(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】半径方向圧縮装置、及びこれを用いて物品を漸次圧縮する方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/86 20130101AFI20220113BHJP
A61F 2/966 20130101ALI20220113BHJP
【FI】
A61F2/86
A61F2/966
(21)【出願番号】P 2018541291
(86)(22)【出願日】2017-02-08
(86)【国際出願番号】 US2017017070
(87)【国際公開番号】W WO2017139421
(87)【国際公開日】2017-08-17
【審査請求日】2020-01-07
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-07
(32)【優先日】2016-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518275866
【氏名又は名称】ブロックワイズ エンジニアリング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ワリナー,ジェレミア,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ゴフ,エド
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】村上 聡
【審判官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第7886661(US,B1)
【文献】特表2006-515787(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0181236(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F2/82-2/97
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径方向圧縮機構であって、
a)基部と、
b)複数の圧縮ダイであって、前記圧縮ダイの各々は、
i)入口端から出口端までの間の長さを有するダイ作業面を備える圧縮部分と、
ii)取り付け端から延長端までの長さを有する導入面を備える導入部分と、
を備え、
前記導入部分は、前記圧縮部分に前記圧縮部分の入口端で取り付けられ、前記導入面は、前記作業面から鋭角である導入角で延びており、
前記複数の圧縮ダイの導入面は
、隣接する導入面の間に250μm以下の隙間を
、前記複数の圧縮ダイの開き位置及び閉じ位置の間にわたって有する
実質的に連続したじょうご面を有する導入じょうごを形成し、
前記複数の圧縮ダイは、互いに対して半径方向に配置されて中心に位置する円筒形空洞を形成し、前記円筒形空洞は、前記作業面により定まって前記入口端から前記出口端までの長さを有し、
前記円筒形空洞は
、隣接するダイ作業面の間に250μm以下の隙間を
、前記開き位置及び前記閉じ位置の間にわたって有する
実質的に連続した表面を有し、
前記複数の圧縮ダイは、前記基部に連結されて
前記開き位置から
前記閉じ位置まで一致して移動するように構成され、前記開き位置は開き空洞直径を有し、前記閉じ位置は閉じ空洞直径を有し、
前記開き空洞直径は前記閉じ空洞直径よりも大きく、
前記導入部分及び前記圧縮部分は、単一の材料から形成された一体ユニットである、
圧縮ダイと、
c)前記複数の圧縮ダイの各々と連結されて、前記圧縮ダイの各々を一致して
前記開き位置から
前記閉じ位置まで移動させる駆動機構と、
を備える、半径方向圧縮機構。
【請求項2】
少なくとも3つの圧縮ダイを備える、請求項1に記載の半径方向圧縮機構。
【請求項3】
前記鋭角は少なくとも5度である、請求項1に記載の半径方向圧縮機構。
【請求項4】
前記鋭角は3度と60度との間にある、請求項1に記載の半径方向圧縮機構。
【請求項5】
前記円筒形空洞の最大開き空洞直径は、寸法において前記円筒形空洞の長さよりも少なくとも2倍大きい、請求項1に記載の半径方向圧縮機構。
【請求項6】
前記閉じ空洞直径は100μm以下である、請求項1に記載の半径圧縮機構。
【請求項7】
前記導入面の長さは、少なくとも前記円筒形空洞の長さと同じくらい長い、請求項1に記載の半径方向圧縮機構。
【請求項8】
前記複数の圧縮ダイのうち少なくともいくつかの導入部分は、前記圧縮部分に一体的に取り付けられる、請求項1に記載の半径方向圧縮機構。
【請求項9】
前記半径方向圧縮機構は、
a)送り出しカテーテルと、
b)カテーテル駆動機構と、
c)制御装置と、
をさらに備え、
前記駆動機構は、前記送り出しカテーテルを半径方向に圧縮された物品の上に、前記物品が前記円筒形空洞の出口端から押し出された後に押し動かし、
前記制御装置は、前記円筒形空洞の位置に対して前記カテーテル駆動機構を制御し、それにより、前記複数の圧縮ダイが圧縮位置にあるとき、前記送り出しカテーテルは圧縮された物品の上に押し動かされる、請求項1に記載の半径方向圧縮機構。
【請求項10】
前記半径方向圧縮機構は、
a)物品駆動機構
をさらに備え、
前記物品駆動機構は、前記物品を前記円筒形空洞内に押し込み、
前記制御装置は、前記円筒形空洞に対して前記物品駆動装置を制御し、それにより、前記複数の圧縮ダイが
前記開き位置にあるとき、前記物品は前記円筒形空洞内に押し込まれる、請求項9に記載の半径方向圧縮機構。
【請求項11】
物品を圧縮する方法であって、
a)半径方向圧縮機構を備える漸次半径方向圧縮システムを設ける工程であって、前記半径方向圧縮機構は、
i)基部と、
ii)複数の圧縮ダイであって、前記圧縮ダイの各々は、
入口端から出口端までの間の長さを有するダイ作業面を備える圧縮部分と、
取り付け端から延長端までの長さを有する導入面を備える導入部分と、
を備え、
前記導入部分は、前記圧縮部分に前記圧縮部分の入口端で取り付けられ、前記導入面は、前記作業面から鋭角である導入角で延びており、
前記複数の圧縮ダイの導入面は
、隣接する導入面の間に250μm以下の隙間を
、前記複数の圧縮ダイの開き位置及び閉じ位置の間にわたって有する
実質的に連続したじょうご面を有する導入じょうごを形成し、
前記複数の圧縮ダイは、互いに対して半径方向に配置されて中心に位置する円筒形空洞を形成し、前記円筒形空洞は、前記作業面により定まって前記入口端から前記出口端までの長さを有し、
前記円筒形空洞は
、隣接するダイ作業面の間に250μm以下の隙間を
、前記開き位置及び前記閉じ位置の間にわたって有する
実質的に連続した表面を有し、
前記複数の圧縮ダイは、前記基部に連結されて
前記開き位置から
前記閉じ位置まで一致して移動するように構成され、前記開き位置は開き空洞直径を有し、前記閉じ位置は閉じ空洞直径を有し、
前記開き空洞直径は前記閉じ空洞直径よりも大きく、
前記導入部分及び前記圧縮部分は、単一の材料から形成された一体ユニットである、
圧縮ダイと、
iii)前記複数の圧縮ダイの各々と連結されて、前記圧縮ダイの各々を一致して
前記開き位置から
前記閉じ位置まで移動させる駆動機構と、
を備える工程と、
b)長さ及び
外力が加わらない状態での直径を有する物品を設ける工程と、
c)前記複数の圧縮ダイを
前記開き位置に位置決めする工程と、
d)前記導入じょうごを通って前記円筒形空洞内に第1の物品部分を挿入する工程と、
e)前記半径方向圧縮機構を閉じる工程であって、前記複数の圧縮ダイは圧縮位置に押しやられ、前記第1の物品部分から第1の圧縮された物品部分を生成し、前記第1の圧縮された物品部分は、前記
外力が加わらない状態での直径よりも小さい圧縮された直径に圧縮される工程と、
f)前記半径方向圧縮機構を開き、前記導入じょうごを通って前記円筒形空洞内に第2の物品部分を
前記第1の物品部分に続いて漸
進させる工程であって、それにより、前記第1の圧縮された物品部分は、前記円筒形空洞の出口端から押し出されて、延びた圧縮部分を形成
し、前記第1の物品部分及び前記第2の物品部分は、前記物品の連続した部分である工程と、
g)前記半径方向圧縮機構を閉じる工程であって、前記複数の圧縮ダイは前記圧縮位置に押しやられ、前記第2の物品部分から第2の圧縮された物品部分を生成し、前記第2の物品部分は、前記
外力が加わらない状態での直径よりも小さい圧縮された直径に圧縮される工程と、
h)前記物品を前記半径方向圧縮機構から
取り出して半径方向に圧縮された物品を生成する工程と、
を備える、方法。
【請求項12】
前記半径方向圧縮機構を開く工程、前記第2の物品部分を
前記第1の物品部分に続いて圧縮のために前記円筒形空洞内で漸
進させる工程、前記第2の物品部分を圧縮する工程、及び前記半径方向圧縮機構を開く工程は、0.2秒以下の速度で行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記半径方向圧縮機構を開く工程、前記第2の物品部分を
前記第1の物品部分に続いて圧縮のために前記円筒形空洞内で漸
進させる工程、前記第2の物品部分を圧縮する工程、及び前記半径方向圧縮機構を開く工程は、少なくとも30Hzの速度で行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
a)送り出しカテーテルを前記物品の転移温度未満の温度に冷却する工程
をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
a)送り出しカテーテルを設ける工程と、
b)前記送り出しカテーテルを、前記物品が前記円筒形空洞の出口端から出て間欠送りされる際に、前記物品の延びた圧縮部分の上に位置決めする工程と、
c)次の延びた圧縮部分を、前記次の延びた圧縮部分が前記半径方向圧縮機構によって圧縮される際に、前記送り出しカテーテルに漸次挿入する工程と、
をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記物品はステントである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記物品は自己拡張型ステントである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
a)前記送り出しカテーテルを前記物品の転移温度未満の温度に冷却し、前記物品の延びた圧縮部分を、前記物品の延びた圧縮部分が前記送り出しカテーテルに挿入されるまで、前記転移温度未満に保つ工程
をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、
a)カテーテル駆動機構を設ける工程と、
b)制御装置を設ける工程と、
をさらに備え、
前記駆動機構は、前記送り出しカテーテルを前記半径方向に圧縮された物品の上に押し動かし、
前記制御装置は、前記半径方向圧縮機構に対して前記カテーテル駆動機構を制御し、それにより、前記複数の圧縮ダイが圧縮された位置にあるとき、前記送り出しカテーテルは、前記物品の延びた圧縮部分の上に押し動かされる、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、
a)物品駆動機構を設ける工程
をさらに備え、
前記物品駆動機構は、前記物品を前記半径方向圧縮機構に押し込み、
前記制御装置は、前記半径方向圧縮機構に対して前記物品駆動機構を制御し、それにより、前記複数の圧縮ダイが
前記開き位置にあるとき、前記物品は前記円筒形空洞内に押し込まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記物品はステントである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記物品は自己拡張型ステントである、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2016年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/292,851号の優先権を主張し、この出願全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、物品、特にステント、カテーテル、バルーンなどを半径方向に圧縮する半径方向圧縮機構及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
病変動脈の制限を通る血液の自由な流れを促進するために経皮的血管インプラントとして主に使用される自己拡張ステントの製造及び包装プロセス中に、拡張したステントを圧縮し、ステントを送り出しシステムに装入することが必要である。一般的に、ステントは、米国特許第7,886,661号又は米国特許第6,968,607号に開示されているような半径方向圧縮機構を用いて、送り出しカテーテル又は管のほぼ内径まで圧縮される。次いで、送り出しカテーテルの開口部を、半径方向圧縮機構の開口部と整列させ、カテーテルの先端を、カテーテルの先端と半径方向圧縮機構の表面との間に隙間がほとんどない又はないように位置決めした状態で、ステントは、ロッド状装置を用いて圧縮機構を通ってカテーテル内に押し込まれる。
【0004】
現行の最先端プロセスには多くの欠点がある。第1に、半径方向圧縮機構の長さは、少なくともステントの圧縮された長さと同じである必要がある。自己拡張型ステントの製造業者は、長いステントに向かう傾向にあり、ステントの長さを半径方向圧縮機構の長さに関連付けており、これらにより多くの問題が生じる。初めに、長さが長い半径方向圧縮機構は、長さが短い半径方向圧縮機構よりも製造がはるかに困難である。十分に正確な半径方向圧縮機構を生成するために要求される公差には、要求が厳しい製造プロセスを使用することが必要となる。一般に、要求される公差を維持することの困難性は、部品のサイズとともに増す。例えば、短い圧縮ダイは、長いダイよりも正確に製造するのがはるかに容易である。
【0005】
長い半径方向圧縮機構はまた、装入システムの精度を低下させることがあるコンプライアンスの影響をより受け易い。一例として、半径方向圧縮機構の三角形ダイは一般的に端部で支持され、その一方、装入はダイの全長にわたって起こる。ダイが長くなればなるほど、所定の装入によるダイの未装入位置からの移動はより多くなる。
【0006】
比較的長い圧縮機構ではまた、動作するのにより大きな力が必要となる。ステントを圧縮する力は、その長さにほぼ線形に比例し、従ってより長い半径方向圧縮機構には、より短い半径方向圧縮機構よりも比例してより大きな力が必要である。上述のコンプライアンス問題を組み合わせることに加えて、より大きい力が要求されることは、一般に、より大きく、より高価で、より精度が低いアクチュエータ及びセンサを意味する。それによりまた、比例してより大きい支持部品が必要となって費用及び重量の欠点を伴い、或いは不意のより大きなゆがみ又はより大きい応力で性能が犠牲になる。
【0007】
現行の最先端プロセスの別の抜本的な欠点は、半径方向圧縮機構のダイ又は作業面の製作に低摩擦材料を用いる必要があることである。ステントは、圧縮された状態で装置を通って並進する必要があるので、摩擦は低いことが必要である。この要件により、摩擦特性が低いプラスチックが優先されて硬化ステンレス鋼のようなより耐久性がある材料の使用が一般に排除される。プラスチックは、半径方向圧縮機構の材料として使用するとき、ステンレス鋼のような金属が製造できる公差まで一般的に製造することができず、機構の精度が劣っている。
【0008】
伝統的なステント装入プロセスでは、半径方向圧縮ダイにわたってステントが摺動することにより、ダイに摩耗が生じる。摩耗により、性能の劣化が生じ、最終的にダイを再仕上げ又は交換することが必要となる。摩耗プロセスはまた、潜在的にステントインプラントを汚染することがある微粒子を生成する。
【0009】
現行のステント装入機構及び関連するプロセスの欠点を改善することは非常に有利である。
【0010】
本発明の目的は、ステントの長さを半径方向圧縮機構から切り離す半径方向圧縮機構及び半径方向圧縮プロセスを提供することである。長さがより短い半径方向圧縮機構が、一般により正確で、力の要求がより低く、しかも生産する費用がより安い。
【0011】
本発明の別の目的は、ステントと機構との間の摺動作用に左右されず、従ってその製作に耐久性のある材料を使用できる、半径方向圧縮機構及び半径方向圧縮プロセスを提供することである。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、Goffらに付与された米国特許第7,886,661号、Warrinerらに付与された米国特許第8,245,559号及びMotsenbockerに付与された米国特許6,968,607号などに開示された半径方向圧縮機構に関し、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの特許は、複数のダイを備える半径方向圧縮機構を記載しており、複数のダイは、ステント又は他の装置をより小さな直径に均一に圧縮するために使用される、ほぼ円筒形の開口部を形成するように配置されている。
【0013】
本発明の例示的な半径方向圧縮機構は、圧縮部分及び導入部分を有する複数の圧縮ダイを備えている。圧縮ダイの圧縮部分は、ステント及び他の装置を半径方向に圧縮するために中心に位置する円筒形空洞を形成する。圧縮ダイの導入部分は導入じょうごを形成し、導入じょうごにより、半径方向に圧縮される装置は、円筒形空洞内への装入が容易になる。例示的な実施形態では、圧縮ダイのダイ作業面が中心に位置する円筒形空洞を形成し、ダイ作業面は平坦であり、隣接する圧縮ダイは平行なダイ作業面を有する。例示的な実施形態では、圧縮ダイの導入面は導入じょうごを形成し、導入面は平坦であり、隣接する圧縮ダイは平行な導入面を有する。複数の圧縮ダイは、互いに対して半径方向に配置されて、作業面によって定まり入口端から出口端までの長さを有する、ほぼ中心に位置する円筒形空洞を形成する。ダイの複数の導入部分はまた、互いに対して半径方向に配列されて、導入面によって定まり取り付け端から延長端までの長さを有する、導入じょうごを形成する。複数の圧縮ダイのすくなくともいくつかの導入部分は、圧縮部分に一体的に取り付けることができ、導入部分及び圧縮部分は、単一の材料から例えば機械加工又は鋳造によって形成され一部品ユニットを形成する。
【0014】
例示的な半径方向圧縮機構は、基部及び複数の圧縮ダイを備え、複数の圧縮ダイは、前述の基部に連結され、基部に対して、開き位置から閉じ位置まで一致して移動するように構成されている。複数の圧縮ダイは、互いに対して半径方向に配置されて、ダイ作業面によって定まるほぼ円筒形の空洞を形成する。円筒形空洞は、入口端から出口端までの長さを有する。この長さは、限定されないが、約25cm以下、10cm以下、5cm以下、2.5cm以下、1cm以下、0.5cm以下、及び提示した長さの値を含んでこれらの間の範囲を含む任意の適切な長さにすることができる。長さが長いほど、圧縮に必要な力が大きくなり、これは、圧縮のために大きな駆動力が必要とされることを意味する。例示的な実施形態では、物品を半径方向に漸次圧縮し、半径方向圧縮機構によって物品を間欠送りする、半径方向に圧縮する機構及び方法が記載されている。この実施形態では、円筒形空洞の長さは、好ましくは5cm以下、2.5cm以下、1cm以下、0.5cm以下、及び提示された長さ値を含んでこれらの間の任意の範囲に保つことができる。これらの比較的短い長さにより、必要とされる圧縮力を低減することができる。
【0015】
例示的な円筒形空洞は、少なくとも円筒形空洞の長さと同じ大きさの直径に開口するように構成することでき、約2倍以上、約5倍以上、約10倍以上、及び提示した要因を含んでこれらの間の任意の範囲とすることができる。例えば、円筒形空洞の長さは約5mmであり、円筒形空洞の最大開き直径は5mm、或いは10mm又は20mmとすることができる。円筒形空洞は、広範囲のサイズの部品を収容するように構成することができ、開き位置にあるとき、約12mm以上、約25mm以上、約50mm以上、約75mm以上、約100mm以上、及び提示された開き位置にある円筒形空洞直径を含んでこれらの間の任意の範囲とすることができる。円筒形空洞は、完全に閉じた向きへ閉じるように構成することができ、ダイ作業面は、接触し、又は閉じ位置へ閉じることができ、閉じ位置では、直径が約50μm以下、約100μm以下、約150μm以下、及び提示された直径を含んでこれらの間の任意の範囲とすることができる。
【0016】
半径方向圧縮機構の例示的な導入部分は導入面で構成され、導入面は、ダイ作業面、又は円筒形空洞を通って延びる中心軸線に対して導入角を成し、導入じょうごを形成している。導入角は、鋭角であり、約60度以下、約45度以下、約30度以下、約15度以下、約10度以下、約5度以下、及び提示された導入角を含んでこれらの間の任意の範囲とすることができる。大きい導入角を有する導入部は、鈍すぎて、圧縮されるべき物品の直径が円筒形空洞直径まで素早く縮小されるとき高い摩擦を生じる。さらに、導入部の長さは、半径方向圧縮機構の適切な機能を保証するために、導入角及び半径方向に圧縮される物品のタイプに注意して選択することができる。導入面の長さは、少なくとも円筒形空洞の長さ以上とすることができる。導入面は、平坦であってダイ作業面又は取り付け端から延長端まで延びることができ、延びた端部は、円筒形空洞への入口開口部よりも直径が大きい開口部を形成する。
【0017】
複数のダイは、移動して円筒形空洞直径及び導入じょうご直径の両方を変化させ、じょうごは、導入面の長さに沿って直径が減少する。半径方向に圧縮されるように構成された物品は、導入じょうごによって予め圧縮することができ、その理由は、導入じょうごは、円筒形空洞内で構成された物品の第1の部分が半径方向に圧縮される間に閉じるからである。この予圧縮により、円筒形空洞への物品の漸次的な挿入が容易になり、半径方向圧縮のための力が低減できる。
【0018】
隣接する圧縮ダイのダイ作業面及び/又は導入面は、互いに接触することができ、或いはそれらの間に隙間があるように構成することができる。例示的な実施形態では、隣接するダイ間の間隙距離は、円筒形空洞の開放及び閉鎖の間中保たれる。ダイ作業面間及び/又は導入面間の例示的な隙間距離は、250μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下とすることができる。特に好ましい実施形態では、隙間距離は25μm未満に保たれる。小さな隙間により部品には実質的に連続した接触面が与えられ、半径方向圧縮機構を通って摺動する。実質的に連続した円筒形空洞面及び/又は導入面は、複数の圧縮ダイによって定まる面であり、ダイ間には50μm以下、好ましくは25μm以下の隙間がある。
【0019】
例示的な半径方向圧縮機構は、円筒形空洞を形成する少なくとも3つの圧縮ダイを備え、10個以上、14個以上などの圧縮ダイを備えることができる。しかしながら、大抵の場合、本明細書に記載された半径方向圧縮機構は、6個から14個の圧縮ダイを備え、それによってより円筒形空洞を形成する。より多くの圧縮ダイを利用すれば、円筒形空洞は、断面形状がより円形になる。例えば、8つの圧縮ダイを使う半径方向圧縮機構は、八角形の円筒形空洞を有し、10個の圧縮ダイを使う圧縮機構は、十角形の円筒形空洞を有することになる。その一方、より多くの圧縮ダイを使えば、組み立てがより複雑になる。
【0020】
複数の半径方向圧縮ダイは、中心に位置する円筒形空洞の周りに半径方向に構成され、基部に連結される。複数の圧縮ダイが基部に対して移動して、円筒形空洞を開き及び閉じる。1つの実施形態では、複数のダイは、柱又はピンのような点の周りに回転し又は旋回する。別の実施形態では、複数のダイは、真っ直ぐな又は湾曲した方向のカム面に沿って摺動する。別の実施形態では、複数の圧縮ダイは、組み合わせて回転及び移動して、中心円筒形空洞の直径を均一に減少させる。圧縮ダイを移動させるために任意の適切な配置を使用することができる。複数の圧縮ダイに駆動機構が連結でき、複数の圧縮ダイを移動させ、導入じょうご及び円筒形空洞を開閉する。駆動機構は、手動式レバー、直動アクチュエータ、サーボモータのようなモータなどとすることができる。
【0021】
例示的な半径方向圧縮機構を使用して、ステント又は他の物品を漸次法で圧縮することができる。物品の第1の部分は、導入じょうごを通って円筒形空洞に挿入することができる。圧縮ダイは、次いで、圧縮された直径、即ち物品の所望の直径まで閉じることができる。圧縮ダイは、次いで、圧縮直径よりも大きい直径に開くことができ、物品は半径方向圧縮機構によって間欠送りすることができ、物品のうち圧縮された部分が円筒形空洞の出口端から押し出され、物品の新しい部分が円筒形空洞内に位置する。この場合も、圧縮ダイは、圧縮された直径に閉じ、その後再び開くことができる。このプロセスは、物品全体が半径方向に圧縮され、又は少なくとも所望の部分が半径方向に圧縮されるまで、繰り返すことができる。物品の一部分を圧縮するためのサイクルは、いくぶん早くすることができ、例えば1秒あたり約1サイクル以上、1秒あたり約5サイクル以上、1秒あたり約10サイクル以上、1秒あたり約30サイクル以上、1秒あたり約60サイクル以上、及び提示したサイクル間を含んでこれらの間の任意の範囲とすることができる。
【0022】
別の例示的な方法では、送り出しカテーテルは、円筒形空洞の出口端に位置決めされ、物品の圧縮された部分をその中に収容する。本明細書で用いる送り出しカテーテルは、圧縮された物品を収容するための任意の導管を含み、カテーテル、スリーブ、チューブなどとすることができる。円筒形空洞が圧縮された直径にある間に、円筒形空洞から延びた圧縮された物品上に送り出しカテーテルを押し動かすことができる。このようにして、圧縮された物品は、所定位置に保持され、送り出しカテーテルが物品上に押し動かされることが可能になる。円筒形空洞が開いて物品の新しい部分が円筒形空洞に押し込まれるとき、新しい圧縮された部分は押し出され、円筒形空洞の出口端から延びる。この場合も、円筒形空洞が閉じるとき、送り出しカテーテルはその上に押し動かすことができる。このプロセスは、物品が送り出しカテーテル内に完全に挿入されるまで繰り返すことができる。これらの漸増工程により、送り出しカテーテルへの圧縮された物品の挿入が容易になり、その理由は、相対的に短い圧縮された部分では、圧縮された物品の全長を送り出しカテーテル内に摺動させる試みよりも必要とする力が小さいからである。物品を送り出しカテーテル内に漸次圧縮して装入する方法の実施形態では、2つのアクチュエータを使うことができ、一方は半径方向圧縮機構用であり、他方はステントの圧縮された部分の上に送り出しカテーテルを並進させるためである。何れかのタスクに、手動操作システムから空気圧システム、電気作動システムまでなど、多くの異なるタイプのアクチュエータを使うことができる。装入サイクルにはできるだけ速く終了してステントの装入時間を短くすることが有利であるので、1つの好ましい実施形態では、半径方向圧縮機構は直結された角度モータを使用し、送り出しカテーテルはリニア電気モータに取り付ける。両方のモータは高周波数用に設計されている。
【0023】
さらに、半径方向圧縮機構の導入じょうご区分は、ステントの直径をそれが円筒形空洞に達するまで徐々に減少させるので、ステントを装入するために、ステントの長さよりもはるかに短い圧縮機構を使用することができる。この機構及びプロセスにより、圧縮ステーションの長さがステントの長さから切り離される。この長さの短縮により、結果的に機構がより正確になり、作動力がより小さくなり、製造コストがかなり安くなる。
【0024】
別の例示的な実施形態では、冷却システムは、圧縮されたステント又は送り出しカテーテルを冷却するために設けられ、圧縮された物品を圧縮状態に保つのを容易にする。冷却システムは、圧縮された物品及び/又は送り出しカテーテルを、凍結温度以下、例えば極低温などへ冷却することができる。冷却システムは、圧縮後にステントが膨張するのを避けるために使用することができる。最も一般的には、自己拡張型ステントはニチノールで作ることができ、ニチノールは、室温又は体温で、ステント材料が超弾性特性を示し、又はオーステナイト相になるように熱処理されている。ステントが特定の温度以下に冷却されると、ステントはもはや超弾性挙動を示さず、マルテンサイト相にあり、圧縮後にその拡張状態に回復しない。この温度依存性は、装入時の補助として利用することができる。冷たさを装入することにより、ステントが半径方向の力を送り出しカテーテルの内側に加え、その結果としてステントを送り出しカテーテルの内側で並進させるのに必要な力を下げることができる。
【0025】
本発明の概要は、本発明のいくつかの実施形態の概略紹介として提示され、限定することを意図しない。本明細書において、本発明の変形及び代替構成を含む追加の例示的な実施形態が提示される。
【0026】
添付図面は、本発明をさらに理解するために含まれ、本明細書の一部に組み込まれてこの一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、説明と一緒に本発明の原理を説明するために役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】基部に連結された複数の圧縮ダイを備える例示的な半径方向圧縮機構の斜視図である。
【
図2】基部に連結された複数の圧縮ダイを備える例示的な半径方向圧縮機構の斜視図である。
【
図3】複数の圧縮ダイ間の軸受を備える例示的な半径方向圧縮機構の正面図である。
【
図4】
図3に示した半径方向圧縮機構の拡大図である。
【
図5】隣接する圧縮ダイ間の隙間距離を空洞直径の関数として示すグラフである。
【
図6】駆動機構に連結された半径方向圧縮機構を有する、例示的な半径方向圧縮装置の斜視図である。
【
図7】中心円筒形空洞の周りに半径方向に構成されて導入じょうごを有する、複数の圧縮ダイを含む例示的な半径方向圧縮機構の正面図である。
【
図8】中心円筒形空洞の周りに半径方向に構成されて圧縮ダイの導入部分から形成された導入じょうごを有する、複数の圧縮ダイを含む例示的な半径方向圧縮機構の斜視図である。
【
図9】開き位置(
図9)から閉じ位置(
図11)の範囲における例示的な半径方向圧縮機構の斜視図である。
【
図10】開き位置(
図9)から閉じ位置(
図11)の範囲における例示的な半径方向圧縮機構の斜視図である。
【
図11】開き位置(
図9)から閉じ位置(
図11)の範囲における例示的な半径方向圧縮機構の斜視図である。
【
図12】開き位置(
図12)から閉じ位置(
図14)の範囲における例示的な半径方向圧縮機構の正面図である。
【
図13】開き位置(
図12)から閉じ位置(
図14)の範囲における例示的な半径方向圧縮機構の正面図である。
【
図14】開き位置(
図12)から閉じ位置(
図14)の範囲における例示的な半径方向圧縮機構の正面図である。
【
図15】導入じょうご及び円筒形空洞を形成する複数の圧縮ダイを備える、例示的な半径方向圧縮機構の断面図である。
【
図16】導入じょうご及び円筒形空洞を形成する複数の圧縮ダイを備える例示的な半径方向圧縮機構の断面図である。
【
図17】界面を有する例示的な圧縮ダイの一部分の斜視図である。
【
図18】圧縮部分及び導入部分を有する例示的な圧縮ダイの斜視図である。
【
図19】ステントを圧縮し、圧縮されたステントを送り出しカテーテルに装入する例示的な径方向圧縮機構の斜視図である。
【
図20】ステントを圧縮し、圧縮されたステントを送り出しカテーテルに装入する例示的な径方向圧縮機構の側断面図である。
【
図21】ステントを漸次圧縮してそれを送り出しカテーテル内に装入する例示的な半径方向圧縮機構の断面図である。
【
図22】ステントを漸次圧縮してそれを送り出しカテーテル内に装入する例示的な半径方向圧縮機構の断面図である。
【
図23】ステントを漸次圧縮してそれを送り出しカテーテル内に装入する例示的な半径方向圧縮機構の断面図である。
【
図24】ステントを漸次圧縮してそれを送り出しカテーテル内に装入する例示的な半径方向圧縮機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
対応する参照符号は、図面のいくつかの図を通じて対応する部分を示す。図面は、本発明の実施形態のいくつかの例示を表し、いかなる方法でも本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。さらに、図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、いくつかの特徴は、特定の構成部品の詳細を示すために誇張することがある。従って、本明細書に開示された特定の構造的及び機能的な詳細は、限定として解釈すべきではなく、単に本発明を様々に使用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈される。
【0029】
本明細書で用いる場合、「備える(comprises、comprising)」、「含む(includes、including)」、「有する(has、having)」という用語又は他の任意の派生語は、非排他的な包含を保護することを意図している。例えば、部品のリストを備えるプロセス、方法、物品又は装置は、必ずしもそれらの部品のみに限定されず、明示的に列挙されていない又はそのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の他の部品を含むことができる。さらに、冠詞(a、an)は、本明細書に記載された部品及び構成部品を説明するために使用する。これは、便宜上のため、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるためだけである。この説明は、1つ又は少なくとも1つを含むように読むことが必要であり、単数形は、それが他を意味することが明らかでない限り、複数形も含む。
【0030】
本発明の所定の例示的な実施形態が本明細書に記載され、添付図面に例示されている。記載した実施形態は、本発明を例示する目的に過ぎず、本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。本発明の他の実施形態、及び記載した発明の所定の修正、組み合わせ及び改良は、当業者には明らかであり、そのような代わりの実施形態、組み合わせ、修正、改良は本発明の範囲内にある。
【0031】
図1に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、中心空洞70の周りに半径方向に構成され基部13に連結された、複数の圧縮ダイ20、20’を備えている。複数の圧縮ダイは、基部に対して移動して円筒形空洞70を開き及び閉じるように構成されている。圧縮ダイの作業面32は、拡張及び収縮する円筒形空洞を形成する。この実施形態では、8つの圧縮ダイが存在するので、中心空洞は八角形である。
【0032】
図2に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、基部13の周りに半径方向に構成されて中心円筒形空洞70を形成する、複数の圧縮ダイ20、20’を備えている。圧縮ダイは、界面38、即ち隣接するダイ間の表面を有する。いくつかの実施形態では、圧縮ダイは、界面に沿って摺動するように構成でき、別の実施形態では、界面間に隙間が形成できる。この実施形態では、半径方向圧縮機構10は10個の圧縮ダイを備えるので、円筒形空洞は十角形である。
【0033】
図3に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、複数の圧縮ダイ20の界面38の間に軸受15を含む。軸受15は、境界面38の間に、隣接する圧縮ダイ20の間に隙間16を形成するように構成されている。
【0034】
図4は、
図3に示した半径方向圧縮機構の拡大図を示す。軸受15は、境界面38の間に、2つの隣接する圧縮ダイ20、20’の間に隙間16を形成するように構成されている。
【0035】
図5は、隣接する圧縮ダイ間の隙間距離を空洞直径の関数として示すグラフである。図示するように、中心円筒形空洞が開閉されるので、2つの隣接するダイ間の隙間距離は一定のままである。
【0036】
図6に示すように、例示的な半径方向圧縮装置11は、駆動機構18に連結された半径方向圧縮機構10を有する。中心円筒形空洞70の直径は、駆動機構の移動によって開閉される。駆動機構は、圧縮ダイに連結された基部を回転させる。
【0037】
図7に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、中心円筒形空洞70の周りに半径方向に構成され、導入じょうご60を有する複数の圧縮ダイ20を含む。圧縮ダイは、例えば、隣接する圧縮ダイ20、20’の間に界面38を有する。
【0038】
図8に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、中心円筒形空洞70の周りに半径方向に構成されて圧縮ダイの導入部50から形成された導入じょうご60を有する、複数の圧縮ダイ20を含む。各ダイは、圧縮部分30及び導入部分50を備えている。圧縮部分30は、円筒形空洞70を形成するダイ作業面32を備えている。導入部分は、じょうご面を有する導入じょうご60を形成する導入面52を備えている。導入じょうごにより、部品は、圧縮部分即ち圧縮のための円筒形空洞内へ容易に給送可能となる。じょうご面及び空洞面72は、隣接する圧縮ダイ間に約2.5um未満の間隙を有して、実質的に連続することができる。
【0039】
図9から
図11に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、
図9の開き位置から
図11の閉じ位置への位置範囲にある。
図10は、圧縮された直径、又は物品の所望の直径にある半径方向圧縮機構を表すことができる。導入じょうご60及び円筒形空洞70は、圧縮ダイ20が移動するにつれて直径が変化する。各圧縮ダイ20の導入部分50は、取り付け端54及び延長端56を有する。
【0040】
図12から
図14に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、
図12の開き位置から
図14の閉じ位置への位置範囲にある。中心空洞直径は、
図12に示す開き直径74から
図14に示す閉じ直径76まで変化する。中心空洞の所望の圧縮直径75が
図13に示されている。閉じ直径は実質的にゼロとすることができ、この状態では複数の圧縮ダイの作業面が接触する。
【0041】
図15に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、導入じょうご60及び円筒形空洞70を形成する複数の圧縮ダイ20を備えている。中心空洞は、圧縮ダイの圧縮部分30の複数の作業面32~32”によって形成されている。導入じょうごは、圧縮ダイの導入部分50の導入面52~52”によって形成されている。円筒形空洞70は、入口端34から出口端36まで、作業面32で形成された長さ35を有する。導入じょうご60は、圧縮ダイ20の導入部分50の延長端56から取り付け端54まで延びている。導入面の長さ55が示されている。
【0042】
図16に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、導入じょうご60及び円筒形空洞70を形成する複数の圧縮ダイ20を備えている。じょうご延長端の直径64は、じょうご取り付け端の直径66よりも大きく、また圧縮ダイ20の導入面52は、円筒形空洞70を通って延びる軸線78に対して導入角58で構成されている。導入じょうご60は、延長端56から取り付け端54までの長さ65を有し、又はこの長さ65で導入面52が圧縮ダイ20の作業面32につながっている。
【0043】
図17に示すように、例示的な圧縮ダイは、主な移動方向に沿った界面を有する。
【0044】
図18に示すように、例示的な圧縮ダイ20は、圧縮部分03及び導入部分50を有する。圧縮部分は、平坦でかつ入口端34から出口端36までの長さを有する作業面32を備える。導入部分は、平坦でかつ延長端56から取り付け端54までの長さ55を有する導入表面52を有する。
【0045】
図19に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、ステント90を圧縮し、圧縮されたステントを送り出しカテーテル80に装入している。ステントは、導入じょうご60から延び出て示すような自由な直径、又は外力が加わらない直径を有する。ステントは、導入じょうごを通って圧縮部分内に延びており、圧縮部分でステントは、入口部の直径から圧縮された直径まで半径方向に圧縮されている。
【0046】
図20に示すように、例示的な半径方向圧縮システム11は、ステント90を圧縮し、半径方向に圧縮されたステント91を送り出しカテーテル80に装入する、半径方向圧縮機構10を含む。圧縮されたステント91の第2の物品部分102は、送り出しカテーテルの導管84内に保持されている。ステントは、これが導入じょうご60内で延長端56から円筒形空洞70まで延びるにつれて、半径方向に部分的に圧縮される。圧縮されたステント91は、出口端36で半径方向圧縮機構10を出て、この場合、予め圧縮された第1の物品部分100又は物品ステントの一部分が、円筒形空洞70の出口端36から押し出される。第1の物品部分100は、カテーテル80の挿入端82内に滑り込んでいる。半径方向に圧縮される前のステントの直径98は、ステントの圧縮された直径99よりもはるかに大きい。カテーテル駆動機構86は、カテーテルを圧縮されたステント部分にわたって徐々に移動させるように構成されている。マイクロプロセッサ89を有することができる制御部88は、カテーテル駆動機構86を、部品を半径方向圧縮機構内に給送するように構成された半径方向圧縮機構10及び/又は物品駆動機構87と同期させるために使用できる。例示的な実施形態では、制御装置88は、物品駆動機構87及びカテーテル駆動機構86を円筒形空洞70の開閉と同期させる制御プログラムを実行する。漸次圧縮し及び挿入する方法は、物品の圧縮された部分が、毎秒、又は好ましくは毎秒5から10回、さらに好ましくは毎秒30から60回送り出しカテーテルに装入される、高い周期で動作することができる。漸次半径方向に圧縮するシステム11全体は、ヒーター、オーブン又は冷蔵庫のような、温度制御装置130内に構成されて、物品又はステントの所望の温度を維持している。ステントは、ステントが予め設定された寸法に拡張するように設計された転移温度以下に保つのが好ましいことがある。この温度は、体温に近く又はほぼ体温であり或いは約37℃とすることができる。
【0047】
図21から
図24に示すように、例示的な半径方向圧縮機構10は、ステント90を漸次圧縮し、圧縮したステント90を送り出しカテーテル80内に装入する。
図21では、ステントの第3の物品部分103が、半径方向に圧縮されて円筒形空洞70内に保持されている。第2の物品部分102は、ステントのうち円筒形空洞内で以前に圧縮されて圧縮された物品部分122を形成する部分であり、円筒形空洞70の出口端36から延び出て、カテーテルに挿入される準備ができている。第1の物品部分100も、ステントのうち圧縮された物品部分を形成するために第2の物品部分の前に圧縮部分によって圧縮された部分であり、カテーテル80に挿入されているので、今や挿入された部分96である。ステントの延びた圧縮部分94が、圧縮されて半径方向圧縮装置10から延びている。半径方向圧縮機構が圧縮位置にある間に、ステントの部分が円筒形空洞、即ち圧縮部30内で圧縮された状態で、
図22に示すように、カテーテルは、ステントの延びた圧縮部分94の上に押し動かされている。
図23では、半径方向圧縮機構は開放され、
図24ではステントの新しい漸増分が圧縮部分に挿入され、それによって新しい延びた圧縮部分94を出口端36から押し出す。このプロセスは、ステントを圧縮し、半径方圧縮向圧縮機構10を開いて円筒部分70の出口端36の外にあるステントを間欠送りし、ステントの新しい部分を再び圧縮し、圧縮中に、カテーテルを延びた圧縮部分の上に押し動かすことによって繰り返すことができる。この方法は、ステントの漸増分をどのように圧縮し、送り出しカテーテルにどのように装入できるかを例示する。このプロセスは、ステントを圧縮し、ステントを圧縮状態に維持する所定温度で行うことができ、例えばニチノールのようなステント材料の転移温度以下である。
図21に一例として示す温度制御装置130は、ほぼ体温又は約37℃にすることができる転移温度以下にステントを維持するために使用できる。
【0048】
本発明では、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な修正、組み合わせ及び変形が可能であることは、当業者には明らかである。本明細書に記載された特定の実施形態、特徴及び部品は、任意の適切なやり方で修正し及び/又は組み合わせることができる。従って、本発明は、本発明の修正、組合せ及び変形を、それらが添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入るならば、本発明に包含することを意図している。