、取引情報を送信することは、情報セットの中のすべての取引情報片に含まれている払戻金額の総計が、最低払戻限度額よりも高くなったことに応答して、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、取引情報を送信することを含み得る。
【0044】
上記の例は、さらなる例示において使用される。
【0045】
ユーザAは、ユーザアカウントuserAを使用してウェブサイトから商品を買い、銀行1によって発行され、ユーザアカウントuserAに結び付けられている銀行カードXを使用してRMB4元の支払を行う。その後、商品の品質問題により、ユーザAは、自分のユーザアカウントuserAを介して払戻命令を提出する。払戻命令の受信に応答して、サーバは、ユーザアカウントuserAに結び付けられている取引アカウントChina-userに、生成された払戻情報を送信する。払戻情報は、RMB4元という払戻金額を含んでいる。
【0046】
この時点で、銀行1によって設定される最低払戻限度額は、RMB10元に想定される。払戻情報の中の払戻金額(RMB4元)は、銀行1の最低払戻限度額未満であることは明らかであり、したがって、払戻情報は、取引アカウントChina-userを通じて、銀行カードXに送信され得ない。
【0047】
したがって、サーバは、取引アカウントChina-userにおけるユーザアカウントuserAに対応する情報セットに、払戻情報を記憶する。情報セットは、ユーザアカウントuserAのすべての払戻情報を記憶するために使用される。
【0048】
ある時間期間後、ユーザAは、自分のユーザアカウントuserAを使用して、商品を買い、RMB8元を支払う。ユーザAは、同じ理由により、サーバに、払戻命令を提出し、サーバは、取引アカウントChina-userにおけるユーザアカウントuserAに対応する情報セットに、生成された払戻情報を送信する。この時点で、払戻情報の払戻金額に関連する合計金額は、RMB12元であり、それは、銀行1の最低払戻限度額よりも高い。したがって、サーバは、取引アカウントChina-userを通じて、ユーザAの銀行カードXに、RMB12元という払戻金額を有する払戻情報を送信して、払戻取引を完了する。
【0049】
上記の例から分かるように、上記の実施態様は、単一のユーザアカウントの取引情報を記憶し、累積する。単一のユーザアカウントの取引情報が、所定の条件を満たしていないとき、ユーザアカウントの取引情報は、取引アカウントにおける情報セットに記憶され得る。取引情報は、取引情報の合計金額が、所定の条件を満たすまで累積され、次いで、取引情報は、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに送信されて、取引操作を完了することができる。
【0050】
しかしながら、実際の適用においては、一部のユーザは、自分のユーザアカウントを頻繁に使用せず、これらのユーザが、長期にわたって、自分のユーザアカウントを使用して、取引サービス操作を行わないことさえあり得る。これらの状況の下では、単一のユーザアカウントの取引情報を記憶し、蓄積する上記の手法が使用される場合、ユーザが、長期にわたって、自分のユーザアカウントを使用しない場合があるので、ユーザアカウントのそれぞれの取引情報は、長期にわたって、取引アカウントに記憶されることになり、したがって、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに送信され得ず、そのことは、払戻取引の処理効率をひどく低下させる。
【0051】
そのため、払戻取引の処理効率を向上させるために、本開示の別の実施態様においては、情報セットに、取引情報を記憶することは、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントの銀行タイプを判定し、判定された銀行タイプに対応する情報セットに、取引情報を記憶することを含み得る。情報セットの中のすべての取引情報片に含まれている払戻金額の総計が、最低払戻限度額よりも高いとき、取引情報は、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに送信される。言い換えれば、この実施態様は、同じ銀行タイプに属する複数の銀行アカウントのそれぞれの取引情報を記憶し、蓄積し、したがって、取引情報の記憶及び蓄積の効率性が効果的に高まる。
【0052】
銀行タイプに対応する情報セットが、複数のユーザアカウントの取引情報を含んでいる(一部の取引情報に含まれている払戻限度額は、所定の条件を満たし、その他は、満たしていない場合がある)ことに留意されたい。これらの取引情報片は、それぞれ、対応する銀行アカウントに送信される。種々の取引アカウントのそれぞれの取引情報が、個々に送信される場合、銀行は、ある取引情報片が、所定の条件を満たしていないので、処理を受理しないことになる。したがって、これらの取引情報片は、公共の銀行アカウントにしか送信され得ず、次いで、銀行における処理に向けて実行指令される。そのため、本開示の一実施態様においては、取引アカウント(複数可)は、種々の銀行タイプについて、種々の銀行アカウント、すなわち、公共の銀行アカウントに相関付けられる。この方式においては、複数の銀行アカウントの取引情報を記憶し、蓄積する手法が使用されるとき、情報セットの中の、所定の条件を満たしている取引情報は、一緒に、公共の銀行アカウントに送信され得、次いで、公共の銀行アカウントにおける取引情報は、種々のユーザアカウントに対応するそれぞれの銀行アカウントに送信される。
【0053】
上記の実施態様は、本明細書に以降、適用例を使用して詳細に説明される。
【0054】
この適用例においては、ユーザAのユーザアカウントは、userAであり、銀行アカウントは、銀行カードXであり、銀行カードXが属する銀行タイプは、銀行1であり、中国人のユーザB及びCが、この例に追加される。ユーザBの場合、そのユーザアカウントは、userBであり、銀行アカウントは、銀行カードYであり、銀行カードYが属する銀行タイプは、銀行2であり、銀行2によって設けられる最低払戻限度額は、RMB8元である。
【0055】
ユーザCの場合、そのユーザアカウントは、userCであり、その銀行アカウントは、銀行カードZであり、銀行カードZが属する銀行タイプは、銀行1である。
【0056】
ユーザアカウントuserB及びuserCが属する国が、中国であるので、サーバは、ユーザアカウントuserB及びuserCを取引アカウントChina-userに結び付ける。
【0057】
加えて、この適用例においては、取引アカウントChina-userに相関付けられるように設けられる公共の銀行アカウントは、銀行1についての銀行カードCN1であり、銀行2について相関付けられるように設けられる公共の銀行アカウントは、銀行カードCN2である。
【0058】
例示的な処理は、以下を含み得る。
【0059】
前述の例と同様に、ユーザAは、ユーザアカウントuserAを通じて、払戻命令を提出する。サーバは、それによって生成される払戻情報を、ユーザアカウントuserAに結び付けられている取引アカウントChina-userに送信する。払戻情報は、RMB4元という払戻金額を含んでいる。
【0060】
ユーザBは、ユーザアカウントuserBを使用して、払戻命令を提出し、払戻金額RMB6元を要求する。払戻命令の受信に応答して、サーバは、それによって生成される払戻情報を、ユーザアカウントuserBに結び付けられている取引アカウントChina-userに送信する。払戻情報は、RMB6元という払戻金額を含んでいる。
【0061】
ユーザCは、自分のユーザアカウントuserCを使用して、払戻命令を提出し、払戻金額RMB9元を要求する。払戻命令を受信すると同時に、サーバは、生成された払戻情報を、ユーザアカウントuserCに結び付けられている取引アカウントChina-userに送信する。払戻情報は、RMB9元という払戻金額を含んでいる。
【0062】
サーバは、ユーザアカウントuserA、userB、及びuserCのそれぞれの払戻情報が、別々に、銀行によって設けられる最低払戻限度額を満たしていないことを判定する。そのため、サーバは、情報セットに、これらの取引情報片を記憶する。
【0063】
この時点で、サーバは、ユーザアカウントuserAに対応する銀行カードX、及びユーザアカウントuserCに対応する銀行カードZが属する銀行タイプが、銀行1であることを判定する。したがって、サーバは、取引アカウントChina-userにおける銀行1に対応する情報セットに、ユーザアカウントuserA及びuserCの払戻情報を記憶する。この場合においては、銀行1に対応する情報セットの中の払戻情報に含まれている払戻金額の総計は、RMB13元であり、それは、銀行1によって設定される最低払戻限度額RMB10元よりも高い。そのため、サーバは、銀行1に、すなわち銀行カードCN1に、払戻情報を送信し得る。次いで、銀行1は、銀行カードX及び銀行カードZそれぞれに、銀行カードCN1における対応する払戻情報を送信し得る。
【0064】
サーバは、ユーザアカウントuserBに対応する銀行カードYが属する銀行タイプが、銀行2であることを判定する。サーバは、取引アカウントChina-userにおける銀行2に対応する情報セットに、ユーザアカウントuserBの払戻情報と、銀行タイプが銀行2に属する銀行アカウントに結び付けられている他のユーザアカウント(この例においては図示せず)の払戻情報とを記憶する。銀行2に対応する情報セットの中の払戻情報に含まれている払戻金額の総計が、銀行2によって設定される最低払戻限度額(RMB8元)よりも高くなった後、情報セットの中の払戻情報は、一緒に、銀行カードCN2に送信される。次いで、銀行2は、銀行カードCN2におけるそれぞれの払戻情報を個々に、種々の銀行アカウントに送信して、関連の払戻取引を完了する。
【0065】
上記の例から分かるように、上述の実施態様は、同じ銀行タイプの銀行アカウントに結び付けられている複数のユーザアカウントのそれぞれの取引情報を併せて記憶し、累積する。あるユーザアカウントの取引情報がたとえ、所定の条件を満たしていなくても、情報セットに記憶された取引情報の合計金額は、併せて記憶し、累積するこの手法を使用することによって、短時間で所定の条件を満たすことができ、したがって、取引情報の記憶及び蓄積の効率性が効果的に高まる。
【0066】
実際の適用のシナリオにおいては、払戻情報が取引アカウントを通じて、銀行アカウントに送信されるとき、対応するサービス料が、発生し得ることは明白である。したがって、ユーザアカウントについて、このユーザアカウントが、複数の払戻情報片を有する場合、複数のサービス料が、発生し得る。そのため、本開示の本実施態様によれば、ユーザアカウントにおける複数の払戻情報片が、記憶され、累積され得る。複数の払戻情報片に含まれている払戻金額の総計が、所定の値よりも高いとき、複数の払戻情報片は、一緒に送信され、そのことにより、払戻に発生するサービス料の金額が効果的に低減される。
【0067】
本開示の実施形態による取引情報処理方法は、上記のように説明される。同じ概念に基づいて、本開示の実施形態は、図2に示される取引情報処理装置をさらに提供する。
【0068】
図2においては、取引情報処理装置200は、生成モジュール201、取引アカウントモジュール202、及び送信モジュール203を含み得る。生成モジュール201は、ユーザアカウントから提出された取引命令を受信し、取引命令に従って、対応する取引情報を生成するために使用され得る。取引アカウントモジュール202は、あらかじめユーザアカウントに結び付けられている取引アカウントに、取引情報を送信し、取引アカウントを通じて、取引情報を処理するために使用され得る。送信モジュール203は、取引アカウントを通じて、ユーザアカウントに、処理された取引情報を送信するために使用され得る。
【0069】
本開示の一実施態様においては、取引命令は、払戻命令を含んでよく、取引情報は、払戻情報を含み、取引情報は、支払チャネル及び/または払戻金額を含む。
【0070】
一実施態様においては、取引情報が、払戻金額を含む場合、送信モジュール203は、取引情報が、所定の条件を満たしているかどうかを判定し、肯定の場合、取引アカウントを通じて、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、取引情報を送信し、そうでない場合、情報セットに、取引情報を記憶し、情報セットの中のすべての取引情報の合計金額が、別の形で所定の条件を満たすまで、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、取引情報を送信するためにさらに使用され得る。
【0071】
一実施態様においては、送信モジュール203は、取引情報に含まれている払戻金額が、最低払戻限度額よりも高いかどうかを判定し、肯定の場合、取引情報が、所定の条件を満たしていることを判定し、そうでない場合、取引情報が所定の条件を満たしていないことを判定するためにさらに使用され得る。
【0072】
一実施態様においては、送信モジュール203は、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントの銀行タイプを判定し、判定された銀行タイプに対応する情報セットに、取引情報を記憶し、情報セットの中のすべての取引情報に含まれている払戻金額の総計が、最低払戻限度額よりも高くなったことに応答して、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、取引情報を送信するためにさらに使用され得る。
【0073】
一実施態様においては、送信モジュール203は、ユーザアカウントに対応する情報セットに、取引情報を記憶し、情報セットの中のすべての取引情報に含まれている払戻限度額の総計が、最低払戻限度額よりも高くなったことに応答して、ユーザアカウントに対応する銀行アカウントに、取引情報を送信するためにさらに使用され得る。
【0074】
典型的な構成においては、コンピューティングデバイスが、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)、入力/出力(I/O)インターフェース、ネットワークインターフェース、及びメモリを含み得る。一実施態様においては、装置200は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスをさらに含み得る。たとえば、装置200は、1つまたは複数のプロセッサ204、入力/出力(I/O)インターフェース205、ネットワークインターフェース206、及びメモリ207を含み得るが、これらに限定されない。
【0075】
メモリ207は、コンピュータ可読媒体の形態、たとえば、非持続的記憶デバイス、読取り専用メモリ(ROM)もしくはフラッシュRAMなどのランダムアクセスメモリ(RAM)、及び/または不揮発性内部記憶部の形態を含み得る。メモリ207は、コンピュータ可読媒体の一例である。
【0076】
コンピュータ可読媒体は、任意の方法または技術を使用して情報の記憶を達成し得る、持続的または非持続的タイプ、取外し式または非取外し式の媒体を含み得る。情報は、コンピュータ可読コマンド、データ構造体、プログラムモジュール、または他のデータを含み得る。コンピュータ記憶媒体の例には、コンピューティングデバイスによってアクセスされ得る情報を記憶するのに使用され得る、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、クイックフラッシュメモリもしくは他の内部記憶技術、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学記憶部、磁気カセットテープ、磁気ディスク記憶部もしくは他の磁気記憶デバイス、または任意の他の非伝送媒体が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に規定されるとき、コンピュータ可読媒体は、変調されたデータ信号及び搬送波など、一時的媒体を含まない。
【0077】
メモリ207は、プログラムモジュール208、及びプログラムデータ209を含み得る。プログラムモジュール208は、生成モジュール201、取引アカウントモジュール202、及び送信モジュール203など、前述の実施態様に説明されたモジュールのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0078】
「comprise(含む、備える)」、「include(含む)」などの用語、またはそれらの任意の他の変形形態が、非排他的な包含をカバーするように意味されることにも留意すべきである。一連の要素を含む処理、方法、製品、または装置は、単にそれらの要素を含むだけではなく、明示的にリストされていない他の要素も含み、またはそのような処理、方法、製品、または装置にすでに存在する要素もさらに含む。さらなる限定なしの条件においては、「include a/an...(~を含む)」という句によって規定される要素は、処理、方法、製品、または装置に存在することから、任意の他の同様の要素を除外しない。
【0079】
本開示の実施形態が、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得ることを当業者は理解すべきである。したがって、本開示は、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せの実施形態の形を取り得る。さらには、本開示は、コンピュータが使えるプログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータが使える記憶媒体(磁気ディスク記憶部、CD-ROM、光学記憶部などを含むが、これらに限定されない)において実装されるコンピュータプログラム製品の形を取ってもよい。
【0080】
上記の説明は、本開示の単なる実施形態にすぎず、本開示を限定することを意図するものではない。当業者に関しては、本開示は、様々なタイプの修正形態及び変形形態を有し得る。本開示の趣旨及び原理の範囲内で行われるいずれの修正形態、等価な置換形態、改良形態などは、本開示の添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。
図1
図2