(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】車両のパワーユニットのカプセル装置
(51)【国際特許分類】
B60K 11/04 20060101AFI20220113BHJP
B60K 11/06 20060101ALI20220113BHJP
F01P 5/06 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
B60K11/04 C
B60K11/06
F01P5/06 507
(21)【出願番号】P 2017189309
(22)【出願日】2017-09-29
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 多香子
(72)【発明者】
【氏名】田中 健作
(72)【発明者】
【氏名】岩上 祥夫
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-13638(JP,A)
【文献】実開昭54-527(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0096424(US,A1)
【文献】特開2001-355445(JP,A)
【文献】特開2000-16094(JP,A)
【文献】特開2003-326987(JP,A)
【文献】国際公開第2011/151917(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/161010(WO,A1)
【文献】特開2006-144663(JP,A)
【文献】実開昭53-74538(JP,U)
【文献】特開2013-119384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/00- 15/10
F01P 1/00- 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の房室に設けられて混合気をエンジン本体で燃焼させるパワーユニットを有する車両についての、少なくとも前記エンジン本体を囲うカプセル構造と、
前記エンジン本体の下部に突出させて前記エンジン本体と一体的に設けられ、前記エンジン本体を循環するオイルを蓄えるオイルパンと、
前記カプセル構造についての前記オイルパンの近くに設けられる排気開口部と、
前記排気開口部を閉じるように可動可能に設けられる排気開閉部材と、
前記排気開閉部材を制御して前記排気開口部を開く制御部と、
前記カプセル構造の内部を、前記エンジン本体が存在するメイン空間と前記メイン空間の下側において前記オイルパンが存在する下部空間とに仕切る仕切部材と、
前記仕切部材に形成される仕切開口部と、
前記仕切開口部を閉じるように可動可能に設けられる仕切開閉部材と、
前記仕切開閉部材を制御して前記仕切開口部を開く制御部と、
を有する、
車両のパワーユニットのカプセル装置。
【請求項2】
前記制御部は、少なくとも、前記エンジン本体若しくは前記メイン空間の第一温度、および前記オイルパン、前記オイル若しくは前記下部空間の第二温度に基づいて、前記排気開閉部材および前記仕切開閉部材を制御する、
請求項1記載の車両のパワーユニットのカプセル装置。
【請求項3】
前記制御部は、
第二温度が、前記オイルに適した温度範囲より低い場合には前記排気開閉部材を制御して前記排気開口部を閉じ、
前記第二温度が、前記オイルに適した温度範囲またはそれ以上の場合には前記排気開閉部材を制御して前記排気開口部を開く、
請求項
2記載の車両のパワーユニットのカプセル装置。
【請求項4】
前記制御部は、
第二温度が、前記オイルに適した温度範囲より低い状態において、第一温度が所定の冷却温度に達した場合、前記排気開閉部材により前記排気開口部を閉じたまま仕切開閉部材を制御して前記仕切開口部を開く、
請求項
2または3記載の車両のパワーユニットのカプセル装置。
【請求項5】
前記制御部は、
第二温度が、前記オイルに適した温度範囲またはそれ以上の状態において、前記第一温度が所定の冷却温度に達した場合、前記排気開閉部材を制御して前記排気開口部を開くとともに仕切開閉部材を制御して前記仕切開口部を開く、
請求項
2から4のいずれか一項記載の車両のパワーユニットのカプセル装置。
【請求項6】
前記カプセル構造についての前記オイルパンより前側となる位置に設けられる吸気開口部と、
前記吸気開口部を閉じるように可動可能に設けられる吸気開閉部材と、
前記吸気開閉部材を制御して前記吸気開口部を開く制御部と、
を有し、
前記カプセル構造は、前記オイルパンより後ろ側の下面に突起部または凹部を有し、
前記排気開口部は、前記突起部または前記凹部に設けられる、
請求項1から5のいずれか一項記載の車両のパワーユニットのカプセル装置。
【請求項7】
前記カプセル構造は、前記車両において、前記パワーユニットについての、排気管、ターボ機器、マフラ、および触媒機器を外にするように設けられる、
請求項1から6のいずれか一項記載の車両のパワーユニットのカプセル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のエンジン本体といったパワーユニットを囲うカプセル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車では、近年、パワーユニットとしてバッテリおよびモータを使用する電気自動車の開発が進められている。しかしながら、電気自動車の本格的な実用化には今後の開発に委ねられている状況にある。
このため、現在および少なくとも近い未来においては、ハイブリッド自動車を含めて、混合気をエンジン本体で燃焼させる内燃機関の利用がなくなるとは考えにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、混合気を燃焼させるエンジン本体をパワーユニットとして用いる場合、従来より燃費性能を向上させることが求められている。このために、特許文献1のようにエンジン本体を、カプセル構造で覆うことが考えられる。そして、特許文献1では、カプセル構造の前面流入口を、初期始動やキーオフ(Key-Off)時には閉鎖状態に制御し、車両走行中の冷却時には開放状態に制御する。これにより、停止中のエンジン本体の温度を閉じたカプセル構造により長期にわたって維持し、その後に、冷却されていない状態のエンジン本体において再始動をすることができる。エンジン本体が暖められた状態で再始動されることにより、冷却された状態で再始動される場合と比べて燃費性能を改善できる。
しかしながら、特許文献1では、カプセル構造の前面に設けられた流入口から外気が流入する。この場合、前面の流入口の内側に位置するエンジン本体を流入外気により冷却できるが、一般的にオイルを溜めるためにエンジン本体の下部に設けられるオイルパンを冷却することが難しいと考えられる。そして、オイルパンを好適に冷却することができないと、エンジン本体内を循環させるオイルも好適に冷却され得ず、連続した運転によりオイルが過熱されてしまう可能性が生じる。過熱されて粘性が低下したオイルでエンジン本体を潤滑する場合、たとえばエンジン本体での摩擦が大きくなり、実使用での燃費性能が低下してしまうと考えられる。
【0005】
このように自動車といった車両では、混合気を燃焼させるエンジン本体を含むパワーユニットの、実使用での性能を向上させることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両のパワーユニットのカプセル装置は、車両の房室に設けられて混合気をエンジン本体で燃焼させるパワーユニットを有する車両についての、少なくとも前記エンジン本体を囲うカプセル構造と、前記エンジン本体の下部に突出させて前記エンジン本体と一体的に設けられ、前記エンジン本体を循環するオイルを蓄えるオイルパンと、前記カプセル構造についての前記オイルパンの近くに設けられる排気開口部と、前記排気開口部を閉じるように可動可能に設けられる排気開閉部材と、前記排気開閉部材を制御して前記排気開口部を開く制御部と、前記カプセル構造の内部を、前記エンジン本体が存在するメイン空間と前記メイン空間の下側において前記オイルパンが存在する下部空間とに仕切る仕切部材と、前記仕切部材に形成される仕切開口部と、前記仕切開口部を閉じるように可動可能に設けられる仕切開閉部材と、前記仕切開閉部材を制御して前記仕切開口部を開く制御部と、を有する。
【0008】
好適には、前記制御部は、少なくとも、前記エンジン本体若しくは前記メイン空間の第一温度、および前記オイルパン、前記オイル若しくは前記下部空間の第二温度に基づいて、前記排気開閉部材および前記仕切開閉部材を制御する、とよい。
【0010】
好適には、前記制御部は、前記第二温度が、前記オイルに適した温度範囲より低い場合には前記排気開閉部材を制御して前記排気開口部を閉じ、前記第二温度が、前記オイルに適した温度範囲またはそれ以上の場合には前記排気開閉部材を制御して前記排気開口部を開く、とよい。
【0011】
好適には、前記制御部は、前記第二温度が、前記オイルに適した温度範囲より低い状態において、前記第一温度が所定の冷却温度に達した場合、前記排気開閉部材により前記排気開口部を閉じたまま前記仕切開閉部材を制御して前記仕切開口部を開く、とよい。
【0012】
好適には、前記制御部は、前記第二温度が、前記オイルに適した温度範囲またはそれ以上の状態において、前記第一温度が所定の冷却温度に達した場合、前記排気開閉部材を制御して前記排気開口部を開くとともに前記仕切開閉部材を制御して前記仕切開口部を開く、とよい。
【0015】
好適には、前記カプセル構造についての前記オイルパンより前側となる位置に設けられる吸気開口部と、前記吸気開口部を閉じるように可動可能に設けられる吸気開閉部材と、前記吸気開閉部材を制御して前記吸気開口部を開く制御部と、を有し、前記カプセル構造は、前記オイルパンより後ろ側の下面に突起部または凹部を有し、前記排気開口部は、前記突起部または前記凹部に設けられる、とよい。
【0019】
好適には、前記カプセル構造は、前記車両において、前記パワーユニットについての、排気管、ターボ機器、マフラ、および触媒機器を外にするように設けられる、とよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、パワーユニットを有する車両についての少なくともエンジン本体をカプセル構造により囲う。これにより、カプセル構造の内側のエンジン本体の温度が変化し難くできる。
しかも、カプセル構造についての、エンジン本体の下部に突出させてエンジン本体と一体的に設けられるオイルパンの近くには排気開口部が設けられ、排気開閉部材を制御部により制御することにより排気開口部を開くことができる。これにより、エンジン本体を循環するオイルやこれを蓄えるオイルパンの温度が上昇する場合には、排気開口部を開いて、これらを外気で冷却することができる。
よって、本発明では、動作中のエンジン本体を循環するオイルが過熱されてしまうことを抑制しつつ、たとえば停車中のエンジン本体をカプセル構造で囲って冷え難くして、エンジン本体の再始動を開始する際の燃費性能などの悪化を抑制できる。混合気を燃焼させるエンジン本体を含むパワーユニットの、実使用での性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る自動車の説明図である。
【
図2】
図2は、
図1の自動車に設けられるパワーユニットおよびカプセル装置の説明図である。
【
図3】
図3は、
図2のカプセル装置の詳細な構成の説明図である。
【
図4】
図4は、
図2の制御部による開口部の開閉制御のフローチャートである。
【
図5】
図5は、カプセル装置の下面形状の変形例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、ハイブリッド自動車でのパワーユニットおよびカプセル装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る自動車1の説明図である。
自動車1は、車両の例である。
図1(A)は、模式的な自動車1の側面透視図である。
図1(B)は、模式的な自動車1の前面透視図である。
【0025】
図1の自動車1は、車体2を有する。車体2の前部には、前室3が設けられる。前室3には、自動車1の骨格部材としての一対のフロントビーム5が延在する。また、前室3と乗員室4との間には、それらの隔壁(構造部材)としてのトーボード6が設けられる。
前室3には、エンジン本体11、トランスミッション12などのパワーユニットが配置される前室3が設けられる。また、車体2の床下には、前室3から車体2の後側へ向かってプロペラシャフト13が設置される。プロペラシャフト13の後端には、後側の車輪15(車軸)と連結されるリアディファレンシャルギアボックス14が設けられる。
エンジン本体11は、エアクリーナ16および吸気管17を通じて吸気される外気とガソリンとの混合気を燃焼室において点火燃焼させ、燃焼した混合気の膨張圧力によりピストンをシリンダ内で降下させ、ピストンに連結された出力軸を回転させる。また、燃焼した混合気は、開いた排気弁および排気管18を通じて外へ排気される。
エンジン本体11で発生させた出力軸の回転駆動力は、トランスミッション12で減速され、プロペラシャフト13、リアディファレンシャルギアボックス14、およびリアアクスルシャフトを通じて後側の車輪15へ伝達される。また、回転駆動力の一部は、トランスミッション12で分岐され、図示外のフロントアクスルシャフトを通じて前側の車輪15へ伝達される。
【0026】
ところで、自動車1では、近年、パワーユニットとしてバッテリおよびモータを使用する電気自動車の開発が進められている。しかしながら、電気自動車の本格的な実用化には今後の開発に委ねられている状況にある。
このため、現在および少なくとも近い未来においては、ハイブリッド自動車を含めて、混合気をエンジン本体11で燃焼させる内燃機関の利用がなくなるとは考えにくい。
このため、今後もさらに、混合気をエンジン本体11で燃焼させる内燃機関についての燃費性能を向上させることが求められる。エンジン本体11を含むパワーユニットの、実使用での燃費性能を向上させることが求められている。
【0027】
図2は、
図1の自動車1に設けられるパワーユニットおよびカプセル装置30の説明図である。
【0028】
図2には、自動車1に設けられるパワーユニットとして、エンジン本体11、オイルパン19、ラジエタ20、エアクリーナ16、吸気管17、排気管18、ターボ機器21、触媒機器22、トランスミッション12、プロペラシャフト13、リアディファレンシャルギアボックス14、が図示されている。
オイルパン19は、エンジン本体11の下部に突出させてエンジン本体11と一体的に形成されている。エンジン本体11およびトランスミッション12は、オイルにより潤滑される機器である。
ラジエタ20、エアクリーナ16、吸気管17、排気管18、ターボ機器21、触媒機器22は、エンジン本体11とともに用いられるエンジン補器である。エンジン補器には、特に図示をしないがこの他にもたとえば、発電機、バッテリ、ディストリビュータ、インジェクタ、燃料タンク、ポンプ、などがある。これらのエンジン補器は、エンジン本体11の作動を助け、エンジン本体11の状態および燃焼状態を燃焼に適した範囲内とするために、エンジン本体11とともに用いられるものである。
【0029】
図2には、さらにエンジン本体11といったパワーユニットを囲うカプセル装置30が図示されている。
図3は、
図2のカプセル装置30の詳細な構成の説明図である。
カプセル装置30は、仕切部材32を有する被覆ケース部材31、吸気開口部33、吸気開閉部材34、排気開口部35、排気開閉部材36、仕切開口部38、仕切開閉部材39、メイン温度センサ40、下部温度センサ41、外気温度センサ42、制御部43、を有する。
【0030】
被覆ケース部材31は、略箱形状を有し、パワーユニットについてのオイルパン19が一体化されたエンジン本体11およびトランスミッション12を囲う。被覆ケース部材31は、たとえば断熱材で形成される。被覆ケース部材31は、エンジン本体11およびトランスミッション12より一回り大きいサイズの箱型に形成される。被覆ケース部材31から外へ突出するプロペラシャフト13、吸気管17、排気管18の周囲には、被覆ケース部材31の密閉性を確保するために、たとえばゴム材や樹脂材で形成された図示外のブーツが設けられる。
これにより、被覆ケース部材31は、エンジン本体11およびトランスミッション12との間に空気層を確保しつつ、これらの周囲を密閉するように囲う。エンジン本体11に設けられるインジェクタ、オイルパン19も、被覆ケース部材31に囲われる。オイルにより潤滑される機器を囲うことができる。
また、排気管18の略全体、ターボ機器21、触媒機器22、エアクリーナ16、吸気管17の略全体は、被覆ケース部材31の外に設けられる。これにより、排気される燃焼後の混合気により高温になる排気系の温度が、被覆ケース部材31の内側に溜まらないようにできる。
なお、発電機、バッテリ、ディストリビュータ、燃料タンク、ポンプなどのエンジン補器は、被覆ケース部材31の内側に設けられても、外側に設けられてもよい。
そして、被覆ケース部材31は、
図1に示すように前室3において、エンジン本体11と重ねて、エンジン本体11と同じ位置で、車体2の一対のフロントビーム5の上に取り付けて支持される。被覆ケース部材31は、
図1(B)に示すように一対のフロントビーム5から下へ突出することがないように設けられる。車体2の最低地上高は、被覆ケース部材31が無い場合と同じになる。
【0031】
仕切部材32は、被覆ケース部材31の内部を、メイン空間44と、メイン空間44の下側の下部空間45とに仕切る。仕切部材32は、被覆ケース部材31と同様に断熱材で形成されてよい。
下部空間45には、エンジン本体11の下部から下へ突出するオイルパン19が配置される。
メイン空間44には、オイルパン19以外の部材、たとえばエンジン本体11やトランスミッション12が配置される。
これにより、エンジン本体11に循環されるオイルを蓄えるオイルパン19は、下部空間45において、他の部材とは分けて、被覆ケース部材31に収容される。
【0032】
吸気開口部33は、
図3に示すように被覆ケース部材31についての下部空間45の前面に形成される。
これにより、吸気開口部33には、走行中の車体2では、前から外気が吹き付ける。
【0033】
吸気開閉部材34は、被覆ケース部材31の吸気開口部33の上外側において、被覆ケース部材31に取り付けて一体的に設けられる。吸気開閉部材34は、被覆ケース部材31に対して上へ回動可能に設けられる。
図3(A)は、吸気開閉部材34を下げた状態である。この状態では、被覆ケース部材31の吸気開口部33が閉じられる。被覆ケース部材31は密閉され、被覆ケース部材31の内側の空間は、外側から分離され得る。
図3(B)は、吸気開閉部材34を上げた状態である。この状態では、被覆ケース部材31の吸気開口部33が開いている。吸気開口部33を通じて被覆ケース部材31の内側と外側とが連通し得る。
そして、このように吸気開閉部材34を、被覆ケース部材31の吸気開口部33の上外側において上へ回動可能に取り付けることにより、吸気開閉部材34は、被覆ケース部材31より下側へ突出しないようになる。
図1に示すように、吸気開閉部材34は、車体2の一対のフロントビーム5から下へ突出しないように内側に収めて設けられる。
なお、被覆ケース部材31の前側に、高温になる排気管18などの排気系部材が存在する場合、吸気開口部33は好ましくは排気系部材の後側とならない位置が望ましい。
図1においても、吸気開口部33は、排気管18と車幅方向にずらした位置に形成されている。
また、被覆ケース部材31の前側の幅全体に、高温になる排気管18などの排気系部材が存在する場合、吸気開口部33を排気系部材と異なる高さ位置に設ければよい。または、吸気開口部33を、オイルパン19より前側となるように、被覆ケース部材31の側面に設けてもよい。
【0034】
排気開口部35は、
図3に示すように被覆ケース部材31についての下部空間45の下面に形成される。排気開口部35は、オイルパン19の近くであって、オイルパン19の後側となる位置に設けられる。
これにより、たとえば吸気開口部33と排気開口部35とがともに開いている場合、下部空間45の前から入った外気は、オイルパン19を通過し、排気開口部35から下部空間45の外へ排気され得る。
【0035】
排気開閉部材36は、被覆ケース部材31の下部空間45において、被覆ケース部材31に取り付けて一体的に設けられる。排気開閉部材36は、被覆ケース部材31の下部空間45の底面に沿ってスライド移動可能に設けられる。
図3(A)は、排気開閉部材36を後ろへ移動させた状態である。この状態では、被覆ケース部材31の排気開口部35が閉じられる。被覆ケース部材31は密閉され、被覆ケース部材31の内側の空間は、外側から分離され得る。
図3(B)は、排気開閉部材36を前へ移動させた状態である。この状態では、被覆ケース部材31の排気開口部35が開いている。排気開口部35を通じて被覆ケース部材31の内側と外側とが連通し得る。
そして、このように排気開閉部材36を、被覆ケース部材31の開口部32の上側において前後方向へスライド可能に取り付けることにより、排気開閉部材36は、被覆ケース部材31より下側へ突出しないようになる。排気開閉部材36は、車体2の一対のフロントビーム5から下へ突出しないように内側に収めて設けられる。
【0036】
仕切開口部38は、
図3に示すように被覆ケース部材31の仕切部材32に形成される。仕切開口部38は、オイルパン19の近くであって、オイルパン19の後側となる位置に設けられる。
これにより、たとえば仕切開口部38と排気開口部35とがともに開いている場合、メイン空間44内の空気は、仕切開口部38および排気開口部35を通じて、被覆ケース部材31の下部空間45の外へ排気され得る。また、この際、メイン空間44内の空気が、オイルパン19に触れにくくすることができる。
【0037】
仕切開閉部材39は、被覆ケース部材31の下部空間45の上面において、被覆ケース部材31に取り付けて一体的に設けられる。仕切開閉部材39は、被覆ケース部材31の下部空間45の上面に沿ってスライド移動可能に設けられる。
図3(A)は、仕切開閉部材39を前へ移動させた状態である。この状態では、被覆ケース部材31の仕切開口部38が閉じられる。被覆ケース部材31は密閉され、被覆ケース部材31の内側の空間は、外側から分離され得る。
図3(B)は、仕切開閉部材39を後ろへ移動させた状態である。この状態では、被覆ケース部材31の仕切開口部38が開いている。仕切開口部38を通じてメイン空間44と下部空間45とが連通し得る。
【0038】
メイン温度センサ40は、被覆ケース部材31のメイン空間44に配置され、メイン空間44の内側の温度を検出する。ここでは、メイン温度センサ40は、エンジン本体11の外面に接触して設けられる。これにより、メイン温度センサ40は、メイン空間44の内側の温度として、エンジン本体11の温度を検出できる。
【0039】
下部温度センサ41は、被覆ケース部材31の下部空間45に配置され、下部空間45の内側の温度を検出する。ここでは、下部温度センサ41は、オイルパン19の外面に接触して設けられる。これにより、下部温度センサ41は、下部空間45の内側の温度として、オイルパン19またはオイルの温度を検出できる。
【0040】
外気温度センサ42は、被覆ケース部材31の外側に配置され、被覆ケース部材31の外側の温度を検出する。
【0041】
制御部43には、メイン温度センサ40、下部温度センサ41、外気温度センサ42、吸気開閉部材34、排気開閉部材36、仕切開口部38が接続される。制御部43は、自動車1の状態として、メイン温度センサ40、下部温度センサ41、および外気温度センサ42により計測される被覆ケース部材31の内外の温度の相関関係に基づいて、吸気開閉部材34、排気開閉部材36、および仕切開口部38を制御し、吸気開口部33、排気開口部35、および仕切開口部38といった各種の開口部の開閉を個別に制御する。
制御部43は、たとえばマイクロコンピュータにより実現できる。専用回路として被覆ケース部材31に取り付けて設けられても、自動車1を制御するECU(Engine Control Unit)の機能として設けられてもよい。
【0042】
図4は、
図2の制御部43による各種の開口部の開閉制御のフローチャートである。
制御部43は、
図4の開閉制御を繰り返し実行する。
【0043】
図4の開閉制御において、制御部43は、まず、エンジン本体11が動作しているか否かを確認する(ステップST1)。制御部43は、ECUによるエンジン本体11の制御情報を取得し、エンジンが動作しているか否かを確認する。
エンジン本体11が動作していない場合、すなわちエンジン本体11が停止している場合、制御部43は、すべての開口部を閉じる(ステップST2)。これにより、被覆ケース部材31は密閉される。被覆ケース部材31の内部は断熱構造により保温される。
なお、少なくとも運転継続中に自動車1が停車した場合に、エンジン本体11が一時的に停止することがある。この場合、エンジン本体11が動作していると判断しても、停止していると判断してもよいが、好ましくは運転中としてエンジン本体11が動作していると判断するとよい。これにより、後述するように運転継続中に自動車1が一時的に停車した場合において開口部32は開いたままの状態に維持することができる。運転継続中の短時間の停車においてエンジン本体11の温度が大きく上昇してしまうことを防ぐことができる。
【0044】
エンジン本体11が動作している場合、制御部43は、メイン温度センサ40のメイン温度、下部温度センサ41の下部温度、および外気温度センサ42の外気温を取得する(ステップST3)。
そして、制御部43は、これらの温度の相関関係に基づいて各種の開口部を個別に開閉する制御を開始する。
【0045】
制御部43は、まず、下部温度と、暖気を必要とする最低温度とを比較する(ステップST4)。最低温度は、たとえばエンジン本体11やトランスミッション12についての運転に適した最小の温度でよい。具体的にはたとえば、これらで使用するオイルの粘性が、運転に適した所望のものより高くなる温度でよい。
下部温度が最低温度より低い場合、制御部43は、吸気開閉部材34および排気開閉部材36を制御し、吸気開口部33および排気開口部35を閉じる(ステップST5)。これにより、下部空間45は、閉じた状態になる。オイルパン19およびオイルは、エンジン本体11の発熱により暖められる。
【0046】
吸気開閉部材34および排気開閉部材36を制御した後、制御部43は、メイン温度と、冷却温度とを比較する(ステップST6)。冷却温度は、たとえばエンジン本体11やトランスミッション12についての運転に適した最大の温度でよい。具体的にはたとえば、これらで使用するオイルの粘性が、運転に適した所望のものより低くなる温度でよい。
メイン温度が冷却温度以上である場合、制御部43は、仕切開閉部材39を制御し、仕切開口部38を開く(ステップST7)。これにより、エンジン本体11やトランスミッション12の熱により暖められたメイン空間44の空気が、下部空間45へ流入し得る。下部空間45およびその内部に設けられるオイルパン19は、エンジン本体11の発熱により暖められる。
メイン温度が冷却温度より小さい場合、制御部43は、仕切開閉部材39を制御し、仕切開口部38を閉じる(ステップST8)。これにより、メイン空間44の空気が、流出しないようにできる。メイン空間44およびその内部に設けられるエンジン本体11やトランスミッション12は、それらの熱により暖められる。
【0047】
これに対し、下部温度が最低温度以上である場合、制御部43は、吸気開閉部材34および排気開閉部材36を制御し、吸気開口部33および排気開口部35を開く(ステップST9)。これにより、下部空間45では、前面の吸気開口部33から外気が流入し、オイルパン19およびオイルは、外気により冷却され得る。
【0048】
吸気開閉部材34および排気開閉部材36を制御した後、制御部43は、メイン温度と、冷却温度とを比較する(ステップST10)。
メイン温度が冷却温度以上である場合、制御部43は、仕切開閉部材39を制御し、仕切開口部38を開く(ステップST11)。これにより、エンジン本体11やトランスミッション12の熱により暖められたメイン空間44の空気は、下部空間45を通じて、排気開口部35から外へ排気される。
メイン温度が冷却温度より小さい場合、制御部43は、仕切開閉部材39を制御し、仕切開口部38を閉じる(ステップST8)。これにより、メイン空間44の空気が、流出しないようにできる。メイン空間44およびその内部に設けられるエンジン本体11やトランスミッション12は、それらの熱により暖められる。
【0049】
以上のように、本実施形態では、パワーユニットを有する自動車1についての少なくともエンジン本体11を、空気層を挟むように間隔をあけて被覆ケース部材31のカプセル構造により囲う。これにより、カプセル構造の内側のエンジン本体11の温度が変化し難くできる。
しかも、カプセル構造についての、エンジン本体11の下部に突出させてエンジン本体11と一体的に設けられるオイルパン19の近くの下側には排気開口部35が設けられ、排気開閉部材36を制御部43により制御することにより排気開口部35を開くことができる。これにより、エンジン本体11を循環するオイルやこれを蓄えるオイルパン19の温度が上昇する場合には、排気開口部35を開いて、これらを外気で冷却することができる。
よって、本実施形態では、動作中のエンジン本体11を循環するオイルが過熱されてしまうことを抑制しつつ、たとえば停車中のエンジン本体11をカプセル構造で囲って冷え難くして、エンジン本体11の再始動を開始する際の燃費性能などの悪化を抑制できる。混合気を燃焼させるエンジン本体11を含むパワーユニットの、実使用での性能を向上させることが求められている。
【0050】
本実施形態では、カプセル構造の内部に、エンジン本体11が存在するメイン空間44とメイン空間44の下側においてオイルパン19が存在する下部空間45とに仕切る断熱性の仕切部材32を設ける。これにより、オイルパン19およびそこに蓄えられるオイルについての温度を、エンジン本体11やそれが存在するメイン空間44とは異なるようにすることが可能になる。エンジン本体11の熱が直接的に、オイルパン19およびそこに蓄えられるオイルの温度上昇に作用し難くできる。
しかも、仕切部材32には、オイルパン19より後側に仕切開口部38が形成され、制御部43が自動車1の状態に応じて仕切開閉部材39を制御することにより、仕切開口部38を開くことができる。よって、たとえばオイルパン19やオイルがエンジン本体11の熱を必要とする場合や、オイルパン19の温度上昇が問題とならない場合などにおいて、仕切開口部38を開いて、エンジン本体11およびそれが存在するメイン空間44から熱を出すことができる。
【0051】
本実施形態では、制御部43は、少なくとも、カプセル構造の外側の外気温、エンジン本体11若しくはメイン空間44のメイン温度、およびオイルパン19、オイル若しくは下部空間45の下部温度、並びに、これらの相関関係に基づいて、排気開閉部材36および仕切開閉部材39を制御する。これにより、エンジン本体11の温度、およびオイルパン19若しくはオイルの温度を個別に、仕切開口部38および排気開口部35の開閉制御により適宜制御できる。
【0052】
たとえば、自動車1の停車中またはパワーユニットの停止中には、排気開閉部材36を制御して排気開口部35を閉じる。これにより、カプセル構造を密閉し、停車中または停止中にエンジン本体11などが冷却され難くできる。
【0053】
この他にもたとえば、下部温度が、オイルに適した温度範囲より低い場合には排気開閉部材36を制御して排気開口部35を閉じ、下部温度が、オイルに適した温度範囲またはそれ以上の場合には排気開閉部材36を制御して排気開口部35を開く。これにより、オイルパン19若しくはオイルの温度を、エンジン本体11の状態にかかわらず、オイルに適した温度範囲に加熱し、オイルに適した温度範囲に維持するように冷却できる。
【0054】
この他にもたとえば、下部温度が、オイルに適した温度範囲より低い状態において、メイン温度が所定の冷却温度に達した場合、排気開閉部材36により排気開口部35を閉じたまま仕切開閉部材39を制御して仕切開口部38を開く。これにより、エンジン本体11の熱により、オイルパン19若しくはオイルの温度を加熱できる。
【0055】
この他にもたとえば、下部温度が、オイルに適した温度範囲またはそれ以上の状態において、メイン温度が所定の冷却温度に達した場合、排気開閉部材36を制御して排気開口部35を開くとともに仕切開閉部材39を制御して仕切開口部38を開く。これにより、エンジン本体11、オイルパン19およびオイルが過熱され難くなるように冷却できる。
【0056】
本実施形態では、排気開閉部材36および仕切開閉部材39の中の少なくとも排気開閉部材36は、カプセル構造に用いる被覆ケース部材31に取り付けられて被覆ケース部材31と一体的に設けられる。これにより、排気開閉部材36や仕切開閉部材39といった開閉部材を、カプセル構造に用いる被覆ケース部材31と別に、自動車1の骨格部材または構造部材に取り付けて支持させる必要がない。カプセル装置30の構造を簡略化できる。
【0057】
本実施形態では、カプセル構造についてのオイルパン19の前側に吸気開口部33を設け、吸気開閉部材34により吸気開口部33を開閉する。これにより、カプセル構造内に設けられるオイルパン19やオイルを、吸気開口部33から流入する外気により直接的に冷却できる。エンジン本体11などの冷却に使用された外気ではなく、低い温度の外気により、カプセル構造内に設けられるオイルパン19やオイルを冷却できる。
【0058】
本実施形態では、カプセル構造は、自動車1の房室の中において、少なくともエンジン本体11を囲う被覆ケース部材31により構成される。そして、被覆ケース部材31は、エンジン本体11と重ねて、エンジン本体11と同じ位置で、自動車1の骨格部材または構造部材に取り付けて支持される。よって、自動車1の骨格部材または構造部材に対して、カプセル構造の部材を、エンジン本体11などのパワーユニットと別に取り付ける必要はない。カプセル構造を、たとえば自動車1の骨格部材または構造部材に対して独自に取り付けられるエンジンカバーやアンダーカバーなどの被覆部材で構成する場合と比べて、自動車1側において大規模の対策や変更を必要としない。また、カプセル構造そのものを小さくすることができるので、カプセル構造そのものも安価に製造し得る。
また、カプセル構造とともに設けられる排気開閉部材36や仕切開閉部材39といった開閉部材は、自動車1の骨格部材または構造部材より内側に収まるように設けられる。これにより、自動車1の車体2の最低地上高などのスペックに大きな影響を与えることなく、自動車1にカプセル構造を設けることができる。
【0059】
上記実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0060】
たとえば上記実施形態では、カプセル構造としての被覆ケース部材31の下面は、基本的に平らな面に形成されている。
この他にもたとえば、被覆ケース部材31の下面は、カプセル構造での外気の吸排気効率を増減または調整するように凹凸に形成されてもよい。
図5は、カプセル装置30の下面形状の変形例を示す説明図である。
【0061】
図5(A)では、カプセル装置30の下面には、オイルパン19より後ろ側となる位置に、凹部51が形成されている。また、排気開口部35は、凹部51の頂部に設けられている。
この場合、カプセル装置30の下面を前から後ろへ向かって流れる空気流により、凹部51内は負圧となり易い。その結果、凹部51の頂部の排気開口部35から空気流が勢いよく吹き出され得る。被覆ケース部材31の内部の空気は、効率よく排気開口部35から外へ吹き出す。
図5(B)では、カプセル装置30の下面には、オイルパン19より後ろ側となる位置に、突起部52が形成されている。また、排気開口部35は、突起部52の頂部に設けられている。
この場合、カプセル装置30の下面を前から後ろへ向かって流れる空気流により、突起部52の後ろ側は負圧となり易い。その結果、突起部52の頂部の排気開口部35から空気流が勢いよく吹き出され得る。被覆ケース部材31の内部の空気は、効率よく排気開口部35から外へ吹き出す。
これらのいずれの場合でも、被覆ケース部材31の内部の空気を排気開口部35から外へ効率よく吹き出すことができるので、オイルパン19やエンジン本体11により加熱された空気は、効率よく排気開口部35へ引かれ、カプセル構造の外へ排気されるようになる。カプセル構造の内部を効率よく冷却することができる。
特に、カプセル構造の内部を仕切部材32で仕切って、下部空間45にオイルパン19を設け、下部空間45の前側に吸気開口部33を設け、下部空間45の後側に排気開口部35を設けることにより、下部空間45内では効率よく外気が流れるようになる。カプセル構造で覆われているにもかかわらず、オイルパン19およびオイルは効果的に冷却され得る。
【0062】
上記実施形態では自動車1は、エンジン本体11による内燃機関のみをパワーユニットを有する。
この他にも自動車1には、内燃機関とともにモータ駆動による電気駆動装置を有するハイブリッド自動車や、電気駆動装置のみを有する電気自動車がある。
【0063】
図6は、ハイブリッド自動車でのパワーユニットおよびカプセル装置30の説明図である。
図6には、トランスミッション12に電気モータ61が取り付けられている。電気モータ61には、図示外のコンバータを通じて複数の電池セルが接続される。電気モータ61を駆動することにより、トランスミッション12を通じで駆動力をプロペラシャフト13に伝達させることができる。
このようなパワーユニットの構成である場合、カプセル装置30の被覆ケース部材31は、エンジン本体11、エンジン補器、トランスミッション12とともに、ハイブリッド機器としての電気モータ61やコンバータを囲うように設けられてよい。この場合、電気モータ61やコンバータを、摩擦抵抗などが運転に適した状態になるように暖めることが可能である。また、被覆ケース部材31の内を二室に分けて、一方にエンジン本体11などを収め、他方にハイブリッド機器を収めるようにしてもよい。この場合、部屋ごとに個別の温度に保温させることも可能になる。
【符号の説明】
【0064】
1…自動車(車両)、2…車体、3…前室、4…乗員室、5…フロントビーム、6…トーボード、11…エンジン本体、12…トランスミッション、13…プロペラシャフト、14…リアディファレンシャルギアボックス、15…車輪、16…エアクリーナ、17…吸気管、18…排気管、19…オイルパン、20…ラジエタ、21…ターボ機器、22…触媒機器、30…カプセル装置、31…被覆ケース部材(被覆部材)、32…仕切部材、33…吸気開口部、34…吸気開閉部材、35…排気開口部、36…排気開閉部材、38…仕切開口部、39…仕切開閉部材、40…メイン温度センサ、41…下部温度センサ、42…外気温度センサ、43…制御部、44…メイン空間、45…下部空間、51…凹部、52…突起部、61…電気モータ