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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】車両用ミラー装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/30 20220101AFI20220113BHJP
   B60R 1/06 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
B60R1/30
B60R1/06 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019138862
(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公開番号】P2021020579
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2020-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河西 丈一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 優斗
(72)【発明者】
【氏名】中谷 崇
(72)【発明者】
【氏名】湯山 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】射場 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】長崎 哲也
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-159998(JP,A)
【文献】特開2012-116225(JP,A)
【文献】国際公開第2005/080137(WO,A1)
【文献】特開2010-260371(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0063233(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00
B60R 1/06
B60R 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の側部に取り付けられ、ミラーを保持するハウジングと、
前記ハウジングに収容され、前記ハウジングのうち車両搭載状態における下面に画像光取得部が配置される撮像装置と、
前記ハウジングに収容され、前記ハウジングの前記下面に車両搭載状態における左右方向に前記画像光取得部と並ぶように赤外光照射部が配置される投光装置と、
板状であり、前記撮像装置及び前記投光装置が一面側に組み付けられ、前記ハウジングとの間で前記撮像装置及び前記投光装置を挟むように前記ハウジングに装着され、締結部材により第1方向に前記撮像装置及び前記投光装置を締結する装着部材と
を備え、
前記装着部材は、前記撮像装置及び前記投光装置を前記第1方向とは異なる第2方向に組み付け可能に設けられ
前記装着部材は、前記撮像装置及び前記投光装置との間で位置決めする位置決め部を有し、
前記撮像装置及び前記投光装置は、前記位置決め部に係止する係止部を有し、
前記係止部は、前記第2方向の先端側に切り欠き部を有する
車両用ミラー装置。
【請求項2】
前記第1方向は、車両搭載状態における水平面に沿った方向であり、
前記第2方向は、前記水平面に対して傾いた方向であり、車両搭載状態における上方から下方に向けた方向である
請求項1に記載の車両用ミラー装置。
【請求項3】
前記赤外光照射部は、前記装着部材の下面と面一状態で設けられる
請求項1又は請求項2に記載の車両用ミラー装置。
【請求項4】
前記画像光取得部は、前記装着部材の下面に対して突出している
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用ミラー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ミラー装置として、例えばミラーを保持するハウジングに、画像光を取得する撮像装置と、赤外光を照射する投光装置とが配置された構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両用ミラー装置は、撮像装置と投光装置とが共締め用のボスと、個別の固定用のボスとによりアンダーパネルに固定されており、当該アンダーパネルが上記のボスとは異なるボスによりハウジングに固定された構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-078558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の構成において、撮像装置は、アンダーパネルの内面に沿った方向にボスを取り付けて固定される。このため、撮像装置は、アンダーパネルの内面に沿った方向に移動させ、当該アンダーパネルに設けられる開口部に重なる位置にレンズが位置するようにアンダーパネルに組み付けられる。このような組み付け方法では、撮像装置をアンダーパネルの厚さ方向に移動させることができないため、撮像装置を組み付けた状態では、開口部から露出するレンズの表面がアンダーパネルの外面に対して内側に凹んだ状態となってしまう。この場合、アンダーパネルの外面とレンズ面とを同一の意匠面とすることが困難となる。また、上記のことは、投光装置の構成についても同様である。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、撮像装置及び投光装置の外面と装着部材及びハウジングの表面とを容易に同一意匠面とすることが可能な車両用ミラー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用ミラー装置は、車両の側部に取り付けられ、ミラーを保持するハウジングと、前記ハウジングに収容され、前記ハウジングのうち車両搭載状態における下面に画像光取得部が配置される撮像装置と、前記ハウジングに収容され、前記ハウジングの前記下面に車両搭載状態における左右方向に前記画像光取得部と並ぶように赤外光照射部が配置される投光装置と、板状であり、前記撮像装置及び前記投光装置が一面側に組み付けられ、前記ハウジングとの間で前記撮像装置及び前記投光装置を挟むように前記ハウジングに装着され、締結部材により第1方向に前記撮像装置及び前記投光装置を締結する装着部材とを備え、前記装着部材は、前記撮像装置及び前記投光装置を前記第1方向とは異なる第2方向に組み付け可能に設けられる。
【0007】
また、前記第1方向は、車両搭載状態における水平面に沿った方向であり、前記第2方向は、前記水平面に対して傾いた方向であり、車両搭載状態における上方から下方に向けた方向であってもよい。
【0008】
また、前記赤外光照射部は、前記装着部材の下面と面一状態で設けられてもよい。
【0009】
また、前記画像光取得部は、前記装着部材の下面に対して突出していてもよい。
【0010】
また、前記装着部材は、前記撮像装置及び前記投光装置との間で位置決めする位置決め部を有し、前記撮像装置及び前記投光装置は、前記位置決め部に係止する係止部を有し、前記係止部は、前記第2方向の先端側に切り欠き部を有してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像装置及び投光装置の外面と装着部材及びハウジングの表面とを容易に同一意匠面とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る車両用ミラー装置を備える車両の一例を示す平面図である。
図2図2は、本実施形態に係る車両用ミラー装置の正面図である。
図3図3は、本実施形態に係る車両用ミラー装置を下方から見た図である。
図4図4は、装着部材の一例を示す図である。
図5図5は、装着部材の一例を示す図である。
図6図6は、装着部材の一例を示す図である。
図7図7は、図6におけるB-B断面に沿った構成を示す図である。
図8図8は、図6におけるC-C断面に沿った構成を示す図である。
図9図9は、図6におけるD-D断面に沿った構成を示す図である。
図10図10は、図6におけるE-E断面に沿った構成を示す図である。
図11図11は、図6におけるF-F断面に沿った構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明にかかる実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
以下の説明において、前後、上下、左右の各方向は、車両用ミラー装置が車両に搭載された車両搭載状態における方向であって、運転席から車両の進行方向を見た場合における方向を示す。なお、本実施形態では、上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向であるとする。また、図面において、上方から視ることを平面視と言いその図を平面図とし、後方から視ることを正面視と言いその図を正面図とする。
【0015】
図1は、本実施形態に係る車両用ミラー装置100を備える車両Mの一例を示す平面図である。図1に示すように、車両用ミラー装置100は、いわゆるドアミラーであり、車両Mの左右のドアDL、DRであって車両Mの外側に取り付けられる。左右の車両用ミラー装置100は、左右方向について略対称となっている。
【0016】
図2は、本実施形態に係る車両用ミラー装置100の正面図である。図3は、本実施形態に係る車両用ミラー装置100を下方から見た図である。図2および図3では、ドアミラーとして構成される車両用ミラー装置100について示している。また、図2および図3においては、図1に示す車両Mの右側のドアミラーを示している。
【0017】
車両用ミラー装置100は、ハウジング10と、装着部材20と、撮像装置30と、投光装置40とを備えている。ハウジング10は、正面側が開口する箱体として構成されている。ハウジング10は、不図示の回転駆動源により、鉛直方向に垂直な軸(鉛直軸)に対して回動可能に設けられる。
【0018】
ハウジング10は、ミラー11を保持する。ミラー11は、例えばガラスや樹脂等を用いて板状に形成される。ミラー11は、不図示のミラー駆動部を介してハウジング10に支持される。ミラー駆動部は、例えば不図示の駆動源及び伝達機構を有し、駆動源の駆動力を伝達機構によってミラー11に伝達することで、ミラー11の姿勢を変更する。ミラー11は、例えば鉛直軸及び水平方向に垂直な軸(水平軸)に対して回動可能に設けられる。この場合、水平軸は、例えば左右方向に沿った軸とすることができる。ハウジング10は、車両Mの左右のドアDL、DRに取り付けられる。
【0019】
装着部材20は、ハウジング10の下部に対して、後方から着脱可能である。装着部材20には、例えばネジ等の締結部材によって撮像装置30及び投光装置40が固定される。装着部材20は、撮像装置30及び投光装置40が固定された状態でハウジング10に取り付けられる。
【0020】
装着部材20は、下面20aを有する。装着部材20の下面20aは、例えば車両内側から車両外側に向けて、上方に湾曲した状態で形成される。装着部材20の下面20aは、ハウジング10の下面10aに対して面一状態となっている。本実施形態において、装着部材の下面20aは、ハウジング10の下面10aの一部を構成する。以下、装着部材20の下面20aは、ハウジング10の下面10aの一部であるとして説明する。本実施形態において、装着部材20の下面20aを含めたハウジング10の下面10aは、車両内側から車両外側に向けて、上方に湾曲した状態で形成される。装着部材20は、後述する撮像装置30の画像光取得部31を露出させる開口部21と、後述する投光装置40の赤外光照射部41を露出させる開口部22とを有する。
【0021】
図4から図6は、装着部材20の一例を示す図である。図4は、撮像装置30及び投光装置40を取り外した状態を示しており、図3における矢印A方向から見た構成を示している。図5は、装着部材20に撮像装置30のみを装着した状態を示している。図6は、装着部材20に撮像装置30及び投光装置40を装着した状態を示している。
【0022】
図4から図6に示すように、装着部材20は、内面20bにネジ受部23、24、25を有する。ネジ受部23、24、25は、内面20bから後方に向けて突出するように円筒状に設けられる(図8図10参照)。ネジ受部23、24、25は、例えば左右方向に並んだ状態で配置される。ネジ受部23、24、25は、前方に向けて開口された凹部を有する。ネジ受部23、24、25の凹部の内側面には、ネジ山が形成される。
【0023】
ネジ受部23には、ネジ部材(締結部材)S1がネジ接合される。ネジ部材S1は、ネジ受部23の後方から前方に向けて第1方向D1(図7参照)にネジ接合される。ネジ受部24には、ネジ部材(締結部材)S2がネジ接合される。ネジ部材S2は、ネジ受部24の後方から前方に向けて第1方向D1(図9参照)にネジ接合される。ネジ受部25には、ネジ部材(締結部材)S3がネジ接合される。ネジ部材S3は、ネジ受部25の後方から前方に向けて第1方向D1(図11参照)にネジ接合される。ネジ部材S1、S2、S3は、それぞれヘッド部と、ネジ山が形成されたネジ部とを有する。
【0024】
また、ネジ受部24は、円筒状の外周面24aを有する。この外周面24aにより、後述する撮像装置30の第2部分34の位置が規定される。したがって、ネジ受部24の外周面24aは、撮像装置30の第2部分34との間で位置決めする位置決め部としての機能を有する。同様に、ネジ受部25は、円筒状の外周面25aを有する。この外周面25aにより、後述する投光装置40の第2部分45の位置が規定される。したがって、ネジ受部25の外周面25aは、投光装置40の第2部分45との間で位置決めする位置決め部としての機能を有する。
【0025】
撮像装置30は、装着部材20を介してハウジング10に取り付けられる。撮像装置30は、投光装置40に対して、車両内側に配置される。撮像装置30は、例えば赤外線カメラ等が用いられる。撮像装置30は、車両の周囲の画像を取得する。撮像装置30は、画像光PRを取得する画像光取得部31と、画像光取得部31を支持するフレーム部32と、フレーム部32に配置される第1部分33及び第2部分34とを有する。
【0026】
画像光取得部31には、例えばレンズ等の光学部材が配置される。画像光取得部31は、装着部材20の下面20a(ハウジング10の下面10a)において開口部21から露出した状態で配置される。
【0027】
図7は、図6におけるB-B断面に沿った構成を示す図である。図7に示すように、撮像装置30は、第1方向D1とは異なる第2方向D2に組み付け可能に設けられる。第2方向D2は、水平面に対して傾いた方向であり、車両搭載状態における上方から下方に向けた方向である。装着部材20の内面20bには、撮像装置30を第2方向D2に案内するための案内部が設けられてもよい。また、例えば、図7に示すように、開口部21の開口方向が第2方向D2に沿った方向であってもよい。この場合、画像光取得部31を開口部21に挿入する際に、画像光取得部31を第2方向D2に沿った方向に案内することができる。
【0028】
また、撮像装置30は、画像光取得部31の周縁部分に縁部31aを有する。縁部31aは、撮像装置30を装着部材20に組み付けた場合に、装着部材20の下面20aに対して面一状態となるように形成される。縁部31aが設けられることにより、撮像装置30のうち装着部材20の開口部21から露出する外面と当該装着部材20の下面20aとの間で同一意匠面が確保される。画像光取得部31は、縁部31aから下方に突出しており、装着部材20の下面20aに対して突出している。このため、装着部材20の下面20aとの間で同一意匠面を確保しつつ、広い範囲からの画像光を取得することができる。
【0029】
フレーム部32は、車両搭載状態における左右方向に延びている。フレーム部32は、第1部分33及び第2部分34を有する。第1部分33は、フレーム部32のうち車両搭載状態における車両内側端部に配置される。第1部分33は、フレーム部32から車両内側に延びている。
【0030】
図8は、図6におけるC-C断面に沿った構成を示す図である。図8に示すように、第1部分33は、ネジ部材S1のネジ部を貫通させる貫通孔33aを有する。貫通孔33aの径は、ネジ部材S1のネジ部の径よりも大きく、ヘッド部の径よりも小さい。ネジ部材S1は、貫通孔33a及びネジ受部23の凹部に対して第1方向D1にネジ接合される。これにより、第1部分33がネジ部材S1によって装着部材20に第1方向D1に締結される。
【0031】
第2部分34は、フレーム部32のうち車両搭載状態における車両外側端部に配置される。第2部分34は、フレーム部32から車両内側に延びている。第2部分34は、ネジ部材S2のネジ部を貫通させる貫通孔34aと、ネジ受部24に係止される係止部34bとを有する。貫通孔34aの径は、ネジ部材S2のネジ部の径よりも大きく、ヘッド部の径よりも小さい。
【0032】
係止部34bは、ネジ受部24に係止されることにより、フレーム部32が位置決めされる。図6では、第2部分34の裏側(車両搭載状態における前側)の構成を抜き出して示している。図6に示すように、係止部34bは、ネジ受部24の上部に係止されるように設けられる。係止部34bは、第2方向D2の先端側となる下端側に切り欠き部34cを有する構成となっている。係止部34bがネジ受部24に係止されることにより、後方から見て貫通孔34aがネジ受部24の凹部に重なる位置に配置される。
【0033】
図9は、図6におけるD-D断面に沿った構成を示す図である。図9に示すように、係止部34bは、下部側が切り欠かれた状態となっている。このため、撮像装置30が第2方向D2に装着される際、係止部34bがネジ受部24等の他の部位に干渉することが回避される。また、ネジ部材S2は、貫通孔34a及びネジ受部24の凹部に対して第1方向D1にネジ接合される。これにより、第2部分34がネジ部材S2によって装着部材20に第1方向D1に締結される。
【0034】
投光装置40は、装着部材20を介してハウジング10に取り付けられる。投光装置40は、撮像装置30に対して、車両外側に配置される。投光装置40は、赤外光IRを照射する赤外光照射部41と、赤外光照射部41を支持するフレーム部42とを有する。
【0035】
赤外光照射部41は、装着部材20の下面20a(ハウジング10の下面10a)において開口部22から露出した状態で配置される。赤外光照射部41は、左右方向に画像光取得部31と並んで配置される。
【0036】
図10は、図6におけるE-E断面に沿った構成を示す図である。図10に示すように、投光装置40は、第1方向D1とは異なる第2方向D2に組み付け可能に設けられる。装着部材20の内面20bには、投光装置40を第2方向D2に案内するための案内部が設けられてもよい。また、例えば、図10に示すように、開口部22の開口方向が第2方向D2に沿った方向であってもよい。この場合、赤外光照射部41を開口部21に挿入する際に、赤外光照射部41を第2方向D2に沿った方向に案内することができる。赤外光照射部41は、装着部材20の下面20aと面一状態で設けられる。このため、投光装置40のうち装着部材20の開口部22から露出する外面と当該装着部材20の下面20aとの間で同一意匠面が確保される。
【0037】
図6に示すように、フレーム部42は、車両搭載状態における左右方向に延びている。フレーム部42は、第1部分43及び第2部分44を有する。第1部分43は、フレーム部42のうち車両搭載状態における車両外側端部に配置される。第1部分43は、フレーム部42から車両外側に延びている。第1部分43は、貫通孔43aを有する。貫通孔43aの径は、ネジ部材S1のネジ部の径よりも大きく、ヘッド部の径よりも小さい。
【0038】
図8に示すように、第1部分43は、ネジ部材S1のネジ部を貫通させる貫通孔43aを有する。貫通孔43aの径は、ネジ部材S1のネジ部の径よりも大きく、ヘッド部の径よりも小さい。ネジ部材S1は、貫通孔43a及びネジ受部23の凹部に対して第1方向D1にネジ接合される。これにより、投光装置40の第1部分43がネジ部材S1によって撮像装置30の第1部分33と共に装着部材20に第1方向D1に締結(共締め)される。
【0039】
図6に示すように、第2部分44は、フレーム部42のうち車両搭載状態における車両内側端部に配置される。第2部分44は、フレーム部42から車両内側に延びている。第2部分44は、ネジ部材S3のネジ部を貫通させる貫通孔44aと、ネジ受部25に係止される係止部44bとを有する。貫通孔44aの径は、ネジ部材S3のネジ部の径よりも大きく、ヘッド部の径よりも小さい。
【0040】
係止部44bは、ネジ受部25に係止されることにより、フレーム部42が位置決めされる。図6では、第2部分44の裏側(車両搭載状態における前側)の構成を抜き出して示している。図6に示すように、係止部44bは、ネジ受部25の上部に係止されるように設けられる。係止部44bは、第2方向D2の先端側となる下端側に切り欠き部44cを有する構成となっている。係止部44bがネジ受部25に係止されることにより、後方から見て貫通孔44aがネジ受部25の凹部に重なる位置に配置される。
【0041】
図11は、図6におけるF-F断面に沿った構成を示す図である。図11に示すように、係止部44bは、下部側が切り欠かれた状態となっている。このため、投光装置40が第2方向D2に装着される際、係止部44bがネジ受部25等の他の部位に干渉することが回避される。また、ネジ部材S3は、貫通孔44a及びネジ受部25の凹部に対して第1方向D1にネジ接合される。これにより、第2部分44がネジ部材S3によって装着部材20に第1方向D1に締結される。
【0042】
上記のように構成された車両用ミラー装置100を製造する場合、まず、撮像装置30を装着部材20に組み付ける。この場合、ネジ部材S1、S2の締結方向とは異なる第2方向D2に撮像装置30を組み付ける。本実施形態において、撮像装置30は、フレーム部32の第2部分34の係止部34bにおいて、第2方向D2の先端側となる下端側に切り欠き部34cを有する構成である。このため、ネジ受部24と干渉することなく係止部34bをネジ受部24に係止させることができる。このように、撮像装置30をネジ部材S1、S2の締結方向とは異なる方向に組み付けることにより、装着部材20の下面20aの位置に応じて、第1方向D1とは異なる方向に撮像装置30の表面の位置を調整することができる。このため、縁部31aが装着部材20の下面20aと面一状態となるように撮像装置30を組み付けることができる。上記のように撮像装置30を組み付けることにより、撮像装置30の外面と装着部材20の下面20aとの間で同一意匠面が確保される。
【0043】
次に、投光装置40を装着部材20に組み付ける。投光装置40を組み付ける場合においても、ネジ部材S1、S3の締結方向とは異なる第2方向D2に投光装置40を組み付ける。本実施形態において、投光装置40は、フレーム部42の第2部分44の係止部44bにおいて、第2方向D2の先端側となる下端側に切り欠き部44cを有する構成である。このため、ネジ受部25と干渉することなく係止部44bをネジ受部25に係止させることができる。投光装置40をネジ部材S1、S3の締結方向とは異なる方向に組み付けることにより、装着部材20の下面20aの位置に応じて、第1方向D1とは異なる方向に投光装置40の表面の位置を調整することができる。このため、赤外光照射部41が装着部材20の下面20aと面一状態となるように投光装置40を組み付けることができる。上記のように投光装置40を組み付けることにより、投光装置40の外面と装着部材20の下面20aとの間で同一意匠面が確保される。
【0044】
その後、ネジ部材S1、S2、S3を第1方向D1にネジ接合することにより、撮像装置30及び投光装置40がネジ部材S1、S2、S3によって装着部材20に第1方向D1に締結される。その後、撮像装置30及び投光装置40が装着された装着部材20をハウジング10に組み付ける。この場合、装着部材20の下面20aがハウジング10の下面10aと面一状態となるように装着部材20をハウジング10に組み付ける。これにより、ハウジング10の下面10aと、装着部材20の下面20aと、撮像装置30の外面と、投光装置40の外面との間で同一意匠面が確保されることになる。
【0045】
以上のように、本実施形態に係る車両用ミラー装置100は、車両の側部に取り付けられ、ミラーを保持するハウジング10と、ハウジング10に収容され、ハウジング10のうち車両搭載状態における下面10aに画像光取得部31が配置される撮像装置30と、ハウジング10に収容され、ハウジング10の下面10aに車両搭載状態における左右方向に画像光取得部31と並ぶように赤外光照射部41が配置される投光装置40と、板状であり、撮像装置30及び投光装置40が内面20bに組み付けられ、ハウジング10との間で撮像装置30及び投光装置40を挟むようにハウジング10に装着され、ネジ部材S1、S2、S3により第1方向D1に撮像装置30及び投光装置40を締結する装着部材20とを備え、装着部材20は、撮像装置30及び投光装置40を第1方向D1とは異なる第2方向D2に組み付け可能に設けられる。
【0046】
この構成によれば、撮像装置30及び投光装置40をネジ部材S1、S2、S3の締結方向である第1方向D1とは異なる第2方向D2に組み付けることにより、装着部材20の下面20aの位置に応じて、第1方向D1とは異なる方向に撮像装置30及び投光装置40の表面の位置を調整することができる。このため、撮像装置30及び投光装置40の表面と装着部材20の下面20aとを容易に面一状態とすることができ、両者の間で同一意匠面を容易に確保することができる。
【0047】
本実施形態に係る車両用ミラー装置100において、第1方向D1は、車両搭載状態における水平面に沿った方向であり、第2方向D2は、水平面に対して傾いた方向であり、車両搭載状態における上方から下方に向けた方向である。この構成により、撮像装置30及び投光装置40の表面を上下方向に容易に調整することができる。
【0048】
本実施形態に係る車両用ミラー装置100において、赤外光照射部41は、装着部材20の下面20aと面一状態で設けられる。この構成により、投光装置40のうち装着部材20の開口部22から露出する外面と当該装着部材20の下面20aとの間で同一意匠面が確保される。
【0049】
本実施形態に係る車両用ミラー装置100において、画像光取得部31は、装着部材20の下面20aに対して突出している。この構成により、装着部材20の下面20aとの間で同一意匠面を確保しつつ、広い範囲からの画像光を取得することができる。
【0050】
本実施形態に係る車両用ミラー装置100において、装着部材20は、撮像装置30及び投光装置40との間で位置決めする位置決め部であるネジ受部24、25を有し、撮像装置30及び投光装置40は、ネジ受部24、25に係止する係止部34b、44bを有し、係止部34b、44bは、第2方向D2の先端側に切り欠き部34c、44cを有する。この構成により、ネジ受部24、25と干渉することなく係止部34b、44bをネジ受部25に係止させることができる。
【0051】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態において、撮像装置30及び投光装置40は、ネジ受部24、25に係止する係止部34b、44bを有する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。撮像装置30及び投光装置40は、ネジ受部23に係止する係止部を有してもよい。この場合、係止部の第2方向D2の先端側に切り欠き部を有する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
D1…第1方向、D2…第2方向、M…車両、S1,S2,S3…ネジ部材、DL,DR…ドア、IR…赤外光、PR…画像光、10…ハウジング、10a,20a…下面、11…ミラー、20…装着部材、20b…内面、21,22…開口部、23,24,25…ネジ受部、24a,25a…外周面、30…撮像装置、31…画像光取得部、31a…縁部、32,42…フレーム部、33,43…第1部分、33a,34a,43a,44a…貫通孔、34,44,45…第2部分、34b,44b…係止部、34c,44c…切り欠き部、40…投光装置、41…赤外光照射部、100…車両用ミラー装置
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