(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】空気圧縮機のシリンダ排気構造
(51)【国際特許分類】
F04B 39/12 20060101AFI20220113BHJP
F04B 39/08 20060101ALI20220113BHJP
F04B 39/10 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
F04B39/12 D
F04B39/08 A
F04B39/10 P
(21)【出願番号】P 2020096062
(22)【出願日】2020-06-02
【審査請求日】2020-06-02
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(73)【特許権者】
【識別番号】519443952
【氏名又は名称】周 承賢
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
(72)【発明者】
【氏名】周 承賢
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-160939(JP,A)
【文献】特開平08-074740(JP,A)
【文献】特表2007-510104(JP,A)
【文献】特開2015-200310(JP,A)
【文献】特開2007-185969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/08
F04B 39/10
F04B 39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧縮機のシリンダ排気構造であって、
前記空気圧縮機は、モータが固定されるメインフレームと、ピストン本体が動作するシリンダと、を備え、
前記シリンダは、前記ピストン本体を伸ばし入れる開口を一端に有し、頂壁が他端に設けられ、前記モータにより歯車を駆動し、前記シリンダ内で前記ピストン本体が往復運動すると圧縮空気が発生し、
前記頂壁上には、排気ベースが設けられ、
前記排気ベースと前記シリンダの前記頂壁とは分離可能に結合され
、
前記排気ベースの底部には、位置決め座が設けられ、
前記位置決め座の外周壁には、外環溝が設けられ、
前記外環溝には、シールリングが嵌設され、
前記圧縮空気は、前記頂壁に設けた流通口を介して前記排気ベースに進入し、
前記排気ベースの外筒壁には、複数の排気孔が形成され、
前記排気ベースの前記外筒壁には、弾性薄膜が嵌設され、
前記空気圧縮機により発生された前記圧縮空気は、複数の前記排気孔を介して前記弾性薄膜を押動し、空気貯蔵ユニットの空気貯蔵チャンバ内に進入することを特徴とする、
シリンダ排気構造。
【請求項2】
前記シールリングが嵌設された前記排気ベースは、前記位置決め座を介して前記シリンダの前記頂壁上に設けた位置決め溝に配設されることを特徴とする、請求項
1に記載のシリンダ排気構造。
【請求項3】
複数の前記排気孔は、孔径が同じか異なることを特徴とする、請求項
1に記載のシリンダ排気構造。
【請求項4】
前記排気ベースの前記外筒壁には、少なくとも1つの環状凹溝が形成され、
前記弾性薄膜の一端の内側面には、前記排気ベースの前記外筒壁の前記環状凹溝に係合可能な環状ショルダが少なくとも1つ設けられ、前記弾性薄膜が前記排気ベースの前記外筒壁から摺動して外れることを防ぎ、前記弾性薄膜の他端は、前記排気孔を閉止することを特徴とする、
請求項
1に記載のシリンダ排気構造。
【請求項5】
前記排気ベースの頂端面には、少なくとも1つの窪み部が設けられ、前記窪み部を利用して圧力貯蔵空間を変化させて圧縮比を変更すると、合理的に制御した高圧圧力値が得られ、前記窪み部の縦向き深さがAで、A>0である場合、前記排気ベース内の前記圧力貯蔵空間が小さくなり、圧縮された空気が速やかに前記排気孔を通って前記空気貯蔵チャンバ内に進入して出力最高圧力値が高くなることを特徴とする、請求項
4に記載のシリンダ排気構造。
【請求項6】
前記シリンダの頂壁近くの前後両側辺には、外方に水平に延びた長側板が延設され、2つの前記長側板の左右両端部には、上方に延びて互いに対応した2つの逆L字状の嵌合クランプが延設され、前記嵌合クランプと前記長側板との間には収容槽が形成され、
一端に開口及び前記空気貯蔵チャンバが設けられた筒柱状の前記空気貯蔵ユニット上には、前記空気貯蔵ユニットと連通した複数のマニホールドが設けられ、
前記空気貯蔵ユニットの開口には、適宜な厚さを有する平面側板が周囲に広がり、互いに対向した2つの前記平面側板上には、L字状のドッキングプレートが設けられ、前記ドッキングプレートと前記平面側板との間には、収容槽が形成され、前記空気貯蔵ユニットを旋回させると、前記空気貯蔵ユニットの前記平面側板が前記嵌合クランプの前記収容槽内に速やかに挿入されて前記シリンダの前記長側板が前記ドッキングプレートの前記収容槽内に収容されて前記空気貯蔵ユニットが前記シリンダ上に強固に結合されるため、前記空気貯蔵ユニット及び前記シリンダの2つの部材が着脱可能に結合され、
前記空気貯蔵ユニットは、前記排気ベースの頂端面に当接されるため、前記排気ベースが前記空気貯蔵ユニットの前記空気貯蔵チャンバ中に強固に固定されることを特徴とする、
請求項
4に記載のシリンダ排気構造。
【請求項7】
前記空気貯蔵ユニット上には、複数の前記マニホールドが設けられ、一方の前記マニホールドは、気体を注入するタイヤに速やかに係合し得るホースであり、他方の前記マニホールドは、圧力計に速やかに嵌着可能であり、複数の前記マニホールドには圧力解放バルブ及び安全弁がそれぞれ設けられることを特徴とする、請求項
6に記載のシリンダ排気構造。
【請求項8】
前記シリンダ及び前記空気貯蔵ユニットは、一体形成で製造され、
前記空気貯蔵ユニットの頂端には、上連通口が設けられ、前記排気ベースは、前記上連通口を介して前記空気貯蔵ユニットの前記空気貯蔵チャンバ中に配設され、前記排気ベースの前記位置決め座は、前記シリンダの前記頂壁上に着座し、トップカバーが前記排気ベースの頂端面に当接されて前記排気ベースが前記空気貯蔵ユニットの前記空気貯蔵チャンバ中に強固に固定されるとともに、前記トップカバーが前記空気貯蔵ユニット上に着脱可能に結合されることを特徴とする、
請求項
4に記載のシリンダ排気構造。
【請求項9】
前記排気ベースの頂端面に窪み部が設けられていないため、前記排気ベース内の圧力貯蔵空間は、最大値の圧力貯蔵空間であることを特徴とする、請求項
4に記載のシリンダ排気構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧縮機のシリンダ排気構造に関し、特に、シリンダ上に排気ベースが設けられ、排気ベースの外筒壁には、複数の排気孔が形成され、排気ベースの外筒壁には、弾性薄膜が嵌設され、空気圧縮機により発生された圧縮空気が複数の排気孔を介して弾性薄膜を押動し、空気貯蔵ユニットの空気貯蔵チャンバ内に進入し、弾性薄膜が速やかに閉じる特性を利用し、空気貯蔵ユニットの空気貯蔵チャンバ内に進入する単位時間当たりの圧縮空気量を増大させ、圧縮された空気が排気孔を速やかに通って空気貯蔵チャンバ内に進入し、ピストン本体が円滑に動作してポンピング効率が高い、空気圧縮機のシリンダ排気構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気圧縮機の構造は、基本的にシリンダを含む。シリンダ内でピストン本体が往復運動すると、圧縮空気が発生する。発生した圧縮空気がシリンダの排気孔を介してバルブ機構を押動し、圧縮空気を貯蔵するもう一つの空間に圧縮空気が進入する。この空間は、例えば、空気貯蔵ユニット(又は空気タンク)内の空間である。空気貯蔵ユニットには、圧縮空気を気体被注入物に送って気体注入する排気口が形成されている。従来のシリンダと空気貯蔵ユニットとの間には、排気孔が1つのみ設けられ、この排気孔の開閉がバルブ機構により制御され、バルブ機構は、弁体及びばねから構成される。ピストン本体が発生させる圧縮空気により弁体を押動するとばねが圧縮され、圧縮空気が空気貯蔵ユニットの空気貯蔵チャンバ内に進入し、空気貯蔵チャンバ内に貯蔵された圧縮空気は、弁体に背向圧を発生させ、ポンピング段階で背向圧が弁体の開きを抑制し、相対的にピストン本体が動作するときに発生する圧縮空気が弁体を押動する際、抵抗力が発生して円滑に動作しなくなり、このようなピストン本体が動作するときには、さらに大きな抵抗力が発生するため、気体注入速度が下がり、空気圧縮機のモータが過熱してモータの運転効率が低下し、最悪の場合、モータが焼損してしまう虞もあった。そのため、従来の空気圧縮機のシリンダ構造の欠点を改善する技術が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、空気圧縮機のシリンダ上に排気ベースを設け、ピストン本体を動作させるシリンダが排気ベースに着脱可能に結合され、シリンダが結合されたメインフレームにモータが固定される空気圧縮機のシリンダ排気構造を提供することにある。
【0004】
本発明のもう一つの課題は、空気圧縮機のシリンダ上に排気ベースを設け、排気ベースの外筒壁に複数の排気孔が形成され、排気ベースの外筒壁には、弾性薄膜が嵌設され、空気圧縮機により発生された圧縮空気が、複数の排気孔を介して弾性薄膜を押動し、空気貯蔵ユニットの空気貯蔵チャンバ内に進入し、弾性薄膜が速やかに閉じる特性を利用し、空気貯蔵ユニットの空気貯蔵チャンバ内に進入する単位時間当たりの圧縮空気量が増大する空気圧縮機のシリンダ排気構造を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機を示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機を示す部分断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る排気ベースの外筒壁に弾性薄膜が嵌設された状態を示す拡大断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機が発生させる圧縮空気が複数の排気孔を介して弾性薄膜を押動し、空気貯蔵ユニットの空気貯蔵チャンバ内に進入する状態を示す説明図である。
【
図5】
図5は、本発明の他の実施形態に係る空気圧縮機のシリンダ排気構造を示す分解斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の他の実施形態に係る空気圧縮機のシリンダ排気構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0007】
図1及び
図2を参照する。
図1及び
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機は、ピストン本体14が動作するシリンダ2と、モータ12が固定されるメインフレーム11と、を備える。シリンダ2及びメインフレーム11は一体形成で製造されてもよいし、着脱可能に結合されて製造されてもよい。シリンダ2は、ピストン本体14を伸ばし入れる開口を一端に有し、頂壁21が他端に設けられ、モータ12により歯車13を駆動し、シリンダ2内でピストン本体14が往復運動すると圧縮空気が発生する。圧縮空気は、頂壁21の流通口22を介して排気ベース3に進入する。排気ベース3の外筒壁30には、複数の排気孔31,32が形成され、排気ベース3の外筒壁30には、弾性薄膜4が嵌設される。空気圧縮機により発生された圧縮空気は、複数の排気孔31,32を通って弾性薄膜4を押動し、空気貯蔵ユニット5の空気貯蔵チャンバ50内に進入する。空気貯蔵ユニット5は、発生された圧縮空気を貯蔵するために用いる。空気貯蔵ユニット5上には、1つ又は複数のマニホールド52,53,54,55が設けられている。マニホールド52は、気体を注入するタイヤに速やかに係合することができるホース(図示せず)であり、もう一つのマニホールド53は、圧力計6に速やかに嵌着させることができる。マニホールド54には圧力解放バルブ7が設けられ、マニホールド55には安全弁8が設けられてもよい。
【0008】
図1~
図4を併せて参照する。
図1~
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機のシリンダ排気構造のシリンダ2の頂壁21上には、1つの排気孔しか形成されていない従来技術と異なり、前述した排気ベース3が設けられる。排気ベース3とシリンダ2の頂壁21とは着脱可能に結合される。排気ベース3の底部には、位置決め座36が設けられる。位置決め座36の外周壁には、外環溝360が設けられる。外環溝360には、シールリング37が嵌設される。シールリング37が嵌設された排気ベース3は、位置決め座36を介してシリンダ2の頂壁21上に設けた位置決め溝210に配設される。排気ベース3の外筒壁30には、複数の排気孔31,32と、少なくとも1つの環状凹溝33と、が形成される。複数の排気孔31,32の孔径は、同じでもよいし異なってもよい。排気ベース3の外筒壁30には、弾性薄膜4が嵌設される。弾性薄膜4の一端の内側面には、排気ベース3の外筒壁30の環状凹溝33に係合可能な環状ショルダ41が少なくとも1つ設けられ、弾性薄膜4が排気ベース3の外筒壁30から摺動して外れることを防ぎ、弾性薄膜4の他端により前述した排気孔31,32を閉止してもよい(
図2を参照する)。前述した排気孔31,32は、開いた状態又は閉じた状態にあり、排気ベース3の外筒壁30に嵌設された弾性薄膜4により完全に制御される(
図3及び
図4を参照する)。シリンダ2の頂壁21近くの前後両側辺には、外方に水平に延びた長側板23が延設されている。2つの長側板23の左右両端部には、上方に延びて互いに対応した2つの逆L字状の嵌合クランプ231が延設され、嵌合クランプ231と長側板23との間には収容槽232が形成されている(
図1及び
図2を参照する)。一端に開口51及び空気貯蔵チャンバ50が設けられた筒柱状の空気貯蔵ユニット5上には、空気貯蔵ユニット5と連通した複数のマニホールド52,53,54,55が設けられている。空気貯蔵ユニット5の開口51には、適宜な厚さを有する平面側板56が周囲に広がり、互いに対向した2つの平面側板56上には、L字状のドッキングプレート561が設けられ、ドッキングプレート561と平面側板56との間には、収容槽562が形成され、空気貯蔵ユニット5を旋回させると、空気貯蔵ユニット5の平面側板56が嵌合クランプ231の収容槽232内に速やかに挿入されてシリンダ2の長側板23がドッキングプレート561の収容槽562内に収容されて空気貯蔵ユニット5がシリンダ2上に強固に結合されるため、空気貯蔵ユニット5及びシリンダ2の2つの部材を着脱可能に結合させることができる。空気貯蔵ユニット5は、前述した排気ベース3の頂端面340に当接されるため、排気ベース3を空気貯蔵ユニット5の空気貯蔵チャンバ50中に強固に固定させることができる。
【0009】
図2~
図4を参照する。
図2~
図4に示すように、排気ベース3の頂端面340には、少なくとも1つの窪み部34が設けられる。本実施形態は、少なくとも1つの窪み部34を利用して圧力貯蔵空間35を変化させて圧縮比を変更すると、合理的に制御した高圧圧力値が得られる。窪み部34の縦向き深さがAで、A>0である場合、排気ベース3内の圧力貯蔵空間35が小さくなり、圧縮された空気が速やかに排気孔31,32を通って空気貯蔵チャンバ50内に進入して出力最高圧力値が高くなる。
【0010】
図2及び
図4を参照する。
図2及び
図4に示すように、ピストン本体14がシリンダ2内で往復運動し続けて発生された圧縮空気が弾性薄膜4を押動すると、圧縮空気が排気孔31,32を通って空気貯蔵ユニット5の空気貯蔵チャンバ50内に進入する。シリンダ2のピストン本体14の動作の開始から終了までの期間、ポンピングの初期段階で発生した圧縮空気が、排気孔31,32から空気貯蔵チャンバ50内に速やかに進入し、弾性薄膜4を利用して速やかに閉じる特性を利用し、空気貯蔵ユニット5の空気貯蔵チャンバ50に進入する単位時間当たりの圧縮空気量が増大する。ポンピングの中後期段階では、既に大量の圧縮空気が空気貯蔵チャンバ50内に進入されているため、空気貯蔵チャンバ50内の圧縮空気が弾性薄膜4に対して反作用力を発生させる。本明細書中で背向圧は、弾性薄膜4の開きを抑制するが、これはピストン本体14が押圧する圧縮空気の抵抗力がさらに大きくなることを意味する。本発明では、異なる孔径の排気孔31,32及び弾性薄膜4を組み合わせ、空気貯蔵チャンバ50内の背向圧により弾性薄膜4が受圧状態となるが、異なる孔径の排気孔31,32を閉止する弾性薄膜4の背向圧がそれぞれ異なるため、圧縮された空気が小さめの背向圧の弾性薄膜4を優先的に押動し、シリンダ2内に発生し続ける圧縮空気が空気貯蔵チャンバ50内に進入し易いため、全体的にピストン本体14が円滑に動作してポンピング効率が高まり、容易に気体注入の速度を高めることができる。
【0011】
図5及び
図6に示すように、本発明の他の実施形態に係る空気圧縮機のシリンダ排気構造は、シリンダ2及び空気貯蔵ユニット9が一体形成で製造される。空気貯蔵ユニット9の頂端には、少なくとも1つの上連通口91が設けられる。前述した排気ベース3は、上連通口91を介して空気貯蔵ユニット9の空気貯蔵チャンバ90中に設置され、排気ベース3の位置決め座36は、シリンダ2の頂壁21上に着座し、トップカバー92が排気ベース3の頂端面340に当接されて排気ベース3が空気貯蔵ユニット9の空気貯蔵チャンバ90中に強固に固定される。また、トップカバー92は、空気貯蔵ユニット9上に着脱可能に結合される。本実施形態の窪み部34の縦向き深さはAであり、A>0である場合、排気ベース3内の圧力貯蔵空間35が小さくなり、圧縮された空気が速やかに排気孔31,32を通って空気貯蔵チャンバ50内に進入すると、出力最高圧力値が高くなる。
【0012】
図7及び
図8を参照する。
図7及び
図8に示すように、本発明の他の実施形態に係る空気圧縮機のシリンダ排気構造は、シリンダ2及び空気貯蔵ユニット9が一体形成で製造されてもよい。空気貯蔵ユニット9の頂端には、上連通口91が設けられる。前述した排気ベース3は、上連通口91を介して空気貯蔵ユニット9の空気貯蔵チャンバ90中に配設され、排気ベース3の位置決め座36は、シリンダ2の頂壁21上に着座し、トップカバー92が排気ベース3の頂端面340に当接されて排気ベース3が空気貯蔵ユニット9の空気貯蔵チャンバ90中に強固に固定される。また、トップカバー92は、空気貯蔵ユニット9上に着脱可能に結合される。本実施形態の排気ベース3の頂端面340に窪み部が設けられていないため、排気ベース3内の圧力貯蔵空間35は、最大値の圧力貯蔵空間である。
【0013】
上述したことから分かるように、従来、空気圧縮機のシリンダ2と空気貯蔵ユニット5との間の中間壁上に排気孔が1つのみ設けられていた従来技術を飛躍的に改善するために、本発明では、シリンダ2上に排気ベース3が設けられる。排気ベース3の外筒壁30は、複数の排気孔31,32を有し、排気ベース3の外筒壁30には、弾性薄膜4が嵌設され、空気圧縮機により発生された圧縮空気が、複数の排気孔31,32を通って弾性薄膜4を押動し、空気貯蔵ユニット5の空気貯蔵チャンバ50内に進入し、弾性薄膜4が速やかに閉じる特性を利用し、空気貯蔵ユニット5の空気貯蔵チャンバ50内に進入する単位時間当たりの圧縮空気量を増大させ、圧縮された空気が排気孔31,32を速やかに通って空気貯蔵チャンバ50内に進入し、ピストン本体14が円滑に動作してポンピング効率を高めることができるため、本発明は進歩性を備えて実用的である。
【符号の説明】
【0014】
2:シリンダ
3:排気ベース
4:弾性薄膜
5:空気貯蔵ユニット
6:圧力計
7:圧力解放バルブ
8:安全弁
9:空気貯蔵ユニット
11:メインフレーム
12:モータ
13:歯車
14:ピストン本体
21:頂壁
22:流通口
23:長側板
30:外筒壁
31:排気孔
32:排気孔
33:環状凹溝
34:窪み部
35:圧力貯蔵空間
36:位置決め座
37:シールリング
41:環状ショルダ
50:空気貯蔵チャンバ
51:開口
52:マニホールド
53:マニホールド
54:マニホールド
55:マニホールド
56:平面側板
90:空気貯蔵チャンバ
91:上連通口
92:トップカバー
210:位置決め溝
231:嵌合クランプ
232:収容槽
340:頂端面
360:外環溝
561:ドッキングプレート
562:収容槽
A:孔径
B:孔径