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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】給湯システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/375 20220101AFI20220113BHJP
   F24H 15/395 20220101ALI20220113BHJP
   F24H 15/212 20220101ALI20220113BHJP
【FI】
F24H4/02 S
F24H1/18 301F
F24H1/10 302G
F24H1/18 302K
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018054385
(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2019168131
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】弓削 力也
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-224782(JP,A)
【文献】特開2016-180539(JP,A)
【文献】特開2010-210182(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0315091(US,A1)
【文献】特開平10-300212(JP,A)
【文献】特開2013-224752(JP,A)
【文献】特開平11-141972(JP,A)
【文献】特開2009-115254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 4/02
F24H 1/18
F24H 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱するヒートポンプと、
前記ヒートポンプによって加熱された水を貯える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに貯えられている水を出湯する出湯路と、
前記貯湯タンクから前記出湯路に出湯される水の温度を検出する第1温度センサと、
前記出湯路の下流端に接続されている給水路と、
前記出湯路と前記給水路の接続部分に接続されており、前記出湯路から供給される水と前記給水路から供給される水を混合した水を給湯箇所に供給する給湯路と、
前記出湯路から前記給湯路に供給される水の流量と、前記給水路から前記給湯路に供給される水の流量の割合を調整する混合弁と、
前記給湯路を通じて給湯箇所に供給される水の流量を検出する流量センサと、
前記給湯路を流れる水を加熱する補助熱源機と、
前記補助熱源機によって加熱された後の水の温度を検出する第2温度センサと、
前記補助熱源機より上流側の前記給湯路と前記補助熱源機より下流側の前記給湯路とに接続されており、前記補助熱源機より上流側の前記給湯路を流れる水を前記補助熱源機より下流側の前記給湯路に供給するバイパス路と、
動作指令信号に基づいて前記バイパス路を開閉するバイパス弁と、
前記バイパス弁より下流側の前記給湯路を流れる水の温度を検出する第3温度センサと、
制御部と、を備えており、
前記貯湯タンクに貯えられている水を前記出湯路と前記給湯路を通じて給湯箇所に供給する給湯運転と、前記給湯路を流れる水を前記補助熱源機で加熱する補助加熱運転を実行可能に構成されており、
前記制御部が、給湯運転を実行する場合であって、前記第1温度センサの検出温度が所定の給湯設定温度未満であり、かつ、前記流量センサの検出流量が所定の基準流量未満である場合は、前記バイパス弁が前記バイパス路を完全に閉鎖するような閉鎖指令信号を前記バイパス弁に送信すると共に、前記第2温度センサの検出温度が給湯設定温度になるように補助加熱運転を実行し、その後に、前記第3温度センサの検出温度が前記第2温度センサの検出温度未満である場合は、前記バイパス弁が前記バイパス路を閉鎖する側に更に動作するように閉鎖指令信号を前記バイパス弁に更に送信する、給湯システム。
【請求項2】
エラー信号に基づいてエラーを報知する報知装置を更に備えており、
前記制御部が、前記バイパス弁が前記バイパス路を閉鎖する側に更に動作するように閉鎖指令信号を前記バイパス弁に更に送信した後に、前記第3温度センサの検出温度が前記第2温度センサの検出温度未満である場合は、前記報知装置にエラー信号を送信する、請求項1に記載の給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に給湯システムが開示されている。特許文献1の給湯システムは、水を加熱するヒートポンプと、ヒートポンプによって加熱された水を貯える貯湯タンクと、貯湯タンクに貯えられている水を出湯する出湯路と、貯湯タンクから出湯路に出湯される水の温度を検出する第1温度センサとを備えている。また、この給湯システムは、出湯路の下流端に接続されている給水路と、出湯路と給水路の接続部分に接続されている給湯路とを備えている。給湯路は、出湯路から供給される水と給水路から供給される水を混合した水を給湯箇所に供給する。また、この給湯システムは、出湯路から給湯路に供給される水の流量と、給水路から給湯路に供給される水の流量の割合を調整する混合弁と、給湯路を通じて給湯箇所に供給される水の流量を検出する流量センサ(出湯量センサと水量センサ)と、給湯路を流れる水を加熱する補助熱源機と、補助熱源機によって加熱された後の水の温度を検出する第2温度センサとを備えている。また、この給湯システムは、補助熱源機より上流側の給湯路と補助熱源機より下流側の給湯路とに接続されており、補助熱源機より上流側の給湯路を流れる水を補助熱源機より下流側の給湯路に供給するバイパス路と、バイパス路を開閉するバイパス弁と、バイパス弁より下流側の給湯路を流れる水の温度を検出する第3温度センサと、制御部とを備えている。特許文献1の給湯システムは、貯湯タンクに貯えられている水を出湯路と給湯路を通じて給湯箇所に供給する給湯運転と、給湯路を流れる水を補助熱源機で加熱する補助加熱運転とを実行可能に構成されている。この給湯システムの制御部は、給湯運転を実行する場合であって、第1温度センサの検出温度(すなわち、貯湯タンクから出湯路に出湯される水の温度)が所定の給湯設定温度未満である場合は、補助加熱運転を実行する。すなわち、貯湯タンクが湯切れ状態になった場合に、制御部が補助加熱運転を実行する。この補助加熱運転では、流量センサの検出流量(すなわち、給湯箇所に供給される水の流量)が所定の基準流量以上である場合は、制御部が第1の給湯器運転制御を実行する。一方、流量センサの検出流量が所定の基準流量未満である場合は、制御部が第2の給湯器運転制御を実行する。第1の給湯器運転制御では、制御部が、第2温度センサの検出温度(すなわち、補助熱源機によって加熱された後の水の温度)が給湯設定温度より高い目標加熱温度になるように、補助熱源機の動作を制御する。第2の給湯器運転制御では、制御部が、第2温度センサの検出温度が給湯設定温度になるように、補助熱源機の動作を制御する。また、特許文献1の補助加熱運転では、制御部がバイパス弁の開度を調整することによって、給湯箇所に供給される水の温度を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-224782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の給湯システムでは、貯湯タンクが湯切れ状態になった場合に、制御部がバイパス弁の開度を調整する。一方、給湯箇所に供給される水の流量が少ない場合は、給湯路を流れる水の圧力損失が小さいので、制御部がバイパス路を完全に閉鎖する構成を採用することも考えられる。このような構成では、貯湯タンクが湯切れ状態になった場合に、制御部が、バイパス路が完全に閉鎖されるような閉鎖指令信号をバイパス弁に送信する。バイパス弁は、閉鎖指令信号に基づいてバイパス路を完全に閉鎖するように動作する。これによって、バイパス路に水が流れなくなる。
【0005】
しかしながら、バイパス弁が閉鎖指令信号に基づいて動作した後のバイパス弁の位置と、バイパス路が完全に閉鎖される状態におけるバイパス弁の位置との間で誤差が生じることがある。すなわち、バイパス弁がバイパス路を完全に閉鎖するように動作したにもかかわらず、バイパス路が完全には閉鎖されずに隙間が生じることがある。そうすると、バイパス路より上流側の給湯路を流れる水が、完全には閉鎖されていないバイパス路に流れて給湯箇所に供給される。このような状態であると、補助熱源機によって給湯設定温度まで加熱された後の水に対して、バイパス路を流れた水が混合されて給湯箇所に供給される。そのため、給湯箇所に供給される水の温度が給湯設定温度よりも低くなる。給湯設定温度より低い温度の水が給湯箇所に供給されると、ユーザが不快を感じることがある。
【0006】
本明細書では、給湯設定温度より低い温度の水が給湯箇所に供給されることを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示する給湯システムは、水を加熱するヒートポンプと、前記ヒートポンプによって加熱された水を貯える貯湯タンクと、前記貯湯タンクに貯えられている水を出湯する出湯路と、前記貯湯タンクから前記出湯路に出湯される水の温度を検出する第1温度センサと、前記出湯路の下流端に接続されている給水路と、前記出湯路と前記給水路の接続部分に接続されており、前記出湯路から供給される水と前記給水路から供給される水を混合した水を給湯箇所に供給する給湯路と、前記出湯路から前記給湯路に供給される水の流量と、前記給水路から前記給湯路に供給される水の流量の割合を調整する混合弁と、前記給湯路を通じて給湯箇所に供給される水の流量を検出する流量センサと、前記給湯路を流れる水を加熱する補助熱源機と、前記補助熱源機によって加熱された後の水の温度を検出する第2温度センサと、前記補助熱源機より上流側の前記給湯路と前記補助熱源機より下流側の前記給湯路とに接続されており、前記補助熱源機より上流側の前記給湯路を流れる水を前記補助熱源機より下流側の前記給湯路に供給するバイパス路と、指令信号に基づいて前記バイパス路を開閉するバイパス弁と、前記バイパス弁より下流側の前記給湯路を流れる水の温度を検出する第3温度センサと、制御部と、を備えている。給湯システムは、前記貯湯タンクに貯えられている水を前記出湯路と前記給湯路を通じて給湯箇所に供給する給湯運転と、前記給湯路を流れる水を前記補助熱源機で加熱する補助加熱運転を実行可能に構成されている。前記制御部は、給湯運転を実行する場合であって、前記第1温度センサの検出温度が所定の給湯設定温度未満であり、かつ、前記流量センサの検出流量が所定の基準流量未満である場合は、前記バイパス弁が前記バイパス路を完全に閉鎖するような閉鎖指令信号を前記バイパス弁に送信すると共に、前記第2温度センサの検出温度が給湯設定温度になるように補助加熱運転を実行し、その後に、前記第3温度センサの検出温度が前記第2温度センサの検出温度未満である場合は、前記バイパス弁が前記バイパス路を閉鎖する側に更に動作するように閉鎖指令信号を前記バイパス弁に更に送信する。
【0008】
上記の給湯システムでは、第1温度センサの検出温度(すなわち、貯湯タンクから出湯路に出湯される水の温度)が所定の給湯設定温度未満である場合は、貯湯タンクが湯切れ状態であるので、補助加熱運転を実行する(すなわち、給湯路を流れる水を補助熱源機で加熱する)必要がある。また、流量センサの検出流量(すなわち、給湯箇所に供給される水の流量)が所定の基準流量未満である場合は、給湯路を流れる水の圧力損失が小さいので、バイパス路を完全に閉鎖してもよい。そのため、この場合は、給湯システムの制御部が、バイパス弁がバイパス路を完全に閉鎖するような閉鎖指令信号をバイパス弁に送信すると共に、第2温度センサの検出温度が給湯設定温度になるように補助加熱運転を実行する。これによって、バイパス路が完全に閉鎖され、バイパス路に水が流れなくなるはずである。また、給湯路を流れる水の全量が補助熱源機によって加熱されるはずである。
【0009】
しかしながら、その後に、第3温度センサの検出温度(すなわち、バイパス弁より下流側の給湯路を流れる水の温度)が第2温度センサの検出温度(すなわち、補助熱源機によって加熱された後の水の温度)未満である場合がある。この場合は、上記で制御部が閉鎖指令信号をバイパス弁に送信したにもかかわらず、実際にはバイパス路が完全には閉鎖されておらず、バイパス路に水が流れている状態である。そのため、この場合は、バイパス路に水が流れて、その水が補助熱源機によって加熱された後の水と混ざり合うことによって、給湯箇所に供給される水の温度が低下した状態である。そこで、この場合は、制御部が、バイパス弁がバイパス路を閉鎖する側に更に動作するように閉鎖指令信号をバイパス弁に更に送信する。これによって、バイパス路が完全に閉鎖され、バイパス路に水が流れなくなる。そのため、給湯箇所に供給される水の温度が低下することがなく、給湯設定温度より低い温度の水が給湯箇所に供給されることを抑制することができる。
【0010】
上記の給湯システムは、エラー信号に基づいてエラーを報知する報知装置を更に備えていてもよい。前記制御部が、前記バイパス弁が前記バイパス路を閉鎖する側に更に動作するように閉鎖指令信号を前記バイパス弁に更に送信した後に、前記第3温度センサの検出温度が前記第2温度センサの検出温度未満である場合は、前記報知装置にエラー信号を送信してもよい。
【0011】
上記の給湯システムでは、制御部が、バイパス弁が給湯バイパス路を閉鎖する側に更に動作するように閉鎖指令信号をバイパス弁に更に送信した後に、第3温度センサの検出温度が第2温度センサの検出温度未満である場合がある。この場合は、上記で制御部が閉鎖指令信号をバイパス弁に更に送信したにもかかわらず、実際にはバイパス路が完全には閉鎖されておらず、バイパス路に水が流れている状態である。更なる閉鎖指令信号にもかかわらず、バイパス路が完全には閉鎖していない状態である。そこで、この場合は、制御部が、報知装置にエラー信号を送信する。報知装置はエラー信号に基づいてエラーを報知する。この構成によれば、更なる閉鎖指令信号にもかかわらずバイパス路が完全に閉鎖しない場合に、ユーザにエラーを報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例に係る給湯システムの構成を模式的に示す図である。
図2】実施例に係る開閉処理を示すフローチャートである。
図3】実施例に係る開閉処理を示すフローチャートである。
図4】実施例に係る開閉処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施例に係る給湯システム2について説明する。図1に示すように、実施例に係る給湯システム2は、ヒートポンプユニット4と、タンクユニット6と、燃焼機ユニット8とを備えている。給湯システム2は、給湯箇所(例えば台所のカラン等)に給湯設定温度の水を供給する。給湯設定温度は、ユーザによって設定される温度であり、給湯箇所に供給される水の温度である。ユーザは、例えばリモコン(図示省略)によって自らが望む給湯設定温度を設定する。
【0014】
(ヒートポンプユニット4の構成)
図1に示すように、ヒートポンプユニット4は、ヒートポンプ40と、タンク水循環路70と、循環ポンプ72と、ヒートポンプ制御部80と、を備えている。
【0015】
ヒートポンプ40は、外気から吸熱して、タンク水循環路70内の水を加熱する熱源である。ヒートポンプ40は、冷媒(代替フロン、例えばR410A等)を循環させる冷媒循環路41と、外気と冷媒との間で熱交換を行う蒸発器42と、蒸発器42に外気を送風するファン43と、冷媒を圧縮して高温高圧にする圧縮機44と、タンク水循環路70内の水と高温高圧の冷媒との間で熱交換を行う凝縮器45と、熱交換を終えた後の冷媒を減圧させて低温低圧にする膨張弁46と、を備えている。
【0016】
タンク水循環路70は、上流端がタンクユニット6内の貯湯タンク100の下部に接続されており、下流端が貯湯タンク100の上部に接続されている。タンク水循環路70には、循環ポンプ72が介装されている。循環ポンプ72は、タンク水循環路70内の水を上流側から下流側へ送り出す。また、タンク水循環路70は、ヒートポンプ40の凝縮器45を通過している。そのため、ヒートポンプ40を作動させると(即ち、ファン43及び圧縮機44を作動させると)、タンク水循環路70内の水がヒートポンプ40の凝縮器45で加熱される。従って、循環ポンプ72とヒートポンプ40とを作動させると、貯湯タンク100の下部の水が凝縮器45で加熱され、加熱された水が貯湯タンク100の上部に戻される。
【0017】
タンク水循環路70には、往きサーミスタ74と戻りサーミスタ76が設けられている。往きサーミスタ74は、ヒートポンプ40より下流側のタンク水循環路70に設けられている。往きサーミスタ74は、ヒートポンプ40によって加熱されて貯湯タンク100に送られる水の温度を検出する。戻りサーミスタ76は、ヒートポンプ40より上流側のタンク水循環路70に設けられている。戻りサーミスタ76は、貯湯タンク100からヒートポンプ40に送られる水の温度を検出する。
【0018】
ヒートポンプ制御部80は、ヒートポンプユニット4の各要素機器と電気的に接続されており、各要素機器の動作を制御する。また、ヒートポンプ制御部80は、タンクユニット6のタンク制御部180、及び、燃焼機ユニット8の燃焼機制御部280と相互に通信可能に設けられている。
【0019】
(タンクユニット6の構成)
タンクユニット6は、貯湯タンク100と、水道水供給路110と、出湯路130と、給湯路131と、タンク制御部180とを備える。また、タンクユニット6は、報知装置220を備えている。
【0020】
貯湯タンク100は、ヒートポンプ40によって加熱された温水を貯える。貯湯タンク100は、密閉型であり、断熱材によって外側が覆われている。貯湯タンク100内には満水まで水が貯留されている。本実施例では、貯湯タンク100の容量は100Lである。貯湯タンク100には、貯湯サーミスタ102(第1温度センサの一例)と中間サーミスタ104が貯湯タンク100の高さ方向に所定間隔をあけて取り付けられている。各サーミスタ102、104は、その取付位置の水の温度を検出する。例えば、各サーミスタ102、104は、それぞれ、貯湯タンク100の上部から6L、12Lの位置の水の温度を検出する。
【0021】
水道水供給路110は、上流端が水道水供給源112に接続されている。水道水供給路110には、給水サーミスタ108が介装されている。給水サーミスタ108は、水道水供給路110内を流れる水の温度を検出する。水道水供給路110の下流側は、第1給水路110aと第2給水路110b(給水路の一例)に分岐している。第1給水路110aの下流端は、貯湯タンク100の下部に接続されている。第2給水路110bの下流端は、出湯路130の下流端に接続されている。第2給水路110bには水側流量センサ52が設けられている。水側流量センサ52は、第2給水路110b内を流れる水の流量を検出する。
【0022】
出湯路130は、上流端が貯湯タンク100の上部に接続されている。出湯路130の下流端には、水道水供給路110の第2給水路110bが接続されている。出湯路130には、湯側流量センサ54が設けられている。湯側流量センサ54は、出湯路130内を流れる水の流量を検出する。出湯路130の下流端と第2給水路110bの下流端との接続部分には、混合弁140が設けられている。混合弁140は、出湯路130内を流れる水と、第2給水路110b内を流れる水とを混合する。
【0023】
給湯路131は、上流端が混合弁140に接続されている。給湯路131の下流端は、給湯箇所に接続されている。給湯路131には、後述する燃焼機ユニット8の燃焼機200(補助熱源機の一例)が介装されている。混合弁140より下流側の給湯路131には、混合サーミスタ114が介装されている。混合サーミスタ114は、混合弁140で混合された後の水の温度を検出する。
【0024】
給湯路131には、給湯バイパス路132(バイパス路の一例)が接続されている。給湯バイパス路132の上流端が燃焼機ユニット8より上流側の給湯路131に接続されており、下流端が燃焼機ユニット8より下流側の給湯路131に接続されている。給湯バイパス路132には、バイパス弁141が設けられている。バイパス弁141は、給湯バイパス路132を開閉する。給湯バイパス路132より下流側の給湯路131には、出口サーミスタ116(第3温度センサの一例)が介装されている。出口サーミスタ116は、給湯バイパス路132の下流端と給湯路131との接続部分より下流側の給湯路131に介装されている。出口サーミスタ116は、給湯路131によって給湯箇所に供給される水の温度を検出する。
【0025】
給湯バイパス路132に設けられているバイパス弁141は、例えばステッピングモータを備えている。バイパス弁141は、ステッピングモータが回転動作することによって給湯バイパス路132を開閉するように動作する。バイパス弁141は、タンク制御部180から受信する動作指令信号に基づいて動作する。動作指令信号は、例えばステッピングモータが回転動作するときのステップ角度を示す信号である。動作指令信号には、例えば開放指令信号と閉鎖指令信号がある。開放指令信号は、バイパス弁141が給湯バイパス路132を開放する側に動作するための動作指令信号である。一方、閉鎖指令信号は、バイパス弁141が給湯バイパス路132を閉鎖する側に動作するための動作指令信号である。
【0026】
タンク制御部180は、タンクユニット6の各要素機器と電気的に接続されており、各要素機器の動作を制御する。また、タンク制御部180は、ヒートポンプユニット4のヒートポンプ制御部80、及び、燃焼機ユニット8の燃焼機制御部280と相互に通信可能に設けられている。
【0027】
報知装置220は、例えば画像や音声によってエラーを報知する装置である。報知装置220は、例えば画像を表示するディスプレイや、音声を出力するスピーカーを備えている。
【0028】
(燃焼機ユニット8の構成)
燃焼機ユニット8は、燃焼機200と、燃焼機制御部280とを備える。
【0029】
燃焼機200は、燃料(例えば、燃料ガス)を燃焼させた熱によって、上述の給湯路131を通過する水を加熱する補助熱源機である。燃焼機200より下流側の給湯路131には、給湯サーミスタ210(第2温度センサの一例)が介装されている。給湯サーミスタ210は、上述した給湯バイパス路132の下流端と給湯路131との接続部分より上流側の給湯路131に介装されている。給湯サーミスタ210は、燃焼機200によって加熱された後に給湯箇所へ供給される水の温度を検出する。
【0030】
燃焼機ユニット8を通過する給湯路131には、燃焼機バイパス路133が接続されている。燃焼機バイパス路133の上流端が燃焼機200より上流側の給湯路131に接続されており、下流端が燃焼機200より下流側の給湯路131に接続されている。また、給湯路131には、水量サーボ142とバイパスサーボ143が設けられている。水量サーボ142は、給湯路131を流れる湯の流量を調整する。バイパスサーボ143は、燃焼機バイパス路133の上流端と給湯路131との接続部分に設けられている。バイパスサーボ143は、燃焼機バイパス路133に流れる水の流量を調整する。
【0031】
また、燃焼機200より下流側の給湯路131には、湯張り路134が接続されている。湯張り路134の下流端は浴槽に接続されている。湯張り路134には、湯張り弁144が設けられている。湯張り弁144は、湯張り路134内を流れる水の流量を調整する。
【0032】
燃焼機制御部280は、燃焼機ユニット8の各要素機器と電気的に接続されており、各要素機器の動作を制御する。上記の通り、燃焼機制御部280は、ヒートポンプ制御部80及びタンク制御部180と相互に通信可能である。
【0033】
以下では、ヒートポンプ制御部80と、タンク制御部180と、燃焼機制御部280とを総称して単に「制御部」と呼ぶ場合がある。
【0034】
次いで、本実施例の給湯システム2の動作について説明する。給湯システム2は、蓄熱運転、給湯運転及び補助加熱運転を実行することができる。以下、各運転について説明する。
【0035】
(蓄熱運転)
蓄熱運転は、ヒートポンプ40により、貯湯タンク100内の水を加熱する運転である。制御部によって蓄熱運転の実行が指示されると、ヒートポンプ40が動作を開始する(即ち、圧縮機44及びファン43を動作させる)とともに、循環ポンプ72が回転する。循環ポンプ72が回転すると、タンク水循環路70内を貯湯タンク100内の水が循環する。即ち、貯湯タンク100の下部に存在する水がタンク水循環路70内に導入され、導入された水がヒートポンプ40内の凝縮器45を通過する際に、冷媒の熱によって加熱され、加熱された水が貯湯タンク100の上部に戻される。これにより、貯湯タンク100に高温の水が貯められる。貯湯タンク100の上部には、高温の水の層が形成され、下部には、低温の水の層が形成される。
【0036】
(給湯運転)
給湯運転は、貯湯タンク100内の水を給湯箇所に供給する運転である。給湯運転は、上記の蓄熱運転中にも実行することができる。給湯箇所の給湯栓が開かれると、水道水供給源112からの水圧によって、水道水供給路110(第1給水路110a)から貯湯タンク100の下部に水道水が流入する。同時に、貯湯タンク100上部の温水が、出湯路130と給湯路131を介して給湯箇所に供給される。
【0037】
制御部は、貯湯タンク100から出湯路130に供給される水の温度(即ち、貯湯サーミスタ102の検出温度)が、給湯設定温度(例えば40℃)より高い場合には、混合弁140を開いて第2給水路110bから給湯路131に水道水を導入する。従って、貯湯タンク100から供給された水と第2給水路110bから供給された水道水とが、混合弁140によって混合される。制御部は、給湯箇所に供給される水の温度が、給湯設定温度と一致するように、混合弁140の開度を調整する。
【0038】
(補助加熱運転)
補助加熱運転は、給湯路131を流れる水を燃焼機200で加熱する運転である。補助加熱運転は、上記の給湯運転の実行中に実行される。制御部は、貯湯タンク100から出湯路130に供給される水の温度が、給湯設定温度(例えば40℃)より低い場合には、燃焼機200を作動させる。従って、給湯路131を通過する水が燃焼機200によって加熱される。制御部は、給湯箇所に供給される水の温度が、給湯設定温度と一致するように、燃焼機200の出力を制御する。
【0039】
次に、上記の給湯システム2で実行される開閉処理について説明する。この開閉処理は、給湯システム2の電源がオンになると開始される。図2に示すように、開閉処理が開始された後のS10では、制御部が、湯側流量と水側流量の合計流量が所定の第1基準流量(例えば2.7L/min)以上であるか否かを判断する。湯側流量は、出湯路130に設けられている湯側流量センサ54によって検出される流量である。水側流量は、第2給水路110bに設けられている水側流量センサ52によって検出される流量である。制御部は、湯側流量センサ54の検出流量と水側流量センサ52の検出流量との合計流量が所定の第1基準流量以上であるか否かを判断する。これによって、制御部は、給湯路131を通じて給湯箇所に供給される水の流量が所定の第1基準流量以上であるか否かを判断する。湯側流量と水側流量の合計流量が第1基準流量以上である場合は、S10で制御部がYESと判断してS11に進む。そうでない場合は、S10で制御部がNOと判断して合計流量の監視を続ける。S10でYESの場合は給湯運転が実行された状態である。
【0040】
S11では、制御部が、貯湯タンク100に取り付けられている貯湯サーミスタ102の検出温度が給湯設定温度(例えば40℃)未満であるか否かを判断する。すなわち、制御部は、貯湯タンク100から出湯路130に出湯される水の温度が給湯設定温度未満であるか否かを判断する。貯湯サーミスタ102の検出温度が給湯設定温度未満である場合は、S11で制御部がYESと判断してS12に進む。そうでない場合は、S11で制御部がNOと判断してS30(図3参照)に進む。S11でNOの場合は貯湯タンク100が湯切れの状態である。
【0041】
S12では、制御部が、湯側流量(湯側流量センサ54の検出流量)と水側流量(水側流量センサ52の検出流量)の合計流量が所定の第2基準流量(例えば15L/min)未満であるか否かを判断する。これによって、制御部は、給湯路131を通じて給湯箇所に供給される水の流量が所定の第2基準流量未満であるか否かを判断する。湯側流量と水側流量の合計流量が所定の第2基準流量未満である場合は、S12で制御部がYESと判断してS13に進む。そうでない場合は、S12で制御部がNOと判断してS40に進む(図4参照)。S12でYESの場合は、給湯路131を流れる水の流量が少ないので水の圧力損失が小さくい場合である。一方、S12でNOの場合は、給湯路131を流れる水の流量が多いので水の圧力損失が大きい場合である。
【0042】
S13では、制御部が、出湯路130と第2給水路110bの接続部分に設けられている混合弁140の開度を調整する。制御部は、湯側流量(湯側流量センサ54の検出流量)と水側流量(水側流量センサ52の検出流量)の比が1:1になるように混合弁140の開度を調整する。
【0043】
続いてS14では、制御部が、給湯バイパス路132に設けられているバイパス弁141に動作指令信号を送信する。制御部は、バイパス弁141が給湯バイパス路132を閉鎖する側に動作するように、閉鎖指令信号をバイパス弁141に送信する。制御部は、バイパス弁141が全閉になって給湯バイパス路132が完全に閉鎖されるような閉鎖指令信号をバイパス弁141に送信する。バイパス弁141は、閉鎖指令信号を受信すると給湯バイパス路132を完全に閉鎖するように動作する。バイパス弁141が全閉になって給湯バイパス路132が完全に閉鎖されると、給湯バイパス路132に水が流れなくなる。そのため、混合弁140で混合された後の水の全量が燃焼機ユニット8に送られる。
【0044】
続いてS15では、制御部が、補助加熱運転を実行する。補助加熱運転が実行されると、給湯路131を流れる水が燃焼機ユニット8の燃焼機200によって加熱される。制御部は、燃焼機200によって加熱された後の水の温度が給湯設定温度と一致するように燃焼機200の出力を制御する。すなわち、制御部は、給湯サーミスタ210の検出温度が給湯設定温度と一致するように燃焼機200の出力を制御する。
【0045】
続いてS16では、制御部が、出口サーミスタ116の検出温度が給湯サーミスタ210の検出温度未満であるか否かを判断する。出口サーミスタ116の検出温度が給湯サーミスタ210の検出温度未満である場合は、S16で制御部がYESと判断してS17に進む。そうでない場合は、S16で制御部がNOと判断して上記のS11に戻る。
【0046】
上記のS14でバイパス弁141が給湯バイパス路132を閉鎖したときに、給湯バイパス路132が確実に閉鎖されて隙間が生じていなければ、給湯バイパス路132には水が流れない。そのため、燃焼機200によって加熱された後の水が給湯路131を流れるときに、給湯バイパス路132から給湯路131に水が流入しない。したがって、燃焼機ユニット8より下流側の給湯路131を流れる水の温度が低下しない。このような状態であれば、上記のS16で制御部がNOと判断する。
【0047】
一方、上記のS14で給湯バイパス路132が確実に閉鎖されておらず隙間が生じていると、給湯バイパス路132に水が流れてしまう。そうすると、燃焼機200によって加熱された後の水が給湯路131を流れるときに、給湯バイパス路132から給湯路131に水が流入する。そのため、燃焼機ユニット8より下流側の給湯路131を流れる水の温度が低下する。このような状態では、上記のS16で制御部がYESと判断する。
【0048】
続いてS17では、制御部が、バイパス弁141に動作指令信号を送信する。制御部は、上記のS14に追加して、バイパス弁141が給湯バイパス路132を閉鎖する側に更に動作するように、閉鎖指令信号をバイパス弁141に更に送信する。制御部は、上記のS14で送信した閉鎖指令信号が示すステップ角度より小さいステップ角度を示す閉鎖指令信号をバイパス弁141に送信する。例えば、制御部は、上記のS14でのステップ角度の1/10のステップ角度を示す閉鎖指令信号をバイパス弁141に送信する。制御部は、給湯バイパス路132の隙間が完全に閉鎖されるような閉鎖指令信号をバイパス弁141に送信する。給湯バイパス路132の隙間が完全に閉鎖されると、給湯バイパス路132に水が流れなくなる。そのため、混合弁140で混合された後の水の全量が燃焼機ユニット8に送られる。
【0049】
続いてS18では、制御部が、出口サーミスタ116の検出温度が給湯サーミスタ210の検出温度未満であるか否かを判断する。出口サーミスタ116の検出温度が給湯サーミスタ210の検出温度未満である場合は、S18で制御部がYESと判断してS19に進む。そうでない場合は、S18で制御部がNOと判断して上記のS11に戻る。
【0050】
上記のS17でバイパス弁141が給湯バイパス路132を閉鎖したときに、給湯バイパス路132が確実に閉鎖されて隙間が生じていなければ、給湯バイパス路132には水が流れない。このような状態であれば、上記のS16と同様に、上記のS18で制御部がNOと判断する。
【0051】
一方、上記のS17で給湯バイパス路132が確実に閉鎖されておらず隙間が生じていると、給湯バイパス路132に水が流れてしまう。このような状態では、上記のS16と同様に、上記のS18で制御部がYESと判断する。
【0052】
続いてS19では、制御部が、報知装置220にエラー信号を送信する。報知装置220は、制御部から受信したエラー信号に基づいてエラーを報知する。報知装置220は、例えば、「バイパス弁が閉じていません」といった画像や音声によってエラーを報知する。
【0053】
次に、上記のS11で制御部がNOと判断した場合について説明する。図3に示すように、上記のS11で制御部がNOと判断した後のS30では、制御部が、補助加熱運転を禁止する。補助加熱運転が禁止されると燃焼機200が動作しない。
【0054】
続いてS31では、制御部が、混合弁140の開度を調整する。制御部は、混合弁140で混合された後の水の温度が給湯設定温度と一致するように、混合弁140の開度を調整する。すなわち、制御部は、混合サーミスタ114の検出温度が給湯設定温度と一致するように、混合弁140の開度を調整する。
【0055】
続いてS32では、制御部が、バイパス弁141に動作指令信号を送信する。制御部は、バイパス弁141が給湯バイパス路132を開放する側に動作するように、開放指令信号をバイパス弁141に送信する。制御部は、バイパス弁141が全開になって給湯バイパス路132が開放されるような開放指令信号をバイパス弁141に送信する。バイパス弁141は、開放指令信号を受信すると給湯バイパス路132を開放するように動作する。バイパス弁141が全開になって給湯バイパス路132が開放されると、混合弁140で混合された後の水が給湯バイパス路132に流れる。給湯バイパス路132を流れた水が給湯箇所に供給される。制御部は、S32が終了すると上記のS11に戻る(図2参照)。
【0056】
次に、上記のS12で制御部がNOと判断した場合について説明する。図4に示すように、上記のS12で制御部がNOと判断した後のS40では、制御部が、混合弁140の開度を調整する。制御部は、湯側流量(湯側流量センサ54の検出流量)と水側流量(水側流量センサ52の検出流量)の比が1:1になるように混合弁140の開度を調整する。
【0057】
続いてS41では、制御部が、補助加熱運転を実行する。補助加熱運転が実行されると、給湯路131を流れる水が燃焼機ユニット8の燃焼機200によって加熱される。制御部は、燃焼機200によって加熱された後の水の温度が給湯設定温度よりも高い所定の目標温度(例えば55℃)になるように燃焼機200の出力を制御する。すなわち、制御部は、給湯サーミスタ210の検出温度が所定の目標温度になるように燃焼機200の出力を制御する。
【0058】
続いてS42では、制御部が、バイパス弁141に動作指令信号を送信してバイパス弁141の開度を調整する。バイパス弁141の開度が調整されると、混合弁140で混合された後の水の一部が給湯バイパス路132に流れる。給湯バイパス路132を流れた水は、給湯バイパス路132の下流端と給湯路131との接続部分で、給湯路131を流れる水と混合される。すなわち、給湯バイパス路132を流れた水は、燃焼機200によって加熱された後の水と混合される。制御部は、給湯バイパス路132と給湯路131との接続部分で混合された後の水の温度が給湯設定温度と一致するように、バイパス弁141の開度を調整する。すなわち、制御部は、出口サーミスタ116の検出温度が給湯設定温度と一致するように、バイパス弁141の開度を調整する。制御部は、S42が終了すると上記のS11に戻る(図2参照)。
【0059】
以上、給湯システム2の構成及び動作について説明した。上記の通り、給湯システム2は、水を加熱するヒートポンプ40と、ヒートポンプ40によって加熱された水を貯える貯湯タンク100と、貯湯タンク100に貯えられている水を出湯する出湯路130と、貯湯タンク100から出湯路130に出湯される水の温度を検出する貯湯サーミスタ102とを備えている。また、給湯システム2は、出湯路130の下流端に接続されている第2給水路110bと、出湯路130と第2給水路110bの接続部分に接続されている給湯路131とを備えている。給湯路131は、出湯路130から供給される水と第2給水路110bから供給される水を混合した水を給湯箇所に供給する。また、給湯システム2は、出湯路130から給湯路131に供給される水の流量と、第2給水路110bから給湯路131に供給される水の流量の割合を調整する混合弁140と、湯側流量を検出する湯側流量センサ54と、水側流量を検出する水側流量センサ52とを備えている。湯側流量センサ54及び水側流量センサ52は、給湯箇所に供給される水の流量を検出する流量センサの一例である。また、給湯システム2は、給湯路131を流れる水を加熱する燃焼機200と、燃焼機200によって加熱された後の水の温度を検出する給湯サーミスタ210とを備えている。また、給湯システム2は、燃焼機200より上流側の給湯路131と燃焼機200より下流側の給湯路131とに接続されており、燃焼機200より上流側の給湯路131を流れる水を燃焼機200より下流側の給湯路131に供給する給湯バイパス路132と、指令信号に基づいて給湯バイパス路132を開閉するバイパス弁141と、バイパス弁141より下流側の給湯路131を流れる水の温度を検出する出口サーミスタ116と、を備えている。この給湯システム2は、貯湯タンク100に貯えられている水を出湯路130と給湯路131を通じて給湯箇所に供給する給湯運転と、給湯路131を流れる水を燃焼機200で加熱する補助加熱運転を実行可能に構成されている。
【0060】
給湯システム2の制御部は、給湯運転を実行する場合であって、貯湯サーミスタ102の検出温度が所定の給湯設定温度(例えば40℃)未満であり(S11でYES)、かつ、湯側流量センサ54の検出流量と水側流量センサ52の検出流量の合計流量が所定の基準流量未満である場合は(S12でYES)、バイパス弁141が給湯バイパス路132を完全に閉鎖するような閉鎖指令信号をバイパス弁141に送信すると共に(S14)、給湯サーミスタ210の検出温度が給湯設定温度になるように補助加熱運転を実行する(S15)。その後に、給湯システム2の制御部は、出口サーミスタ116の検出温度が給湯サーミスタ210の検出温度未満である場合は(S16でYES)、バイパス弁141が給湯バイパス路132を閉鎖する側に更に動作するように閉鎖指令信号をバイパス弁141に更に送信する(S17)。
【0061】
上記の給湯システム2では、貯湯サーミスタ102の検出温度(すなわち、貯湯タンク100から出湯路130に出湯される水の温度)が給湯設定温度未満である場合は、貯湯タンク100が湯切れ状態である。この場合は、補助加熱運転を実行する必要がある。また、湯側流量と水側流量の合計流量(すなわち、給湯箇所に供給される水の流量)が所定の基準流量未満である場合は、給湯路131を流れる水の圧力損失が小さいので、給湯バイパス路132を完全に閉鎖してもよい。そのため、この場合は、給湯システム2の制御部が、バイパス弁141が給湯バイパス路132を完全に閉鎖するような閉鎖指令信号をバイパス弁141に送信する。それと共に、制御部が、給湯サーミスタ210の検出温度が給湯設定温度になるように補助加熱運転を実行する。これによって、給湯バイパス路132が完全に閉鎖され、給湯バイパス路132に水が流れなくなるはずである。また、給湯路131を流れる水の全量が燃焼機ユニット8に送られ、燃焼機ユニット8の燃焼機200によって加熱されることになる。
【0062】
給湯システム2の制御部が閉鎖指令信号をバイパス弁141に送信した後に、出口サーミスタ116の検出温度(すなわち、バイパス弁141より下流側の給湯路131を流れる水の温度)が給湯サーミスタ210の検出温度(すなわち、燃焼機200によって加熱された後の水の温度)未満である場合がある。この場合は、制御部が閉鎖指令信号をバイパス弁141に送信したにもかかわらず、実際には給湯バイパス路132が完全には閉鎖されておらず、給湯バイパス路132に水が流れている状態である。そのため、給湯バイパス路132を流れた水が燃焼機200によって加熱された後の水と混ざり合うことによって、給湯箇所に供給される水の温度が低下する。このような事態は、例えばバイパス弁141を構成するステッピングモータの製品間のバラツキに起因して生じる。そこで、この場合は、制御部が、バイパス弁141が給湯バイパス路132を閉鎖する側に更に動作するように閉鎖指令信号をバイパス弁141に更に送信する。これによって、給湯バイパス路132が完全に閉鎖され、給湯バイパス路132に水が流れなくなる。そのため、給湯箇所に供給される水の温度が低下することがなく、給湯設定温度より低い温度の水が給湯箇所に供給されることを抑制することができる。
【0063】
また、上記の給湯システム2は、エラー信号に基づいてエラーを報知する報知装置220を備えている。給湯システム2の制御部は、バイパス弁141が給湯バイパス路132を閉鎖する側に更に動作するように閉鎖指令信号をバイパス弁141に更に送信した後に(S17)、出口サーミスタ116の検出温度が給湯サーミスタ210の検出温度未満である場合は(S18でYES)、報知装置220にエラー信号を送信する(S19)。
【0064】
給湯システム2の制御部が閉鎖指令信号をバイパス弁141に更に送信した後に、出口サーミスタ116の検出温度が給湯サーミスタ210の検出温度未満である場合は、更なる閉鎖指令信号にもかかわらず、実際には給湯バイパス路132が完全には閉鎖されておらず、給湯バイパス路132に水が流れている状態である。そこで、この場合は、制御部が、報知装置220にエラー信号を送信する。報知装置220はエラー信号に基づいてエラーを報知する。この構成によれば、更なる閉鎖指令信号にもかかわらず給湯バイパス路132が完全に閉鎖しない場合に、ユーザにエラーを報知することができる。
【0065】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0066】
例えば、上記の実施例では、出湯路130の下流端と第2給水路110bの下流端との接続部分に混合弁140が設けられていたが、この構成に限定されるものではない。混合弁140が設けられる位置は変更可能である。例えば、第1給水路110aと第2給水路110bとの分岐部分に混合弁140が設けられていてもよい。
【0067】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0068】
2:給湯システム、4:ヒートポンプユニット、6:タンクユニット、8:燃焼機ユニット、40:ヒートポンプ、41:冷媒循環路、42:蒸発器、43:ファン、44:圧縮機、45:凝縮器、46:膨張弁、52:水側流量センサ、54:湯側流量センサ、70:タンク水循環路、72:循環ポンプ、74:往きサーミスタ、76:戻りサーミスタ、80:ヒートポンプ制御部、100:貯湯タンク、102:貯湯サーミスタ、104:中間サーミスタ、108:給水サーミスタ、110:水道水供給路、110a:第1給水路、110b:第2給水路、112:水道水供給源、114:混合サーミスタ、116:出口サーミスタ、130:出湯路、131:給湯路、132:給湯バイパス路、133:燃焼機バイパス路、134:湯張り路、140:混合弁、141:バイパス弁、142:水量サーボ、143:バイパスサーボ、144:湯張り弁、180:タンク制御部、200:燃焼機、210:給湯サーミスタ、220:報知装置、280:燃焼機制御部
図1
図2
図3
図4