(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】複合構造体に対する熱事象と衝撃事象を監視する取り外し可能な色証拠アセンブリ、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01K 11/12 20210101AFI20220113BHJP
G01D 21/02 20060101ALI20220113BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20220113BHJP
B64F 5/60 20170101ALI20220113BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20220113BHJP
G01L 1/24 20060101ALI20220113BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20220113BHJP
G01K 11/32 20210101ALI20220113BHJP
【FI】
G01K11/12 B
G01D21/02
B64C1/00 B
B64F5/60
G01M99/00 Z
G01L1/24 Z
G01L5/00 F
G01K11/32 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017101512
(22)【出願日】2017-05-23
【審査請求日】2020-04-27
(32)【優先日】2016-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(73)【特許権者】
【識別番号】514104933
【氏名又は名称】ユニヴァーシティ オブ ワシントン
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・イー・トイヴォラ
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・クワン-ユエ・ジェン
(72)【発明者】
【氏名】セイ-フム・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ディー・フリン
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ジー・ウィンター
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・イー・ジョージソン
(72)【発明者】
【氏名】ウェスリー・エル・ホルマン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・アール・グリーソン
(72)【発明者】
【氏名】スコット・アール・ジョンストン
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-164298(JP,A)
【文献】特表2015-520850(JP,A)
【文献】特開2013-217189(JP,A)
【文献】特開2014-229657(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0326198(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0126273(US,A1)
【文献】米国特許第04560286(US,A)
【文献】特表2016-503491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
G01D 21/00-21/02
G01L 1/24、5/00
B64C 1/00
B64F 5/60
G01M 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合構造体(14)の表面(16)に対する熱事象(18)と衝撃事象(20)を監視する取り外し可能な色証拠アセンブリ(10)であって、
ポリマーフィルム層(32)の一つ以上の部分(36)に或る配置(42)で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体(40)を備え、
各色証拠幾何学的構成体(40)が接着剤(58)中に取り込まれた同じタイプ(48a)の複数の色プローブ(50)を備え、該複数の色証拠幾何学的構成体(40)のうち少なくとも二つが、前記複合構造体(14)の表面(16)に対する熱事象(18)と衝撃事象(20)の一方に対して前記同じタイプ(48a)の複数の色プローブ(50)の感知性能と異なる感知性能(52)を有する異なるタイプ(48b)の色プローブ(50)を有し、
前記ポリマーフィルム層(32)及び前記複数の色証拠幾何学的構成体(40)が、前記複合構造体(14)の表面(16)に直接且つ連続的に取り外し可能に適用されるように構成され且つ前記複合構造体(14)の表面(16)に対する熱事象(18)と衝撃事象(20)を監視するように構成された取り外し可能な色証拠アップリケ(12)として該取り外し可能な色証拠アセンブリ(10)を形成していて、
前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)が、前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)が適用される前記複合構造体(14)の表面(16)にわたる熱試験測定(18a)と衝撃試験測定(20a)を行うように構成された多重感知アップリケ(13)であり、前記複合構造体(14)の試験後に前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)が分析のために取り外される、取り外し可能な色証拠アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記複数の色証拠幾何学的構成体(40)が前記複合構造体(14)の表面(16)と前記ポリマーフィルム層(32)との間にある、
請求項1に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ(10)。
【請求項3】
バッキングフィルム層(60)及び感圧接着剤層(70)を更に備え、
前記バッキングフィルム層(60)が前記複数の色証拠幾何学的構成体(40)に結合され、前記感圧接着剤層(70)が前記バッキングフィルム層(60)に結合されている、請求項1又は2に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ(10)。
【請求項4】
前記ポリマーフィルム層(32)が、透明であり、略華氏130度から略華氏500度までの間の温度範囲において安定な高温ポリマーフィルム層(32a)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ(10)。
【請求項5】
前記複数の色証拠幾何学的構成体(40)が、前記ポリマーフィルム層(32)の一つ以上の部分(36)に隣接する繰り返し配置(42a)で個別に結合されていて、各色証拠幾何学的構成体(40)が、矩形ストリップ(44a)と正方形構成(44b)の一方を有する幾何学的構成(44)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ(10)。
【請求項6】
前記複数の色プローブ(50)が、サーモクロマティックプローブ(54)とメカノクロマティックプローブ(56)の一方を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ(10)。
【請求項7】
取り外し可能な色証拠システム(100)を用いて、複合構造体(14)の表面(16)に対する熱事象(18)と衝撃事象(20)を監視する方法(160)であって、
前記取り外し可能な色証拠システム(100)を提供するステップ(162)であって、前記取り外し可能な色証拠システム(100)が、
熱事象(18)と衝撃事象(20)の一方について試験及び監視される表面(16)を有する複合構造体(14)と、
ポリマーフィルム層(32)の一つ以上の部分(36)に或る配置(42)で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体(40)を有する取り外し可能な色証拠アップリケ(12)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ(10)であって、各色証拠幾何学的構成体(40)が接着剤(58)中に取り込まれた同じタイプ(48a)の複数の色プローブ(50)を備え、前記複数の色証拠幾何学的構成体(40)のうち少なくとも二つが、前記複合構造体(14)の表面(16)に対する熱事象(18)と衝撃事象(20)の一方を感知するための前記同じタイプ(48a)の複数の色プローブ(50)の感知性能と異なる感知性能を有する異なるタイプ(48b)の色プローブ(50)を有する、取り外し可能な色証拠アセンブリ(10)と、
光源(96)と、
撮像デバイス(106)と、
データ処理システム(110)とを備える、ステップ(162)と、
試験及び監視される複合構造体(14)の表面(16)上に直接且つ連続的に前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)を適用するステップ(164)と、
前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)が適用された前記複合構造体(14)を一つ以上の温度(26)と一つ以上の衝撃(28)の一方に所定の期間(30a)にわたって晒すことによって、前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)が適用された前記複合構造体(14)を試験するステップ(166)と、
前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)を前記光源(96)で照らして、前記光源(96)に応答して異なる所定の時間‐温度範囲(31)内で蛍光発光するように前記異なるタイプ(48b)の色プローブ(50)を活性化させるステップ(170)と、
前記撮像デバイス(106)を用いて、前記光源(96)に対する前記異なるタイプ(48b)の色プローブ(50)の色応答(22)の一つ以上の画像(104)を取得するステップ(172)であって、前記色応答(22)が一つ以上の色変化(24)と一つ以上の強度変化(25)を含む、ステップ(172)と、
前記データ処理システム(100)を用いて、前記色応答(22)に基づき、所定の閾値温度(26a)を超える温度(26)と所定の閾値衝撃(28a)を超える衝撃(28)の一方を受けた前記複合構造体(14)の表面(16)上の領域(102)を特定するステップ(174)とを備える方法(160)。
【請求項8】
前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)が適用された前記複合構造体(14)を試験するステップ(166)の後であって、前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)を前記光源(96)で照らして、前記光源(96)に応答して異なる所定の時間‐温度範囲(31)内で蛍光発光するように前記異なるタイプ(48b)の色プローブ(50)を活性化させるステップ(170)の前に、前記複合構造体(14)から前記色証拠アップリケ(12)を取り外すステップ(168)を更に備える請求項7に記載の方法(160)。
【請求項9】
前記取り外し可能な色証拠システム(100)を提供するステップ(162)が、バッキングフィルム層(60)及び感圧接着剤層(70)を有する取り外し可能な色証拠アップリケ(12)を提供することを備え、前記バッキングフィルム層(60)が前記複数の色証拠幾何学的構成体(40)に結合され、前記感圧接着剤層(70)が前記バッキングフィルム層(60)に結合される、請求項7又は8に記載の方法(160)。
【請求項10】
前記取り外し可能な色証拠システム(100)を提供するステップ(162)が、三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体(40d)を有する取り外し可能な色証拠アップリケ(12)を提供することを備え、前記三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体(40d)の各々が、三種の異なる所定の時間‐温度範囲(31)内で蛍光発光するように構成された異なるタイプ(48b)の色プローブ(50)を有する、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法(160)。
【請求項11】
前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)が適用された前記複合構造体(14)を試験するステップ(166)の前に、前記複合構造体(14)に取り付けられた一つ以上のサーモカップル(154)を用いて、前記複合構造体(14)の表面(16)上に適用された前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)中の複数の色プローブ(50)の較正を行うステップ(152)を更に備える請求項7から10のいずれか一項に記載の方法(160)。
【請求項12】
前記取り外し可能な色証拠アップリケ(12)が適用された前記複合構造体(14)を試験するステップ(166)が、飛行試験(156a)と熱試験(156b)と衝撃試験(156c)のうち一つを含む試験(156)を行うことによって、航空機複合構造体(14a)を試験することを備える、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法(160)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に複合構造体を監視及び評価するためのシステム及び方法に係り、特に航空機複合構造体等の複合構造体の表面に対する熱事象と機械的衝撃事象を監視及び評価するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合構造体は、その高い強度対重量比、耐腐食性及び他の好ましい特性のため、航空機、宇宙船、回転翼機、船舶、自動車、他の乗り物や構造体の製造等の多様な応用において使用され得る。特に、航空機の製造において、複合構造体は、航空機の尾翼部、翼、胴体及び他の部品を形成するのに用いられ得る。
【0003】
航空機複合構造体や部品等の複合構造体や部品の製造中においては、複合構造体や部品の領域全体にわたる熱特性及び均一な温度分布を理解及び制御することが重要であり、また、熱的問題や機械的衝撃問題を受けている領域を特定することが重要である。断熱ブランケット等の熱保護システム(TPS,thermal protection system)を用いて、高温や高熱(例えば、250°F(華氏度)よりも高い)に晒され得るエンジンカウリングやカバーの内壁等の推進システムの構造体や部品を断熱し得る。高熱がTPSに入り込むと、TPSは適切に又は設計通りに機能しなくなり得て、就航問題を生じさせ得る。
【0004】
複合構造体や部品やTPSを監視するため、複合構造体や部品の多様な箇所に取り付けられた複数のサーモカップルを用いて、飛行試験中、地上試験中、及び/又は就航時監視中において多様な箇所の温度を測定するという既知のシステム及び方法が存在している。しかしながら、このような既知のシステム及び方法では、サーモカップルは特定点の箇所における温度のみを測定し得て、他の箇所における範囲外の温度情報を測定しないものとなり得る。カバー範囲はサーモカップルをいくつ用いるのかに依存するので、サーモカップルのみを用いて完全なカバー範囲の温度監視及び温度マッピングを提供することは難しく又は非現実的になり得る。例えば、大きな又は複雑な構造体や部品に多数のサーモカップルを位置決めすることは、設置の時間と労力を増やし得る。更に、サーモカップルの取り外しが、結果として製造された構造体や部品に対して、樹脂ポケット、樹脂“バンプ”、皺、幾何学的形状問題等の跡を生じさせ得る。
【0005】
更に、既知の熱測定コーティング等の複合構造体を監視するための他の既知のシステム及び方法は、必要とされる熱監視の範囲や精度を有さないものであり得て、簡単に取り付けたり取り外したりできないものであり得て、試験プログラムでの有効な使用に十分な量を簡単に製造することができないものであり得る。また、このような既知の熱測定コーティングは、複合構造体の表面上に連続的で均一に完全に接触して適用することができないものであり得て、その応答の分析及び処理のために取り外し可能であったり簡単に取り外したりすることができないものであり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、当該分野においては、既知のシステム及び方法に対する利点を提供する複合構造体の表面に対する熱事象及び衝撃事象を監視するための改善されたアセンブリ、システム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の例示的な実施形態は、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視するための改善されたアセンブリ、システム及び方法を提供する。以下の詳細な説明において説明するように、改善されたアセンブリ、システム及び方法の実施形態は、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視するための既存のシステム及び方法に対する利点を提供する。
【0009】
また、本開示の例示的な実施形態は、飛行試験中、地上試験中、就航時監視中、又は他の試験や監視中において複合構造体や部品の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視するための改善されたアセンブリ、システム及び方法を提供する。
【0010】
一実施形態では、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視する取り外し可能な色証拠アセンブリが提供される。取り外し可能な色証拠アセンブリは、ポリマーフィルム層の一つ以上の部分に繰り返し配置で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体を備える。
【0011】
各色証拠幾何学的構成体は、接着剤中に取り込まれた同じタイプの複数の色プローブを備える。複数の色証拠幾何学的構成体のうち少なくとも二つは、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象の一方について異なる感知性能を有する異なるタイプの色プローブを有する。
【0012】
ポリマーフィルム層及び複数の色証拠幾何学的構成体は、複合構造体の表面に直接且つ連続的に取り外し可能に適用されるように構成され且つ複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視するように構成された取り外し可能な色証拠アップリケとして取り外し可能な色証拠アセンブリを形成する。
【0013】
他の実施形態では、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視する取り外し可能な色証拠システムが提供される。取り外し可能な色証拠システムは、熱事象と衝撃事象の一方について試験及び監視される表面を有する複合構造体を備える。
【0014】
取り外し可能な色証拠システムは、試験及び監視される複合構造体の表面上に直接且つ連続的に適用された取り外し可能な色証拠アップリケで構成される取り外し可能な色証拠アセンブリを更に備える。取り外し可能な色証拠アセンブリは、ポリマーフィルム層の一つ以上の部分に繰り返し配置で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体を備える。各色証拠幾何学的構成体は、接着剤中に取り込まれた同じタイプの複数の色プローブを備え、複数の色証拠幾何学的構成体のうち少なくとも二つは、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象の一方を感知するための異なる感知性能を有する異なるタイプの色プローブを有する。
【0015】
取り外し可能な色証拠システムは、複合構造体に適用された取り外し可能な色証拠アップリケ中の複数の色プローブを活性化するように構成された光源を更に備える。各異なるタイプの色プローブは、異なる所定の時間‐温度範囲内において蛍光発光するように構成される。
【0016】
取り外し可能な色証拠システムは、光源に対する異なるタイプの色プローブの色応答の一つ以上の画像を撮像及び記録するように構成された撮像デバイスを更に備える。色応答は、一つ以上の色変化と一つ以上の強度変化を含む。
【0017】
取り外し可能な色証拠システムは、色応答に基づいて、一つ以上の画像を処理及び分析して、所定の閾値温度を超える温度と所定の閾値衝撃を超える衝撃の一方を受けた複合構造体の表面上の領域を特定するように構成されたデータ処理システムを更に備える。
【0018】
他の実施形態では、取り外し可能な色証拠システムを用いて、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視する方法が提供される。本方法は、取り外し可能な色証拠システムを提供するステップを備える。
【0019】
取り外し可能な色証拠システムは、熱事象と衝撃事象の一方について試験及び監視される表面を有する複合構造体を備える。取り外し可能な色証拠システムは、ポリマーフィルム層の一つ以上の部分に繰り返し配置で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体を有する取り外し可能な色証拠アップリケで構成される取り外し可能な色証拠アセンブリを更に備える。各色証拠幾何学的構成体は、接着剤中に取り込まれた同じタイプの複数の色プローブを備える。複数の色証拠幾何学的構成体のうち少なくとも二つは、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象の一方を感知するための異なる感知性能を有する異なるタイプの色プローブを有する。取り外し可能な色証拠システムは、光源と、撮像デバイスと、データ処理システムとを更に備える。
【0020】
本方法は、試験及び監視される複合構造体の表面上に直接且つ連続的に取り外し可能な色証拠アップリケを適用するステップを更に備える。本方法は、取り外し可能な色証拠アップリケが適用された複合構造体を一つ以上の温度と一つ以上の衝撃の一方に所定の期間にわたって晒すことによって、取り外し可能な色証拠アップリケが適用された複合構造体を試験するステップを更に備える。
【0021】
本方法は、取り外し可能な色証拠アップリケを光源で照らして、光源に応答して異なる所定の時間‐温度範囲内で蛍光発光するように異なるタイプの色プローブを活性化するステップを更に備える。本方法は、撮像デバイスを用いて、光源に対する異なるタイプの色プローブの色応答の一つ以上の画像を取得するステップを更に備える。色応答は、一つ以上の色変化と一つ以上の強度変化を含む。
【0022】
本方法は、データ処理システムを用いて、色応答に基づき、所定の閾値温度を超える温度と所定の閾値衝撃を超える衝撃の一方を受けた複合構造体の表面上の領域を特定するステップを更に備える。
【0023】
他の実施形態では、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視する取り外し可能な色証拠アセンブリを作製する方法が提供される。本方法は、複数の色プローブを接着剤と混合して、複数の個別の色証拠幾何学的構成体を形成するステップを備える。複数の色プローブは、第一組の色プローブと、第二組の色プローブと、第三組の色プローブとを少なくとも備える。
【0024】
本方法は、各色証拠幾何学的構成体上にポリマーフィルム層を適用して、複数の取り外し可能な色証拠アセンブリを形成するステップを更に備える。本方法は、各取り外し可能な色証拠アセンブリを複数の個別の矩形ストリップに分割するステップを更に備える。
【0025】
本方法は、バッキングフィルム上に隣接する繰り返し配置で矩形ストリップを適用するステップを更に備える。本方法は、色証拠幾何学的構成体及びポリマーフィルム層が取り付けられたバッキングフィルム層に感圧接着剤(PSA)層を適用して、複合構造体の表面上に適用されるように構成された取り外し可能な色証拠アップリケで構成される取り外し可能な色証拠アセンブリを形成するステップを更に備える。
【0026】
上述の特徴、機能及び利点は、本開示の多様な実施形態において独立的に達成可能であり、又は更に他の実施形態において組み合わせ可能であり、これらの更なる詳細については、以下の説明及び図面を参照することでわかる。
【0027】
必ずしも縮尺通りには描かれておらず好ましい例示的な実施形態を例示する添付図面を参照して以下の詳細な説明を参照することで、本開示がより良く理解可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの一実施形態の概略断面斜視図である。
【
図1B】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの他の実施形態の概略断面斜視図である。
【
図1C】複合構造体に結合された
図1Aの取り外し可能な色証拠アセンブリの概略断面斜視図である。
【
図1D】複合構造体に結合された
図1Bの取り外し可能な色証拠アセンブリの概略断面斜視図である。
【
図2A】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの更に他の実施形態の概略断面斜視図である。
【
図2B】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの更に他の実施形態の概略断面斜視図である。
【
図2C】複合構造体に結合された
図2Aの取り外し可能な色証拠アセンブリの概略断面斜視図である。
【
図2D】複合構造体に結合された
図2Bの取り外し可能な色証拠アセンブリの概略断面斜視図である。
【
図3A】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの更に他の実施形態の概略断面斜視図である。
【
図3B】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの更に他の実施形態の概略断面斜視図である。
【
図3C】複合構造体に結合された
図3Aの取り外し可能な色証拠アセンブリの概略断面斜視図である。
【
図3D】複合構造体に結合された
図3Bの取り外し可能な色証拠アセンブリの概略断面斜視図である。
【
図4A】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの更に他の実施形態の概略断面斜視図である。
【
図4B】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの更に他の実施形態の概略断面斜視図である。
【
図4C】複合構造体に結合された
図4Aの取り外し可能な色証拠アセンブリの概略断面斜視図である。
【
図4D】複合構造体に結合された
図4Bの取り外し可能な色証拠アセンブリの概略断面斜視図である。
【
図5】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの更に他の実施形態の概略断面斜視図である。
【
図6】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの更に他の実施形態の概略断面斜視図である。
【
図7】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリの一実施形態を作製する方法を示す概略的なフローチャートである。
【
図8】本開示の取り外し可能な色証拠システムの例示的な実施形態を示す機能ブロック図である。
【
図9】本開示の取り外し可能な色証拠システムの一実施形態の概略図である。
【
図10】本開示の取り外し可能な色証拠システムの他の実施形態の概略図である。
【
図11】蛍光強度・対・活性化された色プローブの波長のプロットを表すグラフである。
【
図12】本開示の取り外し可能な色証拠システムを用いて、複合構造体に対する熱事象と衝撃事象を監視する方法を示す例示的なフローチャートである。
【
図13】本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ、取り外し可能な色証拠システム、及び方法の実施形態を用いて試験又は監視可能な一つ以上の複合構造体を含む飛行体の斜視図である。
【
図14】例示的な航空機製造及び保守方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の複数の図面は、与えられている実施形態の多様な態様を表すものであり、相違点についてのみ詳細に説明する。
【0030】
以下、本開示の実施形態の一部を示すものであって全部を示すものではない添付図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。実際、複数の異なる実施形態が与えられるが、本願に与えられている実施形態に限定して解釈されるものではない。むしろ、これら実施形態は、本開示を徹底的なものにして、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように与えられている。
【0031】
以下図面を参照すると、
図1A~
図6は、本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の例示的な実施形態の断面斜視図を示す。一実施形態では、航空機複合構造体14a(
図1C、
図2C、
図3C、
図4C、
図8、
図13を参照)等の複合体構造体14(
図1C、
図2C、
図3C、
図4C、
図8、
図13を参照)の表面16(
図8を参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)を監視するための取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図6を参照)が提供される。熱事象18(
図8を参照)として、複合構造体14(
図1C、
図2C、
図3C、
図4C、
図4、
図13を参照)の表面16(
図8を参照)を高温(例えば、130°F~500°F又はこれ以上)や熱負荷に晒すことが挙げられるが、これに限定されるものではない。衝撃事象20(
図8を参照)として、複合構造体14(
図1C、
図2C、
図3C、
図4C、
図8、
図13を参照)の表面16(
図8を参照)に為される機械的衝撃、機械的衝撃負荷や力(例えば、0.5ジュールから10ジュール)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図6を参照)は、テープ形状等のロールや他の適切な形状で形成され得る。
【0032】
図8~
図10は、取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図6を参照)の実施形態を組み込む本開示の取り外し可能な色証拠システム100の例示的な実施形態を示す。他の実施形態では、複合構造体14(
図8、
図9を参照)の表面16(
図8、
図9を参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)を監視するための取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)が提供される。
【0033】
以下、
図1Aを参照すると、
図1Aは、取り外し可能な色証拠アセンブリ10a等の一実施形態の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の断面斜視図の概略図である。
図1Aに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10a等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、取り外し可能な色証拠アップリケ12aの等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される。
【0034】
以下、
図1Bを参照すると、
図1Bは、取り外し可能な色証拠アセンブリ10b等の他の実施形態の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の断面斜視図の概略図である。
図1Bに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10b等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、取り外し可能な色証拠アップリケ12bの等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される。
【0035】
図1A~
図1Bに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、二層の取り外し可能な色証拠アセンブリ11aを備える。二層の取り外し可能な色証拠アセンブリ11a(
図1A~
図1Bを参照)は、色プローブ層38(
図1A~
図1Bを参照)に結合されたポリマーフィルム層32(
図1A~
図1Bを参照)を備える。
【0036】
ポリマーフィルム層32(
図1A~
図1Bを参照)は、好ましくは、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE,ethylene tetrafluoroethylene)フィルムや他の適切なポリマーフィルム等の高温ポリマーフィルム層32a(
図1A~
図1Bを参照)を備える。好ましくは、ポリマーフィルム層32(
図1A~
図1Bを参照)は略130°F(華氏130度)から略500°F(華氏500度)までの間の温度範囲内において安定である。好ましくは、ポリマーフィルム層32(
図1A~
図1Bを参照)は光学的に透明である。
【0037】
図1A~
図1Bに示されるように、ポリマーフィルム層32は、第一面34a及び第二面34bを有し、また、一つ以上の部分36を備える。一実施形態では、
図1Aに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10a等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、複数の部分36aに分割され、切断され、又は細長く切られたポリマーフィルム層32を備える。この実施形態は、個々のセグメント又はストリップのメンテナンスを簡単にすることを可能にし得て、所定の個々のセグメント又はストリップのオフライン分析を簡単にすることを可能にし得て、また、皺や曲げを生じさせずに、起伏のある表面上に取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)を設置することを改善することができる。
【0038】
他の実施形態では、
図1Bに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10b等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、単一部分36bとしてポリマーフィルム層32を備える。この実施形態は、ポリマーフィルム層32を複数の部分36a(
図1Aを参照)に切断したり分割したりせずに単一部分36bとして維持することが望まれる場合に、製造を簡単にすることを可能にし得る。
【0039】
図1A~
図1Bに示されるように、色プローブ層38は、例えば二重プローブ層38bとして、多重プローブ層38aを備える。取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図1Bを参照)の色プローブ層38(
図1A~
図1Bを参照)は、ポリマーフィルム層32(
図1A~
図1Bを参照)の一つ以上の部分36(
図1A~
図1Bを参照)に対して、隣接する繰り返し配置42a(
図1A~
図1Bを参照)等の或る配置42(
図1A~
図1Bを参照)で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体40(
図1A~
図1Bを参照)を備える。
【0040】
各色証拠幾何学的構成体40(
図1A~
図1B、
図7、
図8を参照)は、接着剤58(
図7、
図8を参照)中に取り込まれた同じタイプ48a(
図8を参照)の複数の色プローブ50(
図7、
図8を参照)を備える。複数の色証拠幾何学的構成体40(
図1A~
図1B、
図7、
図8を参照)各々のうち少なくとも二つは、異なるタイプ48b(
図8を参照)の色プローブ50(
図7、
図8を参照)を有し、複合構造体14(
図8を参照)の表面16(
図8を参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)の一方について異なる感知性能52(
図8を参照)を有する。個別の色証拠幾何学的構造体40各々における異なるタイプ48b(
図8を参照)の各色プローブ50(
図7、
図8を参照)は、好ましくは異なる所定の時間‐温度範囲31(
図8を参照)を有し、以下で詳細に説明するように、その範囲内において、色プローブ50が、光源94(
図8~
図10を参照)での照明に応答して活性化又は蛍光発光するように構成される。
【0041】
図1A~
図1Bに示されるように、各色証拠幾何学的構成体40は、矩形ストリップ44a等の幾何学的構成44を有し、各色証拠幾何学的構成体40は第一面46a及び第二面46bを有する。各色証拠の幾何学的構成44(
図1A~
図1B、
図8を参照)は、矩形ストリップ44a、正方形構成44b(
図6、
図8を参照)、多数の他の適切な幾何学的形状構成44(
図8を参照)のうち一つを備え得る。
【0042】
複数の色証拠幾何学的構成体40(
図1Aを参照)は、好ましくは繰り返しの色証拠幾何学的構成体40d(
図1Aを参照)を備える。一実施形態では、
図1Aに示されるように、繰り返しの色証拠幾何学的構成体40dは、第一プローブタイプ40aと第二プローブタイプ40bとの二種の繰り返しの色証拠幾何学的構成体40dを備え、第一プローブタイプ40aと第二プローブタイプ40bの各々は異なるタイプ48b(
図8を参照)の色プローブ50を有する(
図8を参照)。
【0043】
各色証拠幾何学的構成体40(
図1A~
図1B、
図7、
図8を参照)中の複数の色プローブ50(
図7、
図8を参照)は、色材51(
図8を参照)から成る。色材51(
図8を参照)は、所定の閾値温度26a(
図8を参照)において、所定の閾値衝撃28a(
図8を参照)において、及び/又は所定の時間‐温度範囲31内において活性化するように調整された色プローブ50又は蛍光色素分子を備え得る。色プローブ50(
図7、
図8を参照)は、サーモクロマティック材54a(
図8を参照)から成り且つ所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超える温度26(
図8を参照)等の熱事象18(
図8を参照)の熱試験測定18a(
図8を参照)を行うように調整されたサーモクロマティックプローブ54(
図8を参照)を備え得る。色プローブ50(
図7、
図8を参照)は、メカノクロマティック材56a(
図8を参照)から成り且つ複合構造体14(
図8を参照)に対する衝撃28(
図8を参照)等の衝撃事象20(
図8を参照)の衝撃試験測定20a(
図8を参照)を行うように調整されたメカノクロマティックプローブ56(
図8を参照)を更に備え得る。本願で開示される複数の色証拠幾何学的構成体40の実施形態は、特許文献1(米国特許第8720278号明細書、Toivola等、“Method of Detecting Inconsistencies in Composite Structures and Stress Sensitive Coating Used Therein”)に開示されているもの等の蛍光色素分子を含み得る。
【0044】
サーモクロマティックプローブ54(
図8を参照)又はサーモクロマティック材54a(
図8を参照)が、非常に高温で熱損傷を生じさせ得る温度26(
図8を参照)等の所定の閾値温度26a(
図8を参照)(その所定の閾値温度26aに対してサーモクロマティックプローブ54又はサーモクロマティック材54aは調整されている)を超える温度26(
図8を参照)に晒されることによって活性化されると、サーモクロマティックプローブ54(
図8を参照)又はサーモクロマティック材54a(
図8を参照)は、蛍光シフトを受けて、蛍光放射126(
図10を参照)を放出する。以下で更に詳細に説明するように、適切な波長の光源94(
図8~
図10を参照)によって照らされると、サーモクロマティックプローブ54(
図8を参照)又はサーモクロマティック材54a(
図8を参照)における蛍光シフトが可視になり、色変化24(
図8を参照)や色の強度変化25(
図8を参照)等として蛍光放射126(
図10を参照)を顕在化させる。
【0045】
同様に、メカノクロマティックプローブ56(
図8を参照)又はメカノクロマティック材56a(
図8を参照)が、特定の力の衝撃28(
図8を参照)等の所定の閾値衝撃28a(
図8を参照)(その所定の閾値衝撃28aに対してメカノクロマティックプローブ56又はメカノクロマティック材56aは調整されている)を超える衝撃28(
図8を参照)を受けることによって活性化されると、メカノクロマティックプローブ56(
図8を参照)又はメカノクロマティック材56a(
図8を参照)は、蛍光シフトを受けて、蛍光放射126(
図10を参照)を放出する。以下で更に詳細に説明するように、適切な波長の光源94(
図8~
図10を参照)によって照らされると、メカノクロマティックプローブ56(
図8を参照)又はメカノクロマティック材56a(
図8を参照)における蛍光シフトが可視になり、色変化24(
図8を参照)や色の強度変化25(
図8を参照)等として蛍光放射126(
図10を参照)を顕在化させる。従って、メカノクロマティックプローブ56(
図8を参照)は、機械的力に応答して色を変化させる(吸収及び放出)。
【0046】
複数の色証拠幾何学的構成体40(
図1A~
図8を参照)の製造においては、複数の色プローブ50(
図7、
図8を参照)を接着剤58(
図7、
図8を参照)に加えて取り込ませる。接着剤58(
図7、
図8を参照)は、シリコーン接着剤58c(
図7、
図8を参照)、アクリル接着剤58b(
図7、
図8を参照)、エポキシ接着剤58c(
図7、
図8を参照)、他の適切な接着剤58(
図7、
図8を参照)のうち一種以上を備え得る。好ましくは、接着剤58(
図7、
図8を参照)は感圧接着剤(PSA,pressure sensitive adhesive)59(
図7、
図8を参照)である。色プローブ層38を形成する各色証拠幾何学的構成体40は、好ましくは略0.001インチから略0.002インチまでの厚さを有する。しかしながら、他の適切な厚さを用いてもよい。
【0047】
以下、
図1C~
図1Dを参照すると、
図1Cは、航空機複合構造体14a等の複合構造体14の表面16に結合された
図1Aの取り外し可能な色証拠アセンブリ10a等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の概略断面斜視図である。
図1Dは、航空機複合構造体14a等の複合構造体14の表面16に結合された
図1Bの取り外し可能な色証拠アセンブリ10b等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の概略断面斜視図である。
【0048】
図1C~
図1Dに示されるように、複合構造体14は第一面16a及び第二面16bを有し、各色証拠幾何学的構成体40の第二面46bは複合構造体14の表面16に隣接している。取り外し可能な色証拠アップリケ12として取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1C~
図1Dを参照)は、複合構造体14(
図1C~
図1Dを参照)の表面16(
図1C~
図1Dを参照)に直接且つ連続的に取り外し可能に適用可能であるように構成され、また、複合構造体14(
図1C~
図1Dを参照)の表面16(
図1C~
図1Dを参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)を監視するように構成される。取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1C~
図1Dを参照)は、好ましくは、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1C~
図1Dを参照)が適用されている複合構造体14(
図1C~
図1Dを参照)の表面16(
図1C~
図1Dを参照)にわたって熱試験測定18a(
図8を参照)と衝撃試験測定20a(
図8を参照)を行うように構成された多重感知アップリケ13(
図8を参照)である。
【0049】
以下、
図2A~
図2Dを参照すると、
図2A~
図2Dは、色プローブ層38(
図2A~
図2Bを参照)が繰り返し配置(
図2A~
図2Bを参照)の三重プローブ層38bとして多重プローブ層38a(
図2A~
図2Bを参照)を備えるという点を除いては、
図1A~1Dに示される実施形態と同じである取り外し可能な色証拠アセンブリ10の実施形態を示す。二重プローブ層38b(
図1Aを参照)及び三重プローブ層38b(
図2Aを参照)が示されているが、三種よりも多くの異なるタイプ48b(
図8を参照)の色プローブ50(
図8を参照)等のあらゆる種類数の色プローブ50を繰り返し配置において用いて、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1C、
図2Cを参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1C、
図2Cを参照)が適用されている複合構造体14(
図1C、
図2Cを参照)の表面16(
図1C、
図2Cを参照)に対する測定を行ってもよい。
【0050】
以下、
図2Aを参照すると、
図2Aは、本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10c等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の他の実施形態の概略断面斜視図である。
図2Aに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10c等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、取り外し可能な色証拠アップリケ12c等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される。
【0051】
以下、
図2Bを参照すると、
図2Bは、本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10d等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の他の実施形態の概略断面斜視図である。
図2Bに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10d等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、取り外し可能な色証拠アップリケ12d等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される。
【0052】
図1A~
図1Bと同様に、
図2A~
図2Bに示される取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、第一面34aと、第二面34bと、複数の部分36a(
図2Aを参照)又は単一の部分36b(
図2Bを参照)を含む部分36とを有する高温ポリマーフィルム層32a等のポリマーフィルム層32を備える二層の取り外し可能な色証拠アセンブリ11aを備える。ポリマーフィルム層32(
図2A~
図2Bを参照)は、隣接する繰り返し配置42a(
図2A~
図2Bを参照)等の或る配置42(
図2A~
図2Bを参照)においてポリマーフィルム層32(
図2A~
図2Bを参照)の一つ以上の部分36(
図2A~
図2Bを参照)に個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体40(
図2A~
図2Bを参照)から成る色プローブ層38(
図2A~
図2Bを参照)に結合される。
【0053】
図2A~
図2Bに示されるように、各色証拠幾何学的構成体40は、矩形ストリップ44a形状等の幾何学的構成44を有し、各色証拠幾何学的構成体40は第一面46a及び第二面46bを有する。複数の色証拠幾何学的構成体40(
図2Aを参照)は、好ましくは、第一プローブタイプ40aと第二プローブタイプ40bと第三プローブタイプ40cとの三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体40dとして繰り返し色証拠幾何学的構成体40d(
図2Aを参照)を備え、第一プローブタイプ40aと第二プローブタイプ40bと第三プローブタイプ40cはそれぞれ異なるタイプ48b(
図8を参照)の色プローブ50(
図8を参照)を有する。複数の色証拠幾何学的構成体40(
図2A~
図2Bを参照)の製造においては、上述のように、複数の色プローブ50(
図7、
図8を参照)を接着剤58(
図7、
図8を参照)中に加えて取り込ませる。
【0054】
以下、
図2C~
図2Dを参照すると、
図2Cは、航空機複合構造体14a等の複合構造体14の表面16に結合された
図2Aの取り外し可能な色証拠アセンブリ10c等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の概略断面斜視図である。
図2Dは、航空機複合構造体14a等の複合構造体14の表面16に結合された
図2Bの取り外し可能な色証拠アセンブリ10d等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の概略断面斜視図である。取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図2C~
図2Dを参照)としての取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図2C~
図2Dを参照)は、複合構造体14(
図2C~
図2Dを参照)の表面16(
図2C~
図2Dを参照)に直接且つ連続的に取り外し可能に適用されるように構成され、また、複合構造体14(
図2C~
図2Dを参照)の表面16(
図2C~
図2Dを参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)を監視するように構成される。
【0055】
以下、
図3A~
図3Bを参照すると、
図3A~
図3Bは、
図3A~
図3Bに示される取り外し可能な色証拠アセンブリ10が、色プローブ層38に結合されたポリマフィルム層32を備え、また、追加のバッキングフィルム層60と追加の感圧接着剤(PSA)層70を備える四層の取り外し可能な色証拠アセンブリ11bを備えるという点を除いては、
図1A~
図1Bに示される実施形態と同じ取り外し可能な色証拠アセンブリ10の実施形態を示す。バッキングフィルム層60(
図3A~
図3Bを参照)は、色プローブ層38(
図3A~
図3Bを参照)の複数の色証拠幾何学的構成体40(
図3A~
図3Bを参照)に結合される。感圧接着剤(PSA)層70(
図3A~
図3Bを参照)はバッキングフィルム層60(
図3A~
図3Bを参照)に結合される。
【0056】
以下、
図3Aを参照すると、
図3Aは、本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10e等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の他の実施形態の概略断面斜視図である。
図3Aに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10e等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、取り外し可能な色証拠アップリケ12e等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される。
【0057】
以下、
図3Bを参照すると、
図3Bは、本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10f等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の他の実施形態の概略断面斜視図である。
図3Bに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10f等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、取り外し可能な色証拠アップリケ12f等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される。
【0058】
図1A~
図1Bと同様に、
図3A~
図3Bに示される取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、第一面34aと、第二面34bと、複数の部分36a(
図3Aを参照)又は単一の部分36b(
図3Bを参照)を含む部分36とを有し、色プローブ層38に結合された高温ポリマーフィルム層32a等のポリマーフィルム層32を備える。色プローブ層38(
図3A~
図3Bを参照)は、隣接する繰り返し配置42a(
図3A~
図3Bを参照)等の或る配置42(
図3A~
図3Bを参照)でポリマーフィルム層32(
図3A~
図3Bを参照)の一つ以上の部分36(
図3A~
図3Bを参照)に個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体40(
図3A~
図3Bを参照)から成る。
【0059】
図3A~
図3Bに示されるように、色プローブ層38は、例えば、各第一プローブタイプ40aが各第二プローブタイプ40bに隣接する二重プローブ層38b等の多重プローブ層38aを備える。
図3A~
図3Bに更に示されるように、各色証拠幾何学的構成体40は、矩形ストリップ44a等の幾何学的構成44を有し、各色証拠幾何学的構成体40は第一面46a及び第二面46bを有する。複数の色証拠幾何学的構成体40(
図3A~
図3Bを参照)の製造においては、上述のように、複数の色プローブ50(
図7、
図8を参照)を接着剤58(
図7、
図8を参照)中に加えて取り込ませる。
【0060】
図3A~
図3Bに更に示されるように、バッキングフィルム層60は第一面62a及び第二面62bを有し、バッキングフィルム層60の第一面62aは、色プローブ層38の色証拠幾何学的構成体40それぞれの第二面46bに結合される。バッキングフィルム層60(
図3A~
図3Bを参照)は、ポリマーフィルム層(
図3A~
図3Bを参照)と同じ又は同様の物質を備えてもよく又は異なる物質を備えてもよい。例えば、バッキングフィルム層60(
図3A~
図3Bを参照)は、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)フィルムや、略130°Fから略500°Fまでの間の温度範囲内において安定な他の適切なポリマーフィルム等の高温ポリマーフィルム層を備える。好ましくは、バッキングフィルム層60(
図3A~
図3Bを参照)は光学的に透明である。バッキングフィルム層60(
図3A~
図3Bを参照)は第一面62a(
図3A~
図3Bを参照)及び第二面62b(
図3A~
図3Bを参照)に対して両面エッチングされ得て、色証拠幾何学的構成体40及びPSA層70に対するバッキングフィルム層60(
図3A~
図3Bを参照)の接着性を増大させ得る。バッキングフィルム層60(
図3A~
図3Bを参照)は、3インチの幅、4インチの幅、12インチの幅、又は他の適切な幅を有し得る。
【0061】
図3A~
図3Bに更に示されるように、感圧接着剤(PSA)層70は第一面72a及び第二面72bを有し、PSA層70の第一面72aはバッキングフィルム層60の第二面62bに結合される。PSA層70は、高温シリコーンフィルムや略130°Fから略500°Fまでの間の温度範囲内で安定な他の適切な高温ポリマーフィルム等の高温ポリマーフィルム層を備え得る。好ましくは、PSA層70(
図3A~
図3Bを参照)は光学的に透明である。
【0062】
以下、
図3C~
図3Dを参照すると、
図3Cは、航空機複合構造体14a等の複合構造体14の表面16に結合された
図3Aの取り外し可能な色証拠アセンブリ10e等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の概略断面斜視図である。
図3Dは、航空機複合構造体14a等の複合構造体14の表面16に結合された
図3Bの取り外し可能な色証拠アセンブリ10f等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の概略断面斜視図である。取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図3C~
図3Dを参照)としての取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図3C~
図3Dを参照)は、複合構造体14(
図3C~
図3Dを参照)の表面16(
図3C~
図3Dを参照)に直接且つ連続的に取り外し可能に適用されるように構成され、また、複合構造体14(
図3C~
図3Dを参照)の表面16(
図3C~
図3Dを参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)を監視するように構成される。
図3C~
図3Dに示されるように、PSA層70の第二面72bは複合構造体14の表面16に結合される。PSA層70は、取り外し可能な色証拠アップリケ12の取り外し可能性を実現し、バッキングフィルム層60が、色プローブ層38の色証拠幾何学的構成体40中の複数の色プローブ50を保護し、バッキングフィルム層60が、複合構造体14の表面16から取り外し可能な色証拠アップリケ12を取り外す際の取り扱いを容易にする。
【0063】
【0064】
以下、
図4Aを参照すると、
図4Aは、本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10g等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の他の実施形態の概略断面斜視図である。
図4Aに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10g等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、取り外し可能な色証拠アップリケ12g等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される。
【0065】
以下、
図4Bを参照すると、
図4Bは、本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10h等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の他の実施形態の概略断面斜視図である。
図4Bに示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10h等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、取り外し可能な色証拠アップリケ12h等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される。
【0066】
図3A~
図3Bと同様に、
図4A~
図4Bに示される取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、高温ポリマーフィルム層32a等のポリマーフィルム層32を備える四層の取り外し可能な色証拠アセンブリ11bを備え、ポリマーフィルム層32は、第一面34aと、第二面34bと、複数の部分36a(
図4Aを参照)又は単一の部分36b(
図4Bを参照)を含む部分36とを有し、色プローブ層38に結合される。色プローブ層38(
図4A~
図4Bを参照)は、ポリマーフィルム層32(
図4A~
図4Bを参照)の一つ以上の部分36に隣接する繰り返し配置42a(
図4A~
図4Bを参照)等の或る配置42(
図4A~
図4Bを参照)で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体40(
図4A~
図4Bを参照)から成る。
【0067】
図3A~
図3Bと同様に、
図4A~
図4Bに示される取り外し可能な色証拠アセンブリ10はバッキングフィルム層60を更に備え、バッキングフィルム層60は、第一面62a及び第二面62bを有し、色プローブ層38の複数の色証拠幾何学的構成体40に結合され、また、第一面72a及び第二面72bを有する感圧接着剤(PSA)層70に結合される。
【0068】
図4A~
図4Bに示されるように、各色証拠幾何学的構成体40は、矩形ストリップ44a等の幾何学的構成44を有し、各色証拠幾何学的構成体40は第一面46a及び第二面46bを有する。複数の色証拠幾何学的構成体40(
図4A~
図4Bを参照)は、第一プローブタイプ40aと、第二プローブタイプ40bと、第三プローブタイプ40cと備え、第一プローブタイプ40aと第二プローブタイプ40bと第三プローブタイプ40cとの各々は異なるタイプ48b(
図8を参照)の色プローブ50(
図8を参照)を有する。複数の色証拠幾何学的構成体40(
図4A~
図4Bを参照)の製造においては、上述のように、複数の色プローブ50(
図7、
図8を参照)を接着剤58(
図7、
図8を参照)中に加えて取り込ませる。
【0069】
以下、
図4C~
図4Dを参照すると、
図4Cは、航空機複合構造体14a等の複合構造体14の表面16に結合された
図4Aの取り外し可能な色証拠アセンブリ10g等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の概略断面斜視図である。
図4Dは、航空機複合構造体14a等の複合構造体14の表面16に結合された
図4Bの取り外し可能な色証拠アセンブリ10h等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の概略断面斜視図である。取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図4C~
図4Dを参照)としての取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図4C~
図4Dを参照)は、複合構造体14(
図4C~
図4Dを参照)の表面16(
図4C~
図4Dを参照)に直接且つ連続的に取り外し可能に適用されるように構成され、また、複合構造体14(
図4C~
図4Dを参照)の表面16(
図4C~
図4Dを参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)を監視するように構成される。
図4C~
図4Dに示されるように、PSA層70の第二面72bは複合構造体14の表面16に結合される。
【0070】
以下、
図5を参照すると、
図5は、航空機複合構造体14a等の複合構造体14の表面16に結合された本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10i等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の更に他の実施形態の概略断面斜視図である。
図5に示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10i等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、取り外し可能な色証拠アップリケ12i等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される。
【0071】
図5は、各々が第一面34a及び第二面34bを有する高温ポリマーフィルム層32a等のポリマーフィルム層32に隣接しない繰り返し配置42b等の或る配置42で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体40を備える取り外し可能な色証拠アセンブリ10i等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10を示す。
図5Aに示されるように、色証拠幾何学的構成体40は、隣接しない配置42bにおいて第一プローブタイプ40a及び第二プローブタイプ40bを備える。
【0072】
図5に更に示されるように、複数の充填素子33が、ポリマーフィルム層32に結合された複数の色証拠幾何学的構成体40間に配置され得る。充填素子33(
図5を参照)は、ポリマーフィルム層32(つまり、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)フィルム等の高温ポリマーフィルムや、他の適切なポリマーフィルム)と同じ物質を備えてもよく、又は、複数の色証拠幾何学的構成体40のうち一つ以上と同じ接着剤58(
図8を参照)(つまり、シリコーン、アクリル、エポキシ接着剤、感圧接着剤(PSA))を色プローブ50(
図8を参照)無しで備えてもよい。代わりに、充填素子33(
図5を参照)は他の適切な物質を備えてもよい。代わりに、充填要素33が存在せず、空隙(図示せず)が色証拠幾何学的構成体40間、及び、取り付けられたポリマーフィルム層32間に存在してもよい。
【0073】
以下、
図6を参照すると、
図6は、航空機複合構造体14a等の複合構造体14の表面16に結合された本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10j等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10の更に他の実施形態の概略断面斜視図である。
図6に示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10j等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、取り外し可能な色証拠アップリケ12j等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される。
【0074】
図6に更に示されるように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10j等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、二層の取り外しa可能な色証拠アセンブリ11aを備える。二層の取り外し可能な色証拠アセンブリ11a(
図6を参照)は、色プローブ層38(
図6を参照)に結合された高温ポリマーフィルム層32a(
図6を参照)等のポリマーフィルム層32を備える。ポリマーフィルム層32(
図6を参照)は、色プローブ層38(
図6を参照)の色証拠幾何学的構成体40(
図6を参照)に結合された単一部分36b(
図1Bを参照)等の部分36から成る。色プローブ層38(
図6を参照)は、二重プローブ層38b(
図6を参照)等の多重プローブ層38a(
図6を参照)である。
【0075】
この実施形態では、
図6に示されるように、色証拠幾何学的構成体40はそれぞれ正方形構成44bとして幾何学的構成44を有する。色証拠幾何学的構成体40(
図6を参照)は、互いに隣接する第一プローブタイプ40a(
図6を参照)及び第二プローブタイプ40b(
図6を参照)を備える。第一プローブタイプ40aと第二プローブタイプ40bとの各々は異なるタイプ48b(
図8を参照)の色プローブ50(
図8を参照)を有する。取り外し可能な色証拠アップリケ12j(
図6を参照)等の取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10j(
図6を参照)等の取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図6を参照)は、複合構造体14(
図6を参照)の表面16(
図6を参照)に直接且つ連続的に取り外し可能に適用されるように構成され、また、複合構造体14(
図6を参照)の表面16(
図6を参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)を監視するように構成される。
【0076】
以下、
図7を参照すると、
図7は、本開示の取り外し可能な色証拠アップリケ12を備える取り外し可能な色証拠アセンブリ10の一実施形態を作製する方法79の例示的なステップ80~92を示す概略的なフローチャートである。
図7に示されるように、方法79は、複数の色プローブ50を好ましくはプローブ分配器78から分配して感圧接着剤(PSA)59等の接着剤58と混合する色プローブ/接着剤混合ステップ80を備える。色プローブ/接着剤混合ステップ80(
図7を参照)は、複数組の色プローブ50(
図7を参照)、例えば、第一組の色プローブ50a(
図7を参照)と、第二組の色プローブ50b(
図7を参照)と、第三組の色プローブ50c(
図7を参照)とを用い得て、各組の色プローブは、所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超える温度26(
図8を参照)に晒されると所定の時間‐温度範囲31(
図8を参照)内において活性化するように調整され、代わりに、衝撃を監視して、所定の閾値衝撃28a(
図8を参照)を超える衝撃28(
図8を参照)に晒されると活性化するように調整される。
【0077】
図7に示される色プローブ/接着剤混合ステップ80においては異なる三組の色プローブ50が用いられているが、サーモクロマティックプローブ54(
図8を参照)やメカノクロマティックプローブ56(
図8を参照)等のあらゆる数の色プローブ50を用いて、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図3C、
図4C、
図7を参照)が適用されている構造体14の表面16(
図3C、
図4C、
図7を参照)に対する熱試験測定18a(
図8を参照)や衝撃試験測定20a(
図8を参照)をそれぞれ行うことができる。
【0078】
色プローブ/接着剤混合ステップ80(
図7を参照)に示されるように、接着剤58(
図7を参照)は、シリコーン接着剤58a(
図7を参照)、アクリル接着剤58b(
図7を参照)、エポキシ接着剤58c(
図7を参照)等の異なる接着剤58(
図7を参照)を備え得る。代わりに、使用される各接着剤58(
図7を参照)の一部又は全部が、同じタイプの接着剤58(
図7を参照)であってもよく、二種以上の接着剤58(
図7を参照)の混合物であってもよい。
【0079】
色プローブ/接着剤混合ステップ80(
図7を参照)に示されるように、第一組の色プローブ50a(
図7を参照)はシリコーン接着剤58a(
図7を参照)と混合され、方法79の取り外し可能な色証拠アセンブリ形成ステップ82(
図7を参照)に示されるように、第一プローブタイプ40a(
図7を参照)の色証拠幾何学的構成体40(
図7を参照)を形成する。ステップ80(
図7を参照)に更に示されるように、第二組の色プローブ50b(
図7を参照)はアクリル接着剤58b(
図7を参照)と混合され、取り外し可能な色証拠アセンブリ形成ステップ82(
図7を参照)に示されるように、第二プローブタイプ40b(
図7を参照)の色証拠幾何学的構成体40(
図7を参照)を形成する。ステップ80(
図7を参照)に更に示されるように、第三組の色プローブ50c(
図7を参照)はエポキシ接着剤58c(
図7を参照)と混合され、取り外し可能な色証拠アセンブリ形成ステップ82(
図7を参照)に示されるように、第三プローブタイプ40c(
図7を参照)の色証拠幾何学的構成体40(
図7を参照)を形成する。色証拠幾何学的構成体40(
図7を参照)は、接着剤58(
図7を参照)と混合された異なる範囲又はタイプの色材51(
図8を参照)を含有する。
【0080】
図7に示されるように、方法79は、ポリマーフィルム層32を三種の色証拠幾何学的構成体40の各々の上に適用して、三種の取り外し可能な色証拠アセンブリ10を形成する取り外し可能な色証拠アセンブリ形成ステップ82(
図7を参照)を更に備える。上述のように、ポリマーフィルム層32(
図7を参照)は、好ましくは、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)フィルムや、略130°F(華氏130度)から略500°F(華氏500度)までの間の温度範囲内において安定な他の適切なポリマーフィルム等の高温ポリマーフィルム32a(
図3A、
図4Aを参照)を備える。好ましくは、ポリマーフィルム層32(
図7を参照)は光学的に透明である。
【0081】
図7に示されるように、方法79は、取り外し可能な色証拠アセンブリ10を、ポリマーフィルム層32が取り付けられた第一プローブタイプ40aと、ポリマーフィルム層32が取り付けられた第二プローブタイプ40bと、ポリマーフィルム層32が取り付けられた第三プローブタイプ40cの矩形ストリップ44aへと細長に切り、切断し、又は他の方法で分割若しくは形成し得る例示的な矩形ストリップ形成ステップ84を更に備える。矩形ストリップ形成ステップ84(
図7を参照)においては、取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図7を参照)が、略0.5インチ以上の幅、又は他の適切な幅を有する矩形ストリップ44a(
図7を参照)へと細長に切られ、切断され、又は他の方法で分割若しくは形成され得る。
【0082】
図7に示されるように、方法79は、第一プローブタイプ40aと、第二プローブタイプ40bと、第三プローブタイプ40cとの矩形ストリップ44aの各々をバッキングフィルム層60の上に適用する例示的なバッキングフィルム適用ステップ86を更に備える。矩形ストリップ44a(
図7を参照)は、バッキングフィルム層60(
図7を参照)の上に、隣接する繰り返し配置42a(
図2Aを参照)や、代わりに隣接しない繰り返し配置42b(
図5を参照)等の或る配置42(
図2Aを参照)で配置される。上述のように、バッキングフィルム層60(
図7を参照)は、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)フィルムや、略130°Fから略500°Fまでの間の温度範囲内において安定な他の適切なポリマーフィルム等の高温ポリマーフィルム層を備え得る。好ましくは、バッキングフィルム層60(
図7を参照)は、光学的に透明であり、両面エッチングされ得る。バッキングフィルム層60(
図7を参照)は、3インチの幅、4インチの幅、12インチの幅、又は他の適切な幅を有し得る。
【0083】
図7に示されるように、方法79は、色証拠幾何学的構成体40及びポリマーフィルム層32が取り付けられたバッキングフィルム層60に感圧接着剤(PSA)層70を適用して、複合構造体14の表面16上に適用されるように構成された取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10を形成する例示的な感圧接着剤(PSA)適用ステップ88を更に備える。四層を有する取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図7を参照)を、テープ状等のロールや他の適切な形状に形成し得る。
【0084】
図7に示されるように、方法79は、取り外し可能な色証拠アップリケ12を備える取り外し可能な色証拠アセンブリ10を複合構造体14上に適用して、飛行試験156a(
図8を参照)等の試験156(
図8を参照)を行い、また、高温であり得る熱源94に晒す例示的な試験ステップ90を更に任意で備え得る。例示的な試験ステップ90(
図7を参照)に示されるように、この実施形態では、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図7を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図7を参照)は、複合構造体14(
図7を参照)に隣接する感圧接着剤(PSA)層70(
図7を参照)と、PSA層70(
図7を参照)に隣接するバッキングフィルム層60(
図7を参照)と、バッキングフィルム層60(
図7を参照)に隣接し第一プローブタイプ40a(
図7を参照)と第二プローブタイプ40b(
図7を参照)と第三プローブタイプ40c(
図7を参照)を備える色証拠幾何学的構成体40(
図7を参照)と、色証拠幾何学的構成体40(
図7を参照)に隣接するポリマーフィルム層32(
図7を参照)とを備える。
【0085】
図7に示されるように、方法79は、例示的な照明ステップ92を更に任意で備え得る。任意の照明ステップ92(
図7を参照)では、試験ステップ90(
図7を参照)を経た取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図7を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図7を参照)を光源96(
図7を参照)で照らし、光源96(
図7を参照)は、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図7を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図7を参照)で覆われた航空機複合構造体14a(
図7を参照)等の複合構造体14(
図7を参照)の表面16(
図7を参照)上に照明光98(
図7を参照)を放出する。
【0086】
以下、
図8を参照すると、
図8は、本開示の取り外し可能な色証拠システム100の例示的な実施形態を示す機能ブロック図である。
図8に示されるように、取り外し可能な色証拠システム100は、熱事象18と衝撃事象20の一方について試験及び監視される表面16を有する複合構造体14を備える。複合構造体14(
図8を参照)は、炭素繊維強化ポリマー(CFRP,carbon fiber reinforced polymer)部品14b(
図8を参照)等の航空機複合構造体14aを備え得る。
【0087】
図8に示されるように、取り外し可能な色証拠システム100は、熱事象18及び/又は衝撃事象20について試験及び監視される複合構造体14の表面16上に直接且つ連続的に適用された上述のような取り外し可能な色証拠アップリケ12等として取り外し可能な色証拠アセンブリ10を更に備える。
【0088】
好ましくは、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)は、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)が適用される複合構造体14(
図8を参照)の表面16(
図8を参照)にわたって熱試験測定18a(
図8を参照)と衝撃試験測定20a(
図8を参照)を行うように構成された多重感知アップリケ13(
図8を参照)である。
【0089】
図8に示されるように、また上述のように、取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、高温ポリマーフィルム層32a等のポリマーフィルム層32の一つ以上の部分36(
図1A、
図2Aを参照)に繰り返し配置42(
図1A、
図2Aを参照)で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体40から成る色プローブ層38を備える。色プローブ層38は、二重プローブ層38b、三重プローブ層38c、又は他の適切な数の色プローブ50等の多重プローブ層38aを備え得る。
【0090】
図8に示されるように、複数の色証拠幾何学的構成体40は、矩形ストリップ44a、正方形構成44b、他の適切な構成や形状等の幾何学的構成44を有する。各色証拠幾何学的構成体40は、接着剤58中に取り込まれた同じタイプ48aの色材51から成る複数の色プローブ50を備える。複数の色証拠幾何学的構成体40のうち少なくとも二つは、複合構造体14の表面16に対する熱事象18と衝撃事象20の一方を感知するための異なる感知性能52を有する異なるタイプ48bの色プローブ50を有する。
【0091】
図8に示されるように、色プローブ50は、サーモクロマティック材54a製のサーモクロマティックプローブ54と、メカノクロマティック材56a製のメカノクロマティックプローブ56を備え得る。色プローブ50は、好ましくは、所定の時間‐温度範囲31において活性化するように調整される。サーモクロマティック材54が、温度26(その温度26に対してサーモクロマティック材54が調整されている)に晒されることで活性化されると、サーモクロマティックプローブ54は蛍光シフトを受ける。適切な波長の光源96によって照らされると、色材51における蛍光シフトが可視になり、色変化24や強度変化25等の色応答22を顕在化させる。例えば、紫外線光源96aは、色材51の蛍光活性化のために10nm(ナノメートル)から600nmまでの範囲内の波長、好ましくは、100nmから400nmまでの範囲内の波長を有し得る。
【0092】
図8に示されるように、色プローブ50は、接着剤58、好ましくは感圧接着剤(PSA)59と混合される。接着剤58は、シリコーン接着剤58a、アクリル接着剤58b、エポキシ接着剤58c、又は他の適切な接着剤58を備え得る。
【0093】
一実施形態では、取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図8を参照)は、一又は複数のポリマーフィルム層32(
図8を参照)に結合された色プローブ層38内に複数の色証拠幾何学的構成体40を備える二層の取り外し可能な色証拠アセンブリ11a(
図1Aを参照)である。他の実施形態では、取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図8を参照)は、一又は複数のポリマーフィルム層32(
図8を参照)に結合され且つバッキングフィルム層60(
図8を参照)及び感圧接着剤(PSA)層70(
図8を参照)に結合された色プローブ層38(
図8を参照)中の複数の色証拠幾何学的構成体40(
図8を参照)を備える四層の取り外し可能な色証拠アセンブリ11b(
図1Aを参照)である。バッキングフィルム層60は複数の色証拠幾何学的構成体40に結合され、感圧接着剤(PSA)層70がバッキングフィルム層60に結合される。
【0094】
図8に示されるように、取り外し可能な色証拠システム100は、複合構造体14に適用された取り外し可能な色証拠アップリケ12中の複数の色プローブ50を活性化させるように構成された光源96を更に備える。異なるタイプ48bの色プローブ50の各々は、光源96に応答して異なる所定の時間‐温度範囲31内で蛍光発光するように構成される。光源96は、紫外線(UV,ultraviolet)光源96a、発光ダイオード(LED,light‐emitting diode)光源96b、赤外線(IR,infrared)光源96c、他の適切な光源96のうち一つを備え得る。
【0095】
光源96(
図8~
図10を参照)は、紫外線(UV)や赤外線(IR)範囲内等の所定の波長の光の照明98で、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図8を参照)を照らす。光源96(
図8を参照)は、取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10の色材51を活性化させて、色材51における色変化24(
図8を参照)及び強度変化25(
図8を参照)の開始を促進するように構成される。好ましくは、色プローブ50における色変化24及び強度変化25を用いて、複合構造体14の時間30(
図8を参照)に対する温度プロファイル26c(
図8を参照)をマッピングし、複合構造体14が、所望の温度範囲26b(
図8を参照)外で所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超える温度26(
図8を参照)に所定の期間30a(
図8を参照)を超えて、又は所定の閾値衝撃28a(
図8を参照)を超えて晒されたことを示し得る。色プローブ50(
図8を参照)は、飛行試験156a(
図8を参照)、熱試験156b(
図8を参照)、衝撃試験156c(
図8を参照)、又は他の適切な試験等の試験156(
図8を参照)中における複合構造体14(
図8を参照)の温度26a(
図8を参照)を監視するための“証拠”として機能する。
【0096】
図8に示されるように、取り外し可能な色証拠システム100は、光源96に対する異なるタイプ48bの色プローブ50の色応答22の一つ以上の画像104(
図9を参照)を撮像及び記録するように構成された撮像デバイス106を更に備える。色応答22は一つ以上の色変化24と一つ以上の強度変化25を含む。撮像デバイス106は、分光計106b(
図8を参照)を含む検出器106a(
図8を参照)と、デジタルカメラ106d(
図8を参照)を含むカメラ106c(
図8を参照)と、他の適切な撮像デバイス106のうち一つを備え得る。
【0097】
図8に示されるように、取り外し可能な色証拠システム100は、コンピュータ112等のデータ処理システム110を更に備える。コンピュータ112(
図8を参照)等のデータ処理システム110(
図8を参照)は、取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図8を参照)の一つ以上の画像104(
図9を参照)を処理及び分析して、所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超える温度26(
図8を参照)と、所定の閾値衝撃28a(
図8を参照)を超える衝撃28(
図8を参照)とのうち一つを受けた複合構造体14(
図8、
図9を参照)の表面16(
図8、
図9を参照)上の領域102(
図9を参照)を特定するように構成される。取り外し可能な色証拠アップリケ12は、複合構造体14の表面16が熱に晒されたこと及び/又は衝撃に晒されたことを示すように撮像される。コンピュータ112(
図8を参照)を用いて、一つ以上の画像104(
図9を参照)をメモリに保存し得る。カメラ106c(
図8を参照)等の撮像デバイス106(
図8を参照)によって記録された一つ以上の画像104(
図9を参照)に基づいて、コンピュータ112(
図8を参照)は、複合構造体14(
図8を参照)の試験中に生成された一つ以上の画像104(
図9を参照)及び他のデータを処理及び分析し得る。
【0098】
複合構造体14(
図8を参照)を試験した後に、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)を、光源96(
図8を参照)での照明並びに処理及び分析のために取り外すことができる。代わりに、複合構造体14(
図8を参照)を試験した後に、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)を、複合構造体14(
図8を参照)に取り付けたままで、光源96(
図8を参照)で照らし、その後、処理及び分析のために取り外すことができる。
【0099】
図8に示されるように、取り外し可能な色証拠システム100は、複合構造体14に適用された取り外し可能な色証拠アセンブリ10の較正152を含み、その較正152は好ましくは一つ以上のサーモカップル154を用い得る。
【0100】
以下、
図9を参照すると、
図9は、取り外し可能な色証拠システム100a等の本開示の取り外し可能な色証拠システム100の例示的な実施形態の概略図であり、紫外線(UV)光源96a等の光源96によって照らされた領域102を示している。
図9に示されるように、取り外し可能な色証拠アップリケ12で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10は、色プローブ層38(
図8を参照)の色証拠幾何学的構成体40の上のポリマーフィルム層32と、バッキングフィルム層60と、感圧接着剤(PSA)層70との四層を複合構造体14の表面16全体にわたって備える。
【0101】
複合構造体14(
図9を参照)の表面16(
図9を参照)上に適用された取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図9を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図9を参照)が、飛行試験156a(
図8を参照)、熱試験156b(
図8を参照)、衝撃試験156c(
図8を参照)、又は他の適切な試験等の試験156(
図8を参照)を受けた後に、又は、監視を受けた後に、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図9を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図9を参照)によって覆われた複合構造体14(
図9を参照)の表面16(
図9を参照)を光源96(
図9を参照)で照らす。代わりに、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図9を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図9を参照)を複合構造体14(
図9を参照)から取り外して、その後他の場所で複合構造体14(
図9を参照)とは離して照らし得る。
【0102】
図9に示されるように、この実施形態では、色証拠幾何学的構成体40の領域102a等の第一プローブタイプ40a、領域102b等の第二プローブタイプ40b、領域102c等の第三プローブタイプ40cの色プローブ50(
図8を参照)が所定の時間‐温度範囲31(
図8を参照)内の所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超える温度26(
図8を参照)に晒された領域102を、光源96が活性化させる。紫外線(UV)光源96a(
図9を参照)等の光源96(
図9を参照)は、紫外線(UV)範囲内等の所定の波長の光の照明98(
図9を参照)で領域102(
図9を参照)を照らす。
【0103】
図9に示されるように、撮像デバイス106は、光源96での活性化の後に、領域102の一つ以上の画像104を撮像及び記録する。色変化24(
図8を参照)と強度変化25(
図8を参照)の結果は、撮像デバイス106(
図9を参照)で撮像又は撮影され、記録される。
【0104】
図9に更に示されるように、撮像デバイス106は、有線又は無線接続等の接続素子108を介してデータ処理システム110に接続される。データ処理システム110は、好ましくは、一つ以上の画像104をメモリに記録するために利用可能なコンピュータ112を備える。撮像デバイス106(
図9を参照)によって撮像及び記録された一つ以上の画像104(
図9を参照)に基づいて、コンピュータ112(
図9を参照)等のデータ処理システム110は、一つ以上の画像104を処理及び分析して、熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)に酷く晒された領域102に関する情報を提供し、また、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図8を参照)によって測定された熱試験測定18a(
図8を参照)と衝撃試験測定20a(
図8を参照)に関する情報を提供し得る。
【0105】
以下、
図10を参照すると、
図10は、複合構造体14(
図8を参照)から取り外された取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図8を参照)のサンプル等のサンプル128を照らすポータブルプローブデバイス116を用いる本開示の取り外し可能な色証拠システム100b等の取り外し可能な色証拠システム100の他の例示的な実施形態の概略図である。ポータブルプローブデバイス116(
図10を参照)は、現場での使用又は他の適切な使用のために構成され得る。
【0106】
図10に示されるように、取り外し可能な色証拠システム100b等の取り外し可能な色証拠システム100は、ポータブルプローブデバイス116への入力114aとして照明98を与える発光ダイオード(LED)光源96b等の光源96を備える。
図10に更に示されるように、一実施形態では、ポータブルプローブデバイス116は、照明光ファイバ等の複数の照明ファイバ118と、好ましくは照明ファイバ118に囲まれて中心に位置するピックアップ光ファイバ等のピックアップファイバ120とを備える。照明ファイバ118は、サンプル128に対して励起光124(
図10を参照)を提供する光ビーム122(
図10を参照)を放出し、サンプル128中の色プローブ50を活性化させて、蛍光放射126(
図10を参照)を発する。蛍光放射126はピックアップファイバ118によってピックアップされて、検出器106a(
図10を参照)等の撮像デバイス106によって撮像及び記録される一つ以上の画像104としてのポータブルプローブデバイス116からの出力114b(
図10を参照)として送られる。
【0107】
図10に更に示されるように、検出器106a等の撮像デバイス106は、有線又は無線接続等の接続素子108を介してコンピュータ112等のデータ処理システム110に接続される。撮像デバイス106によって撮像及び記録された一つ以上の画像104に基づいて、コンピュータ112等のデータ処理システム110は、蛍光放射126の一つ以上の画像104を処理及び分析して、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図8を参照)によって測定された熱試験測定18a(
図8を参照)及び衝撃試験測定20a(
図8を参照)に関する情報を提供し得る。
【0108】
以下、
図11を参照すると、
図11は、所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超えて多様な時間30(
図8を参照)にわたって晒され活性化された色プローブ50の蛍光強度132(任意単位(a.u.))・対・波長134(ナノメートル(nm)単位)の各プロットを示すグラフ130である。
図11に示されるように、プロットは、活性化前の色プローブ50(
図8を参照)のプロット136と、所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超えて60分間にわたって晒された色プローブ50(
図8を参照)のプロット138と、所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超えて50分間にわたって晒された色プローブ50(
図8を参照)のプロット140と、所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超えて40分間にわたって晒された色プローブ50(
図8を参照)のプロット142と、所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超えて30分間にわたって晒された色プローブ50(
図8を参照)のプロット144と、所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超えて20分間にわたって晒された色プローブ50(
図8を参照)のプロット146と、所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超えて10分間にわたって晒された色プローブ50(
図8を参照)のプロット148とを含む。この例では、
図11に示されるように、波長約610nmにおける蛍光強度132のピーク強度150を用いて、活性化された色プローブ50(
図8を参照)のパーセンテージを決定し得る。
【0109】
以下、
図12を参照すると、
図12に示されるような他の実施形態では、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)の一実施形態を使用して、複合構造体14(
図8を参照)の表面16(
図8、
図9を参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)を監視する方法160が提供される。
図12は、本開示に従って、取り外し可能な色証拠システム100(
図8を参照)を用いて、複合構造体14(
図8、
図9を参照)の表面16(
図8、
図9を参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)を監視する方法160を示す例示的なフローチャートの図である。
【0110】
図12に示されるように、方法160は、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)を提供するステップ162を備える。上述のように、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)は、熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)の一方について試験及び監視される表面16(
図8、
図9を参照)を有する複合構造体14(
図8、
図9を参照)を備える。複合構造体14(
図8、
図13を参照)は、航空機複合構造体14a(
図8、
図13を参照)を備え得る。
【0111】
取り外し可能な色証拠システム100(
図8を参照)は、ポリマーフィルム層32(
図1A~
図4B、
図8を参照)の一つ以上の部分36(
図1A~
図4Bを参照)に繰り返し配置42(
図8を参照)で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体40(
図8を参照)を有する取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)で構成される取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図8を参照)を更に備える。各色証拠幾何学的構成体40(
図8を参照)は、接着剤58(
図8を参照)中に取り込まれた同じタイプ48a(
図8を参照)の複数の色プローブ50(
図8を参照)を備える。複数の色証拠幾何学的構成体40(
図8を参照)のうち少なくとも二つは、複合構造体14(
図8を参照)の表面16(
図8を参照)に対する熱事象18(
図8を参照)と衝撃事象20(
図8を参照)の一方を感知するために異なる感知性能52(
図8を参照)を有する異なるタイプ48b(
図8を参照)の色プローブ50(
図8を参照)を有する。上述のように、取り外し可能な色証拠システム100(
図8を参照)は、光源96(
図8を参照)と、撮像デバイス106(
図8を参照)と、データ処理システム110(
図8を参照)とを更に備える。
【0112】
取り外し可能な色証拠システム100を提供するステップ162(
図12を参照)は、バッキングフィルム層60(
図8を参照)及び感圧接着剤(PSA)層70(
図8を参照)を有する取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)を提供することを備え得る。バッキングフィルム層60(
図8を参照)が複数の色証拠幾何学的構成体40(
図8を参照)に結合され、感圧接着剤(PSA)層70(
図8を参照)がバッキングフィルム層60(
図8を参照)に結合される。
【0113】
取り外し可能な色証拠システム100を提供するステップ162(
図12を参照)は、三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体40d(
図2Aを参照)を有する取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)を提供することを更に備え得る。三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体40d(
図2Aを参照)の各々は、三種の異なる時間‐温度範囲31(
図8を参照)において蛍光発光するように構成された異なるタイプ48b(
図8を参照)の色プローブ50(
図8を参照)を有する。
【0114】
図12に示されるように、方法160は、試験及び監視される複合構造体14(
図8を参照)の表面16(
図8を参照)上に直接且つ連続的に取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)を適用するステップ164を更に備える。
【0115】
図12に示されるように、方法160は、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)が適用された複合構造体14(
図8を参照)を一つ以上の温度26(
図8を参照)と一つ以上の衝撃28(
図8を参照)の一方に所定の期間30a(
図8を参照)にわたって晒すことによって、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)が適用された複合構造体14(
図8を参照)を試験するステップ166を更に備える。
【0116】
取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)が適用された複合構造体14(
図8を参照)を試験するステップ166(
図12を参照)は、飛行試験156a(
図8を参照)、熱試験156b(
図8を参照)、衝撃試験156c(
図8を参照)、又は他の適切な試験のうち一つを備える試験156(
図8を参照)を行うことによって、航空機複合構造体14a(
図8、
図13を参照)を試験することを備える。
【0117】
図12に示されるように、方法160は、複合構造体14(
図8を参照)の試験166後に、複合構造体14(
図8を参照)から色証拠アップリケ12(
図8を参照)を取り外す任意選択的なステップ168を更に備える。代わりに、色証拠アップリケ12(
図8を参照)は、複合構造体14に適用されたままであり、後で取り外され得る。
【0118】
図12に示されるように、方法160は、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)を光源96(
図8~
図10を参照)で照らして、光源96(
図8を参照)に応答して、異なる所定の時間‐温度範囲31(
図8を参照)内において蛍光発光するように異なるタイプ48b(
図8を参照)の色プローブ50(
図8を参照)を活性化させるステップ170を更に備える。
【0119】
図12に示されるように、方法160は、撮像デバイス106(
図8~
図10を参照)を用いて、光源96(
図8を参照)に対する異なるタイプ48b(
図8を参照)の色プローブ50(
図8を参照)の色応答22(
図8を参照)の一つ以上の画像104(
図9~
図10を参照)を取得するステップ172を更に備える。
【0120】
図12に示されるように、方法160は、データ処理システム110(
図8~
図10を参照)を用いて、色応答22(
図8を参照)に基づき、所定の閾値温度26a(
図8を参照)を超える温度26(
図8を参照)と、所定の閾値衝撃28a(
図8を参照)を超える衝撃28(
図8を参照)の一方を受けた複合構造体14(
図9を参照)の表面16(
図9を参照)上の領域102(
図9を参照)を特定するステップ174を更に備える。
【0121】
方法160(
図12を参照)は、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)が適用された複合構造体14(
図8を参照)の試験166(
図12を参照)の前に、複合構造体14(
図8を参照)に取り付けられた一つ以上のサーモカップル154(
図8を参照)を用いて、複合構造体14(
図8を参照)の表面16(
図8を参照)上に適用された取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図8を参照)中の複数の色プローブ50(
図8を参照)の較正152(
図8を参照)を行うことを備え得る。
【0122】
以下、
図13を参照すると、
図13は、本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図7を参照)、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)、方法160(
図12を参照)の実施形態を用いて試験又は監視可能な一つ以上の複合構造体14(飛行機の複合構造体14a等)を含む飛行体200(航空機200a等)の斜視図である。
図13に示されるように、飛行体200(航空機200a等)は、胴体202と、ノーズ204と、コックピット206と、翼208と、エンジン210と、垂直尾翼214及び水平尾翼216を備える尾翼212とを備える。
【0123】
図13に更に示されるように、飛行体200(航空機200a等)は、本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図7を参照)、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)、方法160(
図12を参照)の実施形態を用いて試験及び監視可能な一つ以上の複合構造体14(航空機複合構造体14a等)、例えば、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)部品14bを備える。例示的な一実施形態では、複合構造体14(
図8、
図13を参照)は、航空機複合構造体14a(
図8、
図13を参照)、例えば、飛行体200(
図13を参照)の逆噴射装置218(
図13を参照)等を備える。例えば、本開示の取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図6を参照)、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)、方法160(
図12を参照)を用いて、逆噴射装置218(
図13を参照)の逆噴射装置内壁用の断熱ブランケット構造を試験、監視、及び改善し得る。他の実施形態(図示せず)では、複合構造体14(
図11、
図13を参照)は、回転翼機の回転翼機複合構造体、船舶の船舶複合構造体、又は他の適切な複合構造体14を備え得る。
【0124】
以下、
図14及び
図15を参照すると、
図14は、例示的な航空機製造及び保守方法300の流れ図であり、
図15は、航空機316の例示的なブロック図である。
図14~
図15を参照して、本開示の実施形態を、
図14に示されるような航空機製造及び保守方法300及び
図15に示されるような航空機316に関して説明する。
【0125】
製造前段階において、例示的な航空機製造及び保守方法300は、航空機316の仕様及び設計302と、材料調達304を含み得る。製造段階において、航空機316の部品及びサブアセンブリ製造306と、システム統合308が行われる。その後、就航312のために、航空機316が認証及び配送310を受け得る。顧客による就航中312中には、航空機316の定期的な保守314(修理、再構成、改修、他の適切な保守も含み得る)の予定が立てられ得る。
【0126】
航空機製造及び保守方法300の各プロセスは、システムインテグレーター、サードパーティー、及び/又はオペレーター(例えば、顧客)によって行われ得る。説明のため、システムインテグレーターとして、多数の航空機製造業者、主要なシステム下請け業者が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、また、サードパーティーとして、多数のベンダー、下請け業者、サプライヤーが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、また、オペレーターとして、航空会社、リース業者、軍隊、サービス組織、他の適切なオペレーターが挙げられる。
【0127】
図15に示されるように、例示的な航空機製造及び保守方法300によって製造される航空機316は、複数のシステム320及び内装322と共に機体318を含み得る。複数のシステム320の例は、推進システム324、電気システム326、油圧システム328、環境システム330のうち一つ以上を含み得る。任意の数の他のシステムが含まれ得る。航空宇宙産業の例を示しているが、本開示の原理は、自動車産業等の他の産業にも適用可能である。
【0128】
本願で具現化される方法及びシステムは、航空機製造及び保守方法300の一つ以上の段階中に利用可能である。例えば、部品及びサブアセンブリ製造306に対応している部品やサブアセンブリを、航空機316の就航312中において製造される部品やサブアセンブリと同様の方法で製造することができる。また、装置、方法の一以上の実施形態又はそれらの組み合わせを、部品及びサブアセンブリ製造306とシステム統合308中に用いることができて、例えば、航空機316のアセンブリを迅速にし、又は航空機316のコストを削減する。同様に、装置、方法の一以上の実施形態又はそれらの組み合わせを、航空機316が就航312中に用いることができて、例えば、保守314のために用いることができるが、これに限定されない。
【0129】
本実施形態の取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図6を参照)、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)、方法160(
図12を参照)は、多機能色証拠応用のための取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)を提供し、大規模製造、簡単な取り付け及び取り外しを促進し、多様な特性又はタイプの色材51(
図8)を提供する。複数の色プローブ50(
図8を参照)を有する取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)は、逆噴射装置218(
図13を参照)の内壁等の試験及び/又は監視される複合構造体14(
図8を参照)の表面16(
図8を参照)上に連続して且つ均一に且つ完全に接触させて色材51(
図8を参照)を適用するための方法を提供し、また、簡単な取り外し及び分析を可能にする。更に、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)は、試験及び/又は監視される複合構造体14(
図8を参照)、又は、最終的には取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)を取り外さなければならない構造体への一時的な適用を可能にする。更に、個々に分離又は分割された色証拠幾何学的構成体40(
図8を参照)を有する取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)は多様な分析方法を可能にする。また、個々に分離又は分割された色証拠幾何学的構成体40(
図8を参照)は、損傷した個々のセグメント又はストリップの簡単なメンテナンスを可能にし、また、所定の各セグメント又はストリップの簡単なオフライン分析を可能にする。複数の分割された色証拠幾何学的構成体40(
図8を参照)の追加的利点として、皺や曲げを生じさせずに、起伏のある表面上に取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)を設置することの改善が挙げられる。
【0130】
また、本開示の実施形態の取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図6を参照)、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)、方法160(
図12を参照)は、異なる所定の時間‐温度範囲31(
図8を参照)を有するサーモクロマティック材54a(
図8を参照)又はメカノクロマティック材56a(
図8を参照)を互いに隣接する繰り返し配置42a(
図1A~
図3Bを参照)又は隣接しない繰り返し配置42b(
図5を参照)で敷設することを可能にし、複合構造体14(
図8を参照)が試験及び監視中に受けた時間30(
図8を参照)及び温度26(
図8を参照)の監視精度を改善することができる。更に、取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)は、多重感知アップリケ13(
図8を参照)であり、複数の異なる色プローブ50(
図8を参照)を有する単一のアップリケで多重感知を可能にし、各色プローブタイプは、個別の色証拠幾何学的構成体40(
図8を参照)へと個々に分離又は分割されている。更に、本開示の実施形態の取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図6を参照)、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)、方法160(
図12を参照)は、多様なタイプの想定される問題(例えば、複合構造体14(
図8を参照)が受けた熱的な又は衝撃による損傷、例えば高温等の熱事象18(
図8を参照)や、機械的衝撃応力等の衝撃事象20(
図8を参照))を検出するように標準化された複数の性能を有する取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)を提供する。
【0131】
更に、本開示の実施形態の取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図6を参照)、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)、方法160(
図12を参照)は、取り付け及び取り外しが簡単であり、また、試験プログラム(例えば、航空機の逆噴射装置の内壁用の断熱ブランケット構造の試験、航空機のエンジン周りの試験、補助電源装置(APU,auxiliary power unit)、バッテリー、又は、熱事象18(
図8を参照)や衝撃事象20(
図8を参照)を受け得る他のハードウェアや設備の試験)による効果的な使用に十分な量を簡単に製造することができる取り外し可能な色証拠アップリケ12(
図1A~
図6を参照)の大規模な製造及び迅速な設置を可能にする。このことは、断熱ブランケット設備の開発コストを減らし、航空機飛行試験中の評価のコストを減らし得る。また、これは、逆噴射装置の将来的な飛行試験全てに対するコスト削減をもたらし得る。
【0132】
更に、本開示の実施形態の取り外し可能な色証拠アセンブリ10(
図1A~
図6を参照)、取り外し可能な色証拠システム100(
図8~
図10を参照)、方法160(
図12を参照)は、飛行試験中、地上試験中、及び/又は、就航時監視中において航空宇宙産業において使用可能であり、また、自動車産業、運輸産業、建設産業、造船産業等の他の産業、熱事象及び衝撃事象試験が頻繁に行われる他の分野においても使用可能である。
【0133】
更に、本開示は、以下の項に係る実施形態を含む:
【0134】
項1
複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視する取り外し可能な色証拠アセンブリであって、ポリマーフィルム層の一つ以上の部分に或る配置で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体を備え、各色証拠幾何学的構成体が、接着剤中に取り込まれた同じタイプの複数の色プローブを備え、複数の色証拠幾何学的構成体のうち少なくとも二つが、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象の一方について異なる感知性能を有する異なるタイプの色プローブを有し、ポリマーフィルム層及び複数の色証拠幾何学的構成体が、複合構造体の表面に直接且つ連続的に取り外し可能に適用されるように構成され且つ複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視するように構成された取り外し可能な色証拠アップリケとして取り外し可能な色証拠アセンブリを形成している、色証拠アセンブリ。
【0135】
項2
バッキングフィルム層及び感圧接着剤(PSA)層を更に備え、バッキングフィルム層が複数の色証拠幾何学的構成体に結合され、感圧接着剤(PSA)層がバッキングフィルム層に結合されている、項1に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ。
【0136】
項3
ポリマーフィルム層が透明であり、略130°F(華氏130度)から略500°F(華氏500度)までの間の範囲内において安定な高温ポリマーフィルム層を備える、項1に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ。
【0137】
項4
複数の色証拠幾何学的構成体が三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体を備え、三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体の各々が異なるタイプの色プローブを有する、項1に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ。
【0138】
項5
複数の色証拠幾何学的構成体が、ポリマーフィルム層の一つ以上の部分に隣接する繰り返し配置で個別に結合されていて、各色証拠幾何学的構成体が、矩形ストリップと正方形構成の一方を有する幾何学的構成を有する、項1に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ。
【0139】
項6
複数の色証拠プローブが、サーモクロマティックプローブとメカノクロマティックプローブの一方を備える、項1に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ。
【0140】
項7
接着剤が、シリコーン接着剤とアクリル接着剤とエポキシ接着剤とのうち一種以上を備える感圧接着剤(PSA)を備える、項1に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ。
【0141】
項8
取り外し可能な色証拠アップリケが、取り外し可能な色証拠アップリケが適用されている複合構造体の表面にわたって熱試験測定と衝撃試験測定を行うように構成された多重感知アップリケであり、複合構造体の試験後に、取り外し可能な色証拠アップリケが分析のために取り外される、項1に記載の取り外し可能な色証拠アセンブリ。
【0142】
項9
試験及び監視される複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視する取り外し可能な色証拠システムであって、熱事象と衝撃事象の一方について試験及び監視される表面を有する複合構造体と、試験及び監視される複合構造体の表面上に直接且つ連続的に適用される取り外し可能な色証拠アップリケで構成される取り外し可能な色証拠アセンブリであって、ポリマーフィルム層の一つ以上の部分に繰り返し配置で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体を備え、各色証拠幾何学的構成体が、接着剤中に取り込まれた同じタイプの複数の色プローブを備え、複数の色証拠幾何学的構成体のうち少なくとも二つが、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象の一方を感知するための異なる感知性能を有する異なるタイプの色プローブを有する、取り外し可能な色証拠アセンブリと、複合構造体の表面に適用された取り外し可能な色証拠アップリケ中の複数の色プローブを活性化するように構成された光源であって、異なるタイプの色プローブの各々が異なる所定の時間‐温度範囲内で蛍光発光するように構成されている、光源と、光源に対する異なるタイプの色プローブの色応答の一つ以上の画像を撮像及び記録するように構成された撮像デバイスであって、色応答が一つ以上の色変化と一つ以上の強度変化を含む、撮像デバイスと、色応答に基づいて、一つ以上の画像を処理及び分析して、所定の閾値温度を超える温度と、所定の閾値衝撃を超える衝撃の一方を受けた複合構造体の表面上の領域を特定するように構成されたデータ処理システムとを備える取り外し可能な色証拠システム。
【0143】
項10
取り外し可能な色証拠アセンブリが、バッキングフィルム層及び感圧接着剤(PSA)層を更に備え、バッキングフィルム層が複数の色証拠幾何学的構成体に結合され、感圧接着剤(PSA)層がバッキングフィルム層に結合されている、項9に記載の取り外し可能な色証拠システム。
【0144】
項11
複数の色証拠幾何学的構成体が三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体を備え、三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体の各々が異なるタイプの色プローブを有する、項9に記載の取り外し可能な色証拠システム。
【0145】
項12
光源が、紫外線(UV)光源と、発光ダイオード(LED)光源と、赤外線(IR)光源とのうち一つを備え、撮像デバイスが、分析計を含む検出器とデジタルカメラを含むカメラの一方を備える、項9に記載の取り外し可能な色証拠システム。
【0146】
項13
複合構造体が航空機複合構造体を備え、取り外し可能な色証拠アップリケが、取り外し可能な色証拠アップリケが適用されている複合構造体の表面にわたって熱試験測定と衝撃試験測定を行うように構成された多重感知アップリケであり、複合構造体の試験後に、取り外し可能な色証拠アップリケが分析のために取り外される、項9に記載の取り外し可能な色証拠システム。
【0147】
項14
取り外し可能な色証拠システムを用いて、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視する方法であって、取り外し可能な色証拠システムを提供するステップであって、取り外し可能な色証拠システムが、熱事象と衝撃事象の一方について試験及び監視される表面を有する複合構造体と、ポリマーフィルム層の一つ以上の部分に或る配置で個別に結合された複数の色証拠幾何学的構成体を有する取り外し可能な色証拠アップリケで構成される取り外し可能な色証拠アセンブリであって、各色証拠幾何学的構成体が、接着剤中に取り込まれた同じタイプの複数の色プローブを備え、複数の色証拠幾何学的構成体のうち少なくとも二つが、複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象の一方を感知するための異なる感知性能を有する異なるタイプの色プローブを有する、取り外し可能な色証拠アセンブリと、光源と、撮像デバイスと、データ処理システムとを備える、ステップと、試験及び監視される複合構造体の表面上に直接且つ連続的に取り外し可能な色証拠アップリケを適用するステップと、取り外し可能な色証拠アップリケが適用された複合構造体を一つ以上の温度と一つ以上の衝撃の一方に所定の期間にわたって晒すことによって、取り外し可能な色証拠アップリケが適用された複合構造体を試験するステップと、取り外し可能な色証拠アップリケを光源で照らして、光源に応答して異なる所定の時間‐温度範囲内で蛍光発光するように異なるタイプの色プローブを活性化させるステップと、撮像デバイスを用いて、光源に対する異なるタイプの色プローブの色応答の一つ以上の画像を取得するステップであって、色応答が一つ以上の色変化と一つ以上の強度変化を含む、ステップと、データ処理システムを用いて、色応答に基づき、所定の閾値温度を超える温度と、所定の閾値衝撃を超える衝撃との一方を受けた複合構造体の表面上の領域を特定するステップとを備える方法。
【0148】
項15
取り外し可能な色証拠アップリケが適用された複合構造体を試験するステップの後であって、光源で照らすステップの前に、色証拠アップリケを複合構造体から取り外すステップを更に備える項14に記載の方法。
【0149】
項16
取り外し可能な色証拠システムを提供するステップが、バッキングフィルム層及び感圧接着剤(PSA)層を有する取り外し可能な色証拠アップリケを提供することを備え、バッキングフィルム層が複数の色証拠幾何学的構成体に結合され、感圧接着剤(PSA)層がバッキングフィルム層に結合される、項14に記載の方法。
【0150】
項17
取り外し可能な色証拠システムを提供するステップが、三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体を有する取り外し可能な色証拠アップリケを提供することを備え、三種の繰り返し色証拠幾何学的構成体の各々が三種の異なる所定の時間‐温度範囲内で蛍光発光するように構成された異なるタイプの色プローブを有する、項14に記載の方法。
【0151】
項18
取り外し可能な色証拠アップリケが適用された複合構造体を試験するステップの前に、複合構造体に取り付けられた一つ以上のサーモカップルを用いて、複合構造体の表面上に適用された取り外し可能な色証拠アップリケ中の複数の色プローブの較正を行うステップを更に備える項14に記載の方法。
【0152】
項19
取り外し可能な色証拠アップリケが適用された複合構造体を試験するステップが、飛行試験と熱試験と衝撃試験とのうち一つを含む試験を行うことによって、航空機複合構造体を試験することを備える、項14に記載の方法。
【0153】
項20
複合構造体の表面に対する熱事象と衝撃事象を監視する取り外し可能な色証拠アセンブリを作製する方法であって、複数の色プローブを接着剤と混合して、複数の個別の色証拠幾何学的構成体を形成するステップであって、複数の色プローブが第一組の色プローブと第二組の色プローブと第三組の色プローブとを少なくとも備える、ステップと、各色証拠幾何学的構成体の上にポリマーフィルム層を適用して、複数の取り外し可能な色証拠アセンブリを形成するステップと、各取り外し可能な色証拠アセンブリを複数の個別の矩形ストリップに分割するステップと、矩形ストリップを隣接する繰り返し配置でバッキングフィルム層上に適用するステップと、色証拠幾何学的構成体及びポリマーフィルム層が取り付けられたバッキングフィルム層に感圧接着剤(PSA)層を適用して、複合構造体の表面上に適用されるように構成された取り外し可能な色証拠アップリケで構成される取り外し可能な色証拠アセンブリを形成するステップとを備える方法。
【0154】
項21
複数の色プローブを接着剤と混合して、複数の個別の色証拠幾何学的構成体を形成するステップが、所定の閾値温度を超える温度と所定の閾値衝撃を超える衝撃の一方に晒されることによって活性化するように第一組の色プローブと第二組の色プローブと第三組の色プローブの各々を調整することを備える、項20に記載の方法。
【0155】
項22
各取り外し可能な色証拠アセンブリを複数の個別の矩形ストリップに分割するステップが、各取り外し可能な色証拠アセンブリを、略0.5インチ以上の幅を有する複数の個別の矩形ストリップに切断することを備える、項20に記載の方法。
【0156】
項23
矩形ストリップを隣接する繰り返し配置でバッキングフィルム層の上に適用するステップが、略130°Fから略500°Fまでの温度範囲内において安定なポリマーフィルム層を備えるバッキングフィルム層上に矩形ストリップを適用することを備える、項20に記載の方法。
【0157】
項24
バッキングフィルム層に感圧接着剤(PSA)層を適用して、取り外し可能な色証拠アセンブリを形成するステップが、テープ状の取り外し可能な色証拠アップリケを形成することを備える、項20に記載の方法。
【0158】
以上の説明及び関連する図面に与えられている教示の恩恵に与ることで、当業者には、本開示の多数の修正及び他の実施形態が想起されるものである。本開示の実施形態は、例示的なものであり、限定的又は排他的なものではない。本願では特定の用語が用いられているが、それらの用語は一般的で説明的な意味において用いられているものであり、限定的な目的で用いられているものではない。
【符号の説明】
【0159】
10 取り外し可能な色証拠アセンブリ
12 取り外し可能な色証拠アップリケ
14 複合構造体
16 複合構造体の表面
32 ポリマーフィルム層
40 色証拠幾何学的構成体
60 バッキングフィルム層
70 感圧接着剤層