(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】無線充電装置の制御方法、制御装置及び無線充電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220113BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20220113BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20220113BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/80
(21)【出願番号】P 2019542082
(86)(22)【出願日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 CN2019090408
(87)【国際公開番号】W WO2020107855
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2019-08-02
(31)【優先権主張番号】201811455820.4
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 彦▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】李 志杰
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 春利
【審査官】寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-175803(JP,A)
【文献】特開2018-170905(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03203606(EP,A1)
【文献】特開2018-064333(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179337(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0062961(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 50/10
H02J 50/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線充電装置に応用され、充電器から提供される直流電力信号を無線交流電力信号に変換して、端末に対して無線充電する無線充電装置の制御方法であって、
前記端末が送信する電力調整値を受信し、前記電力調整値は、端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧と目標電圧との間の差を示すステップと、
前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を調整するステップと、を含
み、
前記電力調整値は、数学式1で示され、
【数1】
ここで、CEPvalueは前記電力調整値であり、Vtargetは前記端末が受信された無線交流電力信号の目標電圧であり、Vrectは前記端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧であり、aは調整係数であることを特徴とする無線充電装置の制御方法。
【請求項2】
前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を調整するステップは、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示す場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を向上させるステップと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示す場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を低下させるステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線充電装置の制御方法。
【請求項3】
前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整するステップは、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値より小さい場合、前記無線交流電力信号の出力電圧を向上させるステップと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値と同じである場合、前記無線交流電力信号の出力周波数を低下させるステップと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値より小さい場合、前記無線交流電力信号の出力周波数を向上させるステップと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値と同じである場合、前記無線交流電力信号の出力電圧を低下させるステップと、の中の少なくとも一つのステップを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線充電装置の制御方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記無線充電装置に降圧コンバータ回路が含まれていない場合、前記無線充電装置に接続されている充電器のタイプを確定するステップと、
確定されたタイプの充電器が電圧調整機能を備えていない場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力周波数とデューティサイクルの中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を調整するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線充電装置の制御方法。
【請求項5】
無線充電装置に応用され、充電器から提供される直流電力信号を無線交流電力信号に変換して、端末に対して無線充電する無線充電装置の制御装置であって、
前記端末が送信する電力調整値を受信し、前記電力調整値は、端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧と目標電圧との間の差を示す調整値受信モジュールと、
前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を調整する第1の制御モジュールと、を含
み、
前記電力調整値は、数学式1で示され、
【数1】
ここで、CEPvalueは前記電力調整値であり、Vtargetは前記端末が受信された無線交流電力信号の目標電圧であり、Vrectは前記端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧であり、aは調整係数であることを特徴とする無線充電装置の制御装置。
【請求項6】
前記第1の制御モジュールは、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示す場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を向上させる電力向上サブモジュールと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示す場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を低下させる電力低下サブモジュールと、を含むことを特徴とする請求項
5に記載の無線充電装置の制御装置。
【請求項7】
第1の制御モジュールは、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値より小さい場合、前記無線交流電力信号の出力電圧を向上させる電圧上昇サブモジュールと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値と同じである場合、前記無線交流電力信号の出力周波数を低下させる周波数低下サブモジュールと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値より小さい場合、前記無線交流電力信号の出力周波数を向上させる周波数上昇サブモジュールと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値と同じである場合、前記無線交流電力信号の出力電圧を低下させる電圧低下サブモジュールと、の中の少なくとも一つのサブモジュールを含むことを特徴とする請求項
5又は請求項
6に記載の無線充電装置の制御装置。
【請求項8】
前記装置は、
前記無線充電装置に降圧コンバータ回路が含まれていない場合、前記無線充電装置に接続されている充電器のタイプを確定するタイプ確定モジュールと、
確定されたタイプの充電器が電圧調整機能を備えていない場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力周波数とデューティサイクルの中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を調整する第2の制御モジュールと、をさらに含むことを特徴とする請求項
5又は請求項
6に記載の無線充電装置の制御装置。
【請求項9】
請求項
5から請求項
8のいずれか一項に記載の制御装置を含む無線充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2018年11月30日に提出した中国専利出願201811455820.4号の優先権を主張し、上記中国専利出願全ての内容を本願に引用して参考とする。本開示は、無線充電技術分野に関するものであり、特に、無線充電装置の制御方法、制御装置及び無線充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線充電技術(Wireless charging technology)の持続的な発展に伴い、ますます多くのウェアラブルデバイス、移動インテリジェント端末などの端末デバイスは、無線充電技術を利用して充電する。関連技術において、無線充電中の電力調整の方式が効率が低く、大きい電力で充電する時、端末デバイスが発熱する厳重な問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
関連技術に存在する問題を解決解決するために、本開示は、無線充電装置の制御方法、制御装置及び無線充電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本公開の実施形態に係る第1方面によると、無線充電装置の制御方法を提供し、前記方法は無線充電装置に応用され、前記無線充電装置は、充電器から提供される直流電力信号を無線交流電力信号に変換して、端末に対して無線充電し、
前記方法は、
前記端末が送信する電力調整値を受信し、前記電力調整値は、端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧と目標電圧との間の差を示すステップと、
前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を調整するステップと、を含む。
【0005】
前記方法に対して、実施可能な実現方式において、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を調整するステップは、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示す場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を向上させるステップと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示す場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を低下させるステップと、を含む。
【0006】
前記方法に対して、実施可能な実現方式において、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整するステップは、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値より小さい場合、前記無線交流電力信号の出力電圧を向上させるステップと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値と同じである場合、前記無線交流電力信号の出力周波数を低下させるステップと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値より小さい場合、前記無線交流電力信号の出力周波数を向上させるステップと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値と同じである場合、前記無線交流電力信号の出力電圧を低下させるステップと、の中の少なくとも一つのステップを含む。
【0007】
前記方法に対して、実施可能な実現方式において、前記電力調整値は、数学式1で示される。
【数1】
ここで、CEP
valueは前記電力調整値であり、V
targetは前記端末が受信された無線交流電力信号の目標電圧であり、V
rectは前記端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧であり、aは調整係数である。
【0008】
前記方法に対して、実施可能な実現方式において、前記方法は、
前記無線充電装置に降圧コンバータ回路が含まれていない場合、前記無線充電装置に接続されている充電器のタイプを確定するステップと、
確定されたタイプの充電器が電圧調整機能を備えていない場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力周波数とデューティサイクルの中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を調整するステップと、をさらに含む。
【0009】
本公開の実施形態に係る第2方面によると、無線充電装置の制御装置を提供し、前記制御装置は無線充電装置に応用され、前記無線充電装置は、充電器から提供される直流電力信号を無線交流電力信号に変換して、端末に対して無線充電し、
前記装置は、
前記端末が送信する電力調整値を受信し、前記電力調整値は、端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧と目標電圧との間の差を示す調整値受信モジュールと、
前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を調整する第1の制御モジュールと、を含む。
【0010】
前記装置に対して、実施可能な実現方式において、前記第1の制御モジュールは、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示す場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を向上させる電力向上サブモジュールと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示す場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を低下させる電力低下サブモジュールと、を含む。
【0011】
前記装置に対して、実施可能な実現方式において、第1の制御モジュールは、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値より小さい場合、前記無線交流電力信号の出力電圧を向上させる電圧上昇サブモジュールと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より小さいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値と同じである場合、前記無線交流電力信号の出力周波数を低下させる周波数低下サブモジュールと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値より小さい場合、前記無線交流電力信号の出力周波数を向上させる周波数上昇サブモジュールと、
前記電力調整値が前記実際電圧が前記目標電圧より大きいことを示し、且つ前記無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値と同じである場合、前記無線交流電力信号の出力電圧を低下させる電圧低下サブモジュールと、の中の少なくとも一つのサブモジュールを含む。
【0012】
前記装置に対して、実施可能な実現方式において、前記電力調整値は、数学式1で示される。
【数1】
ここで、CEP
valueは前記電力調整値であり、V
targetは前記端末が受信された無線交流電力信号の目標電圧であり、V
rectは前記端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧であり、aは調整係数である。
【0013】
前記装置に対して、実施可能な実現方式において、前記装置は、
前記無線充電装置に降圧コンバータ回路が含まれていない場合、前記無線充電装置に接続されている充電器のタイプを確定するタイプ確定モジュールと、
確定されたタイプの充電器が電圧調整機能を備えていない場合、前記電力調整値に基づいて、前記無線交流電力信号の出力周波数とデューティサイクルの中の少なくとも一つを調整して、前記無線交流電力信号の出力電力を調整する第2の制御モジュールと、をさらに含む。
【0014】
本公開の実施例で提供される技術方案は、以下のような有益な効果を得ることができる。本公開の実施例で提供される無線充電装置の制御方法、制御装置及び無線充電装置は、端末のバッテリー負荷電力の変化の要求を満足するとともに、端末に対して無線充電する効率を確保し、大きい電力の充電する過程で端末が発熱する厳重な状況が発生することを避けることができるので、適用範囲が広いです。
【0015】
理解すべきことは、上記の一般的な説明と後述する詳細な説明は、単に例示的で解釈的なものであり、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
ここの図面は、明細書に併合されて明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示し、明細書と一緒に本発明の原理を解釈する。
【
図1】一例示的な実施形態による無線充電システムである。
【
図2】一例示的な実施形態による無線充電装置の制御方法のフローチャートである。
【
図3】一例示的な実施形態による無線充電装置の制御方法のフローチャートである。
【
図4】一例示的な実施形態による無線充電装置の制御方法のフローチャートである。
【
図5】一例示的な実施形態による無線充電装置の制御装置のブロック図である。
【
図6】一例示的な実施形態による無線充電装置の制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、例示的な実施例について詳細に説明し、その実施例を図面に示す。図面について説明するとき、別の説明がない場合、異なる図面での同じ数は同一なまたは類似する要素を示す。以下、例示的な実施例で説明する実施方式は、本発明と一致するすべての実施方式を代表するものではない。逆に、これは添付されている請求の範囲に記載される本発明の一方面と一致する装置及び方法の一例に過ぎない。
【0018】
図1は、一例示的な実施形態による無線充電システムである。
図1に示すように、前記無線充電システムは、無線充電装置10及び端末に備えられる無線充電モジュール20を含む。ここで、無線充電装置10は、送信機1、コントローラ2及び送信コイル3を含むことができ、無線充電モジュール20は、受信コイル4、受信機5及び無線充電管理機6を含むことができる。無線充電モジュール20中の受信機5と無線充電管理機6は、端末のシステムプロセッサKと接続されてシステムプロセッサKから端末のバッテリーに対して充電するのに必要な充電情報を獲得し、システムプロセッサKから発送された配置情報に基づいて配置されることができる。
【0019】
ここで、送信機1は充電器30に接続されて、充電器30から提供される直流電力信号を受信し、コントローラ2の制御により直流電力信号を無線交流電力信号に変換し、送信コイル3によって発送される。受信コイル4は、送信コイル3から発送した無線交流電力信号を受信して受信機5に発送する。受信機5は、無線充電管理機6の制御により、無線交流電力信号を端末のバッテリーに対して充電するのに必要な直流充電電力信号に変換させる。無線充電管理機6は、直流充電電力信号に基づいて端末のバッテリーに対して充電し、端末に対して体系的な電源供給をする。
【0020】
ここで、送信機1は、フルブリッジインバータ回路又はハーフブリッジインバータ回路を含んで、直流電力信号を必要な無線交流電力信号に変換させることができる。受信機5は、整流回路、変調と復調回路を含むことができ、整流回路は、無線交流電力信号を必要な直流充電電力信号に変換し、変調と復調回路は、信号に対して変調と復調する。
【0021】
図2は、一例示的な実施形態による無線充電装置の制御方法のフローチャートである。上記の方法は、
図1に示した無線充電装置に応用されることができ、例えば、コントローラ2によって実行されることができる。前記無線充電装置は、充電器から提供された直流電力信号を無線交流電力信号に変換させ、端末に対して無線充電を行う。
図2に示すように、上記の方法は、ステップS11とステップS12を含む。
【0022】
ステップS11において、端末が送信した電力調整値を受信し、電力調整値は、端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧と目標電圧との間の差を示す。ここで、端末は、携帯電話、タブレット、スマート腕時計などであることができる。
【0023】
ステップS12において、電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも1つに対して調整して、無線交流電力信号の出力電力を調整する。
【0024】
本公開の実施例で提供される無線充電装置の制御方法は、端末から送信された電力調整値を受信し、電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも1つに対して調整して、無線交流電力信号の出力電力を調整する。上記の方法は、端末のバッテリー負荷電力の変化の要求を満足するとともに、端末に対して無線充電する効率を保証することができ、大きい電力の充電過程の中で端末が発熱する厳重な状況が発生することを避けることができるので、適用される範囲が広い。
【0025】
実施可能な方法において、端末は、自体の整流回路の出力電圧に基づいて電力調整値を決定することができる。端末は、ASK変調(Ask modulation)信号を利用して、電力調整値を無線充電装置にカップリングして、無線充電装置がASK変調信号に対して復調して、電力調整値を得る。
【0026】
実施可能な方法において、電力調整値は、数学式1によって示されることができる。
【数1】
ここで、CEP
valueは前記電力調整値であり、V
targetは前記端末が受信された無線交流電力信号の目標電圧であり、V
rectは前記端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧であり、aは調整係数である。
【0027】
ここで、端末の充電要求と無線充電装置の調整能力等に応じて調整係数の値を設定することができる。例えば、aを128に設定されることができるが、本開示は、これに限定されない。
【0028】
上記実施方式において、端末が受信した無線交流電力信号の目標電圧は、端末中のバッテリーのタイプ、定格容量と制限電圧などの情報によって決定される。また、バッテリーは異なる充電段階(トリクル充電、定電流充電、定電圧充電及び充電終了を含む)で必要される電圧が完全に同一ではないので、バッテリーの異なる充電段階に対して異なる目標電圧を設定することができる。例えば、バッテリーの定電圧充電段階では、目標電圧を4.2vに設定し、バッテリーのトリクル充電段階では、目標電圧を3vに設定することができる。当業者は、実際の必要に応じて目標電圧を設定することができ、本開示は、これに限定されない。
【0029】
上記実施方式において、電力調整値の絶対値の大きさは、無線交流電力信号の出力電力に対して調整する程度を表徴することができる。電力調整値の絶対値が大きければ大きいほど、実際電圧と目標電圧との間の差が大きく、無線交流電力信号の出力電力を調整する程度が大きい。電力調整値の絶対値が小さければ小さいほど、実際電圧と目標電圧との間の差が小さく、無線交流電力信号の出力電力を調整する程度が小さい。
【0030】
実施可能な方法において、端末が送信した電力調整値は、制御エラーパケット(control error packet、CEP)に発送されてもよい。CEPにおいて、電力調整値は、8つのビット(Bit)で示されることができる。ここで、Bit6~0は、電力調整値の具体的な数値を示すことができ、Bit7は、電力調整値の正と負を示すことができる。
【0031】
実施可能な方法において、ステップS12で、電力調整値に基づいて、端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧と所定の端末の受信しなければならない無線交流電力信号の目標電圧の大きさとの関係を決定できる。さらに、実際電圧と目標電圧との大きさの関係に基づいて、無線交流電力信号の出力電力を向上させるか又は低下するかを決定する。
図3は、一例示的な実施形態による無線充電装置の制御方法のフローチャートである。
図3に示すように、ステップS12は、ステップS121とステップS122を含むことができる。
【0032】
ステップS121において、電力調整値が実際電圧が目標電圧より小さいことを示す場合、電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、無線交流電力信号の出力電力を向上させる。
【0033】
ステップS122において、電力調整値が実際電圧が目標電圧より大きいことを示す場合、電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも一つを調整して、無線交流電力信号の出力電力を低下させる。
【0034】
ここで、電力調整値が実際電圧と目標電圧が同じであることを示す場合、無線交流電力信号の出力電力に対して調整しなくてもよい。
【0035】
実施可能な方法において、電力調整値が式1によって示され、電力調整値が0より大きい場合、実際電圧が目標電圧より小さいことを確認することができ、消費電力の調整値が0より小さい場合、実際電圧が目標電圧よりも大きいことを確定することができる。
【0036】
実施可能な方法においては、ステップS12は、次のステップのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0037】
電力調整値が実際電圧が目標電圧より小さいことを示し、且つ無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値より小さい場合、無線交流電力信号の出力電圧を向上させて、無線交流電力信号の出力電力を向上させることができる。
【0038】
電力調整値が実際電圧が目標電圧より小さいことを示し、且つ無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値と同じである場合、無線交流電力信号の出力周波数を低下させて、無線交流電力信号の出力電力を向上させることができる。
【0039】
電力調整値が実際電圧が目標電圧より大きいことを示し、且つ無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値より小さい場合、無線交流電力信号の出力周波数を向上させて、無線交流電力信号の出力電力を低下させることができる。
【0040】
電力調整値が実際電圧が目標電圧より大きいことを示し、且つ無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値と同じである場合、無線交流電力信号の出力電圧を低下させて、無線交流電力信号の出力電力を低下させることができる。
【0041】
上記実施方式において、無線交流電力信号の出力電力を向上させようとする場合、まず、無線交流電力信号の出力電圧を向上させることができる。出力電圧を電圧限界値まで斜させた後、無線交流電力信号の出力電力を続いて向上させようとする場合、無線交流電力信号の出力周波数を低下させる方式を利用して、無線交流電力信号の出力電力を継続して向上させることができる。これにより、バッテリー負荷電力要求を少ないものから多くまで、無線交流電力信号の出力電力を向上させることに満足できるとともに、無線充電の効率を最も望ましい状態に維持することを保証することができる。
【0042】
上記実施方式において、無線交流電力信号の出力電力を低下させようとする場合、まず、無線交流電力信号の出力周波数を向上させることができる。出力周波数を周波数限界値まで向上させた後、無線交流電力信号の出力電力を続いて低下させようとする場合、無線交流電力信号の出力電圧を低下させる方式を利用して、無線交流電力信号の出力電力を継続して低下させることができる。
【0043】
上記の方法を介して、無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数を調整する方法を介して無線交流電力信号の出力電力を改変させ、端末が必要となる無線交流電力信号の電力の変化の要求を満足させることができ、端末に対して無線充電する過程で充電効率を常に最も望ましい状態になるように維持することができる。
【0044】
実施可能な方法において、電力調整値の数値の大きさと調整された出力電圧と出力周波数との間の対応関係を事前に確定することができる。さらに、電力調整値を受信した後、電力調整値の数値の大きさ及び確定された対応関係に基づいて、調整する必要がある出力電圧の幅または出力周波数の幅を確定することができる。
【0045】
上記実施方式において、異なる電力調整値の数値の大きさの範囲を設定することができ、異なる数値範囲は異なる出力電圧の幅または出力周波数の範囲に対応することができる。例えば、
の範囲に設置する場合、出力電圧を20mv向上させたり低下させることができ、または出力周波数を20Hz向上させたり低下させることができる。
の範囲に設置する場合、出力電圧を30mv向上させたり低下させることができ、または出力周波数を30Hz向上させたり低下させることができる。当業者は、出力電圧と出力周波数の改変しようとする幅に対して設定することができ、本開示は、これに限定されない。
【0046】
上記実施方式において、電力調整値の数値の大きさに基づいて、上記数値の大きさに対応する出力電圧と出力周波数の幅を確定することができ、さらに、確定された幅に基づいて、無線交流電力信号の出力電力を調整することができる。
【0047】
図4は、一例示的な実施形態による無線充電装置の制御方法のフローチャートである。実施可能な方法において、
図4に示したように、前記方法は、ステップS13とステップS14を含むことができる。
【0048】
ステップS13において、無線充電装置に降圧コンバータ回路(BUCK回路とも呼ばれる)を含まない場合、無線充電装置と接続された充電器のタイプを確定する。
【0049】
上記実施方式において、充電器はDCP充電器、QC2.0充電器、QC3.0充電器、QC4.0充電器及びPDの充電器などの無線充電装置に直流電力信号を提供することができる充電器を含むことができる。ここで、PDの充電器、QC3.0充電器及びQC4.0充電器は電圧調整機能を備える。DCPの充電器とQC2.0充電器は電圧調整機能を備えていない。
【0050】
ステップS14において、確定されたタイプの充電器が電圧調整機能を備えていない場合、電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力周波数とデューティサイクル(Duty Cycle)中の少なくとも一つに対して調整して、無線交流電力信号の出力電力を調整する。
【0051】
上記実施方式において、充電器がDCP充電器またはQC2.0充電器である場合、電圧調整機能を備えていないので、この両方のタイプの充電器は、出力周波数及び/またはデューティサイクルを調整する方法を利用して、無線交流電力信号の出力電力を調整することができる。ここで、電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力電力を低下しようとする場合、まず、無線交流電力信号の出力周波数を向上させることができる。出力周波数を周波数限界値まで向上させた後、無線交流電力信号の出力電力を続いて低下させようとする場合、デューティサイクルを低下させる方式を利用して、無線交流電力信号の出力電力を継続して低下させることができる。電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力電力を向上させようとする場合、無線交流電力信号の出力周波数を低下させたり、無線交流電力信号のデューティサイクルを向上させることができる。
【0052】
実施可能な方法において、無線充電装置に降圧コンバータ回路が含まれている場合、無線充電装置に接続されている充電器の種類について識別しなくてもよく、ステップS12の出力電力を調整する方法を直接的に利用して、無線交流電力信号の出力電力を調整することができる。
実施可能な方法において、無線充電装置に降圧コンバータ回路が含まれておらず、無線充電装置に接続されている充電器が電圧調整機能を備える場合、同様に、ステップS12の出力電力を調整する方法を利用して、無線交流電力信号の出力電力を調整することができる。
【0053】
これにより、接続されている充電器が電圧調整機能を備えているかどうかにかかわらず、本開示で提供される方法は、無線充電装置から送信される無線交流電力信号の出力電力に対して調整できるので、適用される範囲が広いです。
【0054】
ただし、上記の実施例は、例示的に、無線充電装置の制御方法を上記のように例示しているが、当業者にとって、本開示は、これに限定されないことを理解することができる。事実上、本公開の技術方案にふさわしい場合は、ユーザーは個人的な愛好及び/または実際のアプリケーションのシーンに基づいて、各ステップをスムーズに設定することができます。
【0055】
図5は、一例示的な実施形態による無線充電装置の制御装置のブロック図である。前記無線充電装置の制御装置は、無線充電装置に応用される。前記無線充電装置は、充電器から提供される直流電力信号を無線交流電力信号に変換して、端末に対して無線充電を行う。
図5に示すように、前記無線充電装置の制御装置は、調整値受信モジュール41と、第1の制御モジュール42とを含むことができる。上記調整値受信モジュール41は、端末が送信した電力調整値を受信し、電力調整値は、端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧と目標電圧との間の差を示すように配置される。前記第1の制御モジュール42は、電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数の中の少なくとも1つに対して調整して、無線交流電力信号の出力電力を調整するように配置される。
【0056】
図6は、一例示的な実施形態による無線充電装置の制御装置のブロック図である。実施可能な方法において、
図6に示すように、第1の制御モジュール42は、電力向上サブモジュール421と、電力低下サブモジュール422とを含むことができる。上記電力向上サブモジュール421は、電力調整値が実際電圧が目標電圧より小さいことを示す場合、電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数のうちの少なくとも一つを調整して、無線交流電力信号の出力電力を向上させるように配置される。上記電力低下サブモジュール422は、電力調整値が実際電圧が目標電圧より大きいことを示す場合、電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力電圧と出力周波数のうちの少なくとも一つを調整して、無線交流電力信号の出力電力を低下させるように配置される。
【0057】
実施可能な方法において、第1の制御モジュール42は、電圧上昇サブモジュール、周波数低下サブモジュール、周波数上昇サブモジュール及び電圧低下サブモジュールの中の少なくとも一つのサブモジュールを含むことができる。
【0058】
ここで、前記電圧上昇サブモジュールは、電力調整値が実際電圧が目標電圧より小さいことを示し、且つ無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値より小さい場合、無線交流電力信号の出力電圧を向上させるように配置される。上記周波数低下サブモジュールは、電力調整値が実際電圧が目標電圧より小さく、無線交流電力信号の出力電圧が電圧限界値と同じである場合、無線交流電力信号の出力周波数を低下させるように配置することができる。上記周波数上昇サブモジュールは、電力調整値が実際電圧が目標電圧より大きいことを示し、且つ無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値より小さい場合、無線交流電力信号の出力周波数を向上させるように配置されることができる。上記電圧低下サブモジュールは、電力調整値が実際電圧が目標電圧より大きいことを示し、且つ無線交流電力信号の出力周波数が周波数限界値と同じである場合、無線交流電力信号の出力電圧を低下させるように配置されることができる。
【0059】
実施可能な方法において、電力調整値は、数学式1によって示されることができる。
【数1】
ここで、CEP
valueは前記電力調整値であり、V
targetは前記端末が受信された無線交流電力信号の目標電圧であり、V
rectは前記端末が受信された無線交流電力信号の実際電圧であり、aは調整係数である。
【0060】
実施可能な方法において、
図6に示したように、前記装置は、タイプ確定モジュール43及び第2の制御モジュール44を含むことができる。上記タイプ確定モジュール43は、無線充電装置に降圧コンバータ回路が含まれていない場合、無線充電装置に接続されている充電器のタイプを確定するように配置されることができる。前記第2の制御モジュール44は、確定されたタイプの充電器が電圧調整機能を備えていない場合、電力調整値に基づいて、無線交流電力信号の出力周波数とデューティサイクルの中の少なくとも一つを調整して、無線交流電力信号の出力電力を調整するように配置されることができる。
【0061】
本公開の実施例で提供される無線充電装置の制御装置は、端末のバッテリー負荷電力の変化の要求を満足するとともに、端末に対して無線充電する効率を確保し、大きい電力の充電過程の中で端末が発熱される厳重な状況の発生を回避することができるので、適用範囲が広いです。
【0062】
ただし、上記の実施例は、例示的に、無線充電装置の制御装置を上記のように例示しているが、当業者にとって、本開示は、これに限定されないことを理解することができる。事実上、本公開の技術方案にふさわしい場合は、ユーザーは個人的な愛好及び/または実際のアプリケーションのシーンに基づいて、各モジュールをスムーズに設定することができます。
【0063】
本公開の実施例では、無線充電装置をさらに提供し、これは前記無線充電装置の制御装置を含む。
【0064】
当該分野の技術者が明細書を考慮して、開示された内容を実践した後、本開示の他の実施案を容易に考えることができる。本出願は、本開示の任意の変形、用途または適応性の変化をカバーし、これらの変形、用途または適応性の変化は、本開示の一般的な原理に応じて、本開示では開示されていない当該分野の公知常識や慣用技術手段を含む。明細書及び実施例は例示的なものであり、本開示の真の範囲と精神は添付されている請求範囲で示す。
【0065】
理解すべきことは、本開示は、上記の内容及び図面に示された構造に限定されず、その範囲を逸脱しない限り、各種の変更及び変更を行うことができる。本開示の範囲は、添付されている特許請求の範囲のみによって限定される。