IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノバルティス アーゲーの特許一覧

特許70025872-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-B][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドの錠剤
<>
  • 特許-2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-B][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドの錠剤 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-B][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドの錠剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/53 20060101AFI20220113BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220113BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220113BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220113BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20220113BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20220113BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20220113BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220113BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A61K31/53
A61K9/20
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/20
A61K47/32
A61K47/04
A61K47/12
A61P35/00
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020058164
(22)【出願日】2020-03-27
(62)【分割の表示】P 2017504062の分割
【原出願日】2015-07-22
(65)【公開番号】P2020114852
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2020-04-06
(31)【優先権主張番号】62/028,865
(32)【優先日】2014-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【弁理士】
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ゴンサルヴェス,エリザベート
(72)【発明者】
【氏名】タウフマン,クリスティン
(72)【発明者】
【氏名】イェン,シャウ-フォン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッパグンタ,スーダ
(72)【発明者】
【氏名】ゾン,ジーシン
【審査官】古閑 一実
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-520976(JP,A)
【文献】特表2013-530243(JP,A)
【文献】特表2006-527260(JP,A)
【文献】特表2009-502807(JP,A)
【文献】医薬品添加物事典 2007,第1刷,株式会社 薬事日報社,2007年07月25日,p.93, 97
【文献】YAKUGAKU ZASSHI,2003年,Vol.123, No.7,p.477-493
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 1/00-43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤であって、
(a)
10~30重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩、
10~30重量%のマンニトール、
10~30重量%の微結晶セルロース
0~1重量%のドデシル硫酸ナトリウム
1~10重量%のポリビニルポリピロリドン、および
1~10重量%のポリビニルピロリドン
を含む内部顆粒相、ならびに
(b)
10~30重量%の微結晶セルロース
0.1~1重量%のコロイド状二酸化ケイ素
1~10重量%のポリビニルポリピロリドン、および
0.1~1重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む外部顆粒相
を含み、それぞれの成分につき示された百分率は前記錠剤の総重量に対するものである、錠剤。
【請求項2】
5mg、10mg、20mg、25mg、40mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、200mg、250mg、または500mgの遊離塩基形態に相当する量の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩を含む、請求項1に記載の錠剤。
【請求項3】
癌の治療のための、請求項1または2に記載の錠剤。
【請求項4】
前記癌が固形腫瘍である、請求項3に記載の錠剤。
【請求項5】
前記癌が、肺癌、肝癌、胃癌、グリア芽腫、乳癌、胃癌、腎癌、または鼻咽頭癌である、請求項3または4に記載の錠剤。
【請求項6】
前記癌が、非小細胞性肺癌、肝細胞癌、または腎細胞癌である、請求項3から5のいずれか一項に記載の錠剤。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プロテインキナーゼ(PK)は、とりわけ、細胞の増殖、生存、および分化、器官形成
および形態発生、新生血管形成、組織の修復および再生などを含む、多様で重要な生物学
的プロセスを調節する酵素のグループである。プロテインキナーゼのサブセット(発癌プ
ロテインキナーゼとも呼ばれる)が調節不全の場合、腫瘍の形成および増殖を引き起こし
、腫瘍の維持および進行にさらに寄与する可能性がある(Blume-Jensen P. et al., Natu
re 2001, 411(6835):355-365)。今のところ、発癌プロテインキナーゼは、癌の介入およ
び薬物開発に関するタンパク質標的の、最も大きく、かつ最も魅力的なグループのうちの
1つを表わす。プロトオンコジーンであるc-Metは、ヘテロ二量体性受容体型チロシ
ンキナーゼ固有のサブファミリーのメンバーであり、これらのメンバーには、Met、R
on、およびSeaが含まれる(Birchmeier, C. et al., Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 2
003, 4(12):915-925、Christensen, J. G. et al., Cancer Lett. 2005, 225(1):1-26)
。正常組織および癌などのヒト悪性腫瘍におけるc-Metの生物学的機能(またはc-
Metシグナル伝達経路)は、文献で十分に実証されてきている(Christensen, J.G. et
al., Cancer Lett. 2005, 225(1):1-26、Corso, S. et al., Trends in Mol. Med. 2005
, 11(6):284-292)。
【0002】
c-Met経路の調節不全は、腫瘍の形成、増殖、維持および進行において、重要な、
時には原因となる(遺伝子変化した場合)役割を果たす(Birchmeier, C. et al., Nat.
Rev. Mol. Cell. Biol. 2003, 4(12):915-925、Boccaccio, C. et al., Nat. Rev. Cance
r 2006, 6(8):637-645、Christensen, J.G. et al., Cancer Lett. 2005, 225(1):1-26)
。HGF(c-Metに対する抗親和性リガンドである肝細胞増殖因子)および/または
c-Metは、ほとんどのヒト癌の大部分に過剰発現し、多くの場合、より侵攻性の疾患
、疾患の進行、腫瘍転移、および患者の生存期間の短縮などの不良臨床転帰に関与する。
さらに、HGF/c-Metタンパク質が高レベルの患者は、化学療法および放射線療法
に対してより抵抗性である。c-Metが関連する種々の癌としては、これらに限定され
るものではないが、癌腫(例えば、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆管癌、結腸直腸癌、食道
癌、胃癌、頭頚部癌、腎癌、肝癌、肺癌、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、甲状腺
癌);骨格筋肉腫(例えば、骨肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫);軟組織肉腫(例えば、M
FH/線維肉腫、平滑筋肉腫、カポジ肉腫);造血器悪性腫瘍(例えば、多発性骨髄腫、
リンパ腫、成人T細胞白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病);ならびに他の新
生物(例えば、グリア芽腫、星状細胞腫、黒色腫、中皮腫およびウィルムス腫瘍が含まれ
る(www.vai.org/met/; Christensen, J.G. et al., Cancer Lett. 2005, 225(1):1-26)
【0003】
c-Metおよび他のキナーゼの阻害剤は、例えば米国特許第8,461,330号明
細書で報告されており、下記に示される構造を有する化合物2-フルオロ-N-メチル-
4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリア
ジン-2-イル]ベンズアミド(化合物I)を含む。
【0004】
【化1】
【0005】
c-Metなどのキナーゼを阻害する、新規の製剤または現存の薬剤の改良型製剤が、
癌および他の疾患を治療するためのより有効な医薬品の発展に絶えず必要とされている。
具体的には、投与量が増加し、バイオアベイラビリティが高められ、かつ高いpH(pH
4.5~6.8)での溶解が改良された、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノ
リン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]
ベンズアミドを含む医薬製剤が必要とされる。これらの製剤、および本明細書に記載され
る方法は、こうした必要性および他の目的を対象とする。
【発明の概要】
【0006】
本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イ
ミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬
学的に許容される塩を含む医薬組成物、およびそれらの使用方法を提供する。
【0007】
一態様において、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6
-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズア
ミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤を提供する。
【0008】
一実施形態において、錠剤は、10~30重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[
7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-
2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、50~70重量%の1つまた
は複数のフィラー、3~20重量%の1つまたは複数の崩壊剤(disintegrant)、0.2
~2重量%の1つまたは複数の潤滑剤(lubricant)、および0.2~2重量%の1つま
たは複数の流動促進剤(glidant)を含む。
【0009】
別の実施形態において、錠剤は、マンニトール、微結晶セルロース、ポリビニルポリピ
ロリドン、ポリビニルピロリドン、コロイド状二酸化ケイ素、およびステアリン酸マグネ
シウムを含む。
【0010】
さらに別の実施形態において、錠剤は、5mg、10mg、20mg、25mg、40
mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、200mg、250
mg、または500mgの遊離塩基形態に相当する量の、2-フルオロ-N-メチル-4
-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジ
ン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む。好ましい実施形態
において、錠剤は、50mgの遊離塩基形態の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(
キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イ
ル]ベンズアミドを含む。別の好ましい実施形態において、錠剤は、100mgの遊離塩
基形態の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ
[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドを含む。
【0011】
本明細書で提供される錠剤の一実施形態において、2-フルオロ-N-メチル-4-[
7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-
2-イル]ベンズアミドは二塩酸塩として存在する。
【0012】
別の態様において、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-
6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズ
アミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤であって、
(a)内部顆粒相、および
(b)外部顆粒相
を含む、錠剤を提供する。
【0013】
一実施形態において、錠剤は、10~30重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[
7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-
2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、50~70重量%の1つまた
は複数のフィラー、3~20重量%の1つまたは複数の崩壊剤、0.2~2重量%の1つ
または複数の潤滑剤、および0.2~2重量%の1つまたは複数の流動促進剤を含む。
【0014】
一実施形態において、内部顆粒相は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリ
ン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベ
ンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、マンニトール、微結晶セルロース、ポリビ
ニルポリピロリドン、およびポリビニルピロリドンを含む。
【0015】
一実施形態において、外部顆粒相は、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ポ
リビニルポリピロリドン、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0016】
本明細書で提供される錠剤の一実施形態において、2-フルオロ-N-メチル-4-[
7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-
2-イル]ベンズアミドは二塩酸塩として存在する。
【0017】
別の態様において、本明細書は、それを必要とする個体における癌の治療方法であって
、本明細書で提供される錠剤を個体へ投与することを含む、方法を提供する。一実施形態
において、癌とは固形腫瘍である。別の実施形態において、癌とは、肺癌、肝癌、胃癌、
グリア芽腫、乳癌、胃癌、腎癌、または鼻咽頭癌である。好ましい実施形態において、癌
とは、非小細胞性肺癌、肝細胞癌、または腎細胞癌である。
【0018】
別の態様において、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-
6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズ
アミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤であって、
(a)
10~30重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチ
ル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸
塩、
10~30重量%のマンニトール、
10~30重量%の微結晶セルロース
0.1~1重量%のドデシル硫酸ナトリウム
1~10重量%のポリビニルポリピロリドン、および
1~10重量%のポリビニルピロリドン
を含む内部顆粒相、ならびに
(b)
10~30重量%の微結晶セルロース
0.1~1重量%のコロイド状二酸化ケイ素
1~10重量%のポリビニルポリピロリドン、および
0.1~1重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む外部顆粒相
を含み、それぞれの成分につき示された百分率は錠剤の総重量に対するものである、錠剤
を提供する。
【0019】
別の態様において、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-
6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズ
アミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤であって、
(a)
約23.54重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメ
チル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩
酸塩、
約20重量%のマンニトール、
約20.26重量%の微結晶セルロース
約0.2重量%のドデシル硫酸ナトリウム
約5重量%のポリビニルポリピロリドン、および
約4重量%のポリビニルピロリドン
を含む内部顆粒相、ならびに
(b)
約20.75重量%の微結晶セルロース
約0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素
約5重量%のポリビニルポリピロリドン、および
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む外部顆粒相
を含み、それぞれの成分につき示された百分率は錠剤の総重量に対するものである、錠剤
を提供する。
【0020】
別の態様において、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-
6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズ
アミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤の製造方法であって、
(a)2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[
1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドと共に賦形剤をブレン
ドするステップ、
(b)ステップ(a)で形成された混合物を、水と共に造粒するステップ、
(c)ステップ(b)で形成された顆粒を乾燥するステップ、
(d)ステップ(c)の顆粒をふるいにかけて、内部顆粒相を形成するステップ、
(e)外部顆粒相として適切な賦形剤を別々にふるうステップ、
(f)ステップ(d)で形成された内部顆粒相を、ステップ(e)で形成された外部顆粒
相と共にブレンドするステップ、
(g)ステップ(f)で形成された混合物の製剤に潤滑剤を添加し、ブレンドするステッ
プ、および
(h)ステップ(g)で形成された混合物を、錠剤に圧縮するステップ
を含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドを含む錠剤の製造に使用される製造方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イ
ミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬
学的に許容される塩を含む医薬組成物、およびそれらの使用方法を提供する。具体的には
、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イ
ミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドを含む錠剤を
提供する。本発明の錠剤は、投与量が増加すること、およびバイオアベイラビリティが高
められることを含む、いくつかの有利な特長を提供する。
【0023】
本明細書で使用されるいくつかの用語を下記に記述する。本発明の化合物は、標準的な
命名法を用いて記述される。別段の指定がない限り、本明細書で使用される全ての技術用
語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ
意味を有する。
【0024】
化合物I:2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダ
ゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド
化合物I(2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミ
ダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド)の合成および
特徴付けは、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,461,330号明細書
に記載されている。
【0025】
【化2】
【0026】
一実施形態において、化合物Iは二塩酸塩(例えば、化合物I・2HCl)の形態であ
り、これは、同様にその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,420,645号
明細書に記載されている形態である。塩は、結晶形態、または水和物もしくは溶媒和物の
形態であってもよいと理解される。好ましい実施形態において、化合物Iは、二塩酸塩一
水和物塩の形態である(これも米国特許第8,420,645号明細書に記載されている
)。
【0027】
化合物の「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容可能であり、かつ親化合物の所
望の薬理学的活性を持つ塩を意味する。薬学的に許容される塩は非毒性であると理解され
る。適切であり、薬学的に許容される塩に関するさらなる情報は、参照によって本明細書
に組み込まれるRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Com
pany, Easton, PA, 1985で確認することができる。またはS. M. Berge, et al., "Pharma
ceutical Salts, " J. Pharm. Sci., 1977;66:1-19で確認することができ、どちらの文献
も参照によって本明細書に組み込まれる。
【0028】
化合物Iを含む錠剤
「錠剤」という用語は、経口投与可能な単回投与の固形剤型を示し、原薬である(2-
フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b
][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩
、例えば、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,461,330号明細書を
参照)を適切な賦形剤(例えば、フィラー、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、および/また
は界面活性剤)と共に、従来の打錠方法によって圧縮することにより製造することができ
る。「フィルムコーティング錠」という用語は、コーティングされた錠剤を指す。錠剤は
、従来の造粒方法、例えば、湿式造粒または乾式造粒と、任意の顆粒の粉砕と、それに続
く圧縮および任意のコーティングとを用いて製造することができる。一実施形態において
、本発明の錠剤は、内部顆粒相および外部顆粒相を含む。錠剤は、任意で、種々の従来の
コーティングを施し、フィルムコーティング錠を形成することができる。
【0029】
活性成分である化合物Iは(遊離塩基形態に相当する)、製剤の総重量に対し、約10
~約30重量%および約23~約25重量%を含めた、約10~約70重量%を構成する
【0030】
本明細書では、製剤の重量%は、他に指示がない限り錠剤の重量%を示す。
【0031】
本明細書では、「約」という用語は、その値のプラスまたはマイナス10%を指す。
【0032】
好ましい実施形態において、活性成分である化合物Iは、二塩酸塩の形態である(例え
ば、米国特許第8,420,645号明細書を参照)。
【0033】
本発明の錠剤は、約50~約70重量%の1つまたは複数のフィラーを含む。適切なフ
ィラーまたは「希釈剤」は、当技術分野において既知であり、これらに限定されるもので
はないが、デンプン、デキストリン、ショ糖、ソルビトール、サッカリンナトリウム、ア
セスルファムカリウム、キシリトール、アスパルテーム、マンニトール、デンプン、PV
P(ポリビニルピロリドン)、低分子量HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、微結
晶セルロース(MCC)、低分子量HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、
低分子量カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、リン酸二カルシウム、ケイ化
微結晶セルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリエチレンオキシド、アカシア、デキス
トリン、ショ糖、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびポリメタクリル酸塩が含まれ
る。フィラーとしては、微結晶セルロース、デンプン、ラクチトール、乳糖、適切な無機
カルシウム塩、ショ糖、グルコース、マンニトール、ケイ酸、およびそれらの任意の組合
せからなる群より選択される薬剤も含まれる。内部顆粒成分としてのフィラーは、錠剤の
総重量に対し、約15~約65重量%を構成する。一実施形態において、内部顆粒フィラ
ーは、マンニトールおよび微結晶セルロース(例えば、Avicel PH 101など
)を含む。他の実施形態において、マンニトールおよび微結晶セルロースは、約1:1、
2:1、または3:1(マンニトール対微結晶セルロース、重量比)の比で存在する。別
の実施形態において、錠剤が高濃度の崩壊剤を含む場合は、マンニトールおよび微結晶セ
ルロースは約1:3(マンニトール対微結晶セルロース、重量比)の比で存在する。外部
顆粒成分としてのフィラーは、錠剤の総重量に対し、約15~約25重量%を構成する。
一実施形態において、外部顆粒フィラーは、微結晶セルロース(例えば、Cellulo
se MK GRなど)である。
【0034】
本発明の錠剤は、約3~約20重量%の1つまたは複数の崩壊剤を含む。一実施形態に
おいて、錠剤は、約10~約20%の1つまたは複数の崩壊剤を含む。適切な崩壊剤は、
当技術分野において既知であり、これらに限定されるものではないが、寒天、炭酸カルシ
ウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、炭酸
ナトリウム、クロスポビドン(架橋PVP、もしくは、例えばPolyvinylpol
ypyrrolidone XLなどのポリビニルポリピロリドン)、PVPまたはポリ
ビニルピロリドン(例えば、Polyvinyl pyrrolidone K30PH
)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、架橋カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、α化デンプン(star
ch1500)、微結晶デンプン、水不溶性デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム
、ポラクリリンカリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、およびそれらの任意の組合せが
含まれる。いくつかの実施形態において、崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドンまたはポ
リビニルピロリドン、あるいはそれらの組合せである。内部顆粒成分としての崩壊剤は、
錠剤の総重量に対し、約2~12重量%を含めた、約5~約15重量%を構成する。外部
顆粒成分としての崩壊剤は、錠剤の総重量に対し、約1~約8重量%を構成する。いくつ
かの実施形態において、外部顆粒成分の崩壊剤は、ポリビニルポリピロリドン(例えば、
Polyvinylpolypyrrolidone XL)である。
【0035】
流動促進剤も、本明細書で提供される医薬製剤で使用することができる。一実施形態に
おいて、本発明の錠剤は、約0.2~約2重量%の1つまたは複数の流動促進剤を含む。
適切な流動促進剤としては、これらに制限されないが、コロイド状二酸化ケイ素、タルク
、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ヒュームド二酸化ケイ素、およびそれらの任意
の組合せが含まれる。一実施形態において、流動促進剤は製剤の外部顆粒成分である。い
くつかの実施形態において、流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素(例えば、Aeros
il 200などの親水性ヒュームドシリカ)である。使用する流動促進剤の量は、錠剤
の総重量に対し、約0.2~2重量%、または約0.2~1重量%とすることができる。
【0036】
潤滑剤も、本明細書で提供される医薬製剤で使用することができる。一実施形態におい
て、本発明の錠剤は、約0.2~約2重量%の1つまたは複数の潤滑剤を含む。適切な潤
滑剤としては、例えば、ステアリン酸塩、フマル酸ステアリルナトリウム、マグネシウム
塩、およびステアリン酸マグネシウムが含まれる。一実施形態において、潤滑剤は製剤の
外部顆粒成分として使用される。別の実施形態において、潤滑剤はステアリン酸マグネシ
ウムである。使用する潤滑剤の量は、錠剤の総重量に対し、約0.2~2重量%、または
約0.5~1.5重量%とすることができる。
【0037】
界面活性剤などの他の賦形剤は、本製剤において使用することができる。一実施形態に
おいて、本発明の錠剤は、約0~約10重量%の1つまたは複数の界面活性剤を含む。一
実施形態において、界面活性剤は製剤の内部顆粒成分として使用される。一実施形態にお
いて、医薬製剤は、ポロキサマー(例えば、Poloxamer 188)またはドデシ
ル硫酸ナトリウム(例えば、Duponol C)を含む。使用する界面活性剤の量は、
錠剤の総重量に対し、約0~10重量%、約0.05~1%、または約0.1~0.5重
量%とすることができる。一実施形態において、本明細書で提供される製剤は、界面活性
剤を含まない。
【0038】
本明細書で提供される錠剤は、単位剤型に製剤化することができ、それぞれの用量は約
5~約500mg、より一般的には約50~約200mgの活性成分を含む。いくつかの
実施形態において、単位剤型は、5mg、10mg、20mg、25mg、40mg、5
0mg、75mg、100mg、125mg、150mg、200mg、250mg、ま
たは500mgの化合物Iを含む。いくつかの実施形態において、単位剤型は、5mgお
よび500mgを含む、5mgから500mgまでの間の化合物Iを含む。他の実施形態
において、単位剤型は、50mgおよび200mgを含む、50mgから200mgまで
の間の化合物I、または75mgおよび150mgを含む、75mgから150mgまで
の間の化合物Iを含む。好ましい実施形態において、単位剤型は、50mgまたは100
mgの化合物Iを含む。「単位剤型」という用語は、ヒト対象および他の哺乳動物に対す
る単一の用量として適した、物理的に個別の単位を指し、それぞれの単位は、適切な医薬
賦形剤と共に所望の治療効果をもたらすよう計算された、所定量の活性材料を含む。一実
施形態において、単位剤型は活性成分(例えば、化合物I)の治療有効用量に相当するこ
とになる。
【0039】
本明細書で提供される錠剤は、フィルムコーティング錠とすることができ、錠剤はさら
にフィルムコーティングを含む。フィルムコーティングは、1つまたは複数のフィルム形
成物質を含むことができ、さらに、可塑剤、腸溶潤滑剤(intestinal lubricant)、また
は着色剤などの物質を含むことができる。一実施形態において、フィルムコーティングは
、着色剤または顔料を含む。
【0040】
一実施形態において、錠剤は、10~30重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[
7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-
2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、50~70重量%の1つまた
は複数のフィラー、3~20重量%の1つまたは複数の崩壊剤、0.2~2重量%の1つ
または複数の潤滑剤、および0.2~2重量%の1つまたは複数の流動促進剤を含む。
【0041】
別の実施形態において、錠剤はさらに、0.05~1%の1つまたは複数の界面活性剤
を含む。
【0042】
別の実施形態において、錠剤は、マンニトール、微結晶セルロース、ポリビニルポリピ
ロリドン、ポリビニルピロリドン、コロイド状二酸化ケイ素、およびステアリン酸マグネ
シウムを含む。
【0043】
別の実施形態において、錠剤はさらに、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。
【0044】
さらに別の実施形態において、錠剤は、5mg、10mg、20mg、25mg、40
mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、200mg、250
mg、または500mgの遊離塩基形態に相当する量の、2-フルオロ-N-メチル-4
-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジ
ン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む。好ましい実施形態
において、錠剤は、50mgの遊離塩基形態の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(
キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イ
ル]ベンズアミドを含む。別の好ましい実施形態において、錠剤は、100mgの遊離塩
基形態の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ
[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドを含む。
【0045】
別の態様において、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-
6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズ
アミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤であって、
(a)内部顆粒相、および
(b)外部顆粒相
を含む、錠剤を提供する。
【0046】
一実施形態において、錠剤は、10~30重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[
7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-
2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、50~70重量%の1つまた
は複数のフィラー、3~20重量%の1つまたは複数の崩壊剤、0.2~2重量%の1つ
または複数の潤滑剤、および0.2~2重量%の1つまたは複数の流動促進剤を含む。別
の実施形態において、錠剤はさらに、0.05~1%の1つまたは複数の界面活性剤を含
む。
【0047】
一実施形態において、内部顆粒相は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリ
ン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベ
ンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、マンニトール、微結晶セルロース、ポリビ
ニルポリピロリドン、およびポリビニルピロリドンを含む。別の実施形態において、内部
顆粒相はさらに、ドデシル硫酸ナトリウムを含む。
【0048】
さらなる実施形態において、内部顆粒相は、錠剤の重量に対して、10~30%の2-
フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b
][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩
、10~30%のマンニトール、10~30%の微結晶セルロース、ならびにそれぞれ0
.1~10.0%のポリビニルポリピロリドンおよびポリビニルピロリドンを含む。さら
なる実施形態において、内部顆粒相はさらに、0.1~1%のドデシル硫酸ナトリウムを
含む。
【0049】
さらなる実施形態において、内部顆粒相は、錠剤の重量に対して、約24%の2-フル
オロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][
1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、約
20%のマンニトール、約20%の微結晶セルロース、約5%のポリビニルポリピロリド
ン、および約4%のポリビニルピロリドンを含む。さらなる実施形態において、内部顆粒
相はさらに、約0.2%のドデシル硫酸ナトリウムを含む。
【0050】
一実施形態において、外部顆粒相は、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ポ
リビニルポリピロリドン、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0051】
別の実施形態において、外部顆粒相は、錠剤の重量に対して、10~30%の微結晶セ
ルロース、0.1~10.0%のコロイド状二酸化ケイ素、それぞれ0.1~10.0%
のポリビニルポリピロリドン、および0.1~10.0%のステアリン酸マグネシウムを
含む。
【0052】
さらに別の実施形態において、外部顆粒相は、錠剤の重量に対して、約21%の微結晶
セルロース、約0.5%のコロイド状二酸化ケイ素、5%のポリビニルポリピロリドン、
および約0.75%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0053】
本明細書で提供される錠剤の一実施形態において、2-フルオロ-N-メチル-4-[
7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-
2-イル]ベンズアミドは二塩酸塩として存在する。
【0054】
別の態様において、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-
6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズ
アミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤であって、
(a)
10~30重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチ
ル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸
塩、
10~30重量%のマンニトール、
10~30重量%の微結晶セルロース
0.1~1重量%のドデシル硫酸ナトリウム
1~10重量%のポリビニルポリピロリドン、および
1~10重量%のポリビニルピロリドン
を含む内部顆粒相、ならびに
(b)
10~30重量%の微結晶セルロース
0.1~1重量%のコロイド状二酸化ケイ素
1~10重量%のポリビニルポリピロリドン、および
0.1~1重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む外部顆粒相
を含み、それぞれの成分につき示された百分率は錠剤の総重量に対するものである、錠剤
を提供する。
【0055】
別の態様において、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-
6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズ
アミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤であって、
(a)
約24重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)
イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩、
約20重量%のマンニトール、
約20重量%の微結晶セルロース
約0.2重量%のドデシル硫酸ナトリウム
約5重量%のポリビニルポリピロリドン、および
約4重量%のポリビニルピロリドン
を含む内部顆粒相、ならびに
(b)
約21重量%の微結晶セルロース
約0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素
約5重量%のポリビニルポリピロリドン、および
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む外部顆粒相
を含み、それぞれの成分につき示された百分率は錠剤の総重量に対するものである、錠剤
を提供する。
【0056】
治療方法
本発明はさらに、個体(例えば、患者)におけるプロテインキナーゼの異常活性および
/または過剰発現を含むキナーゼシグナル伝達経路の調節不全と関連する疾患を、本発明
の錠剤をこうした治療を必要とする個体へ投与することによって治療する方法を提供する
。いくつかの実施形態において、キナーゼの調節不全とは、Metファミリー(例えば、
c-Met、Ron、またはSea)の調節不全である。いくつかの実施形態において、
キナーゼの調節不全は、患者の病変組織中に過剰発現する。いくつかの実施形態において
、キナーゼの調節不全は、患者の病変組織における異常活性である。c-MetおよびH
GF/c-Metのシグナル伝達経路の調節不全とは、種々の機序による酵素の活性化を
含むことを意味する。その機序としては、これらに限定されるものではないが、HGF依
存性のオートクリンおよびパラクリン活性化、c-met遺伝子の過剰発現および増幅、
点突然変異、欠失、切断、再構成、ならびに異常なc-Met受容体のプロセシングおよ
び欠陥がある負の調節機構が含まれる。
【0057】
いくつかの実施形態において、本発明の錠剤は、癌、アテローム性動脈硬化症、肺線維
症、腎線維症および腎再生、肝疾患、アレルギー性障害、炎症性疾患、自己免疫障害、脳
血管疾患、循環器疾患、または臓器移植と関連した状態などの疾患の治療に有用である。
さらなる実施形態において、本発明の化合物は、患者における腫瘍増殖または腫瘍転移を
阻害する方法に有用であり得る。
【0058】
本明細書に記載の方法により治療可能な癌の例としては、膀胱癌、乳癌、子宮頚癌、胆
管癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、頭頚部癌、腎癌、肝癌、肺癌、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵
臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、骨肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、MFH/線維肉腫、平滑筋
肉腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫、成人T細胞白血病、急性骨髄性白血病、慢
性骨髄性白血病、グリア芽腫、星状細胞腫、黒色腫、中皮腫、またはウィルムス腫瘍など
が含まれる。
【0059】
一態様において、本明細書は、それを必要とする個体における癌の治療方法であって、
本発明の錠剤を個体へ投与することを含む、方法を提供する。
【0060】
一実施形態において、癌は固形腫瘍である。別の実施形態において、癌とは、肺癌、肝
癌、胃癌、グリア芽腫、乳癌、胃癌、腎癌、または鼻咽頭癌である。好ましい実施形態に
おいて、癌とは、非小細胞性肺癌、肝細胞癌、または腎細胞癌である。
【0061】
本明細書で提供される方法の一実施形態において、その治療は、エルロチニブ、ゲフィ
チニブ、およびブパリシブからなる群より選択されるさらなる抗癌剤を投与することを含
む。
【0062】
本明細書では、「個体」または「患者」という用語は交換可能に使用され、哺乳動物、
好ましくは、マウス、ラット、他の齧歯動物、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ
、ウマ、または霊長類、最も好ましくはヒトを含む任意の動物を指す。
【0063】
本明細書では、「治療すること」または「治療」という用語は、(1)疾患を予防する
こと、例えば、疾患、状態、または障害にかかりやすい可能性があるが、疾患の病態また
は兆候は感じていないまたは示していない個体において、疾患、状態、または障害を予防
すること、(2)疾患を抑制すること、例えば、疾患、状態、または障害の病態または兆
候を感じているまたは示している個体において、疾患、状態、または障害を抑制すること
、および(3)疾患を改善すること、例えば、疾患の重症度を軽くするなど、疾患、状態
、または障害の病態または兆候を感じているまたは示している個体において、疾患、状態
、または障害を改善すること(すなわち、病態および/または兆候を逆転させること)の
うちの1つまたは複数を指す。
【0064】
化合物Iを含む錠剤を製造する方法
本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イ
ミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬
学的に許容される塩を含む錠剤の製造方法を提供する。これらの方法は、従来の打錠方法
により、薬物を適切な賦形剤と共に圧縮し、その後、コアをコーティングすることを含む
。錠剤は、従来の造粒方法、例えば、湿式造粒または乾式造粒と、任意で顆粒の粉砕と、
それに続く圧縮およびコーティングとを用いて製造することができる。一実施形態におい
て、本方法は、内部顆粒相と外部顆粒相とをブレンドすること、および混合物を圧縮して
、錠剤を形成することを含む。一実施形態において、本方法は、潤滑剤を添加することを
含む。錠剤は、任意で、種々の従来のコーティングを施して、フィルムコーティング錠を
形成することができる。錠剤またはフィルムコーティング錠を形成する適切な方法の例を
、実施例2に記述し、さらに図1に示す。
【0065】
一態様において、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6
-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズア
ミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤の製造方法であって、
(a)2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[
1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許
容される塩と共に賦形剤をブレンドして、内部顆粒相を形成するステップ、
(b)外部顆粒相として適切な賦形剤をブレンドするステップ、
(c)ステップ(a)で形成された内部顆粒相を、ステップ(b)で形成された外部顆粒
相と共にブレンドするステップ、および
(d)ステップ(c)で形成された混合物を、錠剤に圧縮するステップ
を含む、方法を提供する。
【0066】
一実施形態において、本方法はさらに、(e)ステップ(d)で形成された錠剤をコー
ティングするステップを含む。
【0067】
一実施形態において、ステップ(a)の賦形剤としては、マンニトール、微結晶セルロ
ース、ポリビニルポリピロリドン、およびポリビニルピロリドンが含まれる。別の実施形
態において、ステップ(a)の賦形剤としてはさらに、ドデシル硫酸ナトリウムが含まれ
る。
【0068】
一実施形態において、ステップ(b)の適切な賦形剤としては、微結晶セルロース、コ
ロイド状二酸化ケイ素、およびポリビニルポリピロリドンが含まれる。
【0069】
別の態様において、本明細書は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-
6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズ
アミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤の製造方法であって、
(a)2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[
1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許
容される塩と共に賦形剤をブレンドするステップ、
(b)ステップ(a)で形成された混合物を、水と共に造粒するステップ、
(c)ステップ(b)で形成された顆粒を乾燥するステップ、
(d)ステップ(c)の顆粒をふるいにかけて、内部顆粒相を形成するステップ、
(e)外部顆粒相として適切な賦形剤を別々にふるうステップ、
(f)ステップ(d)で形成された内部顆粒相を、ステップ(e)で形成された外部顆粒
相と共にブレンドするステップ、
(g)ステップ(f)で形成された混合物の製剤に潤滑剤を添加し、ブレンドするステッ
プ、および
(h)ステップ(g)で形成された混合物を、錠剤に圧縮するステップ
を含む、方法を提供する。
【0070】
一実施形態において、本方法はさらに、(i)ステップ(h)で形成された錠剤をコー
ティングするステップを含む。
【0071】
一実施形態において、ステップ(a)の賦形剤としては、マンニトール、微結晶セルロ
ース、ポリビニルポリピロリドン、およびポリビニルピロリドンが含まれる。別の実施形
態において、ステップ(a)の賦形剤としてはさらに、ドデシル硫酸ナトリウムが含まれ
る。
【0072】
一実施形態において、ステップ(e)の適切な賦形剤としては、微結晶セルロース、コ
ロイド状二酸化ケイ素、およびポリビニルポリピロリドンが含まれる。
【0073】
別の実施形態において、ステップ(g)の潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム
が含まれる。
【0074】
実施例
本発明を、具体例によってより詳細に記述する。下記実施例は、例証することを目的と
し、いかなる方法においても、本発明を限定することを意図するものではない。当業者で
あれば、重要性の低いさまざまなパラメータを容易に理解し、これらのパラメータを変更
または改変して実質的に同じ結果を得ることができるであろう。
【実施例1】
【0075】
化合物Iを含む錠剤の例
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
製剤の注釈
2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,
2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩は、低pHで非常
に溶けやすい(pH1で7.2mg/mL)化合物であるが、pH6.8以上では難溶解
性(pH6.8で0.0793mg/mL)を示す。界面活性剤または他の高分子賦形剤
を添加すると、高pHにおける薬物の沈殿を遅らせることが可能であり、in vivo
での曝露を高める一因となり得る。
【0081】
2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,
2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩ゲル化挙動を有し
、大部分はpHが3.5を超えると顕著になり、それにより錠剤の崩壊速度および溶解速
度は低下する。薬物負荷(Drug load)および崩壊剤の種類/濃度は、この挙動に影響を
与えることができ、適切なin vitroでの挙動が確実になるように厳選する必要が
ある。
【実施例2】
【0082】
化合物Iを含む錠剤の製造方法の例
下記に記述される方法は、基本的な製造ステップを変えずに維持すると同時に、適度に
調整し、さまざまなバッチサイズおよび/または設備の特性に対して、ならびに/あるい
は実験を基準に補正してもよい。
1.マンニトールをふるいにかけ、それを、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キ
ノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル
]ベンズアミド二塩酸塩、Duponol、クロスポビドン、Polyvinylpyr
rolidone K30、およびAvicel PH 101と共にブレンドする。
2.項目1で得られたブレンドを、水と共に造粒し、その顆粒を乾燥する。
3.項目2で得られた顆粒をふるいにかける。
4.微結晶セルロース(Cellulose MK GR)、クロスポビドン(ポリビニ
ルポリピロリドン)、およびAerosil 200からなる外部相をふるいにかける。
5.項目3および4で得られた混合物を共にブレンドする。
6.ステアリン酸マグネシウムをふるいにかけ、項目5で得られた製剤へ添加し、ブレン
ドする。
7.項目6で得られたブレンドを錠剤に圧縮する。
8.任意で錠剤をコーティングして、フィルムコーティング錠を形成する。
この方法を、図1に示す。
【0083】
製造方法の注釈
2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,
2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩のかさ密度は非常
に低く(0.085g/mL)、打錠する前に、密度を高めるステップを必要とする。こ
の化合物に最も適した技術として、湿式造粒法が決定された。ローラー圧縮とは対照的に
、湿式造粒技術で処理された製剤は、錠剤の摩損度、崩壊度、および溶解速度の間に適正
なバランスを示した。
【0084】
賦形剤の濃度、特にドデシル硫酸ナトリウムのような界面活性剤の濃度は、推奨される
1日許容曝露値に適合するように最小限を維持するべきである。
【実施例3】
【0085】
イヌにおける薬物動態学的研究
診療所で現在使用されている2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩ゼラチン硬カプセル(HGC)を、2つのプロトタイプ錠剤に対して比較したイヌにおけるPK研究のデータも、錠剤の臨床で提供される形態の配合/方法を開発するためのガイダンスとして使用した。これらの研究は50mgの投与強度で実施され、界面活性剤としてSDSを使用した湿式造粒法によって製造された錠剤は、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩(HGC)と同様の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩血漿濃度となることを示した。

本発明は下記の実施形態を含む。
[1]
2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む、錠剤。
[2]
10~30重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、50~70重量%の1つまたは複数のフィラー、3~20重量%の1つまたは複数の崩壊剤、0.2~2重量%の1つまたは複数の潤滑剤、および0.2~2重量%の1つまたは複数の流動促進剤を含む、[1]に記載の錠剤。
[3]
マンニトール、微結晶セルロース、ポリビニルポリピロリドン、ポリビニルピロリドン、コロイド状二酸化ケイ素、およびステアリン酸マグネシウムを含む、[1]に記載の錠剤。
[4]
5mg、10mg、20mg、25mg、40mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、200mg、250mg、または500mgの遊離塩基形態に相当する量の、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む、[1]から[3]のいずれかに記載の錠剤。
[5]
50mgの遊離塩基形態に相当する量の、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む、[1]から[4]のいずれかに記載の錠剤。
[6]
100mgの遊離塩基形態に相当する量の、2-フルオロ-N-メチル-5-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む、[1]から[5]のいずれかに記載の錠剤。
[7]
前記2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドが二塩酸塩として存在する、[1]から[6]のいずれかに記載の錠剤。
[8]
2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤であって、
(a)内部顆粒相、および
(b)外部顆粒相
をさらに含む、錠剤。
[9]
10~30重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、50~70重量%の1つまたは複数のフィラー、3~20重量%の1つまたは複数の崩壊剤、0.2~2重量%の1つまたは複数の潤滑剤、および0.2~2重量%の1つまたは複数の流動促進剤を含む、[8]に記載の錠剤。
[10]
前記内部顆粒相が、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、マンニトール、微結晶セルロース、ポリビニルポリピロリドン、およびポリビニルピロリドンを含む、[8]または[9]に記載の錠剤。
[11]
前記内部顆粒相が、前記錠剤の重量に対して、10~30%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、10~30%のマンニトール、10~30%の微結晶セルロース、ならびにそれぞれ0.1~10.0%のポリビニルポリピロリドンおよびポリビニルピロリドンを含む、[8]から[10]のいずれかに記載の錠剤。
[12]
前記内部顆粒相が、前記錠剤の重量に対して、約24%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩、約20%のマンニトール、約20%の微結晶セルロース、約5%のポリビニルポリピロリドン、および約4%のポリビニルピロリドンを含む、[8]から[11]のいずれかに記載の錠剤。
[13]
前記外部顆粒相が、微結晶セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ポリビニルポリピロリドン、およびステアリン酸マグネシウムを含む、[8]から[12]のいずれかに記載の錠剤。
[14]
前記外部顆粒相が、前記錠剤の重量に対して、10~30%の微結晶セルロース、それぞれ0.1~10.0%のコロイド状二酸化ケイ素、ポリビニルポリピロリドン、およびステアリン酸マグネシウムを含む、[8]から[13]のいずれかに記載の錠剤。
[15]
前記外部顆粒相が、前記錠剤の重量に対して、約21%の微結晶セルロース、約0.5%のコロイド状二酸化ケイ素、5%のポリビニルポリピロリドン、および約0.75%のステアリン酸マグネシウムを含む、[8]から[14]のいずれかに記載の錠剤。
[16]
5mg、10mg、20mg、25mg、40mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、200mg、250mg、または500mgの遊離塩基形態に相当する量の、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む、[8]から[15]のいずれかに記載の錠剤。
[17]
50mgの遊離塩基形態に相当する量の、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む、[8]から[16]のいずれかに記載の錠剤。
[18]
100mgの遊離塩基形態に相当する量の、2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む、[8]から[16]のいずれかに記載の錠剤。
[19]
前記2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドが二塩酸塩として存在する、[8]から[18]のいずれかに記載の錠剤。
[20]
それを必要とする個体における癌の治療方法であって、[1]から[19]のいずれかに記載の錠剤を前記個体に投与することを含む、方法。
[21]
前記癌が固形腫瘍である、[20]に記載の方法。
[22]
前記癌が、肺癌、肝癌、胃癌、グリア芽腫、乳癌、胃癌、腎癌、または鼻咽頭癌である、[20]または[21]に記載の方法。
[23]
前記癌が、非小細胞性肺癌、肝細胞癌、または腎細胞癌である、[20]から[22]のいずれかに記載の方法。
[24]
前記治療が、エルロチニブ、ゲフィチニブ、およびブパリシブからなる群より選択されるさらなる抗癌剤を投与することを含む、[20]から[23]のいずれかに記載の方法。
[25]
2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤であって、
(a)
10~30重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩、
10~30重量%のマンニトール、
10~30重量%の微結晶セルロース
0~1重量%のドデシル硫酸ナトリウム
1~10重量%のポリビニルポリピロリドン、および
1~10重量%のポリビニルピロリドン
を含む内部顆粒相、ならびに
(b)
10~30重量%の微結晶セルロース
0.1~1重量%のコロイド状二酸化ケイ素
1~10重量%のポリビニルポリピロリドン、および
0.1~1重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む外部顆粒相
を含み、それぞれの成分につき示された百分率は前記錠剤の総重量に対するものである、錠剤。
[26]
2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤であって、
(a)
約23.54重量%の2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミド二塩酸塩、
約20重量%のマンニトール、
約20.26重量%の微結晶セルロース
約0.2重量%のドデシル硫酸ナトリウム
約5重量%のポリビニルポリピロリドン、および
約4重量%のポリビニルピロリドン
を含む内部顆粒相、ならびに
(b)
約20.75重量%の微結晶セルロース
約0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素
約5重量%のポリビニルポリピロリドン、および
約0.75重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む外部顆粒相
を含み、それぞれの成分につき示された百分率は前記錠剤の総重量に対するものである、錠剤。
[27]
2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む錠剤の製造方法であって、
(a)2-フルオロ-N-メチル-4-[7-(キノリン-6-イルメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン-2-イル]ベンズアミドと共に賦形剤をブレンドするステップ、
(b)ステップ(a)で形成された混合物を、水と共に造粒するステップ、
(c)ステップ(b)で形成された顆粒を乾燥するステップ、
(d)ステップ(c)の前記顆粒をふるいにかけて、内部顆粒相を形成するステップ、
(e)外部顆粒相として適切な賦形剤を別々にふるうステップ、
(f)ステップ(d)で形成された前記内部顆粒相を、ステップ(e)で形成された前記外部顆粒相と共にブレンドするステップ、
(g)ステップ(f)で形成された混合物の製剤に潤滑剤を添加し、ブレンドするステップ、および
(h)ステップ(g)で形成された前記混合物を、錠剤に圧縮するステップ
を含む、方法。
図1