(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】金型搬送構造
(51)【国際特許分類】
B29C 33/30 20060101AFI20220128BHJP
B22C 23/00 20060101ALI20220128BHJP
B22D 17/22 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
B29C33/30
B22C23/00 H
B22D17/22 A
(21)【出願番号】P 2018027630
(22)【出願日】2018-02-20
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】308039414
【氏名又は名称】株式会社FTS
(74)【代理人】
【識別番号】100097076
【氏名又は名称】糟谷 敬彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120765
【氏名又は名称】小滝 正宏
(72)【発明者】
【氏名】岸本 元太郎
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】下平 翔
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-153925(JP,A)
【文献】特開平02-011230(JP,A)
【文献】特開平06-099231(JP,A)
【文献】実開昭62-050833(JP,U)
【文献】特開平02-063619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/30
B22C 23/00
B22D 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機に複数の金型を交換可能に搬送する金型搬送構造において、
上記金型を移動させる金型移動レールを有する金型移動台を2本平行に設け、2本の該金型移動台の間にレール間溝を設け、上記金型移動台の上記金型移動レールの下面に歯車が噛み合う金型移動ラックを設け、
上記金型の割型のそれぞれの側端に金型係合突起を設け、該金型係合突起に金型接続孔を形成し、
上記レール間溝に金型搬送装置を取付け、該金型搬送装置は、上記金型接続孔に挿入可能な金型係合ピンと、上記金型移動ラックに噛み合う金型移動歯車と、該金型移動歯車を駆動する金型移動モータを有し、
上記金型接続孔に上記金型係合ピンを挿入して、上記金型搬送装置の上記金型移動歯車を上記金型移動ラックに噛み合わせて回転させ、上記金型を上記金型移動台の上記金型移動レール上を移動させる金型搬送構造。
【請求項2】
上記金型係合ピンは、上記金型移動台の上記金型移動レールの上面側に位置するように設け、上記金型移動歯車と上記金型移動モータは上記金型移動台の上記金型移動レールの下面側に位置するように設けた請求項1に記載の金型搬送構造。
【請求項3】
上記金型係合ピンは、シリンダで上記金型接続孔に進退自在に取付けられた請求項1又は請求項2に記載の金型搬送構造。
【請求項4】
上記金型移動モータは、減速機と接続され、上記金型移動歯車は、上記減速機に取付けられた請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の金型搬送構造。
【請求項5】
上記金型移動モータは、サーボモータである請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の金型搬送構造。
【請求項6】
上記金型移動台の上記金型移動レールの下方に、ガイドレールを設け、上記金型搬送装置は、上記ガイドレールに摺動自在に取付けられるガイドレール係合部材を設け、該ガイドレール係合部材を上記ガイドレールに取付けて、上記金型搬送装置を上記ガイドレールに沿って移動させる請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の金型搬送構造。
【請求項7】
上記金型移動台の上記金型移動レールの上面には金型移動ローラが設けられた請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の金型搬送構造。
【請求項8】
上記金型搬送装置は、2本の上記金型移動台にそれぞれ取付けられて、上記金型係合ピンが、上記金型の2個の割型のそれぞれの上記金型係合突起に係合する請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の金型搬送構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成型機やブロー成形機等の成形機に複数の金型を交換可能に搬送する金型搬送構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、射出成形機やブロー成形機140の1台に対して金型1個を使用して成形しているが、射出成形機やブロー成型機は大きいので設置スペースも大きくなり、使用電力も大きくなる。
そのため、
図6に示すように、1台のブロー成形機140に対して2個の金型110、111を使用して、成形するものがある。
【0003】
この場合には、
図7に示すように、一方の金型110の割型をブロー成形機140の金型取付板141、141に取付けて、キャビティー内にパリソン2を挟持してブロー成形し、他方の金型111は、既にブロー成形した成形品150をキャビティー内に保持して、冷却している。
【0004】
一方の金型110が成形を終了すると、
図8~
図11に示すように、一方の金型110をブロー成形機140から外して、冷却して、他方の金型111から成形品150を取り出すとともに、他方の金型111をブロー成形機140に取付け、ブロー成型を行う。これを繰り返している。
【0005】
この場合に、成形品150が燃料タンクのような大型の製品である場合に、大型の金型110、111をスライドさせるため、金型搬送装置や金型移動台等の大きなスペースが必要となる。
【0006】
なお、プレス金型ではあるが、2個のプレス金型である第1金型211と第2金型212をプレス機に対して移動させてプレス成形するものもある。この場合には、
図12~
図14に示すように、共通ベース213の上にプレス金型である第1金型211と第2金型212を置いて、共通ベース213を駆動軸214の上に結合ピン215で固定して、駆動軸14を移動させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
駆動軸214の移動は、駆動軸214の下面に形成したラック216にピニオン217を篏合させて、ピニオン217をモータ(図示せず。)で回転させるものである。
駆動軸214は、ガイドレール(図示せず。)上を移動するように取付けられて、モータで移動する。しかしながら、この場合には、プレス成形において、第1金型211、第2金型212と共通ベース213と駆動軸214を左右に移動させるものであり、装置が大きくなり、第1金型211と第2金型212のみを移動させるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのため、本発明は、成形機に複数の金型を交換可能に搬送する金型搬送構造において、設置スペースを少なくして、確実に金型を搬送することのできる金型搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための請求項1の本発明は、成形機に複数の金型を交換可能に搬送する金型搬送装構造において、
金型を移動させる金型移動レールを有する金型移動台を2本平行に設け、2本の金型移動台の間にレール間溝を設け、金型移動台の金型移動レールの下面に歯車が噛み合う金型移動ラックを設け、
金型の割型のそれぞれの側端に金型係合突起を設け、金型係合突起に金型接続孔を形成し、
レール間溝に金型搬送装置を取付け、金型搬送装置は、金型接続孔に挿入可能な金型係合ピンと、金型移動ラックに噛み合う金型移動歯車と、金型移動歯車を駆動する金型移動モータを有し、
金型接続孔に金型係合ピンを挿入して、金型搬送装置の金型移動歯車を金型移動ラックに噛み合わせて回転させ、金型を金型移動台上を移動させる金型搬送構造である。
【0011】
請求項1の本発明では、成形機に複数の金型を交換可能に搬送する金型搬送構造において、金型を移動させる金型移動レールを有する金型移動台を2本平行に設け、2本の金型移動台の間にレール間溝を設けている。このため、レール間溝に金型搬送装置を取付けて、金型搬送装置の位置を低くして、成形装置全体の高さを低くすることができる。
【0012】
金型移動台の金型移動レールの下面に歯車が噛み合う金型移動ラックを設けているため、金型搬送装置の金型移動モータと金型移動歯車の位置を金型移動レールよりも低くして、金型移動台の下に金型搬送装置の主要部分を設けることができる。
【0013】
金型の割型のそれぞれの側端に金型係合突起を設け、金型係合突起に金型接続孔を形成している。このため、金型接続孔に金型係合ピンを挿入するのみで、金型と金型搬送装置を結合させることができ、金型の割型を金型搬送装置で移動させることができる。
【0014】
レール間溝に金型搬送装置を取付け、金型搬送装置は、金型接続孔に挿入可能な金型係合ピンと、金型移動ラックに噛み合う金型移動歯車と、金型移動歯車を駆動する金型移動モータを有している。このため、金型係合ピンを金型接続孔に挿入して、金型と金型搬送装置を係合し、金型移動モータにより金型移動歯車を駆動して、金型移動レールに沿って金型を移動させることができる。
【0015】
金型接続孔に金型係合ピンを挿入して、金型搬送装置の金型移動歯車を金型移動ラックに噛み合わせて回転させ、金型を金型移動台上を移動させる。このため、金型係合ピンで金型を係合、保持して、金型搬送装置の金型移動歯車を金型移動ラックに噛み合わせて回転させて確実に金型を移動させることができる。
【0016】
請求項2の本発明は、金型係合ピンは、金型移動台の金型移動レールの上面側に位置するように設け、金型移動歯車と金型移動モータは金型移動台の金型移動レールの下面側に位置するように設けた金型搬送構造である。
【0017】
請求項2の本発明では、金型係合ピンは、金型移動台の金型移動レールの上面側に位置するように設け、金型移動歯車と金型移動モータは金型移動台の金型移動レールの下面側に位置するように設けている。このため、金型を金型移動台の金型移動レールの上面側に保持しつつ、金型移動歯車と金型移動モータを金型移動台の金型移動レールの下面側に位置させて、金型搬送装置の位置を低くして、金型を移動させることができ、装置全体の高さを低くすることができ、装置の必要スペースをすくなくすることができる。
【0018】
請求項3の本発明は、金型係合ピンは、金型接続孔にシリンダで進退自在に取付けられた金型搬送構造である。
【0019】
請求項3の本発明では、金型係合ピンは、金型接続孔にシリンダで進退自在に取付けられているため、シリンダにより、金型係合ピンを金型接続孔に確実に挿入して、金型と金型搬送装置を係合することができ、金型係合ピンの取外しも容易にできる。
【0020】
請求項4の本発明は、金型移動モータは、減速機と接続され、金型移動歯車は、減速機に取付けられた金型搬送構造である。
【0021】
請求項4の本発明では、金型移動モータは、減速機と接続され、金型移動歯車は、減速機に取付けられているため、金型移動モータの回転が減速機により回転数を下げて、金型移動歯車を回転させる力を強くして、確実に金型を移動させることができる。
【0022】
請求項5の本発明は、金型移動モータは、サーボモータである金型搬送構造である。
【0023】
請求項5の本発明では、金型移動モータは、サーボモータであるため、金型移動歯車の回転数を制御して、金型の移動を精密に制御することができる。
【0024】
請求項6の本発明は、金型移動台の金型移動レールの下方に、ガイドレールを設け、金型搬送装置は、ガイドレールに摺動自在に取付けられるガイドレール係合部材を設け、ガイドレール係合部材をガイドレールに取付けて、金型搬送装置をガイドレールに沿って移動させる金型搬送構造である。
【0025】
請求項6の本発明では、金型移動台の金型移動の下方に、ガイドレールを設け、金型搬送装置は、ガイドレールに摺動自在に取付けられるガイドレール係合部材を設け、ガイドレール係合部材をガイドレールに取付けて、金型搬送装置をガイドレールに沿って移動させている。このため、金型搬送装置の主要部分をガイド部材により金型移動台の下方のガイドレールに取付けて、金型搬送装置を確実に保持して、ガイドレールに沿って金型搬送装置を移動させることができる。
【0026】
請求項7の本発明は、金型移動台の金型移動レールの上面には金型移動ローラが設けられた金型搬送構造である。
【0027】
請求項7の本発明では、金型移動台の金型移動レールの上面には金型移動ローラが設けられているため、金型の移動が円滑である。
【0028】
請求項8の本発明は、金型搬送装置は、2本の金型移動台にそれぞれ取付けられて、金型係合ピンが、金型の2個の割型のそれぞれの金型係合突起に係合する金型搬送構造である。
【0029】
請求項8の本発明では、本発明の金型搬送構造は、2本の金型移動台にそれぞれ取付けられて、金型係合ピンが、金型の2個の割型のそれぞれの金型係合突起に係合する。このため、金型の2個の割型をそれぞれの金型搬送装置により確実に移動させることができ、金型搬送装置を小型化して、金型搬送装置の寸法を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0030】
金型移動台の金型移動レールの下面に歯車が噛み合う金型移動ラックを設けているため、金型搬送装置の金型移動歯車の位置を低くして、金型移動台の下に金型搬送装置を設けることができる。
レール間溝に金型搬送装置を取付け、金型搬送装置は、金型係合ピンと、金型移動歯車と、金型移動モータを有しているため、金型係合ピンを金型接続孔に挿入して、金型と金型搬送装置を係合し、金型移動モータにより金型移動歯車を駆動して、金型移動ラックに沿って金型を移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施の形態である金型搬送装置を金型移動台の間に設けた斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態である金型搬送装置の
図4におけるA―A線に沿った断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態である金型搬送装置の正面図である。
【
図4】本発明の実施の形態である金型搬送装置の底面図である。
【
図5】本発明の実施の形態である金型搬送装置の平面図である。
【
図6】本発明の実施の形態である金型搬送構造を使用したブロー成形の工程を示す模式図であり、第1金型を開いてブロー成形機に取付けた状態の図である。
【
図7】本発明の実施の形態である金型搬送構造を使用したブロー成形の工程を示す模式図であり、第1金型を閉じてブロー成形をした状態の図である。
【
図8】本発明の実施の形態である金型搬送構造を使用したブロー成形の工程を示す模式図であり、ブロー成形をした第1金型を取り出した状態の図である。
【
図9】本発明の実施の形態である金型搬送構造を使用したブロー成形の工程を示す模式図であり、第2金型を閉じてブロー成形機に取付けた状態の図である。
【
図10】本発明の実施の形態である金型搬送構造を使用したブロー成形の工程を示す模式図であり、第2金型を開いた状態の図である。
【
図11】本発明の実施の形態である金型搬送構造を使用したブロー成形の工程を示す模式図であり、第2金型を開いてブロー成形品を取り出した状態の図である。
【
図12】従来のプレス成形において、2つの金型を移動させる装置の平面図である。
【
図13】従来のプレス成形において、2つの金型を移動させる装置の側面図である。
【
図14】従来のプレス成形において、2つの金型を移動させる装置のラックとピニオンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施の形態である金型搬送構造について、
図1~
図11に基づき説明する。
まず、
図1~
図5に基づき、金型搬送構造である金型搬送装置30と、金型搬送装置30を取付ける金型移動台20について説明し、その後、
図6~
図11に基づき、金型搬送構造を使用したブロー成形方法について説明する。
図6に示すように、金型搬送装置30により搬送される金型は、第1金型10と第2金型11の2個あるが、第1金型10の搬送を例にとり説明する。第2金型11の搬送についても同様である。
【0033】
図1に示すように、第1金型10は、パーティングラインで別れた割型10aと割型10bを有して、割型10aと割型10bは、それぞれ左右の金型移動台20の金型移動レール21の上に置かれている。左右の金型移動台20の間にはレール間溝24が形成されて、レール間溝24には2個の金型搬送装置30が取付けられて、2個の金型搬送装置30はそれぞれ割型10aと割型10bを搬送するように取付けられている。
【0034】
図2に示すように、金型移動台20の金型移動レール21の上面には、割型10aと割型10bを移動させるために金型移動ローラ21aが多数個取付けられている。また、金型移動レール21の下面側には、金型移動ラック22が形成されている。金型移動レール21の下面は後述する金型移動歯車36が篏合する金型移動ラック22が連続して形成されている。
【0035】
なお、
図2に示すように、金型移動台20の外側には、割型10aと割型10bの外側面の下部に当接して、金型移動台20の金型移動レール21から第1金型10が外れないようにガイドローラ26を設けることができる。ガイドローラ26は、金型移動台20に沿って金型の移動経路に多数個取付けることができる。
【0036】
また、金型移動台20の金型移動レール21の下方には、横方向に金型移動レール21と並行して延設される金型移動ガイドレール23が取付けられている。金型移動ガイドレール23は、後述する金型搬送装置30のガイドレール係合部材37が横方向に摺動自在に係合するように取付けられる。
【0037】
図1に示すように、第1金型10の割型10aと割型10bの側端の金型移動台20の金型移動レール21の上面に当接又は近接するように、金型係合突起12が設けられている。金型係合突起12は、金型接続孔13が形成されている。金型接続孔13には後述する金型搬送装置30の金型係合ピン31が進退自在に挿入される。
【0038】
次に、金型搬送装置30について説明する。
図2に示すように、金型搬送装置30には、上部は金型係合台33が形成され、金型係合台33には、金型係合ピン31と金型係合ピン31を進退自在に摺動させる金型係合ピンシリンダ32が取付けられている。金型係合ピン31と金型係合ピンシリンダ32は、金型移動台20の金型移動レール21の上面よりも上方に突出して設けられて、金型係合ピン31が金型移動レール21の上面側に置かれた金型係合突起12の金型接続孔13に挿入可能な位置に設けられている。
【0039】
図3~
図5に示すように、金型搬送装置30の下部には金型移動モータ34と減速機35が設けられている。金型移動モータ34と減速機35は、タイミングベルト35aで連結され、金型移動モータ34の回転を減速機35に伝えている。
減速機35には、金型移動歯車36が取付けられて、金型移動歯車36は、金型移動台20の金型移動レール21の下面に形成された金型移動ラック22に係合している。
【0040】
図2に示すように、減速機35の金型移動ガイドレール23と対向する面にはガイドレール係合部材37が設けられている。本実施の形態では、ガイドレール係合部材37の断面形状は、C字形又はコ字形の先端に開口部側に突起が形成された形状である。ガイドレール係合部材37が金型移動ガイドレール23の上辺と下辺を挟むように係合して、金型搬送装置30を保持するとともに、横方向に摺動自在とすることができる。
【0041】
ガイドレール係合部材37は、金型移動モータ34の金型移動レール21と対向する面にも取付けられて、金型移動モータ34を保持している。
なお、ガイドレール係合部材37は、本実施の形態の形状以外でも、金型移動ガイドレール23に係合して、摺動自在にスライドできる形状であれば、移用することができる。
【0042】
次に、
図6~
図11に基づき、金型搬送装置30を使用したブロー成形方法について説明する。
図6は、第1金型10を開いて、左右の割型10a,10bをブロー成形機40の金型取付板41、41に取付けた状態と、第2金型11はブロー成形が終了してキャビティー内にブロー成形品50が挟持されて、冷却中の状態を示す図である。
この時、パリソン2は、ブロー成形機40の外から左右の割型10a,10bの間に移送されようとしている。
【0043】
次の段階は、
図7に示すように、左右の割型10a,10bにパリソン2を置き、第1金型10を閉じて、第1金型10のキャビティー内でブロー成形を行う。その時は、第2金型11のブロー成形が既に終わり、第2金型11のキャビティー内にブロー成形品50が挟持されて、冷却を継続中である。
次に、
図8に示すように、金型搬送装置30により第1金型10をブロー成形機40から取り出す。
【0044】
金型搬送装置30による第1金型10の取り出しは、
図1に示すように、金型搬送装置30の金型係合ピン31を第1金型10の割型10aと10bに取付けられた金型係合突起12の部分に位置するように移動させる。
次に、金型係合ピンシリンダ32を作動させて、金型係合ピン31を金型係合突起12の金型接続孔13に挿入させる。割型10aと10bの両方の金型接続孔13に金型係合ピン31を挿入する。
【0045】
次に、金型移動モータ34を駆動させて、減速機35に取付けた金型移動歯車36を回転させる。金型移動歯車36が回転すると、金型移動レール21の裏面に形成された金型移動ラック22に係合されて、金型搬送装置30が動き、金型係合ピン31に係合された金型係合突起12と第1金型10の割型10a,10bが移動を始める。減速機35は、金型移動モータ34の回転数を減速させて、強い回転力で第1金型10の割型10a,10bを移動させることができる。
【0046】
この時、金型搬送装置30は、ガイドレール係合部材37により、金型移動台20の金型移動ガイドレール23に保持されているため、金型移動台20に沿って横方向にスムースに移動することができる。
また、金型移動モータ34は、サーボモータを使用すると、第1金型10の移動量を確実に制御することができる。
【0047】
第1金型10の移動が終了すると、金型係合ピンシリンダ32を作動させて、金型係合ピン31を金型係合突起12の金型接続孔13から抜き取りする。
これにより、第1金型10は、金型搬送装置30との係合を解かれて、移動することが可能となる。
【0048】
次に、
図9に示すように、第1金型10と第2金型11を乗せたパレットを動かし、第1金型10と第2金型11の位置をずらして、さらに、金型搬送装置30により、第2金型11を移動させて、第2金型11の左右の割型11a,11bをブロー成形機40の金型取付板41、41に取付ける。
その時は、第1金型10のキャビティー内にブロー成形品50が挟持されて、冷却を継続中である。
【0049】
次に、
図10に示すように、第2金型11の左右の割型11a,11bを開いて、キャビティー内からブロー成形品50を取り出す。
次に、
図11に示すように、ブロー成形機40からブロー成形品50を取り出す。そして、
図6に示すように、左右の割型11a,11bの間にパリソン2を移送して、左右の割型11a,11bを閉じて、ブロー成形を行う。その時も、第1金型10のキャビティー内にブロー成形品50が挟持されて、冷却を継続中である。
この作業を繰り返す。
【符号の説明】
【0050】
2 パリソン
10 第1金型
11 第2金型
12 金型係合突起
13 金型接続孔
20 金型移動台
22 金型移動ラック
23 金型移動ガイドレール
30 金型搬送装置
31 金型係合ピン
36 金型移動歯車