(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】乾燥装置を有する家禽管理装置
(51)【国際特許分類】
A01K 1/00 20060101AFI20220113BHJP
F26B 5/00 20060101ALI20220113BHJP
F26B 9/10 20060101ALI20220113BHJP
A01K 1/01 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A01K1/00 F
F26B5/00
F26B9/10
A01K1/01 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019085281
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】20 2018 102 416.7
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512178732
【氏名又は名称】ビッグ・ダッチマン・インターナショナル・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】BIG DUTCHMAN INTERNATIONAL GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ・オットー-リュプカー
(72)【発明者】
【氏名】イェルク・キューキング
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・メラー
(72)【発明者】
【氏名】クルステ・プコスキ
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン・ゲルケン
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-163890(JP,A)
【文献】特開2006-115773(JP,A)
【文献】特開平08-121960(JP,A)
【文献】特開平03-087127(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107743893(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/00
F26B 5/00
F26B 9/10
A01K 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
・家禽用の滞在エリアと、
・家禽糞用の回収表面を備え
た回収装置であって、滞在エリアの下方に設置された回収装置と、
・回収装置上の家禽糞を乾燥させるように構成された乾燥装置であって、回収表面に対して45~90°の角度で配向した旋回軸の周りに旋回可能に搭載されたファン部材を含む乾燥装置とを備え、
乾燥装置は、ファン部材に旋回軸の周りの回転運動を与えるように構成された駆動装置を備え、
該回転運動は、旋回軸の周りの往復旋回運動であることを特徴とする家禽飼育装置。
【請求項2】
ファン部材は、旋回軸に対して平行、または回収表面に対して垂直に延びるファン表面を有し、特に、ファン部材は、旋回軸に対して平行、または回収表面に対して垂直に延びるファン表面で形成されることを特徴とする請求項1に記載の家禽飼育装置。
【請求項3】
乾燥装置は、滞在エリアと回収エリアとの間に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の家禽飼育装置。
【請求項4】
ファン部材は、第1半径長手方向に旋回軸から延びる第1板状エレメントを備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の家禽飼育装置。
【請求項5】
ファン部材は、第1長手方向とは反対の方向に旋回軸から延びる第2半径長手方向に旋回軸から延びる第2板状エレメントを備えることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の家禽飼育装置。
【請求項6】
第1板状エレメントおよび必要に応じて第2板状エレメントは、エラストマー材料を含み、特にエラストマー材料から形成されることを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の家禽飼育装置。
【請求項7】
第1板状エレメントおよび必要に応じて第2板状エレメントは、駆動装置による駆動中に、第1板状エレメントおよび必要に応じて第2板状エレメントが弾性的に変形するように設計される弾性変形能力を有することを特徴とする請求項4,5または6のいずれかに記載の家禽飼育装置。
【請求項8】
駆動装置は、前記駆動装置がファン部材を、往復式に設計された旋回運動で駆動するように設計され、そして、旋回運動の周波数は、乾燥装置の共振周波数付近の範囲内、好ましくは乾燥装置の共振周波数であることを特徴とする請求項3または7に記載の家禽飼育装置。
【請求項9】
駆動装置は、結合エレメントによってファン部材に機械的に接続された駆動ユニットを含み、結合エレメントは、好ましくはケーブル引張り装置であることを特徴とする請求項3,7または8に記載の家禽飼育装置。
【請求項10】
滞在エリアは、長手方向に沿って一列に延びており、
乾燥装置は、各ファン部材が取り付けられた旋回軸の周りに旋回可能にそれぞれ搭載された複数のファン部材を備え、
旋回軸は、滞在エリアに対して45~90°の角度で配向し、長手方向に互いに間隔を空けて配置されることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の家禽飼育装置。
【請求項11】
乾燥装置は長手方向に延びており、特に回収表面は、長手方向に延びるコンベヤエレメント
で形成されることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の家禽飼育装置。
【請求項12】
・家禽飼育エリアは、長手方向に延びており、長手方向に対して垂直な幅を有し、
・駆動装置は、ファン部材を予め定めた旋回角度範囲に渡って往復運動に駆動するように構成され、
・旋回軸に対して半径方向に延びるファン部材の長さは、家禽飼育エリアの幅の半分よりも大きく、
・予め定めた旋回角度範囲は、ファン部材が往復運動のいずれの運動区間においても家禽飼育エリアの幅を超えて延びないように選択される、
ことを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の家禽飼育装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の家禽飼育装置での回収装置の回収表面上に保管される家禽糞を乾燥させるための乾燥装置であって、
乾燥装置は、回収表面に対して45~90°の角度で配向した旋回軸の周りに旋回可能に搭載されたファン部材を備え、
乾燥装置は、ファン部材に旋回軸周りの回転運動を与えるように構成された駆動装置を備え、回転運動は、旋回軸周りの往復旋回運動であり、
乾燥装置は、滞在エリアと回収表面との間に配置されるように設計され
る、
乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家禽用の居住エリアと、家禽糞のための回収面を有し、居住エリアの下方に配置された回収装置と、回収装置上にある家禽糞を乾燥させるように構成された乾燥装置とを備える家禽管理装置に関する。本発明の更なる態様が、家禽管理装置における回収装置の回収面上にある家禽糞を乾燥させるための乾燥装置である。
【背景技術】
【0002】
家禽管理装置は、肉や卵の生産のために家禽を飼育するために使用される。前記家禽管理装置は、例えば、鳥小屋またはケージでの飼育の形態でもよく、動物が、床居住エリアおよび、産卵のためまたは休止状態のための待避エリアを、高くなった動物居住エリアに有する飼育の形態が同様に使用できる。
【0003】
動物によって生成され、衛生上の理由から動物居住エリアから適時に除去する必要がある糞は、この種の家禽管理装置において定期的に発生する。このため、例えば、動物糞のための回収領域が、高くなるように配置された、透過性、例えば、穿孔タイプまたはメッシュタイプの立位エリアとして実現される動物居住面の下方に配置されることが知られている。エンドレスコンベヤベルトが、回収面として前記回収領域に配置でき、例えば、動物糞は、前記エンドレスコンベヤベルトによって回収されて搬出される。
【0004】
環境ストレスを軽減するために、動物糞をさらに効率的な用途に供給することが目標である。例えば、このために動物糞をさらに処理し、例えば、粒状化し、またはガス化もしくは燃焼に供給することが必要になり、そこからエネルギー変換を達成して、例えば、電力を発生できる。
【0005】
前記更なる処理のために動物糞を乾燥させることが通常は望ましい。このため、例えば、垂直多段式乾燥ベルト装置において、動物糞が乾燥用空気流に曝されることが知られており、前記乾燥用空気流は、送風機形状の空気搬送装置によって発生する。この場合、動物糞は、前記乾燥空気流によって、好ましくは有孔式の乾燥ベルト上で乾燥される。こうした乾燥装置は、欧州特許第2003412B1号から既に知られている。
【0006】
乾燥を加速するために、動物糞は、回収面としての機能するコンベヤベルト上で乾燥空気流と既に衝突することが知られている。このため、空気流が衝突し、側方出口開口から動物の居住エリアの下方にあるコンベヤベルト上の動物糞に空気流を向ける空気ダクトを有する乾燥装置が米国特許第9820472B1号明細書から知られている。このタイプの乾燥装置は、個々の動物居住エリアの真下にあり、そのために必要な圧縮空気の輸送が、例えば、ラジアル送風機の支援とともに比較的長い距離に渡って空気ダクトを通して行う必要があり、壁上の空気の摩擦のために著しい圧力損失が生成され、その結果、達成される乾燥性能に対して低いエネルギー効率となるという不具合を有する。さらに、空気ダクトの長さまたはシステム長さに関して摩擦関連の圧力損失により、より遠い回収面での乾燥品質は、より短い距離の場合よりも低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
公知の乾燥装置は、確かに動物糞の乾燥を達成するが、このために別個の乾燥トンネルの設置が必要となり、そして乾燥は一定の時間を必要とする。システム長さに関して達成される乾燥均一性および投入されるエネルギーの両方の観点で乾燥を改善することが望ましい。本発明は、これらの観点で改良された乾燥装置を提供する目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基礎となる目的は、冒頭に記載したタイプの家禽管理装置によって達成され、この家禽管理装置では、乾燥装置は、回収面に対して45~90°の角度で整列した旋回軸の周りに旋回可能なように搭載されたファンエレメントを備える。
【0009】
本発明によれば、家禽用の居住エリアを有する家禽管理装置が提供される。前記居住エリアは、動物が1つまたは複数の居住面上で移動し居住できる閉鎖エリアまたは開放エリアとすることができる。動物によって排泄された動物糞は、居住エリアの下方に配置された回収装置によって回収される。従って、居住エリアは、動物糞が居住エリア自体に残留しなくなり、動物居住エリアの相応に透過性のある区画、例えば、動物のためのメッシュタイプまたは有孔タイプの立位エリアを通って落下できるように、あるいは動物居住エリアから横方向に落下できるように設計される。そして動物糞は、回収面によって回収され、前記回収面上に蓄積する。回収面は、水平または傾斜するように配置でき、例えば、搬送装置によって形成でき、その搬送面は回収面に部分的にまたは完全に相当する。このため、例えば、閉止式または穿孔式にできるコンベヤベルトが使用できる。さらに、回収面は、装置、例えば、ケーブル引張り式のスライダエレメントまたは清掃エレメントを収容でき、これは糞の外向き輸送を実行する。こうした装置での動物糞は、長手方向に搬出されるか、または長手方向範囲に対して90°で横方向に排出される。
【0010】
居住エリアおよび回収装置を有するこのタイプの家禽管理装置は、鳥小屋またはケージ配置の構造のタイプとして知られており、例えば、動物が居住できる複数の面が垂直方向に階層配置され、動物居住エリアは、ケージまたは鳥小屋の列として長手方向に延びている。こうした家禽管理装置の場合、居住エリアの一部の下方にそれぞれ配置された複数の垂直離間式回収装置がしばしば設けられる。
【0011】
本発明によれば、特定の構成の乾燥装置は家禽管理装置の構成部分である。前記乾燥装置は、回収面に置かれた動物糞を乾燥させる機能を有する。この目的のため、乾燥装置はファンエレメントを備える。ここでファンエレメントは、一般に、ある程度の剛性を有し、ある程度の弾性を有することができる板状、ベルト状、またはテープ状の平面エレメントであると理解されるべきである。前記ファンエレメントは、空気を移動させるように機能し、この目的のために、前記ファンエレメントは、回収面上の動物糞に対して相対移動を実行できるように、旋回軸の周りに旋回可能なように搭載される。前記相対運動は、周囲空気との空気の連続的な交換、そして空気による水の吸収、および回収面上の動物糞に対する乾燥効果を達成する空気移動を発生する。
【0012】
本発明によれば、このファンエレメントの旋回運動の旋回軸は、回収面に対して45°~90°の角度で整列される。旋回軸は、好ましくは回収面に対して90°の角度で延びており、よって回収面が延びる面に対して正確に垂直である。回収面が、湾曲した部分または傾斜した部分を含む場合、回収面の平均プロファイルは、ここでは回収面が延びる面として、および回収面に対する旋回軸の角度位置のための基準として機能できる。回収面の水平位置は、一般に多くの家禽管理装置に設けられ、ここでは潜在的に実装される上向きに傾斜した周辺機構を有する。従って、この場合、旋回軸は、好ましくは正確に垂直に、または垂直に対して最大45°で傾斜した角度に位置する。
【0013】
旋回軸は、好ましくは回収面に対して時間的に一定の角度であり、よって前記旋回軸は、乾燥手順の際に回収面に対するその角度位置を変えないが、記述した角度範囲内で時間的に変化する角度位置も同様に本発明に含まれることは理解すべきである。
【0014】
糞が家禽管理装置内で既に乾燥され、離れた場所で下流ステップだけで乾燥されないという利点は、本発明に係る設計実施形態によって達成される。湿ったまたは水分のある糞は、乾燥した糞よりもかなりの程度で強いアンモニア放出を引き起こすため、劣悪な室内気候の形態での強いアンモニア放出が動物の粘膜への刺激および動物の一般的な健康状態の悪化を引き起こすという結果は回避でき、室内空気からアンモニアを除去するために、室内空気の複雑な排気処理の必要性を同時に省くことができる。
【0015】
さらに本発明によれば、乾燥に必要とされる時間、そのために必要とされる設置空間、および設備に関する複雑さは、従来公知の手法と比較して著しく減少できることが有利であることが判明した。生じる摩擦損失が少なくなり、既知の家禽管理装置において自由空間としてある程度存在していた設置空間が利用できる。
【0016】
特定の用途では、回収面に対する旋回軸の正確な垂直整列の代わりに、例えば、90°よりも小さい角度範囲で、例えば、回収面に対して80°~90°の角度範囲で旋回軸の傾斜整列を設けることが有利となることがある。角度範囲は、一般に、前記角度範囲が45°,60°,75°または80°の下限を有するように選択されるように選択できる。垂直配列、よって回収面に対して90°の角度位置は、前記角度範囲に含まれる角度の上限範囲として有利であることが判明した。
【0017】
本発明によるファンエレメントの旋回可能なマウントは、一般には、旋回軸の周りの回転する運動、即ち、旋回運動または回転運動を実現するマウントであると理解すべきである。これは、マウント内で回転するシャフトによって、またはファンエレメントのマウントが回転する静止した物理的な軸(axle)によって実装できる。
【0018】
往復旋回運動、即ち、反復的な前後旋回運動が、予め定めた区切られた角度範囲、例えば、180°より小さい、120°より小さい、90°より小さい、75°より小さい、60°より小さい、または45°より小さい角度範囲でファンエレメントによって行われることが好ましい。前記旋回運動は、旋回軸の周りの旋回可能なマウントおよび可能性あるマウントによって可能になる。しかしながら、特定の用途では、ファンエレメントは、360°の角度全周に渡って回転運動または旋回運動を実行することもできる。
【0019】
第1の好ましい実施形態によれば、ファンエレメントは、旋回軸に対して平行または回収面に対して垂直になるように延びるファン面を有し、特にファンエレメントは、旋回軸に対して平行または回収面に対して垂直になるように延びるファン面によって形成されることが提供される。ファンエレメントは、所望の空気移動が達成されるように種々のアライメント(整列)で配置できることは、原則として理解されるべきである。しかしながら、その上に構成されたファン面が旋回軸に対して平行または回収面に対して垂直になるように延びる方法でファンエレメントが配置されるようなアライメントが特に好ましい。このアライメントは、特に、運動方向がファン面に対して垂直であるように旋回運動によってファンエレメントが移動し、よってファンエレメントによって空気が、回転の円周方向に前方に変位するという効果を有する。
【0020】
原則として、ファンエレメント全体が、回収面に対して垂直になるように整列され、そして旋回運動においてもそのように留まることが好ましい。このことは、ファンエレメントが、旋回軸に対して平行になるように位置し、旋回軸に対して傾斜した軸の周りに変形しないことが好ましい曲げ軸の周りの弾性変形を潜在的に実施できることを意味する。しかしながら、旋回軸に対して平行でないアライメント、または回収面に対して垂直でないアライメントを有する部分を有するファンエレメントを有する実施形態、またはこのように完全に整列していないが、旋回軸に対して斜めに傾斜しているように延びる、あるいは、回収面が他の用途で使用できる。ファンエレメントまたはその平面部分のこのアライメントまた、旋回運動または回転運動の加速中に弾性変形によっても生じることがあり、例えば、ファンエレメントまたはその一部が、水平軸の周りに変形し、または旋回運動が行われる場合に旋回する点である。
【0021】
更なる好ましい実施形態によれば、乾燥装置は、居住エリアと回収面との間に配置されることが提供される。乾燥装置のこうした配置、即ち、居住エリアと回収面との間に、特にファンエレメント、またはもし存在すれば複数のファンエレメントのこうした配置は、一般に好ましい。その理由は、上方から動物糞上への空気の移動による乾燥効果がそのために有効に行われるためである。さらに、回収面と動物居住エリアとの間の既存の設置空間は、乾燥装置のために利用できる。乾燥装置の部品、例えば、ファンエレメントの駆動に関連する部品はまた、他の場所に配置でき、居住エリアと回収面との間に設置できない。それでも本発明の文脈において、これは、居住エリアと回収面との間の乾燥装置の配置である。他の実施形態における乾燥装置はまた、回収面の下方に配置でき、この場合、乾燥が行われるように、穿孔式または通気性の回収面とそれぞれ相互作用する。
【0022】
乾燥装置は、ファンエレメントを旋回軸の周りの回転運動に設定するように構成された駆動装置を備えることがさらに好ましく、ここで回転運動は、旋回軸周りの連続回転運動または旋回軸周りの往復旋回運動である。この改良によれば、駆動装置は、乾燥装置の構成部品である。前記駆動装置は、旋回軸周りのファンエレメントの自動回転運動を発生するように構成される。この目的のために、駆動装置は、例えば、個々の機械式伝達装置(transmission)を用いて駆動動作をファンエレメントまたは複数のファンエレメントに伝達する電気駆動モータを備えることができる。駆動装置は、ここでは旋回軸周りの連続回転運動のために構成できる。この実施形態の場合、回転運動は、結果として全円周に渡って一貫した回転方向に生じる。代替として、駆動装置は、旋回軸周りの往復旋回運動のために構成されることが好ましい。この実施形態の場合、回転運動は、ファンエレメントの前後運動として行われ、結果として、ファンエレメントは、その回転方向を繰り返し変化させる。往復旋回運動は、ここでは比較的小さい、または大きい角度範囲に渡って実施でき、あるいは、360°に渡って完全な円運動にできる。
【0023】
駆動装置は、前記駆動装置に機械的に連結された複数のファンエレメントを、同期旋回運動で、即ち、駆動されるファンエレメントが往復運動の反転ポイントを同時に通過する旋回運動で駆動するように構成できる。代替として、駆動装置によるファンエレメントはまた、前記ファンエレメント全てが反転ポイントを同時に通過しないように、位相ずれの方法で駆動できる。
【0024】
ファンエレメントは、旋回軸から出発して、第1半径長手方向に延びる第1板状エレメントを備えることがさらに好ましい。ファンエレメントは、旋回軸から出発して、旋回軸から出発し、好ましくは第1長手方向とは反対の方向に延びる第2半径長手方向に延びる第2板状エレメントを備えることがさらに好ましい。これら2つの実施形態によれば、ファンエレメントは、旋回軸から出発して、異なる半径方向に延びる1つまたは2つの板状エレメントを備える。単一の板状エレメントの場合、旋回軸から出発して、ファンエレメントは単一方向に延びている。2つの板状エレメントの場合、前記板状エレメントは、旋回軸から出発して、2つの反対方向に延びることが好ましい。その結果、ファンエレメントは、フェザリングピッチのブレード位置を有する二重ブレードプロペラの方式で構成される。原則として、板状エレメントは、前記板状エレメントの軸方向の幅よりも大きい長さだけ半径方向に延びることが好ましい。これは、正の乾燥効果の点で特に効率的であることが証明されている。板状エレメントは、実質的に長方形の輪郭を有することができるが、ファン効果を周速の関数として理想的に設計するように、丸みを帯びた角部を有する輪郭、台形または三角形の輪郭を有することもできる。
【0025】
第1板状エレメントおよび必要に応じて第2板状エレメントは、エラストマー材料を含むこと、特にエラストマー材料から構成されることがさらに好ましい。エラストマー材料からの板状エレメントの部分的または完全な設計実施形態のために、旋回運動において板状エレメントの好ましい弾性変形が可能である。特に、旋回軸周りの回転方向の繰り返し反転を有するファンエレメントの往復運動が行われる場合、往復運動の反転ポイントで制動および加速するために必要な最大トルクが減少でき、その結果、駆動装置の機械的コンポーネントおよび乾燥装置を家禽管理装置に固定するためのコンポーネントの全ては、そのようなエラストマー特性のために達成できる。エラストマー材料が、ここでは、例えば、ゴムに類似するように、あるいは熱可塑性ポリウレタンの特性に従って構成されるプラスチックのグループからの、弾性挙動を有する材料であると理解すべきである。
【0026】
第1板状エレメントおよび必要に応じて第2板状エレメントは、駆動装置によって駆動される場合、第1板状エレメントおよび必要に応じて第2板状エレメントが弾性的に変形するように構成される弾性変形能力を有することがさらに好ましい。この実施形態によれば、第1板状エレメントまたは第2板状エレメントの弾性、即ち、弾性率および材料寸法設定は、形状の弾性変形が、板状エレメントに駆動装置によって作用する動きで生じるように選択される。この弾性変形は、一方では、発生した移動速度で抗力(drag)によって生じ、他方では、旋回軸周りの往復旋回運動の反転ポイントでの減速および加速で生じる慣性モーメントによって生じる。前に説明したように、こうした弾性変形は好ましく、システムが、そのためにそれほど剛性ではないように挙動し、そして力ピークまたはトルクピークが回避または最小化できるためである。
【0027】
駆動装置は、ファンエレメントまたは必要に応じて複数のファンエレメントを、往復運動するように構成された旋回運動で駆動するように構成されることがさらに好ましく、旋回運動の周波数が、乾燥装置の共振周波数付近の範囲内、好ましくは乾燥装置の共振周波数であることがさらに好ましい。この実施形態によれば、ファンエレメントの往復旋回運動が行われ、即ち、繰り返し減速および加速を含む運動の形態が生じる。こうした運動形態の場合、特定の弾性変形が、全ての現実システムにおいて、特にファンエレメントを形成する1つまたは2つの弾性変形板状エレメントを好ましく有する本発明に係る乾燥装置においても生じる。こうした弾性変形が生じる場合、システムは、1つまたは複数の共振周波数によって特徴付けられる。共振周波数(複数の周波数)の振幅は、ここではシステムの剛性特性および機械的結合接続の関数である。
【0028】
こうしたシステムが、往復運動に関して、共振周波数に対応した、または共振周波数に接近した周波数、例えば、共振周波数付近で±5%または±10%の範囲の周波数で駆動される場合、運動を実行するために、低い駆動出力が典型的には必要とされる。このことは、乾燥装置のコンポーネントを弾性的に変形させるために共振周波数で動作させる場合に殆どまたは全く駆動エネルギーを使用する必要がない点で説明できる。弾性変形は、制動および加速動作のために生じ、むしろ運動を促進し、または少なくとも後者を妨げない。
【0029】
共振周波数での動作、または共振周波数に近い動作は、本発明に係る乾燥装置の場合、例えば、弾性的に変形可能な板状エレメントは、往復運動の第1方向への移動中に第1方向に変形し、往復運動の反転ポイントで前記第1方向から第2方向に変形し、第2方向の最大変形に到達する直前または到達した場合、往復する運動形態の移動の他方の第2方向に加速され、第1変形方向での更なる反転変形なしで、または往復運動の反転ポイントでの第1変形方向と第2変形方向との間の振動が生じないようにする点で区別できる。
【0030】
往復する運動形態の運動に曝される弾性システムは、しばしば2つ以上の共振周波数を有する。よって、板状エレメントの第1変形方向と第2変形方向との間で2回前後に振動すること、または3回前後に振動することは、反転ポイントにおいて他の共振周波数で生ずることがある。しかしながら、共振周波数内または共振周波数付近での乾燥装置の動作におけるエネルギー節約の観点から、反転ポイントの外側での移動中に、板状エレメントの実質的な振動挙動が全くまたは実質的に全く生じないことが好ましい。
【0031】
さらに好ましい実施形態によれば、駆動装置は、結合エレメントによってファンエレメントに機械的に接続された駆動ユニットを含み、結合エレメントは、好ましくはケーブル引張り装置である。この実施形態に係る駆動装置は、特に、1つまたは複数のファンエレメントを駆動可能である、例えば、電気モータなどの中央駆動ユニットを備えることができる。例えば、1つの駆動ユニットが、家禽の居住エリアの列全体の複数の面について、または1つの列の1つの面について設けられ、それぞれの場合、対応する複数の旋回軸の周りの旋回運動において面内の複数のファンエレメントを駆動することが提供される。このために設けられた結合エレメントは、特に長手方向に延びる結合コンポーネント、例えば、ロッドまたはケーブル引張りである複数の個々の結合コンポーネントを含むことができる。駆動装置は、ここでは、前記駆動装置は、往復運動の1つの移動方向において、例えば、ばねエレメントに対抗するように、例えば、各旋回軸周りに別個に作用し、駆動力に対抗する復元力を生じさせるばねエレメントに対抗するように作用する引張力を伝達するようにして結合できる。そして、他の運動方向への再設定は、ばね力または複数のばね力によって実行できる。他の実施形態において、結合エレメントは、前記結合エレメントが往復運動の両方の運動方向に駆動力を伝達するように具体化できる。
【0032】
居住エリアは、長手方向に沿って一列に延びており、乾燥装置は、各ファンエレメントに割り当てられた旋回軸の周りに旋回可能なようにそれぞれ搭載された複数のファンエレメントを備えることがさらに好ましく、旋回軸は、回収面に対して45~90°の角度で整列し、長手方向に互いに間隔を空けて配置される。この実施形態によれば、乾燥装置は、複数のファンエレメントを備え、そのために回収面の比較的広い領域を乾燥効果に作用させることができる。ファンエレメントは、ここでは長手方向に間隔を空けて配置される。複数の旋回軸の間隔は、ここでは2つの隣接するファンエレメントの乾燥効果領域が、回収面の領域全体に渡って乾燥効果が達成されるように、僅かに重なり合うか、または直接に相互に隣接するように特に選択できる。他の実施形態において、特に例えば、コンベヤベルトが回収面である場合など、回収面が旋回軸に対して移動する場合、例えば、比較的大きな間隔でも旋回軸の間に設けることができ、そのため中間空間では乾燥効果が減少したり、または無くなる。複数のファンエレメントについての旋回軸は、好ましくは互いに平行になるように延びていると理解すべきである。全ての旋回軸が垂直に延びること、または回収面に対して垂直になるように整列することが特に好ましい。
【0033】
さらに好ましい実施形態によれば、乾燥装置は長手方向に延びており、特に回収面は、長手方向に延びるコンベヤエレメント、例えば、エンドレスコンベヤスパンなどで形成されることが提供される。乾燥装置のこうした幾何学的アライメントは、長手方向に相互に連続している複数の家禽居住エリアを有する家禽管理装置に使用するのに特に適している。回収面は、ここでは好ましくは、同様に長手方向に延びる、例えば、エンドレスコンベヤスパンのようなコンベヤエレメントを含むことができる。そのために家禽居住装置の長手方向の長さの全体または大部分に沿った乾燥効果が達成される。エンドレスコンベヤスパンは、特にコンベヤベルトとすることができ、これは、家禽管理装置の長手方向の両端部で偏向ローラによって偏向され、それによって動物糞が搬送される。回収装置として利用される有限コンベヤベルトも想定される。糞を遠くへ運ぶ目的のために、前記有限コンベアベルトは、家禽居住装置の列の一端で巻き取られ、ここで糞は回収面から除去される。続いて、有限ベルトが巻き戻され、そのためベルトは再び居住エリアの下方で回収用に利用可能となる。回収面はさらに、装置、例えば、ケーブル引張り式スライダエレメント、または糞を排出する清掃エレメントを受けることができる。動物糞は、こうした装置内において、長手方向に遠くへ輸送されるか、または長手方向の範囲に対して90°で回収面から横方向に押し出される。
【0034】
さらに好ましい実施形態によれば、家禽居住エリアは、長手方向に延びており、長手方向に対して垂直な幅を有することが提供される。駆動装置は、ファンエレメントを予め定めた旋回角度範囲に渡って往復運動で駆動するように構成される。旋回軸に対して半径方向に延びるファンエレメントの長さは、家禽居住エリアの幅の半分よりも大きい。予め定めた旋回角度範囲は、ファンエレメントが往復運動のいずれの運動部分においても家禽居住エリアの幅を超えて延びないように選択される。
【0035】
原則として、駆動装置によるファンエレメントの寸法設定およびファンエレメントの動きは、その動きにおけるファンエレメントが、家禽管理装置から延出しないように、家禽管理装置の横にある通路においてそれに起因してオペレータ人員への傷害の危険を回避するために構成されることが好ましいことは理解すべきである。このことは、一方では、旋回軸に対して半径方向のファンエレメントの長さが、家禽居住エリアの幅の半分よりも小さく、このようにして、旋回軸が幅の中心に配置される場合、旋回または回転運動のいずれの時でもファンエレメントが家禽管理装置から突出できないという点で達成できる。他の用途において、特に長手方向に大きい長さで延びる家禽管理装置が、少数のファンエレメントによる乾燥効果を受けるべきである場合、対照的に、ファンエレメントの長さが家禽管理装置の幅の半分より大きいことは有利になり、そのためファンエレメントは、旋回軸周りの全回転で家禽管理装置から幅方向に突出することになる。この場合、こうした状況において、往復運動は、ファンエレメントが常に家禽居住エリアの幅または家禽管理装置の幅の範囲内に留まるように小さく選択される予め定めた旋回角度範囲で行われることが好ましい。この実施形態の場合、幅方向へのファンエレメントの突出を防止するために、旋回角度範囲はおおよそ、ファンエレメントの1つの板状エレメントの長さに対して家禽管理装置の幅の半分からの比率のtan-1でもよい。
【0036】
本発明の更なる態様は、家禽管理装置での回収装置の回収面上に位置する家禽糞を乾燥させるための乾燥装置であり、乾燥装置は、回収面に対して45~90°の角度で整列している旋回軸の周りに旋回可能に搭載されたファンエレメントを備え、
乾燥装置は、好ましくは、居住エリアと回収面との間に配置されるように構成され、及び/又は、
乾燥装置は、ファンエレメントを旋回軸周りの回転運動に設定するように構成された駆動装置を備え、回転運動は、旋回軸周りの連続的な回転運動、または旋回軸周りの往復旋回運動であり、及び/又は、
ファンエレメントは、旋回軸から出発して、第1半径長手方向に延びる第1板状エレメントを備え、及び/又は、
ファンエレメントは、旋回軸から出発して、旋回軸から出発し第1長手方向と反対の方向に延びる第2半径長手方向に延びる第2板状エレメントを備え、及び/又は、
第1板状エレメントおよび必要に応じて第2板状エレメントは、エラストマー材料を含み、特にエラストマー材料から構成され、及び/又は、
第1板状エレメントおよび必要に応じて第2板状エレメントは、駆動装置によって駆動される場合、第1板状エレメントおよび必要に応じて第2板状エレメントが弾性変形するように構成される弾性変形能力を有し、及び/又は、
駆動装置は、前記駆動装置が乾燥装置を、往復運動するように構成された旋回運動で駆動するように構成され、そして、旋回運動の周波数は、乾燥装置の共振周波数付近の範囲内、好ましくは乾燥装置の共振周波数に位置し、及び/又は、
駆動装置は、結合エレメントによって乾燥装置に機械的に接続された駆動ユニットを備え、結合エレメントは、好ましくはケーブル引張り装置であり、及び/又は、
乾燥装置は、各ファンエレメントに割り当てられた旋回軸の周りに旋回可能なようにそれぞれ搭載された複数のファンエレメントを備え、旋回軸は、回収面に対して45~90°の角度で整列し、長手方向に互いに間隔を空けて配置され、長手方向に沿って一列に延びる動物居住エリアの下方に設置されるように構成され、及び/又は、
家禽居住エリアは、長手方向に延びており、長手方向に対して垂直な幅を有し、駆動装置は、ファンエレメントを予め定めた旋回角度範囲に渡って往復運動で駆動するように構成され、旋回軸に対して半径方向に延びるファンエレメントの長さは、家禽居住エリアの幅よりも大きく、予め定めた旋回角度範囲は、ファンエレメントが往復運動のいずれの運動部分においても家禽居住エリアの幅を超えて延びないように選択される。
【0037】
こうした乾燥装置は、家禽管理装置に効果的な動物糞の乾燥を装備するために使用できる。こうした乾燥装置は、特に既存の動物管理装置を改良するために使用できる。乾燥装置は、ここでは上記の動物管理装置の乾燥装置の特徴によって改良でき、そして上記特徴の変形および利点に関して、先の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の好ましい例示的な実施形態は、添付図面によって説明される。
【0039】
【
図2】設置された乾燥装置に関連する実質的なコンポーネントの部分図で、
図1に係る家禽管理装置の斜視図を示す。
【
図3A】
図2において境界設定された領域Aの詳細な斜視部分図を示す。
【
図4】
図2において境界設定された領域Bの詳細な斜視部分図を示す。
【
図5】
図2において境界設定された領域Cの詳細な斜視部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
まず
図1を参照すると、本発明に係る好ましい実施形態は、互いに垂直方向に階層配置された3つの家禽居住エリア10a,10b,10cを備える。各家禽居住エリア10a,10b,10cは、低いピッチ(勾配)の屋根のような形状をなし、中心長手方向軸から出発して、斜め下方に横方向に傾斜するように走る立位エリア11a,11b,11cを有する。これらの傾斜した立位エリアは、動物居住エリアにおいてニワトリのためのプラットホームとして機能し、動物居住エリア内に位置する卵が横方向に左右に卵ベルト12a,12b,12c,13a,13b,13cに転がって、そこで回収できる。
【0041】
動物立位エリア11a,11b,11cは、格子(grate)として構成され、従ってその上またはその上方に立っている動物によって堆積した糞に対して透過性である。エンドレスコンベアベルトとして長手方向に、即ち、長手方向軸Lに沿って搬送運動を実行する糞ベルト20a,20b,20cは、各動物立位エリア11a,11b,11cの下方に配置される。落下する動物糞は、前記糞ベルト20a,20b,20cの上側スパン20a’,20b’,20c’の上向き表面の上に蓄積する。下側スパン20a”,20b”,20c”としての糞ベルトは、枕木(cross-tie)面の下方で反対の長手方向に戻される。
【0042】
動物立位エリア11a,11b,11cと糞ベルト20a,20b,20cとの間に自由空間30a,30b,30cが存在する。乾燥装置40a,40b,40cは、この自由空間30a,30b,30c内に配置され、後者の中で移動できる。
【0043】
図2は、
図1に係る動物管理装置の乾燥装置40a,40b,40cを示す。例えば、動物居住エリアの実質的な部分、例えば、動物立位エリア11a,11b,11cなど、動物居住エリアを区切る側壁、卵回収ベルト、および種々の枠組み部分は、乾燥装置の個々の部分をより容易に識別できるようにするために、
図2には示していない。中央の動物居住エリア10bのみが立方体状空間として概略的に描かれている。
【0044】
乾燥装置は、それぞれ個々の面におけるその詳細な構造の観点から、以下では最下平面を用いて説明する。動物管理装置の各面内の乾燥装置30a,30b,30cは、複数のファンエレメント41a~eを備える。
【0045】
各ファンエレメント41a~eは、旋回軸44a~eから出発して、半径方向に延びる2つの板状コンポーネント42,43を備える。前記旋回軸44a~44eは、長手方向に互いに間隔を空けて配置されており、長手方向Lに延びるライン上に位置する。
【0046】
板状エレメント42,43は、垂直面内にある。旋回軸44a~eは、垂直になるように整列されている。従って、旋回軸44a~eは、板状コンポーネント42,43の面に対して平行になるように延びている。板状コンポーネント42,43の両方は、旋回軸44a~eに対して、軸方向および半径方向で同じ長さとなるように寸法設定される。
【0047】
板状コンポーネント42、43によって形成されたファンエレメントは、長手方向Lに対して平行になるように前記ファンエレメントが位置するアライメントで
図2に示されている。前記ファンエレメントは、前記アライメントから、旋回軸44a~eの周りに旋回できる。このためケーブル引張り機構50a~cが3つの面の各々に設けられる。
【0048】
ケーブル引張り機構50a~cは、駆動ユニット51とのカップリングとして機能する。前記駆動ユニット51は、直立シャフト53を駆動し、後者を連続回転運動に設定する電気モータ52を備える。
【0049】
図3Aは、シャフト53の連続回転運動をケーブル引張り装置50a,50b,50cの往復牽引運動に変換するクランクギア機構54を示す。クランクギア機構54による駆動シャフト53の連続回転運動は、ケーブル引張り50a~cの往復運動に変換される。そのため回転するケーブル引張り50a,b,cとして設計される伝達機構は移動して、規則的な順序で、後端部で偏向しているケーブル引張りループの一方のケーブル引張り部分50c’が第1長手方向に引っ張られ、他方のケーブル部分50c”は、これとは反対方向に第2長手方向に移動し、そして前記移動形態が反転し、一方のケーブル引張り50c”は第2長手方向に移動し、他方のケーブル引張り50c”は第1長手方向に移動する。
【0050】
図5は、偏向ローラ55を用いた、一方のケーブル部分50c’の他方のケーブル部分50c”への偏向を示しており、引張りばね56によって後者の垂直整列回転軸は、動物管理装置の長手方向の後端部において枕木に固定されている。ケーブル引張りシステム50cは、ばね引張り式偏向ローラ55によって、プリテンション(予張力)が作用しており、そのために緊張状態に保持される。
【0051】
図4は、ファンエレメント41を示す。ファンエレメントは、固定装置45を備え、これは、旋回軸44の領域内に構成され、旋回軸44の一方側にあるスロット45aに板状エレメント42を受け入れ、旋回軸44に対して反対側にあるスロット45bに板状エレメント43が受け入れる。板状エレメント42,43は、旋回軸44に向かうその端部において横方向ウェブが設けられ、そのため固定エレメント45の個々の溝45a’内に形状嵌合式でそれぞれ固定され、旋回軸44に対して半径方向にスロットから滑り落ちるのが防止される。
【0052】
板状エレメント42,43は、熱可塑性エラストマー、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらをベースとした個々の混合物から製作でき、そのため弾性的に変形可能であり、化学薬品に対して耐性があり、連続動作での材料疲労に対して相応にあまり影響を受けない。板状エレメントの材料厚さは、半径方向内向き厚さDiから半径方向外向き厚さDaまで半径外向き方向に減少しており、板状エレメントの均一な曲げ挙動を得るようにしている。ファンエレメント41が板状エレメント42、43を駆動する往復旋回運動では、垂直な屈曲軸の周りに変形し、したがって屈曲軸は、旋回軸44と平行になるように延びる。
【0053】
2つのアウトリガー(張出し)アーム71,72は、固定装置45にその上端部でトルクロック方式で接続される。アウトリガーアーム71,72は、板状エレメント42,43の平面に対して垂直になるように、旋回軸44の両側で半径方向に延びている。ケーブル引張りレセプタクル73,74は、2つのアウトリガーアーム71,72の各々の半径方向外側端部に固定され、前記ケーブル引張りレセプタクル73,74は、垂直軸73’,74’の周りに回転可能なように搭載される。2つのケーブル引張りレセプタクル73,74の各々は、旋回軸44に対して垂直になるように延びる牽引ケーブルが固定可能なケーブルレセプタクル部分を有する。図示した実施形態の場合、これは、受け入れられるケーブルの長手方向に互いに間隔を空けて配置された2つのケーブルレセプタクル部分75,76によって実装され、これらの間で中間空間77においてケーブルクランプ機構がケーブルに固定的に締結でき、前記ケーブルクランプ機構は、ケーブルがケーブルレセプタクル装置73,74内で長手方向に移動できないという効果を有する。
【0054】
ファンエレメントは、ケーブル引張り装置50cによってアウトリガーアーム71,72を交互に引っ張ることによって往復運動で駆動されるファン運動に設定でき、このファン運動では板状コンポーネント42,43が予め定めた角度範囲でファン式で移動し、そのため乾燥空気を送風する。前記乾燥空気は、その下方にある糞ベルトの上側スパン上にある動物糞の効率的な乾燥を行う。
【0055】
図示した実施形態の場合、板状エレメント42,43の半径方向の長さは、前記長さが動物管理装置の幅方向Bの幅の半分よりも小さくなるように選択される。そのためファンエレメントが図に示す位置に対して往復式で±90°だけ旋回する180°の旋回角度の場合でも、ファンエレメントは、動物管理装置の外側領域に入ることはできない。原則として、板状エレメント42,43の長さは、動物管理装置の幅の半分より大きくてもよいことは理解すべきである。こうした場合は、例えば、図に示す中央位置の周りに90°、即ち±45°だけの旋回角度が駆動されることが好ましく、そのため板状エレメント42,43の外向き突出は、旋回運動の反転ポイントにおいて回避されることが好ましい。