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特許7002567静電的な方法を使用して、取り扱われる部品の変更に自動的に適合し、隅々まで又は余白を持たせて配置してフィルムを切断するためのシステムを有する、2つの面に同時に作用して平面に一時的な又は永久的な保護フィルムを貼り付けるための産業機械
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  • 特許-静電的な方法を使用して、取り扱われる部品の変更に自動的に適合し、隅々まで又は余白を持たせて配置してフィルムを切断するためのシステムを有する、2つの面に同時に作用して平面に一時的な又は永久的な保護フィルムを貼り付けるための産業機械 図1
  • 特許-静電的な方法を使用して、取り扱われる部品の変更に自動的に適合し、隅々まで又は余白を持たせて配置してフィルムを切断するためのシステムを有する、2つの面に同時に作用して平面に一時的な又は永久的な保護フィルムを貼り付けるための産業機械 図2
  • 特許-静電的な方法を使用して、取り扱われる部品の変更に自動的に適合し、隅々まで又は余白を持たせて配置してフィルムを切断するためのシステムを有する、2つの面に同時に作用して平面に一時的な又は永久的な保護フィルムを貼り付けるための産業機械 図3
  • 特許-静電的な方法を使用して、取り扱われる部品の変更に自動的に適合し、隅々まで又は余白を持たせて配置してフィルムを切断するためのシステムを有する、2つの面に同時に作用して平面に一時的な又は永久的な保護フィルムを貼り付けるための産業機械 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】静電的な方法を使用して、取り扱われる部品の変更に自動的に適合し、隅々まで又は余白を持たせて配置してフィルムを切断するためのシステムを有する、2つの面に同時に作用して平面に一時的な又は永久的な保護フィルムを貼り付けるための産業機械
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/02 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
B29C63/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019564576
(86)(22)【出願日】2017-02-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2017000208
(87)【国際公開番号】W WO2018145721
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】519292796
【氏名又は名称】アシディウム
【氏名又は名称原語表記】ASIDIUM
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100168273
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 昌稔
(72)【発明者】
【氏名】ミリオティ,ステファン
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-305826(JP,A)
【文献】特開平01-178433(JP,A)
【文献】特表2006-523150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 63/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護対象の製品の平面に、一時的な又は永久的な保護フィルムを前記保護対象の製品が直立した状態で貼り付けるための産業機械であって、アプリケーターローラー上の所定の位置に前記フィルムを配置及び保持するための静電的な方法を使用して、両面に同時に作用することによって、かつ、前記保護対象の製品の型の変更に自動的に適合することによって、隅々まで又は余白を持たせて前記フィルムを配置し、前記フィルムを切断するための自動的なシステムを有し、前記機械は、
・前記保護対象の製品を搬送及び配置するためのシステムが設けられた、全体の集合体と、
・2つのフィルムコーティングモジュール(r及びs)であって、垂直方向に及び水平方向にそれらを移動させるための構造体のリニアガイド上に配置され、一方のフィルムコーティングモジュールが前記製品の正面を被覆し、他方のフィルムコーティングモジュールが前記同じ製品の背面を被覆する、2つのフィルムコーティングモジュールと、
・前記保護対象の製品の寸法に応じて、前記機械の様々なモジュールを制御するためのプログラムを有する制御器と、
によって特徴付けられる、機械。
【請求項2】
前記全体の集合体は、
・固定位置における少なくとも1つのモーター駆動の導入ローラー(a)、及び、水平方向に移動可能であり、アクチュエータ(c)によって作動し、入口に前記保護対象の製品を搬送及び配置するために、前記1つ又は複数のモーター駆動のローラーに対称に配置された、少なくとも1つのフリーの導入ローラー(b)と、
・前記1つ又は複数の導入ローラー(a及びb)の後に続く、前記保護対象の製品の位置を判断するための検出セル(d)と、
・固定位置における少なくとも1つのモーター駆動の排出ローラー(e)、及び、水平方向に移動し、1つ又は複数のアクチュエータ(g)によって作動し、出口に前記保護対象の製品を搬送及び配置するために、前記1つ又は複数のモーター駆動のローラーに対称に配置された、少なくとも1つのフリー及び移動可能な排出ローラー(f)と、
・前記リニアガイドを有する2つの垂直ビーム(h)、及び、前記フィルムコーティングモジュールを垂直方向に移動及び配置するための2つの垂直方向に移動する部品(i)と、
から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の、保護対象の製品の平面の両面に、一時的な又は永久的な保護フィルムを前記保護対象の製品が直立した状態で貼り付けるための産業機械。
【請求項3】
各フィルムコーティングモジュール(r及びs)は、
・前記保護対象の製品上に前記フィルムを被覆するアプリケーターローラー(l)と、
・電荷発生装置に接続され、かつ前記アプリケーターローラー(l)から5mmから25mmの範囲にある距離に配置され、前記フィルムの位置を正確に保持しつつ、前記フィルムが前記アプリケーターローラー(l)に接着することを可能にする静電荷バー(m)と、
・前記アプリケーターローラー(l)の底部軸線と切断点との間の距離にフィルムが被覆されずに残る前記保護対象の製品の部分を加えた距離に等しい距離だけ、前記保護対象の製品側における前記アプリケーターローラー(l)の軸線から垂直方向に前記保護対象の製品の後端が離れた状態に前記保護対象の製品が配置されたとき、前記アプリケーターローラー(l)に接している前記フィルムを切断するための切断モジュール(n)と、
・フィルムのロールと前記アプリケーターローラー(l)との間の適正な角度を保持する役割を担う偏向ローラー(o)と、
・前記電荷バーの下方に前記フィルムを配置し、かつ前記ローラー(l)に対して前記フィルムを保持するために、前記フィルムと前記アプリケーターローラー(l)との間の接触面積を増加させるシリコーンバッキングローラー(p)と、
・前記フィルムのロールを支え、巻き戻しブレーキシステムを備えるスピンドル(q)と、
から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の、保護対象の製品の平面の両面に、一時的な又は永久的な保護フィルムを前記保護対象の製品が直立した状態で貼り付けるための産業機械。
【請求項4】
前記正面のフィルムコーティングモジュール(r)は、前記保護対象の製品の厚さに応じて必要な距離で水平方向に位置取りするため、及び、適切なフィルムコーティング圧を発揮するために、リニアガイド(j)を有するアクチュエータに取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載の、保護対象の製品の平面の両面に、一時的な又は永久的な保護フィルムを前記保護対象の製品が直立した状態で貼り付けるための産業機械。
【請求項5】
リンケージシステム(k)上で移動可能である前記背面のフィルムコーティングモジュール(s)は、前記モジュールが前記保護対象の製品に接していないときの格納位置、及び前記モジュールがゼロ点に配置されるときの拡張位置の2つの位置を有し、前記アプリケーターローラー(l)は、前記保護対象の製品をフィルムコートするために、前記導入ローラー(a)及び前記排出ローラー(e)に平行かつ一直線に並ぶことを特徴とする、請求項2又は3に記載の、保護対象の製品の平面の両面に、一時的な又は永久的な保護フィルムを前記保護対象の製品が直立した状態で貼り付けるための産業機械。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の機械を使用する、一時的な又は永久的な保護フィルムを貼り付ける方法であって、前記機械の様々なモジュール及びコンポーネントの自動的な制御が、次の順番で実行されることを特徴とする、方法。
・オペレータは、1枚の前記保護対象の製品を配置し、サイクルを開始する。
・前記保護対象の製品は、前記保護対象の製品を完全に覆うために必要な幅を計算することを可能にする他の手段によって既に通知されている前記機械に向かって移動する。
・前記2つのフィルムコーティングモジュール(r及びs)は、前記フィルムのロールの底部が1枚の前記保護対象の製品の下端に前記余白の高さを加えた高さになるように、特定の高さに位置する。
・前記保護対象の製品が横方向に移動し、前記導入ローラー(a及びb)が接近し、枠組みに将来取り付けるために空けておく前記余白に等しい距離だけ、前記保護対象の製品側における前記アプリケーターローラー(l)の軸線から垂直方向に前記保護対象の製品の端が離れた状態で、前記2つのフィルムコーティングモジュール(r及びs)の間に1枚の前記保護対象の製品を配置し、前記フィルムの端は、前記アプリケーターローラー(l)の軸線上に配置される。
・前記背面のフィルムコーティングモジュール(s)は、保護対象の前記製品に接するように、前記導入ローラー(a及びb)及び前記排出ローラー(e及びf)と一直線上に、ゼロ点に配置されるように前進する。
・前記正面のフィルムコーティングモジュール(r)が接近し、保護対象の前記保護対象の製品に接するように前記アプリケーターローラー(l)を配置する。
・前記導入ローラー(a及びb)が前記保護対象の製品を横方向に移動させ、前記フィルムが両側に貼り付けられる。
・セル(d)が前記保護対象の製品の後端を検出し、前記排出ローラー(e及びf)は、前記導入ローラー(a及びb)から前記保護対象の製品を受け取り、前記アプリケーターローラーの軸線と前記切断点との間の距離にフィルムが被覆されずに残る前記保護対象の製品の部分を加えた距離に等しい距離だけ、前記アプリケーターローラー(l)の軸線から前記保護対象の製品の後端が離れた状態に前記保護対象の製品を配置する。
・切断モジュール(n)が起動し、前記フィルムを切断する。
・前記排出ローラー(e及びf)は、フィルムが被覆されずに残る前記余白に等しい距離にて、前記アプリケーターローラー(l)の軸線から前記保護対象の製品の後端が離れた状態に前記保護対象の製品を位置させる。
・前記フィルムコーティングモジュール(r及びs)が離れ、前記保護対象の製品が後退し、そして、前記同じモジュールは、次のテープを貼り付けるために、適切な高さに位置する。
・前記サイクルが再度開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面に一時的な又は永久的な保護フィルムを垂直な状態で貼り付けるための産業機械に関する。産業機械は、アプリケーターローラー上の所定の位置にフィルムを保持するための静電的な方法を使用して、両面に同時に作用することによって、かつ、取り扱う部品の型の変更に自動的に適合することによって、隅々まで又は余白を持たせてフィルムを配置し(特に、一時的に保護することによって損傷なく窓枠にガラスを取り付ける目的のためのガラスのフィルムコーティングシートという観点において、ガラスは、セットバックを残しながらフィルムコートされている)、フィルムを切断するための自動的なシステムを有する。
【背景技術】
【0002】
(必要性)
2つの面に一時的な又は永久的なフィルムを被覆するための必要性は、多くの産業活動、特に建物にガラスを取り付ける分野において生じている。
【0003】
建物に取り付けるためのガラスの製造業者の大部分は、一時的な保護なしでガラスを販売しており、保護は、必要に応じて、設置の準備が完了した窓枠にガラスを設置する窓の製造元、又は、窓を担当する建設会社のどちらかによって、事後的に整えられることがある。窓を保護する作業は、多大な労力を必要とするとともに、その施工が窓枠で行われるために手作業となる結果として主要なコストの要因となる。さらに、枠組みを組み立てて建設現場にガラスを設置する前に、ガラス自身は、搬送され、保管され、いくつかの場所で取り扱われ、このことは、かすり傷又は損傷の相応のリスクを生じさせる。結果として、現場でガラスが損傷することによる不良品発生率は、特に、一時的な保護の欠如によって引き起こされる損傷のため無視できない。
【0004】
そのような損傷から生じる品質の低下を抑制するために、ガラスの製造業者(及び平坦な製品を供給するその他の部門)は、自動的な方法、かつ、生産ラインの生産性を低下させない方法で、工場内の空間において、一時的にフィルムを貼り付けようと努める。このことは、一時的な保護フィルムが一時的な保護の一部を除去する必要なくその枠内に設置されうるようにガラスの周囲全体にセットバックを持たせて、ガラスの両面を同時にフィルムコーティングするための解決策を見つけることに興味がある理由である。具体的には、ガラスの周囲は、ガラスを固定し、窓にガラスを保持する役割を担う枠組みの溝(又はその等価物)に受け入れられる。したがって、一時的な保護フィルムがいったん所定の位置に配置されたら、その貼り付けがガラスの周囲の位置で停止することが重要である。さもなければ、保護フィルムがガラスと枠組みの間に挟まれ、このことが、建物を仕上げるときにフィルムを容易に除去することを妨げるであろう。
【0005】
ガラスの製造業者は、彼らが製造するガラス製品が頻繁に異なる寸法を有するという点において、別の制約を有する。一方、次々に製造装置から出るガラスの部品が任意の寸法を有するように、製造は、寸法に関係なく連続的に行われる(ガラスの組み立てラインは、異なる寸法を有する大量のガラスの部品を製造するように設計されており、同じサイズを有する長尺のガラスの部品を製造するのではない。さらに、ガラスの組み立てラインは、通常1分未満で1つのガラスの部品を製造する)。したがって、製造サイクル中において、ガラスの部品のサイズを検出するために自動でのフィルムコーティング技術自身が作用するとともに、自動でのフィルムコーティング技術は、人が介入することなく両面の保護を実行することが重要である。
【0006】
ガラスの製造業者に対するもう1つの制約は、設置面積を確実に節約するために、ガラスの製造業者は、一般的に垂直方式にて、彼らの製品を製造し、保管し、そして取り扱うという事実にある。結果として、フィルムコーティングの方法は、垂直方式にて、一般的には6°で傾斜した状態で、基板を搬送し、被覆し、そして送り出すように実施されることを必要とする。
【0007】
(既存の技術に関して)
最新技術では、本発明に部分的に関連する4つの技術(周囲にセットバックを持たせて、多かれ少なかれ垂直位置で一時的にフィルムコーティングすること)があり、それらは両面を同時にフィルムコーティングする原理を満足しないと理解される。
・第1の技術は、ガラスプレートなどの基板上で、垂直な状態にてフィルムを付着させる方法に関する特許番号FR 2 852 553の主題を構成し、ガラスの端から距離を置いてフィルムコーティングを開始できる。そして、この方法は、(窓のサイズに応じて)複数のフィルムのリールからフィルムが構成され、複数のフィルムのリールが、必要な数のテープを配置し、所定の位置にフィルムを保持するための吸引技術を使用し(請求項19)、熱線によってフィルムを切断するための別の装置を使用する(請求項20)ことを特徴とする。この技術は、フィルムが十分な精度で保持されておらず、それによって、ガラス上のフィルムの位置決めに大きな公差が生じるという点でいくつかの欠点を有する。また、吸引を用いてフィルムを保持する技術は、吸引装置に接する部分を超えてフィルムを適切に貼り付けることができないので、仕上げローラーを備える必要がある。さらに、フィルムの燃焼は、切断が起こる箇所においてフィルムに微小なうねりを生じさせるので、フィルムを熱切断する方法ではフィルムを正確に切断することができない。結局、当該特許は、単一の面又は2つの面の貼り付けに対してその技術を使用できると述べているものの、どの請求項も、2つの面を同時に被覆できる技術を示唆する程度まで、貼り付けを達成する方法を明示していない。
・第2の特許US 7 691 220は、第1の特許(同じ図3)の後に同じ発明者によって出願されており、熱切断の方法とともに、吸引手段によってフィルムを保持した状態でフィルムを付着させるための技術が記載されている。仕上げローラーを使用する必要がないため加工時間がより早いとともに、より良い切断の精度を示す静電的な方法による本発明の技術とは、この技術は大きく異なる。
・第3の技術(知的財産の保護の主題を構成しない)もまた、ガラスの余白を管理しながらフィルムを付着させることに匹敵する原理に基づいている。その技術は、フィルムのリールを適用することに類似する方法を使用するカーディナル社(米国)によって実行されており、基板は、他の技術と同様に多かれ少なかれ垂直な状態で配置されている。これに対して、上記の技術との主要な相違点は、フィルムコーティングモジュールがガラスの上方を移動することである(一方、他の発明では、フィルムコーティングモジュールの下方を移動するのはガラスである)。どのような状況下であっても、その機械は、被覆が瞬間的であるかどうかにかかわらず、両面を被覆することを可能にしない。
・第4の技術(及び本特許に最も近い技術)は、出願番号1601085で本発明者によって出願された。それは、一時的な又は永久的な保護フィルムを水平な状態で貼り付けるための産業機械に関し、フィルム又はフラップの廃棄をもたらすことなく、「隅々まで」被覆する方法を使用することによって、処理される媒体上でフィルムを切断し、配置し、貼り付けるための自動的なシステムを有する。そして、産業機械は、アプリケーターローラーと、静電荷バーと、フィルムを切断するための切断モジュールと、バッキングローラーと、フィルムコーティングモジュールを支持するアクチュエータとを有するフィルムコーティングモジュール、たわみを補正するための他のモジュール、基板を搬送及び配置するためのシステム、及び、適切なサーボ制御、によって特徴付けられる。静電的にフィルムを保持する技術を組み込んだその機械は、フィルムの被覆が水平方式にて1つの面に対して行われるという点で本発明と異なる(それは、平らなガラス製品以外の用途向けである)。それにもかかわらず、その技術原理は、フィルムを保持及び配置するために静電的な方法を使用する点、及び、いくつかの詳細な点で比較できるフィルムコーティングモジュールを含む点において類似する。
【0008】
したがって、本発明は、平面に一時的な又は永久的な保護フィルムを垂直な状態で貼り付けることに対する必要性を満たす目的で出願され、隅々まで又は余白を持たせて配置して切断するための両面に同時に作用する自動的なシステムを有し、本発明は、取り扱う部品の型の変更に自動的に適合し、フィルムを配置及び保持するための静電的な方法を使用する。本発明は、以下を提供することを目的とする。
・セットバックを有する状態で、又はセットバックを有することなく両面に同時に貼り付けること、
・吸引及び熱切断を含む技術より、より正確に切断すること、
・生産性を低下させることなく、製造ラインに組み込むことを可能にするための十分な速度。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、平面に一時的な又は永久的な保護フィルムを垂直な状態で貼り付けるための産業機械に関し、アプリケーターローラー上の所定の位置にフィルムを配置及び保持するための静電的な方法を使用して、両面に同時に作用することによって、かつ、取り扱う部品の型の変更に自動的に適合することによって、隅々まで又は余白を持たせてフィルムを配置し(特に、一時的に保護することによって損傷なく窓枠にガラスを取り付ける目的のためのガラスのフィルムコーティングシートという観点において、ガラスは、セットバックを残しながらフィルムコートされている)、フィルムを切断するための自動的なシステムを有する。機械は、以下によって特徴付けられる。
・「スタンド」とも呼ばれる全体の集合体(図1)であって、全体の集合体は、以下から構成される。
・固定位置における少なくとも1つのモーター駆動の導入ローラー(a)、及び、水平方向に移動可能であり、アクチュエータ(c)によって作動し、入口に保護対象の製品を搬送及び配置するために、1つ又は複数のモーター駆動のローラーに対称に配置された、少なくとも1つのフリーの導入ローラー(b)。
・1つ又は複数の導入ローラー(a及びb)の後に続く、基板の位置を判断するための検出セル(d)。
・固定位置における少なくとも1つのモーター駆動の排出ローラー(e)、及び、水平方向に移動し、1つ又は複数のアクチュエータ(g)によって作動し、出口に保護対象の製品を搬送及び配置するために、1つ又は複数のモーター駆動のローラーに対称に配置された、少なくとも1つのフリー及び移動可能な排出ローラー(f)。
・リニアガイドを有する2つの垂直ビーム(h)、及び、フィルムコーティングモジュール(図2及び3)を垂直方向に移動及び配置するための2つの垂直方向に移動する部品(i)。
・特許番号1601085の技術に従って設計された2つのフィルムコーティングモジュール。すなわち、
・保護対象の基板の厚さに応じて必要な距離で水平方向に位置取りするため、及び、適切なフィルムコーティング圧を発揮するために、リニアガイド(j)を有するアクチュエータに取り付けられている正面のフィルムコーティングモジュール(r)(図2)。
・リンケージシステム(k)上で移動可能である背面のフィルムコーティングモジュール(s)(図3)は、格納位置(モジュールが基板に接していない)及び拡張位置(モジュールがゼロ点に配置される)の2つの位置を有し、アプリケーターローラー(l)は、基板をフィルムコートするために、導入ローラー(a)及び排出ローラー(e)に平行かつ一直線に並ぶ。
・取り扱う媒体の寸法に応じて、機械の様々なモジュールを制御するためのプログラムを有する制御器。
【0010】
各フィルムコーティングモジュール(r及びs)は、以下から構成される。
・媒体上にフィルムを被覆するアプリケーターローラー(l)。
・電荷発生装置に接続され、かつアプリケーターローラー(l)から5mmから25mmの範囲にある距離に配置され、フィルムの位置を正確に保持しつつ、フィルムがアプリケーターローラー(l)に接着することを可能にする静電荷バー(m)。
・アプリケーターローラー(l)の底部軸線(l'axe inferieur)と基板の後端との間の距離にオペレータの設定に従って保持される端部(「セットバック」とも呼ばれる)を加えた距離に等しい距離だけローラーの底部軸線から離れたとき、アプリケーターローラー(l)に接しているフィルムを切断するための切断モジュール(n)。
・フィルムのロールとアプリケーターローラー(l)との間の適正な角度を保持する役割を担う偏向ローラー(o)。
・電荷バーの下方にフィルムを配置し、かつローラー(l)に対してフィルムを保持するために、フィルムとアプリケーターローラー(l)との間の接触面積を増加させるシリコーンバッキングローラー(p)。
・フィルムのロールを支え、巻き戻しブレーキシステムを備えるスピンドル(q)。
【0011】
特許出願番号1601085と比較して、フィルムコーティングモジュール(r及びs)は、偏向ローラー(o)及びロールを支えるスピンドル(q)を組み込んでいる点で異なる。
【0012】
機械は、以下の通り操作される。
・オペレータは、入力コンベアに1枚のガラスを配置し、サイクルを開始する。
・1枚のガラスは、1枚のガラスを完全に覆うために必要な幅を計算することを可能にする他の手段(自動検出、製造ライン又はオペレータからの情報)によって既に通知されている機械に向かって移動する。
・2つのフィルムコーティングモジュール(r及びs)(図2及び3)は、フィルムのロールの底部が1枚のガラスの下端に余白(余白は、枠組みに取り付けられるために保護されずに残る)の高さを加えた高さになるように、特定の高さに位置する。
・ガラスが横方向に移動し、導入ローラー(a及びb)が接近し、枠組み(コントロールパネルで規定される情報)に将来取り付けるために空けておく余白に等しい距離だけ、アプリケーターローラー(l)の軸線からガラスの端が離れた状態で、2つのフィルムコーティングモジュール(r及びs)(図2及び3)の間に1枚のガラスを配置し、フィルムの端は、アプリケーターローラー(l)の軸線上に配置される。
・背面のフィルムコーティングモジュール(s)(図3)は、保護対象の製品に接するように、導入ローラー(a及びb)及び排出ローラー(e及びf)と一直線上に、ゼロ点に配置されるように前進する。
・正面のフィルムコーティングモジュール(r)(図2)が接近し、保護対象のガラスに接するようにアプリケーターローラー(l)を配置する。
・導入ローラー(a及びb)がガラスを横方向に移動させ、フィルムが両側に貼り付けられる。
・セル(d)がガラスの後端を検出し、排出ローラー(e及びf)は、導入ローラー(a及びb)からガラスを受け取り、アプリケーターローラーの軸線と切断点との間の距離にフィルムが被覆されずに残るガラスの部分を加えた距離に等しい距離だけ、アプリケーターローラー(l)の軸線からガラスの後端が離れた状態にガラスを配置する。
・切断モジュール(n)が起動し、フィルムを切断する。
・排出ローラー(e及びf)は、フィルムが被覆されずに残る余白に等しい距離にて、アプリケーターローラー(l)の軸線からガラスの後端が離れた状態にガラスを位置させる。
・フィルムコーティングモジュール(r及びs)(図2及び3)が離れ、ガラスが後退し、そして、同じモジュールは、次のテープを貼り付けるために、適切な高さに位置する。
・サイクルが再度開始する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】フィルムコーターが記載されていない構造体の図である。
図2】フィルムコーティングモジュールの正面図である。
図3】フィルムコーティングモジュールの背面図である。
図4】導入及び排出コンベアを備える組み立てられた機械の図である。
【符号の説明】
【0014】
a モーター駆動の導入ローラー
b フリーの導入ローラー
c 導入ローラーのためのアクチュエータ
d 検出セル
e 固定位置のモーター駆動の排出ローラー
f フリー及び移動可能な排出ローラー
g 排出ローラーのためのアクチュエータ
h リニアガイドを有する垂直ビーム
i 垂直方向に移動する部品
j 正面のフィルムコーティングモジュールのためのリニアガイド
k 背面のフィルムコーティングモジュールのためのリンケージシステム
l アプリケーターローラー
m 静電荷バー
n 切断モジュール
o 偏向ローラー
p シリコーンバッキングローラー
q フィルムロールの支え
r 正面のフィルムコーティングモジュール
s 背面のフィルムコーティングモジュール
図1
図2
図3
図4