(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】広告情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20220113BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220113BHJP
【FI】
G06Q10/10 340
G06Q30/02 436
G06Q30/02 398
(21)【出願番号】P 2017180083
(22)【出願日】2017-09-20
【審査請求日】2020-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【氏名又は名称】是枝 洋介
(72)【発明者】
【氏名】原田 美紀
(72)【発明者】
【氏名】橋本 依子
(72)【発明者】
【氏名】横倉 直子
(72)【発明者】
【氏名】白崎 隆一
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-040048(JP,A)
【文献】特開2017-097789(JP,A)
【文献】特開2003-216862(JP,A)
【文献】特開2001-109810(JP,A)
【文献】特開2013-012140(JP,A)
【文献】特開2005-227926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を携行するユーザに対して広告情報を提供する広告情報提供システムにおいて、
各種のサービスに係る広告情報を記憶する広告情報記憶部と、
前記ユーザのスケジュール情報に基づいて、当該ユーザに空き時間が発生するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって空き時間が発生すると判定された場合、その空き時間内に完了可能なサービスを特定する
第1特定手段と、
前記
第1特定手段によって特定されたサービスに係る広告情報を、前記広告情報記憶部から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された広告情報を、前記ユーザが携行する携帯端末に対して送信する
第1送信手段と
、
前記判定手段によって空き時間が発生しないと判定された場合、前記ユーザのスケジュールの変更により発生する空き時間内に完了可能なサービスを特定する第2特定手段と、
前記第2特定手段によって特定されたサービスを示す通知情報を、前記ユーザが携行する携帯端末に対して送信する第2送信手段と
を備える、広告情報提供システム。
【請求項2】
前記スケジュール情報には、前記ユーザの予定の開始時刻が含まれており、
前記判定手段は、現在時刻と前記スケジュール情報に含まれる前記ユーザの開始時刻とに基づいて、当該ユーザに空き時間が発生するか否かを判定するように構成されている、
請求項1に記載の広告情報提供システム。
【請求項3】
前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段をさらに備え、
前記スケジュール情報には、前記ユーザの予定場所が含まれており、
前記判定手段は、前記位置取得手段によって取得された前記ユーザの現在位置と前記スケジュール情報に含まれる前記ユーザの予定場所の位置とに基づいて、当該ユーザに空き時間が発生するか否かを判定するように構成されている、
請求項1又は2に記載の広告情報提供システム。
【請求項4】
前記スケジュール情報には、前記ユーザの予定場所が含まれており、
前記
第1特定手段は、前記サービスの提供地と前記スケジュール情報に含まれる前記ユーザの予定場所の位置とに基づいて、前記空き時間内に完了可能なサービスを特定するように構成されている、
請求項1乃至3の何れかに記載の広告情報提供システム。
【請求項5】
前記
第1特定手段は、サービスの所要時間に基づいて、前記空き時間内に完了可能なサービスを特定するように構成されている、
請求項1乃至4の何れかに記載の広告情報提供システム。
【請求項6】
前記ユーザが関心を有している事柄を示す関心事情報を記憶する関心事記憶部をさらに備え、
前記
第1特定手段は、前記空き時間内に完了可能であり、且つ、前記関心事記憶部に記憶されている関心事情報に示される事柄に適合するサービスを特定するように構成されている、
請求項1乃至5の何れかに記載の広告情報提供システム。
【請求項7】
前記関心事記憶部は、前記ユーザの行動履歴に基づいて導出された前記事柄を示す関心事情報を記憶するように構成されている、
請求項6に記載の広告情報提供システム。
【請求項8】
前記関心事記憶部は、前記ユーザの位置に関する行動履歴に基づいて導出された前記事柄を示す関心事情報を記憶するように構成されている、
請求項7に記載の広告情報提供システム。
【請求項9】
前記関心事記憶部は、特定の位置における前記ユーザの滞在時間に関する行動履歴に基づいて導出された前記事柄を示す関心事情報を記憶するように構成されている、
請求項8に記載の広告情報提供システム。
【請求項10】
前記関心事記憶部は、前記ユーザのコンテンツの視聴履歴に基づいて導出された前記事柄を示す関心事情報を記憶するように構成されている、
請求項6に記載の広告情報提供システム。
【請求項11】
前記関心事記憶部は、前記ユーザの行動予定に基づいて導出された前記事柄を示す関心事情報を記憶するように構成されている、
請求項6に記載の広告情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対して広告情報を提供する広告情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の普及に伴い、携帯端末を携行して移動しているユーザに対して効果的に広告情報を提供することができるコンピュータシステムが種々提案されている。例えば、特許文献1には、ユーザの行動パターン情報を記憶しておき、その行動パターン情報に基づいて特定された広告情報をそのユーザに対して提供する広告情報送信装置が開示されている。この広告情報送信装置によれば、ユーザの行動パターンに適合した広告情報が提供されることになるため、例えばユーザが次に移動する可能性が高い店舗等に係る広告情報を提供することが可能となり、不要な広告情報が送信されることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の広告情報送信装置の場合、広告情報を受け取った際にユーザに時間的な余裕がないときは、その広告情報が不要なものになるという問題がある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上述した課題を解決することが可能な広告情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様の広告情報提供システムは、携帯端末を携行するユーザに対して広告情報を提供する広告情報提供システムにおいて、各種のサービスに係る広告情報を記憶する広告情報記憶部と、前記ユーザのスケジュール情報に基づいて、当該ユーザに空き時間が発生するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって空き時間が発生すると判定された場合、その空き時間内に完了可能なサービスを特定する特定手段と、前記特定手段によって特定されたサービスに係る広告情報を、前記広告情報記憶部から抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された広告情報を、前記ユーザが携行する携帯端末に対して送信する送信手段とを備える。
【0007】
前記態様において、前記スケジュール情報には、前記ユーザの予定の開始時刻が含まれており、前記判定手段は、現在時刻と前記スケジュール情報に含まれる前記ユーザの開始時刻とに基づいて、当該ユーザに空き時間が発生するか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0008】
また、前記態様において、前記ユーザの現在位置を取得する位置取得手段をさらに備え、前記スケジュール情報には、前記ユーザの予定場所が含まれており、前記判定手段は、前記位置取得手段によって取得された前記ユーザの現在位置と前記スケジュール情報に含まれる前記ユーザの予定場所の位置とに基づいて、当該ユーザに空き時間が発生するか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記スケジュール情報には、前記ユーザの予定場所が含まれており、前記特定手段は、前記サービスの提供地と前記スケジュール情報に含まれる前記ユーザの予定場所の位置とに基づいて、前記空き時間内に完了可能なサービスを特定するように構成されていてもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記特定手段は、サービスの所要時間に基づいて、前記空き時間内に完了可能なサービスを特定するように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記態様において、前記ユーザが関心を有している事柄を示す関心事情報を記憶する関心事記憶部をさらに備え、前記特定手段は、前記空き時間内に完了可能であり、且つ、前記関心事記憶部に記憶されている関心事情報に示される事柄に適合するサービスを特定するように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記態様において、前記関心事記憶部は、前記ユーザの行動履歴に基づいて導出された前記事柄を示す関心事情報を記憶するように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記態様において、前記関心事記憶部は、前記ユーザの位置に関する行動履歴に基づいて導出された前記事柄を示す関心事情報を記憶するように構成されていてもよい。
【0014】
また、前記態様において、前記関心事記憶部は、特定の位置における前記ユーザの滞在時間に関する行動履歴に基づいて導出された前記事柄を示す関心事情報を記憶するように構成されていてもよい。
【0015】
また、前記態様において、前記関心事記憶部は、前記ユーザのコンテンツの視聴履歴に基づいて導出された前記事柄を示す関心事情報を記憶するように構成されていてもよい。
【0016】
また、前記態様において、前記関心事記憶部は、前記ユーザの行動予定に基づいて導出された前記事柄を示す関心事情報を記憶するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る広告情報提供システムによれば、利用される可能性が高いサービスについての広告情報をユーザに提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態に係る広告情報提供システム及びその通信先の構成を示すブロック図。
【
図2】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置の構成を示すブロック図。
【
図3】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置に設けられている行動履歴データベースのレイアウトの一例を示す図。
【
図4】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置に設けられている視聴履歴データベースのレイアウトの一例を示す図。
【
図5】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置に設けられている行動予定データベースのレイアウトの一例を示す図。
【
図6】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置に設けられている関心事データベースのレイアウトの一例を示す図。
【
図7】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置に設けられている広告関連データベースのレイアウトの一例を示す図。
【
図8】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置によって実行される行動履歴収集処理の手順を示すフローチャート。
【
図9】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置によって実行される視聴履歴収集処理の手順を示すフローチャート。
【
図10】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置によって実行される行動予定収集処理の手順を示すフローチャート。
【
図11】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置及び携帯端末によって実行される広告情報提供処理の手順を示すフローチャート。
【
図12】携帯端末が備える表示部に表示される広告表示画面の一例を示す図。
【
図13】携帯端末が備える表示部に表示される広告詳細画面の一例を示す図。
【
図14】携帯端末が備える表示部に表示される関心事情報編集画面の一例を示す図。
【
図15】本発明の実施の形態に係る広告情報提供装置によって実行される空き時間判定処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0020】
[広告情報提供システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る広告情報提供システム及びその通信先の構成を示すブロック図である。本実施の形態の広告情報提供システムは、
図1における広告情報提供装置(以下、単に「提供装置」という)1で構成されている。この提供装置1は、各種サービスに係る広告情報をユーザに対して提供するためのコンピュータシステムであって、各ユーザが携行する携帯端末2,2,…と、インターネット等の通信ネットワーク101を介して通信可能に接続されている。ここで、携帯端末2,2,…は、例えば携帯電話機及びタブレット端末等の通信機能を有する装置で構成される。また、提供装置1は、各ユーザ側に設けられている情報端末3,3,…とも、通信ネットワーク101を介して通信可能に接続されている。ここで、情報端末3,3,…は、文書、音楽、画像、及び映像等の各種コンテンツを視聴可能な装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、テレビ端末、及びラジオ端末等の通信機能を有する装置で構成される。なお、携帯端末2が情報端末3として機能することもある。
【0021】
[提供装置の構成]
以下、上述した提供装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る提供装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示すとおり、コンピュータ(提供装置)1は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、及び通信インタフェース(I/F)15を備えており、これらのCPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、及び通信I/F15は、バス16によって接続されている。
【0022】
CPU11は、RAM13にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ1が本実施の形態の提供装置1として機能することになる。
【0023】
ROM12は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU11にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
【0024】
RAM13は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM13は、ハードディスク14に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU11が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU11の作業領域としても利用される。
【0025】
ハードディスク14には、CPU11に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク14には、各ユーザの行動履歴に関する行動履歴情報が格納される行動履歴(DB)14Aと、各ユーザのコンテンツ視聴履歴に関する視聴履歴情報が格納される視聴履歴データベース(DB)14Bと、各ユーザの行動予定に関する行動予定情報が格納される行動予定データベース(DB)14Cと、各ユーザが関心を有している事柄に関する関心事情報が格納される関心事データベース(DB)14Dと、各ユーザに対して提供される広告に関連する広告関連情報が格納される広告関連データベース(DB)14Eとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0026】
さらに、ハードディスク14には、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、各種のコンピュータプログラムが当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0027】
通信I/F15は、通信ネットワーク101を介して提供装置1が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。提供装置1は、この通信I/F15を介して、携帯端末2,2,…及び情報端末3,3,…との間で各種データの送受信を行う。
【0028】
以下、ハードディスク14に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)行動履歴DB14A
図3は、本発明の実施の形態に係る提供装置1に設けられている行動履歴DB14Aのレイアウトの一例を示す図である。
図3に示すように、行動履歴DB14Aは、ユーザを識別するためのユーザIDが格納されるユーザIDフィールド111、ユーザが滞在していた位置(経度及び緯度)を示す位置情報が格納される位置フィールド112、その位置によって特定される地点を識別するための地点IDが格納される地点IDフィールド113、ユーザがその地点での滞在を開始した日時及び終了した日時がそれぞれ格納される開始日時フィールド114及び終了日時フィールド115、並びに、これらの地点、開始日時及び終了日時によって推測されるユーザの関心事が格納される関心事フィールド116を少なくとも有している。この行動履歴DB14Aに格納される行動履歴情報は、後述する行動履歴収集処理によって生成される。
【0029】
(B)視聴履歴DB14B
図4は、本発明の実施の形態に係る提供装置1に設けられている視聴履歴DB14Bのレイアウトの一例を示す図である。
図4に示すように、視聴履歴DB14Bは、ユーザIDが格納されるユーザIDフィールド211、ユーザによって視聴されたコンテンツを識別するためのコンテンツIDが格納されるコンテンツIDフィールド212、コンテンツの視聴が開始された日時及び終了した日時がそれぞれ格納される開始日時フィールド213及び終了日時フィールド214、並びに、これらのコンテンツ、開始日時及び終了日時によって推測されるユーザの関心事が格納される関心事フィールド215を少なくとも有している。この視聴履歴DB14Bに格納される視聴履歴情報は、後述する視聴履歴収集処理によって生成される。
【0030】
(C)行動予定DB14C
図5は、本発明の実施の形態に係る提供装置1に設けられている行動予定DB14Cのレイアウトの一例を示す図である。
図5に示すように、行動予定DB14Cは、ユーザIDが格納されるユーザIDフィールド311、ユーザの行動の開始予定日時が格納される開始予定日時フィールド312、同じく終了予定日時が格納される終了予定日時フィールド313、行動の内容が格納される内容フィールド314、及び、これらの行動の開始予定日時及び終了予定日時並びに行動の内容によって推測されるユーザの関心事が格納される関心事フィールド315を少なくとも有している。この行動予定DB14Cに格納される行動予定情報は、後述する行動予定収集処理によって生成される。
【0031】
(D)関心事DB14D
図6は、本発明の実施の形態に係る提供装置1に設けられている関心事DB14Dのレイアウトの一例を示す図である。
図6に示すように、関心事DB14Dは、ユーザIDが格納されるユーザIDフィールド411、ユーザの関心事が格納される関心事フィールド412、及び、その関心事に対して付与される重要度が格納される重要度フィールド413を少なくとも有している。この関心事DB14Dに格納される関心事情報は、後述するように、行動履歴情報、視聴履歴情報、及び行動予定情報に基づいて生成される。
【0032】
上記の重要度は、提供装置1によって所定のルールに基づいて決定される。具体的には、例えばユーザの滞在時間又は視聴時間が長いほど、それらに基づいて推測された関心事の重要度を高くしたり、ユーザの行動又は視聴の時点からの経過時間が長いほど、それらに基づいて推測された関心事の重要度を低くしたりする等のルールに基づいて決定される。後述するように、この重要度はユーザによって適宜変更することが可能である。
【0033】
(E)広告関連DB14E
図7は、本発明の実施の形態に係る提供装置1に設けられている広告関連DB14Eのレイアウトの一例を示す図である。
図7に示すように、広告関連DB14Eは、広告を識別するための広告IDが格納される広告IDフィールド511、広告に係るサービスを提供する提供地の位置を示す位置情報(経度及び緯度)が格納される位置フィールド512、そのサービスを受けるために要する所要時間が格納される所要時間フィールド513、そのサービスの概要が格納されるサービス概要フィールド514、及び、そのサービスに係る広告の内容を示す広告内容情報の格納先が格納される広告内容フィールド515を少なくとも有している。この広告関連DB14Eに格納される広告関連情報は、広告主である店舗等から取得された情報に基づいて生成される。
【0034】
[広告情報提供システムの動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態の広告情報提供システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。以下では、(1)各ユーザの関心事を導出するために用いられるユーザ関連情報を収集するためのユーザ関連情報収集処理、及び(2)各ユーザに広告情報を提供するための広告情報提供処理の各処理について、詳細を説明する。
【0035】
(1)ユーザ関連情報収集処理
本実施の形態においては、行動履歴情報、視聴履歴情報、及び行動予定情報の3つのユーザ関連情報によって、ユーザの関心事が推測される。これらの各ユーザ関連情報を収集するための処理である行動履歴収集処理、視聴履歴収集処理、及び行動予定収集処理について、説明する。
【0036】
(1-1)行動履歴収集処理
図8は、本発明の実施の形態に係る提供装置1によって実行される行動履歴収集処理の手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、提供装置1は、各ユーザが携行する携帯端末2から、ユーザの行動を示す行動情報を取得する(S101)。この行動情報には、ユーザの位置を示す位置情報、並びにその位置における滞在の開始日時及び終了日時が含まれている。携帯端末2は、当該位置における滞在時間が一定時間(例えば5分等)を超えた場合に、行動情報を生成し、提供装置1に対して送信する。この行動情報の送信は、所定の時間間隔で繰り返し実行されてもよく、また、提供装置1から行動情報の送信要求を受信した場合にその要求に応じて実行されてもよい。ステップS101における行動情報の取得は、このようにして携帯端末2から送信された行動情報を提供装置1が受信することによって可能となる。
【0037】
次に、提供装置1は、取得した行動情報に含まれている位置情報に基づいて、ユーザが滞在していた地点を特定する(S102)。そして、提供装置1は、行動情報に含まれている滞在の開始日時及び終了日時から滞在時間を算出し、その滞在時間と特定した地点とに基づいて、ユーザの関心事を推測する関心事推測処理を実行する(S103)。この関心事推測処理において、提供装置1は、ユーザが滞在していた地点に関する事柄について当該ユーザは関心を有している可能性があると判断し、また、滞在時間が長いほどその関心の度合いが高いと判断する。例えば、特定した地点が靴店舗内のサンダル売り場であった場合、提供装置1は、ユーザがサンダルの購入に関心を有している可能性があると判断する。ここで、提供装置1は、滞在時間が所定値未満である場合はその関心の度合いが低いと判断し、ユーザはサンダルの購入に関心を有していないと推測する一方、滞在時間が所定値以上である場合はその関心の度合いが高いと判断し、サンダルの購入がユーザの関心事であると推測する。
【0038】
次に、提供装置1は、上述したようにして得られた位置情報、地点、滞在の開始日時及び終了日時、並びに推測された関心事を示す情報を用いて行動履歴情報を生成し(S104)、これを行動履歴DB14Aに登録する(S105)。なお、上記の関心事推測処理(S103)によってユーザの関心事が得られなかった場合、当該行動からは関心事が導かれなかったものとして、関心事フィールド116は空白となる。
【0039】
(1-2)視聴履歴収集処理
図9は、本発明の実施の形態に係る提供装置1によって実行される視聴履歴収集処理の手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、提供装置1は、各ユーザによって利用されるテレビ端末等の情報端末3から、ユーザのコンテンツ視聴に関する視聴情報を取得する(S201)。この視聴情報には、ユーザが情報端末3を用いて視聴しているコンテンツのコンテンツID、並びに視聴の開始日時及び終了日時が含まれている。情報端末3は、ユーザによるコンテンツの視聴が終了する都度、視聴情報を生成し、所定のタイミング(例えば、視聴情報を生成する都度、又は提供装置1から送信要求を受信した場合等)で提供装置1に対して送信する。ステップS201における視聴情報の取得は、このようにして情報端末3から送信された視聴情報を提供装置1が受信することによって可能となる。
【0040】
次に、提供装置1は、取得した視聴情報に含まれているコンテンツIDと視聴の開始日時及び終了日時とに基づいて、ユーザの関心事を推測する関心事推測処理を実行する(S202)。この関心事推測処理において、提供装置1は、コンテンツIDによってユーザが視聴したコンテンツを特定し、そのコンテンツに関する事柄について当該ユーザは関心を有している可能性があると判断する。例えば、ユーザが視聴したコンテンツがテレビ番組のドラマであった場合、提供装置1は、そのドラマに出演している女優の衣装についてユーザは関心を有している可能性があると判断する。この場合、提供装置1は、視聴の開始日時及び終了日時を参照し、それらから得られる視聴時間中の場面における女優の衣装を特定し、その衣装についてユーザが関心を有していると推測する。なお、出演している女優及びその女優の各場面における衣装等の各情報については、コンテンツ作成側から入手するものとする。その他にも、例えばユーザが納豆をテーマにしたコンテンツを視聴していた場合、提供装置1は、納豆をはじめとする健康食品の購入に関心を有していると推測すること等が考えられる。
【0041】
次に、提供装置1は、上述したようにして得られたコンテンツID、視聴の開始日時及び終了日時、並びに推測された関心事を示す情報を用いて視聴履歴情報を生成し(S203)、これを視聴履歴DB14Bに登録する(S204)。なお、上記の関心事推測処理(S202)によってユーザの関心事が得られなかった場合、当該視聴からは関心事が導かれなかったものとして、関心事フィールド215は空白となる。
【0042】
(1-3)行動予定収集処理
図10は、本発明の実施の形態に係る提供装置1によって実行される行動予定収集処理の手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、提供装置1は、各ユーザの携帯端末2から、ユーザの行動の予定を示す予定情報を取得する(S301)。この予定情報には、ユーザが予定している行動の内容並びにその行動の開始予定日時及び終了予定日時が含まれている。携帯端末2は、ユーザによって行動の予定が入力された場合に、予定情報を生成し、提供装置1に対して送信する。この予定情報の送信は、所定の時間間隔で繰り返し実行されてもよく、また、提供装置1から受信した送信要求に応じて実行されてもよい。ステップS301における予定情報の取得は、このようにして携帯端末2から送信された予定情報を提供装置1が受信することによって可能となる。
【0043】
次に、提供装置1は、取得した予定情報に含まれている行動の内容と開始予定日時及び終了予定日時とに基づいて、ユーザの関心事を推測する関心事推測処理を実行する(S302)。この関心事推測処理において、提供装置1は、ユーザが予定している行動の内容に関する事柄について当該ユーザは関心を有している可能性があると判断する。例えば、ユーザがニューヨーク旅行を予定している場合、提供装置1は、英会話のレッスンに関心を有していると推測する。この場合、提供装置1は、旅行の開始予定日時等に基づいて関心の有無を判定するようにしてもよい。具体的には、提供装置1が、旅行の開始予定日時及び終了予定日時を参照し、それらの日時から得られるニューヨークでの滞在時間が所定値以上である場合、又は旅行の開始予定日時が近づいている場合にユーザが英会話のレッスンに関心を有していると判定すること等が考えられる。
【0044】
次に、提供装置1は、上述したようにして得られた行動の内容、行動の開始予定日時及び終了予定日時、並びに推測された関心事を示す情報を用いて行動予定情報を生成し(S303)、これを行動予定DB14Cに登録する(S304)。なお、上記の関心事推測処理(S302)によってユーザの関心事が得られなかった場合、当該行動予定からは関心事が得られなかったものとして、関心事フィールド315は空白となる。
【0045】
上記の行動履歴収集処理、視聴履歴収集処理、及び行動予定収集処理が繰り返し実行されることによって、行動履歴情報、視聴履歴情報、及び行動予定情報が各DBに蓄積される。その後、提供装置1は、これらの各情報に含まれているユーザの関心事を用いて関心事情報を生成し、これを関心事DB14Dに登録する。これにより、各ユーザに係る関心事情報が関心事DB14Dに蓄積される。
【0046】
上述したように本実施の形態では関心事推測処理によってユーザの関心事が自動的に推測されているが、マニュアルで設定されてもよい。例えば、広告情報提供システムの運営者が、行動履歴情報、視聴履歴情報、及び行動予定情報に基づいてユーザの関心事を推測し、これを関心事DB14Dに入力するようにしてもよい。
【0047】
(2)広告情報提供処理
図11は、本発明の実施の形態に係る提供装置1及び携帯端末2によって実行される広告情報提供処理の手順を示すフローチャートである。ユーザは、次の予定までの間に特別な用事がない時間(空き時間)が発生したと判断した場合、そのことを示す空き時間情報を提供装置1へ送信するように携帯端末2に指示する。具体的には、例えば知人とレストランでの食事を予定しているユーザが、そのレストランの最寄り駅に想定よりも早く到着した場合、空き時間が発生したと判断し、空き時間情報の提供装置1への送信を携帯端末2に指示する。この指示を受け付けた携帯端末2は、
図11に示すように、提供装置1に対して空き時間情報を送信する(S401)。なお、この空き時間情報には、次の予定(例えば、知人との夕食等)に係る場所(例えば、レストラン等)の位置及びその予定の開始日時(例えば、夜7時等)並びにユーザの現在位置が含まれている。
【0048】
提供装置1は、携帯端末2から空き時間情報を受信した場合(S501)、ユーザに空き時間が発生したと判定し、以下の処理を実行する。まず、提供装置1は、その空き時間情報に基づいて、ユーザの空き時間内に完了可能なサービスを広告関連DB14Eから特定する(S502)。このステップS502について詳述すると、提供装置1はまず、空き時間情報に含まれているユーザの現在位置及び予定場所の位置を参照し、それらの位置の少なくとも一方と所定距離内の場所において提供可能なサービスに係る広告情報を、広告関連DB14Eから抽出する。具体的には、ユーザの現在位置又は予定場所の位置と、広告情報に含まれるサービスの提供地の位置とを比較し、それらの間の距離が所定値以内である場合、提供装置1は、当該サービスに係る広告情報を広告関連DB14Eから抽出する。
【0049】
次に、提供装置1は、現在時刻及び空き時間情報に含まれている次の予定の開始日時を参照し、どのサービスであれば空き時間内に完了させることができるかを判定する。このとき、提供装置1は、ユーザの現在位置からサービスの提供地までの移動時間、及びその提供地から次の予定場所の位置までの移動時間を算出し、これらの移動時間とサービス所要時間との和が、現在時刻から次の予定の開始日時までの時間内であるか否かによって、空き時間内にサービスが完了するか否かを判定する。このような処理によって空き時間内に完了可能であると判定されたサービスがステップS502によって特定されることになる。
【0050】
次に、提供装置1は、関心事DB14D及び広告関連DB14Eを参照して、ステップS502において特定されたサービスの中から、ユーザの関心事に適合するサービスを特定する(S503)。より詳細には、提供装置1は、関心事DB14Dにおいて当該ユーザと紐付けられている関心事、及び、ステップS502にて特定されたサービスと広告関連DB14Eにおいて紐付けられているサービス概要を参照し、それらが一致するか否かを判定することにより、ユーザの関心事に適合するサービスの特定を行う。例えば、
図6に例示されている関心事「サンダル購入」と
図7に例示されているサービス概要「サンダル販売」とは一致すると判定され、この「サンダル販売」のサービスについてユーザが関心を有しているものと判断される。
【0051】
次に、提供装置1は、ステップS503によって特定されたサービスに係る広告関連情報を広告関連DB14Eから抽出し(S504)、その抽出した広告関連情報に示されている広告内容情報を含む広告表示情報を携帯端末2に対して送信する(S505)。携帯端末2は、広告表示情報を受信した場合(S402)、その広告表示情報にしたがって広告表示画面を表示部に表示する(S403)。
【0052】
図12は、携帯端末2が備える表示部に表示される広告表示画面の一例を示す図である。
図12に示す例において、広告表示画面1001には、広告を表示するための広告表示欄1011、その広告を削除するための削除ボタン1012、空き時間を表示するための空き時間表示欄1013、関心事情報の編集を指示するための編集指示ボタン1014、及び広告表示画面1001を閉じるためのボタン1015が設けられている。この例では、「サンダルを見に行く」、「英会話の無料レッスン」及び「北海道物産展に行く」の3つの広告を表示するための広告表示欄1011が示されているが、この数は限定されるものではなく、表示画面のサイズ等によって適宜変更される。画面をスクロール可能とすることにより、より多くの数の広告が表示されてもよい。ここで、関心事DB14Dにて規定されている重要度の高い関心事に適合する広告が優先的に表示されるようにする。また、空き時間を可能な限り有効に活用するために、空き時間表示欄1013に表示されている空き時間と、ユーザの現在位置からサービスの提供地までの移動時間、その提供地から次の予定場所の位置までの移動時間、及びサービス所要時間の和との差が少ないものに係る広告が優先的に表示されるようにする。
【0053】
ユーザは、携帯端末2を操作して、詳細な内容の確認を希望する広告が表示されている広告表示欄1011の領域内をクリックする。その結果、以下の広告詳細画面が携帯端末2の表示部に表示される。
図13は、広告詳細画面の一例を示す図である。
図13に示すように、広告詳細画面2001には、広告の詳細な内容を示す文章、及びユーザの現在位置とサービス提供地とが示されたアクセスマップが表示される。ユーザは、この広告詳細画面2001を参照することにより、サービスの内容及びサービス提供地への経路を把握することができ、空き時間を利用して当該サービスを受けるかどうかを判断することができる。なお、広告詳細画面2001には前画面に戻るためのボタン2011が設けられており、このボタン2011がクリックされた場合、広告表示画面1001に遷移することになる。
【0054】
なお、広告表示画面1001において、削除ボタン1012がクリックされた場合、対応する広告表示欄1011の内容が切り替わる。具体的には、その時点で広告表示画面1001に表示されている広告の次に重要度が高い関心事に適合する広告が、クリックされた削除ボタン1012に係る広告表示欄1011に表示されることになる。
【0055】
また、ユーザは、携帯端末2を操作して、広告表示画面1001における空き時間表示欄1013の表示内容を修正することができる。例えば、ユーザは、その時点において表示されている空き時間よりも長い時間を設定するために、携帯端末2を操作してより大きい値を空き時間表示欄1013に入力する。その場合、携帯端末2から提供装置1に対して修正後の空き時間の長さが通知され、それを受けた提供装置1は、上述したステップS502を実行して、修正後の空き時間内にサービスが完了可能な広告を特定し、それ以降の処理を実行する。その結果、携帯端末2には、修正後の空き時間に適合したサービスに係る広告が示された広告表示画面1001が表示されることになる。
【0056】
また、ユーザは、関心がある広告が表示されていない場合等に、関心事情報の編集を行うことができる。この場合、ユーザは、携帯端末2を操作して編集ボタン1014をクリックする。その結果、以下の関心事情報編集画面が携帯端末2の表示部に表示される。
図14は、関心事情報編集画面の一例を示す図である。
図14に示すように、関心事情報編集画面3001には、関心事情報を表示するための関心事情報表示欄3011、その関心事情報を削除するための削除ボタン3012、及び広告表示画面1001に戻るためのボタン3013が設けられている。この例では、「新しいサンダルが欲しい」、「英会話のレッスンを受けてみたい」、「ドラマで見た衣装が欲しい」及び「北海道旅行に行った」の4つの関心事情報を表示するための関心事情報表示欄3011が示されているが、この数は限定されるわけではなく、表示画面のサイズ等によって適宜変更される。画面をスクロール可能とすることにより、より多くの数の関心事情報が表示されてもよい。ここで、関心事DB14Dにて規定されている重要度の高い関心事に係る広告が優先的に表示されるようにする。
図14に示す例において、関心事の重要度は、関心事情報表示欄3011内に示された星マークの数によって表されている。この例では、黒塗りの星マークの数によって重要度が表されている。
【0057】
関心事情報編集画面3001において関心を有していない関心事情報が示されている場合、ユーザは、その関心事情報と対応付けられている削除ボタン3012をクリックする。これにより、関心事情報表示欄3011の内容が切り替わる。具体的には、その時点で関心事情報編集画面3001において表示されている関心事情報の次に重要度が高い関心事に係る関心事情報が、クリックされた削除ボタン3012に係る関心事情報表示欄3011に表示されることになる。この場合、提供装置1は、携帯端末2から削除対象となった関心事情報を特定するための情報を受信し、その情報によって特定される関心事情報を関心事DB14Dから削除する。また、ユーザは、関心は有しているものの、その重要度が適切ではない関心事情報があると判断した場合、重要度を示している星マークをクリックする。これにより、黒塗りの星マークの数を増減させることができ、重要度の編集を行うことができる。その場合、提供装置1は、携帯端末2から重要度変更の対象となった関心事情報を特定するための情報を受信し、その情報によって特定される関心事情報に対してユーザにより設定された重要度を関心事DB14Dに登録する。このように、ユーザによる関心事情報の編集を可能にすることによって、ユーザの好みに沿った広告を提供することが可能になる。
【0058】
本実施の形態の広告情報提供システムは、ユーザの空き時間に対応した内容の広告情報が提供されることになるため、ユーザは有効な情報を得ることができる。広告情報の内容は、上述した例の他にも、様々なものが考えられる。例えば、ユーザが継続して購入している嗜好品がある場合、その嗜好品について関心事情報が生成され、その関心事情報とユーザの空き時間とに基づいて、その嗜好品に関する店舗及びイベントに係る広告情報の提供が行われる。具体的には、ユーザがワインを定期的に購入していることが行動履歴等によって判明し、ワインがユーザの関心事であると推測される場合であれば、提供装置1が、ワイン及びワインに関連する商品(例えば、チーズ等)のフェアについての広告情報をユーザに対して提供することが考えられる。また、ユーザが特定の漫画を購読していることが行動履歴等によって判明し、その漫画がユーザの関心事であると推測される場合であれば、提供装置1が、その漫画の単行本の新刊が発売されたときに、書店又は漫画喫茶等についての広告情報をユーザに対して提供することが可能である。その他にも、例えばユーザの残業時間が多いことが行動履歴等によって判明した場合、空き時間の範囲内の短時間で完了するストレス発散方法(例えば、一人カラオケ、30分フィットネス等)に関する広告情報を提供することも可能である。
【0059】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、提供装置1が、ユーザから取得した情報に基づいて空き時間の発生を検出しているが、これを自動的に検出するようにしてもよい。具体的には、ユーザが携帯端末2を用いてスケジュール管理を行っている場合であれば、提供装置1が携帯端末2からユーザのスケジュール情報を取得し、そのスケジュール情報に基づいて空き時間の発生を自動的に検出することができる。
図15は、そのように空き時間を自動的に検出するための空き時間判定処理の手順を示すフローチャートである。
【0060】
図15に示すように、提供装置1は、携帯端末2からスケジュール情報を受信することによって、ユーザの次の予定の開始日時及び予定場所の位置を取得し(S601)、さらに、携帯端末2から位置情報を受信することによって、ユーザの現在位置を取得する(S602)。次に、提供装置1は、現在日時から次の予定の開始日時までの時間、及び取得した予定場所の位置と現在位置との間の移動時間に基づいて、空き時間が発生するか否かを判定する(S603)。この場合、例えば次の予定までに1時間あり、移動時間が10分のとき、50分の空き時間が発生すると判定される。但し、その時間が所定値以下(例えば、10分以下)の場合、空き時間は発生しないと判定することも可能である。提供装置1は、空き時間が発生すると判定した場合(S603でYES)、上述した実施の形態1における広告情報提供処理におけるステップS502乃至S505と同様の処理を実行し(S604)、携帯端末2に対して広告表示情報を送信する。このように空き時間の発生を自動的に検出する場合、ユーザ側では特別な操作を行うことなく、空き時間の活用に有効な広告情報を得ることが可能になる。
【0061】
上記の空き時間判定処理において、ステップS603において空き時間が発生しないと判定した場合(S603でNO)、空き時間を発生させることを目的として、提供装置1がユーザ側に通知を行うようにしてもよい。その通知の内容は、「○○時に家を出発すれば、××駅で、△△分の空き時間が発生します。その空き時間を利用すると、□□のサービスを受けることができます。」等が考えられる。提供装置1は、ユーザの現在位置、予定場所の位置、及び発生可能な空き時間に基づいて、上述した広告情報提供処理と同様の処理を実行することによって、このような通知を行うことができる。これにより、ユーザは、潜在的に享受し得るサービスについて知ることが可能になる。
【0062】
また、上記の実施の形態では、関心事情報に基づいて広告情報の提供が行われているが、関心事情報に関わらず広告情報の提供を行うことも可能である。例えば、提供装置1が天候に関する情報を定期的に取得し、その情報に基づいて暑さ・雨等で不快な状況が続いていると判断した場合、空き時間が発生したユーザに対して、快適に過ごすことができる場所についての広告情報を提供すること等が考えられる。具体的には、このような状況では所謂化粧崩れが起きることが想定されるため、ユーザの現在位置の近くにある有料メイクルームについての広告情報を提供したり、ユーザが発汗により不快な思いをしていることが想定されるため、シャワーを利用可能なインターネットカフェについての広告情報を提供したりすること等が想定される。
【0063】
また、上記の実施の形態では、滞在時間が所定時間以上の行動を行動履歴情報としているが、これに限定されるわけではない。携帯端末2がユーザの移動の軌跡を可能な限り記録しておき、その記録情報を携帯端末2から取得した提供装置1がそれに基づいて行動履歴情報を生成し、行動履歴DB14Aに登録するようにしてもよい。
【0064】
また、上記の実施の形態において、提供装置1は、ユーザの次の予定に関する情報を、広告情報提供処理の実行時携帯端末2から受信しているが、当該情報を携帯端末2から事前に取得するようにしてもよい。例えば、ユーザが携帯端末2を用いてスケジュール管理を行っている場合であれば、提供装置1が所定のタイミングで携帯端末2からユーザのスケジュール情報を受信し、これを蓄積しておくことが考えられる。その場合、提供装置1は、そのスケジュール情報と現在時刻とに基づいてユーザの次の予定を検出することができ、その検出したユーザの次の予定に基づいて上述した広告情報提供処理と同様の処理を実行することができる。
【0065】
また、上述した実施の形態では、単一のコンピュータ1aによって提供装置1の機能が実現されているが、例えば複数のコンピュータによる分散システムによって提供装置1の機能が実現されていてもよく、様々な態様が想定される。
【符号の説明】
【0066】
1 広告情報提供装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 ハードディスク
14A 行動履歴データベース
14B 視聴履歴データベース
14C 行動予定データベース
14D 関心事データベース
14E 広告関連データベース
15 通信インタフェース
16 バス
2 携帯端末
3 情報端末
101 通信ネットワーク