(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】ビルトイン型厨房機器を操作するための装置
(51)【国際特許分類】
F24C 15/00 20060101AFI20220113BHJP
F24C 7/08 20060101ALI20220113BHJP
G05G 1/08 20060101ALI20220113BHJP
G05G 25/00 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
F24C15/00 M
F24C7/08 350A
G05G1/08 E
G05G25/00 C
(21)【出願番号】P 2019515303
(86)(22)【出願日】2017-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2017072478
(87)【国際公開番号】W WO2018050542
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】102016217724.9
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518355906
【氏名又は名称】ブルックバウアー ヴィルヘルム
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(72)【発明者】
【氏名】シュメラー アントーン
(72)【発明者】
【氏名】ケネッカー ヴァルター
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-182671(JP,A)
【文献】実開平07-032411(JP,U)
【文献】特開2007-109649(JP,A)
【文献】特開2014-095537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/08-15/04
G05G 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルトイン型厨房機器(2,4)を操作するための装置(3)であって、中央片(14)と、該中央片(14)に回転可能に取り付けられた操作要素(18)と、該操作要素(18)の回転位置を検知するよう構成された少なくとも1つの位置センサ(36)と、少なくとも1つの接触感応センサ及び/又は感圧センサとを備え、調度前面(13)又は調理台(9)での柔軟な配置のために、前記中央片(14)が取り付け箱によって形成され、前記少なくとも1つの
接触感応センサ及び/又は感圧センサが配置される電気コンポーネントを収容するための据付収容空間を有し、前記操作要素(18)がリングの形態で構成
され、及び、前記少なくとも1つの接触感応センサ及び/又は感圧センサは、前記中央片(14)に配設され、及び/又は前記中央片(14)に回転しないように接続され、前記少なくとも1つの接触感応センサ及び/又は感圧センサに関する、前記操作要素(18)の回転が可能になることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記中央片(14)の前部分(29)に配設された、前記ビルトイン型厨房機器(2,4)を操作するための少なくとも1つの操作パラメータを表示するためのディスプレイ装置を特徴とする請求項1に記載された装置(3)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの接触感応センサ及び/又は感圧センサが、前記操作要素(18)によって周囲を取り囲まれた操作域と信号接続される
こと、及び、前記操作域も前記中央片(14)に配設され、及び/又は前記中央片(14)に回転しないように接続されることを特徴とする
請求項1又は2に記載された装置(3)。
【請求項4】
前記中央片(14)が調度での装置(3)の配置のための導通手段及び/又は固定手段を形成することを特徴とする
請求項1~3のいずれか一項に記載された装置(3)。
【請求項5】
回転可能に取り付けられた前記操作要素(18)が前記中央片(14)から取り外し可能であることを特徴とする
請求項1~4のいずれか一項に記載された装置(3)。
【請求項6】
ホブ(2)及び/又は換気扇装置(4)への信号伝達接続のためのインターフェイス(12)を特徴とする
請求項1~5のいずれか一項に記載された装置(3)。
【請求項7】
少なくとも1つのホブ(2)と、該少なくとも1つのホブ(2)を操作するための請求項1~6のいずれか一項に記載された装置(3)とを有するホブ装置。
【請求項8】
少なくとも1つのホブ(2)及び/又は焼煙を引き出すための少なくとも1つの引き出し装置(4)を備えたビルトイン型厨房機器と、該ビルトイン型厨房機器を操作するための請求項1~6のいずれか一項に記載された装置(3)を少なくとも1つ、有するホブ引き出しシステム(1)。
【請求項9】
モジュール構造を特徴とする請求項8に記載されたホブ引き出しシステム(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのホブ(2)が交換可能であることを特徴とする請求項8又は9に記載されたホブ引き出しシステム(1)。
【請求項11】
複数のホブ(2)と焼煙を引き出すための1つ以上の引き出し装置(4)とを備える請求項8~10のいずれか一項に記載されたホブ引き出しシステム(1)であって、ビルトイン型厨房機器を操作するための装置(3)の1つが各々、前記ホブ(2)の1つ及び/又は焼煙を引き出すための少なくとも1つの引き出し装置(4)とそれぞれ信号接続されることを特徴とするホブ引き出しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その内容が言及によって含まれるドイツ特許出願DE 10 2016 217 724.9の優先権を主張する。
本発明は、ビルトイン型厨房機器を操作するための装置、特に操作要素、特に回転ノブの形態をした操作要素に関するものである。本発明はまた、そのような操作装置と少なくとも1つのホブ/調理用レンジ加熱部を備えたホブ装置に関する。最後に本発明は、そのような操作装置を備えたホブ引き出しシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホブは通常、(タッチゾーンとして知られた)接触感応制御装置によって、又は回転ノブによって操作される。対応するホブシステムは例えば特許文献1や特許文献2から知られている。ホブを操作するための操作ノブは特許文献3から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】DE 10 2009 025 038 A1
【文献】EP 1 944 553 B1
【文献】DE 20 2009 009 727 U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ビルトイン型厨房機器を操作するための装置、特に操作要素、特に回転ノブの形態をした操作要素を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に係る装置によって解決される。この際、これは特に操作要素、特に所謂回転ノブである。
本発明の核心は、中央片、該中央片に回転可能に取り付けられた操作要素、該操作要素の回転位置を検知するよう構成された少なくとも1つの位置センサ、及び少なくとも1つの接触感応センサ及び/又は感圧センサを備えた、ビルトイン型厨房機器を操作するための装置を構成することにある。
【0006】
これによって、該装置の機能性を改善すること、特に該機能性を拡張することが可能である。
該装置は特に機械的に作動可能である。また接触機能性を有する。
【0007】
該装置は特に、操作されるビルトイン型厨房機器に、特にホブ又は換気扇に接続可能な別個のコンポーネントである。該装置は、特にキッチンユニットの前面又はキッチン調理台に組み立てられるため、特に別個のビルトイン型モジュールとして構成される。したがって、操作されるビルトイン型厨房機器に対するその配置は、柔軟に選択可能である。
【0008】
本発明の別のアスペクトによれば、該装置は調度前面に配置される中央片を有する。該中央片は特に据付収容空間を備えた取り付け箱によって形成される。好ましくは雄ネジリッジ部を有する。これによって、調度前面又はキッチン調理台に中央片を特に容易で柔軟に配置することが可能となる。
【0009】
中央片は好ましくは、少なくとも中央領域においてプラスチックから製造される。特に電気絶縁材料から製造される。特に寸法安定に構成される。
中央片は調度内に又は調度上に配設されてもよい。特に調度上に操作装置を配設するために導通手段及び/又は固定手段を形成することができる。
【0010】
例えばキッチン調理台に配設されてもよい。中央片はホブレベルを貫通していてもよい。好ましくは、中央片はホブレベルを超えて上方に出っ張り得る。中央片は代わりに調度前面に配設されてもよい。好ましくは、中央片は調度前面を貫通する。特に、中央片は調度前面を越えて外方へ出っ張る。
【0011】
中央片は操作要素を回転可能に取り付けるために支持座を有し得る。好ましくは、支持座は、ホブレベル又は調度前面を突き出た中央片の領域に配設される。操作要素は中央片の支持座に取り付けられ得る。このようにして操作要素が中央片に確実に装着されることが達成され、有利である。
【0012】
中央片は縦軸を有し得る。好ましくは、中央片は縦軸に関して実質的に回転対称に構成される。操作要素は単に縦軸回りに回転可能に、及び/又は縦軸に沿って変位可能に中央片に取り付けられてもよい。
【0013】
好ましくは、操作要素は、回転軸に関して横切った変位に抗して固定されるように中央片に取り付けられる。特にせいぜい単一直動自由度を有し得、特に回転軸の方向に単一の直動自由度を有し得る。これに加えて特に回転自由度を有していてもよい。
【0014】
操作要素は好ましくはホブレベルに関して及び/又は調度前面に関して非接触に配設される。シール要素がホブレベル及び/又は調度前面と操作要素の間に配設されてもよい。
少なくとも1つの位置センサが好ましくは中央片に配設される。中央片は好ましくはビルトイン型厨房に固定接続され、特に回転の点で固定して接続される。中央片に位置センサを配設することによって、信号接続がとりわけ容易に実行されることが達成され、有利である。
【0015】
本発明の1つのアスペクトによれば、少なくとも1つの位置センサが、回転可能に取り付けられた操作要素、特にノブリングとも称される回転リングの形態をした操作要素の回転位置を検知するのに供される。
【0016】
特に位置センサとして、磁気センサ、特にホールセンサ(Hall sensor)が用いられる。特にそのようなセンサが多数設けられてもよい。ホールセンサと相互作用する磁石が特に回転可能に取り付けられた操作要素に配設される。実際のホールセンサは特に操作装置の中央片に配設される。ホールセンサはカプセルに入れられて、及び/又は鋳固められて配設可能である。これらセンサは特に印刷回路基板上に配設され得る。
【0017】
本発明の1つのアスペクトによれば、操作要素はリングの形態で構成される。リングの形態で構成された操作要素は、縦軸に関して同心に配設され得る。これによって、中央片の前領域が操作要素によって覆われないままという効果が達成され、有利である。
【0018】
本発明の更なるアスペクトによれば、少なくとも1つの接触感応センサ及び/又は感圧センサは、操作要素によって周囲を取り囲まれた操作域と信号接続される。単純な接触感応スイッチ又は感圧スイッチが操作域として供され得る。好ましくは、操作域はタッチスクリーン(接触感応スクリーン)として、特にTFTディスプレイを備えたタッチスクリーンとして構成される。これによって、より複雑な機能性が実現される。好ましくは、少なくとも1つの接触感応センサ及び/又は感圧センサは中央片に配設され、及び/又は中央片に回転しないように接続される。好ましくは、操作域も中央片に配設され、及び/又は中央片に回転しないように接続される。これによって、操作要素の操作域に関する、及び/又は少なくとも1つの接触感応センサ及び/又は感圧センサに関する回転が保証されるという効果が達成され、有利である。
【0019】
接触感応センサは特に指でタッチすることによって操作可能である。操作域を操作するために特殊な入力要素、例えば尖筆の形態をした入力要素(ペン入力手段)を設けることも想定され得る。これによって、例えば操作信頼性が増加し得る。特にうっかり操作域をタッチすることによって装置を望まないような形で操作することを防止することが可能である。
望まないうっかり操作に対して装置を守るための代替措置又は追加措置も同様に可能である。
【0020】
接触感応センサを用いて、ホブ及び/又は換気扇の本質的に如何なる所望の機能も制御可能である。タイマー、点灯、ラジオ又は他の制御可能な装置の操作のような更なる機能性も可能である。
【0021】
操作要素は中央片に配設される。本発明の1つのアスペクトによれば、回転可能に取り付けられた操作要素は中央片から取り外し可能であり、特に工具なしで取り外し可能である。これによって、操作要素のクリーニングが容易になる。操作要素の取り外し可能性は子供では操作できないようにするのにも供され得る。
【0022】
操作要素が中央片から取り外された場合、中央片は調度に残され得る。中央片は特に操作要素に向かって閉じられた表面を有する。
本発明の1つのアスペクトによれば、据付収容空間が中央片によって取り囲まれる。これは特に、電気コンポーネント、特に電子コンポーネントを収容するのに供される。本発明の1つのアスペクトによれば、少なくとも1つの接触感応センサが中央片に、特に収容空間に配設される。
【0023】
収容空間に、好ましくはコントローラ、特に制御装置の電子コンポーネント、例えば印刷回路基板が配設され得る。印刷回路基板は交換可能であってもよい。これによって、操作装置の柔軟性が更に増大可能となる。異なる様々なビルトイン型厨房機器を操作するために標準化された操作装置を設けることが特に可能である。ここで、収容空間に配設された制御装置、特に印刷回路基板が、操作されるビルトイン型厨房機器の特質に応じて選択され得る。
【0024】
据付収容空間は特に液密であるように外部と遮断され得る。その結果、収容空間内側の電子コンポーネントは特に信頼できるよう保護される。
本発明の更なるアスペクトによれば、装置は、操作されるビルトイン型厨房機器への信号伝達接続のため、特にホブ及び/又は換気扇装置への信号伝達接続のためにインターフェイス装置を有する。
【0025】
インターフェイス装置は1つ以上のインターフェイスを有し得る。これらは好ましくは標準化されたインターフェイスである。例えば、それらはRJプラグイン接続、特にRJ45プラグイン接続であり得、又は1つ以上のエッジカードプラグイン接続であり得る。
【0026】
本発明の更なるアスペクトによれば、操作装置は、ビルトイン型厨房機器を操作するための少なくとも1つの操作パラメータを表示するために、ディスプレイ装置を有する。ディスプレイ装置は特に1つ以上のディスプレイ要素を有し得る。特に多数あるいは複数のディスプレイセグメント及び/又はディスプレイポイントを有し得る。特に1つ以上のセブン・セグメントディスプレイを有し得る。
【0027】
ディスプレイ装置を用いて、ビルトイン型厨房機器を制御するための制御パラメータ及び/又はセンサによって検知された操作パラメータ、特に操作状態、例えばオーブンプレートの現在の温度を表示可能としてもよい。ディスプレイ装置はまた、日時、タイマー又は他の情報項目を表示するのに供され得る。
【0028】
本発明の更なる課題はホブ装置を改善することにある。
この課題は、少なくとも1つのホブと先の記載に係る操作装置を備えたホブ装置によって解決される。
【0029】
利点は操作装置のものの結果として起こる。
ホブと操作装置は特に別個のコンポーネントとして構成され得る。操作されるホブは特に既述したインターフェイスによって操作装置と信号接続されることとなり得る。ホブと操作装置は特に別個のモジュールとして構成され得る。
【0030】
操作装置は好ましくは異なる様々なホブの選択と組み合わせ可能である。
選択肢によれば、操作装置はまたホブに統合され得る。この場合、ホブ装置はアッセンブリユニットを形成する。
【0031】
本発明の更なる課題は、ホブ引き出しシステムを改善することにある。この課題は、ビルトイン型厨房機器と先の記載に係る操作装置を備えたホブ引き出しシステムによって解決される。
【0032】
ビルトイン型厨房機器は少なくとも1つのホブ及び/又は焼煙を引き出すための少なくとも1つの引き出し装置を有する。引き出し装置は好ましくは、ダウンドラフト換気扇、即ち、下方方向に焼煙を引き出すための換気扇装置である。そのような引き出し装置はダウンドラフト引き出し器とも称される。
【0033】
本発明の1つのアスペクトによれば、ホブ引き出しシステムはモジュール構造を有する。これは、異なる様々なモジュール、特に異なる様々なホブ及び/又は引き出し装置が1つ以上の操作装置と実質的に支障なく組み合わせ可能であることを意味すると理解されるものである。
【0034】
本発明の更なるアスペクトによれば、ホブ及び/又は引き出し装置は操作装置によって自動的に検出される。操作装置はそれ自体、特に自動的にコンフィギュレーションを行う。これに対する代替案として、選択されたビルトイン型厨房機器を、これに応じて操作するために要する制御装置を選択することが想定され得る。特に操作装置の中央片に配設され得る。また別個のモジュールとして設けられ得る。
【0035】
本発明の更なるアスペクトによれば、少なくとも1つのホブは交換可能である。特に、異なる様々な選択肢から自由に選択可能である。特に、ホブのため、考えられ得る選択肢のすべてが考慮される。
【0036】
本発明の更なるアスペクトによれば、ホブ引き出しシステムは、複数あるいは多数のホブと焼煙を引き出すための1つ以上の引き出し装置を有する。ビルトイン型厨房機器を操作するための該装置の1つは各々、ホブの1つ及び/又は焼煙を引き出すための少なくとも1つの引き出し装置とそれぞれ信号接続される。
本発明の更なる利点や詳細は、図面に基づいた例示的な実施形態の記載から与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】2つのホブとダウンドラフト換気扇の形態をした換気扇装置を備えたホブ引き出しシステムの概略図である。
【
図2】キッチンユニットのフロントパネルにおける
図1に係るホブ引き出しシステムを操作するための操作ノブの配設を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下において、まずホブ引き出しシステム1の一般的なコンポーネントを述べる。ホブ引き出しシステム1は少なくとも1つのホブ2を有する。
図1に例示的に示されたホブ引き出しシステム1の場合、2つのホブ2が設けられる。
【0039】
ホブ2は基本的に所望の調理エリアである。これらは特に誘導ホブ、ガスホブ、鉄板焼きホブ、中華なべ用ホブ、電気ホブ若しくはホットプレート、グリル又は他の調理エリアである。
【0040】
図1に例示的に示された選択肢の場合、操作ノブ3はそれぞれ、ホブ2を操作するために設けられている。接触感応センサ、特にホブ2にまとめられ得る接触感応センサを用いた操作が同様に可能である。別個の操作モジュールを用いた操作も同様に考えられ得る。この場合、ホブ2は自律性のないものとして、即ち、それら自体の制御電子機器なしに構成され得る。これによって、ホブ2の構造を単純化することが可能である。特にホブ2の全高を減らすことが可能である。これらは最大で10cm、特に最大で6cm、特に最大で5cm、特に最大で4cm、特に最大で3cm、特に最大で2cmである。
【0041】
ホブ引き出しシステム1はまた、ダウンドラフト換気扇4を有する。該ダウンドラフト換気扇4は焼煙を引き出すための装置を形成する。
図2に示された選択肢の場合、ダウンドラフト換気扇4は2つのホブ2の間に配設される。ホブ2の側面に、又はホブ2の後方領域に配設されることも可能である。
【0042】
ダウンドラフト換気扇4は焼煙入口開口5を有する。描写された選択肢の場合、焼煙入口開口5は長尺に、特に矩形に構成されている。焼煙入口開口5は特に、少なくとも2:1の縦横比を、特に少なくとも3:1の縦横比を、特に少なくとも5:1の縦横比を、特に少なくとも10:1の縦横比を有する。通常、焼煙入口開口5の縦横比は最大で100:1、特に最大で50:1である。
【0043】
焼煙入口開口5はまた、丸く、特に円形に構成され得る。
また、多数あるいは複数の焼煙入口開口5を備えてもよい。特に2つ以上の焼煙入口開口5を、特にスリット形状の焼煙入口開口5を設けることが可能である。これらは特に互いに平行に整列させていてもよい。
【0044】
焼煙入口開口5は、クロージャ要素6を用いて特に可逆的に閉鎖可能である。多数あるいは複数の焼煙入口開口5の場合、各々、クロージャ要素6を用いて別々に、即ち、互いに無関係に可逆的に閉鎖可能とすることができる。
【0045】
更なる操作ノブ3がダウンドラフト換気扇4を操作するために設けられる。接触感応センサを用いた操作が同様に可能である。
ダウンドラフト換気扇4は特にホブレベル8の領域に配設される。これはホブレベル8の上方の領域からホブレベル8の下方の領域へ焼煙を排出するのに供される。したがって、これはダウンドラフトシステム(下方方向での排出)とも称される。
【0046】
焼煙入口開口5は好ましくはホブレベル8に関して適所に固定配設される。
図面に示されていない選択肢によれば、焼煙入口開口5を備えたダウンドラフト換気扇4の領域はホブレベル8に対して垂直な方向に変位可能である。
【0047】
特に、ホブ引き出しシステム1は排煙フードをも有し得る。
ホブシステム1はアッセンブリユニットとして構成され得る。この場合、1つ以上のダウンドラフト換気扇4を備えた1つ以上のホブ2がシングルシステムにまとめられる。これらは特に共通のハウジング内に配設される。アッセンブリのため、これは単に調理台9における隙間に挿入されなければならない。
【0048】
ホブシステム1の下の領域において、キッチンベースユニットのコンポーネント、特に引き出し10が本質的に何ら制約なしに利用可能である。
ホブシステム1はモジュールデザインである。この場合、本質的に自由に選択可能な複数のホブ2が1つ以上のダウンドラフト換気扇4と柔軟に組み合わされ得る。ここで、特にホブ2のすべてが、以下でより詳細に記載される操作ノブ3を用いて操作可能、即ち、制御可能である。1つ以上のダウンドラフト換気扇4もまた、ここでは操作ノブ3を用いて操作可能、即ち、制御可能である。
【0049】
操作ノブ3は同様に、モジュールデザインである。これらは各々、インターフェイス12を介してホブ2の1つ、及び/又はダウンドラフト換気扇4に接続される。これらは特に複数のホブ2及び/又は複数のダウンドラフト換気扇4の1つ以上と信号接続される。
【0050】
操作ノブ3は特に規格設計される。これは、複数の同じ操作ノブ3が異なる複数のホブ2及び/又は複数のダウンドラフト換気扇4を操作するのに適することを意味すると理解される。以下でより詳細に記載されるように、操作ノブ3は自己構成型として構成される。これは、複数のホブ2及び/又は複数のダウンドラフト換気扇4の1つが接続される場合、どのビルトイン型厨房機器に関わっているのか、その機能性が相応して適合しているのかを、自動的に検知することを意味すると理解される。
【0051】
操作ノブ3のそのような同型で規格化された構造はその製造を容易にする。その上、操作ノブ3の容易な交換可能性を実現する。最終的に、ホブ引き出しシステム1のアッセンブリはそれによって容易化される。
【0052】
以下において、操作ノブ3の外部構造、並びにキッチンベースユニット11の調度前面13におけるその配置が
図2に関連して記載される。
操作ノブ3は、中央片14と、これに配設された操作要素とを有する。操作要素は中央片14に回転可能に取り付けられる。特に中央縦軸15回りに回転可能に取り付けられる。
【0053】
操作要素は特に、ノブリング18とも称される操作リングとして構成される。
操作要素は中央片14から取り外し可能である。中央片14での操作要素の遊びのない配設のために、1つ以上のスラスト片16が設けられる。これらは特に弾性スラスト片16である。これらは縦軸15に関してラジアル方向にて中央片14の外郭17を僅かに超えて突き出る。外郭17は僅かな円錐形として構成される。円形シリンダの殻の形態に構成されてもよい。
【0054】
スラスト片16は、特にノブリング18の或るロックイン位置を予め画定するために設けられる。
少なくとも3つのスラスト片16を中央片14の周囲に均一に分布して配設することによって、所定のもぎ取り力が、中央片14からノブリング18を取り外すために実現可能である。
【0055】
図に示されたノブリング18の構成は限定的に解釈されるものではない。ノブリング18は滑らかな表面を有していてもよい。また構造化された表面を有していてもよい。1つ以上のマーキング19を備えていてもよい。
【0056】
中央片14は収容空間20を取り囲む。特にラジアル方向において、即ち、縦軸15に対して垂直な方向において、収容空間20を取り囲む。中央片15は特にプラスチック製、例えばPC-ABSで作られている。
【0057】
ノブリング18は好ましくは金属、特にステンレス鋼で作られる。特に材料番号1.4301又は1.4305のステンレス鋼であり得る。他の材料も同様に可能である。ノブリング18は特に電気絶縁材料からも作られ得る。
【0058】
中央片14は複数パート構成である。特に前部分29と後ろ部分30を有する。
操作ノブ3の装着状態において、前部分29は調度前面13を超えて前方へ突き出る。
操作ノブ3の装着状態において、後ろ部分30は調度前面13における隙間24に配設される。これは縦軸15の方向において調度前面13を超えて後方に突き出る。
【0059】
中央片14の後ろ部分30は開放可能で、特に折り畳み式である。特に、フィルムヒンジ31によって互いに接続された2つの半殻を有する。
中央片14の後ろ部分30を折り畳み可能とすることで、収容空間20に電気コンポーネント及び/又は電子コンポーネントを配設することが容易になる。
【0060】
中央片14は調度前面13に操作ノブ3を装着するための取り付けボックスを形成する。このために、雄ネジリッジ部21が中央片14の外側に設けられる。雄ネジリッジ部21は縦軸15の方向において適合間隔saにわたって延在する。適合間隔saは特に縦軸15の方向に10mmから60mmの範囲の長さを有する。
【0061】
図2に示されたように、各々2つの雄ネジリッジ部21が好ましくは周囲に互いに間隔をおいて中央片14に形成される。これらは共に雄ネジを形成する。
雄ネジを補完して、雌ネジリッジ部22を備えた雌ネジがユニオンナット23として構成された固定手段に配設される。したがってユニオンナット23は中央片14の雄ネジにねじ締め可能である。その結果、中央片14は容易に調度前面13における隙間24に固定可能である。適合間隔saを考慮して、中央片14、したがって操作ノブ3は特に様々な厚みdの調度前面に非常に容易に配設可能である。
【0062】
調度前面13の前側の領域において、スペーサーリング又はシールリング25も中央片14と調度前面13の間に配設され得る。これを省略することも可能である。
雄ネジリッジ部21の隆起は各々、平坦部26を有する。平坦部26によって、中央片14の後ろ部分30を折り畳み可能とすることが可能である。
【0063】
当接リング28の領域に平坦部27を設けてもよい。当接リング28は支持突出部として供され、これによって中央片14は調度前面13に支持される。当接リング28は1つ以上の平坦部27を有する。平坦部27は特にスピリットレベル/水準器を置くための当接エッジとして供される。これによって、操作ノブ3を調度前面13に精確に整列することがより容易になる。
【0064】
図面に示されない有利な選択肢によれば、当接リング28は六角形デザイン又は八角形デザインでもよい。
以下において、操作ノブ3の更なる詳細を
図3、
図4を参照して記載する。収容空間20に印刷回路基板32が配設される。印刷回路基板32はホブ2及び/又はダウンドラフト換気扇4を制御し操作するための制御デバイスの制御電子機器を有する。
【0065】
印刷回路基板32は特に収容空間20内で水平に配設される。
その後端で、インターフェイス12を有し、あるいは信号伝達するようにインターフェイスに接続される。
【0066】
図3に概略的に示されるように、接続ケーブル34はプラグ33によってインターフェイス12に接続される。
1つの選択肢によれば、操作ノブ3から1つ以上のホブ2及び/又は1つ以上のダウンドラフト換気扇4への信号、特に制御信号の無線伝達のための伝達装置がインターフェイス12に加えて、あるいはこの代替として設けられていてもよい。そのような伝達装置は好ましくは中央片14の後方部分に配設される。相応する伝達装置によって、操作ノブ3の配置はより一層柔軟である。更には、結果的に、ホブ2の1つ及び/又はダウンドラフト換気扇4の1つへの操作ノブ3の接続は更に単純化される。
【0067】
印刷回路基板32は、特にエッジカードインターフェイスの形態をした更なるインターフェイス35を介して、所謂フロントボードに接続される。このボード上に、以下でより詳細に記載されるセンサと点灯手段、特にLEDがおかれる。
【0068】
ノブリング18が縦軸15回りに回転可能に取り付けられる。ノブリング18の回転位置は少なくとも1つの位置センサによって検知され得る。ホールセンサ36が特に位置センサ36として供され得る。ホールセンサ36は中央片14の収容空間20に配設される。特に中央片14の前部分29において印刷回路基板上に配設され得る。
【0069】
ホールセンサ36と相互作用するために、ノブリング18に磁石37が配設される。磁石37の数は特に少なくとも3つ、特に少なくとも5つ、特に少なくとも8つ、特に少なくとも12である。磁石37は他の数であっても同様に可能である。ホールセンサ36の数は特に少なくとも3つ、特に少なくとも5つ、特に少なくとも8つ、特に少なくとも12である。特に最大で30、特に最大で20、特に最大で15である。ホールセンサ36は他の数であっても同様に可能である。ホールセンサ36は特に中央片14の周囲にわたって本質的に均一に分布して配設され得る。
【0070】
中央片14の前部分29にディスプレイ装置が配設される。ディスプレイ装置は多数あるいは複数の光射出開口部38を有する。放射源、特にLED40の形態をした放射源によって発せられる光が、チューブ状空洞39又は光ガイドによって光射出開口部38に当てられ得る。
【0071】
光射出開口部38は、中央片14の前カバー41に微細孔、特にレーザ孔として作られ得る。前カバー41はまた上張りと称される。前カバー41は特にノブリング18と同じ材料で作られ得る。特にコーティングを備える。コーティングとして、特にラッカー、特に指紋に対するラッカーが供される。
【0072】
光射出開口部38は、その前側で、即ち、正面から見える領域において、10μmから100μmの範囲、特に20μmから50μmの範囲、特に30μm以下の径を有し得る。光射出開口部は、収容空間20に向いたその後ろ側で、10μmから1mmの範囲、特に30μmから200μmの範囲、特に少なくとも50μmの径を有し得る。
【0073】
光射出開口部38は透明な注封材料によってシールされ、即ち、閉鎖され得る。これによって、汚れが光射出開口部38を通って収容空間20内に入るのを防止する効果が達成され得る。
【0074】
光射出開口部38及び/又は空洞39は斜め上方に延在するように向けられ得る。これによって、ディスプレイ装置が斜め上方から見られる一方で、正面から直接見えず、あるいは少なくとも実質的に不可視である効果が達成される。
【0075】
光射出開口部を備えた上張りもまた、LEDからの光が通過することができるほど薄い金属コーティングを有して設けられ得、特に表面範囲全体にわたって設けられ得る。LEDによって発せられる放射のため、コーティングは少なくとも30%、特に少なくとも50%、特に少なくとも70%、特に少なくとも80%の透過率を有する。このコーティングで、光射出開口部38及び/又は空洞39は不可視である。コーティングは酸化金属層を有していてもよい。特にマジックミラーを形成していてもよい。
【0076】
前カバー41は、接触感応センサ装置につなげられた操作ゾーンを形成する。したがって操作ノブ3は所謂接触機能性を有する。前カバー41は特に所謂タッチスクリーン(接触感応スクリーン)として構成され得る。この場合、光射出開口部38を省略することも可能である。
【0077】
タッチスクリーンのための制御電子機器は印刷回路基板43に配設され得る。印刷回路基板43はエッジカードインターフェイス35を介して印刷回路基板32に接続されている。印刷回路基板43は特に収容空間20内に鉛直に配設される。
【0078】
前カバー41に触れることによって、ホブ2及び/又はダウンドラフト換気扇4の特定の機能が制御可能である。
タッチスクリーンは抵抗性構成、容量性構成又は誘導性構成であり得る。
【0079】
ノブリング18は前カバー41から間隔をおいて配設される。特にノブリング18と前カバー41の間にギャップ42が設けられる。ギャップ42は抗毛管効果(anti-capillary effect)を生じるのに供される。これは水分が前カバー41とノブリング18の間で電気接続を確立するのを防止する。
【0080】
1つの選択肢によれば、操作ノブ3の場合において、前カバー41の後ろの中央領域に、接触感応センサ又は感圧センサが、特にピエゾセンサ又は容量センサが配される。
上記の複数の選択肢の個々の詳細、特に中央片14でのノブリング18の配置の詳細、接触感応センサの詳細、感圧センサの詳細、及びディスプレイ装置の詳細は本質的に互いに自由に組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 ホブ引き出しシステム
2 ホブ
3 操作ノブ
4 ダウンドラフト換気扇
12 インターフェイス装置
14 中央片
18 操作要素
36 位置センサ